JP4360324B2 - 筒内直噴射式内燃機関における空燃比制御装置 - Google Patents
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Description
しかし、特許文献1に開示されているような制御装置では、内燃機関の筒内に供給された吸入空気の燃焼時の化学反応による体積変化にともなう筒内トラップ率に対する影響は考慮されていないため、その精度において改善の余地が残されていると考える。
これにより、吸入空気の吹き抜けと、該吸入空気の吹き抜けによるポート噴射用インジェクタから供給された燃料量への影響とを考慮した筒内空燃比の把握が可能となり、バルブオーバーラップを有する筒内直噴エンジン、特に、直噴用インジェクタとポート噴射用インジェクタとを備える筒内直噴エンジンにおける筒内空燃比を高精度に制御することが可能となる。
これにより、吸入空気および排気ガス中の酸素のモル数に基づいた筒内空燃比の把握が可能となり、筒内空燃比バルブオーバーラップを有する筒内直噴エンジンにおける筒内空燃比を高精度に制御することが可能となる。
これにより、筒内に供給された吸入空気中の酸素のモル数と、筒内から排出された排気ガス中の酸素モル数とを精度良く把握することができる。
これにより、筒内から排出される排気ガスの体積を精度良く把握することができる。
これにより、排気ガスの体積を、請求項4で示されたような一酸化炭素濃度検出手段と二酸化炭素濃度検出手段と炭化水素濃度検出手段とを必要とすることなく算出でき、当該空燃比制御装置の構造簡素化を可能とする。
ここで、吸入空気と排気ガスの体積比係数とは、筒内に供給された吸入空気の体積と筒内から排出された排気ガスの体積との比であり、予め実験などにより決定される。
これにより、筒内に供給された吸入空気の吹き抜けを考慮した筒内空燃比の把握が可能となり、バルブオーバーラップを有する筒内直噴エンジンにおける筒内空燃比を高精度に制御することが可能となる。
これにより、筒内に供給された吸入空気の吹き抜けを考慮した筒内空燃比の把握が可能となり、バルブオーバーラップを有する筒内直噴エンジンにおける筒内空燃比を高精度に制御することが可能となる。
図1は、本発明の内燃機関の空燃比制御装置の第一の実施形態の概略構成図であって、機関本体の気筒を示した部分断面図である。図1において、1は気筒、2は気筒に吸入空気を供給するための吸気ポート、3は気筒から排気ガスを排出するための排気ポート、4は筒内(燃焼室)、5は吸気バルブ、6は排気バルブである。また、18はバルブオーバーラップ時に吹き抜ける空気を示している。
まずステップ21にて、INJ噴射すなわち直噴用インジェクタ12から燃料が筒内4に噴射される。
続いてステップ22にて、Ga検出用エアフロメータ11、CO濃度検出センサ15、CO2濃度検出センサ16およびHC濃度検出センサ17のそれぞれから検出され得られる、吸気ポート2を通して筒内4に供給された空気量すなわち吸入空気量と、排気ポート3を通して排出される排気ガス中の一酸化炭素濃度、二酸化炭素濃度および全炭化水素濃度とを演算器14に読み込む。尚、本ステップ22において、演算器14には、O2濃度検出センサ13から得られる排気ガス中の酸素濃度も併せて読み込まれる。
続いてステップ23にて、ステップ22にて得られた吸入空気量と、排気ガス中の一酸化炭素濃度、二酸化炭素濃度および全炭化水素濃度とに基づいて、演算器14により排気ガス体積を算出する。
続いてステップ24にて、ステップ23にて算出された排気ガス体積と、O2濃度検出センサ13から検出して得られた酸素濃度と、Ga検出用エアフロメータ11から検出された吸入空気量とに基づいて、演算器14により、筒内4に供給された吸入空気中の酸素モル数と、筒内4から排出された排気ガス中の酸素のモル数とを算出し、筒内4に供給された吸入空気のうち燃焼に寄与しない吹き抜け空気の割合を示す吸入空気の吹き抜け率を算出する。
ここで、筒内4に供給された吸入空気中の酸素モル数M1の算出は、下記に示す式1により算出される。
〔数1〕
M1=(Ga/Mair)×En(O2)
