JP4341242B2 - Analytical method of binding analysis target substance that does not require labeling dye and analysis kit used therefor - Google Patents
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Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、分子間相互作用解析、マイクロチップテクノロジーなど、生体成分の定性と定量の分析を必要とするライフサイエンス分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体分子の分子間相互作用解析には、表面プラズモン共鳴(SPR)、QCMが主として用いられている。また生体分子および相補的に結合する分子を異なる蛍光色素で標識して行うFRETが利用されている。
【0003】
DNAマイクロアレイなどマイクロチップテクノロジーには、生体分子ないしは相補的に結合する分子を蛍光色素または金ナノ粒子で標識し、色素の蛍光や、金ナノ粒子の表面プラズモン共鳴による吸光度や共鳴レイリー散乱を測定する検出方法が利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
SPR、QCMは、金を蒸着したプリズムや水晶振動子という固相上に、相補的に結合する分子を固定化する必要があり、その固定化収率と固定化分子の安定性が問題になっていた。また生体分子の分子間相互作用は生体中と同じ水溶液中で解析されるのが本来であるが、固相上に固定した分子との分子間相互作用に制限されていた。
【0005】
一方、FRETや蛍光色素、金ナノ粒子標識による光検出方法では、リンカー分子の設計、標識反応、未標識分子の分離など、繁雑な標識操作を必要としていた。
【0006】
しかも、これらの光検出方法では、検出に利用される波長領域がせいぜい可視領域であるため、試料中のきょう雑物の影響を抑制するには十分とは言えなかった。具体的には、分析対象物質を含む試料は通常、細胞や体液であるため、650nmよりも短波長には吸収や蛍光を示す生体中のきょう雑物を含むことがあり、そのため正確な測定ができないことがあった。
【0007】
きょう雑物の干渉が少ない近赤外領域で利用可能な蛍光色素は数少ないうえに、それらの色素は化学的に不安定であった。分子設計と合成も困難であった。
【0008】
金ナノ粒子は化学的に安定であるが、一定の波長において吸収ないしはレイリー散乱を有するためには、金ナノ粒子の粒子径と形状を揃える必要がある。そのような金ナノ粒子の合成には多大な労力を必要とした。
【0009】
またDNAマイクロアレイでは、異なる波長の色素を用いるマルチカラーラベルの利用が求められているが、上述の色素、金ナノ粒子による蛍光ピーク、吸収ピークの半値幅は数十nmとブロードであり、複数の標識が光学的に干渉する問題があった。
【0010】
さらに標識によるコンタミネーションや非特異吸着が生じやすく、高いS/N比で検出することは難しかった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、色素等の標識を用いずに、分析対象物質の分子間相互作用の解析を水溶液中において行うこと、複数の分析対象物質の検出を特異的かつ定量的に行うことを目的としている。
【0012】
上記目的を達成するために本発明の分析方法は、分析対象物質と量論関係をなすラマン活性物質に、群をなしている貴金属コロイドからなる表面増強ラマン散乱の基質を共存させて、その増強電場による表面増強ラマン散乱を測定して行う。これにより、ラマン活性物質の波長特異的な表面増強ラマン散乱を測定するので、標識を特に用いずに、分析対象物質を特異的かつ定量的に行うことができる。
【0013】
本発明では近赤外領域のレーザーを光源にすることができ、励起光、ラマン散乱光ともに近赤外光であるため、容易に試料中のきょう雑物の影響が少ない近赤外光での光分析となる。ラマン散乱では、ラマン活性分子の構造に特異的であるので、特異的な検出が可能となる。さらにラマン散乱は蛍光や吸収に比べ著しく波長分解能が高く、異なる構造の複数の分子を容易に識別できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明は、分析対象物質と、分析対象物質結合性分子と、分析対象物質と競合して該分析対象物質結合性分子と結合する、少なくとも一つ以上のラマン活性分子と、表面増強ラマン散乱の基質からなる系であって、該ラマン活性分子の該分析対象物質結合性分子に対する結合力が該分析対象物質よりも弱いことを特徴とする系において、該分析対象物質結合性分子と該ラマン活性分子が結合した複合体に分析対象物質を加え、分析対象物質の置換によって該ラマン活性分子を遊離せしめ、次いで表面増強ラマン散乱の基質で捕捉し、この状態で励起光を照射し、発生する該ラマン活性分子の表面増強ラマン散乱光を測定することによって行うものである。これによって分析対象物質と分析対象物質結合性分子の分子間相互作用の解析と、分析対象物質の特異的、定量的測定が達成される。
