JP4363504B2 - コード入りゴム状弾性シート材料の製造方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、タイヤ構成材料等に使用されるコード入りゴム状弾性シート材料の製造方法及び装置に関し、更に詳しくは、次工程の要求に応じたコード入りシート状材料を短時間に成形できる多品種・少量生産に適したコード入りゴム状弾性シート材料の製造方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、タイヤ構成材料等に使用される幅狭なコード入りシートゴムを貼合わせてべルト材等を製造する方法や装置は知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、コード密度の変更(エンド変更)や角度変更等の段取り替えを行う際、多くの手間と時間がかかり、また先の材料の端材が生じるのが一般的である。
【0004】
また、大型のカレンダー設備を使用して製造することも可能であるが、多品種・少量生産においては、材料及び作業時間のロスが大きいと言う問題があった。
【0005】
この発明の目的は、コード入りゴム状弾性シート材料の製造時におけるコード密度の段取り替えや、角度変更、幅変更、長さ変更等を瞬時に行うことが出来ることにより、次工程からの要求に即座に対応させてシート状材料を成形でき、またその際のシート状材料の端材の発生を防止でき、次工程に直結した構造で、小型な設備とすることが出来、多品種・少量生産に適したコード入りゴム状弾性シート材料の製造方法及び装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明のコード入りゴム状弾性シート材料の製造方法は、クリールスタンドから巻出されたスチールコードまたは繊維コードの一本のコード材料に押出し機によりゴム状弾性体を被覆し、このインシュレーションしたシングルコードを、シングルコード供給装置から回転駆動させた拡縮可能な成形用ドラム上に上に供給し、密接させながらピッチ送りで螺旋状に巻付けることにより所定の長さの筒状体を成形し、次いで、成形用ドラム上の筒状体の端末部に、切断装置のカッターを所定の角度で押付けると共に、前記成形用ドラムをドラム軸方向に所定の速度で移動させ、前記筒状体を所定幅に切断し、平行四辺形状のシート状材料を製造することを要旨とするものである。
【0007】
また他の製造方法として、前記シングルコード供給装置を複数台設置し、これら複数台のシングルコード供給装置からそれぞれシングルコードを複数本同時に引き出して各コード材料に押出し機によりゴム状弾性体を被覆した後、成形用ドラム上に密接させながらピッチ送りで螺旋状に巻付けることにより所定の長さの筒状体を成形し、成形用ドラム上の筒状体の端末部に、複数台の切断装置により、同時に幅の異なる複数枚の平行四辺形状のシート状材料を製造することも可能である。
【0008】
また、この発明のコード入りゴム状弾性シート材料の製造装置は、軸方向に移動可能で、かつ着脱可能に支持された拡縮可能な成形用ドラムと、この成形用ドラム上に、単一コードにゴム状弾性体を押出して被覆する押出し機から成る少なくとも一台以上のシングルコード供給装置と、前記成形用ドラム上に巻付けられた筒状体を所定幅に切断する固定または移動可能な少なくとも一台以上の切断装置とから成ることを要旨とするものである。
【0009】
ここで、シングルコード供給装置を複数台設置し、これら複数台から複数本のシシグルコードを同時にそれぞれ引き出して前記成形用ドラム上に巻き付けるように構成し、前記切断装置のカッターは、切断角度を任意に設定でき、更に前記切断装置を複数台設置し、幅の異なる複数枚のシート状材料を同時に切断するように構成することも可能である。
【0010】
この発明は、上記のように構成され、クリールスタンドから巻出されたスチールコードまたは繊維コードの一本のコード材料に押出し機によりゴム状弾性体を被覆し、このインシュレーションしたシングルコードを、シングルコード供給装置から回転駆動させた拡縮可能な成形用ドラム上に上に供給し、密接させながらピッチ送りで螺旋状に巻付けることにより所定の長さの筒状体を成形し、次いで、成形用ドラム上の筒状体の端末部に、切断装置のカッターを所定の角度で押付けると共に、前記成形用ドラムをドラム軸方向に所定の速度で移動させ、前記筒状体を所定幅に切断し、平行四辺形状のシート状材料を製造することにより、コード密度の段取り替えや、角度変更、幅変更、長さ変更等を瞬時に行うことが出来ると共に、その際のシート状材料の端材の発生を防止でき、次工程に直結した構造で、小型な設備とすることが出来、多品種・少量生産に適したものとすることが出来るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づきこの発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、この発明にかかるコード入りゴム状弾性シート材料の製造方法を実施する装置の正面図、図2は図1の平面図、図3は図1の左側面図を示す。
