JP4299485B2 - Thermoplastic resin composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝撃強度、透明性に優れ、更にシート加工時にシート汚染が少ない熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、平均粒径0.1〜0.5μmのゴム粒子にスチレン、メチルメタクリレート、アルキルアクリレートをグラフトした共重合体と、メチルメタクリレートとスチレンの共重合体を混合することにより、耐衝撃性と透明性に優れた熱可塑性樹脂が得られることが知られている(特公昭63−47745号公報)。
しかしながら、これらの熱可塑性樹脂をレンズ等の光学用途に用いようとした場合、衝撃強度と透明性の両者を同時に満足させるものではなかった。
更に、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体の共重合体を連続相とし、二峰性を有するゴム粒子を分散相としたゴム変性スチレン系樹脂組成物が知られている(特開平8−269142号公報)。しかしながら、これらの樹脂組成物をレンズ等の光学用途に用いようとした場合、衝撃強度は十分だが、曇度が高く、透明性において必ずしも満足させるものではなかった。
また、これらの樹脂組成物を押出し機にてシート加工すると、押出し機のシリンダー内やダイス(吐出口)等に付着した樹脂が熱履歴を受け、シートが変色したり、シート表面を汚染し商品価値を低下させる問題があった。また、この問題を解消するために、適宜シリンダー内やダイスの掃除を行うことが必要となり、著しく生産性を低下させ、経済性に乏しいという欠点を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、衝撃強度、及び透明性のいずれもがバランス良く高く、更にシート加工時にシートの汚染が少ないスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を含有する熱可塑性樹脂組成物を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討をした結果、スチレン系単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位からなる共重合体とゴム状物質を含有する熱可塑性樹脂組成物であって、該共重合体の連続相中にゴム状物質が粒子状の分散相を形成しており、この粒子状の分散相が2種類の特定の粒子径を有し、ゴム成分を特定量含有し、重量平均分子量(Mw)と、重量平均分子量の数平均分子量(Mn)に対する比が特定された熱可塑性樹脂組成物(A)と、重量平均分子量(Mw)と、重量平均分子量の数平均分子量(Mn)に対する比が特定されたメタクリル酸エステル系単量体単位とアクリル酸エステル系単量体単位からなる共重合体にフェノール系加工安定剤を含有してなる熱可塑性樹脂組成物がこの課題にかなうことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明は、(1)スチレン系単量体単位20〜80質量%及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位80〜20質量%からなる共重合体(X)とポリブタジエン、スチレン−ブタジエンランダム共重合体およびスチレン−ブタジエンブロック共重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種のゴム状物質(Y)を含有してなる熱可塑性樹脂組成物(A)であって、共重合体(X)は連続相を、ゴム状物質(Y)は粒子状の分散相を形成しており、該粒子状の分散相[以下、分散粒子という]はコールターカウンターにより測定された数平均粒子径が1.0〜2.0μmである分散粒子(I)、及びコールターカウンターにより測定された数平均粒子径が0.1〜0.5μmである分散粒子(II)からなり、分散粒子(I)に該当するゴム成分量が熱可塑性樹脂組成物(A)に対し0.2〜3.5質量%、分散粒子(II)に該当するゴム成分量が熱可塑性樹脂組成物(A)に対し4〜20質量%であって、かつその熱可塑性樹脂組成物(A)の重量平均分子量(Mw)が80,000〜250,000であり、かつ重量平均分子量の数平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)が2.5以下である熱可塑性樹脂組成物(A)100質量部に対して、メタクリル酸エステル系単量体単位70〜95質量%及びアクリル酸エステル系単量体単位30〜5質量%からなる共重合体であり、その共重合体の重量平均分子量(Mw)が150,000〜300,000であり、かつ重量平均分子量の数平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)が2〜3.5である共重合体(Z)を0.05〜2質量部を含有してなる熱可塑性樹脂組成物(B)100質量部に対して、フェノール系加工安定剤0.05〜2質量部を含有してなる熱可塑性樹脂組成物、(2)フェノール系加工安定剤が、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート及び/又は、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートである(1)記載の熱可塑性樹脂組成物である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の熱可塑性樹脂組成物(A)を構成する共重合体(X)は、スチレン系単量体単位20〜80質量%及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位80〜20質量%からなる。各単量体単位の構成割合がこの範囲を外れると、透明性が低下するので好ましくない。
【0007】
また、本発明に使用される共重合体(Z)は、メタクリル酸エステル系単量体単位70〜95質量%及びアクリル酸エステル系単量体単位30〜5質量%からなる。各単量体単位の構成割合がこの範囲を外れると、シート加工時にシートの変色やシート表面が汚染されやすいので好ましくない。
【0008】
本発明に使用される共重合体(Z)は、熱可塑性樹脂組成物(A)100質量部に対して、0.05〜2質量部である。0.05質量部未満では、シート加工時にシートの変色やシート表面が汚染されやく、2質量部を超えると透明性が低下するので好ましくない。
【0009】
本発明に用いられるスチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等が挙げられるが、好ましくはスチレンである。これらは、単独で使用するかあるいは2種類以上併用してもよい。