【0015】
またこの発明は、分析対象物質と、分析対象物質結合性分子と、分析対象物質結合性分子と競合して分析対象物質と結合する、少なくとも一つ以上のラマン活性分子と、表面増強ラマン散乱の基質からなる系であって、該ラマン活性分子の該分析対象物質に対する結合力が該分析対象物質結合性分子よりも弱いことを特徴とする系において、該分析対象物質と該ラマン活性分子が結合した複合体に分析対象物質結合性分子を加え、分析対象物質結合性分子の置換によって該ラマン活性分子を遊離せしめ、次いで表面増強ラマン散乱の基質で捕捉し、この状態で励起光を照射し、発生する該ラマン活性分子の表面増強ラマン散乱光を測定することによって行うものである。これによって分析対象物質と分析対象物質結合性分子の分子間相互作用の解析と、分析対象物質の特異的、定量的測定が達成される。
【0016】
またこの発明は、分析対象物質と、分析対象物質結合性分子と、分析対象物質と競合して該分析対象物質結合性分子と結合する、少なくとも一つ以上のラマン活性分子と、表面増強ラマン散乱の基質からなる系であって、該ラマン活性分子の該分析対象物質結合性分子に対する結合力が該分析対象物質よりも強いことを特徴とする系において、分析対象物質と該分析対象物質結合性分子が結合した複合体に該ラマン活性分子を加え、分析対象物質の置換によって該ラマン活性分子を結合せしめ、この状態で励起光を照射し、分析対象物質が存在しないときに発生する該ラマン活性分子の表面増強ラマン散乱光との差分を測定することによって行うものである。これによって分析対象物質と分析対象物質結合性分子の分子間相互作用の解析と、分析対象物質の特異的、定量的測定が達成される。
【0017】
またこの発明は、分析対象物質と、分析対象物質結合性分子と、該分析対象物質と該分析対象物質結合性分子が結合した複合体に結合する、少なくとも一つ以上のラマン活性分子と、表面増強ラマン散乱の基質からなる系であって、分析対象物質と分析対象物質結合性分子が結合した該複合体に該ラマン活性分子を結合せしめ、この状態で励起光を照射し、分析対象物質が存在しないときに発生する該ラマン活性分子の表面増強ラマン散乱光との差分を測定することによって行うものである。これによって分析対象物質と分析対象物質結合性分子の分子間相互作用の解析と、分析対象物質の特異的、定量的測定が達成される。
【0018】
分析対象物質は、オリゴヌクレオチド、酵素、抗体からなる群から選ぶことができるが、これに限定されるものではない。分析対象物質結合性分子は、分析対象物質と、相補的あるいは特異的に結合する分子を選ぶことができる。ラマン活性分子の少なくとも一部にオリゴヌクレオチド、ペプチドを含むことができる。ラマン活性分子は、窒素を含む複素環化合物をその分子の一部に含むことが特に好ましい。
【0019】
このような分析対象物質、分析対象物質物質結合性分子、ラマン活性分子の組み合わせの例は、特に限定されないが、互いに相補的なオリゴヌクレオチドと、末端にアデニンを有するプライマーの例があげられる。
【0020】
表面増強ラマン散乱の基質には、粗さを持った電極の金属面、金属微粒子のコロイド、金属微粒子を島状に沈積させたフィルム、ゾルゲル法でガラスマトリックスに包括された金属微粒子、ポリマー中に包括された金属微粒子が今まで報告されている。これらの基質のうち、水溶液中での貴金属ナノ粒子のコロイドが実用上もっとも便利であるとされる。その理由として、1)微粒子が液相法で合成でき、取扱いが簡便である。2)連続流れ分析系への適用ができる。3)粒子サイズと形状の制御が可能である。4)簡単に表面積を定義できる。5)理論的解析のために形態を変えられる。等の利点が指摘されている。
【0021】
貴金属コロイドは、塩等の添加により凝集し、水中で群をなした状態が好ましく用いられる。
【0022】
しかし、通常、水溶液中では凝集した貴金属コロイドの状態は不安定である。
【0023】
本発明では、表面増強ラマン散乱の基質を構成する、群をなしている貴金属コロイドは、分散性微粒子によって保持されているものとすることが望ましい。これにより、群をなしている貴金属コロイドの安定性を向上させることができ、表面増強ラマン散乱を簡便に利用することができる(PCT/JP01/01854)。ここで、分散性微粒子には合成スメクタイトなどの膨潤性層状ケイ酸塩を用いることができる。
【0024】
このような膨潤性層状ケイ酸塩はいくつか市販されており、たとえば商品名ルーセンタイトSWNもしくはルーセンタイトSWF(合成ヘクトライト)またはME(フッ素雲母)、商品名スメクトンSA(合成サポナイト)もしくは商品名クニピアF(精製モンモリロナイト)、商品名チキソピーW(合成ヘクトライト)、商品名ラポナイトXLGもしくはラポナイトRDもしくはラポナイトXLS(合成ヘクトライト)、商品名マルチゲル(ベントナイト)、膨潤性合成フッ素雲母等が挙げられる。
