JP4352787B2 - Power converter - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数台のインバータ回路の出力を組み合せて階段波形の出力電圧を得る電力変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1台のインバータ回路では得られる容量に制約があるため、大容量用途のインバータ装置の一つとして複数台のインバータ回路を用いて構成される電力変換装置がある。
【0003】
従来技術1.
例えば非特許文献1において、直列多重インバータ装置(電力変換装置)が論じられている。これは、単相三重インバータ装置を例に説明すると、図23(a)に示す基本構成を持つ。すなわち1台の直流電圧源(電圧Ed)に並列接続された3台の単相自励式インバータ回路の出力端は各々変圧器Tr1〜Tr3の1次巻線に接続される。変圧器Tr1〜Tr3の2次巻線は各々直列に接続され、各々の変圧器Tr1〜Tr3の2次巻線に現れる電圧v1〜v3の総和vが電力変換装置としての出力電圧となる。各インバータ回路の出力電圧v1、v2、v3の大きさは変圧器Tr1〜Tr3の1次巻線と2次巻線の電圧比により決まる。各インバータ回路の出力を、位相差を図23(b)のように設けて多重化することにより、電力変換装置の出力電圧vに含まれる高調波成分を低減、除去して、より正弦波に近い出力電圧vを得ることができる(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
従来技術2.
従来の別の電力変換装置においては、3レベル出力が可能な単相出力インバータブリッジをn個備え前記インバータブリッジの出力端子を直列接続した直列n段の単相出力の電力変換装置において、n個の前記インバータブリッジの各出力電圧の振幅V1 、V2 、V3 およびVn の振幅比をV1 :V2 :V3 :Vn =1:2:4:2(n-1) とする電圧振幅比配分手段と、電力変換装置に与える出力電圧指令に最も近い電圧を前記インバータブリッジの出力電圧の組み合わせにより発生する指令電圧発生手段と、前記インバータブリッジをパルス幅変調して電力変換装置全体の出力電圧の平均値が電圧指令と等しくなるように発生電圧を調整する出力電圧調整手段とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【非特許文献1】
「パワーエレクトロニクス回路」電気学会・半導体電力変換システム調査専門委員会編,オーム社,平成12年11月30日,p.143−153
【特許文献1】
特開平11−89242号公報(第1−4頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術1による電力変換装置では、直列接続された電圧比の異なる変圧器Tr1〜Tr3の2次巻線を通過する電流iは共通であるが、1次巻線を流れる電流は各々の変圧器Tr1〜Tr3の巻数比によって異なる。したがって、各インバータ回路の定格電流は、各変圧器Tr1〜Tr3の巻数比によって増減する。このため、インバータ回路を構成する自己消弧形半導体素子やダイオードに定格電流が異なるものを使用したり、同じ定格電流のものを、並列数を異ならせて接続する必要がある。したがって、同じインバータ回路を適用して電力変換装置を構成することができない。このためコストが増加するという問題がある。
また、電力変換装置の出力電圧vを高圧化する場合、その電圧に応じて変圧器とそれに接続するインバータ回路の再設計が必要になるという問題がある。
つまり、多重化するインバータ回路の標準化ができないという問題がある。
【0007】
従来技術2による電力変換装置においても、各単相出力インバータブリッジに入力される電圧値は異なるので、インバータ回路を構成する自己消弧形半導体素子やダイオード、または直流コンデンサの定格電圧が異なる。したがって、上記従来技術1の場合と同様の問題がある。
【0008】
本発明は、上記のような従来のものの問題点を解決するためになされたものであり、標準化された単位電力変換ユニットを用いて出力電圧をマルチレベル化することができる電力変換装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電力変換装置は、インバータ回路および独立した直流電源を含み、前記直流電源の直流電圧値で正規化した値で{1、0、−1}の3レベルの出力が可能な同じ回路構成の単位電力変換ユニットを複数個備え、前記単位電力変換ユニットの出力端子を直列接続した電力変換装置であって、m1個の前記単位電力変換ユニットからなり{m1、…、0、…、−m1}の(2m1+1)レベルの出力が可能な第1の単位電力変換ユニット群と、m2個の前記単位電力変換ユニットからなり{m2、…、0、…、−m2}の(2m2+1)レベルの出力が可能な第2の単位電力変換ユニット群と、…、mn個(ただし、m1,m2,…,mn,およびnは自然数であり、m1<m2<…<mn,3≦nである。)の前記単位電力変換ユニットからなり{mn、…、0、…、−mn}の(2mn+1)レベルの出力が可能な第nの単位電力変換ユニット群とを備え、前記各単位電力変換ユニット群の各出力電圧のうちの少なくとも1つの出力電圧を前記単位電力変換ユニット群に属する単位電力変換ユニット間でオンオフ制御のタイミングをずらして立上りが階段状の出力波形とし、前記各出力電圧を適宜選択して擬似正弦波である階段波形の出力電圧を得るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による電力変換装置を説明する図であり、より具体的には、単位電力変換ユニットの個数が7、単位電力変換ユニット群の個数が3(n=3)のときの電力変換装置を多重インバータ装置として動作させる場合の回路構成を示す図である。
図1において、電力変換装置2は、すべて同じ回路構成を有する7個の単位電力変換ユニット51〜57(5で代表されることもある。)を備えており、各々の出力端子81〜87(8で代表されることもある。)、91〜97(9で代表されることもある。)は直列に接続されている。各単位電力変換ユニット51〜57に対してそれぞれ入力変圧器101〜107を備えている。各入力変圧器101〜107の1次巻線111〜117はすべて多相交流電源1に接続され、2次巻線121〜127はそれぞれ各単位電力変換ユニット51〜57の第1の入力端子群71〜77(7で代表されることもある。)に接続される。
各単位電力変換ユニット51〜57の第1の入力端子131〜137(13で代表されることもある。)は、それぞれ通信線151〜157(15で代表されることもある。)を介して制御回路16の第5の出力端子141〜147(14で代表されることもある。)に接続されている。
【0011】
第1の単位電力変換ユニット群61(6で代表されることもある。)は1(=20)個の単位電力変換ユニット51から構成され、第2の単位電力変換ユニット群62(6で代表されることもある。)は2(=21)個の単位電力変換ユニット52、53から構成され、第3の単位電力変換ユニット群63(6で代表されることもある。)は4(=22)個の単位電力変換ユニット54〜57から構成されている。
【0012】
第1の出力端子3と第2の出力端子4は電力変換装置2の出力端子であり、第1の出力端子3は単位電力変換ユニット51の第3の出力端子81に接続され、第2の出力端子4は単位電力変換ユニット57の第4の出力端子97に接続されている。第1の出力端子3と第2の出力端子4の間には、各電力変換ユニット51〜57の出力電圧合計値の電圧を印加することができる。
【0013】
図2は図1の電力変換装置に適用する単位電力変換ユニットの回路構成を示す図である。本実施の形態における電力変換装置の直流電源は、各単位電力変換ユニット51〜57毎に独立しており、直流コンデンサ20を含む直流リンク回路18と直流コンデンサ20を充電するための三相整流回路17から構成されている。図2において、三相整流回路17は第1の入力端子群7の電圧を整流し、直流リンク回路18の直流コンデンサ20を図示する極性に充電する。なお、直流リンク回路18の電位Pと電位Nとの電位差に相当する直流コンデンサ20の電圧はVとする。
また単相自励式インバータ回路19は直流コンデンサ20の電圧を第3の出力端子8と第4の出力端子9の間に任意の期間で出力することができる。
【0014】
図3は図2の単位電力変換ユニットの詳細な回路構成を示す図である。図3において、第1のフェースモジュール231〜233(23で代表されることもある。)は三相整流回路17を構成し、また第2のフェースモジュール241〜242(24で代表されることもある。)は単相自励式インバータ回路19を構成する。第1のフェースモジュール231〜233としては、具体的には図4に示すようなものが適用でき、また、第2のフェースモジュール241〜242としては、具体的には図5に示すようなものが適用できる。
【0015】
図4は図3の三相整流回路に適用する第1のフェースモジュールの回路構成を示す図である。図4において、第1のフェースモジュール23はダイオード311、312から構成されている。
図5は図3の単相自励式インバータ回路に適用する第2のフェースモジュールの回路構成を示す図である。図5において、第2のフェースモジュール24は、自己消弧形半導体素子321、322(32で代表されることもある。)とそれらに逆並列接続されるダイオード313、314(31で代表されることもある。)から構成されている。
また、自己消弧形半導体素子321、322はゲート駆動回路33によってオンオフ状態が切り替わる。ゲート駆動回路33は、自己消弧形半導体素子321、322を交互にオンオフ制御させるための論理回路、自己消弧形半導体素子321、322のターンオン特性およびターンオフ特性の違いによる同時オン(直流回路短絡)を避けるための短絡防止時間作成回路、および自己消弧形半導体素子321、322のゲートに印加するゲートパルスを発生させるためのゲートドライバ回路等から構成されている。なお、図5では自己消弧形半導体素子321、322の記号としてIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)の記号を用いているが、その他の自己消弧形半導体素子を用いることもできる。
【0016】
第1のフェースモジュール231〜233の第3の入力端子251〜253(25で代表されることもある。)および第2のフェースモジュール241、242の第5の入力端子271、272(27で代表されることもある。)は直流リンク回路18の正極Pに接続され、第1のフェースモジュール231〜233の第4の入力端子261〜263(26で代表されることもある。)および第2のフェースモジュール241、242の第6の入力端子281、282(28で代表されることもある。)は負極Nに接続される。また、第1のフェースモジュール231〜233の第6の出力端子291〜293(29で代表されることもある。)は第1の入力端子群7を構成し、第2のフェースモジュール241の第7の出力端子301(30で代表されることもある。)は第4の出力端子9を、また第2のフェースモジュール242の第7の出力端子302(30で代表されることもある。)は第3の出力端子8を構成する。
