JP4306373B2 - Fiber reinforced plastic using plant fiber - Google Patents
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Description
本発明は、プラスチック材料中に繊維を強化材として含有する繊維強化プラスチックに関するものである。 The present invention relates to a fiber reinforced plastic containing a fiber as a reinforcing material in a plastic material.
従来、繊維強化プラスチックに含有する強化材としては、優れた強度を有するガラス繊維が用いられてきた。しかし、このガラス繊維を強化材として用いた繊維強化プラスチックを燃焼させて熱エネルギーを回収するサーマルリサイクルを行う場合には、ガラス繊維が不燃物であるために、燃焼炉を損傷させる、燃焼効率が低くなるとの問題点があった。また、焼却後の残渣が多くなるとの問題点もあった。このため、実際にはガラス繊維を強化材として用いた繊維強化プラスチックのサーマルリサイクルはほとんど行われておらず、埋め立て廃棄されているのが現状である。 Conventionally, glass fibers having excellent strength have been used as reinforcing materials contained in fiber-reinforced plastics. However, when performing thermal recycling to recover thermal energy by burning fiber reinforced plastic using this glass fiber as a reinforcing material, because the glass fiber is an incombustible material, the combustion efficiency is damaged. There was a problem of lowering. There is also a problem that the residue after incineration increases. For this reason, in actuality, thermal recycling of fiber reinforced plastic using glass fiber as a reinforcing material is hardly performed, and it is currently disposed of in landfills.
このような問題に対処するために、強化材として植物繊維を用いた繊維強化プラスチックが提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
繊維強化プラスチックの強化材として用いられる植物繊維の1つに、リグノセルロース繊維が挙げられる。 One of the plant fibers used as a reinforcing material for fiber reinforced plastics is lignocellulose fiber.
リグノセルロース繊維を繊維強化プラスチックの強化材として使用する際の問題点を図1、図2に基づいて説明する。リグノセルロース繊維1は繊維実質部分である細胞壁2と空隙である細胞内腔3より構成される。このような中空構造を有するがゆえに、植物繊維をプラスチック4と複合化する際、表面張力により、細胞内腔がプラスチックで完全に満たされない可能性がある。このことは材料内部に空隙5が生成されることを意味し、材料中に欠陥が生成されるため、材料の強度性能は低下する(図2参照)。
Problems in using lignocellulosic fibers as a reinforcing material for fiber-reinforced plastic will be described with reference to FIGS. The
また、植物繊維はガラス繊維よりも強度が低いために、同じ量の強化材を含有させた場合、植物繊維を用いた繊維強化プラスチックは、ガラス繊維を用いた繊維強化プラスチックよりも強度性能が低下する。これを解決する手段としては、強化材として用いる植物繊維の含有量を増やすことが考えられる。複合則によると、強化材の含有量が増加すると、複合材料の強度は増大する。しかし、植物繊維は細胞内腔が存在するため、かさ高い。そのため、繊維含有量を高めた状態でプラスチックと均一に混合することは困難である。 In addition, since plant fiber has lower strength than glass fiber, when the same amount of reinforcing material is included, fiber reinforced plastic using plant fiber has lower strength performance than fiber reinforced plastic using glass fiber. To do. As a means for solving this, it is conceivable to increase the content of plant fibers used as a reinforcing material. According to the composite law, the strength of the composite material increases as the reinforcing material content increases. However, plant fibers are bulky due to the presence of cell lumens. Therefore, it is difficult to uniformly mix with plastic in a state where the fiber content is increased.
さらに、植物繊維を繊維強化プラスチックの強化材として単に混合させた場合、衝撃強さが低いことが確認されている。この点に関しては、繊維自身の力学的性質も関係するが、植物繊維同士の接触が少ないことも一因と考えられる。 Furthermore, it has been confirmed that when plant fibers are simply mixed as a reinforcing material for fiber reinforced plastic, impact strength is low. In this regard, the mechanical properties of the fibers themselves are also related, but it is thought that there is little contact between the plant fibers.
本発明は、かかる事由に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、植物繊維を強化材とする従来の繊維強化プラスチックより強度性能に優れた植物繊維強化プラスチックを提供することにある。 This invention is made | formed in view of this reason, The place made into the objective is providing the plant fiber reinforced plastic excellent in the strength performance from the conventional fiber reinforced plastic which uses a vegetable fiber as a reinforcing material .
