JP4331376B2 - Hoop bar with spacer and hollow precast concrete column form with the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、中空プレキャストコンクリート柱型枠(以下、中空PC柱型枠と言う)上に梁下端主筋を配筋する際に、上記中空PC柱型枠と梁下端主筋との間に装着されるスペーサ付きフープ筋、および、それを備えた中空PC柱型枠に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、各施工階毎の揚重回数が少なく施工効率の高い柱の構築方法として柱梁主筋先組中空PC柱ユニットを使用する柱構築方法が提案されている。この柱梁主筋先組中空PC柱ユニットは、図10に示すように、中空PC柱型枠2と、柱と梁との接合部であるパネルゾーン部を中空PC柱型枠2の箇所に位置させて中空PC柱型枠2上に水平方向に載置された梁主筋先組鉄筋籠3と、上方から梁主筋先組鉄筋籠2の上記パネルゾーン部を貫通して中空PC柱型枠2内に挿通された先組柱主筋4とで構成される。
【0003】
上記構成を有する柱梁主筋先組中空PC柱ユニット1は、図11に示すような手順でストックヤード床面5上で組み立てられる。すなわち、先ず、図11(a)に示すように、ストックヤード床面5上に下1階分の中空PC柱型枠2が立設されてサポータで支持される。次に、図11(b)に示すように、梁主筋先組鉄筋籠3が、そのパネルゾーン部6を中空PC柱型枠2における上端面に位置させてクレーン7で中空PC柱型枠2上に水平に載置される。そして、図11(c)に示すように、梁主筋先組鉄筋籠3がサポータ8で支持される。
【0004】
次に、上記吊込治具9に取り付けられて中空PC柱型枠2の内壁面に沿うように或は中空PC柱型枠2の中央部に位置するように配列された先組柱主筋4が、吊込治具9と共にクレーン7で吊り上げられる。そして、図11(d)に示すように、矩形状に配列された先組柱主筋4が中空PC柱型枠2の内壁面に沿うように挿入されて、柱梁主筋先組中空PC柱ユニット1が完成する。そして、柱梁主筋先組中空PC柱ユニット1は、柱構築時には、図11(e)に示すようにクレーン10によって吊り上げられて、施工階まで運ばれるのである。
【0005】
ところで、図11(b)において、上記梁主筋先組鉄筋籠3を中空PC柱型枠2上に水平に載置する際に、梁主筋先組鉄筋籠3の最下層に位置する梁主筋(梁下端主筋)は、実際には、図10に示すように中空PC柱型枠2の上端面に直接載置されるのではなく、上記梁下端主筋と中空PC柱型枠2の上端面との間に上記梁下端主筋を被って打設されるコンクリートの厚さ分の間隔(被り厚さ)を保持して載置される必要がある。そこで、中空PC柱型枠2の上端面に上記被り厚さ分の高さを有するスペーサを設置するのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記柱梁主筋先組中空PC柱ユニット1において中空PC柱型枠2の上端面に上記被り厚さを保持するためのスペーサを設ける場合には、以下のような問題がある。すなわち、上記スペーサを単に中空PC柱型枠2の上端面に載置するだけでは吊り上げ移動時に上記スペーサは落下するので、中空PC柱型枠2上の所定位置(上記梁下端主筋の位置)に固定しなければならない。その場合、先組柱主筋4と梁主筋とが複雑に密集する上記パネルゾーンの位置に、バランスを取るために複数個(少なくとも3個)のスペーサを配置固定するのは手間を要するという問題がある。
【0007】
さらに、柱の最上位に配筋される第1柱フープ筋は、中空PC柱型枠2の頂部(即ち、梁下端)に配置する必要がある。ところが、中空PC柱型枠2の最頂部はコンクリートの充填性が悪いため、第1柱フープ筋を配置することはできない。そこで、梁主筋先組鉄筋籠3の梁下端主筋と中空PC柱型枠2の上端面との間に第1柱フープ筋を配置することになる。
【0008】
その場合には、上記梁主筋先組鉄筋籠3の梁下端主筋と中空PC柱型枠2の上端面との間に、複数個のスペーサと柱フープ筋との両方を位置決め・固定しなければならず、益々手間を要するという問題がある。
【0009】
尚、上述の問題は、上記柱梁主筋先組中空PC柱ユニット1の組み立て時のみならず、柱構築現場において中空PC柱型枠と梁主筋先組鉄筋籠とを別途組み立てる場合や、柱構築現場において中空PC柱型枠上に梁主筋を配筋する場合にも生ずる問題である。
【0010】
そこで、この発明の目的は、中空PC柱型枠の上端面と梁下端主筋との間にスペーサと柱フープ筋とを簡単に且つ確実に位置決め・固定できるスペーサ付きフープ筋、および、それを備えた中空PC柱型枠を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明のスペーサ付きフープ筋は、筒状の中空PC柱型枠の上に配置される少なくとも一つの柱フープ筋と、上記柱フープ筋における直交する二直線と交差する4箇所のうち少なくとも3箇所の近傍に取り付けられると共に,上記中空PC柱型枠の中空部内に差し込まれる差込部を下部に有する所定高さのスペーサを備えて、上記スペーサの差込部を上記中空PC柱型枠の中空部内に差し込んで上記中空PC柱型枠の上端面上に載置された際に,更にその上に配筋される梁下端主筋と上記中空PC柱型枠の上端面との間の間隔を所定の間隔に保持することを特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、柱フープ筋における少なくとも3箇所に取り付けられた所定高さのスペーサの下部に、中空PC柱型枠の中空部内に差し込まれる差込部を設けている。したがって、上記中空PC柱型枠の中空部内に上記差込部を差し込んで上記中空PC柱型枠の上端面上に載置された場合に、上記中空PC柱型枠の上端面から外れることなく安定し、上記柱フープ筋およびスペーサの位置が確実に決められる。また、上記柱フープ筋と複数のスペーサとが、上記梁下端主筋と上記中空PC柱型枠の上端面との間に一度に配置される。
