JP4323223B2 - Organic binder for mold, foundry sand composition obtained using the same, and mold - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、砂型鋳造において使用されるフェノールウレタン系のガス硬化鋳型の造型に用いられる鋳型用有機粘結剤、及びこれを用いて得られる鋳物砂組成物並びに鋳型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、砂型鋳造において用いられる代表的な有機系鋳型の一つとして、フェノール樹脂とポリイソシアネート化合物を粘結剤として用い、それらの重付加反応を利用して造型されるフェノールウレタン系鋳型が、知られている。そして、このフェノールウレタン系鋳型としては、造型時に加熱を必要としない、アミンコールドボックス法により製造される量産型のガス硬化鋳型や、常温自硬性法により製造される非量産型の自硬性鋳型が、広く知られているのであるが、近年においては、鋳型の寸法精度や生産性の観点から、アミンコールドボックス法により製造されるガス硬化鋳型が、重要視されるようになっている。
【0003】
ところで、上述せる如きアミンコールドボックス法は、通常、粒状耐火性鋳物砂に対して、ミキサーを用いて、有機溶剤を溶媒とするフェノール樹脂溶液とポリイソシアネート溶液からなる有機粘結剤を、混練せしめることにより、かかる鋳物砂の表面を該有機粘結剤で被覆してなる鋳物砂組成物(混練砂)とした後、これを所定の成形型(造型用の型)内に供給して、鋳型を造型し、更にこれに、アミン系触媒ガスを通気せしめることにより、フェノール樹脂とポリイソシアネート化合物とのウレタン化反応を促進して、鋳物砂組成物を硬化させ、鋳型を短時間に作製する方法である。
【0004】
このように、アミンコールドボックス法では、アミン系触媒ガスを接触せしめることにより、鋳物砂組成物の硬化を行なうようにしているのであるが、かかる鋳物砂組成物にあっては、鋳型用有機粘結剤を構成するフェノール樹脂成分とポリイソシアネート成分とが混合せしめられた段階でウレタン化反応が徐々に進行して、硬化し始める恐れがあるところから、例えば、造型現場において、サンドホッパー内に、長時間、収容された鋳物砂組成物を用いて鋳型の造型を行なった場合、特に、高温・多湿の作業環境下で鋳型の造型を行なった場合には、所望とする鋳型強度よりも著しく低い強度の鋳型が造型されたり、また、場合によっては、種々の造型不良が招来される等、鋳物砂組成物の可使時間に起因した造型トラブルが惹起され易いものであった。また、鋳物砂組成物の可使時間が短い場合には、サンドホッパー内に残って、使用不可能となった鋳物砂組成物を取り除く作業が必要となる等、生産効率の低下にもつながっている。
【0005】
このため、従来より、鋳物砂組成物の可使時間を延ばすための可使時間延長剤や硬化遅延剤として、種々の化合物が提案されてきている。例えば、米国特許第4436881号明細書(特許文献1)においては、可使時間を延長する化合物として、ジクロロアリールホスフィン、クロロジアリールホスフィン、アリールホスフィン酸ジクロリド等の有機リン化合物が提案されており、また、米国特許第4540724号明細書(特許文献2)には、オキシ塩化リン、三塩化リン、五塩化リン等のハロゲン化リンが提案されている。更に、イソフタル酸クロリドや、サリチル酸、安息香酸、リン酸、酸性リン酸エステル、ホウ酸等の酸類も、ウレタン化反応を抑制するところから、可使時間延長剤として、従来から用いられてきている。
【0006】
しかしながら、上述せる如き従来の可使時間延長剤は、ウレタン化反応を抑制して、鋳物砂組成物の硬化を遅延化させる効果を有するものの、そのようなウレタン化反応を促進するために使用されるアミン系硬化触媒に対しては、その触媒作用を阻害して、得られる鋳型に硬化ムラや鋳型強度の低下を惹起せしめ、成形型からの抜型時に、鋳型に穴を生ぜしめたり、また、そのような硬度ムラや鋳型強度の低下を防止するために、アミン系硬化触媒を必要以上に多く用いなければならなくなる等といった問題を内在するものであったのである。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第4436881号明細書
【特許文献2】
米国特許第4540724号明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、硬化ムラや、鋳型強度の低下、触媒使用量の増加をもたらすことなく、可使時間を有利に延長し得る鋳型用有機粘結剤、及びこの鋳型用有機粘結剤を用いて得られる、可使時間が延長された鋳物砂組成物、並びに、かかる鋳物砂組成物をガス硬化させることにより造型される鋳型を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そして、本発明者等は、そのような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、従来よりフェノールウレタン系のガス硬化鋳型の造型に用いられている有機粘結剤に対して、更に、特定の芳香族化合物を添加すると、鋳物砂組成物の可使時間が大幅に改善され得ると共に、かかる特定の芳香族化合物は、アミン系触媒の触媒作用を阻害しないことを見出したのである。
【0010】
従って、本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであって、その要旨とするところは、フェノールウレタン系のガス硬化鋳型の造型に用いられる有機粘結剤であって、特定のフェノール樹脂とポリイソシアネート化合物と有機溶剤と共に、芳香環の隣り合う位置に少なくとも2つの水酸基を有する芳香族化合物を、必須の構成成分として含有することを特徴とする鋳型用有機粘結剤にある。
【0011】
すなわち、このような本発明に従う鋳型用有機粘結剤にあっては、芳香環の隣り合う位置に少なくとも2つの水酸基を有する芳香族化合物、即ち、1つの水酸基の結合部位に対する少なくともオルト位に、少なくとも1つの水酸基を有する芳香族化合物を含んで構成されているところから、かかる有機粘結剤が硬化触媒と接触せしめられる前にフェノール樹脂とポリイソシアネート化合物とが反応して、望まない硬化反応が惹起されるようなことが、有利に防止乃至は抑制され、以て、可使時間が効果的に延長され得ているのである。
【0012】
しかも、かかる特定の芳香族化合物は、硬化触媒による硬化作用を阻害する成分でもないところから、硬化触媒の使用量の増加を招来することもなく、また、硬化ムラの発生や、鋳型強度の低下も、有利に解消され得ることとなる。
【0013】
なお、かかる本発明に従う鋳型用有機粘結剤の好ましい態様の一つによれば、前記芳香族化合物としては、カテコール、ピロガロール、及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種が、採用されることが望ましく、このような芳香族化合物を採用することによって、鋳物砂組成物の可使時間が、より一層効果的に改善せしめられることとなる。
【0014】
そして、本発明によれば、前記フェノール樹脂として、オルソクレゾール変性ベンジルーテル型フェノール樹脂が用いられ、このような特定のフェノール樹脂を採用することによって、鋳物砂組成物の可使時間が、より一層効果的に改善されることとなるのである。
【0015】
加えて、本発明は、上述せる如き鋳型用有機粘結剤を、鋳物砂に対して混練せしめてなることを特徴とする鋳物砂組成物をも、要旨とするものであり、このように、上記した鋳型用有機粘結剤を用いて得られる鋳物砂組成物にあっては、フェノール樹脂とポリイソシアネート化合物との反応が抑制されて、硬化が抑えられ、可使時間が有利に向上せしめられ得るのである。
【0016】
なお、かかる本発明に従う鋳物砂組成物の好ましい態様の一つによれば、前記鋳物砂が、回収砂乃至は再生砂である構成が、採用されることとなる。このような回収砂乃至は再生砂にあっては、一般に、新砂に比して、可使時間が短くなる傾向があるものの、上述せる如き鋳型用有機粘結剤を用いるところから、その効果が顕著に発現されるのである。
【0017】
さらに、本発明は、上述せる如き鋳物砂組成物に対して、第3級アミンガスを接触せしめることにより、該鋳物砂組成物を硬化させて、造型してなることを特徴とする鋳型も、要旨とするものであり、このようにして得られるガス硬化鋳型にあっては、硬化触媒である第3級アミンの使用量の増加を招来することなく、硬化ムラの発生が有利に防止されていると共に、鋳型強度も高度に確保されているのである。
【0018】
【発明の実施の形態】
ところで、このような本発明に従う鋳型用有機粘結剤において、その主たる成分の一つとして使用されるフェノール樹脂としては、従来からフェノールウレタン系の鋳型を造型する際に用いられる、公知の各種のフェノール樹脂の中から、選択されることとなる。具体的には、反応触媒の存在下、フェノール類とアルデヒド類とを、フェノール類の1モルに対して、アルデヒド類が、一般に、0.5〜3.0モルの割合となるようにして、付加・縮合反応せしめて得られる、有機溶剤に可溶なベンジルエーテル型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、及びこれらの変性フェノール樹脂、並びにこれらの混合物の中から選択することが出来、これらのうちの1種又は2種以上が、選択されて用いられるのである。これらの中でも、特に、ベンジルエーテル型フェノール樹脂、更に好ましくは、オルソクレゾールで変性したベンジルエーテル型フェノール樹脂、及び、これらの混合物にあっては、有機溶剤への溶解性やポリイソシアネートとの相溶性に優れ、可使時間を効果的に改善することが可能となるところから、本発明においては、有利に用いられることとなる。
【0019】
なお、上記したフェノール類とアルデヒド類との付加・縮合反応に採用される触媒としては、特に限定されるものではなく、所望とするフェノール樹脂のタイプに応じて、酸性触媒、塩基性触媒等、従来からフェノール樹脂の製造に用いられている各種の触媒が適宜に用いられる。中でも、ベンジルエーテル型のフェノール樹脂を製造するに際しては、例えば、スズ、鉛、亜鉛、コバルト、マンガン、ニッケル等の金属元素を有する金属塩のうちの少なくとも1種が、反応触媒として好適に採用され得るのである。より具体的に、かかる金属塩としては、例えば、ナフテン酸鉛、ナフテン酸亜鉛、酢酸鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、酸化鉛の他、このような金属塩を形成し得る酸と塩基の組合せ等が挙げられる。また、かかる金属塩を反応触媒として採用する場合に、その使用量としては、特に限定されるものではないものの、一般に、フェノール類の100重量部に対して、0.01〜5重量部となる割合で、使用されることとなる。
【0020】
また、フェノール樹脂を与えるフェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、p−tert−ブチルフェノール、ノニルフェノール等のアルキルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールF、ビスフェノールA等の多価フェノール、及びこれらの混合物等が挙げられる一方、アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、ポリオキシメチレン、グリオキザール、フルフラール、及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0021】
