JP4303415B2 - Fixing device - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真式のプリンタ、複写機などの画像形成装置に備えられる定着装置に係り、さらに詳しくは、熱圧力定着するための回転部材にオフセット防止のための離型剤を塗布する機構を備えた定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスを利用したプリンタ、複写機などの画像形成装置には、記録媒体としてのシート上に保持された未定着のトナー像を定着する定着装置が備えられている。定着方式には種々の方式があるが、一般に、圧力加熱定着方式が広く採用されている。この圧力加熱定着方式による定着装置には、回転部材の具体的な形態から、ベルト方式や、熱ローラ方式などがある。ベルト方式の定着装置としては、例えば、特開平6−318001号に開示されるものがある。
【0003】
圧力加熱定着方式による定着装置は、シートの両面のうちトナーを保持した面が定着ベルトや定着ローラなどの回転部材の表面に直接接触する構成であるため、シート上の未定着トナー像の一部が回転部材側に転写されやすい。このため、回転部材に融着したトナーが、シート後端に再度転写されて当該シートを汚したり、次に搬送されてくるシートに再度転写されて当該シートを汚したりする、いわゆるオフセット現象が起きやすいという欠点がある。そこで、圧力加熱定着方式による定着装置は、オフセット現象の発生を防止するために、回転部材とトナーとの離型性を良好にする離型剤を回転部材に塗布する機構を有している。離型剤としては、シリコーンオイル(以下、単に「オイル」ともいう)が用いられている。
【0004】
従来のオイル塗布機構には、内部に保持したオイルを回転部材に塗布するオイル塗布ローラを備えたものがある。このオイル塗布ローラは、外周面に複数の小孔が形成された筒状体と、当該筒状体の外周面を被覆するスポンジなどの多孔質弾性体とを有し、回転部材の表面に圧接して設けられている。そして、回転部材の回転に伴ってオイル塗布ローラを従動回転させ、筒状体内部に封入され保持されたオイルを、多孔質弾性体を通して回転部材の表面に塗布している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来構造のオイル塗布ローラでは、シート1枚当たりのオイル塗布量は、当該ローラのオイル塗布動作時の初期から安定状態まで一定ではなく、ローラのオイル塗布動作時の初期では多く、安定状態には少なくなるという傾向がある。このため、ローラのオイル塗布動作時の安定状態において、シート1枚当たりのオイル塗布量が少なくなってオフセットが発生する虞がある。一方、ローラのオイル塗布動作時の安定状態におけるオフセットを防止すべくオイル塗布量の下限値を単に引き上げただけでは、ローラのオイル塗布動作時の初期におけるオイル塗布量が多くなって、オイル汚れや画像の白濁などの画像ノイズが発生する虞がある。ここで、ベルトなどの回転部材に塗布された過剰なオイルを除去するブレードを当該回転部材に圧接離間自在に設けることも考えられるが、可動ブレードを設けることにより定着装置の構成が複雑になったり、可動ブレードを圧接離間移動させるための制御が煩雑になったりするという欠点がある。
【0006】
ところで、上記公報(特開平6−318001号)に開示されるようなベルト方式の定着装置では、未定着トナーを保持したシートは定着ベルトに向かい合うようにして搬送されるので、シート上の未定着トナーは、定着ベルトと加圧ローラとが圧接するニップ部に達する前に、定着ベルトからの輻射熱によりある程度予熱されている。このため、ベルト方式の定着装置では定着ベルトのニップ部における温度をローラ定着方式に比べて低く設定でき、その結果、オイル塗布量をローラ定着方式の十分の一程度の量に減らすことが可能である、ということが確認されている。
【0007】
このようなベルト方式の定着装置における利点を生かすために、例えば、特開平11−133784号に開示されるように、オイル塗布ローラの芯金の表面側に設けられオイルを保持するオイル保持層と、オイル保持層の表面に設けられた表層とを少なくとも含む多層構造を有し、前記オイル保持層から前記表層に向かうにつれてオイル保持能力を小さくなることを特徴とする装置が知られている。この従来構造のオイル塗布ローラを用いることにより、確かにオイル塗布時の初期においてはオイルの過剰塗布が防止されることになるが、該構造ではオイル塗布動作が例えば1500枚前後の安定状態となった時点でオイル供給量が不足し、極微量のオイル塗布量しか達成されず、オイル塗布によるオフセット防止の効果が実質的に達成されないものである。
【0008】
本発明は、かかる要請に応えるべくなされたものであり、ローラのオイル塗布動作時の初期における離型剤塗布量をオイル汚れなどの不具合が発生しないレベルに抑えることができ、かつ、ローラのオイル塗布動作時の安定状態における離型剤塗布量をオフセットなどの不具合が発生しないレベルにまで増加させ得る離型剤塗布ローラを備え、もって、画像ノイズが発生することを防止した定着装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明に係わる定着装置は、請求項1の記載によれば、シート上に保持されたトナー像を熱圧力定着するための回転部材と、前記回転部材に塗布されるオフセット防止用の離型剤を内部に保持した離型剤塗布ローラとを具備する定着装置において、前記離型剤塗布ローラは、芯金の表面に設けられ離型剤を保持する離型剤保持層と、前記離型剤保持層の表面側に設けられた表層と、前記離型剤保持層と前記表層との間に配設され、前記離型剤保持層及び前記表層より離型剤保持能力を大きく設定された中間層とを備えることを特徴としている。
【0010】
また、この発明に係わる定着装置は、請求項2の記載によれば、前記中間層は、前記表層の内周面に直接に接触する状態で配設されている事を特徴としている。
【0011】
また、この発明に係わる定着装置は、請求項3の記載によれば、前記中間層は、前記離型剤保持層の外周面に直接に接触する状態で配設されている事を特徴としている。
【0012】
また、この発明に係わる定着装置は、請求項4の記載によれば、前記離型剤塗布ローラによる前記回転部材への離型剤の塗布量は、A4サイズのシート1枚当たりで0.5〜2.0mgの範囲内に設定されている事を特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
{実施の形態に係るプリンタの全体構造}
図1は、本発明に係る定着装置を組み込んだ電子写真式のフルカラープリンタを示す概略構成図である。
【0014】
図1に示されるプリンタ11は、像担持体としての感光体ドラム12と、レーザ発生器14と、を備え、矢印方向に回転する感光体ドラム12の周辺には、感光体ドラム12の外周面を帯電する帯電装置13と、第1〜第4の現像器15,16,17,18を備えた現像装置と、転写ベルト19と、感光体ドラム12上の残留トナーを除去する図示しないクリーニング装置と、プリンタ11内の温度を検出する機内温度検出センサTSと、が配置されている。レーザ発生器14は、図示しないコンピュータなどから送られてくる画像信号のレベルに応じて半導体レーザを駆動変調する。レーザ光は、図示しないポリゴンミラー、f−θレンズおよび折り返しミラーなどを経由し、帯電装置13と現像装置との間の位置で、感光体ドラム12に照射される。レーザ光の照射により感光体ドラム12上に形成された静電潜像は、第1現像器15によりイエローのトナー像として顕像化される。このイエロートナー像は、矢印方向に回転移動する転写ベルト19上に保持される。感光体ドラム12上に次に形成された静電潜像は、第2現像器16によりマゼンタのトナー像として顕像化され、このマゼンタトナー像は、転写ベルト19上のイエロートナー像の上に重ねられる。同様に、感光体ドラム12上に次に形成された静電潜像は、第3現像器17によりシアンのトナー像として顕像化され、このシアントナー像を転写ベルト19上のトナー像の上に重ねることによって、フルカラートナー像が作成される。なお、第4現像器18にはブラックのトナーが収容されており、モノクロプリントが指定された場合には、感光体ドラム12上の静電潜像は、この第4現像器18により顕像化される。
【0015】
一方、プリンタ本体に対して着脱自在に取り付けられる給紙カセット20には、複数枚のシート10が積層した状態で収納されている。シート10は、給紙ローラ21により1枚ずつ捌かれて給紙され、タイミングローラ22によりトナー像とタイミングをとって転写領域23に向けて搬送される。この転写領域23において、転写ベルト19上のフルカラートナー像がシート10に転写される。転写後のシート10は、転写ベルト19から分離され、定着装置24に向けて搬送ベルト25により搬送される。シート10上に転写された未定着トナーが定着装置24において溶融定着され、トナーが固定されたシート10は、排紙トレイ26に排出される。本実施形態の定着装置24はベルト方式によるものであり、その構成については後述する。
【0016】
シート10への転写が終了すると、感光体ドラム12は、クリーニング装置にて残留トナーが除去され、イレーサによって残留電荷が除電される。その後、感光体ドラム12は、帯電装置13によって再度帯電され、レーザ光による潜像形成を受け、現像器15〜18によって現像される。
