JP4301490B2 - 自動分注機の使用時における検体を含有するサンプルによる陰性サンプル物質の汚染を回避する方法 - Google Patents

自動分注機の使用時における検体を含有するサンプルによる陰性サンプル物質の汚染を回避する方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は自動サンプルディスペンサーを使用してサンプルまたは試薬を分注する間の互いに空間的に近い位置にある反応容器の配置内で、空の反応容器、あるいは検体を含まないサンプル物質または低濃度の検体を含有するサンプル物質をすでに入れた反応容器の汚染を減少させる方法、さらに汚染を減少または予防するためのハードウエア−サイド測定器に関する。
【0002】
本発明はデイドベーリングBEP(登録商標)2000を使用して導き出され、それを実施例を行なうためにも使用したが、本発明の対象はこのシステムに限定されない。
分注ロボット(サンプルディスペンサーとも呼ばれる)という名称の機器によるサンプルの自動分注は、ヒト血清学および獣医学の研究を確立するために検査室で幅広く使用されており、また診断検査のために、さらに最近では微生物学的/組み換えDNA問題にも関連して使用されている。
【0003】
サンプルを分注するために特別に開発された市販の機器、すなわちハミルトンマイクロラボATプラス(登録商標)のようなスタンドアロン型機器が本目的のために使用され、試験は別々に、手動または本目的のために特別に設計されたデイドベーリングBEP III(登録商標)のような処理装置を使用して行なわれる。
別法として、サンプルの分配は、後に続く検体を測定する実際の試験法もまた自動的に行なう全自動機械の、不可欠な部分またはモジュールである。
【0004】
これらのいわゆるフロントエンド機器の例は次の通りである:
・BN100(登録商標)、デイドベーリング・マールブルク社製、ヒトサンプル物質の免疫化学的血漿タンパク質を測定する;
・ETIラボ(登録商標)、ジアソリン社製、およびBEP(登録商標)2000、デイドベーリング社製、酵素免疫測定法(ELISA)に基いて感染血清学分野の検体を検出する。
【0005】
上記2製品の研究方法および診断用途は実質的に異なるが、2種の機器が基づく論理は同じである。既知の全自動機械は、希釈していないかまたは予備希釈後のサンプルを反応容器に分配し、実際の測定法もまた免疫学的に反応性の成分を加えることにより自動的に行なわれる。
一般の方法では、小試験管、マイクロタイタープレート、キュベットなどを反応容器として使用することができる。
【0006】
検査結果を(光度測定、比濁法などにより)測定した後、個々のサンプルをそれぞれ関連したソフトウエアでプログラム化したコンピュータプログラムにより分類し、全テストランを確認するため、調査する検体に関して、陽性であるか、陰性であるか、または試験定義で与えられる場合は閾値のような基準を適用する。
【0007】
検体は特定の血漿タンパク質(例えば腫瘍マーカー)、受胎または甲状腺マーカー(例えばFSHまたはCa15-9)、抗体(例えばGクラス風疹−特異的免疫グロブリン)、抗原(例えばB型肝炎表面抗原/HbsAg)および当業者に知られている他のパラメーターである。
【0008】
特定のパラメーターの場合、その濃度を定量的または半定量的に測定することは治療を示唆または監視するのに診断上重要であり、これは一般にソフトウエアにサポートされて行なわれる。しばしば、患者志向の結果のプリントアウト(分析(analyteal)機器に属するコンピュータ、ハードコピーおよび/または中央コンピュータ)は、バーコードにより検出される主要な試験管によって相当するサンプルに割り当てられる。
【0009】
分注工程の間、空の反応容器または検体を含まないサンプル物質をすでに入れた反応容器が実際に検体を含有する物質で汚染されている場合、このような痕跡は、実際に検体を含まないサンプルにおいて間違って反応性をシミュレートし得る。同様に汚染は、低濃度の検体を含有するサンプルにおいて高すぎるパラメーターレベルのシミュレーションをもたらし得る。
【0010】
このような誤った陽性反応の起こりうる結果は多様であり、また知られており、このような影響は感染血清学の分野では特に深刻な結果を引き起こす可能性がある:
・全く存在しない免疫学的保護がシミュレートされうる;A型肝炎ウイルス抗原(抗−HAV)またはB型肝炎ウイルス抗原(抗−HBs)に対する抗体を測定する際の誤った陽性結果は、正確に行なわれるべき予防接種の実施を失敗に導く可能性がある;
・献血に関連してパラメーターを選別する場合、高い割合の誤った陽性結果は、さらに試験を行なう必要があるため実質的に保存血液の放出を遅らせる;一般に保存血液の受容者に害を与えないことを前提としているが、AIDS結果(抗−HIV)が誤った陽性である場合、その不明確さを明らかにするために再びドナーを呼び出す必要があり、当該ドナーが引き起こすと考えられる心理的な苛立ちの他に、時間の消費および経費が相当増加する;
・例えばBN100(登録商標)を使用する腫瘍マーカーまたはETIラボ(登録商標)を使用する抗風疹ウイルス抗体の定量の場合、使用する治療法(治療中の患者の腫瘍マーカーを進行させる)または着手する対策(誤った陽性結果は妊娠を監視するという状況の中で風疹特異的抗体を増加させる)に関して間違った結論を出すと考えられる。
【0011】
汚染の影響および起こりうる結果は共に様々な条件下で知られており、より信頼性のある検査診断とするために、特に使用者の時間および経費を削減するために当業者に知られている多種多様の対策で対応している:
例えば“エントレインメント”または“キャリー・オーバー”は一般にピペットのチップまたは針の内面に付着する検体残留物を意味すると理解される;例えば針の先端がサンプルの分注作業中に使用される場合、非常に少量の検体含有サンプル残留物が、この検体を含有しないかまたはそれを低濃度で含有するサンプルを分注するその後の作業の1回または数回においてキャリー・オーバーすることがある。このような影響の結果は、誤った陽性反応が、分注の間に時間的に、さらに通常は物理的に検体含有サンプルの位置の後に位置する反応容器の1個または数個において判定されるという事実により理解される。数個の反応容器が順々に影響を受けた場合、この影響が現れる程度は典型的にある反応容器から次の反応容器へと組織的に減少する。
【0012】
今までのところ、有効な対応策は、検体含有サンプルの後の第1ポジションにおいては、使用した試験法を実験的に干渉するような100万分の1(検体を含まないサンプルでの検体含有サンプルの1:106最終希釈)のキャリー・オーバーがもはや検出されない場合に実行されたとみなされる。
【0013】
現在、これは例えばそれぞれの分注作業の後、次のサンプルを分注する前に針の内面に付着する検体を除去するため、ピペットの針(しばしばステンレススチール製の針)を洗浄するのに使用される適当な洗浄用緩衝液(例:Tecan Genesis RSP(登録商標))を使用することにより達成することができる。
【0014】
別法は使い捨てのチップを使用することであり、交換可能なチップとも呼ばれるこれらのパーツはそれぞれのサンプル分注作業の後に捨てられる(例:Sorin ETIラボ(登録商標)およびデイドベーリングBEP(登録商標)2000)。それにより完全にエントレインメントがなくなる。
【0015】
全く異なる形態の汚染は、サンプル物質が取り込まれた後、永久的なチップまたは交換可能なチップの外壁に存在して、空または満たされた反応容器の上をピペッター(分注ユニット)が移動する時に垂れることがある検体含有サンプル物質により引き起こされる。これは上記のキャリー・オーバー効果に関して得られるものと同様の誤った陽性結果をもたらす。しかしながら、対照的に、この場合は特定のポジションでの組織的な集中発生は認められない。
