JP4301019B2 - 光ディスク、光ディスク記録再生装置及び光ディスク記録再生方法 - Google Patents

光ディスク、光ディスク記録再生装置及び光ディスク記録再生方法 Download PDF

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Description

本発明は、光ディスク、光ディスク記録再生装置及び方法に係り、特に光ディスクの違法な複製防止に関する。
近年、各種コンテンツを記録したCD(ROM型)やDVD(ROM型)等の光ディスクの普及は目覚しいものがあるが、追記型のCD−Rや書換型のCD−RW或いはDVD−RAMなどが普及し出すと、光ディスクの違法な偽造が横行するようになり、社会的な問題になっている。
この光ディスクの偽造は、光ディスクに書き込まれたコンテンツの著作権や知的財産権を侵害する行為であり、ユーザもその光ディスクが真正なものであるかどうかを判別できずに偽造品を購入してしまう場合も生じている。
光ディスクの偽造方法としては、例えば、ROM型の光ディスクから再生した信号を追記型のCD−Rなどの光ディスクに書き込む方法や、ROM型の光ディスクから再生した信号をROM型の光ディスクの原盤作成装置に入力して、原盤を作成する方法や化学処理や熱処理などを用いて、光ディスクを基材に分解し、その信号面に相当する基材から光ディスクの原盤を複写する方法などがある。
そこで、このような光ディスクの偽造行為を防ぐための各種方法がこれまでも考案され、例えば光ディスクを構成する光透過層の下層である情報記録面の所定領域にインクジェットヘッドによりまだら模様にインクを付着して著作権保護情報を記録する方法(特許文献1)或いは、大量生産されたCD−ROMディスク1枚ごとに、ディスク製造工場で個別情報をデータとして記録する技術も考案されている(非特許文献1)。このような個別情報は、あらかじめ記録されることで、それ自体を抹消しない限り、消去できないデータとして働くようにすることもできる。
特開2001−256678号公報 (第3−8頁、第1図) http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200205/02-021/
しかしながら、従来の光ディスクの違法な偽造行為を防止する方法では、偽造側の技術向上さえあれば偽造者側の負担を製造工場のすべて丸ごと用意する程度まで許容できると仮定すると、いずれ偽造される恐れがあった。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、光ディスクの偽造を困難にすると共に、仮に偽造できたとしても偽造するには偽造者側の負担を甚大なものとして、事実上、光ディスクの偽造を不可能にすることができる光ディスク、光ディスク記録再生装置及び光ディスク記録再生方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するため、レーザ光の照射により信号の記録再生が可能な記録媒体である光ディスクであって、前記信号が記録される信号面近傍或いは、信号面を覆う光透過層内にシリカ粒子を2次元的な分布を持つように配置して、フォトニック結晶層を形成することにより、異なる光の波長において異なる反射または透過特性をもつ波長選択性を有し、第1の波長を有するレーザ光を照射したときに、前記光ディスクから第1の信号が再生され、第2の波長を有するレーザ光を照射したときに、前記光ディスクから前記光ディスクの製造バラツキに起因する第2の信号が再生されることを特徴とする。
また、本発明は、多数のシリカ粒子を2次元的な分布を持つように配置して成るフォトニック結晶層を有し、このフォトニック結晶層により波長選択性を有する光ディスクに、レーザ光を照射することにより前記光ディスクから信号を再生する光ディスク再生装置であって、第1の波長を有するレーザ光を照射して前記光ディスクから第1の信号を再生する第1の再生手段と、第2の波長を有するレーザ光を照射して前記光ディスクから前記光ディスクの製造バラツキに起因する第2の信号を再生する第2の再生手段と、前記再生された第1の信号と前記第2の信号に基づいて前記光ディスクを識別する第1の固有情報を生成する固有情報生成手段とを具備することを特徴とする。
また、本発明は、多数のシリカ粒子を2次元的な分布を持つように配置して成るフォトニック結晶層を有し、このフォトニック結晶層により波長選択性を有する光ディスクに、レーザ光を照射することにより前記光ディスクに対して信号を記録再生する光ディスク記録再生装置であって、第1の波長を有するレーザ光により前記光ディスクに記録信号を記録する第1の記録手段と、第2の波長を有するレーザ光を照射して前記光ディスクの製造バラツキに起因する固有信号を再生する再生手段と、前記再生された固有信号単独または前記記録信号を特定する情報に基づいて前記光ディスクを識別する固有情報を生成する固有情報生成手段と前記生成された固有情報を第1の波長を有するレーザ光により前記光ディスクに記録する第2の記録手段とを具備することを特徴とする。
また、本発明は、多数のシリカ粒子を2次元的な分布を持つように配置して成るフォトニック結晶層を有し、このフォトニック結晶層により波長選択性を有する光ディスクに、レーザ光を照射することにより前記光ディスクから信号を再生する光ディスク再生方法であって、第1の波長を有するレーザ光を照射して前記光ディスクから第1の信号を再生する第1のステップと、第2の波長を有するレーザ光を照射して前記光ディスクの製造バラツキに起因する第2の信号を再生する第2のステップと、前記第1の信号と前記第2の信号に基づいて前記光ディスク固有の第1の固有情報を生成するステップとを具備することを特徴とする。
また、本発明は、多数のシリカ粒子を2次元的な分布を持つように配置して成るフォトニック結晶層を有し、このフォトニック結晶層により波長選択性を有する光ディスクに、レーザ光を照射することにより前記光ディスクに対して信号を記録再生する光ディスク記録再生方法であって、第1の波長を有するレーザ光により前記光ディスクに記録信号を記録するステップと、第2の波長を有するレーザ光を照射して前記光ディスクの製造バラツキに起因する固有信号を再生するステップと、前記再生された固有信号単独または前記記録信号を特定する情報に基づいて前記光ディスク固有の固有情報を生成するステップと、前記生成された固有情報を前記第1の波長を有するレーザ光により前記光ディスクに記録する第2のステップとを具備することを特徴とする。
