JP4353399B2 - Vibrating mirror - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロマシニング技術を応用した微小光学系を有する光走査装置に関し、例えば、デジタル複写機、及びレーザプリンタ等の書込系に用いられる光走査装置、あるいはバーコードリーダー等の読み取り装置などに好適な技術である。
【0002】
【従来の技術】
従来の振動ミラーでは、同一直線上に設けられた2本の梁で支持されたミラー基板を、ミラー基板に対向する位置に設けた電極との間の静電引力で、2本の梁をねじり回転軸として往復振動させている(例えば、非特許文献1参照)。マイクロマシニング技術で形成されるこの振動ミラーは、従来のモーターを使ったポリゴンミラーの回転による光走査装置と比較して、構造が簡単で半導体プロセスでの一括形成が可能なため、小型化が容易で製造コストも低く、また単一の反斜面であるため複数面による精度のばらつきがなく、さらに往復走査であるため高速化にも対応できる等の効果が期待できる。
【0003】
このような静電駆動の振動ミラーとしては、梁をS字型として剛性を下げ、小さな駆動力で大きな振れ角が得られるようにしたもの(例えば、特許文献1参照)、梁の厚さをミラー基板、フレーム基板よりも薄くしたもの(例えば、特許文献2参照)、固定電極をミラー部の振動方向に重ならない位置に配置したもの(例えば、特許文献3、非特許文献2参照)、また、対向電極をミラーの振れの中心位置から傾斜させて設置することで、ミラーの振れ角を変えずに駆動電圧を下げたものがある(例えば、非特許文献3参照)。以上は駆動方法として静電引力を用いた例であるが、駆動力はそのほか電磁力を用いたものや圧電素子を用いたものが提案されている。
【0004】
一般に、これらの振動ミラーは低エネルギーで大きな振れ角が得られるように、ミラー基板とねじり梁それぞれの材質、形状、寸法で決まってくる構造体の共振周波数で駆動している。
【0005】
【非特許文献1】
IBM J.Res.Develop Vol.24 (1980)
【非特許文献2】
The 13th Annual International Workshop on MEMS2000 (2000)p.473−478
【非特許文献3】
The 13th Annual International Workshop on MEMS2000 (2000)p.645−650
【特許文献1】
特許第2924200号公報
【特許文献2】
特開平7−92409号公報
【特許文献3】
特許第3011144号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
振動ミラーの共振周波数fは、梁のねじり弾性係数をk、ミラー基板の慣性モーメントをIとすると次式であらわすことができる。
【0007】
f=1/2π√(k/I)
ねじり弾性係数kは、梁幅をc、梁高さをt、梁長さをLとすると次式であらわすことができる。
なお、βは断面形状係数、Eはヤング率、νはポアソン比である。
【0008】
k=βtc3E/L(1+ν)
ミラー基板の慣性モーメントIは、ミラー重量をM、密度をρ、ミラー基板の幅、長さ、厚さをそれぞれb、a、tとすると次式であらわすことができる。
【0009】
I=M(a2+b2)/12
=ρtab(a2+b2)/12
ねじり梁支持の振動ミラーは、一般に低エネルギーで大きな振れ角が得られるように、ミラー基板とねじり梁それぞれの材質、形状、寸法で決まってくる構造体の共振周波数を駆動周波数として設定している。これらの関係式からわかるように、ねじり梁(c,t,L)とミラー基板(a,b,t)の寸法は振動ミラーの共振周波数に大きく影響してくる。
【0010】
しかしながら、ねじり梁とミラー基板の寸法は製造工程におけるマスク精度や加工方法、加工精度によって決まってくるため、完成した振動ミラーには必ず寸法誤差が生じてくる。したがって、共振周波数は厳密に見れば個々のデバイスですべて異なってくる。デバイスを使用するうえで動作周波数を個別に設定する場合は問題ないが、駆動は通常統一された周波数仕様として設定されている場合が多い。したがって、駆動周波数と共振周波数が正確には一致しておらず、この共振点からのズレがそのまま振れ角の低下として現れる。また、複数の振動ミラーを同一装置で同時使用する場合、共通の駆動周波数に対する個々の振動ミラーの共振周波数のズレは、個々の振動ミラーの振れ角のばらつきとなり、ズレが大きくなると電圧による振れ角の統一化が不可能となってしまう。
【0011】
本発明の目的は、このような共振周波数のばらつきの問題点を解決し、個別に共振周波数を高精度に調整することが可能な振動ミラーを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の振動ミラーにおいては、光ビームを反射するミラー基板と、ミラー基板を支持する同一直線上に設けられた2本の梁と、上記ミラー基板に回転力を発生するミラー駆動手段とを有し、ミラー基板を前記梁をねじり回転軸として、所定の走査周波数で往復振動する振動ミラーにおいて、前記ミラー基板は、光ビームを反射する面の反対の面に凹部が形成され、前記凹部の角で且つ回転軸に対称で且つミラー基板の重心に対して対称な位置に質量片を付着させて、共振周波数を可変している。
【0013】
請求項2の振動ミラーにおいては、上記ミラー基板の共振周波数を、走査周波数よりもあらかじめ高く設定してなるとともに、上記ミラー基板の共振周波数を上記走査周波数に合わせている。
【0014】
請求項3の振動ミラーにおいては、請求項1記載の振動ミラーにおいて振動の共振周波数を調整するための質量片がミラー基板の少なくとも回転軸に対して対称な2箇所に付加されている。
【0015】
請求項4の振動ミラーにおいては、回転軸から最も離れたミラー基板端部に共振周波数を調整するための質量片が付加されている。
【0016】
請求項5の振動ミラーにおいては、ミラー基板の重心を通り回転軸と直行する直線上に質量片を付着している。
【0017】
請求項6の振動ミラーにおいては、請求項1記載の振動ミラーにおいて凹部を備え、該凹部の少なくとも一部に質量片が付着している。
【0018】
請求項7の振動ミラーにおいては、請求項6記載の振動ミラーにおいて上記凹部がミラー基板のミラー面と反対側の面に設けられている。
【0019】
請求項8の振動ミラーにおいては、請求項6記載の振動ミラーにおいて上記凹部は上記回転軸と平行、かつミラー基板面と直交する面とミラー基板面と平行な面とを有し、各面が交わる辺に質量片を付着している。
【0020】
請求項9の振動ミラーにおいては、請求項1乃至は5記載の振動ミラーにおいて上記質量片が上記ミラー基板に固形状に付着している。
【0021】
請求項10の振動ミラーにおいては、請求項1乃至は5記載の振動ミラーにおいて上記質量片が上記ミラー基板に膜状に付着している。
【0022】