【0017】
シート搬送経路にはシート10を検出する複数のセンサS1,S2,S3が配置され、各センサS1,S2,S3でシート10の先端および/または後端を検出した信号に基づいて、プリンタ内に設けられた各部材の制御タイミングがとられる。
【0018】
{定着装置の全体構造}
図2は、図1に示されるベルト方式の定着装置を示す断面図である。定着装置24は、矢印a方向に回転駆動可能に設けられた駆動ローラ31と、熱源であるハロゲンヒータランプ32が内臓された加熱ローラ33と、駆動ローラ31と加熱ローラ33との間に掛け渡されて走行する定着ベルト34と、定着ベルト34を介して駆動ローラ31に圧接する加圧ローラ35と、オフセット防止のための離型剤を定着ベルト34の外周面に塗布するオイル塗布ユニット36と、を有する。定着ベルト34が掛け渡される一対のローラ31,33のうち少なくとも一方のローラ(図示例では、加熱ローラ33)の軸方向両端部には、定着ベルト34の走行時におけるベルト斜行ないし蛇行を防止する寄り止め部材80が取り付けられ、定着ベルト34の走行の安定化を図っている。前記定着ベルト34が、シート10上に保持されたトナーを熱圧力定着するための回転部材に相当する。離型剤としては、シリコーンオイルが用いられる。
【0019】
前記定着ベルト34は、薄肉の好ましくはシームレスベルトであり、炭素鋼、ステンレス鋼、ニッケルあるいは耐熱性樹脂などからなるベルト基材を有し、当該ベルト基材の表面にシリコーンオイルに対して親和性が良いシリコーンゴムを被覆し、トナーに対して良好な離型性と耐熱性とを有する耐熱離型層を形成したエンドレスベルトである。ベルト基材の厚さは約40μm、ゴム被覆の厚さは約200μmである。なお、定着ベルト34の耐熱離型層として、4フッ化エチレン樹脂を用いてもかまわない。
【0020】
前記駆動ローラ31は、その片端に図示しない駆動ギアが固定され、この駆動ギアに接続された図示しないモータなどの駆動源によって矢印a方向に回転駆動される。駆動ローラ31は、定着ベルト34の裏面に接触して当該定着ベルト34を矢印b方向に移動させる。定着ベルト34を確実に移動させるために、駆動ローラ31の外周面は摩擦係数の大きな材料(例えば、シリコーンゴム等)で被覆され、定着ベルト34との間でスリップが発生しないようにしてある。なお、所定量のニップ幅を確保するため、駆動ローラ31の外周面を被覆する材料は硬度が比較的低い材料(例えば、シリコーンスポンジ)であることがさらに好ましい。
【0021】
前記加熱ローラ33は、中空の金属ローラからなり、中心軸上には、ハロゲンヒータランプ32が配置されている。熱源として、抵抗発熱体や電磁誘導加熱装置などを使用してもよい。また、定着ベルト34に熱を効率的に供給する観点から、加熱ローラ33は例えばアルミニウムや銅などのように熱伝導性の高い材料から形成するのが好ましい。
【0022】
前記加圧ローラ35は、金属製パイプの外周をシリコーンゴム被覆またはテフロン被覆したローラからなり、スプリング37のばね力が付勢されて定着ベルト34を介して駆動ローラ31に圧接している。駆動ローラ31の回転に伴って定着ベルト34が矢印b方向に移動すると、加圧ローラ35は、定着ベルト34との間の摩擦により、矢印c方向に従動回転する。駆動ローラ31および加圧ローラ35相互の表面硬度の関係は、「加圧ローラ35の表面硬度≧駆動ローラ31の表面硬度」に設定されている。このような関係としたのは次の理由による。つまり、加圧ローラ35と定着ベルト34とのニップ部38からトナー定着後のシート10を円滑に排出するためには、当該シート10を駆動ローラ31周辺から離れる方向あるいは平坦に送り出せばよく、このためには、加圧ローラ35が定着ベルト34を介して駆動ローラ31に若干食い込むような状態で圧接すればよいからである。
【0023】
未定着トナーを保持したシート10を定着ベルト34に触れることなくニップ部38まで案内するため、定着ベルト34の下方位置にガイド板39が設けられている。また、ニップ部38の下流には排紙ガイド40が設けられている。
【0024】
加熱ローラ33の温度を検出する第1の温度センサTH1が定着ベルト34の内方位置に配置され、また、加圧ローラ35の温度を検出する第2の温度センサTH2が加圧ローラ35に隣接して配置されている。第1と第2の温度センサTH1,TH2は、例えばサーミスタから構成され、各ローラ33,35の表面に当接してローラ表面温度を検出している。第1温度センサTH1は、加熱ローラ33の回転軸に対して位置決めされたサポート41に保持され、加熱ローラ33との相対的な位置関係すなわち接触状態が一定に保たれている。
【0025】
本実施形態のプリンタ11では、熱源を備えていない加圧ローラ35の表面温度を第2温度センサTH2で検出し、この加圧ローラ35の表面温度に基づいて、ハロゲンヒータランプ32の制御温度を決定すると共に印字開始のタイミングを制御している。また、ハロゲンヒータランプ32の温度を決定された前記制御温度に調整するため、加熱ローラ33の表面温度を第1温度センサTH1で検出しつつ、ハロゲンヒータランプ32への通電をオンオフ制御している。なお、ハロゲンヒータランプ32が異常高温になったときの安全機構として、サポート41にサーモスタットを設け、異常高温時にハロゲンヒータランプ32への電力供給を遮断するようにしてもよい。
【0026】
ところで、定着ベルト34の外周面のうち加熱ローラ33に接触している部分に第1温度センサTH1を当接させる構成も考えられる。かかる構成では、トナーに直接接触する定着ベルト34外周面の温度を直接測定するので確かに精度の高い温度調整を行い得るが、その反面、第1温度センサTH1との接触によって定着ベルト34の表面が削られて傷が付いてしまう。定着ベルト34外周面が傷付くと、オイル筋などの画像ノイズが生じて画像品質が低下したり、ベルトの耐久寿命が短くなったりするという問題を招いてしまう。そこで、本実施形態では、第1温度センサTH1を加熱ローラ33に接触させる構成を採用している。また、この構成を採用したのに伴い、加熱ローラ33の外周を、摩擦係数の低い材料(例えばフッ素系樹脂)で被覆している。さらに、第1温度センサTH1を定着ベルト34の内方位置に配置すると、定着ベルト34の周囲に形成される空気流の影響を受けないという利点もある。
【0027】
前記オイル塗布ユニット36は、定着ベルト34の上方位置に配置され、定着ベルト34に塗布されるオイルを内部に保持したオイル塗布ローラ50と、オイル塗布ローラ50の表面に当接し当該オイル塗布ローラ50から供給されたオイルを定着ベルト34の外周面に塗布するオイル転写ローラ51と、オイル転写ローラ51の表面に当接し当該オイル転写ローラ51に付着した紙粉やトナーを除去するクリーニングローラ52と、これらのローラ50,51,52を回転自在に支持するホルダ53と、を有する。オイル転写ローラ51は、定着ベルト34が駆動ローラ31から加熱ローラ33に向かって移動する領域において当該定着ベルト34に圧接し、定着ベルト34に適度のテンションを加えている。これにより、定着ベルト34の走行が安定すると共に、オイル転写ローラ51から定着ベルト34へのオイル塗布も安定する。
【0028】
オイル塗布ローラ50は、後に詳述するが、芯金55の表面に設けられオイルを保持するオイル保持層56と、当該オイル保持層56の表面側に設けられた表層57と当該オイル保持層56と当該表層57との間に配設され、当該オイル保持層56及び当該表層57よりオイル保持能力を大きく設定された中間層58と、を含む多層構造を有している。オイル転写ローラ51は、芯金上にシリコーンオイルとの親和性が良いシリコーンゴムを被覆して形成され、クリーニングローラ52は、芯金上にフェルトなどを被覆して形成されている。オイル転写ローラ51の表面は、定着ベルト34から汚れを付着させるために当該定着ベルト34の表面よりも表面粗さが粗くされる一方、クリーニングローラ52の表面は、オイル転写ローラ51から汚れを付着させるために当該オイル転写ローラ51の表面よりも離型性を低くしている。
【0029】
オイル塗布ユニット36は定着装置24のフレーム42に対して着脱自在に構成され、オイル塗布ローラ50の内部に保持されたオイルを使い切ったときには、使用済みのオイル塗付ユニット36を前記フレーム42から取り外し、新たなオイル塗布ユニット36を前記フレーム42に取り付ける。なお、クリーニングローラ52に代えてクリーニングパッドをオイル転写ローラ51の表面に接触させてもよい。また、オイル塗布ローラ50を定着ベルト34に直接圧接させてもよい。
【0030】
定着装置24の動作を概説する。モータを駆動すると、駆動ローラ31が矢印a方向に回転し、定着ベルト34が矢印b方向に走行する。定着ベルト34の走行に伴い、加熱ローラ33が矢印d方向に従動回転すると共に、加圧ローラ35が矢印c方向に従動回転する。走行する定着ベルト34は、加圧ローラ33の上流側位置においてオイルが塗布された後、加圧ローラ33との接触領域(加熱領域43)においてハロゲンヒータランプ32からの熱によって所定の温度に加熱され、ガイド板39の上方をさらに走行して、加圧ローラ35との間のニップ部38に進む。
【0031】
一方、定着ベルト34と接触する面側に未定着トナー44を保持したシート10は、矢印e方向に沿ってガイド板39に案内されつつニップ部38に向けて搬送される。このとき、シート10および未定着トナー44は、所定の間隔を隔てて向かい合う定着ベルト34の熱により加熱(予熱)される。この予熱により、シート10上の未定着トナー44が予め程良く軟化される。
