JP4342048B2 - Antibiotics tuberacutomycin B, D and E and methods for their production - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は抗菌活性を有する新規な抗生物質であるツベラクトマイシンB、ツベラクトマイシンDおよびツベラクトマイシンEに関し、またこれらのツベラクトマイシンB、DおよびEの製造法に関する。さらに本発明は、これらのツベラクトマイシンB、D、Eまたはその塩を有効成分とする抗菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
細菌感染症の化学療法、特に抗酸性菌の感染症の化学療法においてリファンピシン、カナマイシン、ストレプトマイシン、カプレオマイシン、サイクロセリン等の抗生物質が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
細菌感染症の化学療法において、細菌が薬剤耐性になることは重大な問題である。特に抗酸性菌感染症の化学療法においてリファンピシン、カナマイシン、ストレプトマイシン、カプレオマイシン、エンビロマイシン、サイクロセリン等に耐性な抗酸性菌が出現し社会的問題となっており、薬剤耐性抗酸性菌による感染症に有効な化学療法剤が強く望まれている。そのため、従来使用されている既知の抗生物質とは異なる化学構造を有し、且つ優れた抗菌活性と性質を示す新しい化合物の発見または創製が強く望まれている。本発明は、上記の要望に応える優れた抗菌活性を持つ新規な抗生物質を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
既に本発明者らは、ノカルディア・エスピーMK703-102F1株により生産されて抗酸性菌に対し強い抗菌力を示す抗生物質ツベラクトマイシン(特願平10-15388号、1998年1月28日出願)を見い出している。
【0005】
ツベラクトマイシンは次式(A)
で表される化合物である。
【0006】
さらに、本発明者らは有用な抗生物質を発見すべく研究を行い、その結果、ノカルディア属に属するツベラクトマイシン生産菌により新しい構造骨格を有する3種の抗生物質が前記のツベラクトマイシンとは別個に生産されていることを今回、見い出した。これらの3種の新しい抗生物質が抗酸性菌並びにその薬剤耐性菌に抗菌活性を示すことを見い出した。さらに研究を続けてこれら3種の抗生物質を分析することにより、それらの化学構造を決定した。そしてそれら3つの抗生物質がツベラクトマイシンと共通な骨格を有するが新規な化合物であることを確認し、それぞれに後記の式(I)、(II)および(III)により表せることを知見し、ツベラクトマイシンB、ツベラクトマイシンDおよびツベラクトマイシンEと命名した。
【0007】
本発明は、ノカルディア属に属する微生物を培養して得られ、本発明者らによりツベラクトマイシンB、ツベラクトマイシンDおよびツベラクトマイシンEとそれぞれ命名された新規物質を提供するものであり、またそれらの製造法について提供するものである。さらに、本発明は、ツベラクトマイシンB、ツベラクトマイシンDおよびツベラクトマイシンEまたはそれらの塩を有効成分とする抗菌剤を提供するものである。
【0008】
すなわち、第1の本発明によると、次式(I)
で表される抗生物質ツベラクトマイシンBが提供される。
【0009】
本発明による式(I)のツベラクトマイシンBの理化学的性状は、次の通りである。
(1)外観
無色粉末
(2)分子式
C29H44O4
(3)高分解能質量分析(HRFABMS:陽イオンモード)
実験値 456.3242 (M)+
計算値 456.3240
(4)比旋光度
[α] D 25 +85.4゜ (c 0.63、MeOH)
(5)紫外線吸収スペクトル(メタノール中)
λmax nm (ε):233 (21,500, sh), 240 (28,800), 248 (16,900, sh)添付図面の図1に示す。
(6)赤外線吸収スペクトル
添付図面の図2に示す通り。
(7)プロトン核磁気共鳴スペクトル
500MHzにおいて重アセトン中で室温にて測定したプロトンNMRスペクトルは、添付図面の図3に示す通りである。
【0010】
(8)炭素13核磁気共鳴スペクトル
125MHzにおいて重クロロホルム中で室温にて測定した炭素13NMRスペクトルは、添付図面の図4に示す通り。
(9)溶解性
メタノール、アセトンに可溶で水に不溶である。
(10)TLC
シリカゲル60F254(メルク社製)の薄層クロマトグラフィー上でクロロホルム:メタノール:酢酸(10:1:0.1)の溶媒で展開したときのRf値は0.67である。
【0011】
また、第2の本発明によると、次式(II)
で表される抗生物質ツベラクトマイシンDおよびその製薬学的に許容できる塩が提供される。
【0012】
本発明のツベラクトマイシンDは、酸性物質であり、その製薬学的に許容できる塩としては第4級アンモニウム塩などの有機塩基との塩、あるいは各種金属との塩、例えばナトリウムのようなアルカリ金属との塩がある。
【0013】
本発明による式(II)のツベラクトマイシンDの理化学的性状は、次の通りである。
(1)外観
無色粉末
(2)分子式
C29H42O7
(3)高分解能質量分析(HRFABMS:陽イオンモード)
実験値 503.3020 (M+H)+
計算値 503.3009
(4)比旋光度
[α] D 25 +91.3゜ (c 0.62、MeOH)
(5)紫外線吸収スペクトル(メタノール中)
λmax nm (ε):234 (27,500, sh), 239 (28,700), 249 (19,500, sh)添付図面の図5に示す。
(6)赤外線吸収スペクトル
添付図面の図6に示す通り。
(7)プロトン核磁気共鳴スペクトル
500MHzにおいて重アセトン中で室温にて測定したプロトンNMRスペクトルは、添付図面の図7に示す通りである。
【0014】
(8)炭素13核磁気共鳴スペクトル
125MHzにおいて重アセトン中で室温にて測定した炭素13NMRスペクトルは、添付図面の図8に示す通り。
(9)溶解性
メタノール、アセトンに可溶で水に不溶である。
(10)TLC
シリカゲル60F254(メルク社製)の薄層クロマトグラフィー上でクロロホルム:メタノール:酢酸(10:1:0.1)の溶媒で展開したときのRf値は0.28である。
【0015】
また、第3の本発明によると、次式(III)
で表される抗生物質ツベラクトマイシンEおよびその製薬学的に許容できる塩が提供される。
【0016】
本発明のツベラクトマイシンEは、酸性物質であり、その製薬学的に許容できる塩としては第4級アンモニウム塩などの有機塩基との塩、あるいは各種金属との塩、例えばナトリウムのようなアルカリ金属との塩がある。
【0017】
本発明による式(III)のツベラクトマイシンEの理化学的性状は、次の通りである。
(1)外観
無色粉末
(2)分子式
C29H42O7
(3)高分解能質量分析(HRFABMS:陽イオンモード)
実験値 503.2996 (M+H)+
計算値 503.3009
(4)比旋光度
[α] D 25 +94.5゜ (c 0.53、MeOH)
(5)紫外線吸収スペクトル(メタノール中)
λmax nm (ε):234 (29,000, sh), 239 (29,600), 249 (19,900, sh)添付図面の図9に示す。
(6)赤外線吸収スペクトル
添付図面の図10に示す通り。
(7)プロトン核磁気共鳴スペクトル
500MHzにおいて重アセトン中で室温にて測定したプロトンNMRスペクトルは、添付図面の図11に示す通りである。
【0018】
(8)炭素13核磁気共鳴スペクトル
125MHzにおいて重アセトン中で室温にて測定した炭素13NMRスペクトルは、添付図面の図12に示す通り。
(9)溶解性
メタノール、アセトンに可溶で水に不溶である。
(10)TLC
シリカゲル60F254(メルク社製)の薄層クロマトグラフィー上でクロロホルム:メタノール:酢酸(10:1:0.1)の溶媒で展開したときのRf値は0.36である。
