JP4309587B2 - 下り線で観測する時間差測定の改良 - Google Patents

下り線で観測する時間差測定の改良 Download PDF

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Description

【0001】
本出願は1998年8月7日に出願した米国特許出願第09/131,150号(代理人整理番号第34645−423)の一部継続出願である。
【0002】
【発明の技術分野】
本発明は、無線通信ネットワークにおける移動通信ユニットの位置特定、特に下り線で観測される時間差測定に関する。
【0003】
【発明の技術的背景】
無線通信システム(例えばセルラー通信システム)で作動している移動通信ユニットの位置を特定する機能によって多くの利便がもたらされることはよく知られている。このような位置特定能力の利用方法として、例えば、安全関連の利用、緊急応答での利用、移動ガイダンスでの利用等がある。位置特定に関して知られている技術のうちのいくつかは、通信信号のうちの特定の特性を測定すること、例えば、到来時刻(TOA)、往復遅延、通信信号の到来角度の測定を含むものである。これらの技術はさらに、上り線を利用した方法と下り線を利用した方法に分けることができる。上り線を利用した技術では、無線基地局(BTS)または他の受信装置が移動通信ユニット(または移動局)から発信された通信信号の測定を行う。下り線を利用した技術では、無線基地局あるいはその他の送信装置から発信された信号を移動局が測定する。
【0004】
移動局の位置測定に下り線を利用する技術の例としては観測時間差技術(OTD)がある。この技術について、下り線を利用した観測時間差技術が適用できるセルラー通信システムの例として移動通信のグローバルシステム(GSM)を参照しながら説明する。OTD技術は、例えば、異なる複数の基地無線局からの選別された無線信号の到着時間差を移動局に測定させることによって実施する。図1に示した地形を前提として、さらに基地の無線局BTS1とBTS2から2つの信号が同時に発信された場合、それらの移動局への到着時間をT1とT2とすると、観測される時間差OTDは以下の式で表される。
T1−T2=(d1−d2)/c (式1)
ここで、d1とd2はBTS1とBTS2から移動局までの距離である。BTS1とBTS2の位置は既知であるので、移動局が存在する位置として可能性のある点は、図1における双曲線15によって表される。少なくとも3つの送信局からの測定を組み合わせることにより、移動局の位置を推定することができる。
【0005】
従来のセルラー通信システムはほとんど全て(GSMシステムも含めて)非同期である、つまり、各基地無線局はそれぞれが固有のクロックを参照してフレームやスロット構造を発生している。従って、異なる基地無線局のフレーム構造は、クロックが完全に安定ではなく、互いに時間軸上のずれを生じている。従って、OTD測定は、使用する無線局に固有の基準時間の間の時間差を知らなければ、位置特定方法としては意味をなさない。この時間差は、しばしば実時間差またはRTDと称し、基地無線局のフレーム構造が完全に同期していたなら信号は同時に発信されることになるはずの信号(例えば、GSMにおけるそれぞれの同期バースト)それぞれの発信時刻の間の絶対時間の差を表すものである。
【0006】
基地無線局相互の実時間差RTDを決定することができるいくつかの方法のうちで、従来から使用されている2つの方法は:対応する基地無線局での絶対時間スタンプと;位置が分かっているリファレンス移動局の使用である。後者の例では、リファレンスとなる移動局が複数の基地無線局から送られる下り線の信号を測定する。基地無線局と移動しないリファレンス移動局の距離がわかっているので、対応する基地無線局からの信号が到来する時刻は容易に計算することができる。基地無線局相互間の時間差RTDは、リファレンス移動局で観測した実際の信号到着時間と、予想された信号到着時間の差である。リファレンス移動局は周期的に下り線の到着時刻測定を行い、これをネットワーク内の移動局位置測定ノードに送ることでネットワークは最新のRTDを維持することができる。
【0007】
既知のOTD方法の基礎となっている技術は、移動局が対応する基地無線局と同期を図る従来方法と非常に似通っており、対応するセルの指示に従って(移動局の協力を得たハンドオフ操作によって)複数の近隣の基地無線局について測定を行うものである。移動局は、OTD測定のためにどの基地無線局を観測すべきかを知る必要がある。この情報は、従来のシステムでは、典型的にはセル内のブロードキャストによる情報メッセージとして、例えば、GSMセルのBCCH(ブロードキャスト制御チャネル)周波数で提供される。このシステムの情報は、典型的な場合には、測定すべき近隣セルの周波数のリストを含むものである。移動局は指定された周波数をスキャンして、GSMでは約50ms毎に発生する検出容易な周波数修正バーストを検出する。
【0008】
周波数修正バーストが検出されたら、移動局はGSMにおける次のフレームが同期バーストSBであることが分かっている。同期バーストSBは、基地局識別コード(BSIC)と当該同期バーストSBが発生しているフレームのフレーム番号を示す情報を含む。移動局は、当該移動局が対応しているセルの時間に従って、この同期バーストSBが到着した時刻を測定する。移動局は既に、移動局が対応している基地無線局の時刻に従って近隣の基地無線局のフレーム構造を理解しているので、精度を向上させるために到着時間の測定をくり返し行うことは可能である。この手順をリストに載っている全ての周波数(つまり、すべてのBTS)を測定するまで繰り返す。移動局が記録した観測された時間差は、セルラーシステムの移動局位置測定ノードに送られ、当該ノードが観測された時間差、時間差及び基地無線局の地理的位置関係に基づいて位置特定を行う。
