JP4338493B2 - 細胞培養体の生産方法 - Google Patents

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Description

本発明は細胞培養体の生産方法、細胞培養体、所定の共培養系の処理方法に関する。
近年、ヒト細胞をイン・ビトロ(in vitro)で培養し、培養によって作製された培養組織を患者に適用する技術が数多く報告されている。特に、ヒト皮膚組織については、商品化レベルにまで達している。一方、これらの培養組織は薬品や化粧品などの試験・研究用の組織としても利用されている。
例えば、表皮細胞(ケラチノサイト:Keratinocyte)で構成されたシート形状の培養組織、すなわち培養表皮細胞シートの作製方法としては、フィーダー・レイヤー培養法が知られている。この培養法は、ガンマ線などの放射線やマイトマイシンCなどの薬剤を用いて、細胞の分裂・増殖能を欠失させるとともに、代謝能を残すようにマウス線維芽細胞を不活性化し、この不活性化したマウス線維芽細胞をフィーダー細胞に使用して表皮細胞を培養する方法である(特許文献1)。このフィーダー・レイヤー培養法は高い細胞増殖率を得ることができることが知られている。一方、フィーダー細胞を用いずにMCDB153などの無血清培地を用いて細胞を培養する方法も知られている(特許文献2)。また、マウス線維芽細胞を培養することで細胞外マトリクス(ECM:Extra Cellular Matrix)を産生させ、その後に細胞を死滅させることによって、細胞外マトリクスが付着した培養容器で細胞を培養する方法なども、案出されている(特許文献3)。
しかしながら、例えば、不活性化させたマウス線維芽細胞をフィーダー細胞に使用して作製した培養ヒト表皮細胞シートを医療や研究に利用する場合、異種細胞であるマウス線維芽細胞は完全に除去されていることが望まれる。フィーダー細胞は、ヒト表皮細胞が増殖し、コンフルエント状態になった後も継続して培養(重層化)することによって、培養ヒト表皮細胞シートから駆逐することができるが、長期の培養期間を要する場合がある。また、フィーダー細胞を使用しない培養法の場合には、異種細胞の混入という観点ではフィーダー・レイヤー培養法より好ましいが、フィーダー・レイヤー培養法に比べ、表皮細胞の増殖が遅く培養に日数がかかる場合が多く、また表皮細胞の分化を抑える作用が無血清培地にあるため、通常では表皮細胞が重層化せず、培養表皮細胞シートを作製するためには特殊な工程が必要であった。
特公昭57−018863号公報 特公平02−023191号公報 特開2001−211876号公報
そこで、本発明では、上記従来技術の問題点を鑑み、細胞培養によって形成される細胞培養体において、フィーダー細胞を効率よく除去できる細胞培養体の生産方法及び細胞培養体を提供することを一つの課題とする。また、本発明は、フィーダー細胞が除去された細胞培養体を早期に得ることができる細胞培養体の生産方法及び細胞培養体を提供することも他の一つの課題とする。
本発明者らは、上記した少なくとも一つの課題を解決するための手段として、以下の手段を創作した。すなわち、本発明によれば、以下の手段が提供される。
本発明の細胞培養体の生産方法は、
不活性化したフィーダー細胞と培養対象細胞とを共培養する第1の培養工程と、
該第1の培養工程後の細胞群から前記フィーダー細胞を選択的に除去するフィーダー細胞除去工程と、
該除去工程後の培養対象細胞を継続して培養する第2の培養工程と、
を備えている。
また、本発明の処理方法は、不活性化したフィーダー細胞と培養対象細胞との共培養系の処理方法であって、前記培養対象細胞がサブコンフルエント状態に至る前に、具体的には、培養対象細胞の占有面積が培養面積の90%(より好ましくは80%)に到達しない範囲で前記共培養系から前記フィーダー細胞を選択的に除去する工程を備える、方法である。また、本発明の細胞培養体は、フィーダー・レイヤー培養法によって増殖可能な細胞であって、該細胞は所定の培養系においてサブコンフルエント状態に至る前のコロニー、具体的にはその占有面積が培養面積の90%(より好ましくは80%)に到達する前のコロニーを形成しており、かつフィーダー細胞をほとんど有しない、細胞培養体である。
なお、本発明において「細胞培養体」とは、培養細胞シートなどの培養組織だけでなく細胞懸濁液などの状態のものも含む。また、「培養対象細胞」とは、フィーダー・レイヤー培養法によって増殖可能な全ての細胞を含み、最終的に得ようとする細胞培養体を構成する細胞をいう。さらにまた、「細胞群」とは、本発明の生産方法及び処理方法における培養工程に供される細胞をいい、フィーダー細胞と培養対象細胞の双方を含む。