【0016】
最先端の技術では、有効な対応策は、このような液垂れが高濃度の色素溶液を分注する実験的作業において光学的にもはや検出されない場合に実行されたとみなされる。これは典型的に幾つかのポジションで、または理想的には考えられるすべての反応容器の位置(マイクロタイタープレートのウェルを反応容器として使用する場合、全プレートおよびマイクロタイタープレートの全ポジション)で多数の分注作業により行なわれる。
【0017】
現在、外面に付着するサンプル物質を取り除くために、吸収紙を使用してピペットのチップを突き通すことにより(ハミルトンマイクロラボATプラス(登録商標))、またはピペッターの滞留時間をプログラミングすることにより(デイドベーリングBEP(登録商標)2000)、そして/またはピペッターユニットの機械的な動きの速度を調節することにより(TecanDITI200AC/C(登録商標))改善されている。
【0018】
最後に、チップをサンプル物質中に浅い深さまで浸漬することのみを確実にするために(超音波により、または容量性で)液体検出法を使用することもできる。僅か十分の数ミリメートルの浸漬深さで、有効にチップの外側に存在する液体残留物のキャリー・オーバーを減少させる(例えばキャンベラパッカードマルチプローブ(登録商標)システム)。
【0019】
当業者に知られているこれらの効果および考えられる対応策にも関わらず、まだ従来技術通りで時々誤った陽性反応が起こることがあり、これらの反応は全く異なる効果によりもたらされる:永久的な針を使用する場合でも交換可能なチップを使用する場合でも、検体含有サンプル物質は隣接する反応容器中にこぼれたり、かかったりすることがある。
【0020】
スピル・オーバー効果と呼ばれるこのような効果は、反応容器の配置および/または使い捨て製品としての交換可能なチップに際立った違いがある場合に時々生じる:ピペッターユニットの特定の送出特性によりサンプルジェットが不適切に物理的に送出されると、小滴が指定された反応ウェルから隣接する反応容器に“こぼれる”ことがある。この効果は典型的に検体含有サンプルが位置する周辺の環境に限定され;キャリー・オーバーとは対照的に、影響を受けるのは円形配置で直接物理的に隣接する反応容器だけであり、順々に/物理的に続く位置ではない。
【0021】
エンザイグノスト(登録商標)試験(デイドベーリングELISAシステム)を、ELISAプロセシングのために完全に自動化された機械として Stratec, Birkenfeld により開発されたBEP(登録商標)2000システム(ハードウエアおよびソフトウエア、制御ソフトウエアを含む)に適合させた。
【0022】
図1に示されたBEP(登録商標)2000はStratec社により開発された機械であり、とりわけELISAの各工程をすべて処理するために完全に自動化されている。
図1および2から明らかなように、y面上で移動することができ、xおよびz方向に移動可能なピペッターユニット(PU)を有するロボットアーム(RA)は、最初に300μlまたは1100μlの交換可能なチップ(ET)をそれらの貯蔵庫(S)から取り出す。次に、RAは第1試験管(P)に近づき、あるアリコート量のサンプルを1個の試験管から分取し、静電容量測定法を使用して液面を検出し、サンプル物質への浸漬が非常に表面的にのみ起こる。
希釈していない量のサンプルを扱う試験の場合、そのアリコートは図示した被覆マイクロタイタープレート(CMTP)に直接分注される。
【0023】
図3は、(上記の)被覆マイクロタイタープレート領域のBEP2000の作業面への下向きの線図を示す。被覆プレートはポジションA〜Dの上に存在し、ピペッターユニットによりA、B、CおよびDの順序でサンプルをロードする。その後、廃液ステーション(LWS)が近づいて過剰に取り込んだサンプル量を放出する。“過浸漬”とも呼ばれるこの過剰は、試験に実質的に必要なサンプル量を正確に分注するために必要である。液体を放出した後、排出ポジション(DP)が近づいて使い捨てチップを排出し、新しいチップを取り出して再び次のサンプルを分注する。
【0024】
予め希釈したサンプル物質を扱う試験の場合、RAはサンプルアリコートを取り込む前に図2に示された試薬貯蔵庫(RS)の上を移動して最初に所定量のサンプル希釈緩衝液を取り込む。予備希釈ポジション(PDP)が近づいた後、両方の溶液を非被覆容器(マイクロタイタープレートまたは小試験管)に送出し、そこからCMTPに分注し、その後希釈していないサンプルの処理工程で説明したような工程が続く。
【0025】
ソフトウエアにより明確にされたすべてのサンプルを図3に示されたポジションに意図して設置されたCMTPに上記の順序で分注した場合、サンプル物質をロードしたCMTPは最初のインキュベーションのために、そのために設置されたインキュベーション室にメカニカル・トランスポーター(リフト)を使用して入れられる。インキュベーション室はサンプルより下にある作業レベルおよび/または機器の分注レベルに位置し、その温度を制御することができるユニットまたは周囲温度(室温)の部屋からなる。
【0026】
CMTPから過剰のサンプルまたは試薬液を除去するための洗浄装置、および検査結果を測定するための測定装置(光度計など)は空間的に近接して位置する。
ハードウエアおよびソフトウエアに関して、BEP(登録商標)2000システムは下記の本発明の方法に影響を与えない幾つかの重要でない改良は別として、様々な商標名で商品化され、 DiaSorin ETIMax 3000(登録商標)のような一般名でStratec社により開発されたシステムを販売している他の供給業者に属するシステムと同一の構成である。
【0027】
Stratec社は、慣用の色素溶液を使用する分注実験により、または一般のエンザイグノスト(登録商標)試験法により、上記の組織的な干渉の1つを測定できないように、最先端の技術による相当するハードウエアの構成および制御ソフトウエアを共に最適化した。
【0028】
エンザイグノスト(登録商標)試験はマイクロタイタープレートフォーマットで特に抗原または抗体を検出するためのELISA法であり、その基本的な試験原理は多様であり、当業者に知られている。
【0029】
例えば、免疫グロブリンクラスG(IgG)に属する風疹−特異的抗体のような慣用の抗体定量法の場合、マイクロタイタープレートのウェル(反応容器またはウェル)の内面は、その活性表面が相当する抗原(この場合は風疹ウイルス抗原)で吸収的に被覆される。
【0030】
使用者(または自動機械)は、定量するサンプルをサンプル緩衝液で1:21に予備希釈し、それらをそれぞれウェルに入れ、さらに1:11の希釈を行なう(最終希釈度1:231)。サンプル物質中に特定の抗体(抗風疹ウイルスIgG)が存在する場合、それらは固定化抗原と結合する(免疫複合体生成:サンプル中の抗風疹ウイルスIgG/固相上の風疹ウイルス抗原)。1時間のインキュベーション(37℃)後、過剰の抗体を含有する希釈したサンプルを繰り返しの洗浄工程により除去し、固相−結合免疫複合体をコンジュゲートと呼ばれるものと一緒にインキュベート(37℃で1時間)する。
【0031】
このコンジュゲートは、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(POD)と共有結合した(ウサギに免疫性を与えることにより産生する)抗ヒトIgGである(抗ヒトIgG/PODコンジュゲート)。このコンジュゲートが、固相−結合免疫複合体と結合した後、過剰のコンジュゲートを数回の洗浄サイクルにより除去し、インキュベーションを色原体/緩衝基質溶液と一緒に行なう。これは無色のテトラメチルベンジジンの溶液であり、PODは過酸化水素(基質)を使用すると青色の溶液に変わる。