【0017】
本実施の形態では、単位電力変換ユニット51〜57は上記のように構成されており、例えば、第2のフェースモジュール241、242の自己消弧形半導体素子321、322をオンオフ制御することで、第3の出力端子8と第4の出力端子9の間に電圧を印加することができる。
【0018】
具体的な単相自励式インバータ回路19の動作を説明する。
直流リンク回路18の直流コンデンサ20の電圧をVとすると、第2のフェースモジュール241の自己消弧形半導体素子321をオン、自己消弧形半導体素子322をオフ、また第2のフェースモジュール242の自己消弧形半導体素子321をオフ、自己消弧形半導体素子322をオンした場合に第3の出力端子8に対する第4の出力端子9の電位はVとなる。
また、第2のフェースモジュール241の自己消弧形半導体素子321をオフ、自己消弧形半導体素子322をオン、第2のフェースモジュール242の自己消弧形半導体素子321をオン、自己消弧形半導体素子322をオフした場合に第3の出力端子8に対する第4の出力端子9の電位は−Vとなる。
【0019】
更に、第2のフェースモジュール241の自己消弧形半導体素子321をオン、自己消弧形半導体素子322をオフ、第2のフェースモジュール242の自己消弧形半導体素子321をオン、自己消弧形半導体素子322をオフ、或いは第2のフェースモジュール241の自己消弧形半導体素子321をオフ、自己消弧形半導体素子322をオン、第2のフェースモジュール242の自己消弧形半導体素子321をオフ、自己消弧形半導体素子322をオンした場合に、第3の出力端子8に対する第4の出力端子9の電位は、自己消弧形半導体素子32やダイオード31のオン電圧分となるので、電圧Vに比較すれば零とみなすことができる。
【0020】
電力変換装置2は制御回路16を備えており、各単位電力変換ユニット5の単相自励式インバータ回路19を駆動するための信号は、制御回路16により作成される。図6に制御回路16の構成を示す。ここで、制御回路16で行われる信号処理は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)等のマイクロコンピュータベースのコントローラで構成される。図6において、ゲート信号発生回路34は、電力変換装置2が所定波形の出力電圧を得るように、第1〜第3の単位電力変換ユニット群61〜63に対するゲート信号を演算する演算回路を備えている。ゲート信号発生回路34によって作成された信号は、第8の出力端子351〜353から出力される。ここで、第8の出力端子351から出力される信号は、第1の単位電力変換ユニット群61内の単位電力変換ユニット51を駆動するためのゲート信号である。また、第7の出力端子352から出力される信号は、第2の単位電力変換ユニット群62内の単位電力変換ユニット52、53を駆動するためのゲート信号である。更に、第8の出力端子353から出力される信号は、第3の単位電力変換ユニット群63内の単位電力変換ユニット54〜57を駆動するためのゲート信号である。
このように、自己消弧形半導体素子321、322のオンオフ制御の期間については単位電力変換ユニット群6単位で行う。ここでは、単位電力変換ユニット群6によって(単位電力変換ユニット群6単位で)制御することを、単位電力変換ユニット5の群管理制御と呼ぶ。
本実施の形態では、同じ群に属する単位電力変換ユニットを同時にオンオフ制御する。
【0021】
なお、図1に示すように、例えば、制御回路16の第5の出力端子141は単位電力変換ユニット51の第1の入力端子131に接続される。また、図3に示すように、第1の入力端子13によって受けた信号は、ゲート信号分配回路22に送られる。ゲート信号分配回路22は、単位電力変換ユニット5の第3の出力端子8と第4の出力端子9の間に所定の電圧を印加するための演算処理を施し、フェースモジュールの第2の入力端子211、212(21で代表されることもある。)にゲート信号を分配する。ここで、ゲート信号分配回路22は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)等のマイクロコンピュータベースのコントローラで構成される。図5に示すように、ゲート駆動回路33は、ゲート信号分配回路22から受けた信号に応じて、自己消弧形半導体素子321、322をオンオフ駆動することができる。他の単位電力変換ユニット52〜57も同様に、制御回路16と接続される。
【0022】
直流コンデンサ20の電圧がVである場合に、直流コンデンサ20の電圧をVによって正規化すると、単位電力変換ユニット5の第3の出力端子8と第4の出力端子9の間に印加することのできる電圧値は{−1、0、1}であるので、同じ群に属する単位電力変換ユニットを同時にオンオフ制御する方式で単位電力変換ユニット5を群単位で駆動した場合、第1の単位電力変換ユニット群61における第3の出力端子81と第4の出力端子91の間に印加することのできる電圧値は{−1、0、1}となる。また、第2の単位電力変換ユニット群62における第3の出力端子82と第4の出力端子93の間に印加することのできる電圧値は{−2、0、2}、更に単位電力変換ユニット群63における第3の出力端子84と第4の出力端子97の間に印加することのできる電圧値は{−4、0、4}となる。電力変換装置2の第1の出力端子3と第2の出力端子4の間には、各々の単位電力変換ユニット群の出力端子に印加される電圧の和の電圧を印加することができるので、第1〜第3の単位電力変換ユニット群61〜63の出力電圧値の組み合わせにより、{−7、−6、−5、−4、−3、−2、−1、0、1、2、3、4、5、6、7}なる計15レベルの電圧を任意の期間で出力することができる。したがって、各単位電力変換ユニット群61〜63の各出力電圧を適宜選択して所望の階段波形の出力電圧を得ることができる
【0023】
図7は前述した単位電力変換ユニットの群管理制御によって運転される電力変換装置および各単位電力変換ユニット群の出力電圧波形を示す。図7において、第1の電圧波形36は、第1の単位電力変換ユニット群61における第3の出力端子81と第4の出力端子91の間に印加される電圧(単に、第1の単位電力変換ユニット群61の出力電圧ということもある。)を、第2の電圧波形37は、第2の単位電力変換ユニット群62における第3の出力端子82と第4の出力端子93の間に印加される電圧(単に、第2の単位電力変換ユニット群62の出力電圧ということもある。)を、第3の出力電圧波形38は、第3の単位電力変換ユニット群63における第3の出力端子84と第4の出力端子97の間に印加される電圧(単に、第3の単位電力変換ユニット群63の出力電圧ということもある。)をそれぞれ示す。また、第4の電圧波形50は、電力変換装置2の第1の出力端子3と第2の出力端子4の間に印加される電圧(単に、電力変換装置2の出力電圧ということもある。)を示す。なお、図7において、各電圧値は、直流電源(直流コンデンサ20)の直流電圧値Vで正規化した値で示している。
【0024】
図7に示すように、電力変換装置2の出力電圧値0は第1〜第3の単位電力変換ユニット群61〜63の各出力電圧はすべて0を選択し、電力変換装置2の出力電圧値1は第1の単位電力変換ユニット群61の出力電圧は1、第2、第3の単位電力変換ユニット群62、63の各出力電圧は0を選択し、電力変換装置2の出力電圧値2は第1、第3の単位電力変換ユニット群61、63の出力電圧は0、第2の単位電力変換ユニット群62の出力電圧は2を選択し、…というように、第1〜第3の単位電力変換ユニット群61〜63の各出力電圧を適宜選択し、正弦波に近い階段波形の出力電圧を得ることができ、さらに、各出力の期間ΔTを適当に選択することにより、より正弦波に近い階段波形の出力電圧を得ることができるということが分かる。
【0025】
以上説明したように、本実施の形態による電力変換装置2は、電圧比の異なる変圧器を用いることなく単位電力変換ユニット5を多重化できるため、各単位電力変換ユニット51〜57の定格電流を等しくすることができる。したがって、単位電力変換ユニット5として標準化されたインバータ回路19を適用することができ、さらには、全く同じ回路構成を有する標準化された単位電力変換ユニット5を用いることができ、電力変換装置のコストを低減することができる。
【0026】
また、本実施の形態における電力変換装置2の大容量化については、適用する負荷の定格電圧が高圧になれば単位電力変換ユニット5の台数を増やすことで対応できる。
また、単位電力変換ユニットの標準化を図ることができるので、メンテナンスが容易で、何れかの単位電力変換ユニットが故障した場合にも容易に交換することができる等、装置の信頼性も向上する。
【0027】
また、複数の単位電力変換ユニット52と53、54〜57を群管理制御することで電力変換装置の出力電圧をマルチレベル化して正弦波に近い階段波形の出力電圧を得ることができるので、出力電圧に含まれる高調波を低減することもできる。
【0028】
なお、図1における単位電力変換ユニット5の個数を7としたが、個数は要求される出力電圧の大きさに応じて任意に選択することができる。また、単位電力変換ユニット群6の数nおよび単位電力変換ユニット群6内の単位電力変換ユニット5の個数については、単位電力変換ユニット5の個数同様に任意に選択することができる。
すなわち、m1個の単位電力変換ユニット5からなり{m1、…、0、…、−m1}の(2m1+1)レベルの出力が可能な第1の単位電力変換ユニット群6と、m2個の前記単位電力変換ユニット5からなり{m2、…、0、…、−m2}の(2m2+1)レベルの出力が可能な第2の単位電力変換ユニット群6と、…、mn個(ただし、m1,m2,…,mn,およびnは自然数であり、m1<m2<…<mn,3≦nである。)の単位電力変換ユニット5からなり{mn、…、0、…、−mn}の(2mn+1)レベルの出力が可能な第nの単位電力変換ユニット群6とを備え、各単位電力変換ユニット群6の出力電圧値の組み合わせにより、マルチレベル(より詳細には、2(m1+m2…+mn)+1の電圧を任意の期間で出力することができ、各単位電力変換ユニット群6の各出力電圧を適宜選択して階段波形の出力電圧を得ることができればよい。
【0029】
なお、本実施の形態のように、第1の単位電力変換ユニット群はm1=20で、{1、0、−1}の(21+1)レベルの出力が可能であり、第2の単位電力変換ユニット群はm2=21で、{2、1、0、−1、−2}の(22+1)レベルの出力が可能であり、…、第nの単位電力変換ユニット群はmn=2n−1で、{2n−1、…、2、1、0、−1、−2、…、−2n−1}の(2n+1)レベルの出力が可能であるとした場合には、2n−1=1,2,4,8・・・以外の電圧レベルは、2n−1で出力される電圧レベルの組み合わせで出力することができる(例えば、3=1+2、5=1+4、6=2+4、7=1+2+4、9=1+8など)ので、電力変換装置の出力電圧値に対して最小個数の単位電力変換ユニットで構成することができるという効果が得られる。
【0030】
また、本実施の形態では、各単位電力変換ユニット群6の最大出力電圧、0、および最小出力電圧を適宜選択してマルチレベルの出力電圧を得るので、同じ群に属する単位電力変換ユニット5を同時にオンオフ制御できる。したがって、制御が簡単である。
【0031】
実施の形態2.
