JP4332201B2 - 発光管、低圧水銀ランプ及び照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス管が、その軸心が一平面内を旋回する平坦なスパイラル状に成形されてなる発光管、低圧水銀ランプ及び照明装置に関する。
一般照明に用いられる低圧水銀ランプに、丸形状の発光管を用いた蛍光ランプがある(以下、この蛍光ランプを、「丸形蛍光ランプ」という。)。なお、この丸形蛍光ランプの特徴は、その薄さにあるといえる。
ところで、近年、丸形蛍光ランプの小型化の要請が強くなっている。これは、丸形蛍光ランプを小型化することにより、これを取り付ける照明装置の小型化が図れるからである。
従来の丸形状の発光管よりも小型化を図ったものとしては、例えば、発光管を構成するガラス管が、その軸心が一平面内で仮想軸の廻りを旋回し且つガラス管の一端から他端に移るに従って仮想軸から離れる形状(この形状を、ガラス管の軸心が同一平面内にあるため、「平面的スパイラル状」という。)に成形されたものがある(特許文献1)。
このようにガラス管を平坦なスパイラル状にすることにより、丸形状の内周にある空間を有効に利用することができ、最大外径を小さくしても従来の発光管と同等の放電距離を確保できるのである。
この平坦なスパイラル状の発光管は、軟化したガラス管を円錐体の錐面に沿って円錐体の上部から下部に亘って巻回させて、巻回するガラス管の軸心が仮想円錐面の仮想軸心上を仮想錐面の頂部側から底部側へと移るに従って前記仮想軸から離れる形状(この形状を、ガラス管の軸心が仮想軸上を移動するため、「立体的スパイラル状」という。)の巻回部を成形する工程と、この立体的スパイラル状の巻回部を円錐体の仮想軸方向に変形させて平面的スパイラル状にする変形工程とを経て製造される。この変形工程では、ガラス管全体を加熱させて巻回部の自重により変形させている。
特開平9−92154号公報
上記製造方法で製造されたスパイラル状の発光管は、例えば、店舗・住宅照明等における薄形の天井直付の照明装置への応用が見込まれ、特に、照明装置のうち密閉型よりも開放型に用いられると考えられる。従って、この開放型の照明装置に装着された発光管をユーザが直視する可能性もあることから、平面的なスパイラル状をした発光管における隣接するガラス管の隙間による輝度むらを目立たないようにする必要がある。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、輝度むらを目立たないようにできる平面的スパイラル状の発光管、低圧水銀ランプ及び照明装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る発光管は、ガラス管の中間部から両端部又は前記両端部の手前までが仮想軸の廻りを旋回する2つの旋回部を有すると共に、前記2つの旋回部におけるガラス管の軸心が、前記中間部から前記端部側に移るに従って、前記仮想軸と直交する一平面内を前記仮想軸から離れる形状に成形された発光管であって、 前記中間部に、前記仮想軸方向の外方に膨出し、点灯時に最冷点箇所となる膨出部を有し、前記中間部と前記旋回部との隙間が、前記隣接する旋回部間の最小の隙間よりも大きいことを特徴としている。
本発明に係る発光管は、例えば、隣接する旋回部間の最少の隙間が、0.5mm以上、ガラス管の外径D1(mm)の0.4倍以下の範囲であるので、発光管を点灯させた際の輝度むらをほとんど目立たないようにできる。
以下、本発明を低圧水銀ランプの一種である蛍光ランプに適用した実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
1.蛍光ランプの構成について
図1は、本発明の一実施形態である蛍光ランプを照射面側から見た正面図であり、図2は、図1における蛍光ランプをホルダ及び発光管の内部の様子が分かるようにその一部を切り欠いて、B方向から見た一部切欠側面図である。
この蛍光ランプ10は、図1及び図2に示すように、内部に一本の放電路を有する発光管100と、この発光管100を保持するホルダ200とからなる。なお、ホルダ200には、後述するが、給電用の口金250が取着されている。
(1)発光管について
発光管100は、図1及び図2に示すように、1本の、例えば、直管状のガラス管をスパイラル状に湾曲させてなる発光管本体110と、発光管本体110の両端部114,116に気密封着された電極140とを備え、発光管本体110の内部には、水銀(例えば、5[mg])のほか、緩衝ガスとしてアルゴンガス(例えば、400[Pa])が封入されている。
なお、図2において、発光管本体110の端部116における電極の記載は、図面の便宜上省略しているが、この端部116にも、電極140と同じ構造の電極が封着されている。
また、発光管本体110の内部に封入される水銀の形態は単体形態でも良く、また、例えば、亜鉛水銀、錫水銀、さらには、ビスマス・インジウム水銀等のアマルガム形態でも良い。
発光管本体110を構成するガラス管112は、図1及び図2に示すように、後述する仮想軸Aの廻りを旋回する2つの旋回部122,124と、この旋回部122,124の間に挟まれている中間部120とを有する。
旋回部122,124におけるガラス管112の軸心は、仮想軸Aと略直交する略一平面内にあって、中間部120側からガラス管112の端部114,116側へと移るに従って仮想軸Aから離れる軌道を取っている。つまり、旋回部122,124は、平面的スパイラル状をしている。
発光管本体110における仮想軸Aが通過する位置、つまり、ガラス管112の中間部120の中央には、図1及び図2に示すように、仮想軸方向の一方に膨出する膨出部126が成形されている。この膨出部126は、蛍光ランプ10を点灯させたときに最冷点となる、いわゆる、最冷点箇所であり、この最冷点箇所の温度により点灯時における発光管100内の水銀の蒸気圧が規定される。
ガラス管112には、例えば、バリウム・ストロンチウムシリケイトガラス(鉛フリーガラス)が用いられ、その横断面形状は、例えば、略円形状をしている。なお、ガラス管112の横断面形状は、円形状に限定するものではなく、例えば、略楕円形状であっても良い。但し、発光管本体110は、軟化させたガラス管112を湾曲させて平坦状のスパイラル状に成形されており、成形後のガラス管の横断面形状は、真円ではなく若干変形したものとなる。