請求項1に係る発明は、細胞壁と細胞内腔とから構成されるリグノセルロース繊維を強化材として用いた繊維強化プラスチックにおいて、前記リグノセルロース繊維は、繊維束の形態を有するものであり、シュウ酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩のいずれかを用いて単繊維同士の結合強度を緩和させられ、細胞内腔が消失するまで叩解処理を施されたものであることを特徴とする。なお、細胞内腔は、完全に消失していることが望ましいが、部分的にわずかな細胞内腔が残っていてもよい。
The invention according to
請求項2に係る発明は、前記リグノセルロース繊維において、叩解処理により細胞壁を構成するセルロースミクロフィブリルの一部が、ひげ状の繊維として細胞壁表面から飛び出しているものである。
In the invention according to
請求項3に係る発明は、細胞壁と細胞内腔とから構成されるリグノセルロース繊維を強化材として用いた繊維強化プラスチックの製造方法において、前記リグノセルロース繊維は、繊維束の形態を有するものであり、シュウ酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩のいずれかを用いて単繊維同士の結合強度を緩和させる処理をし、細胞内腔が消失するまで叩解処理を施すことを特徴とする繊維強化プラスチックの製造方法である。
The invention according to
請求項1に係る繊維強化プラスチックによれば、強化材としてのリグノセルロース繊維の細胞内腔が消失される程度まで変形されているため、材料内部に形成される空隙が少なく、強度性能に優れている。強度性能の向上は、変形の際に可塑化されたリグノセルロース繊維の使用による、リグノセルロース繊維間の密着性の向上によってももたらされていると考えられる。また、リグノセルロース繊維が有するかさ高さが解消されているため、植物を強化材とする従来の繊維強化プラスチックよりも植物繊維量を増やした形でのプラスチックとの複合化が可能となる。さらに、シュウ酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩のいずれかを用いて、単繊維同士の結合を緩める処理を行っているため、繊維の強度性能を担うセルロースに与える損傷を少なくすることができる。
According to the fiber reinforced plastic according to
請求項2に係る繊維強化プラスチックによれば、リグノセルロース繊維の細胞壁を構成するセルロースミクロフィブリルの一部がひげ状の繊維として細胞壁表面から飛び出されているため、請求項1の発明の効果が発現されるのに加え、リグノセルロース繊維間の密着性がさらに向上している。結果として、繊維強化プラスチックの強度が大きく向上する。とりわけ、衝撃強さの向上が著しい。
According to the fiber reinforced plastic according to
請求項3に係る繊維強化プラスチックの製造方法によれば、繊維強化プラスチックの強化材として使用するリグノセルロース繊維を叩解処理して、リグノセルロース繊維の細胞内腔を消失させることによって、高い強度性能を有する繊維強化プラスチックを提供できる。また、叩解処理を施す前に、リグノセルロース繊維で構成された繊維束の繊維同士の結合を緩める処理を行っているため、叩解処理の効果を上げることができる。さらに、単繊維同士の結合を緩める処理に、シュウ酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩のいずれかを用いることによって、繊維の強度性能を担うセルロースに与える損傷を少なくすることができる。
According to the method for producing a fiber reinforced plastic according to
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。実施形態に係る繊維強化プラスチックを図3、4に基づいて説明する。図3および図4は繊維強化プラスチックの断面図を示している。これらは、強化材であるリグノセルロース繊維1とプラスチック4とからなっている。
Hereinafter, the present invention will be described based on embodiments. The fiber reinforced plastic according to the embodiment will be described with reference to FIGS. 3 and 4 show cross-sectional views of the fiber reinforced plastic. These consist of
植物繊維とプラスチックとの複合方法としては、次の2種類が挙げられる。 The following two types are mentioned as a composite method of a plant fiber and a plastic.
1つ目は、植物繊維をシート状に成型し、植物繊維シートをプラスチックと複合する方法である。この単繊維の形態を有するリグノセルロース繊維からなるシート1は、図3に示すように1枚であってもよいし、図4に示すように3枚であってもよく、さらにはこれ以外の複数枚であってもよい。複合されるプラスチックの種類は後述する。図3、図4のように複合化された植物繊維シートは必要に応じて養生し、加熱・圧縮成形することで、強度性能の向上や寸法の安定化をはかることができる。ここで、繊維強化プラスチック中のリグノセルロース繊維1の質量比率は、2〜30%の範囲とすることが好ましい。リグノセルロース繊維1が2%以上であることによって、補強効果が高まり、30%以下であることによって、リグノセルロース1とプラスチック4との結合が強くなり、いずれも繊維強化プラスチックとしての良好な特性を得ることができる。
The first is a method in which plant fibers are molded into a sheet shape and the plant fiber sheets are combined with plastic. The
2つ目は、抄造により、植物繊維と樹脂溶液からなる均一な混合液から、樹脂を浸透された植物繊維マット(図5参照)を形成する方法である。樹脂浸透された植物繊維マットは必要に応じて養生し、加熱・圧縮成形することで、強度性能の向上や寸法の安定化をはかることができる。 The second is a method of forming a plant fiber mat (see FIG. 5) infiltrated with a resin from a uniform mixed solution consisting of a plant fiber and a resin solution by papermaking. The resin-impregnated vegetable fiber mat can be cured as necessary, and heated and compression molded to improve strength performance and stabilize dimensions.