【0032】
室温で30分間のインキュベーション後、反応を停止溶液(硫酸)で停止し、色の強度(吸光度)を光度計で測定する。
風疹ウイルス特異的抗体の色の強度と濃度には比例関係があり、検体を含まないサンプルを含有する反応容器は臨床試験で無色のままであるか、またはそれぞれの試験で測定されるカットオフ値より低い吸光度を与える。
特定のMクラス抗体も同じ固相を使用して同様に(例えばエンザイグノスト抗風疹ウイルス/IgMにより)定量され、そのサンプル希釈度は1:42だけであり、コンジュゲートはIgM特異的である(抗ヒトIgM/PODコンジュゲート)。その他は、定量は上記の通り行なわれる。
【0033】
次のエンザイグノスト(登録商標)試験はヒト抗原特異的IgGを定量する試験原理に基づいており、その試験原理はエンザイグノスト(登録商標)抗風疹ウイルス/IgG:エンザイグノスト(登録商標)抗−CMV/IgG、抗−EBV/IgG、抗−HSV/IgG、抗−VZV/IgG、抗麻疹ウイルス/IgGおよび抗ムンプスウイルス/IgGのような構成である。
これらの試験をBEP(登録商標)2000で自動的に処理した時、誤った陽性反応を示すサンプル物質に汚染はまったく存在しなかった。
しかしながら、驚くべきことに、高感度のエンザイグノスト(登録商標)試験(例えば抗HIVおよびHbsAg)をBEP(登録商標)2000で処理した場合、それにもかかわらず干渉様式で汚染が発生したことが観察された。
【0034】
前記エンザイグノスト(登録商標)試験とここで検討される高感度のエンザイグノスト(登録商標)試験の違いは次の通りである:
・100μlの希釈していないヒトサンプル物質をロードするが、サンプル希釈液は加えない;
・調査対象の検体は自然発生し、ヒト血清または血漿中に非常に高い濃度で存在する。
例えばエンザイグノスト(登録商標)HBsAg5.0は、マイクロタイタープレートが(ヒツジに免疫性を与えることにより産生する)HBsAG特異的抗体で被覆される抗原検出法である。
【0035】
サンプル中のHBsAgは、マウスで発生するモノクロナールHBsAg特異的抗体(37℃で60分間のワンステップ法/抗体サンドイッチ法またはイムノメトリック試験原理)からなるコンジュゲート1と同時に反応容器中でインキュベートされ、固相上の捕捉抗体は、HBsAg/抗HBsAg抗体複合体と結合するか、または最初に遊離HbsAgを結合し、次いでこれにコンジュゲートが結合することで結果的に免疫複合体としてこれを固相に結合する。
【0036】
上記のエンザイグノスト(登録商標)抗風疹ウイルス/IgGおよびIgM試験と対照的に、コンジュゲートのマーカーはPODではなくビオチンであり、これはビタミンであって酵素ではない。バックグラウンドは感度を高めるための特殊な増幅システムである。最先端の技術に従って、過剰のコンジュゲートを洗い流した後、さらにコンジュゲート2と一緒に(37℃で30分間)インキュベートすることにより、ビオチンのタンパク質ストレプトアビジンに対する非常に高い親和性が利用される。コンジュゲート2はPODを共有結合するストレプトアビジンからなる。最後の着色、反応の停止、光度定量および吸光度の評価は、間接試験について記載した方法と同様にして行なわれる。
【0037】
コンジュゲート1およびコンジュゲート2の両方がカーボネート骨格として複数の結合パートナーを含有するという事実は、ビオチンおよびストレプトアビジンの高強度の結合と共に二重増幅機構をもたらし、HBsAgの検出限界は慣用の方法より少なくとも5倍だけ良くなる。
エンザイグノスト(登録商標)HIVインテグラルはHIV特異的抗体(抗HIV)および HIV抗原(p24 抗原)の複合検出法であり、両方の検体ともビオチン/ストレプトアビジンを使用して定量される。
【0038】
マイクロタイタープレートは免疫学的に関連したHIV1、HIV2およびHIV0タンパク質で被覆され、これに最初のインキュベーション(37℃で30分間)でサンプル中に存在する抗体(抗HIV)が結合する。過剰のサンプル(抗体)を数回の洗浄サイクルにより除去した後、ビオチンと同時にカーボネート骨格に結合した(抗原サンドイッチ法またはイムノメトリック試験法) HIV抗原(HIV1、2および0)を含有するコンジュゲート1を加える。
【0039】
HIVタンパク質の他に、固相はウサギに免疫性を与えることにより産生したポリクローナルHIV p24特異的抗体を含有する。HIV p24がサンプル中に存在する場合、これは上記のインキュベーションで結合し、コンジュゲート1と一緒に検出され、これはマウスで産生され、かつカーボネートに結合している2個のモノクローナルp24特異的抗体をさらに含有する。
【0040】
さらに30分間のインキュベーション(37℃)および洗浄作業の後、エンザイグノスト(登録商標)HBsAg5.0の場合のように、ストレプトアビジンおよびペルオキシダーゼ(両方の成分ともカーボネート骨格に共有結合される)からなるコンジュゲート2を加える。
その後のインキュベーション、洗浄、着色、反応停止および光度分析の工程は、エンザイグノスト(登録商標)HBsAg5.0の場合と同様にして行なわれる。
【0041】
また、エンザイグノスト(登録商標)HIVインテグラルを使用して抗HIVおよびp24を定量する場合、臨床試験の状況内で試験の感度を従来の定量法と比べて4倍より大きく改善することができることを証明できた。
これらのエンザイグノスト(登録商標)試験は共に、このような試験における需要が着実に高まっていることを踏まえて1998〜1999年に開発および市販された。
【0042】
一方でHBsAgおよびHIV定量法の感度は、診断上の信頼性および献血に関する信頼性という意味の範囲内で最大であるべきであり、他方で誤った陽性反応という意味で干渉はできるだけ最小であるべきである。
感度の程度は、非常に早い感染段階(特定の検体、すなわち抗原または抗体を最初に検出することができる感染後の最も早い時期として与えられる)のサンプルを定量することによる明確なサンプルグループ(%で与えられる)を試験することにより、また検体を含有するサンプル物質の連続希釈液(まだ陽性であると判断される希釈工程で与えられる)を試験することにより定義される。
【0043】
反対に、陰性の、検体を含まないサンプルの場合の信頼性は特異度と呼ばれるものにより説明され、これは百分率で表され、どれぐらいの陰性サンプルが実際に正しく陰性であると判断されたかを示すものであり、その場合は1度試験した後(初期値)または最初に反応性を示したサンプルを繰り返して試験した後(再試験値)のいずれかで判断される。
【0044】
現在使用されている現代的なHBsAgおよび抗HIV定量法は、>99.98%の感度を示し、典型的な特異度は>99.3%(初期)および>99.7%(再試験)により表される。これらのデータは製造業者に依存し、C型肝炎特異的抗体(抗HCV)または梅毒トレポネーマ特異的抗体(抗梅毒トレポネーマ)のような他の検体にも関係があり、実際には機器の性能とは無関係に得られる。
【0045】
驚くべきことに、BEP(登録商標)2000システムで観察された汚染は、たとえ既知方法の使用により以前から知られている汚染、特に交換可能なチップに関するキャリー・オーバー効果を阻止することができるとしても、92%〜94%の初期値かなおも達成できないほどエンザイグノスト(登録商標)HIVインテグラルおよびエンザイグノスト(登録商標)HBsAg 5.0の特異性に影響を与えていた(実施例3、さらに表1および2を参照)。
【0046】
社内で開発されたモデルシステムを用いて、誤った陽性反応が検体を含有するサンプルを分注する作業に関連して、また分注ユニットの機械的な動きに関連して生成する約0.1〜1nl(約1:106の希釈に相当する)程度の非常に小さなしぶきの生成により引き起こされることがわかった。