【0013】
さらに、上記スペーサの高さによって、上記梁下端主筋と上記中空PC柱型枠の上端面との間の間隔が所定の間隔に保持されて、被り厚さが確保される。
【0014】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明のスペーサ付きフープ筋において、上記柱フープ筋における一方向に互いに対向した2箇所の近傍に位置するスペーサの高さと、他のスペーサの高さとには、上記梁下端主筋の直径分の差が設けられていることを特徴としている。
【0015】
2本の梁がT字状,十文字状またはL字状に交差する位置に在る上記中空PC柱型枠上においては、上記2本の梁の上記梁下端主筋が互いに重なり合って交差している。したがって、上記中空PC柱型枠の上端面と一方の梁下端主筋との間隔は、他方の梁下端主筋との間隔とは上記梁下端主筋の直径分だけ異なることになる。上記構成によれば、一方向に対向しているスペーサの高さと他のスペーサの高さとには、上記梁下端主筋の直径分の差が設けられている。したがって、2本の梁がT字状,十文字状またはL字状に交差する位置に配置される中空PC柱型枠の上端面と、当該中空PC柱型枠上に交差して配筋される2本の梁下端主筋との間隔が、上記一方向に対向しているスペーサと他のスペーサとによって、上記梁下端主筋の直径分だけ異なる所定間隔に保たれるのである。
【0016】
また、請求項3に係る発明の中空PC柱型枠は、中空部を有する筒状を成し、請求項1あるいは請求項2に係る発明のスペーサ付きフープ筋が上端面に取り付けられていることを特徴としている。
【0017】
上記構成によれば、中空PC柱型枠の上端面には、請求項1あるいは請求項2に係る発明のスペーサ付きフープ筋が取り付けられている。したがって、梁剪断補強筋の位置を上記スペーサ付きフープ筋のスペーサの位置に合わせて梁主筋先組鉄筋籠を本中空PC柱型枠上に載置するだけで、当該中空PC柱型枠と梁下端主筋との間隔が所定の間隔に保持されて被り厚さが確保される。さらに、当該梁下端主筋との間に柱フープ筋が配筋される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。図1は、本実施の形態のスペーサ付きフープ筋における斜視外観図である。以下、このスペーサ付きフープ筋11を、図10に示す柱梁主筋先組中空PC柱ユニット1と同様の柱梁主筋先組中空PC柱ユニットに適用する場合を例に説明するが、これに限定されるものではない。
【0019】
本実施の形態におけるスペーサ付きフープ筋11は、図10に示す先組柱主筋4に相当する先組柱主筋に外接可能な形状(本実施の形態においては矩形とする)の柱フープ筋12と、この柱フープ筋12に取り付け固定されたスペーサ13とで構成される。
【0020】
上記スペーサ13は、柱フープ筋12における後に梁主筋先組鉄筋籠が位置する個所に取り付け固定される。本実施の形態においては、図1に示すごとく、矩形の柱フープ筋12における各辺に2個ずつスペーサ13を固定している。
【0021】
図2は、図1におけるA‐A'矢視及びB‐B'矢視断面図である。図2において、スペーサ13は略四角形の形状を有する板状物体であり、一側の上端部にフープ筋12の直径と略同じ幅の切欠き14を有し、この切欠き14にフープ筋12が載置されて溶接等によって固定される。さらに、上記一側の下端部に反フープ筋12側に突出した上記差込部としての突起15が設けられている。そして、互いに対向して取り付けられたスペーサ13,13の突起15,15における外縁間の距離は、図10に示す中空PC柱型枠2に相当する中空PC柱型枠の内径よりもやや狭く設定されている。
【0022】
上記構成を有するスペーサ付きフープ筋11は、図3〜図5に示すように、スペーサ13の突起15を中空PC柱型枠16の開口部に差し込んで、中空PC柱型枠16の上端面に載置される。そして、スペーサ付きフープ筋11のスペーサ13上に、水平に配置され、パネルゾーン部19に柱フープ筋20が組み込まれた梁主筋先組鉄筋籠17の梁剪断補強筋18が載置される。そうした後、柱主筋21を、上方から柱フープ筋20内を挿通して中空PC柱型枠16に挿入するのである。
【0023】
以後、上記中空PC柱型枠16の上端から水平方向に梁主筋先組鉄筋籠17の下側と両側とを覆う梁型枠23が設置される。こうして、梁型枠23の底部と梁主筋先組鉄筋籠17の梁下端主筋24との間隔で、上記被り厚さが設定される。そして、中空PC柱型枠16内,梁型枠23およびパネルゾーン部19内にコンクリートが打設されて、図6に示すように、柱25と梁26とが完成されるのである。
【0024】
ところで、図7に示すように、柱と梁との取り付けタイプには、円Aで示すように柱31の四面から梁32が延在しているA型と、円Bで示すように柱31の三面から梁32が延在しているB型と、円Cで示すように柱31の互いに対向する二面から梁32が延在しているC型と、円Dで示すように柱31の互いに隣り合う二面から梁32が延在しているD型とがある。
【0025】
