JP4339928B2 - 医療装置 - Google Patents

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Description

(1.技術分野)
本開示は、一般に、病変の看護又は治療のための医療装置に関する。特に本開示は、創傷被覆材、例えば、抗微生物、治療、又は予防特性を有する導電性創傷被覆材、及び前記被覆材を作製する方法に関する。
(2.関連技術)
治癒の速度の増大は医療費を減少させ、かつ二次感染による合併症の危険を減少させるので、傷の治療は、科学的及び商業的調査の高度に発展した分野になっている。現在治癒は、傷の程度、ホストの免疫学的及び栄養学的状態、傷の汚染、傷表面の湿気の度合い、pH及び酸素圧、並びに周囲の無傷で損傷のない組織に関係する傷の部位の電気的パラメーターに関連していると信じられている。特に、両生類の再生及びほ乳類における骨折の治療は、局所における直流電流(DC)電界における複雑な変化と関連している。傷が治癒するにつれ徐々に、電界は、正常な、損傷を受ける前のレベルに戻ると信じられている。逆に、例えば、骨折の癒着不能における、正常な治癒の過程の失敗は、特に、傷又は感染部位における適切な電気的信号の欠如と関連している。
両生類の皮膚における治癒の速度はほ乳類よりも有意に大きいので、両生類における傷の治癒について行われた研究は多数ある。ほ乳類の皮膚における傷の治癒は、7(乾燥した傷)〜20(湿潤した傷)μm/時間にわたる上皮細胞移行速度で、数日又は数週間にもわたって起こる。両生類の皮膚の傷は、60〜600μm/時間又はそれより大きい上皮細胞移行速度で、数時間以内に治癒する。両生類の皮膚における治癒速度の上昇は、上皮の外側表面を浸す、水性の環境によって部分的に説明されるだろう。水性環境における両生類の傷には、傷の表面上の電位を再建するための適切なイオン、並びに細胞の移行及び再生に好ましい環境が供給されている。
ほ乳類の乾燥した傷は、閉鎖被覆材によって湿った状態に維持されている傷よりもゆっくりと治癒されることが、一般に認識されている。傷の周囲の表皮及び傷自体を湿潤状態に維持することは、傷口の閉鎖を促進する。創傷被覆材は、傷によって産生された滲出液からの湿気を維持し、液体の蒸発を防止することにより機能するように設計されてきた。乾燥し、吸収液の産生のない傷は、自己完備した創傷被覆材中の湿気に依存するに違いない。創傷被覆材が乾燥すると、傷の治癒に適した必要な湿気の程度は維持されず、該被覆材は傷の表面に貼り付き、細胞プロセス(cellular processes)の破壊を引き起こす。湿気の欠如は、乾燥痂皮又は瘡蓋の形成を招き、一般に傷の治癒過程を全体的に遅くする。
大量の湿気を生成する傷は、皮膚の解離と呼ばれる、別の問題を引き起こすと考えられる。皮膚の解離は、体液又は水分への継続的曝露の結果としての皮膚の軟化、又は皮膚の解離である。角化した上皮の破壊を引き起こすことが知られており、その結果、表皮の湿気調節機能と同様、物理的な微生物の障壁機能を減少させる。微生物の障壁機能の減少のために、傷の表面は、周囲の環境からの病原性微生物による汚染の危険性が有意に大きくなる。従って、傷の液体を吸出し、吸収層に液体を貯蔵することによって皮膚解離を低減又は防止するために創傷被覆材を設計することは一般的実行である。
傷の治療における一般的な実行は、不浸透性の裏打ち層シート(backing sheet)の創傷被覆材への応用である。裏打ち層シートは、微生物の侵入を防止する物理的障壁と同様に、水分維持層として機能する。裏打ち層シートは、典型的には、特定の水蒸気透過速度(MVTR)を有する材料からなり、吸収層からの水分の蒸発速度の制御を提供する。従って、裏打ち層シートは、一般的には液体に対して不浸透性である。
含まれている吸収層への傷表面からの液体の制御された漏れを供給するための特定の経路によって、傷の滲出液の方向づけする目的で医療用材料の構造内に含有することのできる、様々な排出システムがある。
例えば、特定の送り穴付きフィルムにおいて、該送り穴は、傷の滲出液がフィルムを通って、解離の共通の原因である傷の表面に貯まることを妨げる速度で拡散することを許容するのに十分である。この創傷被覆材は、滲出液によって飽和した場合は、被覆材は除去されなければならない。
傷の水分含有量を維持するために設計された多数の被覆材があるが、現在の方法においては、効率の悪い部分が多くある。例えば、従来の被覆材は湿った傷にのみ有効であるが、乾燥した傷には有意な利益を供給しない。傷は、治癒サイクルを通じて生成される滲出液又は水分の量において有意に変化する。効果的なレベルの湿気を維持するためには、吸収成分が最大能力に達するように、被覆材を頻繁に交換する必要がある。逆に、被覆材を除去し、乾燥した傷に液体を加え、次いで被覆材を交換することが必要である。いずれの状態であっても、被覆材の除去は細胞プロセスの破壊を引き起こし、微生物による汚染の危険を増大する。
更に、傷の治癒過程の間、水分含有量の変更として、被覆材のタイプを変更することが必要である。
傷治療に対する湿気の影響に加え、傷の部位における微生物の成長が治療に対して大きな効果を有する。正常な皮膚において、微生物障壁が角化された上皮細胞によって形成される。傷は、角質化された上皮細胞及びそれより深い層の破壊、並びに天然の抗微生物障壁の損失を引き起こす。
傷の部位における微生物種の存在は、治癒過程を遅延させ得る生体的負担(bioburden)をもたらす。傷の生体的負担が、103CFU/ml未満の微生物数へと減少するにつれて、傷の治癒は向上する。通常、傷の治療は、傷の生体的負担の減少と共に、外部環境からの病原性微生物による汚染を防止することを含む。
傷の治療に用い得る多数の抗菌剤及び抗真菌剤のスコアはあるが、銀の抗微生物及び抗真菌特性には特に興味がある。しかし、銀の抗微生物剤としての有効性は、デリバリーシステムによって少なくとも部分的に決定される。容易に解離し、多くの遊離銀イオンを生成する、ほとんどの銀化合物は、ほ乳類の組織にとって非常に毒性が高い。スルファジアジン銀クリームを含む、火傷の治療に広く用いられる毒性の低い化合物は、容易に解離せず、多くの銀イオンを放出しない。従って、これらの化合物は、しばしば、その臨床的有効性を維持するために再度応用されるべきである。
銀は、創傷被覆材の構成に用いられており、傷の中に金属銀粒子又は銀イオンを活発に又は受動的に放出する。銀イオンの活発な放出は、供給源から創傷被覆材又は傷自体に銀イオンを活発に駆動する電位の存在を必要とする。これは、当業者に公知のバッテリー又は他の電源によって達成される。銀イオンの受動的な放出は、水溶液中の銀の溶解度に依存する。銀イオンの受動放出は、微量放出過程と呼ばれ、溶液内への銀の受動的な溶解を含む。
金属銀又は銀イオンの抗微生物効率は、金属銀表面に直接接触する微生物、又は放出銀イオンに接触する微生物に依存する。従って、金属銀の全表面積及び放出銀イオンの数は、抗微生物活性のレベルに直接関連する。
金属イオンの移行のメカニズムを創造するために、種々の方法が用いられてきた。
例えば、様々な基板上に金属銀及び銀塩をめっきするために、創傷被覆材の構築に真空蒸着技術が利用される。真空蒸着技術は、金属銀のナノ結晶粒子の放出を許容することによって抗微生物効果を向上させることが報告されている、めっきされた銀の「原子の無秩序」を形成するように改良された。しかし、その技術は、平らなめっきパターンを提供し、繊維の全体の三次元表面を一様にめっきしない。
創傷被覆材由来の銀イオン及び粒子の受動的な放出のために用いられる別のメカニズムは、種々の基板に種々のサイズの銀粒子を包埋するか配置することを含む。不活性ポリマーの厚い連続的な層に積層された、再構築されたコラーゲンフォームの外科手術用被覆材に、コラーゲン中の超微粒子金属銀が組み込まれている。これは、最大数のイオンと傷との直接接触を許容しない。
電圧源と連結した場合、金属陽極及びリターン電極は、傷又は創傷被覆材内に銀イオンをイオン泳動的に送るための手段として用いられてきた。銀タンパク質コロイドを含む導電性の銀含浸網は、lOlA/mm2と同等の電流密度で開示されている。これは、外部電力源及び据え置き型装置を必要とし、患者にとって扱いにくい。
銀箔は、薬物治療を施すための電極として作用すると同様に、抗微生物剤としての銀イオンを供給する手段として創傷被覆材に組み込まれている。更に、銀は、傷に治療電圧を印加する手段を組み込む装置に製造された。銀箔は空気の循環を供給せず、表面領域に限定されている。
銀を傷環境へとゆっくりと放出する化合物は、水溶性ガラス、五酸化リン及び酸化銀等の物質として開示されている。銀を含浸したガラスは、被覆材内の粉末、顆粒、又は織物の形態であってもよい。水溶性ガラスは、ガラスの分解に応じて、二次的に銀を放出する。
このような化合物は高い体積抵抗を有し、導電率が非常に低い。
銀が銀イオンの形態で、又は典型的組成物(硝酸銀水溶液、スルファジアジン銀クリーム等)として供給されるかとは関係なく、その有益な効果は、処理された表面、及び直接に隣接した組織で主として明らかであり、銀イオンの達成可能な組織濃度によって制限される。銀及び銀化合物のインビトロ及びインビボにおける送達に関する多くの技術の可能性にもかかわらず、補助の電気的刺激の必要性なしで、治療部位に銀イオンの臨床的有効濃度を供給することを可能にするデリバリーシステムの必要性が残っている。
利用可能なイオン治療装置のいずれもが、傷の部位のホメオスタシスな電磁気環境を回復する、効率的かつ好都合な手段を提供しない。また、それらは、金属イオンを放出するための最大表面積を提供しない。更に、先行技術は、手動で被覆材を交換せず、液体又は薬物を適用せずに、傷の水分含有量を調節する必要性を解決しない。創傷被覆材が微生物の障壁として供給され、かつ傷の滲出液からの液体の移動を防止しなければならないという確信のために、これは部分的に真実である。現在利用可能な傷の治療は、治療過程の一部として操作され、かつ中断されるに違いない物理的障壁の提供によって微生物汚染を防止する。このような活動は微生物の汚染を許容し、治癒過程を妨害する。
過剰な湿り又は乾燥なしで、湿気条件において傷が維持されるとき、傷の治癒は最大の速度及び効率で生じると信じられている。
陰圧又は減圧は、軟組織の損傷の治療及び創傷閉鎖のために創傷被覆材と組み合わせて使用されてきた。陰圧創傷療法(negative pressure wound therapy)は、局所的に陰圧(減圧)を加えて傷の治癒を促進することによって創傷閉鎖を補助する。一般に、真空圧が、創傷腔内、又は皮弁若しくは移植片の上に位置付けられた、特別な被覆材に加えられる。この圧力分布傷充填材は、傷から液体を除去し、正常な治癒の過程を促進する助けとなる。
いくつかの陰圧療法は、傷の形状に切断することができる、又は並べて配置若しくは層状にして非常に大きな傷を治療することができる、開放気泡の網状発泡体を使用する。発泡体と接触するチューブは、過剰な傷の液体を除去するために、真空圧を加えることを可能にする。被覆材及び遠位側の排気チューブは、真空圧をシステムに加えることを可能にさせる封鎖をもたらす透明な閉鎖されたドレープによって覆われている。
排気チューブの自由端は、マイクロプロセッサで制御される真空ユニットに収まり、かつ傷から引き離された液体を収集するキャニスター型の貯蔵所に取り付けられる。真空ユニットは、治療されている傷が必要とするものを満たすように選択された連続的又は断続的な陰圧を提供する。圧力は、繊細な傷組織を損傷の危険にさらすことなく、最適な液体の除去をもたらすことが実証されている範囲内で調整することができる。
傷に対する陰圧療法の適用は湿った傷の治癒環境を提供する。湿った傷の治癒環境は傷の治癒のための看護の標準である。過剰な間質液の除去は、傷周辺の環境に存在する過剰なプロテイナーゼの除去に結び付く場合もある。メタロプロテイナーゼは、成長因子がその標的組織に達することができる前に、該成長因子を結合し分解することが知られている。阻害因子が除去されると、成長因子は細胞の増殖及び移行を促すことができる。余剰間質液の除去は、当然ながら傷周辺の硬化(膨化)を減少させる助けとなることができ、それが更に傷の治癒を促進する助けとなる。
傷に陰圧を加えることに関連した問題としては:被覆材内への組織成長;血管及び内臓等の繊細な構造の潜在的損傷;並びに被覆材の交換時に繰り返し外傷を引き起こす(従って痛みを増加させ、治癒時間を増加させる)、傷の基部への被覆材の粘着;が挙げられる。
従って、病変を治療又は予防するための、付加的な装置及び方法に対する必要性がある。
(要旨)
本開示の態様は、一般に、生体の病変を治療するための組成物及び方法に関する。1つの態様は、約1,000μm未満の内径を有する抗微生物金属で被覆されたチューブと、約1,000オーム/平方未満の表面抵抗とを含む、第1の形状適合性(conformable)の導電性織物を含む創傷被覆材を提供する。別の態様は、1以上の繊維又は発泡体を含む少なくとも1層の形状適合性の導電層を含む装置であって、前記1以上の繊維又は発泡体が、約1,000オーム/cm以下、5オーム/cm以下、若しくは1オーム/cm以下の表面抵抗を有する導電層を提供するのに十分な量の抗微生物金属で被覆され、かつ前記少なくとも1層が当該装置に少なくとも約5%の液体吸上値(liquid wicking value)を提供するのに十分な複数の開口を含む、前記装置を提供する。他の態様では、装置は、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又はそれを超える液体吸上値を有することができる。