本発明によれば、細胞培養によって形成される培養組織等の細胞培養体において、フィーダー細胞の残留を抑制できる細胞培養体の生産方法及び細胞培養体を提供できる。
本発明の細胞培養体の生産方法は、
不活性化したフィーダー細胞と培養対象である細胞とを共培養する第1の培養工程と、
該第1の培養工程後の細胞群から前記フィーダー細胞を選択的に除去する除去工程と、
該除去工程後の培養対象細胞を継続して培養する第2の培養工程と、
を備えており、本発明は、細胞培養体、共培養系の処理方法にも関連している。
本発明の細胞培養体の生産方法は、フィーダー細胞と培養対象細胞とを所定期間共培養し(第1の培養工程)、その後、フィーダー細胞を選択的に除去し、フィーダー細胞除去後の培養対象細胞を継続して所定期間培養すること(第2の培養工程)により細胞培養体を得る。フィーダー細胞と培養対象細胞とを共培養するため、培養対象細胞は第1の培養工程においてフィーダー細胞によって増殖が促進される。一方、フィーダー細胞は、第1の培養工程と第2の培養工程との間に除去されるため、継続して行われる第2の培養工程の後に最終的に得られる細胞培養体におけるフィーダー細胞の存在量を容易に低減できる。さらに、常法ではフィーダー細胞の存在による物理的な増殖阻害によってコンフルエント状態に達するまでの期間が遅くなる場合もあるが、本発明においては、除去工程によってフィーダー細胞が除去されるため、第2の培養工程におけるフィーダー細胞による物理的な増殖阻害を回避でき、細胞培養体を得るまでの期間を短縮することができる。
以下、本発明の細胞培養体の生産方法について説明し、併せて共培養系の処理方法、細胞培養体について説明する。
(フィーダー細胞及び培養対象細胞)
本発明の生産方法は、フィーダー細胞と培養対象細胞とをともに培養するいわゆるフィーダー・レイヤー培養法に使用できる。フィーダー・レイヤー培養法は、先に説明したように、増殖能を有さないが代謝能を有するように生存可能に不活性化した線維芽細胞などの細胞をフィーダー細胞として使用し、培養対象となる細胞を増殖させる方法である。フィーダー細胞としてはフィーダー・レイヤー培養法に適用できるフィーダー細胞であればいずれの細胞であってもよいが、ヒトの他、マウス、ラット、ハムスター、ウサギなどの非ヒト哺乳動物由来の線維芽細胞を例として挙げることができる。好ましくは、3T3マウス線維芽細胞である。また、培養対象細胞としても、フィーダー・レイヤー培養法に適用できる細胞であればいずれでもよいが、ヒトや非ヒト動物の上皮細胞や肝細胞などを例として挙げることができる。なお、上皮細胞には、小腸、口腔、鼻腔などの表面細胞である粘膜上皮細胞や角膜上皮細胞などの各種上皮細胞や、皮膚の表皮細胞なども含むものである。また、肝細胞とは肝小葉を構成する細胞を含むものである。
(第1の培養工程)
常法に従って不活性化したフィーダー細胞と培養対象細胞とを共培養するにあたっては、これらの細胞懸濁液をそれぞれ調製し、同時に培養容器に播種することもできるが、好ましくは、不活性化したフィーダー細胞を予め播種し、その後、培養対象細胞を播種する。培養対象細胞は、例えば、皮膚組織片を採取し、ディスパーゼなどにより酵素処理し、真皮層と表皮層とに分離し、次いで、この表皮層をトリプシン処理することで表皮細胞に分散し、5%FBS(ウシ胎児血清)含有DMEM(ダルベッコ変法イーグル培地)で懸濁することによって表皮細胞懸濁液として調製することができる。培養条件は特に限定されるものではなく、培養対象となる細胞の種類に応じて適当な条件を採用することができる。本発明におけるフィーダー細胞及び培養対象細胞の播種密度(cells/cm)は、特に限定されるものではなく、常法の値で行えばよい。例えば、フィーダー細胞にマウス線維芽細胞を、培養対象細胞にヒト表皮細胞を使用した場合には、フィーダー細胞の播種密度は1.0×10〜3.0×10の範囲で、表皮細胞の播種密度は1.0×10〜1.0×10の範囲で行われている。
第1の培養工程は、フィーダー細胞と培養対象細胞との共培養に適した条件で開始されるが、少なくとも培養対象細胞が培養面に接着するまでは継続し、培養対象細胞がコンフルエント状態になるより以前に終了する。第1の培養工程を終了するには、通常、培地を除去し、PBS(リン酸緩衝液)などの緩衝液で洗浄する。本発明においては、第1の培養工程終了後、引き続いてフィーダー細胞除去工程を行う。すなわち、本発明においては、第1の培養工程の終了後に、フィーダー細胞除去工程を実施するが、第1の培養工程の終了タイミングとフィーダー細胞除去工程を実施するタイミングとは、全培養期間からすれば実質的に同時期であるということができる。なお、第1の培養工程の終了タイミング、すなわちフィーダー細胞除去工程を実施するタイミングは、細胞の播種密度や培養条件、目的とするフィーダー細胞残存率や培養体の作製完了期間に基づいて異なり、適宜設定すればよい。