図8〜図12は本発明の実施の形態2による電力変換装置を説明するための図であり、より具体的には、図8は制御回路の回路構成を示す図、図9は第3の単位電力変換ユニット群の出力電圧波形の一例を示す図、図10は各単位電力変換ユニット群および電力変換装置の出力電圧波形の一例を示す図、図11は電力変換装置の出力電圧レベルが0から7および7から0へと1ずつ変化したときの各単位電力変換ユニット群の出力電圧値を示す図である。他の構成は実施の形態1と同様であるので、以下では、主に、実施の形態1との相違点について説明する。
【0032】
上記実施の形態1では、同じ群に属する単位電力変換ユニット5を同時にオンオフ制御し、各単位電力変換ユニット群6の最大出力電圧、0、および最小出力電圧を適宜選択してマルチレベルの出力電圧を得る場合について説明した。
これに対して、本実施の形態では、同じ群に属する単位電力変換ユニット5をタイミングをずらせてオンオフ制御し、各単位電力変換ユニット群6の出力可能な電圧の全てを適宜選択して所定波形の出力電圧を得るように構成している。
【0033】
図9は、一例として第3の単位電力変換ユニット群63の出力電圧波形(第3の単位電力変換ユニット群63における第3の出力端子84と第4の出力端子97の間に印加される電圧)を示し、図9(a)は出力電圧値(直流コンデンサ20の直流電圧値Vで正規化した値)が0から4に変化する様子、図9(b)は出力電圧値が4から0に変化する様子をそれぞれ示す。
図9において、第3の電圧波形38aは、上記実施の形態1における第3の単位電力変換ユニット群63の出力電圧波形である。第3の電圧波形38bは、本実施の形態における第3の電力変換ユニット群63の出力電圧波形である。
【0034】
第3の単位電力変換ユニット群63は単位電力変換ユニット5を4個備えており、上記実施の形態1では、同じ第3の単位電力変換ユニット群63に属する単位電力変換ユニット54〜57を同時にオンオフ制御することにより、第3の電圧波形38aは出力電圧値が0から4に一気に4レベル変化している。これに対して、本実施の形態では、各単位電力変換ユニット54〜57のオンオフタイミングをある時間間隔ΔT11、ΔT12、ΔT13で行い、第3の単位電力変換ユニット群63の出力電圧(第3の電圧波形38b)をその変化が常に電圧V(1レベル)となるようにステップ波形とすることで、第3の単位電力変換ユニット群63における出力電圧の時間変化率(dv/dt)を低減する。
ここで、各単位電力変換ユニット54〜57のオンオフタイミングについては、第3の単位電力変換ユニット群63の出力電圧値が1の期間をΔT11、2の期間をΔT12、3の期間をΔT13とする。第3の単位電力変換ユニット群63の出力電圧値が0から4に変化するまでの期間をΔT0とするとΔT0=ΔT11+ΔT12+ΔT13となる。なお、ΔT11、ΔT12、ΔT13はすべて同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
【0035】
なお、上記では第3の単位電力変換ユニット群63について説明したが、単位電力変換ユニット5を2個備えた第2の単位電力変換ユニット群62についても同様に、各単位電力変換ユニット52、53のオンオフタイミングをある時間間隔で行い、第2の単位電力変換ユニット群62の出力電圧をその変化が常に電圧V(1レベル)となるようにステップ波形とすることができる。
このスイッチングタイミングシフトは、図8の信号分配回路401〜403(40で代表されることもある。)において行われる。信号分配回路401〜403は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)等のマイクロコンピュータベースのコントローラで構成される。
【0036】
図10に電力変換装置2の出力電圧値(実施の形態1と同様に、直流コンデンサ20の電圧Vによって正規化した値)が3から4、4から5、5から6に変化したときの、各単位電力変換ユニット群61〜63および電力変換装置の出力電圧波形の一例を示す。なお、図10において、波線は途中を省略していること示す。
【0037】
図10に示すように、電力変換装置2の出力電圧値3は、第1の単位電力変換ユニット群61の出力電圧は1、第2の単位電力変換ユニット群62の出力電圧は2、第3の単位電力変換ユニット群63の出力電圧は0を選択することにより実現している。また、電力変換装置2の出力電圧値4は、最終的には、第1、第2の単位電力変換ユニット群61、62の出力電圧は0、第3の単位電力変換ユニット群63の出力電圧は4を選択することにより実現している点は実施の形態1と同様である。しかしながら、本実施の形態では、電力変換装置2の出力電圧値が3から4になった初期ΔT0において、ΔT11の期間は、第1の単位電力変換ユニット群61の出力電圧は1(変化無し)、第2の単位電力変換ユニット群62の出力電圧は2(変化無し)、第3の単位電力変換ユニット群63の出力電圧は1(1レベル変化)を選択し、次のΔT12の期間は、第1の単位電力変換ユニット群61の出力電圧は0(1レベル変化)、第2の単位電力変換ユニット群62の出力電圧は2(変化無し)、第3の単位電力変換ユニット群63の出力電圧は2(1レベル変化)を選択し、次のΔT13の期間は、第1の単位電力変換ユニット群61の出力電圧は0(変化無し)、第2の単位電力変換ユニット群62の出力電圧は1(1レベル変化)、第3の単位電力変換ユニット群63の出力電圧は3(1レベル変化)を選択し、その後、第1の単位電力変換ユニット群61の出力電圧は0(変化無し)、第2の単位電力変換ユニット群62の出力電圧は0(1レベル変化)、第3の単位電力変換ユニット群63の出力電圧は4(1レベル変化)を選択するというように、同じ群(第2および第3の単位電力変換ユニット群62および63)に属する単位電力変換ユニット5(52と53および54〜57)をタイミングをずらせてオンオフ制御し、各単位電力変換ユニット群6の出力電圧の変化が常に電圧V(1レベル)となるように、各単位電力変換ユニット群6の出力可能な電圧を適宜選択して所定波形の出力電圧を得るように構成している。
【0038】
次に、電力変換装置2の出力電圧値5は、第1の単位電力変換ユニット群61の出力電圧は1(1レベル変化)、第2の単位電力変換ユニット群62の出力電圧は0(変化無し)、第3の単位電力変換ユニット群63の出力電圧は4(変化無し)を選択することにより実現しており、この場合は第1の単位電力変換ユニット群61の出力電圧が1レベル変化するだけであるので実施の形態1と同様である。
【0039】
次に、電力変換装置2の出力電圧値6は、最終的には、第1の単位電力変換ユニット群61の出力電圧は0、第2の単位電力変換ユニット群62の出力電圧は2、第3の単位電力変換ユニット群63の出力電圧は4を選択することにより実現している点は実施の形態1と同様である。しかしながら、本実施の形態では、電力変換装置2の出力電圧値が5から6になった初期のΔT14の期間は、第1の単位電力変換ユニット群61の出力電圧は1(変化無し)、第2の単位電力変換ユニット群62の出力電圧は1(1レベル変化)、第3の単位電力変換ユニット群63の出力電圧は4(変化無し)を選択し、その後、第1の単位電力変換ユニット群61の出力電圧は0(1レベル変化)、第2の単位電力変換ユニット群62の出力電圧は2(1レベル変化)、第3の単位電力変換ユニット群63の出力電圧は4(変化無し)を選択するというように、同じ群(第2の単位電力変換ユニット群62)に属する単位電力変換ユニット5(52と53)をタイミングをずらせてオンオフ制御し、各単位電力変換ユニット群6の出力電圧の変化が常に電圧V(1レベル)となるように、各単位電力変換ユニット群6の出力可能な電圧を適宜選択して所定波形の出力電圧を得るように構成している。
【0040】
図11に、電力変換装置2の出力電圧値が0から7および7から0へと1ずつ変化したときの各単位電力変換ユニット群の出力電圧値を示す。図11において、太線矢印は時間軸、細線矢印は電力変換装置2の出力電圧値が変わった時の第2および第3の単位電力変換ユニット群62、63の最終的な出力電圧値の変化を示しており、この最終的な変化は実施の形態1の場合と同様である。
図10では電力変換装置2の出力電圧値が3から4、4から5、5から6に変化したときの、各単位電力変換ユニット群61〜63の出力電圧値の変化について説明したが、図11に示すように、本実施の形態では、電力変換装置2の出力電圧値が0から7および7から0へと1ずつ変化したとき、同じ群に属する単位電力変換ユニット5をタイミングをずらせてオンオフ制御し、各単位電力変換ユニット群6の出力電圧の変化が常に電圧V(1レベル)となるように、各単位電力変換ユニット群6の出力可能な電圧を適宜選択して所定波形の出力電圧を得るように構成している。
【0041】
例えば、電力変換装置2の出力電圧値が1から2へと変化するのに、実施の形態1では、第1および第3の単位電力変換ユニット群61、63の出力電圧値はそれぞれ1から0、および変化無しであるが、第2の単位電力変換ユニット群62の出力電圧値が0から2へと2レベル変化していた。これに対して、本実施の形態では、図11に示すように網掛けで示す遷移期間ΔT10を設け、各単位電力変換ユニット群6の出力電圧の変化が常に電圧V(1レベル)となるように群管理制御している。遷移期間ΔT11〜ΔT14については、すでに図10で説明した。
【0042】
なお、図11では、電力変換装置2の出力電圧値が0から7および7から0へと正側で変化した場合を示しているが、負側は各出力電圧値の極性を負にすることにより説明することができる。
【0043】
以上説明したように、各単位電力変換ユニット群6の出力電圧をその変化が常に電圧Vとなるステップ波形となるように、単位電力変換ユニット5を群管理制御し、各単位電力変換ユニット群6の出力可能な電圧の全てを適宜選択して階段波形の出力電圧を得ることにより、各単位電力変換ユニット群6に急峻で大きな電圧変化を生じさせることなく、電力変換装置2の出力電圧を図7で示した実施の形態1の場合と同様に調整することができる。
【0044】
さらに、本実施の形態では、各単位電力変換ユニット群6の出力電圧をその変化が常に電圧Vとなるステップ波形となるように、単位電力変換ユニット5を群管理制御し、各単位電力変換ユニット群6の出力可能な電圧の全てを適宜選択して階段波形の出力電圧を得るので、以下に説明するような効果も得られる。
従来技術2に記載されているn個の前記インバータブリッジの各出力電圧の振幅V1 、V2 、V3 およびVn の振幅比をV1 :V2 :V3 :Vn =1:2:4:2(n-1) として、各インバータブリッジの出力電圧を組み合わせる方式では、半導体スイッチ(自己消弧形半導体素子)の特性にばらつきがある場合、電力変換装置が誤った電圧を出力する可能性がある。一例として、電力変換装置の出力電圧値が3から4に変化する場合について説明する。この場合、出力電圧の振幅がV1(振幅比1)のインバータブリッジと出力電圧の振幅がV2(振幅比2)のインバータブリッジが、それぞれ正電圧出力から0電圧出力に変化する。また、出力電圧振幅がV3(振幅比4)のインバータブリッジが0電圧出力から正電圧出力に変化する。ここで、半導体スイッチ(自己消弧形半導体素子)の特性にばらつきがあり、各インバータブリッジの出力電圧に時間的なずれが生じた場合、瞬時的に全てのインバータブリッジが正電圧出力、または全てのインバータブリッジが0電圧出力の状態になる可能性がある。つまり、電力変換装置の出力電圧が3から4に変化する瞬間に7或いは0を出力してしまう恐れがある。
これに対して、本実施の形態では、電力変換装置2の出力電圧値が変化したとき、同じ群に属する単位電力変換ユニット5のタイミングをずらせてオンオフ制御し、各単位電力変換ユニット群6の出力電圧の変化が常に電圧V(1レベル)となるように、各単位電力変換ユニット群6の出力可能な電圧を適宜選択して出力するので、自己消弧形半導体素子にばらつきがある場合でも、瞬時的に発生する電圧の誤差は所望の出力電圧に対して、V(1レベル)に抑えることができる。すなわち、自己消弧形半導体素子の素子特性にばらつきがあり、各単位電力変換ユニットの出力電圧の発生タイミングに時間的なずれが生じた場合においても、電力変換装置は最小レベルの出力電圧誤差で、階段波形の出力電圧を得ることができる。
【0045】
一般的に、インバータ装置の負荷としてモータが接続された場合、ケーブルには配線インダクタンスと浮遊容量が存在するため、インバータ装置のスイッチングによる電圧変化がLC共振によるサージ電圧を発生させ、モータ巻線の絶縁劣化を引き起こすことがある。サージ電圧はインバータ装置出力電圧波高値の約2倍に達することもある。そこで、インバータ装置の出力端とモータとの間にサージ電圧抑制フィルタを設置し、モータの端子電圧の波高値を抑制したり、インバータ出力端に交流リアクトルを設置することにより、インバータ装置の出力電圧の時間変化率(dv/dt)を抑制したりして、サージ電圧を低減することが一般的である。
本実施の形態における電力変換装置2では、各単位電力変換ユニット群の出力電圧を階段状に発生させることにより、電力変換装置の出力電圧の時間変化率(dv/dt)を抑制し、各単位電力変換ユニット群6に急峻で大きな電圧変化が生じるのを防止できるので、サージ電圧を低減でき、これらの対策に用いるフィルタやリアクトルを小型化でき、あるいは不要にすることができる。つまり、電力変換装置の信頼性を向上できると同時に、コストも低減できる。
【0046】
なお、ΔT0は任意に選択することができる。また、ΔT10、ΔT11、ΔT12、ΔT13、ΔT14についてもそれぞれ任意に選択することができる。ただし、ΔT0(=ΔT11+ΔT12+ΔT13)、ΔT10、およびΔT14は、それぞれ電力変換装置2の第1の出力端子3と第2の出力端子4の間に印加される電圧波形50のステップ幅(期間)ΔTより小さい値とする。
【0047】
実施の形態3.