【0009】
移動局は周波数修正バーストがいつ発生するか(したがってそれに続く同期バーストSBがいつ発生するか)を知らないので、周波数修正バーストをモニターする方法は無計画にならざるを得ない。
【0010】
同期バーストを捉えるために必要な時間は、測定モードに依存する。OTD測定は例えばGSM SDCCH(独立専用制御チャネル)で呼び確立が行われている時、または、移動局が呼びモードであるアイドルフレームで、あるいは、会話の中断の間に行うことができる。例えば、移動局が呼びモードで測定を行うと、当該移動局は、従来のGSMシステムでは120msごとに発生するアイドルフレームでしか測定を行うことができない。同期バーストは従来GSMの10フレームに1回発生するので、特定の同期バーストがアイドルフレームで発生する確率は10分の1である。したがって、平均的には、同期バーストを捉えるには5アイドルフレームが必要になり、基地無線局ごとに0.6秒かかることになる。従って、少なくとも6つの近隣の基地無線局について測定するためには、平均的に3ないし4秒の測定時間が必要になり、これは、多くのアプリケーションでは採用できないほど長い時間である。
【0011】
移動局は、もし移動局が10個のフレーム分の信号(例えば、GSMにおけるBTSのBCCH周波数上の全ての信号)を連続して捉えて記憶するとすれば、その中に必ず同期バーストSBが測定されていることになる。しかし、移動局に連続した10のフレームに含まれる全ての信号情報を捕らえる(そして処理する)ことができるだけの記憶と演算能力を与えることは、移動局を複雑にしすぎるので問題である。
【0012】
さらに、干渉レベルが高い都市部および基地無線局からの距離が遠くなる地方部では、信号対ノイズ比が低くなるので同期バーストSBを捉える確率が許容できないほどに低くなる。
【0013】
同様に低い信号ノイズ比のために、一般に、同期バーストSB中のBSICをデコードすることが困難になる。同期バーストSBではなく、代わりにゴーストスパイクを補足してしまう確立は、信号対ノイズ比が低いときにはきわめて高くなって問題である。
【0014】
符号分割多元接続(CDMA)無線インターフェースを使用したネットワークで作動する移動局の位置特定のための標準化手法として提案されている基地の下り線OTD手法は、CDMAネットワークが提供する従来のセル検索信号を使用する。この下り線OTD手法は、以下においては「提案されている」手法または技術と称することにする。CDMA無線インターフェースを利用した従来の移動通信システムには、ETSI Universal Mobile Telecommunication System(UMTS)やITUのIMT-2000のような、いわゆる広帯域CDMA(Wideband CDMA; WCDMA)が含まれる。この種のシステムでは、提案されている下り線OTD位置検出技術は、移動局によって所定のアイドル時間中に実行され、この時間中は当該移動局に接続している位置無線局は全ての発信を停止して移動局が近接する他の基地局から発信された信号を受信するのを助ける。前記のCDMAシステムにおいて従来、セル検索のために提供されていた信号、つまり、第1の検索コード(FSC)と第2の検索コード(SSC)を、下り線OTD位置検出のために使用する。
【0015】
接続している基地無線局のアイドル時間中、移動局は、ちょうど従来のセル検索で行っているように第1の検索コードFSCに適合した整合フィルタを使用する。FSCは従来、上述のようにCDMAネットワークに収容された全ての基地局から発信される。TSCは256チップの長さを有し、各タイムスロットごとに1回それぞれの基地無線局から送信される、つまり、10分の1の時間を使用する(各タイムスロットは2560チップの長さを有する)。移動局が捕捉することができる範囲にある各基地無線局の信号が整合フィルタからの出力にピークとなって表れる。従来のピーク検出方法では、複数のタイムスロットからの結果を同期させずに組み合わせてピーク検出能力を向上させている。しかし、提案されている下り線OTD位置検出技術では、移動局は従来の到着時間測定技術によって検出されたピークそれぞれの到着時刻(TOA)を測定するので、それぞれのピークの到着時刻の差(OTD)を算出することができる。
【0016】
前述のCDMAネットワークで作動している各基地無線局は従来、関連する第2の検索コード(SSC)を送信し、このコードは所定の順序に配列された16のコードを含む。当該16のコードは順次、各タイムスロットに1つづつ、各コードはこのタイムスロットで送信されるFSCと同時に送信される。上述の例として記載したCDMAシステムはフレーム毎に16のタイムスロットを有し、16全てのコードを含む全SSCパターンはフレーム毎に1回繰り返される。所定の順序に配列された16のコードを含むSSCパターンは、可能性のある複数のコードのグループから、基地無線局に対応した1つのコードグループを特定する。各コードグループは複数のCDMA拡散コードを含み、各基地無線局はそれに対応して設けられている複数のコードグループのうちの1つの拡散コードを使用する。
【0017】