この発光管本体110を、図1に示すように、照射面側から見ると、仮想軸Aと直交する方向(以下、この方向を「径方向」という。)に隣接する旋回部122と旋回部124との間の隙間が生じている。
この隣接する旋回部122,124間の隙間は、旋回部122,124におけるガラス管112の横断面が円形状をしているため、旋回部122,124におけるガラス管112の軸心を結ぶ線分上での隙間が最少となり、この隙間を隙間Gaとして表している。
隣接する旋回部122,124間の隙間は、発光管本体110の端部114,116に近い部分が、他の旋回部122,124同士の隙間よりも大きくなっている。これは、端部114,116に後述の電極140を封着する際に、端部114,116に隣接する旋回部分が、端部114,116を加熱したときに変形するのを防ぐためであり、「隙間Ga」は、発光管本体110の端部114,116に近い部分(例えば、端部114,116から中間部120側へ、ガラス管112の軸心に沿って45度程度戻ったところまで)を除く範囲での隙間を指す。
発光管本体110の内周面には、図1に示すように、希土類の蛍光体160が塗布されている。この蛍光体160には、赤、緑、青発光の3種類で、例えばY23:Eu、LaPO4:Ce、Tb及びBaMg2Al1627:Eu、Mn蛍光体が含まれる。
電極140は、図1に示すように、所謂、ビーズガラスマウント方式のものであり、タングステン製のコイル電極142と、このコイル電極142を架持する一対のリード線146,148と、この一対のリード線146,148を固定支持するビーズガラス144とからなる。
電極140において発光管本体110の端部114(、116)に封着されるのは、リード線146,148の一部分であり、具体的には、ビーズガラス144からコイル電極142と反対側に延出している部分である。
なお、発光管本体110の一の端部(ここでは、端部114)には、排気管150が電極140と共に封着されている。この排気管150は、電極140等を封着した後に、発光管本体110内を排気したり、緩衝ガスを封入したりするためのものである。
ここで、発光管本体110の内面に蛍光体160が塗布された後、電極140が封着され、また発光管本体110の内部に緩衝ガス等が封入されて完成したものが発光管100であり、以下、「発光管100」を使って説明する際には、発光管本体110の端部114,116、中間部120に相当する部分を、そのまま使って、発光管100の端部114,116、中間部120等とする。また、発光管本体110の径方向は、発光管100の説明の際にも、そのまま径方向として行う。
また、上記の発光管100は、その膨出部126側が表側(照射面)となるようにホルダ200に取着されている。
(2)ホルダについて
図3は、本発明の一実施形態に係るホルダを分解した状態の一部切欠斜視図である。
ホルダ200は、図1〜図3に示すように、発光管100の端部114,116を保持するための保持部材210と、発光管100に給電するための口金250が取着された口金取着部材230とからなる。なお、口金250は、4本の電源接続ピン250a,250b,250c,250dを備えるタイプである。
保持部材210は、発光管100の端部114,116を結ぶ方向に長い方形状をした基台212と、この基台212の長手方向の両端部に成形された隆起部214,216とを備え、隆起部214,216に発光管100の端部114,116を挿入するための挿入孔218,220が成形されている。
挿入孔218,220は、発光管100の端部114,116の形状に合せて、隆起部214,216における基台212の短手方向の端面から短手方向に向かい(この孔を、「第1の孔」という。)、その後、基台212の裏面側(上方)へ屈曲している(この孔を、「第2の孔」という。)。つまり、挿入孔218,220は、第1及び第2の孔からなり、「L」字状をしている。
これにより、発光管100の端部114,116は、短手方向に成形された第1の孔の周面220a(挿入孔218の周面の図示は省略)に当接して支持され、また、端部114,116から導出するリード線146,148は、上方へと屈曲した第2の孔を通って基台212の裏面側へと導かれることになる(図2参照)。
保持部材210の内部には、図2に示すように、発光管100の端部114,116から導出する一対のリード線146,148を口金250側へと誘導できるように空間部222が設けられており、この空間部222を上方から塞ぐように口金取着部材230が保持部材210に内嵌される。なお、この口金取着材230は、例えば、接着剤により保持部材210に固着される。
(3)照明装置
図4は、本発明の一実施形態である蛍光ランプを用いた照明装置を説明するための一部切欠側面図である。
図4に示す照明装置400は、上記構成の蛍光ランプ10を用いたものである。
照明装置400は、同図に示すように、例えば、天井直付け方式の装置であって、装置本体410が、例えば、天井430に設けられたローゼットにソケット440を介して取着されている。
装置本体410は、略中央に平坦な底412を有する笠部414と、笠部414の内側の底412に着脱可能に取着された蛍光ランプ10とを備える。ソケット440は、笠部414の外側の底412に設けられ、その内部に蛍光ランプ10を点灯させるための電子安定器が収納されている(図示省略)。
蛍光ランプ10は、口金250(例えば、図2参照)が装置本体410の笠部414の内側のソケット(図示省略)に取着されることにより、装置本体410に着脱自在に取り付けられると共に電気的に接続される。なお、電子安定器は、シリーズインバータ方式による高周波専用である。
笠部414は、その内周面が、例えば、反射面となっており、蛍光ランプ10から発せられた光を所望の方向、例えば、下方を照射すべく反射させている。この反射面は、例えば、白色の塗料或いはアルミナ粒子を塗布することで成形されている。
蛍光ランプ10が上記の電子安定器により点灯されると、発光管100の膨出部126に最冷点箇所が成形される。この最冷点箇所における温度、所謂、最冷点温度は、ランプ定常点灯時における発光管100内の水銀蒸気圧が略最大のランプ効率を与える値となるように設計されている。なお、最冷点温度で水銀蒸気圧を規定している理由は、上述したが、ランプ定常点灯時の水銀蒸気圧は、最冷点温度により一義的に規定されるからである。