以下、上記実施の形態1および2で示した電力変換装置の変形例について説明する。図3に示す三相整流回路について、図4に示すフェースモジュールとは別の回路構成をもつフェースモジュールが使用できる。例えば、第1のフェースモジュール231〜233に、図5に示すような自己消弧形半導体素子321、322とそれらに逆並列接続されるダイオード313、314から構成される第2のフェースモジュール24を適用することで三相自励式整流回路とすることができる。
このように、三相整流回路を自励式とすることにより、直流リンク回路18における直流コンデンサ20の電圧を制御することができる。
【0048】
インバータ装置の多重化方式における波形合成方法としては様々な方法があるが、一般的には多重化された階段状出力電圧がより正弦波に近づくようにステップの幅および高さが決定される。直流コンデンサ20の電圧を自由に制御できることにより、ステップの幅(期間)のみならず、ステップの高さも調整できるため、電力変換装置はより正弦波に近い階段波形の電圧を出力することが可能となる。
また、三相自励式整流回路にすることで、交流入力電流の制御も可能となり、多相交流電源側へ流出する高調波電流を抑制したり、力率を高めることができる。
【0049】
実施の形態4.
図12〜図14は、本発明の実施の形態4による電力変換装置を説明するための図であり、より具体的には、図12は制御回路の回路構成を示す図、図13はゲート駆動信号の切り替えについて説明するための図、図14は各単位電力変換ユニットおよび電力変換装置の出力電圧波形を示す図である。他の構成は実施の形態1と同様であるので、以下では、主に、実施の形態1との相違点について説明する。
【0050】
本実施の形態では、制御回路16において、単位電力変換ユニット群6を構成する単位電力変換ユニット5の自己消弧形半導体素子32の動作責務が平均化されるようにゲート信号を切り替える(各単位電力変換ユニット51〜57の各単位電力変換ユニット群61〜63への割り当てを切り替える)。
【0051】
図12に示す制御回路16において、ゲート信号発生回路34によって作成された信号は、第8の出力端子351〜353から出力される。ここで、第8の出力端子351から出力される信号は、第1の単位電力変換ユニット群61を構成する単位電力変換ユニット5を駆動するためのゲート信号である。また、第8の出力端子352から出力される信号は、第2の単位電力変換ユニット群62を構成する単位電力変換ユニット5を駆動するためのゲート信号である。更に、第8の出力端子353から出力される信号は、第3の単位電力変換ユニット群63を構成する単位電力変換ユニット5を駆動するためのゲート信号である。
【0052】
各々のゲート信号は、信号分配回路401〜403の第7の入力端子5201〜5203(520で代表されることもある。)にそれぞれ入力され、各々の単位電力変換ユニット群61〜63を構成する単位電力変換ユニット5の個数分に応じたゲート信号に分配され、第9の出力端子5301〜5307(530で代表されることもある。)から出力される。第9の出力端子5301〜5307から出力されたゲート信号は、ゲート信号切り替え回路510の第8の入力端子5401〜5407(540で代表されることもある。)に入力される。ゲート信号切り替え回路510は、各単位電力変換ユニット5の自己消弧形半導体素子32のスイッチング回数が平均化されるように、入力されたゲート信号に対して、第10の出力端子5501〜5507(550で代表されることもある。)を選択して一定の時間間隔で切り替える。ゲート信号切り替え回路510から出力されたゲート信号は、制御回路16の第5の出力端子141〜147から各単位電力変換ユニット51〜57にそれぞれ送られ、各単位電力変換ユニット51〜57の単相自励式インバータ回路19を駆動する。
【0053】
以下、図12に示すゲート信号切り替え回路510の動作について詳細に説明する。第8の入力端子5401〜5407から入力されるゲート信号に対して、交流出力電圧1周期あたりのスイッチング回数に従って重み量を設定する。
一例として、信号分配回路401の第7の出力端子5301から出力された信号の重み量Pを3(P=3)、信号分配回路402の第7の出力端子5302、5303から出力された信号の重み量Pを2(P=2)、信号分配回路403の第7の出力端子5304〜5307から出力された信号の重み量Pを1(P=1)に設定する。
【0054】
図13に、ゲート信号切り替え回路510の第8の入力端子5401〜5407から入力されたゲート信号と駆動される単位電力変換ユニット51〜57との対応関係を示している。図13中の記号A〜Gはそれぞれ単位電力変換ユニット51〜57に対応する。ゲート信号の切り替えはΔT2間隔で行う。以下では、一例として、ΔT2を交流出力電圧1周期に相当する時間に設定した場合のゲート信号切り替え方法について説明する。
【0055】
時刻T=T(0)〜T(1)において、第8の入力端子5401〜5507から入力された信号に対して、単位電力変換ユニット51〜57を順に配列し、各単位電力変換ユニット51〜57を駆動する。ここで、各単位電力変換ユニット51〜57に接続されたゲート信号に応じた重み量Pを加算する。計算式を次式に示す。
X(1)=X’(0)+P(X=A〜G、P=1,2,3)
ここで、X’(0)=0とする。
次に、各単位電力変換ユニット毎に計算されたX(1)の最小値をXmin(1)として、X’(1)の値を次式にて計算する。
X’(1)=X(1)−Xmin(1)
【0056】
時刻T=T(1)において第8の入力端子5401〜5407から入力されたゲート信号に対する単位電力変換ユニット51〜57の配列をX(1)の小さい順に並び替え、その配列に従ってゲート信号を切り替える。同様にして、各単位電力変換ユニット51〜57に接続されたゲート信号に応じて、X(n)およびX’(n)を、次式を用いて計算し、次のタイミングで切り替えるべき単位電力変換ユニットを決定する。
X(n)=X’(n−1)+P
X’(n)=X(n)−Xmin(n)
【0057】
図14に、ΔT2を交流出力電圧1周期に相当する時間に設定した場合の各単位電力変換ユニットおよび電力変換装置の出力電圧波形を示す。図14において、第11の電圧波形560は単位電力変換ユニット51の出力電圧を、第12の電圧波形570は単位電力変換ユニット52の出力電圧を、第13の電圧波形580は単位電力変換ユニット53の出力電圧を、第14の電圧波形590は単位電力変換ユニット54の出力電圧を、第15の電圧波形600は単位電力変換ユニット55の出力電圧を、第16の電圧波形610は単位電力変換ユニット56の出力電圧を、第17の電圧波形620は単位電力変換ユニット57の出力電圧をそれぞれ示す。また、第18の電圧波形630は各単位電力変換ユニット51〜57の合成出力電圧すなわち、電力変換装置の出力電圧50を示す。
【0058】
このように、ゲート信号切り替え回路510を用いて、各単位電力変換ユニット51〜57に入力されるゲート信号を、スイッチング回数に従って切り替えることにより、すなわち、各自己消弧形半導体素子32のスイッチング回数が平均化するように各単位電力変換ユニット51〜57の各単位電力変換ユニット群61〜63への割り当てを切り替えることにより、自己消弧形半導体素子32のオンオフ状態を切り替えるゲート駆動回路の責務が平均化されるという効果を有する。
自己消弧形半導体素子32のゲート駆動回路の責務が平均化されることで、自己消弧形半導体素子32で発生する熱損失(スイッチング損失)が平均化され、結果として自己消弧形半導体素子32の接合温度が平均化される。
自己消弧形半導体素子32やダイオード31においては、素子内で発生した損失により生じる熱は冷却フィンを用いて素子の接合温度が許容値以下になるように冷却する必要があるが、自己消弧形半導体素子32の損失が平均化されることで、素子の接合温度が平均化され、冷却フィンを含む冷却システムを標準化することができる。
【0059】
なお、本実施の形態では、各自己消弧形半導体素子32のスイッチング回数が平均化するように各単位電力変換ユニット51〜57の各単位電力変換ユニット群61〜63への割り当てを切り替える手段は、ゲート信号切り替え回路510により構成される。
また、ゲート信号切り替え回路510は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)等のマイクロコンピュータベースのコントローラで構成される。
【0060】
なお、重み量Pは簡単のため、1、2、および3としたが、スイッチング回数の値に応じて他の値を用いることは当然可能である。また、ΔT2についても任意の期間を設定することができる。
【0061】
また、自己消弧形半導体素子32の接合温度が直接検出できる場合には、重み量Pを、スイッチング回数に従って設定する代わりに、自己消弧形半導体素子32の接合温度に従って設定することも可能である。このように、自己消弧形半導体素子32の接合温度のレベルに応じて各単位電力変換ユニット51〜57の各単位電力変換ユニット群61〜63への割り当てを切り替えることにより、自己消弧形半導体素子32の接合温度を平均化することが可能になる。したがって、冷却フィンを含む冷却システムの標準化ができる。
【0062】
なお、上記では主に実施の形態1に適用した場合について説明したが、本実施の形態は、実施の形態1に限らず実施の形態2および3にも適用できることは言うまでもない。
【0063】
実施の形態5.
