JP4360054B2 - 鉛蓄電池の残存容量または/および残存寿命の予測方法とその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉛蓄電池の残存容量または/および残存寿命を予測する方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉛蓄電池は幅広い条件や環境下で使用でき、しかも、安価で製造し易いといった利点を持つ二次電池であることから、自動車、ハイブリッド自動車などのエンジン始動、加速および種々の電装品に対する電力供給用、通信機、電気自動車などのサイクル用や無停電電源装置(UPS)などの停電補償のためのトリクル用の電池として広く普及している。
【0003】
鉛蓄電池等の二次電池は、充放電を繰り返すことにより徐々に性能が劣化する。具体的には、内部抵抗が増えて電力損失が増加し、満充電しても所定の出力が得られず、かつ使用できる期間が短くなる。劣化した電池を使用し続けることは、誤動作等のトラブルの発生原因になり好ましくない。そのため電池の劣化状態を検知すること、すなわち残存寿命を知ることが重要である。また、使用中においても特に可搬用電池は、放電状態や劣化状態により残りの放電可能な容量が変わるので、随時電池の残存容量を検知することが重要である。
【0004】
鉛蓄電池の劣化状態を知るには、種々の方法が提案されている。特に、電槽の内部を見ることができない制御弁式鉛蓄電池の劣化状態を知るには、電気的な手段を用いる方法が提案されている。例えば、鉛蓄電池を満充電した後に完全放電して実際に使用可能な容量を確認する方法は、劣化状態を知る上で最も正確である。しかし、この方法では、大型の放電試験装置を必要とすること、また、数時間の放電時間を必要とし、放電後の回復充電にも10時間以上の長時間を必要とする。そのため、実施コストが高くなり、自動車用等の可搬用に搭載されている電池に適用するのが困難であるという欠点があった。更に、この方法では、寿命を判定することはできても、後どれぐらい使用できるかという残存寿命を予測することはできなかった。
【0005】
一方、電池の使用年数から残存寿命を予測する方法もあるが、この方法では電池の使用条件を考慮していないため、精度が極めて悪い。また、特開平10―92472号や特開平11―204150号、特開平11―23680号にあるように、鉛蓄電池を短時間に比較的大きい電流で数回放電させ、放電末電圧の差の変化や、電圧減少率、あるいは電圧値を予め設定した基準値と比較し寿命判定または残存寿命を予測する方法が提案されている。これらの方法は、電池が満充電状態であればある程度正確に検知することができるが、電池が長期間放置されたり、使用により何%か放電した状態では正確に検知できなかった。
【0006】
更に、蓄電池を短時間に比較的大きい電流で数回放電させ、停止させた後のオープン電圧または開放電圧の立上がり電圧を測定して、この立上がり電圧の値から電池の劣化状態を検知する方法、又は鉛蓄電池の内部インピーダンスを測定して、内部インピーダンスの変化から電池の劣化状態を検知する方法等もあるが、精度はあまりよくなかった。
【0007】
また、蓄電池は放電状態や劣化状態により残りの放電可能な容量(残存容量)が変わる。そのため前述したこれらの方法では、寿命等を判定することはできても、満充電状態を除いて、後どれぐらい放電できるかという残存容量や残存寿命を検知することができなかった。
【0008】
更に、液式鉛蓄電池の場合には、次のような残存容量の予測方法や寿命判定方法があった。即ち、電解液比重値に基づく方法、トリクル充電電圧計測値に対する電池セル間ばらつきの発生や低下に基づく方法、電池内部の目視点検による方法である。しかし、これらの方法では実力放電容量、つまり放電容量がどの程度低下しているかを判断できないため、残存容量の予測精度が良くなく、また残存寿命の予測に至っては不可能であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、鉛蓄電池の残存容量および残存寿命の検出を、短時間で且つ簡単に、しかも可搬用電池においても特別な電源や、電流および電圧制御装置を必要とせずに、容易、かつ安価に行うことができ、また、制御弁式及び液式の両鉛蓄電池に適用できる、残存容量及び残存寿命の検出方法とその装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の課題を解決するため、鉛蓄電池の残存容量または/および残存寿命を予測する方法であって、予め対象電池と同一機種の劣化状態の異なる多数の鉛蓄電池を用いて、0アンペア電圧Voと無負荷放置電圧Vnとの関係を求める第一の工程と、
