JP4344259B2 - ゲーム機 - Google Patents

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本発明はゲーム機に関し、盤上のカードや駒などの移動子が、ゲームの展開に応じて自動的に動くものに関する。
例えば、トランプ・将棋・チェス・すごろくなどのカードゲーム・ボードゲームにおいて、コンピュータと対戦可能な形態のものは数多い。これらのゲームは、コンピュータがカードや駒を直接操作できないため、必然的にコンピュータがディスプレイ画面内に仮想的に構築した盤と、カードや駒を用いて行われる。
しかし、例えば、将棋の駒を打つときのように、実際の駒などを使わないと得られない感覚や楽しみもあるため、実存の盤を使ったコンピュータ対戦が可能となれば、ゲームの臨場感は大幅に向上すると期待できる。
一方、近年、サッカーゲーム機において、遊戯者が選手カードを専用盤上に配置すると、コンピュータがそのカードの位置と情報を読み取り、その情報に基づいて、別途用意されたディスプレイ画面内における出場選手や選手配置などが決定されるゲームシステムが実現されている(特許文献1参照)。
しかし、このようなゲームにおいては、カードの動きは遊戯者が一方的にコントロールするのみであり、コンピュータ側からのリアクションは戻ってこない。即ち、このようなゲームは、ディスプレイ画面内の仮想空間のみで進行していくため、ディスプレイ画面内の選手の細かい動きに応じて専用盤上のカードが動けば、ゲームの臨場感は大幅に向上すると期待できる。
特開2002−301264号公報(請求項1)
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、臨場感に優れたゲーム機を提供することを目的とする。
そこで、本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、静電気力を利用すること、好適には静電フィルムアクチュエータを利用することにより、これを解決するに至った。
即ち、本発明のゲーム機は、絶縁体で覆われた電極からなる固定子を有する盤と、前記盤上に載置された、多孔質状の絶縁性支持体の一方の面に高抵抗体層が積層されてなる移動子とを備え、前記固定子中の電極の電荷と、前記移動子に誘導された電荷との間に働く静電気力により、前記移動子を駆動することを特徴とするものである。
好ましくは、前記電極が透明導電材料から形成されてなることを特徴とするものである。
好ましくは、前記電極が複数のブロックに分割されており、各ブロックへの印加電圧を独立に制御することにより、各ブロック上に存在する前記移動子の動作方向を独立に制御することを特徴とするものである。
本発明のゲーム機によれば、実存の盤を使ったコンピュータ対戦が可能となり、あるいは、ゲームがディスプレイ画面内の仮想空間のみで進行していくことなく、ディスプレイ画面内の動きに応じて専用盤上のカード等が自動的に動くことが可能となり、ゲームの臨場感を大幅に向上させることができる。特に、カードや駒等の移動子の駆動手段を、静電フィルムアクチュエータによるものとすれば、非常に安価に構成することができ、装置をコンパクト化することができる。
本発明のゲーム機は、絶縁体で覆われた電極からなる固定子を有する盤と、前記盤上に載置された、多孔質状の絶縁性支持体の一方の面に高抵抗体層が積層されてなる移動子とを備え、前記固定子中の電極の電荷と、前記移動子に誘導された電荷との間に働く静電気力により、前記移動子を駆動することを特徴とするものである。以下、各構成要素の実施の形態について説明する。
固定子は、絶縁体で覆われた電極からなるものである。電極を覆う絶縁体は特に制限されることはないが、装置の薄型化という観点から、プラスチックフィルムなどのフィルム状のものが好ましい。
盤における固定子の位置は、盤の内部であってもよいし、盤の表面であってもよいが、移動子の駆動力を向上させるという観点から、盤の表面が好ましい。但し、固定子中の電極群を面でとらえた場合、電極群が盤に対し面方向で平行となるように固定子を載置する。また、固定子は盤を兼ねたものであってもよい。