【0019】
本発明による抗生物質ツベラクトマイシンB、DおよびEがそれぞれに前記の式(I)、(II)および(III)で示される化学構造を有することは、プロトンNMR、炭素13NMRスペクトル等の分析を詳細に検討することにより前記の通り決定された。
【0020】
本発明による式(I)、(II)および(III)で表されるツベラクトマイシンB、DおよびEは後記の生物学的性質を有する。
すなわち、ツベラクトマイシンB、ツベラクトマイシンDおよびツベラクトマイシンEは、薬剤耐性菌を含む抗酸性菌に対して抗菌活性を示す。
【0021】
試験例1
各種の微生物に対するツベラクトマイシンBの抗菌スペクトルは日本化学療法学会標準法に基づき、1%グリセリン加普通寒天培地上で倍数希釈法によって測定した。その結果を表1に示す。
【0022】
試験例2
各種の微生物に対するツベラクトマイシンDの抗菌スペクトルは日本化学療法学会標準法に基づき、1%グリセリン加普通寒天培地上で倍数希釈法によって測定した。その結果を表2に示す。
【0023】
試験例3
各種の微生物に対するツベラクトマイシンEの抗菌スペクトルは日本化学療法学会標準法に基づき、1%グリセリン加普通寒天培地上で倍数希釈法によって測定した。その結果を表3に示す。
【0024】
さらに、第4の本発明によると、ノカルディア属に属して前記の式(I)、(II)および(III)で表されるツベラクトマイシンB、DおよびEの少くとも一つを生産する生産菌を培養し、その培養物から、これらツベラクトマイシンB、DおよびEの少くとも一つを採取することを特徴とする、式 (I)、(II)および(III)の抗生物質ツベラクトマイシンB、Dおよび(または)Eの製造法が提供される。
【0025】
第4の本発明の方法で使用する抗生物質ツベラクトマイシンB、D、Eの少くとも一つを生産する生産菌(以下、単にツベラクトマイシンB、D、E生産菌ということがある)は、前述した理化学的性質および生物学的性質を示す抗生物質を生産する能力を有するものであれば、その種を問わず使用でき広範な微生物から選ぶことができる。かかる微生物のうち、抗生物質ツベラクトマイシンB、D、E生産菌の具体的な好適の一例は、本発明者らにより平成9年2月、微生物化学研究所において、長野県諏訪市の土壌より分離された放線菌で、MK703-102F1の菌株番号が付された菌株である。
【0026】
以下にMK703-102F1株の菌学的諸性質について記載する。
MK703-102F1株の菌学的性状
l.形態
基生菌糸はよく分枝し、分断が認められる。気菌糸は、直状あるいは不規則ならせん状に伸長し、円筒形〜長円形の胞子状に分断する。その表面は平滑で、大きさは約0.4〜0.6×0.8〜1.8ミクロンである。輪生枝、菌束糸、胞子のうおよび運動性胞子は認められない。
【0027】
2.各種培地における生育状態
色の記載について[ ]内に示す標準は、コンティナー・コーポレーション・オブ・アメリカのカラー・ハーモニー・マニュアル(Container Corporation of Americaのcolor harmony manual)を用いた。
(1)シュクロース・硝酸塩寒天培地(27℃培養)
無色の発育上に、白の気菌糸をうっすらと着生して、溶解性色素は認められない。
(2)グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP−培地5、27℃培養)
うす黄[2 ec, Sand]〜うす茶[3 ie, Camel]の発育上に、茶白[2 ba, Pearl]の気菌糸を着生し、溶解性色素は、かすかにうす赤紫を帯びる。
(3)スターチ・無機塩寒天培地(ISP−培地4、27℃培養)
無色の発育上に、白の気菌糸をうっすらと着生し、溶解性色素は認められない。
【0028】
(4)チロシン寒天培地(ISP−培地7、27℃培養)
うす黄[2 ec, Sand]〜うす茶[3 ie, Camel]の発育上に、茶白[2 ba, Pearl]の気菌糸を着生し、溶解性色素は認められない。
(5)イースト・麦芽寒天培地(ISP−培地2、27℃培養)
うす黄[2 ec, Sand]〜うす茶[3 ie, Camel]の発育上に、茶白[2 ba, Pearl]の気菌糸を着生し、溶解性色素は認められない。
(6)オートミール寒天培地(ISP−培地3、27℃培養)
無色の発育上に、白の気菌糸をうっすらと着生し、溶解性色素は認められない。
【0029】
3.生理的性質
(1)生育温度範囲
グルコース・アスパラギン寒天培地(グルコース 1.0%、L−アスパラギン 0.05%、リン酸水素二カリウム 0.05%、ひも寒天 2.5%、pH7.0)を用い、l0℃、20℃、24℃、27℃、30℃、37℃、45℃および50℃の各温度で試験した結果、 l0℃、45℃および50℃での生育は認められず、20℃〜37℃の範囲で生育した。生育至適温度は30℃付近である。
(2)スターチの加水分解(スターチ・無機塩寒天培地、ISP−培地4、27℃培養)
スターチの加水分解は認められない。
(3)メラニン様色素の生成(トリプトン・イースト・ブロス、ISP−培地1;ペプトン・イースト・鉄寒天培地、ISP−培地6;チロシン寒天培地、ISP−培地7; いずれも27℃培養)
いずれの培地においても陰性である。
【0030】
(4)炭素源の利用性(プリドハム・ゴトリーブ寒天培地、ISP−培地9;27℃培養)
D−グルコース、L−アラビノース、D−フルクトース、D−マンニトールを利用して発育し、D−キシロース、シュクロース、イノシトール、ラムノース、ラフィノースは利用しない。
(5)硝酸塩の還元反応(0.1%硝酸カリウム含有ペプトン水、ISP−培地8;27℃培養)
陽性である。
【0031】
4.菌体成分
(1)細胞壁組成
メソ型の2、6−ジアミノピメリン酸を含有する。
(2)全菌体中の還元糖
アラビノース、ガラクトースを含み、A型である。
(3)イソプレノイド・キノン
主要なメナキノンとしてMK−8(H4)および少量のMK−8(H2)を含有する。(4)ミコール酸
含有する。
(5)脂肪酸
16:0(ヘキサデカン酸) を主成分とし、18:1(オクタデセン酸)、10-methyl-18:0(10―メチル オクタデカン酸)、16:1(ヘキサデセン酸)および18:0(オクタデカン酸)を含有する。
【0032】
以上の性状を要約すると、MK703-102F1株は、その形態上、基生菌糸はよく分枝し、分断を認める。気菌糸は直状あるいは不規則な らせん状に伸長し、円筒形〜長円形の胞子状に分断する。輪生枝、菌束糸、胞子のうおよび運動性胞子は認められない。種々の培地で、無色〜うす黄〜うす茶の発育上に白〜茶白の気菌糸を着生する。溶解性色素は、一、二の培地でブドウ酒色の色素を認める。メラニン様色素は生成せず、スターチの水解性は認められない。
【0033】
MK703-102F1株の菌体成分は、細胞壁にメソ型の2、6-ジアミノピメリン酸を含有し、全菌体中の還元糖はA型である。主要なメナキノンはMK−8(H4)である。ミコール酸を含有する。脂肪酸は16:0、18:1、10-methyl-18:0、16:1および18:0を含有する。
【0034】
以上の結果より、MK703-102F1株はノカルディア(Nocardia、文献、Bergey's Manual of Systematic Bacteriology、4巻、2350−2361頁、1989年)属に属するものと考えられる。そこで、MK703-102F1株をノカルディア・エスピー(Nocardia sp.)MK703-102F1とする。
なお、MK703-102F1株を工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託申請し、平成10年1月14日、FERM P-16580として受託された。
【0035】
第4の本発明の方法においては、抗生物質ツベラクトマイシンB、DおよびEの製造は次の通り行われる。