前記対象電池を一定時間通電し、電気量Qを測定すると共に、その前後における0アンペア電圧Vo1,Vo2を求める第二の工程と、
第二の工程で得た0アンペア電圧Vo1,Vo2を第一工程の関係に適用して無負荷放置電圧Vna,Vnbを求める第三の工程と、
予め求めておいた放電可能電気量に対する無負荷放置電圧の関係に第二工程で得られた電気量Qと第三工程で得られた通電前後の無負荷放置電圧Vna,Vnbを適用して残存容量または/および残存寿命を予測する第四の工程とからなることを特徴とする。
【0011】
そして、0アンペア電圧を求める際、鉛蓄電池の電流と電圧を10ミリ秒以下の間隔でそれぞれ測定すること、鉛蓄電池の定格容量の0.2%以上連続して放電した直後に測定すること、鉛蓄電池に流れた電流が1C以上変化した前後の電流と電圧を用いることを特徴とする。
【0012】
なお、電流と電圧を測定する際、同時に電池温度を測定し、電流と電圧の温度補正することが好ましい。
【0013】
また、本発明の装置は、鉛蓄電池に流れる電流と電池電圧を検出する信号検出部18、17と、該信号検出部からの出力信号を演算し、演算結果に基づいて残存容量と残存寿命を予測する判定部6とからなり、
前記判定部6は、前記信号検出部18、17からの複数の電流、電圧信号から0アンペア電圧V01、V02を算出し、予め求めた0アンペア電圧と無負荷放置電圧の関係式に0アンペア電圧V01、V02を入力して無負荷放置電圧Vna、Vnbを決定する決定手段12と、
前記信号検出部18からの電流信号から鉛蓄電池に流れた電気量Qを一定時間計測し、前記電気量Qと、前記決定手段12により求めた計測前後の前記無負荷放置電圧Vna、Vnbとから演算により前記電池の残存容量を予測する第1の判定手段13、または複数の前記無負荷放置電圧Vna、Vnbから演算により得られる無負荷放置電圧と放電可能電気量の関係式と、予め求めた電池の劣化による無負荷放置電圧と放電可能電気量の関係式とを比較し、残存寿命を予測する第2の判定手段14の、いずれか一方または両方を備えたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の残存容量および残存寿命の予測方法について説明する。
図1は、車両走行中の鉛蓄電池に流れる電流と電池電圧の時間経過による変化の一例を示す図、図2は、ゼロアンペア電圧と無負荷放置電圧の関係を示す図、図3は、放電可能電気量と無負荷放置電圧の関係を示す図である。
【0015】
本発明の第一工程は、残存容量および残存寿命を予測しようとする対象電池と同一機種の劣化状態の異なる多数の電池について、0アンペア電圧Voとその時の無負荷放置電圧Vnとを求め、それらの関係式を予め求める工程である。
なお、前記0アンペア電圧Voとは、充放電中に電池に流れる電流と電池端子間電圧を複数回測定し、この電流と電圧を、横軸に電流、縦軸に電圧としたグラフにプロットし、得られる直線(これをI−V特性という)の延長線と縦軸の交点をいう。グラフ上の点が3点以上の場合、I−V特性が直線と限らないが、この場合は直線に近似する。
【0016】
また、無負荷放置電圧Vnとは、鉛蓄電池の無負荷状態における端子電圧であって、開回路にしてから充分に時間が経過した後の安定した電圧である。一般に無負荷放置電圧Vnは、負荷につないだ回路を遮断してから30分以上経過しないと正確な値が得られない。そして、前記0アンペア電圧Voと無負荷放置電圧Vnとは一般に異なる値になる。
【0017】
具体的に前記関係式を求める方法を説明する。例えば、自動車用鉛蓄電池について説明すると、先ず、負荷と遮断した状態で前記電池の端子電圧(無負荷電圧Vn)を測定する。
【0018】
次に、負荷につないだ状態で自動車を走行し、前記電池の端子電圧と電流を測定する。このときの一例を図1に示す。図1は、時間の経過と共に端子電圧と電流がどのように変化したかを示すグラフであり、測定開始時より時刻t1経過後に電圧がV1,電流がA1となり、時刻t2経過後に電圧がV2,電流がA2となったことを示す。そして、時刻t1からt2のように短時間のうちに電流が1C以上変化した時刻を選択して、このときの電圧と電流を用いてI−V特性を描く。そのグラフから0アンペア電圧Voを求める。
【0019】
なお、0アンペア電圧Voは、次式から求めてもよい。
【0020】
V0=V1−A1×(V1−V2)÷(A1−A2)
また、時刻t1とt2を選択した理由については後述する。
【0021】