受信範囲にある各基地無線局に対して、移動局は提案されている下り線OTD位置検出技術を使用して、従来のセル検索と同様に、SSCパターンの16のコードとその基地無線局のFSCピークの相関を求める。この相関処理は非同期組み合わせを用いるのが典型的である。ピークをSSCパターンと関連付けることができたら、この相関結果がそのFSCピークを発生させた基地無線局が使用するコードグループを示す。
【0018】
FSCピークタイミング(つまり、測定されたTOAおよび/またはOTD)と検出された各基地無線局のコードグループが、FSCピーク検出プロセスおよびFSC−SSC相関プロセスの際に測定されたパワーと品質測定結果と共にネットワークの移動位置検出ノードに報告される。
【0019】
移動局位置検出ノードは既に基地無線局の間のRTDを(従来は基地無線局の絶対時間スタンピングまたは固定されたリファレンス移動局によって)知っているので、移動局の位置が知られていないので一定の不確実範囲を伴うが、移動局が基地無線局からのFSCピークをいつ受信すべきであったかを知ることができる。この既知のRTD情報を、移動局から受信した上述のピーク時間、パワーと品質情報と共に使用することによって、移動局位置検出ノードはそれぞれのFSCピークに対応する基地無線局を特定することができる。例えば、移動局の位置が4.5kmの不確実性の範囲内で知られていれば、この範囲は64チップに相当する。1つの可能性のある基地無線局のフレーム構造タイミングが、同じコードグループに属する他の基地無線局のタイミングと64チップの不確実性以上にはなれていれば、この中で正しい基地無線局がどれであるか決定することは常に可能である。各基地無線局のフレーム構造のタイミングはランダムであると仮定すると、各フレームは40960チップから構成されるので(16タイムスロット x 2560 チップ/タイムスロット)、2つの基地無線局のフレーム構造タイミングのずれ(つまり時間差RTD)が64チップ以内である確率は64/40960である。したがって、一つの基地無線局によって発生したピークが、同じコードグループに属する他の基地無線局が発したピークと識別される確率は99.8%(1−64/40960)である。残る0.2%については、例えばパワー測定や位置特定評価関数において最適値を与える基地無線局を選択する等の、より高度な方法によって対処することができる。
【0020】
FSCピークを対応する基地無線局と対応付けることができたら、TOAおよび/またはOTD情報をRTD情報および基地無線局について知られている地理的な位置と共に使用して、移動局の地理的な位置を特定することができる。
【0021】
提案されている下り線OTD位置検出技術は以下に例示するような欠点を有する。移動局が下りOTD処理を開始する時点では、隣接する(接続されていない)基地無線局のタイミングは移動局に全く知られていないので、移動局は基地無線局のアイドル時間全体に渡ってFSC−SSC相関処理を行わなければならない。従って、FSCピーク検出に使用する整合フィルタを、各アイドル時間全体にわたって動かさなければならない不利益を生じる。同様に、SSCパターンの中のコードがタイムスロットごとに異なるので、移動局は複数のSSCの相関をとって相関のない組み合わせのためにその結果を記憶しなければならない。このことは不要な演算能力と不要な記憶容量が必要になる不利益を生じる。
【0022】
FSC−SSC相関処理はFSCピーク検出の後に行わなければならないので、提案されている下り線OTD方法の場合の取得時間は長くなって不利益を生じている。また、短小レベルが高い都市部と基地無線局間の距離が大きい地方部では、SFCとSSCを十分な確率で検出することが困難であるか、場合によっては不可能である。
【0023】
他の問題は、FSCコードは全て同一で、かつ、SSCパターンの16のコードは17の非同一なコードから取り出されたサブセットで構成されているために、異なる基地無線局に対応するコード相互間の相互相関が非常に高いことである。同じコードがフレームごとに繰り返されているので、組み合わせる相関の数が多くなっても高い相互相関は減少しない。このことによって、特に強力な基地無線局からのFSCが微弱な基地無線局からのFSCの前後に到着する場合には、移動局が、与えられたFSCピークを間違ったSSCパターンに関連付ける確率が高くなる。
国際出願WO96 35306(Telecom Sec Cellular Radio LTD)は、移動ユニットが測定した基地局からの発信時刻の差から、ユニットから基地局までの距離の差を算出し、この距離の差に基づいて移動ユニットの位置を求めることで移動ユニットの位置を検出する方法が記載されている。Mundayは、時間差に基づいて測定検索用のウインドウを決定することで時間間隔の測定を単純化する方法については開示していない。
【0024】
前述の状況に鑑みれば、既知の下り線観測による時間差を用いた方法において、下り線信号を検出する移動局の機能を改善することが必要である。
【0025】
本発明は、移動局において観測時間差の測定に使用する下り線通信信号の検出能力を改善することを通じて、従来の下り線観測による時間差を用いた方法の上述のような欠点を解消することを目的とするものである。
【0026】
【発明の好ましい実施例の詳細な説明】
図2は、本発明に基づく下り線観測時間差測定機能を有する無線通信システムの本発明に関連する部分を示したものである。本発明は図2に例示したGSMネットワークに設けられている。図2に示したように、GSM移動スイッチングセンタMSCは複数のGSM基地局制御装置BSCと接続して通信を行っており、BSCは1つ以上のGSM基地無線局BTSと接続されて通信を行っている。基地無線局は複数の移動局MSと無線インターフェースを通じて無線通信を行うことができる。MSCからMSへのBSCとBTSを経由した通信はこの技術分野では広く知られている。