請求項11の振動ミラーにおいては、請求項1に記載の振動ミラーにおいて上記ミラー基板で偏向した光ビームの透過部と、上記ミラー駆動手段に結線する端子とを有する封止手段を備え、少なくとも上記ミラー基板を減圧状態に密閉されている。
【0023】
請求項12の振動ミラーの製造方法においては、ノズルから液滴を吐出することで上記ミラー基板に上記質量片を付着している。
【0024】
請求項13の光走査装置においては、光ビームを反射するミラー基板と、ミラー基板を支持する梁とを有し、ミラー基板を前記梁をねじり回転軸として往復振動させる振動ミラーを複数配備してなる光走査装置であって、上記複数の振動ミラーのうち、少なくとも1つの振動ミラーについてミラー基板の少なくとも1箇所に質量片を付着して共振周波数を揃え、共通の走査周波数で往復振動する。
【0025】
請求項14の光走査装置においては、請求項13記載の光走査装置において上記複数の振動ミラーのうち、最小の共振周波数を有する振動ミラーに合うように、他の振動ミラーの共振周波数を揃えている。
【0026】
請求項15の光書込装置においては、請求項1から9のいずれか1項記載の振動ミラーと、前記振動ミラーの振幅に対応して、前記光源を変調する光源駆動手段と、前記ミラー面で反射された光ビームを被走査面に結像させるための手段とを有する。
【0027】
請求項16の画像形成装置においては、請求項1から9のいずれか1項記載の振動ミラーと、記録信号によって変調された光ビームを前記振動ミラーのミラー基板のミラー面へ入射させるための手段と、前記ミラー面で反射された光ビームを結像させるための手段と、前記記録信号にしたがった静電潜像が結像される像担持体と、静電像をトナーで顕像化する現像手段と、顕像化されたトナー像を記録紙に転写する転写手段を有する。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を用いて具体的に説明する。
【0029】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1に係る振動ミラーの構成を示す。図1(a)は振動ミラーの平面図、(b)は振動ミラーのねじり梁と直交方向中央の断面図である。
【0030】
ミラー基板101と2本のねじり梁102、103と、ねじり梁を外側から固定している上部フレーム104は、高精度の微細加工が可能で弾性体として使用するうえで適度な剛性をもち、かつ、そのまま電極として用いることができるように低抵抗の単結晶シリコン基板で一体成形されている。
【0031】
ミラー基板101は同軸上に設けられた2本のねじり梁102、103でその一辺の中央部分を支持されており、ミラー基板101上には使用する光に対して十分な反射率をもつ金属薄膜130が形成されている。ミラー基板101と2本のねじり梁102、103の各部寸法は、必要とする共振周波数が得られるように設計されている。
【0032】
上部フレーム104は絶縁膜105を介してミラー基板が振動する領域が除去された下部フレーム106に接合されている。下部フレーム106の厚さについては、ミラー基板の振動範囲がフレーム外に出ないことと、振動ミラー製造取り扱いに支障をきたさないことを考慮して設定してある。
【0033】
上部フレーム104とねじり梁102、103、ミラー基板101は、酸化膜をエッチングマスクとしてSF6エッチングガスを用いた高密度プラズマエッチングにより、同一基板を貫通エッチングすることによって一体成形してある。この際、ミラー基板のねじり梁が結合されていない側面には、静電引力による駆動のための可動電極107、108を櫛歯形状に加工形成した。また、下部フレーム106については、SiN膜をエッチングマスクとしてKOH溶液を用いた異方性エッチングにより、ミラー基板振動領域を除去して形成してある。なお、上部フレーム104とねじり梁102、103、ミラー基板101を形成する上部基板と、下部フレーム106を形成する下部基板は、平坦化、清浄化された後に熱酸化膜105を介して直接接合によって接合しており、その後、上部基板を研削、研磨によりミラー基板の板厚(ねじり梁の厚さ)に合わせている。
【0034】
ミラー基板のねじり梁に支持されていない櫛歯形状をなす両側面107、108は、微小ギャップをへだてて同一部位の上部フレーム104に設けられた同じく櫛歯形状の駆動用の固定電極109、110に噛み合うかたちで対向している。この固定電極109、110が形成されている上部フレーム104の一部は、スリット111、112、113、114によりねじり梁が結合されている上部フレーム領域からは絶縁分離されている。
【0035】
上部フレーム104の表面には酸化膜が形成されており、固定電極109、110が形成され絶縁分離されている上部フレームの一部は酸化膜がマスクエッチングによって除去され、低抵抗シリコン基板が露出しており、この部分にスパッタ法でマスク成膜したAl薄膜による電極パット115、116が形成されている。また、ねじり梁が結合されている上部フレームの一部からも同様にマスクエッチングによって酸化膜が除去され低抵抗シリコン基板が露出しており、この部分にもスパッタ法でマスク成膜したAl薄膜による電極パット117が形成されている。なお、ここでは電極パットとしてAl薄膜をスパッタ法で形成しているが、十分な密着性とシリコン基板との導通が得られればAu等の他の材料も選択可能であり、また、成膜方法についても真空蒸着法、イオンプレーティング法等の他の方法で成膜してもよい。
【0036】
なお、ここでは振動ミラーの駆動方法として静電引力を用いた場合の構成を説明したが、電磁力や圧電素子を用いた場合の構成にすることも可能である。
【0037】
振動ミラーの反射面としての金属薄膜130が形成されている面と反対側の面には2つの質量片として紫外線硬化型の樹脂131、132が回転軸に対して対称でかつ、両者を結ぶ線がミラー重心をとおるような位置に付着している。回転軸に対して対称に配置することで、往復振動時の動作の再現性を確保しており、また、ミラー重心に対称配置することで、梁方向の動作の均一性を確保して不要な振動発生を抑えている。
【0038】
次に、本発明の実施例1に係る振動ミラーの動作を説明する。2本のねじり梁102、103で支持されたミラー基板101の両端を可動電極として接地するため、上部フレームに形成された電極パット117を接地しておく。このとき上部フレームとねじり梁、ミラー基板は低抵抗のシリコン基板によって一体形成されているため同電位となる。上部フレームに形成された電極パット115、116から、固定電極109、110に同時に電圧を印加すると、微小ギャップを介して向かい合った固定電極109、110と可動電極107、108の間に静電引力が働き、両電極間に微少量の初期位置ずれがあった場合、両者が最短距離となるように可動電極すなわちミラー基板に回転のモーメントが働く。このようにして起動した後は、共振振動により振れ角を増大していくことができる。なお、ここではミラー基板を共振振動させるための駆動力として静電引力を用いた場合を説明したが、電磁力、圧電素子を駆動に用いてもよい。