さらに、上述せるように、本発明において採用され得るフェノール樹脂の一つである、オルソクレゾール変性フェノール樹脂としては、例えば、金属塩等の反応触媒の存在下において、オルソクレゾール及び/又はフェノールを、アルデヒド類と反応せしめて得られる、(1)オルソクレゾールとフェノールとの共縮合型オルソクレゾール変性フェノール樹脂、(2)オルソクレゾール樹脂とフェノール樹脂との混合型オルソクレゾール変性フェノール樹脂の他、これら(1)及び(2)の樹脂を変性剤(改質剤)で改質した、(3)改質型オルソクレゾール変性フェノール樹脂、及び、(1)、(2)及び(3)のうちの2種以上を組み合わせた混合物等を例示することが出来る。
【0022】
より具体的には、上記した(1)の共縮合型オルソクレゾール変性フェノール樹脂は、オルソクレゾール及びフェノールを、同時的又は段階的に、アルデヒド類と反応させて得られる共縮合樹脂であって、使用する反応触媒の種類等、反応条件によって、ノボラック型、レゾール型、ベンジルエーテル型、及びこれらのタイプを組み合わせた共縮合型オルソクレゾール変性フェノール樹脂が得られるが、本発明においては、上述せるように、ベンジルエーテル型の共縮合型オルソクレゾール変性フェノール樹脂が好ましく用いられる。また、オルソクレゾールとフェノールの配合比率としては、鋳物砂組成物の可使時間延長の観点から、好ましくは、オルソクレゾール/フェノール(重量比)=10/90〜90/10、より好ましくは、30/70〜70/30が望ましい。
【0023】
また、上記した(2)の混合型オルソクレゾール変性フェノール樹脂は、オルソクレゾールとアルデヒド類とを反応させて得られる、ノボラック型、レゾール型及びベンジルエーテル型のオルソクレゾール樹脂の群から選ばれる少なくとも1種のオルソクレゾール樹脂と、フェノールとアルデヒド類とを反応させて得られる、ノボラック型、レゾール型及びベンジルエーテル型のフェノール樹脂の群から選ばれる少なくとも1種のフェノール樹脂とを、混合して得られる混合型オルソクレゾール変性フェノール樹脂である。これらの中でも、本発明においては、ベンジルエーテル型オルソクレゾール樹脂とベンジルエーテル型フェノール樹脂とを混合した、ベンジルエーテル型の混合型オルソクレゾール変性フェノール樹脂が好ましく用いられる。また、かかる混合型オルソクレゾール変性フェノール樹脂にあっても、鋳物砂組成物の可使時間延長の観点から、オルソクレゾールとフェノールとの配合比率が上述せる範囲となるように、オルソクレゾール樹脂とフェノール樹脂とが、好ましくは、オルソクレゾール樹脂/フェノール樹脂(重量比)=10/90〜90/10、より好ましくは、30/70〜70/30の割合で混合されることとなる。
【0024】
加えて、上記した(3)の改質型オルソクレゾール変性フェノール樹脂は、共縮合樹脂、オルソクレゾール樹脂又はフェノール樹脂の製造時乃至は製造後に、更に任意の変性剤(改質剤)、例えば、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、キシレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、尿素系化合物、メラミン系化合物、エポキシ系化合物、フルフリルアルコール、ポリビニルアルコール、尿素、アミド類、アマニ油、カシューナッツ殻液、ロジン、澱粉類、単糖類等と、混合乃至は反応せしめることによって改質された、ノボラック型、レゾール型及びベンジルエーテル型の樹脂の群から選ばれる少なくとも1種の改質型オルソクレゾール変性フェノール樹脂である。これらの中でも、本発明においては、ベンジルエーテル型の改質型オルソクレゾール変性フェノール樹脂が、好ましく用いられる。
【0025】
而して、本発明に従う鋳型用有機粘結剤において、主たる成分の一つとして使用されるフェノール樹脂は、低粘度化、後述するポリイソシアネート溶液との相溶性、鋳物砂へのコーティング性、鋳型物性等の観点から、一般に、極性有機溶剤と非極性有機溶剤とを組み合わせてなる有機溶媒に溶解せしめられ、その濃度が、約30〜80重量%程度とされた溶液(以下、「フェノール樹脂溶液」と呼称する。)の状態で、用いられることとなる。
【0026】
一方、本発明に従う鋳型用有機粘結剤において、主たる成分の他の一つとして使用されるポリイソシアネート化合物は、上述せる如きフェノール樹脂の活性水素と重付加反応することにより、鋳物砂同士をフェノールウレタンで化学的に結合せしめ得る、イソシアネート基を、分子内に2以上有する化合物であり、かかるポリイソシアネート化合物の具体例としては、芳香族、脂肪族或いは脂環式のポリイソシアネート、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(以下、ポリメリックMDIと呼称する。)、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの他、これらポリイソシアネート化合物をポリオールと反応させて得られるイソシアネート基を2以上有するプレポリマー等、従来より公知の各種のポリイソシアネートを挙げることが出来、これらは、単独で用いても、或いは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0027】
また、かかるポリイソシアネート化合物にあっても、上述せる如きフェノール樹脂と同様の理由から、一般に、非極性有機溶剤、又は非極性溶媒と極性有機溶剤との混合溶剤を溶媒として用い、この有機溶媒に、濃度が、約40〜90重量%程度となるように溶解された溶液として用いられることとなる。なお、使用するポリイソシアネート化合物の種類等によっては、必ずしも、有機溶媒に溶解せしめる必要はなく、その原液まま、使用することも可能である。以下では、ポリイソシアネート化合物の原液、及びポリイソシアネート化合物を有機溶媒に溶解せしめてなる溶液を含めて、ポリイソシアネート溶液と呼称する。
【0028】
なお、かかるポリイソシアネート溶液の、フェノール樹脂溶液に対する配合量としては、特に限定されるものではないものの、有効成分であるフェノール樹脂及びポリイソシアネート化合物の配合比率(重量基準)が、一般に、フェノール樹脂:ポリイソシアネート化合物=80:20〜20:80となるように、適宜に設定されることとなる。
【0029】
また、本発明において、上記したフェノール樹脂やポリイソシアネート化合物を溶解せしめるための有機溶剤としては、ポリイソシアネート化合物には非反応性で、且つ溶解対象である溶質(フェノール樹脂又はポリイソシアネート化合物)に対して良溶媒であれば、特に制限されるものではないものの、一般に、▲1▼フェノール樹脂を溶解するための極性溶剤と、▲2▼フェノール樹脂の分離が生じない程度の量のポリイソシアネート化合物を溶解するための非極性溶剤とが組み合わされて用いられる。
【0030】
より具体的には、上記▲1▼の極性溶媒としては、例えば、脂肪族カルボン酸エステル、その中でも、特に、環境安全性の観点から、ジカルボン酸メチルエステル混合物(デュポン社製;商品名:DBE;グルタル酸ジメチルとアジピン酸ジメチルとコハク酸ジメチルとの混合物)等のジカルボン酸アルキルエステル、菜種油メチルエステル等の植物油のメチルエステル、オレイン酸エチル、パルミチン酸エチル、これらの混合物等の脂肪酸モノエステル等のエステル類の他、例えば、イソホロン等のケトン類、イソプロピルエーテル等のエーテル類、フルフリルアルコール等を挙げることが出来、一方、上記▲2▼の非極性溶剤としては、例えば、パラフィン類、ナフテン類、アルキルベンゼン類等の石油系炭化水素類、具体例としては、イプゾール150(出光石油社製;石油系溶剤)、ハイゾール(昭和シェル石油社製;石油系溶剤)等を例示することが出来る。
【0031】
ところで、本発明に従う鋳型用有機粘結剤にあっては、上記したフェノール樹脂溶液とポリイソシアネート溶液の他に、更に、芳香環の隣り合う位置に2つの水酸基を少なくとも有する芳香族化合物(以下、「隣接水酸基を有する芳香族化合物」と呼称する。)が、必須の構成成分として用いられるのであり、この隣接水酸基を有する芳香族化合物によって、本発明に従う鋳型用有機粘結剤と鋳物砂とを混練して得られる鋳物砂組成物(混練砂)の可使時間が、効果的に延長せしめられるようになっているのである。
【0032】
このように、隣接水酸基を有する芳香族化合物が配合せしめられた有機粘結剤を用いることによって、鋳物砂組成物(混練砂)の可使時間が、効果的に延長されるメカニズムについては、未だ充分に明らかにされてはいないものの、次のように推察される。即ち、本発明者等の推察によれば、フェノール樹脂を製造する際に用いられる反応触媒に由来する金属成分や、鋳物砂表面に存在する金属成分によって、フェノール樹脂とポリイソシアネート化合物とのウレタン化反応が促進せしめられる傾向がみられるのであるが、隣接水酸基を有する芳香族化合物を添加せしめることによって、かかる芳香族化合物の隣り合う水酸基の酸素原子が金属成分と電気的な相互作用をして金属をトラップし、より具体的には、芳香族化合物の隣り合う水酸基の2つ酸素原子が金属イオンに配位して、安定な5員環のキレート環が形成され、これにて、金属成分によるウレタン化反応の促進が効果的に抑制されることに起因すると、考えられるのである。因みに、本発明者等の検討によれば、2つ以上の水酸基があっても、それらが隣り合う位置に存在しない場合には、可使時間の向上を図ることが困難であることが認められている。
【0033】
しかも、かかる隣接水酸基を有する芳香族化合物は、ウレタン化反応の触媒(硬化触媒)と反応するものでもなく、その硬化作用を阻害する成分でもないところから、硬化ムラや鋳型強度の低下等の問題の発生も、極めて有利に抑制され得ると共に、硬化触媒の使用量の増加も回避され得るのである。
【0034】
なお、前記隣接水酸基を有する芳香族化合物としては、ベンゼン環やナフタレン環等の芳香環における隣合せの位置に水酸基がそれぞれ結合してなる形態の、少なくとも2つの水酸基を有している芳香族化合物であれば、何れも採用され得るのであるが、そのような水酸基の他に、カルボキシル基等の酸性基をも有するものは、通気される硬化触媒(ウレタン化触媒)ガスを消費して、その触媒作用を阻害する恐れがあるところから、その使用は回避されるべきである。具体的に、本発明において有利に用いられる、隣接水酸基を有する芳香族化合物としては、例えば、カテコール、4−メチルカテコール、4−エチルカテコール、4−t−ブチルカテコール、ピロガロール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、没食子酸メチル、没食子酸エチル、プロトカテチュ酸メチル、プロトカテチュ酸エチル、1,2−ナフタレンジオール、2,3−ナフタレンジオール等の他、これらの誘導体、例えば、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、2,6−ビス(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、ビス(4,5−ジヒドロキシ−2−メチルフェノール)フェニルメタン等を挙げることが出来る。また、これらの隣接水酸基を有する芳香族化合物は、単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。そして、これらの中でも、可使時間及びコストの観点から、カテコール、ピロガロール、及びこれらの誘導体である2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、2,6−ビス(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、ビス(4,5−ジヒドロキシ−2−メチルフェノール)フェニルメタン等が、本発明においては、より好適に用いられることとなる。
【0035】
