JP4312447B2 - 微細藻類を使用したシート材の製造方法 - Google Patents

微細藻類を使用したシート材の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、紙またはマルチングシート等のシート材の表面に微細藻類を混合させた液体、微細藻類の抽出液またはその抽出残渣を塗布することによって、前記シート材を生分解性にする微細藻類を使用したシート材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、木材パルプからなるシート材を製造することによって木材資源が減少するという環境的な問題があり、一方で、池、沼、湖または海等に微細藻類が発生するという環境的な問題がある。
【0003】
そして、前記シート材を廃棄した場合には、該シート材を燃焼させることによってCO等のガスを生じて環境を汚染し、また、前記パルプからなるシート材を、例えば、農業用のマルチングシートとして使用した場合には、前記シート材の分解速度が遅いため、同一の土壌で続けて栽培を行おうとした際に、前記シート材がほとんど分解していないということがあった。
【0004】
そこで、これら環境問題の対策の一つとして、前記微細藻類を使用してマルチングシートを製造する方法がある(特許文献1参照)。
【0005】
この特許文献1の公知技術の藻マルチングシート及びその製造方法においては、叩解装置でパルプを叩きもみほぐし、該パルプにクロレラを入れ、濃度調整、ペーハー調整、歩留まり向上剤の添加及び除塵をし、抄紙して前記マルチングシートを得るというものである。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−236757号公報(第2頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1の公知技術においては、前記マルチングシートを製造する際に、前述のような複雑な工程を要するものであり、また、既存する紙またはマルチングシート等のシート材を使用することができないという問題点を有する。
【0008】
従って、従来の微細藻類を使用したシート材の製造方法においては、シート材を簡単に製造でき、また、既存のシート材についても容易に生分解性のシート材にすることができるようにするということに解決しなければならない課題を有している。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した従来例の課題を解決する具体的手段として本発明に係る発明として、パルプを主原料としたシート材の表面に微細な藻類を使用して塗工処理したシート材の製造方法であって、少なくとも一種の微細藻類に、該微細藻類濃度が1〜70%になるように液体を添加し、これを少なくとも1時間撹拌抽出したもの、該撹拌をして前記微細藻類の成分を抽出した後に濾過して得た抽出残渣、または該抽出残渣を取り除いた抽出液、のいずれか一種または二種以上を混合させて塗工処理剤にし、パルプを主原料とするシート材の表面に前記塗工処理剤を塗布して、前記シート材を乾燥させることを特徴とする微細藻類を使用したシート材の製造方法を提供するものである。
【0010】
この発明においては、前記パルプを主原料とするシート材は、少なくとも一種の微細藻類をそのまま、該微細藻類に、該微細藻類濃度が1〜70%になるように液体を添加し少なくとも1時間撹拌して前記微細藻類の成分を抽出した後に濾過して得た抽出残渣、または該抽出残渣を取り除いた抽出液、のいずれか一種または二種以上を混合させて微細藻類混合物にし、パルプをスラリー状にしたパルプスラリーに前記微細藻類混合物を1〜35重量%添加して撹拌し、これを抄紙したこと;前記塗工処理剤またはパルプを主原料とするシート材には、前記シート材または前記パルプスラリーの1〜3重量%の紙力増強剤を添加したこと;前記微細藻類は、藍藻綱、灰青藻綱、紅藻綱、黄色鞭毛藻綱、黄緑色藻綱、渦鞭毛藻網、褐色鞭毛藻綱、ラフィド藻綱、ミドリムシ藻綱、緑藻綱、プラシノ藻綱、珪藻綱、真正眼点藻綱、ハプト藻綱またはユーグレナ藻綱のいずれかに属する微細藻類であること;前記液体が、水、エタノール、メタノール、アセトンまたはグリセリンであること;を付加的な要件として含むものである。
【0011】
本発明に係る微細藻類を使用したシート材の製造方法は、微細藻類混合液体、微細藻類の抽出液、または該抽出残渣のいずれか一種または二種以上を混合して塗工処理剤にし、該塗工処理剤をパルプを主原料とするシート材の表面に塗布して、該シート材を乾燥させることにより、池、沼、湖または海等の発生した微細藻類を有効に処理できると共に、シート材を簡単に製造でき、また、既存する紙またはマルチングシート等のシート材を容易に生分解性のシート材にすることができ、更に、微細藻類をシート材の表面に存在させているため、パルプに藻を添加して作製したマルチングシートよりも、速やかに生分解されるようにできるのである。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を具体的な実施の形態に基づいて詳しく説明する。
本発明に係る微細な藻類としては、藍藻綱(Cyanophyceae)クロオコックス目(Cyroococcaceae)のシネコキスチス属(Synechocystis)、シネココックス属(Synechococcus)、ダクチロコッコプシス属(Dactylococcopsis)、テトラペジア属(Tetrapedia)、クロオコックス属(Chroococcus)、ミクロキスチス属(Microcystis)、アファノカプサ属(Aphanocapsa)、グロエオカプサ属(Gloeocapsa)、アファノテーケ属(Aphanothece)、ラブドゲルマ属(Rhabdoderma)、グロエオケーテ属(Gloeothece)、プソイドホロペジア属(Pseudoholopedia)、メリスモペジウム属(Merismopedium)、ユウカプシス属(Eucapsis)、ゴンフェスフェリア属(Gomphosphaeria)、コエロスフェリウム属(Coelosphaerium)又はアイノゴノメ属(Merismopedia)及びカマエシフォン目(Chamaesiphonales)のカマエシフォン属(Chamaesiphon)及びプレウロカプサ目(Pleurocapsales)のミクソサルシナ属(Myxosarcina)、ヒドロコックス属(Hydrococcus)、クセノコックス属(Xenococcus)又はプレウロカプサ属(Pleurocapsa)及びネンジュモ目(Nostocales)のノストック属(Nostoc)、ホモエオスリックス属(Homoeothrix)、ジコスリックス属(Dichothrix)、カロスリックス属(Calothrix)、グロエオトリキア属(Gloeotrichia)、ヒゲモ属(Rivularia)、イサクチス属(Isactis)、プレクトネマ属(Plectonema)、トリポスリックス属(Tolypothrix)、スキトネマ属(Scytonema)、スキトネマトプシス属(Scytonematopsis)、ヒドロコリーネ属(Hydrocoryne)、ミクロケト属(Microchaete)、ネンジュモ属(Nostoc)、アファニゾメノン属(Aphanizomenon)、アナベナ属(Anabaena)、アウロシラ属(Aulosira)、ノジュラリア属(Nodularia)、アナベノプシス属(Anabaenopsis)又はキリンドロスペルマム属(Cylindrospermum)及びユレモ目(Oscillatoriales)のボルジア属(Borzja)、スピルリナ属(Spirulina)、ユレモ属(Oscillatoria)、フォルミジウム属(Phormidium)、リングピア属(Lyngbya)、シンプロカ属(Symploca)、ムラサキクダモ属(Porphyrosiphon)、ダシグロエア属(Dasygloea)、シゾスリックス属(Schizothrix)又はミクロコレウス属(Microcoleus)及びスチゴネマ目(Stigonematales)のフィツシェレラ属(Fischerella)、スチゴネマ属(Stigonema)、タルポフィラ属(Thalpophila)、ハパロシフォン属(Hapalosiphon)、ウエステレロプシス属(Westiellopsis)、ノストコプシス属(Nostochopsis)又はイデユアイミドリ属(Mastigocladus)、灰青藻綱(Glaucophyceae)グラウコスフェラ目(Glaucosphaerales)のスクヤペルタ属(Skujapelta)、紅藻綱(Rhodophyceae)チノリモ目(Porphyridiales)のポルフィリディウム属(Porphyridium)、チノリモ属(Porphyridium)、イデユコゴメ属(Cyanidiaceae)、ロドソルス属(Rhodosorus)、ロデラ属(Rhodella)又はディクソニエラ属(Dixoniella)、黄色鞭毛藻綱(Chrysophyceae)リゾクリシス目(Rhizochrysidales)のラギニオン属(Lagynion)及びヒカリモ目(Chromulinales)のクリソスフェラ属(Chrysosphaera)、ヒカリモ属(Chromulina)、ヘテロクロムリナ属(Heterochromulina)、クリソコックス属(Chrysococcus)、コドモナス属(Codomonas)、クリソカプサ属(Chrysocapsa)又はミズオ属(Hydrurus)及びオクロモナス目(Ochromonadales)のオクロモナス属(Ochromonas)0、ディディモクリシス属(Didymochrysis)、シンクリプタ属(Synchrypta)、ウログレナ属(Uroglena)、ウログレノプシス属(Uroglenopsis)、シノブリオン属(Dinobryon)、ヒアロブリオン属(Hyabryon)、マロモナス属(Mallomonas)、シヌラ属(Synura)、クリソスフェラ属(Chysosphaerella)又はパラフィソモナス属(Paraphysomonas)及びディクチオカ目(Dictyochales)のディクチオカ属(Dictyocha)、黄緑色藻綱(Xanthophyceae)リゾクロリス目(Rhizochloridales)のスチピトコックス属(Stipitococcus)及びミショコックス目(Mischococcales)のボツリジオプシス属(Botrydiopsis)、クロロクロステル属(Chlorocloster)、エリプソイドン属(E1lipsoidon)、モノドス属(Monodus)、クロロボツリス属(Chiorobotrys)、ミショコックス属(Mischococcus)、カラシオプシス属(Characiopsis)又はオフィオキチウム属(Ophiocytium)、渦鞭毛藻網(Dinophyceae)ギムノジニウム目(Gymnodiniales)のアンフィジニウム属(Amphidinium)、ギムノジニウム属(Gymnodinium)又はギロジニウム属(Gyrodinium)及びペリジニウム目(Peridiniales)のへミジニウム属(Hemidinium)、グレンジニウム属(Glenodinium)、ジプロプサリス属(Diplopsalis)、ペリジニウム属(Peridinium)、ケラチウム属(Ceratium)、ヘテロカプサ属(Heterocapsa)又はプロトペリジニウム属(Protoperidinium)及びジノコックス目(Dinococcales)のチストジニウム属(Cystodinium)又はテトラジニウム属(Tetradinium)及びプロロケントルム目(Prorocentrles)のプロロケントルム属(Prorocentrum)及びディノフィシス目(Dinophysiales)のディノフィシス属(Dinophysis)又はオウニトケルクス属(Ornithocercus)、褐色鞭毛藻綱(Cryptophyceae)クリプトモナス目(Cryptomonadales)のクリプトモナス属(Cryptomonas)、キロモナス属(Chilomonas)、へミセルミス属(Hemiselmis)又はロドモナス属(Rhodomonas)、ラフィド藻綱(Raphidophyceae)ラフィドモナス目(Raphidomonadales)のバクオラリア属(Vacuolaria)、ゴニオストマム属(Gonyostomum)、メロトリキア属(Merotrichia)又はシャットネラ属(Chattonella)、ミドリムシ藻綱(Euglenophyceae)ミドリムシ目(Euglenales)のミドリムシ属(Euglena)、レポシンクリス属(Lepocinclis)、ファクス属(Phacus)アスタシア属(Astasia)、キクリジオプシス属(Cyclidiopsis)、トラケロモナス属(Trachelomonas)、ジスチグマ属(Distigma)、ペラネマ属(Peranema)又はアニソネマ属(Anisonema)及びコラキウム目(Colaciales)のコラキウム属(Colacium)及びユートレプティア目(Eutreptiales)のユートレプティア属(Eutreptia)、緑藻綱(Chlorophyceae)オオヒゲマワリ目(Volvocales)のへマトコックス属(Haematococcus)、カルテリア属(Carteria)、クロロゴニウム属(Chlorogonium)、ロボモナス属(Lobomonas)、クラミドモナス属(Chlamydomonas)、デュナリエラ属(Dunaliella)、ゴニウム属(Gonium)、プレオドリナ属(Pleodorina)、オオヒゲマワリ属(Volvox)、パンドリナ属(Pandorina)又はユウドリナ属(Eudorina)及びヨツメモ目(Tetrasporales)のアステロコックス属(Asterococcus)、パルモジクチオン属(Palmodictyon)、グロエオキスチス属(Gloeocystis)、アスケナシエラ属(Askenasyella)、スファエロキスチス属(Sphaerocystis)又はヨツメモ属(Tetraspora)及びヒビミドロ目(Ulotrichales)のスチココックス属(Stichococcus)及びクロロコックム目(Chlorococcales)のデスマトラクツム属(Desmatractum)、ブラクテアコックス属(Bracteacoccus)、クロロコックム属(Chlorococcum)、ゴレンキニア属(Golenkinia)、キルヒネリエラ属(Kirchneriella)、アンキストロデスムス属(Ankistrodesmus)、クロレラ属(Chlorella)又はセネデスムス属(Scenedesmus)及びホシミドロ目(Zygnematales)のネトリウム属(Netrium)、ペニウム属(Penium)、ミカヅキモ属(Closterium)、コウガイチリモ属(Pleurotaenium)又はツヅミモ属(Cosmarium)、プラシノ藻綱(Prasinophyceae)マミエラ目(Mamiellales)のプラシノコックス属(Prasinococcus)又はミクロモナス属(Micromonas)及びプセウドスコウルフィエルディア目(Pseudoscourfieldiales)のネフロセルミス属(Nephroselmis)及びピラミモナス目(Pyramimonadales)のプテロスペルマ属(Pterosperma)、ハロスファエラ属(Halosphaera)又はピラミモナス属(Pyramimonas)及びクロロデンドロン目(Chlorodendrales)のテトラセルミス属(Tetraselmis)、珪藻綱(Bacillariophyceae)円心目(Centrales)のキクロテラ属(Cyclotella)、デトニューラ属(Detonula)、ミニディスクス属(Minidiscus)、タラシオシーラ属(Thalassiosira)又はキートケロス属(Chaetoceros)及び羽状目(Pennales)のディメレグラムマ属(Dimeregramma)、ナビキュラ属(Navicula)又はニッチア属(Notzschia)、真正眼点藻綱(Eustigmatophyceae)ユースティグマトス目(Eustigmatales)のナンノクロロプシス属(Nannochloropsis)、ハプト藻綱(Haptophyceae)イソクリシス目(Isochrysidales)のプリュウロクリシス属(Pleurochrisis)、エミリアニア属(Emiliniania)、プレウロクリシス属(Pleurochrysis)、ゲフィロカプサ属(Gephyrocapsa)、イソクリシス属(Isochrysis)、クリソティラ属(Chrysotyla)、ヒメノモナス属(Hymenomonas)又はオクロスファエラ属(Ochrosphaera)及びプリムネシウム目(Prymnesidales)のプリムネシウム属(Prymnesium)、クリソクロムリナ属(Chysochromulina)又はフェオキィスティス属(Phaeocystis)及び円石藻目(Coccosphaerales)のカリプトロスファエラ属(Calyptrosphaera)、ブラルードスファエラ属(Braarudsphaera)、アノプロソレニア属(Anoplosolenia)、カルキオソレニア属(Calciosolenia)、カルキディスクス属(Calcidicus)、コッコリトゥス属(Coccolithus)、オオリトトゥス属(Oolithotus)、ウンビリコスファエラ属(Umbilicosphaera)、へリコスファエラ属(Helicosphaera)、ポンスファエラ属(Pontosphaera)、アカントイカ属(Acanthoica)、アルギロスファエラ属(Algirosphaera)、ディスコスファエラ属(Discosphaera)、ラブドスファエラ属(Rhabdosphaera)、カネオスファエラ属(Caneosphaera)、コロノスファエラ属(Coronosphaera)、シラコスファエラ属(Syracosphaera)、ドイツランディア属(Deutschlandia)、ウンベロスフェラ属(Umbellosphaera)、ミカエルサルシア属(Michaelsarsia)又はオフィアスター属(Ophiaster)及びパブロバ目(Pavlovales)のパブロバ属(Pavlova)、ユーグレナ藻綱(Euglenophyceae)のユーグレナ目(Euglenales)ユーグレナ属(Euglena)のいずれかに属する微細藻類を少なくとも一種類を用いるものである。
【0013】
また、前記微細藻類において、シネコキスチス属に属する藻類としてはS.aquatilis、S.pevalekii及びS.primigeniaを例示することができ、シネココックス属に属する藻類としてはS.major、S.aeruginosus及びS.amphigranulatusを例示することができ、ダクチロコッコプシス属に属する藻類としてはD.rhaphidioides及びD.acicularisを例示することができ、テトラペジア属に属する藻類としてはT.reinschianaを例示することができ、クロオコックス属に属する藻類としてはC. tugidus、C. varius及びC. Iimneticusを例示することができ、ミクロキスチス属に属する藻類としてはM.marginata、M.aeruginosa及びM.pulvereaを例示することができ、アファノカプサ属に属する藻類としてはA.rivularis、A.pulchra及びA.thermalisを例示することができ、グロエオカプサ属に属する藻類としてはG.punctata、G.montana及びG.dermochroaを例示することができ、アファノテーケ属に属する藻類としてはA.stagnina、A.sacrum、A.bullosa及びA.microsporaを例示することができ、ラブドデルマ属に属する藻類としてはR.lineareを例示することができ、グロエオケーテ属に属する藻類としてはG.palea及びG.rupestrisを例示することができ、プソイドホロペジア属に属する藻類としてはP.convolutaを例示することができ、メリスモペジウム属に属する藻類としてはM.tenuissium、M.glaucum及びM.elegansを例示することができ、ユウカプシス属に属する藻類としてはE.alpinaを例示することができ、ゴンフェスフエリア属に属する藻類としてはG.lacustrisを例示することができ、コエロスフェリウム属に属する藻類としてはC.dubiumを例示することができ、アイノゴノメ属に属する藻類としてはM.elegans及びM.glaucaを例示することができ、カマエシフォン属に属する藻類としてはC.incrustans及びC.cylindricusを例示することができ、ミクソサルシナ属に属する藻類としてはM.chroococcoides及びM.gelatinosaを例示することができ、ヒドロコックス属に属する藻類としてはH.rivularisを例示することができ、クセノコックス属に属する藻類としてはX.acervatus、X.willei及びX.alpinusを例示することができ、プレウロカプサ属に属する藻類としてはP.fluviatilisを例示することができ、ホモエオスリックス属に属する藻類としてはH.juliana、H.thermalis及びH.hansgirgiiを例示することができ、ジコスリックス属に属する藻類としてはD.gypsophilaを例示することができ、カロスリックス属に属する藻類としてはC.brevissima、C.marchica及びC.parietinaを例示することができ、グロエオトリキア属に属する藻類としてはG.pisum、G.natans及びG.echinulataを例示することができ、ヒゲモ属に属する藻類としてはR.beccariana、R.globiceps及びR.sphaeriaを例示することができ、イサクチス属に属する藻類としてはI.nipponicaを例示することができ、プレクトネマ属に属する藻類としてはP.nostocorum及びP.notatumを例示することができ、トリポスリックス属に属する藻類としてはT.tenuis、T.lanata及びT.distortaを例示することができ、スキトネマ属に属する藻類としてはS.crispum、S.ocellatum及びS.mirabileを例示することができ、スキトネマトプシス属に属する藻類としてはS.ambiguaを例示することができ、ヒドロコリーネ属に属する藻類としてはH.spongiosaを例示することができ、ミクロケト属に属する藻類としてはM.bulbosa、M.tenera及びM.thermalisを例示することができ、ネンジュモ属に属する藻類としてはN.flagelliforme、N.commune、N.linckia、N.muscorum及びN.verrucosumを例示することができ、アファニゾメノン属に属する藻類としてはA.flos-aquaeを例示することができ、アナベナ属に属する藻類としてはA.variabilis、A.spiroides及びA.flos-aquaeを例示することができ、アウロシラ属に属する藻類としてはA.prolifica、A.implexa及びA.majorを例示することができ、ノジュラリア属に属する藻類としてはN.spumigena及びN.harveyanaを例示することができ、アナベノプシス属に属する藻類としてはA.raciborskii及びA.arnoldiiを例示することができ、キリンドロスペルマム属に属する藻類としてはC.majus、C.stagnale及びC.licheniformeを例示することができ、ボルジア属に属する藻類としてはB.trilocularisを例示することができ、スピルリナ属に属する藻類としてはS.platensis、S.maxima、S.subsalsa及びS.majorを例示することができ、ユレモ属に属する藻類としてはO.neglecta、O.chalybea、O.curviceps、O.sancta、O.princeps及びO.limosaを例示することができ、フォルミジウム属に属する藻類としてはP.laminosum、P.foveolatum及びP.molleを例示することができ、リングビア属に属する藻類としてはL.muscicola、L.aerugineo-coerulea及びL.aestuariiを例示することができ、シンプロカ属に属する藻類としてはS.thermalis、S.muscorum及びS.muralisを例示することができ、ムラサキクダモ属に属する藻類としてはP.notarisiiを例示することができ、ダシグロエア属に属する藻類としてはD.amorphaを例示することができ、シゾスリックス属に属する藻類としてはS.heufleri、S.muelleri及びS.penicillataを例示することができ、ミクロコレウス属に属する藻類としてはM.vaginatus、M.sociatus及びM.steenstruppiを例示することができ、フィツシェレラ属に属する藻類としてはF.thermalis、F.ambigua及びF.majorを例示することができ、スチゴネマ属に属する藻類としてはS.hormoideas、S.ocellatum及びS.minutumを例示することができ、タルポフィラ属に属する藻類としてはT.caldariaを例示することができ、ハパロシフォン属に属する藻類としてはH.hibernicus、H.intricatus及びH.welwitschiiを例示することができ、ウエステレロプシス属に属する藻類としてはW.prolificaを例示することができ、ノストコプシス属に属する藻類としてはN.wichmanniiを例示することができ、イデユアイミドリ属に属する藻類としてはM.laminosusを例示することができ、スクヤペルタ属に属する藻類としてはS.wittrockiana及びS.nostochinearumを例示することができ、チノリモ属に属する藻類としてはP.purupureum、P.marinum、P.aerugineum及びP.sordiumを例示することができ、イデユコゴメ属に属する藻類としてはC.caldariumを例示することができ、ロドソルス属に属する藻類としてはR.marinus、R.maculata及びR.violaceaを例示することができ、ロデラ属に属する藻類としてはR.violacea、R.anulomargarita及びR.maculataを例示することができ、ディクソニエラ属に属する藻類としてはD.griseaを例示することができ、ラギニオン属に属する藻類としてはL.scherffelii、L.macrotrachelum及びL.ampullaceumを例示することができ、クリンスフェラ属に属する藻類としてはC.nitensを例示することができ、ヒカリモ属に属する藻類としてはC.ovalis、C.nebulosa及びC.rosanoffiiを例示することができ、ヘテロクロムリナ属に属する藻類としてはH.termoを例示することができ、クリソコックス属に属する藻類としてはC.rufescensを例示することができ、コドモナス属に属する藻類としてはC.annulataを例示することができ、クリソカプサ属に属する藻類としてはC.planctonicaを例示することができ、ミズオ属に属する藻類としてはH.foetidusを例示することができ、オクロモナス属に属する藻類としてはO.mutabilis、O.smithii及びO.diademiferaを例示することができ、ディディモクリシス属に属する藻類としてはD.paradoxaを例示することができ、シンクリプタ属に属する藻類としてはS.volvoxを例示することができ、ウログレナ属に属する藻類としてはU.volvoxを例示することができ、ウログレノプシス属に属する藻類としてはU.americanaを例示することができ、シノブリオン属に属する藻類としてはD.divergens、D.serturalia及びD.socialeを例示することができ、ヒアロブリオン属に属する藻類としてはH.borgeiを例示することができ、マロモナス属に属する藻類としてはM.tonsurata、M.papillosa及びM.fastigataを例示することができ、シヌラ属に属する藻類としてはS.uvella、S.spinosa及びS.peterseniiを例示することができ、クリソスフェラ属に属する藻類としてはC.multispina及びC.brevispinaを例示することができ、パラフィソモナス属に属する藻類としてはP.vestitaを例示することができ、ディクチオカ属に属する藻類としてはD.fibula及びD.pseudofibulaを例示することができ、スチピトコックス属に属する藻類としてはS.urceolatusを例示することができ、ボツリジオプシス属に属する藻類としてはB.arhizaを例示することができ、クロロクロステル属に属する藻類としてはC.terrestris及びC.inaequalisを例示することができ、エリプソイドン属に属する藻類としてはE.oocystoidesを例示することができ、モノドス属に属する藻類としてはM.subterraneus及びM.dactylococcoidesを例示することができ、クロロボツリス属に属する藻類としてはC.regularisを例示することができ、ミショコックス属に属する藻類としてはM.confervicolaを例示することができ、カラシオプシス属に属する藻類としてはC.minimaを例示することができ、オフィオキチウム属に属する藻類としてはO.cochleare、O.majus及びO.arbusculumを例示することができ、アンフィジニウム属に属する藻類としてはA.akanensis、A.carterae及びA.crassumを例示することができ、ギムノジニウム属に属する藻類としてはG.aeruginosum、G.carinatum及びG.tenuissimumを例示することができ、ギロジニウム属に属する藻類としてはG.dominans、G.falcatum及びG.spiraleを例示することができ、へミジニウム属に属する藻類としてはH.nasutumを例示することができ、グレノジニウム属に属する藻類としてはG.cinctum、G.dinobryonis及びG.gymnodiniumを例示することができ、ジプロプサリス属に属する藻類としてはD.acutaを例示することができ、ペリジニウム属に属する藻類としてはP.bipes、P.inconspicum及びP.tabulatumを例示することができ、ケラチウム属に属する藻類としてはC.cornutum及びC.hirundinellaを例示することができ、ヘテロカプサ属に属する藻類としてはH.niei、H.rotundata及びH.triquetraを例示することができ、プロトペリジニウム属に属する藻類としてはP.marukawai、P.oblongum及びP.steiniiを例示することができ、チストジニウム属に属する藻類としてはC.ineris及びC.steisiiを例示することができ、テトラジニウム属に属する藻類としてはT.javanicumを例示することができ、プロロケントルム属に属する藻類としてはP.baltica、P.micans及びP.minimumを例示することができ、ディノフィシス属に属する藻類としてはD.acuminata、D.caudata及びD.fortiiを例示することができ、オウニトケルクス属に属する藻類としてはO.magnificus、O.quadratus及びO.steiniiを例示することができ、クリプトモナス属に属する藻類としてはC.erosa、C.ovata及びC.compressaを例示することができ、キロモナス属に属する藻類としてはC.parameciumを例示することができ、ヘミセルミス属に属する藻類としてはH.virescens及びH.brunnescensを例示することができ、ロドモナス属に属する藻類としてはR.chrysoidea、R.salina及びR.duplexを例示することができ、バクオラリア属に属する藻類としてはV.virescensを例示することができ、ゴニオストマム属に属する藻類としてはG.semen及びG.depressumを例示することができ、メロトリキア属に属する藻類としてはM.capitataを例示することができ、シャットネラ属に属する藻類としてはC.antiqua、C.marina及びC.globosaを例示することができ、ミドリムシ属に属する藻類としてはE.gracilis、E.gigas及びE.mutabilisを例示することができ、レポシンクリス属に属する藻類としてはL.fusiformis、L.steinii及びL.teresを例示することができ、ファクス属に属する藻類としてはP.longicauda、P.pyrum及びP.undulatusを例示することができ、アスタシア属に属する藻類としてはA.captiva、A.lagenula及びA.margaritiferaを例示することができ、キクリジオプシス属に属する藻類としてはC.acusを例示することができ、トラケロモナス属に属する藻類としてはT.armata、T.gibberosa及びT.hispidaを例示することができ、ジスチグマ属に属する藻類としてはD.proteusを例示することができ、ペラネマ属に属する藻類としてはP.granulifera及びP.trichophorumを例示することができ、アニソネマ属に属する藻類としてはA.acinusを例示することができ、コラキウム属に属する藻類としてはC.arbusculaを例示することができ、ユートレプティア属に属する藻類としてはE.viridis、E.pertyi及びE.globuliferaを例示することができ、ヘマトコックス属に属する藻類としてはH.pluvialis及びH.lacustrisを例示することができ、カルテリア属に属する藻類としてはC.klebsii及びC.miwaeを例示することができ、クロロゴニウム属に属する藻類としてはC.elongatum及びC.euchlorumを例示することができ、ロボモナス属に属する藻類としてはL.rostrataを例示することができ、クラミドモナス属に属する藻類としてはC.nivalis、C.angulosa及びC.pertusaを例