第1の培養工程を終了するタイミングは、培養対象細胞がサブコンフルエント状態に至らない範囲とすることが好ましい。「サブコンフルエント状態」とは、培養対象細胞が、培養面積の約80%〜約90%を占有するようになった状態をいうものとする。したがって、培養対象細胞の占有面積が培養面積の90%に到達しない範囲で第1の培養工程を終了することが好ましく、より好ましくは同占有面積が培養面積の80%に到達しない範囲、さらに好ましくは同占有面積が培養面積の70%に到達しない範囲で第1の培養工程を終了する。なお、ここで、培養面積とは、培養対象細胞を培養する培養容器の培養面の面積とする。培養対象細胞がサブコンフルエント状態にまで到達してしまうと、フィーダー細胞除去工程においてフィーダー細胞のみを選択的に除去するのが困難になり、結果としてフィーダー細胞除去工程時のフィーダー細胞残存率を高める要因になる可能性がある。なお、培養対象細胞の培養面積に対する占有率は、顕微鏡観察に基づいて熟練した作業者が判断することが一般的であるが、例えば、CCDカメラで撮像し、その画像を解析処理することによって細胞領域を抽出し、個々の細胞の形態から種別を選別し、その面積から占有率を算出することによって、培養対象細胞の培養面積に対する占有率を得ることもできる。
一方、サブコンフルエント状態に到達する前に第1の培養工程を終了することで、時期に応じてより多くのフィーダー細胞を効果的に除去することができる。例えば、第1の培養工程の終了タイミング(培養期間)を、フィーダー細胞除去工程を実施しない以外は本生産方法と同一の条件で培養対象細胞を培養した場合においてコンフルエント状態に到達するまでに必要な培養期間、すなわち、常法のフィーダー・レイヤー培養法におけるコンフルエント状態に到達するまでに必要な培養期間Tcに対して、第1の培養工程を終了するタイミングを培養期間Tcの50%以下の培養期間内とすることで、播種したフィーダー細胞の95%以上を容易に除去する(除去率が95%という)ことができ、同40%以下の培養期間内に終了することでほぼ全てのフィーダー細胞(99%以上、より好ましくは100%を意味し、除去率99%及び同100%と同義である。)を容易に除去できる。なお、第1の培養工程の培養期間は、同培養期間Tcの10%以上とすることが好ましい。さらに好ましくは同15%以上である。したがって、第1の培養期間は、同10%以上50%以下とすることができ、また、同15%以上40%以下とすることもできる。なお、コンフルエント状態とは、培養対象細胞が集密な状体となり、培養容器の培養面が観察されなくなった状態を云う。
また、第1の培養工程の終了タイミングを、培養対象細胞のコロニーの状態から把握することも可能である。なお、「コロニー」とは、複数個の細胞によって形成される細胞集団を意味する。「コロニー」は、細胞が分裂し増殖することで形成されたり、近くの複数の細胞が接触することで形成されたりする。第1の培養期間は培養対象細胞がコロニーを形成するまでは継続することが好ましいが、培養対象細胞のコロニー同士が接触した場合、これらのコロニー間に介在することになったフィーダー細胞を除去することが困難となる。したがって、多くのフィーダー細胞を効果的に除去するためには、隣り合うコロニー同士で接触していないか、接触している割合が少ないうちに第1の培養工程を終了することが必要となる。コロニーの接触状態は、培養対象細胞の播種密度や播種状態等によって異なるが、培養対象細胞のコロニーの過半数が隣り合う他の培養対象細胞のコロニーと接触する状態に至らない範囲内とすることが好ましい。このようなタイミングとすると、95%以上のフィーダー細胞を容易に除去できる。より好ましくは、ほとんど全てのコロニーが他のコロニーと接触せず独立のドット状を維持する範囲内とする。このようなタイミングであると、ほぼ全てのフィーダー細胞を容易に除去できる。なお、「ほとんど全てのコロニー」とは、観察時の全コロニー数の95%以上をいうものとし、より好ましくは98%以上、もっとも好ましくは100%のコロニーをいうものとする。