また、隣接水酸基を有する芳香族化合物の使用量としては、一概に制限されるものではなく、使用する芳香族化合物の種類や鋳物砂に存在する金属の量等に応じて適宜に設定され得るものの、可使時間やコストを考慮すると、一般に、フェノール樹脂溶液中に含有されるフェノール樹脂の100重量部に対して、0.1〜100重量部、好ましくは0.3〜10重量部となる範囲で設定されることが、望ましい。
【0036】
かくして、上述せる如き隣接水酸基を有する芳香族化合物と、フェノールウレタンを形成するフェノール樹脂溶液及びポリイソシアネート溶液とによって、本発明に従う鋳型用有機粘結剤が形成されることとなるのであるが、この有機粘結剤には、更に必要に応じて、上記した隣接水酸基を有する芳香族化合物とは異なる可使時間延長剤や、離型剤、強度劣化防止剤、乾燥防止剤等、従来より鋳型用有機粘結剤に使用されている公知の各種添加剤を、適宜に選択して、配合することも可能である。但し、これらの各種添加剤は、本発明によって享受され得る効果を阻害しない量的範囲において、使用され得ることは、勿論、言うまでもないところである。
【0037】
なお、上述せる如き各種添加剤のうち、可使時間延長剤(硬化遅延剤)は、従来より、ウレタン化反応を抑制し、鋳物砂組成物の可使時間を延長するための成分として、用いられているものであり、本発明においては、上述せる如き隣接水酸基を有する芳香族化合物による可使時間延長効果を、更に補助するために用いられ得る。好ましい具体例としては、イソフタル酸クロリド、サリチル酸、安息香酸、リン酸、酸性リン酸エステル、リン系クロライド、ホウ酸等を挙げることが出来る。
【0038】
また、離型剤は、本発明に従う有機粘結剤を用いて得られる鋳型を成形型から抜型する際の抵抗を小さくすると共に、成形型内に吹き込み充填された鋳物砂組成物の一部が鋳型の抜型時に型に付着することによって発生するシミツキを防止し、スムーズ且つ精度の高い鋳型を得るために用いられる添加剤であり、好適な例としては、例えば、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸エステル、トール油脂肪酸、アルキッド樹脂、液状ポリブタジエン等が挙げられる。これらは、一般に、フェノール樹脂の100重量部に対して、0.01〜100重量部程度、好ましくは0.1〜10重量部程度となる割合において、用いることが出来る。
【0039】
さらに、強度劣化防止剤は、多湿環境下における鋳型強度の劣化を抑制すると共に、有機粘結剤の樹脂成分と鋳物砂との接着性の向上を図るために用いられるものであって、好適な例としては、例えば、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シランや、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ系シラン等のシランカップリング剤を挙げることが出来る。かかる強度劣化防止剤の使用量としては、一般に、フェノール樹脂の100重量部に対して、0.01〜5重量部程度、好ましくは0.05〜2.5重量部程度となる割合が、採用される。
【0040】
かくして、上述せる如き各種成分によって、本発明に従う鋳型用有機粘結剤が構成され、この鋳型用有機粘結剤を用いて、フェノールウレタン系のガス硬化鋳型が造型されることとなるのである。
【0041】
具体的に、コールドボックス法によるガス硬化鋳型を造型するに際しては、先ず、鋳物砂に対して、鋳型用有機粘結剤を混練せしめることにより、かかる鋳物砂表面を鋳型用有機粘結剤で被覆してなる鋳物砂組成物(混練砂)が、製造されることとなる。即ち、鋳物砂に対して、有機粘結剤として、フェノール樹脂溶液と、ポリイソシアネート溶液と、隣接水酸基を有する芳香族化合物と、更に必要に応じて、その他、各種添加剤を、充分に混練,混合することによって、鋳物砂表面に鋳型用有機粘結剤をコーティングして、鋳物砂組成物が製造されるのである。なお、この際、隣接水酸基を有する芳香族化合物や各種添加剤は、鋳物砂組成物に均一に混合され得るように、別個に調製されたフェノール樹脂溶液とポリイソシアネート溶液の何れか一方に、若しくは、両方に添加されて混合されるか、或いは、適当な有機溶剤に溶解乃至は分散せしめて、これを、混練時に、フェノール樹脂溶液やポリイソシアネート溶液と共に、鋳物砂に対して混合せしめるか、或いは、フェノール樹脂製造時の縮合完了後に添加されて混合されることも可能である。なお、この場合、金属イオンとのキレート化を促進するために、添加後、加熱を行なうことが好ましい。
【0042】
また、この鋳物砂組成物を製造する際に、鋳型用有機粘結剤を構成するフェノール樹脂溶液とポリイソシアネート溶液は、隣接水酸基を有する芳香族化合物によってフェノール樹脂とポリイソシアネート化合物との重付加反応(ウレタン化反応)が抑制されているものの、それらを混合した段階から、徐々にウレタン化(硬化)が始まるところから、予め、別々に調製されて準備され、通常、鋳物砂との混練時に混合されることとなる。更に、混練・混合操作は、従来と同様な連続式乃至はバッチ式ミキサーを用いて、好適には、−10〜50℃の範囲の温度で行なわれることが望ましい。
【0043】
次いで、上述せる如くして得られた鋳物砂組成物を、所望とする形状を与える成形型内で賦形した後、これに対して、硬化触媒である第3級アミンガスを通気することにより、鋳物砂組成物の硬化反応が促進せしめられて、ガス硬化鋳型が製造されることとなるのである。なお、硬化触媒として用いられる第3級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン等、従来から公知のものを例示することが出来、それらのうちの少なくとも1種が選択されて、通常の量的範囲で用いられる。
【0044】
ところで、上記したガス硬化鋳型を与える鋳物砂組成物の調製において、鋳物砂に対するフェノール樹脂溶液やポリイソシアネート溶液の配合量としては、それぞれ、有効成分であるフェノール樹脂及びポリイソシアネート化合物の配合量が、鋳物砂の100重量部に対して、それぞれ、0.01〜5.0重量部、好ましくは0.1〜2.0重量部となる割合が、好適に採用され得ることとなる。また、鋳物砂に対する隣接水酸基を有する芳香族化合物の配合量としては、鋳物砂の100重量部に対して、0.00001〜5重量部、好ましくは0.0003〜0.2重量部となる割合が、好適に採用され得る。
【0045】
また、本発明において用いられる鋳物砂としては、従来より鋳型用に用いられている耐火性のものであれば、天然砂であっても人工砂であってもよく、特に限定されるものではない。例えば、ケイ砂、オリビンサンド、ジルコンサンド、クロマイトサンド、アルミナサンド、フェロクロム系スラグ、フェロニッケル系スラグ、転炉スラグ、ムライト系人工粒子(例えば、伊藤忠セラテック株式会社から入手することの出来る商品名「ナイガイセラビーズ」)、フェロニッケル系スラグを造粒してなる人工骨材(例えば、山川産業株式会社から入手することの出来る商品名「サンパール」)等が挙げられ、これらのうちの1種、或いは、2種以上が組み合わされて用いられ得るのである。なお、これらの鋳物砂は、新砂であっても、或いは、鋳物砂として、鋳型の造型に1回或いは複数回、使用された回収砂又は再生砂であっても、更には、そのような再生砂や回収砂に新砂を加えて混合した、混合砂であっても、何等差支えない。また、これらの中でも、特に、フェロニッケルの副産物を造粒してなる人工骨材(例えば、サンパール)や、回収砂、再生砂にあっては、ウレタン化反応を促進せしめる作用があると推察される金属成分が、他の鋳物砂に比して、多く潜在しているところから、従来より、可使時間が短くなる傾向が認められているのであるが、上述せる如き鋳型用有機粘結剤を用いることによって、可使時間の延長効果が極めて顕著に発現されるのである。
【0046】
なお、本発明において、「回収砂」とは、鋳型を鋳ばらし後、集められた鋳型塊を、クラッシャー等の従来から公知の破砕機を用いて、砂粒状になるまで、破砕したものを意味し、また、「再生砂」とは、そのような回収砂に対して、所定の再生処理操作を施したものを意図している。なお、再生処理としては、一般に、鋳物砂の表面に付着した付着物を、研磨によって取り除く摩耗式再生処理や、熱処理を施すことによって取り除く焙焼式再生処理等を例示することが出来るが、それらに何等限定されるものではなく、鋳物砂の付着物を取り除くことが可能な処理であれば、従来から公知のものが、何れも採用され得る。
【0047】
而して、上述せる如くして製造されたガス硬化鋳型にあっては、硬化触媒である第3級アミンの使用量の増加を招来することなく、硬化ムラの発生が有利に防止されていると共に、鋳型強度も高度に確保されているのであり、砂中子等の砂型として、アルミニウム合金やマグネシウム合金、鉄等の各種金属からなる鋳物製品の鋳造に、有利に用いられることとなるのである。
【0048】
【実施例】
以下に、本発明を、実施例を用いて更に具体的に明らかにするが、本発明は、そのような実施例の記載によって、何等限定的に解釈されるものではない。なお、本実施例において、抜型直後及び24時間後の鋳型強度の測定は、以下のようにして行なった。
【0049】
−抜型直後及び24時間後の鋳型強度の測定−
混練後の待機時間が0〜120分である鋳物砂組成物(混練砂)を投入後、この鋳物砂組成物を、曲げ強度試験片造型装置の金型内に充填し、次いで、かかる金型内に、トリエチルアミンを通気することにより、幅:30mm×長さ:85mm×厚み:10mmの2個の曲げ強度試験片を作製した。なお、ブロー条件は、圧力:0.3MPa×時間:3秒とする一方、トリエチルアミンのガッシング時間+エアーパージ条件は、圧力:0.3MPa×時間:10秒とした。そして、得られた試験片の曲げ強度(N/cm2 )を、直ちに、又は常温で24時間放置した後に、小型圧縮曲げ試験機SC200D(高千穂精機社製)を用いて測定し、前者を抜型直後の鋳型強度、後者を抜型24時間後の鋳型強度とした。なお、待機時間が0分である、混練直後(調製直後)の鋳物砂組成物以外は、温度:40℃×相対湿度:80%の環境下、ポリエチレン製のバケツの中で、所定時間(30,60,90,120分)、放置して、待機時間が30〜120分の鋳物砂組成物とした。また、混練直後の強度に対し、経時後の強度値が高い鋳物砂組成物ほど、可使時間が長いと、評価される。
【0050】
フェノール樹脂溶液A、フェノール樹脂溶液B及びポリイソシアネート溶液を、以下のようにして調製して、準備した。そして、それらフェノール樹脂溶液A又はフェノール樹脂溶液Bと、ポリイソシアネート溶液を用いて、実施例1〜10及び比較例1〜5に係る鋳物砂組成物を調製した。
【0051】
−フェノール樹脂溶液Aの調製−
還流器、温度計及び攪拌機を備えた三つ口反応フラスコ内に、下記表1に示されるように、フェノールの100重量部、92重量%パラホルムアルデヒドの55.5重量部、及び二価金属塩としてナフテン酸鉛の0.32重量部を仕込み、還流温度で90分間反応を行なった後、加熱濃縮して水分含有量1重量%以下のベンジルエーテル型のフェノール樹脂(フェノール樹脂A)を得た。次いで、このフェノール樹脂Aを、DBE:イプゾール150:ハイゾール=45:45:10の有機溶剤を用いて希釈すると共に、フェノール樹脂Aに対して0.5重量%のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを加えて、フェノール樹脂分が50重量%のフェノール樹脂溶液Aを調製した。
【0052】
−フェノール樹脂溶液Bの調製−