2.蛍光ランプの具体的構成について
本発明に係る蛍光ランプは従来の丸形蛍光ランプの小型化を目的に検討している。先ず、ここで説明する具体的構成の蛍光ランプ10に対応する従来の丸型蛍光ランプに説明する。従来の丸形蛍光ランプは、所謂「丸形20形」のスリムタイプであって、外径が16[mm]のガラス管を用い、外径が225[mm]、内径が192[mm]の円形をしている。また点灯時の全光束が2310[lm]、定格寿命が9000[hr]である。
それでは、本発明に係る蛍光ランプの具体的構成について説明する。発光管本体110に用いられるガラス管112は、外径D1が9.0[mm]、内径D2が7.4[mm]である(図1参照)。
発光管本体110は、2つの旋回部122,124をあわせて約4.0回、仮想軸Aの廻りを旋回している。また、発光管100は、図1に示すように、端部114,116同士を結ぶ方向の長さL1が120「mm」、端部114,116同士を結ぶ線分と直交する方向の長さL2が110[mm]である。なお、発光管100の径方向に隣接するガラス管112同士の隙間Gaは、約1.0[mm]である。
従って、この蛍光ランプ10は、従来の丸形蛍光ランプ対して、外径が0.53倍となっており、また、蛍光ランプ10における膨出部を含んだ全体の高さは、11[mm]となっており、従来の丸形蛍光ランプに対して、0.69倍となっている。また、膨出部をのぞく高さは、ガラス管112の外径、つまり、9[mm]となっており、従来に比べて、0.56倍と成っている。
上記構成の発光管100の電極間距離は700[mm]である。この発光管100を用いた蛍光ランプ10を、その口金250を上にしてランプ入力27[W]で点灯させたときの発光光束は2220[lm]であり、ランプ効率が82.2[W/lm]であった。
なお、点灯時の発光光束は、従来の丸形蛍光ランプの発光光束である2310[lm]より、若干劣るものの略同等とみなすことができる。
このときの発光管100の管壁負荷は0.17W/cm2であり、定格寿命時間が11,000「hr」であった。ここでいう「定格寿命時間」とは、2.75時間点灯し、0.25時間消灯する連続繰り返し試験において、ランプが点灯しなくなるまでの時間、又は、全光束が点灯開始から100時間経過後の全光束に対して60%に下がるまでの点灯時間のうち、短い時間を指す。
なお、定格寿命は、従来の丸形蛍光ランプの定格寿命時間は9000[hr]であるので、1.2倍程度向上している。
3.発光管の製造方法
上記構成の発光管100の製造方法について図面を用いて説明する。
図5は、発光管本体を製造する工程を説明するための図である。
ここで説明する発光管本体の製造方法は、上記具体的構成で説明した発光管本体110を製造するものとし、先ず、製造工程の流れを簡単に説明し、その後各工程について説明する。
先ず、図5の(a)に示すように、巻回前のガラス管として直管状のガラス管510を用意し、このガラス管510を加熱により軟化させ、後述する成形治具の仮想錐面に沿ってスパイラル状に巻回させた巻回部を有する成形品540を成形する。この成形品540は、図5の(b)に示すように、巻回したガラス管510を成形治具の軸心と直交する方向から見た外観形状が略円錐状をしている。
次に、上記の成形品540の巻回部を平坦状に変形させるために、再度加熱して仮想錐面の仮想軸方向に圧縮させる。これにより平面的スパイラル状をした発光管本体110が製造される。
なお、ここでいう「平坦状」とは、円錐状の成形品における軸心方向と直交する方向から変形後のものを見たときに、その厚さがガラス管の外径と略同じになっているような形状をいう。
このあと、発光管本体110の内周面に蛍光体を塗布する工程、端部に電極を封着する電極封着工程、内部に水銀及びアルゴンガスを封入するガス封入工程等が行われるが、これらの工程は、従来と同じ技術を用いて行うため、ここでの説明は省略する。
以下、円錐状の成形品を成形する工程(本発明の巻回工程に相当する。)、そして、成形品を平坦状に圧縮させる工程(本発明の圧縮工程に相当する。)についてそれぞれ説明する。
(1)成形品を成形する工程
A.ガラス管について
まず、ガラス管510について説明する。この巻回前の直管状のガラス管510は、図5の(a)に示すように、中間部510aと、この中間部510aを挟む2つの巻回予定部510b,510cとを長手方向に備えている。ガラス管510から成形品540を成形する際には、中間部510a及び2つの巻回予定部510b,510cを少なくとも含む範囲を加熱により軟化させる。なお、このガラス管510は、横断面形状が略円形であって、外径が9.0[mm]、内径が7.4[mm]、全長1500[mm]である。
B.成形品について
成形品540はガラス管510の中間部510a及び巻回部を510b,510cを湾曲成形させてなる。
図6の(a)は、図5の(b)の成形品の一部切欠側面図であり、(b)は、図6の(a)におけるY方向からの正面図である。
成形品540は、図6の(a)及び(b)に示すように、ガラス管510の巻回予定部510b,510cを巻回させてなる2つの巻回部548,550と、両巻回部548,550の間に挟まれて両者を連結する中間部542(ガラス管510の中間部510aに略相当する。)とを有している。
巻回部548,550は、ガラス管510の巻回予定部510b,510cが成形治具の仮想円錐面に沿って巻回されてなる。この巻回部548,550は、中間部542側からガラス管510の端部側に移るに従って、仮想軸上を中間部542から離れる(図6の(a)では下方に離れる)と共に仮想軸からも径方向に離れるように、仮想軸(この仮想軸は、ガラス管の巻回時には成形治具の軸心である。)の廻りを旋回する立体的スパイラル状をしている。このため、成形品540の外観形状は略円錐状となっている。なお、この円錐状の母線と円錐の軸心との角度は略60度であり、図6の(a)では「α」で示している。
2つの巻回部548,550の位置関係は、成形品540を仮想軸Aが延伸する方向から見たとき(これは図6のY方向から見たときであり、そのときの図が図6の(b)である。)、径方向に隣接する巻回部548,550の間には隙間ができており、この最少の隙間L3は1.0[mm]である。
