JP4359554B2 - Receiver - Google Patents
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Description
本発明は、電波局から送出される時刻情報を含む長波標準電波を受信するための受信装置に関する。 The present invention relates to a receiving apparatus for receiving a long wave standard radio wave including time information transmitted from a radio station.
我が国では、佐賀県に設置された九州局と、福島県に設置された福島局から時刻情報すなわちタイムコード入り長波標準電波が送出されている。いわゆる電波時計では、これらの電波を受信して時刻を更正することにより、正確な時刻表示を行うことができる。 In Japan, the Kyushu station set up in Saga Prefecture and the Fukushima station set up in Fukushima Prefecture send time information, that is, a longwave standard radio wave with a time code. A so-called radio timepiece can receive accurate time display by receiving these radio waves and correcting the time.
ところで、九州局の長波標準電波の周波数は60kHzであり、福島局の長波標準電波の周波数は40kHzである。そこで、電波時計の設置場所に拘わらず、正しい時刻を呈示するために、これら2つの長波標準電波の双方を受信することが可能な受信装置が提案されている(特許文献1参照)。 By the way, the frequency of the long-wave standard radio wave of the Kyushu station is 60 kHz, and the frequency of the long-wave standard radio wave of the Fukushima station is 40 kHz. Therefore, a receiving apparatus has been proposed that can receive both of these two long wave standard radio waves in order to present the correct time regardless of where the radio timepiece is installed (see Patent Document 1).
図12は、特許文献1に示される従来の受信装置を構成するアンテナ部について説明する図である。この図に示すように、従来の受信装置を構成するアンテナ部100は、インダクタンス素子101、スイッチ102、および、コンデンサ103を主要な構成要素としている。
FIG. 12 is a diagram for explaining an antenna unit included in the conventional receiving apparatus disclosed in
ここで、インダクタンス素子101は、コア101a、第1の巻き線101b、第2の巻き線101cによって構成されている。第1の巻き線101bは、60kHz用であり、この第1の巻き線101bとコンデンサ103とによる並列共振回路の共振周波数が60kHzとなるように素子値が設定されている。また、第2の巻き線101cは、第1の巻き線101bと直列接続された場合において、コンデンサ103との並列共振周波数が40kHzとなるように設定されている。
Here, the
スイッチ102は、共振周波数を40kHzおよび60kHzのいずれか一方から選択するための回路である。コンデンサ103は、前述したように共振用のコンデンサであり、第1の巻き線101bとの共振周波数が60kHzとなり、また、第1の巻き線101bおよび第2の巻き線101cとを直列接続した場合の共振周波数が40kHzとなるように素子値が設定されている。
The
このようなアンテナ部を含む受信装置では、スイッチ102を操作することにより、60kHzまたは40kHzの長波標準電波を選択的に受信することができる。
In a receiving apparatus including such an antenna unit, it is possible to selectively receive a 60 kHz or 40 kHz long wave standard radio wave by operating the
ところで、特許文献1に示すアンテナ部では、図13に示すように、第1の巻き線101bおよび第2の巻き線101cのそれぞれについて、巻き線同士が隣接されて配置されることに起因する浮遊容量(ストレー容量)110,111が発生し、共振周波数がずれてしまう場合がある。このように共振周波数にずれを生じた場合には、十分な受信感度が得られず、時刻が正確に更正ができないという問題点がある。
By the way, in the antenna part shown in
本発明は、上記の事情に基づきなされたもので、その目的とするところは、十分な受信感度が得られる受信装置を提供しよう、とするものである。 The present invention has been made based on the above circumstances, and an object of the present invention is to provide a receiving apparatus capable of obtaining sufficient receiving sensitivity.