さらに、第1の培養工程の終了タイミングは、培養対象細胞のコロニーの構成細胞数で把握することもできる。播種細胞密度にもよるが、コロニー構成細胞数が80個以下の場合には、通常、コロニーの接触状態が全体に及ぶことはなく、ドット状部分を有し得るため、フィーダー細胞を効果的に除去できる。好ましくは、60個以下であり、さらに好ましくは、40個以下である。60個以下であると当初用いたフィーダー細胞の95%以上を容易に除去でき、40個以下であると、ほとんどのフィーダー細胞を容易に除去できる。さらに好ましくは30個以下である。一方、コロニー構成細胞数が少なすぎるとコンフルエント状態に到達する培養期間が遅くなる傾向がある。したがって、コロニー構成細胞数が10個以上であることが好ましく、より好ましくは20個以上である。以上のことから、第1の培養工程を終了するのに好ましいコロニー構成細胞数の範囲としては、これらのコロニー構成細胞数を組み合わせることにより適宜設定することができるが、例えば、10個以上60個以下、または、10個以上40個以下、20個以上60個以下、あるいは20個以上40個以下とすることができる。なお、コロニー構成細胞数は、位相差顕微鏡等を用いて計数することができ、複数のコロニーを測定した平均値で判定してもよいし、最大値で判定してもよい。
さらに、第1の培養工程を終了するタイミングは、フィーダー細胞の状態から把握することもできる。培養対象細胞の増殖にともなって押しやられ、多くのフィーダー細胞が紐状を呈したときには、培養対象細胞のコロニーの多くが互いに接触した状態であり、フィーダー細胞の多くが培養対象細胞間に介在してフィーダー細胞を効果的に除去できない状況となっている。したがって、フィーダー細胞が紐状を呈する状態に至らない範囲で第1の培養工程を終了することが好ましい。なお、フィーダー細胞が紐状を呈する時期は、培養対象細胞の占有面積が培養面積の70〜80%となる時期におおよそ一致する。したがって、フィーダー細胞の状態と培養対象細胞の増殖状態との双方から第1の培養工程を終了するタイミングを設定することもできる。
このように、第1の培養工程は、培養対象細胞の増殖状態、培養期間、培養対象細胞のコロニーの接触状態、及びフィーダー細胞の状態などから、該工程を終了するタイミングを決定することができる。一定の培養条件下で第1の培養工程を実施する場合、第1の培養工程の終了タイミングは予め決定しておくことができる。この場合、上述したような各種判断基準をもとに終了タイミングを決定しておくことができるが、いずれの判断基準によって終了タイミングを決定した場合でも、該終了タイミングを第1の培養工程を行う培養期間として設定しておくことができる。なお、終了タイミングの設定は、上述の各種観察に基づいて行うこともできるが、第1の培養工程後に行うフィーダー細胞除去工程において効果的にフィーダー細胞を除去できるか否かで判断することもできる。
(フィーダー細胞除去工程)
第1の培養工程終了後の細胞群に対してフィーダー細胞除去工程を実施する。フィーダー細胞を除去する方法については、フィーダー細胞を選択的に除去できる方法であれば、物理的、化学的、生化学的のいずれであっても特に限定しない。例えば、化学的あるいは生化学的処理として、エチレンジアミン四酢酸あるいはその塩(以下、単にEDTAという。)等のキレート剤を用いることができる。EDTAは濃度や処理時間の調整により、第1の培養工程終了時点におけるフィーダー細胞を高い選択性で除去することができる。好ましくは、EDTAのみを用いてフィーダー細胞除去工程を行う。なお、EDTA等のキレート剤は、カルシウムイオンを除去することでフィーダー細胞を選択的に除去することが可能となっている。したがって、カルシウムイオンに対して有効なキレート剤を用いることができる。EDTAは通常、0.01wt%以上0.05wt%以下とすることができる。また、処理時間は1分以上5分以下とすることができ、好ましくは1分以上3分以下である。
フィーダー細胞除去工程の条件は、フィーダー細胞の除去率を指標に設定することが可能である。フィーダー細胞除去工程におけるフィーダー細胞の除去率は95%以上であることが好ましく、さらに好ましくは99%以上であり、最も好ましくは100%である。フィーダー細胞の除去率が95%以上であれば、培養対象細胞がコンフルエント状態に到達するまでの培養期間を短縮しやすくなり、コンフルエント状態到達時において好適にフィーダー細胞が除去される(好ましくはコンフルエント状態において、フィーダー細胞の残存率が0.5%未満(より好ましくは0.1%未満)とすることができる)。また、除去率が99%以上であれば、コンフルエント状態となった時点においてフィーダー細胞がほとんど存在しない細胞培養体を得ることができる(好ましくは、コンフルエント状態においてフィーダー細胞残存率が0.1%未満とすることができる。)