JP4346589B2 - 濃度管理方法、冷却塔装置、および濃度管理システム - Google Patents

濃度管理方法、冷却塔装置、および濃度管理システム Download PDF

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Description

本発明は、水中に添加される薬剤の濃度を制御する濃度管理方法、この濃度管理方法によって管理される冷却塔装置、例えば遠隔装置を用いて濃度管理を行なう濃度管理システム等に関する。
各種産業用や空調用等に用いられる循環冷却水系では、熱交換器や冷凍機などの熱交換により温度上昇した水を冷却塔で一部蒸発させ、蒸発潜熱の放出により再冷却させて循環使用している。一般の循環冷却水系では、循環水系内の溶解物の濃縮により塩分などの固形物が析出するスケールの問題や、塩素イオンや硫酸イオン等の濃度が増加することによる腐食の問題、レジオネラ属菌に代表される微生物の発生問題等から、各種の水処理薬品(薬剤)が循環水に注入される。そして、これらの水処理薬品による適切な水処理を行ない、これらの水処理薬品の効果を持続させるためには、水処理薬品の濃度(薬剤濃度)を正確に把握し、適切な管理を行なうことが要求される。例えば、この循環水の薬剤濃度は、蒸発に伴う補給水の入力においては変化しないが、ブローダウンが行われ、補給水が入力される時点では薄くなる。かかる場合には、循環水の薬剤濃度を正確に把握し、薬剤濃度を上げることが必要となる。
しかし、水処理薬品の種類によっては、水中薬剤濃度の測定が困難なものがある。また、測定ができる場合であっても、その測定操作が煩雑で、操作に長時間を要する等、循環冷却水系の設備を管理するものとして好ましくない状況が生じる。そこで、公報記載の従来技術には、例えば水中に添加した薬剤の濃度を管理するために、トレーサーとしてリチウム水溶塩を水中に添加し、リチウムの濃度を測定することにより水中に添加した薬剤の濃度を管理する技術を提案したものがある(例えば、特許文献1参照)。また、水処理用薬品を容易且つ迅速に、より精度良く測定するために、特許文献1と同様にトレーサー物質としてリチウムの水溶性塩を被処理水中に添加し、例えばリチウムイオン感応物質を用いてリチウムイオン濃度を測定することで水処理用薬品の濃度管理を行なう技術について開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭51−111388号公報 特開2004−4045号公報
この上記特許文献1および2に示すように、トレーサーとしてリチウム水溶性塩を使用し、水中薬剤の濃度管理を行なう技術は従来から存在しており、これらの技術によれば、循環冷却水系における薬剤濃度を一定範囲で維持することが可能となる。
しかしながら、同じリチウムイオン濃度でも循環水水質(他種イオン濃度)によって測定電位が異なってくる。そのために、上記従来技術のようにして水の電位を測定するだけでは、イオン濃度を水処理用薬品の添加量に換算することはできない。
また、補給水にリチウムイオンが含まれている場合には、そのリチウムイオンの含有量によって電位が変動することから、電位を測定するだけではイオン濃度を水処理用薬品の添加量に換算することはできない。そのために、従来では、薬品濃度の管理に対して精度の高い測定を実現することが事実上、困難であった。
尚、循環冷却水系に用いられる冷却塔は、一般にビルの屋上や工場地帯の僻地等の屋外に配置される場合が多く、この冷却塔に近接して制御装置を配置した場合には、風雨や寒暖等による過酷な環境条件により、制御管理システムを長期に亘って維持することが困難となる。そして、高度な制御を実施しようとすると制御装置も高価となり、全ての循環冷却水系にこれらの制御装置を配置すると、循環冷却水系管理全体のコストもそれに応じて上昇してしまう。このような従来の制御管理システムにおける欠点を解消するために、例えば電話回線を介して冷却塔における薬剤濃度情報を吸い上げ、水質管理を遠隔地で集中的に管理する遠隔監視・制御方法も考えられる。しかしながら、制御される対象となる冷却塔が存在する現場と制御を行う遠隔監視装置とが、物理空間的に離れて構成されることから、例えば冷却塔にて所定のトラブルが生じた場合等に、トラブル対応の内容等を遠隔監視装置に反映させることが非常に難しくなる。また、例えばパラメータ設定等、遠隔監視側から現場に指示する場合にも、遠隔監視システムとは全く別個に電話等を用いて指示することが必要となり、円滑な対応が困難であった。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、循環水の水処理薬品濃度の測定に際し、より安定した分析を可能にすることにある。
また他の目的は、循環水における水処理薬品濃度の測定について遠隔監視を可能にすることにある。
かかる目的のもと、本発明は、循環水に添加された水処理薬品の濃度を管理する濃度管理方法であって、まず、水処理薬品が添加された循環水の一部を、循環水の循環系とは別の系にサンプル水として送液する。そして、送液されたサンプル水から一定量を分取し、分取したサンプル水にリチウム標準液は加えずイオン強度剤を加えてブランク電位を測定する。また、送液されたサンプル水から一定量を分取し、分取したサンプル水にイオン強度剤および第1の量のリチウム標準液を加えて第1の電位を測定する。また、送液されたサンプル水から一定量を分取し、分取したサンプル水にイオン強度剤および第2の量のリチウム標準液を加えて第2の電位を測定する。そして、測定されたブランク電位、第1の電位、および第2の電位を用いて循環水中のイオン濃度を算出し、循環水に添加された水処理薬品の濃度を管理することを特徴としている。尚、第3の電位、第4の電位等、更に複数の電位が測定される場合もあるが、例えば第1の電位と第4の電位がイオン濃度の算出に用いられる場合には、第1の電位との関係では、この第4の電位は、本願発明の「第2の電位」に該当すると言うことができる。