上述の目的を達成するため、本発明は、コアに巻回されたコイルとコンデンサとの並列共振を利用して所定の周波数の電波を選択的に受信する受信装置において、コアに巻回された第1の周波数に対応する第1の巻き線と、コアに巻回され、第1の巻き線と直列接続することにより第1の周波数よりも低い第2の周波数に対応する第2の巻き線と、第1の周波数の電波を受信する場合には第1の巻き線とコンデンサとによって並列共振回路を構成し、第2の周波数の電波を受信する場合には直列接続された第1および第2の巻き線とコンデンサとによって並列共振回路を構成する制御を行う制御手段と、第1の周波数および第2の周波数のいずれを受信する場合も第1の巻き線および第2の巻き線の相互に接続されていない側の端子にそれぞれ出現する電圧を出力する出力手段と、を有している。 In order to achieve the above-described object, the present invention is a receiver that selectively receives radio waves of a predetermined frequency using parallel resonance between a coil and a capacitor wound around a core. A first winding corresponding to the first frequency and a second winding wound around the core and corresponding to a second frequency lower than the first frequency by being connected in series with the first winding When receiving radio waves of the first frequency, the first winding and the capacitor constitute a parallel resonant circuit, and when receiving radio waves of the second frequency, the first and second connected in series Control means for performing control to form a parallel resonant circuit with two windings and a capacitor, and the first winding and the second winding are mutually connected when receiving either the first frequency or the second frequency. To the terminal that is not connected to the Has an output means for outputting a voltage appearing, the.
十分な受信感度が得られる受信装置を提供することが可能になる。 It is possible to provide a receiving apparatus that can obtain sufficient receiving sensitivity.
また、他の発明は、上述の発明に加えて、コアに近接して配置され、コアとの距離を調整することにより、第1および第2の巻き線の素子値を調整する調整用コアを有している。このため、素子値を正確に調整することが可能になるので、受信感度を高めることが可能になる。 In addition to the above-described invention, another invention includes an adjustment core that is arranged close to the core and adjusts the element values of the first and second windings by adjusting the distance from the core. Have. For this reason, since it becomes possible to adjust an element value correctly, it becomes possible to raise receiving sensitivity.
また、他の発明は、上述の発明に加えて、調整用コアは、第1および第2の巻き線のうち、巻き数が多い方の巻き線側に近接して配置されている。このため、周波数の高い電波に対する受信感度に対しては、昇圧によって感度を高めるとともに、周波数の低い電波に対しては素子値を正確に調整することにより受信感度を高めることが可能になる。 In another invention, in addition to the above-described invention, the adjusting core is arranged close to the winding side of the first winding and the second winding with the larger number of windings. For this reason, it is possible to increase the sensitivity with respect to the reception sensitivity with respect to the radio wave having a high frequency by increasing the sensitivity by boosting and to accurately adjust the element value with respect to the radio wave with a low frequency.
本発明によれば、十分な受信感度が得られる受信装置を提供することができる。 ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the receiver which can obtain sufficient receiving sensitivity can be provided.