このように本発明では、光ディスクの信号面近傍或いは、信号面を覆う光透過層内に多数のシリカ粒子、特にシリカ微粒子を配置して積層させると、フォトニック結晶を構成し、特定の波長の光に対して反射特性を与えたり透過特性を与えたりすることができる波長選択性を持たせることができる。その際に、シリカ微粒子の配置に分布が生じることで、反射特性に2次元的な分布斑がランダムに出来るが、この配置斑は光ディスク毎にランダムに異なっており、光ディスク1枚1枚を識別する固有情報として用いることができる。具体的には、前記波長選択性を利用して専用の第2の波長のレーザ光を用いてシリカ微粒子を光ディスク内に配置させたときのシリカ微粒子の分布斑を、2次元的な反射または透過特性の分布として検出し、それを光ディスク1枚1枚の固有情報として検出する。この固有情報は、著作権情報などの認証のための識別情報として使用する。それには光ディスクにコンテンツなどの記録信号を第1の波長を用いて記録すると共に、第2の波長のレーザ光を用いてシリカ微粒子の分布斑を再生して得た固有信号と前記記録信号を特定する固有信号に基づいて、この光ディスクを識別する固有情報を生成し、これを当該光ディスクに記録しておく。その後、ユーザなどが前記光ディスクを再生する際に、前記第1の波長のレーザ光を用いて再生した再生記録信号を特定する固有信号と前記第2の波長のレーザ光を用いて再生した固有信号とに基づいて固有情報を生成し、この固有情報と前記光ディスクに記録されている固有情報(再生時に抽出する)を比較し、一致した場合に前記再生記録信号の出力を有効とし、一致しない場合は無効にする制御を行う。
シリカ微粒子の2次元的な配置の分布斑はランダムに生じ、コントロールが不可能のため、同一の分布斑を持つ光ディスクを製造することは不可能に近く、したがって光ディスクを偽造することは極めて困難であることと、仮に技術の向上によりシリカ微粒子の2次元的な配置の分布をコントロールすることが可能になっても、それを実現する設備は大掛かりなものになるため、偽造コストが高くなって採算に合わなくなり、事実上、光ディスクを偽造することができなくなる。
本発明によれば、シリカ微粒子を配した波長選択性を有する光ディスクを製造し、この光ディスクのシリカ微粒子の分布斑を専用の波長のレーザ光で検出して前記光ディスクを識別する固有情報として用いると、シリカ微粒子の分布斑をコントロールすることが不可能なため、光ディスクを偽造することを極めて困難にすることができると共に、仮に偽造する技術ができても、実施する設備は大掛かりなものになるため、採算に合わなくなり、事実上、光ディスクの偽造を防止することができる。
光ディスクに波長選択性を持たせた場合、従来開発された光ディスクの記録再生に用いる波長のレーザ光を用いることもできるため、既存の部品で光ディスクの記録再生装置や再生装置を製造することができ、これら装置を安価に製造することができる。
また、従来の記録再生方式で用いられている波長のレーザ光を用いることで、従来の光ディスクに対しても記録再生することができ、従来品との互換性を確保することができる。と共に、本発明の光ディスクを従来の再生装置で再生することができる互換性も確保することができる。
また、シリカ微粒子の積層は、引き上げ法や塗布法などによってできるため、製作工程においても簡単なプロセスで、上記効果を有する光ディスクを安価に製造することができる。
また、光ディスクを化学処理や熱処理により分解した場合、シリカ微粒子の配列が変化したり、シリカ微粒子が脱落したりすることで、2次元的な反射または透過特性の分布(反射または透過特性の斑)は失われ、さらに、シリカ微粒子を含む層と信号面層との位置関係がずれることで、再生信号に対する固有パターンは変化してしまうため、波長選択性による再生信号が得られたとしても、その再生信号からはシリカ微粒子の配置を複製することは全くできない。また、シリカ微粒子の配置だけを複製しようにも、複製は非常に困難になるため、光ディスクを分解することで信号面を複製できたとしても、シリカ微粒子を含む層と信号面層との位置関係を元通りにすることが不可能なため、複製どころか、分解した光ディスクを復元することも非常に困難であって、光ディスクを化学処理や熱処理により分解して偽造することを防止することができる。
光ディスクの偽造を困難にすると共に、仮に偽造できたとしても偽造者側の負担を甚大なものとして、事実上、光ディスクの偽造を不可能にする目的を、光ディスク内にシリカ微粒子を配置したフォトニック結晶層を形成し、ランダムに起きる前記シリカ微粒子の分布斑を前記光ディスクを識別する固有情報として用い、且つ、前記フォトニック結晶層の波長選択性を用いて前記固有情報を検出することによって再生する光ディスクの認証を行うことができる記録再生装置を用いることによって実現した。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクの構成を示した平面図と断面図で、図1(A)は信号面の平面図、図1(B)はb−b断面図、図1(C)はc−c断面図である。光ディスクの信号面1にはピット55が形成され、この信号面1上にシリカ微粒子によるフォトニック結晶層2が形成され、このフォトニック結晶層2を覆うように光透過層3が形成されている。この光ディスクはフォトニック結晶層2を有することにより波長選択性を有している。図中、100は波長λ1(nm)の再生光を、200は波長λ2(nm)の再生光を示している。ここで、2つの波長λ1とλ2は異なる値になっている。
まず、本光ディスクが有するフォトニック結晶層2の特性について図2を参照して説明する。フォトニック結晶層2は、それを形成するシリカ微粒子の大きさなどによって波長選択性を有する。図2(A)に示したフォトニック結晶層2aでは、図2の中でもシリカ微粒子の粒子径が小さくなっており、比較的短波長の約450nmの照射光に対して反射する。図2(B)に示したフォトニック結晶層2bでは、図2の中でもシリカ微粒子の粒子径が中くらいになっており、中間の波長の約550nmの照射光に対して反射する。図2(C)に示したフォトニック結晶層2cでは、図2の中でもシリカ微粒子の粒子径が大きくなっており、比較的長波長の約630nmの照射光に対し反射する。これにより、図2(D)に示すような照射光の波長と反射率の関係が得られる。