そして、図3〜図5に示す梁主筋先組中空PC柱ユニットは、上記A型の取り付けタイプに適用する梁主筋先組中空PC柱ユニットであるとする。その場合、梁主筋先組鉄筋籠17は、一方向へ延在する第1梁主筋先組鉄筋籠と上記一方向に直交する他方向へ延在する第2梁主筋先組鉄筋籠とが中央で交差して構成される。そして、図4に示す梁主筋先組鉄筋籠17においては、第1梁主筋先組鉄筋籠17aの側面が見えており、第2梁主筋先組鉄筋籠17bは断面のみが見えている。尚、上記第2梁主筋先組鉄筋籠17bの梁下端主筋24bは第1梁主筋先組鉄筋籠17aの梁下端主筋24aの上に乗っており、第2梁主筋先組鉄筋籠17bの梁上端主筋27bは第1梁主筋先組鉄筋籠17aの梁上端主筋27aの上に乗っている。したがって、図5においては、断面のみが見えている第1梁主筋先組鉄筋籠17aの梁下端主筋24aは側面が見えている第2梁主筋先組鉄筋籠17bの梁下端主筋24bの下側に在り、第1梁主筋先組鉄筋籠17aの梁上端主筋27aは第2梁主筋先組鉄筋籠17bの梁上端主筋27bの下側に在ることになる。
【0026】
そして、上記第1梁主筋先組鉄筋籠17aの梁下端主筋24aは、スペーサ付きフープ筋11の柱フープ筋12における互いに対向する二辺に取り付けられたスペーサ13aで受けられる一方、第2梁主筋先組鉄筋籠17bの梁下端主筋24bは柱フープ筋12における他の二辺に取り付けられたスペーサ13bで受けられるのである。したがって、当然ながら、図2に示すように、梁下端主筋24aの上に在る梁下端主筋24bの上記被り厚さを設定するスペーサ13bの高さは、梁下端主筋24aの上記被り厚さを設定するスペーサ13aの高さよりも、梁下端主筋24aの直径分だけ高くなっているのである。
【0027】
上述のように、本実施の形態におけるスペーサ付きフープ筋11は、矩形の柱フープ筋12とこの柱フープ筋12に取り付け固定されたスペーサ13とで構成される。そして、スペーサ13の内側下端部に下側に突出した突起15を設け、柱フープ筋12の互いに対向して取り付けられたスペーサ13,13の突起15,15における外縁間の距離を中空PC柱型枠16の内径よりもやや狭く設定している。さらに、柱フープ筋12の互いに対向する二辺に取り付けられたスペーサ13aの高さと、柱フープ筋12の他の二辺に取り付けられたスペーサ13bの高さとを、梁主筋先組鉄筋籠17の梁下端主筋24の直径分だけ異なるようにしている。
【0028】
したがって、上記構成のスペーサ付きフープ筋11を中空PC柱型枠16の上端面に載置することによって、梁下端主筋24a,24bの被り厚さを設定する複数個のスペーサ13a,13bを一度に配置でき、作業効率が上がる。その際に、スペーサ付きフープ筋11の突起15を中空PC柱型枠16の開口部に差し込むだけで、柱フープ筋12およびスペーサ13a,13bの平面方向の位置決めを容易に行なうことができる。
【0029】
さらに、上記高さの低いスペーサ13a上には、十文字形の梁主筋先組鉄筋籠17における位置が低い方の第1梁主筋先組鉄筋籠17aの梁下端主筋24aを載置する一方、高さの高いスペーサ13b上には、位置が高い方の第2梁主筋先組鉄筋籠17bの梁下端主筋24bを載置することによって、互いに直交する梁下端主筋24a,24bの重なりを考慮した梁主筋先組鉄筋籠17の納まりを維持できる。そして、第1梁主筋先組鉄筋籠17aの梁下端主筋24aに関する被り厚さがスペーサ13aで最適に設定される一方、第2梁主筋先組鉄筋籠17bの梁下端主筋24bに関する被り厚さがスペーサ13bで最適に設定されるのである。
【0030】
すなわち、本実施の形態によれば、上記構成を有するスペーサ付きフープ筋11を中空PC柱型枠16の上端面に載置するだけで、中空PC柱型枠16の上端面と梁主筋先組鉄筋籠17の梁下端主筋24との間にスペーサと柱フープ筋とを簡単に且つ確実に位置決め・固定できるのである。
【0031】
尚、図7に円Bで示すように、柱31の三面から梁32が延在しているB型の取り付けタイプに適用する梁主筋先組中空PC柱ユニットの場合は、上記梁主筋先組鉄筋籠は、一本の梁主筋先組鉄筋籠の中央から他の梁主筋先組鉄筋籠が一方向に延在したT字型を有している。したがって、その場合に用いるスペーサ付きフープ筋は、スペーサ付きフープ筋11の構成から柱フープ筋12における梁主筋先組鉄筋籠の無い辺に対応するスペーサ13aあるいはスペーサ13bを除去した構成にすればよい。その場合でも、矩形の柱フープ筋における3辺にスペーサが取り付けられている。したがって、スペーサ付きフープ筋の中空PC柱型枠上での安定は確保されるのである。
【0032】
また、図7に円Cで示すように、柱31の互いに対向する二面から梁32が延在しているC型の取り付けタイプに適用する梁主筋先組中空PC柱ユニットの場合は、上記梁主筋先組鉄筋籠は一直線状を成している。したがって、その場合に用いるスペーサ付きフープ筋は、スペーサ付きフープ筋11の構成から柱フープ筋12における互いに対向する二辺にのみスペーサ13aまたはスペーサ13bを残し、他のスペーサ13を除去した構成にすればよい。その場合、矩形の柱フープ筋における一方向に対向する二辺にのみスペーサが取り付けられているため、柱フープ筋における他方向への安定感が悪くなる。したがって、柱フープ筋における残りの一辺に安定用のダミーのスペーサを取り付けることによって、スペーサ付きフープ筋の中空PC柱型枠上での安定が確保される。
【0033】
また、図7に円Dで示すように、柱31の互いに隣り合う二面から梁32が延在しているD型の取り付けタイプに適用する梁主筋先組中空PC柱ユニットの場合は、上記梁主筋先組鉄筋籠は、二本の梁主筋先組鉄筋籠の一端部が互いに重なり合ったL字型を有している。したがって、その場合に用いるスペーサ付きフープ筋は、スペーサ付きフープ筋11の構成から柱フープ筋12における互いに隣り合う二辺の一方にスペーサ13a取り付け、他方にスペーサ13bを取り付けた構成にすればよい。この場合にも、柱フープ筋の安定感が悪くなるため、柱フープ筋における残りの一辺に安定用のダミーのスペーサを取り付ける必要がある。