ある態様においては、開示される組成物は、経上皮皮膚電位の回復、湿った傷の治癒環境の維持、機能的な微生物のバリアーの形成、傷の微生物のによる生体的負担の減少、抗微生物性金属の送達、痛みの減少の補助、又はこれらの組み合わせを補助することができる。例えば、開示される装置の特定の実施態様は、傷の電位を減少させるか、又は傷の電位を、約1mV、約5mV、約10mV、約20mV、約30mV、約40mV、約50mV、若しくはそれを超えて更に負にすることができる。
本開示は、装置、医療装置、創傷被覆材、及び開示される組成物を使用する方法も提供する。本開示の創傷被覆材等の装置は、材料の1以上の層を含む。該層の1層は、導電性繊維、非導電性繊維、導電性発泡体、非導電性発泡体、又はこれらの組み合わせを含む層であり得る。導電層として言及されるこの層は、金属めっきで被覆された繊維若しくは発泡体の1以上の表面の約0%〜約100%、及びこれらの間の全ての範囲を有する、繊維、発泡体、又は繊維と発泡体の組み合わせを含む。ある態様においては、1以上の繊維又は発泡体は、約1,000オーム/cm以下、典型的には約5オーム/cm以下、更により典型的には約1オーム/cm以下の表面抵抗を導電層に提供するのに有効な量の抗微生物金属で被覆される。金属めっきされていない繊維又は発泡体は非導電性として言及され、金属めっきされている繊維又は発泡体は導電性として言及される。
別の態様は、複数の支持体によって分離された、形状適合性の導電性織物の少なくとも2つの層を有する装置を提供する。本開示の他の装置は、吸収層である第2の層と、水分制御層である任意の第3の層を含むことができ、これは、気体又は液体に対して不浸透性であってよいか、あるいは気体、液体、微生物又は環境汚染物等の異物の透過を許容する開口をその中に有してよい。
好ましくは、少なくとも1の導電層を傷と接触させて配置することができる。該導電層の少なくとも一部は、金属で被覆された基材を含む。繊維は、多糖類、例えば、アルギン酸塩、キトサンや、ポリアミド、ポリエステル、シルク、綿、タンパク質等の天然若しくは合成ポリマー、又はこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。繊維は組成及び三次元構造において変化してもよい。
好ましい導電層は、複数の繊維を含み、少なくとも1つの繊維は三次元構造を有し、該繊維は実質的に金属で被覆されている。
他の好ましい導電層は、ポリマー発泡体構造を含み、該発泡体表面の一部が実質的に金属で被覆されているか、又は該層が繊維及び発泡体の組み合わせを含む。導電層中の複数の繊維又は発泡体は、その表面が金属で被覆されている少なくとも1つの繊維又は発泡体を含み、毛管現象又は液体の吸上作用等の液体の自発的移動を提供する形態の繊維又は発泡体を含む。そのような繊維又は発泡体は、該繊維又は発泡体の縦軸に沿った溝又は導管を有するように設計され、これら導管は液体を移動させ、物質を貯蔵又は捕捉するための導管として役立ち、繊維又は発泡体の表面積について、所定のデニールについての大きな表面積を供給する。
好ましくは、被覆材の付加的な層は、少なくとも1層の吸収層、及び水分調節層中に主に配列された複数の開口を有する少なくとも1層の水分調節層を含む。開示される装置の層の1以上が1以上の開口を有し得ることは理解されるであろう。開口は、開口のない層から、液体を閉塞するが気体を閉塞しないサイズ、液体及び気体の通過を許容するサイズ、細菌、ウィルス、真菌、寄生虫等の微生物、及び環境汚染物質に対してオープンなサイズの開口まで変化し得る。
本開示の付加的な態様は、非導電層を備える、繊維の導電層の交互変化によって形成された容量性の効果を提供する創傷被覆材に関する。
本開示の別の態様は、各層を含む導電性繊維と非導電性繊維との割合に従って配置された複数の層を有する創傷被覆材に関する。本開示の付加的な態様は、新規な被覆材の機能的形態の種々の構成に関する。本開示の別の態様は、人又は動物において傷を治療するために新規な被覆材を使用する方法に関する。本開示の更なる態様は開示される装置を製造する方法に関する。
(詳細な説明)
本開示の実施態様は、病変を治療又は予防するための組成物、及びそれらの使用方法を含む。1つの実施態様は、人又は動物における病変の治療に有用な医療装置を提供する。典型的な医療装置は、単一又は多層の創傷被覆材を含むが、これに限定されない。他の実施態様は、傷又は病変を治療又は予防する方法、及び開示される装置を製造する方法を提供する。
ある実施態様においては、開示される医療装置は、(1)経上皮皮膚電位の修復又は維持を補助すること、(2)液体及び気体の通過を制限することなしに環境病原体に対する抗微生物障壁を形成すること、(3)傷の表面及び被覆材の水分含有量を調整することを補助し、かつ液体を手作業で追加若しくは除去する、又は二次的被覆材を用いて追加若しくは除去することを許容すること、(4)傷の表面を乱さずに創傷被覆材に薬物又は液体を加えることを許容すること、(5)傷からおきる痛みの減少を補助すること、或いはこれらの組み合わせにより、治癒を補助するように構成される。
様々な実施態様を詳細に議論するのに先立ち、開示される主題を明確にするために以下の定義を提供する。特に指摘されない限り、これらの定義が使用される。
(1.定義)
用語「抗微生物金属」は、微生物の成長若しくは再生を阻害、防止、又は減少させる金属、合金、又は1以上の前記金属を含む金属組成物をいう。
用語「織物」は、基礎を成す構造をいう。基礎を成す構造は、天然若しくは合成繊維の製織、フェルト化、編成、かぎ針編み、又はこれらの組み合わせによって製造した基材を含むが、これらに限定されない。該用語は、圧縮しマット状にした動物繊維、天然繊維、合成繊維、又はこれらの組み合わせを含む。
本明細書で用いられるように、用語「繊維」又は「繊維(複数)」、「発泡体」又は「発泡体(複数)」は交換可能である。用語のうちの1つが用いられる場合、用語は異なって別々に形成される物質を意味するが、他方又はいずれかの複数が意図される。
用語「液体吸上電位値(Liquid Wicking Potential Value)(液体吸上値)」は、垂直吸上げ作業の間に、開示される装置によって、記載されている目標領域から除去される液体の量に関連する性能パラメーターをいう。この値は、装置が目標領域から液体を除去する能力を表す。装置の少なくとも1層は、所望の液体吸上電位値を提供するように構成される。
用語「微生物」は、細菌、真菌、RNA若しくはDNAウィルス、プリオン、マイコプラズマ、及び単細胞生物又は寄生体を含むが、これらに限定されない微小生物形態(minute life form)をいう。
用語「器官」は、人又は動物の特殊な機能を有する身体のいずれかの部分をいい、骨、筋肉、皮膚、心臓、目、肝臓、腎臓、血管系、肺、生殖器等を含むが、これらに限定されない。用語「傷」は、また、機械的又は生理学的な事象又は状態に起因する、人又は動物の器官の全ての異常状態をいうことができる。
用語「三次元被覆」は、繊維又は発泡体の完全長であり得るか、若しくは該繊維又は発泡体の1つ以上の被覆された部分を含み得る、繊維又は発泡体の全ての表面の、周囲の同心の均一な被覆をいう。
「傷」又は「病変」なる用語は交換可能に使用され、無傷の若しくは傷ついた皮膚、打撲傷、血腫、炎症、外傷、発疹、水泡、吹き出物、擦傷、蕁麻疹、皮疹、中間層創傷、中間層熱傷、切込み、皮膚移植部位、皮膚供与部位、裂傷、ステージI−IVの皮膚潰瘍、静脈うっ血性潰瘍、圧迫潰瘍、動脈不全潰瘍、糖尿病性潰瘍、褥創性潰瘍、器官裂傷、器官磨耗、器官引裂、若しくは外部及び内部の手術傷を含むが、これらに限定されない、人又は動物の身体内部又は外部のいずれかの傷をいう。
(2.実施態様)
一実施態様は、第1の形状適合性の導電性材料又は織物を含む、病変を治療又は予防するための装置を提供し、該材料又は織物は、(1)抗微生物金属と、(2)約1,000オーム/cm未満の表面抵抗、及び(3)装置に少なくとも約5%の液体吸上値を提供するのに有効な複数の開口とを含む。他の実施態様では、装置は、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又はそれを超える液体吸上値を有することができる。
液体吸上値は、その全体が参照により組み込まれる米国特許第6,437,214号に記載されるように決定することができる。簡潔には、以下の試験を使用して、液体を目標領域から除去する材料の能力が決定される。装置に貯蔵所からある量の液体を吸収させ、目標領域から除去された液体の量を測定する。装置の湿重量を決定する。装置を乾燥させ、この重量を湿重量から差し引いて、目標領域から取り除かれた液体の量を決定する。目標領域から除去された液体の量を、目標領域に加えられた液体の総量で割り(例えば、cm単位での目標域の表面積に、cm当たりの液体1gを掛け)、その結果に100を掛ける。これが層領域の液体吸上値である。
多層装置又は被覆材の液体吸上値は、層の任意の1層によって提供される最大液体吸上値である。例えば、二層装置の液体吸上値は、その二層によって提供される2つの液体吸上値の大きい方である。
ある実施態様は、湿気の損失を制御すること、被覆材の開口若しくはスリットの配置を変更すること、傷と接触する層の材料を変更すること、1以上の吸収層の吸収特性を変更することを含む、傷表面の湿気のレベルを制御する装置又は被覆材を提供する。吸収層材料は、ヒドロゲル、キチン、アルギン酸塩、ポリウレタン発泡体、アクリル酸塩、親水コロイド、コラーゲン、ガーゼ、綿及びセルロース系材料を含むがこれらに限定されない。
開示される装置のある実施態様は陰圧療法に有用である。これらの実施態様では、装置は、少なくとも約10%の液体吸上値を提供し、かつ傷の中の液体によって遮断されることなく真空の生成を促進する、開口を有して構成される。被覆材は、都合よく、傷の感染を予防、減少、又は治療するイオン銀を放出する。
別の実施態様は、形状適合性の導電材料の少なくとも1の層を含む医療装置を提供する。形状適合性の導電材料は、また、吸収材料及び/又は保湿材料であり得る。或いは、医療装置は、形状適合性の導電材料と接触している吸収材料の任意の層を有することができる。一般に、形状適合性の導電材料は織物であり、これにはフェルトが含まれる。装置は、少なくとも1層、少なくとも2層、少なくとも3層、少なくとも4層、少なくとも5層、少なくとも6層、少なくとも7層、少なくとも8層、少なくとも9層、少なくとも10層、及びそれを超える層を有することができる。
更に別の実施態様は、導電性織物又は材料を含む装置を提供し、該導電性織物又は材料は抗微生物被覆された発泡体を含む。被覆された発泡体は、約1,000オーム/cm未満の表面抵抗を有する導電材料を提供することができる。発泡体はまた、柔軟な若しくは形状適合性のものであることができ、又は当業界で公知の従来の発泡体であり得る。
従来の発泡体作製方法によって作製された従来の発泡体は、直径50〜100ミクロンの空隙又は細孔を有する。いくつかの定義により、微孔質発泡体は、直径50ミクロン未満の気泡を含むものである。しかし、本明細書及び特許請求の範囲では、微孔質発泡体として言及される材料は、バイオ医学用途に適した、変化する幾何学形状の空隙又は細孔を含むような発泡体である。そのような発泡体は、好ましくは、寸法約1〜約400ミクロン、最も好ましくは約5〜約200ミクロンの細孔又は空隙を含む。
開示される装置の発泡体は、生体吸収性及び非生体吸収性の熱可塑性ポリマーを含む、適切な有機ポリマー材料から作られてもよい。非生体吸収性の医学的に有効なポリマーは、ポリアミド、ポリエステル、及びポリオレフィンを含む。生体吸収性ポリマーは、ポリ(ジオキサノン)、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリアルキレンオキザラート、ポリ無水物(polyanhydrides)、及びこれらのコポリマーを含む。
選択されたポリマー、及び発泡体内における空隙又は細孔のサイズ及び分布によって、発泡体は、柔軟から半柔軟、剛性まで、力学的性質が変動してもよい。従って、ある実施態様における発泡体は、発泡体作製物の意図される用途に応じて、ポリマー、及び空隙又は細孔のサイズを慎重に選択することによって、特定の用途向けに調整されてもよい。