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。 Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
図1は、本発明の実施の形態に係る受信装置の構成例を示す図である。この図に示すように受信装置は、アンテナ部1、受信回路2、制御回路3、操作部4、および、表示装置5を主な構成要素としている。
FIG. 1 is a diagram illustrating a configuration example of a receiving apparatus according to an embodiment of the present invention. As shown in this figure, the receiving apparatus includes an
ここで、アンテナ部1は、九州局から送信された周波数60kHz(第1の周波数に対応)の長波標準電波および福島局から送信された周波数40kHz(第2の周波数に対応)の長波標準電波のいずれか一方を選択的に受信する。なお、アンテナ部1の詳細な構成例については後述する。
Here, the
受信回路2は、アンテナ部1から供給された受信信号を抽出し、制御回路3に出力する。
The
制御回路(制御手段の一部)3は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等によって構成され、受信回路2によって抽出された時間信号に含まれている時間情報に応じて、表示装置5に更正された正確な時刻情報を表示する。また、制御回路3は、ROMに格納されているプログラムにしたがってアンテナ部1および受信回路2を制御する。
The control circuit (part of the control means) 3 is constituted by, for example, a CPU (Central Processing Unit), a ROM (Read Only Memory), a RAM (Random Access Memory), and the like, and is included in the time signal extracted by the
操作部4は、例えば、複数の操作ボタンによって構成され、ユーザの操作に応じた情報を生成して制御回路3に供給する。
The
表示装置5は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等によって構成されており、制御回路3から供給された情報(時刻情報等)を表示する。
The
図2は、アンテナ部1の構成例を示す回路図である。この図に示すように、アンテナ部1は、インダクタンス素子10、スイッチ1a、および、コンデンサ1bを主要な構成要素としている。
FIG. 2 is a circuit diagram illustrating a configuration example of the
ここで、インダクタンス素子10は、60kHzに対応する巻き線10a(第1の巻き線に対応)と、巻き線10aと直列に接続されることにより40kHzに対応する巻き線10b(第2の巻き線に対応)とがコア60に巻回されて構成されている。ネジコア40(調整用コアに対応)は、コア60との間隙を変化させることにより、素子値を調整する。なお、インダクタンス素子10の詳細な構成については、後述する。
Here, the
スイッチ1a(制御手段の一部)は、60kHzの長波標準電波を受信する場合には、図の上側の端子に接続され、40kHzの長波標準電波を受信する場合には、図の下側の端子に接続される。なお、スイッチ1aは、図1に示す制御回路3によって接続方向が制御される。
The
コンデンサ1bは、並列共振用のコンデンサであり、スイッチ1aが上側の端子に接続された場合には、巻き線10aと並列接続されて60kHzで共振し、下側の端子に接続された場合には、直列接続された巻き線10aおよび巻き線10bと並列接続されて40kHzで共振する。なお、端子1c(出力手段に対応)および端子1d(出力手段に対応)は、受信回路2に接続するための端子である。
The
図3は、図2に示すインダクタンス素子10の構成例を示す分解斜視図である。この図に示すように、インダクタンス素子10は、ケース20、蓋30、ネジコア40、コイルボビン50、および、コア60を主要な構成要素としている。
FIG. 3 is an exploded perspective view illustrating a configuration example of the
ここで、ケース20は、例えば、プラスティック、セラミックス、または、金属等によって構成されている。ケース20の左側(図の左側)の面には、ネジコア40が挿入される孔22が形成されている。なお、孔22の壁面にはネジコア40の雄ねじと嵌合する雌ねじが形成されている。ケース20の右側(図の右側)の面には、蓋30が嵌合される孔21が形成されている。また、この図には示されていないが、ケース20の下側(図の下側)の面には、コア60が嵌合されて巻き線が巻回されたコイルボビン50が挿入される開口部25が形成されている。さらに、ケース20の左下部には、外部の回路と内部の巻き線とを接続するための端子23および端子24(不図示)が設けられている。
Here, the
蓋30は、例えば、プラスティックによって構成されており、ケース20に嵌合された場合に、コア60を固定する機能を有している。また、蓋30の下部には外部の回路と内部の巻き線とを接続するための端子34および端子35(不図示)が設けられている。蓋30の左側(図の左側)の面には、凹部33が設けられており、当該凹部33にコア60の端部62が挿入されて固定される。蓋30の挿入部31は、ケース20の内部に挿入されて固定される。また、露出部32は、ケース20の外部に露出した状態とされる。
The
ネジコア40は、コア60と同様に、フェライト素材等によって構成されており、インダクタンス値を調整する場合に用いられる。ここで、ネジコア40は、素子値を調整する際に、プラスドライバを挿入するための凹部41が左側(図の左側)の面に形成されている。また、ネジコア40の側面42には、孔22の壁面に形成された雌ねじに嵌合する雄ねじが形成されている。
The