上記式1の中で、GaはGa検出用エアフロメータ11から得られる吸入空気量、Mairは大気の平均分子量、En(O2)は大気中に含まれる平均酸素濃度(20.99(%))である。
また、筒内4から排出された排気ガス中の酸素モル数M2の算出は、下記に示す式2により算出される。
〔数2〕
M2=Q×O2/V
上記式2の中で、Qはステップ23にて算出された排気ガス体積、O2はO2濃度検出センサ13から得られる排気ガス中の酸素(O2)濃度、Vはモル体積(22.4(L/mol))である。
更に、吸入空気の吹き抜け率Kは、下記に示す式3により算出される。
〔数3〕
K=M2/M1=Q×O2/En(O2)/V/(Ga/Mair)
続いてステップ25にて、ステップ24にて算出された吸入空気の吹き抜け率と、排気ガスの空燃比(排気A/F)とに基づいて筒内空燃比を算出する。本第一の実施形態においては、排気ガスの空燃比は、ステップ22にてCO濃度検出センサ15、CO2濃度検出センサ16およびHC濃度検出センサ17のそれぞれから検出された排気ガス中の一酸化炭素濃度、二酸化炭素濃度および全炭化水素濃度に基づいて算出される。
筒内空燃比S(A/F)の算出は、下記に示す式4により算出される。
〔数4〕
S(A/F)=(1−K)×E(A/F)
上記式4の中で、Kはステップ24にて算出された吸入空気の吹き抜け率、E(A/F)は排気ガスの空燃比である。
続いてステップ26にて、ステップ25にて算出された筒内空燃比が、予め設定された目標空燃比に比べて大きいか否かを判断する。例えば、算出された筒内空燃比が目標空燃比よりも大きい場合には、ステップ27に進み、直噴用インジェクタ12からの燃料噴射量(以下、D4噴射量と称す)を増量すべく、直噴用インジェクタ12の燃料噴射を制御する。また、算出された筒内空燃比が目標空燃比よりも小さい場合には、ステップ28に進み、D4噴射量を減量すべく、直噴用インジェクタ12の燃料噴射を制御する。
また、CO濃度検出センサ15、CO2濃度検出センサ16、HC濃度検出センサ17および演算器14とが協働して排気空燃比検出手段を形成することで、排気ガスの空燃比を把握でき、この排気ガスの空燃比と吸入空気の吹き抜け率とから筒内空燃比を算出することが可能となる。
更に、算出された筒内空燃比に基づいて、直噴インジェクタ12からの燃料噴射量を演算器14により制御することで、筒内4を目標空燃比に高精度に制御することが可能となる。
尚、排気ガス中に含まれる酸素には、厳密には、バルブオーバーラップ期間中に吸気ポート2から供給された空気のうちそのまま排気ポート3から排出される吹き抜け空気中に含まれる酸素と、筒内4で燃焼せずに残った酸素すなわち未燃焼酸素とが含まれることになるが、筒内4の目標空燃比を理論空燃比あるいはリッチ空燃比とする場合には、排気ガス中に含まれる未燃焼酸素はほとんど存在しないと考えられ、未燃焼酸素の存在による吸入空気の吹き抜け率の算出にあたっての影響はほとんど無視できると考えられる。
従って、本第一の実施形態においては、特に、筒内4の目標空燃比を、理論空燃比あるいはリッチ空燃比とする場合に有効となる。
但し、目標空燃比をリーン空燃比とする場合においても、図1には示していないが、例えば、未燃焼酸素の濃度を検出する酸素濃度検出センサを筒内4に備えることにより、排気ガス中の吹き抜け空気中のみの酸素濃度を算出することで、吸入空気の吹き抜け率の精度を向上させることができる。
図3は、本発明の内燃機関の空燃比制御装置の第二の実施形態の概略構成図であって、機関本体の気筒を示した部分断面図である。図1と同様に、図3において、1は気筒、2は吸気ポート、3は排気ポート、4は筒内(燃焼室)、5は吸気バルブ、6は排気バルブである。また、36はバルブオーバーラップ時に吹き抜ける空気を示している。
まずステップ41にて、INJ噴射すなわち直噴用インジェクタ32から燃料が筒内4に噴射される。
続いてステップ42にて、Ga検出用エアフロメータ31から検出される、吸気ポート2を通して筒内4に供給された空気量すなわち吸入空気量を演算器34に読み込む。尚、本ステップ42において、演算器34には、O2濃度検出センサ33から得られる排気ガス中の酸素濃度と、排気A/F検出センサ35から得られる排気ガスの空燃比(排気A/F)も併せて読み込まれる。