図1は、開示される医療装置又は創傷被覆材の典型的な一実施態様を示す。創傷被覆材100は、形状適合性の導電性基材10を含む少なくとも1層を有する。基材10は、繊維、糸、発泡体、合成若しくは天然ポリマー、又はこれらの組み合わせを含む。一実施態様は、複数の糸又は繊維を含む形状適合性の導電性基材を提供する。糸は、1以上の繊維、発泡体、又はポリマーを含むことができる。典型的な糸は、繊維を包み込む、又はその周りに巻き付けられた弾性要素を有するナイロン繊維を含む。弾性要素は、SPANDEX(登録商標)、LYCRA(登録商標)、又はエラストマー性繊維、例えば、少なくとも85%のセグメント化ポリウレタンを含む長鎖合成ポリマーを有する繊維を含むがこれらに限定されない、任意のエラストマー性物質であり得る。一般に、繊維は、銀等の抗微生物金属で自己触媒的に被覆することができる物質から選択され、エラストマー性繊維は、自己触媒過程の間抗微生物金属で被覆されないエラストメーレ(elastomere)から選択される。従って、一実施態様は、1以上の糸を含む形状適合性の導電性基材を提供し、ここで少なくとも1の糸は、抗微生物金属で被覆されていない第2の繊維と組み合わせて抗微生物金属で被覆された繊維を含む。一実施態様においては、少なくとも1層は、約15%未満のエラストマー、典型的には約10%未満、より典型的には約3%〜約7%のエラストマーを含む。糸又は繊維は、織布、不織布、編み物、からみ合わせ、又は別の方法で組み合わせて、基材、例えば織物又はフェルトを作製するために組み合わせることができる。
糸の繊維又は発泡体は多葉性又は溝状であり得る。典型的には、抗微生物金属で被覆された繊維は多葉性又は溝状である。多葉性又は溝状繊維は、傷に対して露出された抗微生物金属の表面積を増加させると共に、基材内の毛管作用を生成又は促進することによって液体移動を補助する。
基材10は、任意に、基材内に位置付けられた複数の開口11を含み、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又はそれを超える液体吸上値を提供する。開口は、また、陰圧療法と組み合わせて用いられたとき、真空の形成を容易にするように、基材内に位置付けることができる。例えば、開口は、陰圧下にあるときに基材を傷に均一に当てるように、基材10内に位置付けることができる。
図2は、長方形の開口12、及び楕円形又は円形の開口11を含む、開示される装置の代替実施態様を示す。開口は任意の幾何学形状で構成することができる。いくつかの実施態様においては、開口は、抗生物質、抗炎症剤、酸化防止剤、抗体、栄養素、コラーゲン、自己由来組織、自己由来細胞、組換え細胞、成長因子、幹細胞、成体幹細胞、脂肪幹細胞、骨髄細胞、又は臍帯血細胞等の治療薬を含むがこれらに限定されない、外因性物質の送達を容易にするように形作られる。導電性の形状適合性織物は、任意に、1以上の哺乳動物細胞、例えば中胚葉、内胚葉、又は外胚葉細胞を含むことができることが理解されるだろう。細胞は、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、ポリペプチドホルモン、又はこれらのフラグメントを含むがこれらに限定されない、少なくとも1の治療タンパク質又はポリペプチドを発現するように形質移入することができる。
図3は、基材10及び長方形の開口12を含む、典型代表的な多層装置を示す。基材10は、接着剤13によって吸収層14に積層されるか、又は取り付けられる。吸収層14は、上述したような形状適合性の導電材料の第2の層であることができ、或いは、綿若しくはウール等の天然繊維、吸収性合成繊維、発泡体、ガーゼ、スポンジ、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
図4は、形状適合性の導電性織物の2層が複数の支持体15によって分離された別の実施態様を示す。該支持体は抗微生物金属で被覆することができ、又は支持体は被覆しないことができる。ある態様においては、支持体はポリアミド又はナイロン等の合成ポリマーを含む。
図3及び11は、創傷被覆材の典型的な実施態様を示す。図11は、少なくとも1層の導電層、該導電層に隣接して位置するか又は水分調節層に隣接して位置する少なくとも1層の吸収層、及び該吸収層に隣接して位置するか又は導電層に隣接して位置する少なくとも1の水分調節層を含み、該水分調節層の実質的に全体及びその中に種々のサイズの複数の開口を含む、創傷被覆材を示す。
いくつかの実施態様においては、導電層の少なくとも一部は金属で被覆された繊維又は発泡体を含み、該繊維又は発泡体の表面の約0%〜約100%が被覆されている。該繊維又は発泡体は、その表面の約0%〜約100%の範囲で被覆されている該繊維又は発泡体の長さの領域を有してもよい。例えば、7.62cm(3インチ)の繊維においては、第1の2.54cm(1インチ)は被覆されておらず、第2の2.54cm(1インチ)の表面は100%被覆されており、及び第3の2.54cm(1インチ)は被覆されていない。繊維又は発泡体は、導電層に約1,000オーム/cm未満の表面抵抗を提供するのに十分な量の抗微生物金属で任意に被覆されることが理解されるだろう。
非被覆繊維及び発泡体、若しくはアルギン酸、キトサン、ポリマー、合成及び天然繊維又は発泡体を含むがこれらに限定されない非導電性繊維及び発泡体が、該導電層中に配置されていてもよい。金属めっきされた繊維及び発泡体、及び非導電性繊維及び発泡体は、組成において変化し、液体の移動のために用いられる機能的三次元構造を有していてよく、又は有さなくともよい。層は、少なくとも1つの繊維が金属で被覆されている複数の繊維を含んでよいが、これに限定されず、又は、層は、発泡体の少なくとも一部が金属の三次元被覆、及び好ましくは金属の均一な被覆を含む、ポリマー発泡体を含んでもよい。また、少なくとも1つの繊維が金属の三次元被覆を含む場合、複数の繊維は、毛管現象又は液体の吸上作用等の液体の移動を提供する繊維又は発泡体の形態を含んでいてもよい。該繊維又は発泡体は、該繊維又は発泡体の縦軸に沿って、溝又は導管を有するように設計され、ポンプ手段なしに、毛管現象などで、物質を貯蔵又は捕捉し、フィラメント又は発泡体について所定のデニールの大きな表面積又は活性表面積を提供するための導管として役立つ。用語「三次元被覆」は、繊維又は発泡体の全ての表面の周囲の同芯の均一な被覆を言い、該繊維又は発泡体の完全長であり得るか、又は該繊維若しくはは発泡体の1つ以上の被覆された部位を含み得る。好ましくは、治療の間、該被覆材は、導電層が傷と接触し、又は吸収層が傷と接触して位置することができる。
金属で被覆されて導電層を形成するベース基材は、金属被覆を支持できるフィルム、繊維、発泡体、ウェブ又は任意の形態、並びにそのような形態の組み合わせに形成され得る、任意の生体適合性材料、柔軟な材料、合成又は天然の材料であってよい。前記ベース基材は、炭素、ナイロン6又はナイロン6,6を含むが、これらに限定されないポリアミド、ガラス、KEVLAR(登録商標)、アセテート、亜麻、オレフィン、ポリエチレン、ゴム、サラン、スパンデックス、ビニル、ポリエステル、絹、ウール、レーヨン、綿、セルロース又はこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
構成は、繊維、フィルム、発泡体又はウェブを含み、織られている、編まれている、又は織られていない、配合物、複合材料若しくは多成分繊維を含む。若干のヒトは、ある種の繊維材料に局所過敏症を有することがあり、ベース繊維は、非アレルギー性又は低刺激性であるのが好ましい。詳説を目的として、本論議は、開示された装置の導電性の態様について繊維に言及するが、導電性発泡体をも含み得ることは理解されるべきである。
繊維又は発泡体を製造するための好ましい材料は、増感され得る窒素基又は同様の官能基を有する任意の材料であり、自己触媒的めっき用材料の増感に利用可能なものである。該材料が、その表面に窒素基を有しない場合、窒素を供給する異なる材料の層は、増感前に発泡体又は繊維上に被覆することができる。例えば、架橋ポリエチレン繊維をポリアミドで被覆し、該繊維の表面に窒素基を供給する。次いで、ポリアミドが被覆された繊維が自己触媒的金属めっき用に増感される。自己触媒的に金属めっきするための材料を増感する組成物及び方法は当業者に知られており、塩化錫を含むが、これに限定されない。ポリアミドで被覆された繊維を増感させたのち、例えば、銀等の金属が自己触媒的に繊維上にめっきされる。自己触媒的金属めっきは、好ましくは繊維の増感された部分に均一な金属被覆を供給する。上述した方法は、発泡体の金属めっきにも適用される。
更なる実施態様は、約1,000オーム/cm未満の表面抵抗を有する少なくとも1層の導電層を含む創傷被覆材を提供し、該少なくとも1層の導電層は、治療物質に加えて、抗微生物金属被覆、例えば小分子、タンパク質、又は細胞を含む、繊維又は発泡体を含む。付加的な治療物質は繊維上を被覆することができ、繊維表面上の気孔内に含有することができ、或いは、創傷被覆材が傷に接触しているときに治療物質が傷の中に放出されるように、繊維の中空内部内に含有することができる。
他の実施態様においては、導電層は、約1,000オーム/cm又は1,000オーム/平方未満、典型的には約5オーム/cm又は5オーム/平方未満の表面抵抗を有する創傷被覆材を提供するのに十分な量の抗微生物金属で被覆された、繊維チューブ又は多孔質繊維チューブを含む。繊維チューブの孔隙率は、傷から離れる、例えば吸収層内又は創傷被覆材の外部への液体流を増大させるように構成することができる。特定の実施態様においては、少なくとも1つの繊維チューブの内径は、約1000μm、500μm、400μm、200μm、若しくは100μm、又はそれよりも小さい。
更なる実施態様は、約1,000オーム/cm未満の表面抵抗を有する創傷被覆材を提供するのに十分な量の抗微生物金属で被覆された、繊維チューブを含む少なくとも1層の導電層を含む、創傷被覆材を提供し、該繊維チューブは約500μm〜約100μmの範囲の内径を有する。該チューブは、1以上の治療物質、例えば、抗生物質、抗炎症剤、酸化防止剤、抗体、栄養素、コラーゲン、自己由来組織、自己由来細胞、組換え細胞、成長因子、幹細胞、成体幹細胞、脂肪幹細胞、骨髄細胞、及び臍帯血細胞、サイトカイン、ケモカイン、ポリペプチドホルモン、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
中空繊維を作製する方法は、当業界で公知であり、ポリマー物質を抗微生物金属で被覆し、次いでポリマーを、薬剤、例えばキレート剤と接触させて、ポリマーを解重合させることを含むが、これらに限定されない。或いは、チューブは、押出し成形、鋳造、又は他の従来の手段によって形成することができる。
最適な条件下では、導電層(114)は、湿らせた時に導電性であり、非付着性であり、液体及び気体浸透性、多孔性であり、かつ抗微生物性である。該導電層は、傷の表面及び傷の周囲の正常組織と接触してもよい。理想的には、導電層は複数の繊維を含み、ここで少なくとも1つの繊維は均一かつ同心的に金属又は合金で被覆されており、それにより該被覆は三次元的であり及び繊維の全ての表面を被覆する。また、理想的には、導電層は、該表面が均一かつ同心的に金属又は合金で被覆されたポリマー発泡体を含み、その結果、該被覆は三次元的であり、該発泡体の全ての表面をめっきする。繊維又は発泡体の全て又は一部は三次元的に被覆される。好ましくは、導電層(114)の繊維又は発泡体の表面積の全て又は多くは、自己触媒的に金属でめっきされて金属又は合金の均一な三次元被覆を可能にし、金属イオンの放出のための最大の表面積を提供する。放出した金属イオンの抗微生物活性及び金属表面は、抗微生物障壁として機能し、液体及び気体が自由に通過することを同時に許容する一方、周囲環境から傷の表面への微生物の移動を防止することを補助する。
基材上にめっきして、導電層を形成することができる任意の金属又は合金を使用することができる。本開示に適した金属元素は、白金、銅、金、ニッケル若しくは銀、及び/又は白金、ニッケル、コバルト若しくはパラジウムとリンとの二元合金、又は白金、ニッケル、コバルト若しくはパラジウムとホウ素との二元合金を含むが、これらに限定されない。本開示の1つの好ましい態様においては、金属は銀である。説明の目的のため、銀を用いるが、他の金属又は合金と置換可能である。一般に、抗微生物特性を有する金属が好ましい。
一実施態様は、永久又は半永久の磁場を提供する金属を有する層の領域を含む導電層を有する装置を提供する。導電層中において、金属イオンの移動によって電流が起きると、特に液体流れの湿気のある条件で、電界及び一時的な磁場が生成される。該層の範囲に特定の金属、例えばコバルトの同位元素によって、半永久又は永久な磁場を傷の部位に提供することができる。この磁場は液体の流れ又は電流の生成に依存しないが、安定した磁場を供給する。任意の特別の理論によって拘束されたくないが、傷において適所に保持された磁場が治癒過程を補助すると考えられている。
低い純度でも機能するが、理想的には、本開示に用いられる銀は高純度、好ましくは約99.0%〜約99.6%の純度である。高純度は、汚染物質又は望ましくないイオンが傷又は皮膚と接触又は浸透する可能性を減少させると信じられている。
好ましくは、基材は繊維の形態である。繊維のデニールの範囲は約0.0001〜約10,000デニール、好ましくは約1.0〜約1000デニールであり、更に好ましくは約5〜約300デニールである。
個々の繊維に対して与えられる種々の断面図形状は当業者に公知であり、円形、楕円形、インゲン豆型、犬の骨の形、平坦、3葉構造、多葉構造を含む。有利には、Johnson City ,TNのFiber Innovation Technology社から市販されている4DG繊維等の多葉構造の繊維は、円形の繊維に比べ、表面積は250%〜300%増加している。また、その表面において自発的に水を輸送することのできる繊維の構成は入手可能であり、4DG繊維と同様の繊維の多くを含む。一般に、特別な理論によって拘束されたくないが、繊維の表面積が大きくなると、活性表面積を形成する金属めっき繊維の表面積が大きくなり、これは金属イオンの放出をより増大させ、より効果的な被覆材をもたらし得る。