コイルボビン50は、「コ」の字形状を有する4枚の鍔53〜56およびこれらの鍔53〜56を連結するための連結部51,52によって構成されている。鍔53〜56は、それぞれ切り欠き部53a〜56aを有しており、当該切り欠き部53a〜56aにコア60の軸部61が挿入される。連結部51,52は、鍔53〜56を相互に連結するとともに、第1の巻き線10aおよび第2の巻き線10bがコア60に直接接触することを防止する。すなわち、連結部51,52は、コア60の軸部61よりも上下方向(図3の上下方向)の幅が広くなっているので、第1の巻き線10aおよび第2の巻き線10bが連結部51,52の上に巻回された場合、コア60にこれらの巻き線が接触することを防止する。また、コイルボビン50および鍔53〜56は、4枚の鍔が連結され、「コ」の字形状を有する一体の部品(コイルボビン50)として構成されており、コア60に横方向から嵌め込むことができるので、組み立てを簡略化することが可能である。
The
コア60は、金属酸化物を焼成して形成されたフェライト素材等によって構成されている。コア60は、コイルボビン50が挿入される軸部61および左右の端部62,63により形成されている。
The
図4は、図3に示す構成部品を組み立てた場合のインダクタンス素子10の外観を示す斜視図である。この図に示すように、図3に示す部品を組み立てると、ケース20の内部に蓋30の挿入部31が挿入され、露出部32が露出した状態となる。また、孔22にはネジコア40が挿入された状態となる。
FIG. 4 is a perspective view showing an appearance of the
図5は、図4に示す、組み立てた状態のインダクタンス素子10をA−A’で切断した場合の断面図である。この図に示すように、コア60は、ケース20の内部に固定されている。鍔54と鍔55の間および鍔55と鍔56の間には60kHzに対応する巻き線10aが2分割されて巻回されている。また、鍔53と鍔54の間には巻き線10aと直列接続された場合に、40kHzに対応する巻き線10bが巻回されている。コア60の左側にはネジコア40が配置されており、凹部41にドライバ等を挿入して所望の方向に回転させることにより、端部63とネジコア40との間隔を調整し、インダクタンス値を調整することができる。ケース20の下面には開口部25があり、組み立ての際にはこの部分からコア60を挿入する。
FIG. 5 is a cross-sectional view of the assembled
図6は、本発明の実施の形態に係るインダクタンス素子10の巻き線の巻回方法を説明する図である。この図に示すように、本発明の実施の形態に係るインダクタンス素子10は、60kHzに対応する巻き線10aが2カ所に分割されて巻回されている。すなわち、巻き線10aは、鍔56と鍔55で仕切られた領域に228ターン巻回され、鍔55と鍔54で仕切られた領域に228ターン巻回されてひとつの巻き線を構成している。なお、巻き線10aを2分割して巻回するのは、ストレー容量を減少させるためである。また、鍔53と鍔54で仕切られた領域には、巻き線10aと直列接続されて40kHzに対応する巻き線10bが280ターン巻回されている。
FIG. 6 is a diagram for explaining a winding method of the
図7は、ネジコア40の位置と、インダクタンス値の変化率との関係を示す図である。この図において、「○」で示す曲線は、図8に示すように、ネジコア40を巻き線10b側に配置し、その位置を移動させた場合の巻き線10aのインダクタンス値の変化率を示している。また、「×」で示す曲線は、図8に示すように、ネジコア40を巻き線10a側に配置し、その位置を移動させた場合の巻き線10aのインダクタンス値の変化率を示している。また、「△」で示す曲線は、図8に示すように、ネジコア40を巻き線10a側(または、巻き線10b側)に配置し、その位置を移動させた場合の巻き線10aと巻き線10bを直列接続した場合のインダクタンス値の変化率を示している。この図に示すように、巻き線10aの素子値を調整する場合には、当該巻き線10aに近い方にネジコア40を配置した方が変化率は大きくなる。そこで、本実施の形態に係るインダクタンス素子10では、巻数が多い巻き線10aの近くにネジコア40を配置することにより、素子値を容易に調整できるようにしている。
FIG. 7 is a diagram illustrating the relationship between the position of the
つぎに、以上の実施の形態のインダクタンス素子10の組み立て方法について説明する。
Next, a method for assembling the
まず、図3に示すコイルボビン50の切り欠き部53a〜56aにコア60の軸部61を挿入する。つぎに、鍔53と鍔54で囲まれた領域に、巻き線10bを3層に巻回する。つづいて、図5に示すように、鍔54と鍔55で囲まれた領域に、巻き線10aの一部を3層に巻回し、鍔55と鍔56で囲まれた領域に、巻き線10aの残りの一部を3層に巻回する。
First, the
巻き線の巻回が終了すると、巻き線が巻回されたコイルボビン50およびコア60を、ケース20の開口部25からケース20の内部に挿入して固定する。そして、蓋30の凹部33が端部62に嵌合するようにケース20の孔21に挿入して固定する。つづいて、端子23,24および端子34,35に巻き線10a,10bの必要な部分をハンダ等によって接続する。
When the winding of the winding ends, the
つぎに、ネジコア40を孔22に対して時計方向に回転させながら挿入する。そして、スイッチ1aおよびコンデンサ1bを接続し、スイッチ1aを図2の下側(40kHz側)に接続した状態で、40kHzに共振するように、ネジコア40の位置を微調整する。なお、後述するように、60kHzに対する受信感度は40kHzに比較して高く、また、40kHzをメインで使用する場合が多いので、40kHzに正確に共振するように微調整を行う。そして、調整が終了すると、蓋30およびネジコア40を接着剤等によって固定し、製造プロセスを終了する。
Next, the
つぎに、図1に示す受信装置の動作について説明する。 Next, the operation of the receiving apparatus shown in FIG. 1 will be described.