【0025】
本発明では、水中で群をなす貴金属コロイドの増強電場によって、分子間相互作用と量論関係にあるラマン活性物質の表面増強ラマン散乱を特異的に測定するので、溶液中において分子間相互作用を解析することができる。
【0026】
本発明は、また、近赤外領域でラマン分光法による高感度分析を可能とした点に大きな特徴がある。近赤外領域においてラマン分光法によって分析することにより、分析対象物が含有されるマトリックス中のきょう雑物の影響を排除して、分析対象物の検出において特異性・選択性を向上させることが可能となるという、極めて実用的価値のある効果が得られる。
【0027】
これらのラマン活性分子および分析対象物質結合性分子は、表面増強ラマン散乱の基質と共に有用な分析キットを構成する。
【0028】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【実施例1】
図1は、本発明の実施の一形態を示す模式図である。
【0029】
【図1】
【0030】
上記の図において、分析対象物質Aと、分析対象物質結合性分子Bと、分析対象物質と競合して該分析対象物質結合性分子と結合する、少なくとも一つ以上のラマン活性分子Cと、表面増強ラマン散乱の基質Dからなる系であって、該ラマン活性分子Cの該分析対象物質結合性分子Bに対する結合力が該分析対象物質Aよりも弱いことを特徴とする系において、該分析対象物質結合性分子Bと該ラマン活性分子Cが結合した複合体BCに分析対象物質Aを加え、分析対象物質Aの置換によって該ラマン活性分子Cを遊離せしめ、次いで表面増強ラマン散乱の基質Dで捕捉し、この状態で励起光を照射し、発生する該ラマン活性分子Cの表面増強ラマン散乱光を測定する。
【0031】
【実施例2】
スメクタイトによって保持された、群をなしている貴金属コロイドの増強電場による、アデニン水溶液の特異的な表面増強ラマン散乱スペクトルを図2に示す。図2のa、b、c、dのアデニン濃度はそれぞれ62.5μM、20μM、6.25μM、0μMである。ラマン分光機には、サーモニコレー社のFT−ラマンMagnaを用い、1064nmの近赤外レーザーを照射し128回積算した。735cm−1における検量線を図3に示す。図3のaは表面増強ラマン散乱であり、bは通常のラマン散乱である。近赤外光によってアデニンを定量できた。
【0032】
【実施例3】
図1の模式図において、分析対象物質をオリゴアデニン(10塩基対)、分析対象物質結合性分子をオリゴチミン(20塩基対)、ラマン活性分子をアデニンとして、オリゴアデニン(20塩基対)を測定した。図3のaは、オリゴチミン(20塩基対)1μMとアデニン20μMの混合液の表面増強ラマンスペクトルである。図3のbは、オリゴチミン(20塩基対)1μMとアデニン20μMの混合液に、さらにオリゴアデニン(10塩基対)1μMを加えた混合液の表面増強ラマンスペクトルである。図3のCはオリゴチミン(20塩基対)5μMの表面増強ラマンスペクトルである。アデニンはオリゴチミンと結合すると表面増強ラマン強度が弱まること、オリゴチミンの表面増強ラマンはほとんど現れないことがわかった。オリゴチミンとアデニンの複合体に、オリゴアデニンを加えると、アデニンが遊離し、アデニンの表面増強ラマン強度が増大していた。したがって、本発明の方法により、オリゴアデニンの分析と、オリゴアデニンとオリゴチミンの分子間相互作用解析が可能であることが示唆された。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、色素等の標識を用いずに、分析対象物質の分子間相互作用の解析を水溶液中において行うこと、および複数の分析対象物質の検出を特異的かつ定量的に行うことができる。また近赤外光による測定を容易に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の一形態の模式図を示す。
【図2】アデニンの表面増強ラマン散乱を示す
【図3】アデニンの検量線を示す。
【図4】分析対象物質がオリゴアデニン、分析対象物質結合性分子がオリゴチミン、ラマン活性分子がアデニンであるときのオリゴアデニンの応答を示す。[0001]
[Technical field to which the invention belongs]
The present invention relates to a life science field that requires qualitative and quantitative analysis of biological components such as intermolecular interaction analysis and microchip technology.