還流器、温度計及び攪拌機を備えた三つ口反応フラスコ内に、下記表1に示されるように、フェノールの50重量部とオルソクレゾールの50重量部(フェノール/オルソクレソール=50/50)、92重量%パラホルムアルデヒドの51.9重量部、及び二価金属塩としてナフテン酸鉛の0.32重量部を仕込み、還流温度で90分間反応を行なった後、加熱濃縮して水分含有量1重量%以下のオルソクレゾール変性ベンジルエーテル型のフェノール樹脂(フェノール樹脂B)を得た。次いで、このフェノール樹脂Bを、DBE:イプゾール150:ハイゾール=45:45:10の有機溶剤を用いて希釈すると共に、フェノール樹脂Bに対して0.5重量%のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを加えて、フェノール樹脂分が50重量%のフェノール樹脂溶液Bを調製した。
【0053】
【表1】
【0054】
−ポリイソシアネート溶液の調製−
ポリイソシアネート化合物であるポリメリックMDIを、イプゾール150:ハイゾール=60:40の有機溶剤を用いて希釈すると共に、フタル酸クロライドをポリメリックMDIの0.93重量%となるように加えて、ポリイソシアネート化合物分が75重量%のポリイソシアネート溶液を調製した。
【0055】
<実験例1>
先ず、フェノール樹脂溶液Aの100重量部に対し、ピロガロールを0.5重量部添加して、加熱・攪拌することにより、溶解せしめた。次いで、ダルトン株式会社製品川式卓上ミキサー内に、予め、温度:40℃×相対湿度:80%の雰囲気下で24時間放置されたウェドロン珪砂の1000重量部と、ピロガロールを含有するフェノール樹脂溶液Aの5重量部と、ポリイソシアネート溶液の5重量部を投入した後、40秒間、攪拌,混練して、有機粘結剤にて被覆された鋳物砂、つまり、鋳物砂組成物を調製した。
【0056】
そして、得られた鋳物砂組成物を用いて、上記の試験法により、待機時間が混練直後〜120分の抜型直後及び24時間後の鋳型強度の測定を行ない、その結果を、下記表2に併せ示した。
【0057】
<実験例2>
上記実験例1の鋳物砂組成物の調製において、ピロガロールを含有するフェノール樹脂溶液Aに代えて、フェノール樹脂溶液Bの100重量部に対し、カテコールを0.5重量部の割合で含有するフェノール樹脂溶液Bを用いた以外は、実験例1と同様にして鋳物砂組成物を調製した。そして、得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定を行ない、その結果を、下記表2に示した。
【0058】
<実験例3>
上記実験例2の鋳物砂組成物の調製において、カテコールに代えて、ピロガロールを用いた以外は、実験例2と同様にして鋳物砂組成物を調製し、得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定を行ない、その結果を、下記表2に示した。
【0059】
<実験例4>
上記実験例2の鋳物砂組成物の調製において、カテコールに代えて、1,2,4−トリヒドロキシベンゼンを用いた以外は、実験例2と同様にして鋳物砂組成物を調製し、その得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定を行ない、その結果を、下記表2に示した。
【0060】
<実験例5>
上記実験例2の鋳物砂組成物の調製において、カテコールに代えて、没食子酸エチルを用いた以外は、実験例2と同様にして鋳物砂組成物を調製し、その得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定を行ない、その結果を、下記表2に示した。
【0061】
<実験例6>
上記実験例2の鋳物砂組成物の調製において、カテコールに代えて、没食子酸n−プロピルを用いた以外は、実験例2と同様にして鋳物砂組成物を調製し、その得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定を行ない、その結果を、下記表2に示した。
【0062】
<実験例7>
上記実験例2の鋳物砂組成物の調製において、カテコールに代えて、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパンを用いた以外は、実験例2と同様にして鋳物砂組成物を調製し、その得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定を行ない、その結果を、下記表2に示した。
【0063】
<実験例8>
上記実験例2の鋳物砂組成物の調製において、カテコールに代えて、2,6−ビス(2,3,4−トリヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノールを用いた以外は、実験例2と同様にして鋳物砂組成物を調製し、その得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定を行ない、その結果を、下記表2に示した。
【0064】
<実験例9>
上記実験例2の鋳物砂組成物の調製において、カテコールに代えて、ビス(4,5−ジヒドロキシ−2−メチルフェノール)フェニルメタンを用いた以外は、実験例2と同様にして鋳物砂組成物を調製し、その得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定を行ない、その結果を、下記表2に示した。
【0065】
<実験例10>
上記実験例3の鋳物砂組成物の調製において、ウェドロン珪砂の新砂に代えて、ウェドロン珪砂の再生砂を用いた以外は、実験例3と同様にして鋳物砂組成物を調製し、その得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定を行ない、その結果を、下記表2に示した。
【0066】
<比較例1>
上記実験例1の鋳物砂組成物の調製において、ピロガロールを含有するフェノール樹脂溶液Aに代えて、ピロガロールの如き、隣接水酸基を有する芳香族化合物を何等含まないフェノール樹脂溶液Aを用いた以外は、実験例1と同様にして鋳物砂組成物を調製した。そして、得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定を行ない、その結果を、下記表2に示した。
【0067】
<比較例2>
上記実験例2の鋳物砂組成物の調製において、カテコールを含有するフェノール樹脂溶液Bに代えて、隣接水酸基を有する芳香族化合物を含まないフェノール樹脂溶液Bを用いた以外は、実験例2と同様にして鋳物砂組成物を調製し、その得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定を行ない、その結果を、下記表2に示した。
【0068】
<比較例3>
上記実験例2の鋳物砂組成物の調製において、カテコールに代えて、レゾルシノールを用いた以外は、実験例2と同様にして鋳物砂組成物を調製し、その得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定を行ない、その結果を、下記表2に示した。
【0069】
<比較例4>
上記実験例2の鋳物砂組成物の調製において、カテコールに代えて、1,3,5−トリヒドロキシベンゼンを用いた以外は、実験例2と同様にして鋳物砂組成物を調製し、その得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定を行ない、その結果を、下記表2に示した。
【0070】
<比較例5>
上記実験例10の鋳物砂組成物の調製において、ピロガロールを含有するフェノール樹脂溶液Bに代えて、隣接水酸基を有する芳香族化合物を含まないフェノール樹脂溶液Bを用いた以外は、実験例10と同様にして鋳物砂組成物を調製し、その得られた鋳物砂組成物を用いて、鋳型強度の測定を行ない、その結果を、下記表2に示した。
【0071】
【表2】
【0072】
上記表2の結果からも明らかなように、フェノール樹脂Aを用いて、隣接水酸基を有する芳香族化合物が何等配合されていない比較例1に係る鋳物砂組成物にあっては、混練後、120分を経過すると造型が出来ないのに対し、隣接水酸基を有する芳香族化合物であるピロガロールが配合された実験例1に係る鋳物砂組成物にあっては、120分を経過しても造型が出来ており、かかるピロガロールの配合によって、可使時間が延長されていることが、分かる。
【0073】
また、同様に、フェノール樹脂Bを用いて、隣接水酸基を有する芳香族化合物が何等配合されていない比較例2と、フェノール樹脂Bを用いて、隣接水酸基を有する芳香族化合物が配合された実験例2〜9とを比較すると、実験例2〜9にあっては、待機時間が長くなっても、比較例2に比して高い強度が確保されており、可使時間が長くなっていると認められる。更に、再生砂は、新砂に比して、可使時間が短くなる傾向を有しているのであるが、実験例10と比較例5を比較すると、ピロガロールを配合することによって、可使時間が著しく改善されることも、認められる。
【0074】
加えて、比較例3,4では、2つ以上の水酸基を有しているものの、水酸基が芳香環の隣り合う位置に存在していない芳香族化合物(レゾルシノール、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン)が配合されているのであるが、120分経過後の鋳型強度は、芳香族化合物を含有しない比較例2と同程度であり、2つ以上の水酸基を有していても、それらが芳香環の隣り合う位置に存在しなければ、可使時間の延長化効果は得られない。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、鋳型用の有機粘結剤に対して、芳香環の隣り合う位置に少なくとも2つの水酸基を有する芳香族化合物が、必須の構成成分として含有せしめられているところから、抜型する際の硬化ムラや強度低下、触媒使用量の増加を引き起こすことなく、強度の高い鋳型が得られ、可使時間を大幅に延長することが可能となるのである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a mold organic binder used for molding a phenol-urethane-based gas-cured mold used in sand mold casting, a casting sand composition and a mold obtained using the same.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as one of the typical organic molds used in sand mold casting, phenol urethane molds that are formed using a phenol resin and a polyisocyanate compound as a binder and using their polyaddition reaction, Are known. The phenol-urethane mold includes a mass-produced gas-cured mold produced by the amine cold box method that does not require heating during molding, and a non-mass-produced self-hardened mold produced by the room temperature self-hardening method. In recent years, gas curing molds produced by the amine cold box method have been regarded as important from the viewpoint of dimensional accuracy and productivity of molds.