プラスチック4としては、不飽和ポリエステル、エポキシ、フェノール、メラミン等の熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、飽和ポリエステル、ABS等の熱可塑性樹脂が使用可能であるが、これらに限定されるものではない。なお、熱可塑性樹脂を用いた場合、成形・使用後に、リグノセルロース繊維とプラスチックとを分離することが可能で、リサイクルが容易になるとの利点がある。
As the
使用するリグノセルロース繊維1としては、その主成分がセルロースとリグニンからなるものが使用可能である。具体的には、ケナフ、亜麻、ラミー、大麻、ジュート等の麻類植物の靭皮から採取される繊維、マニラ麻やサイザル麻等の麻類植物の茎又は葉の筋から採取される繊維、木材繊維が挙げられる。これらの繊維は、セルロースとリグニンのほか、ヘミセルロースやペクチン等の成分で構成されている。ここで挙げた繊維のうち、麻類植物の繊維は、繊維強度発現の源となるセルロースの比率が60%以上と木材繊維の30〜50%と比較して高く、繊維としての強度が優れている。植物繊維中において、セルロースは、その分子鎖が複数本結束した、結晶性のセルロースミクロフィブリルの形で存在する。リグノセルロース繊維は単繊維が複数本結束された繊維束の形態で使用する。また、繊維束としては、長さが長く、20mm以上の繊維が物理的な解繊により容易に得られる。
As the
繊維束の形態を有するリグノセルロース繊維には、繊維シートもしくは繊維マットを形成する前に叩解処理を施す。叩解処理とは水分の共存下で繊維に圧縮力、せん断力を与える処理である。処理としては繊維の内腔が消失する、さらにはひげ状の繊維が細胞壁から飛び出す程度まで行う。叩解処理に使用する装置としては、ビーター、PFIミル等がある。叩解処理により、繊維の細胞壁を構成するセルロースミクロフィブリル間の水素結合の一部が切断され、ミクロフィブリル間の凝集力が低下する。叩解処理により繊維の可塑化がもたらされ、可塑化された繊維に圧縮力を与えることにより、繊維内腔の空隙は押しつぶされる。この状態で繊維中の水分を除去すると、セルロースミクロフィブリル間に新たな水素結合が生成され、繊維に加わった圧縮変形は固定される。 The lignocellulosic fibers in the form of a fiber維束performs beating prior to forming the fiber sheet or fiber mat. The beating process is a process for applying compressive force and shear force to the fiber in the presence of moisture. The treatment is performed to such an extent that the lumen of the fiber disappears, and furthermore, the whisker-like fibers protrude from the cell wall. Devices used for the beating process include a beater and a PFI mill. By the beating treatment, part of hydrogen bonds between cellulose microfibrils constituting the cell wall of the fiber is cut, and the cohesive force between the microfibrils is reduced. The beating process results in plasticization of the fiber, and by applying a compressive force to the plasticized fiber, the voids in the fiber lumen are crushed. When moisture in the fiber is removed in this state, new hydrogen bonds are generated between the cellulose microfibrils, and the compression deformation applied to the fiber is fixed.
前述のように、リグノセルロース繊維の細胞内腔を消失させることにより、リグノセルロース繊維とプラスチックを複合化した際の、細胞内腔に由来する空隙の生成が抑えられ、強度性能に優れた繊維強化プラスチックを製造できる。 As mentioned above, by eliminating the cell lumen of the lignocellulose fiber, the formation of voids derived from the cell lumen when the lignocellulose fiber and the plastic are combined is suppressed, and the fiber reinforcement has excellent strength performance. Can produce plastic.
また、リグノセルロース繊維の細胞内腔によるかさ高さが解消されるため、より多くのリグノセルロース繊維を強化材として利用できる。これにより、強度性能に優れた繊維強化プラスチックの設計が容易となる。 Moreover, since the bulkiness due to the cell lumen of the lignocellulose fiber is eliminated, more lignocellulose fibers can be used as a reinforcing material. This facilitates the design of a fiber reinforced plastic having excellent strength performance.
さらには、リグノセルロース繊維の可塑性が増大するため、繊維強化プラスチック内部におけるリグノセルロース繊維間の密着性が飛躍的に向上する。これにより繊維強化プラスチックの強度は増加する。 Furthermore, since the plasticity of the lignocellulose fibers increases, the adhesion between the lignocellulose fibers inside the fiber reinforced plastic is dramatically improved. This increases the strength of the fiber reinforced plastic.
叩解処理の利用は、繊維強化プラスチックの衝撃強さの向上をももたらす。これを図6に基づいて説明する。前述したように、叩解処理によって、リグノセルロース繊維の内腔は消失する。さらに叩解処理を行うとリグノセルロース繊維を構成するセルロースミクロフィブリル間の凝集力低下が顕著に進み、セルロースミクロフィブリルの一部はひげ状の繊維6としてリグノセルロース繊維の細胞壁外へ飛び出す。その結果、繊維の表面積は飛躍的に増大し、繊維強化プラスチック内のリグノセルロース繊維同士の接触面は大幅に増加する。これにより、リグノセルロース繊維を強化材とする繊維強化プラスチックが外力を受け、繊維強化プラスチックの破壊が生ずる際には、繊維間結合が段階的に切断される。結果として、破壊が大きなひずみを伴いながら進行することになり、衝撃強さは飛躍的に向上する。 Use of the beating process also improves the impact strength of the fiber reinforced plastic. This will be described with reference to FIG. As described above, the lumen of the lignocellulose fiber disappears by the beating process. When the beating treatment is further performed, the cohesive force between cellulose microfibrils constituting the lignocellulose fibers is remarkably reduced, and part of the cellulose microfibrils jumps out of the cell walls of the lignocellulose fibers as beard-like fibers 6. As a result, the surface area of the fiber is dramatically increased, and the contact surface between the lignocellulosic fibers in the fiber reinforced plastic is greatly increased. Thereby, when the fiber reinforced plastic which uses a lignocellulosic fiber as a reinforcing material receives external force and destruction of a fiber reinforced plastic arises, the bond between fibers is cut | disconnected in steps. As a result, the fracture proceeds with a large strain, and the impact strength is dramatically improved.