【0027】
図2は、また通常のGSM信号プロトコルを使用して移動スイッチングセンターMSCと双方向通信が可能なように接続された移動位置検出センターMLCを示している。図2において、MLCは移動局MS1の位置を特定する要求を受けることができる。この要求は典型的な場合には、MLCと接続されて通信を行うことができる位置アプリケーション21から受け取ることができる。位置アプリケーション21はネットワーク自身のノードであっても良いし、外部の位置アプリケーションであっても良い。移動局MS1の位置を検索する要求に答えて、MLCはネットワークと情報を交換し、接続すべきBTS23(つまり接続すべきGSMセル)を決定し、下り線観測時間差測定にどのBTSを選択すべきかを決定する。
【0028】
MLCは、次に、モニターすべき対象として選択された基地無線局のBSIC(GSMネットワークのような従来のネットワークでは、通常BSICを得ることができる)と周波数、および接続されているBTSと各選択されたBTSの間の時間差TRDを指定して移動局MS1に関する位置要求メッセージを作成する。位置要求メッセージはMLCからMS1にMSC、BSC21,BTS23およびBTS23とMS1の間のエアインターフェースを介して伝達される。MS1にとっては、接続されているBTSからいつ同期バーストが送られてくるかは既知なので、MS1はRTD情報を使用して、選択された近隣のBTSから同期バーストがいつ到着するかをおよそ求めることができる。
【0029】
上述の情報は同時にMS1に、例えば呼びの確立中に専用メッセージとして送信することもできる。さらに、上述の情報はシステム情報メッセージとしてブロードキャスト制御チャネルを通じて周期的にMS1に送ることも可能である。RTDはMLCから、上述のようにリファレンス移動局から受信したOTD情報を使用して算出することができ、また、RTDは他の通常の技術によってMLCに与えられても良い。
【0030】
図3〜5は、例えば図2に示したGSMネットワーク部分のようなGSMネットワーク内の基地無線局相互間の時間差の概念を示すものである。
【0031】
図3は、図3ではBTS2とBTS1で示した1組の基地無線局のフレーム構造タイミングの間の時間差を示すものである。GSMでは、基地無線局が使用するTDMAフレームは、0番フレームから2,715,647番フレームまで、2,715,648個のフレームを含むサイクル(いわゆるハイパーフレーム)からなるくり返しパターンである。図3に示した例では、BTS1のフレーム0はBTS2のフレーム828と重なり合っている。
【0032】
図4では、GSMの各TDMAフレームがタイムスロット0からタイムスロット7まで付番された8つのタイムスロットに分割されている。図5に示したように、各GSMタイムスロットはさらに625の4分の1ビットQBに分割され、各タイムスロットでは625/4=156.25のビットが送信される。BTS2とBT1の間の時間差RTDは、従来は(FND、TND、QND)を使用して表現されており、ここでFNDはBTS2とBTS1のTDMAフレーム番号の差(FN2−FN1)、TNDはBTS2とBTS1タイムスロット番号の差(TN2−TN1),QNDは、BTS2とBTS1の4分の1ビット番号の差(QN2−QN1)である。例えば、図3〜5において、BTS1のフレーム0のタイムスロット0の4分の1ビット0が、時間的に、BTS2のフレーム828のタイムスロット6の4分の1ビット37とそろっていれば、BTS2とBTS1の間の時間差RTDはトリプレット(FN2−FN1、TN2−TN1、QN2−QN1)によって与えられ、ここで、FN2、TN2およびQN2はそれぞれBTS2のフレーム番号、タイムスロット番号及び4分の1ビット番号であり、FN1、TN1とQN1はBTS1と同じパラメータである。従って、トリプレットは(828−0、6−0、37−〇)であり、単に(828、6、37)と表すことも可能である。
【0033】
移動局MS1がMLCから、接続している基地無線局例えば図3に示したBTS1と下り線到着時測定を行う別の基地無線局、例えば図3におけるBTS2との間の実時間差について、移動局MS1は、RTDトリプレット(FND、TND、QND)と共に接続している基地無線局BTS1のフレーム構造タイミング(FN1、TN1、QN1)を使用して、BTS2のBTS1に対するフレーム構造タイミングを決定することができる。BTS1の時間に準拠していずれかの位置(FN1、TN1、QN1)におけるフレーム番号BTS2におけるFN2を決定するために下記の演算を行うことができる。
QN2'=QN1+QND (式2)
TN2'=TN1+TND+(QN2’div625) (式3)
FN2'=FN1+FND+(TN2’div 8) (式4)
FN2 =FN2’mod 2,715,648 (式5)
【0034】
以下の数式において、"div"は整数の割り算を、"mod"はモデューロnの割り算を、"x mod n"はxをnで割った残りを意味する。
【0035】
GSMにおける同期バーストは、当該技術分野では良く知られているように、78の符号化された情報ビットと予め設定された64ビットのトレーニングシーケンスを有する。78の符号化された情報ビットは、BSICと、従来はT1、T2およびT3’で表現されるいわゆる縮小されたフレーム番号を含む。同期バーストSBのフレーム番号(FN)とパラメータT1、T2、T3’の従来の関係は以下のとおりである.