[0002]
[Prior art]
Surface plasmon resonance (SPR) and QCM are mainly used for the analysis of the interaction between biomolecules. In addition, FRET is used in which biomolecules and molecules that bind complementarily are labeled with different fluorescent dyes.
[0003]
For microchip technologies such as DNA microarrays, biomolecules or molecules that bind complementarily are labeled with fluorescent dyes or gold nanoparticles, and the fluorescence of the dye or the absorbance or resonance Rayleigh scattering due to surface plasmon resonance of the gold nanoparticles is measured. A detection method is used.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In SPR and QCM, it is necessary to immobilize molecules that bind complementarily on a solid phase such as a prism or a quartz crystal on which gold is vapor-deposited, and the immobilization yield and the stability of the immobilized molecules are a problem. It was. In addition, intermolecular interactions of biomolecules are originally analyzed in the same aqueous solution as in the living body, but are limited to intermolecular interactions with molecules immobilized on a solid phase.
[0005]
On the other hand, light detection methods using FRET, fluorescent dyes, and gold nanoparticle labels require complicated labeling operations such as linker molecule design, labeling reaction, and separation of unlabeled molecules.
[0006]
In addition, in these light detection methods, the wavelength region used for detection is at most a visible region, and thus it cannot be said to be sufficient to suppress the influence of impurities in the sample. Specifically, since the sample containing the substance to be analyzed is usually a cell or a body fluid, it may contain impurities in the living body that show absorption and fluorescence at wavelengths shorter than 650 nm, so accurate measurement is possible. There was something I couldn't do.
[0007]
In addition to the few fluorescent dyes available in the near-infrared region where there is little interference with impurities, these dyes were chemically unstable. Molecular design and synthesis were also difficult.
[0008]
Although gold nanoparticles are chemically stable, in order to have absorption or Rayleigh scattering at a certain wavelength, it is necessary to align the particle diameter and shape of the gold nanoparticles. A great deal of effort was required to synthesize such gold nanoparticles.
[0009]
In addition, in DNA microarrays, the use of multi-color labels using dyes of different wavelengths is required, but the half-value widths of the fluorescent peak and absorption peak due to the above-mentioned dyes and gold nanoparticles are as broad as several tens of nm. There was a problem that the label interfered optically.
[0010]
Further, contamination due to labeling and nonspecific adsorption are likely to occur, and it was difficult to detect at a high S / N ratio.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has been made in view of the above-mentioned problems, and without using a label such as a dye, the analysis of the intermolecular interaction of the analyte is performed in an aqueous solution, and detection of a plurality of analytes is performed. It is intended to be specific and quantitative.
[0012]
In order to achieve the above object, the analysis method of the present invention enhances the Raman active substance having a stoichiometric relationship with the substance to be analyzed by coexisting a substrate of surface-enhanced Raman scattering comprising a group of noble metal colloids. This is done by measuring surface-enhanced Raman scattering by an electric field. Thereby, since the wavelength-specific surface-enhanced Raman scattering of the Raman active substance is measured, the substance to be analyzed can be specifically and quantitatively performed without using any label.
[0013]
In the present invention, a laser in the near-infrared region can be used as a light source, and both excitation light and Raman scattered light are near-infrared light. It becomes optical analysis. Since Raman scattering is specific to the structure of the Raman active molecule, specific detection is possible. Furthermore, Raman scattering has significantly higher wavelength resolution than fluorescence and absorption, and can easily identify a plurality of molecules having different structures.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention includes an analysis target substance, an analysis target substance binding molecule, at least one Raman active molecule that competes with the analysis target substance and binds to the analysis target substance binding molecule, and surface-enhanced Raman scattering. A system comprising a substrate, wherein the binding force of the Raman-active molecule to the analyte-binding molecule is weaker than that of the analyte, the analyte-binding molecule and the Raman activity An analyte is added to the complex to which the molecule is bound, and the Raman-active molecule is released by displacement of the analyte, then captured by a substrate of surface-enhanced Raman scattering, and irradiated with excitation light in this state. This is performed by measuring the surface-enhanced Raman scattering light of the Raman active molecule. As a result, the analysis of the intermolecular interaction between the analyte and the analyte-binding molecule and the specific and quantitative measurement of the analyte are achieved.