繊維束の形態を有するリグノセルロース繊維は単繊維の形態を有するリグノセルロース繊維より長い。繊維強化複合材料において、強化材の繊維長が長いほど、補強効果は高くなる。よって、強化材としてリグノセルロース繊維を用いる場合、繊維束の形態でリグノセルロース繊維を使用したほうが有利となる可能性がある。しかし、繊維束の形態を有するリグノセルロース繊維は、上記の叩解処理の効果を十分に享受できない場合がある。すなわち、繊維束7内部に水分が十分に浸透せず、繊維の可塑化が十分に生じない場合や、単繊維間が互いに拘束されているため、繊維の変形が抑制された場合には、図7に示すように、叩解処理を施しても繊維の細胞内腔3が完全には消失しないことがある。
Lignocellulose fibers having the form of fiber bundles are longer than lignocellulose fibers having the form of single fibers. In the fiber reinforced composite material, the longer the fiber length of the reinforcing material, the higher the reinforcing effect. Therefore, when using lignocellulose fiber as a reinforcing material, it may be advantageous to use lignocellulose fiber in the form of a fiber bundle. However, lignocellulosic fibers having the form of fiber bundles may not be able to fully enjoy the effect of the beating treatment. That is, when moisture does not sufficiently penetrate into the
このような事態の解決策としては、叩解処理を行う前にリグノセルロース繊維束の単繊維同士の結合を緩めておくことが有効である。これを図8に基づいて説明する。単繊維同士の結合力が緩んだ繊維束8を作り出すことにより、水分が繊維束8の内部にまで浸入しやすくなる。その結果、繊維束の可塑化が繊維束内部でも生ずるようになる。また、単繊維同士の拘束が緩んでいるため、繊維束は変形しやすい状態となる。このため、叩解処理の効果が十分に発現され、細胞内腔3も処理の過程で消失し易くなる。
As a solution to such a situation, it is effective to loosen the bond between the single fibers of the lignocellulose fiber bundle before performing the beating process. This will be described with reference to FIG. By creating the
単繊維同士の結合を緩和する方法は特に限定されないが、一例として、繊維束をシュウ酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩のいずれかを用いて化学処理もしくは離解処理する方法が挙げられる。 The method for relaxing the bonding between single fibers is not particularly limited. As an example, the fiber bundle is chemically treated or disaggregated using ammonium oxalate, sodium hydroxide, chlorite, or hypochlorite. The method of doing is mentioned.
リグノセルロース繊維束において、単繊維同士を結合している化学成分はリグニン、ヘミセルロース、ペクチンである。化学処理による方法では、単繊維同士を接着している成分であるリグニン、ヘミセルロース、ペクチンを溶出除去する。具体的な処理方法としては、水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムの混液で加圧加熱するクラフトパルプ化法や、ソーダパルプ化法、亜硫酸パルプ化法等があるが、処理方法としては特に限定されない。一例としては、まず、繊維束のリグニンを除去するために、繊維束を次亜塩素酸ナトリウム水溶液に浸漬し、その後、麻類植物に含有するペクチンを除去するために、繊維束をシュウ酸アンモニウム水溶液に浸漬し、続いて、ヘミセルロースを除去するために、繊維束を水酸化ナトリウム水溶液に浸漬する化学処理が挙げられる。この方法では、クラフトパルプ化法や、ソーダパルプ化法、亜硫酸パルプ化法などのように加圧する必要がなく、常圧下での処理が可能であるので、蒸解釜のような装置を必要としない。また、リグノセルロース繊維の強度発現を支えているセルロース成分を損傷することなく、単繊維同士を接着する成分だけを溶出除去できる。なお、化学処理としては、上記の処理に限らず、他に植物繊維を解繊させる作用を持つ化学薬品を用いればよい。 In the lignocellulose fiber bundle, the chemical components that bind the single fibers are lignin, hemicellulose, and pectin. In the method by chemical treatment, lignin, hemicellulose, and pectin, which are components that adhere single fibers, are eluted and removed. Specific processing methods include a kraft pulping method in which pressure is heated with a mixed solution of sodium hydroxide and sodium sulfide, a soda pulping method, a sulfite pulping method, and the like, but the processing method is not particularly limited. As an example, the fiber bundle is first immersed in an aqueous sodium hypochlorite solution to remove lignin from the fiber bundle, and then the fiber bundle is ammonium oxalate to remove pectin contained in the hemp plant. A chemical treatment in which the fiber bundle is immersed in an aqueous solution of sodium hydroxide in order to remove the hemicellulose is mentioned. In this method, there is no need to apply pressure as in the kraft pulping method, soda pulping method, sulfite pulping method, etc., and processing under normal pressure is possible, so no equipment such as a digester is required. . Moreover, only the component which adhere | attaches a single fiber can be eluted and removed, without damaging the cellulose component which is supporting the strength expression of a lignocellulose fiber. The chemical treatment is not limited to the above treatment, and other chemicals having an action of defibrating plant fibers may be used.
離解処理による方法では、繊維束を多量の水とともに離解機に投入し、繊維束溶液を撹拌処理する。処理の過程で単繊維間にせん断力が作用し、単繊維同士の結合が緩和する。この処理では、単繊維同士を接着している成分である、リグニン、ヘミセルロース、ペクチンの全量は除去されないので、リグノセルロース繊維を繊維接着強度が高い状態で得ることができる。 In the method using the disaggregation treatment, the fiber bundle is put into a disaggregator together with a large amount of water, and the fiber bundle solution is stirred. In the course of treatment, a shearing force acts between the single fibers, and the bonds between the single fibers are relaxed. In this treatment, since the total amount of lignin, hemicellulose, and pectin, which are components that adhere single fibers to each other, is not removed, lignocellulosic fibers can be obtained with high fiber bonding strength.