図3はフォトニック結晶層2を構成するシリカ微粒子の乱れや厚さの変化による反射率の変化例について説明する図である。図3(A)のような断面図で示されるように、基板上にシリカ微粒子が積層されてフォトニック結晶構造が構成されている場合、そのシリカ微粒子の積層状態に乱れがあり、そのために層厚が所々異なる、およびまたは、その結晶構造に乱れがあるフォトニック結晶層2に光を照射すると、その反射率は図3(B)に示すようにフォトニック結晶層2の乱れや層厚によって変化する。図4はフォトニック結晶層2のシリカ微粒子の乱れや層厚に起因する2次元的な反射率の斑の分布例を示した図である。シリカ微粒子の乱れや層厚によって、反射率の高いところと低いところが2次元的な分布を有している。
図5は上記のようなフォトニック結晶層2を有する光ディスクに異なる波長の再生光100(波長λ1)、200(波長λ2)を照射して得られる再生信号の違いを説明する図である。図5(A)はフォトニック結晶層がない場合の通常の光ディスクに再生光100、200を照射したと想定した場合である。再生光の波長(λ1またはλ2)と信号面のピットの深さによって2つの再生信号の変調度は異なるものの、再生光100を照射した時に得られる図5(B)(1)に示すような再生信号と、再生光200を照射した時に得られる図5(B)(2)に示すような再生信号の間に大きな差異はない。
図5(C)はフォトニック結晶層2がある場合の光ディスクに再生光100、200を照射したと想定した場合である。再生光100を照射した時に得られる図5(D)(1)に示すような再生信号と、図5(A)のようなフォトニック結晶層がない場合の再生光100を照射した時に得られる図5(B)(1)に示すような再生信号とを比較して分かるように、波長λ1の再生光100での再生信号ではフォトニック結晶層2の影響を受けずにそれらの差はあまり無い。これに対して再生光200を照射した時に得られる図5(D)(2)に示すような再生信号は、図5(A)のようなフォトニック結晶層がない場合の再生光200を照射した時に得られる図5(B)(2)に示すような再生信号と異なり、図5(D)(2)に示した再生信号の振幅が若干小さくなったり、再生信号の平均値(中心値)がずれている。
図5(E)は図5(C)で示したものより厚いフォトニック結晶層2がある場合の光ディスクに再生光100、200を照射したと想定した場合である。再生光100を照射した時に得られる図5(F)(1)に示すような再生信号と、図5(C)のようなフォトニック結晶層が薄い場合の再生光100を照射した時に得られる図5(D)(1)に示すような再生信号とを比較して分かるように、フォトニック結晶層2が厚いことで少々の影響を受けるものの、それらの差は小さい。これに対して再生光200を照射した時に得られる図5(F)(2)に示すような再生信号は異なり、図5(F)(2)に示した再生信号の振幅がかなり小さくなっている。
図6は光ディスクに形成されたフォトニック結晶層2の厚み及びシリカ微粒子の積層状態に斑がある場合に、異なる波長の再生光100、200を照射した場合の再生信号の変化を説明する図である。図6(A)に示すような信号面1に図6(B)に示すような斑のあるフォトニック結晶層2を形成し、これに再生光100、200を照射する。この時再生光100、200が図中の矢印方向に移動した場合に得られる各再生信号は図6(C)に示したようになる。ここで、図6(C)中の波線領域は再生信号の包絡線を表している。
図6(C)において、(1)は再生光100による再生信号であり、フォトニック結晶層2の有無に対してあまり影響を受けていない。また、そのフォトニック結晶層2の斑の影響もほとんど受けていないことが分かる。これに対して(2)で示した再生光200による再生信号ではフォトニック結晶層2の影響を受け、その斑に対応して振幅が変化していることが分かる。
したがって、図1に示したフォトニック結晶層2を有する光ディスクでは、再生信号の読出し時に、波長の異なる再生光100、200に対して波長選択性を有し、再生光100はフォトニック結晶層2の影響を受けずに信号面1に到達して、そのピット55により変調された反射光を得ることができ、この反射光を光電変換すれば、ピット55により変調される再生信号を得ることができる。
一方、シリカ微粒子の大きさを再生光200の波長λ2(nm)に対して適切な大きさにすることにより、再生光200はフォトニック結晶層2の影響を受けて、このフォトニック結晶層2により反射されてしまうため、信号面1に全ての光が到達できず、信号面に到達できなかった光は前記ピット55により変調されることはない。ところがフォトニック結晶層2を形成するシリカ微粒子の空間的分布に厚さの変化や積層構造の乱れ、すなわち、反射率の斑があると図6(C)に示したようにその斑に応じた影響を受け、再生光200の反射光を光電変換して得られる信号は前記斑に対応して振幅変調された信号となる。
即ち、本実施の形態の光ディスクに再生光100を照射すると、従来通りに光ディスクから記録信号を読み出すことができ、再生光200を照射すると光ディスク内にあるフォトニック結晶層2を形成するシリカ微粒子の斑により振幅変調された再生信号(シリカ微粒子の斑に応じた信号)を得ることができる。
ここで、本実施の形態のフォトニック結晶層2を有する光ディスクを後述する製造方法により製造した場合、図7に示すように必ずシリカ微粒子の空間的分布により2次元的な斑が生じる。したがってこの光ディスクの物理アドレス、図の例では4000、6000、12000番地で示される領域にあるフォトニック結晶層2の部分にも斑があることになる。再生光200をこれらの番地に照射して得られる再生信号は各番地の斑に対応した固有値になる。
上記したフォトニック結晶層2を形成するシリカ微粒子の斑は光ディスクを製造する際に物理現象としてランダムに生じるもので、光ディスク毎にその斑の形態は異なってしまう。したがって光ディスクが異なると、図8に示すようにそのシリカ微粒子の斑が異なるため、物理アドレスが同一であっても、その番地のシリカ微粒子の斑は光ディスク毎に異なってしまう。したがって図7で示した光ディスクの例えば4000番地で得られるシリカ微粒子の斑の形態と、図8で示した光ディスクの4000番地で得られる斑の形態は異なり、異なる固有値を得ることができる。