固定子の位置を盤の表面とする場合、電極をインジウム・スズ酸化物(ITO)などの透明導電材料から形成し、かつ、電極を覆う絶縁体を透明プラスチックフィルムなどの透明材料にすることが好ましい。このようにすることで、盤の表面に固定子を設置しても盤の絵柄の視認性に悪影響を与えることがない。特に、表面側となる絶縁体として、プラスチックフィルム上に電離放射線硬化型樹脂から形成されてなるハードコート層を有するものを使用すれば、表面の傷つき防止性に優れる点で好ましい。さらに、ハードコート層を微マット状にすることにより、移動子と固定子との間の摩擦を低減することができ、動作不良が発生しにくくなる。
また、電極は、複数のブロックに分割されており、各ブロックへの印加電圧を独立に制御できるように構成することが好ましい(図6)。このような構成を採用することで、各移動子の動作方向を独立に制御することができる。
盤を構成する材料は特に制限されることはなく、市販のテーブルやガラス板などを使用することができる。
移動子は、ゲームのカードや駒として機能するものであり、電荷を誘導することができ、盤上を駆動可能なものを使用することができる。このような材料としては、絶縁性支持体などの絶縁体層の一方の面に、高抵抗体層が積層されてなるものがあげられる。移動子の高抵抗体層の表面抵抗値は、1013〜1015Ω/□程度に調整することが好ましい。
絶縁性支持体としては、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムなどの一般的なプラスチックフィルムがあげられるが、電荷が載りやすく、かつ重量が軽いため駆動性に優れる多孔質状のものが好適に使用される。高抵抗体層は、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)などの導電性微粒子、およびバインダー樹脂から形成することができ、導電性微粒子の添加量により表面抵抗値を上記範囲に調整することができる。また高抵抗体層は、ポリピロール等の導電性高分子から塗膜を形成したり、酸化亜鉛などをスパッタリングすることなどによっても形成することができる。
また、移動子は、カードや駒としての絵柄を形成するために、少なくとも一方の面が印刷適性を有することが好ましい。移動子に印刷適性を持たせるには、絶縁性支持体として印刷適性を有するフィルムを用いてもよいし、高抵抗体層に印刷適性を持たせたり、印刷適性を有する層を別途設けてもよい。熱可塑性樹脂を前記各層やフィルムに含有させると、印刷適性が得られやすい。なお、絵柄は別の材料を移動子に貼り合わせるなどして形成してもよい。
本発明のゲーム機は、上述したように、絶縁体で覆われた電極からなる固定子を有する盤と、前記盤上に載置された移動子とを備えてなる基本構成(第一の態様)からなり、固定子中の電極の電荷と、移動子に誘導された電荷との間に働く静電気力により、移動子を駆動するものである。
本発明のゲーム機は、上記基本構成(第一の態様)に加え、図2に示すように、移動子10の駆動をコントロールするための駆動制御手段6を備えることが好ましい(第二の態様)。駆動制御回路6は、固定子1中の電極4に印加する電荷を切り換えることにより、移動子10の駆動をコントロール可能とするものである。
また、本発明のゲーム機は、第二の態様に加え、ソフトウェア7を備えることが好ましい(第三の態様)。
また、本発明のゲーム機は、第三の態様に加え、ゲームの進行状況を表示するためのゲーム画像表示手段9、プレーヤーがディスプレイ画面内のゲーム画像において駒やカードの位置を決定するための位置決定手段(図示せず)を備え、さらに、ソフトウェア7が、駆動制御回路6と関連することにより、ゲーム画像におけるコンピュータ側とプレーヤー側の操作に対応させて駆動制御回路6を制御するプログラムを備えることが好ましい(第四の態様)。このような構成とすることで、ゲームがディスプレイ画面内の仮想空間のみで進行していくことなく、ディスプレイ画面内の動きに応じて専用盤上のカード等が自動的に動くことが可能となり、ゲームの臨場感を大幅に向上させることができる。