続いてステップ43にて、ステップ42にて得られた吸入空気量と、吸入空気と排気ガスとの体積比係数とに基づいて、演算器34により排気ガス体積を算出する。ここで、吸入空気と排気ガスとの体積比係数とは、筒内4に供給された吸入空気の体積と、筒内4から排出された排気ガスの体積との比であり、予め実験などにより決定される。尚、バルブオーバーラップ期間中に吸気ポート2から供給された空気のうちそのまま排気ポート3から排出される吹き抜け空気が無いとした場合には、吸入空気と排気ガスとの体積比係数は、約1.11であることが実験等により判明した。厳密とは言えないまでも、吸入空気と排気ガスの体積比を約1.11として排気ガスの体積を算出し、この算出された排気ガスの体積を使用して、本ステップに続くステップ44による方法で吸入空気の吹き抜け率を算出することは、吸入空気の燃焼時の化学反応による体積変化を考慮せずに吸入空気の吹き抜け率を算出する場合と比較して、精度良い吸入空気の吹き抜け率の算出に寄与できると考える。
続いてステップ44にて、筒内4に供給された吸入空気のうち燃焼に寄与しない吹き抜け空気の割合を示す吸入空気の吹き抜け率を算出する。この吸入空気の吹き抜け率の算出方法については、本発明の第一の実施形態のステップ24と同様である。
続いてステップ45にて、ステップ44にて算出された吸入空気の吹き抜け率と、ステップ42にて得られた排気ガスの空燃比とに基づいて筒内空燃比を算出する。筒内空燃比の算出方法については、本発明の第一の実施形態のステップ25と同様である。
続いてステップ46からステップ48にて、筒内空燃比を目標空燃比、例えば理論空燃比にすべく、直噴用インジェクタ12の燃料噴射を制御する。この制御方法については、本発明の第一の実施形態のステップ26からステップ28と同様である。
また、本第二の実施形態は、第一の実施形態で構成要件とされたCO濃度検出センサ15、CO2濃度検出センサ16およびHC濃度検出センサ17を構成要件とはせず、当該空燃比制御装置の構造の簡素化が可能となる。
更に、筒内空燃比の算出および筒内空燃比の制御に対する作用効果は、第一の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
尚、本第二の実施形態におけるステップ44にて示された吸入空気の吹き抜け率の算出方法は、第一の実施形態のステップ24に示された方法と同様であり、従って、排気ガス中に含まれる未燃焼酸素はほとんど存在しないと考えることができる、筒内空燃比を理論空燃比あるいはリッチ空燃比とする場合に、本第二の実施形態は特に有効となる。また、目標空燃比をリーン空燃比とする場合においても、第一の実施形態と同様に、例えば、未燃焼酸素の濃度を検出する酸素濃度検出センサを筒内4に備えることにより、排気ガス中の吹き抜け空気中のみの酸素濃度を算出することで、吸入空気の吹き抜け率の精度を向上させることができる。
図5は、本発明の内燃機関の空燃比制御装置の第三の実施形態の概略構成図であって、機関本体の気筒を示した部分断面図である。図1と同様に、図5において、1は気筒、2は吸気ポート、3は排気ポート、4は筒内(燃焼室)、5は吸気バルブ、6は排気バルブである。また、55はバルブオーバーラップ時に吹き抜ける空気を示している。
まずステップ61にて、INJ噴射すなわち直噴用インジェクタ52から燃料が筒内4に噴射される。
続いてステップ62にて、Ga検出用エアフロメータ51から検出される吸入空気量を演算器53に読み込む。尚、本ステップ62において、演算器53には、バルブオーバーラップ検出手段56およびエンジン回転数検出手段57から検出されるバルブオーバーラップ値およびエンジン回転数も併せて読み込まれる。
続いてステップ63にて、吸入空気の吹き抜け率を、該吸入空気の吹き抜け率と吸入空気量とバルブオーバーラップ値とエンジン回転数との予め定められた関係に基づいて算出する。吸入空気の吹き抜け率と吸入空気量とバルブオーバーラップ値とエンジン回転数との予め定められた関係は、実験等により把握され、例えば、吸入空気量とバルブオーバーラップ値とエンジン回転数とをパラメータとして吸入空気の吹き抜け率の算出を可能とするデータ−ベース化された吹き抜け率マップ(3次元マップ)として、演算器53のメモリーに記憶させることが考えられる。