本実施の形態によれば、光ディスク内にシリカ微粒子を配置してフォトニック結晶層2を形成したときの空間的分布(シリカ微粒子の分布斑)は、フォトニック結晶の形成工程におけるランダム性が含まれるため、光ディスクを1枚1枚を識別するための固有情報として用いることができる。さらに、その光ディスクの製造工程にも、フォトニック結晶の形成工程の他に、フォトニック結晶層2と信号面との相対的位置関係などのランダム性があるため、同一の固有値が得られるシリカ微粒子の配置を複製しようとしても、非常に困難で、複製することは不可能に近く、偽造を防止することができる。
また、将来、偽造者側の技術水準が向上して仮に光ディスクの複製が可能になっても、大量のシリカ微粒子の配置をコントロールするには精密且つ大掛かりな設備が必要になるため、複製費用が甚大なものとなり、それ故、光ディスクを偽造したとしても採算が合わず、事実上偽造を防止することができる。
また、光ディスクを化学処理や熱処理により分解した場合、シリカ微粒子の配列が変化したり、シリカ微粒子が脱落したりすることで、2次元的な反射特性の分布(反射特性の斑)は失われ、その上、シリカ微粒子を含む層と信号面層との位置関係がずれることで、再生信号に対する固有パターンが変化する可能性もある。
したがって、波長選択性による再生信号が得られたとしても、その再生信号からはシリカ微粒子の配置を複製することが全くできず且つ、シリカ微粒子の配置だけを複製しようにも、莫大な数のシリカ微粒子の配置を意図的にコントロールすることは不可能で、複製ができないことと、且つ、仮に光ディスクを分解することで信号面を複製できたとしても、シリカ微粒子を含む層と信号面層との位置関係を元どおりにすることが不可能なため、複製どころか、分解した光ディスクを復元することも非常に困難となり、光ディスクの複製および分解による偽造を防止することができる。
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る光ディスクの構成を示した平面図と断面図で、図9(A)は信号面の平面図、図9(B)はb−b断面図、図9(C)はc−c断面図である。但し、図1に示した第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して説明する。光ディスクの信号面1にはピット55が形成され、この信号面1を覆うように光透過層3が形成され、光透過層3内で信号面1とは距離をおいてシリカ微粒子によるフォトニック結晶層2が形成されている。なお、本実施の形態の光ディスクと第1の実施の形態の光ディスクとの違いは光透過層3内のフォトニック結晶層2の位置だけである。すなわち、本発明によれば、フォトニック結晶層2は、信号面を読出すために再生光100または再生光200が通過する光透過層3の適切な位置に存在していれば良い。
本実施の形態の光ディスクもフォトニック結晶層2を有するため、異なる波長の再生光100、200の反射特性が異なり、再生光100で信号面1の記録情報を読み出し、再生光200でフォトニック結晶層2を構成するシリカ微粒子の斑を当該光ディスクの固有情報として読み出すことができ、同様の効果を得ることができる。
図10は、本発明の第3の実施の形態に係る光ディスク再生装置の構成を示したブロック図である。光ディスク再生装置は、光ディスク80を回転させるスピンドルモータ11、波長λ1のレーザ光を出射するレーザ光源12、波長λ2のレーザ光を出射するレーザ光源13、ビームスプリッタ14、15、16、受光信号を光電変換する光検出部17、18、レーザ光強度制御部19、20、RFアンプ21、物理アドレス毎の固有パターンを検出する固有パターン検出部22、複数の物理アドレスから固有パターンを抽出する固有パターン抽出部23、固有データ出力部24、RFアンプ25、信号比較部26、PLL27、回転数制御部28、EFM(Eight to Fourteen Modulation)復調部29、誤り訂正部30、データ出力部31、D/Aコンバータ32、音声出力部33、トラック信号&フォーカス信号アンプ34、トラック&フォーカス制御部35、トラック&フォーカス&回転数制御機構36、コンテンツ毎の固有データとディスク毎の固有データとにより固有鍵を計算する固有鍵計算部37、再生された固有鍵と計算された固有鍵を比較し、その比較結果によりコンテンツの再生データの出力制御を行う出力制御部38、固有パターン検出部22に物理アドレスを出力する物理アドレス出力部39を有し、光ディスク80に記録されているコンテンツを再生する。
なお、光ディスク80は第1、第2の実施の形態で示した光ディスクと同様の構造を有し、シリカ微粒子によるフォトニック結晶層による波長選択性を持っている。
次に本実施の形態の動作について説明する。レーザ光源12から出射されたレーザ光100はビームスプリッタ14によりその進路を90度変え、さらにビームスプリッタ15を通過して光ディスク80に照射される。レーザ光源13から出射されたレーザ光200はビームスプリッタ14、15を通過して光ディスク80に照射される。ここで、レーザ光100は光ディスク80から記録データを読み出すための、レーザ光200は光ディスク80から固有情報を読み出すための照射光である。
光ディスク80からのレーザ光100、200の反射光100´、200´は、ビームスプリッタ15により進路を90度変えられてビームスプリッタ16に入射し、反射光100´、200´に分岐される。反射光100´は光検出部18で光電変換されRF信号になって、RFアンプ25、トラック信号&フォーカス信号アンプ34及びレーザ光強度制御部20に入力される。反射光200´は光検出部17で光電変換されRF信号になって、レーザ光強度制御部19及びRFアンプ21に入力される。
RFアンプ21はRF信号を増幅して信号比較部26に出力し、RFアンプ25は入力RF信号を増幅して信号比較部26とPLL27に出力する。これにより、信号比較部26は光ディスク80から読み出される記録信号と光ディスク80内のフォトニック結晶層を構成するシリカ微粒子の分布を検出した信号を比較し、その比較結果を物理アドレス毎の固有パターン検出部22に出力する。
物理アドレス毎の固有パターン検出部22は両信号の比較結果より、物理アドレス出力部39から入力される物理アドレス毎のシリカ微粒子の分布斑に対応する固有パターンを検出し、これを複数の物理アドレスから固有パターンを抽出する固有パターン抽出部23に入力する。固有パターン抽出部23は予め決められた物理アドレスの固有パターンより例えばハッシュ値を求めて固有データとし、これを固有データ出力部24に出力する。固有データ出力部24は光ディスク80の固有データを固有鍵計算部37に出力する。