【0032】
シート10がさらに搬送されてニップ部38に突入すると、当該シート10は、接触する定着ベルト34の熱により十分に加熱され、さらに加圧ローラ35と駆動ローラ31との間の圧接力が加えられながら、当該ニップ部38で挟持されつつ搬送される。これにより、シート10上の未定着トナー44は、十分に加熱されて溶融し、さらに加圧されてシート10に定着される。定着ベルト34へのトナーの移転すなわちオフセットは定着ベルト34表面に塗布されたオイルにより制御される。
【0033】
ニップ部38を通過したシート10は、定着ベルト34から自然に分離し、排紙トレイ26(図1参照)に向けて搬送される。また、シート10との接触により熱が奪われた定着ベルト34には、所定の温度制御の下、ハロゲンヒータランプ32から熱が補充される。
【0034】
この定着装置24では、定着ベルト34の加熱をオイル塗布の後に行っているため、定着ベルト34の温度が安定し、トナーの定着が良好に行われる。また、オイル転写ローラ51が定着ベルト34にテンションを付与するため、定着ベルト34の走行ムラ(ベルトのあばれ)が制御され、その結果、寄り止め部材80の作用とあいまって定着ベルト34は円滑に安定して走行し、ベルト寿命も延びる。
【0035】
また、定着ベルト34上の紙粉、トナー等による汚れは、定着ベルト34に当接するオイル転写ローラ51からクリーニングローラ52に付着するため、オイル塗布ローラ50に付着することが少なくなる。これにより、オイル塗布ローラ50からオイル転写ローラ51に均一かつ安定的にオイルが供給され、その結果、オイル転写ローラ51から定着ベルト34に均一かつ安定的にオイルを塗布することができる。したがって、オフセットを確実に防止しつつ、定着ベルト34の清掃もでき、もって、高品位の定着画像が得られる。
【0036】
{オイル塗布ローラ50の構成}
次に、オイル塗布ローラ50の構成を詳細に説明する。図3は、オイル塗布ローラ50を示す斜視図、図4は、同オイル塗布ローラ50を示す断面図である。
【0037】
図示するように、オイル塗布ローラ50は、芯金55の表面に設けられオイルを保持するオイル保持層56と、当該オイル保持層56の表面側に設けられた表層57と当該オイル保持層56と当該表層57との間に配設され、当該オイル保持層56及び当該表層57よりオイル保持能力を大きく設定された中間層58と、を含む多層構造を有している。芯金55としては、例えば、外形10mmのアルミニウム製ローラが使用される。オイル保持層56は、例えば、芳香族アラミド繊維を4mmの厚みとなるように芯金55に巻回して形成されている。中間層58は、例えば、和紙を0.5mmの厚みとなるようにオイル保持層56の表面側に巻回して形成される。表層57は、例えば、芳香族アラミド繊維を0.5mmの厚みとなるように中間層58の表面側に巻回して形成されている。
【0038】
オイル塗布ローラ50は次のように製造される。まず、芳香族アラミド繊維の端部を両面テープなどを介して芯金55の表面に接着した後、所定厚みとなるまで当該芯金55に巻き付ける。これによりオイル保持層56の形成が終わる。次いで、和紙の端部を接着剤などを介してオイル保持層56の表面に接着した後、所定厚みとなるまで当該オイル保持層56に巻き付ける。これにより中間層58の形成が終わる。次いで、芳香族アラミド繊維の端部を接着剤などを介して当該中間層58の表面に接着した後、所定厚みとなるまで当該中間層58に巻き付ける。これにより表層57の形成が終わる。このオイル塗布ローラ50全体を、オイル槽に満たされた塗布用オイルの中に浸漬させ、この状態のまま所定時間放置する。オイルは、時間の経過とともに表層57から中間層58、オイル保持層56へと浸透していき、いずれ平衡状態に達し、オイル塗布ローラ50の製造が完了する。
【0039】
特に、本実施形態のオイル塗布ローラ50では、「オイル保持能力」がオイル保持層56よりも中間層58の方が大きく、かつ、表層57よりも中間層58の方が大きくなるように、各層56、57、58を形成する材料を選定してある。本明細書において、「オイル保持能力」とは、サンプルの単位体積当たりに保持可能なオイル重量で定義される。以下、オイル保持能力の測定方法を説明する。
【0040】
図5(A)〜(C)は、オイル保持能力の測定方法の説明に供する図である。図5(A)に示すように、外形d=10mmの芯金60に、サンプル厚で3mm、外径でD=16mmになるまでサンプル61を巻き付ける。サンプル61の軸方向長さは、既知の所定寸法である。巻き付けが完了すれば、同図(C)に示すように、初期重量を測定する。次いで、同図(B)に示すように、サンプル61を巻き付けた芯金60を、オイル槽62に満たされた塗布用オイルの中に完全に浸漬させ、そのまま1週間塗布用オイルを浸透させる。塗布用オイルは、シリコーンオイル100cStである。その後、サンプル61を巻き付けた芯金60をオイル槽62から引き上げ、恒温槽にて150℃−5Hrに保持しながら、同図(C)に示すように、ディップ後の重量を測定する。そして、オイルディップ前後の重量変化をサンプル61の体積で除算して、オイル保持能力を得る。
【0041】
種々のサンプル61のオイル保持能力の測定結果を、表1に示す。この表には、サンプル61の耐熱温度、目付ないし坪量を併せて示してある。尚、サンプル61のオイル保持能力が大きければ大きい程、多量のオイルを当該サンプル61内に保持することができる。
【0042】
【表1】

Figure 0004303415
【0043】
{各実施例の説明}
以下に、図4に示すオイル塗布ロールの各層の材質等を変化させた種々の実施例について、表2を参照して説明する。尚、表2のオイル塗布量のオイル塗布動作時の初期とは、A4サイズのシート1枚目から100枚目までの1枚当たりのオイル塗布量の平均であり、オイル塗布量のオイル塗布動作時の安定状態とは、A4サイズのシート1001枚目から1500枚目までの1枚当たりのオイル塗布量の平均である。
【0044】
【表2】
Figure 0004303415
【0045】
{実施例1}
表2の実施例1でのオイル塗布ローラは、オイル保持層に、表1における材料NO.1の芳香族アラミド繊維(1)と、表層に、表1における材料NO.2の芳香族アラミド繊維(2)と、オイル保持層と表層との間に配設された中間層に、表1におけるNO.5の和紙(1)と、で形成されている。この実施例1でのオイル塗布ローラでは、ローラのオイル塗布動作時の初期にオイル汚れなどの不具合が発生せず、かつ、ローラのオイル塗布動作時の安定状態にオフセットなどの不具合が発生せず、評価結果は良好(○)であった。
【0046】
{実施例2}
表2の実施例2でのオイル塗布ローラは、オイル保持層に、表1における材料NO.7の和紙(3)と、表層に、表1における材料NO.2の芳香族アラミド繊維(2)と、オイル保持層と表層との間に配設された中間層に、表1におけるNO.3のロックウール+アラミド繊維と、で形成されている。この実施例2でのオイル塗布ローラでは、ローラのオイル塗布動作時の初期にオイル汚れなどの不具合が発生せず、かつ、ローラのオイル塗布動作時の安定状態にオフセットなどの不具合が発生せず、評価結果は良好(○)であった。
【0047】
{実施例3}
表2の実施例3でのオイル塗布ローラは、オイル保持層に、表1における材料NO.1のアラミド繊維(1)と、表層に、表1における材料NO.6の和紙(2)と、オイル保持層と表層との間に配設された中間層に、表1におけるNO.3のロックウール+アラミド繊維と、で形成されている。この実施例3でのオイル塗布ローラでは、ローラのオイル塗布動作時の初期にオイル汚れなどの不具合が発生せず、かつ、ローラのオイル塗布動作時の安定状態にオフセットなどの不具合が発生せず、評価結果は良好(○)であった。
【0048】
{実施例4}
表2の実施例4でのオイル塗布ローラは、オイル保持層に、表1における材料NO.7の和紙(3)と、表層に、表1における材料NO.2の芳香族アラミド繊維(2)と、オイル保持層と表層との間に配設された中間層に、表1におけるNO.4のガラス繊維+アラミド繊維と、で形成されている。この実施例4でのオイル塗布ローラでは、ローラのオイル塗布動作時の初期にオイル汚れなどの不具合が発生せず、かつ、ローラのオイル塗布動作時の安定状態にオフセットなどの不具合が発生せず、評価結果は良好(○)であった。
【0049】
{実施例5}
表2の実施例5でのオイル塗布ローラは、オイル保持層に、表1における材料NO.1のアラミド繊維(1)と、表層に、表1における材料NO.6の和紙(2)と、オイル保持層と表層との間に配設された中間層に、表1におけるNO.4のガラス繊維+アラミド繊維と、で形成されている。この実施例5でのオイル塗布ローラでは、ローラのオイル塗布動作時の初期にオイル汚れなどの不具合が発生せず、かつ、ローラのオイル塗布動作時の安定状態にオフセットなどの不具合が発生せず、評価結果は良好(○)であった。
【0050】
{実施例6}
表2の実施例6でのオイル塗布ローラは、オイル保持層に、表1における材料NO.5の和紙(1)と、表層に、表1における材料NO.8の多孔質PTFEと、オイル保持層と表層との間に配設された中間層に、表1におけるNO.3のロックウール+アラミド繊維と、で形成されている。この実施例6でのオイル塗布ローラでは、ローラのオイル塗布動作時の初期にオイル汚れなどの不具合が発生せず、かつ、ローラのオイル塗布動作時の安定状態にオフセットなどの不具合が発生せず、評価結果は良好(○)であった。