【0039】
このときの共振周波数は前述したようにミラー基板の慣性モーメントとねじり梁の剛性、すなわちそれぞれの材料、構造、寸法によって決まってくる。加工時の寸法はフォトリソグラフィ工程での露光、現像時間の超過、あるいはエッチング時のオーバーエッチング等を考慮したうえでフォトマスクの寸法補正を行ない合わせ込む。
【0040】
しかし、加工精度によっては目標とする共振周波数が得られない場合がある。このときあらかじめ振動ミラーの共振周波数を実使用時の走査周波数よりも高く設定しておく。たとえばねじり梁であれば設計値よりも少し太く、ミラー基板であれば設計値よりも少し軽くなるように設定する。このときの周波数の差はあとで付着させる質量片による調整の範囲内に抑えられるように設定しておく。
【0041】
質量片131、132としては紫外線硬化型の樹脂を用いた。ここではノズルからの液滴の吐出により振動ミラー上に付着させており、液滴の吐出は液室の壁を圧電素子により振動させて行なった。硬化前の樹脂は粘性抵抗が十分低く容易に吐出することができ、また、液室の壁の変位量と液滴吐出量、付着液滴量と共振周波数変化量はそれぞれ相関をとってある。なお、一回の変位によると吐出量は数ピコリットルである。この液滴を共振周波数の必要変化量に応じて振動ミラー表面に付着させると同時に紫外線を照射し、樹脂として硬化し質量片とした。
【0042】
なお、ミラー基板で偏向した光ビームの透過部と、ミラー駆動手段に結線する端子とを有する封止手段(減圧容器)を備え、少なくともミラー基板を減圧状態に密閉する。
【0043】
(実施例2)
図2は、本発明の実施例2に係る振動ミラーの構成を示す。(a)は振動ミラーの平面図、(b)は振動ミラーのねじり梁と直交方向中央の断面図である。
【0044】
ミラー基板200を除いた2本のねじり梁と、ねじり梁を外側から固定している上部フレームの構成は実施例1と同じであるので説明を省略し、ここでは本発明の特徴であるところの共振周波数を調整するための構成を備えたミラー基板についてのみ説明する。なお、ここでは振動ミラーの駆動方法として静電引力を用いた場合の構成を示しているが、電磁力や圧電素子を駆動手段として用いることも可能である。
【0045】
振動ミラーの反射面としての金属薄膜201が形成されている面と反対側の面には2つの質量片として金属薄膜202、203が回転軸に対して対称な位置に付着している。回転軸に対して対称に配置することで、往復振動時の動作の再現性を確保している。 ここでは金属薄膜としてCrを用い、ステンレスシートに所望の開口部を設けたマスクをミラー基板の上に設置したうえで開口部を通してスパッタ法により成膜した。金属薄膜としてはCrのほかNi、Al、Ti等十分な密着性が得られ成膜が容易で安定な他の金属を用いてもよく、それぞれ原子量により膜厚に対する共振周波数の変化が異なるので相関を取っておく必要がある。
【0046】
質量片の付着としてこのように金属薄膜の成膜を用いた場合、ミラー基板の質量の増加を精度よく制御できるため、共振周波数の微調節が可能である。その反面、薄膜での質量増加であるので、大幅な共振周波数調整には向かない。薄膜の形成方法としてはここではスパッタ法を用いたが、真空蒸着法、イオンプレーティング法等、固体ソースからの原子あるいはイオンの供給が方向性をもつ方法であれば、このようなステンシルマスクを用いた容易な成膜が可能である。また、ステンシルマスクの開口面積の設定により、成膜時の質量増加レートを変えることができる。
【0047】
(実施例3)
図3は、本発明の実施例3に係る振動ミラーの構成を示す。(a)は振動ミラーの平面図、(b)は振動ミラーのねじり梁と直交方向中央の断面図である。
【0048】
ミラー基板400を除いた2本のねじり梁と、ねじり梁を外側から固定している上部フレームの構成は実施例1と同じであるので説明を省略し、ここでは本発明の特徴であるところの共振周波数を調整するための構成を備えたミラー基板400についてのみ説明する。なお、ここでは振動ミラーの駆動方法として静電引力を用いた場合の構成を示しているが、電磁力や圧電素子を駆動手段として用いることも可能である。
【0049】
振動ミラーの反射面としての金属薄膜401が形成されている面と反対側の面には、ミラー基板両端の櫛歯電極近傍にねじり梁と平行方向に複数の凹部402、403が形成されている。この凹部は櫛歯電極を貫通エッチングで形成する際にエッチングマスクの厚さを薄くしておくことで同時に形成することができる。以下、図4を用いてその形成方法を説明する。
【0050】
両面に酸化膜501、502が形成されているシリコン基板500において、表面側の酸化膜501のギャップ領域をレジストマスクでドライエッチングすることによりパターニングする(a)。次に凹部を形成する領域の酸化膜501を一部残して同じくレジストマスクでドライエッチングすることによりパターニングする(b)。次にギャップ領域のシリコンをドライエッチングで掘りこむ。この際、凹部を形成する領域の酸化膜がなくならないように、あらかじめ酸化膜の厚さを設定しておく(c)。次に凹部の酸化膜をドライエッチングで除去する(d)。次にギャップ領域と凹部のシリコンをドライエッチングで同時に掘りこみ、エッチング深さが先行しているギャップ領域のシリコン基板が貫通したところでエッチングを停止することで同時に凹部が形成される(e)。
【0051】
ミラー基板に形成された複数の凹部のうちの一部には紫外線硬化型の樹脂404、405が充填されている。充填は回転軸に対して対称でかつ、ミラー重心に対しても対称な位置に充填されている。
【0052】
回転軸に対して対称に配置することで、往復振動時の動作の再現性を確保しており、また、ミラー重心に対称配置することで、梁方向の動作の均一性を確保して不要な振動発生を抑えている。このように、紫外線硬化型の樹脂を付着する領域が凹型になっていることで、質量を加える領域が規定されるので、ミラー基板面内の質量のバランスがとりやすく、安定した共振振動を得ることができる。
【0053】
(実施例4)
図5は、本発明の実施例4に係る振動ミラーの構成を示す。(a)は振動ミラーの平面図、(b)は振動ミラーのねじり梁と直行方向の断面図である。
【0054】
ミラー基板600を除いた2本のねじり梁と、ねじり梁を外側から固定している上部フレームの構成は実施例1と同じであるので説明を省略し、ここでは本発明の特徴であるところの共振周波数を調整するための構成を備えたミラー基板600についてのみ説明する。なお、ここでは振動ミラーの駆動方法として静電引力を用いた場合の構成を示しているが、電磁力や圧電素子を駆動手段として用いることも可能である。
【0055】