個々の繊維は種々の異なるタイプの糸に製造され、紡績糸、フィラメント糸、複合糸、飾り糸及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。繊維は、トウ、フロックに構成することができ、短繊維、バルクの連続的なフィラメントの形態として提供され得る。複合的な縦フィラメントを示すフィラメント糸及び複合糸が好ましい。糸の連続性が大きくなると、めっきした時に優れた導電率の電位が大きくなると考えられている。繊維及び/又は糸は、織布、撚り及び編み織物(twisted and knotted fabrics)、ニット織布、不織布、フェルト、及び複合/合成織布(compound/complex fabrics)を含む織物に組み立てられるが、これらに限定されない。フィラメント、繊維、糸又は織物を構成する繊維の総表面積は、水性液体中への不動態化金属イオンの放出と同様に導電率の決定における変数であると提案される。
特定の実施態様においては、自己触媒的に金属めっきされた表面は、約1,000キロオーム/平方〜約0.0001オーム/平方の広い範囲、約10キロオーム/平方〜約0.001オーム/平方の中程度の範囲、約10オーム/平方〜約0.1オーム/平方の最適の範囲の表面抵抗を有する。表面抵抗は、オーム/cm又はオーム/インチ(6.45cm)で表すこともできることが理解されるだろう。層内の層又は繊維が増加すると共に電気抵抗が低下すると考えられている。好ましくは、導電性の織物が4層を超えると、電気抵抗は追加の層と共に低下し続けるが、電気抵抗の低下は臨床的な観点からは評価し得るほどではなくなる。導電層の織物の層の数の好ましい上限は約10であり得る。費用、厚み、組成、繊維密度及び織物の構造、及びその他の要因は、層の数を選択するのにも考慮され得る。より低密度である吸収性の高い材料の層を1層より多く有する織物と同等の抵抗測定を達成するためには、より高密度な織物のデザインは、1層のみを必要とし得る。低密度の高度に吸収性の材料の1層よりも多く有する織物のように同一の抵抗測定を達成するために、高密度織物のデザインは1層のみを必要とする。該導電層の表面抵抗の低下は、織物がめっきされる方法、及び二次的に層がどのように構成されるかに関連し得る。一緒に溶解する連続的な繊維を有する織物は、金属層の大きな連続性と共に低い電気抵抗を示すことができると考えられる。繊維が接触する表面積が大きくなるほど、導電性が良好になり、電気抵抗が低くなると考えられている。また、自己触媒的に金属めっきされたポリマー発泡体材料は、低い電気抵抗及び高い導電率を有する金属銀の大きい表面積を提供すると考えられている。
導電層の好ましい態様は、銀で自己触媒的にめっきされた、非導電性ポリマーフィラメント/繊維支持体である。図7Aは、糸に形成され、織物に編まれたマルチフィラメントからなる、自己触媒的にめっきされた重合体織物の代表的な断面図である。図21は、全ての表面に均一に金属めっきされた多葉性繊維を示す。全てのフィラメント(40)は、金属(41)の均一な層で三次元的に被覆されている。図7Bは、1つのフィラメント(40)の均一な金属被覆(41)を示す図7Aの拡大詳細断面図を示す。
図7Cは、ポリマー基材を被覆する均一な金属めっきを示す図7Bの拡大詳細図である。図7Dは、約62μmの表面積を示す、自己触媒的にめっきされた重合体フィラメントの金属表面の拡大図である。
該導電層の好ましい別の態様は、銀で自己触媒的にめっきされた非導電性ポリマー発泡体基材である。図19及び図20は、自己触媒的にめっきされたポリマー発泡体の代表的な断面図である。図19は、自己触媒的に金属めっきされた(153)第二のポリマー発泡体コーティング(152)を有する、ポリマー発泡体基材(151)を表わす。図20は、自己触媒的に金属めっきされた(161)ポリマー発泡体基材(160)を表わす。オープンスペースは、図19及び図20において162及び154で表される。すべての金属めっきされた表面は、金属の実質的に均一な層で三次元的に被覆されている。
図7A、7B、7C及び7Dは、液体に曝された金属銀の実際の表面積が、該織物の幾何学的な表面積よりも極めて大きくなり得ることを証明する。めっきされた金属の表面が滑らかであると仮定すると、幾何学的な表面積:実際の表面積の比は、約1:2〜約1:10,000、約1:10〜約1:1000、約1:10〜約1:500、1:20〜約1:500、約1:20〜約1:250、約1:10〜約1:250、約1:10〜約100及び最適な比率範囲である約1:20〜約1:100を有することができる。図3Dを考慮に入れると、実際の表面積は、計算された滑らかな表面積より、約10〜約1000倍拡大され得ると考えられている。均一な被覆が好ましいとは言え、不均一な被覆が好ましい適用があるであろう。
均一な被覆の厚みは、約0.1μm〜約2.0μm、約0.1μm〜約1μm、約0.1μm〜約1.5μm、好ましくは約0.2μm〜約1.5μmで変え得る。好ましくは、金属被覆の厚みは、銀めっきなしの織物の重量に対するめっきされた銀の重量の割合に直接に関連する。被覆の量は、約5重量%〜約40重量%、約5重量%〜約30重量%、約5重量%〜約20重量%、約5重量%〜約10重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約25重量%、約10重量%〜約20重量%、約15重量%〜約30重量%、更に好ましくは約15重量%〜約22重量%で変え得る。特別な理論によって拘束されたくないが、均一にめっきされたフィラメント及び繊維は、大きな電気的コンダクタンス及び低い電気抵抗を有すると考えられている。好ましくは、最大のコンダクタンス及び最小の抵抗は直接に関連する。本開示において好ましいめっき厚は、約0.2〜約1.5μmであり、めっき織物の重量の約14%〜約22%は金属銀からなる。最も好ましくは、めっきされた織物の重量割合が約10%未満になったときに、めっきされた繊維の導電率は有意に低下し得る。本開示において用いるのに適した、銀で被覆された繊維は商業的に入手できる。
また、被覆材は、傷滲出液又は他の液体を提供し、受け入れ、又は貯蔵するための貯蔵所として主に機能する、少なくとも1層の吸収層(116)を含む。
吸収層は、傷内において、表面層の複数の開口を通じて吸収層に外部源から提供される液体を受け取り、保持することによって、最小の液体排水及び吸収液で湿気の源を提供し得る。該吸収層は、非導電性繊維と均一に混合された、導電性金属をめっきされた繊維の任意の数の層を含み得る。また、該吸収層は、非導電性繊維又は材料のみを含んでもよい。本開示の目的について、非導電性繊維又は材料は、金属又は合金で被覆されておらず、及び電荷又は放出イオンを伝導することができない、任意の繊維又は材料である。
少なくとも1層の吸収層は、任意の吸収材料を含有し、かつ該被覆材は、該被覆材の他の層と隣接して位置する任意の数の吸収層であってもよい。都合に合わせて、該吸収層は水分調節層に隣接して位置することができる。本開示の他の態様において、該吸収層は、導電層と水分調節層の間にある。
本発明の吸収層に適切な吸収材料は、当業界で公知のいずれかの生体適合性の合成又は天然吸収材料であり、発泡体、スポンジ又はスポンジ様材料、セルロース系材料、綿、レーヨン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン親水コロイド、アルギン酸塩、ヒドロゲル、ヒドロコロイド、ヒドロフィブリル(hydrofibris)、コラーゲン又はこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
該吸収層の1つの態様においては、金属めっきされた導電性繊維及び非導電性繊維は、少なくとも1つ以上の層を通して均一に分布することができる。代わりに、金属又は合金でめっきされた繊維、及び非導電性繊維は、吸収層の全体に亘って均一に分布し得る。層の厚みの相違と同様に、金属めっきされた導電性繊維と非導電性繊維との異なる比の吸収材料の層を有することは、本開示の範囲内として意図される。該層は織布、編み物又は不織布の形態であることができる。図14に示される吸収層(130)は、非導電性繊維に対する金属めっきされた導電性繊維の変動する比、及び変動する層の厚みを有する吸収材料の層(131、132、及び133)からなる。金属めっきされた導電性繊維の濃度の増加及び非導電性繊維の濃度の減少に伴い、非導電性繊維に対する金属めっきされた導電性繊維の比が増加する。金属めっきされた導電性繊維の濃度の減少及び非導電性繊維の濃度の増加に伴い、非導電性繊維に対する金属めっきされた導電性繊維の比が減少する。所定の層においては、金属又は合金めっきされた導電層と非導電層との比は、約1:100〜約1:0、約1:75〜約1:0、約1:60〜約1:0、好ましくは約1:50〜約1:0、約1:40〜約1:0、約1:30〜約1:0及び更に好ましくは約1:25〜約1:0であることができる。約100%の導電性金属繊維を含む状態では、比は約1:0である。非導電性繊維に対する、導電性金属又は合金でめっきされた繊維の比は、与えられた層中で一定であるけれども、層毎に変化し得る。
有利には、非導電性繊維に対して、導電性金属がめっきされた繊維の比を増加させることができ、層は傷により接近する。従って、傷の部位からより遠い各々続く層において、導電性金属繊維の濃度勾配が、低下することがあり得る。混合繊維の濃度勾配は当業者に公知の方法により製造できる。
図10の層(131、132及び133)の厚みは同一あってもよく、異なっていてもよい。理想的には、層の厚みは、傷表面からの距離の増加に伴い増加する。付加的な好ましい態様においては、層の増加した厚みは、吸収剤数の比(例えば、1、2、3、5、8、13、21・・・)で生じる。
図16に示される、該吸収層の別の態様においては、多層構造(140)は、導電層(141)と(142)との間に挿入された非導電層(144)、及び導電層(142)と(143)との間に挿入された非導電層(145)と共に、導電層(141、142、143)を含む。導電層の組成は同様であってもよく、導電性金属でめっきされた繊維、若しくは導電性金属又は合金でめっきされた繊維と非導電性繊維との混合物から、織布、編み物又は不織布の形態で形成される。導電性金属又は合金でめっきされた繊維及び非導電性繊維の混合物は、各層において均一であることができ、層は傷の表面に接近するに伴い、非導電性繊維に対する導電性金属でめっきされた繊維の比は減少してもよい。非導電性で柔軟な材料の層を導電層の間に配置することができる。1つの態様において、該非導電層は、実質的に全体に亘って配置された開口を有する不浸透性又は半浸透性材料からなることができる。
図16においては、導電性金属でめっきされた繊維層(141、142及び143)及び非導電性繊維層(144及び155)の交互の使用は、コンデンサー様積層体を創り出すことができる。
図11に示される水分調節層(118)は、吸収層及び傷表面からの水分の蒸発を制限する、生体適合性の半浸透性、又は不浸透性材料であることができる。少なくとも1層の水分調節層(118)は、被覆材の導電層に隣接して、又は吸収層に隣接して位置することができる。都合に合わせて、水分調節層は、吸収層に隣接して配置されることができ、及び固定して取り付けられるか、又は容易な取りはずし及び置換のために着脱自在に取り付けることができる。
水分調節層は、吸収層からの水分の蒸発速度を制御するだけでなく、周囲環境からの微生物の侵入の物的障壁として機能する。水分調節層からの水分の蒸発速度は開口のサイズに関連する。非常に小さい開口サイズは気体の放出を許容するが液体の放出を許容せず、大きい開口サイズは気体及び液体の放出を許容する。さらにより大きいサイズの開口は、細菌及び真菌等の微生物並びに環境汚染物質の侵入を許容する。特別な理論によって拘束されたくないが、この層の微生物(細菌及び真菌等)のサイズよりも大きい開口の配置は、物的障壁が微生物の侵入を防止するために提供されなければならないという有力な教示と逆行すると理論づけられる。いくつかの実施態様は、微生物の侵入に対する従来の物理的な抗微生物性障壁を、抗微生物性金属めっきされた繊維の応用による機能的な抗微生物障壁と置換する。抗微生物めっきされた繊維の機能的な抗微生物障壁は、傷の微生物汚染に対する物的障壁を損なうおそれ無しに、開口が水分調節層中に配置されることを許容する。
該水分調節層は、フィルム、織物又は発泡体とすることができる。いくつかの好ましい材料は、ポリウレタン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル、ビニリデン、塩化ビニルの塩化共重合体、アクリル酸メチル又はメタクリル酸メチル共重合体等のポリオレフィン、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。好ましい重合性材料は、フィルム又はポリウレタン発泡体としてポリウレタンである。該ポリウレタンは、ポリウレタンをベースとするエステル又はエーテルであってもよい。