ここで、算出されたイオン濃度のデータをパケット通信を用いて監視装置に送信し、この監視装置により水処理薬品の濃度を管理することを特徴とすることができる。これによって、パケット化によりデジタルデータが送信されることから、過酷な環境条件で使用されることの多い水処理装置にて、従来のアナログ通信によるデータ送信を起因とするデータエラーを抑制し、システムにおける安全かつ正確なデータ送受信を実現できる点で優れている。
他の観点から把えると、本発明が適用される濃度管理方法は、循環水の系からサンプル水を採取し、この循環水の系とは別の系にてサンプル水に対して異なった量のリチウム標準液を加えた際に得られる複数の測定結果を用いて循環水の薬剤濃度を算出する。そして、この算出された薬剤濃度のデータをパケット通信により送信することを特徴としている。
一方、本発明を冷却塔装置から把えると、本発明が適用される冷却塔装置は、負荷を冷却するための循環水を保有する冷却塔と、この冷却塔の循環水に対して薬剤を注入する薬剤注入ポンプと、循環水の一部を採取してサンプル水を貯えるサンプル槽と、このサンプル槽から一定量のサンプル水を分取し、分取したサンプル水に対してイオン強度剤、またはイオン強度剤とリチウム標準液とを加えて調整する調整槽と、この調整槽にて調整されたサンプル水の電位を測定するセンサと、このセンサから測定された電位を用いて循環水に含まれる薬剤濃度を算出する制御部とを含んでいる。
ここで、この調整槽は、サンプル槽から一定量のサンプル水を複数回、分取して、各回の分取にて異なった量のリチウム標準液を加えて各々調整し、このセンサは、異なった量のリチウム標準液が加えられて調整されたサンプル水の電位を各々測定し、制御部は、このセンサにより測定された、異なった量のリチウム標準液が加えられた際の電位を用いて、循環水に含まれる薬剤濃度を算出することを特徴とすることができる。
また、この制御部により算出された薬剤濃度のデータをパケット通信を用いて監視装置に送信する通信ユニットを更に備えたことを特徴とすることができる。
更に他の観点から把えると、本発明が適用される濃度管理システムは、循環水の系からサンプル水を採取し、この循環水の系とは別の系にてサンプル水に対して異なった量のリチウム標準液を加えた際に得られる複数の測定結果を用いて循環水に含まれる薬剤濃度を算出する装置と、この装置にて算出された薬剤濃度のデータをパケット通信により取得する監視装置とを含む。
ここで、この監視装置は、取得した薬剤濃度のデータから、装置における薬剤注入を制御することを特徴とすることができる。
本発明によれば、循環水に添加される薬剤の濃度について、従来に比べてより安定した分析が可能となる。
また、遠隔監視を行なうことで、例えば冷却塔設備の安定運転が可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される水処理監視制御システム10の全体構成を示した図である。図1に示す水処理監視制御システム10は、パケット通信を可能とするネットワークであるパケット通信網20、監視対象となる水処理装置の一例である冷却塔装置30、冷却塔装置30や図示しない純水装置などの水処理装置を監視する遠隔監視装置60、携帯電話やノートブック型パーソナルコンピュータ(ノートPC)等からなる外部端末70で構成されている。
遠隔監視装置60は、遠隔監視装置60の全体を制御すると共に水処理監視のための各種アプリケーションソフトウェアを実行する制御部61、無線回線を用い、パケット通信網20を介して冷却塔装置30と通信を行う通信ユニット62、制御部61によって形成された各種データや、例えばグラフィックデータに基づくプロットデータや補間データ等を表示する表示部(ディスプレイ)63、例えばメンテナンス作業を行う作業者や監視オペレータ等によってなされる入力を受け付ける入力部64を備えている。制御部61、表示部63、および入力部64は、例えばノートPC等の携帯型コンピュータ装置によって実現され、通信ユニット62は、例えばノートPCに接続される携帯電話や通信カード等によって実現される。遠隔監視装置60として全てを集約して1つの筐体内に含まれるか否かは問わない。
図2は、冷却塔装置30の全体構成を示した図である。冷却塔装置30は、循環冷却水系を構成する冷却塔31と、負荷である熱交換器32とを備えている。また、冷却塔31から主に熱交換器32に循環水を送液する循環ポンプ33と、循環ポンプ33により送液された循環水を熱交換器32に運ぶ循環水ライン34とを備えている。更に、冷却塔31に起きるスケールや腐食、微生物の発生等を抑制するための各種薬剤を溜める薬注装置35と、この薬注装置35からの一定量の薬剤を冷却塔31に供給する薬剤注入ポンプ36とを備えている。