T1=FN div (26 x 51) (式6)
T2=FN mod 26 (式7)
T3=FN mod 51 (式8)
T3'=(T3−1) div 10 (式9)
従って、上述のように式2−5を用いてBTS1のフレーム番号FN2が知られると、パラメータT3はFN2を式(8)に代入して設けられる。
【0036】
従来のGSMネットワークでは、同期バーストSBはBTSのBCCH(ブロードキャスト制御チャネル)キャリアで搬送されるTDMAフレームの、51フレームで繰り返すシーケンスの1,11,21,31,41フレームの第0スロットの時刻で発生する。従って、上述のT3は51フレームで繰り返すシーケンスの何処に現在のフレームFN2が位置するかを示すものである。上述のように、同期バーストSBが51フレームで繰り返すシーケンスの1,11,21,31,41フレームの第0スロットの時刻で発生するので、(T3−1)mod 10=0を満足する次のT3(T3nと称することにする)は、次の同期バーストSBが発生するBTS2内のフレームを指定する。従って、対応するフレーム番号(FN2nと称することにする)を決定することができる。
FN2n=(FN2+DT3)mod 2,715,648
ここで、DT3=(T3n−T3)mod 51である。
【0037】
次にFN2nを式6,7に代入し、T3nを式9に代入することによってパラメータT1,T2およびT3’が得られる。GSM標準によれば、パラメータT1,T2およびT3’、およびBSIC、は25ビットを使用して表現することができる。BSICビットは、MS1が受信したBSIC情報に従って決定することができ、T1、T2およびT3’を表すビットは式6,7および9から決定することができる。移動局MS1は前記25ビットにGSM標準(ETSI GSM仕様書05.03)を適用してこの25ビットから同期バーストの符号化された78ビットを作成することができる。
【0038】
このようにして、移動局は、接続しているBTS1のフレーム構造タイミングとの関係において、同期バーストが発生するBTS2のフレーム番号FN2nを知っている。上述のように、同期バーストは常にタイムスロット0で発生し、従って移動局MS1はいつ同期バーストがBTS2に送信されるかを正確に知ることになる。さらに、移動局MS1はまた、同期バーストの78のコード化されたビットと64のトレーニングビットを知っている。単に64ビットではなく142ビットの情報を有していることによって、移動局は64ビットのみを知っている従来の方法に比較して到達時刻測定を正確に行うことができる。さらに、142ビットを知っていることにより、移動局MS1ははるかにノイズの多い環境下において64ビット情報ではもっとノイズの少ない状況に相当する正確さを達成することができる。
【0039】
所定の近接するBTS(図2におけるBTS28)に対する移動局MS1の位置がわかっていないので、そのBTSからの同期バーストSBは移動局が計算した時刻どおりに当該移動局MS1には到達しない。図7は、移動局MS1において同期バーストが到着するものと期待される時間に対してどのような方法で検索ウインドウを決定するかを例示したものである。FNは、近接する(接続していない)BTS2からの次のSB(SB2)が到着すると期待されるフレーム番号であるとする。このフレーム番号の算出過程は式10に示されている。MS1は、同じフレーム番号を有する対応SB(SB1)が接続されているBTS1からいつ到着するはずであるか、あるいは、いつ到着したかが分かっている。移動局の時間に従ってこの時刻をT0と称することにする。
【0040】
MS1は式71に含まれる。円の半径rは、セル半径又はタイミング先行値から求めることができる。2つの極端な場合について考察する。1つの最も極端な場合は、MS1が74の位置にある場合である。この場合、SB2はSB1で示されているよりもd12だけ伝達距離が長いので、SB2の到着時刻はT0+RTD+d12/cである。他方の極端な場合とは、MS1が75に位置するときである。この場合には、SB2の到着時刻はT0+RTD+(d12−2r)/cである。従って、移動局が75と74の間に位置するときは、SB2の到着時刻は[T0+RTD+(d12−2r)/c−k、 T0+RTD+d12/c+k]のウインドウの間のどこかの時刻に到着する。ここで、kはRTDとd12の値の不正確さに対応するものである。
【0041】
RTDは既知なので、MS1は一定の不確実さの下で、BTS2(接続されていない)からのSB2がいつ到着するかを予測することができる。
【0042】
検索ウィンドウを算出することができる機能によって、同期バーストの到着時刻が完全に分からない場合に比較して、同期バーストの到着時刻の検出信頼性を高めることができ、従来の移動局に比較して移動局の構成を単純化することができる。例えば、検索ウインドウの全長に渡って時間差でデータを受信して後の処理のために記録することができるが、このことは、従来の技術に従って同期バーストを捕捉することを保証するためには、検索ウインドウの長さが10TDMAフレーム長分になってしまうために実施できなかったものである。さらに、本発明にかかるサーチウインドウによれば総測定時間を短縮することができる。
【0043】
RTDに関する情報を使用して同期バーストSBのための検索の開始時刻とウインドウを算出することによって、下り線OTD測定の測定時間を顕著に短縮することができる。RTD情報を受信しなければ、移動局は周波数修正バーストを検出してそれに基づいて次のフレームで同期バーストが到着することが予測されるまで連続的に検索を行う必要がある。測定すべき全ての基地無線局に対するRTD情報を使用して、移動局は種々の測定を計画し検索すべきウインドウのモニタリング時間を制限することができるが、これは従来技術のスキャニング技術では不可能であったことである。
【0044】
図6は、本発明に基づく下り線観測時間差測定を行う、図2に示した移動局MS1の当該方法に関連する部分を示したものである。移動局は、入力として(例えば図2に示すMLCからMSC、BSC21とBTS23を経由して)、OTD測定の対象として選択された各基地無線局について、周波数、BSICと接続されている基地無線局に関するRTDを受信する同期バースト決定手段61を有する。同期バースト決定手段はまた接続されている基地無線局と、全ての近接する基地無線局の距離を、全ての近接する基地無線局のセル半径情報と共に受け取る。この情報は(MS1がロームするたびに)MLCによって定期的に更新され図6に63で示した記憶手段に記憶するか、あるいは当該情報はMLCから同期バースト決定手段に送られる位置検出要求に含めることもできる。