(参考例1)
ケナフ茎部の外皮部分である靱皮部をアルカリ蒸解することにより、平均長さが2.1mmの単繊維を得た。得られたケナフ単繊維をJISP8220 (パルプ−離解方法)で規定される標準離解機に投入し、単繊維懸濁液の濃度が1.5%となるように水を添加した。回転指数1200回までケナフ単繊維懸濁液を撹拌した。撹拌した単繊維溶液の濃度が10%となるまで水分を搾取し、PFIミルによる叩解処理を行った。回転数は5000回とした。細胞内腔が消失するまで叩解処理を施したケナフ単繊維を、再び水中に分散した後、シートマシンに流し入れて水を抜き、平面状に成型し、乾燥して単繊維シートを作成した。この単繊維シートを液体の不飽和ポリエステル樹脂コンパウンド(松下電工株式会社製SD−4200)に浸透させたものを10枚積層して、板状の成形材とした。さらに、この板状成形材を40℃の条件下で7時間養生させた後、表面温度が135℃の熱板プレスで4分間、圧縮成形し、縦横300mm、厚さ5mmの形状を有する繊維強化プラスチックを得た。この繊維強化プラスチックの基本物性を測定した結果、比重は1.55で、ケナフ繊維の質量比率は25%であった。
(参考例2)
参考例1と同様にして平均長さが2.1mmのケナフ単繊維を得た。参考例1と同様に、得られたケナフ単繊維を標準離解機により撹拌処理した。撹拌したパルプの濃度が10%となるまで水分を搾取し、PFIミルによる叩解処理を行った。回転数は80000回とした。参考例1と同様に叩解処理を施したケナフ単繊維から単繊維シートを作成した。この単繊維シートを参考例1と同様にして、液体の不飽和ポリエステル樹脂コンパウンドに含浸させたものを10枚積層して、板状の成形材とした。さらに、参考例1と同様の養生・加熱成形を行い、参考例1と同一形状の繊維強化プラスチックに成形した。この繊維強化プラスチックの基本物性を測定した結果、比重は1.60で、ケナフ繊維の質量比率は25%であった。また、光学顕微鏡による観察の結果、PFIミルによる叩解処理の回転数を参考例1の時よりも上げ、叩解処理の条件を厳しくしたため、叩解処理後の繊維では、繊維本体からひげ状のセルロースミクロフィブリルが多数飛び出ていることが確認された。これは参考例1の条件で叩解処理を行った繊維からは観察されない現象であった。
(実施例1)
ケナフ茎部の外皮部分である靱皮から得られたケナフ繊維束を切断及び解繊することにより、繊維束の平均長さが50mmのケナフ繊維束を得た。この繊維束を参考例1と同様に、標準離解機により撹拌後、繊維束溶液の濃度が10%となるまで水分を搾取した。その後、PFIミルによる叩解処理に供した。回転数は80000回とした。また、参考例1と同様に、叩解処理したケナフ繊維束から繊維束シートを作成した。この繊維束シートを参考例1と同様にして、液体の不飽和ポリエステル樹脂コンパウンドに含浸させたものを10枚積層して、板状の成形材とした。さらに、参考例1と同様に養生・加熱成形を行い、同一形状の繊維強化プラスチックに成形した。この繊維強化プラスチックの基本物性を測定した結果、比重は1.55で、ケナフ繊維の質量比率は25%であった。
(実施例2)
実施例1と同様にして、平均長さが50mmのケナフ繊維束を得た。繊維束を構成する単繊維間の凝集力を緩めるために、ケナフ繊維束を高温、高圧下で水酸化ナトリウム、硫化ナトリウム混液により処理した。処理後のケナフ繊維束を参考例1と同様に標準離解機により撹拌処理した。撹拌した繊維束溶液の濃度が10%となるまで水を搾取し、PFIミルによる叩解処理を行った。回転数は80000回とした。また、参考例1と同様に叩解処理を施したケナフ繊維束から繊維束シートを作成した。この繊維束シートを参考例1と同様にして、液体の不飽和ポリエステル樹脂コンパウンドに含浸させたものを10枚積層して、板状の成形材とした。さらに、参考例1と同様の養生・加熱成形を行い、参考例1と同一形状の繊維強化プラスチックに成形した。この繊維強化プラスチックの基本物性を測定した結果、比重は1.60で、ケナフ繊維の質量比率は25%であった。
(実施例3)
実施例1と同様にして、繊維束の平均長さが50mmのケナフ繊維を得た。繊維束を構成する単繊維同士の凝集力を緩めるために、シュウ酸アンモニウム、水酸化ナトリウムによる処理を行った。はじめにケナフ繊維束をシュウ酸アンモニウムの希薄溶液に浸漬し、高温下で処理を行った。処理後の繊維を水洗後、ケナフ繊維束を水酸化ナトリウムの希薄溶液に浸漬し、高温下で処理を行った。水酸化ナトリウム処理後の繊維束を参考例1と同様に、標準離解機による撹拌処理に供した。参考例1と同様にして、撹拌した繊維束溶液の濃度が10%となるまで水を搾取し、PFIミルによる叩解処理を行った。回転数は80000回とした。参考例1と同様に叩解処理を施したケナフ繊維束から繊維束シートを作成した。この繊維束シートを参考例1と同様にして、液体の不飽和ポリエステル樹脂コンパウンドに含浸させたものを10枚積層して、板状の成形材とした。さらに、参考例1と同様の養生・加熱成形を行い、参考例1と同一形状の繊維強化プラスチックに成形した。この繊維強化プラスチックの基本物性を測定した結果、比重は1.60で、ケナフ繊維の質量比率は25%であった。
(比較例1)
参考例1と同様にして平均長さが2.1mmのケナフ単繊維を得た。参考例1と同様にしてケナフ単繊維から単繊維シートを作成した。この単繊維シートを参考例1と同様にして液体の不飽和ポリエステル樹脂コンパウンドに含浸させたものを10枚積層して、板状の成形材とした。さらに、参考例1と同様の養生・加熱成形をして同一形状の繊維強化プラスチックに成形した。この繊維強化プラスチックの基本物性を測定した結果、比重は1.50で、ケナフ繊維の質量比率は25%であった。
(比較例2)
実施例1と同様にして繊維束の平均長さが50mmのケナフ繊維束を得た。これを繊維方向が無配向となるようにシート状に配置し、ケナフ繊維束のシートを得た。このケナフ繊維束シートを参考例1と同様にして液体の不飽和ポリエステル樹脂コンパウンドに含浸させたものを10枚積層して、板状の成形材とした。さらに、参考例1と同様に養生・加熱成形を行い、同一形状の繊維強化プラスチックに成形した。この繊維強化プラスチックの基本物性を測定した結果、比重は1.50で、ケナフ繊維の質量比率は25%であった。
(特性評価)
前記の参考例1〜2、実施例1〜3および比較例1〜2で得られた板状繊維強化プラスチックの曲げ強さおよび曲げ弾性率をJIS K7055 の3点曲げ試験に準拠して行った。3点曲げ試験のスパンは80mmとした。またアイゾット衝撃試験値の計測を行った。
( Reference Example 1)
The bast portion, which is the outer skin portion of the kenaf stem, was alkali-digested to obtain a single fiber having an average length of 2.1 mm. The obtained kenaf single fiber was put into a standard disaggregator specified by JISP8220 (pulp-disaggregation method), and water was added so that the concentration of the single fiber suspension was 1.5%. The kenaf monofilament suspension was stirred up to a rotation index of 1200 times. Water was squeezed out until the concentration of the stirred single fiber solution reached 10%, and a beating process using a PFI mill was performed. The number of rotations was 5000 times. The kenaf monofilament subjected to the beating treatment until the cell lumen disappeared was dispersed again in water, poured into a sheet machine, drained, molded into a flat shape, and dried to prepare a monofilament sheet. Ten sheets of this monofilament sheet infiltrated with a liquid unsaturated polyester resin compound (SD-4200 manufactured by Matsushita Electric Works Co., Ltd.) were laminated to obtain a plate-shaped molding material. Furthermore, after this plate-shaped molding material was cured under the condition of 40 ° C. for 7 hours, it was compression-molded for 4 minutes with a hot plate press having a surface temperature of 135 ° C., and fiber reinforced having a shape of 300 mm in length and width and 5 mm in thickness. Got plastic. As a result of measuring the basic physical properties of this fiber reinforced plastic, the specific gravity was 1.55, and the mass ratio of kenaf fiber was 25%.