また、成形品540を仮想軸Aと直交する方向から見たとき(つまり、図6の(a)となる。)、仮想軸方向に隣接する巻回部548,550において、仮想軸方向であってガラス管の端部側の旋回部が中間部側の旋回部に重なっており、この重なり部L4は4.0[mm]である。なお、両巻回部548,550が成形治具の仮想面に巻回された巻回数は両者合せて計4回である。
C.成形品を成形するための治具について
上記形状の成形品540は、軟化したガラス管510の中間部542を、仮想錐面を有する成形治具590の係止部593,594に係止した後に巻回させることにより成形される。
図7は、成形治具の側面図である。
成形治具590は、図7に示すように、仮想錐面を有する本体部591と、図外の駆動装置に取着される円柱状の取付部592とからなり、本体部591の外周面に軟化状態のガラス管510が巻回される。なお、本体部591の軸心と取付部592の軸心とは一致しており、図7では、これらをまとめて成形治具590の軸心として符号「B」で示している。なお、成形治具590の軸心Bと直交する方向を「径方向」とする。
本体部591の頂部には、ガラス管510の中間部510aを係止するための一対の係止部593,594が向い合って立設され、また、本体部591の外周面には、本体部591に巻回されるガラス管510の巻回予定部510b,510cを受け入れる窪み部595,596が頂部から底部にわたって連続するスパイラル状に成形されている。
一対の係止部593,594は、その間にガラス管510が入る間隔を有した状態で、本体部591の頂部から成形治具590の軸心Bと平行な方向に突出している。この係止部593,594は、成形治具590の軸心Bと平行に取着された、例えば、ピン等の柱体により構成されている。
柱体は、その横断面形状が円形をしたものを利用しているが、少なくともガラス管510と接触する部分が円弧形状であれば良く、また柱体は、その先端側(上側)が細くなる、つまり先細り形状でも良い。
すなわち、成形治具590に巻回させたガラス管510を成形治具590から取り外す際に、ガラス管510と成形治具590とを成形治具590の軸心方向に離間させる(例えば成形治具590を下降させる。)。このときに、係止部593,594は、ガラス管510と引っかからないような形状であれば良い。
図8は、窪み部の横断面における拡大図である。
窪み部595,596の横断面における受入面は、図8に示すように、本体部591の外周縁に沿う段状となっており、窪み部595,596の隅となる部分がガラス管510(図8において仮想線で表示)の外周と同じ曲率の円弧面597となっている。
従って、ガラス管510の横断面を、その中心を通る軸心Bと平行な方向の線分及びその中心を通る仮想軸と直交する方向の線分とで4分割したときに、軸心B側であって底部側に位置するガラス管510の外周の1/4が円弧面597と接触(図8において線分CEで接触)することになる。これにより成形治具590に巻回されているガラス管510が成形治具590の窪み部595,596から外れないようになっている。
ここで、本体部591の外周面は、成形治具590に巻回されたガラス管510の外観形状が略円錐形状になるため、仮想円錐面(本発明の仮想錐面に相当する)と考えることができる。
次に、成形治具590の具体的構成について説明する。ここで説明する成形治具590も、上記2.ランプの具体的構成についての欄で説明した発光管本体110用である。本体部591の外周に成形された窪み部595,596の段差Hは、巻回するガラス管510の外径D1に対して約0.56倍となっている。段差H(図7参照)をガラス管510の外径D1に対して、0.56倍に規定した理由は後述する。
なお、発明者らは、段差Hがガラス管510の外径に対して0.5倍以上であれば、ガラス管510を、成形治具590の窪み595,596から外れることなく、高歩留まりで巻回させることができるという試験結果を得ている。
また、段状の窪み部595,596の張り出しWは、巻回するガラス管510の外径D1に対して約1.0[mm]大きくなっている。張り出しWをガラス管510の外径D1に対して1[mm]大きく規定した理由は後述する。
なお、仮想錐面の母線B1と軸心Bとの間の角度βは、約60度となっている。
以上のことを換言すれば、窪み部595,596の軸心方向へのピッチは、ガラス管510の外径D1から巻回部548,550の重なり部L4を引いた値となり、また、窪み部595,596の径方向へのピッチは、ガラス管510の外径D1に、巻回部548,550の隙間L3を加えた値となる。
D.成形品の成形工程
図9は、成形品の成形工程を説明するための図である。
先ず、図9に示すように、成形治具590の取付部592を図外の駆動装置に装着する。なお、この駆動装置は、図9の(a)に示すように、成形治具590を、その軸心Bの廻りをF方向に回転させながら、軸心B上をG方向に移動させる機能を有している。
次に、ガラス管510の中間部分(中間部510a,巻回予定部510b,510cを少なくとも含む)を加熱炉等で、例えば、800±20[℃]になるように加熱して軟化させる。
この軟化したガラス管510の中間部510aの略中央を、成形治具590の係止部593,594間に挿入させて、図9の(a)に示すように、ガラス管510の両端を把持した状態で、成形治具590をその軸心Bの廻りをF方向に回転させると共にG方向に移動させる。
これにより、ガラス管510の中間部510aが係止部593,594に係止され、2つの巻回予定部510b,510cが本体部591の外周の窪み部595,596(仮想錐面)に沿って巻回する。
このとき、窪み部595,596は、ガラス管510を受け入れ、受け入れた状態では、図8の仮想線で示すように、その受入面における位置Cでガラス管510の外周に接触している。これにより、巻回時にガラス管510が窪み部595,596から外れるのを防止している。
なお、成形治具590が1回転する間にG方向に移動する移動量は、本体部591上に成形されている各窪み部595,596の段差H分、つまり段差Hの2倍である。この際に、巻回されたガラス管510の横断面が円形状となるように、圧力制御された窒素、アルゴン等のガスがガラス管510内に吹き込まれている。