すなわち、抗生物質ツベラクトマイシンB、D、Eの製造は、抗生物質ツベラクトマイシンB、D、E生産菌を栄養培地中に接種して、27℃の温度で好気的に振とうしながら培養することによって行われ、抗生物質ツベラクトマイシンB、D、Eを含む培養物が得られる。このような目的に用いる栄養培地としては、放線菌の培養に使用しうるものが使用される。栄養源として、例えば市販されているペプトン、大豆粉、酵母エキス、肉エキス、コーン・スティープ・リカー、硫酸アンモニウム等の窒素源が使用でき、また、グリセリン、でん粉、グルコース、ガラクトース、デキストリン等の炭水化物あるいは脂肪などの炭素源が使用できる。さらに食塩、炭酸カルシウム等の無機塩を添加して使用できる。その他必要に応じて微量の金属塩を添加することができる。これらのものは、抗生物質ツベラクトマイシンB、D、E生産菌が利用し、抗生物質ツベラクトマイシンB、D、Eの生産に役に立つものであればよく、公知の放線菌の培養材料はすべて用いることができる。
【0036】
本発明による抗生物質ツベラクトマイシンB、D、Eの生産には、ノカルディア属に属する抗生物質ツベラクトマイシンB、D、Eの生産能を有する微生物が使用される。具体的には、本発明者らの分離したノカルディア・エスピーMK703-102F1株が抗生物質ツベラクトマイシンならびにツベラクトマイシンB、DおよびEを生産することが本発明者らによって明らかにされているが、その他の菌株については、抗生物質生産菌の単離の常法によって自然界より分離することが可能である。また、ノカルディア・エスピーMK703-102F1株を含めて、抗生物質ツベラクトマイシンB、D、Eの生産菌を放射線照射その他、変異処理に付して抗生物質ツベラクトマイシンB、D、Eの生産能を高める余地も残っている。さらに遺伝子工学的手法によって抗生物質ツベラクトマイシンB、D、Eの生産能を高めることも可能である。
【0037】
本発明による抗生物質ツベラクトマイシンB、DおよびEは、ノカルディア属に属する抗生物質ツベラクトマイシンB、D、E生産菌を適当な培地で好気的に培養し、その培養液から目的のものを採取することによって製造することができる。その生産菌の培養温度は、抗生物質ツベラクトマイシンB、D、Eの生産菌の発育が実質的に阻害されずに、これらの物質を生産しうる範囲であれば、特に制約されるものでなく、使用する生産菌に応じて選択できるが、好ましくは、25−30℃の範囲内の温度を挙げることができる。ツベラクトマイシンB、D、Eの生産のための種母培地としては、寒天培地上、MK703-102F1株の斜面培養から得た生育物を使用する。
【0038】
このMK703-102F1株によるツベラクトマイシンB、D、Eの生産は通常では4ないし6日間で最高に達するが、一般に充分な抗菌活性が培地に付与されるまで続ける。この培養液中のツベラクトマイシンB、D、Eの力価の経時変化は、HPLC法またはマイコバクテリウム・スメグマティスあるいはマイコバクテリウム・バケを被検菌とする円筒平板法により測定できる。
【0039】
第4の本発明の方法においては、上記のようにして得られた培養物からツベラクトマイシンB、D、Eを採取するが、採取法としては微生物の生産する代謝物を採取するのに用いられる手段を適宜利用することができる。例えば、水と混ざらない溶媒による抽出の手段、各種吸着剤に対する吸着親和性の差を利用する手段、ゲルろ過、向流分配を利用したクロマトグラフィー等を単独または組み合わせて利用しツベラクトマイシンB、D、Eを採取できる。また、分離した菌体からは、適当な有機溶媒を用いた溶媒抽出法や菌体破砕による溶出法により菌体からツベラクトマイシンB、D、Eを抽出し上記と同様に単離精製して採取することができる。かくして、前記した新規な抗生物質ツベラクトマイシンB、DおよびEがそれぞれ単独に、または混合物として得られる。
【0040】
さらに、第5の本発明では、式(I)、(II)および(III)でそれぞれ表されるツベラクトマイシンB、DおよびEの少くとも一つ、またはその製薬学的に許容できる塩を有効成分とする抗菌剤が提供される。
【0041】
この抗菌剤においては、それの有効成分化合物を、製薬学的に許容できる常用の固体または液状担体、例えばエタノール、水、生理食塩水、でん粉等と混和して含有する組成物の形とすることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
抗生物質ツベラクトマイシンDおよびツベラクトマイシンEの製造と精製
まず、ガラクトース2.0%、デキストリン2.0%、グリセリン1.0%、バクトソイトン(ディフコ社製)1.0%、コーン・スティープ・リカー 0.5%、硫酸アンモニウム0.2%、炭酸カルシウム0.2 %を含む組成の液体培地(pH7.4に調整)を三角フラスコ(500ml容)に110mlずつ分注し、常法により120℃20分滅菌した。次に寒天斜面培地に培養したノカルディア・エスピーMK703-102F1株(FERM P-16580)を上記液体培地に接種し、30℃で3日間回転振とう培養し、種母培養液とした。
【0043】
生産培養のためには、澱粉2.0%、グルコース1.0%、酵母エキス0.5%、カザミノ酸0.5%、炭酸カルシウム0.4%を含む組成の液体培地(pH無調整)15リットルを、タンク培養槽(30リットル容)中で調製、滅菌し生産培地とした。この生産培地に、上記の種母培養液を2%量で接種し、27℃、通気量15リットル、撹拌器の回転200rpmの培養条件で6日間タンク培養した。
【0044】
このようにして得られた培養液、計150リットルを遠心分離して培養ろ液と菌体に分離した。この培養ろ液を、1 M塩酸でpH 2に調整した後、ダイヤイオンHP-20(三菱化学株式会社製)5リットルのカラムに通過させて、ツベラクトマイシン類を吸着した。このカラムを50%メタノ−ル水15リットルおよび100%アセトン15リットルで順次溶出した。ツベラクトマイシンならびにツベラクトマイシンD、Eは、100%アセトンで溶出され、この溶出液から減圧下でアセトンを溜去し57.0gの暗褐色油状物を得た。これらツベラクトマイシン類を含む暗褐色油状物から極性の低い物質を除くため、ヘキサン:アセトニトリル( 1:1)の溶媒、計1リットルに溶解し分配を行った。ツベラクトマイシン類は、アセトニトリル層(下層)に分配し、これを集め減圧下でアセトニトリルを溜去し30.0gのツベラクトマイシン類を含む暗褐色油状物を得た。
【0045】
この暗褐色油状物をシリカゲルカラム(内径54mm×長さ220mm)にのせ、クロロホルム(1500ml)、クロロホルム:メタノール( 9:1)(1500ml)、クロロホルム:メタノール:ギ酸( 9:1:0.05)(1500ml)の溶媒で順次クロマトグラフィーを行った。フラクションコレクタ−で20gずつ分画すると、活性画分は二つに別れ、フラクション111〜133およびフラクション187〜211に溶出された。フラクション111〜133の画分には、ツベラクトマイシンおよびツベラクトマイシンEが含有され、また、フラクション187〜211の画分には、ツベラクトマイシンDが含有されていた。
【0046】
ツベラクトマイシンおよびツベラクトマイシンEを含む画分、フラクション111〜133を集め、減圧下で濃縮乾固すると15.4gの褐色油状物を得た。この褐色油状物をシリカゲルカラム(内径54mm×長さ220mm)にのせ、クロロホルム:濃アンモニア水( 100:0.5)(1000ml)、クロロホルム:メタノール( 9:1)(1000ml)、クロロホルム:メタノール:ギ酸( 9:1:0.05)(1000ml)の溶媒で順次クロマトグラフィーを行った。フラクションコレクタ−で20gずつ分画するとツベラクトマイシンおよびツベラクトマイシンEを含む画分は、フラクション160〜181に溶出され、これを集めて減圧下で濃縮乾固し、4.0gの褐色物を得た。この褐色物を酢酸エチル300mlに溶かし、希塩酸水で洗浄した後、酢酸エチル層を集め減圧下で濃縮乾固し1.0gのツベラクトマイシンおよびツベラクトマイシンEを含む褐色油状物を得た。
【0047】