振動ミラーの反射面としての金属薄膜601が形成されている面と反対側の面には、ミラー基板両端の櫛歯電極近傍にねじり梁と平行方向に複数の凹部602、603が形成されている。この凹部は櫛歯電極を貫通エッチングで形成する際にエッチングマスクの厚さを薄くしておくことで同時に形成することができる。形成方法は、本発明の実施例3において図4を用いて説明したものである。
【0056】
ミラー基板に形成された複数の凹部のうちの一部にはその角部600に紫外線硬化型の樹脂404、405が充填されている。充填は回転軸に対して対称でかつ、ミラー重心に対しても対称な位置に充填されている。
【0057】
回転軸に対して対称に配置することで、往復振動時の動作の再現性を確保しており、また、ミラー重心に対称配置することで、梁方向の動作の均一性を確保して不要な振動発生を抑えている。このように、紫外線硬化型の樹脂を凹型領域の角部に付着することで、接着面積を広くとることができ、剥がれ等のない強度の高い接着が可能となる。
【0058】
(実施例5)
図6は、本発明の実施例5に係る振動ミラーの構成を示す。(a)は振動ミラーの平面図、(b)は振動ミラーのねじり梁と直行方向中央の断面図である。
【0059】
ミラー基板700を除いた2本のねじり梁と、ねじり梁を外側から固定している上部フレームの構成は実施例1と同じであるので説明を省略し、ここでは本発明の特徴であるところの共振周波数を調整するための構成を備えたミラー基板についてのみ説明する。なお、ここでは振動ミラーの駆動方法として静電引力を用いた場合の構成を示しているが、電磁力や圧電素子を駆動手段として用いることも可能である。
【0060】
振動ミラーの反射面としての金属薄膜701が形成されている面と反対側の面には2つの質量片として金属薄膜702、703が両者を結ぶ線がミラー重心をとおるような位置に付着している。ミラー重心に対称配置することで、梁方向の動作の均一性を確保して不要な振動発生を抑えている。ここでは金属薄膜としてCrを用い、ステンレスシートに所望の開口部を設けたマスクをミラー基板の上に設置したうえで開口部を通してスパッタ法により成膜した。金属薄膜としてはCrのほかNi、Al、Ti等十分な密着性が得られ、成膜が容易で安定な他の金属を用いてもよく、それぞれ原子量により膜厚に対する共振周波数の変化が異なるので相関を取っておく必要がある。質量片の付着としてこのように金属薄膜の成膜を用いた場合、ミラー基板の質量の増加を精度よく制御できるため、共振周波数の微調節が可能である。その反面、薄膜での質量増加であるので、大幅な共振周波数調整には向かない。薄膜の形成方法としてはここではスパッタ法を用いたが、真空蒸着法、イオンプレーティング法等、固体ソースからの原子あるいはイオンの供給が方向性をもつ方法であれば、このようなステンシルマスクを用いた容易な成膜が可能である。また、ステンシルマスクの開口面積の設定により、成膜時の質量増加レートを変えることができる。
【0061】
以上に説明した本発明の振動ミラーは、写真印刷方式のプリンタや複写機などの画像形成装置のための光走査装置として最適である。次に、そのような画像形成装置の一例について図7を参照して説明する。
【0062】
図7において、301は光書込装置、302は光書込装置301の被走査面を提供する感光体ドラムである。光書込装置301は、記録信号によって変調された1本又は複数本のレーザビームで感光体ドラム302の表面(被走査面)を同ドラムの軸方向に走査するものである。感光体ドラム302は、矢印303方向に回転駆動され、帯電部304で帯電された表面に光書込装置301により光走査されることによって静電潜像を形成される。この静電潜像は現像部305でトナー像に顕像化され、このトナー像は転写部306で記録紙307に転写される。転写されたトナー像は定着部307によって記録紙307に定着される。感光体ドラム302の転写部306を通過した表面部分はクリーニング部309で残留トナーを除去される。なお、感光体ドラム302に代えてベルト状の感光体を用いる構成も可能であることは明らかである。また、トナー像を転写媒体に一旦転写し、この転写媒体からトナー像を記録紙に転写して定着させる構成とすることも可能である。
【0063】
光書込装置301は、記録信号によって変調された1本又は複数本のレーザビームを発する光源部320と、本発明の振動ミラー321と、この振動ミラー321のミラー基板のミラー面に光源部320からのレーザビームを結像させるための結像光学系322と、ミラー面で反射された1本又は複数本のレーザビームを感光体ドラム302の表面(被走査面)に結像させるための走査光学系323から構成される。振動ミラー321は、その駆動のための集積回路324とともに回路基板325に実装された形で光書込装置301に組み込まれる。
【0064】
このような構成の光書込装置301は、次のような利点を有する。本発明による振動ミラー321は、前述のように共振周波数の精度、安定性の面で有利であるほか、回転多面鏡に比べ駆動のための消費電力が小さいため、画像形成装置の省電力化に有利である。振動ミラー321のミラー基板の振動時の風切り音は回転多面鏡に比べ小さいため、画像形成装置の静粛性の改善に有利である。光走査装置321は回転多面鏡に比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また、振動ミラー321の発熱量もわずかであるため、光書込装置301の小型化が容易であり、したがって画像形成装置の小型化に有利である。
【0065】
なお、記録紙307の搬送機構、感光体ドラム302の駆動機構、現像部305、転写部306などの制御手段、光源部320の駆動系などは、従来の画像形成装置と同様でよいため図中省略されている。
【0066】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)製造工程でのばらつきにより完成した振動ミラーの共振周波数がばらついても調整して統一することができるので、製品の歩留まりを向上させることができる。
(2)往復振動の両方向の振動条件が同等となるため変動のない安定した共振振動が得られる。
(3)ミラー重心に対称に配置することで、梁方向の動作の均一性を確保して不要な振動発生を抑えることができるため、安定した共振動作が可能となる。
(4)質量片を付着させる領域が凹型になっていることで、質量を加える領域が不規則な形状で広がらず面積が規定されるので、ミラー基板面内の質量のバランスがとりやすく、安定した共振振動を得ることができる。
(5)ミラー面がミラー基板の片面全面を利用できるので大きなビーム径への対応が可能となり様々なアプリケーションへの応用が可能となる。
(6)凹型領域の角部に付着することで、接着面積を広くとることができ、剥がれ等のない強度の高い付着が可能となりデバイスの信頼性が向上する。
(7)質量片がミラー基板の慣性モーメントに大きく寄与するため共振周波数の調整範囲を広くすることができ、ばらつきの大きいデバイスの補正が可能で歩留まりが向上する。
【0067】