示することができ、デュナリエラ属に属する藻類としてはD.salina及びD.tertiolectaを例示することができ、ゴニウム属に属する藻類としてはG.pectorale及びG.formosumを例示することができ、プレオドリナ属に属する藻類としてはP.californicaを例示することができ、オオヒゲマワリ属に属する藻類としてはV.globator、V.carteri及びV.tertiusを例示することができ、パンドリナ属に属する藻類としてはP.morumを例示することができ、ユウドリナ属に属する藻類としてはE.unicocca及びE.elegansを例示することができ、アステロコックス属に属する藻類としてはA.superbusを例示することができ、パルモジクチオン属に属する藻類としてはP.viride及びP.variumを例示することができ、グロエオキスチス属に属する藻類としてはG.gigas及びG.amplaを例示することができ、アスケナシエラ属に属する藻類としてはA.chlamydopusを例示することができ、スファエロキスチス属に属する藻類としてはS.schroeteriを例示することができ、ヨツメモ属に属する藻類としてはT.galatinosa及びT.lubricaを例示することができ、スチココックス属に属する藻類としてはS.bacillarisを例示することができ、デスマトラクツム属に属する藻類としてはD.bipyramidatum及びD.elongatumを例示することができ、ブラクテアコックス属に属する藻類としてはB.irregularisを例示することができ、クロロコックム属に属する藻類としてはC.echinozygotumを例示することができ、ゴレンキニア属に属する藻類としてはG.radiata及びG.paucispinaを例示することができ、キルヒネリエラ属に属する藻類としてはK.lunaris、K.obesa及びK.acuminataを例示することができ、アンキストロデスムス属に属する藻類としてはA.falcatus、A.gracilis及びA.bibraianusを例示することができ、クロレラ属に属する藻類としてはC.pvrenoidosa、C.vulgaris、C.saccharophila及びC.ellipsoideaを例示することができ、セネデスムス属に属する藻類としてはS.fusca、S.acutus、S.acuminatus及びS.ecornisを例示することができ、ネトリウム属に属する藻類としてはN.digitus、N.interruptum及びN.oblongumを例示することができ、ペニウム属に属する藻類としてはP.spirostrilatum、P.cylindrus及びP.substriatumを例示することができ、ミカヅキモ属に属する藻類としてはC.ehrenbergii、C.gracile及びC.venuszを例示することができ、コウガイチリモ属に属する藻類としてはP.trabecula、P.excelsum及びP.ehrenbergiiを例示することができ、ツヅミモ属に属する藻類としてはC.cucurbita、C.australe及びC.striolatumを例示することができ、プラシノコックス属に属する藻類としてはP.capsulatusを例示することができ、ミクロモナス属に属する藻類としてはM.pusillaを例示することができ、ネフロセルミス属に属する藻類としてはN.pyriformis、N.rotunda及びN.astigmaticaを例示することができ、プテロスペルマ属に属する藻類としてはP.cristatumを例示することができ、ハロスファエラ属に属する藻類としてはH.viridisを例示することができ、ピラミモナス属に属する藻類としてはP.grossii、P.lunata及びP.parkeaeを例示することができ、テトラセルミス属に属する藻類としてはT.verrucosa、T.striata及びT.hazeniiを例示することができ、キクロテラ属に属する藻類としてはC.cryptica、C.meneghiniana及びC.striataを例示することができ、デトニューラ属に属する藻類としてはD.pumilaを例示することができ、ミニディスクス属に属する藻類としてはM.chilensis、M.comicus及びM.trioculatusを例示することができ、タラシオシーラ属に属する藻類としてはT.allenii、T.eccentrica及びT.punctigeraを例示することができ、キートケロス属に属する藻類としてはC.atlanticum、C.danicum及びC.debileを例示することができ、ディメレグラムマ属に属する藻類としてはD.minusを例示することができ、ナビキュラ属に属する藻類としてはN.britannica、N.fucicola及びN.schonkeniiを例示することができ、ニッチア属に属する藻類としてはN.levidensis、N.martiana及びN.tenuiarcuataを例示することができ、ナンノクロロプシス属に属する藻類としてはN.oculataを例示することができ、エミリアニア属に属する藻類としてはE.huxleyiを例示することができ、プレウロクリシス属に属する藻類としてはP.carterae、P.haptonemofera及びP.roscoffensisを例示することができ、ゲフィロカプサ属に属する藻類としてはG.oceanicaを例示することができ、イソクリシス属に属する藻類としてはI.galbanaを例示することができ、クリソティラ属に属する藻類としてはC.lamellosaを例示することができ、ヒメノモナス属に属する藻類としてはH.coronataを例示することができ、オクロスファエラ属に属する藻類としてはO.verrucosaを例示することができ、プリムネシウム属に属する藻類としてはP.parvumを例示することができ、クリソクロムリナ属に属する藻類としてはC.hirta、C.parkeae及びC.alferaを例示することができ、フェオキィスティス属に属する藻類としてはP.pouchetii及びP.globosaを例示することができ、カリプトロスファエラ属に属する藻類としてはC.oblongaを例示することができ、ブラルードスファエラ属に属する藻類としてはB.bigelowiiを例示することができ、アノプロソレニア属に属する藻類としてはA.brasiliensisを例示することができ、カルキオソレニア属に属する藻類としてはC.murrayiを例示することができ、カルキディスクス属に属する藻類としてはC.leptoporusを例示することができ、コッコリトゥス属に属する藻類としてはC.pelagicusを例示することができ、オオリトトゥス属に属する藻類としてはO.fragilisを例示することができ、ウンビリコスファエラ属に属する藻類としてはU.hulburtiana及びU.sibogaeを例示することができ、へリコスファエラ属に属する藻類としてはH.carteriを例示することができ、ポンスファエラ属に属する藻類としてはP.syracusanaを例示することができ、アカントイカ属に属する藻類としてはA.quattrospinaを例示することができ、アルギロスファエラ属に属する藻類としてはA.quadricornuを例示することができ、ディスコスファエラ属に属する藻類としてはD.tubiferaを例示することができ、ラブドスファエラ属に属する藻類としてはR.clavigerを例示することができ、カネオスファエラ属に属する藻類としてはC.molischiiを例示することができ、コロノスファエラ属に属する藻類としてはC.mediterraneaを例示することができ、シラコスファエラ属に属する藻類としてはS.nodasa及びS.pulchraを例示することができ、ドイツランディア属に属する藻類としてはD.anthosを例示することができ、ウンベロスフェラ属に属する藻類としてはU.irregularis及びU.tenuisを例示することができ、ミカエルサルシア属に属する藻類としてはM.wlwgansを例示することができ、オフィアスター属に属する藻類としてはO.hydroideusを例示することができ、パブロバ属に属する藻類としてはP.gyrans及びP.salinaを例示することができる。
【0014】
これら微細藻類においては、池、沼、湖または海等に発生する微細藻類を有効に使用して消費し、該微細藻類を処理することが好ましいが、該微細藻類は、培養によって増殖させたものを使用しても良い。
【0015】