ついでこの褐色油状物を、少量の酢酸エチルに溶かした後、遠心液液分配クロマトグラフィ−(カラム容量125ml)を酢酸エチル:10mMリン酸1水素2ナトリウム水( 1:1)の溶媒で固定層として上層、移動層として下層を用いて行った。フラクションコレクタ−で6mlずつ分画し、フラクション145本目より反転溶出したところ、ツベラクトマイシンEは、フラクション84〜116に溶出され、また、ツベラクトマイシンはフラクション146〜151に溶出された。ツベラクトマイシンEを含むフラクション84〜116を集め、減圧下で濃縮乾固すると50.4mgの淡褐色油状物を得た。また、ツベラクトマイシンのフラクション146〜151を集め、減圧下で濃縮乾固して無色粉末のツベラクトマイシンを531mg得た。
【0048】
ツベラクトマイシンEを含む淡褐色油状物は、さらにセファデックスLH-20(ファルマシア社)カラム(内径18mm×長さ200mm)を用いてクロマトグラフィーを行った。フラクションコレクタ−で2gずつ分画するとツベラクトマイシンEは、フラクション7〜8にかけ溶出され、これを集めて、減圧下で濃縮乾固することにより無色粉末の純粋なツベラクトマイシンEを31.8mg得た。
【0049】
また他方、ツベラクトマイシンDが含有されている画分、すなわち前述のフラクション187〜211は、減圧下で濃縮乾固し1.45gの暗褐色油状物を得た。これを少量の酢酸エチルに溶かした後、遠心液液分配クロマトグラフィ−(カラム容量125ml)を酢酸エチル:10mMリン酸1水素2ナトリウム水( 1:1)の溶媒系で、固定層として上層、移動層として下層を用いて行った。フラクションコレクタ−で6mlずつ分画し、フラクション50本目より反転溶出したところ、ツベラクトマイシンDは、フラクション50〜53にかけ溶出した。ツベラクトマイシンDを含む画分フラクション50〜53を集め、減圧下で濃縮乾固し113.4mgの赤褐色油状物を得た。この赤褐色油状物をシリカゲル薄層クロマト(シリカゲル60F254、メルク社製)にかけ、展開溶媒としてクロロホルム:メタノール( 4:1)の混合溶媒系で展開したところツベラクトマイシンDのRf値は、0.52〜0.39であった。このRf 0.52〜0.39のバンドを集め、クロロホルム:エタノ−ル( 1:1)で溶出し、減圧下で濃縮乾固し無色粉末のツベラクトマイシンDを54.1mg得た。
【0050】
さらに、このツベラクトマイシンDをセファデックスLH-20(ファルマシア社)カラム(内径18mm×長さ200mm)でクロマトグラフィーを行い、フラクションコレクタ−で1gずつ分画したところ、ツベラクトマイシンDは、フラクション12〜14にかけ溶出した。これを集め、減圧下で濃縮乾固することにより無色粉末の純粋なツベラクトマイシンDを43.9mg得た。
【0051】
実施例2
抗生物質ツベラクトマイシンBの製造と精製
まず、ガラクトース2.0%、デキストリン2.0%、グリセリン1.0%、バクトソイトン(ディフコ社製)1.0%、コーン・スティープ・リカー 0.5%、硫酸アンモニウム0.2%、炭酸カルシウム0.2 %を含む組成の液体培地(pH7.4に調整)を三角フラスコ(500ml容)に110mlずつ分注し、常法により120℃20分滅菌した。次に寒天斜面培地に培養したノカルディア・エスピーMK703-102F1株(FERM P-16580)を上記液体培地に接種し、30℃で3日間回転振とう培養し、種母培養液とした。
【0052】
生産培養のためには、澱粉2.0%、グルコース1.0%、酵母エキス0.5%、カザミノ酸0.5%、炭酸カルシウム0.4%を含む組成の液体培地(pH無調整)15リットルをタンク培養槽(30リットル容)中で調製、滅菌し生産培地とした。この生産培地に、上記の種母培養液を2%量で接種し、27℃、通気量15リットル、撹拌器の回転200rpmの培養条件で6日間タンク培養した。
【0053】
このようにして得られた培養液、計150リットルを遠心分離して培養ろ液と菌体に分離した。この菌体に5リットルのメタノ−ルを加え十分撹拌し菌体を除去してメタノ−ル抽出液を得た。このメタノ−ル抽出液に5リットルの水を加えた後、ダイヤイオンHP-20 (三菱化学株式会社製)500mlのカラムに通過させて、ツベラクトマイシンBを吸着させた。このカラムを50%メタノ−ル水1.5リットルおよび100%アセトン1.5リットルで順次溶出させた。ツベラクトマイシンBは、100%アセトンで溶出され、この溶出液を減圧下で濃縮し100mlにした。この濃縮液に、500mlの酢酸エチルを加え抽出した後、酢酸エチル層を集め減圧下で濃縮乾固して5.7gのツベラクトマイシンBを含む褐色油状物を得た。
【0054】
ついで、この褐色油状物をシリカゲルカラム(内径52mm×長さ200mm)にのせ、クロロホルム:ヘキサン( 1:1)(1000ml)、クロロホルム(1000ml)、クロロホルム:メタノール( 99:1)(1000ml)の溶媒で順次に1つのフラクションあたり20gで分画してクロマトグラフィーを行ったところ、ツベラクトマイシンBは、フラクション135〜150にかけ溶出された。このフラクション135〜150を集め、減圧下で濃縮乾固してツベラクトマイシンBを含む淡褐色油状物191mgを得た。
この淡褐色油状物をシリカゲル薄層クロマト(シリカゲル60F254、メルク社製)にかけ、展開溶媒としてヘキサン:酢酸エチル( 7:3)の混合溶媒で展開し、シリカゲル薄層を乾燥後、再度同じ溶媒系で展開したところツベラクトマイシンBのRf値は、0.52〜0.48であった。このRf 0.52〜0.48のバンドを集め、クロロホルム:メタノ−ル( 9:1)で溶出し、減圧下で濃縮乾固して無色粉末のツベラクトマイシンBを39.0mg得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はツベラクトマイシンBのメタノール溶液中の紫外線吸収スペクトルである。
【図2】図2はツベラクトマイシンBのKBr錠剤法で測定した赤外線吸収スペクトルである。
【図3】図3はツベラクトマイシンBの重アセトン溶液中にて室温で測定した500MHzにおけるプロトン核磁気共鳴スペクトルである。
【図4】図4はツベラクトマイシンBの重アセトン溶液中にて室温で測定した125MHzにおける炭素13核磁気共鳴スペクトルである。
【図5】図5はツベラクトマイシンDのメタノール溶液中の紫外線吸収スペクトルである。
【図6】図6はツベラクトマイシンDのKBr錠剤法で測定した赤外線吸収スペクトルである。
【図7】図7はツベラクトマイシンDの重アセトン溶液中にて室温で測定した500MHzにおけるプロトン核磁気共鳴スペクトルである。
【図8】図8はツベラクトマイシンDの重アセトン溶液中にて室温で測定した125MHzにおける炭素13核磁気共鳴スペクトルである。
【図9】図9はツベラクトマイシンEのメタノール溶液中の紫外線吸収スペクトルである。
【図10】図10はツベラクトマイシンEのKBr錠剤法で測定した赤外線吸収スペクトルである。
【図11】図11はツベラクトマイシンEの重アセトン溶液中にて室温で測定した500MHzにおけるプロトン核磁気共鳴スペクトルである。
【図12】図12はツベラクトマイシンEの重アセトン溶液中にて室温で測定した125MHzにおける炭素13核磁気共鳴スペクトルである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to tuberactomycin B, tuberactomycin D and tuberactomycin E, which are novel antibiotics having antibacterial activity, and to a method for producing these tuberactomycins B, D and E. Furthermore, this invention relates to the antibacterial agent which uses these tuberceromycin B, D, E, or its salt as an active ingredient.