請求項2記載の発明によれば、調整の方向が共振周波数を低くする方向に限られてくるため、調整方法としてミラー基板への質量片の付着となり、容易で自由度の高い調整が可能となる。
【0068】
請求項3記載の発明によれば、往復振動の両方向の振動条件が同等となるため変動のない安定した共振振動が得られる。
【0069】
請求項4記載の発明によれば、質量片のモーメントが大きく寄与するため共振周波数の調整範囲を広くすることができ、ばらつきの大きいデバイスの補正が可能で歩留まりが向上する。
【0070】
請求項5記載の発明によれば、ミラー重心に対称に配置することで、梁方向の動作の均一性を確保して不要な振動発生を抑えることができるため、安定した共振動作が可能となる。
【0071】
請求項6記載の発明によれば、質量片を付着させる領域が凹型になっていることで、質量を加える領域が不規則な形状で広がらず面積が規定されるので、ミラー基板面内の質量のバランスがとりやすく、安定した共振振動を得ることができる。
【0072】
請求項7記載の発明によれば、ミラー面がミラー基板の片面全面を利用できるので大きなビーム径への対応が可能となり様々なアプリケーションへの応用が可能となる。
【0073】
請求項8記載の発明によれば、凹型領域の角部に付着することで、接着面積を広くとることができ、剥がれ等のない強度の高い付着が可能となりデバイスの信頼性が向上する。
【0074】
請求項9記載の発明によれば、質量片がミラー基板の慣性モーメントに大きく寄与するため共振周波数の調整範囲を広くすることができ、ばらつきの大きいデバイスの補正が可能で歩留まりが向上する。
【0075】
請求項10記載の発明によれば、質量片の付着としてこのように金属薄膜の成膜を用いた場合、ミラー基板の質量の増加を精度よく制御できるため、共振周波数の微調節が可能である。
【0076】
請求項11記載の発明によれば、ミラー基板を清浄な環境のもとで動作させることができるため信頼性が向上し、空気の粘性抵抗が無視できるため、振れ角を拡大することができる。
【0077】
請求項12記載の発明によれば、液滴量の高精度な制御が可能なため共振周波数の高精度な制御が可能となり、製品の歩留まりを向上させることができる。
【0078】
請求項13記載の発明によれば、複数の振動ミラーの共振周波数を容易な方法でそろえることができるため、歩留まりが向上する。
【0079】
請求項14記載の発明によれば、調整の方向が共振周波数を低くする方向に限られてくるため、調整方法としてミラー基板への質量片の付着となり、容易で自由度の高い調整が可能となる。
【0080】
請求項15記載の発明によれば、振動ミラーの共振周波数が高精度に調整されているため、光書込装置としての性能を安定して確保できる。
【0081】
請求項16記載の発明によれば、振動ミラーの共振周波数が高精度に調整されているため、画像形成装置としての性能を安定して確保できるほか、回転多面鏡に比べ駆動のための消費電力が小さいため、画像形成装置の省電力化に有利である。また、振動ミラー321のミラー基板の振動時の風切り音は回転多面鏡に比べ小さいため、画像形成装置の静粛性の改善に有利である。さらに光走査装置321は回転多面鏡に比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また、振動ミラー321の発熱量もわずかであるため、光書込装置301の小型化が容易であり、したがって画像形成装置の小型化に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る振動ミラーの構成を示す。
【図2】本発明の実施例2に係る振動ミラーの構成を示す。
【図3】本発明の実施例3に係る振動ミラーの構成を示す。
【図4】実施例3に係る振動ミラーの形成方法を説明する図である。
【図5】本発明の実施例4に係る振動ミラーの構成を示す。
【図6】本発明の実施例5に係る振動ミラーの構成を示す。
【図7】本発明が適用される画像形成装置の構成例を示す。
【符号の説明】
101 ミラー基板
102、103 ねじり梁
104 上部フレーム
105 絶縁膜
106 下部フレーム
107、108 可動電極
109、110 固定電極
111〜114 スリット
115、116 電極パット
131、132 質量片[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an optical scanning device having a micro optical system to which micromachining technology is applied, for example, an optical scanning device used in a writing system such as a digital copying machine and a laser printer, or a reading device such as a barcode reader. This is a suitable technique.
[0002]
[Prior art]
In a conventional oscillating mirror, a mirror substrate supported by two beams provided on the same straight line is twisted by electrostatic attraction between an electrode provided at a position facing the mirror substrate. A reciprocating vibration is used as a rotating shaft (see Non-Patent Document 1, for example). This oscillating mirror formed by micromachining technology has a simple structure and can be formed in a batch in the semiconductor process compared to a conventional optical scanning device using a polygon mirror rotating using a motor. In addition, the manufacturing cost is low, and since there is a single anti-slope, there is no variation in accuracy due to multiple surfaces, and further, since it is a reciprocating scan, it is possible to expect effects such as high speed.