また、冷却塔装置30は、本実施の形態の特徴的な構成として、循環冷却水系とは別に薬剤濃度測定系を備えている。この薬剤濃度測定系として、循環ポンプ33により送液され一部が分岐された循環水を溜める循環水サンプル槽41と、循環水サンプル槽41に溜められた循環水サンプルの一定量を分取して、その一定量を溜めるサンプル調整槽42とを備えている。また、サンプル調整槽42にて試薬添加調整液を調整された循環水サンプルが送液され、送液されたこの循環水サンプルを溜めて電位を測定するための測定セル43を備えている。更に、測定セル43内に浸漬され、循環水サンプルの電位を測定するイオン電極センサ44と、イオン電極センサ44からの出力を用いて、水中リチウムイオン濃度に相当する電位(mV)を測定する電位差計45を備えている。また、薬剤濃度測定系には、循環水ライン34から循環水サンプル槽41へのラインを開閉して循環水の送液を制御する電磁弁46と、循環水サンプル槽41とサンプル調整槽42との間のラインを開閉して、分取される循環水の量を調整する電磁弁47とを備えている。また、サンプル調整槽42から測定セル43に定量の循環水を供給する定量注入ポンプ48を備えている。尚、冷却塔31には、図示しない散水装置が備えられ、熱交換器32を経て昇温した循環水(冷却水)が冷却塔31内に散水される。
更に、冷却塔装置30は、薬剤濃度測定系の全体を制御する制御部51と、制御部51によって制御される各種情報を表示出力する表示部52と、制御部51による制御のもと、外部装置と通信を行なう通信ユニット53とを備えている。この通信ユニット53は、図1に示すように、例えば無線回線を用いパケット通信網20を介して遠隔監視装置60と通信を行なっている。制御部51は、薬剤濃度測定系の電位差計45からの出力を受け、循環水中のリチウムイオン濃度を演算し、結果を出力している。また、制御部51は、薬剤注入ポンプ36、定量注入ポンプ48からの各種注入量を制御すると共に、電磁弁46、47の開閉を制御している。また、制御部51は、サンプル調整槽42にて調整される、イオン強度剤やリチウム標準液などの試薬添加調整液の制御も実行している。イオン強度剤としては、例えば塩化アンモニウム(NHCl)が用いられる。更に、制御部51は、通信ユニット53を介して得られる遠隔監視装置60によるコンピュータ処理に基づいて各種処理が実行される。
次に、図2に示す冷却塔装置30にて実行される処理、および図1に示す水処理監視制御システム10にて実行される処理について説明する。
冷却塔31内に溜められた水は、循環水として、循環ポンプ33、循環水ライン34を経て、負荷である熱交換器32に供給される。熱交換器32を通過して昇温した循環水は、散水装置(図示せず)にて散水され、ファン(図示せず)等の駆動によって取り入れられた外気と気液接触して冷却されて、冷却塔31に戻される。
その一方、循環ポンプ33で送液された循環水の一部は、循環水ライン34の途中で分岐され、循環水サンプル槽41に送液される。循環水サンプル槽41への送液を決定する電磁弁46は、例えば制御部51による制御下にて動作する。この電磁弁46は、同一時にサンプリングされた循環水に対して、後述する一連の測定を行なう際には、閉じた状態にある。この一連の測定は、同一時にサンプリングされた循環水に対して、
(i) リチウム標準液を添加せずにイオン強度剤だけを加えて測定するブランク時の電位測定(ブランク電位測定)
(ii) 同一時にサンプリングされた循環水に対してイオン強度剤と第1の量のリチウム標準液とを加えて測定する第1の標準液測定(標準液測定(1))
(iii) 同一時にサンプリングされた循環水に対してイオン強度剤と第2の量のリチウム標準液とを加えて測定する第2の標準液測定(標準液測定(2))
と、連続して行なわれる測定である。同一時にサンプリングされた循環水に対し、第3の標準液測定、第4の標準液測定と、更に続けて測定が行なわれる場合には、これらも含めて一連の測定とすることができる。少なくともこの一連の測定が終了するまで電磁弁46が閉じられているのは、同じ循環水にて分析を実施するためである。
一連の測定に際して、循環水サンプル槽41の循環水サンプルが一定インターバル毎に一定量だけサンプル調整槽42へ分取されるように、制御部51は電磁弁47の開閉を制御する。これによって、サンプル調整槽42には一定量の循環水が送液される。
一定量の循環水が送液されたサンプル調整槽42では、上記(i)〜(iii)の段階的な測定に合わせ、イオン強度剤およびリチウム標準液からなる試薬添加調整液が加えられ、調整がなされる。この試薬添加調整液の調整がサンプル調整槽42にてなされた循環水サンプルは、制御部51により制御される定量注入ポンプ48により、一定流量が測定セル43に送液される。測定セル43にはイオン電極センサ44が浸漬されており、水中リチウムイオン濃度に相当する電位(mV)がこのイオン電極センサ44を用いて電位差計45にて測定される。
図3は、上述した一連の測定処理を説明するためのフローチャートである。図3に示す一連の測定処理は、ステップ101〜ステップ104のブランク電位測定と、ステップ105〜ステップ108の第1の標準液測定(標準液測定(1))と、ステップ109〜ステップ112の第2の標準液測定(標準液測定(2))とが行なわれる。
冷却塔装置30では、まず、循環水サンプル槽41からサンプル調整槽42へ分取(循環水の一部の送液)がなされ(ステップ101)、このサンプル調整槽42にてイオン強度剤A(ml)が添加される(ステップ102)。イオン強度剤が添加され、撹拌されて調整された測定液は、定量注入ポンプ48にて測定セル43に送液され、この測定セル43にて電位測定がなされる(ステップ103)。この電位測定結果は制御部51に送られ、制御部51内のメモリ(図示せず)に格納される。その後、次の測定に備えてサンプル調整槽42、測定セル43が洗浄される(ステップ104)。これで、ブランク時の電位測定(ブランク電位測定)は終了する。
