JP4338113B2 - 金属超微粒子作製方法及び金属超微粒子作製装置 - Google Patents

金属超微粒子作製方法及び金属超微粒子作製装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学気相堆積処理を用いて基板の表面に金属超微粒子を作製する金属超微粒子作製方法及び金属超微粒子作製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゴミ処理場等の脱硝装置として、Nox 等を吸着して排ガス浄化を行う金属超微粒子を基板に備えた排ガス用フィルターが使用されている。一方、化学気相堆積処理により金属膜、例えば、銅の薄膜を作製する技術が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、金属超微粒子を基板に形成する場合、金属超微粒子が形成可能な基板の形状にはある程度の制約があり、所望の形状の基板に金属超微粒子を形成することができない。このため、例えば、煙突の内部に排ガス用フィルターを収容する等の自由度の高い設計は困難であるのが現状である。化学気相堆積処理を適用して薄膜を作製する技術は広く知られているが、金属超微粒子を作製する技術は実在しないのが現状である。
【0004】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、化学気相堆積処理を適用して金属超微粒子を任意の形状の基板の表面に作製することができる金属超微粒子作製方法及び金属超微粒子作製装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の金属超微粒子作製装置は、棒状の基板が内部に配置される筒状のチャンバと、棒状の基板を囲むように配置され多数の噴射穴が穿設された筒状の金属部材と、塩素を含有する原料ガスを金属部材の外側におけるチャンバ内に導入する原料ガス導入手段と、原料ガス導入手段により導入された原料ガスをプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで金属部材をエッチングすることによって金属部材に含まれる金属成分と原料ガス中の塩素との前駆体を生成して基板の外周に前駆体を成膜する第1プラズマ発生手段と、前駆体を成膜した後に基板と金属部材の間に水素を含有する還元ガスを導入する還元ガス導入手段と、還元ガス導入手段により導入された還元ガスをプラズマ化して還元ガスプラズマを発生させ原子状水素を基板の外周に成膜された前駆体に照射させることで基板の外周に金属超微粒子を形成する第2プラズマ発生手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
そして、前記第2プラズマ発生手段としての第2電源が、前記金属部材と前記棒状基板とにわたり接続されていることを特徴とする。
【0007】
また、上記目的を達成するための本発明の金属超微粒子作製装置は、筒状の基板が内部に配置される筒状のチャンバと、筒状の基板の内部に配置され多数の噴射穴が穿設された筒状の金属部材と、塩素を含有する原料ガスを金属部材の内方におけるチャンバ内に導入する原料ガス導入手段と、原料ガス供給手段により導入された原料ガスをプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで金属部材をエッチングすることによって金属部材に含まれる金属成分と原料ガス中の塩素との前駆体を生成して基板の内周に前駆体を成膜する第1プラズマ発生手段と、前駆体を成膜した後に基板と金属部材の間に水素を含有する還元ガスを導入する還元ガス導入手段と、還元ガス導入手段により導入された還元ガスをプラズマ化して還元ガスプラズマを発生させ原子状水素を基板の内周に成膜された前駆体に照射させることで基板の内周に金属超微粒子を形成する第2プラズマ発生手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