なお、残存するフィーダー細胞は、染色等を必要に応じて用い、位相差顕微鏡等により計数することができ、フィーダー細胞の除去率は、例えば、播種したフィーダー細胞数に対する播種したフィーダー細胞数と残存フィーダー細胞数との差の割合を除去率として算出することができる。また、フィーダー細胞残存率は、播種したフィーダー細胞数に対する残存フィーダー細胞数の割合として算出することができる。したがって、フィーダー細胞除去率とフィーダー細胞残存率とは相互に換算可能である。なお、「フィーダー細胞がほとんど存在しない」及び「フィーダー細胞をほとんど有さない」とは、観察時点でのフィーダー細胞の除去率が100%かあるいは99%以上であるか、あるいはフィーダー細胞残存率が1%未満であることをいうものとする。
既に説明したように、フィーダー細胞の除去容易性は、第1の培養工程の実施条件(主として終了するタイミングであり、換言すれば、フィーダー細胞除去工程実施のタイミングでもある)と関連しており、フィーダー細胞除去工程の条件は、処理の方法や条件などの他、第1の培養工程の終了タイミング等と組み合わせて決定される。フィーダー細胞の除去率は、キレート剤などの処理剤との処理時間等により設定することができるが、条件設定にあたっては、培養対象細胞の剥離やダメージを考慮する必要がある。一方、フィーダー細胞除去工程のフィーダー細胞の除去率は、第2の培養工程における培養対象細胞のコンフルエント状態におけるフィーダー細胞の残留率や所望の細胞培養体あるいはコンフルエント状態に至る全培養期間に大きく影響する。以上のことから、第1の培養工程及びフィーダー細胞除去工程は、第2の培養工程において培養対象細胞がコンフルエント状態のときフィーダー細胞がほとんど存在しない状態となるように実施することが好ましく、また、第2の培養工程において培養対象細胞がコンフルエント状態に到達するまでに必要な全培養期間(培養開始からの培養期間)がフィーダー細胞除去工程を実施しない以外は同一条件で培養を行った場合の当該培養期間より短期間となるように実施することが好ましい。このような第1の培養工程及びフィーダー細胞除去工程の実施条件の設定は、既に述べたそれぞれの工程の各種指標を組み合わせることで容易に行うことができる。第2の培養工程において好ましいコンフルエント状態を得るには、少なくとも第1の培養工程をサブコンフルエント状態に至る前、具体的には培養対象細胞の占有面積が培養面積の90%となる状態、好ましくは80%、より好ましくは70%に至る前に終了してフィーダー細胞除去工程を実施し95%以上のフィーダー細胞を除去することが好ましい。
(第2の培養工程)
フィーダー細胞除去工程を実施後、該培養対象細胞の培養を再び継続して実施する。本発明における第2の培養工程は、第1の培養工程後の細胞群からフィーダー細胞のみを選択的に除去した後の状態のままの細胞群を継続して培養するため、いわゆる継代培養とは異なる。なお、必要に応じ、第2の培養工程前に培養対象細胞を洗浄してもよい。培養条件は、培養対象細胞に対して行う一般的な培養条件を適用でき、第1の培養工程の培養条件をそのまま適用することもできる。なお、第2の培養工程における細胞群は、フィーダー細胞除去工程におけるフィーダー細胞除去率に応じ、フィーダー細胞をほとんど含まず培養対象細胞のみであることが好ましいが、依然としてフィーダー細胞と培養対象細胞とを含む場合もある。
第2の培養工程においては、少なくとも所望の細胞培養体が形成されるまで培養し、培養細胞シートなどの場合は、必要に応じてフィーダー細胞が駆逐されるまでコンフルエント状態後も培養を継続する。第1の培養工程及びフィーダー細胞除去工程の実施結果等に応じて、コンフルエント状態に到達するまでの培養期間やコンフルエント状態におけるフィーダー細胞の残留性が異なる。したがって、所望の細胞培養体が形成されるか、あるいは培養対象細胞がコンフルエント状態になったときにフィーダー細胞が全く存在しない場合には、そのまま第2の培養工程を終了することができる。また、フィーダー細胞が残留している場合には、さらにフィーダー細胞が駆逐されるまで培養を継続してもよい。なお、所望の細胞培養体を細胞懸濁液として回収したい場合には、第1の培養工程で血清含有培地を使用した後、第2の培養工程で無血清培地を使用することが好ましい。こうすることで、酵素処理により細胞を剥離しても、細胞増殖能を低減させることなく、回収することができる。
(細胞培養体)
本発明方法で得られた細胞培養体は、培養対象細胞の種類や目的等により、シート状等の各種の形態を備える。さらに、細胞懸濁液を所望する場合には、シート化する前の段階、殊にサブコンフルエント状態に至る前において、常法による細胞分散処理を行って回収することもできる。本細胞培養体は、細胞培養体が形成された状態においてフィーダー細胞をほとんど含まない(除去率99%以上)。特に、ヒト表皮細胞の細胞培養体がかかる特性を有していることにより、好ましい培養表皮細胞シートを提供できる。