このようにして、多数の劣化状態の異なる電池について、無負荷放置電圧Vnと0アンペア電圧Voを求め、縦軸を無負荷放置電圧、横軸を0アンペア電圧としたグラフにプロットする。その一例を図2に示す。
【0022】
図2より無負荷放置電圧と0アンペア電圧との間に強い相関関係があり、
(無負荷放置電圧)= 0.3804V0 2 − 7.6506V0 + 49.594
の関係式を略適用できることが分かる。例えば、得られた0アンペア電圧V0 が12.1Vの場合、無負荷放置電圧Vn は12.7Vとなる。ここで、0アンペア電圧と無負荷放置電圧の関係については、電池の設計仕様や劣化による影響がほとんどないので、対象電池について先に0アンペア電圧V0 を算出しておけば、電池の無負荷放置電圧Vn を測定せずに計算により求めることができる。すなわち、使用中の対象電池の無負荷放置電圧を測定するのは、一旦回路を遮断して少なくとも30分放置してからでないと、正確な値を得られないが、0アンペア電圧から計算により求める方法を採用すれば、短時間に正確な値を求めることができる。
【0023】
次に、時刻t1とt2との間を短時間、多くとも10ミリ秒とし、その間の電流の変化量を1C以上とする理由について述べる。
時刻t1とt2の測定間隔を変えた数々の実験を行った結果、図2に示す関係が10ミリ秒を超えると、電流瞬間変化時に電気二重層容量の抵抗により電気二重層容量と並列になった反応抵抗が影響し、0アンペア電圧と無負荷放置電圧の相関が得られなくなった。すなわち、10ミリ秒以下という短時間の電流変化を使うことにより電池の電気二重層容量や反応抵抗といった変動要因を無視できるため、精度が向上した電圧の測定結果が得られる。また、電気を消費している機器のスイッチが切り替わる瞬間のサージ電流でさえも利用することが可能となるため、本発明を多用途の電池に利用できる。
【0024】
また、充電中の電圧データは変動が大きくなる。これは、蓄電池が完全充電状態に近い状態で充電電流を流した場合、電圧が急激に上昇するためである。これに対し、放電の場合も蓄電池が完全放電状態に近くなると、電圧変動が大きくなる。現実に使用中の蓄電池を調査する場合は、一般に電池がある程度の電気量が蓄えられた状態で使用されることから、電圧変化が激しくなる可能性のある充電側よりも、電圧が安定しやすい放電側の測定データを用いるほうがよい。
また、電圧データを利用する場合、蓄電池容量の0.2%以上の電気量が連続放電された後のデータを利用すると、それまでの前歴で極板などに発生していた分極などが安定し、精度の高い判定結果を得られることが確認できた。このため、多くのデータが入手できる場合には、蓄電池容量の0.2%以上の連続放電が確認された直後の電圧データを優先的に利用することが好ましい。
【0025】
また、鉛蓄電池を実際の車両に搭載し、充電と放電が頻繁に繰り返される場合、電流と電圧の測定の機会には困らないが、穏やかに使用され、期待する電流変化や電気量変化が得られない場合が考えられる。
【0026】
本発明の方式は、電流変化が車両に依存しているので、的確な判断に利用できるデータがあればそれを確保していく工夫が必要である。
そのためには、電流変化のより大きいデータを優先することが好ましい。小さな電流変化を利用する場合、測定機器の誤差が問題となる。例えば12V電池の場合1Cの電流変化で200〜300mVの電圧変化が発生する。このとき、測定装置の誤差が2〜3mVの場合、1%の誤差に相当するので、1C以上の電流変化したときのデータを用いることが好ましい。
【0027】
次に、第一工程で得られた関係式を用いて対象電池の残存容量および残存寿命を予測する方法を述べる。
【0028】
図3は、対象電池と同じ機種の劣化状態の異なる電池A、B、C、D、Eの放電可能電気量と無負荷放置電圧の関係を示している。図3の結果より、電池の劣化状態にかかわらず放電可能電気量が0の時には、無負荷放置電圧が約1.88V/セル、12V型(6セル直列)の鉛蓄電池の場合、約11.3Vに収束することがわかる。また、劣化状態で上記関係式の傾きが変化することが分かる。すなわち、図3の例では、
(無負荷放置電圧)=(グラフの傾き)×(放電可能電気量)+11.3
の式に当てはめることで放電可能電気量を計算できる。
【0029】
つまり一定時間に変化した対象電池の電気量をQとし、測定前後の無負荷放置電圧をVna、Vnbとすると放電可能電気量は、
(放電可能電気量)=(Vnb−11.3)*Q/(Vna−Vnb)…(1)
で求められる。
【0030】