そして、本発明の金属微粒子作製装置は、筒状のチャンバの中心部には中心軸が設けられ、前記第1プラズマ発生手段としての第1電源が、前記中心軸と前記金属部材とにわたり接続されていることを特徴とする。
【0012】
そして、金属部材を銅製とすることにより、前記前駆体としてCuxClyを生成し、基板にCu超微粒子を形成することを特徴とする。また、Cu超微粒子が形成された基板は、脱硝装置の触媒として適用されることを特徴とする。また、金属超微粒子の径を制御するために基板を加熱する加熱手段を設けたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4に基づいて本発明の第1実施形態例に係る金属超微粒子作製方法及び金属超微粒子作製装置を説明する。図1、図2には本発明の第1実施形態例に係る金属超微粒子作製装置の概略側面、図3、図4には金属超微粒子の形成状況の説明を示してある。
【0014】
図1、図2に示すように、箱型に形成されたチャンバ1の上部には第1プラズマ発生手段2が備えられ、チャンバ1の下部には第2プラズマ発生手段3が備えられている。また、チャンバ1の側部には磁場コイル4が備えられている。第1プラズマ発生手段2は、チャンバ1の上面に設けられた第1絶縁板21と、第1絶縁板21に設けられた第1プラズマアンテナ22と、第1プラズマアンテナ22に給電を行う第1電源23によって構成されている。また、第2プラズマ発生手段3は、チャンバ1の下面に設けられた第2絶縁板24と、第2絶縁板24に設けられた第2プラズマアンテナ25と、第2プラズマアンテナ25に給電を行う第2電源26によって構成されている。
【0015】
チャンバ1の内部の第1絶縁板21に下部には導入容器6が配置され、導入容器6には原料ガス5である塩素ガス(Cl2 ガス)が供給される。導入容器6の側部には流量制御器7及びノズル8が接続され、導入容器6の底部には銅(Cu)製の噴射板(金属部材)9が設けられている。噴射板9には多数の噴射穴10が穿孔されている。チャンバ1の底部近傍には支持台11が設けられ、支持台11には、例えば、フィルム状の基板12が載置される。支持台11は加熱ヒータ28により所定温度に昇温されている。また、磁場コイル4の下方におけるチャンバ1の下端部には還元ガス13である水素ガス(H2ガス)をチャンバ1の内部に供給する還元ガス流量制御器14及び還元ガスノズル15が設けられている。更に、チャンバ1の底部には排気口27が穿設されている。
【0016】
図1乃至図4に基づいて、上述した金属超微粒子作製装置により、基板12の表面に金属(Cu)超微粒子を作製する金属超微粒子作製方法を説明する。
【0017】
先ず、導入容器6にCl2 ガスを導入し、第1プラズマ発生手段2の第1プラズマアンテナ22から電磁波を導入容器6内に入射することで、導入容器6内のCl2 ガスがイオン化されてCl2 ガスプラズマ(原料ガスプラズマ)31が発生させる。このCl2 ガスプラズマ31により、Cu製の噴射板9にエッチング反応が生じ、前駆体(CuxCly)30が生成される。前駆体(CuxCly)30は噴射穴10を通って下方に噴射され、基板12の表面に前駆体(CuxCly)30が成膜される(図1、図3参照)。
【0018】
基板12の表面に前駆体(CuxCly)30が成膜された後、チャンバ1内にH2ガスを導入し、第2プラズマ発生手段3の第2プラズマアンテナ25から電磁波をチャンバ1内に入射することで、チャンバ1内のH2ガスをイオン化してH2ガスプラズマ(還元ガスプラズマ)32を発生させる。H2ガスプラズマ32は、磁場コイル4によって形成された回転磁場により基板12の表面近傍に高密度で均一に分布する。H2ガスプラズマ32を発生させることで、原子状水素が基板12の表面に成膜された前駆体(CuxCly)30に照射される。原子状水素が前駆体(CuxCly)30の膜に照射されることで、前駆体(CuxCly)30からCl成分が還元除去されてCu超超微粒子29(例えば、粒径100 Å〜1000Å)が形成される。
【0019】