そしてガラス管510の成形治具590への巻回が終了し、ガラス管510の温度が下がってガラス管510が硬化すると、この硬化したガラス管515と成形治具590とを軸方向に離間させる。
具体的には、図9の(b)に示すように、ガラス管515をそのまま保持して、成形治具590を軸心B上のI方向に移動させても良いし、逆に、成形治具590をそのままにしてガラス管515をI方向と逆方向(G方向)に移動させても良い。さらには、ガラス管515と成形治具590の両方を移動させても良い。
なお、他のガラス管510を引き続き成形する場合には、成形治具590を巻回する初期の位置に戻す必要があり、成形治具590をI方向に下降させる方が、生産効率の面で有利と考えられる。
成形治具590から取り外したガラス管515は、その不要部分が切断され、これにより成形品540の成形が完了する。
成形品540の頂部には、発光管100の膨出部126用の突出部552が成形される。この突出部552は、成形品540の頂部を局部的に軟化させて、成形品540内の圧力を高めることにより成形される。なお、この突出部552は、成形治具590の仮想円錐面に沿って巻回した直後に成形しても良いし、成形治具590から取り外した後に成形しても良い。
(2)成形品の圧縮工程
次に、略円錐状の成形品を平坦状に圧縮させて発光管本体を完成させる工程について説明する。
図10は、成形品を平坦状に変形させる工程を説明するための図である。
本工程は、図10の(a)に示すような圧縮治具580を用いて成形品を圧縮させるために、先ず圧縮治具580について説明し、その後に圧縮させる工程について説明する。
A.圧縮治具について
図11は、成形品が配置されている圧縮治具の一部切欠斜視図である。
圧縮治具580は、図10及び図11に示すように、成形品540を仮想軸Aの方向(図11では、上下方向)から挟む構造をしており、一対の平板と、互い平板の対向面が並行な状態で接離するように案内する複数のガイド棒586とからなる。一対の平板は、具体的には、その1つは成形品540が載置される載置面582aを有する固定板582であり、もう一つは、固定板582の上方に配され且つガイド棒586により固定板582の載置面582aに直交する方向(図11では、上下方向)に可動する可動板584である。
固定板582には、例えば、6本のガイド棒586が立設されている。このガイド棒586は、成形品540の最外周のガラス管に沿って周方向に間隔をおいて設けられている。なお、固定板582の載置面582aの4隅には、可動板584の固定板582への近接を規制する規制部材589がそれぞれ設けられている。
可動板584には、成形品540の突出部552が収まるように貫通孔587が略中央に、そして、ガイド棒586の位置に対応してガイド孔585が6個設けられている。
ここで、圧縮治具について具体的な構成を説明する。
まず、固定板582及び可動板584は、ステンレス鋼からなり、これらの板582,584を平面視したときに、略正方形状をしている。可動板582の重量は、約1.2[kg]である。
ガイド棒586は、その外径が2.5[mm]のものを使用し、周方向に35[mm]間隔で固定板582に設けられており、また、ガイド孔585の直径は、2.6[mm]である。
B.圧縮工程
ここで、成形品540を平坦状に圧縮させる工程について説明する。
まず、圧縮治具580を準備し、可動板584と固定板582との間に、図10の(a)に示すように成形品540をセットする。なお、成形品540をセットする際は、可動板584を取り外しても良いし、可動板584を上方に移動させて、可動板584と固定板582との間隔を広くしても良い。
セットする位置は固定板582の載置面582aの所定位置、例えば、略中央であって、可動板584の貫通孔587内に成形品540の突出部552がちょうど進入する位置である。このとき、可動板584の貫通孔587の周縁が成形品540の中間部542に当接する。
次に、可動板584を成形品540の中間部542に当接させた状態で、図10の(b)に示すように、成形品540におけるガラス管の外周面が、略600℃になるように加熱する。この温度に設定した理由は後で説明する。
なお、この成形品540を構成しているガラス(軟質ガラス)の軟化点は675℃であり、成形品540の温度が、軟化点以上になると、外観形状が円錐状の成形品は、自重で変形しだし、平坦状となる。
そして成形品540のガラス管の外周面の温度が600[℃]付近になると、成形品540は塑性変形可能となり、可動板584はその自重により下降(固定板582に近づく)し始める。つまり、成形品540が仮想軸方向に圧縮され変形し始める。なお、この変形は可動板584が固定板582の規制部材589に当接するまで続く。
可動板584が規制部材589に当接する状態は、図10の(c)に示すように、可動板584の貫通孔587内に進入している突出部552を除く、他の部分が平坦状となっている。これにより、平坦状の旋回部122,124を有する発光管本体110が得られる。
上記の製造方法により得られた発光管本体110は、ガラス管510の軟化点より低い温度で、強制的に平坦状に変形するため、ガラス管自体の形状を保持する程度の剛性が残っており、従来のように、ガラス管がその横断面形状において歪に変形したり、ガラス管の軸方向に伸長したりするような不具合を伴わずに、ガラス管の横断面が略円形で、円錐状の成形品540を平坦状に変形することができる。
また、成形品540の圧縮に用いる圧縮治具は、基本的に可動板584の重量を利用したものであり、その構造が非常に簡単であり、発光管本体110を安価に製造できる。
なお、成形品540を圧縮させたときに、ガラス管の横断面形状が変形しないで、成形品540が仮想軸方向に変形する理由は、ガラス管の横断面形状を変形させる力よりも、成形品540を仮想軸方向に変形(縮退)させる力の方が小さいからである。
4.ランプの組み立てについて
次に、上記のようにして製造された発光管100とホルダ200との組み立てについて説明する。