すなわち、対象電池の時刻t1とt2における0アンペア電圧Vo1を求め、それから電気量Qを放電したのちの時刻t1’とt2’における0アンペア電圧Vo2を求める(第二工程)。そして、電圧Vo1とVo2を図2の関係式に当てはめ、無負荷放電電圧VnaとVnbを求める(第三工程)。上記(1)式に代入して放電可能電気量、すなわち残存容量を求める。残存寿命は、図4の(Vna−Vnb)/Qの傾きが一致するグラフを選び、そのグラフの相当する残存寿命を対象電池の残存寿命と予測する(第四工程)。例えば、傾きを求めて図3の電池Fの傾きとほぼ一致し、電池Fのサイクル数が600サイクルと分かっていれば、該電池の実力寿命が1000サイクルであるとすると、残存寿命が400サイクルと予測する。
【0031】
なお、0アンペア電圧から無負荷放置電圧を求めて、この無負荷放置電圧から放電可能容量を計算する方法とは別に、0アンペア電圧の測定から直接放電可能容量を算出することが可能である。しかし、結果的には0アンペア電圧から無負荷放置電圧を求め、この無負荷放置電圧から放電可能容量を計算するのと内容の差はないので、どちらを用いても本発明の効果が得られる。また、0アンペア電圧に何らかの補正、例えば温度補正をおこなってから、放電可能容量を計算することが好ましい。本実施形態では、電圧、電流を測定するときに電池温度も測定し、温度補正した電圧と電流を用いている。
【0032】
ここで、電池の劣化による無負荷放置電圧と放電可能電気量の関係は、電池の種類、使用される用途、目的によって変わるので、対象電池にあった関係を選択しなければならない。また、残存容量や残存寿命をより高い精度で判定するために、各劣化ごとの関係式を多数入力しておくことが望ましい。
次に、本発明の装置について図4に基づいて説明する。
【0033】
図4は、本発明装置の一例を示す説明図であり、1は、残存容量および残存寿命を予測する対象となる電池であり、2は該電池に取り付けられている温度センサー、3は負荷であって、例えば自動車のモーターや電装品など、5は温度補正を行う補正回路、6は判定部、7は本発明の装置全体、8はリング状の電流計、9は自動車の車体、10は残存容量や残存寿命を示す表示機、12は0アンペア放電電圧を算出して予め求めておいた関係式に入力して無負荷放置電圧を決定する決定手段、13は対象電池1の残存容量を算出する第1の判定手段、14は対象電池1の残存寿命を予測する第2の判定手段、16は対象電池1と自動車の負荷とを繋ぐ電流線、17は電池電圧を検出する電圧信号出力手段、18は電池を流れる電流信号出力手段、19は電池温度を検出する温度信号出力手段である。
【0034】
対象電池1は、負極端子が電流線16により車のボディー9と導通している。そして、該電流線16に流れる電流をリング電流計8により取り出す。電流計8を流れる電流信号Siは、信号線Liにより取り出される。これら電流計と信号線で電流信号出力手段18を構成している。さらに、正負極端子から、その電位に対応した電位信号を出力させるための信号線Lp、Lnが引き出され、電位信号出力手段17を構成している。
【0035】
また、前記電池1には温度センサー2が取り付けられ、この温度センサー2から、その電池の温度に対応した温度信号Stを出力させるための信号線Ltが引き出され、前記温度センサー2とともに温度信号出力手段19を構成している。前述した、電流信号出力手段18の信号線Li、電位信号出力手段17の各信号線Lp、Lnおよび温度信号出力手段19の信号線Ltは、判定部6に入力される。対象電池の前記容量および寿命を予測しようとする時、該電池1を充放電させ、電流信号出力手段18によって電流信号Si、電池電圧信号出力手段17によって電圧信号S1 および温度センサー2によって温度信号Stを出力させる。
【0036】
そして、判定部6内に入力された電圧信号S1は、補正手段5によって温度補正されて補正電圧信号SV1 となり、これを電流信号Siと共に決定手段12に送る。次に、決定手段12内で、複数の電流信号と前記補正後の電圧信号SV1から0アンペア放電電圧V0を算出し、予め求めた0アンペア放電電圧と無負荷放置電圧の関係式に該電圧V0 を入力して無負荷放置電圧Vnを求め、これを判定手段13、14に出力する。一方、第1の判定手段13内では、入力された電流信号SIにより電流信号出力手段18から対象電池1に流れた電気量Qを一定時間計測し、前記電気量Qと測定前後の無負荷放置電圧から演算により電池の残存容量を算出し、この値を表示機10に出力する。
【0037】
第2の判定手段14内では、複数の無負荷放置電圧から演算により得られる無負荷放置電圧と放電可能電気量の関係式と、予め求めた電池の劣化による無負荷放置電圧と放電可能電気量の関係式とを比較し、残存寿命の判定し、この値を表示機10に出力する。