図11は上記した信号比較部26と固有パターン検出部22の動作を説明する図である。信号比較部26には図11(A)に示したコンテンツのRF信号(再生信号)と図11 (B)に示したシリカ微粒子の斑を再生したRF信号が入力される。図11(B)に示したRF信号は図11(C)に示すような比較信号に変換され、さらに同図中の閾値(しきい値)により2値化され図11(D)に示すような“0”、“1”の信号となる。図11(A)に示した再生信号は物理アドレスで前記比較結果を区切ると図11(E)に示すような各物理アドレス対応の固有パターンが得られる。例えは物理アドレス4000番の固有パターンは(0011)で、4001番の固有パターンは(1101)となる。
PLL27はRFアンプ25から入力されるRF信号から同期クロックを抽出し、回転数制御部28に出力すると共に、RF信号をEFM復調部29に出力するため、EFM復調部29は、EFM変調された再生信号を復調して誤り訂正部30に出力する。誤り訂正部30は再生信号に誤りがある場合はそれを訂正して物理アドレス出力部39とデータ出力部31及びD/Aコンバータ32に出力する。D/Aコンバータ32は入力されるデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換した後、音声出力部33から次段に出力する。物理アドレス出力部39は再生信号から物理アドレスを抽出して固有パターン検出部22に出力する。データ出力部31は再生信号を次段に出力し、さらに再生コンテンツの固有データを固有鍵計算部37に出力すると共に、光ディスク80の専用アドレスから再生された固有鍵64を出力制御部38に出力する。
固有鍵計算部37は、光ディスク80の固有データ62と再生コンテンツの固有データ60、さらに再生装置情報304と手入力の暗号鍵データ306を所定のアルゴリズムで処理することによって固有鍵を算出し、それを出力制御部38に出力する。出力制御部38は算出された固有鍵と専用アドレスから再生された固有鍵64を比較し、両者が一致した場合はデータ出力部31及び音声出力部33からの映像データや音声データの次段への出力を許可し、両者が一致しない場合は映像データや音声データの次段への出力を停止して、光ディスク80の再生ができないようにする。
レーザ光強度制御部20はレーザ光源12の出力を制御して所定の強さのレーザ光が出射されるようにする。トラック信号&フォーカス信号アンプ34はRF信号からトラッキング制御信号及びフォーカス制御信号を生成し、これをトラック&フォーカス制御部35に出力する。トラック&フォーカス制御部35はトラッキング制御信号及びフォーカス制御信号にしたがってトラック&フォーカス&回転数制御機構36を制御して、レーザ光源12、13、ビームスプリッタ14、15、16、光検出部17、18を含むピックアップが光ディスク80のデータ記録トラックを走査するように、また、レーザ光100、200が常に記録トラック上で集光するようにフォーカスを合わせる。
本実施の形態によれば、再生装置で光ディスク80を再生した時に光ディスク80に含まれるシリカ微粒子の分布を再生して得た固有情報を用いて固有鍵を生成し、この固有鍵と前記光ディスク80の専用アドレスに入っている固有鍵が一致しなかった場合には前記光ディスク80の再生を停止することができる。特に、シリカ微粒子の分布を再生して得た固有情報を偽造することは第1、第2の実施の形態で説明したようにほとんど不可能であるため、仮に光ディスク80が偽造品であった場合、固有鍵が一致しないため確実に再生を阻止することができる。
また、光ディスク80の信号面(ピット情報)に記録する情報を、再生コンテンツの固有データ60、さらに再生装置情報304と手入力の暗号鍵データ306、および、別途定める暗号鍵によって暗号化された情報として記録しておき、上記と同様に固有鍵が一致した場合のみ復号化可能にすることで、固有鍵が一致しなかった場合には記録されている情報が解読できないようにすることもできる。
また、光ディスク80は波長選択性を有しているが、これに対して用いる2種類の波長のレーザ光はCD/DVD/Blu−rayなどの光ディスク用に従来開発された波長のレーザ光を用いることができるので、本装置に用いる部品は従来の部品を流用することができ、再生装置を安価に製造することができる。さらに、光ディスク80に対する反射特性があまり変わらない波長のレーザ光100については、CD/DVD/Blu−rayなどの従来の光ディスクの再生方法と変わらないため、本発明の実施の形態に係る光ディスク再生装置を用いて通常の光ディスクも何等支障なく再生することができる上位互換性を有している。
なお、固有鍵はディスク毎の固有データ単独、或いはコンテンツ毎の固有データ60、ドライブ固有データ304、手入力の暗号鍵データ306のいずれか2以上の組み合わせで作成することもできる。但し、ドライブ固有データ304は本再生装置の種類や製造元の情報などであり、この情報が異なっていても、光ディスク80を再生することができず、再生装置の種類や製造元を限定する場合には、このドライブ固有データ304を含めて暗号鍵を作成することになる。
図12は、本発明の第4の実施の形態に係る光ディスク記録再生装置の構成を示したブロック図である。但し、図10に示される第3の実施の形態と同様の部分については同一符号を付し且つ、その説明を適宜省略する。
本実施の形態の構成は、図10に示した再生装置に記録機能を追加した記録再生装置であり、その構成はほぼ同様であるが、工場で光ディスク80に例えば音楽や映像コンテンツを記録する場合に、この光ディスク80の専用アドレスに固有鍵を記録する固有鍵記録部40が設けられているところが特徴部分である。
次に本実施の形態動作について説明する。まず、再生装置を記録モードにして、例えば外部から入力されるコンテンツデータで変調したレーザ光100をレーザ光源(半導体レーザ)12から出射し、これをビームスプリッタ14、15を通して光ディスク80に照射することにより、光ディスク80にコンテンツを記録する。その際、レーザ光強度制御部20によりレーザ光100の出射強度を記録モードの強度に制御すると共に、トラック&フォーカス制御部35により、光ピックアップのトラッキング及びフォーカス制御が行われる。
光ディスク80にコンテンツデータが記録されると、装置を再生モードとして、光ディスク80のシリカ微粒子分布による当該ディスクの固有データを抽出する。