[0003]
By the way, the amine cold box method as described above usually kneads an organic binder composed of a phenol resin solution using an organic solvent as a solvent and a polyisocyanate solution to granular refractory foundry sand using a mixer. Thus, a casting sand composition (kneaded sand) obtained by coating the surface of the casting sand with the organic binder is supplied into a predetermined mold (molding mold), and a mold is formed. The mold is molded, and further, the amine-based catalyst gas is allowed to flow therethrough, thereby promoting the urethanization reaction between the phenol resin and the polyisocyanate compound, curing the foundry sand composition, and producing the mold in a short time. It is.
[0004]
As described above, in the amine cold box method, the casting sand composition is hardened by bringing the amine-based catalyst gas into contact therewith. However, in such a casting sand composition, an organic viscosity for a mold is used. From the point where the urethanization reaction gradually proceeds at the stage where the phenol resin component and the polyisocyanate component constituting the binder are mixed, and may start to harden, for example, in the molding site, in the sand hopper, When molds are made using the contained foundry sand composition for a long time, especially when the molds are made in a high-temperature and high-humidity working environment, the mold strength is significantly lower than the desired mold strength. Molding troubles are likely to occur due to the pot life of the foundry sand composition, such as molding of strong molds and, in some cases, various molding defects. It was the. In addition, when the pot life of the foundry sand composition is short, it is necessary to remove the foundry sand composition that remains in the sand hopper and becomes unusable. Yes.
[0005]
For this reason, conventionally, various compounds have been proposed as pot life extenders and curing retarders for extending the pot life of the foundry sand composition. For example, in US Pat. No. 4,436,881 (Patent Document 1), organic phosphorus compounds such as dichloroarylphosphine, chlorodiarylphosphine, and arylphosphinic acid dichloride have been proposed as compounds that extend the pot life. In US Pat. No. 4,540,724 (Patent Document 2), phosphorus halides such as phosphorus oxychloride, phosphorus trichloride, and phosphorus pentachloride are proposed. Furthermore, acids such as isophthalic acid chloride, salicylic acid, benzoic acid, phosphoric acid, acidic phosphoric acid ester, boric acid and the like have also been used conventionally as pot life extenders because they suppress the urethanization reaction. .
[0006]
However, the conventional pot life extender as described above has an effect of suppressing the urethanization reaction and delaying the hardening of the foundry sand composition, but is used to promote such a urethanation reaction. For amine-based curing catalysts, the catalytic action is hindered, causing unevenness of curing and a decrease in mold strength in the resulting mold, causing holes in the mold when being removed from the mold, In order to prevent such hardness unevenness and lowering of mold strength, there is a problem that an amine curing catalyst must be used more than necessary.
[0007]
[Patent Document 1]
U.S. Pat. No. 4,436,881
[Patent Document 2]
US Pat. No. 4,540,724
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
Here, the present invention has been made in the background of such circumstances, and the problem to be solved is that it can be used without causing uneven curing, a decrease in mold strength, and an increase in the amount of catalyst used. An organic binder for molds that can advantageously prolong the time, a foundry sand composition obtained by using the organic binder for molds with an extended pot life, and gas-curing the foundry sand composition It is to provide a mold that can be molded by making them.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive investigations to solve such problems, the present inventors have further identified the organic binder used in the molding of phenol urethane-based gas-curing molds. It has been found that the addition of this aromatic compound can significantly improve the pot life of the foundry sand composition and that such specific aromatic compound does not inhibit the catalytic action of the amine-based catalyst.
[0010]
Therefore, the present invention has been completed based on such knowledge, the gist of which is an organic binder used for molding a phenol-urethane gas curing mold, specific The organic binder for molds contains an aromatic compound having at least two hydroxyl groups at adjacent positions of an aromatic ring together with a phenol resin, a polyisocyanate compound, and an organic solvent as essential components.
[0011]
That is, in such an organic binder for a template according to the present invention, an aromatic compound having at least two hydroxyl groups at adjacent positions of the aromatic ring, that is, at least in the ortho position relative to the binding site of one hydroxyl group, Since an aromatic compound having at least one hydroxyl group is included, the phenol resin and the polyisocyanate compound react with each other before the organic binder is brought into contact with the curing catalyst, thereby causing an undesirable curing reaction. This is advantageously prevented or suppressed so that the pot life can be effectively extended.
[0012]
Moreover, since the specific aromatic compound is not a component that inhibits the curing action by the curing catalyst, it does not cause an increase in the amount of the curing catalyst used, and also causes uneven curing and a decrease in mold strength. Can be advantageously eliminated.
[0013]
According to one of the preferred embodiments of the organic binder for a mold according to the present invention, at least one selected from the group consisting of catechol, pyrogallol, and derivatives thereof is employed as the aromatic compound. By adopting such an aromatic compound, the pot life of the foundry sand composition can be improved more effectively.
[0014]
And , This departure Clearly According to said phenolic resin As Orthocresol-modified benzyl-terphenol resin Is used ,like this specific By adopting phenolic resin Casting The pot life of the sand composition is improved more effectively. It will be .
[0015]
In addition, the present invention also provides a foundry sand composition characterized by kneading the organic binder for a mold as described above with respect to the foundry sand. In the foundry sand composition obtained using the organic binder for molds described above, the reaction between the phenol resin and the polyisocyanate compound is suppressed, the curing is suppressed, and the pot life is advantageously improved. To get.
[0016]
In addition, according to one of the preferable embodiments of the foundry sand composition according to the present invention, a configuration in which the foundry sand is recovered sand or recycled sand is adopted. Such recovered sand or reclaimed sand generally has a tendency to shorten the pot life as compared with fresh sand, but the effect is obtained from the use of the organic binder for mold as described above. It is remarkably expressed.
[0017]
Further, the present invention provides a casting mold characterized in that the casting sand composition is cured and molded by bringing a tertiary amine gas into contact with the casting sand composition as described above. In the gas curing mold thus obtained, the occurrence of curing unevenness is advantageously prevented without causing an increase in the amount of tertiary amine used as a curing catalyst. At the same time, the mold strength is highly secured.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
By the way, in such an organic binder for molds according to the present invention, as a phenol resin used as one of its main components, various known various resins that have been conventionally used when molding phenol urethane molds are used. Phenolic resin Will be selected from . Specifically, in the presence of a reaction catalyst, phenols and aldehydes are generally in a ratio of 0.5 to 3.0 moles with respect to 1 mole of phenols, Benzyl ether type phenolic resin, resol type phenolic resin, novolac type phenolic resin, modified phenolic resins thereof, and mixtures thereof obtained by addition / condensation reaction and soluble in organic solvents Choose from One or more of these But selected It is selected and used. Among these, in particular, benzyl ether type phenol resin, more preferably, benzyl ether type phenol resin modified with orthocresol, and mixtures thereof are soluble in organic solvents and compatible with polyisocyanate. In the present invention, it is possible to effectively improve the pot life. advantageous Will be used.
[0019]
In addition, as a catalyst employ | adopted for the above addition and condensation reaction of phenols and aldehydes, it is not specifically limited, According to the type of desired phenol resin, an acidic catalyst, a basic catalyst, etc. Various catalysts conventionally used for the production of phenol resins are appropriately used. Among them, when producing a benzyl ether type phenol resin, for example, at least one of metal salts having metal elements such as tin, lead, zinc, cobalt, manganese, nickel, etc. is suitably employed as a reaction catalyst. To get. More specifically, such metal salts include, for example, lead naphthenate, zinc naphthenate, lead acetate, zinc chloride, zinc acetate, zinc borate, lead oxide, and acids capable of forming such metal salts. Examples include combinations of bases. Moreover, when employ | adopting such a metal salt as a reaction catalyst, the usage-amount is although it does not specifically limit, Generally, it will be 0.01-5 weight part with respect to 100 weight part of phenols. It will be used at a rate.