さらに、低感度の試験もまた、生物学的な理由により、関係している検体が極めて高い濃度で存在する場合に影響を受けることがわかった。この例はA型肝炎ウイルス抗原に対する抗体(抗HIV)およびB型肝炎ウイルス抗原に対する抗体(抗HBs)の定量法である。
【0047】
その上、モデルはまた、高感度の試験で干渉の原因となる上記程度の非常に小さなしぶき(目に見えない小滴)が、過剰のサンプル物質を放出する時や交換可能なチップを捨てる時にも同様に生成することを証明するために使用された。
したがって、全体として、多数のパラメーターが免疫化学的定量法の特定の構成とは無関係に、そしてBEP(登録商標)2000機器と同様に作動する(例えばDiaSorin ETIラボ(登録商標))、またはハードウエアおよびシステム制御面に関してこの機器とまさに同様に構成される(例えばDiaSorin ETIマックス3000(登録商標))サンプルディスペンサーまたはサンプルディスペンサーモジュールを用いて予想される干渉により影響を受ける。
【0048】
開示されているELISA法とは別に、このような影響は、周知のように最少量の汚染でさえ測定することができる組み換えDNA増幅法のような非常に高い精度および感度に合わせて設計された方法に関して特に面倒な問題になることがわかる。
【0049】
本発明はその程度が以前は知られていなかったこれらの新しい干渉を組織的に説明し、特に高感度の試験がサンプル物質の汚染の結果として誤った陽性反応または誤って高すぎる陽性反応を示すという意味で阻害されないことを確実にするための方法を開発する目的に基づいたものである。
今般、驚くべきことに、BEP(登録商標)2000システムのピペッターユニットの固有値の数を決めることにより、分注作業中のしぶき生成を有意に減少または防止することができることを見出した。
【0050】
さらに、以前は知られていない、過剰量のサンプルを放出する時に生じるしぶきにより試験結果の正確さに影響を与えるネガティブ効果は、廃液ステーションと被覆マイクロタイタープレートポジションの間に機械的保護装置を設置することにより効果的に抑制することができることを見出した。
【0051】
本発明は後で詳細に説明される、効果を迅速に視覚化および最適化する方法およびこのような汚染をピペッターユニットの制御ソフトウエアにより選択的に防止する方法に関する。本発明はまた、廃液ステーションのハードウエア修正または変更に関し、これは例えば微小のしぶきとしての汚染を効果的に防止するスクリーンの形態で可能である。
【0052】
したがって、本発明は自動サンプルディスペンサーを使用してサンプルまたは試薬を分注する間の互いに空間的に近い場所にある反応容器の配置内で空の反応容器、あるいは検体を含まないサンプル物質または低濃度の検体を含有するサンプル物質をすでに入れた反応容器の汚染を減少させる方法であって、酵素/基質色素試験を使用して最初にモデルAにより汚染の程度を確定し:すなわち
a) 酵素溶液を前記空間的配置の構成領域の反応容器に加え、一方残りの反応容器は適当な色原体/基質試薬を含有する吸収性層状物質で被覆され、呈色反応がその酵素との接触により誘導され、
b) 着色された被覆反応容器の数、強度および/または分布を測定し、次に着色された反応容器の数または強度が減少されるように液体の取り込み(吸引プロファイル)および液体の放出(分配プロファイル)を変更することからなる前記方法に関する。
【0053】
さらに、本発明は自動サンプルディスペンサーを使用してサンプルまたは試薬を分注する間の互いに空間的に近い場所にある反応容器の配置内で空の反応容器、あるいは検体を含まないサンプル物質または低濃度の検体を含有するサンプル物質をすでに入れた反応容器の汚染を減少させる方法であって、酵素/色素試験を使用して最初にモデルBにより汚染の程度を確認し:すなわち
a) 酵素溶液を前記空間的配置の構成領域の反応容器に加え、
b) 酵素との接触により呈色反応を誘導する適当な色原体/基質試薬を前記空間的配置の残りの構成領域の反応容器に加え、
c) 反応容器の着色を測定することにより起こりうる汚染を確認し;
次に着色された反応容器の数または強度が減少されるように液体の取り込み(吸引プロファイル)および液体の放出(分配プロファイル)を変更することからなる前記方法に関する。
【0054】
本発明の方法において、反応容器はマイクロタイタープレートのウェルであってよい。本発明は、特に
a)自動サンプルディスペンサーはBEP2000または本質的にBEP2000と同様に構成された全自動機械の一部であり;
b) 互いに空間的に近い場所にある反応容器の配置は、図3に示されるような配列:ポジションA、ポジションB、ポジションCおよびポジションDの4個のマイクロタイタープレートの水平面上にある線形配置からなり;
c) 廃液ステーション(LWS)はポジションDからポジションAまでの想像線のほぼ延長部でポジションAにとても近接して位置し;
d) 酵素溶液はポジションA〜Dのマイクロタイタープレートの構成領域に加えられ;そして
e) 起こりうる汚染の決定は特に廃液ステーション(LWS)から発生する汚染を含む方法に関する。
【0055】
本発明はまた、上記方法の変法であって、廃液ステーション(LWS)は上部カバーリングにより被覆され、このカバーリングに存在する開口部は一方で廃液ステーション(LWS)からのしぶきに対して最適な保護手段となるようにできるだけ小さく作られており、他方でこれに関連して液体が間違って開口部の端に接触しないように過剰量のサンプルをこの開口部を通して廃液ステーション(LWS)に再生可能に放出することができる前記方法を包含する。
【0056】
廃液ステーション(LWS)はまた、有利には上部の容器壁がカバーリングに相当するように最初から構成されていてもよく、これはそれが提供する機能を維持しながら別個のカバーリングを省くことができることを意味する。
さらに有利には、廃液ステーション(LWS)が廃液ステーションと被覆マイクロタイタープレートポジションの間に機械的保護装置を設置することにより分離される場合、それにより汚染が防止される。
【0057】
本発明はまた、上記の本発明の方法の何れかに使用するのに適した廃液ステーションに関し、それは上部カバーリングにより被覆され、その中に存在する開口部は一方で廃液ステーションからのしぶきに対して最適な保護手段となるようにできるだけ小さく、他方でこれに関連して、液体が間違って開口部の端に接触しないように過剰量のサンプルをこの開口部を通して廃液ステーションに再生可能に放出することができる。廃液ステーションはまた、有利には上部の容器壁がカバーリングに相当するように最初から構成されていてもよく、これはそれが提供する機能を維持しながら別個のカバーリングを省くことができることを意味する。
【0058】
上記の本発明の各個々の方法および本発明の各被覆廃液ステーションは本質的に汚染を回避するのに寄与する。理想としては、幾つかのまたはすべての本発明の方法は可能な限り本発明の被覆廃液ステーションと組み合せて使用されるが、本発明はこのような組み合わせ使用に限定されない。
【0059】
最先端の技術に従って、サンプルディスペンサーのソフトウエアは、液体の取り込みおよび放出の速度のような重要な固有値のプログラミングを可能にするように設計される。これは、調査する物質の特性(例えば粘度)にこれらの特徴を適合させる必要があるため極めて重要であると考えられる(A. Frittrang の Laborpraxis [検査実習], 1996年12月)。しかしながら、精密シリンジ(ダイリューターと呼ばれるもの)または針の直径の最適化のように、これらの適合は一般に分注する容量の精度および正確度を最適化することに関してだけ行なわれる。プログラミングそのものは全システムに属するファームウエアモジュールまたは制御ソフトウエアにより実行することができ、さらにユーザーはオペレーショナルソフトウエアのコンポーネントとして入手することができる。