【0034】
すなわち、上記スペーサ付きフープ筋の中空PC柱型枠上での安定を確保するためには、柱フープ筋における直交する二直線と交差する4箇所のうち少なくとも3箇所の近傍にスペーサを取り付ける必要があるのである。但し、その場合に取り付けるダミーのスペーサは被り厚さの設定には寄与しない。したがって、邪魔にならないようにその高さは低い方がよく、スペーサ13aを用いることが望ましい。
【0035】
図8は、他のスペーサ付きフープ筋41の斜視外観図である。このスペーサ付きフープ筋41は、先組柱主筋に外接可能な形状(本実施の形態においては矩形とする)の柱フープ筋42と、この柱フープ筋42に取り付け固定されたスペーサ43と、柱フープ筋42における高さが低い方のスペーサ43aが取り付けられている二辺の上側相互間を繋ぐように架け渡して設けられた中子筋(フープ筋)44と、柱フープ筋42における高さが高い方のスペーサ43bが取り付けられた二辺の下側相互間を繋ぐように架け渡して設けられた中子筋45とで構成されている。
【0036】
上記実施の形態は、上記柱フープ筋12,42にスペーサ13,43を取り付け固定したスペーサ付きフープ筋11,41単独に関するものである。しかしながら、この発明は、これに限定されるものではなく、図9に示すように、スペーサ付きフープ筋11,41の何れかと同じ構成を有するスペーサ付きフープ筋(図9においてはスペーサ付きフープ筋11と同じ構成)51が、そのスペーサ52の突起53を開口部に差込んで上端面に取り付けられて成るスペーサ付きフープ筋を備えた中空PC柱型枠54をも含むものである。その場合のスペーサ付きフープ筋は、中空PC柱型枠54から取り外し可能/不可能の何れであっても差し支えない。尚、取り外し不可能な場合は、スペーサ52の突起53が中空PC柱型枠54内に埋め込まれている。
【0037】
尚、上記各実施の形態においては、上記柱フープ筋12,42および中子筋44,45の形状を矩形とし、1辺に取り付けられるスペーサ13,43の数を2個としているが、上記形状や個数はこれに限定されるものではない。また、上記各実施の形態においては、スペーサ13,43を1本の柱フープ筋12,42に取り付け固定しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、平行に配列された2本以上の柱フープ筋に取り付け固定しても差し支えない。その場合には、スペーサ13,43は複数の柱フープ筋の間隔保持部材として機能させることができる。
【0038】
また、上記各実施の形態においては、この発明のスペーサ付きフープ筋を上記柱梁主筋先組中空PC柱ユニットに適用する場合を例に説明している。しかしながら、この発明のスペーサ付きフープ筋は、柱構築現場において上記中空PC柱型枠と梁主筋先組鉄筋籠とを別途組み立てる場合や、柱構築現場において上記中空PC柱型枠上に梁主筋を配筋する場合にも適用できる。
【0039】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1に係る発明のスペーサ付きフープ筋は、柱フープ筋における直交する二直線と交差する4箇所のうち少なくとも3箇所の近傍に所定高さのスペーサを取り付けたので、中空PC柱型枠の上端面に載置することによって複数個のスペーサを一度に配置することができ、作業効率を向上できる。さらに、上記スペーサ下部に中空PC柱型枠の中空部内に差し込まれる差込部を設けたので、上記差込部を中空PC柱型枠の中空部内に差し込んで本スペーサ付きフープ筋を上記中空PC柱型枠の上端面上に載置することによって、上記柱フープ筋及びスペーサの平面方向の位置決めを容易に行なうことができる。
【0040】
すなわち、この発明によれば、上記中空PC柱型枠の上端面と梁下端主筋との間に、スペーサと柱フープ筋とを簡単に且つ確実に位置決め・固定することができるのである。
【0041】
また、請求項2に係る発明のスペーサ付きフープ筋は、上記柱フープ筋における一方向に対向しているスペーサの高さと他のスペーサの高さとに、上記梁下端主筋の直径分の差を設けているので、2本の梁がT字状または十文字状に交差する位置に設置された中空PC柱型枠の上端面上に載置された場合には、更にその上に互いに重なり合って交差して配筋される2本の梁下端主筋との間隔を、上記一方向に対向しているスペーサと他のスペーサとによって、上記梁下端主筋の直径分だけ異なる所定間隔に設定することができる。
【0042】
また、請求項3に係る発明の中空PC柱型枠は、請求項1あるいは請求項2に係る発明のスペーサ付きフープ筋が上端面に取り付けられているので、梁剪断補強筋の位置を上記スペーサ付きフープ筋のスペーサの位置に合わせて梁主筋先組鉄筋籠を本中空PC柱型枠上に載置するだけで、当該中空PC柱型枠と梁下端主筋との間にスペーサと柱フープ筋とを簡単に且つ確実に設置・固定することができる。すなわち、この発明によれば、上記梁下端主筋の被り厚さの設定、及び、上記梁下端主筋と中空PC柱型枠との間への柱フープ筋の配筋を、非常に簡単に行うことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のスペーサ付きフープ筋における斜視外観図である。
【図2】 図1におけるA‐A'矢視およびB‐B'矢視断面図である。
【図3】 図1に示すスペーサ付きフープ筋を中空PC柱型枠に載置した状体を示す平面図である。
【図4】 図1に示すスペーサ付きフープ筋を中空PC柱型枠に載置した状体を示す一方向への断面図である。
【図5】 図4とは異なる方向への断面図である。
【図6】 柱と梁との完成断面図である。
【図7】 柱と梁との取り付けタイプの説明図である。