【0051】
{各比較例の説明}
次に、上記実施例1至6と比較するために、従来公報(特開平11−133784号)に記載された、オイル塗布ローラ構造に基づき、比較試験をを行った。以下に、図4に示すオイル塗布ロールの各層の材質等を変化させた種々の比較例について説明する。
【0052】
{比較例1}
表2の比較例1でのオイル塗布ローラは、オイル保持層に、、表1における材料NO.4のガラス繊維+アラミド繊維と、表層に、表1における材料NO.2のアラミド繊維と、オイル保持層と表層との間に配設された中間層に、表1におけるNO.2のアラミド繊維と、で形成されている。この比較例1でのオイル塗布ローラでは、ローラのオイル塗布動作時の初期にオイル汚れなどの不具合は発生しなかったが、ローラのオイル塗布動作時の安定状態に、極微量のオイル塗布量しか達成されずないため、オフセットが発生し、評価結果は不良(×)であった。
【0053】
{比較例2}
表2の比較例2でのオイル塗布ローラは、オイル保持層に、表1における材料NO.4のガラス繊維+アラミド繊維と、表層に、表1における材料NO.2のアラミド繊維と、オイル保持層と表層との間に配設された中間層に、表1におけるNO.3のロックウール+アラミド繊維と、で形成されている。この比較例2でのオイル塗布ローラでは、ローラのオイル塗布動作時の初期にオイル汚れなどの不具合は発生しなかったが、ローラのオイル塗布動作時の安定状態に、極微量のオイル塗布量しか達成されずないため、オフセットが発生し、評価結果は不良(×)であった。
【0054】
{比較例3}
表2の比較例3でのオイル塗布ローラは、オイル保持層に、表1における材料NO.4のガラス繊維+アラミド繊維と、表層に、表1における材料NO.6の和紙(2)と、オイル保持層と表層との間に配設された中間層に、表1におけるNO.2のアラミド繊維(2)と、で形成されている。この比較例3でのオイル塗布ローラでは、ローラのオイル塗布動作時の初期にオイル汚れなどの不具合は発生しなかったが、ローラのオイル塗布動作時の安定状態に、極微量のオイル塗布量しか達成されずないため、オフセットが発生し、評価結果は不良(×)であった。
【0055】
上記実施例1至6は、オイル保持層と表層との間に配設された中間層のオイル保持能力が、オイル保持層のオイル保持能力より大きく、かつ、オイル保持層と表層との間に配設された中間層のオイル保持能力が、表層のオイル保持能力より大きいオイル塗布ローラであり、当該実施例での評価結果はすべて良好であった。
【0056】
上記比較例1至3は、表層のオイル保持能力が、オイル保持層と表層との間に配設された中間層のオイル保持能力より小さく、かつ、表層のオイル保持能力が、オイル保持層のオイル保持能力より小さいオイル塗布ローラであり、当該比較例での評価結果はすべて不良であった。
【0057】
そこで、本実施形態のオイル塗布ローラ50では、オイル保持層56と表層57との間に配設された中間層58のオイル保持能力が、オイル保持層56のオイル保持能力より大きく、かつ、オイル保持層56と表層57との間に配設された中間層58のオイル保持能力が、表層57のオイル保持能力より大きくなるように各層56、57、58を形成する材料の組み合わせを選定した。またオイル保持層56の厚みは、中間層58の厚みより大きく、かつ、オイル保持層56の厚みは、表層57の厚みより大きくすることで、オイル量を大きくなるよう厚みを選定した。
【0058】
かかる構成のオイル塗布ローラ50では、オイル塗布動作時、最初に表層57からオイル転写ローラ51へオイル移行が起こる。次に表層57のオイル量が減少することにより表層57のオイル保持量と中間層58のオイル保持量を保つために、中間層58から表層57へオイル移行が起こる。同様に中間層58のオイル量が減少することにより中間層58のオイル保持量とオイル保持層56のオイル保持量を保つために、オイル保持層56から中間層58へオイル移行が起こる。これにより、ローラのオイル塗布動作時の初期におけるオイル塗布量をオイル汚れなどの不具合が発生しないレベルに抑えることができ、かつ、ローラのオイル塗布動作時の安定状態におけるオイル塗布量をオフセットなどの不具合が発生しないレベルにまで維持でき、オイル塗布動作時の全期に渡り、画像ノイズが発生することを確実に防止できた。
【0059】
上記実施例1至6により、ローラのオイル塗布動作時の初期にオイル汚れなどの不具合が発生せず、かつ、ローラのオイル塗布動作時の安定状態にオフセットなどの不具合が発生しないオイル塗布量はA4サイズのシート1枚当たり0.5〜2mgで良いことが分かった。
【0060】
この発明は、上述した一実施例の構成に限定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である事は言うまでもない。例えば、上述した一実施例においては、離型剤塗布ローラは、離型剤保持層、中間層、表層の3層構造からなるように説明したが、このような構成に限定されることなく、少なくともこれら3層を含む4層以上の多層構造であっても良いことは言うまでもない。
【0061】
また、上述した一実施例においては、離型剤保持層56の層厚を4mmとなるように説明したが、この発明はこのような数値に限定されることなく、2〜20mmの範囲で適用されることは言うまでもない。
【0062】
同様に、上述した一実施例においては、表層57の層厚を0.5mmとなるように説明したが、この発明はこのような数値に限定されることなく、0.05〜2.0mmの範囲で適用されることは言うまでもない。
【0063】
同様に、上述した一実施例においては、中間層58の層厚を0.5mmとなるように説明したが、この発明はこのような数値に限定されることなく、0.1〜2.0mmの範囲で適用されることは言うまでもない。
【0064】
[発明の効果]
以上説明したように本発明によれば、オイル塗布時の初期における離型剤塗布量をオイル汚れなどの不具合が発生しないレベルに抑えることができ、かつ、オイル塗布動作が安定状態における離型剤塗布量をオフセットなどの不具合が発生しないレベルにまで増加させ得る離型剤塗布ローラを備え、もって、画像ノイズが発生することを防止した定着装置を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る定着装置を組み込んだ電子写真式のフルカラープリンタを示す概略構成図である。
【図2】 図1に示されるベルト方式の定着装置を示す断面図である。
【図3】 オイル塗布ローラを示す斜視図である。
【図4】 同オイル塗布ローラを示す断面図である。
【図5】 図5(A)〜(C)は、オイル保持能力の測定方法の説明に供する図である。
【符号の説明】
10…シート
31…駆動ローラ
33…加熱ローラ
34…定着ベルト(回転部材)
35…加圧ローラ
36…オイル塗布ユニット
44…未定着トナー
50…オイル塗布ローラ(離型剤塗布ローラ)
51…オイル転写ローラ
52…クリーニングローラ
53…ホルダ
55…芯金
56…オイル保持層(離型剤保持層)
57…表層
58…中間層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a fixing device provided in an image forming apparatus such as an electrophotographic printer or a copying machine, and more specifically, a mechanism for applying a release agent for preventing offset to a rotating member for heat and pressure fixing. The present invention relates to a fixing device including
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Image forming apparatuses such as printers and copiers using an electrophotographic process are provided with a fixing device that fixes an unfixed toner image held on a sheet as a recording medium. There are various fixing methods, but in general, a pressure heating fixing method is widely adopted. The fixing device using the pressure heating fixing method includes a belt method and a heat roller method depending on the specific form of the rotating member. An example of a belt-type fixing device is disclosed in JP-A-6-31801.