続いてステップ64にて、ステップ63にて算出された吸入空気の吹き抜け率と、ステップ62にて得られた排気ガスの空燃比とに基づいて筒内空燃比を算出する。筒内空燃比の算出方法については、本発明の第一の実施形態のステップ25と同様である。
続いてステップ65からステップ67にて、筒内空燃比を目標空燃比、例えば理論空燃比にすべく、直噴用インジェクタ52の燃料噴射を制御する。この制御方法については、本発明の第一の実施形態のステップ26からステップ28と同様である。
また、筒内空燃比の算出および筒内空燃比の制御に対する作用効果は、第一の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
図7は、本発明の内燃機関の空燃比制御装置の第四の実施形態の概略構成図であって、機関本体の気筒を示した部分断面図である。図1と同様に、図7において、1は気筒、2は吸気ポート、3は排気ポート、4は筒内(燃焼室)、5は吸気バルブ、6は排気バルブである。また、76はバルブオーバーラップ時に吹き抜ける空気を示している。
まずステップ81にて、INJ噴射すなわち直噴用インジェクタ72から燃料が筒内4に噴射される。
続いてステップ82およびステップ83にて、E(Ga)検出用エアフロメータ71から得られる吸入空気量と、筒内圧力センサ75から算出された筒内空気量とを、演算器73に読み込む。またこの際、演算器73には、排気A/F検出センサ74から得られる排気ガスの空燃比(排気A/F)も併せて読み込まれる。
続いてステップ84にて、E(Ga)検出用エアフロメータ71から検出された吸入空気量と、筒内圧力センサ75から算出された筒内空気量とに基づいて、演算器73により、筒内4に供給された吸入空気のうち燃焼に寄与しない吹き抜け空気の割合を示す吸入空気の吹き抜け率を算出する。
ここで、吸入空気の吹き抜け率Kの算出は、下記に示す式5により算出される。
〔数5〕
K=(E(Ga)−T(Ga))/E(Ga)
上記式5の中で、E(Ga)はE(Ga)検出用エアフロメータから得られる吸入空気量、T(Ga)は筒内圧センサ75から得られる筒内空気量である。
続いてステップ85にて、ステップ84にて算出された吸入空気の吹き抜け率と、排気A/Fセンサ74から得られた排気ガスの空燃比とに基づいて筒内空燃比を算出する。筒内空燃比の算出方法については、本発明の第一の実施形態のステップ25と同様である。
続いてステップ86からステップ88にて、筒内空燃比を目標空燃比、例えば理論空燃比にすべく、直噴用インジェクタ72の燃料噴射を制御する。この制御方法については、本発明の第一の実施形態のステップ26からステップ28と同様である。
尚、筒内空燃比の算出および筒内空燃比の制御に対する作用効果は、第一の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
図9は、本発明の内燃機関の空燃比制御装置の第五の実施形態の概略構成図であって、機関本体の気筒を示した部分断面図である。図1と同様に、図9において、1は気筒、2は吸気ポート、3は排気ポート、4は筒内(燃焼室)、5は吸気バルブ、6は排気バルブである。また、95はバルブオーバーラップ時に吹き抜ける空気を示している。
まずステップ101にて、INJ噴射すなわち、直噴用インジェクタ92およびポート噴射用インジェクタの少なくとも一方から燃料を噴射する。
続いてステップ102にて、E(Ga)検出用エアフロメータ91から得られる吸入空気量を演算器94に読み込む。尚、本ステップ92において、演算器94には、吸入空気の吹き抜け率を算出するための各構成要素と、直噴燃料噴射量検出手段96と、ポート噴射燃料噴射量検出手段97とから得られる検出値も併せて読み込まれる。
続いてステップ103にて、前述した第一の実施形態から第四の実施形態に示した吸入空気吹き抜け率算出方法のうちのいずれか一つの方法により、筒内4に供給された吸入空気のうち燃焼に寄与しない吹き抜け空気の割合を示す吸入空気の吹き抜け率を算出する。