【図8】 図1とは異なるスペーサ付きフープ筋の斜視外観図である。
【図9】 上端面にスペーサ付きフープ筋を備えた中空PC柱型枠の断面図である。
【図10】 柱梁主筋先組中空PC柱ユニットの断面図である。
【図11】 図10に示す柱梁主筋先組中空PC柱ユニットの組み立て手順の説明図である。
【符号の説明】
11,41…スペーサ付きフープ筋、
12,42…柱フープ筋、
13,43…スペーサ、
15…突起、
16…中空PC柱型枠、
17…梁主筋先組鉄筋籠、
19…パネルゾーン部、
20…第1柱フープ筋、
21…先組柱主筋、
22…第2柱フープ筋、
23…梁型枠、
24…梁下端主筋、
25,31…柱、
26,32…梁、
27…梁上端主筋、
44,45…中子筋。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is mounted between the hollow PC column mold and the beam bottom main bar when the beam lower bar main bar is arranged on a hollow precast concrete column mold (hereinafter referred to as a hollow PC column mold). The present invention relates to a hoop bar with a spacer, and a hollow PC column mold having the same.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, a column construction method using a column beam main bar tip assembled hollow PC column unit has been proposed as a method of constructing a column with a small number of lifting operations per construction floor and high construction efficiency. As shown in FIG. 10, this column beam main bar pre-set hollow PC column unit has a hollow
[0003]
The column beam main bar tip assembled hollow PC column unit 1 having the above-described configuration is assembled on the stock yard floor 5 in the procedure as shown in FIG. That is, first, as shown in FIG. 11 (a), the hollow
[0004]
Next, the pre-assembled column
[0005]
Incidentally, in FIG. 11 (b), when the above-mentioned beam main bar
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the case of providing the spacer for holding the covering thickness on the upper end surface of the hollow
[0007]
Furthermore, it is necessary to arrange the first column hoop bar arranged at the top of the column at the top of the hollow PC column mold 2 (that is, the beam lower end). However, since the top part of the hollow
[0008]
In that case, both the plurality of spacers and the column hoop bars must be positioned and fixed between the beam bottom main bar of the beam bar pre-assembled reinforcing
[0009]
In addition, the above-mentioned problem is not only when assembling the above-mentioned column beam main bar pre-set hollow PC column unit 1 but also when separately assembling the hollow PC column formwork and beam main bar front set rebar bar at the column construction site, This is also a problem that arises when beam main bars are arranged on a hollow PC column mold at the site.
[0010]