固有鍵計算部37は、光ディスク80の固有データ62と記録コンテンツの固有データ60、さらにドライブ固有データ304と手入力の暗号鍵データ306を所定のアルゴリズムで処理することによって固有鍵を算出し、この固有鍵を固有鍵記録部40に出力する。固有鍵記録部40は装置を記録モードとし、入力された固有鍵データをレーザ光源12に出力して、前記固有鍵データで変調されたレーザ光を出射させ、光ディスク80の専用のアドレスに固有鍵を書き込む。これにより、固有鍵が専用アドレスに記録された光ディスク80を作成することができる。以降、この光ディスク80を再生する動作は第3の実施の形態で説明した動作と同様であり、前記専用アドレスに記録されている固有鍵と、この光ディスク80を再生する際に作成される固有鍵とが一致しない限り、記録コンテンツを再生することができないことになる。
図13は光ディスク80の記録時と再生時の固有鍵の使い方を説明する流れ図である。記録時、コンテンツ301を光ディスク80に記録すると共に、このコンテンツからコンテンツ固有データ302を生成する。光ディスク80を再生できるドライブの一覧データ303からドライブ固有データ304を生成する。手入力などの外部からのデータ入力305から暗号鍵データ306を生成する。光ディスク80からディスク固有データ307を再生する。これらコンテンツ固有データを302、ドライブ固有データ304、暗号鍵データ306、ディスク固有データ307から固有鍵を308で算出して固有鍵データ309を生成し、この固有鍵データ309を光ディスク80の専用のアドレスに記録する。
光ディスク80からコンテンツ401を再生し、これからコンテンツ固有データ402を抽出する。光ディスク80からディスク固有データ403を再生する。光ディスク80を再生するドライブ404からドライブ固有データ405を抽出する。ユーザによる外部からのデータ入力406から暗号鍵データ407を再生する。また、光ディスク80から固有鍵データ408を再生する。コンテンツ固有データ402、ドライブ固有データ405、暗号鍵データ407から固有鍵を409で計算し、計算された固有鍵データ410を得る。再生された固有鍵データ408と計算された固有鍵データ410は411で照合され、照合一致または不一致の認証結果412が得られる。
本実施の形態によれば、光ディスク80に対する記録系の構成も従来のものと特段の違いがないため、本装置に用いる部品は従来の部品を流用することができ、記録再生装置を安価に製造することができる。
さらに、光ディスク80に対する反射特性があまり変わらない波長のレーザ光100については、CD/DVD/Blu−rayなどの従来の記録再生方法と変わらない記録再生方法を採ることができるため、通常の光ディスクも何等支障なく記録再生することができる上位互換性を有している。他の効果は第3の実施の形態と同様であり、コンテンツを記録した光ディスク80を偽造することは極めて困難である。
なお、本実施の形態も、固有鍵はディスク毎の固有データ単独、或いはコンテンツ毎の固有データ、ドライブ固有データ304、手入力の暗号鍵データ306のいずれか2以上の組み合わせで作成することもできる。
但し、ドライブ固有データ304は本再生装置の種類や製造元の情報などであり、この情報が異なっていても、光ディスク80を再生することができず、再生装置の種類や製造元を限定する場合には、このドライブ固有データ304を含めて暗号鍵を作成することになる。
図14は、本発明の第5の実施の形態に係る光ディスクの製造方法を示した図である。(1)のステップでピット55が形成されたスタンパ41を用意し、(2)のステップでこのスタンパ41を含む金型に対して、光透過層42の一部を射出成形し、(3)のステップでスタンパ41を剥離後、反射膜43とラベル側の保護層44を形成し、(4)のステップでシリカ微粒子のフォトニック結晶層45と接着層を形成した光透過側の保護層46を準備し、(5)のステップで光透過側の保護層46を光透過層42に接着して、光ディスクを完成する。
本実施の形態の方法で製造された光ディスクでは、シリカ微粒子のフォトニック結晶層45を形成した時のシリカ微粒子の分布斑がフォトニック結晶の形成工程におけるランダム性を含むため、光ディスクを1枚1枚識別するための固有情報として用いることができる。さらに、その光ディスクの製造工程にもランダム性があるため、同一の固有値が得られるシリカ微粒子の配置を複製しようとしても、非常に困難で、複製することは不可能に近く、偽造を防止することができる。
また、光ディスクの製造方法は従来と特段に変わっていることがなく、構成物質も高価なものは用いていない為、安価に製造することが出来る。
図15は本発明の第6の実施の形態に係る光ディスクの製造方法を示した図である。但し、図14に示した第5の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して説明する。
(1)のステップでピット55が形成されたスタンパ41を用意し、(2)のステップでシリカ微粒子によるフォトニック結晶層45を形成した光透過側の基板47を準備し、(3)のステップでスタンパ41と基板47の間に樹脂48を充填し、(4)のステップで2P法により成形してスタンパ41を剥離後、反射膜43とラベル側の保護層44を形成して光ディスクを完成させる。なお、シリカ微粒子によるフォトニック結晶層の形成は、引き上げ法や塗布法などの従来の技術を用いて容易に行うことができる。
図16は光透過側の基板47にフォトニック結晶層45を形成する方法を示した実施例である。図16(A)に示すような容器56内のシリカ微粒子を分散させた微粒子分散液に基板47を漬けて引上装置51により引き上げると、図16(B)、(C)に示すように基板47の上にシリカ微粒子のフォトニック結晶層45を得ることができる。
その際、引上制御装置52により基板47の引上速度vをv=1(nm/s)〜100(mm/s)に制御することにより、フォトニック結晶層の厚みなどを調整することができるが、引上速度vの精度を緩めて、すなわち、引上速度vを一定でない速度にしておけば、フォトニック結晶層45を構成するシリカ微粒子の配置に斑ができやすいようになる。
本実施の形態の方法で製造された光ディスクも第5の実施の形態と同様の効果がある。
図17は本発明の第7の実施の形態に係る光ディスクの製造方法を示した図である。但し、図14に示した第5の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して説明する。