次に、冷却塔装置30では、ステップ101と同様に、循環水サンプル槽41からサンプル調整槽42へ分取がなされる(ステップ105)。ここで分取される循環水は、ステップ101にて採取されブランク電位が測定された循環水と同一時期(電磁弁46の1回の作動時)に採取されたものである。そして、循環水が分取されたサンプル調整槽42にてイオン強度剤A(ml)と、第1の量のリチウム標準液a(ml)が添加され、撹拌される(ステップ106)。このようにして調整された測定液は、定量注入ポンプ48にて測定セル43に送液され、この測定セル43にて電位測定がなされる(ステップ107)。この電位測定結果は制御部51に送られ、制御部51内のメモリ(図示せず)に格納される。その後、次の測定に備えてサンプル調整槽42、測定セル43が洗浄される(ステップ108)。これで、第1の標準液測定(標準液測定(1))は終了する。
次いで、冷却塔装置30では、ステップ101およびステップ105と同様に、循環水サンプル槽41からサンプル調整槽42へ分取がなされる(ステップ109)。ここで分取される循環水は、ステップ101やステップ105にて採取されブランク電位が測定された循環水と同一時期に採取されたものである。そして、循環水が分取されたサンプル調整槽42にてイオン強度剤A(ml)と、第2の量のリチウム標準液b(ml)が添加され、撹拌される(ステップ110)。このようにして調整された測定液は、定量注入ポンプ48にて測定セル43に送液され、この測定セル43にて電位測定がなされる(ステップ111)。この電位測定結果は制御部51に送られ、制御部51内のメモリ(図示せず)に格納される。その後、次の一連の測定処理に備えてサンプル調整槽42、測定セル43が洗浄される(ステップ112)。これで、第2の標準液測定(標準液測定(2))は終了する。
その後、制御部51では、得られたブランク時の電位測定(ブランク電位測定)、第1の標準液測定、および第2の標準液測定により、循環水サンプル槽41に貯えられた循環液中のリチウムイオン濃度が演算される(ステップ113)。即ち、制御部51では、測定した数点の電位(mV)を用いてリチウムイオン濃度を演算する。演算されたリチウムイオン濃度に、使用している薬品のリチウム含有率(factor)を掛け、最終演算結果としての循環水中の薬品濃度(mg/L)を得る。得られた最終演算結果は、表示部52に出力され、また、通信ユニット53を介して遠隔監視装置60等に送信される。これによって、一連の測定処理が終了する。
ここで、制御部51のメモリ(図示せず)には、初期設定していた循環水中のリチウムイオン濃度範囲に関する情報が格納されている。制御部51は、メモリに格納されているこの情報をもとに、得られた最終演算結果に基づいて薬剤注入ポンプ36を制御し、薬注装置35から提供される薬剤の量を調整している。例えば、測定結果(最終演算結果)が設定上限を超えていれば、薬剤注入ポンプ36が停止される。また、例えば、測定結果が設定上限を下回っていれば、薬剤注入ポンプ36を稼働させる。
図4(a),(b)は、図3のステップ113に示した制御部51にてなされる演算処理を説明するための図である。図4(a)は図3のステップ101〜ステップ112による測定結果例を示している。今、図3のステップ101〜ステップ104にて電位測定がなされた結果として、イオン強度剤A(ml)だけが加えられた場合のブランク電位(x)が47.0(mV)であったとする。また、図3のステップ105〜ステップ108にて電位測定がなされた結果として、第1の標準液測定(標準液測定(1))における測定電位(x1)が54.7(mV)であったとする。この第1の標準液測定がなされた際のイオン強度剤A(ml)と第1の量のリチウム標準液a(ml)とが加えられた際の濃度(y1)が、例えば0.76(mg/L)であるとする。一方、図3のステップ109〜ステップ112にて電位測定がなされた結果として、第2の標準液測定(標準液測定(2))における測定電位(x2)が61.4(mV)であったとする。この第1の標準液測定がなされた際のイオン強度剤A(ml)と第2の量のリチウム標準液b(ml)とが加えられた際の濃度(y2)が、例えば1.47(mg/L)であるとする。図4(a)には、得られた測定電位(mV)と濃度との関係が示されており、ブランク電位(x)を算出した際の濃度(図の斜線部分)が求めたい濃度である。この濃度部分は、もとの循環水にイオン強度剤A(ml)だけが加えられている。
尚、第1の標準液測定および第2の標準液測定にて用いられる濃度は、
(リチウム溶液濃度×リチウム添加量)÷(サンプル量+添加量計)
で求められる。この「リチウム溶液濃度×リチウム添加量」は、サンプル調整槽42にて添加されるリチウム標準液の濃度(mg/ml)にその添加量(ml)を掛け合わせたものである。また、「サンプル量+添加量計」は、サンプル調整槽42において調整される循環水のサンプル量(ml)に、リチウム標準液の添加量(ml)とイオン強度剤の添加量(ml)との合計である添加量計を加えたものである。