この培養によって増殖させる方法としては、藻類は光合成を行って自らのエネルギーとしているため、培養は光照射の下に藻類培養用の培地を置くことによって、通常用いられる培養方法により培養することができる。
【0016】
以下に、具体的な培養方法の例を示す。
[培養方法1]
培養方法1においては、O.neglecta及びN.flagelliformeの培養条件は淡水性藍藻類を培養する際に用いられているものであれば格別な制限はなく、例えばModefied Detmer mediumを用いることが出来る。
【0017】
即ち、蒸留水1000mlに対して、KNO 1g、MgS0・7HO 250mg、KHPO 250mg、NaCL 100mg及びCaCl・2HO 10mgを添加した溶液を調整し、この溶液にFeS0・7HO 2.0g/lを含む金属イオン溶液1mlと、HBO 2.86g/l、MnSO・7HO 2.5g/l、ZnSO・7HO 222mg/l、CuSO・5HO 79mg/l及びNaMoO・2HO 21mg/lを含有する微量元素混合溶液1mlを添加した後に、pHを9.0に調整したものを培地として使用する。
【0018】
培養はO.neglectaの細胞濃度が0.05-0.1g/lになるように上記の培地に接種し、2リットル容のガラス製扁平フラスコを用いて行われる。培養期間は7-10日間が適当であり、培養は炭酸ガスを5%濃度になるように混合した空気を適当な通気手段により導入する好気的条件下において且つ植物育成用蛍光燈を光源として照度を142-284μmolm−2s−1に設定し、連続光照射下で行うのが好ましい。培養温度20-25℃であり、23℃付近が望ましい。
【0019】
但し、N.flagelliformeは陸生であり、液体培地を用いた培養は困難であるために、上記培地に寒天を1.5重量%添加した培地を用いる。即ち、蒸留水1000mlに対して、KNO 1g、MgS0・7HO 250mg、KHPO 250mg、NaCL 100mg及びCaCl・2HO 10mgを添加した溶液を調整し、この溶液にFeS0・7HO 2.0g/lを含む金属イオン溶液1mlと、HBO 2.86g/l、MnSO・7HO 2.5g/l、ZnSO・7HO 222mg/l、CuSO・5HO 79mg/l及びNaMoO・2HO 21mg/lを含有する微量元素混合溶液1mlを添加した後に、pHを9.0に調整し、これに寒天を15g/lの割合で添加したものを培地として使用する。
【0020】
この寒天培地をシャーレ(90mmφ×15mm)に約10mlを流し込み、固まったところにN.flage11iformeを接種して培養する。尚、N.flage11iformeは他の藻類と比較して増殖速度が遅いために、培養は20-30日間継続して行う必要がある。
【0021】
培養は明期16時間及び暗期8時間のサイクルとし、植物育成用蛍光燈を光源として照度を14.2-28.4μmolm−2s−1(光合成有効量子束密度)の条件に設定するのが好ましい。培養温度は20-25℃であり、23℃付近が望ましい。
【0022】
[培養方法2]
培養方法2においては、S.platensisの培養培地は一般的な淡水産藍藻類を培養する際に用いられるものであれば格別な制限はなく、例えばSOT mediumを用いることができる。
【0023】
即ち、蒸留水1000mlに対して、NaNO 2.5g、KSO 1.0g、KHPO 500mg、NaCL 1.0g、MgSO・7HO 200mg、CaCl・2HO 40mg、FeSO・7HO 10mg、NaEDTA・2HO 80mg及びNaHCO 16.8gを添加した溶液を調整し、これにHBO 2.86g/l、MnSO・7HO 2.5g/l、ZnSO・7HO 222mg/l、CuSO・5HO 79mg/l及びNaMoO・2HO 21mg/lを含有する微量元素混合溶液1mlを添加したものを培地として使用する。
【0024】
培養は、S.platensisの細胞濃度が0.05-0.01g/lとなるように上記の培地に接種し、2リットル容のガラス製扁平フラスコを用いて行われる。培養期間は7-10日間が適当であり、培養は炭酸ガスを5%濃度になるように混合した空気を適当な通気手段により導入する好気的条件下において且つ植物育成用蛍光燈を光源として照度を142-284μmolm−2s−1に設定し、連続光照射下で行うのが好ましい。培養温度20-25℃であり、23℃付近が望ましい。
【0025】
[培養方法3]
培養方法3においては、P.purpureum及びR.violaceaの培養培地は一般的な海産性紅藻類を培養する際に用いられているものであれば格別な制限はなく、例えば、新鮮な濃過海水1000mlに対してKNO 1.0g、KHPO 70mg、FeCl・6HO 2. 8mg、NaEDTA・2HO 19mgを添加した溶液を調整し、これにZnSO・7HO 40mg/l、HBO 600mg/l、CaC1・2HO 2.0mg/l、CuCl・2HO 40mg/l・MnCl・4HO 629mg/l、(NH)6MoO・4HO 370mg/lを含有する微量元素混合溶液1mlを添加し次いで、チアミン塩酸塩200mg/l、ビオチン1mg/l、シアノコバラミン0.2mg/lを含有するビタミン混合溶液1mlを添加することにより培地を調整した。
【0026】
この培地にP.purpureumまたはR.violaceaの細胞数が10-20×10cells/mlとなるように接種し、2リットル容のガラス製扁平フラスコにて培養した。培養期間は5-7日間が適当であり、培養は空気を適当な手段により導入する好気的条件下において且つ植物育成用蛍光燈を光源として照度を85.2-113.6μmolm−2s−1に設定し、連続光照射下で行うのが好ましい。培養温度は20-25℃であり、23℃付近が望ましい。
【0027】
[培養方法4]
培養方法4においては、R.marinusの培養培地は一般的な海産性紅藻類を培養する際に用いられるものであれぱ格別な制限はなく、例えばModified Koch mediumを用いることができる。
【0028】
即ち、新鮮な濾過海水1000mlに対してKNO 0.75g、KHPO 25mg、MgSO・7HO 20mg、クエン酸アンモニウム鉄 2.5mg及びニトリロ三酢酸10mgを添加することにより調整することができる。
【0029】
培養はR.marinusの細胞数が5-7×10cells/mlとなるように上記の培地に接種し、2リットル容のガラス製扁平フラスコにて培養した。培養期間は7-10日間が適当であり、培養は空気を適当な通気手段により導入する好気的条件下で且つ植物育成用蛍光燈を光源として照度を85.2-113.6μmolm−2s−1に設定し、連続光照射下において行うのが好ましい。培養温度は20-25℃であり、23℃付近が望ましい。
【0030】
[培養方法5]
培養方法5においては、C.pyrenoidosaの培養培地は一般的な淡水産性緑藻類を培養する際に用いられているものであれば、格別な制限はなく、例えばMC mediumを用いることができる。
【0031】
即ち、蒸留水1000mlに対してKNO 1.25g、MgSO・7HO 1.25g及びKHPO 1.25gを添加した溶液を調整し、これにFeSO・7HO 2.0g/lを含む、金属イオン溶液1mlとHBO 2.86g/l、MnSO・7HO 2.5g/l、ZnSO・7HO 222mg/l、CuSO・5HO 79mg/l及びNaMoO・2HO 21mg/lを含有する微量元素混合溶液1mlを添加したものを培地として用いる。尚、培養は既述の培養方法2に準じて行うことができる。
【0032】
[培養方法6]
培養方法6においては、D.salinaの培養培地は一般的な海産性緑藻類を培養する際に用いられているものであれぱ格別な制限はないが、塩濃度が2Mとなるようにする。
【0033】
即ち、新鮮な濾過海水1000mlに対してNaCl 117.0g、KNO 76mg、MgSO・7HO 1.23g、CaCl・2HO 29mg、KHPO 27mg及びNaHCO 4.2gを添加した溶液を調整し、これにCuCl・2HO 200mg/l、ZnCl 100mg/l、CoCl・6HO 200mg/l、MnCl・4HO 600mg/l、FeCl・6HO 400mg、(NH)MoO4・4HO 1.2g/l及びNaEDTA・2HO 2.2g/lを含有する微量元素混合溶液1mlを添加することにより培地を調整する。尚、培養は既述の培養方法2に準じて行うことができる。
【0034】
[培養方法7]
培養方法7においては、C.ehrenbergiiの培養培地は一般的な淡水性緑藻類を培養する際に用いられているものであれば格別な制限はなく、例えばC mediumを用いることができる。