[0003]
The fixing device using the pressure heating fixing method has a configuration in which the surface of the sheet that holds toner is in direct contact with the surface of a rotating member such as a fixing belt or a fixing roller, and therefore, a part of the unfixed toner image on the sheet Is easily transferred to the rotating member side. For this reason, a so-called offset phenomenon occurs in which the toner fused to the rotating member is transferred again to the trailing edge of the sheet and soils the sheet, or is transferred again to the next conveyed sheet and soils the sheet. There is a drawback that it is easy. Accordingly, the fixing device using the pressure heating fixing system has a mechanism for applying a releasing agent for improving the releasing property between the rotating member and the toner to the rotating member in order to prevent the occurrence of the offset phenomenon. Silicone oil (hereinafter also simply referred to as “oil”) is used as the release agent.
[0004]
Some conventional oil application mechanisms include an oil application roller that applies oil retained therein to a rotating member. The oil application roller has a cylindrical body having a plurality of small holes formed on the outer peripheral surface, and a porous elastic body such as a sponge that covers the outer peripheral surface of the cylindrical body, and is pressed against the surface of the rotating member. Is provided. Then, the oil application roller is driven to rotate along with the rotation of the rotating member, and the oil sealed and held inside the cylindrical body is applied to the surface of the rotating member through the porous elastic body.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In an oil application roller having a conventional structure, the amount of oil applied per sheet is not constant from the initial stage during the oil application operation of the roller to the stable state, and is large at the initial stage of the oil application operation of the roller. There is a tendency to decrease. For this reason, in the stable state at the time of the oil application operation of the roller, there is a possibility that the amount of oil application per sheet decreases and offset occurs. On the other hand, simply increasing the lower limit value of the oil application amount to prevent offset in the stable state during the oil application operation of the roller will increase the oil application amount in the initial stage of the oil application operation of the roller, causing oil stains and There is a risk that image noise such as cloudiness of the image may occur. Here, it is conceivable to provide a blade for removing excess oil applied to a rotating member such as a belt so as to be capable of being pressed and separated from the rotating member. However, providing a movable blade may complicate the configuration of the fixing device. There is a drawback that the control for moving the movable blade against the press-contact is complicated.
[0006]
By the way, in a belt-type fixing device as disclosed in the above publication (JP-A-6-31801), a sheet holding unfixed toner is conveyed so as to face the fixing belt. The toner is preheated to some extent by radiant heat from the fixing belt before reaching the nip where the fixing belt and the pressure roller are in pressure contact. For this reason, in the belt-type fixing device, the temperature at the nip portion of the fixing belt can be set lower than that of the roller fixing method, and as a result, the amount of oil applied can be reduced to a tenth of the amount of the roller fixing method. It has been confirmed that there is.
[0007]
In order to take advantage of such a belt type fixing device, for example, as disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-133784, an oil holding layer that is provided on the surface side of the core metal of the oil application roller and holds oil There is known a device having a multilayer structure including at least a surface layer provided on the surface of the oil retaining layer, and having an oil retaining capacity that decreases from the oil retaining layer toward the surface layer. By using this conventional oil application roller, it is possible to prevent excessive application of oil in the initial stage of oil application, but in this structure, the oil application operation is in a stable state of, for example, about 1500 sheets. At that time, the oil supply amount is insufficient, and only a very small amount of oil application is achieved, and the effect of preventing offset by oil application is not substantially achieved.
[0008]
The present invention has been made to meet such a demand, and can reduce the amount of the release agent applied at the initial stage of the oil application operation of the roller to a level that does not cause problems such as oil stains. Provided is a fixing device that includes a release agent application roller that can increase the release agent application amount in a stable state during an application operation to a level that does not cause problems such as offset, thereby preventing image noise from occurring. For the purpose.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problems and achieve the object, a fixing device according to the present invention includes, according to claim 1, a rotating member for fixing a toner image held on a sheet by heat and pressure, In a fixing device comprising a release agent application roller that holds therein a release agent for preventing offset applied to a rotating member, the release agent application roller is provided on the surface of a metal core and receives the release agent. A release agent holding layer to hold, a surface layer provided on the surface side of the release agent holding layer, and disposed between the release agent holding layer and the surface layer, the release agent holding layer and the And an intermediate layer having a larger release agent holding capacity than the surface layer.
[0010]
According to a second aspect of the fixing device of the present invention, the intermediate layer is disposed in direct contact with the inner peripheral surface of the surface layer.
[0011]
The fixing device according to the present invention is characterized in that, according to the third aspect, the intermediate layer is disposed in direct contact with the outer peripheral surface of the release agent holding layer. .
[0012]
In the fixing device according to the present invention, the amount of the release agent applied to the rotating member by the release agent application roller is 0.5 per A4 sheet. It is characterized by being set within the range of -2.0 mg.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
{Overall structure of the printer according to the embodiment}
FIG. 1 is a schematic diagram showing an electrophotographic full-color printer incorporating a fixing device according to the present invention.
[0014]
A printer 11 shown in FIG. 1 includes a photosensitive drum 12 as an image carrier and a laser generator 14, and an outer peripheral surface of the photosensitive drum 12 is disposed around the photosensitive drum 12 rotating in the direction of the arrow. A charging device 13 for charging the toner, a developing device including first to fourth developing devices 15, 16, 17, 18, a transfer belt 19, and a cleaning device (not shown) for removing residual toner on the photosensitive drum 12. And an in-machine temperature detection sensor TS for detecting the temperature in the printer 11 are arranged. The laser generator 14 drives and modulates the semiconductor laser in accordance with the level of an image signal sent from a computer (not shown). The laser light is irradiated onto the photosensitive drum 12 at a position between the charging device 13 and the developing device via a polygon mirror, an f-θ lens, a folding mirror, and the like (not shown). The electrostatic latent image formed on the photosensitive drum 12 by the laser light irradiation is visualized as a yellow toner image by the first developing device 15. This yellow toner image is held on a transfer belt 19 that rotates and moves in the direction of the arrow. The electrostatic latent image formed next on the photosensitive drum 12 is visualized as a magenta toner image by the second developing device 16, and this magenta toner image is formed on the yellow toner image on the transfer belt 19. Overlaid. Similarly, the electrostatic latent image formed next on the photosensitive drum 12 is visualized as a cyan toner image by the third developing unit 17, and this cyan toner image is formed on the toner image on the transfer belt 19. A full-color toner image is created by superimposing the images. The fourth developer 18 contains black toner, and when monochrome printing is designated, the electrostatic latent image on the photosensitive drum 12 is visualized by the fourth developer 18. Is done.
[0015]
On the other hand, a plurality of sheets 10 are stored in a stacked state in a paper feed cassette 20 that is detachably attached to the printer body. The sheet 10 is fed one sheet at a time by the sheet feeding roller 21, and conveyed toward the transfer area 23 by the timing roller 22 in timing with the toner image. In this transfer area 23, the full color toner image on the transfer belt 19 is transferred to the sheet 10. The transferred sheet 10 is separated from the transfer belt 19 and conveyed to the fixing device 24 by the conveyance belt 25. The unfixed toner transferred onto the sheet 10 is melted and fixed in the fixing device 24, and the sheet 10 on which the toner is fixed is discharged to the paper discharge tray 26. The fixing device 24 of this embodiment is of a belt type, and the configuration will be described later.
[0016]
When the transfer to the sheet 10 is completed, the toner remaining on the photosensitive drum 12 is removed by the cleaning device, and the residual charge is removed by the eraser. Thereafter, the photosensitive drum 12 is charged again by the charging device 13, undergoes latent image formation by laser light, and is developed by the developing devices 15 to 18.
[0017]
A plurality of sensors S1, S2 and S3 for detecting the sheet 10 are arranged in the sheet conveyance path, and the sensors S1, S2 and S3 detect the leading edge and / or trailing edge of the sheet 10 based on the signals detected in the printer. The control timing of each provided member is taken.
[0018]
{Overall structure of fixing device}
FIG. 2 is a cross-sectional view showing the belt-type fixing device shown in FIG. The fixing device 24 spans between a driving roller 31 provided so as to be rotatable in the direction of arrow a, a heating roller 33 in which a halogen heater lamp 32 as a heat source is incorporated, and the driving roller 31 and the heating roller 33. The traveling fixing belt 34, the pressure roller 35 pressed against the driving roller 31 via the fixing belt 34, and the oil application unit 36 for applying a release agent for preventing offset to the outer peripheral surface of the fixing belt 34. Have. At least one roller (the heating roller 33 in the illustrated example) of the pair of rollers 31 and 33 around which the fixing belt 34 is stretched is prevented from skewing or meandering when the fixing belt 34 is running. A detent member 80 is attached to stabilize the running of the fixing belt 34. The fixing belt 34 corresponds to a rotating member for fixing the toner held on the sheet 10 with heat and pressure. Silicone oil is used as the release agent.