[0003]
As such an electrostatically driven vibrating mirror, the beam is made into an S-shape to reduce the rigidity so that a large deflection angle can be obtained with a small driving force (for example, see Patent Document 1). A mirror substrate, a substrate thinner than the frame substrate (for example, refer to Patent Document 2), a fixed electrode disposed at a position that does not overlap the vibration direction of the mirror part (for example, refer to Patent Document 3, Non-Patent Document 2), or In some cases, the drive voltage is lowered without changing the deflection angle of the mirror by installing the counter electrode so as to be inclined from the center position of the deflection of the mirror (for example, see Non-Patent Document 3). The above is an example using electrostatic attraction as a driving method, but other driving force using electromagnetic force or using a piezoelectric element has been proposed.
[0004]
In general, these oscillating mirrors are driven at a resonance frequency of a structure determined by the material, shape, and dimensions of the mirror substrate and the torsion beam so that a large deflection angle can be obtained with low energy.
[0005]
[Non-Patent Document 1]
IBM J.M. Res. Develop Vol. 24 (1980)
[Non-Patent Document 2]
The 13th Annual International Workshop on MEMS2000 (2000) p. 473-478
[Non-Patent Document 3]
The 13th Annual International Workshop on MEMS2000 (2000) p. 645-650
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 2924200
[Patent Document 2]
Japanese Patent Laid-Open No. 7-92409
[Patent Document 3]
Japanese Patent No. 30111144
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The resonance frequency f of the oscillating mirror can be expressed by the following equation where k is the torsional elastic coefficient of the beam and I is the moment of inertia of the mirror substrate.
[0007]
f = 1 / 2π√ (k / I)
The torsional elastic coefficient k can be expressed by the following equation where the beam width is c, the beam height is t, and the beam length is L.
Where β is the cross-sectional shape factor, E is the Young's modulus, and ν is the Poisson's ratio.
[0008]
k = βtc3E / L (1 + ν)
The moment of inertia I of the mirror substrate can be expressed by the following equation when the mirror weight is M, the density is ρ, and the width, length, and thickness of the mirror substrate are b, a, and t, respectively.
[0009]
I = M (a2+ B2) / 12
= Ρtab (a2+ B2) / 12
The vibration mirrors supported by torsion beams generally set the resonance frequency of the structure determined by the material, shape and dimensions of the mirror substrate and torsion beam as the drive frequency so that a large deflection angle can be obtained with low energy. . As can be seen from these relational expressions, the dimensions of the torsion beam (c, t, L) and the mirror substrate (a, b, t) greatly affect the resonance frequency of the vibrating mirror.
[0010]
However, since the dimensions of the torsion beam and the mirror substrate are determined by the mask accuracy, processing method, and processing accuracy in the manufacturing process, a dimensional error always occurs in the completed vibrating mirror. Therefore, strictly speaking, the resonance frequency is different for each device. There is no problem when the operating frequency is individually set for using the device, but the drive is usually set as a unified frequency specification. Therefore, the drive frequency and the resonance frequency do not exactly match, and the deviation from the resonance point appears as a decrease in the deflection angle. In addition, when multiple vibrating mirrors are used at the same time in the same device, the deviation of the resonance frequency of each vibrating mirror with respect to a common drive frequency is a variation in the swing angle of each vibrating mirror. It becomes impossible to unify.
[0011]
An object of the present invention is to provide a vibrating mirror capable of solving such a problem of variation in resonance frequency and individually adjusting the resonance frequency with high accuracy.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
According to another aspect of the present invention, the vibrating mirror includes: a mirror substrate that reflects the light beam; two beams that are provided on the same straight line that supports the mirror substrate; and a mirror driving unit that generates a rotational force on the mirror substrate. A mirror substrate, wherein the mirror substrate reciprocally vibrates at a predetermined scanning frequency using the beam as a torsional rotation axis.Has a concave portion formed on the surface opposite to the surface that reflects the light beam, and attaches a mass piece at a position that is symmetric with respect to the corner of the concave portion and with respect to the rotation axis and with respect to the center of gravity of the mirror substrate,The resonance frequency is variable.
[0013]
According to another aspect of the present invention, the resonance frequency of the mirror substrate is set to be higher than the scanning frequency in advance, and the resonance frequency of the mirror substrate is matched to the scanning frequency.
[0014]
According to a third aspect of the present invention, the mass piece for adjusting the resonance frequency of vibration is added to at least two portions of the mirror substrate that are symmetric with respect to the rotation axis.
[0015]
According to another aspect of the present invention, a mass piece for adjusting the resonance frequency is added to the end of the mirror substrate farthest from the rotation axis.
[0016]
According to another aspect of the present invention, the mass piece is attached to a straight line that passes through the center of gravity of the mirror substrate and is orthogonal to the rotation axis.
[0017]
According to a sixth aspect of the present invention, the vibration mirror according to the first aspect is provided with a recess, and a mass piece is attached to at least a part of the recess.
[0018]
According to a seventh aspect of the present invention, in the vibration mirror according to the sixth aspect, the concave portion is provided on a surface opposite to the mirror surface of the mirror substrate.
[0019]
According to an eighth aspect of the present invention, in the vibration mirror according to the sixth aspect, the concave portion has a surface parallel to the rotation axis and perpendicular to the mirror substrate surface and a surface parallel to the mirror substrate surface. Mass pieces are attached to the intersecting sides.
[0020]
According to a ninth aspect of the present invention, in the vibration mirror according to the first to fifth aspects, the mass piece is attached to the mirror substrate in a solid state.
[0021]
According to a tenth aspect of the present invention, in the vibration mirror according to the first to fifth aspects, the mass piece is attached to the mirror substrate in a film shape.
[0022]
An oscillating mirror according to an eleventh aspect includes a sealing means having a light beam transmitting portion deflected by the mirror substrate in the oscillating mirror according to the first aspect and a terminal connected to the mirror driving means. The mirror substrate is sealed in a reduced pressure state.
[0023]
In a vibrating mirror manufacturing method according to a twelfth aspect, the mass piece is attached to the mirror substrate by discharging droplets from a nozzle.