加熱ヒータ28による支持台11の加熱により、基板12の温度を制御することで、Cu超超微粒子29の粒径が制御され、所望の粒径のCu超超微粒子29が形成された基板12を得ることが可能になる。
【0020】
表面にCu超超微粒子29が形成された基板12は、例えば、ゴミ処理場等の脱硝装置の排ガスフィルターとして用いられる。
【0021】
尚、上記構成の金属超微粒子作製装置では、原料ガス5として塩素ガス(Cl2 ガス)を例に挙げて説明してあるが、HCl ガスを適用することも可能であり、この場合、原料ガスプラズマはHCl ガスプラズマが生成されるが、Cu製の噴射板9のエッチングにより生成される前駆体30はCuxClyである。従って、原料ガス5は塩素を含有するガスであればよく、HCl ガスとCl2 ガスとの混合ガスを用いることも可能である。また、噴射板9の材質は、Cuに限らず、Ag,Au,Pt,Ti,W等を用いることが可能である。この場合、前駆体30はAg,Au,Pt,Ti,W等の塩化物となり、基板12の表面に作製される超超微粒子はAg,Au,Pt,Ti,W等になる。
【0022】
上記構成の金属超微粒子作製装置による金属超微粒子作製方法によると、プラズマで成膜した前駆体(CuxCly)30を、温度制御しながら水素還元することで、所望の粒径で、しかも、粒径のそろったCu超超微粒子29が形成された基板12を作製することができる。このため、化学気相堆積処理を適用してCu超超微粒子29を基板12の表面に作製することが可能になる。尚、本発明の金属超微粒子作製方法として、プラズマによらず、原料ガスを加熱して前駆体30を生成することも可能であり、また、還元ガスを加熱して原子状水素を得るようにすることも可能である。
【0023】
図5、図6に基づいて本発明の第2実施形態例に係る金属超微粒子作製装置及び金属超微粒子作製方法を説明する。図5には本発明の第2実施形態例に係る金属超微粒子作製装置の概略斜視、図6には図5の断面状況を示してある。第2実施形態例は、棒状の基板の表面にCu超超微粒子を形成する例を示してある。
【0024】
図5、図6に示すように、筒状のチャンバ41の中心部には基板としての棒状(例えば、長さ1m)の棒基板42が配置され、棒基板42の外周におけるチャンバ41内には筒状の銅(Cu)製の金属部材43が配置されている。金属部材43には多数の噴射穴44が穿孔されている。棒基板42には加熱手段45が接続され、棒基板42は加熱手段45により所定温度に昇温される。金属部材43の外方におけるチャンバ41内には、塩素を含有する原料ガス50である塩素ガス(Cl2 ガス)が塩素ガス導入手段としての原料ノズル46から導入される。また、棒基板42と金属部材43との間には還元ガス47である水素ガス(H2ガス)が還元ガス導入手段としての還元ガスノズル48から導入される。
【0025】
一方、チャンバ41と金属部材43とにわたり第1プラズマ発生手段としての第1電源51が接続され、第1電源51により、原料ノズル46から導入された原料ガス50(Cl2 ガス)をプラズマ化してCl2 ガスプラズマを発生させ、Cl2 ガスプラズマで金属部材43をエッチングすることにより前駆体(CuxCly)49が生成される。そして、前駆体(CuxCly)49は噴射穴44を通って内方に噴射され、棒基板42の表面に前駆体(CuxCly)49が成膜される。また、金属部材43と棒基板42とにわたり第2プラズマ発生手段としての第2電源52が接続され、第2電源52により、還元ガスノズル48から導入された還元ガス47(H2ガス)をプラズマ化してH2ガスプラズマを発生させ、棒基板42の表面に成膜された前駆体(CuxCly)49に原子状水素を照射する。
【0026】
上述した金属超微粒子作製装置により、棒基板42の表面に金属(Cu)超微粒子を作製する金属超微粒子作製方法を説明する。
【0027】