[0002]
[Prior art]
Antibiotics such as rifampicin, kanamycin, streptomycin, capreomycin, cycloserine are used in chemotherapy for bacterial infections, particularly in the treatment of acid-fast bacteria infections.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
Bacterial drug resistance is a serious problem in chemotherapy for bacterial infections. In particular, acid-fast bacteria that are resistant to rifampicin, kanamycin, streptomycin, capreomycin, envomycin, cycloserine, etc. have emerged as a social problem in chemotherapy for acid-fast bacteria infections. There is a strong demand for chemotherapeutic agents that are effective in treating diseases. Therefore, discovery or creation of a new compound having a chemical structure different from known antibiotics used in the past and exhibiting excellent antibacterial activity and properties is strongly desired. An object of the present invention is to provide a novel antibiotic having excellent antibacterial activity that meets the above-mentioned demand.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
Already, the present inventors have filed an antibiotic tuberactomycin (No. 10-15388, filed Jan. 28, 1998) produced by Nocardia SP MK703-102F1 strain and showing strong antibacterial activity against acid-fast bacteria. )
[0005]
Tubercomycin is represented by the following formula (A):
It is a compound represented by these.
[0006]
Furthermore, the present inventors conducted research to discover useful antibiotics, and as a result, three antibiotics having a new structural skeleton by tubercactomycin-producing bacteria belonging to the genus Nocardia were combined with the above-mentioned tubercactomycin. This time, it was found that is produced separately. We have found that these three new antibiotics show antibacterial activity against acid-fast bacteria and their drug-resistant bacteria. By further study and analyzing these three antibiotics, their chemical structure was determined. And it was confirmed that these three antibiotics have a common skeleton with tubercactomycin but are novel compounds, and they can be expressed by the following formulas (I), (II) and (III), respectively. Tubercomycin B, tuberacutomycin D and tuberacutomycin E were named.
[0007]
The present invention provides a novel substance obtained by culturing a microorganism belonging to the genus Nocardia, and named by the present inventors as tuberactomycin B, tuberactomycin D and tuberactomycin E, respectively. Moreover, it provides about the manufacturing method. Furthermore, the present invention provides an antibacterial agent containing tuberceromycin B, tuberceromycin D and tuberacutomycin E or a salt thereof as an active ingredient.
[0008]
That is, according to the first aspect of the present invention, the following formula (I)
The antibiotic tuberacomycin B represented by is provided.
[0009]
The physicochemical properties of tubercomycin B of the formula (I) according to the invention are as follows:
(1) Appearance
Colorless powder
(2) Molecular formula
C29H44OFour
(3) High resolution mass spectrometry (HRFABMS: positive ion mode)
Experimental value 456.3242 (M)+
Calculated 456.3240
(4) Specific rotation
[α]D twenty five+ 85.4 ° (c 0.63, MeOH)
(5) UV absorption spectrum (in methanol)
λmax nm (ε): 233 (21,500, sh), 240 (28,800), 248 (16,900, sh) is shown in FIG. 1 of the accompanying drawings.
(6) Infrared absorption spectrum
As shown in Figure 2 of the accompanying drawings.
(7) Proton nuclear magnetic resonance spectrum
The proton NMR spectrum measured at room temperature in heavy acetone at 500 MHz is as shown in FIG. 3 of the accompanying drawings.
[0010]
(8) Carbon-13 nuclear magnetic resonance spectrum
The carbon 13 NMR spectrum measured at room temperature in deuterated chloroform at 125 MHz is as shown in FIG. 4 of the accompanying drawings.
(9) Solubility
Soluble in methanol and acetone, but insoluble in water.
(10) TLC
Silica gel 60F254When developed with a solvent of chloroform: methanol: acetic acid (10: 1: 0.1) on a thin layer chromatography (manufactured by Merck), the Rf value is 0.67.
[0011]
According to the second aspect of the present invention, the following formula (II)
And the pharmaceutically acceptable salt thereof.
[0012]
Tubercomycin D of the present invention is an acidic substance, and pharmaceutically acceptable salts thereof include salts with organic bases such as quaternary ammonium salts, or salts with various metals, such as alkalis such as sodium. There is a salt with metal.
[0013]
The physicochemical properties of tubercomycin D of the formula (II) according to the invention are as follows:
(1) Appearance
Colorless powder
(2) Molecular formula
C29H42O7
(3) High resolution mass spectrometry (HRFABMS: positive ion mode)
Experimental value 503.3020 (M + H)+
Calculated value 503.3009
(4) Specific rotation
[α]D twenty five + 91.3 ° (c 0.62, MeOH)
(5) UV absorption spectrum (in methanol)
λmax nm (ε): 234 (27,500, sh), 239 (28,700), 249 (19,500, sh) is shown in FIG. 5 of the accompanying drawings.
(6) Infrared absorption spectrum
As shown in Figure 6 of the accompanying drawings.
(7) Proton nuclear magnetic resonance spectrum
The proton NMR spectrum measured at room temperature in heavy acetone at 500 MHz is as shown in FIG. 7 of the accompanying drawings.
[0014]
(8) Carbon-13 nuclear magnetic resonance spectrum
The carbon 13 NMR spectrum measured at room temperature in heavy acetone at 125 MHz is as shown in FIG. 8 of the accompanying drawings.
(9) Solubility
Soluble in methanol and acetone, but insoluble in water.
(10) TLC
Silica gel 60F254When developed with a solvent of chloroform: methanol: acetic acid (10: 1: 0.1) on a thin-layer chromatography (Merck), the Rf value is 0.28.
[0015]
According to the third aspect of the present invention, the following formula (III)
And the pharmaceutically acceptable salt thereof.
[0016]
Tubercomycin E of the present invention is an acidic substance, and pharmaceutically acceptable salts thereof include salts with organic bases such as quaternary ammonium salts, or salts with various metals, such as alkalis such as sodium. There is a salt with metal.
[0017]
The physicochemical properties of tuberceromycin E of the formula (III) according to the invention are as follows:
(1) Appearance
Colorless powder
(2) Molecular formula
C29H42O7
(3) High resolution mass spectrometry (HRFABMS: positive ion mode)
Experimental value 503.2996 (M + H)+
Calculated value 503.3009
(4) Specific rotation
[α]D twenty five + 94.5 ° (c 0.53, MeOH)
(5) UV absorption spectrum (in methanol)
λmax nm (ε): 234 (29,000, sh), 239 (29,600), 249 (19,900, sh) is shown in FIG. 9 of the accompanying drawings.
(6) Infrared absorption spectrum
As shown in Figure 10 of the accompanying drawings.
(7) Proton nuclear magnetic resonance spectrum
The proton NMR spectrum measured at room temperature in heavy acetone at 500 MHz is as shown in FIG. 11 of the accompanying drawings.
[0018]
(8) Carbon-13 nuclear magnetic resonance spectrum
The carbon 13 NMR spectrum measured at room temperature in heavy acetone at 125 MHz is as shown in FIG. 12 of the accompanying drawings.
(9) Solubility
Soluble in methanol and acetone, but insoluble in water.
(10) TLC
Silica gel 60F254When developed with a solvent of chloroform: methanol: acetic acid (10: 1: 0.1) on a thin layer chromatography (manufactured by Merck), the Rf value is 0.36.
[0019]
The antibiotics beveracomycins B, D and E according to the present invention have the chemical structures represented by the above formulas (I), (II) and (III), respectively, so that proton NMR, carbon 13 NMR spectra, etc. can be analyzed. It was determined as described above by examining in detail.
[0020]
Tubercomycin B, D and E represented by the formulas (I), (II) and (III) according to the present invention have the following biological properties.
That is, tuberacutomycin B, tuberacutomycin D, and tuberacutomycin E exhibit antibacterial activity against acid-fast bacteria including drug-resistant bacteria.
[0021]
Test example 1
The antibacterial spectrum of tuberacutomycin B against various microorganisms was measured by a multiple dilution method on a normal agar medium supplemented with 1% glycerol based on the standard method of the Japanese Society of Chemotherapy. The results are shown in Table 1.
[0022]
Test example 2
The antibacterial spectrum of tubercactomycin D against various microorganisms was measured by a multiple dilution method on a normal agar medium supplemented with 1% glycerol based on the standard method of the Japanese Society of Chemotherapy. The results are shown in Table 2.
[0023]
Test example 3
The antibacterial spectrum of tuberceromycin E against various microorganisms was measured by a multiple dilution method on a normal agar medium supplemented with 1% glycerol based on the standard method of the Japanese Society of Chemotherapy. The results are shown in Table 3.
[0024]
Furthermore, according to the fourth aspect of the present invention, at least one of the tubercomycins B, D and E represented by the above formulas (I), (II) and (III) belonging to the genus Nocardia is produced. Cultivating the producing bacteria, and collecting at least one of these tuberactomycins B, D and E from the culture, the antibiotic tube of formulas (I), (II) and (III), A process for the production of lactomycin B, D and / or E is provided.
[0025]
The producing bacterium that produces at least one of the antibiotics tuberactomycin B, D, E used in the fourth method of the present invention (hereinafter sometimes simply referred to as tuberactomycin B, D, E producing bacterium) Any kind of microorganism can be used as long as it has the ability to produce antibiotics exhibiting the aforementioned physicochemical and biological properties, and can be selected from a wide range of microorganisms. Among these microorganisms, a specific preferred example of the antibiotic tuberactomycin B, D, E producing bacteria was obtained by the present inventors from the soil of Suwa City, Nagano Prefecture in February 1997 at the Institute of Microbial Chemistry. It is an isolated actinomycete and is assigned a strain number of MK703-102F1.
[0026]
The mycological properties of MK703-102F1 strain are described below.
Mycological properties of MK703-102F1 strain
l. Form
The basic mycelium is well branched and fragmented. The aerial hyphae elongate in a straight or irregular spiral shape and divide into cylindrical to oval spores. Its surface is smooth and the size is about 0.4-0.6 × 0.8-1.8 microns. There are no rotifers, fungal bundles, spore capsules or motile spores.
[0027]
2. Growth conditions in various media
Regarding the description of color, the standard shown in [] is the color harmony manual of Container Corporation of America (Color harmony manual of Container Corporation of America).
(1) Sucrose / Nitrate agar medium (27 ° C culture)
On the colorless development, white aerial hyphae are formed slightly and no soluble pigment is observed.
(2) Glycerin / asparagine agar medium (ISP-
On the growth of light yellow [2 ec, Sand] to light tea [3 ie, Camel], aerial mycelia of tea white [2 ba, Pearl] are grown, and the soluble pigment has a faint reddish purple color.
(3) Starch / inorganic salt agar medium (ISP-medium 4, 27 ° C. culture)
On the colorless development, white aerial hyphae are slightly formed and no soluble pigment is observed.
[0028]
(4) Tyrosine agar medium (ISP-medium 7, 27 ° C. culture)
On the growth of light yellow [2 ec, Sand] to light brown [3 ie, Camel], aerial mycelia of brown [2 ba, Pearl] are formed, and no soluble pigment is observed.
(5) Yeast / malt agar medium (ISP-
Light yellow [2 ec, Sand] ~On the growth of light tea [3 ie, Camel], aerial mycelia of tea white [2 ba, Pearl] are grown and no soluble pigment is observed.
(6) Oatmeal agar medium (ISP-
On the colorless development, white aerial hyphae are slightly formed and no soluble pigment is observed.
[0029]
3. Physiological properties
(1) Growth temperature range
Using glucose asparagine agar medium (glucose 1.0%, L-asparagine 0.05%, dipotassium hydrogen phosphate 0.05%, string agar 2.5%, pH 7.0), 10 ° C, 20 ° C, 24 ° C, 27 ° C, 30 ° C As a result of testing at 37 ° C., 45 ° C., and 50 ° C., no growth was observed at 10 ° C., 45 ° C., and 50 ° C., and the cells grew in the range of 20 ° C. to 37 ° C. The optimum temperature for growth is around 30 ° C.
(2) Starch hydrolysis (starch / inorganic salt agar medium, ISP-medium 4, 27 ° C. culture)
Starch hydrolysis is not observed.
(3) Production of melanin-like pigment (tryptone yeast broth, ISP-
It is negative in any medium.
[0030]
(4) Utilization of carbon source (Prideham Goat Reve agar, ISP-
It grows using D-glucose, L-arabinose, D-fructose, D-mannitol, and does not use D-xylose, sucrose, inositol, rhamnose, and raffinose.
(5) Nitrate reduction reaction (0.1% potassium nitrate-containing peptone water, ISP-
Positive.
[0031]
4). Cell component
(1) Cell wall composition
Contains meso-
(2) Reducing sugars in whole cells
It contains arabinose and galactose and is type A.
(3) Isoprenoids and quinones
It contains MK-8 (H4) and a small amount of MK-8 (H2) as the main menaquinone. (4) Mycolic acid
contains.
(5) Fatty acid
Main component is 16: 0 (hexadecanoic acid), 18: 1 (octadecenoic acid), 10-methyl-18: 0 (10-methyl octadecanoic acid), 16: 1 (hexadecenoic acid) and 18: 0 (octadecanoic acid) Containing.
[0032]
Summarizing the above properties, the MK703-102F1 strain shows that the basic hyphae are well branched and fragmented. The aerial hyphae elongate in a straight or irregular spiral shape and divide into cylindrical to oval spores. There are no rotifers, fungal bundles, spore capsules or motile spores. In various media, white-brown aerial hyphae are grown on the growth of colorless-light yellow-light brown tea. As for the soluble pigment, a wine-colored pigment is observed in one or two media. No melanin-like pigment is formed, and no starch hydrolyzability is observed.
