次に、本発明に好適な実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、上記DVDに対して本発明を適用した実施の形態について説明するものである。
なお、以下の実施の形態においては、下記リストの左側に示した特許請求の範囲における各構成要素の一例が、下記リストの右側に示した要素から夫々構成されている。
情報単位………………………………:VOBU(VOB-Unit)
第1記録位置情報、記録位置情報…:VOBユニットアドレスA
第2記録位置情報……………………:VOBユニットアドレスB
映像有無情報…………………………:存在情報
(I)情報記録媒体の実施の形態始めに、請求項5乃至8に記載の発明に対応する情報記録媒体の実施の一形態であるDVDの物理的及び論理的な構成並びにその動作について、図1乃至図10を用いて説明する。
始めに、映像情報及び音声情報(音楽情報も含む。以下、同じ)のDVD上における記録フォーマット(物理的記録フォーマット)について、図1を用いて説明する。
図1に示すように、実施形態のDVD1は、その最内周部にリードインエリアLIを有すると共にその最外周部にリードアウトエリアLOを有しており、その間に、映像情報(再生時における動画及び静止画を含むものとする。)及び音声情報が、夫々にID(識別)番号を有する複数のVTS3(VTS#1乃至VTS#n)に分割されて記憶されている。ここで、VTS(Video Title Set)とは、関連する(それに含まれる音声情報及び副映像情報の数や、仕様、対応言語等の属性が同じ)タイトル(映画等の、製作者が視聴者に提示しようとする一つの作品)を一まとめにしたセット(まとまり)であり、より具体的には、例えば、一本の同じ映画について、異なる言語のセリフ等を有する複数の映画が夫々にタイトルとして記録されたり、又は、同じ映画であっても劇場版と特別版とが夫々別のタイトルとして記憶されたりするものである。また、VTS3が記録されている領域の先頭には、ビデオマネージャ2が記録される。このビデオマネージャ2として記録される情報は、例えば、各タイトルの名前を示すメニューや、違法コピー防止のための情報、又は夫々のタイトルにアクセスするためのアクセステーブル等、当該DVD1に記録される映像情報及び音声情報の全体に係わる情報が記録される。
次に、一のVTS3は、コントロールデータ11を先頭として、夫々にID番号を有する複数のVOB10に分割されて記録されている。ここで、複数のVOB10により構成されている部分をVOBセット(VOBS)という。このVOBセットは、VTS3を構成する他のデータであるコントロールデータ11と、映像情報及び音声情報の実体である複数のVOB10の部分とを区別するために当該実体部分についてVOBセットとしたものである。
VTS3の先頭に記録されるコントロールデータ11には、複数のセル(セルについては後述する。)を組合わせた論理的区分であるプログラムチェインに関する種々の情報であるPGCI(Program Chain Information)等の情報が記録される。また、各VOB10には、制御情報の他に映像情報及び音声情報の実体部分(制御情報以外の画像又は音声そのもの)が記録されている。
更に、一のVOB10は、夫々にID番号を有する複数のセル20により構成されている。ここで、一のVOB10は、複数のセル20により完結するように構成されており、一のセル20が二のVOB10に跨がることはない。
次に、一のセル20は、夫々にID番号を有する複数のVOBユニット(VOBU)30により構成されている。ここで、VOBユニット30とは、映像情報、音声情報及び副映像情報(映画における字幕等の副画像の情報をいう。)のいずれかを含む一つの単位である。
そして、一のVOBユニット30は、VOBユニット30に含まれている映像情報等を制御対象とする制御情報が格納されているナビパック41と、映像情報としてのビデオデータ42と、音声情報としてのオーディオデータ43と、副映像情報としてのサブピクチャデータ44とにより構成されている。ここで、ビデオデータ42としては映像データのみが記録され、オーディオデータ43としては音声データのみが記録される。また、サブピクチャデータ44としては副映像としての文字や図形等のグラフィックデータのみが記録される。なお、DVD1に記録可能な音声は8種類であり、記録可能な副映像の種類は32種類であることが規格上定められている。
また、一のVOBユニット30に対応する再生時間(一のナビパック41と当該一のナビパック41に隣り合うナビパック41との間に記録されているデータに対応する再生時間)は、0.4秒以上の長さを有するように記録される。
更に、一のVOBユニット30において、ナビパック41は必ずその先頭に存在するが、ビデオデータ42、オーディオデータ43及びサブピクチャデータ44の夫々は、必ずしもVOBユニット30中に存在する必要はなく、また、存在する場合にもその数や順序は任意に設定することができる。
ここで、図1に示すビデオデータ42、オーディオデータ43及びサブピクチャデータ44の夫々の区分を一般にパックPという。すなわち、一のVOBユニット30においては、ビデオデータ42、オーディオデータ43及びサブピクチャデータ44が、夫々パックPに分割されて記録されていることとなり、ビデオデータ42が記録されているパックPをビデオパック、オーディオデータ43が記録されているパックPをオーディオパック、サブピクチャデータ44が記録されているパックPをサブピクチャパックという。そして、これらのパックPは、DVD1上に記録情報を記録する際に用いられる後述のMPEG2方式に基づいて設定される記録単位であり、各パックPの先頭に記録されるパックヘッダには、夫々のパックPに含まれているデータを後述の再生装置におけるトラックバッファから読み出して夫々のバッファへの入力を開始すべき再生時間軸上の読み出し開始時刻を示すSCR(System Clock Reference)と呼ばれる読み出し開始時刻情報や、パックPの開始であることを示すスタートコード等が記録される。また、上記各パックPについては、通常、当該パックPを更に細分化した記録単位であるパケット毎にビデオデータ42、オーディオデータ43及びサブピクチャデータ44が記録されるが、本実施の形態におけるDVD1では、一般に一のパックPが一のパケットにより構成されている。
最後に、ナビパック41は、再生表示させたい映像又は音声等を検索するための検索情報(具体的には、当該再生表示させたい映像又は音声等が記録されているDVD1上のアドレス等)であるDSI(Data Search Information)データ51と、DSIデータ51に基づいて検索された映像又は音声等を表示する際の再生表示制御に関する情報であるPCI(Presentation Control Information)データ50とにより構成される。このとき、DSIデータ51及びPCIデータ50は、パケットPTとして夫々DSIパケット及びPCIパケットを構成して記録されている。
更に、一のVOBユニット30に含まれている全てのビデオデータ42は、一又は複数のGOP(Group Of Picture)により構成されている。なお、PCIデータ50には、視聴者によって選択される選択項目に対して、その項目が選択されたときの表示や動作を定義したハイライト情報が含まれている。このハイライト情報によって、例えば、視聴者が選択すべき項目を表示した画像(いわゆるメニュー画面)における、項目選択に対する画面表示の変化や、当該選択に対応して変化すべき表示位置及び選択された項目に対するコマンド(選択された項目に対して実行される動作を示す命令)の設定が行われる。
更に、メニュー画面を構成して表示するために必要な、枠、選択ボタン等を表示するための画像情報は、上記の副映像情報であるサブピクチャデータ44として記録される。
また、ハイライト情報内に、後述の再生装置におけるシステムコントローラ内のレジスタ(メモリ)の値を設定するための情報を含ませることもできる。この点について、例えば、DVD1に記録されている記録情報が教育用ソフトウェアである場合を用いて説明すると、教育用ソフトウェアにおいては、テスト問題を表示部に表示し、次に複数個の解答候補を視聴者が選択する選択項目としてサブピクチャデータ44を用いて表示する場合がある。このとき、ハイライト情報には個々の選択項目に対応するコマンド情報が含まれており、問題の正解に対応する選択項目が視聴者により選択された場合に、システムコントローラは、当該選択項目に対応するハイライト情報内のコマンド情報により、当該システムコントローラに含まれる所定のレジスタに正解に対応する所定の得点を加算し、不正解の選択項目が選択された場合には得点の加算を行わないようにする。以下、同様に所定数の問題について出題と解答を繰返し、全ての解答終了後に、システムコントローラは、他のコマンド情報(例えば、PGCI内のコマンド情報)により、得点を累積した上記所定のレジスタを参照し、得点が予め設定されている所定の値より大きければ次の学習段階の問題等が記録されているDVD1上の記録位置にピックアップをジャンプさせ、反対に得点が所定の値より小さければ復習のソフトウェアが記録されている記録位置にピックアップをジャンプさせることを行う。以上の例のように、ハイライト情報によりシステムコントローラ内のレジスタを設定することも可能なのである。
一方、上記GOPは、本実施の形態におけるDVD1に映像情報を記録する際に採用されている画像圧縮方式であるMPEG2(Moving Picture Experts Group 2)方式の規格において定められている単独で再生可能な最小の画像単位である。
ここで、MPEG2方式についてその概要を説明すると、一般に、連続したフレーム画像において、一枚のフレーム画像の前後にあるフレーム画像は、互いに類似し相互関係を有している場合が多い。MPEG2方式はこの点に着目し、数フレームを隔てて転送される複数のフレーム画像に基づき、当該複数のフレーム画像の間に存在する別のフレーム画像を、原画像の動きベクトル等に基づく補間演算により生成する方式である。この場合、当該別のフレーム画像を記録する場合には、複数のフレーム画像との間における差分及び動きベクトルに関する情報を記録するだけで、再生時には、それらを参照して上記複数のフレーム画像から予測して当該別のフレーム画像を再生することが可能となる。これにより、画像の圧縮記録が可能となるのである。