【0045】
同期バースト決定手段61は、選択されたBTSのそれぞれについて、接続されているセル(接続されている基地無線局)のフレーム構造基準時間60に従って同期バーストのおよその到着時刻を決定し、この情報を64において到着モニター65に対して出力する。また64において、同期バースト決定手段は、到着モニターに対して選択されたBTSのそれぞれに関する78の暗号化ビットと64のトレーニングビットを出力する。同期バースト決定手段はまた選択された基地無線局のそれぞれについて検索ウインドウを算出し、62でこの算出された検索ウインドウを到着時間モニターに出力する。
【0046】
到着時間モニターは68でBTSから受信した信号の到着時間を測定する。到着時間モニターは計算された到着時間情報、ウインドウ情報及び142ビットのシーケンス情報を使用して、選択された基地無線局のそれぞれに対して到着時間測定を行う。この情報に基づいて、到着時間モニターは効率的に種々の測定を計画することができ、必要であれば、種々の測定ウインドウで受信した信号を記憶し、後にこの信号を処理することができる。受信信号を処理して到着時刻を決定することは従来方法を適宜使用して行うか、1997年11月26日に出願され現在審査に継続するここでその開示を取り込む米国特許出願08/978,960号に詳細に開示された方法で行うことができる。
【0047】
必要な到着時間測定を行った後、到着時間モニターは66において到着時間情報化観測された時間差情報をMLCに(BTS23、BSC21およびMSC経由で)出力する。MLCはこの情報を使用して従来方法によって移動局MS1の位置を特定し、決定された位置を適切なメッセージとして要求を発した図2中のアプリケーション21に送る。あるいは、MS1が測定されたBTSに関する地理的な情報を有していれば、MS1は自身の位置を計算することができる。
【0048】
GSM同期バーストに基づくOTD測定について記述したが、本発明に基づく手法は上記以外の形式のバーストについても適用できることを明瞭にしておく必要がある。
【0049】
すでに述べたようなCDMAシステムでは、移動局にRTD情報を供給することによって、既知の下り線OTD手法を大幅に改善することが可能になる。移動局はRTD情報を使用して、図7に関して上述した方法で検索ウインドウを算出する。移動局は接続されている基地無線局と近接するその他の基地無線局との間の時間のずれに関する情報を有しているので、図7に示した地形を使用して近接する基地無線局それぞれに対する検索ウインドウを決定することができる。
【0050】
次に、所定の基地無線局について、FSCピーク検出とそれに対するSSC相関演算を、FSCとSSC信号が移動局に到着するものと期待される検索ウインドウの間だけ行う。さらに、RTD情報は移動局がいつ所定の基地無線局からの信号をモニターすべきかを特定するだけでなく、基地無線局に対応するSSCパターンは予め基地局によって決定されている。従って、対象の基地無線局では、FSCピーク検出とFSC−SSC相関を同時に求めることができ、このことによって、FSCピーク検出の後にFSC−SSC相関を算出しなければならない上述の従来手法に比較して演算時間を顕著に短縮することができる。演算時間の短縮はそれに対応して、到着情報を取得すべきアイドル時間の短縮を可能にする。アイドル時間のこのような短縮はネットワークの下り線容量を改善するものである。
【0051】
移動局がSSCパターンを予め知っていることのさらに別の効果は、従来技術とは異なり、FSCピークとSSCパターンの相関を求める必要がないことである。このことによって移動局の記憶容量及び演算能力に対する要求が緩和される。
【0052】
FSCピーク検出とFSC−SSC相関演算が同時に行われるので、これらの結果をタイムスロットごとに組み合わせることが可能になり、信号の強度と可聴性を改善することになる。
【0053】
モニターされる基地無線局ごとに検索ウインドウを設定するので、誤った基地無線局からの信号を選択してしまう確率は顕著に小さくなっている。さらに、真のピークの近傍でのみ相関演算を行うので、偽のピークを選択してしまう確率もまた小さくなる。
【0054】
移動局にRTD情報を提供することのさらに別の利点は、RTD情報と対応する検索ウインドウに基づいて、移動局はFSCとSSC以外の信号を関連付けることができることである。例えば、移動局はFSC/SSCに代えてあるいはこれに加えて、移動局は基地無線局のブロードキャストチャネル(例えば近接する基地無線局のリストから選択されたブロードキャストチャネル)に対して相関を取ることも可能である。RTD情報と共に、ネットワークは移動局のために基地無線局の対応するコードグループを特定することができる。コードグループ特定情報と長いコード識別情報とから、移動局は、従来知られている手法を用いて所定の基地無線局の長いコードの全長(例えば40960チップ)を作成することができる。
【0055】
ブロードキャストチャネル、例えば、前述のWCDMA通信システムにおける共通制御物理チャネルCCPCHは、FSC信号のパワーとSSC信号のパワーの合計と同程度のオーダーのパワーレベルを有しているのが通常である。また、このようなブロードキャストチャネルは、FSC/SSCのように全時間の10分の1ではなく連続的に発信されているものである。従って、ブロードキャストチャネルの信号はFSC/SSC信号よりもはるかにエネルギー量が多い。このエネルギーレベルによって可聴性を改善し早期の取得が可能になるのである。
【0056】
ブロードキャストチャネル信号は連続的に送信されているので、FSC/SSCに比較してアイドル時間をはるかに効率的に利用することができる。例えば、任意のタイムスロットにおいて、ブロードキャストチャネルはFSC/SSCに比較して相関のための信号を10倍送ることができる。このことによってアイドル時間を短くかつ間隔をあけて発生させるようにすることが可能になり、ネットワークの下り線容量をさらに拡大することになる。