【0035】
即ち、蒸留水1000mlに対してCa(NO)・4HO 0.15g、KNO 0.1g、MgSO・7HO 0.04g、β-Na2glycerophysphate 0.05g及びTris hydroxymethyl aminomethane 0.5gを添加した溶液を調整し、これにFeCL・6HO 196mg/l、MnCl・4HO 36mg/l、ZnCl 10.5mg/l、CoCl・6HO 4mg/l、NaMoO・2HO 2.5mg/l及びNaEDTA・2HO 1g/lを含む微量元素混合溶液1mlとチアミン塩酸塩10mg/l、シアノコバラミン 0.1mg/l、ビオチン 0.1mg/lを含有するビタミン混合溶液1mlを添加した後、pHを7.5に調整したものを培地として使用する。
【0036】
培養は、C.eharenbergiiの細胞数が100-200cells/mlとなるように接種し500ml容の各型培養ビンにて培養した。培養期間は10-14日間が適当であり、静置蛍光燈を光源として照度を20-60μE/m/sに設定し、明期16時間及び暗期8時間のサイクルが好ましい。培養温度は22-25℃であり、23℃付近が望ましい。
【0037】
[培養方法8]
培養方法8においては、P.carterae及びP.pouchetiiの培養培地は一般的な海産性ハプト藻類を培養する際に用いられているものであれば格別な制限はなく、例えばEppley's mediumを用いることができる。
【0038】
即ち、新鮮な濾過海水1000mlに対してKNO 50.5mg、及びKHPO 8.7mgを添加した溶液にCuSO・5HO 19.6mg/l、ZnSO・5HO 44mg/l、CoCl・6HO 20mg/l、MnCl・4HO 360mg/l、NaMoO・2HO 12.6mg/l及びFe-EDTA 10g/lからなる微量元素混合溶液 1mlを添加し、次いで、チアミン塩酸塩 200mg/l、ビオチン 1mg/l、シアノコバラミン 0.2mg/lを含有するビタミン混合溶液 1mlを添加することにより培地を調整する。
【0039】
培養は、P.carterae及びP.pouchetiiの細胞数が 10-20×105cells/mlとなるように培地に接種し、2リットル容のガラス製扁平フラスコを用いて行った。培養期間は5-7日間が適当であり、培養は空気を適当な通気手段により導入する好気的条件下に且つ植物育成用蛍光燈を光源として照度を85.2-142μmolm−2s−1に設定し、連続光照射下において行うのが好ましい。培養温度は20-25℃であり、23℃付近が望ましい。
【0040】
[培養方法9]
培養方法9においては、E.gracilisの培養培地は一般的なユーグレナ藻類を培養する際に用いられているものであれば、格別な制限はなく、例えばHutner Euglena mediumを用いることができる。
【0041】
即ち、蒸留水 1000mlに対してKHPO 20mg、MgSO・7HO 25mg、Sodium acetate 400mg、Potassium citrate 40mg、Polypeptone 600mg、Yeast extract 400mg、Vitamin B12 0.5μg及びThiamine HCl 0.4mgを添加した溶液を調整したものを培地として用いる。尚、培養は既述の培養方法2に準じて行うことができる。
【0042】
このようにして培養された微細藻類から抽出液または抽出残渣を得る場合は、少なくとも一種の微細藻類に液体を添加し、これを撹拌して前記微細藻類の成分を抽出し、これを濾過することによって抽出残渣を得ることができ、また、前記濾過して前記抽出残渣を取り除いた抽出液を得ることができる。この液体としては、例えば、水、エタノール、メタノール、アセトン、グリセリン等を使用することができる。
【0043】
このような前記微細藻類から前記抽出液または前記抽出残渣を得るいくつかの具体的な方法の例を以下に示す。
[抽出液または抽出残渣を得る方法1]
前記微細藻類から前記抽出液または前記抽出残渣を得る第1の方法は、池、沼、湖または海等に発生した微細藻類または培養した微細藻類の藻体を収穫し、該藻体の濃度が1−70%となるように水を添加し、室温−90℃程度で約1−24時間程攪拌・抽出し、これを濾過して前記抽出液または前記抽出残渣を得ることができる。
【0044】
[抽出液または抽出残渣を得る方法2]
前記微細藻類から前記抽出液または前記抽出残渣を得る第2の方法は、前記藻体濃度が1−70%となるように10−90%エタノールまたは無水エタノールを添加し、室温の場合は約1−24時間攪拌抽出し、10−60℃の場合は約1−24時間還流抽出し、これを濾過して前記抽出液または前記抽出残渣を得ることができる。
【0045】
[抽出液または抽出残渣を得る方法3]
前記微細藻類から前記抽出液または前記抽出残渣を得る第3の方法は、前記藻体濃度が1−70%となるように10−90%アセトンを添加し、室温の場合は約1−24時間攪拌抽出し、10−30℃の場合は約1−96時間還流抽出し、これを濾過して前記抽出液または前記抽出残渣を得ることができる。
【0046】
このようにして得た前記抽出液または前記抽出残渣は、それぞれ凍結乾燥させても良い。この凍結乾燥は、減圧条件下において、前記抽出液または前記抽出残渣を凍結させると共に、これらを乾燥させるものであり、このように凍結乾燥することによって、前記抽出液または前記抽出残渣を容易に保存できるようになるのである。
【0047】
本発明で使用する微細藻類は、そのいずれからも目的の効果の高い抽出液及び残渣が得られる。したがって、各々から個別に抽出しても、任意に微細藻類を組み合わせて抽出しても良い。
【0048】
以下に、微細藻類を使用した紙またはマルチングシート等のシート材の製造方法の例を示す。
[製造例1]
微細藻類を使用したシート材の第1の製造方法は、ハプト藻綱プリムネシウム目フェオキィスティス属のPhaeocystis sp. strain MAC0430K 1Kgに水を10Kg添加し、これを撹拌したものを塗工処理剤として用い、パルプを主原料としたマルチングシートの表面(片面または両面)に前記塗工処理剤を塗布し、該塗布したマルチングシートを乾燥させることにより、その表面を微細藻類によって塗工処理し、微細藻類を使用したマルチングシートが得られた。
【0049】
[製造例2]
微細藻類を使用したシート材の第2の製造方法は、藍藻綱クロオコックス目シネコキスチス属のS.aquatilis 1Kgにエタノール10Kgを添加し、これを50℃で8時間撹拌して前記S.aquatilisの成分を抽出し、これを濾過して得た抽出残渣、及び該抽出残渣を取り除いた抽出液を混合したものを塗工処理剤として用い、パルプを主原料とした紙の表面(片面または両面)に前記濾過した抽出残渣及び抽出液からなる塗工処理剤を塗布し、該塗布した紙を乾燥させることにより、その表面を微細藻類の抽出液によって塗工処理し、微細藻類を使用した紙が得られた。
【0050】
[製造例3]
微細藻類を使用したシート材の第3の製造方法は、緑藻綱オオヒゲマワリ目クロレラ属のC.pvrenoidosa 500gと、紅藻綱チノリモ目チノリモ属のP.purupureum 500gとにアセトン10Kgを添加し、これを約30℃で3時間撹拌して前記C.pvrenoidosa及びP.purupureumの成分を抽出し、これを濾過して得た抽出残渣を塗工処理剤として用い、パルプを主原料としたマルチングシートの表面(片面または両面)に前記抽出残渣からなる塗工処理剤を塗布し、該塗布したマルチングシートを乾燥させることにより、その表面を微細藻類の抽出残渣によって塗工処理し、微細藻類を使用したマルチングシートが得られた。
【0051】
つまり、少なくとも一種の前記微細藻類に前記液体を添加し、これを撹拌したもの、該撹拌をして前記微細藻類の成分を抽出した後に濾過して得た抽出残渣、または該抽出残渣を取り除いた抽出液、のいずれか一種または二種以上を混合させたものを塗工処理剤として用い、パルプを主原料とする紙またはマルチングシート等のシート材の表面(片面または両面)に前記塗工処理剤を塗布して、前記シート材を乾燥させることにより、その表面を微細藻類からなる塗工処理剤によって塗工されたシート材を得ることできる。この塗布する量は、塗工処理されるシート材の約15〜50重量%程度であることが好ましい。
【0052】
この際、シート材の表面を塗工する前記塗工処理剤においては、該塗工処理剤に紙力増強剤を添加しても良く、該添加量は、塗工処理するシート材の1〜3重量%であることが好ましい。この紙力増強剤としては、天然系の高分子化合物、水溶性の合成高分子化合物またはラテックスの一種または二種以上からなる紙力増強剤を使用することができる。