【0010】
本発明に用いられる(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート等が挙げられる。これらは、単独で使用するかあるいは2種類以上併用してもよい。特に共重合体(X)に使用するのに好ましくは、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレートまたはこれらの混合物である。また、特に共重合体(Z)に使用するのに好ましくは、メタクリル酸エステル系単量体としてメチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、またはこれらの混合物であり、アクリル酸エステル系単量体としてn−ブチルアクリレートである。
【0011】
また、これらの共重合体(X)、(Z)は必要に応じてアクリロニトリル等のその他共重合性単量体を用いることもできる。
【0012】
分散相を形成するゴム状物質としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等を用いることができる。連続相の共重合体と屈折率を一致させやすいという意味において、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体を好適に用いることができる。これらは、単独で使用するかあるいは2種類以上併用しても良い。
【0013】
本発明の熱可塑性樹脂組成物(A)に含有される分散粒子は、数平均粒子径が1.0〜2.0μmである分散粒子(I)、及び数平均粒子径0.1〜0.5μmである分散粒子(II)とからなる。
【0014】
分散粒子(I)の数平均粒子径は1.0〜2.0μmである。好ましくは1.2〜1.8μmである。1.0μm未満では、衝撃強度が低下し、2.0μmを越えると、透明性が低下するので好ましくない。
【0015】
分散粒子(II)の数平均粒子径は0.1〜0.5μmである。好ましくは0.15〜0.45μmである。0.1μm未満では、衝撃強度が低下し、0.5μmを越えると、透明性が低下するので好ましくない。
【0016】
本発明の熱可塑性樹脂組成物(A)中の分散粒子(I)に含有されるゴム成分量は、0.2〜3.5質量%である。好ましくは0.3〜3質量%である。0.2質量%未満では、衝撃強度が低下し、3.5質量%を越えると、透明性が低下するので好ましくない。
【0017】
本発明の熱可塑性樹脂組成物(A)中の分散粒子(II)に含有されるゴム成分量は、4〜20質量%である。好ましくは6〜18質量%である。4質量%未満では衝撃強度が低下し、18質量%を越えると透明性が低下するので好ましくない。
【0018】
なお、数平均粒子径は、コールターカウンターによる測定値である。ゴム成分量は、ハロゲン付加法により測定したポリブタジエン量を示す。
【0019】
本発明の熱可塑性樹脂組成物(A)の重量平均分子量(Mw) は80,000〜250,000であり、かつ重量平均分子量の数平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)が2.5以下であることが必要である。Mwが80,000未満では衝撃強度が低下し、250,000を超えると安定したシート押出しができなくなるので好ましくない。また、Mw/Mnが2.5を越えると衝撃強度が低下し、衝撃強度と透明性のバランスの良さが失われる。
【0020】
本発明の共重合体(Z)の重量平均分子量(Mw)は150,000〜300,000であり、かつ重量平均分子量の数平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)が2〜3.5であることが必要である。これらの範囲外では、シート加工時にシートの変色やシート表面が汚染されやすいので好ましくない。
重量平均分子量、数平均分子量ともゲルパーミエ−ションクロマトグラフィ(GPC)法により、ポリスチレン換算値として測定する。
【0021】
本発明に用いられるフェノール系加工安定剤としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート等が挙げられるが、特に、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好適に用いることができる。これらは、単独で使用するかあるいは2種類以上併用しても良い。
【0022】
本発明に用いられるフェノール系加工安定剤の配合量は、該熱可塑性樹脂組成物(B)100質量部に対して0.05〜2質量部である。好ましくは0.1〜1.5質量部である。0.05質量部未満では、シート加工時の更なるシート変色防止効果やシート表面汚染防止効果が図れず、2質量部を越えると熱可塑性樹脂組成物の透明性が低下するので好ましくない。
【0023】
本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法に特に制限はないが、スチレン系単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位からなる共重合体で分散粒子を含まないもの[以下、共重合体(A)と記す]、スチレン系単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位からなる共重合体であって数平均粒子径1.0〜2.0μmの分散粒子(I)を含むもの[以下、共重合体(B)と記す]、スチレン系単量体 単位及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位からなる共重合体であって数平均粒子径0.1〜0.5μmの分散粒子(II)を含むもの[以下、共重合体(C)と記す]、及びメタクリル酸エステル単量体単位とアクリル酸エステル単量体単位からなる共重合体[以下、共重合体(D)と記す]を別々に製造しておき、これらを混合し熱可塑性樹脂組成物を得る方法は分散粒子を均一に分布させやすい利点があり、好ましい製造方法である。
【0024】
また、フェノール系加工安定剤の配合方法に特に制限はなく、共重合体(A)、共重合体(B)、共重合体(C)、共重合体(D)の各々重合前、重合途中、重合後に配合する方法、共重合体(A)、共重合体(B)、共重合体(C)、共重合体(D)の混合時に配合する方法等が挙げられる。
【0025】
共重合体(A)、共重合体(B)、共重合体(C)の各連続相、分散粒子(I)を形成するゴム状物質、分散粒子(II)を形成するゴム状物質の各屈折率は互いに近接していることが好ましく、透明性の観点からそれぞれの屈折率差は、0.02以内であることが好ましい。
【0026】