【0013】
この製造装置は、機台フレーム1上に長手方向に沿って二本平行なガイドレール2が敷設され、このガイドレール2上に、ガイドレール2に沿ってスライド可能なベースプレート3が設置されている。
【0014】
ベースプレート3上には、軸受け装置4a,4bを介して回転可能で、かつ駆動モータ5により回転駆動可能な成形用ドラム6が設置され、この成形用ドラム6は、周方向に複数に分割されて拡径または縮径可能となっている。
【0015】
前記機台フレーム1の側面には、成形用ドラム6を軸方向に移動させるドラム移動装置7が設置され、このドラム移動装置7は、機台フレーム1の横フレーム1a上に軸受け8を介してボールネジ9が水平に設置され、このボールネジ9は横フレーム1a上の端末部に設置されたサーボモータ10と直結して回転駆動されるようになっている。
【0016】
また、前記ボールネジ9にはナット11が螺嵌され、このナット11は、前記ベースプレート3の側面に固定されたプレート11と一体的に連結され、ボールネジ9の回転駆動によりボールネジ9に沿ってナット11が移動すると、成形用ドラム6が設置されたベースプレート3もガイドレール2に沿って水平方向に往復移動するように構成されている。
【0017】
また、前記成形用ドラム6上には、クリール12aから巻出されたスチールコードまたは繊維コード等の一本のコード材料Wにゴム等のゴム状弾性体を被覆する押出し機12b等から成るシングルコード供給装置12が設置されている。
【0018】
また、前記機台フレーム1には、固定フレーム13を介して回転可能なカッター14(円板カッター)を備えた切断装置15が設置され、この切断装置15は、固定フレーム13上に設置されたレール16に載置され、エアーシリンダー17により成形用ドラム6に向かって進退可能で、かつ旋回位置決め可能に構成されている。18はカッター14の回転駆動モータを示している。
【0019】
なお、上記の実施形態では、所定幅のシート状材料Sを1台の切断装置15により切断する装置について説明したが、この実施形態に限定されず、切断装置を複数台設置し、同時に幅の異なる複数枚のシート状材料を切断するように構成することも可能である。
【0020】
また、シングルコード供給装置12を複数台設置し、これら複数台のシングルコード供給装置12からそれぞれシングルコードを複数本同時に引き出して成形用ドラム6上に巻き付けるようにすることも可能である。
【0021】
次に、図4(a)〜(c)を参照しながらコード入りゴム状弾性シート材料の製造方法について説明する。
【0022】
まず、図示しないクリールスタンドから巻出されたスチールコードまたは繊維コード等の一本のコード材料Wに押出し機によりゴム等のゴム状弾性体を被覆し、このインシュレーションしたシングルコードをシングルコード供給装置12から拡縮可能な成形用ドラム6上に供給し、密接させながらピッチ送りで螺旋状に巻付けることにより、図4(a)に示すように所定の長さの筒状体Waを成形する。
【0023】
次いで、成形用ドラム6上の筒状体Waの端末部に切断装置15のカッター14を所定の角度αで押付けると共に、前記成形用ドラム6を所定の速度で回転させると共に、図4(b)に示すように、成形用ドラム6をドラム軸方向(X方向)に所定の速度で移動させる。
【0024】
すると成形用ドラム6上の筒状体Waは、図4(c)に示すように、所定幅Hで切断され、この切断された帯状の材料はコード入りの平行四辺形状のシート状材料Sに成形される。
【0025】
シート状材料Sの幅Hや長さLは、切断装置15のカッター14の切断角度αにより設定され、このシート状材料Sの長さLは、タイヤ一本分の周長に対応させて形成するものである。また、成形用ドラム6の径と巻付け幅H及び切断装置15の切断角度αにより、任意のシート状材料Sを得ることが出来る。
【0026】
また、複数台の切断装置15を使用する場合には、幅の異なった複数枚のシート状材料Sを同時に切断して製造することも可能である。また、シングルコード供給装置12を複数台設置して、複数本のシングルコードを同時に成形用ドラム6上に巻き付けるようにすることも可能である。