発泡体水分調節層に適切な材料は、ゴム、シリコン、ポリウレタン、ポリエチレンポリビニル、ポリオレフィン、シリコーン又はそれらの組み合わせを含む、半浸透性又は不浸透性の天然又は合成の化合物を含むが、これらに限定されない。
代表的に、水分調節層(118)は、被覆材の吸収層の湿気の状態の目視検査のための透明なエラストマーフィルムであってもよい。
好ましくは、該フィルムは、約10μm〜約100μm、約10μm〜約90μm、約10μm〜約80μm、約15μm〜約100μm、約15μm〜約90μm、約15μm〜約80μm、約15μm〜約70μm、約20μm〜約100μm、約20μm〜約90μm、及び更に好ましくは約20μm〜約80μmの厚みを有する。いくつかの材料において、10μm未満の厚みは、機械的強度又は取扱適性を乏しくし、約100μmを超える透明なエラストマーフィルムは、ボディーの柔軟性及び心地よさを乏しくすることがある。好ましくは、該水分調節層は約300〜約5,000グラム/メートル/24時間、好ましくは約800〜約2,000グラム/メートル/24時間のMVTRを有する。水分調節層は、当業界で十分に認識されている方法によって吸収層に積層することができる。
該創傷被覆材の水分レベルを調節するため、図10A及び10Bに図示される開口(111)が水分調節層内に配置される。該開口は、曲線、直線又はそれらの組み合わせを有するいかなる幾何学的形状にもし得る。
該形状は、細長い孔、星形、楕円形、円形、半円形、正方形、長方形、多角形又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。該開口は、ランダムに、又は均一に配置され、群又は束とすることができる。このような開口は、吸収層から液体を付加又は除去することを可能にする。傷の治療のための使用法においては、該被覆材を除去することなく、該開口は、液体、薬物、クレンジング又は治療剤を分配することによって傷を浸すことを可能にする。
該開口のサイズは、吸収層、導電層及び傷表面の湿気のレベルの制御を改善することができる。傷の中の湿気のレベルの調節は、導電性金属でめっきされた繊維及び織物からの抗微生物性金属イオンの放出等の利益を提供し、鎮痛効果を向上させ、導電性金属でめっきされた繊維の導電率を改善し、及び傷の部位の電位の修復を補助すると考えられている。結果として、特別な理論によって拘束されたくないが、細胞増殖及び再生が向上し、傷の治癒に費やされると考えられる。
一般に、大きい開口は単層又は多層を通すことができる。該開口は、直接的な液体及び薬物が外部環境から吸収層まで投与されることを可能にするために配置される。図7及び図14の多積層被覆材(110)の開口(111)は、水分調節層を通り抜け、吸収層、又は水分調節層と傷表面との間にある他の層を通り抜けない。多積層島状創傷被覆材(図13の(120)及び図17の(150))の開口(111)は、裏打ちシート、接着層及び水分調節層を通り抜ける。図13の島状創傷被覆材(120)については、開口パターンは、水分調節層の上の領域に限定される。図13の島状被覆材の開口は、裏打ちシート層(112)、接着層(119)及び水分調節層(118)を通って伸びている。
都合に合わせて、半浸透性又は不浸透性水分調節層は、開口のパターンに関係なく、吸収層からの水分調節層の層間剥離が起こらないように積層することができる。該開口は、吸収層への又は吸収層からの液体又は薬物の移動を可能にする。水分含有量の調節は、バルブシリンジ又は類似した適用装置を経た、或いは代わりに図18に示す二次的被覆材(120)を介した液体の適用によって制御することができる。
本開示の他の態様において、該被覆材の吸収層又は導電層に、剥離可能又は着脱可能に取り付けられる水分調節層を提供することは有用である。これは、傷を害することなく、水分調節層の除去及び置換を許容する。該吸収層からの速い除去を可能にするいかなる人工的手段によっても隣接する層に固定することができ、該人工的手段は、接着、編み物技術、積層又はこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
本開示の装置の層は、各々に取り付けられるか又は取り付けられず、若しくは他の構造の構成要素として提供されてよく、又はされなくてもよい。例えば、金属めっきされた繊維から製造される金属の導電層は、傷等の患部に直接貼付される。次いで、発泡体は、吸収層を提供するために患部より上に第2の層として適用される。次いで、水分保持層が、患部の水分含有量を制御するために患部から最も遠い発泡体の表面に配置される。別の例において、患部に対する最も近い第1の又は第2の層としての少なくとも1層の導電層を含む、2又は3層の包帯が提供され、ここで該層は互いに貼付されている。
本開示の全ての態様において、該導電層は、傷に対する被覆材の利用時に、傷の表面と直接接触させるように被覆材中に配置することができる。代替的に、該吸収層は、傷に対する被覆材の適用において、傷の表面と直接接触するよう被覆材中に配置することができる。内部の傷については、例えば、内蔵の外科手術の傷の治療については、該導電層又は吸収層は、傷に対する被覆材の適用において、傷の表面と直接接触するよう被覆材中に配置することができる。
開示される創傷被覆材は、また、導電性被覆、例えばヒドロゲルで、及び任意にアルギン酸カルシウムで被覆された導電層を有することができる。
本開示の創傷被覆材の種々の態様は、任意の隣接する層の間に位置する任意の接着層を含むことができ、又は都合に合わせて、該接着層は被覆材の表層とし得る。被覆材の技術で公知の接着剤は、ゴム系接着剤、アクリル系接着剤、ビニルエーテル及び親水コロイド感圧接着剤を含むが、これらに限定されない。好都合には、抗微生物剤が接着剤に含有されていてもよい。
適用及び、傷又は適用部位のトポロジーによって、本開示の装置は、多くの可能な形態、パターン又は幾何学図形に形成され得る。本開示の創傷被覆材のいかなる態様も、様々な形状及び構成に製造され得る。例えば、構成は、圧縮性ラップ、タンポン、管状形態、巻きガーゼ、種々のサイズ及び形態のパッド、島状被覆材、細長い被覆材、歯科用に適用される被覆材、直腸用被覆材、膣用パッド、外科用包装又は被覆材、若しくはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
図15は、該創傷被覆材の管状の構成を示す。管状の構成は1以上の層からなることができる。該層は、約100%金属めっきされた繊維又は発泡体、若しくは非導電性繊維又は発泡体に対する導電性金属繊維又は発泡体の所定の比で構成することができる。該管状の構成は、治療すべき領域の周囲に円周状に配置するためにラップの形状とすることができる。各層における導電性金属繊維及び非導電性繊維の分布は均一であることができる。該層が傷接触面に近づくにつれて、層131a、132b及び133cの導電性金属めっきされた繊維は、非導電性繊維に対する導電性金属めっきされた繊維の比の増加を示す。該層は、織物、編み物、又は不織布の形態であることができる。本開示のこの態様の管状の構成は、膣、口、鼻、外耳道又は直腸領域の被覆材を含む被覆材の適用において用いられるが、これらに限定されない。
別の創傷被覆材の構成は島状の被覆材である。図12、13及び17は、島状被覆材の種々の代表的な態様を示す。図12は、導電層(114)、吸収層(116)及び水分調節層(118)の上に開口(111)を配置するが、吸収層の周辺領域には配置されていない、被覆材の上面図を示す。図12の断面を図13に示す。剥離ライナー層(117)は、水分調節層(118)上の接着層(119)の全表面を拡張する。傷の表面に島状被覆材を貼付する前に、剥離ライナー層は除去される。接着層(119)は裏打ちシート(112)に積層され、傷の上の被覆材を固定するための感圧接着剤を含むことができる。
図17は島状の構成の多層の創傷被覆材の例を示し、導電層(125)が吸収層(126)と水分調節層(128)との間に付加されたことを除き、(150)は図13に示す被覆材(120)と同じ層組成を有する。該導電層(125)は、導電層(124)と同一組成を有する。両方とも、約100%の導電性金属がめっきされた繊維、織物、編み物又は不織布から構成されることができる。該水分調節層(128)は、水分調節層(128)に面する表面の上に、感圧又は感熱接着剤(129)で被覆されていてもよい裏打ちシート(122)に隣接させることができる。該水分調節層、両方の導電層及び吸収層は、全て同じ長さ及び幅を有し、裏打ちシート(122)及び感圧接着層(129)よりも実質的に小さい面積である。また、それらは層の周辺の周りに曝される接着層の縁から離れ、接着性表面(129)及び裏打ちシート(122)上に中央に収容され、従って、被覆材を皮膚に固定するために構成される島状被覆材を提供する。開口は、水分調節層、導電層及び吸収層の両方によって覆われる領域の上の裏打ちシート(122)、接着層(129)及び水分調節層(128)を通り抜ける。接着剤を有する表面の早すぎる、望まれない接触を防止するため、使用前に、剥離ライナー層(127)は接着層(129)の周辺を完全に覆う。
本開示の別の態様において、図18に示す二次的被覆材(160)が、開示された創傷被覆材(110、120、130及び150)のあらゆる態様に適用され得る。該二次的被覆材は、バルブシリンジ等の装置を用いる液体又は薬物の手動の応用に加え、又は組み合わせて創傷被覆材に加えることができる、液体及び薬物源を提供する。該二次的被覆材(160)は、感圧接着層(142)、吸収層(141)及び半浸透裏うち層(143)からなる。該二次的被覆材の面積は創傷被覆材の面積に相当する。
感圧接着層(142)は、二次的被覆材の周辺の周りで連続的である。感圧接着層は、二次的被覆材を、開口の領域の上の第1の被覆材に固定する。該二次的被覆材は、傷の治癒を妨げることなく、必要に応じて容易に変更及び除去することができる。該接着剤は、皮膚の塗布にこれまでに使用されている医療グレードの接着剤のいずれであってもよい。吸収層(141)は、導電性金属でめっきされた繊維と非導電性繊維との混合物、全てが導電性金属繊維、又は全てが非導電性繊維を含み得る。水分調節層(143)は、不浸透性合成フィルムとすることができる。
該二次的被覆材は一次被覆材に剥離可能に固定することができ、そうすることにより、例えば、該二次的被覆材が傷の滲出液で飽和したときに、該二次的被覆材は傷に接触している主要な被覆材を取り除くか妨害することなく除去又は置換することができる。該二次的被覆材は、過剰の傷滲出液を除去するため、又は液体及び薬物を添加するように設計することができる。
本開示の別の態様においては、開示された装置の導電層、吸収層、及び水分調節層を有する種々の態様のいずれかを含む織物が提供され得る。該層の組み立ての後、該層は積層されて創傷被覆材又は傷治癒装置の種々の構成になるよう切断又は形成に適した織物になる。
本開示の実施態様は、少なくとも1層の導電層を含む創傷被覆材又は装置を含む。創傷被覆材は、少なくとも1層の吸収層、又は該水分調節層中に配置された多数の開口を含み、少なくとも1の水分調節層、若しくは前記層の任意の組み合わせを含む。水分調節層の開口は、材料を通過させない、すなわち水分調節層が開口を有さず、開口が気体の通過を許容するが液体の通過を許容しないサイズから、液体及び気体の通過を許容する開口まで、微生物又は環境汚染物を通過させるのに十分な開口までのサイズの物質の通過を許容する。該被覆材は、少なくとも1層の吸収層又は少なくとも1層の導電層と付着した温度調節層を含んでもよい。該導電層は、金属又は合金で三次元に被覆されている、少なくとも1の繊維を含んでいてもよい。該金属は、銅、銀、金、パラジウム、ニッケル、コバルト又はこれらの組み合わせから選択され、又は、該金属は、ニッケル及びホウ素、コバルト及びホウ素、パラジウム及びホウ素、ニッケル及びリン、コバルト及びリン、パラジウム及びリンの合金又はこれらの組み合わせから選択される。また、該導電層は、金属又は合金で三次元に被覆されているポリマー発泡体を含んでいてもよい。また、該導電層は、繊維又は発泡体の縦軸に沿って、水の毛細管移動のため、物質を貯蔵、又は捕捉するため、及び大きな活性表面積を繊維又は発泡体ごとに所定のデニールに提供するための、溝又は導管を含んでいてもよい。
開示された装置のいくつかの実施態様は、金属の三次元被覆を含む少なくとも1の導電性繊維を含む少なくとも1の導電層、及び少なくとも1の非導電性繊維を含み、前記導電性繊維及び非導電性繊維は該層の全体に亘って均一に分布している。非導電性繊維は、天然ポリマー、合成ポリマー、アルギン酸塩、キトサン、レーヨン、綿又はその他の高分子基材から構成することができる。ポリウレタンは、導電性及び非導電性繊維及び発泡体の好ましい材料である。吸収層は、非導電性繊維に対する導電性繊維の比が、所定の層において一定であるか、又は層毎に変化する複数の層を含み得る。一実施態様において、該吸収層が傷に近接して位置するほど、非導電性繊維に対する導電性繊維の比が増加する。代替的に、該吸収層は金属の三次元被覆を含む導電性繊維、及び非導電性繊維を含み、該導電性繊維及び非導電性繊維は該層の全体に亘って均一に分布している。繊維及び発泡体の同一の配列は導電層の実施態様において見られる。該層において、導電性繊維と非導電性繊維との比は約1:100〜1:0の間であり、又は導電性繊維と非導電性繊維との比は約1:50〜1:0の間であり、又は導電性繊維と非導電性繊維との比は約1:25〜1:0の間である。