図15〜図18は本発明の実施の形態5による電力変換装置を説明するための図であり、より具体的には、図15は電力変換装置の回路構成を示す図、図16は図3および図4で示した単位電力変換ユニットの電流バイパス経路の一例を示す図、図17は図3および図4で示した単位電力変換ユニットの電流バイパス経路の別の例を示す図、図18は制御回路の回路構成を示す図である。他の構成は実施の形態1と同様であるので、以下では、主に、実施の形態1との相違点について説明する。
【0064】
上記各実施の形態では、単位電力変換ユニット5は、各単位電力変換ユニット群61〜63へ割り当てるのに合致した個数、すなわち(m1+m2+m3+…+mn)個、備えていた。
これに対して、本実施の形態では、以下で詳細に説明するように、単位電力変換ユニットを(m1+m2+m3+…+mn)個より多く備え、何れの単位電力変換ユニット群にも割り当てられなかった単位電力変換ユニットを待機運転状態とし、単位電力変換ユニット群に割り当てられて運転状態にある何れかの単位電力変換ユニットに異常が発生した場合に、当該異常が発生した単位電力変換ユニットを待機運転状態とし、当該異常が発生した単位電力変換ユニットに替えて前記何れの単位電力変換ユニット群にも割り当てられなかった単位電力変換ユニットを運転状態とするように構成した。
【0065】
図15において、すべて同じ回路構成を有する8台の単位電力変換ユニット51〜58を備えており、各々の出力端子81〜88、91〜98は直列に接続されている。各単位電力変換ユニット51〜58に対してそれぞれ入力変圧器101〜108を備えている。各入力変圧器101〜108の1次巻線111〜118はすべて多相交流電源1に接続され、2次巻線121〜128はそれぞれ各単位電力変換ユニット51〜58の第1の入力端子群71〜78に接続されている。各単位電力変換ユニット51〜58の第1の入力端子131〜138は、それぞれ通信線151〜158を介して制御回路16の第5の出力端子141〜148に接続されている。
【0066】
単位電力変換ユニット51は第1の単位電力変換ユニット群61に、単位電力変換ユニット52、53は第2の単位電力変換ユニット群62に、単位電力変換ユニット54〜57は第3の単位電力変換ユニット群63に、それぞれ割り当てられている。単位電力変換ユニット58は予備用であり、何れの単位電力変換ユニット群61〜63にも割り当てられていない。
電力変換装置2が正常な場合のインバータ運転は単位電力変換ユニット51〜57によって行い、単位電力変換ユニット58内の単相自励式インバータ回路19は待機運転状態とする。
【0067】
ここで待機運転状態とは、例えば図16および図17に示すように、単相自励式インバータ回路の第2のフェースモジュール241、242の自己消弧形半導体素子321をともにオフ、自己消弧形半導体素子322をともにオン、あるいは図示しないが自己消弧形半導体素子321をともにオン、自己消弧形半導体素子322をともにオフとすることである。このとき、単位電力変換ユニット58を通過する電流は直流リンク回路18を介さずに流れる。このようにして単位電力変換ユニット58における第3の出力端子88と第4の出力端子98の間に印加される電圧を自己消弧形半導体素子32やダイオード31のオン電圧レベルまで小さくすることができる。
【0068】
次に、単位電力変換ユニット群61〜63のうち、単位電力変換ユニット54内の単相自励式インバータ回路19に異常が発生した場合の電力変換装置2の保護方式について説明する。
【0069】
単位電力変換ユニット5の第2のフェースモジュール241、242を示している図16と図17において、単相自励式インバータ回路19を構成する第2のフェースモジュール242の自己消弧形半導体素子322に異常が発生した場合には、異常が発生した自己消弧形半導体素子322と同じ配列にある他の健全な第2のフェースモジュール241の自己消弧形半導体素子322を強制点弧させるとともに、その他の自己消弧形半導体素子321は強制消弧する。これによって図16や図17に示すように双方向の電流を直流リンク回路18を介さずに流す経路を確保することができるので、異常が発生した単位電力変換ユニット54に過電圧が印加されることのないように保護できる。
【0070】
ここで、異常が発生した単位電力変換ユニット54は第3の出力端子84と第4の出力端子94の間に電圧を印加することができなくなるが、単位電力変換ユニット54に代わって単位電力変換ユニット58を運転させることにより、電力変換装置2は第1の出力端子3と第2の出力端子4の間に電圧を不足分なしに印加することができる。したがって、電力変換装置の運転継続機能を付加することによって、装置の信頼性を向上することができる。
このように、本実施の形態によれば、運転状態にある何れかの単位電力変換ユニットに異常が発生した場合にも装置の定格容量を低減することなく運転を継続することができ、ひいては装置の信頼性を向上できる。
【0071】
なお、何れの単位電力変換ユニット群に割り当てられなかった単位電力変換ユニット(図15では単位電力変換ユニット58)を待機運転状態とし、単位電力変換ユニット群に割り当てられて運転状態にある何れかの単位電力変換ユニット(上記説明では単位電力変換ユニット54)に異常が発生した場合に、当該異常が発生した単位電力変換ユニット54を待機運転状態とし、当該異常が発生した単位電力変換ユニット54に替えて前記何れの単位電力変換ユニット群に割り当てられないで待機運転状態にある単位電力変換ユニット58を運転状態とする手段は、例えば図18で示した制御回路16によって構成される。
【0072】
図18に示す制御回路16において、ゲート信号発生回路34によって作成された信号は、第8の出力端子351〜354から出力される。ここで、第8の出力端子351から出力される信号は、第1の単位電力変換ユニット群61を構成する単位電力変換ユニット5を駆動するためのゲート信号である。また、第8の出力端子352から出力される信号は、第2の単位電力変換ユニット群62を構成する単位電力変換ユニット5を駆動するためのゲート信号である。更に、第8の出力端子353から出力される信号は、第3の単位電力変換ユニット群63を構成する単位電力変換ユニット5を駆動するためのゲート信号である。また、第8の出力端子354から出力される信号は、予備の単位電力変換ユニット5を待機運転状態とするためのゲート信号である。
【0073】
各々のゲート信号は、信号分配回路401〜404(40で代表されることもある。)の第7の入力端子5201〜5204(520で代表されることもある。)にそれぞれ入力され、各々の単位電力変換ユニット群61〜63を構成する単位電力変換ユニットおよび何れの単位電力変換ユニット群61〜63にも割り当てられなかった単位電力変換ユニット(図15では単位電力変換ユニット58)の個数分に応じたゲート信号に分配され第9の出力端子5301〜5308(530で代表されることもある。)から出力される。第9の出力端子5301〜5308から出力されたゲート信号は、ゲート信号切り替え回路510の第8の入力端子5401〜5408(540で代表されることもある)に入力される。ゲート信号切り替え回路510は、単位電力変換ユニット5の何れかに異常が発生した場合に、その単位電力変換ユニットを待機運転状態とし、予備の単位電力変換ユニットを運転状態とするためにゲート信号を切り替える。ゲート信号切り替え回路510の第10の出力端子5501〜5508(550で代表されることもある。)から出力されたゲート信号は、制御回路16の第5の出力端子141〜148から各単位電力変換ユニット51〜58にそれぞれ送られ、各単位電力変換ユニット51〜58の単相自励式インバータ回路19を駆動する。
【0074】
なお、ここでは単位電力変換ユニット54に異常が発生した場合の単位電力変換ユニット58による運転継続方法について説明したが、単位電力変換ユニット51〜57のどれに異常が発生しても単位電力変換ユニット58によって運転継続できることは前述した説明から明らかである。
【0075】
また、図15では、何れの単位電力変換ユニット群61〜63にも割り当てられていない予備用の単位電力変換ユニット58を1個備えた場合を示しているが、複数個備えてもよく、複数の単位電力変換ユニット5の異常に対応することが可能となる。
【0076】
なお、上記では、実施の形態1で示したように、同じ群に属する単位電力変換ユニット5を同時にオンオフ制御する場合について示したが、これに限るものではなく、実施の形態2で示したように、各単位電力変換ユニット群6の出力電圧をその変化が常に電圧Vとなるステップ波形となるように、各単位電力変換ユニット5を制御してもよいのは言うまでもない。さらに、実施の形態3および4に適用することも可能である。
【0077】
実施の形態6.
本実施の形態では、何れかの単位電力変換ユニットに異常が発生した場合の上記実施の形態5とは異なる対処例について説明する。
実施の形態3で説明した、三相自励式整流回路を用い、直流リンク回路18における直流コンデンサ20の電圧を制御することができる電力変換装置2において、各単位電力変換ユニット群61〜63に割り当てられている7個の各単位電力変換ユニット51〜57のうち、例えば、単位電力変換ユニット54内の単相自励式インバータ回路19に異常が発生した場合、異常が発生した単位電力変換ユニット54は、実施の形態5で図16および図17を示して説明したのと同様にして負荷電流を直流リンク回路18を介さずに流す経路を確保する。また異常が発生した単位電力変換ユニット54以外の6個の単位電力変換ユニット51〜53、55〜57の直流コンデンサ20の電圧を7/6倍にすることで、電力変換装置2は正常時と同じ平均電圧を出力することができる。
したがって、装置の定格容量を低減することなく運転を継続することができ、ひいては装置の信頼性を向上できる。
【0078】
実施の形態7.
