JP4307453B2 - 複合型微粒子分析装置及び複合型微粒子分析装置の組合体 - Google Patents

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Description

本発明は、気相中に浮遊する帯電微粒子を含有する微粒子を分析する複合型微粒子分級装置、及び複合型微粒子分析装置の組合体に係わり、とりわけ、ナノメータからサブミクロン・サイズまでの幅広い分布を有する微粒子の粒径分布を、2以上の粒径範囲に分けて、1台の装置によって同時に測定し、かつ2種類以上の粒径の微粒子に分けて、個数濃度の経時変化を1台の装置で同時にリアルタイムに測定する複合型微粒子分析装置、及び複合型微粒子分析装置の組合体に関する。
近年、自動車排気ガス中の浮遊粒子状物質の問題が注目され、特に、ディーゼル車の比率が大きいヨーロッパにおいては、ディーゼルエンジンから排出されるナノメータサイズの微粒子が人体に及ぼす影響に関する研究がクローズアップされおり、自動車が実際に市中を走行する時の走行パターンの下で排出される微粒子の挙動をリアルタイムに測定する研究が進められている。また、日本及び米国においても数年後を目途に微粒子の個数濃度を基準とした規制するとの動きもある。
このような微粒子を対象とした従来の分析方法としては、(1)一定時間あたりの排出ガス中の微粒子をフィルタ等に捕集して重量を測定する重量測定法、(2)微粒子にレーザー光線等を照射し散乱光強度や透過率等から粒子径及び個数濃度を求める光学的手法、(3)ガス中を浮遊する帯電微粒子の電場中での電気移動度が粒径に依存する性質を利用して微粒子の粒径を測定する微分型電気移動度測定法(特許文献1乃至4参照)といった方法が用いられている。
しかしながら、上述した従来の分析方法のうち、上記(1)の重量測定法では、測定のために長時間を要し、フィルタの濾過効率によって捕集される粒子量が異なってしまう、という問題がある。また、上記(2)の光学的手法では、散乱光強度が粒子径の6乗に比例するので、微粒子の大きさがナノメータ領域になると、正確な粒径分布を求めることが困難となる、という問題がある。
上記(3)の微分型電気移動度測定法は、現在のところ、ナノメータサイズの微粒子の粒径分布をその場観察することが可能な唯一の装置であるが、微粒子の粒径分布を求めるために数分間の時間を要するので、自動車が走行しているときのような、変化が著しいモードで排出される微粒子の粒径分布をリアルタイムに分析することが困難である。
また、複数の粒径サイズの微粒子の粒径分布を同時に測定するために、複数の微分型電気移動度測定装置を並列に設置して測定することもできるが、各微分型電気移動度測定器に対して分配するサンプルガスの不均一に起因する測定精度が低下したり、装置が大型化してしまったりする問題がある。
なお、このような問題を解決するために、三重円筒構造の微分型電気移動度測定器において、第一測定領域と第二測定領域の2つの測定部で、幅広い分布を有する微粒子の粒径分布及び特定サイズの微粒子についての個数濃度の経時変化を2種類の粒径範囲に分けて同時にかつリアルタイムに測定することが可能な微粒子分析装置(特許文献5参照)が提案されている。しかしながら、当該装置は、構造が複雑で極めて高い加工精度が必要となり、さらに製造に多大な費用を要するという問題もある。
特開平11−264790号公報 特開2000−46720号公報 特開2000−279893号公報 特開2001−239181号公報 特開2005−214931号公報
本発明は、このような問題点を考慮してなされたものであり、外部から導入された気相中に浮遊するナノメータからサブミクロン・サイズまでの幅広い分布を有する微粒子の粒径分布(粒径と個数濃度との関係)を、2以上の粒径範囲に分けて、1台の装置によって同時に測定することができ、かつ印加する電圧を調整することによって、2種類以上の粒径の微粒子に分けて、個数濃度の経時変化を1台の装置で同時にリアルタイムに測定することもできる複合型微粒子分析装置、及び複合型微粒子分析装置の組合体を提供することを目的とする。
本発明は、気相中に浮遊する帯電微粒子を含有する微粒子を分析する複合型微粒子分析装置において、外部から気密に保たれ、アースに接続されるとともに、前面から背面にかけて延在し内部を二分する中心壁を有する筐体と、筐体との間に第一測定領域を形成し、所望の大きさの帯電微粒子を通過させる第一分級ガス導出スリットを有する第一中心電極部と、第一中心電極部と並列に配置され、筐体との間に第二測定領域を形成し、所望の大きさの帯電微粒子を通過させるとともに、第一分級ガス導出スリットと分級長の異なる第二分級ガス導出スリットを有する第二中心電極部と、第一中心電極部に接続され、第一中心電極部と筐体との間に電圧を印加する第一電源と、第二中心電極部に接続され、第二中心電極部と筐体との間に電圧を印加する第二電源と、第一中心電極部の下方に配置されるとともに、第一中心電極部の第一分級ガス導出スリットを通過した帯電微粒子の個数濃度を測定する第一微粒子個数濃度計数器と、第二中心電極部の下方に配置されるとともに、第二中心電極部の第二分級ガス導出スリットを通過した帯電微粒子の個数濃度を測定する第二微粒子個数濃度計数器と、中心壁の前面から背面まで貫通して設けられるとともに、第一測定領域及び第二測定領域へシースガスを導入するシースガス導入路と、シースガス導入路の下方であって、中心壁の前面から背面まで貫通して設けられるとともに、第一測定領域及び第二測定領域へ帯電微粒子を含む微粒子を導入するエアロゾル導入路と、エアロゾル導入路の下方であって、中心壁の前面から背面まで貫通して設けられるとともに、第一測定領域及び第二測定領域からの余剰ガスを筐体外部へ排出するエクセスガス排出路と、エクセスガス排出路の下部に上下方向に延びて連結されるとともに、第一微粒子個数濃度計数器及び第二微粒子個数濃度計数器を通過したサンプルガスをエクセスガス排出路へと導くサンプルガス排出路と、を備えたことを特徴とする複合型微粒子分析装置である。