画像表示手段9としては、液晶ディスプレイなどの各種ディスプレイがあげられ、位置決定手段としては、マウス、キーボード、コントローラーなどがあげられ、いずれもコンピュータに接続される。
また、本発明のゲーム機は、第三の態様に加え、移動子の位置を検出するための位置検出手段(図示せず)を備えることが好ましい(第五の態様)。位置検出手段を備えておけば、盤上における駒などの移動子の初期の配置場所が誤っていても、自動的に位置を修正することができ、誤動作を防止することができる。例えば、固定子中の各電極間の静電容量を検出できるように構成すれば、各電極上における移動子の有無により各電極間の静電容量が変化することを利用して、駒などの移動子の位置を検出することができる。
また、本発明のゲーム機は、第五の態様に加え、ソフトウェア7が、位置検出手段と関連することにより、位置検出手段で検出した駒などの移動子の位置を認識してゲームに反映させるプログラム、および、駆動制御回路6と関連することにより、ゲーム中のコンピュータ側の操作に対応させて駆動制御回路6を制御するプログラムを備えることが好ましい(第六の態様)。このような構成とすることで、実存の盤を使ったコンピュータ対戦が可能となり、ゲームの臨場感を大幅に向上させることができる。
また、本発明のゲーム機は、第六の態様に加え、ゲームの進行状況を表示するためのゲーム画像表示手段9、プレーヤーがディスプレイ画面内のゲーム画像において駒やカードの位置を決定するための位置決定手段(図示せず)を備え、さらに、ソフトウェア7が、駆動制御回路6と関連することにより、ゲーム画像におけるコンピュータ側とプレーヤー側の操作に対応させて駆動制御回路6を制御するプログラムを備えることが好ましい(第七の態様)。このような構成とすることで、ディスプレイ画面内の駒などの動きと専用盤上の駒などの動きを相互に対応させることができ、ゲームの臨場感を大幅に向上させることができる。また、プレーヤーは、ゲーム画像において駒を操作してもよいし、盤上の駒を操作してもよい。
本発明のゲーム機は、移動子を静電気力により駆動するものであるが、静電気力は静電フィルムアクチュエータにより発生させることが好ましい。
静電フィルムアクチュエータは、絶縁体2内に電極4を配列してなる固定子1、固定子1上に載置されるフィルム状の移動子10、および電極4に電圧を印加する駆動制御回路6からなるものである。このような静電フィルムアクチュエータは、固定子1中の電極4への印加電圧の切り換えにより固定子1と移動子10との間に静電気力を発生させ、それにより移動子10を固定子1から反発させ、さらに印加電圧を切り換えることにより、移動子10を移動可能とするものである(図2)。
以下、図1〜図3をもとに、固定子1中の電極4が帯状電極となっているタイプの静電フィルムアクチュエータを例にとり、さらに説明する。
固定子1は、絶縁体2中に複数の帯状電極4を一定ピッチで複数配列したものである。帯状電極4は、絶縁体内部で三相電極を形成しており、図3でいう「4a1、4b1、4c1」、「4a2、4b2、4c2」、「4a3、4b3、4c3」がそれぞれ一つの帯状電極である。また、帯状電極4の幅は0.04mm〜0.7mm、帯状電極のピッチは電極幅の2〜5倍程度である。
移動子10は、絶縁体層11と高抵抗体層12とからなるもので、固定子1の上に載置されている。そしてこの静電フィルムアクチュエータは、駆動制御回路6によって帯状電極4への印加電圧を切り換えることにより、固定子1と移動子10との間に静電気力を発生させ、それにより移動子10が受ける法線方向の反発力と面内横方向の吸引力により、移動子10を動かすようになっている。移動子10の駆動方向は、帯状電極4の配列方向(帯状電極4の長手方向に直交する方向)である。なお、図2中において、移動子10は絶縁体層11が固定子1側を向くように載置されているが、高抵抗体層12が固定子1側を向くように載置してもよい。
次に、この静電フィルムアクチュエータの動作につき、図3を参照して説明する。