更に、上記GOPについて図2を用いてその概要を説明する。なお図2は、一のGOPを構成する複数のフレーム画像の例を示している。図2では、一のGOP52が12枚のフレーム画像から構成されている場合(MPEG2方式では、一のGOP52に含まれるフレーム画像数は一定ではない。)を示しているが、この内、符号「I」で示されるフレーム画像は、Iピクチャ(Intra-coded picture :イントラ符号化画像)と呼ばれ、自らの画像のみで完全なフレーム画像を再生することができるフレーム画像をいう。また、符号「P」で示されるフレーム画像は、Pピクチャ(Predictive-coded picture:前方予測符号化画像)と呼ばれ、既に復号化されたIピクチャ又は他のPピクチャに基づいて補償再生された予測画像との差を復号化する等して生成された予測画像である。また、符号「B」で示されるフレーム画像は、Bピクチャ(Bidirectionally predictive-coded picture:両方向予測符号化画像)といい、既に復号化されたIピクチャ又はPピクチャのみでなく、光ディスク等に記録されている時間的に未来のIピクチャ又はPピクチャをも予測に用いて再生される予測画像をいう。図2においては、各ピクチャ間の予測関係(補間関係)を矢印で示している。
なお、本実施の形態に係るDVD1で用いられているMPEG2方式においては、夫々のGOP52に含まれるデータ量が一定でない可変レート方式を採用している。すなわち、一のGOP52に含まれる各ピクチャが、動きの速い動画に対応しており、各ピクチャ間の相関関係が小さい場合には、各ピクチャを構成するためのデータ量が多くなり、従って、一のGOP52に含まれるデータ量も多くなる。一方、一のGOP52に含まれる各ピクチャが、あまり動きのない動画に対応しており、各ピクチャ間の相関関係が大きい場合には、各ピクチャを構成するためのデータ量も少なくなり、一のGOP52に含まれるデータ量も少なくなることとなる。
以上説明した図1に示す階層構造の記録フォーマットにおいて、夫々の区分は、DVD1内に記録される記録情報の製作者(以下、単に製作者という。)がその意図に応じて自在に区分設定をして記録させるものである。これらの区分毎に後述の論理構造に基づいて再生することにより、変化に富んだ種々の再生が可能となるのである。
次に、図1に示す物理的な区分により記録された情報を組合わせた論理的フォーマット(論理構造)について図3を用いて説明する。なお、図3に示す論理構造は、その構造で実際にDVD1上に情報が記録されているのではなく、図3に示す論理構造で図1に示す各データ(特にセル20)を組合わせて再生するための情報(アクセス情報又は時間情報等)がDVD1上の、特にコントロールデータ11の中に記録されているものである。
説明の明確化のために、図3の下位の階層から説明していくと、上記図1において説明した物理構造のうち、複数のセル20を選択して組合わせることにより、一のプログラム60が製作者の意図に基づいて論理上構成される。このプログラム60は、後述の再生装置におけるシステムコントローラが区分を識別してコマンドによってアクセスできる最小の論理的単位でもある。なお、このプログラム60を一又は複数個纏めたものを視聴者が自由に選択して視聴することができる最小単位として製作者が定義することもでき、この単位をPTT(Part Of Title)という。
また、一のプログラム60が複数のセル20を選択して論理的に構成されることから、複数のプログラム60で一のセル20を用いる、すなわち、一のセル20を異なった複数のプログラム60において再生させる、いわゆるセル20の使い回しを行うことも可能となっている。
ここで、一のセル20の番号については、当該セル20を図1に示す物理フォーマットにおいて取り扱う際にはセルID番号として取り扱われ(図1中、セルID#と示す。)、図3に示す論理フォーマットにおいて取り扱う際には後述のPGCI中の記述順にセル番号として取り扱われる。
次に、複数のプログラム60を組合わせて一のPGC(Program Chain)61が製作者の意図に基づいて論理上構成される。このPGC61の単位で、前述したPGCIが定義され、当該PGCIには、夫々のプログラム60を再生する際の各プログラム60毎のセル20の再生順序(この再生順序により、プログラム60毎に固有のプログラム番号が割当てられる。)、夫々のセル20のDVD1上の記録位置であるアドレス、一のプログラム60における再生すべき先頭セル20の番号、各プログラム60の再生方式[本実施形態のDVD1に情報を記録する際には、再生時において、ランダム再生(乱数によるランダム再生であり、同じプログラム60が複数回再生されることがある。)、シャッフル再生(ランダム再生と同様の乱数によるランダム再生であるが、同じプログラム60は一度しか再生されず、同じプログラム60が複数回再生されることはない。)又はループ再生(一つのPGC61を何度も再生すること。)のうち、いずれか一つ、又はループ再生とランダム再生又はシャッフル再生の組合わせによる再生方法をPGC61毎に製作者が選択して再生させるようにすることができる。]及び各種コマンド(PGC61又はセル20毎に製作者が指定可能なコマンド)が含まれている。なお、PGCIのDVD1上の記録位置は、上述の通りコントロールデータ11(図1参照)内であるが、当該PGCIがビデオマネージャ2内のメニューに関するPGCIである場合には、当該PGCIの記録位置は、ビデオマネージャ2に含まれるコントロールデータ(図示を省略する。)内である。
また、一のPGC61には、上記PGCIの他に、実体的な映像及び音声等のデータがプログラム60の組合わせとして(換言すれば、セル20の組合わせとして)含まれることとなる。
更に、一のPGC61においては、上記のプログラム60における説明において示したセル20の使い回し(すなわち、異なるPGC61により、同一のセル20を用いること。)も可能である。また、使用するセル20については、DVD1に記録されている順番にセル20を再生する方法(連続配置セルの再生)の他に、DVD1に記録されている順序に関係なく再生する(例えば、後に記録されているセル20を先に再生する等)方法(非連続配置セルの再生)を製作者が選択することができる。
次に、一又は複数のPGC61により、一のタイトル62が論理上構成される。このタイトル62は、例えば、映画一本に相当する単位であり、製作者がDVD1の視聴者に対して提供したい完結した情報である。
そして、一又は複数のタイトル62により、一のVTS63が論理上構成される。このVTS63に含まれるタイトル62は、夫々に共通の属性を有するものであり、例えば、一本の同じ映画に対して違う言語の映画が夫々のタイトル62に相当することとなる。
また、図3に示す一のVTS63に相当する情報は、図1に示す一のVTS3に含まれている情報に対応している。すなわち、DVD1には、図3に示すVTS63内に論理上含まれる全ての情報が一のVTS3として纏めて記録されていることとなる。
以上説明した論理フォーマットに基づいて、物理構造において区分された情報を製作者が指定することにより、視聴者が見るべき映像(映画等)が形成されるのである。
なお、図1に示す物理構造の説明においては、内容の理解の容易化のため、複数のセル20がID番号の順に記録されているとして説明したが、実施形態のDVD1においては、実際には、一のセル20が図4に示す複数のインターリーブドユニットIUに分割されて記録される場合がある。
すなわち、例えば図4に示すように、製作者が一のPGC61AをID番号1、2及び4を有するセル20により構成し、他のPGC61BをID番号1、3及び4を有するセル20により構成する場合を考えると、当該PGC61Aに基づいてDVD1から情報を再生する際には、ID番号1、2及び4を有するセル20のみを再生し、PGC61Bに基づいてDVD1から情報を再生する際には、ID番号1、3及び4を有するセル20のみを再生することとなる。この場合に、セル20がID番号毎に纏められて相互に分離して記録されていると、例えば、PGC61Aの場合には、ID番号2のセル20のDVD1上の記録位置からID番号4のセル20のDVD1上の記録位置まで、再生のためのピックアップをジャンプする時間が必要となり、後述の再生装置におけるトラックバッファの容量によっては、ID番号2のセル20とID番号4のセル20を連続的に再生すること(以下、これをシームレス再生という。)ができなくなる。
そこで、図4に示す場合には、ID番号2のセル20とID番号3のセル20を、後述の再生装置におけるトラックバッファにおける入出力処理の速度に対応して、一時的に入力信号の入力が停止しても、出力信号の連続性が損なわれない長さのインターリーブドユニットIU(すなわち、一のインターリーブドユニットIUの間だけ再生装置におけるピックアップがジャンプすることによりトラックバッファへの入力信号が途絶えても、当該トラックバッファからの出力信号を連続的に出力可能な長さのインターリーブドユニットIU)に夫々分解して記録し、例えば、PGC61Aに基づいて再生する場合には、ID番号2に対応するセル20を構成するインターリーブドユニットIUのみを連続して検出し、再生することが行われる。同様に、PGC61Bに基づいて再生する場合には、ID番号3に対応するセル20を構成するインターリーブドユニットIUのみを連続して検出し、再生するのである。なお、インターリーブドユニットIUの長さは、上述のように、トラックバッファの容量を勘案して決定される他に、トラックジャンプを行うためのスライダモータ等の駆動機構の性能をも加味して決定される場合がある。
このように、製作者の意図によって、一のセル20を複数のインターリーブドユニットIUに分割して記録しておくことにより、飛び飛びのID番号のセル20を含むPGC61を再生する際にも、トラックバッファから出力される信号は途切れることはなく、従って、視聴者は中断することのない再生映像を視聴することができるのである。
なお、上記インターリーブドユニットIUを形成する際には、一のVOB10内で完結するように形成され、一のインターリーブドユニットIUが隣り合う複数のVOB10に跨がることはない。また、インターリーブドユニットIUとVOBユニット30との関係については、一のインターリーブドユニットIU内に一又は複数のVOBユニット30が含まれ、一のインターリーブドユニットIU内においては一のVOBユニット30が完結するように構成されており、一のVOBユニット30が分割されて複数のインターリーブドユニットIUに跨がることはない。
以上説明したような種々の階層の情報を記録する必要があるため、上述の記録フォーマットを有する情報は、上記DVD1のように、一本の映画を記録する他に、当該映画に対応する音声又は字幕等について、複数種類の言語の音声又は字幕をも同一の光ディスクに記録することが可能な大きな記憶容量を有する情報記録媒体に特に適している。