本発明は、エアロゾル導入路の下流側であって、第一測定領域の上流側には、第一中心電極部と同軸に配置された円周状の第一エアロゾル流入路が設けられ、エアロゾル導入路の下流側であって、第二測定領域の上流側には、第二中心電極部と同軸に配置された円周状の第二エアロゾル流入路が設けられ、エアロゾル導入路と第一エアロゾル流入路との連結部には第一開口部が形成され、エアロゾル導入路と第二エアロゾル流入路との連結部には第二開口部が形成され、当該第一開口部と当該第二開口部とは、同一形状であって、同一の大きさになっていることを特徴とする複合型微粒子分析装置である。
本発明は、エクセスガス排出管は、筐体外部において排出ガスを清浄する清浄部に連結され、当該清浄部は、筐体外部において、清浄された排出ガスを除電する除電部に連結され、当該除電部は、シースガス導入路に連結されており、エクセスガス排出管より排出された排出ガスを清浄化し、除電した後に、シースガス導入路へ循環してシースガスとして使用することを特徴とする複合型微粒子分析装置である。
本発明は、第一微粒子個数濃度計数器は、帯電微粒子の持つ電荷量を電流値として測定する第一ファラデーカップからなり、第二微粒子個数濃度計数器は、帯電微粒子の持つ電荷量を電流値として測定する第二ファラデーカップからなることを特徴とする複合型微粒子分析装置である。
本発明は、第一ファラデーカップ及び第二ファラデーカップの各々には、第一ファラデーカップ及び第二ファラデーカップから出力される電流値を電圧信号に変換して増幅するプリアンプ回路が接続され、当該プリアンプ回路には、プリアンプ回路から出力される電圧信号を演算して、アナログ出力するエレクトロメータ回路が接続されていることを特徴とする複合型微粒子分析装置である。
本発明は、シースガス導入路の下流側には、第一シースガス導入室へ流入するシースガスの量を調整する第一シースガス流量調整オリフィスと、第二シースガス導入室へ流入するシースガスの量を調整する第二シースガス流量調整オリフィスとが設けられ、エクセスガス排出路の上流側には、第一測定領域から流入する余剰ガスの量を調整する第一余剰ガス流量調整オリフィスと、第二測定領域から流入する余剰ガスの量を調整する第二余剰ガス流量調整オリフィスとが設けられ、サンプルガス排出路の上流側には、第一微粒子個数濃度計数器を通過したサンプルガスの量を調整する第一サンプルガス流量調整オリフィスと、第二微粒子個数濃度計数器を通過したサンプルガスの量を調整する第二サンプルガス流量調整オリフィスとが設けられていることを特徴とする複合型微粒子分析装置である。
本発明は、シースガス導入路の前面には、取り外し自在なシースガス導入管が設けられ、シースガス導入路の背面には、取り外し自在な第一メクラ蓋が設けられ、エアロゾル導入路の前面には、取り外し自在なエアロゾル導入管が設けられ、エアロゾル導入路の背面には、取り外し自在な第二メクラ蓋が設けられ、エクセスガス排出路の前面には、取り外し自在なエクセスガス排出管が設けられ、エクセスガス排出路の背面には、取り外し自在な第三メクラ蓋が設けられ、エクセスガス排出路に連通したサンプルガス排出路の前面には、取り外し自在な第四メクラ蓋が設けられていることを特徴とする複合型微粒子分析装置である。
本発明は、上述した複合型微粒子分析装置を2以上組み合わせることによって形成される組立複合型微粒子分析装置の組合体において、一方の複合型微粒子分析装置のシースガス導入路、エアロゾル導入路及びエクセスガス排出路の各々は、他方の複合型微粒子分析装置の対応するシースガス導入路、エアロゾル導入路及びエクセスガス排出路に対向して同軸上に配置され、かつ互いに連通していることを特徴とする複合型微粒子分析装置の組合体である。
本発明によれば、外部から導入された気相中に浮遊するナノメータからサブミクロン・サイズまでの幅広い分布を有する微粒子の粒径分布(粒径と個数濃度との関係)を、2以上の粒径範囲に分けて、1台の装置によって同時に測定することができる。印加する電圧を調整することによって、2種類以上の粒径の微粒子に分けて、個数濃度の経時変化を1台の装置で同時にリアルタイムに測定することもできる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態
まず、図1乃至図5により、本発明による複合型微粒子分析装置の第1の実施の形態について説明する。
本発明の複合型微粒子分析装置は、気相中に浮遊する帯電微粒子を含有する微粒子を分析するものである。
図1乃至図4に示すように、本発明の複合型微粒子分析装置100は、外部から気密に保たれ、アースに接続されるとともに、内部を前面から背面にかけて二分する中心壁15を有する筐体10と、筐体10との間に第一測定領域13aを形成し、所望の大きさの帯電微粒子を通過させる第一分級ガス導出スリット65aを有する第一中心電極部19aと、第一中心電極部19aと並列に配置され、筐体10との間に第二測定領域13bを形成し、所望の大きさの帯電微粒子を通過させるとともに、第一分級ガス導出スリット65aと分級長の異なる第二分級ガス導出スリット65bを有する第二中心電極部19bとを備えている。
このうち筐体10は、図1に示すように、第一筐体1と、第一筐体1の下方に配置された第二筐体2と、第二筐体2の下方に配置された第三筐体3と、第三筐体3の下方に配置された第四筐体4とからなっている。ここで、第一筐体1と第二筐体2とは4本のボルト82aを用いて連結固定され、また第二筐体2、第三筐体3及び第四筐体4も、4本のボルト82bを用いて連結固定されている。また、中心壁15は、第一筐体1の第一中心壁11と、第二筐体2の第二中心壁12と、第三筐体3の第三中心壁14とからなっている。
また図1及び図2に示すように、第一測定領域13aと第二測定領域13bは並列に配置され、それぞれの同心軸上には、第一中心電極部19aと第二中心電極部19bとが直立状態で配置されている。このうち第一中心電極部19aは、第一上部中心電極23aと第一下部中心電極25aと第一電極絶縁体27aとから構成され、同様に第二中心電極部19bは、第二上部中心電極23bと第二下部中心電極25bと第二電極絶縁体27bとから構成されている。