【0060】
文献記載の別の例は液体の取り扱いに関してTecan社により与えられた指示である:DITI 200 AC/Cの液体処理マニュアル(書類番号390548);オプションDITI 200 AC/C(書類番号390542);1999年9月付のジェミニソフトウエアマニュアル番号39 1354, V3.10 (マニュアル番号391354, V3.10)。これらのマニュアルにおいて、W. Wagnerの「フロー技術および圧力損失計算」;Vogel Buchverlagのような関係のあるテキストと同様に、取り込みおよび放出パラメーターの変更が、所定のサンプル物質の粘度に対し特に注意を払いながら分注する工程の精度および正確度に関連して記載されている。しかしながら、これに関する最適化インストラクションまたは考えられるエラー原因の相当するリスト(トラブルシューティングガイドと呼ばれるもの)において、非常に少ない量のサンプルによる汚染を検出または回避するための特別な指示はない。
【0061】
DITI 200 AC/Cの液体処理マニュアル(上記参照)の指示だけが、チップの出口におけるはっきりと目に見える液滴の生成に触れており、これはナノリットルスケールの非常に小さいしぶき(“微小のしぶき”)を回避するための選択的手段よりもむしろ技術上の欠点または間違ってプログラム化された機能について、どちらかと言えば説明している。
殆んどの分注ロボットと同様に、BEP 2000の場合もサンプルの取り込みおよび放出の物理的固有値を変えるために“システムセットアップ”と呼ばれるソフトウエア設定を変えることができる。
【0062】
サンプルの取り込み(吸引プロファイル、図5参照)の場合、本発明の意味の範囲内で選択的に変更されたこのような設定の例は次の通りである:
・“開始速度”、これはサンプルの取り込みの初期速度を意味する;
・“最高速度”、これは達成されたサンプルの取り込みの最大速度を意味する;
・“ダイブアウト(Dive out)速度”、これはサンプルの取り込み後にチップが液体から移動する速度を意味する。
【0063】
サンプルの放出(“分配プロファイル”、図5参照)の場合、本発明の意味の範囲内で選択的に変更されたこのような設定の例は次の通りである:
・“開始速度”、これはサンプルの放出の初期速度を意味する;
・“最高速度”、これは達成されたサンプルの放出の最大速度を意味する;
・“促進”、これはサンプルの放出の促進を意味する;
・“カットオフ速度”、これはサンプルの放出が終了した時の促進速度(作業が終了した時のカットアウト速度)を意味する;
・“ダイブアウト速度”、これはサンプルの放出後にチップが液体から移動する速度を意味する。
【0064】
Stratec社は適当な基準を満たすように、冒頭で述べた汚染効果を考慮しながら最先端の技術に従って上記パラメーターのすべてを最適化した。このようにしてStratec社が考案した最終配置は図5に示される設定に相当する。
【0065】
図5に示されるこれらのプロファイル設定を、例えばエンザイグノスト(登録商標)抗HBcモノクロナール、エンザイグノスト(登録商標)抗HBc/IgM、エンザイグノスト(登録商標)抗HAV/IgM、エンザイグノスト(登録商標)HBeAgモノクロナール、エンザイグノスト(登録商標)抗CMV/IgG+IgM、エンザイグノスト(登録商標)抗CMV/IgG、エンザイグノスト(登録商標)抗CMV/IgM、エンザイグノスト(登録商標)抗風疹ウイルス/IgG、エンザイグノスト(登録商標)抗風疹ウイルス/IgM、エンザイグノスト(登録商標)抗HSV/IgG、エンザイグノスト(登録商標)抗HSV/ IgM、エンザイグノスト(登録商標)トキソプラズマ症 /IgG、エンザイグノスト(登録商標)トキソプラズマ症 /IgM、エンザイグノスト(登録商標)ボレリア症/IgGおよびエンザイグノスト(登録商標)ボレリア症/IgMのような試験システムの自動処理で試験し、免疫状態に従って陰性または陽性であるヒト試料のすべてについて良好な一致を示した。
【0066】
試験において、16個の反応性サンプル(A1〜H2、図4も参照)およびそれぞれの検体に関して陰性であった30個より多いヒトサンプルを同時にマイクロタイタープレートにロードし、上記の試験で検査した。
例として表3、4および5に示したトキソプラズマ症 IgG、風疹IgGおよびHSV IgGについての測定結果(吸光度単位)から、サンプルの混合ローディングに関してでさえ、これらの方法で起こりうるどのような汚染もまったく検出できないことが明らかである。一方で調査する検体を非常に高い濃度で含有するサンプル、他方で検体を含まないサンプルを同じ試験プレートにロードした。
【0067】
しかしながら、サンプル物質の交雑汚染による有意な干渉が、驚くべきことにエンザイグノスト(登録商標)HBsAg5.0およびエンザイグノスト(登録商標)HIVインテグラを使用して、検体を含有するサンプルおよび検体を含まないサンプルの混合分注を行なった時に、図5に示されるピペッタープロファイル(最先端の技術)で検出された。処理は被覆マイクロタイタープレートの主要な場所のAポジション(これに関しては図3も参照)で行なわれた。
【0068】
表1および2に示した(抗HIVおよびHBsAg定量の)測定結果から明らかなように、一個の試験プレートにつき平均して4〜6の誤った陽性結果が存在する(例えば表1のマイクロタイタープレートポジションA1、F5、F7およびA8で)。全数が約60個の検体を含まないサンプルに基づいて、この効果による特異性データは92〜94%であるが、その後のBEP III(登録商標)(デードベーリング自動ELISA 処理装置)を使用する処理とともに並行して行なったサンプルの手動ローディングは、誤った陽性値をもたらさなかった。
【0069】
実施例1に記載のモデルAはBEP(登録商標)2000ピペッターの放出設定を最適化するために開発された。このモデルAは、100μlの高濃度の酵素溶液(0.25mgのペルオキシダーゼ/ml)をピペッターにより空の非被覆マイクロタイタープレートの5〜8列にロードする非常に高感度の酵素/色素試験である(これに関しては図4も参照)。対応する1〜4列および9〜12列を色原体/バッファー基質溶液に浸漬した(固体のプラスチック担体により支持された)ろ紙で被覆した。使用液をパック封入物に従って調製し、実施例1に記載した。
【0070】
基質を(例えば粘度特性に関する結果の適用性のために)より比較できるものにするために、健康な献血者からの血清を希釈媒質として選択した。
驚くべきことに、この単純モデルを使用すると、いろいろな大きさのしぶきが非常に多く発生することがわかった(図6)。
この方法の信頼できる検出限界の定量は、約0.25ngのPOD/mlの値を与え、これは1:105より幾分大きい希釈度または1.0nl程度の小滴生成に相当する。結果として、この方法を使用して、小滴として目に見える限界を超えて存在するにも関わらず高感度の検出法を干渉する汚染を可視化することができる。
【0071】
このモデル(モデルA)を使用して行なった最適化は図7に要約される分配プロファイルの配置および確認された改良につながり、それは図8に示される。
エンザイグノスト(登録商標)HBsAg5.0を使用する測定法により、汚染の発生を最小限にすることも成功したが、それらを完全に除去することはできなかった。