まず、図3(a)に示すように、固定子1を構成する絶縁体2に埋め込まれた第1の電極群(I相)である電極4a1、4a2、4a3に正電圧+Vを、第2の電極群(II相)である電極4b1、4b2、4b3に負電圧−Vを、第3の電極群(III相)である電極4c1、4c2、4c3に0Vを、それぞれ印加する。すると、始めは電荷の存在していなかった高抵抗体層12内に電流が流れ、高抵抗体層12と絶縁体層11の境界に電荷が誘導され、平衡状態になる。この電荷は、図3(b)の点線で示した位置の鏡像電荷(反対極性の電荷)で置き換えることができる。この状態で、移動子10は固定子1に吸引されている。この段階を充電ステップという。
次に、図3(c)に示すように、各電極への印加電圧を切り換える。つまり第1の電極群(I相)である電極4a1、4a2、4a3に負電圧−Vを、第2の電極群(II相)である電極4b1、4b2、4b3に正電圧+Vを、第3の電極群(III相)である電極4c1、4c2、4c3に負電圧−Vを、それぞれ印加する。すると、各電極内の電荷は瞬時に移動するが、高抵抗体層12に誘導された鏡像電荷は、同層材料の抵抗値が高いためにすぐには移動しない。したがって、電極4a1、4b1、4a2、4b2上の電荷と、その直上の移動子10上の鏡像電荷とが同極性(同符号)となることにより反発力が発生する。また、電極4c1上の負電荷と、隣接する電極4b1の直上の鏡像正電荷とが異極性(異符号)となることにより互いに吸引し、同時に電極4c1上の負電荷と、電極4a2の直上の鏡像負電荷とが同極性(同符号)となることにより互いに反発するので、移動子10は右方向の駆動力を受け、右に移動する。この段階を駆動ステップという。
移動子10が右方向に1ピッチ移動すると、図3(d)に示すように、電極4b1、4c1、4b2、4c2の電荷と、それらの上の鏡像電荷とが異極性となるので、吸引力が働き、移動子10はその位置で位置決めされて停止する。移動子10が移動する間に鏡像電荷は拡散するが、引き続いて図3(e)に示すように、第1の電極群(I相)である電極4a1、4a2、4a3に0Vを、第2の電極群(II相)である電極4b1、4b2、4b3に正電圧+Vを、第3の電極群(III相)である電極4c1、4c2、4c3に負電圧−Vを、それぞれ印加することにより、移動子10上に再び鏡像電荷が誘導(充電)される。この段階も充電ステップという。
そして、以下同様に、各電極群への印加電圧を順次切り換えていくことにより、移動子10が1ピッチずつ移動していく。
図4は、この例での各相へ印加する電圧の時間変化を示す。駆動制御回路は、充電ステップと駆動ステップを交互に実行することにより、充電と駆動を制御する。
また、図3における(c)と(d)のステップを省略して操作を簡略化することもできる。その場合は、図3(b)において、移動子10上に鏡像電荷が誘導された状態から、電極群への印加電圧を図3(e)に示したものへと変化させることで、移動子10は1ピッチ分移動し、そのままの状態を維持することで、拡散した鏡像電荷が再び充電される。
上述した静電フィルムアクチュエータにおいて、図1のように帯状電極群を一方向にのみ形成する場合、移動子は、帯状電極の長手方向に直交する方向の一直線上でのみ移動が可能なものとなるが、帯状電極群を二方向以上形成しておけば、一方向のみならず多方向の移動を可能とすることができる。その場合、絶縁体中における帯状電極は、各電極どうしが接触しないように絶縁処理を施したり、帯状電極の方向ごとに絶縁体中での厚み方向の位置を変える必要がある。
帯状電極を二方向以上に形成するには、例えば、図1の帯状電極群の直下の層に、その帯状電極群とは直交する向きの別の帯状電極群を形成する方法、あるいは、互いに直交する帯状電極群を図5のようにメッシュ状に編み込む方法、あるいは、互いに直交する向きの帯状電極群を、図6に示すように市松模様に配置する方法があげられる。
以上、固定子中の電極が帯状電極であるタイプの静電フィルムアクチュエータについて説明したが、固定子中の電極が、図7のようにドット状に複数形成されるタイプであってもよい。