次に、上記の物理構造及び論理構造を有する映像情報及び音声情報のうち、特に本発明に係るDSIデータ51について、図5を用いて説明する。DSIデータ51には、上述のように、表示させたい映像を検索するための検索情報、すなわち、より具体的には、上記VOBユニット30の単位で表示させたい映像を検索するための情報及び上記シームレス再生を行うための情報が記述される。
これらの情報を分類すると、以下のように分類される。
(1)視聴者から指定されたある動作の開始時点において、予め後述の再生装置における各構成部材のタイミングを設定するための情報(2)後述の再生装置におけるピックアップの図3に示す論理構造上のデータ区分に対応するDVD1上の位置を知るための情報(3)再生表示しようとするデータのみを後述の再生装置におけるトラックバッファに書き込むための情報(4)アクセス(検出)したいデータのDVD1上の記録位置(目標位置)を示す情報(5)アクセスのためにデータをサーチした際、所望のデータのアドレスが検出できなかったときに他のデータ等を保護するための保護情報次に、上記のように分類された情報が記録されるDSIデータ51内に、上記の夫々の情報が具体的にどのように記録されるかについて、図5を用いて説明する。
図5に示すように、DSIデータ51は、具体的には、一のDSIデータ51内で共通に使用される一般情報と、シームレス再生のためのシームレス情報と、後述のアングル再生を行うためのアングル飛び先情報と、所望のVOBユニット30を検索するためのVOBユニットサーチ情報と、当該DSIデータ51が含まれているVOBユニット30と同期して表示又は出力すべきサブピクチャデータ44又はオーディオデータ43に関する情報である同期再生情報とにより構成される。このうち、VOBユニットサーチ情報は、特に、映像を出力しながらの早送り又は巻戻し、若しくはN倍速再生等の特殊再生を行う時に活用される。
ここで、上記アングル飛び先情報が適用されるアングル再生について概要を説明すると、本実施形態のDVD1には、例えば、一の映画(タイトル62)について、同じ時間軸上の場面を複数の視点から見た映像情報を記録することが可能である。すなわち、より具体的には、一の映画について、それに出演している男優の視点からある情景を見た映像と、女優の視点から同じ情景を見た映像とを記録することが可能なのである。そして、これらの映像を、上記ハイライト情報に基づくメニュー画面を用いた視聴者の選択により切り換えて再生することが可能となるのであり、これをアングル切り換え再生という。
また、図5に示す各情報について更に説明すると、一般情報としては、視聴者から指定されたある動作について、予め後述の再生装置における各構成部材の再生開始タイミングを設定するための時間情報と、図3R>3に示す論理構造を構成するための各データのDVD1上の記録位置(論理アドレス)と、データサーチの際、所望のデータのアドレスが検出できなかったときに他のデータ等を保護するための保護情報と、後述の再生装置におけるタイムサーチ動作のための時間情報(セル20内の経過時間情報等)とが記録される。
また、シームレス情報としては、シームレス再生に必要な各データのDVD1上の記録位置(論理アドレス)と、シームレス再生において、各再生画面の接続のタイミングを予め設定するための時間情報とが記録される。
更に、アングル飛び先情報としては、シームレス(連続的)にアングルを切り換えてアングル切り換え再生を行うための再生すべきデータのDVD1上の記録位置を示すアドレス情報が記録されている。
また、VOBユニットサーチ情報としては、当該DSIデータ51の近傍の所定の範囲に存在する他のVOBユニット30(すなわち、他のナビパック41)のDVD1上の記録位置を示すアドレス情報が記録されている。
最後に、同期再生情報としては、当該DSIデータ51が含まれているVOBユニット30と同期して表示又は出力すべきサブピクチャデータ44又はオーディオデータ43のDVD1上の記録位置を示すアドレス情報が記録されている。
以上説明した各情報を含むDSIデータ51を用いることにより、後述の再生装置において、タイムサーチ動作等の処理が可能となるのである。次に、上記各情報のうち、本発明に係るVOBユニットサーチ情報について更に詳細に図6を用いて説明する。なお、図6R>6は、VOBユニットサーチ情報として記述される情報と、実際のDVD1上の記録位置並びに再生時間との関係を示している。また、図6において、「FWD」はDVD1の記録位置について前方(再生時間軸上において後)であることを示し、「BWD」はDVD1の記録位置について後方(再生時間軸上において前)であることを示している。
図6に示すように、一のナビパック41内に記述されるVOBユニットサーチ情報には、例えば、当該一のナビパック41を図6に「*」印で示すナビパック41Aとすると、当該ナビパック41Aから0.5秒×n(nは自然数)秒後に再生開始されるか或は再生されているべきデータ含むVOBユニット30、又は0.5秒×n(nは自然数)秒前に既に再生開始されたか或は再生されていたデータを含むVOBユニット30のDVD1上の記録位置を示すアドレス情報が各時間毎に記述される。より具体的には、図6に示す場合には、FWD1に対応するVOBユニットサーチ情報は、ナビパック41Aを有するVOBユニット#0から0.5秒後に再生開始されるか或は再生されているべきVOBユニットが記述される。図6の場合には、VOBユニット#0が再生時間0.6秒であるので、FWD1に対応するVOBユニットサーチ情報には、VOBユニット#0自身のDVD1上の記録位置を示すアドレス情報が記述されている。
また、FWD2に対応するVOBユニットサーチ情報は、ナビパック41Aを有するVOBユニット#0から1.0秒(0.5×2)後に再生開始されるか或は再生されているべきVOBユニットが記述される。図6の場合には、VOBユニット#0が再生時間0.6秒であり、VOBユニット#1も再生時間0.6秒であるので、FWD2に対応するVOBユニットサーチ情報には、ナビパック41Aから1秒後に再生開始されるか或は再生されているべきVOBユニット30、すなわち、VOBユニット#1のDVD1上の記録位置を示すアドレス情報が記述されている。以下、同様にして、一のナビパック41内のVOBユニットサーチ情報には、当該一のナビパック41を基点として前後2分の再生時間に対応するVOBユニット30のアドレス情報が記述される。上記の要領で記述されたVOBユニットサーチ情報の例を図7に示す。なお、図7において、「FWDA」は前方のアドレスを示し、「BWDA」は後方のアドレスを示している。
ところで、DVD1に記録される映像情報には、上述のように動画及び静止画の双方が含まれている。従って、各VOBユニット30に含まれる映像情報も動画に対応する映像情報と静止画に対応する映像情報とが記録されることとなるが、この場合、当該VOBユニット30においては、動画のみが含まれているVOBユニット30と、動画と静止画の双方が含まれているVOBユニット30と、静止画のみが含まれているVOBユニット30と、ビデオデータ42がなくナビパック41のみが含まれているVOBユニット30とが存在することとなる。
すなわち、具体例を図8に示すと、動画のみが含まれているVOBユニット30はVOBユニット#1及び#9であり、動画と静止画の双方が含まれているVOBユニット30はVOBユニット#2及び#10であり、静止画のみが含まれているVOBユニット30はVOBユニット#5であり、ビデオデータ42がなくナビパック41のみが含まれているVOBユニット30は、VOBユニット#3、#4、#6、#7及び#8である。このとき、DVD1上では、ナビパック41のみが連続して記録される(図8では、ナビパック41C、41D、41E、41F、41G、41H及び41Iが相当する。)こととなる。なお、図8においては、映像情報としてのビデオデータ42以外の、オーディオデータ43又はサブピクチャデータ44については、図示を省略している。
図8の場合、VOBユニットサーチ情報について、図7に示すように、単純に所定時間後(又は所定時間前)に対応するVOBユニット30のアドレスのみを記述することとすると、記述されたVOBユニット30がナビパック41のみのVOBユニット30であった場合に、そこへ後述の再生装置のピックアップを移動させても当該VOBユニット30には再生すべきデータがないので、映像又は音声が全く出力されない場合が生じてくることとなる。より具体的には、単純に所定時間後(又は所定時間前)に対応するVOBユニット30のアドレスのみを記述したとき、図8の場合において、ナビパック41Aに記述されているVOBユニットサーチ情報に基づいて例えば、2秒後、4秒後及び6秒後をスキャン操作(飛越操作)等でサーチしたとしても、夫々のタイミングにおけるVOBユニット30にはビデオデータ42がないので、映像が出力されないのである。
以上説明したように、VOBユニット30は各再生時刻に対応するナビパック41をその先頭に必ず含んでいるが、当該再生時刻に再生すべきビデオデータ42やオーディオデータ43又はサブピクチャデータ44等の実体データが必ずしもその後に継続して記録されている保証はない。そこで、同じ再生時刻に再生すべきビデオデータ42やオーディオデータ43又はサブピクチャデータ44等の実体データのDVD1上の記録位置を取得するためには、当該記録位置に関する記録位置情報を、再生すべきビデオデータ42等の先頭に記録されているナビパック41内に記述すると共に、所望の再生時刻に対応するデータを再生する場合に、その再生時刻に対応するVOBユニット30の先頭のナビパック41を必ず取得してそこに記述されている上記記録位置情報により、当該再生すべき実体データのDVD1上の記録位置を知るようにすることが便利である。
そこで、本発明では、ナビパック41内のDSIデータ51に、以下に示す各実施形態のようなVOBユニットサーチ情報を含ませることとするのである。
(A)VOBユニットサーチ情報の第1実施形態
初めに、VOBユニットサーチ情報の第1実施形態について説明する。
VOBユニットサーチ情報の第1実施形態においては、所定時間後(又は所定時間前)に対応するVOBユニット30のアドレスを記述する他に、VOBユニットサーチ情報として記述されるアドレスとして、そのVOBユニットサーチ情報が記述されるナビパック41を基準として、夫々の再生時間において実際に再生すべき映像に対応するビデオデータ42(図1参照)を含むVOBユニット30のアドレスを記述する。
図8に示す例に基づき、図7に示す用語を用いてより具体的に第1実施形態のVOBユニットサーチ情報を示すと、例えば、図9に示すように構成される。図9において、VOBユニットアドレスAは、ナビパック41Aから所定時間後(又は所定時間前)に対応するVOBユニット30のアドレスを記述するものであり、VOBユニットアドレスBは、ナビパック41Aから所定時間後(又は所定時間前)に実際に再生(出画)すべきビデオデータ42が含まれているVOBユニット30のアドレスを示すものである。ここで、前者は夫々のVOBユニット30に含まれているナビパック41を検索し、そこに記載されている情報を用いて種々の検索動作(ビデオデータ42以外の他のデータ(オーディオデータ43又はサブピクチャデータ44)を対象とした検索動作)を行うためのものであり、後者は、実際にその時刻において再生すべきビデオデータ42を検索するためのものである。