先ず、発光管100とホルダ200とを用意し、発光管100の端部114,116をホルダ200の保持部材210に成形されている挿入孔218,220へ挿入した後、挿入孔218,220の周面と発光管100の端部114,116とを接着剤、例えば、シリコン樹脂で固着する。なお、このときのホルダ200は、保持部材210と口金取着部材230とを組み合わせる前のものである。
そして、発光管100の端部114,116から導出するリード線146,148を、口金取着部材230に取着されている口金250の電源接続ピン250a,250b,250c,250d内に挿入すると共に、リード線146,148を保持部材210の空間部222内に配して口金取着部材230を保持部材210の裏面に取り付け、電源接続ピン250a,250b,250c,250dを加締める。これにより蛍光ランプ10が完成する。
5.隣接するガラス管の隙間について
上記構成の発光管100における径方向に隣接するガラス管112の最少の隙間Gaは、1[mm]と設定している。しかしながら、この隙間Gaは、ガラス管112の外径D1に対して0.4倍以下であれば良い。以下、この理由について説明する。
本発明に係る蛍光ランプ10は、例えば、店舗・住宅照明等における薄形の天井直付の照明装置への応用が見込まれ、特に、照明装置のうち密閉型よりも開放型に用いられると考えられる。従って、この開放型の照明装置に装着された蛍光ランプをユーザが直視する可能性もあることから、平面的なスパイラル状をした発光管100における隣接するガラス管112の隙間Gaによる輝度むらを目立たないようにする必要がある。
そこで、発明者らは、隣接するガラス管112の隙間Gaを変えた発光管を製作し、これらの発光管を利用した蛍光ランプを下方が開放する照明装置に装着・点灯させてその輝度むらを測定した。
この測定に用いた蛍光ランプの発光管本体は、これを構成するガラス管に外径が9.0[mm]、内径が7.4[mm]、長さ700[mm]のものを用い、隣接するガラス管の隙間が当該ガラス管の外径に対して0.05倍〜1.2倍の範囲となるように成形されている。具体的には、この隙間は、ガラス管の外径に対して倍率は、0.05に、0.05を1.2まで加算した(例えば、0.05、0.1、0.15、0.2、・・・1.15、1.2)計24種類の数値を用いた。
輝度むらの評価方法は、先ず、照明装置(高さ25mm)を床面から3[m]の高さの天井に直付けし、この照明装置に蛍光ランプを装着して点灯させる。そして、この点灯状態を20名の評価者(身長は150[cm]〜180[cm]である。)が床面を歩行しながら主観評価した。評価内容は、蛍光ランプの輝度むらが、殆ど目立たない、あまり目立たない、少し目立つ、はっきり目立つの4段階である。
評価者の評価結果を、表1に示す。
Figure 0004332201
表1から、隣接するガラス管の隙間Gaが、ガラス管の外径に対して0.4倍以下であれば、ランプの輝度むらがあまり目立たないことが分かる。さらに、ガラス管の隙間Gaが、ガラス管の外径に対して0.3倍以下であれば、輝度むらが殆ど目立たないことが分かる。
一方、隣接するガラス管の隙間Gaが、ガラス管の外径に対して0.4倍より広くなると、蛍光ランプの輝度むらが少し目立ち始め、0.7倍より広くなると、はっきり目立つようになった。
以上のことから、ガラス管112の隙間Gaをガラス管112の外径D1に対して0.4倍以下にすれば、蛍光ランプの輝度むらを目立たなくさせることができる。しかも、隙間Gaがガラス管112の外径D1に対して0.4倍以下であるため、発光管100の小型化にも有利となる。
なお、ガラス管112の隙間Gaが0.5[mm]以下になると、成形品を圧縮変形させた際に、隣接するガラス管同士が触接することが多くなるからである。
6.その他
(1)成形品の温度について
上記説明では、圧縮工程における成形品540の温度(この温度を、以下、「圧縮時温度」という。)を600[℃]として設定したが、この圧縮時温度は、ガラス管112が割れることなく塑性変形できるようになる温度(実験では550[℃]であった)以上であってガラス管112の軟化点(675[℃])より低ければ良い。
圧縮時温度がガラス管112の軟化点以上になると、ガラス管112は、軟化状態となり、自己の形状を保持できなくなり、ガラス管112の横断面形状が略円形状からそれ以外の歪な形状に変形したり、隣接するガラス管112が変形しすぎて触接したり、さらには、ガラス管の端部の径が細くなりその分ガラス管の軸方向に伸長したりする不具合が生じる。
なお、実際の工程では、ガラス管の材料自体のばらつき、加熱時の成形品540の温度のばらつき等を考慮すると、圧縮時温度は、塑性変形可能な温度に対して40℃程度高く、そして軟化点に対して40[℃]程度低い温度の範囲(590[℃]から635[℃])内であれば、成形品の変形性にも優れ、圧縮時温度の制御・管理も容易に行えると考えられる。
(2)錐状の成形品の形状について
上記説明における成形品540は、外観形状が略円錐状であり、その母線と軸との間の角度α(図6の(a)参照)が60度であったが、この角度αは、45度以上、70度以下の範囲内であれば良い。
角度αが70度以上になると、成形治具590の窪み部595,596の段差Hが0.5より小となり、直管状のガラス管から円錐状の成形品へ成形した際の良品歩留まりが著しく悪くなり、逆に、角度αが45度以下になると、円錐状の成形品か平坦状の発光管本体へ変形させた際の良品歩留まりが悪くなるからである。
なお、角度αが60のときは、直管状のガラス管から平坦状のスパイラル状をした発光管本体110が得られる製造歩留まりが90[%]以上であり、上記範囲の中でもっとも良かった。
なお、成形治具590の本体部591の外周面に成形されている窪み部595,596の段差Hをガラス管の510の外径に対して0.56倍としている理由は、上述の発光管本体110において隣接するガラス管112の隙間Gaを、輝度むらのないように1[mm]とし、また、成形治具590の仮想錐面の母線B1と軸心Bとの角度βを、上述の理由により60度程度にするためである。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明の内容が、上記の実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を実施することができる。
1.成形品への加圧について