[0020]
Examples of the phenols that give the phenol resin include alkylphenols such as phenol, cresol, xylenol, p-tert-butylphenol, and nonylphenol, polyhydric phenols such as resorcinol, bisphenol F, and bisphenol A, and mixtures thereof. On the other hand, examples of aldehydes include formaldehyde, formalin, paraformaldehyde, polyoxymethylene, glyoxal, furfural, and mixtures thereof.
[0021]
Further, as described above, orthocresol-modified phenol resin, which is one of the phenol resins that can be employed in the present invention, is, for example, ortho-cresol and / or phenol in the presence of a reaction catalyst such as a metal salt. (1) Co-condensation type ortho cresol modified phenol resin of ortho cresol and phenol obtained by reaction with aldehydes, (2) Mixed type ortho cresol modified phenol resin of ortho cresol resin and phenol resin, 1) and (2) resins modified with a modifier (modifier), (3) modified orthocresol modified phenolic resin, and 2 of (1), (2) and (3) Examples thereof include a mixture obtained by combining more than one species.
[0022]
More specifically, the cocondensation-type orthocresol-modified phenol resin (1) described above is a cocondensation resin obtained by reacting orthocresol and phenol with aldehydes simultaneously or stepwise, Depending on the reaction conditions such as the type of reaction catalyst used, a novolak type, a resol type, a benzyl ether type, and a co-condensation type ortho cresol modified phenolic resin combining these types can be obtained. In addition, a benzyl ether type co-condensation type ortho-cresol-modified phenol resin is preferably used. The blending ratio of ortho-cresol and phenol is preferably ortho-cresol / phenol (weight ratio) = 10/90 to 90/10, more preferably 30 from the viewpoint of extending the pot life of the foundry sand composition. / 70 to 70/30 is desirable.
[0023]
The mixed orthocresol-modified phenol resin (2) described above is at least one selected from the group of novolak-type, resol-type and benzylether-type orthocresol resins obtained by reacting orthocresol and aldehydes. Obtained by mixing a kind of ortho-cresol resin and at least one phenol resin selected from the group of novolak-type, resol-type and benzyl ether-type phenol resins obtained by reacting phenol with aldehydes It is a mixed type ortho-cresol modified phenol resin. Among these, in the present invention, a benzyl ether type mixed ortho cresol-modified phenol resin obtained by mixing a benzyl ether type ortho cresol resin and a benzyl ether type phenol resin is preferably used. Further, even in such a mixed type ortho-cresol-modified phenol resin, from the viewpoint of extending the pot life of the foundry sand composition, the ortho-cresol resin and the phenol are adjusted so that the blending ratio of the ortho-cresol and the phenol is within the above-described range. The resin is preferably mixed at a ratio of orthocresol resin / phenol resin (weight ratio) = 10/90 to 90/10, more preferably 30/70 to 70/30.
[0024]
In addition, the modified orthocresol-modified phenolic resin (3) described above may be any modifier (modifier), for example, during or after the production of the co-condensation resin, orthocresol resin or phenol resin. Alkyd resin, epoxy resin, melamine resin, urea resin, xylene resin, vinyl acetate resin, polyamide resin, urea compound, melamine compound, epoxy compound, furfuryl alcohol, polyvinyl alcohol, urea, amides, linseed oil, cashew nut At least one modified orthocresol selected from the group of novolak type, resol type and benzyl ether type resins modified by mixing or reacting with shell liquid, rosin, starches, monosaccharides, etc. It is a modified phenolic resin. Among these, in the present invention, a modified ortho resin-modified phenol resin of benzyl ether type is preferably used.
[0025]
Thus, in the organic binder for molds according to the present invention, the phenol resin used as one of the main components is reduced in viscosity, compatible with the polyisocyanate solution described later, coating property to foundry sand, mold From the viewpoint of physical properties and the like, generally, a solution (hereinafter referred to as “phenol resin solution”) having a concentration of about 30 to 80% by weight dissolved in an organic solvent formed by combining a polar organic solvent and a nonpolar organic solvent. ").").
[0026]
On the other hand, in the organic binder for molds according to the present invention, the polyisocyanate compound used as another of the main components is obtained by polyaddition reaction with the active hydrogen of the phenol resin as described above, thereby converting the foundry sands to phenol. A compound having two or more isocyanate groups in the molecule which can be chemically bonded with urethane. Specific examples of such polyisocyanate compounds include aromatic, aliphatic or alicyclic polyisocyanates such as diphenylmethane diisocyanate. , Polymethylene polyphenylene polyisocyanate (hereinafter referred to as polymeric MDI), hexamethylene diisocyanate, 4,4'-dicyclohexylmethane diisocyanate, and isocyanates obtained by reacting these polyisocyanate compounds with polyols. Prepolymers having groups 2 or more, it can be mentioned various known polyisocyanates conventionally they may be used alone, or may be used in combination of two or more kinds.
[0027]
Further, even in such a polyisocyanate compound, for the same reason as the phenol resin as described above, generally, a nonpolar organic solvent or a mixed solvent of a nonpolar solvent and a polar organic solvent is used as a solvent. , It will be used as a solution in which the concentration is about 40 to 90% by weight. It should be noted that depending on the type of polyisocyanate compound to be used, it is not always necessary to dissolve it in an organic solvent, and it can be used as it is. Hereinafter, the polyisocyanate compound stock solution and a solution obtained by dissolving the polyisocyanate compound in an organic solvent are referred to as a polyisocyanate solution.
[0028]
The blending amount of the polyisocyanate solution with respect to the phenol resin solution is not particularly limited, but the blending ratio (weight basis) of the phenol resin and the polyisocyanate compound as active ingredients is generally phenol resin: The polyisocyanate compound is appropriately set so as to be 80:20 to 20:80.
[0029]
In the present invention, the organic solvent for dissolving the above-described phenol resin or polyisocyanate compound is non-reactive with the polyisocyanate compound and is a solute (phenol resin or polyisocyanate compound) to be dissolved. Although it is not particularly limited as long as it is a good solvent, in general, (1) a polar solvent for dissolving the phenol resin and (2) a polyisocyanate compound in such an amount that does not cause separation of the phenol resin. It is used in combination with a nonpolar solvent for dissolution.
[0030]
More specifically, the polar solvent of (1) is, for example, an aliphatic carboxylic acid ester. Among them, in particular, from the viewpoint of environmental safety, a dicarboxylic acid methyl ester mixture (manufactured by DuPont; trade name: DBE) Dicarboxylic acid alkyl esters such as dimethyl glutarate, dimethyl adipate and dimethyl succinate), methyl esters of vegetable oils such as rapeseed oil methyl ester, fatty acid monoesters such as ethyl oleate, ethyl palmitate, and mixtures thereof, etc. In addition to these esters, for example, ketones such as isophorone, ethers such as isopropyl ether, furfuryl alcohol, and the like can be mentioned. On the other hand, examples of the nonpolar solvent (2) include paraffins and naphthenes. , Petroleum-based hydrocarbons such as alkylbenzenes, Puzol 150 (Idemitsu Petrochemical Co., Ltd .; petroleum solvent), Hisol; can be exemplified (Showa Shell Sekiyu Co. petroleum solvent) and the like.
[0031]
By the way, in the organic binder for a mold according to the present invention, in addition to the above-described phenol resin solution and polyisocyanate solution, an aromatic compound having at least two hydroxyl groups at positions adjacent to the aromatic ring (hereinafter, referred to as “an aromatic compound”). "Aromatic compound having an adjacent hydroxyl group") is used as an essential component, and the organic binder for mold according to the present invention and the foundry sand are used by the aromatic compound having the adjacent hydroxyl group. The pot life of the foundry sand composition (kneaded sand) obtained by kneading can be effectively extended.
[0032]
As described above, regarding the mechanism by which the pot life of the foundry sand composition (kneaded sand) is effectively extended by using the organic binder mixed with the aromatic compound having an adjacent hydroxyl group, there is still a problem. Although not fully clarified, it is presumed as follows. That is, according to the inventor's guess, urethanization of phenol resin and polyisocyanate compound is caused by a metal component derived from a reaction catalyst used in producing a phenol resin or a metal component present on the surface of foundry sand. There is a tendency for the reaction to be promoted, but by adding an aromatic compound having an adjacent hydroxyl group, the oxygen atom of the adjacent hydroxyl group of the aromatic compound interacts electrically with the metal component to form a metal. More specifically, two oxygen atoms of adjacent hydroxyl groups of the aromatic compound are coordinated to a metal ion to form a stable 5-membered chelate ring. It is thought that this is because the promotion of the urethanization reaction is effectively suppressed. Incidentally, according to the study by the present inventors, it is recognized that even if there are two or more hydroxyl groups, it is difficult to improve the pot life if they are not present at adjacent positions. ing.
[0033]
In addition, the aromatic compound having such an adjacent hydroxyl group does not react with the catalyst for the urethanization reaction (curing catalyst) and is not a component that inhibits the curing action, so that there are problems such as uneven curing and reduced mold strength. Generation | occurrence | production of this can be suppressed very advantageously, and the increase in the usage-amount of a curing catalyst can also be avoided.