共重合体(A)、共重合体(B)、共重合体(C)、共重合体(D)の製造方法に特に制限はないが、共重合体(A)及び共重合体(D)の製造には塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法を、共重合体(B)の製造には塊状重合法、塊状−懸濁重合法、溶液重合法を、共重合体(C)の製造には乳化重合法を好適に採用できる。
【0027】
共重合体(A)、共重合体(B)、共重合体(C)、共重合体(D)及びフェノール系加工安定剤の混合方法については特に制限はないが、例えば、ヘンシェルミキサーやタンブラーミキサー等の公知の混合装置にて予備混合した後、単軸押出機または二軸押出機等の押出機を用いて溶融混練を行うことにより、均一に混合することができる。
【0028】
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて添加剤を配合することができる。例えば、流動性や離型性を向上させるために、可塑剤、滑剤、シリコンオイル等を配合することができる。また、成形品の防塵のために帯電防止剤を配合することができる。また、光拡散性を付与するために、ガラスビーズを配合することができる。また、耐光性を付与するため、光安定剤や紫外線吸収剤を配合することができるが、成形品の表面に紫外線硬化剤を塗布して紫外線硬化する場合は、硬化に影響を及ぼすので注意が必要である。その他、着色剤等を配合することもできる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、実施例中の部、%はいずれも質量基準で表した。
【0030】
共重合体(A)の製造
攪拌機付きオートクレーブにスチレン42.5部及びメチルメタクリレート(MMA)57.5部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド0.2部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.1部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カルシウム0.5部、純水200部を仕込み、温度95℃にて6時間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビーズ状の共重合体(A1)を得た。共重合体(A1)のGPC法にて測定したポリスチレン換算重量平均分子量は、145,000であった。また、組成はスチレン/MMA=43.0/57.0であった。
【0031】
共重合体(A1)の製造で、分子量調整剤を用いなかった以外は同様の方法にて重合を行い、共重合体(A2)を得た。共重合体(A2)の重量平均分子量は、167,000であった。
【0032】
共重合体(B)の製造
攪拌機付きオートクレーブにスチレン42.5部及びメチルメタクリレート57.5部、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(スチレン含量25%、旭化成工業社製「タフデン2000」(商品名))5部を仕込み、3時間室温にて攪拌後、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.04部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.2部を添加し、攪拌数200rpmにて攪拌しながら、温度90℃にて、重合転化率30%まで塊状重合した。次いで、重合開始剤としてジクミルパーオキサイド0.2部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カルシウム0.5部、純水200部を加え、温度100℃で2時間、115℃で1.5時間、130℃で2.5時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビーズ状の共重合体(B1)を得た。共重合体(B1)のゴム成分量は3.7%であった。該ゴム状物質は粒子状の分散相を形成し、その分散粒子の数平均粒子径は1.4μmであった。また、重量平均分子量は129,000であった。
【0033】
共重合体(B1)の製造と同様の方法にて、塊状重合時の撹拌数のみを変化させることにより、数平均粒子径0.8μmの分散粒子を有する共重合体(B2)及び2.5μmの分散粒子を有する共重合体(B3)を得た。
【0034】
共重合体(B1)の製造で、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.3部を添加した以外は同様の方法にて重合を行い共重合体(B4)を得た。
該共重合体(B4)の重量平均分子量は103,000であった。また、その分散粒子の数平均粒子径は1.4μmであった。
【0035】
共重合体(C)の製造
撹拌機付きオートクレーブにブタジエン49部、スチレン16部、純水150部、オレイン酸カリウム0.5部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.13部、ロンガリット0.03部、硫酸第一鉄0.002部、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム塩0.003部、ピロリン酸ナトリウム0.1部、t−ドデシルメルカプタン1.0部を仕込み、温度45℃にて17時間重合した。得られたスチレン−ブタジエンゴムラテックスの数平均粒子径は0.08μmであった。ラテックスに、ナトリウムスルホサクシネート0.005部を加えて安定化させた。このラテックスに、撹拌下にて、塩化水素水溶液を加えることにより、ラテックス粒子を凝集肥大化させ、数平均粒子径0.2μmのゴムラテックスを得た。このラテックスにスチレン16部、MMA17部、n−ブチルアクリレート2部、ジビニルベンゼン0.04部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.08部を加え、温度60℃で6時間重合した。このラテックスにt−ブチルフェノール0.5部、ジラウリルチオプロピオネート0.5部を添加した後、塩酸により共重合体を析出し、中和洗浄、脱水乾燥して、粉末状の共重合体(C1)を得た。この共重合体(C1)のゴム成分量は48.0%であった。
【0036】
共重合体(C1)の製造と同様の方法にて、ゴムラテックスの凝集条件のみを変化させることにより、数平均粒子径0.08μmの分散粒子を有する共重合体(C2)及び0.6μmの分散粒子を有する共重合体(C3)を得た。
【0037】
共重合体(D)の製造