図4(b)は、図4(a)の測定結果(例)をもとに得られるリチウムイオン濃度と電位との関係を示している。図4(b)では、横軸に測定電位(mV)が示され、縦軸に対数表記でリチウムイオン濃度(mg/L)が示されている。上記の第1の標準液測定(標準液測定(1))における結果(x1,y1)と、第2の標準液測定(標準液測定(2))における結果(x2,y2)から導かれる直線上にて、サンプル電位(x)が測定されれば、イオン濃度cを求めることができる。
ここで、電位xからイオン濃度cを求める式は
Figure 0004346589
で表せる。
第1の標準液測定(標準液測定(1))における結果(x1,y1)と、第2の標準液測定(標準液測定(2))における結果(x2,y2)よりこれらの関係は、
Figure 0004346589
となる。
数2の両式からkを消去してaを求めると、aは、
Figure 0004346589
で表すことができる。
(x1,y1)=(54.7,0.76)、(x2,y2)=(61.4,1.47)を代入すると、
a=1.103
を得ることができる。
一方、kは、例えば、標準液測定(1)の結果(x1,y1)を用いて
Figure 0004346589
で表すことができる。
上記で求めたaの値と、(x1,y1)=(54.7,0.76)を代入すると、
k=0.0036
を得ることができる。
上記した「数1」に、算出されたaとkの値を代入すると、イオン濃度cが
c=0.36
として算出できる。
図5は、所定の冷却塔設備にて、実際に測定された値を示した図である。図5に示す例では、リチウム標準液を加えていない場合の測定結果が番号1に示されている。番号2はリチウム標準液を0.5(ml)加えた測定結果を示し、番号3はリチウム標準液を2.0(ml)加えた測定結果を示している。
例えば、番号2の「サンプル量+添加量計」は、
50+0.5+0.5=51.0(ml)=0.051(L)
であり、番号2の「リチウムイオン濃度」は、
(0.005×0.5)÷0.051=0.049 (mg/L)
となる。
この図5の測定結果を、上記の数1〜図4に当てはめて、斜線部分である番号1のイオン濃度を算出すると、濃度として0.029が得られる。
次に、本実施の形態にて実行される遠隔監視通信について説明する。
図6は、冷却塔装置30の通信ユニット53および遠隔監視装置60の通信ユニット62によって生成されるパケットの構造例を示した図である。ここでは1つのパケットが例として挙げられている。各々のパケットは、ヘッダ、データ、トレーラに区分される。ヘッダは、1つのパケットの先頭を示す情報である開始符号、データの送り先を示す情報である宛先アドレス、データを送り出したコンピュータを示す情報である送信元アドレス、および何番目のパケットであるかを示す情報である通し番号で構成される。トレーラは、通信中の誤りを検出するための情報である誤り検出、1つのパケットの終わりを示す情報である終了符号で構成される。冷却塔装置30の通信ユニット53から出力されるパケットのデータには、デジタル化されたイオン濃度データが格納される。一方、遠隔監視装置60の通信ユニット62から出力されるパケットのデータでは、デジタル化された薬剤注入量の制御信号等が格納される。
本実施の形態では、図6に示すようなパケットを用い、パケット無線通信技術を用いて水処理に関する各種データの送受信を実施している。イオン濃度データをパケット化して通信することにより、通信回線の占有を避け、パケットとパケットとの間に他の通信パケットを割り込ませて電送することができる。そのために、本実施の形態では、冷却塔31の循環水中の薬剤濃度を一定にするリアルタイム自動監視制御システム(冷却塔装置30)が近くに複数存在していても、各々の冷却塔31に対して独立したリアルタイム制御を同時に行うことが可能となる。また、パケット無線通信技術を用いることで、高価な専用回線を持つ必要がない。更に、本実施の形態では、パケット無線通信網だけを使用するために、薬剤情報のセキュリティを高度に保つことができる。また、上述したイオン濃度の算出処置についても、冷却塔装置30内の制御部51が実行するのではなく、遠隔監視装置60にて実行するように構成することもできる。かかる場合には、上述したイオン濃度の算出処置に必要な個々のデータが冷却塔装置30の通信ユニット53から遠隔監視装置60に送信される。
次に、冷却塔装置30および遠隔監視装置60にて実行される処理の流れについて説明する。
図7は、冷却塔装置30にて、遠隔監視装置60との間でなされる通信制御方法を示したフローチャートである。制御部51では、前述のような循環水サンプルからの測定によりイオン濃度を算出する(ステップ201)。制御部51では、算出されたイオン濃度のデータにA/D変換を施し、通信ユニット53では、このデジタル化されたイオン濃度のデータを、図6に示すような形式にてパケット化する(ステップ202)。その後、通信ユニット53は、作成されたパケットを、無線回線を用い、移動型水処理監視サーバである遠隔監視装置60へパケット通信網20を介して送信する(ステップ203)。パケットを受信した遠隔監視装置60では、後述するような処理によって、データの解析や薬剤注入量の調整・設定作業等が実行される。例えば薬剤濃度の経時変化などが把握される。
その後、冷却塔装置30の通信ユニット53および制御部51では、遠隔監視装置60からの応答のパケットが受信されたか否かが判断される(ステップ204)。パケットを受信していない場合には、一定時間が経過したか否かが判断され(ステップ205)、一定時間が経過していない場合にはステップ204に戻ってパケットの有無が判断される。一定時間が経過した後には、ステップ201に戻ってイオン濃度データの転送が再度実行される。この一定時間は、例えば、遠隔監視装置60にてデータをプロットするのに必要な時間として予め定められているものにより設定される。遠隔監視装置60からの要求やユーザの設定等によって、適宜、時間が変更されるように構成することもできる。