[0034]
The aromatic compound having an adjacent hydroxyl group is an aromatic compound having at least two hydroxyl groups, each having a hydroxyl group bonded to adjacent positions in an aromatic ring such as a benzene ring or a naphthalene ring. Any of those having an acidic group such as a carboxyl group in addition to such a hydroxyl group consumes a ventilated curing catalyst (urethanization catalyst) gas, and Its use should be avoided because it can interfere with catalysis. Specifically, examples of the aromatic compound having an adjacent hydroxyl group that are advantageously used in the present invention include catechol, 4-methylcatechol, 4-ethylcatechol, 4-t-butylcatechol, pyrogallol, 1,2,4. -Trihydroxybenzene, methyl gallate, ethyl gallate, methyl protocatechuate, ethyl protocatechuate, 1,2-naphthalenediol, 2,3-naphthalenediol, etc., and derivatives thereof such as 2- (4-hydroxy Phenyl) -2- (2,3,4-trihydroxyphenyl) propane, 2,6-bis (2,3,4-trihydroxybenzyl) -4-methylphenol, bis (4,5-dihydroxy-2-phenyl) Methylphenol) phenylmethane and the like. Moreover, the aromatic compound which has these adjacent hydroxyl groups may be used independently, and may be used in combination of 2 or more type. Among these, from the viewpoint of pot life and cost, catechol, pyrogallol, and 2- (4-hydroxyphenyl) -2- (2,3,4-trihydroxyphenyl) propane, which are derivatives thereof, 2 , 6-bis (2,3,4-trihydroxybenzyl) -4-methylphenol, bis (4,5-dihydroxy-2-methylphenol) phenylmethane and the like are more preferably used in the present invention. It becomes.
[0035]
In addition, the amount of the aromatic compound having an adjacent hydroxyl group is not generally limited, and may be appropriately set according to the type of the aromatic compound used, the amount of metal present in the foundry sand, and the like. In consideration of pot life and cost, generally, the range is 0.1 to 100 parts by weight, preferably 0.3 to 10 parts by weight, with respect to 100 parts by weight of the phenol resin contained in the phenol resin solution. It is desirable that
[0036]
Thus, the organic binder for a mold according to the present invention is formed by the aromatic compound having an adjacent hydroxyl group as described above, and the phenol resin solution and polyisocyanate solution that form phenol urethane. For organic binders, if necessary, a pot life extender different from the above-mentioned aromatic compounds having adjacent hydroxyl groups, mold release agents, strength deterioration inhibitors, anti-drying agents, etc. Various known additives used in organic binders can be appropriately selected and blended. However, it goes without saying that these various additives can be used in a quantitative range that does not impair the effects that can be enjoyed by the present invention.
[0037]
In addition, among various additives as described above, the pot life extender (curing retarder) has been conventionally used as a component for suppressing the urethanization reaction and extending the pot life of the foundry sand composition. In the present invention, it can be used to further assist the effect of extending the pot life by the aromatic compound having an adjacent hydroxyl group as described above. Preferable specific examples include isophthalic acid chloride, salicylic acid, benzoic acid, phosphoric acid, acidic phosphate ester, phosphorus chloride, boric acid and the like.
[0038]
Further, the mold release agent reduces the resistance when the mold obtained using the organic binder according to the present invention is removed from the mold, and a part of the molding sand composition blown and filled into the mold is used. It is an additive used for obtaining a smooth and high-precision mold that prevents a stain caused by adhering to the mold when the mold is removed. Preferred examples include long-chain fatty acids and long-chain fatty acid esters. , Tall oil fatty acid, alkyd resin, liquid polybutadiene and the like. In general, these can be used in a proportion of about 0.01 to 100 parts by weight, preferably about 0.1 to 10 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the phenol resin.
[0039]
Furthermore, the strength deterioration preventing agent is used for suppressing the deterioration of the mold strength in a humid environment and for improving the adhesiveness between the resin component of the organic binder and the foundry sand, and is suitable. Examples include amino silanes such as N-β (aminoethyl) -γ-aminopropyltrimethoxysilane and γ-aminopropyltriethoxysilane, and epoxy silanes such as γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane. And silane coupling agents such as The amount of the strength deterioration inhibitor used is generally about 0.01 to 5 parts by weight, preferably about 0.05 to 2.5 parts by weight, based on 100 parts by weight of the phenol resin. Is done.
[0040]
Thus, an organic binder for a mold according to the present invention is constituted by various components as described above, and a phenol-urethane-based gas curing mold is formed using the organic binder for a mold.
[0041]
Specifically, when molding a gas-curing mold by the cold box method, first, an organic binder for mold is kneaded into the foundry sand to coat the surface of the foundry sand with an organic binder for mold. The resulting casting sand composition (kneaded sand) is produced. That is, for the foundry sand, as an organic binder, a phenol resin solution, a polyisocyanate solution, an aromatic compound having an adjacent hydroxyl group, and if necessary, various other additives are sufficiently kneaded. By mixing, the molding sand composition is manufactured by coating the molding sand surface with the organic binder for mold. At this time, the aromatic compound having various hydroxyl groups and various additives are added to either one of the phenol resin solution and the polyisocyanate solution separately prepared so that they can be uniformly mixed with the foundry sand composition, or Added to both, mixed, or dissolved or dispersed in a suitable organic solvent and mixed with the phenolic resin solution or polyisocyanate solution into the foundry sand during kneading, or It is also possible to add and mix after completion of the condensation during the production of the phenol resin. In this case, it is preferable to perform heating after the addition in order to promote chelation with metal ions.
[0042]
In addition, when producing this foundry sand composition, the phenol resin solution and polyisocyanate solution constituting the organic binder for mold are polyaddition reaction of phenol resin and polyisocyanate compound with an aromatic compound having an adjacent hydroxyl group. Although (urethane reaction) is suppressed, it is prepared separately and prepared in advance from the point where urethanization (curing) starts gradually from the stage of mixing them, usually mixed when kneading with foundry sand Will be. Further, the kneading / mixing operation is preferably performed at a temperature in the range of −10 to 50 ° C. using a continuous or batch mixer similar to the conventional one.
[0043]
Next, the molding sand composition obtained as described above is shaped in a mold that gives a desired shape, and then a tertiary amine gas that is a curing catalyst is passed through it. The curing reaction of the foundry sand composition is promoted to produce a gas curing mold. As the tertiary amine used as the curing catalyst, for example, conventionally known ones such as triethylamine, dimethylethylamine, dimethylisopropylamine, etc. can be exemplified, and at least one of them is selected, Used in the usual quantitative range.
[0044]
By the way, in the preparation of the foundry sand composition that gives the gas curing mold described above, the blending amount of the phenol resin solution and the polyisocyanate solution with respect to the foundry sand, A ratio of 0.01 to 5.0 parts by weight, preferably 0.1 to 2.0 parts by weight, can be suitably employed for 100 parts by weight of foundry sand. Moreover, as a compounding quantity of the aromatic compound which has an adjacent hydroxyl group with respect to foundry sand, it is 0.00001-5 weight part with respect to 100 weight part of foundry sand, Preferably it is a ratio used as 0.0003-0.2 weight part Can be suitably employed.
[0045]
Further, the foundry sand used in the present invention may be natural sand or artificial sand as long as it is fireproof conventionally used for molds, and is not particularly limited. . For example, silica sand, olivine sand, zircon sand, chromite sand, alumina sand, ferrochrome slag, ferronickel slag, converter slag, mullite artificial particles (for example, trade names “available from ITOCHU CERATECH CORPORATION” Niigacera beads ”), artificial aggregate made by granulating ferronickel slag (for example,“ Sunpearl ”, a trade name available from Yamakawa Sangyo Co., Ltd.), etc. Alternatively, two or more types can be used in combination. Note that these foundry sands may be fresh sands, or may be recovered sands or recycled sands that have been used once or a plurality of times as mold sands for casting, or even such recycled sands. There is no problem even if it is mixed sand in which fresh sand is added to sand or recovered sand and mixed. In addition, among these, in particular, artificial aggregates (eg, sun pearl) obtained by granulating ferronickel by-products, recovered sand, and reclaimed sand are presumed to have an action of promoting the urethanization reaction. Since there are many potential metal components compared to other foundry sands, it has been recognized that the pot life is shorter than in the past. By using the agent, the effect of extending the pot life is very remarkably exhibited.
[0046]
In the present invention, “recovered sand” means a product obtained by crushing a collected mold lump to a sand granule using a conventionally known crusher such as a crusher after casting the mold. In addition, “recycled sand” is intended to be obtained by subjecting such recovered sand to a predetermined regeneration processing operation. In general, examples of the regeneration treatment include an abrasion-type regeneration treatment that removes deposits adhering to the surface of the foundry sand by polishing, a roasting-type regeneration treatment that removes the deposit by heat treatment, and the like. Any known process can be employed as long as it is a process capable of removing deposits from the foundry sand.
[0047]
Thus, in the gas curing mold manufactured as described above, the occurrence of curing unevenness is advantageously prevented without causing an increase in the amount of tertiary amine used as a curing catalyst. At the same time, the mold strength is also secured to a high degree, and as a sand mold such as a sand core, it is advantageously used for casting of casting products made of various metals such as aluminum alloys, magnesium alloys, and iron. .
[0048]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. However, the present invention is not construed as being limited in any way by the description of such examples. In this example, the measurement of the mold strength immediately after cutting and after 24 hours was performed as follows.
[0049]
-Measurement of mold strength immediately after mold removal and after 24 hours-
After the casting sand composition (kneading sand) having a waiting time of 0 to 120 minutes after the kneading is charged, the casting sand composition is filled into a mold of a bending strength test piece molding apparatus, and then the mold is used. Inside, triethylamine was aerated to prepare two bending strength test pieces of width: 30 mm × length: 85 mm × thickness: 10 mm. The blow conditions were pressure: 0.3 MPa × time: 3 seconds, while the triethylamine gassing time + air purge conditions were pressure: 0.3 MPa × time: 10 seconds. And the bending strength (N / cm of the obtained test piece 2 ) Immediately or after standing at room temperature for 24 hours, and then using a compact compression bending tester SC200D (manufactured by Takachiho Seiki Co., Ltd.). did. Except for the foundry sand composition immediately after kneading (immediately after preparation) with a waiting time of 0 minutes, in a polyethylene bucket under a temperature: 40 ° C. × relative humidity: 80% environment for a predetermined time (30 , 60, 90, 120 minutes), and was allowed to stand to obtain a foundry sand composition having a waiting time of 30 to 120 minutes. Moreover, it is evaluated that the casting sand composition having a higher strength value after aging than the strength immediately after kneading has a longer pot life.