続いて、ステップ104にて、ポート噴射用インジェクタ93からの燃料噴射量とステップ103にて算出された吸入空気の吹き抜け率とに基づいて、バルブオーバーラップ期間中に吹き抜けずに筒内4に残ったポート噴射の燃料量を算出する。
ここで、筒内4の残ったポート噴射の燃料量T(Qpfi)の算出は、下記に示す式6により算出される。
〔数6〕
T(Qpfi)=E(Qpfi)×(1−K)
上記式6の中で、E(Qpfi)はポート噴射の全噴射量、Kは吸入空気の吹き抜け率である。
続いてステップ105にて、ステップ102にて検出された吸入空気量および直噴の燃料噴射量、ステップ103にて算出された吸入空気の吹き抜け率と、ステップ104にて算出された筒内4に残ったポート噴射の燃料量と、に基づいて筒内空燃比を算出する。
ここで、筒内空燃比S(A/F)の算出は、下記に示す式7により算出される。
〔数7〕
S(A/F)=(Ga×(1−K))/(Qd4+T(Qpfi))
上記式7の中で、GaはE(Ga)検出用エアフロメータ91から得られた吸入空気量、Kはステップ103で算出された吸入空気の吹き抜け率、Qd4は直噴インジェクタ92から噴射された直噴の燃料噴射量、T(Qpfi)はステップ104にて算出された筒内4に残ったポート噴射の燃料量である。
続いてステップ106にて、ステップ105にて算出された筒内空燃比が、予め設定された目標空燃比に比べて大きいか否かを判断する。例えば、筒内空燃比が目標空燃比よりも大きい場合には、ステップ107に進み、直噴用インジェクタ92からの燃料噴射量(D4の噴射量)およびポート噴射用インジェクタ93からの燃料噴射量(PFIの噴射量)の少なくとも一方の燃料噴射量を増量すべく、直噴用インジェクタ92およびポート噴射用インジェクタ93の少なくとも一方の噴射を制御する。また、筒内空燃比が目標空燃比よりも小さい場合には、ステップ108に進み、直噴用インジェクタ92からの燃料噴射量およびポート噴射用インジェクタ93からの燃料噴射量の少なくとも一方の燃料噴射量を減量すべく、直噴用インジェクタ92およびポート噴射用インジェクタ93の少なくとも一方の噴射を制御する。
更に、算出された筒内空燃比に基づいて、直噴インジェクタ92およびポート噴射用インジェクタ93の少なくとも一方からの燃料噴射量を演算器94により制御することで、筒内を目標空燃比、例えば理論空燃比に高精度に制御することが可能となる。
2 吸気ポート
3 排気ポート
4 筒内
5 吸気バルブ
6 排気バルブ
11 Ga検出用エアフロメータ
12 直噴用インジェクタ
13 O2濃度検出用センサ
14 演算器
15 CO濃度検出センサ
16 CO2濃度検出センサ
17 HC濃度検出センサ
Claims (7)
- 内燃機関の筒内へ燃料を噴射するための前記筒内に噴孔を開口する直噴用インジェクタと吸気系にポート噴射用インジェクタとを備え且つバルブオーバーラップを有する筒内直噴射式内燃機関の空燃比制御装置において、
前記筒内に供給された吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
前記筒内に供給された吸入空気のうち燃焼に寄与しない吹き抜け空気の割合を示す吸入空気の吹き抜け率を算出する吸入空気吹き抜け率算出手段と、
前記直噴用インジェクタからの燃料噴射量を検出する直噴燃料噴射量検出手段と、
前記ポート噴射用インジェクタからの燃料噴射量を検出するポート噴射燃料噴射量検出手段と、
前記吸入空気吹き抜け率算出手段により算出された吸入空気の吹き抜け率と、前記ポート噴射燃料噴射量検出手段から検出された燃料噴射量とに基づいて、前記ポート噴射用インジェクタから供給された燃料のうち前記筒内に残留する燃料量を算出するポート噴射筒内残留燃料量算出手段とを有し、
前記吸入空気量検出手段により検出された吸入空気量と、前記吸入空気吹き抜け率算出手段により算出された吸入空気の吹き抜け率と、前記直噴燃料噴射量検出手段から検出された燃料噴射量と、前記ポート噴射筒内残留燃料量算出手段から算出された前記筒内の残留燃料量とに基づいて、前記筒内の空燃比を算出し、前記直噴用インジェクタおよび前記ポート噴射用インジェクタの少なくとも一方からの燃料噴射量を制御することにより前記筒内を目標空燃比に制御する、