[0015]
The present invention also provides an analysis target substance, an analysis target substance binding molecule, at least one Raman active molecule that competes with the analysis target substance binding molecule and binds to the analysis target substance, and surface-enhanced Raman scattering. A system comprising a substrate, wherein the binding force of the Raman-active molecule to the analyte is weaker than that of the analyte-binding molecule, wherein the analyte and the Raman-active molecule are bound to each other The analyte-binding molecule is added to the complex, and the Raman-active molecule is liberated by displacement of the analyte-binding molecule, and then captured by a substrate of surface-enhanced Raman scattering. In this state, excitation light is irradiated, This is performed by measuring the surface-enhanced Raman scattering light of the generated Raman active molecule. As a result, the analysis of the intermolecular interaction between the analyte and the analyte-binding molecule and the specific and quantitative measurement of the analyte are achieved.
[0016]
The present invention also provides an analysis target substance, an analysis target substance binding molecule, at least one Raman active molecule that competes with the analysis target substance and binds to the analysis target substance binding molecule, and surface enhanced Raman scattering. A binding substance of the Raman-active molecule to the analyte binding molecule is stronger than the analyte, wherein the binding property of the analyte and the analyte is The Raman-active molecule is generated when the Raman-active molecule is added to the complex to which the molecule is bound, and the Raman-active molecule is bound by substitution of the analyte, and the excitation light is irradiated in this state, and the analyte is not present. This is done by measuring the difference between the surface enhanced Raman scattered light of the molecules. As a result, the analysis of the intermolecular interaction between the analyte and the analyte-binding molecule and the specific and quantitative measurement of the analyte are achieved.
[0017]
The present invention also provides an analysis target substance, an analysis target substance binding molecule, at least one Raman active molecule that binds to a complex in which the analysis target substance and the analysis target substance binding molecule are bound, and a surface. A system composed of a substrate for enhanced Raman scattering, wherein the Raman active molecule is bound to the complex in which the analyte and the analyte binding molecule are bound, and in this state, excitation light is irradiated, and the analyte is This is done by measuring the difference between the Raman-active molecules generated when they are not present and the surface-enhanced Raman scattered light. As a result, the analysis of the intermolecular interaction between the analyte and the analyte-binding molecule and the specific and quantitative measurement of the analyte are achieved.
[0018]
The substance to be analyzed can be selected from the group consisting of oligonucleotides, enzymes, and antibodies, but is not limited thereto. As the analyte binding molecule, a molecule that can complementarily or specifically bind to the analyte can be selected. An oligonucleotide or a peptide can be contained in at least a part of the Raman active molecule. The Raman-active molecule particularly preferably contains a nitrogen-containing heterocyclic compound as a part of the molecule.
[0019]
Examples of such a combination of an analysis target substance, an analysis target substance substance binding molecule, and a Raman active molecule are not particularly limited, and examples thereof include an oligonucleotide complementary to each other and a primer having adenine at the end.
[0020]
Surface-enhanced Raman scattering substrates include rough electrode metal surfaces, colloids of metal particles, films with metal particles deposited in islands, metal particles encapsulated in a glass matrix by the sol-gel method, and polymers. Inclusive metal particulates have been reported so far. Among these substrates, a colloid of noble metal nanoparticles in an aqueous solution is considered to be most convenient in practice. The reasons are as follows: 1) Fine particles can be synthesized by a liquid phase method, and handling is simple. 2) Applicable to continuous flow analysis systems. 3) The particle size and shape can be controlled. 4) The surface area can be easily defined. 5) The form can be changed for theoretical analysis. Such advantages are pointed out.
[0021]
The precious metal colloid is preferably used in a state where it aggregates due to the addition of salt or the like and forms a group in water.
[0022]
However, the state of aggregated noble metal colloid is usually unstable in an aqueous solution.
[0023]
In the present invention, it is desirable that the group of noble metal colloids constituting the surface-enhanced Raman scattering substrate are held by the dispersible fine particles. Thereby, the stability of the noble metal colloids forming a group can be improved, and surface-enhanced Raman scattering can be easily used (PCT / JP01 / 01854). Here, a swellable layered silicate such as synthetic smectite can be used as the dispersible fine particles.