ここで、本実施形態の特徴であるVOBユニットアドレスBについて説明すると、ナビパック41Aから1秒後(「FWDA2」)に再生すべきビデオデータ42(静止画A)が記録されているVOBユニット30は、図8より、VOBユニット#2であるので、そのアドレスである「5」が記述されている。そして、ナビパック41Aから2秒後(「FWDA4」)に再生すべきビデオデータ42(やはり静止画A)が記録されているVOBユニット30は、同様にVOBユニット#2であるので、そのアドレスである「5」が記述されている。
一方、ナビパック41Aから4秒後(「FWDA8」)に再生すべきビデオデータ42(静止画B)が記録されているVOBユニット30は、VOBユニット#5であるので、そのアドレスである「14」が記述されている。以下、同様に、当該ナビパック41Aに記述されるVOBユニットサーチ情報には、夫々の再生時間において実際に再生すべき映像に対応するVOBユニット30のアドレスが記述されるのである。このとき、同じ静止画を出力すべき期間においては、同じVOBユニット30のアドレスが記述されることとなる。
このように記述されたVOBユニットサーチ情報を用いることにより、実際に再生すべきビデオデータ42が含まれているVOBユニット30を検索することができるので、映像が途切れたりすることなく再生することができるのである。(B)VOBユニットサーチ情報の第2実施形態次に、VOBユニットサーチ情報の第2実施形態について説明する。
上述のVOBユニットサーチ情報の第1実施形態においては、所定時間後(又は所定時間前)に対応するVOBユニット30のアドレス(VOBユニットアドレスA)を記述する他に、VOBユニットサーチ情報として記述されるアドレスとして、そのVOBユニットサーチ情報が記述されるナビパック41を基準として、夫々の再生時間において実際に再生すべき映像に対応するビデオデータ42を含むVOBユニット30のアドレスを記述したが、第2実施形態においては、所定時間後(又は所定時間前)に対応するVOBユニット30のアドレスを記述する際に空白となっている領域を用いて夫々のVOBユニット30におけるビデオデータ42の有無及び所定の再生時間の範囲内に対応するVOBユニット30におけるビデオデータ42の有無のみを記述する。
図8に示す例に基づき、図7に示す用語を用いてより具体的に第2実施形態のVOBユニットサーチ情報を示すと、例えば、図10に示すように構成される。図10において、VOBユニットアドレスAは、上記第1実施形態の場合と同様にナビパック41Aから所定時間後(又は所定時間前)に対応するVOBユニット30のアドレスを記述するものである。
次に、存在情報A(1ビット)は、夫々の再生時間毎のビデオデータ42の有無を記述するものであり、具体的には、VOBユニットアドレスAの欄にアドレスが記述されている夫々のVOBユニット30に対応して、夫々のVOBユニット30にビデオデータ42(動画又は静止画)が存在しているか否かが記述される。図10の場合には、図8においてビデオデータ42が存在しているVOBユニット30は夫々VOBユニット#1、#2、#5、#9及び#10であるので、そのVOBユニット30が記述されている位置の存在情報Aには「1」が記述されている。
一方、存在情報B(1ビット)は、所定の再生時間の範囲内のビデオデータ42の有無を記述するものであり、図10における「FWDA1」乃至「FWDA15」及び「BWDA1」乃至「BWDA15」には「0」が記述される。これは、当該再生時間の範囲においては、存在情報Aの内容と同じ内容が記述されることとなるので、重複した記載を避けるためである。
一方、「FWDA20」、「FWDA60」、「FWDA120」及び「FWDA240」に対応する存在情報Bについては、例えば、「FWDA20」に対応する存在情報Bは、図10において当該「FWDA20」に対応する存在情報Bの一つ前に記述されている(すなわち、「FWDA15」に記述されている)VOBユニット30の次のVOBユニット30(図8R>8において、VOBユニット#10の次のVOBユニット30)から当該「FWDA20」に対応するVOBユニット30の一つ前のVOBユニット30までの間にビデオデータ42が存在するときは「1」を記述し、存在しないときは「0」を記述する。同様に「FWDA60」、「FWDA120」及び「FWDA240」に対応する存在情報Bでは、図10において夫々の存在情報Bの一つ前に記述されているVOBユニット30の次のVOBユニット30から夫々の存在情報Bに対応するVOBユニット30の一つ前のVOBユニット30までの間にビデオデータ42が存在するときは「1」を記述し、存在しないときは「0」を記述する。
また、「BWDA20」、「BWDA60」、「BWDA120」及び「BWDA240」に対応する存在情報Bについては、図10において夫々の存在情報Bの一つ後(図10において一つ上)に記述されているVOBユニット30の次のVOBユニット30から夫々の存在情報Bに対応するVOBユニット30の一つ後のVOBユニット30までの間にビデオデータ42が存在するときは「1」を記述し、存在しないときは「0」を記述する。
このように記述されたVOBユニットサーチ情報を後述の再生装置において説明する如く活用することにより、第1実施形態と同様に映像が途切れたりすることなく再生することができる。更に、第1実施形態では、VOBユニットアドレスAと同じ容量の領域を更に確保してVOBユニットアドレスBを記述する必要があることからVOBユニットサーチ情報を構成するための記録領域が多く必要であるのに対し、第2実施形態の構成によれば、VOBユニットアドレスAを記述する際の余った領域を用いて存在情報A及びBを記述できるので、VOBユニットサーチ情報を構成するための記録領域が少なくすることができるという利点がある。このため、実際には、上記第2実施形態のVOBユニットサーチ情報がDVD1に記録される。
(II)記録装置の実施形態
次に、上述のVOBユニットサーチ情報を含む制御情報、映像情報及び音声情報をDVD1に記録するための請求項1乃至4に記載の発明に対応する記録装置の実施形態について、図11を用いて説明する。
図11に示すように、実施形態に係る記録装置S1は、VTR(Video Tape Recorder)70と、メモリ71と、信号処理手段としての信号処理部72と、ハードディスク装置73及び74と、多重手段としてのコントローラ75と、多重手段としての多重器75と、変調器77と、記録手段としてのマスタリング装置78とにより構成されている。
次に、動作を説明する。VTR70には、DVD1に記録すべき音声情報や映像情報等の素材である記録情報Rが夫々の情報毎に一時的に記録されている。そして、VTR70に一時的に記録された記録情報Rは、信号処理部72からの要求により音声情報又は映像情報毎に当該信号処理部72に出力される。
信号処理部72は、VTR70から出力された記録情報RをA/D変換した後、MPEG2方式を用いて圧縮処理し、音声情報と映像情報とを時間軸多重すると共に、当該音声情報と映像情報に多重して記録すべき上記ナビパック41を挿入すべき位置に当該ナビパック41に対応するスペースを設け、圧縮多重信号Srとして出力する。その後、出力された圧縮多重信号Srは、ハードディスク装置73に一時的に記憶される。
これらと並行して、メモリ71は、上記記録情報Rの再生を制御するための制御情報(図1における、ビデオマネージャ2、コントロールデータ11、ナビパック41、PCIデータ50及び上記第1実施形態又は第2実施形態のVOBユニットサーチ情報を含むDSIデータ51等)が記載されたキューシートSTに基づき予め入力された当該制御情報を一時的に記憶し、信号処理部72からの要求に基づいて制御情報信号Siとして出力する。
そして、信号処理部72は、VTR70から出力される上記記録情報Rに対応したタイムコードTt 及びメモリ71から出力される制御情報信号Si に基づき、タイムコードTt を参照して制御情報から上述のVOBユニットサーチ情報を含むDSIデータ51を分離し、対応するサーチ情報信号Sacとして出力し、当該サーチ情報信号Sacがハードディスク装置74に一時的に記憶される。このとき、DSIデータ51以外のメモリ71に記憶されている制御情報については、図11においては図示を省略しているが、DSIデータ51と同様に信号処理部72において夫々に分離され、ハードディスク装置74に記憶される。
以上の処理が記録情報R全体について実行される。記録情報Rの全てについて上記の処理が終了すると、コントローラ75は、ハードディスク装置73から圧縮多重信号Sr を読み出すとともにハードディスク装置74からサーチ情報信号Sac及びその他の制御情報を読み出し、これらに基づいてVOBユニットサーチ情報を含むDSIデータ51及びその他の制御情報を夫々独立に含む付加情報を生成し、当該付加情報に対応する付加情報信号Saをハードディスク装置74に一時的に再記録する。これは、各制御情報の中には、圧縮多重信号Srの生成結果によってその内容が決まるものがあるからである。
一方、コントローラ75は、上記信号処理部72、ハードディスク装置73及び74の夫々の動作の時間管理を行い、圧縮多重信号Srと付加情報信号Saを時間軸多重するための情報選択信号Sccを生成して出力する。
その後、圧縮多重信号Sr と付加情報信号Sa は、コントローラ75からの情報選択信号Scc に基づき、ハードディスク装置73又は74から再度読み出され、多重器76により時間軸多重され、圧縮多重信号Srにおける上記ナビパック41用のスペース内に付加情報信号Saに対応する付加情報内のDSIデータ51等の制御情報が記述されて情報付加圧縮多重信号Sapとして出力される。この情報付加圧縮多重信号Sapの段階では、記録すべき情報は、コントローラ75の情報選択信号Sccを用いた切り換え動作によってナビパック41等の制御情報と映像情報及び音声情報とが合成され、図1に示す物理構造(物理フォーマット)となっている。そして、上記VOBユニットサーチ情報については、対応するDSIデータ51に含まれると共に、対応するナビパック41に含まれていることとなる。
なお、記録すべき情報の中に副映像情報が含まれている場合には、図示しない他のハードディスク装置から読み出されて信号処理部72に入力され、映像情報及び音声情報と同様に信号処理され、情報付加圧縮多重信号Sapに含まれる。