なお、本発明によれば、不活性化したフィーダー細胞と培養しようとする培養対象細胞との共培養系の新たな処理方法も提供されることになる。すなわち、この共培養系から培養対象細胞がサブコンフルエント状態に至る前に前記フィーダー細胞を除去する工程を備える処理方法によれば、その後の培養工程において好ましいコンフルエント状態を得ることができる。この処理方法におけるフィーダー細胞、培養対象細胞、共培養系の培養、フィーダー細胞除去については上記した本発明の細胞培養体の生産方法における各種態様をそのまま適用することができる。また、この処理方法によって、新たな、細胞培養体も提供される。すなわち、フィーダー・レイヤー培養法によって増殖可能な細胞であって、該細胞は所定の培養系においてサブコンフルエント状態に至る前のコロニー、具体的にはその占有面積が培養面積の90%(好ましくは80%、より好ましくは70%)に到達する前のコロニーを形成しており、かつフィーダー細胞をほとんど有しない、細胞培養体を得ることができる。この細胞培養体は、本発明の細胞培養体の生産方法における中間生成物である。なお、このような細胞培養体においては、コロニーを構成する細胞数は80個以下であることが好ましい。
以下、本発明の実施例を挙げて説明する。本実施例は、フィーダー細胞として3T3マウス線維芽細胞を、培養対象細胞としてヒト表皮細胞を使用した。インフォームド・コンセントを行った上、承諾を得た患者から、手術の際に余剰(廃棄)組織として採取される皮膚組織を得た。得られた皮膚組織をディスパーゼ(合同酒精社製)により酵素処理し、真皮層と表皮層とに分離した。次いで、この表皮層をトリプシン処理することで表皮細胞に分散し、5%FBS(ウシ胎児血清)含有DMEM(ダルベッコ変法イーグル培地)による表皮細胞懸濁液を調製した。
一方で、マイトマイシンCによって3T3マウス線維芽細胞の増殖能を抑制(不活化)した。不活化したマウス線維芽細胞は、2.0×10cells/cmの細胞密度となるように、培養フラスコの底面に敷設した。フィーダー細胞の敷設後、上述した表皮細胞懸濁液を2.0×10cells/cmとなるように、培養フラスコ(25cm)に播種した。播種後、5%FBS含有DMEMを5ml注入し、37℃、5%CO環境下において、共培養を開始した。
以下、本実施例では、共培養開始後、所定期間(第1の培養工程の終了タイミング)別にフィーダー細胞除去処理を行い、除去処理後は継続して培養工程をおこなった。フィーダー細胞の除去処理には、0.02%EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸:Ethylene Diamine Tetra acetic Acid)溶液(ギブコ社製)を使用した。EDTA溶液は、カルシウムイオンを除去する特性を備えており、EDTA溶液処理ではフィーダー細胞が表皮細胞よりも先に剥離するため、処理時間を調整することで、フィーダー細胞のみを選択的に除去することができる。
培養開始後、それぞれの所定時間が経過した培養フラスコから培地を除去し、PBS(リン酸緩衝液)で洗浄した後、培地に換えてEDTA溶液を2ml注入した。注入後、2〜3分間静置すると、フィーダー細胞が剥離してくるので、EDTA溶液とともに剥離したフィーダー細胞を除去した。除去工程後、PBSで洗浄し、5%FBS含有DMEMを5ml注入して37℃、5%CO環境下において、培養を継続した。
図1に各処理例のフィーダー細胞除去工程前の顕微鏡写真を示す。それぞれ(a)はコロニー形成を開始した状態(コロニー小)、(b)はコロニー同士が接触する直前の状態(コロニー大)、(c)はコロニー同士が接触を開始した状態、(d)は表皮細胞によってフィーダー細胞が紐状に押しやられた状態、(e)はサブコンフルエント状態を示し、これらの各時点で除去工程を行った場合の除去工程後の顕微鏡写真を図2に示す。また、フィーダー細胞除去工程を実施しない以外は本実施例と同一条件で行ったフィーダー・レイヤー培養法(以下、単に常法という。)によってコンフルエント状態に到達するまでの培養期間Tcを1とした場合の各状態の第1の培養期間T1は、およそ(a)0.15(b)0.3(c)0.5(d)0.65(e)0.8であった。なお、フィーダー細胞細胞除去工程を行わないで共培養を継続した対照例も同時に培養した。表1には、これらの各例の観察結果等を合わせて示す。なお、フィーダー細胞除去率やフィーダー細胞残存率は、フィーダー細胞の除去細胞数や残存細胞数の播種細胞数に対する割合を示す。