また図1及び図5に示すように、第一筐体1の上端面には、第一中心電極部19aと筐体10との間に電圧を印加する第一直流電源(第一電源)90aに接続された第一電圧印加用コネクタ5aと、第二中心電極部19bと筐体10との間に電圧を印加する第二直流電源(第二電源)90bに接続された第二電圧印加用コネクタ5bとが並列に設けられている。
また図1に示すように、第一上部中心電極23aと、第一筐体1の第一電圧印加用コネクタ5aとは第一電圧印加電極17aによって電気的に接続され、第二上部中心電極23bと、第一筐体1の第二電圧印加用コネクタ5bとは第二電圧印加電極17bによって電気的に接続されている。なお、第一電圧印加用コネクタ5aはボルト82cを介して固定されており、第二電圧印加用コネクタ5bも同様にボルト82dを介して固定されている。
また図1及び図4に示すように、第一筐体1の第一中心壁11には、第一中心壁11の前面から背面まで貫通して、第一測定領域13a及び第二測定領域13bへシースガスを導入するシースガス導入路45が設けられている。図4に示すように、このシースガス導入路45の前面には、シースガス導入管38がボルト(図示せず)によって取り外し自在に取り付けられ、シースガス導入路45の背面には、第一メクラ蓋41がボルト(図示せず)によって取り外し自在に取り付けられている。
また図1に示すように、第一筐体1内のシースガス導入路45の下流側には、第一シースガス導入室46aへ流入するシースガスの量を調整する第一シースガス流量調整オリフィス50aと、第二シースガス導入室46bへ流入するシースガスの量を調整する第二シースガス流量調整オリフィス50bとが設けられている。
また、第一筐体1の内部には、シースガスを層流化する第一ラミナー7a及び第二ラミナー7bとが並列に設けられている。
なお図1に示すように、第一筐体1の下部は、後述する第一エアロゾル導入スリット59a及び第二エアロゾル導入スリット59bの上部エッジ37になっている。
また図1に示すように、第一中心電極部19aは第一電極絶縁体27aを介して第二筐体2に連結され、同様に第二中心電極部19bは、第二電極絶縁体27bを介して第二筐体2に連結されている。このため、第一中心電極部19a及び第二中心電極部19bは、第二筐体2と電気的に絶縁されている。また、第一中心電極部19aの第一分級ガス導出スリット65aは、第一分級ガス導出路63aに連通しており、同様に、第二分級ガス導出スリット65bは第二分級ガス導出路63bに連通している。
また図1に示すように、第二筐体2の上部には、第二筐体2と、上部エッジ37とによって形成された第一測定領域13aに対して開口した第一エアロゾル導入スリット59aと、第二測定領域13bに対して開口した第二エアロゾル導入スリット59bとが設けられている。
また図1、図2及び図4に示すように、シースガス導入路45の下方の第二筐体2の第二中心壁12には、第二中心壁12の前面から背面まで貫通して、第一測定領域13a及び第二測定領域13bへ帯電微粒子を含む微粒子を導入するエアロゾル導入路54が設けられている。このエアロゾル導入路54の前面には、エアロゾル導入管39がボルト82eによって取り外し自在に取り付けられており、またエアロゾル導入路54の背面には第二メクラ蓋42がボルト82fによって取り外し自在に取り付けられている。
また図1及び図2に示すように、エアロゾル導入路54の下流側であって、第一測定領域13aの上流側には、第一中心電極部19aと同軸に配置された円周状の第一エアロゾル流入路56aが設けられている。同様に、エアロゾル導入路54の下流側であって、第二測定領域13bの上流側には、第二中心電極部19bと同軸に配置された円周状の第二エアロゾル流入路56bが設けられている。このうちエアロゾル導入路54と第一エアロゾル流入路56aとの連結部には第一開口部98aが形成され、同様に、エアロゾル導入路54と第二エアロゾル流入路56bとの連結部には第二開口部98bが形成されている。ここで、当該第一開口部98aと当該第二開口部98bとは、同一形状であって、同一の大きさになっている。
また図1、図3及び図4に示すように、第二筐体2の第二中心壁12のエアロゾル導入路54の下方には、第二中心壁12の前面から背面まで貫通して、第一測定領域13a及び第二測定領域13bからの余剰ガスを筐体10外部へ排出するエクセスガス排出路67が設けられている。このエクセスガス排出路67の前面には、エクセスガス排出管40がボルト82gによって取り外し自在に取り付けられ、エクセスガス排出路67の背面には第三メクラ蓋43がボルト82hによって取り外し自在に取り付けてある。なおエクセスガス排出路67は、後述するサンプルガス排出路72と連通している。
また図1に示すように、エクセスガス排出路67の上流側には、第一測定領域13aから流入する余剰ガスの量を調整する第一余剰ガス流量調整オリフィス68aと、第二測定領域13bから流入する余剰ガスの量を調整する第二余剰ガス流量調整オリフィス68bとが設けられている。
また図1に示すように、第一中心電極部19aの下方であって、第三筐体3の内部には、第一中心電極部19aの第一分級ガス導出スリット65aを通過した帯電微粒子の持つ電荷量を電流値として測定する第一ファラデーカップ(第一微粒子個数濃度計数器)29aが配置されている。同様に、第二中心電極部19bの下方には、第二中心電極部19bの第二分級ガス導出スリット65bを通過した帯電微粒子の持つ電荷量を電流値として測定する第二ファラデーカップ(第二微粒子個数濃度計数器)29bが配置されている。なお、第一ファラデーカップ29aと第二ファラデーカップ29bとは、並列に配置されている。
このうち第一ファラデーカップ29aは、図1に示すように、帯電微粒子を捕捉するための第一電荷捕集電極31aと、当該第一電荷捕集電極31aに電気的に接続した第一微弱電流用電極33aとを有し、また第二ファラデーカップ29bも同様に、帯電微粒子を捕捉するための第二電荷捕集電極31bと、当該第二電荷捕集電極31bに電気的に接続した第二微弱電流用電極33bとを有している。
また図1に示すように、第一微弱電流用電極33aは、第三筐体3の下端部に挿入された第一絶縁体84aによって気密性を保ち、第二微弱電流用電極33bも同様に、第三筐体3の下端部に挿入された第二絶縁体84bによって気密性を保っている。