( Reference Example 2)
In the same manner as in Reference Example 1, a kenaf monofilament having an average length of 2.1 mm was obtained. In the same manner as in Reference Example 1, the obtained kenaf monofilament was stirred with a standard disaggregator. Water was extracted until the concentration of the stirred pulp reached 10%, and a beating process using a PFI mill was performed. The number of rotations was 80000 times. A single fiber sheet was prepared from the kenaf single fiber subjected to the beating treatment in the same manner as in Reference Example 1. Ten sheets of this monofilament sheet impregnated with a liquid unsaturated polyester resin compound were laminated in the same manner as in Reference Example 1 to obtain a plate-shaped molding material. Further, curing and heating molding similar to those in Reference Example 1 were performed to form a fiber reinforced plastic having the same shape as in Reference Example 1. As a result of measuring the basic physical properties of this fiber reinforced plastic, the specific gravity was 1.60 and the mass ratio of kenaf fiber was 25%. Moreover, as a result of observation with an optical microscope, the number of rotations of the beating process by the PFI mill was increased from that in Reference Example 1 and the conditions of the beating process were tightened. It was confirmed that many fibrils popped out. This was a phenomenon that was not observed from the fibers subjected to the beating treatment under the conditions of Reference Example 1.
(Example 1 )
A kenaf fiber bundle having an average fiber bundle length of 50 mm was obtained by cutting and defibrating the kenaf fiber bundle obtained from the bast that is the outer skin portion of the kenaf stem. In the same manner as in Reference Example 1, this fiber bundle was stirred by a standard disaggregator, and then water was extracted until the concentration of the fiber bundle solution reached 10%. Then, it used for the beating process by a PFI mill. The number of rotations was 80000 times. Further, in the same manner as in Reference Example 1, a fiber bundle sheet was prepared from the beef-treated kenaf fiber bundle. Ten sheets of this fiber bundle sheet impregnated with a liquid unsaturated polyester resin compound were laminated in the same manner as in Reference Example 1 to obtain a plate-shaped molding material. Further, curing and heating molding were performed in the same manner as in Reference Example 1 to form a fiber-reinforced plastic having the same shape. As a result of measuring the basic physical properties of this fiber reinforced plastic, the specific gravity was 1.55, and the mass ratio of kenaf fiber was 25%.
(Example 2 )
In the same manner as in Example 1 , a kenaf fiber bundle having an average length of 50 mm was obtained. In order to loosen the cohesive force between the single fibers constituting the fiber bundle, the kenaf fiber bundle was treated with a mixed solution of sodium hydroxide and sodium sulfide under high temperature and high pressure. The treated kenaf fiber bundle was agitated by a standard disaggregator in the same manner as in Reference Example 1. Water was extracted until the concentration of the stirred fiber bundle solution reached 10%, and a beating process was performed using a PFI mill. The number of rotations was 80000 times. Moreover, the fiber bundle sheet | seat was created from the kenaf fiber bundle which performed the beating process similarly to the reference example 1. FIG. Ten sheets of this fiber bundle sheet impregnated with a liquid unsaturated polyester resin compound were laminated in the same manner as in Reference Example 1 to obtain a plate-shaped molding material. Further, curing and heating molding similar to those in Reference Example 1 were performed to form a fiber reinforced plastic having the same shape as in Reference Example 1. As a result of measuring the basic physical properties of this fiber reinforced plastic, the specific gravity was 1.60 and the mass ratio of kenaf fiber was 25%.