攪拌機付きオートクレーブにメチルメタクリレート(MMA)64部、n−ブチルメタクリレート(n−BMA)18部、及びn−ブチルアクリレート(n−BA)18部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド0.2部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.2部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カルシウム0.5部、純水200部を仕込み、温度95℃にて6時間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビーズ状の共重合体(D1)を得た。共重合体(D1)のGPC法にて測定したポリスチレン換算重量平均分子量は、210,000であった。また、Mw/Mnは2.8であった。組成はMMA/n−BMA/n−BA=64.0/18.0/18.0であった。
【0038】
共重合体(D1)の製造で、t−ドデシルメルカプタンを0.25部とした以外は同様の方法にて重合を行い、共重合体(D2)を得た。共重合体(D2)の重量平均分子量は、180,000であった。また、Mw/Mnは2.4であった。
【0039】
共重合体(D1)の製造で、t−ドデシルメルカプタンを0.1部とした以外は同様の方法にて重合を行い、共重合体(D3)を得た。共重合体(D3)の重量平均分子量は、270,000であった。また、Mw/Mnは3.3であった。
【0040】
共重合体(D1)の製造で、t−ドデシルメルカプタンを0.3部とした以外は同様の方法にて重合を行い、共重合体(D4)を得た。共重合体(D4)の重量平均分子量は、130,000であった。また、Mw/Mnは1.8であった。
【0041】
共重合体(D1)の製造で、t−ドデシルメルカプタンを用いなかった以外は同様の方法にて重合を行い、共重合体(D5)を得た。共重合体(D5)の重量平均分子量は、340,000であった。また、Mw/Mnは3.7であった。
【0042】
共重合体(D6)の製造
攪拌機付きオートクレーブにメチルメタクリレート(MMA)76部、n−ブチルメタクリレート(n−BMA)22部、及びn−ブチルアクリレート(n−BA)2部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド0.2部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.2部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カルシウム0.5部、純水200部を仕込み、温度95℃にて6時間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビーズ状の共重合体(D6)を得た。共重合体(D6)のGPC法にて測定したポリスチレン換算重量平均分子量は、210,000であった。また、Mw/Mnは2.8であった。組成はMMA/n−BMA/n−BA=76.0/22.0/2.0であった。
【0043】
共重合体(D7)の製造
攪拌機付きオートクレーブにメチルメタクリレート(MMA)47部、n−ブチルメタクリレート(n−BMA)13部、及びn−ブチルアクリレート(n−BA)40部、重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド0.2部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.2部、懸濁安定剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.001部及び第三リン酸カルシウム0.5部、純水200部を仕込み、温度95℃にて6時間、さらに温度130℃にて2時間重合した。反応終了後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビーズ状の共重合体(D7)を得た。共重合体(D7)のGPC法にて測定したポリスチレン換算重量平均分子量は、210,000であった。また、Mw/Mnは2.8であった。組成はMMA/n−BMA/n−BA=47.0/13.0/40.0であった。
【0044】
実施例1〜9、比較例1〜11
共重合体(A)、(B)、(C)、(D)及びフェノール系加工安定剤を表1及び表2に示す配合比にて混合し、40mm径の単軸押出機にて、温度240℃、スクリュー回転数100rpmにて混練し、ペレット化を行い、ペレットを得た。
このペレットを用いて組成物のGPCを測定した。また、このペレットを用いて温度220℃にて射出成形し、試験片を得た。この試験片を用いて各種物性測定を行った。
更に、このペレットを40mm径の単軸押出し機にて、温度240℃、スクリュー回転数100rpmにて厚み1mmのシート加工を連続的に行い、シート汚染が開始する時間を測定した。これらの結果を表1及び表2に示す。
尚、フェノール系加工安定剤は、(イ)2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、(ロ)オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを使用した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
各物性値の測定方法は以下の通りである。
(1)曇度:2mm厚の試験片を用いて、ASTM D−1003に準じて測定した。
(2)シャルピー衝撃強度:4mm厚のノッチ付き試験片を用いて、ISO179−2に準じて測定した。
【0048】
また、表1及び表2のシート加工時汚染開始時間とは、シート加工時でシートの汚染が始まる時間のことをいう。例えば、表1の実施例1のシート加工時汚染開始時間が8時間とは、シート加工を始めてから8時間後にシートの汚染が始まることを意味する。シートの汚染とは、前述のように樹脂組成物を押出機にてシート加工すると、押出機のシリンダー内やダイス(吐出口)等に付着した樹脂が熱履歴を受け、シートが変色したり、シート表面を汚染してシートの商品価値を低下させることをいう。
【発明の効果】