[0019]
The fixing belt 34 is preferably a thin-walled seamless belt, and has a belt base material made of carbon steel, stainless steel, nickel, heat-resistant resin, or the like, and has an affinity for silicone oil on the surface of the belt base material. However, the endless belt is formed by coating a good silicone rubber and forming a heat-resistant release layer having good releasability and heat resistance with respect to the toner. The thickness of the belt substrate is about 40 μm, and the thickness of the rubber coating is about 200 μm. Note that tetrafluoroethylene resin may be used as the heat-resistant release layer of the fixing belt 34.
[0020]
A driving gear (not shown) is fixed to one end of the driving roller 31 and is driven to rotate in the direction of arrow a by a driving source such as a motor (not shown) connected to the driving gear. The drive roller 31 contacts the back surface of the fixing belt 34 and moves the fixing belt 34 in the direction of arrow b. In order to move the fixing belt 34 reliably, the outer peripheral surface of the driving roller 31 is covered with a material having a large friction coefficient (for example, silicone rubber) so that no slip occurs between the fixing belt 34 and the fixing belt 34. In order to ensure a predetermined amount of nip width, the material covering the outer peripheral surface of the drive roller 31 is more preferably a material having a relatively low hardness (for example, silicone sponge).
[0021]
The heating roller 33 is a hollow metal roller, and a halogen heater lamp 32 is disposed on the central axis. A resistance heating element, an electromagnetic induction heating device, or the like may be used as the heat source. Further, from the viewpoint of efficiently supplying heat to the fixing belt 34, the heating roller 33 is preferably formed from a material having high thermal conductivity such as aluminum or copper.
[0022]
The pressure roller 35 is a roller in which the outer periphery of a metal pipe is covered with silicone rubber or Teflon, and the spring force of a spring 37 is urged to press the drive roller 31 through the fixing belt 34. When the fixing belt 34 moves in the direction of arrow b along with the rotation of the driving roller 31, the pressure roller 35 is driven to rotate in the direction of arrow c due to friction with the fixing belt 34. The relationship between the surface hardness of the drive roller 31 and the pressure roller 35 is set to “surface hardness of the pressure roller 35 ≧ surface hardness of the drive roller 31”. The reason for this relationship is as follows. That is, in order to smoothly discharge the sheet 10 after toner fixing from the nip portion 38 between the pressure roller 35 and the fixing belt 34, the sheet 10 may be sent away from the periphery of the driving roller 31 or flatly. This is because the pressurizing roller 35 may be brought into pressure contact with the driving roller 31 through the fixing belt 34 in a slightly biting manner.
[0023]
A guide plate 39 is provided below the fixing belt 34 in order to guide the sheet 10 holding unfixed toner to the nip portion 38 without touching the fixing belt 34. A paper discharge guide 40 is provided downstream of the nip portion 38.
[0024]
A first temperature sensor TH1 for detecting the temperature of the heating roller 33 is disposed at an inward position of the fixing belt 34, and a second temperature sensor TH2 for detecting the temperature of the pressure roller 35 is adjacent to the pressure roller 35. Are arranged. The first and second temperature sensors TH1 and TH2 are composed of, for example, thermistors, and contact the surfaces of the rollers 33 and 35 to detect the roller surface temperature. The first temperature sensor TH1 is held by a support 41 positioned with respect to the rotation axis of the heating roller 33, and the relative positional relationship with the heating roller 33, that is, the contact state is kept constant.
[0025]
In the printer 11 of the present embodiment, the surface temperature of the pressure roller 35 that does not include a heat source is detected by the second temperature sensor TH2, and the control temperature of the halogen heater lamp 32 is determined based on the surface temperature of the pressure roller 35. In addition to the determination, the timing for starting printing is controlled. In order to adjust the temperature of the halogen heater lamp 32 to the determined control temperature, the surface temperature of the heating roller 33 is detected by the first temperature sensor TH1, and the energization to the halogen heater lamp 32 is controlled on and off. . As a safety mechanism when the halogen heater lamp 32 reaches an abnormally high temperature, a thermostat may be provided on the support 41 so that the power supply to the halogen heater lamp 32 is cut off at the abnormally high temperature.
[0026]
By the way, the structure which makes 1st temperature sensor TH1 contact | abut on the part which is contacting the heating roller 33 among the outer peripheral surfaces of the fixing belt 34 is also considered. In such a configuration, the temperature of the outer peripheral surface of the fixing belt 34 that is in direct contact with the toner is directly measured, so that accurate temperature adjustment can be surely performed. However, on the other hand, the surface of the fixing belt 34 is brought into contact with the first temperature sensor TH1. Will be cut and scratched. If the outer peripheral surface of the fixing belt 34 is damaged, image noise such as oil streaks occurs, resulting in a problem that the image quality is deteriorated and the durable life of the belt is shortened. Therefore, in the present embodiment, a configuration in which the first temperature sensor TH1 is brought into contact with the heating roller 33 is employed. In addition, with the adoption of this configuration, the outer periphery of the heating roller 33 is covered with a material having a low friction coefficient (for example, a fluorine-based resin). Further, when the first temperature sensor TH1 is disposed at the inner position of the fixing belt 34, there is an advantage that the first temperature sensor TH1 is not affected by the air flow formed around the fixing belt 34.
[0027]
The oil application unit 36 is disposed above the fixing belt 34, and has an oil application roller 50 that holds oil applied to the fixing belt 34 therein, and abuts on the surface of the oil application roller 50, and the oil application roller 50. An oil transfer roller 51 that applies oil supplied from the outer peripheral surface of the fixing belt 34, a cleaning roller 52 that contacts the surface of the oil transfer roller 51 and removes paper dust and toner attached to the oil transfer roller 51; And a holder 53 that rotatably supports these rollers 50, 51, 52. The oil transfer roller 51 is in pressure contact with the fixing belt 34 in an area where the fixing belt 34 moves from the driving roller 31 toward the heating roller 33, and applies an appropriate tension to the fixing belt 34. Thereby, the running of the fixing belt 34 is stabilized, and the oil application from the oil transfer roller 51 to the fixing belt 34 is also stabilized.
[0028]
As will be described in detail later, the oil application roller 50 is provided on the surface of the metal core 55 and holds an oil holding layer 56, a surface layer 57 provided on the surface side of the oil holding layer 56, and the oil holding layer 56. And an intermediate layer 58 that is disposed between the surface layer 57 and the oil retaining layer 56 and has an oil retaining capacity larger than that of the surface layer 57. The oil transfer roller 51 is formed by coating a core metal with a silicone rubber having good affinity with silicone oil, and the cleaning roller 52 is formed by coating a felt or the like on the core metal. The surface of the oil transfer roller 51 is made rougher than the surface of the fixing belt 34 in order to attach dirt from the fixing belt 34, while the surface of the cleaning roller 52 attaches dirt from the oil transfer roller 51. For this reason, the releasability is made lower than the surface of the oil transfer roller 51.
[0029]
The oil application unit 36 is configured to be detachable from the frame 42 of the fixing device 24. When the oil held in the oil application roller 50 is used up, the used oil application unit 36 is removed from the frame 42. A new oil application unit 36 is attached to the frame 42. Instead of the cleaning roller 52, a cleaning pad may be brought into contact with the surface of the oil transfer roller 51. Further, the oil application roller 50 may be directly pressed against the fixing belt 34.
[0030]
The operation of the fixing device 24 will be outlined. When the motor is driven, the driving roller 31 rotates in the direction of arrow a, and the fixing belt 34 travels in the direction of arrow b. As the fixing belt 34 runs, the heating roller 33 is driven to rotate in the direction of arrow d, and the pressure roller 35 is driven to rotate in the direction of arrow c. The traveling fixing belt 34 is heated to a predetermined temperature by heat from the halogen heater lamp 32 in a contact area (heating area 43) with the pressure roller 33 after oil is applied at a position upstream of the pressure roller 33. Then, it further travels above the guide plate 39 and proceeds to the nip portion 38 with the pressure roller 35.
[0031]
On the other hand, the sheet 10 holding the unfixed toner 44 on the side in contact with the fixing belt 34 is conveyed toward the nip portion 38 while being guided by the guide plate 39 along the direction of arrow e. At this time, the sheet 10 and the unfixed toner 44 are heated (preheated) by the heat of the fixing belt 34 facing each other with a predetermined interval. By this preheating, the unfixed toner 44 on the sheet 10 is softened appropriately in advance.
[0032]
When the sheet 10 is further conveyed and enters the nip portion 38, the sheet 10 is sufficiently heated by the heat of the fixing belt 34 that is in contact therewith, and further, a pressure contact force between the pressure roller 35 and the driving roller 31 is applied. However, it is conveyed while being held at the nip portion 38. As a result, the unfixed toner 44 on the sheet 10 is sufficiently heated and melted, and further pressurized and fixed on the sheet 10. Transfer or offset of the toner to the fixing belt 34 is controlled by oil applied to the surface of the fixing belt 34.