更に他の実施態様は、導電層によって傷表面に提供される磁場を含んでもよい。更に、該被覆材は接着層を含んでいてもよい。
該導電層は、金属で三次元被覆されている繊維又は発泡体を含んでいてもよい。
少なくとも1層の水分調節層は、少なくとも1層の吸収層に隣接して位置してもよい。該層は、高分子シート、フィルム又は発泡体として形成されてもよい。被覆材の実施様態は、導電層及び吸収層の多層を含んでいてもよい。少なくとも1層の吸収層は複数の層を含み、各層の厚みは傷からの近接度が増すほど増大する。実施様態は、導電層及び吸収層が交互になっている被覆材を含む。該被覆材は、パッド、タンポン、管状携帯、島状被覆材、細長い被覆材又はそれらの組み合わせからなる形態に形成されてもよい。該被覆材の開口は、曲線、直線又はそれらの組み合わせを有する幾何学形状であってもよい。
また、本明細書に記述される傷の治療及び被覆材の使用においては、二次的な被覆材を用いてもよい。創傷被覆材に適用される二次的被覆材は、少なくとも1の吸収層、少なくとも1の半浸透性裏打ち層及び該裏打ち層の周辺の連続的な感圧接着層を含む。これら、及び他の同様な実施態様は、本開示によって意図されている。
開示された装置のある実施態様は、銀イオンの形成及び送達のために外部エネルギー源又はガルバニ電池を必要としないので、先行技術を超えて有利である。創傷被覆材は、特定の適用に応じて、多くの異なる有用な形態に形成され得る。更に、傷を害することなく、治療部位における適当な水分環境を創り出し、傷の部位において液体の量を制御することによって調節することができる。
(使用方法)
健康なヒトの皮膚は、経上皮電位(TEP)又は表皮性電池(epidermal battery)と呼ばれる上皮全体の電位を示す。TEPは、上記細胞の外側の膜の特定のチャンネルを介して上皮の外側の細胞に入り、急な電気化学勾配に沿って移動する、ナトリウムイオンの活性イオン伝達系よって発生する。表皮性電池は、ナトリウムイオンの逆の通過を許容しない上皮細胞の間で、活動的にナトリウムイオン及び硬いギャップ結合をくみ出す、一連の起電性のポンプによって発生する。これは、上皮細胞を浸した水から動物の身体内部の液体にナトリウムイオンを輸送し、かつ上皮を介して−10mV〜−70mVのオーダーでの電位を生じさせる。
皮膚内に傷ができた時、傷の表面で電圧を逆転させるTEPを短絡させる漏電が生成されると考えられている。
傷の中の上皮の起電性のナトリウム輸送メカニズムの破壊により、該傷表面におけるTEPは逆方向に顕著に変化する。該破壊が、傷表面から傷の周囲の正常組織へ横方向に進行するにつれ、ポイントが皮膚全体の電位が傷のない皮膚で正常に見られる最大の値に到達するまで皮膚全体の電位は上昇する。従って、横方向の電圧勾配は、傷ついた組織から正常組織への1つの移行として、傷の縁の近くで発生する。様々な研究は、実験動物における横方向の電圧勾配が140mV/mmであると報告している。また、傷が形成されて24時間以内に、表皮に生成された横方向の電圧が95%にまで落ちることが報告されている。従って、横方向の電圧勾配又は「横方向の電位」が傷の縁の近くの表皮内にあることが認識されている。表皮に形成された最も大きな横方向の電圧は、最も高い組織抵抗の領域において見出された。両生類において、大きな横方向の電位は表皮と真皮との間の高抵抗空間にある。ほ乳類においては、大きな横方向の電位は、生きている角化層と死んでいる角化層との間の空間にある。
特別な理論によって拘束されたくないが、傷の治癒におけるTEPの役割は皮膚解剖学的構造に横たわるTEPによって生成する電気回路を有する典型的なほ乳類の皮膚(5)の断面図を示す図5を参照して説明する。表皮(7)は、接合(11)によって真皮(9)の上に横たわっており、それらの間の接合(17)とともに角質層(13)及び海綿層(15)を含む。該角質層は、死んだ角質化扁平上皮細胞からなる。傷(19)は、フィブリノーゲン、フィブロネクチン、多形核白血球、血小板及び赤血球を含む、血液の細胞性要素及び溶解した要素で満たされる。身体の位置に依存し、傷から遠い皮膚の表面は、TEPによって約−10〜約−70ミリボルトの範囲の電位を有すると予想され得る。表皮性電池(29)として公知の現象によって誘発される電流の戻り経路の抵抗は、レジスタ(25)によって表わされる。傷の抵抗は(27)で表わされる。本開示に従い、かつ高導電層(114)、吸収層(116)、半浸透層(118)、接着層(119)及び裏打ちシート層(112)を有する被覆材は、傷付いた皮膚表面(21)の近くに示されている。傷の上の被覆材の配置の前に、傷の電位(23)は皮膚(21)表面より更に正であり、該表面電位を更に負に、特定の例においては正にするために利用する。特別な理論によって拘束されたくないが、これは、傷(19)における表皮性電池(29)の除去によると考えられている。電位の試験ポイント(23)は、傷のない表面(21)からさらに遠くなると、電位は、電池(29)の正側の電位に近くなるだろう。傷が湿っていて導電性であると、ポイント(31)と(33)との間の傷電位はTEPによって誘導されるだろう。傷電位は、利用可能な最も効果的であるか又は最も低い抵抗経路に沿って、傷を満たしている滲出液及び破片を通過する。これは、最も短い経路及び利用できる最も湿った経路であるので、傷の縁に最も近接している。傷電位は、レジスタ(35)で表わされる接合部(11)における抵抗を通じてポイント(31)から、傷の抵抗(27)を通じてポイント(37)へ通過するだろう。ここで、接合部(17)における表皮(7)が、レジスタ(25)として表わされる接合部(17)の抵抗を通じて表皮電池(29)の他の側のポイント(33)に再び入る。
特別な理論によって拘束されたくないが、被覆材(120)が傷(19)の上に配置されると、表皮電池(29)によって確立される負電位を有する、傷のない皮膚表面(21)との電気的接触によって、導電層(114)が(例えば、23で)傷の電位を低下させると考えられている。開示される装置の特定の実施態様は、傷の電位を減少させるか、又は傷の電位を、約1mV、約5mV、約10mV、約20mV、約30mV、約40mV、約50mV、若しくはそれを超えて更に負にすることができる。更に他の実施態様は、傷の電位を約0.1mV〜約20mV、典型的には約1mV〜約10mVにまで減少させることができる。傷の電位を減少させるとの用語は、傷の電位を更に負にすることをいうことが理解されるだろう。
被覆材(120)は傷表面の電位を低下させ、傷(19)のいずれかの面における健康な皮膚表面(21)との間に導電性架橋を提供する。最大抵抗のポイントは、ポイント(39)からポイント(37)にシフトする。これは、順次、ポイント(39)からポイント(37)へ最大横方向潜在低下のポイントをシフトさせる。横方向の電位の変動については、傷の電気的特性はほ乳類の傷よりも両生類の傷により似ている。両生類の傷は、このシフトのために、ほ乳類の傷よりも有意に早く治癒することが知られている。傷の治癒は、本開示の創傷被覆材の高い導電性表面によって引き起こされる変動によって増強され、加速される。横方向の電位のポイント(39)からポイント(37)への変動は、表層神経末端が受ける刺激の量を減少させることができ、それにより、鎮痛効果、抗炎症効果、又はこれらの組み合わせの生起を助ける。被覆材(120)の水分レベルは、負のTEPの修復を増強し、より深い構造に対する横方向におけるシフトを補助すると考えられている。
図7は、正常な皮膚(21)から開いた傷(23)、正常な皮膚へと進む、ヒトの皮膚表面における電位の代表的なグラフである。正常な皮膚(21)の領域は、約10〜約70ミリボルトの間の相対的に一定の負の電圧を測定する。TEP及び表皮電池が破壊された傷の表面の領域(23)は、常に傷のない皮膚(21)よりも正であり、(23’)と(23)との間の電圧に到達すると考えられている。本開示の創傷被覆材(110)が貼付され、傷が湿気を維持するとき、(21’)に示すように、より通常の皮膚電位に戻ることが可能である。
本開示の被覆材は、傷の治癒を効率よくすることに貢献し、傷に関連する痛みからの軽減を提供することを補助し得ると考えられている。特別な理論によって拘束されたくないが、本開示の被覆材の痛みを軽減する態様を説明し得る作用の本質的なメカニズムは、被覆材の導電層に由来し得る。
第一に、銀は抗菌性の環境を形成し、細菌によって引き起こされる炎症を減少させ、次いで痛みを減少させることができる。また、第二に、高い導電層の効果は、治癒すべき傷の電場環境におけるポジティブな効果を有することができる。
本開示は、下記工程を含む、人又は動物における傷の治療方法を含み、a)少なくとも1の導電層、任意に少なくとも1の吸収層、及び水分調節層中に配列された多数の開口を有する、少なくとも1の水分調節層を任意に含む創傷被覆材を、人又は動物の傷に接触させる工程、b)被覆材の吸収層を観察し、予め決めた液体レベルからの変化を測定する工程、及びc)水分調節層に液体を添加するか又は除去し、予め決めた液体レベルを維持する工程を含む。更に、方法は、工程a)で傷に接触させた被覆材の外部表面に、二次的な被覆材を添付する工程を更に含んでもよく、前記任意の二次的被覆材は、少なくとも1層の吸収層、少なくとも1層の半浸透性裏層、及び前記裏打ち層の周囲に連続的な感圧接着層を含む。
本開示の別の態様において、ヒト又は動物の傷の湿気のレベルを調整するために創傷被覆材を用い得る。傷の湿気のレベルを制御することを試みる多くの被覆材が利用可能である。保湿は、蒸発による水蒸気の自然な損失を妨害することによって傷の部位を一貫して湿気を維持するための被覆材の能力をいう用語である。フィルム、発泡体、ヒドロゲル及び親水コロイド等の半閉鎖的及び閉鎖的な創傷被覆材は、傷によって失われた水蒸気を捕らえ、維持することによって傷の湿気を維持するために用いることができる。正常な皮膚は、43.2グラム/メートル/24時間の水蒸気透過速度(MVTR)(経皮性の水損失(transdermal water loss,TWL)を有する。多くのフィルム状被覆材は、400〜2000グラム/メートル/24時間のMVTRを有する。テープで剥ぎ取られたような表層の傷は、7,874グラム/メートル/24時間のMVTRを有する。一般に、被覆材の材料が、傷が失うよりも少ない水蒸気を透過させると、傷に湿気が残存する。傷の排水レベルが高い場合、水蒸気の簡単な透過は生理的な組織水和を維持するために十分な水分を分散しない。被覆材によって透過する水蒸気が、水蒸気及び液体の形態で傷によって失われる水分よりも有意に少ない場合、排水は傷及び周囲の皮膚と接触して蓄積し、残存する。高い排水レベルを維持するためには、被覆材は、水蒸気透過能力に加え、液体吸収容量をも有していなければならない。吸収の工程は、排水を、傷の表面及び縁から物理的に被覆材の材料の中へ移動させる。水和領域の他端で、既に乾燥している傷組織は、組織に水を供与するか被覆材を除去し、傷に手動で液体を供給する創傷被覆材を用いて活発に再水和する必要がある。
本開示の一実施態様は、被覆材を除去することなしに、傷に液体を加え又は傷から液体を除去することを可能にする。液体を急速に供給する必要のある外傷又は戦場の状況では、液体の制御が非常に重要であり得る。更に、導電性繊維又は発泡体によって供給される金属イオンの存在は、微生物汚染の制御を補助し、従って非滅菌の液体が使用できる。
傷の水分レベルは、有益であり得る水分の予め決められたいくつかのレベルと比較して調整することができる。都合に合わせて、水分レベル、電位、金属イオン濃度又はpHを示すために、インジケーターを創傷被覆材に加えることができる。
動物又はヒトの傷を治療するため、創傷被覆材の適当な性状を選択し、傷に導電層が接触するようにして配置する。被覆材の吸収層は、決められた水分レベルの変化のために、有利であると認められる。水分、液体及び薬物を、必要に応じて水分調節層に加えることができる。決められたレベルより過剰の水分も、水分調節層から除去され得る。
代替的に、水分調節層は、除去することができ、傷の治癒を妨げることなく、新しい水分調節層と置換することができる。水分を加え、及び除去する手段は、スポンジ、サクションバルブ、陰圧導入装置又はバキューム、注射器、ガーゼパッド等が含まれるが、これらに限定されない。
本開示の他の態様において、少なくとも1の吸収層、少なくとも1の半浸透性裏層、及び感圧接着層を含む第2の被覆材が、創傷被覆材の外部表面に添付され得る。第2の被覆材は、傷を治療するための液体及び/又は薬物を含有することができる。第2の被覆材は、傷の連続的な治癒を促進させるために、必要に応じて除去し置換することができる。
本開示の別の態様において、創傷被覆材は、器官又は内部外科的切開を治療するために内部に配置されることができる。第2の被覆材は、ガーゼパッド、充填材料、繊維性ダム、又は傷を治療するためのあらゆる手段の形態であり得る。