【0038】
上記した装置7に、残存容量および残存寿命の予測値を表示する表示機10を設ける場合、その装置を搭載する状況に応じた表示形式に自由に設置できる。例えば、自動車に搭載する場合は、運転席の表示パネルにバッテリー残量計や、残存寿命計を設置すればよい。
【0039】
本実施形態では、使用した鉛蓄電池を制御弁式の12V系の鉛蓄電池として説明したが、適用される電池は本実施例に限定されるものではなく、単セルを始め複数セルからなる電池や、液式電池においても、その機種に合わせた電池の比較データを本発明の装置に入力しておけば同様の効果が得られる。
【0040】
なお、本実施形態では、残存容量と残存寿命の両方を予測する方法とその装置について説明したが、いずれか一方を選択したものでも良い。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した通り、鉛蓄電池の残存容量または/および残存寿命の予測、および寿命の判定を、短時間で且つ簡単に、しかも可搬用電池においても特別な電源や、電流、電圧制御装置を必要とせずに容易に、かつ安価に行うことができ、また、制御弁式及び液式の両鉛蓄電池に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】使用時間の経過と共に鉛電池に流れる電流と端子電圧の変化の一例を示すグラフである。
【図2】0アンペア放電電圧と無負荷放置電圧の関係を示すグラフである。
【図3】放電可能電気量と無負荷放置電圧の関係を示すグラフである。
【図4】本発明の装置の一例を示す概略図である
【符号の説明】
1 対象電池
6 判定部
7 本装置
10 表示機
12 決定手段
13 第1の判定手段
14 第2の判定手段
17 電位信号出力手段
18 電流信号出力手段
Claims (5)
- 鉛蓄電池の残存容量または/および残存寿命の予測を行う方法であって、
予め対象電池と同一機種の劣化状態の異なる多数の鉛蓄電池を用いて、0アンペア電圧と無負荷放置電圧との関係を求める第一の工程と、
対象電池を一定時間通電し、電気量を測定すると共に、その前後における0アンペア電圧を求める第二の工程と、
第二の工程で得た0アンペア電圧を第一工程の関係に適用して無負荷放置電圧を求める第三の工程と、
予め鉛蓄電池の劣化状態毎に求めておいた放電可能電気量に対する無負荷放置電圧の関係に第二工程で得られた電気量Qと第三工程で得られた通電前後の無負荷放置電圧を適用して残存容量または/および残存寿命を予測する第四の工程とからなることを特徴とする、
鉛蓄電池の残存容量または/および残存寿命の予測方法。 - 鉛蓄電池の電流と電圧を10ミリ秒以下の間隔でそれぞれ測定し、該電流と電圧を用いて0アンペア電圧を求めることを特徴とする請求項1記載の鉛蓄電池の残存容量または/および残存寿命の予測方法。
- 鉛蓄電池の定格容量の0.2%以上連続して放電した直後に該電池の電流と電圧を測定し、該電流と電圧を用いて0アンペア電圧を求めることを特徴とする請求項1または2記載の鉛蓄電池の残存容量または/および残存寿命の予測方法。
- 鉛蓄電池に流れた電流が1C以上変化した前後の該電池の電流と電圧を用いて0アンペア電圧を求めることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鉛蓄電池の残存容量または/および残存寿命の予測方法。
- 鉛蓄電池の残存容量または/および残存寿命の予測を行う装置であって、
前記装置は、鉛蓄電池に流れる電流と電池電圧を検出する信号検出部と、該信号検出部からの出力信号を演算し、演算結果に基づいて残存容量または/および残存寿命を予測する判定部とからなり、
前記判定部は、前記信号検出部からの複数の電流、電圧信号から0アンペア電圧を算出し、予め求めた0アンペア電圧と無負荷放置電圧の関係式に該0アンペア電圧を入力して無負荷放置電圧を求める決定手段と、
前記信号検出部からの電流信号から鉛蓄電池に流れた電気量を一定時間計測し、該電気量と計測前後の前記無負荷放置電圧から演算により電池の残存容量を予測する第1の判定手段、または複数の前記無負荷放置電圧から演算により得られる無負荷放置電圧と放電可能電気量の関係式と、予め求めた電池の劣化による無負荷放置電圧と放電可能電気量の関係式とを比較し、残存寿命を予測する第2の判定手段の、いずれか一方または両方を備えたことを特徴とする鉛蓄電池の残存容量または/および残存寿命の予測を行う装置。
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