(1)のステップでピット55が形成されたスタンパ41を用意し、(2)のステップでスタンパ41を含む金型に対して、ラベル側の保護層44を射出成形し、(3)のステップでスタンパ41を剥離後、ラベル側の保護層44に反射膜43を形成し、(4)のステップでシリカ微粒子によるフォトニック結晶層45を形成した光透過側の保護層46を準備し、(5)のステップでラベル側の保護層44の反射膜43と光透過側の保護層46との間に、樹脂48の充填または接着フィルムを挟むことで接着を行い、光ディスクを完成させる。
本実施の形態の方法で製造された光ディスクも第5の実施の形態と同様の効果がある。
図18は本発明の第8の実施の形態に係る光ディスクの製造方法を示した図である。但し、図14に示した第5の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して説明する。
(1)のステップでピット55が形成されたスタンパ41を用意し、(2)のステップでスタンパ41を含む金型に対して、ラベル側の保護層44を射出成形し、(3)のステップでスタンパ41を剥離後、ラベル側の保護層44に反射膜43を形成し、さらにシリカ微粒子のフォトニック結晶層45を形成し、(4)のステップで光透過側の保護層46を準備し、ラベル側の保護層44の反射膜43と光透過側の保護層46との間に、樹脂48の充填または接着フィルムを挟むことで、接着を行い、光ディスクを完成させる。
本実施の形態の方法で製造された光ディスクも第5の実施の形態と同様の効果がある。
図19は本発明の第9の実施の形態に係る光ディスクの製造方法を示した図である。但し、図14に示した第5の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して説明する。
(1)のステップでピット55が形成されたスタンパ41を準備し、(2)のステップでスタンパ41を含む金型に対して、ラベル側の保護層44を射出成形し、(3)のステップでスタンパ41を剥離後、ラベル側の保護層44に反射膜43とシリカ微粒子のフォトニック結晶層45を形成し、(4)のステップでスピンコート法などにより、光透過側の保護層46を形成して、光ディスクを完成させる。
本実施の形態の方法で製造された光ディスクも第5の実施の形態と同様の効果がある。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲において、具体的な構成、機能、作用、効果において、他の種々の形態によっても実施することができる。上記実施の形態では本発明を光ディスクに適用した例について説明したが、記録媒体はディスク型に限らず、シリカ微粒子で形成されたフォトニック結晶層を有する光記録媒体であれば、その形状に拘らず本発明を適用して同様の効果を得ることができる。
また、フォトニック結晶層を構成する物質はシリカ微粒子に限らず、他の微粒子でフォトニック結晶層を形成する時に微粒子の配置にランダムな斑が生じてしまうものであれば、同様の効果を得ることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクの構成を示した平面図と断面図である。 光ディスクに形成されるフォトニック結晶層の特性を説明する図である。 フォトニック結晶層を構成するシリカ微粒子の乱れや厚さの変化による反射率の変化例を説明する図である。 シリカ微粒子の乱れや層厚に起因する2次元的な斑の分布例を示した図である。 フォトニック結晶層を有する光ディスクに異なる波長の再生光を照射して再生される再生信号の違いを説明する図である。 光ディスクに形成されたフォトニック結晶層を構成するシリカ微粒子の積層状態の斑に応じて変化する再生信号を説明する図である。 フォトニック結晶層を構成するシリカ微粒子の物理アドレスで特定される部分の2次元的な斑を説明する図である。 フォトニック結晶層を構成するシリカ微粒子の物理アドレスで特定される部分の2次元的な斑を説明する図である。 本発明の第2の実施の形態に係る光ディスクの構成を示した平面図と断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る光ディスク再生装置の構成を示したブロック図である。 図10に示した信号比較部及び固有パターン検出部の動作を説明する図である。 本発明の第4の実施の形態に係る光ディスク記録再生装置の構成を示したブロック図である。 図12に示した装置における光ディスクの記録時と再生時の固有鍵の使い方を説明する流れ図である。 本発明の第5の実施の形態に係る光ディスクの製造方法を示した図である。 本発明の第6の実施の形態に係る光ディスクの製造方法を示した図である。 図15に示したフォトニック結晶層を作成するための方法を説明する図である。 本発明の第7の実施の形態に係る光ディスクの製造方法を示した図である。 本発明の第8の実施の形態に係る光ディスクの製造方法を示した図である。 本発明の第9の実施の形態に係る光ディスクの製造方法を示した図である。
符号の説明
1……信号面、2、2a、2b、2c、45……フォトニック結晶層、3、42……光透過層、11……スピンドルモータ、12、13……レーザ光源、14、15、16……ビームスプリッタ、17、18……光検出部、19、20……レーザ光強度制御部、21、25……RFアンプ、22……固有パターン検出部、23……固有パターン抽出部、24……固有データ出力部、26……信号比較部、27……PLL、28……回転数制御部、29……EFM復調部、30……誤り訂正部、31……データ出力部、32……D/Aコンバータ、33……音声出力部、34……トラック信号&フォーカス信号アンプ、35……トラック&フォーカス制御部、36……トラック&フォーカス&回転数制御機構、37……固有鍵計算部、38……出力制御部、39……物理アドレス出力部、40……固有鍵記録部、41……スタンパ、43……反射膜、44、46……保護層、47……基板、48……樹脂、51……引上装置、52……引上制御装置、55……ピット、56……容器、80……光ディスク。

Claims (15)

  1. レーザ光の照射により信号の記録再生が可能な記録媒体である光ディスクであって、
    前記信号が記録される信号面近傍或いは、信号面を覆う光透過層内にシリカ粒子を2次元的な分布を持つように配置して、フォトニック結晶層を形成することにより、異なる光の波長において異なる反射または透過特性をもつ波長選択性を有し、