[0033]
The cell component of the MK703-102F1 strain contains meso-
[0034]
Based on the above results, MK703-102F1 strain is nocardia (NocardiaBergey's Manual of Systematic Bacteriology, Vol. 4, pp. 2350-2361, 1989). Therefore, MK703-102F1 stock was changed to Nocardia SP (Nocardia sp.) MK703-102F1.
An application was made to deposit MK703-102F1 strain at the Institute of Biotechnology, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, and it was entrusted as FERM P-16580 on January 14, 1998.
[0035]
In the method of the fourth aspect of the present invention, the antibiotic tuberactomycinB, D and E are produced as follows.
That is, the antibiotics tuberactomycins B, D, and E are produced by inoculating the antibiotics tuberactomycins B, D, and E in the nutrient medium and shaking aerobically at a temperature of 27 ° C. Culturing is carried out to obtain a culture containing the antibiotics bevelactomycin B, D, E. As the nutrient medium used for such a purpose, those that can be used for culturing actinomycetes are used. As a nutrient source, for example, commercially available peptone, soybean powder, yeast extract, meat extract, corn steep liquor, ammonium sulfate and other nitrogen sources can be used, and carbohydrates such as glycerin, starch, glucose, galactose, dextrin or the like Carbon sources such as fat can be used. Further, inorganic salts such as sodium chloride and calcium carbonate can be added and used. In addition, a trace amount of metal salt can be added as necessary. These can be used by the antibiotic tuberactomycin B, D, E producing bacteria, and can be useful for the production of the antibiotic tuberactomycin B, D, E. All known actinomycete culture materials are available. Can be used.
[0036]
For the production of the antibiotic tuberacomycin B, D, E according to the present invention, microorganisms having the ability to produce the antibiotic tuberacomycin B, D, E belonging to the genus Nocardia are used. Specifically, it has been shown by the inventors that our isolated Nocardia SP MK703-102F1 strain produces the antibiotics tuberactomycin and tuberactomycins B, D and E. However, other strains can be isolated from nature by conventional methods for isolating antibiotic-producing bacteria. In addition, the production of antibiotics tuberactomycin B, D, and E, including Nocardia sp. There is still room for improvement. Furthermore, it is also possible to increase the ability to produce the antibiotics tubercactomycins B, D, and E by genetic engineering techniques.
[0037]
Antibiotics tuberactomycins B, D and E according to the present invention are obtained by aerobically cultivating antibiotics tuberactomycins B, D and E producing bacteria belonging to the genus Nocardia in an appropriate medium, It can be manufactured by collecting things. The culture temperature of the producing bacteria is particularly limited as long as it is within a range in which these substances can be produced without substantially inhibiting the growth of the producing bacteria of the antibiotics tuberacutomycin B, D, E. However, it can be selected according to the production bacteria to be used, and a temperature within the range of 25 to 30 ° C. is preferable. As the seed mother medium for the production of tuberacutomycin B, D, E, the growth obtained from the slope culture of MK703-102F1 strain on the agar medium is used.
[0038]
Tubercomycin B, D and E production by this MK703-102F1 strain usually reaches its maximum in 4 to 6 days, but generally continues until sufficient antimicrobial activity is imparted to the medium. Changes in the titers of tubercactomycins B, D, and E in the culture can be measured by the HPLC method or the cylindrical plate method using Mycobacterium smegmatis or Mycobacterium bake as a test bacterium.
[0039]
In the fourth method of the present invention, tuberceromycin B, D, and E are collected from the culture obtained as described above. The collection method is used for collecting metabolites produced by microorganisms. Any means can be used as appropriate. For example, tuberactomycin B using a means for extraction with a solvent not mixed with water, a means for utilizing the difference in adsorption affinity for various adsorbents, gel filtration, chromatography using countercurrent distribution, etc. alone or in combination, D and E can be collected. From the separated cells, tuberactomycin B, D and E are extracted from the cells by a solvent extraction method using an appropriate organic solvent or an elution method by disrupting the cells, and isolated and purified in the same manner as described above. Can be collected. Thus, the novel antibiotics beveracomycins B, D and E mentioned above are obtained individually or as a mixture.
[0040]
Furthermore, in the fifth aspect of the present invention, at least one of tuberactomycins B, D and E represented by the formulas (I), (II) and (III), respectively, or a pharmaceutically acceptable salt thereof is used. An antibacterial agent as an active ingredient is provided.
[0041]
In this antibacterial agent, its active ingredient compound should be in the form of a composition containing a pharmaceutically acceptable common solid or liquid carrier such as ethanol, water, physiological saline, starch, etc. Can do.
[0042]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples.
Example 1
Production and purification of the antibiotics tuberactomycin D and tuberactomycin E
First, galactose2.0%,dextrin2.0%, Glycerin1.0%, Bacto Soyton (Difco)1.0, Corn steep liquor 0.5%, ammonium sulfate 0.2%, calcium carbonate 0.2% liquid medium (adjusted to pH 7.4) was dispensed 110ml each into Erlenmeyer flask (500ml volume)AlwaysSterilized by the method at 120 ° C for 20 minutes. Next, Nocardia sp. Strain MK703-102F1 (FERM P-16580) cultured on an agar slant medium was inoculated into the liquid medium, and cultured with shaking at 30 ° C. for 3 days to obtain a seed culture solution.
[0043]
For production culture, 15 liters of liquid medium (pH unadjusted) containing 2.0% starch, 1.0% glucose, 0.5% yeast extract, 0.5% casamino acid, 0.4% calcium carbonate, tank culture tank (30 liters) In this case, it was prepared and sterilized as a production medium. This production medium was inoculated with 2% of the above seed mother culture solution, and tank-cultured for 6 days under the culture conditions of 27 ° C., aeration volume of 15 liters, and agitator rotation of 200 rpm.
[0044]
A total of 150 liters of the culture solution thus obtained was centrifuged to separate it into a culture filtrate and cells. The culture filtrate was adjusted to
[0045]
Place this dark brown oil on a silica gel column (inner diameter 54 mm x length 220 mm), chloroform (1500 ml), chloroform: methanol( 9: 1) (1500 ml), chloroform: methanol: formic acid( 9: 1: 0.05) (1500 ml) of the solvent, followed by sequential chromatography. When the fraction was fractionated by 20 g with a fraction collector, the active fraction was separated into two and eluted into fractions 111 to 133 and fractions 187 to 211. Fractions from fractions 111 to 133 contained tuberactomycin and tuberacomycin E, and fractions 187 to 211 contained tuberactomycin D.
[0046]
Fractions containing tuberactomycin and tuberceromycin E, fractions 111-133 were collected and concentrated to dryness under reduced pressure to give 15.4 g of a brown oil. Place this brown oil on a silica gel column (inner diameter 54 mm x length 220 mm), chloroform: concentrated aqueous ammonia( 100: 0.5) (1000 ml), chloroform: methanol( 9: 1) (1000 ml), chloroform: methanol: formic acid( 9: 1: 0.05) (1000 ml) of the solvent, followed by sequential chromatography. When fractioning 20 g at a fraction collector, the fractions containing tuberceromycin and tuberceromycin E were eluted in
[0047]
Next, this brown oily substance was dissolved in a small amount of ethyl acetate, and then subjected to centrifugal liquid-liquid partition chromatography (column capacity: 125 ml) using ethyl acetate: 10 mM monohydrogen phosphate, 2 sodium water solution.( 1: 1) using the upper layer as the fixed layer and the lower layer as the moving layer. When the fraction collector fractionated 6 ml each and eluted by reversing from the 145th fraction, tuberactomycin E was eluted in fractions 84 to 116, and tuberactomycin was eluted in fractions 146 to 151. Fractions 84 to 116 containing tuberactomycin E were collected and concentrated to dryness under reduced pressure to give 50.4 mg of a light brown oil. In addition, the fractions 146 to 151 of tubercactomycin were collected and concentrated to dryness under reduced pressure to obtain 531 mg of colorless powdered tubercactomycin.