先ず、チャンバ41と金属部材43の間にCl2 ガスを導入し、第1プラズマ発生手段の電源51を通電することで、Cl2 ガスをプラズマ化してCl2 ガスプラズマを発生させる。このCl2 ガスプラズマプラズマ31により、Cu製の金属部材43にエッチング反応が生じ、前駆体(CuxCly)49が生成される。前駆体(CuxCly)49は噴射穴44を通って内方に噴射され、棒基板42の表面に前駆体(CuxCly)49が成膜される。
【0028】
棒基板42の表面に前駆体(CuxCly)49が成膜された後、金属部材43と棒基板42の間にH2ガスを導入し、第2プラズマ発生手段の第2電源52を通電することでH2ガスをプラズマ化してH2ガスプラズマ(還元ガスプラズマ)を発生させる。H2ガスプラズマを発生させることで、原子状水素が棒基板42のの表面に成膜された前駆体(CuxCly)49に照射される。原子状水素が前駆体(CuxCly)49の膜に照射されることで、前駆体(CuxCly)49からCl成分が還元除去されてCu超超微粒子53(例えば、粒径100 Å〜1000Å)が形成される。
【0029】
加熱手段45による棒基板42の加熱により、棒基板42の温度を制御することで、Cu超超微粒子53の粒径が制御され、所望の粒径のCu微粒子53が形成された棒基板42を得ることが可能になる。Cu微粒子53が形成された棒基板42は、例えば、ゴミ処理場等の脱硝装置の排ガスフィルターとして用いられる。この時、棒基板42は棒状をなしているため、煙突内等に配設することが可能になり、排ガスフィルターの設計の自由度が増すことになる。
【0030】
上記構成の金属超微粒子作製装置による金属超微粒子作製方法によると、プラズマで成膜した前駆体(CuxCly)49を、温度制御しながら水素還元することで、所望の粒径で、しかも、粒径のそろったCu微粒子53が形成された棒状の棒基板42を作製することができる。このため、化学気相堆積処理を適用してCu微粒子53を棒状の棒基板42の表面に作製することが可能になる。
【0031】
図7、図8に基づいて本発明の第3実施形態例に係る金属超微粒子作製装置及び金属超微粒子作製方法を説明する。図7には本発明の第3実施形態例に係る金属超微粒子作製装置の概略斜視、図8には図7の断面状況を示してある。第3実施形態例は、筒状の基板の内周面にCu超超微粒子を形成する例を示してある。
【0032】
図7、図8に示すように、筒状のチャンバ61の中心部には中心軸62が設けられ、筒状のチャンバ61の内部には中心軸62を軸心とする筒状の筒基板63が配置されている。更に、筒基板63の内部には中心軸62を軸心とする筒状の銅(Cu)製の金属部材64が配置されている。金属部材64には多数の噴射穴65が穿孔されている。筒基板63には加熱手段66が接続され、筒基板63は加熱手段66により所定温度に昇温される。金属部材64の内部には、塩素を含有する原料ガス67である塩素ガス(Cl2 ガス)が塩素ガス導入手段としての原料ノズル68から導入される。また、金属部材64と筒基板63との間には還元ガス69である水素ガス(H2ガス)が還元ガス導入手段としての還元ガスノズル70から導入される。
【0033】
一方、中心軸62と金属部材64とにわたり第1プラズマ発生手段としての第1電源71が接続され、第1電源71により、原料ノズル68から導入された原料ガス67(Cl2 ガス)をプラズマ化してCl2 ガスプラズマを発生させ、Cl2 ガスプラズマで金属部材64をエッチングすることにより前駆体(CuxCly)73が生成される。そして、前駆体(CuxCly)73は噴射穴65を通って外方に噴射され、筒基板63の内周面に前駆体(CuxCly)73が成膜される。また、金属部材43と筒基板63とにわたり第2プラズマ発生手段としての第2電源72が接続され、第2電源72により、還元ガスノズル70から導入された還元ガス69(H2ガス)をプラズマ化してH2ガスプラズマを発生させ、筒基板63の内周面に成膜された前駆体(CuxCly)73に原子状水素を照射する。
【0034】
上述した金属超微粒子作製装置により、筒基板63の表面に金属(Cu)超微粒子を作製する金属超微粒子作製方法を説明する。
【0035】