図19は本発明の実施の形態7による多相出力の電力変換装置の回路構成を示す図である。他の構成は実施の形態1と同様である。
本実施の形態では、実施の形態1で示した単相出力の電力変換装置2(210、220、230)を用いて、多相交流電源1から多相交流負荷640へ電力を供給する場合について説明する。
【0079】
単相出力の各電力変換装置210、220、230の第1の出力端子310、320、330は中性点680に接続され、第2の出力端子410、420、430は多相交流負荷640に接続される。
電圧指令発生回路650から出力される電圧指令を各電力変換装置210、220、230の制御回路161、162、163に分配することによって、各電力変換装置210、220、230を、その出力電圧を制御しながら駆動することができる。
【0080】
なお、単相出力の電力変換装置2(210、220、230)としては、実施の形態1で示したものに限らず、実施の形態2〜6の何れの電力変換装置2を用いてもよいのは言うまでもない。
【0081】
実施の形態8.
図20〜図22は本発明の実施の形態8による電力変換装置を説明するための図であり、より具体的には、図20は電力変換装置を電力系統へ適用したときの単位電力変換ユニットの構成回路を示す図、図21は電力変換装置を自励式直列補償装置として動作させる場合の回路構成を示す図、図22は自励式直列補償装置の動作原理を説明する図である。他の構成は実施の形態1と同様であるので、以下では、主に、実施の形態1との相違点について説明する。
【0082】
図20に示すように、本実施の形態では、単位電力変換ユニット5は、単相自励式インバータ回路19と直流リンク回路18とで構成されており、電力変換装置の直流電源は、各単位電力変換ユニット51〜57毎に独立しており、直流コンデンサ20を含む直流リンク回路18から構成されている。
【0083】
図21に示すように、図20に示す単位電力変換ユニット5を用いた3台の電力変換装置210、220、230(2で代表されることもある。)の第1の出力端子310、320、330を第1の交流系統660に接続し、第2の出力端子410、420、430を第2の交流系統670に接続する。このように接続された電力変換装置210、220、230は自励式直列補償装置SSSC(Static Synchronous Series Compensator)として動作させることができる。
【0084】
図22は電力変換装置2で構成する自励式直列補償装置の動作原理を説明するための図であり、電力系統660の電圧をV、電力系統670の電圧をV’とし、系統電流をIとした場合のフェーザ図である。電力変換装置の出力電圧をVXとしたとき、系統電流Iの位相と直角方向に出力電圧VXを出力することで送電線のインピーダンスを等価的に変化させることができる。
【0085】
図22(a)に示すように、出力電圧VXの位相が系統電流Iに対して90°進みの場合、可変直列リアクトルとして作用する。また、図22(b)に示すように、出力電圧VXの位相が系統電流Iに対して90°遅れの場合、可変直列コンデンサとして作用する。これにより送電線のインピーダンスを等価的に変更することができ、電力系統の安定化を図ることができる。
【0086】
さらに、本実施の形態によれば、実施の形態1で説明したのと同様の電力変換装置2を用いており、以下で述べるような、実施の形態1の場合と同様に効果が得られる。電圧比の異なる変圧器を用いることなく単位電力変換ユニット5を多重化できるため、各単位電力変換ユニット5の定格電流を等しくすることができる。したがって、単位電力変換ユニット5として標準化されたインバータ回路19を適用することができ、さらには、全く同じ回路構成を有する標準化された単位電力変換ユニット5を用いることができ、電力変換装置のコストを低減することができる。
また、本実施の形態における電力変換装置2の大容量化については、適用する負荷の定格電圧が高圧になれば単位電力変換ユニット5の台数を増やすことで対応できるので、電力系統のような高圧に適用する場合においても直列変圧器が不要になり、電力変換装置の設置面積を小さくすることができる。
さらに、単位電力変換ユニットの標準化を図ることができるので、メンテナンスが容易で、何れかの単位電力変換ユニットが故障した場合にも容易に交換することができる等、装置の信頼性も向上する。
【0087】
なお、実施の形態1で示したものを、その直流電源の構成を変更して用いた場合について示したが、これに限るものではなく、実施の形態2〜6の何れの電力変換装置2を、その直流電源の構成を変更して用いてもよいのは言うまでもない。
さらに、直流コンデンサ20を初期充電する等のために、実施の形態1〜6の場合と同様に三相整流回路17を備えてもよい。
【0088】
なお、特に、実施の形態2で示した、同じ群に属する単位電力変換ユニット5を、タイミングをずらせてオンオフ制御し、各単位電力変換ユニット群6の出力電圧の変化が常に電圧V(1レベル)となるように、各単位電力変換ユニット群6の出力可能な電圧を適宜選択して所定波形の出力電圧を得るように構成された電力変換装置を用いた場合には、電力系統に接続されている変圧器の端子間或いは電力ケーブルに存在する浮遊容量の影響で発生するサージ電圧の抑制ができるため、変圧器或いは電力ケーブルの絶縁劣化を防止できる。
【0089】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、インバータ回路および独立した直流電源を含み、前記直流電源の直流電圧値で正規化した値で{1、0、−1}の3レベルの出力が可能な同じ回路構成の単位電力変換ユニットを複数個備え、前記単位電力変換ユニットの出力端子を直列接続した電力変換装置であって、m1個の前記単位電力変換ユニットからなり{m1、…、0、…、−m1}の(2m1+1)レベルの出力が可能な第1の単位電力変換ユニット群と、m2個の前記単位電力変換ユニットからなり{m2、…、0、…、−m2}の(2m2+1)レベルの出力が可能な第2の単位電力変換ユニット群と、…、mn個(ただし、m1,m2,…,mn,およびnは自然数であり、m1<m2<…<mn,3≦nである。)の前記単位電力変換ユニットからなり{mn、…、0、…、−mn}の(2mn+1)レベルの出力が可能な第nの単位電力変換ユニット群とを備え、前記各単位電力変換ユニット群の各出力電圧のうちの少なくとも1つの出力電圧を前記単位電力変換ユニット群に属する単位電力変換ユニット間でオンオフ制御のタイミングをずらして立上りが階段状の出力波形とし、前記各出力電圧を適宜選択して擬似正弦波である階段波形の出力電圧を得るので、標準化された(固定格の)単位電力変換ユニットを用いて出力電圧をマルチレベル化することができ、電力変換装置の大容量化に対して単位電力変換ユニットの個数を増やすことで対応できる。さらに、標準化された単位電力変換ユニットを用いているので、メンテナンスが容易で、何れかの単位電力変換ユニットが故障した場合にも容易に交換することができる等、電力変換装置の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による電力変換装置を多重インバータ装置として動作させる場合の回路構成を示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係り、図1の電力変換装置に適用する単位電力変換ユニットの回路構成を示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態1に係り、図2の単位電力変換ユニットの詳細な回路構成を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態1に係り、図3の三相整流回路に適用するフェースモジュールの回路構成を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態1に係り、図3の単相自励式インバータ回路に適用するフェースモジュールの回路構成を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態1に係り、図1の電力変換装置に適用する制御回路の回路構成を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態1に係り、各単位電力変換ユニット群および電力変換装置の出力電圧波形を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態2による電力変換装置に適用する制御回路の回路構成を示す図である。
【図9】 本発明の実施の形態2に係り、単位電力変換ユニット群の出力電圧波形を示す図である。
【図10】 本発明の実施の形態2に係り、各単位電力変換ユニット群および電力変換装置の出力電圧波形を示す図である。
【図11】 本発明の実施の形態2に係り、各単位電力変換ユニット群および電力変換装置の出力電圧値を示す図である。
【図12】 本発明の実施の形態4による電力変換装置に適用する制御回路の回路構成を示す図である。
【図13】 本発明の実施の形態4に係り、ゲート駆動信号の切り替えについて説明する図である。
【図14】 本発明の実施の形態4に係り、各単位電力変換ユニットおよび電力変換装置の出力電圧波形を示す図である。
【図15】 本発明の実施の形態5による電力変換装置を多重インバータ装置として動作させる場合の回路構成を示す図である。
【図16】 本発明の実施の形態5に係り、単位電力変換ユニットの電流バイパス経路の一例を示す図である。
【図17】 本発明の実施の形態5に係り、単位電力変換ユニットの電流バイパス経路の別の例を示す図である。
【図18】 本発明の実施の形態5に係り、制御回路の回路構成を示す図である。
【図19】 本発明の実施の形態7による多相出力の電力変換装置の回路構成を示す図である。
【図20】 本発明の実施の形態8による電力変換装置の要部である単位電力変換ユニットの回路構成を示す図である。
【図21】 本発明の実施の形態8に係り、電力変換装置を自励式直列補償装置として動作させる場合の回路構成を示す図である。
【図22】 本発明の実施の形態8に係り、自励式直列補償装置の動作原理を説明する図である。
【図23】 従来の電力変換装置の回路構成を示す図である。
【符号の説明】
1 多相交流電源、2,210,220,230 電力変換装置、3,310,320,330 第1の出力端子、4,410,420,430 第2の出力端子、5,51〜58 単位電力変換ユニット、6,61〜63 単位電力変換ユニット群、7,71〜78 第1の入力端子群、8,81〜88 第3の出力端子、9,91〜98 第4の出力端子、10,101〜108 入力変圧器、11,111〜118 1次巻線、12,121〜128 2次巻線、13,131〜138 第1の入力端子、14,141〜148 第5の出力端子、15,151〜158 通信線、16,161〜163 制御回路、17 三相整流回路、18 直流リンク回路、19 単相自励式インバータ回路、20 直流コンデンサ、21,211、212 第2の入力端子、22 ゲート信号分配回路、23,231〜233 第1のフェースモジュール、24,241〜242 第2のフェースモジュール、25,251〜253 第3の入力端子、26,261〜263 第4の入力端子、27,271〜272 第5の入力端子、28,281,282 第6の入力端子、29,291〜293 第6の出力端子、30,301,302 第7の出力端子、31,311〜314 ダイオード、32,321,322 自己消弧形半導体素子、33 ゲート駆動回路、34 ゲート信号発生回路、351〜354 第8の出力端子、40,401〜404信号分配回路、510 ゲート信号切り替え回路、520,5201〜5204 第7の入力端子、530,5301〜5308 第9の出力端子、540,5401〜5408 第8の入力端子、550,5501〜5508 第10の出力端子、640 多相交流負荷、650 電圧指令発生回路、660 第1の交流系統、670 第2の交流系統、680 中性点。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a power conversion device that obtains an output voltage having a staircase waveform by combining outputs of a plurality of inverter circuits.
[0002]
[Prior art]
Since there is a limitation on the capacity that can be obtained with one inverter circuit, there is a power conversion device configured using a plurality of inverter circuits as one of the inverter devices for large capacity use.