(Example 3 )
In the same manner as in Example 1 , kenaf fibers having an average fiber bundle length of 50 mm were obtained. In order to loosen the cohesive force between the single fibers constituting the fiber bundle, treatment with ammonium oxalate and sodium hydroxide was performed. First, the kenaf fiber bundle was immersed in a dilute solution of ammonium oxalate and treated at a high temperature. After the treated fiber was washed with water, the kenaf fiber bundle was immersed in a dilute solution of sodium hydroxide and treated at a high temperature. The fiber bundle after the sodium hydroxide treatment was subjected to a stirring treatment with a standard disaggregator in the same manner as in Reference Example 1. In the same manner as in Reference Example 1 , water was squeezed out until the concentration of the stirred fiber bundle solution reached 10%, and a beating process using a PFI mill was performed. The number of rotations was 80000 times. A fiber bundle sheet was prepared from a kenaf fiber bundle subjected to beating treatment in the same manner as in Reference Example 1. Ten sheets of this fiber bundle sheet impregnated with a liquid unsaturated polyester resin compound were laminated in the same manner as in Reference Example 1 to obtain a plate-shaped molding material. Further, curing and heating molding similar to those in Reference Example 1 were performed to form a fiber reinforced plastic having the same shape as in Reference Example 1. As a result of measuring the basic physical properties of this fiber reinforced plastic, the specific gravity was 1.60 and the mass ratio of kenaf fiber was 25%.
(Comparative Example 1)
In the same manner as in Reference Example 1, a kenaf monofilament having an average length of 2.1 mm was obtained. In the same manner as in Reference Example 1, a single fiber sheet was prepared from kenaf single fibers. Ten sheets of this monofilament sheet impregnated with a liquid unsaturated polyester resin compound in the same manner as in Reference Example 1 were laminated to obtain a plate-shaped molding material. Further, the same curing and heating molding as in Reference Example 1 was performed to form a fiber reinforced plastic having the same shape. As a result of measuring the basic physical properties of this fiber reinforced plastic, the specific gravity was 1.50 and the mass ratio of kenaf fiber was 25%.
(Comparative Example 2)
A kenaf fiber bundle having an average fiber bundle length of 50 mm was obtained in the same manner as in Example 1 . This was arrange | positioned in the sheet form so that a fiber direction might be non-oriented, and the sheet | seat of the kenaf fiber bundle was obtained. Ten sheets of this kenaf fiber bundle sheet impregnated with a liquid unsaturated polyester resin compound in the same manner as in Reference Example 1 were laminated to obtain a plate-shaped molding material. Further, curing and heating molding were performed in the same manner as in Reference Example 1 to form a fiber-reinforced plastic having the same shape. As a result of measuring the basic physical properties of this fiber reinforced plastic, the specific gravity was 1.50 and the mass ratio of kenaf fiber was 25%.
(Characteristic evaluation)
The bending strength and bending elastic modulus of the plate-like fiber reinforced plastic obtained in Reference Examples 1 and 2, Examples 1 to 3 and Comparative Examples 1 and 2 were performed in accordance with a three-point bending test of JIS K7055. . The span of the three-point bending test was 80 mm. Izod impact test values were also measured.
ここで、計測用の試験片としては、曲げ試験では、板状繊維強化プラスチックを横100mm、縦15mmの形状に、衝撃試験では、板状繊維強化プラスチックを横12mm 、縦65mmの形状に、それぞれ切断したものを用い、計測の繰り返し数は5として、平均値を計測値とした。 Here, as a test piece for measurement, in the bending test, the plate-like fiber reinforced plastic is formed into a shape having a width of 100 mm and a length of 15 mm, and in the impact test, the plate-like fiber reinforced plastic is formed into a shape having a width of 12 mm and a length of 65 mm. What was cut | disconnected was used, the repetition number of measurement was set to 5, and the average value was made into the measured value.
曲げ強さおよび曲げ弾性率の具体的な計算式は、以下のものを用いた。 The following formulas were used as specific formulas for calculating bending strength and flexural modulus.
曲げ強さ=3PbL/2bh2(MPa)
ここで、
Pb:破壊荷重(N)
L:スパン(mm)
b:試験片の幅(mm)
h:試験片の高さ(mm)
曲げ弾性率=L3/4bh2×(P /δ)(MPa)
ここで、P/δ:荷重−たわみ曲線の直線部の傾斜
L:スパン(mm)
b:試験片の幅(mm)
h:試験片の高さ(mm)
以上の計測結果を実施例および比較例について、まとめたものを表1に示す。
Bending strength = 3PbL / 2bh 2 (MPa)
here,
Pb: Breaking load (N)
L: Span (mm)
b: Width of test piece (mm)
h: Height of test piece (mm)
Flexural modulus = L 3 / 4bh 2 × (P / δ) (MPa)
Here, P / δ: slope of the linear portion of the load-deflection curve L: span (mm)
b: Width of test piece (mm)
h: Height of test piece (mm)
Table 1 shows a summary of the above measurement results for Examples and Comparative Examples.
また、アイゾット衝撃値の具体的な計算式は、以下のものを用いた。 Further, the following formula was used as a specific formula for calculating the Izod impact value.