その後、変調器77は、出力された情報付加圧縮多重信号Sapに対してリードソロモン符号等のエラー訂正コード(ECC)の付加及び8−16変調等の変調を施してディスク記録信号Smを生成し、マスタリング装置78に出力する。
最後に、マスタリング装置78は、当該ディスク記録信号Sm を光ディスクを製造する際のマスタ(抜き型)となるスタンパディスクに対して記録する。そして、このスタンパディスクを用いて図示しないレプリケーション装置により、一般に市販されるレプリカディスクとしての光ディスクが製造される。
以上の記録装置S1の動作により、上記第1実施形態又は第2実施形形態のVOBユニットサーチ情報を含む記録情報がDVD1に記録されることとなる。従って、当該記録された記録情報を再生する際に上記VOBユニットサーチ情報を用いれば、再生すべき映像情報を迅速に検索して再生することができ、正確且つスムーズに映像情報を再生しつつ記録情報の再生を行うことができる。
また、上記VOBユニットサーチ情報は、動画及び静止画を含む記録情報に対応して記述されているので、再生すべき動画又は静止画を迅速に検索して再生することができる。
更にまた、第2実施形態のVOBユニットサーチ情報に基づいてビデオデータ42の検索を行う場合には、存在情報A及びBとしてビデオデータ42の有無が記述されているので、VOBユニット30中にビデオデータ42が含まれていないときには、当該ビデオデータ42が記録されていないVOBユニット30を検索せずに再生することができ、映像情報の再生を迅速且つ途切れることなく行うことができる。
(III)再生装置の実施形態
次に、上記の記録装置S1によりDVD1に記録された情報を再生するための請求項9乃至12に記載の発明に対応する再生装置の実施形態を、図12乃至図17を用いて説明する。
始めに、図12を用いて、実施形態の再生装置の構成及び動作について説明する。図12に示すように、実施形態に係る再生装置S2は、検出復調手段としてのピックアップ80と、検出復調手段としての復調訂正部81と、ストリームスイッチ82及び84と、トラックバッファ83と、抽出手段としてのシステムバッファ85と、デマルチプレクサ86と、VBV(Video Buffer Verifier)バッファ87と、ビデオデコーダ88と、サブピクチャバッファ89と、サブピクチャデコーダ90と、混合器91と、オーディオバッファ92と、オーディオデコーダ93と、PCIバッファ94と、PCIデコーダ95と、ハイライトバッファ96と、ハイライトデコーダ97と、入力部98と、ディスプレイ99と、制御手段としてのシステムコントローラ100と、ドライブコントローラ101と、スピンドルモータ102と、スライダモータ103とにより構成されている。なお、図12に示す構成は、再生装置S2の構成のうち、映像及び音声の再生に関する部分のみを記載したものであり、ピックアップ80及びスピンドルモータ102並びにスライダモータ103等をサーボ制御するためのサーボ回路等は従来技術と同様であるので、記載及び細部説明を省略する。
次に、全体動作を説明する。ピックアップ80は、図示しないレーザダイオード、偏向ビームスプリッタ、対物レンズ、光検出器等を含み、DVD1に対して再生光としての光ビームBを照射すると共に、当該光ビームBのDVD1からの反射光を受光し、DVD1上に形成されている情報ピットに対応する検出信号Spを出力する。このとき、光ビームBがDVD1上の情報トラックに対して正確に照射されると共に、DVD1上の情報記録面で正確に焦点を結ぶように、図示しない対物レンズに対して従来技術と同様の方法によりトラッキングサーボ制御及びフォーカスサーボ制御が施されている。
ピックアップ80から出力された検出信号Spは、復調訂正部81に入力され、復調処理及び誤り訂正処理が行われて復調信号Sdmが生成され、ストリームスイッチ82及びシステムバッファ85に出力される。
復調信号Sdmが入力されたストリームスイッチ82は、ドライブコントローラ101からのスイッチ信号Ssw1によりその開閉が制御され、閉のときには、入力された復調信号Sdmをそのままスルーしてトラックバッファ83に出力する。一方、ストリームスイッチ82が開のときには、復調信号Sdmは出力されず、不要な情報(信号)がトラックバッファ83に入力されることがない。
復調信号Sdmが入力されるトラックバッファ83は、FIFO(First In First Out)メモリ等により構成され、入力された復調信号Sdmを一時的に記憶すると共に、ストリームスイッチ84が閉とされているときには、記憶した復調信号Sdmを連続的に出力する。トラックバッファ83は、MPEG2方式における各GOP毎のデータ量の差を補償すると共に、インターリーブドユニットIUに分割されたデータの読み取りの際等に、上記のシームレス再生におけるトラックジャンプに起因して不連続に入力される復調信号Sdmを連続的に出力し、当該不連続による再生の中断を解消するためのものである。
連続的に復調信号Sdmが入力されるストリームスイッチ84は、デマルチプレクサ86における分離処理において、後段の各種バッファがオーバーフローしたり、逆に空になってデコード処理が中断することがないように、システムコントローラ100からのスイッチ信号Ssw2により開閉が制御される。
一方、トラックバッファ83と並行して復調信号Sdmが入力されるシステムバッファ85は、DVD1をローディングしたときに最初に検出され、DVD1に記録されている情報全体に関する管理情報(ビデオマネージャ2等)又はVTS3毎のコントロールデータ11を蓄積して制御情報Scとしてシステムコントローラ100に出力すると共に、情報再生中に必要に応じて上記ナビパック41毎のDSIデータ51を一時的に蓄積し、システムコントローラ100に制御情報Scとして出力する。
ストリームスイッチ84を介して復調信号Sdmが連続的に入力されたデマルチプレクサ86においては、当該復調信号Sdmからビデオデータ42、オーディオデータ43、サブピクチャデータ44及びナビパック41毎のPCIデータ50を分離し、ビデオ信号Sv、副映像信号Ssp、オーディオ信号Sad並びにPCI信号Spcとして、夫々VBVバッファ87、サブピクチャバッファ89、オーディオバッファ92及びPCIバッファ94に出力する。なお、復調信号Sdmには、オーディオデータ43又はサブピクチャデータ44として複数の言語が別々のストリームとして含まれている場合があるが、その場合には、システムコントローラ100からのストリーム選択信号Slcにより所望の言語が夫々選択されてオーディオバッファ92又はサブピクチャバッファ89に出力される。
ビデオ信号Svが入力されるVBVバッファ87は、FIFOメモリ等により構成され、ビデオ信号Svを一時的に蓄積し、ビデオデコーダ88に出力する。VBVバッファ87は、MPEG2方式により圧縮されているビデオ信号Svにおける各ピクチャ(図2参照)毎のデータ量のばらつきを補償するためのものである。そして、データ量のばらつきが補償されたビデオ信号Svがビデオデコーダ88に入力され、MPEG2方式により復調が行われて復調ビデオ信号Svdとして混合器91に出力される。
一方、副映像信号Sspが入力されるサブピクチャバッファ89は、入力された副映像信号Sspを一時的に蓄積し、サブピクチャデコーダ90に出力する。サブピクチャバッファ89は、副映像信号Sspに含まれるサブピクチャデータ44を、当該サブピクチャデータ44に対応するビデオデータ42と同期して出力するためのものである。そして、ビデオデータ42との同期が取られた副映像信号Sspがサブピクチャデコーダ90に入力され、復調が行われて復調副映像信号Sspdとして混合器91に出力される。
なお、副映像信号Sspが、上記メニュー画面を構成して表示するために必要な、枠、選択ボタン等を構成するための画像情報を含んでいる場合には、システムコントローラ100からのハイライト制御信号Schに基づき、表示すべき選択ボタン等の表示状態の変更を行って出力する。
ビデオデコーダ88から出力された復調ビデオ信号Svd及びサブピクチャデコーダ90から出力された復調副映像信号Sspd(対応する復調ビデオ信号Svdとの同期が取れている。)は、混合器91により混合され、最終的な表示すべき映像信号Svpとして図示しないCRT(Cathod Ray Tube)等の表示部に出力される。
次に、オーディオ信号Sadが入力されるオーディオバッファ92は、FIFOメモリ等により構成され、入力されたオーディオ信号Sadを一時的に蓄積し、オーディオデコーダ93に出力する。オーディオバッファ92は、オーディオ信号Sadを対応する映像情報を含むビデオ信号Sv又は副映像信号Sspに同期して出力させるためのものであり、対応する映像情報の出力状況に応じてオーディオ信号Sadを遅延させる。そして、対応する映像情報と同期するように時間調整されたオーディオ信号Sadは、オーディオデコーダ93に出力され、所定のデコードが施されて復調オーディオ信号Saddとして図示しないスピーカ等に出力される。なお、アクセス直後の再生等で一時的に音声を中断する(ポーズする)必要があることが検出された場合には、システムコントローラ100からポーズ信号Scaがオーディオデコーダ93に出力され、当該オーディオデコーダ93において一時的に復調オーディオ信号Saddの出力を停止する。
更に、PCI信号Spcが入力されるPCIバッファ94は、FIFOメモリ等により構成され、入力されたPCI信号Spcを一時的に蓄積し、PCIデコーダ95に出力する。PCIバッファ94は、PCI信号Spcに含まれるPCIデータ50と当該PCIデータ50が対応するビデオデータ42、オーディオデータ43又はサブピクチャデータ44等とを同期させ、当該ビデオデータ42、オーディオデータ43又はサブピクチャデータ44等にPCIデータ50を適用させるためのものである。そして、PCIバッファ94により対応するビデオデータ42、オーディオデータ43又はサブピクチャデータ44等と同期したPCI信号Spcは、PCIデコーダ95によりPCIデータ50に含まれるハイライト情報が分離され、ハイライト信号Shiとしてハイライトバッファ96に出力されると共に、PCIデータ50のハイライト情報以外の部分がPCI情報信号Spciとしてシステムコントローラ100に出力される。
ハイライト信号Shiが入力されるハイライトバッファ96は、FIFOメモリ等により構成され、入力されたハイライト信号Shiを一時的に蓄積し、ハイライトデコーダ97に出力する。ハイライトバッファ96は、当該ハイライト情報のための映像情報が含まれている副映像信号Sspに対応して、ハイライト情報に対応する選択項目の表示状態の変更が正確に行われるための時間軸補償を行うためのバッファである。そして、時間軸補償が行われたハイライト信号Shiは、ハイライトデコーダ97においてデコードされ、当該ハイライト信号Shiに含まれる情報が復調ハイライト信号Shidとしてシステムコントローラ100に出力される。ここで、システムコントローラ100は、当該復調ハイライト信号Shidに基づき、ハイライト情報の表示を行うべく、上記のハイライト制御信号Schを出力することとなる。