ステップ204で遠隔監視装置60からのパケットを無線回線を通して通信ユニット53が受信した場合には、通信ユニット53または制御部51にて、パケットから薬剤注入量の設定信号が取り出される(ステップ206)。そして、制御部51は、取り出された設定信号に基づいて薬剤注入ポンプ36を調整制御し(ステップ207)、冷却塔31における循環水中の薬剤濃度が一定になるように自動制御する。その後、制御部51は、自動制御結果を確認するのに適当なものとして予め定められている一定時間が経過したか否かを判断し(ステップ208)、経過していない場合には待機し、経過した場合には、作業完了か否かを判断する(ステップ209)。作業が完了していない場合にはステップ201に戻ってリチウムイオン濃度データの転送処理が実行され、作業が完了した場合には、転送処理が終了する。
尚、上記の例では、冷却塔装置30が主体的にパケット送信を行なっていたが、パケット送信する遠隔監視装置60からの要求によって、その都度、送信するように構成することも可能である。また、冷却塔装置30ではデータを蓄積しておき、遠隔監視装置60のポーリング作業によって、この蓄積されたデータを取り出すように構成することもできる。
ここで、図7に示すフローチャートでは、冷却塔装置30が自らイオン濃度を算出し、このイオン濃度のデータを送信するような流れで説明したが、前述のように、イオン濃度の算出を遠隔監視装置60にて行なうことも可能である。かかる場合には、イオン濃度の算出のための個々のデータをパケット化して送信する。パケット化して送信されるデータとしては、例えば電位差計45による測定結果や、供給されるイオン強度剤やリチウム標準液に関するデータ等である。
次に、遠隔監視装置60にて実行される処理について説明する。ここでは、冷却塔装置30の制御部51にて算出されたイオン濃度のデータを受信して実行される処理について説明する。
図8は、遠隔監視装置60にて実行される処理を示したフローチャートである。遠隔監視装置60の通信ユニット62は、パケット通信網20を介して無線通信によってパケットを受信する(ステップ301)。遠隔監視装置60が同時に複数の水処理装置を管理・監視している場合もあることから、制御部61では、受信したパケットのヘッダに含まれる送信元アドレスから、制御対象となる水処理装置である冷却塔装置30が特定される(ステップ302)。また制御部61では、受信したパケットのデータからイオン濃度データが取り出される(ステップ303)。制御部61では、取り出されたイオン濃度データの解析がなされる(ステップ304)。この解析は、制御部61にて実行されるアプリケーションプログラムで行われ、入力されたデータに基づいてリアルタイム処理がなされる。ここでは、冷却塔31の容量、負荷である熱交換器32の状態、冷却塔31の設置場所、四季、温湿度等の条件に基づき、個々の水処理装置(冷却塔装置30)における独自のパラメータ設定により変更されたアプリケーションによって、状況に応じた解析がなされる。遠隔監視装置60には、通常の監視ソフトの他に、各種の運転履歴処理のアプリケーションソフトが用意されており、その都度、必要なアプリケーションが例えばポート番号(アプリケーション毎に設定されている番号)で指定される。このようにして解析された解析結果は、薬剤注入ポンプ36の稼働時間と薬剤注入量の設定に活用される。また、例えばグラフや表として、表示部63に表示される(ステップ305)。
その後、ステップ305で解析結果が表示された後、制御部61は、入力部64を介してユーザからの入力があったか否かを判断する(ステップ306)。例えば、初期設定時やトラブル等の緊急対応時などでは、ユーザからの入力が特に優先される。このようなユーザ入力があった場合には、そのままステップ308へ移行する。ユーザ入力がない場合に、制御部61は、ステップ304にてなされた解析に基づき、薬剤注入が必要か否かを自動的に判断する(ステップ307)。制御部61が判断する最も簡単な手法は、取得された薬剤濃度の値が、予め定められている上限値や下限値を超えているか否かを判断するものである。また、更に高度な判断手法としては、所定のプロットデータに基づき、ある上限値や下限値を超えると予想される稼働時間を予測して、そのタイミングに合わせて薬剤注入が必要か否かを判断するもの等が挙げられる。
このようにしてステップ307の判断を行った結果、薬剤注入が必要ではないと判断された場合には、ステップ301に戻って処理が再度実行される。薬剤注入が必要であると判断される場合には、薬剤注入ポンプ36の稼働時間と薬剤注入量の設定がなされ(ステップ308)、かかる設定に基づいて、注入量の設定制御信号が生成される(ステップ309)。生成された設定制御信号は、図6に示すようなパケットのデータに入れられ、ヘッダの宛先アドレスを制御対象となる冷却塔装置30に設定して、パケットが生成される。そして、通信ユニット62は、無線通信によってパケット通信網20に接続し、生成されたパケットを冷却塔装置30に対して送信し(ステップ310)、ステップ301に戻る。設定制御信号を含むパケットを受信した冷却塔装置30は、前述した図7に示すステップ206以降の処理によって制御され、自動的に稼働する。