【0027】
以上のように、拡縮可能な成形用ドラム6上に密接させながら螺旋状に巻付けた所定の長さの筒状体Sを、切断装置15のカッター14を所定の角度αで押付けると共に、前記成形用ドラム6または切断装置15の少なくとも一方を、成形用ドラム6を所定の速度で回転させると共に、ドラム軸方向に移動させて筒状体Waを所定幅に切断して平行四辺形状のシート状材料Sを成形するので、コード密度の段取り替えや、角度変更、幅変更、長さ変更等を瞬時に行うことが出来ると共に、その際のシート状材料の端材の発生を防止でき、次工程に直結した構造で、小型な設備とすることが出来、多品種・少量生産に適したものとすることが出来るものである。
【0028】
【発明の効果】
この発明は、上記のように構成したので、以下のような優れた効果を奏するものである。
【0029】
▲1▼ コード密度の段取り替えや、角度変更、幅変更、長さ変更等を瞬時に行うことが出来ると共に、その際のシート状材料の端材の発生を防止できる。
【0030】
▲2▼ 次工程に直結した構造とすることが出来るので、作業性及び生産性を向上させることが出来る。
【0031】
▲3▼ 小型な設備とすることが出来、多品種・少量生産に適したものとすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるコード入りゴム状弾性シート材料の製造方法を実施するための製造装置の正面図である。
【図2】図1の装置の平面図である。
【図3】図1の装置の左側面図である。
【図4】(a)〜(c)は、コード入りゴム状弾性シート材料の製造工程の説明図である。
【符号の説明】
1 機台フレーム 1a 横フレーム
2 ガイドレール 3 ベースプレート
4a,4b 軸受け装置 5 駆動モータ
6 成形用ドラム 7 ドラム移動装置
8 軸受け 9 ボールネジ
10 サーボモータ 11 ナット
12 シングルコード供給装置 13 固定フレーム
12a クリール 12b 押出し機
14 カッター(円板カッター) 15 切断装置
16 レール 17 エアーシリンダー
18 回転駆動モータ W コード材料
Wa 筒状体 S シート状材料
Claims (7)
- クリールスタンドから巻出されたスチールコードまたは繊維コードの一本のコード材料に押出し機によりゴム状弾性体を被覆し、このインシュレーションしたシングルコードを、シングルコード供給装置から回転駆動させた拡縮可能な成形用ドラム上に上に供給し、密接させながらピッチ送りで螺旋状に巻付けることにより所定の長さの筒状体を成形し、次いで、成形用ドラム上の筒状体の端末部に、切断装置のカッターを所定の角度で押付けると共に、前記成形用ドラムをドラム軸方向に所定の速度で移動させ、前記筒状体を所定幅に切断し、平行四辺形状のシート状材料を製造するコード入りゴム状弾性シート材料の製造方法。
- 前記シングルコード供給装置を複数台設置し、これら複数台のシングルコード供給装置からそれぞれシングルコードを複数本同時に引き出して各コード材料に押出し機によりゴム状弾性体を被覆した後、成形用ドラム上に密接させながらピッチ送りで螺旋状に巻付けることにより所定の長さの筒状体を成形し、成形用ドラム上の筒状体の端末部に、複数台の切断装置により、同時に幅の異なる複数枚の平行四辺形状のシート状材料を製造する請求項1に記載のコード入りゴム状弾性シート材料の製造方法。
- 前記切断された平行四辺形状のシート状材料の長さを、タイヤ一本分の周長に設定する請求項1または2に記載のコード入りゴム状弾性シート材料の製造方法。
- 軸方向に移動可能で、かつ着脱可能に支持された拡縮可能な成形用ドラムと、この成形用ドラム上に、単一コードにゴム状弾性体を押出して被覆する押出し機から成る少なくとも一台以上のシングルコード供給装置と、前記成形用ドラム上に巻付けられた筒状体を所定幅に切断する固定または移動可能な少なくとも一台以上の切断装置とから成るコード入りゴム状弾性シート材料の製造装置。
- 前記シングルコード供給装置を複数台設置し、これら複数台から複数本のシシグルコードを同時にそれぞれ引き出して前記成形用ドラム上に巻き付けるように構成した請求項4に記載のコード入りゴム状弾性シート材料の製造装置。
- 前記切断装置のカッターは、切断角度を任意に設定できる請求項4又は5に記載のコード入りゴム状弾性シート材料の製造装置。
- 前記切断装置を複数台設置し、幅の異なる複数枚のシート状材料を同時に切断するように構成した請求項4,5又は6に記載のコード入りゴム状弾性シート材料の製造装置。
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