図7において電極4は、電極4を配列した面内で互いに交差する方向にそれぞれ所定間隔で設定した複数本の平行線の交点上に、互いに離間した形で配置されている。ここで、各方向の平行線を等間隔としているから、平面格子の格子点の上に各電極4が配置されることになる。また、図では各電極4を矩形状に形成しているが、必ずしもこの形状に限定する必要はない。各電極4には、図示しない駆動制御回路によって、+V、0、−Vの何れかの電圧がそれぞれ独立して印加される。
移動子10は、上述したものと同様であって、絶縁性支持体の一方の面に高抵抗体層が積層されてなるものである。この移動子10は、固定子1の一部に対面するように配置され、電極4に電圧を印加することによって高抵抗体層と絶縁体との境界に電荷が誘導されるのであり、電極4に印加する電圧の印加パターン(+V、0、−V)の鏡像が移動子に転写されることになる。
そして、移動子10に電荷が生じた後は、駆動制御回路によって電極に印加する電圧の印加パターンを変化させることによって、固定子1に対して移動子10を所望の方向に移動させることができるのである。また、電極4に印加する電圧は、各電極4ごとに設定できるから、所望の方向に移動子10を移動させるように電圧を設定することもでき、移動子10を二方向以上に移動させることができる。
以上のように、静電フィルムアクチュエータは、帯状電極に電圧を印加し、移動子の高抵抗体層内に電荷パターンを誘導し、その後、電極上の電圧パターンを切り替えることで、移動子上の誘導電荷と固定子電極上の電荷との間の静電気力によって、固定子上をスライドするように移動子を駆動することができる。移動子は単に高抵抗体層を有するだけでよく、電極などを形成する必要がないため、非常に安価に構成可能である。また、電極などの歯構造を持たないため、移動子には方向性がない。そのため、どのような向きに移動子を配置しても、移動子を駆動することができる。さらに、モータを使用する必要がなく、固定子、移動子ともフィルム化することも可能であることから、装置全体をコンパクトにすることができる。
このような静電フィルムアクチュエータをゲーム機に使用すれば、各種カードゲームやボードゲームにおいて、盤上に置かれたカードや駒などの移動子を自動的に駆動することができる。したがって、ゲームの進行状況に応じて、ソフトウェアによって駆動制御回路を制御させるようにすれば、実存の盤を使ったコンピュータ対戦が可能となり、あるいは、ゲームがディスプレイ画面内の仮想空間のみで進行していくことなく、ディスプレイ画面内の動きに応じて専用盤上のカード等が自動的に動くことが可能となり、ゲームの臨場感を大幅に向上させることができる。
また、カードや駒も、その一方の面に薄い高抵抗体層が形成されているだけであるため、見た目は通常のカードや駒と変わりない。さらに、移動子を配置する方向には厳密さが要求されないため、ゲーム遊戯者が、カードを盤上に配置する際にも何ら気を遣う必要はなく、通常のゲーム機と同様の感覚で操作できる。
また、帯状電極4を複数のブロックに分割し、各ブロックへの印加電圧を独立に制御できるように構成しておけば、各ブロック上に存在する移動子の動作方向を独立に制御することができる(図6)。
以下、実施例により本発明を更に説明する。
図2は、本発明のゲーム機の一実施例である。図2において、符号1が固定子、10が移動子、6が電極の電荷を制御する駆動制御回路、7がソフトウェア、9がゲームの進行状況を表示するためのゲーム画像表示手段(ディスプレイ)を示す。図2中においては、固定子1は盤5を兼ねている。ここで、図2のゲーム機において、さらに移動子の位置を検出するための位置検出手段を備え、ソフトウェア7が、位置検出手段と関連することにより、位置検出手段で検出した移動子の位置を認識してゲームに反映させるプログラム、および、駆動制御回路6と関連することにより、ゲーム中のコンピュータ側の操作に対応させて駆動制御回路6を制御するプログラムを備えてなるゲーム機を作製した。