本発明により、従来にない衝撃強度、及び透明性の物性バランスに優れた、更にシート加工時にシートの汚染が少ない熱可塑性樹脂組成物を工業上極めて有利に提供することができる。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、衝撃強度、透明性に優れていることより、特にフレネルレンズやレンチキュラーレンズ等の光学用途に好適に用いることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a thermoplastic resin composition that is excellent in impact strength and transparency, and has less sheet contamination during sheet processing.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, impact resistance and transparency are achieved by mixing a copolymer of styrene, methyl methacrylate and alkyl acrylate grafted onto rubber particles having an average particle size of 0.1 to 0.5 μm and a copolymer of methyl methacrylate and styrene. It is known that a thermoplastic resin having excellent properties can be obtained (Japanese Patent Publication No. 63-47745).
However, when these thermoplastic resins are used for optical applications such as lenses, the impact strength and transparency are not satisfied at the same time.
Further, a rubber-modified styrene resin composition is known in which a copolymer of a styrene monomer and a (meth) acrylic acid ester monomer is a continuous phase and bimodal rubber particles are a dispersed phase. (JP-A-8-269142). However, when these resin compositions are used for optical applications such as lenses, the impact strength is sufficient, but the haze is high and the transparency is not always satisfied.
In addition, when these resin compositions are processed into sheets by an extruder, the resin attached to the cylinders and dies (discharge ports) of the extruder receives a thermal history, causing the sheet to change color or contaminate the sheet surface. There was a problem of reducing value. Further, in order to solve this problem, it is necessary to clean the inside of the cylinder and the die as appropriate, which has the disadvantage that the productivity is remarkably lowered and the economy is poor.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a thermoplastic resin composition containing a styrene- (meth) acrylic acid ester copolymer that has both a high impact strength and transparency in a well-balanced manner and is less contaminated during sheet processing. It is something to be offered.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-mentioned problems, the present inventors have found that a thermoplastic resin containing a rubbery substance and a copolymer comprising a styrene monomer unit and a (meth) acrylate monomer unit. A rubber-like substance forms a particulate dispersed phase in the continuous phase of the copolymer, and the particulate dispersed phase has two specific particle sizes, and a rubber component , A thermoplastic resin composition (A) in which the weight average molecular weight (Mw) and the ratio of the weight average molecular weight to the number average molecular weight (Mn) are specified, the weight average molecular weight (Mw), and the weight average Thermoplastic resin containing a phenol-based processing stabilizer in a copolymer comprising a methacrylic acid ester monomer unit and an acrylate ester monomer unit whose ratio of molecular weight to number average molecular weight (Mn) is specified The composition meets this challenge They found the door, which resulted in the completion of the present invention.