分注作業中に生じるエアロゾルは1つの原因となるが、他の影響量もまた活性であるということを前提として、他のシステム、すなわちモデルB(実施例2を参照)が開発され、そのシステムは非常に小さいしぶきの出現部位をより明確にすることができることを意図している。
【0072】
このために、100μlの濃縮POD溶液をBEP(登録商標)2000機器を使用してCポジションのマイクロタイタープレート上の1〜4列にロードし(これに関しては図3および図4も参照)、また色原体/バッファー基質溶液を5〜12列にロードした。ポジションBおよびAのプレートの全ストリップに色原体/バッファー基質溶液だけをロードし;30分後に反応を停止し、すべてのポジションの吸光度を光度計により測定した。
この方法の信頼できる検出限界の定量は、25pgのPOD/mlの値を与え、これは約1:107の希釈度または0.01nl程度の小滴生成に相当する。
したがって、モデルBは実質的にモデルAより感度が高いことがわかり、最先端技術から知られている感度限界を超えた汚染の高感度検出を可能にする(実施例2を参照)。
【0073】
(最先端技術に従って)標準プロファイル設定下でCポジションのプレートの他にBポジションおよびAポジションのプレートもまた強く汚染の影響を受けたことは驚くべき結果であった(表6、7および8)。CポジションはモデルAを使用した入れ換え作業に起因した“エアロゾル”として説明できるが、BおよびAのプレートの汚染に関してはしぶきがこのような広い間隔で飛び散るとは考えられないため、他の影響量が活性であるに違いない。
【0074】
吸い込み(吸引)および放出(分配)機能のすべての変数を個々に実験的に変え、これから得られる結果をモデルAまたはモデルB(または両方)で試験した。18および19頁に記載の各変数を汚染効果に関して組織的に最適化する反復法を使用した。成功したモデル結果は自動的に上記エンザイグノスト(登録商標)試験を処理するBEP(登録商標)2000を使用することにより証明された。
分配機能のプロファイル設定を最適化しながら(図7)、モデルBを使用してこの想定:Cの汚染は著しく減少させるが、AおよびBの交雑汚染はまだ残る(表9、10および11)ことを確認した。
【0075】
チップの外側がぬれていてピペッターがマイクロタイタープレートの上を移動する時に液体が垂れる可能性は、交換可能なチップが静電容量測定システムにより液体の表面を検出し、結果としてサンプリングのために、僅かにサンプル液の中に入るだけなので、ありそうにないと思われた。
【0076】
まったく予想外に、モデルBの使用は、BEP 2000分注ユニットを運ぶ作業中の非常に少ない量のサンプル(0.01〜0.5nl程度)の損失の効果を明らかにした;これは吸い込み期に適当なプロファイル(図9の吸引プロファイル)を使用して効果的に抑制することができ、表12を見てわかるようにプレートポジションBにおけるモデルBの汚染効果は減少した。
【0077】
モデルBにおいて、最適化した吸引プロファイルを最適化した分配プロファイルと一緒に使用すると(図7および9)、表13〜15に示される汚染効果の典型的な改善が達成される。しかしながら、これらの表からプレートポジションAで汚染がなおも生じることもまた明らかであり、これらの汚染は下方の列に密集している(表13)。
【0078】
同時に最適化した吸引および分配プロファイルを使用しながら廃液ステーション(図3のポジションLWS)をカバーする試みをした時、驚くべきことに、ポジションA、BおよびCのプレートはまったく汚染されていないことがわかった。
このことから、過剰に取り込まれた(過浸漬)量のサンプルが廃液ステーションに放出される時にしぶきが発生することは確かであり、これらのしぶきが観察された汚染をもたらす。過浸漬は反応容器へのサンプルの信頼できる正確な分注を確実にするために不可欠であるため、図10に示したようなカバーが開発された。
【0079】
冒頭で述べた、また標準プロファイル設定およびエンザイグノスト(登録商標)HBsAgで観察されたプレートポジションAの汚染は要約すると、モデルBの説明を使用して、説明可能な3つの異なるしぶきの原因に帰することができ、そして位置および原因の両方に関して互いに独立して改善することができる(括弧内はその手段):
・サンプルを分注する作業によるしぶき(分配プロファイルを最適化する);
・ピペッターに伴なうテーリング/ドリッピング効果によるしぶき(吸引プロファイルを最適化する);および
・過剰量のサンプルの放出によるしぶき(例えばカバーリングにより廃液ステーションに機械的に仕切りをする)。
【0080】
これらの手段はそれぞれ汚染効果を改善するのに寄与することがわかる。しかしながら、汚染効果はすべての手段が講じられた時にだけ完全に減少され、図11に示されるようなモデルAの画像が得られる。
上記手段の有効性は、相当する結果と同様に、エンザイグノスト(登録商標)HBsAg5.0(表16)およびエンザイグノスト(登録商標)HIVインテグラル(表17)を使用した場合のポジションAで試験された表中のプレートにより証明することができる。
【0081】
表18に示されるマイクロタイタープレートのストリップ4の目に見える着色は、非常にまれに起こる、最初に述べたスピル・オーバー効果の表れである。モデルBのELISA法への適用を、実施例3に記載のようにしてTecan RSP 150(登録商標)においてランダムにサンプルを採取して行なった(その後デードベーリングBEP(登録商標)IIIを使用するエンザイグノスト(登録商標)HBsAg5.0 の自動処理が続く)時、このサンプルディスペンサーは驚くほどの観察(表19)を実行する前にBEP(登録商標)2000と同じ効果を示すことがわかった。
【0082】
これに加えて、表20に示されるようなエンザイグノスト(登録商標)HBsAg5.0 を使用する同一条件下で得られた結果から、この分注ロボットは汚染を測定できることがわかるが、それらは本発明の方法を実施した後にBEP(登録商標) 2000の場合には起こらない何かを干渉としてもたらす。
したがって、驚くべきことに、分注ロボットまたはサンプルディスペンサーモジュールにより引き起こされる、以前は容認されていた汚染効果が、面倒な、実際に誤解を招くまではないにしても現代の高感度の検出法を使用した場合に誤った解釈をもたらす程に、個々の診断検出法の感度はごく最近高くなったことを証明することもできた。
【0083】
2つのエンザイグノスト(登録商標)試験の他に、汚染は低感度の定量法、すなわちエンザイグノスト(登録商標)抗HBs、抗HIV (全Ig)および抗HBe(表21、22および23)の場合にも観察されたが、これらの汚染は頻度および特異性の両方に関してあまり目立たなかった。この場合、これらはそれに関して当業者が非常に高い濃度の検体が天然に存在することを知るパラメーターであるため、このことは最先端技術の検出限界が、信頼できる、汚染のない定量法を保証するのに十分ではないことを示唆している。また、これらの試験の場合、上記手段をすべて使用すると汚染効果を抑えることができることを証明できる。
【0084】
最後に、以前は説明されていない廃液ステーション(LWS)の汚染原因が確認され、それは別のエラー源として誤った結果をもたらすが、これは例えばその中に過剰量のサンプル(廃液)を入れるための開口部がある適当な蓋を設置することにより迅速かつ確実に機械的に防止することができる。
【0085】
したがって、本発明は、廃液ステーション(LWS)が上部カバーリングにより被覆され、カバーリングの中にある開口部が一方で廃液ステーション(LWS)からのしぶきに対して最適な保護手段となり、他方で液体が間違って開口部の端に接触しないように過剰量のサンプルをこの開口部を通して廃液ステーション(LWS)に再生可能に放出することができるよう、できるだけ小さくする方法に関する。
【0086】