【0053】
この天然系の高分子化合物としては、アセチル化澱粉、カチオン化澱粉、両性澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、アルファ澱粉、特殊変性アルファ澱粉、カチオン化アルファ澱粉、グラフト化澱粉、酸化澱粉、グアーガム、特殊変性グアーガム、カルボキシメチル化グアーガム、カチオン化グアーガム、両性グアーガム、リン酸化グアーガム、酸化グアーガム、ヒドロキシエチルエーテル化グアーガムまたは乳タンパク質のいずれかを使用することができる。
【0054】
要するに、微細藻類が生分解性を有することから、シート材の表面(片面または両面)に微細藻類の混合液体からなる塗工処理剤、微細藻類の抽出液からなる塗工処理剤、またはその抽出残渣からなる塗工処理剤(以下微細藻類等の塗工処理剤という)を塗布させるだけという、簡単な作業によって、前記シート材を生分解性にすることが容易にできるのである。
【0055】
このように、微細藻類を使用して紙または農業用のマルチングシート等のシート材を製造することにより、池、沼、湖または海等に発生した微細藻類を処理でき、シート材の表面に前記微細藻類等の塗工処理剤を塗布するという、簡単な作業であるため、微細藻類を使用したシート材を簡単に製造でき、既存の紙またはマルチングシート等のシート材も容易に生分解性のシート材にすることができるようになる。
【0056】
また、前記微細藻類等の塗工処理剤が前記シート材の表面に存在するばかりでなく、該シート材の内部にも染み込むため、該シート材の全体が生分解性になると共に、分解のきっかけが早期に生じることになるため、前記シート材が速やかに生分解されるようにできる。
【0057】
更に、一般的なマルチングシートは、該一般的なマルチングシートが紫外線を吸収できるようにするため、カーボン等の紫外線吸収物質を含有または塗布しているが、本発明に係る微細藻類を使用したシート材は、微細藻類が紫外線の吸収作用を有しているため、シート材の表面に微細藻類からなる塗工処理剤を塗布することにより、該シート材に紫外線の吸収性をもたせることもでき、前記カーボン等の紫外線吸収物質を含有または塗布しない場合であっても、微細藻類を使用したシート材は、紫外線を吸収できるのである。
【0058】
前記微細藻類等の塗工処理剤に前記紙力増強剤を添加した場合には、前記シート材を生分解性にできると共に、該シート材の強度を強くすることができ、該シート材が長期間保存できるようになるのである。
【0059】
更に、前記塗工処理剤が塗布されるシート材としては、少なくとも一種の微細藻類をそのまま、該微細藻類に液体を添加及び撹拌して前記微細藻類の成分を抽出した後に濾過して得た抽出残渣、または該抽出残渣を取り除いた抽出液、のいずれか一種または二種以上を混合させて微細藻類混合物として用い、パルプをスラリー状にしたパルプスラリーに前記微細藻類混合物を添加して撹拌し、これを抄紙して得たシート材を使用することができる。
【0060】
この微細藻類混合物をパルプのスラリーに混合させる量は、該パルプのスラリーに対して前記微細藻類混合物を約1〜35重量%程度添加させることが好ましく、前記微細藻類等の塗工処理剤を前記シート材の表面に塗布する量と前記微細藻類混合物との総量が、シート材の約15〜50重量%程度になることが好ましい。
【0061】
また、前記抽出液あるいはその抽出残渣、または微細藻類そのままのいずれかを前記パルプスラリーに混合させる際、抄紙して完成される前記シート材に対して1〜3重量%の前記紙力増強剤を添加しても良く、該紙力増強剤を前記シート材に添加することにより、前記シート材の強度を強くすることができ、該シート材の保存性等を良くすることができるのである。
【0062】
更に、主原料となる前記パルプとしては、例えば、広葉樹、針葉樹、草木類を原料としたGP、PGW、TMP、CTMP、RGP、CMP、SCP、KP、SP等の晒パルプもしくは未晒パルプ、または古紙再生パルプもしくは廃パルプ等の基材となる原料を使用することができる。
【0063】
このようにして得られた微細藻類等の塗工処理剤を塗工したシート材は、土壌に放置した際に、分解される速度が速く、同一の土壌で続けて栽培を行うときに使用する農業用のマルチングシートとして適したものである。また、同一の土壌で続けて栽培を行う必要がなく、分解の速度が遅くても良い場合には、必ずしも前記微細藻類等の塗工処理剤を前記シート材の表面に塗布して塗工処理する必要はなく、前記シート材に前記微細藻類、前記抽出液または前記抽出残渣のいずれかを混合させたシート材を用いても良いのである。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る微細藻類を使用したシート材の製造方法は、パルプを主原料としたシート材の表面に微細な藻類を使用して塗工処理したシート材の製造方法であって、少なくとも一種の微細藻類に、該微細藻類濃度が1〜70%になるように液体を添加し、これを少なくとも1時間撹拌抽出したもの、該撹拌をして前記微細藻類の成分を抽出した後に濾過して得た抽出残渣、または該抽出残渣を取り除いた抽出液、のいずれか一種または二種以上を混合させて塗工処理剤にし、パルプを主原料とするシート材の表面に前記塗工処理剤を塗布して、前記シート材を乾燥させることにより、池、沼、湖または海等に発生した微細藻類を処理でき、該微細藻類をそのまま使用した場合、または、抽出液と抽出残渣とを混合して使用した場合には、廃棄される微細藻類がなく、また、シート材の表面に前記微細藻類等の塗工処理剤を塗布するという、簡単な作業であるため、微細藻類を使用したシート材を簡単に製造でき、該シート材に紫外線の吸収性をもたせることができるという優れた効果を奏する。
【0065】
更に、既存の紙またはマルチングシート等のシート材も容易に生分解性のシート材にすることができ、その際、前記微細藻類等の塗工処理剤が前記シート材の表面に存在すると共に、該微細藻類等の塗工処理剤が前記シート材の内部に染み込むため、分解のきっかけが早期に生じることになり、前記シート材が速く分解されるという優れた効果を奏する。

Claims (5)

  1. パルプを主原料としたシート材の表面に微細な藻類を使用して塗工処理したシート材の製造方法であって、
    少なくとも一種の微細藻類に、該微細藻類濃度が1〜70%になるように液体を添加し、
    これを少なくとも1時間撹拌抽出したもの、
    該撹拌をして前記微細藻類の成分を抽出した後に濾過して得た抽出残渣、
    または該抽出残渣を取り除いた抽出液、
    のいずれか一種または二種以上を混合させて塗工処理剤にし、
    パルプを主原料とするシート材の表面に前記塗工処理剤を塗布して、前記シート材を乾燥させること
    を特徴とする微細藻類を使用したシート材の製造方法。
  2. 前記パルプを主原料とするシート材は、
    少なくとも一種の微細藻類をそのまま、
    該微細藻類に、該微細藻類濃度が1〜70%になるように液体を添加し少なくとも1時間撹拌して前記微細藻類の成分を抽出した後に濾過して得た抽出残渣、
    または該抽出残渣を取り除いた抽出液、
    のいずれか一種または二種以上を混合させて微細藻類混合物にし、
    パルプをスラリー状にしたパルプスラリーに前記微細藻類混合物を1〜35重量%添加して撹拌し、これを抄紙したこと
    を特徴とする請求項1に記載の微細藻類を使用したシート材の製造方法。
  3. 前記塗工処理剤またはパルプを主原料とするシート材には、
    前記シート材または前記パルプスラリーの1〜3重量%の紙力増強剤を添加したこと
    を特徴とする請求項1または2に記載の微細藻類を使用したシート材の製造方法。
  4. 前記微細藻類は、
    藍藻綱、灰青藻綱、紅藻綱、黄色鞭毛藻綱、黄緑色藻綱、渦鞭毛藻網、褐色鞭毛藻綱、ラフィド藻綱、ミドリムシ藻綱、緑藻綱、プラシノ藻綱、珪藻綱、真正眼点藻綱、ハプト藻綱またはユーグレナ藻綱のいずれかに属する微細藻類であること
    を特徴とする請求項1または2に記載の微細藻類を使用したシート材の製造方法。
  5. 前記液体が、
    水、エタノール、メタノール、アセトンまたはグリセリンであること
    を特徴とする請求項1または2に記載の微細藻類を使用したシート材の製造方法。
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