固定子1は次のように作製した。まず、厚さ125μmのポリエステルフィルム上に、厚み25nmの透明導電材料(インジウム・スズ酸化物)を蒸着したフィルムを湿式エッチングし、帯の幅、帯のピッチがそれぞれ0.4mm、1.3mmとなるように帯状電極を形成した。これらの帯状電極を10mm角程度の正方形状とし、これを複数用いて、図6に示すような市松模様状の電極群を作製した。次いで、電極上にポリエステル系の絶縁層を10μm印刷し、さらに、表面にすごろくゲームの盤の模様が印刷された粘着剤付きポリエステルフィルムをラミネートし、固定子1を得た。
移動子10(駒)は、多孔状絶縁性支持体(ユポWCF:ユポ・コーポレーション社)の一方の面に駒となる絵柄を印刷し、他方の面に、アンチモンドープ酸化スズおよびアクリル樹脂バインダーから形成されてなる高抵抗体層(表面抵抗値は1013〜1015Ω/□)を有してなるものである。移動子10は2個製作し、すごろくの駒として用いた。
これらの二つの駒のうち、一方はプレーヤーの駒、他方はコンピュータ内のソフトウェアが操作する対戦相手となる駒である。プレーヤーとソフトウェアは、所定のルールに基づいて交互に駒を操作し、ゲームを進行させることができるものである。
このようなゲーム機において、プレーヤーは、盤上の駒を通常のボードゲームと同様の操作感覚により、手で自由に動かすことが可能であった。また、駒を盤上から取り除くことや、一度取り除いた駒を再度盤上に配置することも可能であった。この点において、本ゲーム機の操作性は、従前の盤を用いるゲーム機と比べて何ら劣ることはなかった。また、コンピュータディスプレイ上のみで実施される従前のゲーム機と比べると、操作性に優れるものであった。
また、プレーヤーによる駒の操作は、固定子中の各電極間の静電容量を検出する回路(図示せず)を通してコンピュータに検出された。
一方、ゲームの対戦相手となるコンピュータ内のソフトウェアは、検出したプレーヤーの操作に対応して、所定のアルゴリズムに基づき、コンピュータ側の駒の操作を決定した。ソフトウェアが決定した操作に対応して、ソフトウェアが駆動制御回路を制御し、駆動制御回路が固定子の電極の電圧を制御し、対応する盤上の駒が、ソフトウェアの決定した駒の操作に対応して自動的に動くことができた。したがって、単にコンピュータのディスプレイ上のみで行われる従前のコンピュータゲーム機と比べて、本ゲーム機は遥かに臨場感に優れるものであった。
また、盤上の駒の状態は、前記の静電容量を検出する回路を通じてコンピュータに検出されているため、ゲームの進行状況をディスプレイ上にも同時に提示することが可能であった。
以上のようにして、実施例のゲーム機では、実際のすごろくの盤を用いて、プレーヤーとコンピュータ内のソフトウェアとが対戦を行うことが可能であった。
静電フィルムアクチュエータの一例を示す斜視図 本発明のゲーム機の一実施例を示す図 静電フィルムアクチュエータの動作原理を示す図 駆動制御回路による電圧印加パターンを示す図 固定子の一例を示す平面図 静電フィルムアクチュエータの他の例を示す平面図 静電フィルムアクチュエータの他の例を示す斜視図
符号の説明
11・・・絶縁体層
12・・・高抵抗体層
1・・・・固定子
2・・・・絶縁体
4・・・・電極
5・・・・盤
6・・・・駆動制御回路
7・・・・ソフトウェア
8・・・・コンピュータ
9・・・・画像表示手段
10・・・移動子

Claims (3)

  1. 絶縁体で覆われた電極からなる固定子を有する盤と、前記盤上に載置された、多孔質状の絶縁性支持体の一方の面に高抵抗体層が積層されてなる移動子とを備え、前記固定子中の電極の電荷と、前記移動子に誘導された電荷との間に働く静電気力により、前記移動子を駆動することを特徴とするゲーム機。
  2. 前記電極が透明導電材料から形成されてなることを特徴とする請求項1記載のゲーム機。
  3. 前記電極が複数のブロックに分割されており、各ブロックへの印加電圧を独立に制御することにより、各ブロック上に存在する前記移動子の動作方向を独立に制御することを特徴とする請求項1または2記載のゲーム機。
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