[0024]
The optical scanning device according to claim 13 is provided with a plurality of vibrating mirrors that have a mirror substrate that reflects a light beam and a beam that supports the mirror substrate, and that reciprocally vibrates the mirror substrate using the beam as a torsional rotation axis. In this optical scanning device, a mass piece is attached to at least one location of the mirror substrate for at least one oscillating mirror among the plurality of oscillating mirrors to make the resonance frequency uniform, and reciprocally vibrate at a common scanning frequency.
[0025]
According to a fourteenth aspect of the present invention, in the optical scanning device according to the thirteenth aspect, among the plurality of oscillating mirrors, the resonance frequencies of the other oscillating mirrors are aligned so as to match the oscillating mirror having the minimum resonance frequency. Yes.
[0026]
In the optical writing device according to claim 15, the vibrating mirror according to any one of claims 1 to 9, a light source driving unit that modulates the light source in accordance with an amplitude of the vibrating mirror, and the mirror surface And means for forming an image on the surface to be scanned.
[0027]
17. The image forming apparatus according to claim 16, wherein the vibrating mirror according to any one of claims 1 to 9 and means for causing a light beam modulated by a recording signal to enter a mirror surface of a mirror substrate of the vibrating mirror. And means for forming an image of the light beam reflected by the mirror surface, an image carrier on which an electrostatic latent image is formed according to the recording signal, and developing the electrostatic image with toner Developing means and transfer means for transferring the visualized toner image onto the recording paper.
[0028]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be specifically described below with reference to the drawings.
[0029]
Example 1
FIG. 1 shows a configuration of a vibrating mirror according to a first embodiment of the present invention. FIG. 1A is a plan view of a vibration mirror, and FIG. 1B is a cross-sectional view of the center of the vibration mirror perpendicular to the torsion beam.
[0030]
The
[0031]
The
[0032]
The
[0033]
The
[0034]
The comb-shaped side surfaces 107 and 108 that are not supported by the torsion beam of the mirror substrate are formed on the
[0035]
An oxide film is formed on the surface of the
[0036]
In addition, although the structure at the time of using electrostatic attraction was demonstrated here as a drive method of a vibration mirror, it can also be set as the structure at the time of using an electromagnetic force or a piezoelectric element.
[0037]
On the surface opposite to the surface on which the metal
[0038]
Next, the operation of the vibrating mirror according to the first embodiment of the present invention will be described. In order to ground both ends of the
[0039]
As described above, the resonance frequency at this time is determined by the moment of inertia of the mirror substrate and the rigidity of the torsion beam, that is, the respective material, structure, and dimensions. The dimensions at the time of processing are adjusted by adjusting the dimensions of the photomask in consideration of exposure in the photolithography process, excess of development time, or overetching at the time of etching.
[0040]
However, the target resonance frequency may not be obtained depending on the processing accuracy. At this time, the resonance frequency of the vibrating mirror is set in advance higher than the scanning frequency in actual use. For example, the torsion beam is set to be slightly thicker than the design value, and the mirror substrate is set to be slightly lighter than the design value. The frequency difference at this time is set so as to be suppressed within the range of adjustment by a mass piece to be attached later.
[0041]
As the
[0042]
In addition, a sealing means (a decompression container) having a light beam transmission portion deflected by the mirror substrate and a terminal connected to the mirror driving means is provided, and at least the mirror substrate is sealed in a decompressed state.
[0043]
(Example 2)
FIG. 2 shows a configuration of a vibrating mirror according to the second embodiment of the present invention. (A) is a top view of a vibration mirror, (b) is sectional drawing of the direction orthogonal to the torsion beam of a vibration mirror.
[0044]
The configurations of the two torsion beams excluding the
[0045]
On the surface opposite to the surface on which the metal
[0046]
When the metal thin film is formed as described above for attaching the mass piece, the increase in the mass of the mirror substrate can be controlled with high accuracy, and therefore the resonance frequency can be finely adjusted. On the other hand, since the mass is increased in the thin film, it is not suitable for a significant resonance frequency adjustment. Sputtering was used here as the method for forming the thin film, but such a stencil mask can be used if the method of supplying atoms or ions from a solid source has directionality, such as vacuum deposition or ion plating. Easy film formation is possible. Further, the mass increase rate during film formation can be changed by setting the opening area of the stencil mask.
[0047]
(Example 3)
FIG. 3 shows a configuration of a vibrating mirror according to the third embodiment of the present invention. (A) is a top view of a vibration mirror, (b) is sectional drawing of the center of an orthogonal direction with the torsion beam of a vibration mirror.
[0048]
Since the configuration of the two torsion beams excluding the
[0049]
On the surface opposite to the surface on which the metal
[0050]
In the
[0051]
Part of the plurality of recesses formed on the mirror substrate is filled with ultraviolet
[0052]
By arranging it symmetrically with respect to the rotation axis, the reproducibility of the operation during reciprocating vibration is ensured, and by arranging it symmetrically at the center of gravity of the mirror, the uniformity of the operation in the beam direction is ensured and unnecessary Vibration generation is suppressed. As described above, since the region to which the UV curable resin is attached is concave, the region to which mass is applied is defined, so that the mass in the mirror substrate surface can be easily balanced and stable resonance vibration can be obtained. be able to.
[0053]
(Example 4)
FIG. 5 shows a configuration of a vibrating mirror according to Embodiment 4 of the present invention. (A) is a top view of a vibration mirror, (b) is a cross-sectional view of the vibration mirror and a torsion beam and a perpendicular direction.
[0054]
Since the configuration of the two torsion beams excluding the mirror substrate 600 and the upper frame that fixes the torsion beam from the outside is the same as that of the first embodiment, a description thereof will be omitted. Here, the feature of the present invention is described. Only the mirror substrate 600 having a configuration for adjusting the resonance frequency will be described. Here, a configuration in which electrostatic attraction is used as the driving method of the vibrating mirror is shown, but an electromagnetic force or a piezoelectric element can also be used as the driving means.
[0055]
On the surface opposite to the surface on which the metal
[0056]
Some of the plurality of recesses formed on the mirror substrate are filled with UV
[0057]
By arranging it symmetrically with respect to the rotation axis, the reproducibility of the operation during reciprocating vibration is ensured, and by arranging it symmetrically at the center of gravity of the mirror, the uniformity of the operation in the beam direction is ensured and unnecessary Vibration generation is suppressed. In this way, by adhering the ultraviolet curable resin to the corners of the concave region, it is possible to increase the bonding area, and high-strength bonding without peeling or the like is possible.