また第一微弱電流用電極33aは、第一絶縁体84aを介して第三筐体3に連結されているため、第三筐体3とは電気的に絶縁されており、同様に第二微弱電流用電極33bは、第二絶縁体84bを介して第三筐体3に連結されているため、第三筐体3とは電気的に絶縁されている。
なお図1に示すように、第一ファラデーカップ29aと、第一電圧印加用コネクタ5aと、第一ラミナー7aと、第一中心電極部19aの中心は各々、同軸上に配置されている。同様に、第二ファラデーカップ29bと、第二電圧印加用コネクタ5bと、第二ラミナー7bと、第二中心電極部19bの中心も各々、同軸上に配置されている。
また図1、図3及び図4に示すように、エクセスガス排出路67の下部には、上下方向に延びてサンプルガス排出路72が連結されている。このサンプルガス排出路72は、第一ファラデーカップ29a及び第二ファラデーカップ29bを通過したサンプルガスをエクセスガス排出路67へと導くものである。また図4に示すように、このサンプルガス排出路72の前面には、第四メクラ蓋44が、ボルト(図示せず)によって取り外し自在に設けられている
また図1に示すように、サンプルガス排出路72の上流側には、第一微粒子個数濃度計数器を通過したサンプルガスの量を調整する第一サンプルガス流量調整オリフィス77aと、第二微粒子個数濃度計数器を通過したサンプルガスの量を調整する第二サンプルガス流量調整オリフィス77bとが設けられている。
また図1に示すように、第一ファラデーカップ29a及び第二ファラデーカップ29bの各々には、第一ファラデーカップ29a及び第二ファラデーカップ29bから出力される電流値を電圧信号に変換して増幅するプリアンプ回路35が接続されている。また図1及び図5に示すように、このプリアンプ回路35には、プリアンプ回路35から出力される電圧信号を演算して、装置制御・データ処理システム89にアナログ出力するエレクトロメータ回路36が接続されている。
また図1に示すように、第四筐体4の一側面には、エレクトロメータ回路36で演算された測定信号を外部へアナログ出力するための真空対応型コネクタ81が設けられている。
また図5に示すように、筐体10外部において、エクセスガス排出管40は排出ガスを清浄する除塵用フィルタ(清浄部)92に連結され、除塵用フィルタ92は第一サージタンク93aに連結され、第一サージタンク93aは質量流量計94に連結され、質量流量計94は循環ポンプ95に連結されるとともに、装置制御・データ処理システム89に電気的に接続されている。また、筐体10外部において、循環ポンプ95は第二サージタンク93bに連結され、第二サージタンク93bは除電する除電用フィルタ(除電部)96に連結され、除電用フィルタ96は圧力調整器97に連結され、圧力調整器97はシースガス導入管38に連結されるとともに、装置制御・データ処理システム89に電気的に接続されている。また図5に示すように、装置制御・データ処理システム89は、エレクトロメータ回路36と、第一直流電源90a及び第二直流電源90bとに電気的に接続されている。
なお、除塵用フィルタ92、第一サージタンク93a、質量流量計94、循環ポンプ95、第二サージタンク93b、除電用フィルタ96及び圧力調整器97によって、1系統のガス循環部83が構成されている。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
図1乃至図4に示した複合型微粒子分析装置100において、自動車排気ガス等の気相中に浮遊している微粒子は、アメリシウム241等の放射線源から照射されるα線やコロナ放電によって生成されたコロナイオン等によって予め荷電された後、エアロゾル導入管39から取り込まれる(図2及び図4参照)。
エアロゾル導入管39から取り込まれた微粒子は、エアロゾル導入路45を経由して、第一エアロゾル流入路56aと第二エアロゾル流入路56bに同一の組成状態で取り込まれる。これは上述したように、第一開口部98aと第二開口部98bが各々、同一形状であり、かつ同一の大きさになっているためである(図2参照)。
次に、第一エアロゾル流入路56aに取り込まれた微粒子は、環状の第一エアロゾル導入スリット59aを通過し、第一測定領域13aへ取り込まれる。同様に、第二エアロゾル流入路56bに取り込まれた微粒子は、環状の第二エアロゾル導入スリット59bを通過し、第二測定領域13bへ取り込まれる(図2参照)。
このとき、第一筐体1の第一中心壁11に設けたシースガス導入管38から導入されたシースガスの一部が、第一シースガス流量調整オリフィス50aで流量調整をされながら第一シースガス導入室46aに流入し、同様に、シースガスの残部が、第二シースガス流量調整オリフィス50bで流量調整されながら第二シースガス導入室46bに流入する。
次に、第一シースガス導入室46aに流入したシースガスは、第一ラミナー7aで層流化されて第一測定領域13aへ流入し、同様に、第二シースガス導入室46bに流入したシースガスは、第二ラミナー7bで層流化されて第二測定領域13bへ流入する。
そして、各測定領域13a,13b内において、層硫化されたシースガス中に、微粒子が流入して、微粒子とシースガスとが一緒に、各測定領域13a,13bの下流方向へ移動する(図1参照)。
このとき、第一直流電源90a(図5参照)によって、第一中心電極部19aに規定の電圧を印加して、アースに接続した第二筐体2との間に電位差を生じさせると、両電極間に形成される電場の影響を受けて帯電微粒子が電気移動度に応じた速度で微粒子が、第一エアロゾル導入スリット59aから第一中心電極部19a側に引き寄せられる。このようにして、印加した電圧に相当する大きさの微粒子のみが、第一中心電極部19aに設けた第一分級ガス導出スリット65aに到達する。
同様に、第二直流電源90b(図5参照)によって、第二中心電極部19bに規定の電圧を印加して、アースに接続した第二筐体2との間に電位差を生じさせると、両電極間に形成される電場の影響を受けて帯電微粒子が電気移動度に応じた速度で微粒子が、第二エアロゾル導入スリット59bから第二中心電極部19b側に引き寄せられる。このようにして、印加した電圧に相当する大きさの微粒子のみが、第二中心電極部19bに設けた第二分級ガス導出スリット65bに到達する。