システムコントローラ100は、システムバッファ85から入力される制御情報Sc、PCIデコーダ95から入力されるPCI情報信号Spci及びリモコン等の入力部98から入力される入力信号Sinに基づき、それらの信号に対応した正しい再生を行うために上記のスイッチ信号Ssw2、ストリーム選択信号Slc、ポーズ信号Sca、ハイライト制御信号Schを出力すると共に、再生装置S2の動作状況等を表示するために表示信号Sdpを液晶表示装置等のディスプレイ99に出力する。
更に、システムコントローラ100は、上記制御信号Sc等により、シームレス再生のためにサーチ等のトラックジャンプの処理が必要であることを検出したときには、ドライブコントローラ101に対して、当該トラックジャンプの処理に対応するシームレス制御信号Scslを出力する。
そして、シームレス制御信号Scslが入力されたドライブコントローラ101は、スピンドルモータ102又はスライダモータ103に対して駆動信号Sdを出力する。この駆動信号Sdにより、スピンドルモータ102又はスライダモータ103は、光ビームBが再生すべきDVD1上の記録位置に照射されるようにピックアップ2を移動させる(図12破線矢印参照)と共に、DVD1の回転をCLV(Constant Linear Velocity:線速度一定)制御する。これと並行して、ドライブコントローラ101は、ピックアップ2が移動中であり復調訂正部81から復調信号Sdmが出力されないときには、シームレス制御信号Scslに基づきスイッチ信号Ssw1を出力し、ストリームスイッチ82を開とすると共に、復調信号Sdmが出力され始めると、ストリームスイッチ82を閉成して復調信号Sdmをトラックバッファ83に出力する。
次に、上記再生装置S2の内、特に本発明に係るVOBユニットサーチ情報を用いた検索動作について、システムコントローラ100の動作を中心として以下に説明する。なお、以下の再生動作の実施形態においては、上記2種類のVOBユニットサーチ情報のうち、第2実施形態のVOBユニットサーチ情報(図10参照)を用いた再生動作の実施形態について説明する。
(A)60倍速ビジュアルスキャン動作の実施形態
初めに、第2実施形態のVOBユニットサーチ情報(以下、単にVOBユニットサーチ情報という。)のうち、存在情報Aを用いた60倍速ビジュアルスキャン動作(映像を出力しつつ60倍速で再生する動作)について、図13及び図14を用いて説明する。
先ず、図13を用いて、60倍速ビジュアルスキャン動作の概要を説明する。図13に示すように、60倍速ビジュアルスキャン動作は、現在再生しているデータに対応するナビパック41の位置から、通常再生における2秒おきのVOBユニット30に含まれる第1フレーム映像のみを連続的に再生するものであり、本実施の形態におけるMPEG2方式では、1秒間に再生されるフレーム映像数が30フレームと規定されていることから、60フレームのうちの一つのフレームを再生するため60倍速となるのである。
次に、60倍速ビジュアルスキャン動作を行うための具体的な処理について、図14に示すフローチャートに基づいて説明する。図14に示すように、60倍速ビジュアルスキャン動作においては、初めに、通常再生が行われているときに(ステップS1)、60倍速ビジュアルスキャン動作の指示する入力信号Sinが入力部98から入力されたか否かが判定される(ステップS2)。
ステップS2における判定において、60倍速ビジュアルスキャン動作の指示する入力信号Sinが入力されていない場合には(ステップS2;NO)、次に、入力部98から再生ストップの指示あるか否かが判定される(ステップS3)。そして、再生ストップの指示があるときには(ステップS3;YES)そのまま処理を終了し、再生ストップの指示がないときには(ステップS3;NO)、次に再生するVOBユニット30の開始アドレスをVOBユニットサーチ情報のVOBユニットアドレスAから検出してそのアドレスADXを設定し(ステップS4)、当該アドレスADXをサーチするためにピックアップ80を移動させ(ステップS5)、上記次に再生するVOBユニット30のナビパック41を取得して(ステップS6)通常再生処理に移行する。
一方、ステップS2における判定において、60倍速ビジュアルスキャン動作の指示する入力信号Sinが入力された場合には(ステップS2;YES)、次に、2秒後のVOBユニット30を検索するために、VOBユニットサーチ情報におけるアドレス番号(図10参照、夫々の再生すべき時間×2の値を有する。)を示すパラメータnを「4」と設定する(ステップS7)。その後、VOBユニットサーチ情報のVOBユニットアドレスAを参照して(0.5×n)秒後に再生するVOBユニット30の開始アドレスを示す「FWDAn」を設定する(ステップS8)。そして、現在のnの値に対応する「FWDA4」に対応するアドレス(図10の場合には、「13」)を一時的に記憶する(ステップS9)。
次に、ステップS8において設定した「FWDAn」の値に対応する存在情報Aを検出し、その値が「1」であるか否か、すなわち、当該「FWDAn」に対応するVOBユニット30内にビデオデータ42があるか否かが判定される(ステップS10)。
次に、ステップS10における判定において、「FWDAn」に対応するVOBユニット30内にビデオデータ42がない場合には(ステップS10;NO)、「FWDAn」に対応するVOBユニット30の前(時間的に手前)のVOBユニット30を検索してビデオデータ42が記録されているVOBユニット30を検索すべくnの値を一だけデクリメントし(ステップS11)、nが「0」でなければ(ステップS12;NO)デクリメントしたnの値でステップS8以降の動作を行うべくステップS8に戻る。
一方、ステップS12において、nが「0」であれば(ステップS12;YES)、記憶されていた(ステップS9参照)「FWDA4」に対応するアドレスを読み出して(ステップS17)、そのアドレスをサーチするためピックアップ80を移動させ(ステップS18)その記録位置のVOBユニット30のナビパック41を取得する(ステップS19)。
ここで、ステップS12における判定においてnが「0」になる場合とは、具体的には、例えば、2秒後に表示すべきビデオデータ42が現在既に静止画として表示されている場合に、nを「4」として「FWDA4」に対応する存在情報Aをみるとそこにはビデオデータ42が存在しないので(図10参照)、nを「1」だけデクリメントして「3」とし、今度は「FWDA3」に対応する存在情報Aをみるとそこにはビデオデータ42が存在しないので(図10参照)、nを「1」だけ更にデクリメントする。この処理を繰返し、「FWDA1」に対応する存在情報Aまで到達したとき、当該「FWDA1」に対応する存在情報Aがビデオデータ42が存在しないことを示す場合には、その次にnは「0」となる。そして、このことを認識したシステムコントローラ100は、現在表示中のビデオデータ42をそのまま静止画再生すると判定し、そのまま静止画再生すると共に、「FWDA1」に対応するVOBユニット30においては、ナビパック41を取得してそこに記述されている動作に移行するのである。
一方、ステップS10における判定において、「FWDAn」に対応するVOBユニット30内にビデオデータ42がある場合には(ステップS10;YES)、次にnの値が初めに設定した(ステップS7参照)「4」であるか否かが判定される(ステップS13)。ステップS13における判定は、上述のステップS8乃至ステップS12の動作により、nが「4」と異なる値となっている場合があるからである。
ステップS13における判定でnが「4」でないときには(ステップS13;NO)、ステップS11においてデクリメントしたnに対応する「FWDAn」で示されるVOBユニット30の位置にビデオデータ42が記録されているとして「FWDAn」に対応するアドレスをサーチするためにピックアップ80を移動させ(ステップS14)、その記録位置のVOBユニット30のナビパック41を取得し(ステップS15)、当該取得したナビパック41に対応するVOBユニット30内の0.5×n秒に対応する一フレーム画像のみを再生する(ステップS16)。その後は、上述のステップS17乃至S19の動作を実行して60倍速ビジュアルスキャン動作が終了か否かを入力部98からの入力信号Sinにより判定し(ステップS20)、終了であるならば(ステップS20;YES)通常再生を行うためにステップS1に戻り、終了でないときには(ステップS20;NO)、再びステップS7に戻ってそれ以降の動作を繰返す。
一方、ステップS13における判定で、nが「4」であるときには、当該「4」が示す「FWDA4」に対応するVOBユニット30にビデオデータ42が含まれているとして「FWDA4」に対応するアドレスをサーチするためにピックアップ80を移動させ(ステップS21)、その記録位置のVOBユニット30のナビパック41を取得し(ステップS22)、当該取得したナビパック41に対応するVOBユニット30内の2秒に対応する一フレーム画像のみを再生する(ステップS23)。その後はステップS20の処理を行い60倍速ビジュアルスキャン動作の継続の有無を判定する。
以上説明した処理により、VOBユニットサーチ情報野中の存在情報Aを活用し、2秒毎に一フレーム映像だけ再生する60倍速ビジュアルスキャン動作が実行できる。
(B)タイムサーチ動作の実施形態
次に、VOBユニットサーチ情報のうち、存在情報A及びBを用いたタイムサーチ動作(指定された時刻の映像を出力する動作)について、図15乃至図17を用いて説明する。
先ず、図15を用いて、タイムサーチ動作の概要を説明する。図15に示すように、存在情報Bを用いたタイムサーチ動作は、DVD1上にビデオデータ42のないVOBユニット30が連続しているときに、現在再生しているナビパック41AからT秒後(当該T秒後に対応するDVD1上にビデオデータ42のないVOBユニット30が連続している部分が含まれているとする。)に再生すべきビデオデータ42を含むVOBユニット30を検索し、その後、ビデオデータ42のないVOBユニット30を飛ばして、今度はビデオデータ42以外のT秒後に再生すべきオーディオデータ43等を検索し、双方を再生する動作である。