ことを特徴とする空燃比制御装置。 - 前記吸入空気吹き抜け率算出手段は、前記筒内に供給された吸入空気中の酸素のモル数を算出する第一の酸素モル数算出手段と、前記筒内から排出された排気ガス中の酸素のモル数を算出する第二の酸素モル数算出手段と、を有し、
前記第一の酸素モル数算出手段から算出された吸入空気中の酸素のモル数と、前記第二の酸素モル数算出手段から算出された排気ガス中の酸素のモル数とに基づいて、前記筒内に供給された吸入空気のうち燃焼に寄与しない吹き抜け空気の割合を示す吸入空気の吹き抜け率を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の空燃比制御装置。 - 前記第一の酸素モル数算出手段および前記第二の酸素モル数算出手段は、前記筒内に供給された吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、前記筒内から排出された排気ガス中の酸素濃度を検出する排気ガス酸素濃度検出手段と、前記筒内から排気された排気ガスの体積を算出する排気ガス体積算出手段と、を有し、
前記筒内に供給された吸気空気中の酸素のモル数は、前記吸入空気量検出手段から検出された吸入空気量に基づいて算出され、
前記筒内から排出された排気ガス中の酸素モル数は、前記排気ガス体積算出手段から算出された排気ガスの体積と、前記排気ガス酸素濃度検出手段から検出された排気ガス中の酸素濃度と、に基づいて算出される、
ことを特徴とする請求項2に記載の空燃比制御装置。 - 前記排気ガス体積算出手段は、前記吸入空気量検出手段と、前記筒内から排出された排気ガス中の一酸化炭素と二酸化炭素と炭化水素とのそれぞれの濃度を検出する、一酸化炭素濃度検出手段と、二酸化炭素濃度検出手段と、炭化水素濃度検出手段と、を有し、
前記吸入空気量検出手段から検出された吸入空気量と、前記一酸化炭素濃度検出手段と前記二酸化炭素濃度検出手段と前記炭化水素濃度検出手段とのそれぞれから検出された排気ガス中の一酸化炭素と二酸化炭素と炭化水素とに基づいて、前記筒内から排出される排気ガスの体積を算出する、
ことを特徴とする請求項3に記載の空燃比制御装置。 - 前記排気ガス体積算出手段は、前記吸入空気量検出手段から検出された吸入空気量と、吸入空気と排気ガスの体積比係数とに基づいて、前記筒内から排気された排気ガスの体積を算出する、
ことを特徴とする請求項3に記載の空燃比制御装置。 - 前記吸入空気吹き抜け率算出手段は、
前記筒内に供給された吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
バルブオーバーラップ値を検出するバルブオーバーラップ検出手段と、
エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、を有し、
吸入空気の吹き抜け率を、該吸入空気の吹き抜け率と吸入空気量とバルブオーバーラップ値とエンジン回転数との予め定められた関係に基づいて算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の空燃比制御装置。 - 前記吸入空気吹き抜け率算出手段は、
前記筒内に供給された吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
前記筒内の圧力を検出する筒内圧センサを使用して前記筒内の空気量を算出する筒内空気量算出手段と、を有し、
前記吸入空気量検出手段から検出された吸入空気量と、前記筒内空気量算出手段から算出された筒内空気量とに基づいて、前記筒内に供給された吸入空気のうち燃焼に寄与しない吹き抜け空気の割合を示す吸入空気の吹き抜け率を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の空燃比制御装置。
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