このときの微粒子の電気移動度Zpは、次の式(1)により算出される。
Zp=Qc・ln(r2/r1)/(2π・V・L) …(1)
上式(1)において、Qcは供給されたシースガス流量、r1は中心電極部19a,19bの外径、r2は測定領域13a,13bの内径、Vは各中心電極部19a,19bとアースに接続した筐体10の電位差、Lはエアロゾル導入スリット59a,59bと分級ガス導出スリット65a,65b間の距離を、各々示している。
また、微粒子の電気移動度Zpと粒径Dpとの間には次式(2)の関係が成り立つ。
Zp=n・e・Cc/(3π・μ・Dp) …(2)
上式(2)において、nは微粒子の荷電量、eは電気素量、Ccはカニンガム補正係数、μは電気移動度測定部に供給されたシースガスの粘性係数を、各々示している。
ここで、上式(1)及び(2)に則って、中心電極部に印加する電圧Vを段階的にスキャンすれば分級ガス導出スリットに到達する微粒子の大きさを変化させることができる。
第一中心電極部19aの第一分級ガス導出スリット65aに到達した特定サイズの帯電微粒子は、第一分級ガス導出路63aから第一ファラデーカップ29aに到達して、第一電荷捕集電極31aにおいて電荷を電流値としてプリアンプ回路35へ入力される。同様に、第二中心電極部19bの第二分級ガス導出スリット65bに到達した特定サイズの帯電微粒子は、第二分級ガス導出路63bから第二ファラデーカップ29bに到達して、第二電荷捕集電極31bにおいて電荷を電流値としてプリアンプ回路35へ入力される。次に、プリアンプ回路35から測定信号がエレクトロメータ回路36へ入力され、エレクトロメータ回路36において入力された測定信号が演算され、装置制御・データ処理システム89へアナログ出力される(図1及び図5参照)。このため、筐体10の外部に設けた装置制御・データ処理システム89において、分級した特定サイズの微粒子の個数濃度を測定することができる。
なお、第一分級ガス導出スリット65aに導出した微粒子及びシースガスとエアロゾルの混合ガスは、第一ファラデーカップ29aの第一電荷捕集電極31aを流れた後、第三筐体3の下部の第一サンプルガス流出室73aまで到達する。その後、第一サンプルガス流出室73aからサンプルガス排出路72を経由してエクセスガス排出路67へと流れ、エクセスガス排出路67からエクセスガス排出管40を介して筐体10の外部へ排出される(図1及び図5参照)。
同様に、第二分級ガス導出スリット65bに導出した微粒子及びシースガスとエアロゾルの混合ガスは、第二ファラデーカップ29bの第二電荷捕集電極31を流れた後、第三筐体3の下部の第二サンプルガス流出室73bまで到達する。その後、第二サンプルガス流出室73bからサンプルガス排出路72を経由してエクセスガス排出路67へと流れ、エクセスガス排出路67からエクセスガス排出管40を介して筐体10の外部へ排出される(図1及び図5参照)。
このとき、第一電荷捕集電極31aと第二電荷捕集電極31bを流れる微粒子及びシースガスとエアロゾルの混合ガスの流量比率は、サンプルガス排出路72の上流側に設けた第一サンプルガス流量調整オリフィス77aと第二サンプルガス流量調整オリフィス77bによって調整される(図1参照)。
また、第一分級ガス導出スリット65aに導出した微粒子及びシースガスとエアロゾルの混合ガス以外の微粒子及びシースガスとエアロゾルの混合ガスは、エクセスガス排出路67を経由してエクセスガス排出管40から外部へ排出され、同様に、第二分級ガス導出スリット65bに導出した微粒子及びシースガスとエアロゾルの混合ガス以外の微粒子及びシースガスとエアロゾルの混合ガスは、エクセスガス排出路67を経由してエクセスガス排出管40から外部へ排出される(図1参照)。
このとき、第一測定領域13aと第二測定領域13bから排出される余剰ガスの排出比率は、エクセスガス排出路67の上流側に設けた第一余剰ガス流量調整オリフィス68aと第二余剰ガス流量調整オリフィス68bによって調整される(図1参照)。
上述した構成の複合型微粒子分析装置100を用いることによって、外部から導入された気相中に浮遊するナノメータからサブミクロン・サイズまでの幅広い分布を有する微粒子の粒径分布(粒径と個数濃度との関係)を、2領域の粒径範囲(例えば10nm付近と100nm付近)に分けて、1台の装置によって同時に測定することができる。
また、第一中心電極部19aと第二中心電極部19bに印加されるそれぞれの直流電圧を、特定粒径サイズ(例えば10nmと100nm)の微粒子を取り出すのに必要な電圧に固定することによって、2種類の粒径の微粒子に分けて、個数濃度の経時変化を1台の装置で同時にリアルタイムに測定することもできる。
また、第一測定領域13aと第二測定領域13bという二つの測定領域に対して、シースガス導入路、エアロゾル導入路、エクセスガス排出路及びサンプルガス排出路の各々を、一つずつ設けるだけで良いので、コンパクトで持ち運びでき、さらに安価に製造することもできる。
また図5に示すように、エクセスガス排出管40は排出ガスを清浄する除塵用フィルタ92に連結され、当該除塵用フィルタ92は清浄された排出ガスを除電する除電用フィルタ96に連結され、当該除電用フィルタ96はシースガス導入路45に連結されている。このため、エクセスガス排出管40より排出された排出ガスを清浄化し、除電した後に、シースガス導入路45へ循環してシースガスとして使用することができる。
第2の実施の形態
次に、図6乃至図9により、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本発明の第2の実施の形態は、複合型微粒子分析装置と略同一な、前方複合型微粒子分析装置100f及び後方複合型微粒子分析装置100rを通しボルト87及び固定ナット88を用いて組み合わせることによって形成される組立複合型微粒子分析装置の組合体100tを用いたものであり、他は図1乃至図5に示す第1の実施の形態と略同一である。