[0033]
The sheet 10 having passed through the nip portion 38 is naturally separated from the fixing belt 34 and conveyed toward the paper discharge tray 26 (see FIG. 1). Further, the fixing belt 34 whose heat has been removed by contact with the sheet 10 is replenished with heat from the halogen heater lamp 32 under a predetermined temperature control.
[0034]
In the fixing device 24, since the fixing belt 34 is heated after the oil application, the temperature of the fixing belt 34 is stabilized and the toner is well fixed. Further, since the oil transfer roller 51 applies tension to the fixing belt 34, uneven running of the fixing belt 34 (ablation of the belt) is controlled. As a result, the fixing belt 34 smoothly moves together with the action of the detent member 80. Runs stably and extends belt life.
[0035]
Further, dirt due to paper dust, toner, etc. on the fixing belt 34 adheres to the cleaning roller 52 from the oil transfer roller 51 in contact with the fixing belt 34, and therefore less likely to adhere to the oil application roller 50. As a result, the oil is uniformly and stably supplied from the oil application roller 50 to the oil transfer roller 51, and as a result, the oil can be uniformly and stably applied from the oil transfer roller 51 to the fixing belt 34. Therefore, the fixing belt 34 can be cleaned while reliably preventing offset, and a high-quality fixed image can be obtained.
[0036]
{Configuration of oil application roller 50}
Next, the configuration of the oil application roller 50 will be described in detail. FIG. 3 is a perspective view showing the oil application roller 50, and FIG. 4 is a cross-sectional view showing the oil application roller 50.
[0037]
As shown in the drawing, the oil application roller 50 includes an oil holding layer 56 that is provided on the surface of the core metal 55 and holds oil, a surface layer 57 provided on the surface side of the oil holding layer 56, and the oil holding layer 56. It has a multilayer structure including the oil retaining layer 56 and an intermediate layer 58 whose oil retaining capacity is set larger than that of the surface layer 57. As the core metal 55, for example, an aluminum roller having an outer diameter of 10 mm is used. The oil retaining layer 56 is formed by, for example, winding an aromatic aramid fiber around a core metal 55 so as to have a thickness of 4 mm. The intermediate layer 58 is formed by, for example, winding Japanese paper around the surface of the oil retaining layer 56 so as to have a thickness of 0.5 mm. The surface layer 57 is formed by, for example, winding an aromatic aramid fiber around the surface of the intermediate layer 58 so as to have a thickness of 0.5 mm.
[0038]
The oil application roller 50 is manufactured as follows. First, the end portion of the aromatic aramid fiber is bonded to the surface of the cored bar 55 via a double-sided tape or the like, and then wound around the cored bar 55 until a predetermined thickness is reached. Thereby, the formation of the oil retaining layer 56 is finished. Next, the end of the Japanese paper is bonded to the surface of the oil retaining layer 56 via an adhesive or the like, and then wound around the oil retaining layer 56 until a predetermined thickness is obtained. Thereby, the formation of the intermediate layer 58 is completed. Next, the end portion of the aromatic aramid fiber is bonded to the surface of the intermediate layer 58 via an adhesive or the like, and then wound around the intermediate layer 58 until a predetermined thickness is reached. Thereby, the formation of the surface layer 57 is completed. The entire oil application roller 50 is immersed in the application oil filled in the oil tank and left in this state for a predetermined time. The oil permeates from the surface layer 57 into the intermediate layer 58 and the oil retaining layer 56 over time, and eventually reaches an equilibrium state, and the manufacture of the oil application roller 50 is completed.
[0039]
In particular, in the oil application roller 50 of the present embodiment, the “oil retention capacity” of each layer is such that the intermediate layer 58 is greater than the oil retention layer 56 and the intermediate layer 58 is greater than the surface layer 57. The material for forming 56, 57, 58 has been selected. In the present specification, the “oil holding capacity” is defined as the weight of oil that can be held per unit volume of a sample. Hereinafter, a method for measuring the oil holding capacity will be described.
[0040]
FIGS. 5A to 5C are diagrams for explaining a method for measuring the oil retention capacity. As shown in FIG. 5A, a sample 61 is wound around a cored bar 60 having an outer diameter d = 10 mm until the sample thickness is 3 mm and the outer diameter is D = 16 mm. The axial length of the sample 61 is a known predetermined dimension. When the winding is completed, the initial weight is measured as shown in FIG. Next, as shown in FIG. 5B, the cored bar 60 around which the sample 61 is wound is completely immersed in the coating oil filled in the oil tank 62, and the coating oil is permeated as it is for one week. The application oil is silicone oil 100 cSt. Thereafter, the cored bar 60 around which the sample 61 is wound is pulled up from the oil tank 62, and the weight after dipping is measured as shown in FIG. Then, the oil retention capacity is obtained by dividing the weight change before and after the oil dip by the volume of the sample 61.
[0041]
Table 1 shows the measurement results of the oil holding capacity of various samples 61. In this table, the heat-resistant temperature, basis weight, or basis weight of the sample 61 are also shown. Note that the larger the oil holding capacity of the sample 61 is, the more oil can be held in the sample 61.
[0042]
[Table 1]
Figure 0004303415
[0043]
{Description of each embodiment}
Hereinafter, various examples in which the material and the like of each layer of the oil application roll shown in FIG. 4 are changed will be described with reference to Table 2. The initial oil application amount of the oil application amount in Table 2 is the average oil application amount per A4 size sheet from the first sheet to the 100th sheet, and the oil application operation of the oil application amount The stable state at the time is the average of the oil application amount per sheet from the 1001st sheet to the 1500th sheet of A4 size.
[0044]
[Table 2]
Figure 0004303415
[0045]
{Example 1}
The oil application roller in Example 1 of Table 2 is made of the material NO. 1 aromatic aramid fiber (1) and the surface layer, the material NO. No. 2 in Table 1 was added to the intermediate layer disposed between the aromatic aramid fiber (2) 2 and the oil retaining layer and the surface layer. 5 Japanese paper (1). In the oil application roller according to the first embodiment, problems such as oil contamination do not occur at the initial stage of the oil application operation of the roller, and no problems such as offset occur in the stable state during the oil application operation of the roller. The evaluation result was good (◯).
[0046]
{Example 2}
In the oil application roller in Example 2 in Table 2, the material retention No. in Table 1 is applied to the oil retaining layer. 7 Japanese paper (3) and the surface layer, the material No. No. 2 in Table 1 was added to the intermediate layer disposed between the aromatic aramid fiber (2) 2 and the oil retaining layer and the surface layer. 3 rock wool + aramid fiber. In the oil application roller in the second embodiment, problems such as oil contamination do not occur at the initial stage of the oil application operation of the roller, and problems such as offset do not occur in the stable state during the oil application operation of the roller. The evaluation result was good (◯).
[0047]
{Example 3}
In the oil application roller in Example 3 in Table 2, the material No. 1 aramid fiber (1) and the material No. 1 in Table 1 on the surface layer. No. 6 in Table 1 and the intermediate layer disposed between the oil retaining layer and the surface layer. 3 rock wool + aramid fiber. In the oil application roller in the third embodiment, problems such as oil contamination do not occur at the initial stage of the oil application operation of the roller, and problems such as offset do not occur in the stable state during the oil application operation of the roller. The evaluation result was good (◯).
[0048]
{Example 4}
In the oil application roller in Example 4 in Table 2, the material No. 7 Japanese paper (3) and the surface layer, the material No. No. 2 in Table 1 was added to the intermediate layer disposed between the aromatic aramid fiber (2) 2 and the oil retaining layer and the surface layer. 4 glass fibers + aramid fibers. In the oil application roller in the fourth embodiment, problems such as oil contamination do not occur at the initial stage of the oil application operation of the roller, and problems such as offset do not occur in the stable state during the oil application operation of the roller. The evaluation result was good (◯).
[0049]
{Example 5}
In the oil application roller in Example 5 of Table 2, the oil holding layer is provided with the material No. 1 in Table 1. 1 aramid fiber (1) and the material No. 1 in Table 1 on the surface layer. No. 6 in Table 1 and the intermediate layer disposed between the oil retaining layer and the surface layer. 4 glass fibers + aramid fibers. In the oil application roller in the fifth embodiment, problems such as oil contamination do not occur at the initial stage of the oil application operation of the roller, and problems such as offset do not occur in the stable state during the oil application operation of the roller. The evaluation result was good (◯).
[0050]
{Example 6}
In the oil application roller in Example 6 of Table 2, the material No. 5 Japanese paper (1) and the surface layer, the material No. No. 8 in Table 1 was added to the porous PTFE No. 8 and the intermediate layer disposed between the oil retaining layer and the surface layer. 3 rock wool + aramid fiber. In the oil application roller according to the sixth embodiment, problems such as oil contamination do not occur at the initial stage of the oil application operation of the roller, and problems such as offset do not occur in the stable state during the oil application operation of the roller. The evaluation result was good (◯).