[0024]
Several such swellable layered silicates are commercially available, for example, trade name Lucentite SWN or Lucentite SWF (synthetic hectorite) or ME (fluorine mica), trade name Smecton SA (synthetic saponite) or trade name Examples thereof include Kunipia F (purified montmorillonite), trade name Tixopy W (synthetic hectorite), trade name Laponite XLG or Laponite RD or Laponite XLS (synthetic hectorite), trade name Multigel (bentonite), and swellable synthetic fluorinated mica.
[0025]
In the present invention, the surface-enhanced Raman scattering of the Raman-active substance having a stoichiometric relationship with the intermolecular interaction is specifically measured by the enhanced electric field of the noble metal colloids that form a group in water. Can be analyzed.
[0026]
The present invention also has a great feature in that it enables high-sensitivity analysis by Raman spectroscopy in the near infrared region. Analysis by Raman spectroscopy in the near-infrared region eliminates the influence of impurities in the matrix containing the analyte and improves specificity and selectivity in the detection of the analyte. It is possible to obtain an extremely practical effect.
[0027]
These Raman-active molecules and analyte-binding molecules constitute a useful analysis kit together with a surface-enhanced Raman scattering substrate.
[0028]
【Example】
The present invention will be specifically described below with reference to examples.
[Example 1]
FIG. 1 is a schematic diagram showing an embodiment of the present invention.
[0029]
[Figure 1]
[0030]
In the above figure, the analysis target substance A, the analysis target substance binding molecule B, at least one Raman active molecule C that competes with the analysis target substance and binds to the analysis target substance binding molecule, and the surface A system comprising a substrate D for enhanced Raman scattering, wherein the binding force of the Raman active molecule C to the analyte binding molecule B is weaker than that of the analyte A. An analyte A is added to a complex BC in which the substance-binding molecule B and the Raman-active molecule C are bound, and the Raman-active molecule C is liberated by substitution of the analyte A, and then the substrate D for surface-enhanced Raman scattering. In this state, the surface is irradiated with excitation light, and the generated surface-enhanced Raman scattering light of the Raman active molecule C is measured.
[0031]
[Example 2]
FIG. 2 shows the specific surface-enhanced Raman scattering spectrum of an aqueous solution of adenine due to the enhanced electric field of a group of noble metal colloids retained by smectite. The adenine concentrations of a, b, c, and d in FIG. 2 are 62.5 μM, 20 μM, 6.25 μM, and 0 μM, respectively. As a Raman spectroscope, FT-Raman Magna manufactured by Thermo Nicolet was used and irradiated with a 1064 nm near-infrared laser and accumulated 128 times. A calibration curve at 735 cm −1 is shown in FIG. In FIG. 3, a is surface-enhanced Raman scattering, and b is normal Raman scattering. Adenine could be quantified by near infrared light.
[0032]
[Example 3]
In the schematic diagram of FIG. 1, oligoadenine (20 base pairs) was measured using oligoadenine (10 base pairs) as the analyte, oligothymine (20 base pairs) as the analyte binding molecule, and adenine as the Raman active molecule. . FIG. 3 a is a surface-enhanced Raman spectrum of a mixed solution of 1 μM oligothymine (20 base pairs) and 20 μM adenine. FIG. 3b is a surface enhanced Raman spectrum of a mixed solution obtained by adding 1 μM oligoadenine (10 base pairs) to a mixed solution of oligothymine (20 base pairs) 1 μM and adenine 20 μM. FIG. 3C is a surface enhanced Raman spectrum of oligothymine (20 base pairs) 5 μM. It was found that the surface-enhanced Raman intensity of adenine weakens when bound to oligothymine, and the surface-enhanced Raman of oligothymine hardly appears. When oligoadenine was added to the complex of oligothymine and adenine, adenine was liberated and the surface-enhanced Raman intensity of adenine was increased. Therefore, it was suggested that the method of the present invention enables the analysis of oligoadenine and the analysis of the interaction between oligoadenine and oligothymine.
[0033]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to analyze an intermolecular interaction of an analysis target substance in an aqueous solution without using a label such as a dye, and to detect a plurality of analysis target substances specifically and quantitatively. it can. Moreover, the measurement by near-infrared light can be used easily.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a schematic diagram of an embodiment of the invention.
FIG. 2 shows surface enhanced Raman scattering of adenine. FIG. 3 shows a calibration curve of adenine.
FIG. 4 shows the response of oligoadenine when the analyte is oligoadenine, the analyte binding molecule is oligothymine, and the Raman active molecule is adenine.
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