    第1の波長を有するレーザ光を照射したときに、前記光ディスクから第1の信号が再生され、
    第2の波長を有するレーザ光を照射したときに、前記光ディスクから前記光ディスクの製造バラツキに起因する第2の信号が再生される、
    ことを特徴とする光ディスク。
  2. 多数のシリカ粒子を2次元的な分布を持つように配置して成るフォトニック結晶層を有し、このフォトニック結晶層により波長選択性を有する光ディスクに、レーザ光を照射することにより前記光ディスクから信号を再生する光ディスク再生装置であって、
    第1の波長を有するレーザ光を照射して前記光ディスクから第1の信号を再生する第1の再生手段と、
    第2の波長を有するレーザ光を照射して前記光ディスクから前記光ディスクの製造バラツキに起因する第2の信号を再生する第2の再生手段と、
    前記再生された第1の信号と前記第2の信号に基づいて前記光ディスクを識別する第1の固有情報を生成する固有情報生成手段と、
    を具備することを特徴とする光ディスク再生装置。
  3. 前記第1の信号から前記光ディスクに記録されている第2の固有情報を抽出する抽出手段と、
    前記第1の固有情報と前記第2の固有情報を比較する比較手段と、
    前記両固有情報の比較結果により前記第1の信号の出力を有効にするか否かを制御する制御手段と、
    を具備することを特徴とする請求項記載の光ディスク再生装置。
  4. 前記比較手段は、前記第1の固有情報を所定のアルコリズムにより処理して得た情報と前記第2の固有情報とを比較するか或いは、前記第1の固有情報と前記第2の固有情報を所定のアルコリズムにより処理して得た情報とを比較することを特徴とする請求項記載の光ディスク再生装置。
  5. 前記固有情報生成手段は前記生成された第1の固有情報と少なくともひとつ以上の別の情報とを所定のアルゴリズムで処理し、この処理情報を最終的な第1の固有情報とすることを特徴とする請求項記載の光ディスク再生装置。
  6. 前記光ディスクの製造バラツキに起因する第2の信号は、多数のシリカ粒子を配置して成るフォトニック結晶層の前記シリカ粒子の配置斑と、光ディスクの信号面層に対するフォトニック結晶層を含む層との位置ずれのいずれか一方または両方であることを特徴とする請求項記載の光ディスク再生装置。
  7. 多数のシリカ粒子を2次元的な分布を持つように配置して成るフォトニック結晶層を有し、このフォトニック結晶層により波長選択性を有する光ディスクに、レーザ光を照射することにより前記光ディスクに対して信号を記録再生する光ディスク記録再生装置であって、
    第1の波長を有するレーザ光により前記光ディスクに記録信号を記録する第1の記録手段と、
    第2の波長を有するレーザ光を照射して前記光ディスクの製造バラツキに起因する固有信号を再生する再生手段と、
    前記再生された固有信号単独または前記記録信号を特定する情報に基づいて前記光ディスクを識別する固有情報を生成する固有情報生成手段と、
    前記生成された固有情報を第1の波長を有するレーザ光により前記光ディスクに記録する第2の記録手段と、
    を具備することを特徴とする光ディスク記録再生装置。
  8. 前記第1の記録手段と前記第2の記録手段は兼用であることを特徴とする請求項記載の光ディスク記録再生装置。
  9. 前記第2の記録手段は前記固有情報を前記光ディスクの信号面に対して消去不能の記録方式で記録することを特徴とする請求項記載の光ディスク記録再生装置。
  10. 前記固有情報生成手段は、前記生成された固有情報と前記記録信号を特定する情報を所定のアルゴリズムにより処理して加工した情報を最終的な固有情報とすることを特徴とする請求項記載の光ディスク記録再生装置。
  11. 多数のシリカ粒子を2次元的な分布を持つように配置して成るフォトニック結晶層を有し、このフォトニック結晶層により波長選択性を有する光ディスクに、レーザ光を照射することにより前記光ディスクから信号を再生する光ディスク再生方法であって、
    第1の波長を有するレーザ光を照射して前記光ディスクから第1の信号を再生する第1のステップと、
    第2の波長を有するレーザ光を照射して前記光ディスクの製造バラツキに起因する第2の信号を再生する第2のステップと、
    前記第1の信号と前記第2の信号に基づいて前記光ディスク固有の第1の固有情報を生成するステップと、
    を具備することを特徴とする光ディスク再生方法。
  12. 前記第1の信号から前記光ディスクに記録されている第2の固有情報を抽出するステップと、
    前記第1の固有情報と前記第2の固有情報を比較するステップと、
    前記両固有情報の比較結果により前記第1の信号の出力を有効にするか否かを制御するステップと、
    を具備することを特徴とする請求項11記載の光ディスク再生方法。
  13. 前記光ディスクの製造バラツキに起因する第2の信号は、多数のシリカ粒子を配置して成るフォトニック結晶層の前記シリカ粒子の配置斑と、光ディスクの信号面層に対するフォトニック結晶層を含む層との位置ずれのいずれか一方または両方であることを特徴とする請求項11記載の光ディスク再生方法。
  14. 多数のシリカ粒子を2次元的な分布を持つように配置して成るフォトニック結晶層を有し、このフォトニック結晶層により波長選択性を有する光ディスクに、レーザ光を照射することにより前記光ディスクに対して信号を記録再生する光ディスク記録再生方法であって、
    第1の波長を有するレーザ光により前記光ディスクに記録信号を記録するステップと、
    第2の波長を有するレーザ光を照射して前記光ディスクの製造バラツキに起因する固有信号を再生するステップと、
    前記再生された固有信号単独または前記記録信号を特定する情報に基づいて前記光ディスク固有の固有情報を生成するステップと、
    前記生成された固有情報を前記第1の波長を有するレーザ光により前記光ディスクに記録する第2のステップと、
    を具備することを特徴とする光ディスク記録再生方法。
  15. 前記固有情報生成手段は、前記生成された固有情報と前記記録信号を特定する情報を所定のアルゴリズムにより処理して加工した情報を最終的な固有情報とすることを特徴とする請求項14記載の光ディスク記録再生方法。
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