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a hoop bar with a spacer that can easily and reliably position and fix a spacer and a column hoop bar between the upper end surface of a hollow PC column mold and a beam lower bar main bar, and the same. Another object of the present invention is to provide a hollow PC column formwork.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a hoop bar with a spacer according to a first aspect of the present invention includes at least one column hoop bar disposed on a cylindrical hollow PC column mold, and two orthogonal hoop bars perpendicular to the column hoop bar. It is attached in the vicinity of at least three of the four places intersecting the straight line, and has a spacer with a predetermined height at the lower part to be inserted into the hollow part of the hollow PC column mold, and the difference between the spacers When the insertion part is inserted into the hollow part of the hollow PC column mold and placed on the upper end surface of the hollow PC column mold, the beam lower main bar and the hollow PC column The distance between the upper end surface of the frame is maintained at a predetermined distance.
[0012]
According to the said structure, the insertion part inserted in the hollow part of a hollow PC column mold is provided in the lower part of the spacer of the predetermined height attached to at least three places in column hoop muscle. Therefore, when the insertion portion is inserted into the hollow portion of the hollow PC column mold and placed on the upper end surface of the hollow PC column mold, it does not come off from the upper end surface of the hollow PC column mold. It is stable, and the positions of the column hoop and the spacer are surely determined. Further, the column hoop bar and the plurality of spacers are disposed at a time between the beam lower bar main bar and the upper end surface of the hollow PC column mold.
[0013]
Further, the distance between the beam bottom principal bar and the upper end surface of the hollow PC column mold frame is maintained at a predetermined distance depending on the height of the spacer, and the covering thickness is ensured.
[0014]
According to a second aspect of the present invention, in the hoop muscle with a spacer according to the first aspect of the present invention, the height of the spacers located in the vicinity of two locations facing each other in one direction in the column hoop muscle, The height is characterized in that a difference corresponding to the diameter of the beam lower principal bar is provided.
[0015]
On the hollow PC column form where the two beams intersect at a T-shape, a cross-shape or an L-shape, the beam bottom main bars of the two beams overlap and intersect each other. . Therefore, the distance between the upper end surface of the hollow PC column mold and one of the lower main bars of the beam differs from the distance of the lower main bar of the other beam by the diameter of the lower main bar of the beam. According to the said structure, the difference for the diameter of the said beam lower end main reinforcement is provided in the height of the spacer facing in one direction, and the height of another spacer. Accordingly, the upper end surface of the hollow PC column mold frame that is arranged at a position where the two beams intersect in a T-shape, a cross shape, or an L-shape, and the bars are arranged so as to intersect on the hollow PC column mold frame. The distance between the two beam lower bar main bars is maintained at a predetermined distance that differs by the diameter of the beam lower bar main bar by the spacer facing the one direction and the other spacers.
[0016]
Moreover, the hollow PC column form of the invention according to
[0017]
According to the said structure, the hoop reinforcement with a spacer of the invention which concerns on Claim 1 or
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to the illustrated embodiments. FIG. 1 is a perspective external view of the hoop muscle with a spacer according to the present embodiment. Hereinafter, the case where the hoop bar with
[0019]
The hoop bar with
[0020]
The
[0021]
2 is a cross-sectional view taken along arrows AA ′ and BB ′ in FIG. In FIG. 2, the
[0022]
As shown in FIG. 3 to FIG. 5, the hoop bar with
[0023]
Thereafter, a
[0024]
By the way, as shown in FIG. 7, the column and beam attachment types include A type in which beams 32 extend from the four sides of the
[0025]
3 to 5 is assumed to be a beam main bar tip assembled hollow PC column unit applied to the A-type mounting type. In this case, the beam main bar tip rebar bar 17 is centered on the first beam bar front bar rebar bar extending in one direction and the second beam bar front bar reinforcing bar bar extending in the other direction orthogonal to the one direction. Consists of crossing. In addition, in the beam main bar tip assembly rebar rod 17 shown in FIG. 4, the side surface of the first beam main bar tip assembly rebar rod 17a is visible, and only the cross section of the second beam main bar tip
[0026]
The beam lower bar main bar 24a of the first beam main bar pre-assembled reinforcing bar rod 17a is received by spacers 13a attached to two opposite sides of the
[0027]
As described above, the hoop bar with
[0028]
Therefore, by mounting the hoop bar with
[0029]
Furthermore, on the spacer 13a having a low height, the beam lower end reinforcing bar 24a of the first beam main bar leading end reinforcing bar rod 17a having a lower position on the crossed beam main bar leading end reinforcing bar rod 17a is placed. By placing the lower beam
[0030]
That is, according to the present embodiment, the spacer-attached
[0031]
As shown by a circle B in FIG. 7, in the case of a beam main bar pre-set hollow PC column unit applied to a B-type mounting type in which a
[0032]
Further, as shown by a circle C in FIG. 7, in the case of a beam main bar tip assembled hollow PC column unit applied to a C-type mounting type in which a
[0033]
Further, as shown by a circle D in FIG. 7, in the case of a beam main bar tip assembled hollow PC column unit applied to a D-type mounting type in which a
[0034]
That is, in order to ensure the stability of the hoop bar with the spacer on the hollow PC column mold, it is necessary to attach spacers in the vicinity of at least three of the four points intersecting the two perpendicular lines in the column hoop bar. There is. However, the dummy spacer attached in that case does not contribute to the setting of the covering thickness. Therefore, the height should be low so as not to get in the way, and it is desirable to use the spacer 13a.
[0035]
FIG. 8 is a perspective external view of another
[0036]
The embodiment described above relates to the spacer-attached
[0037]
In each of the above embodiments, the column hoop bars 12 and 42 and the core bars 44 and 45 have a rectangular shape, and the number of
[0038]
Moreover, in each said embodiment, the case where the hoop bar with a spacer of this invention is applied to the said column beam main bar tip assembly hollow PC column unit is demonstrated to the example. However, the hoop bar with a spacer according to the present invention can be used in the case where the hollow PC column mold and the beam main bar pre-assembled reinforcing bar are separately assembled at the column construction site, or the beam main bar is placed on the hollow PC column mold at the column construction site. It can also be applied when arranging bars.