以上のようにして製造されたインダクタンス素子10を具備する受信装置の動作が開始されると、まず、制御回路3は、アンテナ部1のスイッチ1aを、図2の下側(40kHz側)の接点に接続する。その結果、図9(A)に示すように、直列接続された巻き線10aおよび巻き線10bと、コンデンサ1bとの間で、40kHzを共振周波数とする並列共振回路が形成される。この結果、40kHzの長波標準電波が捕捉され、受信回路2に供給される。
When the operation of the receiving device including the
ここで、前述のように、製造プロセスでは、40kHzに正確に共振するように、ネジコア40が調整されているので、図9(A)に示す共振回路では、40kHzで精度良く共振することになる。したがって、受信装置が配置された環境における40kHzの長波標準電波の電界強度が十分である場合には、当該電波を感度よく捕捉することができる。
Here, as described above, in the manufacturing process, since the
受信回路2では、40kHzの長波標準電波が中間周波数に変換された後、時間信号が抽出される。このようにして抽出された時間信号は、制御回路3に供給される。制御回路3では、受信された信号の大きさから受信状態を判定し、受信状態が良好である場合には、受信回路2から供給された時間信号から時間情報を抽出し、当該時間情報に基づいて内部のクロックの時刻を更正し、表示装置5に現在時刻を表示する。
In the receiving
一方、40kHzの受信状態が悪いと判断した場合には、アンテナ部1のスイッチ1aの接続を、図2の上側(60kHz側)に変更する。その結果、図9(B)に示すように、巻き線10aと、コンデンサ1bとの間で、60kHzを共振周波数とする並列共振回路が形成され、60kHzの長波標準電波が捕捉される。このとき、アンテナ部1の出力としては、共振回路を構成するコンデンサ1bの両端ではなく、巻き線10aおよび巻き線10bの相互に接続されていない側の端子にそれぞれ出現する電圧が出力される。ここで、巻き線10aと巻き線10bとは同一のコア60に対して同じ方向に巻回されていることから、巻き線10aに印加された電圧と同じ方向の電圧が巻き線10bに励起されることになる。
On the other hand, when it is determined that the reception state at 40 kHz is bad, the connection of the
ここで、巻き線10bに励起される電圧は、巻き線10aおよび巻き線10bの巻き数比と、結合係数とに応じて決定される。本実施の形態では、巻き数比は、図6に示すように、556:280であり、結合係数は実測によると、0.5程度である。したがって、巻き線10bには巻き線10aに印加される電圧の25%程度の電圧が出力されることになる。このため、図9(B)に示すように、巻き線10aおよび巻き線10bの相互に接続されていない側の端子にそれぞれ出現する電圧を出力として取り出すと、巻き線10aに出現する電圧の1.25倍程度の電圧が得られることになる。その結果、本実施の形態のアンテナ部1では、図12に示す従来のアンテナ部に比較して、受信感度を高めることが可能になる。
Here, the voltage excited in the winding 10b is determined according to the turns ratio of the winding 10a and the winding 10b and the coupling coefficient. In the present embodiment, the winding ratio is 556: 280 as shown in FIG. 6, and the coupling coefficient is about 0.5 according to actual measurement. Therefore, a voltage of about 25% of the voltage applied to the winding 10a is output to the winding 10b. For this reason, as shown in FIG. 9B, when the voltages appearing at the terminals of the winding 10a and the winding 10b that are not connected to each other are taken out as outputs, 1 of the voltage appearing at the winding 10a. A voltage of about 25 times is obtained. As a result, in the
図10は、巻き線10aの出力を直接取り出した場合(昇圧なしの場合)の60kHzの長波標準電波に対する受信感度[V/μT]と、巻き線10aおよび巻き線10bの相互に接続されていない側の端子にそれぞれ出現する電圧を出力として取り出した場合(昇圧ありの場合)の60kHzの長波標準電波に対する受信感度の実測値を示す図である。この図に示すように、巻き線10aおよび巻き線10bの相互に接続されていない側の端子に出現する電圧を出力として取り出した場合の受信感度は約4.5[V/μT]であり、巻き線10aに出現する電圧をそのまま取り出した場合の受信感度は約3.5[V/μT]程度である。したがって、前述のように、昇圧した場合には昇圧しない場合に比較して約30%受信感度を上昇させることが可能になる。 