[0051]
{Description of each comparative example}
Next, in order to compare with Examples 1 to 6 described above, a comparative test was performed based on the oil application roller structure described in the conventional publication (Japanese Patent Laid-Open No. 11-133784). Hereinafter, various comparative examples in which the material of each layer of the oil application roll shown in FIG. 4 is changed will be described.
[0052]
{Comparative Example 1}
In the oil application roller in Comparative Example 1 in Table 2, the material retention No. in Table 1 is applied to the oil retaining layer. 4 glass fiber + aramid fiber and the surface layer, the material NO. No. 2 in Table 1 was added to the intermediate layer disposed between the aramid fiber of No. 2 and the oil retaining layer and the surface layer. 2 aramid fibers. The oil application roller in Comparative Example 1 did not suffer from problems such as oil smearing at the initial stage of the oil application operation of the roller. However, only a very small amount of oil was applied to the stable state during the oil application operation of the roller. Since it was not achieved, an offset occurred and the evaluation result was poor (x).
[0053]
{Comparative Example 2}
In the oil application roller in Comparative Example 2 in Table 2, the material NO. 4 glass fiber + aramid fiber and the surface layer, the material NO. No. 2 in Table 1 was added to the intermediate layer disposed between the aramid fiber of No. 2 and the oil retaining layer and the surface layer. 3 rock wool + aramid fiber. The oil application roller in Comparative Example 2 did not suffer from problems such as oil smearing at the initial stage of the oil application operation of the roller. However, only a very small amount of oil was applied to the stable state during the oil application operation of the roller. Since it was not achieved, an offset occurred and the evaluation result was poor (x).
[0054]
{Comparative Example 3}
The oil application roller in Comparative Example 3 in Table 2 has the material No. 4 glass fiber + aramid fiber and the surface layer, the material NO. No. 6 in Table 1 and the intermediate layer disposed between the oil retaining layer and the surface layer. 2 aramid fibers (2). The oil application roller in Comparative Example 3 did not suffer from problems such as oil smearing at the initial stage of the oil application operation of the roller. However, only a very small amount of oil was applied to the stable state during the oil application operation of the roller. Since it was not achieved, an offset occurred and the evaluation result was poor (x).
[0055]
In Examples 1 to 6, the intermediate layer disposed between the oil retaining layer and the surface layer has an oil retaining capacity greater than that of the oil retaining layer, and between the oil retaining layer and the surface layer. The oil holding ability of the disposed intermediate layer was larger than that of the surface layer, and the evaluation results in the examples were all good.
[0056]
In Comparative Examples 1 to 3, the oil retaining ability of the surface layer is smaller than the oil retaining ability of the intermediate layer disposed between the oil retaining layer and the oil retaining ability of the surface layer is smaller than that of the oil retaining layer. The oil application roller was smaller than the oil holding capacity, and the evaluation results in the comparative example were all poor.
[0057]
Therefore, in the oil application roller 50 of the present embodiment, the oil holding capacity of the intermediate layer 58 disposed between the oil holding layer 56 and the surface layer 57 is larger than the oil holding capacity of the oil holding layer 56, and the oil The combination of materials forming each layer 56, 57, 58 was selected so that the oil retaining ability of the intermediate layer 58 disposed between the retaining layer 56 and the surface layer 57 was larger than the oil retaining ability of the surface layer 57. Further, the thickness of the oil retaining layer 56 is larger than the thickness of the intermediate layer 58, and the thickness of the oil retaining layer 56 is made larger than the thickness of the surface layer 57, so that the thickness of the oil is increased.
[0058]
In the oil application roller 50 having such a configuration, oil transfer from the surface layer 57 to the oil transfer roller 51 first occurs during the oil application operation. Next, oil transfer from the intermediate layer 58 to the surface layer 57 occurs in order to maintain the oil retention amount of the surface layer 57 and the oil retention amount of the intermediate layer 58 by decreasing the oil amount of the surface layer 57. Similarly, an oil transfer from the oil retaining layer 56 to the intermediate layer 58 occurs in order to maintain the oil retaining amount of the intermediate layer 58 and the oil retaining amount of the oil retaining layer 56 by decreasing the oil amount of the intermediate layer 58. As a result, the oil application amount in the initial stage of the oil application operation of the roller can be suppressed to a level that does not cause problems such as oil contamination, and the oil application amount in the stable state during the oil application operation of the roller can be offset. It was possible to maintain a level at which no malfunction occurred, and it was possible to reliably prevent image noise from occurring throughout the entire period of oil application.
[0059]
According to the first to sixth embodiments, the amount of oil applied that does not cause problems such as oil contamination at the initial stage of the oil application operation of the roller and does not cause problems such as offset in the stable state during the oil application operation of the roller is It was found that 0.5 to 2 mg per A4 size sheet was sufficient.
[0060]
It goes without saying that the present invention is not limited to the configuration of the above-described embodiment, and can be variously modified without departing from the gist of the present invention. For example, in the above-described embodiment, the release agent application roller has been described as having a three-layer structure of the release agent holding layer, the intermediate layer, and the surface layer, but is not limited to such a configuration. Needless to say, it may have a multilayer structure of at least four layers including at least these three layers.
[0061]
In the embodiment described above, the layer thickness of the release agent holding layer 56 has been described to be 4 mm. However, the present invention is not limited to such a numerical value and is applied in the range of 2 to 20 mm. It goes without saying that it is done.
[0062]
Similarly, in the above-described embodiment, the surface layer 57 has been described to have a thickness of 0.5 mm. However, the present invention is not limited to such a numerical value, and may be 0.05 to 2.0 mm. It goes without saying that it applies in scope.
[0063]
Similarly, in the above-described embodiment, the intermediate layer 58 has been described as having a thickness of 0.5 mm. However, the present invention is not limited to such a value, and is 0.1 to 2.0 mm. Needless to say, it is applied in the range of.
[0064]
[The invention's effect]
As described above, according to the present invention, the amount of the release agent applied at the initial stage of oil application can be suppressed to a level that does not cause problems such as oil stains, and the release agent in a stable oil application operation. It has been possible to provide a fixing device that includes a release agent coating roller that can increase the coating amount to a level at which problems such as offset do not occur, thereby preventing image noise from occurring.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing an electrophotographic full-color printer incorporating a fixing device according to the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing the belt-type fixing device shown in FIG.
FIG. 3 is a perspective view showing an oil application roller.
FIG. 4 is a sectional view showing the oil application roller.
FIGS. 5A to 5C are diagrams for explaining a method for measuring the oil holding capacity.
[Explanation of symbols]
10 ... Sheet
31 ... Driving roller
33 ... Heating roller
34. Fixing belt (rotating member)
35 ... Pressure roller
36 ... Oil application unit
44. Unfixed toner
50. Oil application roller (release agent application roller)
51. Oil transfer roller
52 ... Cleaning roller
53 ... Holder
55 ... Core
56. Oil retaining layer (release agent retaining layer)
57 ... Surface
58 ... Middle layer

Claims (4)

シート上に保持されたトナー像を熱圧力定着するための回転部材と、前記回転部材に塗布されるオフセット防止用の離型剤を内部に保持した離型剤塗布ローラとを具備する定着装置において、
前記離型剤塗布ローラは、
芯金の表面に設けられ離型剤を保持する離型剤保持層と、
前記離型剤保持層の表面側に設けられた表層と、
前記離型剤保持層と前記表層との間に配設され前記離型剤保持層及び前記表層より離型剤保持能力を大きく設定された中間層と、
を備える事を特徴とする定着装置。
In a fixing device comprising: a rotating member for heat-pressure fixing a toner image held on a sheet; and a release agent application roller holding therein a release agent for preventing offset applied to the rotating member. ,
The release agent application roller is
A release agent holding layer that is provided on the surface of the metal core and holds the release agent;
A surface layer provided on the surface side of the release agent holding layer;
An intermediate layer disposed between the release agent holding layer and the surface layer and having a release agent holding capacity set larger than that of the release agent holding layer and the surface layer;
A fixing device characterized by comprising:
前記中間層は、
前記表層の内周面に直接に接触する状態で配設されている事を特徴とする請求項1に記載の定着装置。
The intermediate layer is
The fixing device according to claim 1, wherein the fixing device is disposed in direct contact with an inner peripheral surface of the surface layer.
前記中間層は、
前記離型剤保持層の外周面に直接に接触する状態で配設されている事を特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
The intermediate layer is
The fixing device according to claim 1, wherein the fixing device is disposed in direct contact with an outer peripheral surface of the release agent holding layer.
前記離型剤塗布ローラによる前記回転部材への離型剤の塗布量は、
A4サイズのシート1枚当たりで0.5〜2.0mgの範囲内に設定されている事を特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の定着装置。
The amount of release agent applied to the rotating member by the release agent application roller is:
4. The fixing device according to claim 1, wherein the fixing device is set within a range of 0.5 to 2.0 mg per A4 size sheet. 5.
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