以上のように、遠隔監視装置60では、従来、行われていなかった高度なデータ解析が集中的に行われる。実行される処理としては、データのプロット化、プロット化されたプロットデータの補間、画像化処理、グラフレベルの比較等があり、これらによって解析がなされ、薬剤注入ポンプ36の稼働時間と薬剤注入量の設定が遠隔監視装置60にて決定される。これらの解析を行うためには、各種ソフトウェア処理が必要であると共に、高速化処理とワーキングエリアを確保する意味で、比較的高速なCPUと、比較的大きなメモリ容量を必要とする。かかるCPUやメモリを個々の水処理装置(冷却塔31など)に設けることは、費用の点から好ましくない。また、冷却塔31が配設される場所は、例えばビルの屋上等、気温、湿度の変化が極めて大きく、コンピュータの置かれる環境としては好ましくない。本実施の形態によれば、冷却塔31に付帯する設備は、最小限のもので足り、制御を行うコンピュータ装置は、環境の良い場所に配置することが可能となる。
また、遠隔監視装置60による監視結果は、パケット通信網20を介して外部端末70に出力することも可能である。遠隔監視装置60の表示部63や入力部64の代わりに、外部端末70の有するディスプレイやキーボード等をオペレータに対するユーザインタフェースとして用いることで、更に自由度を増した遠隔監視および遠隔操作を実現できる。
ここで、本実施の形態では、イオン濃度データを無線回線でパケット網に接続している。無線回線を介して接続することで、屋上等の設置場所から信号線を這わす必要がなくなる。また、例えば循環水の薬剤濃度の変化を捉えるためには、得られたイオン濃度データを頻繁に送信する必要があるが、例えば有線を介して通常の電話回線に接続する場合には、データを取得する度に電話回線に接続することが必要となりその接続コストも高価になる。また、各冷却塔の装置毎に電話加入料や回線使用料を支払う必要があり経済的に好ましくない。本実施の形態のように、無線回線を介してパケット網に接続することにより、費用も低く抑えることが可能となり、かかる経済的な点からも優れた効果が得られる。尚、無線回線を介したパケット網の例としては、NTTドコモ株式会社が提供しているDoPa(商標)等の、パケット通信を利用したデータ通信サービスを用いることが有効である。
尚、有線を用いた制御では、一般にアナログデータとして各種データが転送されることから、データの化け等によって装置が正しく稼働しない場合が非常に多い。特に冷却塔などの水処理装置では、ビルの屋上や各種プラントなど、屋外の環境条件の厳しい場所にて制御が行われる。そのために、有線によるアナログデータ転送を基本とするシステムでは、その信頼性が非常に低くなる。しかしながら、本実施の形態では、例えばセンサによって取得され、また監視制御部にて作成された各種データをデジタル化し、パケットの形式で送受信することによって、データの信頼性を格段に上昇させることができる。たとえ誤ったデータが転送された場合であっても、パケット通信では、図6に示すような誤り検出によって誤りが検出できることから、データの再転送等によって正しいデータの取得が容易に行える。本実施の形態のような設置環境が劣悪な水処理装置において、パケット化されたデータを用いた制御、遠隔制御は、信頼性や経済性等を含めて非常に高い効果が得られることを、発明者等により確認された。
また、本実施の形態では、水処理を集中的に管理するサーバを、移動可能な遠隔監視装置60で構成している。無線回線を利用していることから、例えば、冷却塔装置30の試運転時等に、冷却塔31の設置場所近くに遠隔監視装置60を移動させることができる。即ち、アプリケーションソフトを使用する要員の居るところに遠隔監視装置60を移動させ、処理作業を専門に行なわせることも可能である。設置初期の試運転時や、トラブル発生時のメンテナンス後の試運転時等では、サービス担当者が設備に張り付いて対応することが必要となるが、かかる場合に、集中管理を行う遠隔監視装置60が近くに配置されていることで、作業効率が飛躍的に向上する。より具体的には、担当者は、施設現場で、パケット網を介して遠隔監視装置60から施設の運転操作履歴や施設の各種設定条件、メンテナンス情報を即座に引き出すことができる。これによって、施設の異常(トラブル)に対する迅速な対応や、施設の保守管理を容易に行うことが可能となり、経験が豊富でないメンテナンス要員であっても、適切な対応をとることができる。更に、施設現場に遠隔監視装置60を移動する場合には、例えば、RS232C等のインタフェースを用いて冷却塔装置30と遠隔監視装置60とを直接接続し、無線回線を用いずに冷却塔装置30の高速制御を行うことも有効である。即ち、通常、遠隔監視を行うための遠隔監視装置60を、制御対象となる水処理装置のすぐ脇に移動させることで、ネットワークを利用しない、直接接続による制御も可能となる。
尚、本実施の形態で実行されるアプリケーションソフトでは、冷却塔装置30と遠隔監視装置60との間で、特定の運転履歴データの特性を認識する汎用アプリケーションソフトを実行するように構成することができる。具体的には、冷却塔装置30の通信ユニット53からの指示で、パケット通信網20を介して遠隔監視装置60で特定のポート番号を指定し、アプリケーションソフトを実行し、その結果を冷却塔装置30に知らせるように構成することができる。また、同様に、冷却塔31が設置されている現場で、通信ユニット53からのポート番号指定で、遠隔監視装置60のメンテナンスソフトを稼働させてメンテナンスを行い、その結果を通信ユニット53に知らせることができる。