図1及び図2に示すように、表皮細胞がコロニーを形成し、これらのコロニーがドット状に点在する状態で除去工程を行った処理例(a)及び(b)では、フィーダー細胞であるマウス線維芽細胞を完全に除去することができた。この後、処理例(a)は、コンフルエント状態までの全培養期間T2(Tcに対する比率で示す。以下同じ。)でおよそ1.15となり、処理例(b)は、コンフルエント状態までの全培養期間T2はおよそ0.8となった。形成された培養細胞シートは、共にフィーダー細胞が完全に除去された綺麗なものであった。なお、処理例(b)に比較して、処理例(a)の方がコンフルエント状態となるまで時間が掛かったのは、処理例(a)ではフィーダー細胞除去時点での表皮細胞のコロニーが小さかったため、細胞増殖のための十分な環境(状態)ではなく、増殖に時間が掛かったものと考えられた。
一方、図1に示すように、処理例(c)は、除去工程前においてコロニー同士が一部で接触し、処理例(d)は、除去工程前におけるフィーダー細胞が増殖した表皮細胞に押しやられ紐状になった状態であった。このような状態の細胞群に対して除去工程を行ったが、図2(c)及び(d)で観察されるように、それぞれフィーダー細胞は一部残存(約5%)及び半分程度(約50%)が除去されずに残存した。この後、処理例(c)は、コンフルエント状態までの全培養期間T2はおよそ0.8となり、処理例(d)はコンフルエント状態までの全培養期間T2はおよそ1.0となった。なお、処理例(d)が、コンフルエント状態に至るまでに若干時間が要したのは、フィーダー細胞の残存によって、表皮細胞がフィーダー細胞を押し退けながら増殖するため、物理的な増殖抑制が存在したと考えられた。
さらに、図1(e)に示すように、処理例(e)は、除去工程前においてサブコンフルエント状態であった。このような状態の細胞群に対して除去工程を行ったが、図2(e)で観察されるように、フィーダー細胞のほとんど(約95%)が除去されずに残存した。この後、処理例(e)は、コンフルエント状態までの全培養期間T2はおよそ1.0となった。
これらの処理例についてコンフルエント状態で観察すると、処理例(a)及び(b)では、フィーダー細胞が残存しない培養細胞シートが得られていた。また、処理例(b)〜(c)では全培養期間T2が常法のものよりも短期間で培養表皮細胞シートが作製された。図3には、処理例(b)と常法でのコンフルエント状態でのそれぞれの顕微鏡写真を示す。図3に示すように、処理例(b)がフィーダー細胞の残存のない状態であるのに対し、対照例では、フィーダー細胞がかさぶた状になって残存していることが観察された。なお、処理例(b)及び対照例の両方において、個々の細胞は、分化(角化)して巨大化している様子もなく、十分な増殖能を持った状態のまま、シート状の組織を形成していることが観察できた。なお、処理例(c)〜(e)のコンフルエント時の状態は、常法のコンフルエント状態のものと少なくとも同等か、それ以下のフィーダー細胞残存率であった。
以上のことから、この培養系においては、処理例(a)及び処理例(b)では、フィーダー細胞除去工程で完全にフィーダー細胞を除去でき、結果としてコンフルエント状態においてフィーダー細胞の残存しない培養細胞シートが得られることがわかった。また、処理例(b)及び処理例(c)では、いずれも常法よりも短い培養期間で既にコンフルエント状態にまで至っており、これらの処理例(b)及び(c)においては、コンフルエント状態に至る培養期間が短縮されていることが明らかである。したがって、(a)〜(c)の処理例に基づいて、第1の培養工程の終了タイミングを決定することで、好ましい細胞培養体の生産方法を実現できることが明らかである。なお、処理例(c)〜(e)では、コンフルエント状態において少なくとも常法でのコンフルエント状態と同等以上のフィーダー細胞残存率を得た。
また、各処理例のコンフルエント状態の表皮細胞に対して分化や巨大化などが観察されないことから、フィーダー細胞除去工程を実施しても、表皮細胞本来の特性を備えたままシート化していることがわかった。したがって、本発明によれば、速やかに安全な培養表皮細胞シートを提供できることがわかった。