[0039]
【The invention's effect】
As is clear from the above, the hoop muscle with a spacer according to the first aspect of the present invention has spacers having a predetermined height in the vicinity of at least three out of four places intersecting two perpendicular lines in the column hoop muscle. By mounting on the upper end surface of the hollow PC column mold, a plurality of spacers can be disposed at a time, and the working efficiency can be improved. Further, since the insertion portion to be inserted into the hollow portion of the hollow PC column mold is provided at the lower portion of the spacer, the insertion portion is inserted into the hollow portion of the hollow PC column mold to connect the hoop muscle with the spacer to the hollow PC. By placing the column hoop on the upper end surface of the column frame, the column hoop and the spacer can be easily positioned in the planar direction.
[0040]
That is, according to the present invention, the spacer and the column hoop bar can be easily and reliably positioned and fixed between the upper end surface of the hollow PC column mold and the beam lower bar main bar.
[0041]
According to a second aspect of the present invention, a hoop bar with a spacer is provided such that a difference corresponding to a diameter of the main beam lower bar main bar is provided between a height of a spacer facing in one direction in the column hoop bar and a height of another spacer. Therefore, when the two beams are placed on the upper end surface of the hollow PC column mold installed at the position where they intersect with each other in a T-shape or a cross-shape, they overlap each other and overlap each other. The distance between the two lower beam main bars arranged in this manner can be set to a predetermined distance that differs by the diameter of the lower beam main bar by the spacer facing the one direction and the other spacers.
[0042]
Further, in the hollow PC column form of the invention according to
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective external view of a hoop muscle with a spacer according to the present invention.
2 is a cross-sectional view taken along arrows AA ′ and BB ′ in FIG. 1;
3 is a plan view showing a state in which the hoop bars with spacers shown in FIG. 1 are placed on a hollow PC column mold. FIG.
4 is a cross-sectional view in one direction showing a state where the hoop bars with spacers shown in FIG. 1 are mounted on a hollow PC column mold. FIG.
FIG. 5 is a cross-sectional view in a direction different from FIG. 4;
FIG. 6 is a completed cross-sectional view of a column and a beam.
FIG. 7 is an explanatory diagram of a mounting type of a column and a beam.
FIG. 8 is a perspective external view of a hoop muscle with a spacer different from FIG. 1;
FIG. 9 is a cross-sectional view of a hollow PC column mold having a hoop bar with a spacer on the upper end surface.
FIG. 10 is a cross-sectional view of a column beam main bar tip assembled hollow PC column unit.
11 is an explanatory diagram of an assembling procedure of the column beam main bar tip assembled hollow PC column unit shown in FIG. 10;
[Explanation of symbols]
11, 41 ... Hoop muscle with spacer,
12, 42 ... pillar hoop muscle,
13, 43 ... spacer,
15 ... protrusions,
16 ... Hollow PC column mold,
17 ... Beam main bar reinforced steel bar
19 ... Panel zone section,
20 ... 1st column hoop muscle,
21 ...
22 ... Second pillar hoop muscle,
23 ... Beam formwork,
24 ... Beam bottom main bar,
25, 31 ... pillars,
26, 32 ... beams,
27 ... Beam top bar
44, 45 ... Core muscle.
Claims (3)
上記柱フープ筋における直交する二直線と交差する4箇所のうち少なくとも3箇所の近傍に取り付けられると共に、上記中空プレキャストコンクリート柱型枠の中空部内に差し込まれる差込部を下部に有する所定高さのスペーサを備えて、上記スペーサの差込部を上記中空プレキャストコンクリート柱型枠の中空部内に差し込んで上記中空プレキャストコンクリート柱型枠の上端面上に載置された際に、更にその上に配筋される梁下端主筋と上記中空プレキャストコンクリート柱型枠の上端面との間の間隔を所定の間隔に保持することを特徴とするスペーサ付きフープ筋。At least one column hoop located on a cylindrical hollow precast concrete column formwork;
It is attached in the vicinity of at least three out of four places intersecting two perpendicular lines in the column hoop, and has a predetermined height having an insertion portion to be inserted into the hollow portion of the hollow precast concrete column mold. A spacer is provided, and when the insertion portion of the spacer is inserted into the hollow portion of the hollow precast concrete column mold and placed on the upper end surface of the hollow precast concrete column mold, a bar arrangement is further provided thereon. A hoop bar with a spacer, characterized in that a distance between a lower main bar of the beam and the upper end surface of the hollow precast concrete column form is maintained at a predetermined distance.
上記柱フープ筋における一方向に互いに対向した2箇所の近傍に位置するスペーサの高さと、他のスペーサの高さとには、上記梁下端主筋の直径分の差が設けられていることを特徴とするスペーサ付きフープ筋。In the hoop muscle with a spacer according to claim 1,
The height of the spacer located in the vicinity of two locations facing each other in one direction in the column hoop is different from the height of the other spacer by a difference corresponding to the diameter of the beam bottom main reinforcement. Hoop muscle with spacer to do.
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