次に、存在情報Bを用いてタイムサーチ動作を行うための具体的な処理について、図16及び図17R>7に示すフローチャートに基づいて説明する。図16及び図17に示すように、タイムサーチ動作においては、初めに、通常再生が行われているときに(ステップS30)、T秒後の映像及び音声を再生すべくタイムサーチ動作を指示する入力信号Sinが入力部98から入力されたか否かが判定される(ステップS31)。
ステップS31における判定において、タイムサーチ動作の指示する入力信号Sinが入力されていない場合には(ステップS31;NO)、次に、入力部98から再生ストップの指示あるか否かが判定される(ステップS32)。そして、再生ストップの指示があるときには(ステップS32;YES)そのまま処理を終了し、再生ストップの指示がないときには(ステップS32;NO)、次に再生するVOBユニット30の開始アドレスをVOBユニットサーチ情報のVOBユニットアドレスAから検出してそのアドレスADXを設定し(ステップS33)、当該アドレスADXをサーチするためにピックアップ80を移動させ(ステップS34)、上記次に再生するVOBユニット30のナビパック41を取得して(ステップS35)通常再生処理に移行する。
一方、ステップS31における判定において、タイムサーチ動作の指示する入力信号Sinが入力された場合には(ステップS31;YES)、次に、T秒後に対応するVOBユニット30の開始アドレス「FWDAy」を取得して記憶しておく(ステップS36)。そして、「T×2」の値(アドレス番号(図10参照)に相当する。)が15以下であるか否かが判定される(ステップS37)。
ステップS37における判定において、「T×2」の値が15以下であった場合には(ステップS37;YES)、アドレス番号を示すパラメータnを「T×2」と設定する(ステップS38)。その後、VOBユニットサーチ情報のVOBユニットアドレスAを参照して(0.5×n)秒後に再生するVOBユニット30の開始アドレスを示す「FWDAn」を設定する(ステップS39)。そして、ステップS39において設定した「FWDAn」の値に対応する存在情報Aを検出し、その値が「1」であるか否か、すなわち、当該「FWDAn」に対応するVOBユニット30内にビデオデータ42があるか否かが判定される(ステップS40)。
次に、ステップS40における判定において、「FWDAn」に対応するVOBユニット30内にビデオデータ42がない場合には(ステップS40;NO)、「FWDAn」に対応するVOBユニット30の前(時間的に先)のVOBユニット30を検索してビデオデータ42が記録されているVOBユニット30を検索すべくnの値を一だけデクリメントし(ステップS41)、nが「0」でなければ(ステップS42;NO)デクリメントしたnの値でステップS39以降の動作を行うべくステップS39に戻る。
一方、ステップS42において、nが「0」であれば(ステップS42;YES)、図14のステップS12においてnが「0」である場合と同様の意味(既述)を有し、タイムサーチ動作を指示する入力信号Sinが入力されたときからT秒後までの間に対応するDVD1上にビデオデータ42を含むVOBユニット30が存在しないこととなるので、タイムサーチ動作を指示する入力信号Sinが入力されていたタイミングで再生していたVOBユニット30に含まれる最後の1フレームがT秒後の再生すべき映像であることとなる。よって、タイムサーチ動作を指示する入力信号Sinが入力されていたタイミングで再生していたVOBユニット30に対応するフレーム映像を再生し(ステップS43)、次にステップS35において記憶しておいたT秒後に対応するVOBユニット30(ビデオデータ42以外のT秒後に再生すべきオーディオデータ43等が含まれている。)の開始アドレス「FWDAy」に対応するアドレスを読み出してそのアドレスをサーチするためピックアップ80を移動させ(ステップS44)その記録位置のVOBユニット30のナビパック41を取得し(ステップS45)、通常再生を行う(ステップS30)。
一方、ステップS40における判定において、「FWDAn」に対応するVOBユニット30内にビデオデータ42が存在する場合には(ステップS40;YES)、「FWDAn」に対応するVOBユニット30の開始アドレスを「FWDAx」に相当する開始アドレスとして設定し直す(ステップS46)。
そして、「FWDAx」に対応するVOBユニット30の開始アドレスと、ステップS35で設定した「FWDAy」に対応するVOBユニット30の開始アドレスとが等しいか否かを判定し(ステップS47)、等しい場合には(ステップS47;YES)当該「FWDAx」に対応するVOBユニット30が入力されたT秒後に再生すべきVOBユニット30であって、且つビデオデータ42を含むVOBユニット30であるので、上記ステップS44及びS45を実行して通常再生処理に戻る(ステップS30)。
一方、「FWDAx」に対応するVOBユニット30の開始アドレスと、「FWDAy」に対応するVOBユニット30の開始アドレスとが等しくない場合には(ステップS47;NO)、「FWDAy」に対応するVOBユニット30よりDVD1上で手前(時間的に前)に記録されていることとなる「FWDAx」に対応するVOBユニット30にT秒後に再生すべきビデオデータ42が含まれていることとなるので、その開始アドレス「FWDAx」に対応するアドレスを読み出してそのアドレスをサーチするためピックアップ80を移動させ(ステップS48)その記録位置のVOBユニット30のナビパック41を取得し(ステップS49)、当該VOBユニット30に含まれるビデオデータ42(すなわち、T秒後に再生すべきビデオデータ42)を再生し(ステップS50)、その後ステップS44及びS45を実行して通常再生処理に戻る(ステップS30)。
次に、ステップS37における判定において、「T×2」の値が15以下でない場合には(ステップS37;NO)、次に、「T×2」の値が15より大きく20以下であるか否かが判定される(ステップS51)。
そして、「T×2」の値が15より大きく20以下である場合には(ステップS51;YES)、「FWDA20」に対応するVOBユニット30の開始アドレスを取得して記憶しておく(ステップS52)。そして、「T×2」の値が「20」であり、且つ、「FWDA20」に対応する存在情報Aが「1」であるか否かが判定される(ステップS53)。
ステップS53における判定において、「T×2」の値が「20」であり、且つ、「FWDA20」に対応する存在情報Aが「1」である場合には(ステップS53;YES)、タイムサーチすべき映像及び音声が10秒後の映像及び音声であり、かつ10秒後に再生すべきVOBユニット30にビデオデータ42が記録されていることとなるので、当該VOBユニット30(「FWDA20」に対応する。)から再生を開始すべくステップS44に移行する。
一方、ステップS53における判定において、「T×2」の値が「20」であり、且つ、「FWDA20」に対応する存在情報Aが「1」でない場合には(ステップS53;NO)、「FWDA20」に対応するVOBユニット30にはビデオデータ42が記録されていないので、当該「FWDA20」に対応するVOBユニット30と「FWDA15」に対応するVOBユニット30の間にあり、且つビデオデータ42が記録されているVOBユニット30を存在の有無を判断すべく「FWDA20」に対応する存在情報Bを確認し、それが「1」であるか否かを判定する(ステップS54)。そして、「FWDA20」に対応する存在情報Bが「1」でない場合には(ステップS54;NO)、「FWDA15」に対応するVOBユニット30の次のVOBユニット30から「FWDA20」に対応するVOBユニット30の一つ手前のVOBユニット30までにビデオデータ42を記録したVOBユニット30が存在しないこととなるので、アドレス番号が15以下の範囲でビデオデータ42を記録したVOBユニット30を検索すべく、パラメータn(アドレス番号を示す。)を「15」に設定し(ステップS55)、ステップS39に移行して、以降、存在情報Aに基づいてビデオデータ42を有するVOBユニット30を検索し、当該VOBユニット30から映像を再生する(ステップS39乃至S50)。
一方、ステップS54における判定において、「FWDA20」に対応する存在情報Bが「1」である場合には(ステップS54;YES)、「FWDA15」に対応するVOBユニット30の次のVOBユニット30から「FWDA20」に対応するVOBユニット30の一つ手前のVOBユニット30までの間にビデオデータ42を記録したVOBユニット30が存在することとなるので、当該ビデオデータ42を記録したVOBユニット30を検索するため、「FWDA15」に対応するVOBユニット30を検索する(ステップS56)。そして、当該「FWDA15」に対応するVOBユニット30のナビパック41を取得し(ステップS57)、当該ナビパック41に記録されているVOBユニットサーチ情報(図10参照)の中の存在情報A及びVOBユニットアドレスAに基づいて、「FWDA15」に対応するVOBユニット30と「FWDA20」に対応するVOBユニット30との間で、T秒後に再生すべきビデオデータ42を含むVOBユニット30の開始アドレスを検索し、それを「FWDAx」とする(ステップS58)。その後は、上記ステップS47乃至S50及びステップS44及びS45の動作を行って、T秒後に再生すべきビデオデータ42を再生すると共に(ステップS50)、T秒後に再生すべきVOBユニット30内に記録されているデータを読み出して(ステップS44及びS45)、そこから通常再生を行う(ステップS30)。
一方、ステップS51における判定において、「T×2」の値が15より大きく20以下でないときには(ステップS51;NO)、次に、「T×2」の値が20より大きく60以下であるか否かが判定される(ステップS59)。
そして、「T×2」の値が20より大きく60以下である場合には(ステップS59;YES)、「FWDA60」に対応するVOBユニット30の開始アドレスを取得して記憶しておく(ステップS60)。そして、「T×2」の値が「60」であり、且つ、「FWDA60」に対応する存在情報Aが「1」であるか否かが判定される(ステップS61)。
ステップS61における判定において、「T×2」の値が「60」であり、且つ、「FWDA60」に対応する存在情報Aが「1」である場合には(ステップS61;YES)、タイムサーチすべき映像及び音声が30秒後の映像及び音声であり、かつ30秒後に再生すべきVOBユニット30にビデオデータ42が記録されていることとなるので、当該VOBユニット30(「FWDA60」に対応する。)から再生を開始すべくステップS44に移行する。