【0057】
ブロードキャストチャネルは1つの「コード」を示すだけなので、無相関結合のために必要な記憶容量はFSCとSSC(2つのコード)を関連付ける場合に比較して半分になる。また、近接する基地無線局は固有のブロードキャストチャネルを有しているので、基地無線局を誤って選択する可能性は無視することができる。固有のチャネルはFSC/SSCに比較してはるかに優れた相互相関特性を与え(交互相関が小さくなり)、ピークを誤って選択する確率はFSC/SSCを使用した場合よりも小さくなる。
【0058】
図8は、上述のようなCDMAシステムにおける下り線OTD測定を実施することができる移動局の一例について、本発明に関連する部分を模式的に示したものである。図に示したCDMAシステムは基本的には図2に示したものと同じであるが、エアインターフェースがCDMAまたはWCDMA技術に基づいて設けられている点が異なる。図8に示した移動局は、ネットワークから、接続している基地無線局と下り線OTD測定を行う対象である近接する基地無線局の間の時間差を示すRTD情報を受信するための入力部81を具備する。入力部81は、さらに、ネットワークから、基地無線局のそれぞれに対するコードグループを受け取る。ブロードキャストチャネルを測定する実施例の場合には、入力部81は、コードグループ識別情報に加えて、それぞれの基地無線局のブロードキャストチャネルに関する長いコード識別情報を受信する。
【0059】
ウインドウ決定手段83は、ネットワークからRTD情報を受信し、図7を参照して既に述べた方法に従って検索ウインドウを計算し、この情報をCDMA到着時間(TOA)モニター85に対して出力する。モニター85は、必要な処理を行って(例えば、ピーク検出と相関)所望の各基地無線局に対する到着時間測定を行う。
【0060】
FSC/SSCモニタリングを使用する実施例では、コード発生手段87が入力部81からそれぞれの基地無線局のコードグループ識別情報を受け取り、それらに基づいてSSCパターンを作成し、84においてこのSSCパターンをモニター85に出力する。ブロードキャストチャネルを測定する実施例では、コード作成手段87もまた入力部81からそれぞれの基地無線局のブロードキャストチャネルを表す長いコード識別情報を受け取り、コードグループ識別情報と長いコード識別情報とに従って長いコードを作成し、84において長いコードをモニター85に供給する。
【0061】
モニター85は、89において、検索ウインドウに従ってCDMAエアインターフェース89をモニターし、所望の到着時間測定を行う。モニター85は86においてネットワークに対してTOA情報かOTD情報を出力することができる。ネットワーク(例えば、図2に示したMLC)は、この情報を従来の方法に従って用いて移動局の位置特定を行うことができる。さもなければ、移動局が測定すべき基地無線局の地理的位置関係がわかっていれば、移動局は自身の位置を計算することができる。
【0062】
ウインドウ決定手段83は接続されている基地無線局と近接する全ての基地無線局の距離に関する入力情報を受け、全ての隣接する基地無線局のセル半径に関する情報と共に、ウインドウ決定手段が検索ウインドウを決定するのを助けることができる。距離情報はMLCによって(移動局がロームするたびに)くり返し更新し、図8においては82で示された記憶手段に記憶されるかあるいは当該情報はMLCから移動局に送られる位置検出要求メッセージに含ませることができる。ウインドウ決定手段は、RTD情報を使用してそれぞれの基地無線局について接続している基地無線局の時間ベース80に対してそれぞれモニター対象基地無線局からのモニター信号が到着するおよその推定時刻を決定し、この到着時刻の期待値に関する情報と距離情報を組み合わせて適切な検索ウインドウを設定する。
【0063】
図6ないし図8に例示した移動局が、従来の移動局のデータ処理部分のハードウエア、ソフトウエア、あるいはその両方を適宜変更することで実現可能なことは当業者には容易に理解されるはずである。
【0064】
上述の記載によって、本発明に基づく下り線観測時間差技術が、移動局に同期バーストSBから既知のビットを供給することで、到着時刻と観測される時間差測定の制度を改善し、測定誤差の危険性を小さくし、必要な測定を行うための時間を短縮し、さらに移動局で必要な記憶容量とデータ処理能力を低減することが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 下り線観測による時間差測定によって移動局の位置を特定する方法を模式的に示した図である。
【図2】 本発明に基づく下り線観測時間差測定を行う無線通信システムの例を示す模式図である。
【図3】 図2に例示した基地無線局の間の相対的な時間差を示す例である。
【図4】 図3に示したフレームのタイムスロット構造を例示するものである。
【図5】 図4に示したタイムスロットの1/4ビット構造を例示するものである。
【図6】 本発明の一実施例に基づく下り線観測時間差測定機能を有する移動局の関連部分を示すものである。
【図7】 本発明に従って下り線モニター用ウインドウを決定する方法を示す図である。
【図8】本発明の他の一実施例に基づく下り線観測時間差測定機能を有する移動局の関連部分を示すものである。

Claims (32)

  1. 無線通信ネットワークに収容された移動通信局 (MS1)の位置を特定する方法であって、
    移動通信局において複数の無線送信装置(23、28)が発信する無線信号それぞれの到着時間を測定し、当該測定には移動通信局に無線信号がいつ到着するかに関する情報を提供することと移動通信局が当該情報に基づいて検索ウインドウ内において無線信号の到着をモニターする(85)ことを含み、
    検索ウインドウの時間内において、移動通信局が同時に信号相関処理と当該移動通信局と通信している少なくとも1つの無線送信装置のピーク測定を行い、
    測定された到着時間を使用して移動通信局の位置を特定する方法。
  2. 無線通信ネットワークに収容された無線通信局(MS1)への無線信号の到着時刻を特定する方法であって、