本実施例における除去工程直前の細胞状態を示す顕微鏡写真であり、図1(a)は、表皮細胞がコロニー形成を開始した状態を示し、図1(b)は表皮細胞のコロニー同士が接触する直前の状態を示し、図1(c)は、表皮細胞のコロニー同士が接触を開始した状態を示し、図1(d)は、表皮細胞によってフィーダー細胞が紐状に押しやられた状態を示し、図1(e)は、表皮細胞のサブコンフルエント状態を示している。 本実施例における除去工程後の細胞状態を示す顕微鏡写真であり、図2(a)〜図2(e)は、図1(a)〜図1(e)の各状態直後にフィーダー細胞除去工程を行った後の細胞状態をそれぞれ示す。 本実施例における細胞培養方法(処理(b)による)によって得られた培養組織を示す顕微鏡写真である図3(a)と比較例(常法)のコンフルエント状態を示す顕微鏡写真である図3(b)とを示す。

Claims (14)

  1. 細胞培養体の生産方法であって、
    不活性化したフィーダー細胞と培養対象細胞とを共培養し、培養対象細胞がサブコンフルエント状態に至る前に該共培養を終了する第1の培養工程と、
    該第1の培養工程後の細胞群から前記フィーダー細胞を選択的に除去するフィーダー細胞除去工程と、
    該フィーダー細胞除去工程後の培養対象細胞を継続して培養する第2の培養工程と、
    を備える、方法。
  2. 培養対象細胞の占有面積が培養面積の80%に到達しない範囲で前記第1の培養工程を終了し、前記フィーダー細胞除去工程を実施する、請求項1に記載の方法。
  3. 培養対象細胞の占有面積が培養面積の70%に到達しない範囲で前記第1の培養工程を終了し、前記フィーダー細胞除去工程を実施する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1の培養工程を、前記フィーダー細胞除去工程を実施しない以外は同じ条件で培養を行った場合のコンフルエント状態到達までに必要な培養期間に対して50%以下の培養期間内に終了して、前記フィーダー細胞除去工程を実施する、請求項1〜3のいずれかに記載の培養方法。
  5. 前記培養対象細胞のコロニーの過半数が隣あうコロニーと接触する状態に至らない範囲で前記第1の培養工程を終了して、前記フィーダー細胞除去工程を実施する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  6. 前記培養対象細胞のコロニーの構成細胞数が80個以下である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記フィーダー細胞の除去工程において前記フィーダー細胞の95%以上を除去する、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記フィーダー細胞除去工程は、フィーダー細胞のほぼ全てを除去できるように実施する、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記第2の培養工程において細胞培養体がコンフルエント状態となったとき前記フィーダー細胞がほとんど存在しない状態となるように前記第1の培養工程及び前記フィーダー細胞除去工程を実施する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記第2の培養工程において培養対象細胞がコンフルエント状態に到達する培養期間が、前記第1の培養工程後に前記フィーダー細胞を除去しない以外は同じ条件で培養を行った場合のコンフルエント状態到達までに必要な培養期間よりも短期間となるように前記第1の培養工程及び前記フィーダー細胞除去工程を実施する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記第1の培養工程を培養対象細胞がサブコンフルエント状態に至る前に終了し、前記フィーダー細胞除去工程を実施して前記フィーダー細胞のほぼすべてを除去した後、前記第2の培養工程において前記培養対象細胞がコンフルエント状態になるまで培養する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記フィーダー細胞除去工程は、エチレンジアミン四酢酸又はその塩を用いて前記フィーダー細胞を選択的に除去する工程を含む、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記フィーダー細胞がマウス線維芽細胞であって、前記細胞がヒト表皮細胞である、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記第2の培養工程後に得られた細胞培養体に対して細胞分散処理する工程と、
    該細胞分散処理後に、細胞を回収する工程と、
    を備える、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
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