A.加圧方法
上記実施の形態では、成形品540への加圧方法は可動板584の重量を利用して行っているが、可動板を変位制御しながら下降させても良い。
以下、可動板を変位制御により機械的に下降させて成形品を変形させる場合について説明する。なお、成形品及び圧縮治具は、上記実施の形態で説明したものと同じである。
先ず、成形品を圧縮治具の固定板と可動板との間に配置する。このとき、可動板は、固定板と平行となるように加圧装置に取着されている。また、加圧装置は、可動板を変位制御、例えば、変位を一定速度に制御できる装置である。
次に、成形品を、その巻回部を少なくとも含む範囲で加熱する。このときの加熱は、成形品における巻回部の温度が、620±10[℃]となるように設定・制御されている。
成形品の巻回部の外周面が、上記620[℃]の温度になると、加圧装置により、略4.0[mm/sec]の定速度で可動板を下降させる。これにより、円錐状の成形品から平坦状の発光管本体が得られる。
上記のような加圧方法であっても、ガラス管が異形に変形したり、クラックが発生したりすることはなく、成形品を圧縮変形させることができた。なお、この加圧方法での良品が得られる良品率は、つまり、成形品を変形させて発光管本体を成形した本数に対する発光管本体の良品数の比率は97[%]であった。
なお、機械的な加圧方法を利用した上述の試験では、可動板を4.0[mm/sec]で下降させたが、この下降速度は、3[mm/min]以上、5[mm/min]以下の範囲で行えば、高い良品率で発光管本体を製造できることを確認している。
ここでは、可動板を変位制御で下降させる場合について説明したが、圧力制御で可動板を下降させても成形品を平坦状に変形できると考えられる。つまり、成形品の巻回部を、ガラス管が塑性変形できる温度以上であってガラス管の軟化点より低い温度に加熱して、成形品の仮想軸方向から圧縮すれば、ガラス管に異形を生じさせることなく良好な形状をした発光管本体が得られると考えられる。
なお、機械的な加圧方法を利用した上述の試験では、実施の形態で説明した圧縮時温度と異なる620[℃]に設定して行ったが、上記実施の形態と同様に、ガラス管の横断面等において良好な形状を有した発光管本体が得られた。
B.加圧方向
上記実施の形態及び上記変形例では、成形品540を上下に一対の平板(582,584)により挟み込んで、上側の平板(584)を下降させて、成形品540を圧縮させているが、例えば、上側の平板を固定しておいて、下側の平板を上昇させても成形品に対して圧縮負荷を与えることができ、また、上下の平板を両者が近接する方向に移動させても成形品を圧縮させることができるのは言うまでもない。
C.その他
本発明者らは、圧縮工程での圧縮変形中の成形品540を観察した結果、成形品540に対して可動板584の重量を加圧したとき、スパイラル状の巻回部548,550は、固定板582に近い側から先ず変形し、順次可動板584側に移行して、最後に可動板584に当接する部分が変形することが判明した。
このように成形品540における固定板582に近い側から変形するのは、巻回部をバネとして考えた場合、固定板582側に近い巻回部548,550の巻回半径が、可動板584側の巻回部の巻回半径より大きいため、この部分でのバネ定数が小さくなると考えられる。従って、巻回部は、巻回半径の大きい、固定板582に近い側の方が変形しやすいと考えられる。
上記の現象を考慮すると、成形品のうち、変形させる巻回部であって最も旋回半径が小さい部分を圧縮すれば、この圧縮した部分の旋回半径よりも大きい部分を先に変形させることができる。従って、可動板は、上記の実施の形態で用いた、固定板582と略同じ大きさを有する可動板584を用いる必要はなく、少なくとも最も巻回半径の小さい部分を圧縮できる大きさであれば良い。
なお、実施の形態及び変形例では、上側の可動体として平板を用いたが、平板に限定するものではなく、例えば、巻回部のうち最も旋回半径が小さい部分を圧縮できる円筒状のものを用いても良い。
2.圧縮治具について
上記実施の形態における圧縮治具580は、可動板584の下降により成形品540の巻回部548,550を圧縮して変形させている。一方、成形品540はその外観の外径及び高さ、さらには、隣接するガラス管の間隔が若干ばらついているため、巻回部548,550全体に均等な圧縮力を負荷するのが難しい。このため、成形品540を変形させて得られる発光管本体110は、径方向に隣接するガラス管112同士の隙間Gaが一定のものが得られ難かった。
図12は、発光管本体における隣接するガラス管の隙間を略一定にできる圧縮治具の固定板の正面図である。
固定板682は、図12に示すように、成形品540における隣接する巻回部548,550間に、両者の間隔を一定に保持するための保持ピン683が設けられている。なお、固定板682の4隅のそれぞれには規制部材689が、また、成形品540の周囲には、可動板を案内するためのガイド棒686が、実施の形態と同様に設けられている。当然、可動板には、保持ピン683用の貫通孔が設けられている(図示省略)。
保持ピン683は、図12では、成形品540の端部544,546を結ぶ方向と、この方向と直交する方向との2方向に計16本設けられている。なお、保持ピン683の設ける位置及び本数は、図12に示す位置と本数に限定するものではない。
但し、保持ピン683を多く設ければ、それだけ隣接する巻回部548,550の間隔を一定に保持して平坦状にすることができるが、成形品540の固定板682への設置に手間が掛かるなどの問題も生じるので、両者を鑑みて決定することが好ましい。
3.発光管の形状について
A.例1
上記実施の形態における発光管100は、ガラス管112の中間部120から両端部114,116に移るに従って旋回半径が拡径しながら仮想軸Aを旋回する2重のスパイラル状をしているが、例えば、ガラス管の少なくとも一部、具体的には、ガラス管の中間部から一方の端部までが仮想軸の廻りを旋回する1重のスパイラル状としても良い。
このような1重のスパイラル状であって平坦状をする発光管本体を成形するには、先ず1重に巻回する巻回部を有する立体的スパイラル状をした成形品を成形する必要があり、この場合は、図7に示す成形治具590を、その軸心Bが通る部分にガラス管の中間部から他方側の端部までが入る貫通孔を設け、この端部を成形治具に固定して、中間部から一方の端部までの巻回予定部を実施の形態と同じように成形治具の仮想円錐面に沿って巻回させれば良い。