[0058]
(Example 5)
FIG. 6 shows a configuration of a vibrating mirror according to the fifth embodiment of the present invention. (A) is a top view of a vibration mirror, (b) is a sectional view of the torsion beam of the vibration mirror and the center in the orthogonal direction.
[0059]
The configurations of the two torsion beams excluding the
[0060]
On the surface opposite to the surface on which the metal
[0061]
The vibrating mirror of the present invention described above is most suitable as an optical scanning device for an image forming apparatus such as a photographic printing type printer or a copying machine. Next, an example of such an image forming apparatus will be described with reference to FIG.
[0062]
In FIG. 7,
[0063]
The
[0064]
The
[0065]
The transport mechanism for the
[0066]
【The invention's effect】
As explained above,According to the present invention, the following effects can be obtained.
(1)Even if the resonance frequency of the completed oscillating mirror varies due to variations in the manufacturing process, it can be adjusted and unified, so that the yield of products can be improved.
(2)Since the vibration conditions in both directions of the reciprocating vibration are equivalent, a stable resonance vibration without fluctuation can be obtained.
(3)By arranging symmetrically about the center of gravity of the mirror, it is possible to ensure the uniformity of the operation in the beam direction and suppress the occurrence of unnecessary vibrations, so that a stable resonance operation is possible.
(4)Since the area to which the mass piece is attached is concave, the area to which the mass is added is irregularly shaped and does not expand, so the area is regulated, so the mass on the mirror substrate surface is easily balanced and stable resonant vibration Can be obtained.
(5)Since the mirror surface can use the entire surface of one side of the mirror substrate, it is possible to cope with a large beam diameter and to be applied to various applications.
(6)By adhering to the corners of the concave region, it is possible to increase the adhesion area, and the adhesion with high strength without peeling or the like is possible and the reliability of the device is improved.
(7)Since the mass piece greatly contributes to the moment of inertia of the mirror substrate, the adjustment range of the resonance frequency can be widened, devices with large variations can be corrected, and the yield is improved.
[0067]
According to the second aspect of the present invention, since the adjustment direction is limited to the direction in which the resonance frequency is lowered, the mass piece is attached to the mirror substrate as an adjustment method, and easy and highly flexible adjustment is possible. Become.
[0068]
According to the third aspect of the invention, since the vibration conditions in both directions of the reciprocating vibration are equal, stable resonance vibration without fluctuation can be obtained.
[0069]
According to the invention described in claim 4, since the moment of the mass piece contributes greatly, the adjustment range of the resonance frequency can be widened, and a device with a large variation can be corrected, thereby improving the yield.
[0070]
According to the fifth aspect of the invention, by arranging symmetrically about the center of gravity of the mirror, it is possible to ensure the uniformity of the operation in the beam direction and suppress the generation of unnecessary vibrations, so that a stable resonance operation is possible. .
[0071]
According to the invention described in claim 6, since the area to which the mass piece is attached is concave, the area to which the mass is added is irregularly shaped and does not expand, so the mass within the mirror substrate plane is determined. It is easy to balance the above and stable resonance vibration can be obtained.
[0072]
According to the seventh aspect of the present invention, since the mirror surface can use the entire surface of one side of the mirror substrate, it is possible to cope with a large beam diameter and to be applied to various applications.
[0073]
According to the eighth aspect of the present invention, by adhering to the corners of the concave region, it is possible to increase the adhesion area, and adhesion with high strength without peeling or the like is possible, and the reliability of the device is improved.
[0074]
According to the ninth aspect of the invention, since the mass piece contributes greatly to the moment of inertia of the mirror substrate, the adjustment range of the resonance frequency can be widened, devices with large variations can be corrected, and the yield is improved.
[0075]
According to the tenth aspect of the present invention, when the metal thin film is deposited as the mass piece, the increase in the mass of the mirror substrate can be controlled with high accuracy, so that the resonance frequency can be finely adjusted. .
[0076]
According to the invention described in claim 11, since the mirror substrate can be operated in a clean environment, the reliability is improved and the viscous resistance of air can be ignored, so that the deflection angle can be expanded.
[0077]
According to the invention of claim 12, since the droplet amount can be controlled with high accuracy, the resonance frequency can be controlled with high accuracy, and the product yield can be improved.
[0078]
According to the thirteenth aspect of the present invention, since the resonance frequencies of the plurality of vibrating mirrors can be aligned by an easy method, the yield is improved.
[0079]
According to the invention described in claim 14, since the adjustment direction is limited to the direction in which the resonance frequency is lowered, the mass piece is attached to the mirror substrate as an adjustment method, and the adjustment can be easily performed with a high degree of freedom. Become.
[0080]
According to the fifteenth aspect of the invention, since the resonance frequency of the oscillating mirror is adjusted with high accuracy, the performance as the optical writing device can be secured stably.
[0081]
According to the invention described in claim 16, since the resonance frequency of the oscillating mirror is adjusted with high accuracy, the performance as the image forming apparatus can be secured stably, and the power consumption for driving compared with the rotary polygon mirror Is small, which is advantageous for power saving of the image forming apparatus. Further, since the wind noise during vibration of the mirror substrate of the vibrating
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a configuration of a vibrating mirror according to Embodiment 1 of the present invention.
FIG. 2 shows a configuration of a vibrating mirror according to Embodiment 2 of the present invention.
FIG. 3 shows a configuration of a vibrating mirror according to Embodiment 3 of the present invention.
4 is a diagram for explaining a method of forming a vibrating mirror according to Embodiment 3. FIG.
FIG. 5 shows a configuration of a vibrating mirror according to Embodiment 4 of the present invention.
FIG. 6 shows a configuration of a vibrating mirror according to a fifth embodiment of the present invention.
FIG. 7 shows a configuration example of an image forming apparatus to which the present invention is applied.
[Explanation of symbols]
101 mirror substrate
102, 103 torsion beam
104 Upper frame
105 Insulating film
106 Lower frame
107, 108 Movable electrode
109, 110 Fixed electrode
111-114 slit
115, 116 electrode pad
131, 132 mass pieces
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