先ず、金属部材64内にCl2 ガスを導入し、第1プラズマ発生手段の電源71を通電することで、Cl2 ガスをプラズマ化してCl2 ガスプラズマを発生させる。このCl2 ガスプラズマプラズマにより、Cu製の金属部材64にエッチング反応が生じ、前駆体(CuxCly)73が生成される。前駆体(CuxCly)73は噴射穴65を通って外方に噴射され、筒基板63の内周面に前駆体(CuxCly)73が成膜される。
【0036】
筒基板63の内周面に前駆体(CuxCly)73が成膜された後、金属部材64と筒基板63の間にH2ガスを導入し、第2プラズマ発生手段の第2電源72を通電することでH2ガスをプラズマ化してH2ガスプラズマ(還元ガスプラズマ)を発生させる。H2ガスプラズマを発生させることで、原子状水素が筒基板63のの内周面に成膜された前駆体(CuxCly)73に照射される。原子状水素が前駆体(CuxCly)73の膜に照射されることで、前駆体(CuxCly)73からCl成分が還元除去されてCu超超微粒子74(例えば、粒径100 Å〜1000Å)が形成される。
【0037】
加熱手段66による筒基板63の加熱により、筒基板63の温度を制御することで、Cu超超微粒子74の粒径が制御され、所望の粒径のCu超超微粒子74が形成された筒基板63を得ることが可能になる。Cu超超微粒子74が形成された筒基板63は、例えば、ゴミ処理場等の脱硝装置の排ガスフィルターとして用いられる。この時、筒基板63は筒状をなしているため、煙突内等に配設することが可能になり、排ガスフィルターの設計の自由度が増すことになる。
【0038】
上記構成の金属超微粒子作製装置による金属超微粒子作製方法によると、プラズマで成膜した前駆体(CuxCly)73を、温度制御しながら水素還元することで、所望の粒径で、しかも、粒径のそろったCu超微粒子74が形成された筒状の筒基板66を作製することができる。このため、化学気相堆積処理を適用してCu超超微粒子74を筒状の筒基板63の内周面に作製することが可能になる。
【0039】
【発明の効果】
本発明の金属超微粒子作製方法は、塩素と金属部材により金属成分と塩素との前駆体を生成し、生成された前駆体を基板に成膜し、その後、水素を含有する還元ガスからの原子状水素を前駆体に照射することで、基板に金属超微粒子を形成するようにしたので、成膜した前駆体を水素還元することで、粒径のそろった金属超微粒子が形成された基板を作製することができる。この結果、化学気相堆積処理を適用して金属超微粒子を任意の形状の基板に作製することが可能になる。
【0040】
また、本発明の金属超微粒子作製方法は、筒状のチャンバ内に棒状の基板を配置し、棒状の基板の外周におけるチャンバ内に多数の噴射穴が穿設された筒状の金属部材を配置し、塩素と金属部材により金属成分と塩素との前駆体を金属部材の内側に生成し、生成された前駆体を基板の外周に成膜し、その後、水素を含有する還元ガスからの原子状水素を金属部材の内側から前駆体に照射することで、基板の外周に金属超微粒子を形成するようにしたので、成膜した前駆体を水素還元することで、粒径のそろった金属超微粒子が外周に形成された棒状の基板を作製することができる。この結果、化学気相堆積処理を適用して金属超微粒子を棒状の基板の表面に作製することが可能になる。
【0041】
また、本発明の金属超微粒子作製方法は、多数の噴射穴が穿設された筒状の金属部材を筒状の基板の内周に配置し、塩素と金属部材により金属成分と塩素との前駆体を金属部材の外側に生成し、生成された前駆体を基板の内周に成膜し、その後、水素を含有する還元ガスからの原子状水素を金属部材の外側から前駆体に照射することで、基板の内周に金属超微粒子を形成するようにしたので、成膜した前駆体を水素還元することで、粒径のそろった金属超微粒子が内周面に形成された筒状の基板を作製することができる。この結果、化学気相堆積処理を適用して金属超微粒子を筒状の基板の内周面に作製することが可能になる。
【0042】
そして、基板を加熱することで金属超微粒子の径を制御するので、所望の粒径で、しかも、粒径のそろった金属超微粒子が形成された基板とすることができる。