[0003]
Prior art
For example, Non-Patent
[0004]
In another conventional power conversion device, n single-phase output inverter bridges capable of three-level output are provided, and n inverters are connected in series. The amplitude ratio of the output voltages V1, V2, V3 and Vn of the inverter bridge is V1: V2: V3: Vn = 1: 2: 4: 2. (n-1) A voltage amplitude ratio distribution means, a command voltage generation means for generating a voltage closest to an output voltage command given to the power converter by a combination of the output voltages of the inverter bridge, and power conversion by pulse width modulating the inverter bridge Output voltage adjusting means for adjusting the generated voltage so that the average value of the output voltage of the entire apparatus becomes equal to the voltage command (see, for example, Patent Document 1).
[0005]
[Non-Patent Document 1]
"Power Electronics Circuit" The Institute of Electrical Engineers, Semiconductor Power Conversion System Research Special Committee, Ohmsha, November 30, 2000, p. 143-153
[Patent Document 1]
JP 11-89242 A (page 1-4, FIG. 1)
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
In the power conversion device according to the
Further, when the output voltage v of the power conversion device is increased, there is a problem that it is necessary to redesign the transformer and the inverter circuit connected thereto according to the voltage.
That is, there is a problem that the inverter circuit to be multiplexed cannot be standardized.
[0007]
Also in the power conversion device according to the
[0008]
The present invention has been made in order to solve the above-described problems of the prior art, and provides a power conversion device capable of multi-leveling an output voltage using a standardized unit power conversion unit. For the purpose.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The power conversion device according to the present invention includes an inverter circuit and an independent DC power supply, and is the same circuit capable of outputting three levels {1, 0, −1} with values normalized by the DC voltage value of the DC power supply. A power conversion device comprising a plurality of unit power conversion units having a configuration, wherein the output terminals of the unit power conversion units are connected in series, and m 1 The unit power conversion unit is {m 1 , ..., 0, ..., -m 1 } 'S (2m 1 A first unit power conversion unit group capable of +1) level output; and m 2 The unit power conversion unit is {m 2 , ..., 0, ..., -m 2 } 'S (2m 2 +1) a second unit power conversion unit group capable of level output, m n Pieces (m 1 , M 2 , ..., m n , And n are natural numbers, m 1 <M 2 <... <m n , 3 ≦ n. ) Unit power conversion unit {m n , ..., 0, ..., -m n } 'S (2m n +1) n-th unit power conversion unit group capable of level output, and each output voltage of each unit power conversion unit group At least one output voltage among the unit power conversion units belonging to the unit power conversion unit group by shifting the on / off control timing to form an output waveform having a stepped rise. Select as appropriate Pseudo sine wave An output voltage having a staircase waveform is obtained.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 is a diagram for explaining a power conversion apparatus according to
In FIG. 1, the
The
[0011]
The first unit power conversion unit group 61 (may be represented by 6) is 1 (= 2). 0 ) Unit
[0012]
The
[0013]
FIG. 2 is a diagram illustrating a circuit configuration of a unit power conversion unit applied to the power conversion apparatus of FIG. The DC power supply of the power conversion device in the present embodiment is independent for each unit
The single-phase self-
[0014]
FIG. 3 is a diagram showing a detailed circuit configuration of the unit power conversion unit of FIG. In FIG. 3, the
[0015]
FIG. 4 is a diagram showing a circuit configuration of a first face module applied to the three-phase rectifier circuit of FIG. In FIG. 4, the
FIG. 5 is a diagram showing a circuit configuration of a second face module applied to the single-phase self-excited inverter circuit of FIG. In FIG. 5, the
The self-extinguishing
[0016]
The
[0017]
In the present embodiment, the unit
[0018]
A specific operation of the single-phase self-
When the voltage of the
Further, the self-extinguishing
[0019]
Further, the self-extinguishing
[0020]
The
As described above, the on / off control period of the self-extinguishing
In this embodiment, the same group Genus The unit power conversion units to be turned on / off are simultaneously controlled.
[0021]
As shown in FIG. 1, for example, the
[0022]
When the voltage of the
[0023]
FIG. 7 shows the output voltage waveform of the power conversion device operated by the group management control of the unit power conversion units described above and each unit power conversion unit group. In FIG. 7, the
[0024]
As shown in FIG. 7, the
[0025]
As described above, since the
[0026]
Further, the capacity increase of the
In addition, since the unit power conversion unit can be standardized, the maintenance is easy, and if any unit power conversion unit fails, the unit reliability can be easily replaced.
[0027]
In addition, by performing group management control of the plurality of unit
[0028]
Although the number of unit
That is, m 1 Consisting of 5 unit power conversion units 5 {m 1 , ..., 0, ..., -m 1 } 'S (2m 1 +1) a first unit power
[0029]
Note that, as in the present embodiment, the first unit power conversion unit group is m. 1 = 2 0 And {2 in {1, 0, -1} 1 +1) level output is possible, and the second unit power conversion unit group is m 2 = 2 1 {2, 1, 0, -1, -2} (2 2 +1) level output is possible, and the nth unit power conversion unit group is m n = 2 n-1 And {2 n-1 , ..., 2, 1, 0, -1, -2, ..., -2 n-1 } (2 n If it is possible to output +1) level, 2 n-1 = 1, 2, 4, 8... n-1 (For example, 3 = 1 + 2, 5 = 1 + 4, 6 = 2 + 4, 7 = 1 + 2 + 4, 9 = 1 + 8, etc.), so that the output voltage value of the power converter is The effect that it can be comprised by the minimum number of unit power conversion units is acquired.
[0030]
In the present embodiment, the maximum output voltage, 0, and minimum output voltage of each unit power
[0031]
8 to 12 are diagrams for explaining the power conversion apparatus according to the second embodiment of the present invention. More specifically, FIG. 8 is a diagram showing a circuit configuration of a control circuit, and FIG. 9 is a third diagram. FIG. 10 is a diagram showing an example of the output voltage waveform of the unit power conversion unit group, FIG. 10 is a diagram showing an example of the output voltage waveform of each unit power conversion unit group and the power conversion device, and FIG. It is a figure which shows the output voltage value of each unit power conversion unit group when changing from 1 to 7 and 7 to 0 one by one. Since the other configuration is the same as that of the first embodiment, the difference from the first embodiment will be mainly described below.
[0032]
In the first embodiment, the same group Genus The case where the unit
In contrast, in the present embodiment, the same group Genus The unit
[0033]
FIG. 9 shows an example of the output voltage waveform of the third unit power conversion unit group 63 (the voltage applied between the third output terminal 84 and the fourth output terminal 97 in the third unit power conversion unit group 63). 9A shows a state in which the output voltage value (value normalized by the DC voltage value V of the DC capacitor 20) changes from 0 to 4, and FIG. 9B shows the output voltage value from 4 to 0. Each of them shows how they change.
In FIG. 9, the
[0034]
The third unit power
Here, regarding the on / off timing of each of the unit
[0035]
In addition, although the 3rd unit power
This switching timing shift is performed in the
[0036]
10, when the output voltage value of the power converter 2 (value normalized by the voltage V of the
[0037]
As shown in FIG. 10, the
[0038]
Next, as for the
[0039]
Next, the
[0040]
In FIG. 11, the output voltage value of each unit power conversion unit group when the output voltage value of the
FIG. 10 illustrates the change in the output voltage value of each of the unit power
[0041]
For example, although the output voltage value of the
[0042]
In addition, in FIG. 11, although the case where the output voltage value of the
[0043]
As described above, the unit
[0044]
Further, in the present embodiment, the unit
The amplitude ratios of the output voltages V1, V2, V3 and Vn of the n inverter bridges described in the
On the other hand, in this Embodiment, when the output voltage value of the
[0045]
Generally, when a motor is connected as a load of an inverter device, the cable has wiring inductance and stray capacitance. Therefore, a voltage change due to switching of the inverter device generates a surge voltage due to LC resonance, and the motor winding May cause insulation deterioration. The surge voltage may reach about twice the output voltage peak value of the inverter device. Therefore, by installing a surge voltage suppression filter between the output terminal of the inverter device and the motor to suppress the peak value of the terminal voltage of the motor, or by installing an AC reactor at the inverter output terminal, the output voltage of the inverter device In general, the surge voltage is reduced by suppressing the rate of time change (dv / dt).
In the
[0046]
ΔT0 can be arbitrarily selected. Further, ΔT10, ΔT11, ΔT12, ΔT13, and ΔT14 can be arbitrarily selected. However, ΔT0 (= ΔT11 + ΔT12 + ΔT13), ΔT10, and ΔT14 are obtained from the step width (period) ΔT of the
[0047]
Hereinafter, modifications of the power conversion device shown in the first and second embodiments will be described. For the three-phase rectifier circuit shown in FIG. 3, a face module having a circuit configuration different from that of the face module shown in FIG. 4 can be used. For example, the
Thus, the voltage of the
[0048]
There are various waveform synthesis methods in the multiplexing system of the inverter device. In general, the step width and height are determined so that the multiplexed stepped output voltage approaches a sine wave. Since the voltage of the
Further, by using a three-phase self-excited rectifier circuit, it is possible to control the AC input current, and it is possible to suppress the harmonic current flowing out to the multi-phase AC power source and to increase the power factor.
[0049]
12 to 14 are diagrams for explaining the power conversion device according to the fourth embodiment of the present invention. More specifically, FIG. 12 is a diagram showing a circuit configuration of a control circuit, and FIG. 13 is a gate drive. FIG. 14 is a diagram for explaining signal switching, and FIG. 14 is a diagram showing output voltage waveforms of each unit power conversion unit and power conversion apparatus. Since the other configuration is the same as that of the first embodiment, the difference from the first embodiment will be mainly described below.
[0050]
In the present embodiment, the
[0051]
In the
[0052]
Each gate signal is input to
[0053]
Hereinafter, the operation of the gate
As an example, the weight P of the signal output from the
[0054]
FIG. 13 shows a correspondence relationship between the gate signal input from the
[0055]
At times T = T (0) to T (1), the unit
X (1) = X ′ (0) + P (X = A to G, P = 1, 2, 3)
Here, X ′ (0) = 0.
Next, the minimum value of X (1) calculated for each unit power conversion unit is set to Xmin (1), and the value of X ′ (1) is calculated by the following equation.
X ′ (1) = X (1) −Xmin (1)
[0056]
At time T = T (1), the arrangement of the unit
X (n) = X ′ (n−1) + P
X ′ (n) = X (n) −Xmin (n)
[0057]
FIG. 14 shows output voltage waveforms of each unit power conversion unit and power conversion apparatus when ΔT2 is set to a time corresponding to one cycle of the AC output voltage. In FIG. 14, the
[0058]
In this way, by using the gate
Since the duty of the gate drive circuit of the self-extinguishing semiconductor element 32 is averaged, the heat loss (switching loss) generated in the self-extinguishing semiconductor element 32 is averaged. As a result, the self-extinguishing semiconductor element 32 junction temperatures are averaged.