[0048]
The light brown oily substance containing tuberacutomycin E was further chromatographed using a Sephadex LH-20 (Pharmacia) column (inner diameter 18 mm × length 200 mm). When fractionated in 2 g fractions with a fraction collector, tuberacutomycin E was eluted through fractions 7-8. This was collected and concentrated to dryness under reduced pressure to obtain 31.8 mg of pure tuberbactomycin E as a colorless powder. It was.
[0049]
On the other hand, the fraction containing tuberceromycin D, ie, the aforementioned fractions 187 to 211, was concentrated to dryness under reduced pressure to obtain 1.45 g of a dark brown oil. After dissolving this in a small amount of ethyl acetate, centrifugal liquid-liquid distribution chromatography (column volume 125 ml) was subjected to ethyl acetate: 10 mM monohydrogen phosphate, 2 sodium water solution.( 1In the solvent system of 1), the upper layer was used as a fixed layer and the lower layer was used as a moving layer. Fractionated 6 ml each with a fraction collector and reversed elution from the 50th fraction, tubeveractomycin D was eluted through fractions 50-53. Fractions 50-53 containing tubercomycin D were collected and concentrated to dryness under reduced pressure to give 113.4 mg of a reddish brown oil. This reddish brown oily substance was subjected to silica gel thin layer chromatography (silica gel 60F254, Manufactured by Merck & Co., Inc.) chloroform: methanol as developing solvent( FourWhen developed with the mixed solvent system of 1), the Rf value of tubercomycin D was 0.52 to 0.39. Collect the band of Rf 0.52 to 0.39, chloroform: ethanol( 1: 1), and concentrated to dryness under reduced pressure to obtain 54.1 mg of colorless powdered tuberactomycin D.
[0050]
Further, this tuberactomycin D was chromatographed on a Sephadex LH-20 (Pharmacia) column (inner diameter 18 mm × length 200 mm) and fractionated by 1 g with a fraction collector. Elution was performed over 12-14. These were collected and concentrated to dryness under reduced pressure to obtain 43.9 mg of colorless powdered pure tuberceromycin D.
[0051]
Example 2
Production and purification of the antibiotic tuberacomycin B
First, galactose2.0%,dextrin2.0%, Glycerin1.0%, Bacto Soyton (Difco)1.0, Corn steep liquor 0.5%, ammonium sulfate 0.2%, calcium carbonate 0.2% liquid medium (adjusted to pH 7.4) was dispensed 110ml each into Erlenmeyer flask (500ml volume)AlwaysSterilized by the method at 120 ° C for 20 minutes. Next, Nocardia sp. Strain MK703-102F1 (FERM P-16580) cultured on an agar slant medium was inoculated into the liquid medium, and cultured with rotary shaking at 30 ° C. for 3 days to obtain a seed culture medium.
[0052]
For production culture, 15 liters of liquid medium (pH unadjusted) containing 2.0% starch, 1.0% glucose, 0.5% yeast extract, 0.5% casamino acid, and 0.4% calcium carbonate is added to the tank culture tank (30 liter capacity). ) Was prepared and sterilized to obtain a production medium. This production medium was inoculated with 2% of the above-mentioned seed culture solution, and tank-cultured for 6 days under the culture conditions of 27 ° C., aeration volume of 15 liters, and agitator rotation of 200 rpm.
[0053]
A total of 150 liters of the culture solution thus obtained was centrifuged to separate it into a culture filtrate and cells. 5 liters of methanol was added to the cells and sufficiently stirred to remove the cells and obtain a methanol extract. After adding 5 liters of water to this methanol extract, it was passed through a 500 ml column of Diaion HP-20 (manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation) to adsorb tuberceromycin B. The column was sequentially eluted with 1.5 liters of 50% methanol water and 1.5 liters of 100% acetone. Tubercomycin B was eluted with 100% acetone, and the eluate was concentrated under reduced pressure to 100 ml. To this concentrate, 500 ml of ethyl acetate was added for extraction, and then the ethyl acetate layer was collected and concentrated to dryness under reduced pressure to obtain a brown oily substance containing 5.7 g of tuberceromycin B.
[0054]
Next, this brown oil was placed on a silica gel column (inner diameter 52 mm x length 200 mm), and chloroform: hexane( 1: 1) (1000ml), chloroform (1000ml), chloroform: methanol( 99: 1) When fractionated at 20 g per fraction in order with a solvent of (1000 ml) and chromatographed, tuberacutomycin B was eluted through fractions 135-150. The fractions 135 to 150 were collected and concentrated to dryness under reduced pressure to obtain 191 mg of a light brown oily substance containing tubercactomycin B.
This light brown oily substance was subjected to silica gel thin layer chromatography (silica gel 60F254, Manufactured by Merck & Co., Ltd.) and hexane: ethyl acetate as a developing solvent( 7The mixture was developed with a mixed solvent of 3), and the silica gel thin layer was dried and developed again with the same solvent system. As a result, the Rf value of tuberceromycin B was 0.52 to 0.48. Collect this band of Rf 0.52-0.48, chloroform: methanol( 9: 1), and concentrated to dryness under reduced pressure to obtain 39.0 mg of colorless powdered tuberactomycin B
[Brief description of the drawings]
BRIEF DESCRIPTION OF DRAWINGS FIG. 1 is an ultraviolet absorption spectrum of a tuberactomycin B solution in methanol.
FIG. 2 is an infrared absorption spectrum of tuberacomycin B measured by the KBr tablet method.
FIG. 3 is a proton nuclear magnetic resonance spectrum at 500 MHz measured at room temperature in a solution of tubercomycin B in heavy acetone.
FIG. 4 is a carbon-13 nuclear magnetic resonance spectrum at 125 MHz, measured at room temperature in a solution of tubercomycin B in heavy acetone.
FIG. 5 is an ultraviolet absorption spectrum in a solution of tuberacutomycin D in methanol.
FIG. 6 is an infrared absorption spectrum measured by the KBr tablet method for tuberacutomycin D.
FIG. 7 is a proton nuclear magnetic resonance spectrum at 500 MHz measured at room temperature in a solution of tubercomycin D in heavy acetone.
FIG. 8 is a carbon-13 nuclear magnetic resonance spectrum at 125 MHz, measured at room temperature in a solution of tubercomycin D in heavy acetone.
FIG. 9 is an ultraviolet absorption spectrum in a solution of tuberacutomycin E in methanol.
FIG. 10 is an infrared absorption spectrum of tuberacutomycin E measured by KBr tablet method.
FIG. 11 is a proton nuclear magnetic resonance spectrum at 500 MHz measured in a heavy acetone solution of tubercactomycin E at room temperature.
FIG. 12 is a carbon-13 nuclear magnetic resonance spectrum at 125 MHz, measured at room temperature in a solution of tuberceromycin E in heavy acetone.
Claims (5)
で示される抗生物質ツベラクトマイシンB。Formula (I)
Antibiotic Tubercomycin B shown in
で示される抗生物質ツベラクトマイシンDおよびその製薬学的に許容できる塩。Formula (II)
And the pharmaceutically acceptable salt thereof.
で示される抗生物質ツベラクトマイシンEおよびその製薬学的に許容できる塩。Formula (III)
And the pharmaceutically acceptable salt thereof.
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