[0050]
A phenol resin solution A, a phenol resin solution B, and a polyisocyanate solution were prepared and prepared as follows. And the foundry sand composition which concerns on Examples 1-10 and Comparative Examples 1-5 was prepared using these phenol resin solution A or phenol resin solution B, and a polyisocyanate solution.
[0051]
-Preparation of phenol resin solution A-
In a three-neck reaction flask equipped with a reflux, a thermometer and a stirrer, as shown in Table 1 below, 100 parts by weight of phenol, 55.5 parts by weight of 92% by weight paraformaldehyde, and a divalent metal salt As a starting material, 0.32 parts by weight of lead naphthenate was added and reacted at the reflux temperature for 90 minutes, and then concentrated by heating to obtain a benzyl ether type phenol resin (phenol resin A) having a water content of 1% by weight or less. . Next, the phenol resin A was diluted with an organic solvent of DBE: Ipsol 150: Hysol = 45: 45: 10, and 0.5% by weight of γ-glycidoxypropyltrimethoxy with respect to the phenol resin A. Silane was added to prepare a phenol resin solution A having a phenol resin content of 50% by weight.
[0052]
-Preparation of phenol resin solution B-
As shown in Table 1 below, 50 parts by weight of phenol and 50 parts by weight of orthocresol (phenol / orthocresol = 50/50) were placed in a three-necked reaction flask equipped with a refluxer, a thermometer and a stirrer. , 91.9 parts by weight of paraformaldehyde, 92% by weight, and 0.32 parts by weight of lead naphthenate as a divalent metal salt, reacted at reflux temperature for 90 minutes, and then concentrated by heating to obtain a water content of 1 An ortho-cresol-modified benzyl ether type phenolic resin (phenolic resin B) having a weight percent or less was obtained. Then this phenolic resin B Is diluted with an organic solvent of DBE: Ipsol 150: Hysol = 45: 45: 10, 0.5% by weight of γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane is added to phenol resin B, and phenol is added. A phenol resin solution B having a resin content of 50% by weight was prepared.
[0053]
[Table 1]
[0054]
-Preparation of polyisocyanate solution-
Polymeric MDI, which is a polyisocyanate compound, was diluted with an organic solvent of ipsol 150: hysol = 60: 40, and phthalic acid chloride was added so as to be 0.93% by weight of polymeric MDI. A 75% by weight polyisocyanate solution was prepared.
[0055]
<Actual Experiment Example 1>
First, 0.5 parts by weight of pyrogallol was added to 100 parts by weight of the phenol resin solution A, and dissolved by heating and stirring. Next, a phenol resin solution A containing 1000 parts by weight of Wedron silica sand previously left in an atmosphere of temperature: 40 ° C. × relative humidity: 80% in a Dalton Co., Ltd. product Kawa type tabletop mixer and pyrogallol. And 5 parts by weight of the polyisocyanate solution were added and stirred and kneaded for 40 seconds to prepare foundry sand coated with an organic binder, that is, a foundry sand composition.
[0056]
Then, by using the obtained foundry sand composition, the mold strength was measured immediately after kneading to 120 minutes after mold removal and after 24 hours according to the above test method, and the results are shown in Table 2 below. Also shown.
[0057]
<Actual Experiment Example 2>
Above Experiment In the preparation of the foundry sand composition of Example 1, instead of the phenol resin solution A containing pyrogallol, the phenol resin solution B containing 0.5 parts by weight of catechol with respect to 100 parts by weight of the phenol resin solution B Except for using Experiment A foundry sand composition was prepared in the same manner as in Example 1. And the mold strength was measured using the obtained foundry sand composition, and the results are shown in Table 2 below.
[0058]
<Actual Experiment Example 3>
Above Experiment In the preparation of the foundry sand composition of Example 2, except that pyrogallol was used instead of catechol, Experiment A foundry sand composition was prepared in the same manner as in Example 2, and the mold strength was measured using the obtained foundry sand composition. The results are shown in Table 2 below.
[0059]
<Actual Experiment Example 4>
Above Experiment In the preparation of the foundry sand composition of Example 2, in place of catechol, 1,2,4-trihydroxybenzene was used except that Experiment A foundry sand composition was prepared in the same manner as in Example 2, and the mold strength was measured using the obtained foundry sand composition. The results are shown in Table 2 below.
[0060]
<Actual Experiment Example 5>
Above Experiment In the preparation of the foundry sand composition of Example 2, except that ethyl gallate was used instead of catechol, Experiment A foundry sand composition was prepared in the same manner as in Example 2, and the mold strength was measured using the obtained foundry sand composition. The results are shown in Table 2 below.
[0061]
<Actual Experiment Example 6>
Above Experiment Except that n-propyl gallate was used instead of catechol in the preparation of the foundry sand composition of Example 2, Experiment A foundry sand composition was prepared in the same manner as in Example 2, and the mold strength was measured using the obtained foundry sand composition. The results are shown in Table 2 below.
[0062]
<Actual Experiment Example 7>
Above Experiment The preparation of the foundry sand composition of Example 2 was carried out except that 2- (4-hydroxyphenyl) -2- (2,3,4-trihydroxyphenyl) propane was used instead of catechol. Experiment A foundry sand composition was prepared in the same manner as in Example 2, and the mold strength was measured using the obtained foundry sand composition. The results are shown in Table 2 below.
[0063]
<Actual Experiment Example 8>
Above Experiment In the preparation of the foundry sand composition of Example 2, in place of catechol, 2,6-bis (2,3,4-trihydroxybenzyl) -4-methylphenol was used. Experiment A foundry sand composition was prepared in the same manner as in Example 2, and the mold strength was measured using the obtained foundry sand composition. The results are shown in Table 2 below.
[0064]
<Actual Experiment Example 9>
Above Experiment In the preparation of the foundry sand composition of Example 2, bis (4,5-dihydroxy-2-methylphenol) phenylmethane was used in place of catechol. Experiment A foundry sand composition was prepared in the same manner as in Example 2, and the mold strength was measured using the obtained foundry sand composition. The results are shown in Table 2 below.
[0065]
<Actual Experiment Example 10>
Above Experiment In the preparation of the foundry sand composition of Example 3, in place of fresh sand of Wedron silica sand, except that regenerated sand of Wedron silica sand was used, Experiment A foundry sand composition was prepared in the same manner as in Example 3, and the mold strength was measured using the obtained foundry sand composition. The results are shown in Table 2 below.
[0066]
<Comparative Example 1>
Above Experiment In the preparation of the foundry sand composition of Example 1, in place of the phenol resin solution A containing pyrogallol, a phenol resin solution A that does not contain any aromatic compound having an adjacent hydroxyl group such as pyrogallol was used. Experiment A foundry sand composition was prepared in the same manner as in Example 1. And the mold strength was measured using the obtained foundry sand composition, and the results are shown in Table 2 below.
[0067]
<Comparative example 2>
Above Experiment In the preparation of the foundry sand composition of Example 2, in place of the phenol resin solution B containing catechol, a phenol resin solution B not containing an aromatic compound having an adjacent hydroxyl group was used. Experiment A foundry sand composition was prepared in the same manner as in Example 2, and the mold strength was measured using the obtained foundry sand composition. The results are shown in Table 2 below.
[0068]
<Comparative Example 3>
Above Experiment In the preparation of the foundry sand composition in Example 2, resorcinol was used in place of catechol. Experiment A foundry sand composition was prepared in the same manner as in Example 2, and the mold strength was measured using the obtained foundry sand composition. The results are shown in Table 2 below.
[0069]
<Comparative example 4>
Above Experiment In the preparation of the foundry sand composition of Example 2, in place of catechol, 1,3,5-trihydroxybenzene was used. Experiment A foundry sand composition was prepared in the same manner as in Example 2, and the mold strength was measured using the obtained foundry sand composition. The results are shown in Table 2 below.
[0070]
<Comparative Example 5>
Above Experiment In the preparation of the foundry sand composition of Example 10, in place of the phenol resin solution B containing pyrogallol, a phenol resin solution B not containing an aromatic compound having an adjacent hydroxyl group was used. Experiment A foundry sand composition was prepared in the same manner as in Example 10, and the mold strength was measured using the obtained foundry sand composition. The results are shown in Table 2 below.
[0071]
[Table 2]
[0072]
As apparent from the results in Table 2 above, in the foundry sand composition according to Comparative Example 1 in which no aromatic compound having an adjacent hydroxyl group is blended using the phenol resin A, 120% after kneading. In contrast to the fact that molding cannot be performed after a minute, the compound containing pyrogallol, an aromatic compound having an adjacent hydroxyl group, was blended. Experiment In the foundry sand composition according to Example 1, it can be seen that the molding was completed even after 120 minutes, and that the pot life was extended by blending such pyrogallol.
[0073]
Similarly, Comparative Example 2 in which no aromatic compound having an adjacent hydroxyl group is blended using the phenol resin B, and an aromatic compound having an adjacent hydroxyl group is blended using the phenol resin B. Experiment When comparing Examples 2-9, Experiment In Examples 2 to 9, even when the standby time is long, a higher strength is secured as compared with Comparative Example 2, and it is recognized that the pot life is long. Furthermore, recycled sand tends to have a shorter pot life than fresh sand. Experiment Comparing Example 10 and Comparative Example 5, it can also be seen that the pot life is significantly improved by incorporating pyrogallol.
[0074]
In addition, in Comparative Examples 3 and 4, an aromatic compound (resorcinol, 1,3,5-trihydroxybenzene) having two or more hydroxyl groups but having no hydroxyl group adjacent to the aromatic ring. ), But the template strength after 120 minutes is similar to that of Comparative Example 2 that does not contain an aromatic compound, and even if it has two or more hydroxyl groups, they are aromatic rings. If it does not exist in the position adjacent to each other, the effect of extending the pot life cannot be obtained.
[0075]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, an aromatic compound having at least two hydroxyl groups at positions adjacent to an aromatic ring is contained as an essential component in the organic binder for a template. Therefore, a mold with high strength can be obtained without causing unevenness of curing at the time of mold removal, reduction in strength, and increase in the amount of catalyst used, and the working life can be greatly extended.
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