別法として、廃液ステーション(LWS)は、上部の容器壁がその提供する機能を維持しながら別個のカバーリングを省くことができるように上記カバーリングに相当するように最初から構成することができる。
上記カバーリング、またはカバーリングのない廃液ステーションの相当する構成の代りに、またはそれに加えて、廃液ステーションと反応容器の領域(例えばマイクロタイタープレート)の間に分離する装置、例えば分割壁を設置することもできる。
【0087】
本発明に従ってプロファイルを最適化するために取られた手段およびハードウエアに対する機械的補正は、ある特定の態様のサンプル分配ステーションを使用して導き出され、そのため同様に構成された装置に直接かつ直ちに適用することができる。
【0088】
同様に設計された機器の場合、当業者はこれに関して要求されるプログラミングを違ったやり方で行なう必要があってもこれらの方法を利用することができる。したがって、他の名称の固有値が存在し、他の測定ユニットが設定を決定すること、および/またはプログラミングが他のソフトウエア階層(例えばファームウエア、制御ソフトウエア、または専用PCのソフトウエアのオペレーティングシステムの構造として直接、および/またはシステムに固有のソフトウエア構造)で行なわれるか、またはその必要があることが予想される。すべての場合において、本発明の方法はその適用性を保持し、所定のシステムへの当業者に明白な類似の適応により使用することができる。
【0089】
特に、当業者はモデルAおよびBとして迅速な実施、特にステンレス鋼の針または交換可能なチップを備えた4−チャンネルまたは8−チャンネルピペッターにおいて適当な変換および変更のために現存する汚染の最適化を全体として可能にする方法を使用することもできる。
【0090】
廃液ステーションのカバーリングとして説明された蓋は、例えばそれを(構成要素の形態で)廃液ステーションに対する全溶液として設計および構成することにより、またはそれを幾何学的/物理的に異なって設計することにより、またはスクリーニングして汚染を防止するために、例えば分割壁を廃液ステーションとCMTPの間に設置することにより、もしくは他の構成により本発明の方法の意味の範囲内で完全に異なってそれを与えることにより変更することができる。
【0091】
さらに、以前は十分に検討されていなかった領域(例えば廃液ステーション)が実質的に干渉する可能性を有するということを認識しながら、(分注排出ステーションのような)他の起こりうる干渉源に関して結論を出すことができる。
本発明はまた、下記の実施例および特許請求の範囲により説明されるが、記載した特定の態様に限定されない。
【0092】
【実施例】
実施例1
サンプルディスペンサーから汚染を検出するためのモデルA
PODストック溶液: ホースラディッシュペルオキシダーゼ(POD)を健康な献血者からの正常血清に0.25mg/mlの濃度で溶解して粘度および他の物理化学的特性に関して天然のサンプル物質に匹敵する分注用母液を調製する。
色原体/バッファー基質溶液:これはデードベーリング社により販売されている製品の“エンザイグノスト(登録商標) /TMB用補助試薬”(コード番号OUVP G17)である。
溶液1 色原体TMB:5gのテトラメチルベンジジン/水(L);
溶液2 バッファー/TMB基質:約0.1gの過酸化水素/酢酸ナトリウムバッファー(L)
1mlの色原体TMBを試験キットを含有するプラスチックボトル中で10mlのバッファー/TMB基質と混合する。使用液は暗所において+2〜+8℃で保存し、5日間まで使用することができる。
チップ:導電性の300μlおよび1100μlの交換可能なチップ(エッペンドルフ社製)。
【0093】
モデルAの実施:プラスチックフィルム(この場合は上記試験キットからのマイクロタイタープレート用接着フィルム)から約5×8cmの大きさの 断片を切り取り、それらの上に同じ大きさに切り取った吸収紙(例えばSchleicher & Schull社製)を置く。次に、その紙を約2mlの色原体/バッファー基質使用液に浸漬する。
それぞれの場合において、このようにして作製した2枚の紙をプラスチック支持体上で非被覆マイクロタイタープレートのストリップ1〜4または9〜12(図4も参照)をカバーするために使用する。
BEP(登録商標)2000分注ロボットを使用してそれぞれ100μlのPODストック溶液をむき出しのストリップ5〜8に分注し、その結果を10分後の紙を写真に撮ることにより記録する。
発生する汚染は、その直径および色の純度が汚染の程度に正比例している青色の点状の汚れとして現れる。
PODストック溶液の連続希釈を行ない、所定量の希釈ステップを色原体/バッファー基質に浸漬した吸収紙に適用することにより、10分間のインキュベーションを行なって1:105(以上)の希釈度に相当する2.5ngのPOD/ml未満の検出限界を定量することができた。
【0094】
実施例2
汚染を検出するためのモデルB
物質:使用した溶液およびチップは例外なく実施例1に記載のものであり、検出感度を高めるために、30分間このモデルで放置して色原体を発色させた。
さらに、モデルは光度計(停止後1時間以内の450nmの測定波長および650nmの参照波長における測定)を使用して色の純度を定量するため、30分間のインキュベーション後に色素生成を停止するのに使用されるストック溶液(0.5N硫酸)を必要とする。
モデルBの実施:3個の非被覆マイクロタイタープレートを図3に示されたようなポジションA、BおよびCに配置する。最初に、AおよびBポジションにあるプレートの全ウェルをそれぞれ100μlの色原体/バッファー基質使用液で完全に満たし、Cポジションにあるプレートのストリップ5〜12も同様である(これに関しては図3を参照)。次に、分注ロボットは100μlの濃縮POD溶液だけをCポジションにあるプレートのストリップ1〜4に分注し、全プレートをBEP(登録商標)2000の室温チェンバーに移送する。30分後、100μlの停止溶液を加えて反応を停止し、各プレートの反応容器(ウェル)の吸光度を光度計で測定する。
発生する汚染は影響を受けたマイクロタイタープレートの各ウェルの黄色への変色として現れ、その変色の色純度は汚染の程度に正比例している。典型的な結果を表6、7および8に示す。
この方法の検出限界はそれぞれ10μlのPODストック溶液の明確な連続希釈液をそれぞれ100μlの色原体/バッファー基質溶液に分注することにより測定された。反応を停止した後に光度計で測定した各濃度の吸光度を、バックグラウンド値と比較して次表に要約する。検出限界は25pgのPOD/ml未満であり、1:107の希釈度に相当する。
【0095】
【表1】
Figure 0004301490
【0096】
モデルBの変形:これらの中の1つで3個のプレートがない;代りにたった1個の単一プレートがAポジションに位置し、そのローディング/分注スキームはモデルBのプレートCのものに相当する。プレートは完全に上記のように処理される。
問題に応じて、酵素溶液が幅広くロードされる部位を変えながら全プレートポジションにある4個のプレートを検査することもできる。
【0097】
実施例3
モデルBのエンザイグノスト(登録商標)試験への適用
この場合、測定対象の検体を高濃度で含有する約20〜30の血清を最初の3個のストリップにロードし、そして約70の検体を含まない血清をエンザイグノスト(登録商標)試験のためのマイクロタイタープレートの残りのウェルにロードする。
検体を含まない血清だけをロードしたマイクロタイタープレートを追加的にポジションAおよびBに置く時、プレートはポジションA(モデルBの変形)またはポジションCに配置される。
さらに、BEP(登録商標)2000は全自動化された方法で試験に応じて、エンザイグノスト(登録商標)試験のための相当するパック封入物に記載の方法に従ってプレートの処理を行なう。