一方、ステップS61における判定において、「T×2」の値が「60」であり、且つ、「FWDA60」に対応する存在情報Aが「1」でない場合には(ステップS61;NO)、「FWDA60」に対応するVOBユニット30にはビデオデータ42が記録されていないので、当該「FWDA60」に対応するVOBユニット30と「FWDA20」に対応するVOBユニット30の間にあり、且つビデオデータ42が記録されているVOBユニット30を存在の有無を判断すべく「FWDA60」に対応する存在情報Bを確認し、それが「1」であるか否かを判定する(ステップS62)。そして、「FWDA60」に対応する存在情報Bが「1」でない場合には(ステップS62;NO)、「FWDA20」に対応するVOBユニット30の次のVOBユニット30から「FWDA60」に対応するVOBユニット30の一つ手前のVOBユニット30までにビデオデータ42を記録したVOBユニット30が存在しないこととなるので、アドレス番号が20以下の範囲でビデオデータ42を記録したVOBユニット30を検索すべく、ステップS52へ移行する。
一方、ステップS62における判定において、「FWDA60」に対応する存在情報Bが「1」である場合には(ステップS62;YES)、「FWDA20」に対応するVOBユニット30の次のVOBユニット30から「FWDA60」に対応するVOBユニット30の一つ手前のVOBユニット30までの間にビデオデータ42を記録したVOBユニット30が存在することとなるので、当該ビデオデータ42を記録したVOBユニット30を検索するため、「FWDA20」に対応するVOBユニット30を検索する(ステップS63)。そして、当該「FWDA20」に対応するVOBユニット30のナビパック41を取得し(ステップS64)、当該ナビパック41に記録されているVOBユニットサーチ情報(図10参照)の中のVOBユニットアドレスA並びに存在情報A及び存在情報Bに基づいて、「FWDA20」に対応するVOBユニット30と「FWDA60」に対応するVOBユニット30との間で、T秒後に再生すべきビデオデータ42を含むVOBユニット30の開始アドレスを検索し、それを「FWDAx」とする(ステップS65)。その後は、上記ステップS47乃至S50及びステップS44及びS45の動作を行って、T秒後に再生すべきビデオデータ42を再生すると共に(ステップS50)、T秒後に再生すべきVOBユニット30内に記録されているデータを読み出して(ステップS44及びS45)、そこから通常再生を行う(ステップS30)。
また、ステップS59における判定において、「T×2」の値が20より大きく60以下でないときには(ステップS59;NO)、「T×2」の値が60より大きく120以下であるか否かが判定される(ステップS66)。
そして、「T×2」の値が60より大きく120以下である場合には(ステップS66;YES)、「FWDA120」に対応するVOBユニット30の開始アドレスを取得して記憶しておく(ステップS67)。そして、「T×2」の値が「120」であり、且つ、「FWDA120」に対応する存在情報Aが「1」であるか否かが判定される(ステップS68)。
ステップS68における判定において、「T×2」の値が「120」であり、且つ、「FWDA120」に対応する存在情報Aが「1」である場合には(ステップS68;YES)、タイムサーチすべき映像及び音声が60秒後の映像及び音声であり、かつ60秒後に再生すべきVOBユニット30にビデオデータ42が記録されていることとなるので、当該VOBユニット30(「FWDA120」に対応する。)から再生を開始すべくステップS44に移行する。
一方、ステップS68における判定において、「T×2」の値が「120」であり、且つ、「FWDA120」に対応する存在情報Aが「1」でない場合には(ステップS68;NO)、「FWDA120」に対応するVOBユニット30にはビデオデータ42が記録されていないので、当該「FWDA120」に対応するVOBユニット30と「FWDA60」に対応するVOBユニット30の間にあり、且つビデオデータ42が記録されているVOBユニット30の存在の有無を判断すべく「FWDA120」に対応する存在情報Bを確認し、それが「1」であるか否かを判定する(ステップS69)。そして、「FWDA120」に対応する存在情報Bが「1」でない場合には(ステップS69;NO)、「FWDA60」に対応するVOBユニット30の次のVOBユニット30から「FWDA120」に対応するVOBユニット30の一つ手前のVOBユニット30までにビデオデータ42を記録したVOBユニット30が存在しないこととなるので、アドレス番号が60以下の範囲でビデオデータ42を記録したVOBユニット30を検索すべく、ステップS60へ移行する。
一方、ステップS69における判定において、「FWDA120」に対応する存在情報Bが「1」である場合には(ステップS69;YES)、「FWDA60」に対応するVOBユニット30の次のVOBユニット30から「FWDA120」に対応するVOBユニット30の一つ手前のVOBユニット30までの間にビデオデータ42を記録したVOBユニット30が存在することとなるので、当該ビデオデータ42を記録したVOBユニット30を検索するため、「FWDA60」に対応するVOBユニット30を検索する(ステップS70)。そして、当該「FWDA60」に対応するVOBユニット30のナビパック41を取得し(ステップS71)、当該ナビパック41に記録されているVOBユニットサーチ情報(図10参照)の中のVOBユニットアドレスA並びに存在情報A及び存在情報Bに基づいて、「FWDA60」に対応するVOBユニット30と「FWDA120」に対応するVOBユニット30との間で、T秒後に再生すべきビデオデータ42を含むVOBユニット30の開始アドレスを検索し、それを「FWDAx」とする(ステップS72)。その後は、上記ステップS47乃至S50及びステップS44及びS45の動作を行って、T秒後に再生すべきビデオデータ42を再生すると共に(ステップS50)、T秒後に再生すべきVOBユニット30内に記録されているデータを読み出して(ステップS44及びS45)、そこから通常再生を行う(ステップS30)。
一方、ステップS66における判定において、「T×2」の値が60より大きく120以下でないときには(ステップS66;NO)、次に、「T×2」の値が120より大きく240以下であるか否かが判定される(ステップS73)。
そして、「T×2」の値が120より大きく240以下である場合には(ステップS73;YES)、「FWDA240」に対応するVOBユニット30の開始アドレスを取得して記憶しておく(ステップS74)。そして、「T×2」の値が「240」であり、且つ、「FWDA240」に対応する存在情報Aが「1」であるか否かが判定される(ステップS75)。
ステップS75における判定において、「T×2」の値が「240」であり、且つ、「FWDA240」に対応する存在情報Aが「1」である場合には(ステップS75;YES)、タイムサーチすべき映像及び音声が120秒後の映像及び音声であり、かつ120秒後に再生すべきVOBユニット30にビデオデータ42が記録されていることとなるので、当該VOBユニット30(「FWDA240」に対応する。)から再生を開始すべくステップS44に移行する。
一方、ステップS75における判定において、「T×2」の値が「240」であり、且つ、「FWDA240」に対応する存在情報Aが「1」でない場合には(ステップS75;NO)、「FWDA240」に対応するVOBユニット30にはビデオデータ42が記録されていないので、当該「FWDA240」に対応するVOBユニット30と「FWDA120」に対応するVOBユニット30の間にあり、且つビデオデータ42が記録されているVOBユニット30の存在の有無を判断すべく「FWDA240」に対応する存在情報Bを確認し、それが「1」であるか否かを判定する(ステップS76)。そして、「FWDA240」に対応する存在情報Bが「1」でない場合には(ステップS76;NO)、「FWDA120」に対応するVOBユニット30の次のVOBユニット30から「FWDA240」に対応するVOBユニット30の一つ手前のVOBユニット30までにビデオデータ42を記録したVOBユニット30が存在しないこととなるので、アドレス番号が120以下の範囲でビデオデータ42を記録したVOBユニット30を検索すべく、ステップS67へ移行する。
一方、ステップS76における判定において、「FWDA240」に対応する存在情報Bが「1」である場合には(ステップS76;YES)、「FWDA120」に対応するVOBユニット30の次のVOBユニット30から「FWDA240」に対応するVOBユニット30の一つ手前のVOBユニット30までの間にビデオデータ42を記録したVOBユニット30が存在することとなるので、当該ビデオデータ42を記録したVOBユニット30を検索するため、「FWDA120」に対応するVOBユニット30を検索する(ステップS77)。そして、当該「FWDA120」に対応するVOBユニット30のナビパック41を取得し(ステップS78)、当該ナビパック41に記録されているVOBユニットサーチ情報(図10参照)の中のVOBユニットアドレスA並びに存在情報A及び存在情報Bに基づいて、「FWDA120」に対応するVOBユニット30と「FWDA240」に対応するVOBユニット30との間で、T秒後に再生すべきビデオデータ42を含むVOBユニット30の開始アドレスを検索し、それを「FWDAx」とする(ステップS79)。その後は、上記ステップS47乃至S50及びステップS44及びS45の動作を行って、T秒後に再生すべきビデオデータ42を再生すると共に(ステップS50)、T秒後に再生すべきVOBユニット30内に記録されているデータを読み出して(ステップS44及びS45)、そこから通常再生を行う(ステップS30)。
一方、ステップS73における判定において、「T×2」の値が120より大きく240以下でない場合には(ステップS73;NO)、「T×2」の値が240より大きいこととなり、図10に示すVOBユニットサーチ情報では、タイムサーチ情報が行えないので、更に広範囲の再生時間について夫々の再生時間における再生すべきビデオデータ42を含むVOBユニット30の開始アドレスを記述したタイムサーチマップを用いたタイムサーチ処理を行う(ステップS80)。
以上説明した図16及び図17に示す動作により、VOBユニットサーチ情報の中の存在情報A及びBを用いたタイムサーチ動作が実行される。以上説明したように、再生装置S2によれば、VOBユニットサーチ情報内に存在情報A及びBが記録されているので、再生すべきビデオデータ42を迅速に検索して再生することができる。
更に、DVD1上に動画及び静止画に対応するビデオデータ42が記録されており、映像データのないVOBユニット30が複数存在するときでも、次に再生すべき動画又は静止画を迅速に検索して再生することができると共に、ビデオデータ42の再生を途切れることなく行うことができる。