そして得られた成形品の一の巻回部を平坦状にする場合には、図10に示す固定板582の中央部位に、成形品の仮想軸方向に延伸する部分を挿通させるための貫通孔を設け、この貫通孔に仮想軸方向に延伸する部分を挿通させた状態で実施の形態と同様に、可動板を下降させれば平坦状かつ1重のスパイラル状の発光管本体が得られる。
B.例2
実施の形態の発光管本体110は、ガラス管510の巻回予定部510b,510cの全部が仮想軸Aの廻りを平坦状に旋回していたが、前記巻回予定部510b,510cの一部が仮想軸の廻りを平坦状に旋回していても良い。このような形状の例としては、発光管本体の端部が湾曲して仮想軸Aの方向に延伸するような場合等がある。
C.例3
実施の形態における成形品540は、仮想錐面に沿って巻回されるガラス管510の成形治具の軸心方向のピッチ及び径方向のピッチは、略一定であったが、各ピッチは、一定でなくても良い。
図13の(a)は、成形品の形状についての変形例を示す図であり、(b)は、発光管本体の形状についての変形例を示す図である。
成形品710は、図13の(a)に示すように、巻回部718,720におけるガラス管が中間部712から端部714,716側に移るに従って、仮想軸方向のピッチ及び径方向のピッチが徐々に大きくなる立体的スパイラル状をしている。
このような成形品710を用いて、その仮想軸方向から圧縮して発光管本体730を製造すると、この発光管本体730は、図13の(b)に示すように、発光管本体730の中間部732から端部734,736に移るに従って、旋回部738,740が仮想軸Aから離れる比率が大きくなる形状、つまり、径方向のピッチが異なる形状となる。
D.例4
実施の形態では、成形品540の巻回部548,550の略全域を変形させて平坦状にしていたが、巻回部の略全域を平坦状にしなくても良い。
図14に示す巻回部の一部を圧縮変形させて平坦状にした発光管本体750は、実施の形態で説明した成形品540を用いて、成形品540の高さの下半分の巻回部548,550を変形させたものである。このように巻回部548,550の一部を圧縮させる場合は、例えば、実施の形態で用いた圧縮治具580の可動板584に設けられた貫通孔587の径を大きくして、巻回部548,550の上半分が入るようにすれば良い。
E.例5
実施の形態では、巻回部548,550は円錐体の錐面に沿って巻回されており、仮想軸方向から巻回部548,550を見たときに、仮想軸Aの廻りを円弧状に巻回している。しかしながら、仮想軸方向から見たときに、仮想軸Aの廻りを多角状に巻回するようにしても良い。このように多角状にガラス管を巻回させるには、仮想錐面として多角錐面を有する成形治具を用いれば良い。
4.ガラス管の材料について
上記の実施の形態では、ガラス管に鉛フリーガラスを用いたが、他のガラス材料でもよい。このようなものとしては、例えば、硬質ガラス、鉛ガラス、ソーダガラスがある。当然、ガラス管の材料(ガラスを構成する成分)が異なると、ガラス管の軟化点も変わるので、圧縮時に成形品を加熱する温度も変える必要がある。
5.発光管の膨出部について
上記の実施の形態では、発光管100の膨出部126は、成形品540の巻回部548,550を圧縮変形させる前に成形品540の頂部に成形しているが、例えば、巻回部548,550を圧縮させた後に、発光管本体の膨出部に対応する部分を局所的に軟化させて、発光管本体の内部の圧力を高めることにより、軟化した部分を膨出させて膨出部126を成形しても良い。この場合、圧縮治具580の可動板584に貫通孔587を設ける必要なない。
本発明は、従来の丸形蛍光ランプの外径よりも小さくでき発光管を製造するのに利用できる。
本発明の一実施形態である蛍光ランプを照射面側から見た正面図。 図1における蛍光ランプをホルダ及び発光管の内部の様子が分かるようにその一部を切り欠いて、B方向から見た一部切欠側面図。 本発明の一実施形態に係るホルダを分解した状態の一部切欠斜視図。 本発明の一実施形態である蛍光ランプを用いた照明装置を説明するための一部切欠側面図。 発光管本体を製造する工程を説明するための図。 (a)は、図5の(b)の成形品の一部切欠側面図、(b)は、図6の(a)におけるY方向からの正面図。 成形治具の側面図。 窪み部の横断面における拡大図。 成形品の成形工程を説明するための図。 成形品を平坦状に変形させる工程を説明するための図。 成形品が配置されている圧縮治具の一部切欠斜視図。 発光管本体における隣接するガラス管の隙間を略一定にできる圧縮治具の固定板の正面図。 (a)は、成形品の形状についての変形例を示す図、(b)は、発光管本体の形状についての変形例を示す図。 巻回部の一部を変形させて平坦状にした発光管本体を示す図。
符号の説明
10 蛍光ランプ
100 発光管
110 発光管本体
112 ガラス管
114,116 端部
120 中間部
122,124 旋回部
200 ホルダ
400 照明装置
510 ガラス管
510a 中間部
510b,510c 巻回予定部
548,550 巻回部
540 成形品
580 圧縮治具
590 成形治具
710 成形品
718,720 巻回部
730 発光管本体
738,740 旋回部
A 仮想軸
B 軸心
B1 仮想錐面の母線

Claims (3)

  1. ガラス管の中間部から両端部又は前記両端部の手前までが仮想軸の廻りを旋回する2つの旋回部を有すると共に、前記2つの旋回部におけるガラス管の軸心が、前記中間部から前記端部側に移るに従って、前記仮想軸と直交する一平面内を前記仮想軸から離れる形状に成形された発光管であって、
    前記中間部に、前記仮想軸方向の外方に膨出し、点灯時に最冷点箇所となる膨出部を有し、前記中間部と前記旋回部との隙間が、前記隣接する旋回部間の最小の隙間よりも大きいことを特徴とする発光管。
  2. 請求項1に記載の発光管を備えていることを特徴とする低圧水銀ランプ。
  3. 請求項に記載の低圧水銀ランプを備えていることを特徴とする照明装置。
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