また、アプリケーションソフトでは、前述のように、薬剤濃度の変化をリアルタイムにプロットし、且つ補間して、描いた画像によって実時間で制御することができる。これによって、最適な数値パラメータを容易に選択することができる。このとき、施設固有のパラメータを設定し、また四季の変動についてもパラメータを変更することで、精度の高い制御をより容易に実施し得る。その結果、本実施の形態にて、従来では困難であった極め細やかな薬剤濃度の自動制御を実現することが可能となる。
本実施の形態が適用される水処理監視制御システムの全体構成を示した図である。 冷却塔装置の構成を詳細に示した図である。 一連の測定処理を説明するためのフローチャートである。 (a),(b)は、図3のステップ113に示した制御部にてなされる演算処理を説明するための図である。 所定の冷却塔設備にて、実際に測定された値を示した図である。 冷却塔装置の通信ユニットおよび遠隔監視装置の通信ユニットによって生成されるパケットの構造例を示した図である。 冷却塔装置にて、遠隔監視装置との間でなされる通信制御方法を示したフローチャートである。 遠隔監視装置にて実行される処理を示したフローチャートである。
符号の説明
10…水処理監視制御システム、20…パケット通信網、30…冷却塔装置、31…冷却塔、32…熱交換器、33…循環ポンプ、36…薬剤注入ポンプ、41…循環水サンプル槽、42…サンプル調整槽、43…測定セル、44…イオン電極センサ、45…電位差計、46,47…電磁弁、51…制御部、53…通信ユニット、60…遠隔監視装置、61…制御部、62…通信ユニット、70…外部端末

Claims (9)

  1. 循環水に添加された水処理薬品の濃度を管理する濃度管理方法であって、
    前記水処理薬品が添加された循環水の一部を、循環水の循環系とは別の系にサンプル水として送液し、
    送液された前記サンプル水から一定量を分取し、分取したサンプル水に第1の量のリチウム標準液を加えて第1の電位を測定し、
    送液された前記サンプル水から一定量を分取し、分取したサンプル水に第2の量のリチウム標準液を加えて第2の電位を測定し、
    測定された前記第1の電位と前記第2の電位とを用いて循環水中のイオン濃度を算出することにより循環水に添加された水処理薬品の濃度を管理することを特徴とする濃度管理方法。
  2. 更に、送液された前記サンプル水から一定量を分取し、分取したサンプル水にリチウム標準液は加えずイオン強度剤を加えてブランク電位を測定し、
    前記第1の電位を測定する際、分取したサンプル水にイオン強度剤を加え、
    前記第2の電位を測定する際、分取したサンプル水にイオン強度剤を加え、
    前記ブランク電位、前記第1の電位、および前記第2の電位を用いて循環水中のイオン濃度を算出することを特徴とする請求項1記載の濃度管理方法。
  3. 算出された前記イオン濃度のデータをパケット通信を用いて監視装置に送信し、当該監視装置により水処理薬品の濃度を管理することを特徴とする請求項1記載の濃度管理方法。
  4. 循環水の系からサンプル水を採取し、当該循環水の系とは別の系にて当該サンプル水に対して異なった量のリチウム標準液を加えた際に得られる複数の測定結果を用いて当該循環水の薬剤濃度を算出し、
    算出された前記薬剤濃度のデータをパケット通信により送信することを特徴とする濃度管理方法。
  5. 負荷を冷却するための循環水を保有する冷却塔と、
    前記冷却塔の循環水に対して薬剤を注入する薬剤注入ポンプと、
    前記循環水の一部を採取してサンプル水を貯えるサンプル槽と、
    前記サンプル槽から一定量のサンプル水を分取し、分取したサンプル水に対してイオン強度剤、またはイオン強度剤とリチウム標準液とを加えて調整する調整槽と、
    前記調整槽にて調整されたサンプル水の電位を測定するセンサと、
    前記センサから測定された電位を用いて前記循環水に含まれる薬剤濃度を算出する制御部と
    を含む冷却塔装置。
  6. 前記調整槽は、前記サンプル槽から一定量のサンプル水を複数回、分取して、各回の分取にて異なった量のリチウム標準液を加えて各々調整し、
    前記センサは、異なった量のリチウム標準液が加えられて調整されたサンプル水の電位を各々測定し、
    前記制御部は、前記センサにより測定された、異なった量のリチウム標準液が加えられた際の電位を用いて、前記循環水に含まれる薬剤濃度を算出することを特徴とする請求項5記載の冷却塔装置。
  7. 前記制御部により算出された薬剤濃度のデータをパケット通信を用いて監視装置に送信する通信ユニットを更に備えたことを特徴とする請求項5記載の冷却塔装置。
  8. 循環水の系からサンプル水を採取し、当該循環水の系とは別の系にて当該サンプル水に対して異なった量のリチウム標準液を加えた際に得られる複数の測定結果を用いて当該循環水に含まれる薬剤濃度を算出する装置と、
    前記装置にて算出された前記薬剤濃度のデータをパケット通信により取得する監視装置と
    を含む濃度管理システム。
  9. 前記監視装置は、取得した前記薬剤濃度のデータから、前記装置における薬剤注入を制御することを特徴とする請求項8記載の濃度管理システム。
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