本発明の第2の実施の形態において、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と略同一部分には略同一な符号を付して詳細な説明は省略する(前方複合型微粒子分析装置100fに含まれる部材には文字の末尾にfを付け、後方複合型微粒子分析装置100rに含まれる部材には文字の末尾にrを付けた)。
図7及び図8に示すように、前方複合型微粒子分析装置100fは、両端の上下二箇所に前面から背面までの前方ボルト孔86fを有している。また後方複合型微粒子分析装置100rも同様に、両端の上下二箇所に前面から背面までの後方ボルト孔86rを有している。
ここで、前方複合型微粒子分析装置100fと後方複合型微粒子分析装置100rとを、通しボルト87及び固定ナット88を用いて組立複合型微粒子分析装置100tを組み立てる方法について説明する。
まず、前方複合型微粒子分析装置100fの前方第一メクラ蓋41f、前方第二メクラ蓋42f及び前方第三メクラ蓋43fを取り外す(図4及び図7乃至図9参照)。
次に、後方複合型微粒子分析装置100rの後方シースガス導入管38r、後方エアロゾル導入管39r及び後方エクセスガス排出管40r及び後方第四メクラ蓋44rを取り外す(図4及び図7乃至図9参照)。
その後、前方複合型微粒子分析装置100fの前方ボルト孔86fと、後方複合型微粒子分析装置100rの後方ボルト孔86rとを各々対向させるように配置して、前方ボルト孔86f及び後方ボルト孔86rに通しボルト87を通した後、固定ナット88で通しボルト87を固定する(図7乃至図9参照)。このようにして、前方複合型微粒子分析装置100fと、後方複合型微粒子分析装置100rから複合型微粒子分析装置の組立体100tが組み立てられる。
次に、上述のようにして組み立てられた複合型微粒子分析装置の組立体100tの構成について、簡単に説明する。
図6及び図9に示すように、前方複合型微粒子分析装置100fの前方シースガス導入路45fと、後方複合型微粒子分析装置100rの後方シースガス導入路45rとが、対向して同軸上に配置され、かつ互いに連通されることによって、シースガス導入路45が形成されている。
同様に、図6、図7及び図9に示すように、前方複合型微粒子分析装置100fの方エアロゾル導入路54fと、後方複合型微粒子分析装置100rの後方エアロゾル導入路54rとが、対向して同軸上に配置され、かつ互いに連通されることによって、エアロゾル導入路54が形成されている。
さらに同様に、図7乃至図9に示すように、前方複合型微粒子分析装置100fの前方エクセスガス排出路67fと、後方複合型微粒子分析装置100rの後方エクセスガス排出路67rとが、対向して同軸上に配置され、かつ互いに連通されることによって、エクセスガス排出路67が形成されている。
また図6に示すように、シースガス導入路45と前方第一シースガス導入室46afの間には前方第一シースガス流量調整オリフィス50afが設けられている。同様に、シースガス導入路45と前方第二シースガス導入室46bfの間には前方第二シースガス流量調整オリフィス50bfが設けられ、シースガス導入路45と後方第一シースガス導入室46arの間には後方第一シースガス流量調整オリフィス50arが設けられ、シースガス導入路45と後方第二シースガス導入室46brの間には後方第二シースガス流量調整オリフィス50brが設けられている。
また図7に示すように、エアロゾル導入路54と前方第一エアロゾル流入路56afの連結部には、前方第一開口部98afが形成されている。同様にエアロゾル導入路54と前方第二エアロゾル流入路56bfの連結部には、前方第二開口部98bfが形成され、エアロゾル導入路54と後方第一エアロゾル流入路56arの連結部には、後方第一開口部98arが形成され、エアロゾル導入路54と後方第二エアロゾル流入路56brの連結部には、後方第二開口部98brが形成されている。
このうち前方第一開口部98af、前方第二開口部98bf、後方第一開口部98ar及び後方第二開口部98brは各々同一形状であり同一の大きさになっている。
また図6に示すように、エクセスガス排出路67と前方第一測定領域13afの間には第一余剰ガス流量調整オリフィス68afが設けられている。同様に、エクセスガス排出路67と前方第二測定領域13bfの間には前方第二余剰ガス流量調整オリフィス68bfが設けられ、エクセスガス排出路67と後方第一測定領域13arの間には後方第一余剰ガス流量調整オリフィス68arが設けられ、エクセスガス排出路67と後方第二測定領域13brの間には後方第二余剰ガス流量調整オリフィス68brが設けられている。
また図6及び図8に示すように、前方第一サンプルガス流出室73af及び前方第二サンプルガス流出室73bfに連通した流路が合流した前方サンプルガス排出路72fと、後方第一サンプルガス流出室73ar及び後方第二サンプルガス流出室73brに連通した流路とが合流した後方サンプルガス排出路72rも、エクセスガス排出路67に連通している。
ここで、前方サンプルガス排出路72fの上流側であって、前方第一サンプルガス流出室73af及び前方第二サンプルガス流出室73bfの下流側には各々、前方第一サンプルガス流量調整オリフィス77af及び前方第二サンプルガス流量調整オリフィス77bfが設けられている。同様に、後方サンプルガス排出路72rの上流側であって、後方第一サンプルガス流出室73ar及び後方第二サンプルガス流出室73brの各々の下流側には、後方第一サンプルガス流量調整オリフィス77af及び後方第二サンプルガス流量調整オリフィス77bfが設けられている。
なお本実施の形態の複合型微粒子分析装置の組合体100tにおける各部のガス流量の配分は、次式(3)〜(8)により表される。
Qa=Qa1+Qa2+Qa3+Qa4 …(3)
Qsh=Qsh1+Qsh2+Qsh3+Qsh4 …(4)
Qd=Qd1+Qd2+Qd3+Qd4 …(5)
Qs=Qs1+Qs2+Qs3+Qs4 …(6)
Qex=Qd+Qs …(7)
Qa+Qsh=Qex …(8)