In the self-extinguishing semiconductor element 32 and the diode 31, heat generated by the loss generated in the element needs to be cooled by using a cooling fin so that the junction temperature of the element is lower than an allowable value. Since the loss of the semiconductor element 32 is averaged, the junction temperature of the element is averaged, and the cooling system including the cooling fins can be standardized.
[0059]
In the present embodiment, means for switching the allocation of the unit
The gate
[0060]
Note that although the weight amount P is set to 1, 2, and 3 for simplicity, other values can naturally be used depending on the value of the number of switching times. An arbitrary period can be set for ΔT2.
[0061]
Further, when the junction temperature of the self-extinguishing semiconductor element 32 can be directly detected, the weight amount P can be set according to the junction temperature of the self-extinguishing semiconductor element 32 instead of setting according to the switching frequency. is there. Thus, by switching the allocation of the unit
[0062]
In addition, although the case where it applied mainly to
[0063]
15 to 18 are diagrams for explaining the power conversion device according to the fifth embodiment of the present invention. More specifically, FIG. 15 is a diagram showing a circuit configuration of the power conversion device, and FIG. FIG. 17 is a diagram showing an example of the current bypass path of the unit power conversion unit shown in FIG. 4, FIG. 17 is a diagram showing another example of the current bypass path of the unit power conversion unit shown in FIG. 3 and FIG. It is a figure which shows the circuit structure of a control circuit. Since the other configuration is the same as that of the first embodiment, the difference from the first embodiment will be mainly described below.
[0064]
In each of the embodiments described above, the number of unit
In contrast, in the present embodiment, the unit power conversion unit is (m 1 + M 2 + M 3 + ... + m n ) A unit power conversion unit that is provided in more than one unit and has not been assigned to any unit power conversion unit group is set to a standby operation state, and is assigned to any unit power conversion unit that is assigned to the unit power conversion unit group and is in an operation state. When an abnormality occurs, the unit power conversion unit in which the abnormality has occurred is placed in a standby operation state, and unit power that has not been assigned to any unit power conversion unit group in place of the unit power conversion unit in which the abnormality has occurred The conversion unit was configured to be in an operating state.
[0065]
In FIG. 15, eight unit
[0066]
The unit
Inverter operation when the
[0067]
Here, for example, as shown in FIGS. 16 and 17, the standby operation state means that both the self-extinguishing
[0068]
Next, a protection method of the
[0069]
16 and 17 showing the
[0070]
Here, the unit
Thus, according to the present embodiment, even when an abnormality occurs in any unit power conversion unit in the operating state, the operation can be continued without reducing the rated capacity of the device, and thus the device Can improve the reliability.
[0071]
A unit power conversion unit (unit
[0072]
In the
[0073]
The respective gate signals are respectively input to
[0074]
Here, the operation continuation method by the unit
[0075]
FIG. 15 shows a case where one spare unit
[0076]
In the above, as shown in the first embodiment, the same group Genus However, the present invention is not limited to this, and as shown in the second embodiment, the change in the output voltage of each unit power
[0077]
In the present embodiment, a countermeasure example different from that in the fifth embodiment when an abnormality occurs in any unit power conversion unit will be described.
In the
Therefore, the operation can be continued without reducing the rated capacity of the device, and the reliability of the device can be improved.
[0078]
FIG. 19 is a diagram showing a circuit configuration of a multi-phase output power converter according to
In the present embodiment, power is supplied from the multiphase
[0079]
The
By distributing the voltage command output from the voltage
[0080]
Note that the single-phase output power conversion device 2 (210, 220, 230) is not limited to that shown in the first embodiment, and any of the
[0081]
20-22 is a figure for demonstrating the power converter device by
[0082]
As shown in FIG. 20, in the present embodiment, the unit
[0083]
As shown in FIG. 21, the
[0084]
FIG. 22 is a diagram for explaining the operation principle of the self-excited series compensator constituted by the
[0085]
As shown in FIG. 22A, when the phase of the output voltage VX is advanced by 90 ° with respect to the system current I, it acts as a variable series reactor. Further, as shown in FIG. 22B, when the phase of the output voltage VX is 90 ° behind the system current I, it acts as a variable series capacitor. Thereby, the impedance of the transmission line can be changed equivalently, and the power system can be stabilized.
[0086]
Furthermore, according to the present embodiment, the same
Further, the increase in the capacity of the
Furthermore, since the unit power conversion unit can be standardized, the maintenance is easy, and the reliability of the apparatus can be improved, for example, when any unit power conversion unit breaks down.
[0087]
In addition, although what was shown in
Furthermore, a three-
[0088]
In particular, in the same group shown in the second embodiment Genus The unit
[0089]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, an inverter circuit and an independent DC power source are included, and three-level output {1, 0, −1} is possible with values normalized by the DC voltage value of the DC power source. A power conversion device comprising a plurality of unit power conversion units having the same circuit configuration, wherein the output terminals of the unit power conversion units are connected in series, and m 1 The unit power conversion unit is {m 1 , ..., 0, ..., -m 1 } 'S (2m 1 A first unit power conversion unit group capable of +1) level output; and m 2 The unit power conversion unit is {m 2 , ..., 0, ..., -m 2 } 'S (2m 2 +1) a second unit power conversion unit group capable of level output, m n Pieces (m 1 , M 2 , ..., m n , And n are natural numbers, m 1 <M 2 <... <m n , 3 ≦ n. ) Unit power conversion unit {m n , ..., 0, ..., -m n } 'S (2m n +1) n-th unit power conversion unit group capable of level output, and each output voltage of each unit power conversion unit group At least one output voltage among the unit power conversion units belonging to the unit power conversion unit group by shifting the on / off control timing to form an output waveform having a stepped rise. Select as appropriate Pseudo sine wave Since the output voltage of the staircase waveform is obtained, the output voltage can be multi-leveled using a standardized (fixed) unit power conversion unit. It can be handled by increasing the number. In addition, since a standardized unit power conversion unit is used, maintenance is easy, and even if any unit power conversion unit fails, it can be easily replaced, improving the reliability of the power conversion device To do.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a circuit configuration when a power conversion device according to a first embodiment of the present invention is operated as a multiple inverter device.
FIG. 2 is a diagram illustrating a circuit configuration of a unit power conversion unit applied to the power conversion device of FIG. 1 according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a diagram illustrating a detailed circuit configuration of the unit power conversion unit of FIG. 2 according to the first embodiment of the present invention.
4 is a diagram illustrating a circuit configuration of a face module according to the first embodiment of the present invention and applied to the three-phase rectifier circuit of FIG. 3;
5 is a diagram showing a circuit configuration of a face module applied to the single-phase self-excited inverter circuit of FIG. 3 according to the first embodiment of the present invention.
6 is a diagram illustrating a circuit configuration of a control circuit according to the first embodiment of the present invention and applied to the power conversion device of FIG. 1;
FIG. 7 is a diagram illustrating output voltage waveforms of each unit power conversion unit group and a power conversion device according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a diagram showing a circuit configuration of a control circuit applied to a power conversion device according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 9 is a diagram illustrating an output voltage waveform of a unit power conversion unit group according to the second embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a diagram illustrating output voltage waveforms of each unit power conversion unit group and a power conversion device according to the second embodiment of the present invention.
FIG. 11 is a diagram illustrating output voltage values of each unit power conversion unit group and a power conversion device according to the second embodiment of the present invention.
FIG. 12 is a diagram showing a circuit configuration of a control circuit applied to a power conversion device according to a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 13 is a diagram for describing switching of gate drive signals according to the fourth embodiment of the present invention.
FIG. 14 is a diagram illustrating output voltage waveforms of each unit power conversion unit and a power conversion device according to
FIG. 15 is a diagram showing a circuit configuration when the power conversion device according to the fifth embodiment of the present invention is operated as a multiple inverter device.
FIG. 16 is a diagram illustrating an example of a current bypass path of a unit power conversion unit according to the fifth embodiment of the present invention.
FIG. 17 is a diagram illustrating another example of the current bypass path of the unit power conversion unit according to the fifth embodiment of the present invention.
FIG. 18 is a diagram illustrating a circuit configuration of a control circuit according to the fifth embodiment of the present invention.
FIG. 19 is a diagram showing a circuit configuration of a multi-phase output power converter according to a seventh embodiment of the present invention.
FIG. 20 is a diagram showing a circuit configuration of a unit power conversion unit that is a main part of a power conversion device according to an eighth embodiment of the present invention.
FIG. 21 is a diagram illustrating a circuit configuration when the power conversion device is operated as a self-excited series compensator according to the eighth embodiment of the present invention.
FIG. 22 is a diagram for explaining the operation principle of the self-excited series compensator according to the eighth embodiment of the present invention.
FIG. 23 is a diagram showing a circuit configuration of a conventional power converter.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Polyphase alternating current power supply, 2,210,220,230 Power converter device, 3,310,320,330 1st output terminal, 4,410,420,430 2nd output terminal, 5,51-58 Unit power Conversion unit, 6, 61-63 Unit power conversion unit group, 7, 71-78 First input terminal group, 8, 81-88 Third output terminal, 9, 91-98 Fourth output terminal, 10, 101-108 input transformer, 11, 111-118 primary winding, 12, 121-128 secondary winding, 13, 131-138 first input terminal, 14, 141-148 fifth output terminal, 15 151-158 communication line 16, 161-163 control circuit, 17 three-phase rectifier circuit, 18 DC link circuit, 19 single-phase self-excited inverter circuit, 20 DC capacitor, 21, 211, 212 second input terminal, 2 Gate signal distribution circuit, 23, 231 to 233 First face module, 24, 241 to 242 Second face module, 25, 251 to 253 Third input terminal, 26, 261 to 263 Fourth input terminal, 27,271 to 272 Fifth input terminal, 28,281,282 Sixth input terminal, 29,291 to 293 Sixth output terminal, 30,301,302 Seventh output terminal, 31,311 to 314 Diode , 32, 321, 322 Self-extinguishing semiconductor device, 33 gate drive circuit, 34 gate signal generation circuit, 351-354 eighth output terminal, 40, 401-404 signal distribution circuit, 510 gate signal switching circuit, 520, 5201-5204 7th input terminal, 530, 5301-5308 9th output terminal, 540, 5401-5408 8 input terminals of 550,5501~5508 tenth output terminal of, 640 polyphase AC load, 650 voltage command generating circuit, 660 a first AC system, 670 a second AC system, 680 neutral point.
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