【0043】
本発明の金属超微粒子作製装置は、多数の噴射穴が穿設された金属部材を有しその内部に塩素を含有する原料ガスが供給される導入容器と、導入容器及び基板を収容するチャンバと、導入容器内の原料ガスをプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで金属部材をエッチングすることによって金属部材に含まれる金属成分と原料ガス中の塩素との前駆体を生成して基板の表面に前駆体を成膜するする第1プラズマ発生手段と、前駆体を成膜した後にチャンバ内で水素を含有する水素ガスをプラズマ化して還元ガスを発生させ原子状水素を基板の表面に成膜された前駆体に照射させることで基板の表面に金属超微粒子を形成する第2プラズマ発生手段とを備えたので、プラズマで成膜した前駆体を水素還元することで、粒径のそろった金属超微粒子が形成された基板を作製することができる。この結果、化学気相堆積処理を適用して金属超微粒子を任意の形状の基板に作製することが可能になる。
【0044】
また、本発明の金属超微粒子作製装置は、棒状の基板が内部に配置される筒状のチャンバと、棒状の基板の外周におけるチャンバ内に配置され多数の噴射穴が穿設された筒状の金属部材と、塩素を含有する原料ガスを金属部材の外方におけるチャンバ内に導入する原料ガス導入手段と、原料ガス導入手段により導入された原料ガスをプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで金属部材をエッチングすることによって金属部材に含まれる金属成分と原料ガス中の塩素との前駆体を生成して基板の外周に前駆体を成膜する第1プラズマ発生手段と、前駆体を成膜した後に基板と金属部材の間に水素を含有する還元ガスを導入する還元ガス導入手段と、還元ガス導入手段により導入された還元ガスをプラズマ化して還元ガスプラズマを発生させ原子状水素を基板の外周に成膜された前駆体に照射させることで基板の外周に金属超微粒子を形成する第2プラズマ発生手段とを備えたので、プラズマで成膜した前駆体を水素還元することで、粒径のそろった金属超微粒子が外周に形成された棒状の基板を作製することができる。この結果、化学気相堆積処理を適用して金属超微粒子を棒状の基板の外周に作製することが可能になる。
【0045】
また、本発明の金属超微粒子作製装置は、筒状の基板が内部に配置される筒状のチャンバと、筒状の基板の内部に配置され多数の噴射穴が穿設された筒状の金属部材と、塩素を含有する原料ガスを金属部材の内方におけるチャンバ内に導入する原料ガス導入手段と、原料ガス供給手段により導入された原料ガスをプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで金属部材をエッチングすることによって金属部材に含まれる金属成分と原料ガス中の塩素との前駆体を生成して基板の内周に前駆体を成膜する第1プラズマ発生手段と、前駆体を成膜した後に基板と金属部材の間に水素を含有する還元ガスを導入する還元ガス導入手段と、還元ガス導入手段により導入された還元ガスをプラズマ化して還元ガスプラズマを発生させ原子状水素を基板の内周に成膜された前駆体に照射させることで基板の内周に金属超微粒子を形成する第2プラズマ発生手段とを備えたので、プラズマで成膜した前駆体を水素還元することで、粒径のそろった金属超微粒子が内周面に形成された筒状の基板を作製することができる。この結果、化学気相堆積処理を適用して金属超微粒子を筒状の基板の内周面に作製することが可能になる。
【0046】
そして、金属超微粒子の径を制御するために基板を加熱する加熱手段を設けたので、所望の粒径で、しかも、粒径のそろった金属超微粒子が形成された基板とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態例に係る金属超微粒子作製装置の概略側面図。
【図2】本発明の第1実施形態例に係る金属超微粒子作製装置の概略側面図。
【図3】金属超微粒子の形成状況説明図。
【図4】金属超微粒子の形成状況説明図。