上記(3)〜(8)式において、Qaはエアロゾル導入管39を流れるガスの流量、Qa1、Qa2、Qa3及びQa4は各々、前方第一測定領域13af、前方第二測定領域13bf、後方第一測定領域13ar及び後方第二測定領域13brへ取り込まれる微粒子流量、Qshはシースガス導入管38を流れるガスの流量、Qsh1、Qsh2、Qsh3及びQsh4は各々、前方第一測定領域13af、前方第二測定領域13bf、後方第一測定領域13ar及び後方第二測定領域13brへ供給されるシースガス流量、Qdはエクセスガス排出路67を流れるガスの流量、Qd1、Qd2、Qd3及びQd4は各々、前方第一測定領域13af、前方第二測定領域13bf、後方第一測定領域13ar及び後方第二測定領域13brから排出される余剰ガス流量、Qsはサンプルガス排出路72を流れるガス流量、Qs1、Qs2、Qs3及びQs4は各々、前方第一サンプルガス流出室73af、前方第二サンプルガス流出室73bf、後方第一サンプルガス流出室73ar及び後方第二サンプルガス流出室73brより排出されるサンプルガス流量、Qexはエクセスガス排出管40を流れる排出ガス流量を示している。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
上述したように前方第一開口部98af、前方第二開口部98bf、後方第一開口部98ar及び後方第二開口部98brは各々同一形状であり同一の大きさになっている。このため、エアロゾル導入路54に流入した微粒子は、同一の組成状態で、環状の前方第一エアロゾル導入スリット59af、前方第二エアロゾル導入スリット59bf、後方第一エアロゾル導入スリット59ar及び後方第二エアロゾル導入スリット59brを通過し各々、前方第一測定領域13af、前方第二測定領域13bf、後方第一測定領域13ar及び後方第二測定領域13brへ取り込むことができる(図6及び図7参照)。
また、上述のように、前方エアロゾル導入路54f及び後方エアロゾル導入路54rを同軸上に配置し、かつ互いに連通することによって、微粒子を前方第一測定領域13af、前方第二測定領域13bf、後方第一測定領域13ar及び後方第二測定領域13brの4つの測定領域へ同時に同一組成状態で導入することができる。このため、エアロゾルサンプリングのバラツキによる測定誤差を低減して、外部から導入された気相中に浮遊する幅広い分布を有するナノメータからサブミクロン・サイズの微粒子の粒径分布(粒径と個数濃度との関係)を、4領域の粒径範囲(例えば10nm付近と50nm付近と100nm付近と200nm付近)に分けて、1台の装置で同時に測定することができる。
また、この際、前方第一中心電極部19af、前方第二中心電極部19bf、後方第一中心電極部19ar及び後方第二中心電極部19brに印加されるそれぞれの直流電圧を、特定粒径サイズ(例えば10nmと50nmと100nmと200nm)の微粒子を取り出すのに必要な電圧に固定することによって、4種類の粒径の微粒子に分けて、個数濃度の経時変化を1台の装置によって同時にリアルタイムで測定することができる。
また、図6乃至図9に示すように、前方シースガス導入路45f及び後方シースガス導入路45rを同軸上に配置しかつ互いに連通し、さらに前方エクセスガス排出路67f及び後方エクセスガス排出路67rを同軸上に配置しかつ互いに連通することによって、1系統のガス循環部83により、各ガスの導入や排出をすることができる(図5参照)。このため、コンパクトで持ち運びでき、さらに安価に製造することもできる。
なお、上述した第2の実施の形態においては、前方複合型微粒子分析装置100fと、後方複合型微粒子分析装置100rとの2台からなる複合型微粒子分析装置の組合体100tを用いて説明したが、これに限らず、シースガス循環部のガス循環能力を高くすれば、3台以上の複合型微粒子分析装置を組み合わせて、複合型微粒子分析装置の組合体を形成しても良い。
本発明による複合型微粒子分析装置の実施の形態を示す縦断面図。 本発明による複合型微粒子分析装置の実施の形態を示すX−X’部の横断面図。 本発明による複合型微粒子分析装置の実施の形態を示すZ−Z’部の横断面図。 本発明による複合型微粒子分析装置の実施の形態を示すY−Y’部の縦断面図。 本発明による複合型微粒子分析装置の実施の形態のシステムを示す概略図。 本発明による複合型微粒子分析装置の組立体の実施の形態を示す縦断面図。 本発明による複合型微粒子分析装置の組立体の実施の形態を示すX−X’部の横断面図。 本発明による複合型微粒子分析装置の組立体の実施の形態を示すZ−Z’部の横断面図。 本発明による複合型微粒子分析装置の組立体の実施の形態を示すY−Y’部の縦断面図。
符号の説明
10 筐体
15 中心壁
13a 第一測定領域
13b 第二測定領域
19a 第一中心電極部
19b 第二中心電極部
29a 第一ファラデーカップ(第一微粒子個数濃度計数器)
29b 第二ファラデーカップ(第二微粒子個数濃度計数器)
35 プリアンプ回路
36 エレクトロメータ回路
38 シースガス導入管
39 エアロゾル導入管
40 エクセスガス排出管
41 第一メクラ蓋
42 第二メクラ蓋
43 第三メクラ蓋
44 第四メクラ蓋
45 シースガス導入路
46a 第一シースガス導入室
46b 第二シースガス導入室
50a 第一シースガス流量調整オリフィス
50b 第二シースガス流量調整オリフィス
54 エアロゾル導入路
56a 第一エアロゾル流入路
56b 第二エアロゾル流入路
65a 第一分級ガス導出スリット
65b 第二分級ガス導出スリット
67 エクセスガス排出路
68a 第一余剰ガス流量調整オリフィス
68b 第二余剰ガス流量調整オリフィス
72 サンプルガス排出路
77a 第一サンプルガス流量調整オリフィス
77b 第二サンプルガス流量調整オリフィス
90a 第一直流電源(第一電源)
90b 第二直流電源(第二電源)
92 除塵用フィルタ(清浄部)
96 除電用フィルタ(除電部)
98a 第一開口部
98b 第二開口部
100 複合型微粒子分析装置
100f 前方複合型微粒子分析装置
100r 後方複合型微粒子分析装置
100t 組立複合型微粒子分析装置の組合体