正常な皮膚が飽和され、かつオーバーラップしたとき、該創傷被覆材は、傷のない皮膚の周囲の制御された浸軟を可能にし得る。現在、正常な皮膚の浸軟は回避されなければならないと考えられている。正常細胞の浸軟は、角質化上皮細胞の破壊、及びそれに続く皮膚の抗微生物バリアー活性の消失を引き起こすことが知られている。角質化上皮細胞の抗微生物バリアー活性の減少は、傷表面における微生物汚染のリスクを増加させると考えられている。皮膚の浸軟を制御し、防止しようとして、創傷被覆材のデザイナーは、浸軟の発生を減少させる特別な特徴を有する創傷被覆材を構築してきた。
束縛されることを望まずに、本開示の創傷被覆材の下で、傷の周囲の正常な皮膚の破壊の発生が傷表面の増加した汚染微生物数及び/又は汚染物を生じさせないことが予想外に見出された。特別な理論によって拘束されたくないが、本開示は、本開示によって治療された傷の周囲の正常な皮膚の浸軟が、局所的な電気力学的特性を変化させ、傷の治療過程を強化することを見出した。
金属イオンの受動的放出が液体媒体内で起こるので、本開示の創傷被覆材の金属めっきされた繊維の内外で水分を調整することは金属表面から金属イオンの放出を促進させ得るることが観察された。従って、金属めっきされた繊維を提供するために、創傷被覆材を湿気状態に維持することは有益である。液体滲出液を生成する傷は、通常は金属表面から金属イオンの放出を活性化させることを必要とする水分を提供する。
(製造方法)
繊維又は発泡体を三次元被覆で均一に被覆するので、本開示の導電層のための繊維又は発泡体の金属をめっきする好ましい方法は、自己触媒的めっきである。これは、近づきやすい金属イオンについての最大の利用できる表面積を提供する。一般に、繊維又は発泡体は窒素基を有する。繊維又は発泡体が製造される材料が表面に窒素基を提供しない場合、このような窒素は材料の層、又は表面に窒素基を提供する被覆を加える。本開示は、自己触媒的な金属めっきのために増感され得る材料の使用を含む。このような材料は、本明細書に記載した装置に起因する傷の治癒を提供するように機能する、繊維、発泡体、フィルム又はその他の構造に製造され得る。例えば、これらの材料は、増感され得る窒素又は二酸化ケイ素又は同等の官能基を有する材料を含むが、これらに限定されない。例えば、表面上の窒素族又は二酸化ケイ素については、該材料は、次いで当業界で公知の方法を用いて増感され得る。該材料が、いったん増感されると、自己触媒的な金属めっき又は被覆が実施される。
自己触媒的な金属めっきの原理の利点は、(1)フィラメント、発泡体、繊維、編み糸、織物の均一な周囲の三次元めっき;(2)幾何学的な表面積に対する全金属表面積の大きな比;(3)めっきされたフィラメント、繊維、編み糸及び織物の高い導電率及び低い表面抵抗率;(4)金属めっきのはがれ落ち、又は非導電基材の破砕の危険が少ない、非導電性ポリマー基材に対する金属めっきの優れた粘着性;(5)優れた柔軟性及び弾性特性;及び(6)フィラメント、繊維、編み糸又は織物のデザイン及び構成における制限がないこと;である。
自己触媒的めっきは、還元−酸化化学反応によって、金属又は合金を非導電性基板上に蒸着する方法となる。電気めっきと異なり、自己触媒的めっきは、基材表面の上に金属を蒸着するために、導電性材料又は基板に外部原料から電流を印加しない。基材が非導電性であると、電気めっきは不可能である。
銅、金、ニッケル、及び銀などの純金属要素、並びに、ニッケル、コバルト又は白金とリン又はホウ素との二元合金が、自己触媒的めっき工程により非導電性材料又は基材上にめっきされ得る。
増感された基材がめっき浴に導入された場合に、金属の蒸着が、基材の全ての表面上でゆっくりと均一な様式で始まるように、自己触媒的めっき浴は設計されている。処理がいったん始まると、蒸着した金属が、それ自体のめっきを触媒し、従って自己触媒的に反応させるので、めっき溶液がめっきを継続させる。
自己触媒的な金属めっき工程は、静電気的放電、電磁放電及び高周波干渉産業においてフィラメント、繊維、編み糸及び織物について選択されるめっき工程である。非導電性基板の自己触媒的金属めっきは優れた導電率及び抵抗率を提供するので、真空蒸気蒸着法、マグネトロンスパッタ法を含むイオンスパッタ蒸着法、及びイオンビームアシスト蒸着法よりも優れているので使用される。真空蒸気蒸着、イオンスパッタ蒸着法及びイオンビーム蒸着法とは異なり、自己触媒的工程により金属めっきされたフィラメント、繊維、編み糸及び織物(織布、編み物及び不織布)は、基礎原料の物性を維持しながら三次元連続導電性経路を生じる。真空蒸気蒸着及びイオンスパッタ蒸着は、連続した影を伴う二元性の基材にめっきし、該めっきされた金属被覆の均一性に欠け、かつ該基材の柔軟性及び適応性が変わるので、劣っている。真空蒸気蒸着及びイオンスパッタ蒸着法では、通常は圧縮空気による市販のスプレー塗装と同様の「照準線(line of sight)」様式で基材をめっきする。
繊維が、いったん金属又は合金で被覆されると、それらは、編み糸、紐、スレッド又はこれらの組み合わせに組み立てられ、織布、編み物又は不織布を形成することができる。
該層は、創傷被覆材の意図する性状によって予め決められたあらゆる構成に組み立てられる。自己触媒的に銀でめっきされた繊維、フィラメント、編み糸、及び織物は商業的に入手できる。
本開示は被覆材の製造方法を含み、前記被覆材は、少なくとも1の導電層、少なくとも1の吸収層、及び水分調節層中に配列された多数の開口を含む、少なくとも1の水分調節層を含み、a)任意に、水分調節層に開口を形成する工程、b)導電層及び吸収層を提供する工程、c)接触する織物を形成するために、他方の上に吸収層、水分調節層及び導電層を各々組み立てる工程、及びd)工程cの織物を積層する工程を含む。該積層工程は、感圧接着剤、熱圧縮ラミネーション(heat pressure lamination)、火炎ラミネーション、ホットメルトラミネーション、点型押、ポイントボンド接着、スポットボンド接着、裁縫又はこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない当業界で公知の方法によって実施される。また、本開示は被覆材の製造方法を含み、前記被覆材は、少なくとも1層の導電層、少なくとも1層の吸収層、及び上記吸収層に隣接するか、又は上記導電層に隣接して位置し、かつ水分調節層中に配列された種々のサイズの複数の開口を含む、少なくとも1層の水分調節層を含み、a)導電層、水分調節層及び吸収層を提供する工程、b)吸収層を、水分調節層と導電層との間に組み立てる工程、c)工程bの織物を積層する工程、及びd)上記水分調節層に開口を形成する工程を含む。
開口形成は、開口を形成するあらゆる手段を用いて水分調節層中に適切なサイズ及び形状の開口を形成することを含む。開口を含ませるための織物の切断、孔あけ、プレモールド及び同様な作業は、用語「開口形成」として意図される。積層は、感圧接着剤、熱圧縮ラミネーション、火炎ラミネーション、ホットメルトラミネーション、点型押、ポイントボンド接着、スポットボンド接着、裁縫又はこれらの組み合わせによって行われる。
本開示の織布、編み物又は不織布の層の組立ては、100%導電性金属化繊維の層、非導電繊維に対する導電性金属化繊維の比が変化する層、吸収材料の層、半浸透性又は不浸透性フィルム又は発泡体、及び感圧接着剤を有する裏打ちシートを組み立てるための、当業界で公知のあらゆる製造方法によってなされ得る。このような方法は、熱圧縮ラミネーション、火炎ラミネーション、ホットメルトラミネーション又はこれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。開口は、層の組み立ての前に、又は層を積層した後に、当業界で公知のあらゆる製造方法を用いて切断することができる。水分調節層、又は水分調節層、皮膚接着層及び裏打ちシートの積層物の開口の配置のための好ましい方法は、層を積層した後に開口を切断することである。
有利には、ロータリーカットエッジダイによるキスカット法が、吸収パッド又は傷接触層を妨害せずに、水分調節層のみ、又は水分調節層、皮膚接触層及び裏打ちシートの積層物を貫いて切断するのに用いることができる。
代替的に、水分調節層、又は水分調節層、皮膚接着層及び裏打ちシートの積層物は、織物の積層前に切断することができ、又は水分調節層は被覆材の組み立て前に切断することができる。様々な層における開口は、組み立て前に各層に予め形成するか、又は製造後に層に成形することができる。
該層を積層し、電気的に統合する1つの手段は、ロールから放射状に伸びている一連の間隔のあるピンを有する1本のロール、及び平坦である他のロールを有する、一対のニップロール間の織物を通過させることによって成し遂げられる、ポイントエンボス又はポイントボンディングによるものである。織物層がニップロールの間を通過するにつれ、ピンが織物の中に圧入され、層の繊維を次の層の隙間に押しつけ、それにより2つの層を繊維−繊維相互作用力によって結合させる。代替的に、該層は接着、スポットボンド(超音波溶接又はレーザー溶接)又は当業者に公知の他の方法で積層することができる。該層を積層する代替的方法は、任意に導電性系、好ましくは自己触媒的に銀ナイロンめっきされたポリ又はモノフィラメント銀ナイロン系を一緒に裁縫することによる。該導電性積層繊維は、導電層114の全ての導電率を高め、抵抗を最小化する。
本開示の創傷被覆材は、滅菌したときに最も適当である。
好ましくは、本開示の被覆材は、微生物に耐えるパッケージ内に封鎖されて供給される。該被覆材は、例えばγ線照射によって無菌化してもよい。
水溶液中の銀イオン放出濃度はγ線照射によって向上することが判っている。
先行技術に関しては、創傷被覆材の構成における金属及びイオン性銀の適用は、銀及び銀イオンの抗微生物特性に焦点を合わせてきた。金属性銀又は銀イオンの粒子を放出する金属表面の能力は、被覆材の抗微生物特性と関係した。体積抵抗率及び導電率は対称とならなかった。本開示においては、抵抗率及び導電率が創傷被覆材の能力に寄与する。
本開示は、以下の実施例で更に例示され、それは、いかなる形であれ、本開示の範囲を限定することとして解釈するべきではない。逆に、本明細書における記述を読んだ後に、種々の他の態様、修飾及び同等物を有し得る手段が、本開示の精神及び/又は添付の請求の範囲の範囲から逸脱することなく、当業者に示唆され得る。
(実施例1)
第10胸部皮膚分節において、5.08cm(2インチ)×7.62cm(3インチ)と測定された一側性のヘルペス・ゾスターウイルス(Herpes zoster virus)による帯状疱疹の皮膚症状に苦しんでいる、45歳男性を治療するために、本開示の被覆材を用いた。該患者に、水道水でパッドを湿らせた後、図12に示す多層被覆材パッドを貼付した。該被覆材は、接着層及び裏打ち層によって適当な状態に維持された。5分以内に、患者は痛みが25%減少したと報告し、2時間以内に痛みがほぼ90%減少したと報告した。該患者は、該被覆材が乾燥すると痛みが戻るが、被覆材の配置前に経験するレベルには戻らないと報告した。該被覆材を再び水で湿らせると、10分以内に痛みのレベルは有意に減少した。皮膚のウィルス性障害部から該被覆材を除去することなく、水分調節層を通じて湿らせた。皮膚の外傷は適用後、36時間以内に治癒した。
(実施例2)
3歳の女性が火炎傷害に伴う全身の表面積の80%の全層熱傷(第III度熱傷)を受けた。彼女は入院の直後に手術を受け、全ての表面積が壊死組織の中で創傷清拭された。完全合成皮膚が貼付され、図12に示す創傷被覆材で覆った。その被覆材は、適所に合成皮膚を残し、2日毎に交換された。段階的に合成皮膚を外科的に切除し、網目状分層植皮片を貼付した。該創傷被覆材を網目状分層植皮片の上に貼付し、傷が治癒するまで2日毎に交換した。被覆材を治癒の過程の間、12時間毎に湿らせた。
(実施例3)
表1は、銀イオンの放出を示す。10.16cm(4インチ)×10.16cm(4インチ)の正方形の自己触媒的非電着性金属析出の銀をめっきした155.9g(5.5オンス)/0.8m(平方ヤード)の縦編みメリヤス織物を、37℃においてトリプシンソイブロース(tryptic soy broth)中でインキュベートした。銀イオンの濃度は、12日間にわたり誘導結合プラズマ分光法により測定した。図8は、銀イオン濃度が最初の1時間目の10μg/ml未満から、5日目の60μg/mlをこえて増加したことを示す。
Figure 0004339928
ほとんどの一般の病原創傷微生物を殺すためには、3〜25μg/mlの銀イオンが必要であることが知られている。結果は、効果的な銀イオン濃度が約1〜約4時間で達成されることを示した。
(実施例4)
図9及び表2は、10.16cm(4インチ)×10.16cm(4インチ)の正方形の自己触媒的に銀をめっきした155.9g(5.5オンス)/0.8m(平方ヤード)の縦編みメリヤス織物の抗微生物活性を示す。該織物は、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)及び黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を接種した培地に置かれ、37℃でインキュベートされた。該生物の成長は、動的な一定条件下における、固定化された抗微生物試薬の抗微生物活性を測定するためのASTM 標準試験法であるASTM E 2149−01によって測定された。緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa) ATCC 9027及び黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(MRSA)ATCC 33591の10CFU/mlからのCFU/mlにおける減少が研究された。