FIG. 10 shows that the reception sensitivity [V / μT] with respect to the long-wave standard radio wave of 60 kHz when the output of the winding 10a is directly taken out (without boosting) and the winding 10a and the winding 10b are not connected to each other. It is a figure which shows the measured value of the receiving sensitivity with respect to the 60kHz long wave standard radio wave when the voltage which each appears in the terminal of the side is taken out as an output (in the case of pressure | voltage rise). As shown in this figure, the receiving sensitivity when the voltage appearing at the terminals of the winding 10a and the winding 10b that are not connected to each other is taken out as an output is about 4.5 [V / μT], When the voltage appearing on the winding 10a is taken out as it is, the receiving sensitivity is about 3.5 [V / μT]. Therefore, as described above, the reception sensitivity can be increased by about 30% when boosted as compared to when boost is not performed.
このように、昇圧によって受信感度を上昇させると、共振周波数が60kHzから多少ずれを生じている場合であっても、十分な受信信号を得ることが可能になる。その結果、製造プロセスにおいて、ネジコア40を用いて40kHzに共振するように素子値を設定した場合であっても60kHzにおいて十分な受信信号を得ることができる。
As described above, when the reception sensitivity is increased by boosting, it is possible to obtain a sufficient reception signal even when the resonance frequency slightly deviates from 60 kHz. As a result, a sufficient received signal can be obtained at 60 kHz even when the element value is set to resonate at 40 kHz using the
このようにしてアンテナ部1によって捕捉された受信信号は、受信回路2に供給される。受信回路2では、60kHzの長波標準電波が中間周波数に変換された後、時間信号が抽出される。
The reception signal captured by the
制御回路3は、前述の場合と同様に、受信回路2から供給された時間信号から時間情報を抽出し、当該時間情報に基づいて内部のクロックの時刻を更正し、表示装置5に現在時刻を表示する。なお、40kHzと60kHzの双方の電波の受信状況が良好でない場合には、制御回路3は、例えば、表示装置5に対してエラー表示を行う。
As in the case described above, the
以上に説明したように、本発明の実施の形態に係る受信装置によれば、40kHzに共振するように素子値を設定した場合であっても60kHzに対しても昇圧によって十分な受信感度を得ることが可能になる。 As described above, according to the receiving apparatus according to the embodiment of the present invention, even when the element value is set to resonate at 40 kHz, sufficient reception sensitivity is obtained by boosting to 60 kHz. It becomes possible.
なお、以上の実施の形態は、一例であって、これ以外にも種々の変形実施態様が存在する。例えば、図11に示すように、巻き線10cを新たに設け、これによる昇圧効果を付加するようにしてもよい。すなわち、図11の例では、40kHzの長波標準電波を受信する場合には、直列接続された巻き線10aおよび巻き線10bとコンデンサ1bとの並列共振によって得られた受信信号を巻き線10cによって昇圧して出力する。また、60kHzの長波標準電波を受信する場合には、巻き線10aとコンデンサ1bとの並列共振によって得られた受信信号をコイル10bおよび巻き線10cの双方によって昇圧して出力する。このような構成によれば、受信感度をさらに向上させることが可能になる。なお、図11の例では、巻き線10cをネジコア40側に巻回するようにしたが、ネジコア40の反対側に巻回したり、巻き線10aと巻き線10bの間に巻回したりすることも可能である。
The above embodiment is merely an example, and there are various other modified embodiments. For example, as shown in FIG. 11, a winding 10c may be newly provided to add a boosting effect. That is, in the example of FIG. 11, when a 40 kHz long wave standard radio wave is received, the reception signal obtained by the parallel resonance of the winding 10a and the winding 10b connected in series with the
また、以上の実施の形態では、巻き線10aおよび巻き線10bを3層巻きとしたが、これ以外の層数(2層または4層以上)としてもよい。 In the embodiment described above, the winding 10a and the winding 10b are wound in three layers, but the number of layers other than this (two layers or four or more layers) may be used.