アイゾット衝撃値=E/(b×h)
ここで、E=W×R×(cosβ−cosα)−L
W:ハンマーの重さ(N)
R:ハンマーの重心までの距離(m)
α:ハンマーの持上げ角
β:試験後のハンマーの振り上がり角
L:エネルギー損失(ハンマー空振り時)
b:試験片の幅(mm)
h:試験片の厚さ(mm)
以上の計測結果を実施例及び比較例について、まとめたものを表2に示す。
Izod impact value = E / (b × h)
Here, E = W × R × (cos β−cos α) −L
W: Weight of hammer (N)
R: Distance to the center of gravity of the hammer (m)
α: Hammer lift angle β: Hammer swing angle after test L: Energy loss (when hammer is swung)
b: Width of test piece (mm)
h: Test piece thickness (mm)
Table 2 shows a summary of the above measurement results for Examples and Comparative Examples.
参考例1の細胞内腔を押し潰し、消失させたリグノセルロース繊維を強化材として用いた繊維強化プラスチックは、細胞内腔が存在するリグノセルロース繊維を強化材として用いた比較例1の繊維強化プラスチックより高い強度性能を示した。つまり、細胞内腔を消失させたリグノセルロース繊維を強化繊維として用いることにより、得られた繊維強化プラスチックの強度性能が向上している。 The fiber reinforced plastic using the lignocellulosic fiber that crushes and disappears the cell lumen of Reference Example 1 as the reinforcing material is the fiber reinforced plastic of Comparative Example 1 using the lignocellulose fiber having the cell lumen as the reinforcing material. It showed higher strength performance. That is, the strength performance of the obtained fiber reinforced plastic is improved by using the lignocellulose fiber from which the cell lumen has disappeared as the reinforcing fiber.
参考例2の細胞内腔を押し潰し、消失させ、かつ、細胞壁を構成するセルロースミクロフィブリルの一部がひげ状の繊維となり、細胞壁表面から飛び出たリグノセルロース繊維を強化材として用いた繊維強化プラスチックは、参考例1で作成した繊維強化プラスチックより強度性能がさらに向上している。とくに衝撃強さの向上が著しい。 A fiber-reinforced plastic that crushes and disappears the cell lumen of Reference Example 2 and that uses part of the cellulose microfibrils constituting the cell wall as whisker-like fibers and lignocellulose fibers that protrude from the cell wall surface as a reinforcing material The strength performance is more improved than the fiber reinforced plastic prepared in Reference Example 1. In particular, the impact strength is significantly improved.
実施例1の叩解処理を行う前に、単繊維同士の結合強度を緩和させる処理を行ったリグノセルロース繊維束を用いた繊維強化プラスチックの機械的強度は、単繊維同士の結合強度を緩和させる処理を行わなかったリグノセルロース繊維を用いた繊維強化プラスチックの機械的強度を大きく上回った。また、叩解処理を行わなかったリグノセルロース繊維束を用いた繊維強化プラスチックよりも、優れた強度性能を示した。つまり、叩解処理を行う前に、単繊維同士の結合強度を緩和させる処理を行った繊維束の形態のリグノセルロース繊維を、強化材として用いることにより、得られた繊維強化プラスチックの機械強度が向上したことになる。 The mechanical strength of the fiber reinforced plastic using the lignocellulosic fiber bundle subjected to the treatment for relaxing the bond strength between single fibers before the beating treatment of Example 1 is a treatment for relaxing the bond strength between single fibers. The mechanical strength of the fiber reinforced plastic using the lignocellulosic fiber that was not subjected to the test was greatly exceeded. Moreover, the strength performance superior to the fiber reinforced plastic using the lignocellulose fiber bundle which was not beaten was shown. In other words, the mechanical strength of the resulting fiber-reinforced plastic is improved by using, as a reinforcing material, lignocellulosic fibers in the form of fiber bundles that have been treated to relax the bond strength between single fibers before the beating treatment. It will be done.
実施例3の単繊維同士の結合を緩和させるために、シュウ酸アンモニウム、水酸化ナトリウム処理を行った後に、叩解処理を行ったリグノセルロース繊維束を用いた繊維強化プラスチックの機械的強度は、実施例2の高温、高圧下で水酸化ナトリウム、硫化ナトリウムによる処理を行った後に叩解処理を行った、リグノセルロース繊維束を用いた繊維強化プラスチックの機械的強さを上回った。つまり、単繊維同士の結合を緩和させるための処理としては、シュウ酸アンモニウム、水酸化ナトリウムを用いることにより、繊維強化プラスチックの強度性能は向上していることになる。
The mechanical strength of the fiber reinforced plastic using the lignocellulose fiber bundle subjected to the beating treatment after the treatment with ammonium oxalate and sodium hydroxide in order to relax the bonding between the single fibers in Example 3 was The mechanical strength of the fiber reinforced plastic using the lignocellulose fiber bundle, which was beaten after the treatment with sodium hydroxide and sodium sulfide under the high temperature and high pressure in Example 2 , was exceeded. That is, the strength performance of the fiber reinforced plastic is improved by using ammonium oxalate and sodium hydroxide as the treatment for relaxing the bonding between the single fibers.
1. 単繊維の形態を有するリグノセルロース繊維
2. 細胞壁
3. 細胞内腔
4. プラスチック
5. 空隙(材料中の欠陥)
6. リグノセルロース繊維の細胞壁から飛び出したセルロースミクロフィブリル
7. 繊維束の形態を有するリグノセルロース繊維
8. 単繊維同士のの結合が緩んだリグノセルロース繊維束
1. Lignocellulose fiber with
6. Cellulose microfibrils protruding from the cell wall of
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