【図5】本発明の第2実施形態例に係る金属超微粒子作製装置の概略斜視。
【図6】図5の断面図。
【図7】本発明の第3実施形態例に係る金属超微粒子作製装置の概略斜視。
【図8】図7の断面図。
【符号の説明】
1,41,61 チャンバ
2 第1プラズマ発生手段
3 第2プラズマ発生手段
4 磁場コイル
5,50,67 原料ガス
6 導入容器
7 流量制御器
8 ノズル
9 噴射板
10,44,65 噴射穴
11 支持台
12 基板
13,47,69 還元ガス
14 還元ガス流量制御器
15 還元ガスノズル
21 第1絶縁板
22 第1プラズマアンテナ
23 第1電源
24 第2絶縁板
25 第2プラズマアンテナ
26 第2電源
27 排気口
28 加熱ヒータ
29,53 74 Cu超微粒子
30,49,73,前駆体(CuxCly)
42 棒基板
43,64 金属部材
45,66 加熱手段
46,68 原料ノズル
48,70 還元ガスノズル
50,67 原料ガス
51,71 第1電源
52,72 第2電源
62 中心軸
63 筒基板

Claims (6)

  1. 棒状の基板が内部に配置される筒状のチャンバと、棒状の基板を囲むように配置され多数の噴射穴が穿設された筒状の金属部材と、塩素を含有する原料ガスを金属部材の外側におけるチャンバ内に導入する原料ガス導入手段と、原料ガス導入手段により導入された原料ガスをプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで金属部材をエッチングすることによって金属部材に含まれる金属成分と原料ガス中の塩素との前駆体を生成して基板の外周に前駆体を成膜する第1プラズマ発生手段と、前駆体を成膜した後に基板と金属部材の間に水素を含有する還元ガスを導入する還元ガス導入手段と、還元ガス導入手段により導入された還元ガスをプラズマ化して還元ガスプラズマを発生させ原子状水素を基板の外周に成膜された前駆体に照射させることで基板の外周に金属超微粒子を形成する第2プラズマ発生手段とを備えたことを特徴とする金属超微粒子作製装置。
  2. 前記第2プラズマ発生手段としての第2電源が、前記金属部材と前記棒状基板とにわたり接続されていることを特徴とする請求項1に記載の金属超微粒子作製装置。
  3. 筒状の基板が内部に配置される筒状のチャンバと、筒状の基板の内部に配置され多数の噴射穴が穿設された筒状の金属部材と、塩素を含有する原料ガスを金属部材の内方におけるチャンバ内に導入する原料ガス導入手段と、原料ガス供給手段により導入された原料ガスをプラズマ化して原料ガスプラズマを発生させ原料ガスプラズマで金属部材をエッチングすることによって金属部材に含まれる金属成分と原料ガス中の塩素との前駆体を生成して基板の内周に前駆体を成膜する第1プラズマ発生手段と、前駆体を成膜した後に基板と金属部材の間に水素を含有する還元ガスを導入する還元ガス導入手段と、還元ガス導入手段により導入された還元ガスをプラズマ化して還元ガスプラズマを発生させ原子状水素を基板の内周に成膜された前駆体に照射させることで基板の内周に金属超微粒子を形成する第2プラズマ発生手段とを備えたことを特徴とする金属超微粒子作製装置。
  4. 前記筒状のチャンバの中心部には中心軸が設けられ、前記第1プラズマ発生手段としての第1電源が、前記中心軸と前記金属部材とにわたり接続されていることを特徴とする請求項3に記載の金属超微粒子作製装置。
  5. 金属部材を銅製とすることにより、前記前駆体としてCuxClyを生成し、基板にCu超微粒子を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の金属超微粒子作製装置。
  6. 前記金属超微粒子の径を制御するために基板を加熱する加熱手段を設けたことを特徴とする
    請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の金属超微粒子作製装置。
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