また、同じプレートローディングを使用する比較試験を行ない、そのサンプルは手で分注し、ELISAはBEPIII(登録商標)を使用して並行に行なう。これにより、汚染が原因とは考えられない高いOD値を自然に(母液が関係して)発生させるサンプルを確認することができる。
HBsAGに関して、ローディングスキームをエンザイグノスト(登録商標)試験に適用することにより得られる典型的な結果を、表1(本発明の方法を適用する前)および表16(本発明を実施した後)に記録する。
【0098】
【表2】
Figure 0004301490
【0099】
【表3】
Figure 0004301490
【0100】
【表4】
Figure 0004301490
【0101】
【表5】
Figure 0004301490
【0102】
【表6】
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【0103】
【表7】
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【0104】
【表8】
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【0105】
【表9】
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【0106】
【表10】
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【0107】
【表11】
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【0108】
【表12】
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【0109】
【表13】
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【0110】
【表14】
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【0111】
【表15】
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【0112】
【表16】
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【0113】
【表17】
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【0114】
【表18】
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【0115】
【表19】
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【0116】
【表20】
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【0117】
【表21】
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【0118】
【表22】
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【0119】
【表23】
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【0120】
【表24】
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【図面の簡単な説明】
【図1】 Stratec社により開発され、ELISAの各工程をすべて処理するために完全に自動化された機械BEP 2000を示す。
【図2】 試薬貯蔵庫(RS)を示す。その上を移動可能なピペッターユニット(PU)を有するロボットアーム(RA)が移動する。
【図3】 BEP 2000の作業面への下向きの線図を示す。
【図4】 マイクロタイタープレート(MTP)上のウエルの配置を示す。
【図5】 プロファイル設定例を示す。
【図6】 いろいろな大きさのしぶきの発生を示す。
【図7】 最適化された分配プロファイルを示す。
【図8】 改良されたしぶきの発生を示す。
【図9】 最適化された分配プロファイルを示す。
【図10】 カバーリングの一例を示す。
【図11】 すべての手段が講じられた時に汚染効果は完全に減少されることを示す。

Claims (7)

  1. 自動サンプルディスペンサーを使用してサンプルまたは試薬を分注する間の互いに空間的に近い場所にある反応容器の配置内で、空の反応容器、あるいは検体を含まないサンプル物質または低濃度の検体を含有するサンプル物質をすでに入れた反応容器の汚染を減少させる方法であって、
    酵素/基質色素試験を使用して最初に
    a) 酵素溶液を上記空間的配置の構成領域の反応容器に加え、一方残りの反応容器は適当な色原体/基質試薬を含有する吸収性層状物質で被覆され、呈色反応はその酵素との接触により誘導され、
    b)着色された被覆反応容器の数、強度および/または分布を測定すること、により汚染の程度を確認し、
    そして次に着色された反応容器の数または強度が減少されるように液体の取り込みおよび液体の放出を変更することからなる、上記の方法。
  2. 自動サンプルディスペンサーを使用してサンプルまたは試薬を分注する間の互いに空間的に近い場所にある反応容器の配置内で、空の反応容器、あるいは検体を含まないサンプル物質または低濃度の検体を含有するサンプル物質をすでに入れた反応容器の汚染を減少させる方法であって、
    酵素/色素試験を使用して最初に
    a) 酵素溶液を上記空間的配置の構成領域の反応容器に加え、
    b) 酵素との接触により呈色反応を誘導する適当な色原体/基質試薬を前記空間的配置の残りの構成領域の反応容器に加え、
    c) 反応容器の着色を測定することにより起こりうる汚染を確認すること、
    により汚染の程度を確認し、
    そして次に着色された反応容器の数または強度が減少されるように液体の取り込みおよび液体の放出を変更することからなる、上記の方法。
  3. 反応容器はマイクロタイタープレートのウェルである請求項1記載の方法。
  4. 反応容器はマイクロタイタープレートのウェルである請求項2記載の方法。
  5. a) 自動サンプルディスペンサーは検体を測定する方法を自動的に行なう全自動機械の一部であり;
    b) 互いに空間的に近い場所にある反応容器の配置は、ポジションA、ポジションB、ポジションCおよびポジションDの4個のマイクロタイタープレートの水平面上にある線形配置からなり;
    c) 廃液ステーション(LWS)はポジションDからポジションAまでの想像線のほぼ延長部でポジションAに極めて近接して位置し;
    d) 酵素溶液をポジションA〜Dのマイクロタイタープレートの構成領域に加え;そして
    e) 起こりうる汚染の決定は特に廃液ステーション(LWS)から発生する汚染を含む、請求項4記載の方法。
  6. 廃液ステーション(LWS)は上部の容器壁がそれが提供する機能を維持しながら別個のカバーリングを省くことができるようなカバーリングに相当するように最初から構成される請求項5記載の方法。
  7. 廃液ステーション(LWS)は廃液ステーションと被覆マイクロタイタープレートポジションの間に機械的保護装置を設置することにより分離され、それにより汚染を防止する請求項5記載の方法。
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