また、以上の実施の形態では、鍔53〜56は、連結部51,52によって相互に連結される構成としたが、それぞれの鍔53〜56の一部または全部を単独の構成とし、コア60にそれぞれを挿入して固定する構成としてもよい。また、場合によっては、鍔53〜56を設けない構成とすることも可能である。
In the above embodiment, the
また、コア60としては、矩形形状を有するものを例に挙げて説明したが、円柱形状を有するものを使用することも可能である。また、端部62,63を有しないコアを用いることも可能である。
In addition, the
また、巻き線10aの側にネジコア40を設けるようにしたが、巻き線10bの側に設けることも可能である。また、ネジコアを巻き線10aと巻き線10bのそれぞれに1つずつ設けるようにすることも可能である。その場合には、2つのネジコアを調整することにより、1つのネジコアの場合に比べて微調整を行うことが可能になる。また、それぞれのネジコアを独立に調整することで、巻き線10aおよび巻き線10bを独立に調整することも可能となる。また、ネジコア40の凹部41は、プラス形状としたがマイナス形状とすることも可能である。
Further, although the
また、以上の実施の形態では、60kHzと40kHzに対応する巻き線を設ける場合を例に挙げて説明したが、これ以外の周波数に対応する巻き線を設けることも可能であることはいうまでもない。 In the above embodiments, the case where the windings corresponding to 60 kHz and 40 kHz are provided has been described as an example, but it goes without saying that the windings corresponding to other frequencies can be provided. Absent.
本発明の受信装置は、長波標準電波を受信する電波時計に利用することができる。 The receiving apparatus of the present invention can be used for a radio timepiece that receives a long wave standard radio wave.
1a スイッチ(制御手段の一部)
1c,1d 端子(出力手段)
3 制御回路(制御手段の一部)
10 インダクタンス素子
10a 巻き線(第1の巻き線)
10b 巻き線(第2の巻き線)
40 ネジコア(調整用コア)
60 コア
1a switch (part of control means)
1c, 1d terminals (output means)
3 Control circuit (part of control means)
10
10b Winding (second winding)
40 Screw core (adjustment core)
60 cores
Claims (3)
上記コアに巻回された第1の周波数に対応する第1の巻き線と、
上記コアに巻回され、上記第1の巻き線と直列接続することにより上記第1の周波数よりも低い第2の周波数に対応する第2の巻き線と、
上記第1の周波数の電波を受信する場合には上記第1の巻き線と上記コンデンサとによって並列共振回路を構成し、上記第2の周波数の電波を受信する場合には直列接続された上記第1および第2の巻き線と上記コンデンサとによって並列共振回路を構成する制御を行う制御手段と、
上記第1の周波数および第2の周波数のいずれを受信する場合も上記第1の巻き線および第2の巻き線の相互に接続されていない側の端子にそれぞれ出現する電圧を出力する出力手段と、
を有することを特徴とする受信装置。 In a receiving device that selectively receives radio waves of a predetermined frequency using parallel resonance between a coil wound around a core and a capacitor,
A first winding corresponding to a first frequency wound around the core;
A second winding wound around the core and corresponding to a second frequency lower than the first frequency by being connected in series with the first winding;
When receiving the radio wave of the first frequency, the first winding and the capacitor constitute a parallel resonant circuit, and when receiving the radio wave of the second frequency, the first connected in series. Control means for performing control to form a parallel resonant circuit by the first and second windings and the capacitor;
Output means for outputting voltages appearing at terminals of the first winding and the second winding that are not connected to each other when receiving either the first frequency or the second frequency; ,
A receiving apparatus comprising:
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