コロニー形成単位(CFU)/mlで表わされる生物のカウントにおける減少を0時間、1/2時間、1時間、1.5時間、2時間及び4時間目に測定した。
Figure 0004339928
(実施例5)
火傷治療に使用される人工皮膚であるインテグラ(登録商標)と共に使用した時の本開示の創傷被覆材の有効性を判定するために研究を実施した。
創傷被覆材は、導電層用に自己触媒的にめっきされた銀繊維を含んで構成され、吸収材料の1層を導電層及び水分調節層の間に配置した。該水分調節層は、層に切り込まれた5mmスリット型の開口を有するポリウレタンフィルムから構成された。
インテグラ(登録商標)は、製造者の説明書に従ってエタノール防腐剤を除去して調製し、3.8cm(1.5インチ)の正方形に切断した。10個の正方形を黄色ブドウ球菌を試験するために用い、10個の正方形を緑膿菌のために用いた。
傷を覆うために共に結合された2つのインテグラの断片をシミュレートするために、縫い目が各正方形の中に形成された。各インテグラ断片を、個々の標準血液寒天平板の中心に置いた。各インテグラ(登録商標)の断片を、本発明の創傷被覆材の5.08cm(2インチ)正方形の断片で完全に多い、37℃で24時間インキュベートした。24時間で、10コロニー形成単位/mlより多い緑膿菌又は黄色ブドウ球菌を含む懸濁液を2滴(約100μl)、各被覆材の中心に加え、術後患者の汚染をシミュレートした。該被覆材を再び湿らせ、48時間インキュベートした。48時間後、被覆材及びインテグラを、無菌技術を用いて慎重に除去した。培養組織は、かつてインテグラで覆われていた領域から得られ、製品の縫い目がある領域を横切って拭き取った。新鮮な寒天プレートに、これらのサンプルですじを付け、24時間インキュベートした。結果を下記表に示した。
Figure 0004339928
その結果、完全人工皮膚と共に使用した場合、本開示の創傷被覆材は、緑膿菌の増殖防止において70%有効であり、黄色ブドウ球菌の増殖防止において40%有効であったことを示した。
(実施例6)
インビトロ設定における本開示の創傷被覆材の抗微生物性の効果を測定するための試験を実施した。10CFU/mlの緑膿菌、及びメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を含有する培養液ですじを付けた血液寒天培地で試験を行った。
本開示の創傷被覆材は、導電層用に自己触媒的に銀めっきされた繊維から構成され、吸収材料の1つの層は導電層と水分調節層との間に配置した。該水分調節層は、層内に5mmの細長い形状の開口を有するポリウレタンから構成された。
10枚の血液寒天プレートを、10CFU/mlの緑膿菌を含む培養液ですじを付け、10枚の血液寒天プレートを、10CFU/mlのメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を含む培養液ですじを付けた。2.54cm(1インチ)の正方形の本開示の創傷被覆材を、10枚の血液寒天プレートのそれぞれの中心に配置した。残りの5枚のプレートはコントロールとして用いた。プレートを37℃でインキュベートし、湿った被覆材を維持するために、必要に応じて滅菌水を加えた。72時間後、培養物を各被覆材から得、血液寒天に配置した。次いで、上記プレートを24時間インキュベートし、細菌の増殖について評価した。この工程を6日後に繰り返した。
細菌の増殖の結果を数え、以下の表に記載した。
Figure 0004339928
本被覆材は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)及び緑膿菌を殺すことに効果的であったという結果であった。
確立された細菌の増殖への長時間の暴露は進行性の死滅をもたらした。
(実施例7)
縦編みメリヤス銀ナイロン織物(比抵抗約1オーム/cm)の、細菌(黄色ブドウ球菌、大腸菌、及び緑膿菌)の3つの共通菌株の成長の阻害における有効性をインビトロで試験した。細菌培養物は、1つの皿に1つの培養物を、Kirby Bauer法を用いて寒天を充填したペトリ皿に移植した。殺菌した1cmの正方形の織物を、該培養物の表面上に置いた。24時間毎に、織物の正方形をそれぞれ培地から除去し、同じ皿の異なる領域に再移植した。72時間後、織物の正方形の真下にある培地をきれいにした(すなわち、その領域の細菌を死滅させた)。更に、織物の正方形がそれまで置かれていた領域は全てきれいなままであった。
(実施例8)
実施例7の縦編みメリヤス銀ナイロン織物は、哺乳動物細胞の脱分化をインビトロで引き起こすことが見出された。観察された結果は、培地中の銀イオンの濃度に比例し、織物からの距離に反比例し、織物により近いほど、脱分化細胞の濃度はより高く、銀イオン濃度はより高い。
(実施例9)
スルファジアジン銀クリーム、銀ナイロン織物、及び単純なナイロン織物の、細菌成長の阻害における有効性を比較した(L. Smeeの文献「銀ナイロン布及びスルファジアジン銀クリームの消毒薬としての有効性」(Piedmont College Senior Thesis, April, 1996))。2つのグラム陰性菌(大腸菌、緑膿菌)と3つのグラム陽性菌(腸球菌(E. faecalis)、黄色ブドウ球菌、化膿連鎖球菌(S. pyogenes))を含む細菌の5の共通菌株を調査した。
細菌の菌株をそれぞれ、3つの寒天を充填したペトリ皿に接種した。接種に続いて、コントロールとして用いた単純なナイロン布の円板、銀ナイロン織物の円板、及びスルファジアジン銀クリームで被覆した単純なナイロンの円板の、3つの織物の円板を各皿に置いた。各円板は3.4mmの表面積を有していた。皿は72時間インキュベートし、24時間毎に除去して各円板の周囲の阻害域(すなわち、織物の円板の外縁から、円板の周りの細菌成長が阻害されたクリーンゾーン(clear zone)の周辺までの距離)を測定した。
結果は、銀ナイロン織物及びスルファジアジン銀クリームが、全ての試験された菌株に対して有効な細菌成長阻害因子であることを示した。2つの実験に対する平均結果を表5に列挙する。
表5
銀ナイロン織物(Agナイロン)、スルファジアジン銀クリームを有するナイロン織物(ナイロン+Agクリーム)、及び単純なナイロン織物(ナイロン)の阻害域(mm)。
示される結果は、2つの実験の平均を表す。
Figure 0004339928
これらの結果は、銀ナイロン織物が有効な抗微生物剤であることを示す。実施例8においては、織物はスルファジアジン銀クリームよりも有効であり、実験の持続時間にについて、試験された各菌株により大きな阻害域を維持することを証明した。
銀のデリバリーシステムとして、銀の濃度が十分に高い織物は、織物が培地(インビトロ又はインビボ)と接触している限り、一定の速度で銀イオンを放出する。そのような織物はアレルギー反応を引き起こさず、従って、それを用いることで、他のデリバリーシステム(スルファジアジン銀、チオ硫酸銀塩)に関連した他の潜在的に有害な副作用が防止される。織物を用いる多層被覆材は、無害で、治療されるべき部位の形状に対して形状適合性であり、多様な臨床環境に容易に適合可能であり、使用するのに安全かつ容易である。広範囲な火傷の患者を治療するとき、本開示による被覆材は、スルファジアジン銀クリームよりも安価で、扱いやすく、有効である。
添付の特許請求の範囲によって規定されるような本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される好ましい実施態様に対して多くの変更及び置換えを行うことができることは、当業者に明白であろう。
本開示の実施態様は図面において図解され、該図を通じて同じ引用記号は同一又は類似の部分を示す。
図1は、本開示の一実施態様による代表的な創傷被覆材を示す図である。 図2は、本開示の一実施態様による別の代表的な創傷被覆材を示す図である。 図3は、本開示の一実施態様による更に別の代表的な外傷被覆材を示す図である。 図4は、本開示の一実施態様による代表的な多層創傷被覆材を示す図である。 図5は、傷ついた哺乳類の皮膚と、傷の領域の上に配置された本開示の一実施態様による被覆材の断面の概略図である。
図6は、図5に示す傷のある皮膚上の位置に対する電圧のグラフである。 図7Aは、非導電性基材上の重合体自己触媒作用でめっきされた繊維の代表的な断面図である。 図7Bは、図7Aからの重合体自己触媒作用でめっきされたフィラメントの断面図である。 図7Cは、図7Bの重合体自己触媒作用でめっきされたフィラメントの断面図の一部である。 図7Dは、約62μmを表わす重合体自己触媒作用でめっきされたフィラメントの金属表面の拡大図である。
図8は、誘導結合プラズマ分光法によって測定された自己触媒作用で銀めっきされた織物からのイオン性銀の放出濃度の図解である。 図9は、自己触媒作用で銀めっきされた織物の抗微生物活性の図解である。 図10Aは、開口の可能な幾何学的形態の実例である。 図10Bは、開口の可能な幾何学的形態の実例である。 図11は、創傷被覆材の1つの態様を示す図10の断面図である。 図12は、島状創傷被覆材の1つの態様の実例である。
図13は、図12の断面図である。 図14は、吸収層の他の態様の断面図である。 図15は、創傷被覆材の代替的態様の断面図である。 図16は、創傷被覆材の代替的態様の断面図である。 図17は、島状創傷被覆材の代替的態様の断面図である。
図18は、二次的創傷被覆材の断面図である。 図19は、2層が自己触媒作用で金属めっきされた発泡体の断面図である。 図20は、1層が自己触媒作用で金属めっきされた発泡体の断面図である。 図21は、液体の自発的移動を提供する、自己触媒作用で金属めっきされたフィラメントの断面図である。

Claims (20)

  1. 第1の形状適合性の導電層を含む装置であって、該導電層が、
    a)抗微生物金属で被覆された繊維又は発泡体、ここで該被覆された繊維又は発泡体が、該導電層に10オーム/cm〜0.001オーム/cmの表面抵抗を付与し;及び
    b)前記装置に少なくとも5%の液体吸上値を付与し、該装置を介して傷から液体を除去させるのに有効な複数の開口、ここで該開口部は該装置が陰圧下にあるときに、該装置が傷に均一に当たるように位置付けられている;を含む前記装置。
  2. 前記液体吸上値が、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又はそれを超える、請求項1記載の装置。
  3. 前記開口が0.2ミクロン未満の平均直径を有する、請求項1〜2のいずれか1項記載の装置。
  4. 前記抗微生物金属が銀を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の装置。
  5. 前記抗微生物金属が、5〜20重量%の銀を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の装置。
  6. 前記表面抵抗が5オーム/cm以下である、請求項1〜5のいずれか1項記載の装置。
  7. 前記表面抵抗が1オーム/cm以下である、請求項1〜6のいずれか1項記載の装置。
  8. 前記繊維が弾性要素を含む、請求項1〜7のいずれか1項記載の装置。
  9. 前記弾性要素が、少なくとも85%のセグメント化ポリウレタンを含む長鎖合成ポリマーを含む、請求項8記載の装置。
  10. 前記弾性要素が前記抗微生物金属で被覆されていない、請求項9記載の装置。
  11. 前記弾性要素が前記合成ポリマー繊維を包み込んでいる、請求項10記載の装置。
  12. 前記繊維がナイロンを含む、請求項1〜11のいずれか1項記載の装置。
  13. 第2の層を更に含む、請求項1記載の装置。
  14. 前記第2の層が、形状適合性の導電性織物の第2の層を含む、請求項13記載の装置。
  15. 前記形状適合性の導電性織物の第2の層が、前記第1の形状適合性の導電性織物から複数の支持体によって分離されている、請求項14記載の装置。
  16. 前記第2の層に隣接した第3の層を更に含み、前記第3の層は半透過性材料で作られている、請求項14記載の装置。
  17. 前記第2の層に隣接した第3の層を更に含み、前記第3の層は液体透過性材料で作られている、請求項14記載の装置。
  18. 前記繊維又は発泡体が、中空又は多孔性であり、かつ治療物質を含む、請求項1記載の装置。
  19. 前記治療物質が、抗生物質、抗炎症剤、酸化防止剤、抗体、栄養素、コラーゲン、自己由来組織、自己由来細胞、組換え細胞、成長因子、幹細胞、成人幹細胞、脂肪幹細胞、骨髄細胞、臍帯血細胞、サイトカイン、ケモカイン、及びポリペプチドホルモンからなる群から選ばれたものである、請求項18記載の装置。
  20. 前記装置が傷の電位を0.1mV〜20mV減少させるものである、請求項1記載の装置。
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