    無線通信ネットワークから、無線信号の内容を特定することはできるが無線信号の内容そのものを開示するものではない情報(63)を取得し、
    当該情報に基づいて無線信号に含まれる情報を特定し(61)、
    無線信号に含まれた情報に基づいて無線信号の到着時刻を測定し、
    前記無線通信局は、当該情報に従って、検索ウインドウ時間において無線信号の到着をモニターする(85)ことを含む方法。
  3. 前記情報は無線信号の送信タイミングを示す情報を含むものである請求項に記載の方法。
  4. 前記送信タイミング情報は、無線通信局にとって既知である基準時間(60)と無線信号を送信する無線送信装置(23)の基準時間との間の差を示す時間差(RTD)情報である請求項に記載の方法。
  5. 前記情報は無線信号を発信する無線送信装置を示す情報を含む請求項に記載の方法。
  6. 通信ネットワークがセルラー通信ネットワークである請求項2に記載の方法。
  7. 通信ネットワークがGSMネットワークである請求項2に記載の方法。
  8. 前記通信ネットワークがGSMネットワークであり、前記無線送信装置を示す情報がGSMにおける基地局を特定する基地局識別コード(BSIC)である請求項に記載の方法。
  9. 無線通信ネットワークにおいて移動通信局(MS1)の位置を特定するための装置であって、
    複数の無線信号がそれぞれいつ到着すると期待されるかを決定する決定手段(61)と、
    無線信号それぞれの到着時刻を測定する無線信号モニター(65)と、当該モニターは移動通信局に設けられ前記決定手段と接続された入力部を有し、該入力部から当該移動通信局に前記無線信号が到着すると期待される時刻を受け取り、当該モニターは当該情報に基づいて無線信号の到着を検索ウインドウ時間の間だけモニターする装置。
  10. 前記決定手段は移動通信局に設けられたものである請求項に記載の装置。
  11. 前記決定手段は、移動通信局にそれぞれの無線信号が到着すると期待される時間の間隔を決定するものである請求項に記載の装置。
  12. 前記決定手段は、前記移動通信局と接続されている無線送信装置(23)の基準時間(60)と無線信号を送信する無線信号送信装置の基準時間との差を表す時間差 (RTD)情報を受ける入力部を有し、前記決定手段は該時間差情報に基づいて接続された無線送信装置の基準時間に従って、移動通信局にそれぞれの無線信号が到着すると期待される複数の時刻(74、75)を決定する請求項に記載の装置。
  13. 通信ネットワークにおける前記無線信号の到着時刻の測定装置であって、
    無線信号に含まれる情報を決定することができるが含まれる情報そのものを開示するものではない情報を受信するための入力部(81)と、
    該入力部と接続されて前記実時間差(RTD)情報に基づいて無線信号に含まれる情報を特定し、測定検索ウインドウを算出する決定手段(83)と、
    無線信号の到着を測定する無線信号モニター(85)、当該モニターは前記決定手段と接続されて、前記情報を利用して無線信号の到着時間を測定し、前記検索ウインドウ時間にわたって無線信号の到来をモニターするものである装置。
  14. 前記情報は無線信号の送信タイミングを含む請求項13に記載の装置。
  15. 前記送信タイミング情報は、装置にとって既知である基準時間(80)と無線信号を発信する無線送信装置(23)の基準時間の差を表す時間差(RTD)情報を含む請求項14に記載の装置。
  16. 前記情報は無線信号を発信する無線送信装置に関する情報を含む請求項13に記載の装置。
  17. 前記通信ネットワークはGSMネットワークであり、無線送信装置を示す情報はGSMにおいて基地局を特定する基地局識別コード(BSIC)である請求項16に記載の装置。
  18. 通信ネットワークがセルラー通信ネットワークである請求項13に記載の装置。
  19. 通信ネットワークがGSMネットワークである請求項13に記載の装置。
  20. 前記装置は移動無線通信局(MS1)である請求項13に記載の装置。
  21. 前記無線信号は符号分割多元接続(CDMA)信号である請求項に記載の方法。
  22. 前記無線信号は符号分割多元接続(CDMA)信号である請求項13に記載の装置。
  23. 前記モニタリングステップは、それぞれの無線信号に対して、無線信号を対応する無線送信装置がくり返し送信する第1のコードと対応させ、この対応付けのステップと同時に、前記無線信号を対応する無線送信装置が連続して送信する複数の第2のコードを含むコードパターンと相関を求め、当該コードパターンに含まれる第2のコードは前記第1のコードのくり返し行われる送信と同時に送信されるものである請求項21に記載の方法。
  24. それぞれの無線送信装置に、当該無線送信装置が属するコードグループを示す情報を提供し、さらに移動通信局が当該コードグループ情報に従って前記コードパターンを決定する請求項23に記載の方法。
  25. 送信された前記第1と第2のコードを、前記相関付けステップの結果に基づいて検出する前記請求項23に記載の方法。
  26. 無線送信装置によってそれぞれ使用される拡散コードを示す情報を提供し、移動通信局は当該拡散コード情報に従ってそれぞれの無線送信装置が使用する拡散コードを決定し、前記モニタリングステップは当該拡散コードを使用して対応する無線送信装置のブロードキャストチャネルの無線信号をモニターする請求項21に記載の方法。
  27. 前記無線信号モニターに関連して前記無線信号をモニターするために使用すべきコードを提供するコード発生装置(87)を有する請求項22に記載の装置。
  28. 前記コードは前記無線信号と対応する拡散コードを含む請求項27に記載の装置。
  29. 前記コードは前記無線信号が搬送するコードを含む請求項27に記載の装置。
  30. 前記コードは対応する無線信号を作成するために無線信号送信装置が使用したコードパターンを含む請求項29に記載の装置。
  31. 前記コード作成装置はコードが作成されたコード識別情報を受け取るための入力部を有する請求項27に記載の装置。
  32. 前記コード作成装置は移動通信局に設けられている請求項27に記載の装置。
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