Claims (8)

  1. 気相中に浮遊する帯電微粒子を含有する微粒子を分析する複合型微粒子分析装置において、
    外部から気密に保たれ、アースに接続されるとともに、前面から背面にかけて延在し内部を二分する中心壁を有する筐体と、
    筐体との間に第一測定領域を形成し、所望の大きさの帯電微粒子を通過させる第一分級ガス導出スリットを有する第一中心電極部と、
    第一中心電極部と並列に配置され、筐体との間に第二測定領域を形成し、所望の大きさの帯電微粒子を通過させるとともに、第一分級ガス導出スリットと分級長の異なる第二分級ガス導出スリットを有する第二中心電極部と、
    第一中心電極部に接続され、第一中心電極部と筐体との間に電圧を印加する第一電源と、
    第二中心電極部に接続され、第二中心電極部と筐体との間に電圧を印加する第二電源と、
    第一中心電極部の下方に配置されるとともに、第一中心電極部の第一分級ガス導出スリットを通過した帯電微粒子の個数濃度を測定する第一微粒子個数濃度計数器と、
    第二中心電極部の下方に配置されるとともに、第二中心電極部の第二分級ガス導出スリットを通過した帯電微粒子の個数濃度を測定する第二微粒子個数濃度計数器と、
    中心壁の前面から背面まで貫通して設けられるとともに、第一測定領域及び第二測定領域へシースガスを導入するシースガス導入路と、
    シースガス導入路の下方であって、中心壁の前面から背面まで貫通して設けられるとともに、第一測定領域及び第二測定領域へ帯電微粒子を含む微粒子を導入するエアロゾル導入路と、
    エアロゾル導入路の下方であって、中心壁の前面から背面まで貫通して設けられるとともに、第一測定領域及び第二測定領域からの余剰ガスを筐体外部へ排出するエクセスガス排出路と、
    エクセスガス排出路の下部に上下方向に延びて連結されるとともに、第一微粒子個数濃度計数器及び第二微粒子個数濃度計数器を通過したサンプルガスをエクセスガス排出路へと導くサンプルガス排出路と、
    を備えたことを特徴とする複合型微粒子分析装置。
  2. エアロゾル導入路の下流側であって、第一測定領域の上流側には、第一中心電極部と同軸に配置された円周状の第一エアロゾル流入路が設けられ、
    エアロゾル導入路の下流側であって、第二測定領域の上流側には、第二中心電極部と同軸に配置された円周状の第二エアロゾル流入路が設けられ、
    エアロゾル導入路と第一エアロゾル流入路との連結部には第一開口部が形成され、
    エアロゾル導入路と第二エアロゾル流入路との連結部には第二開口部が形成され、
    当該第一開口部と当該第二開口部とは、同一形状であって、同一の大きさになっていることを特徴とする請求項1記載の複合型微粒子分析装置。
  3. エクセスガス排出管は、筐体外部において排出ガスを清浄する清浄部に連結され、
    当該清浄部は、筐体外部において、清浄された排出ガスを除電する除電部に連結され、
    当該除電部は、シースガス導入路に連結されており、
    エクセスガス排出管より排出された排出ガスを清浄化し、除電した後に、シースガス導入路へ循環してシースガスとして使用することを特徴とする請求項1記載の複合型微粒子分析装置。
  4. 第一微粒子個数濃度計数器は、帯電微粒子の持つ電荷量を電流値として測定する第一ファラデーカップからなり、
    第二微粒子個数濃度計数器は、帯電微粒子の持つ電荷量を電流値として測定する第二ファラデーカップからなることを特徴とする請求項1記載の複合型微粒子分析装置。
  5. 第一ファラデーカップ及び第二ファラデーカップの各々には、第一ファラデーカップ及び第二ファラデーカップから出力される電流値を電圧信号に変換して増幅するプリアンプ回路が接続され、
    当該プリアンプ回路には、プリアンプ回路から出力される電圧信号を演算して、アナログ出力するエレクトロメータ回路が接続されていることを特徴とする請求項4記載の複合型微粒子分析装置。
  6. シースガス導入路の下流側には、第一シースガス導入室へ流入するシースガスの量を調整する第一シースガス流量調整オリフィスと、第二シースガス導入室へ流入するシースガスの量を調整する第二シースガス流量調整オリフィスとが設けられ、
    エクセスガス排出路の上流側には、第一測定領域から流入する余剰ガスの量を調整する第一余剰ガス流量調整オリフィスと、第二測定領域から流入する余剰ガスの量を調整する第二余剰ガス流量調整オリフィスとが設けられ、
    サンプルガス排出路の上流側には、第一微粒子個数濃度計数器を通過したサンプルガスの量を調整する第一サンプルガス流量調整オリフィスと、第二微粒子個数濃度計数器を通過したサンプルガスの量を調整する第二サンプルガス流量調整オリフィスとが設けられていることを特徴とする請求項1記載の複合型微粒子分析装置。
  7. シースガス導入路の前面には、取り外し自在なシースガス導入管が設けられ、シースガス導入路の背面には、取り外し自在な第一メクラ蓋が設けられ、
    エアロゾル導入路の前面には、取り外し自在なエアロゾル導入管が設けられ、エアロゾル導入路の背面には、取り外し自在な第二メクラ蓋が設けられ、
    エクセスガス排出路の前面には、取り外し自在なエクセスガス排出管が設けられ、エクセスガス排出路の背面には、取り外し自在な第三メクラ蓋が設けられ、
    エクセスガス排出路に連通したサンプルガス排出路の前面には、取り外し自在な第四メクラ蓋が設けられていることを特徴とする請求項1記載の複合型微粒子分析装置。
  8. 請求項1記載の複合型微粒子分析装置を2以上組み合わせることによって形成される組立複合型微粒子分析装置の組合体において、
    一方の複合型微粒子分析装置のシースガス導入路、エアロゾル導入路及びエクセスガス排出路の各々は、他方の複合型微粒子分析装置の対応するシースガス導入路、エアロゾル導入路及びエクセスガス排出路に対向して同軸上に配置され、かつ互いに連通していることを特徴とする複合型微粒子分析装置の組合体。
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