[0005]
That is, the present invention relates to (1) a copolymer (X) comprising 20 to 80% by mass of a styrene monomer unit and 80 to 20% by mass of a (meth) acrylate monomer unit, polybutadiene, styrene- A thermoplastic resin composition (A) comprising at least one rubber-like substance (Y) selected from the group consisting of a butadiene random copolymer and a styrene-butadiene block copolymer, wherein the copolymer (X) is a continuous phase, rubbery substance (Y) is a particulate dispersed phase, and the particulate dispersed phase (hereinafter referred to as dispersed particles) is a number average particle diameter measured by a Coulter counter. Dispersed particles (I) having a number average particle diameter of 0.1 to 0.5 μm measured by a Coulter counter, and dispersed particles (I) having a particle diameter of 1.0 to 2.0 μm Fall under The amount of the rubber component is 0.2 to 3.5% by mass relative to the thermoplastic resin composition (A), and the amount of the rubber component corresponding to the dispersed particles (II) is 4 to 20% by mass with respect to the thermoplastic resin composition (A). The weight average molecular weight (Mw) of the thermoplastic resin composition (A) is 80,000-250,000, and the ratio of the weight average molecular weight to the number average molecular weight (Mn) (Mw / Mn ) Is 100 or less by mass with respect to 100 parts by mass of the thermoplastic resin composition (A), 70 to 95% by mass of methacrylic acid ester monomer units and 30 to 5% by mass of acrylic acid ester monomer units. The weight average molecular weight (Mw) of the copolymer is 150,000 to 300,000, and the ratio (Mw / Mn) of the weight average molecular weight to the number average molecular weight (Mn) is 2 Copolymer (Z) that is ~ 3.5 The thermoplastic resin composition containing 0.05 to 2 parts by mass of a phenol-based processing stabilizer with respect to 100 parts by mass of the thermoplastic resin composition (B) containing 0.05 to 2 parts by mass of (2) the phenol-based processing stabilizer is 2- [1- (2-hydroxy-3,5-di-t-pentylphenyl) ethyl] -4,6-di-t-pentylphenyl acrylate and / or The thermoplastic resin composition according to (1), which is octadecyl-3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate.
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail. The copolymer (X) constituting the thermoplastic resin composition (A) of the present invention has a styrene monomer unit of 20 to 80% by mass and a (meth) acrylic acid ester monomer unit of 80 to 20% by mass. Consists of. If the composition ratio of each monomer unit is out of this range, the transparency is lowered, which is not preferable.
[0007]
Moreover, the copolymer (Z) used for this invention consists of 70-95 mass% of methacrylic ester monomer units, and 30-5 mass% of acrylate monomer units. If the composition ratio of each monomer unit is out of this range, it is not preferable because the sheet is easily discolored and the sheet surface is easily contaminated during sheet processing.
[0008]
The copolymer (Z) used for this invention is 0.05-2 mass parts with respect to 100 mass parts of thermoplastic resin compositions (A) . If it is less than 0.05 part by mass, discoloration of the sheet and the surface of the sheet are easily contaminated during sheet processing, and if it exceeds 2 parts by mass, the transparency is lowered.
[0009]
Examples of the styrene monomer used in the present invention include styrene, α-methyl styrene, p-methyl styrene, pt-butyl styrene, and the like, preferably styrene. These may be used alone or in combination of two or more.
[0010]
Examples of the (meth) acrylic acid ester monomer used in the present invention include methyl methacrylate, ethyl methacrylate, n-propyl methacrylate, n-butyl methacrylate, methyl acrylate, ethyl acrylate, n-butyl acrylate, and 2-methylhexyl acrylate. , 2-ethylhexyl acrylate, octyl acrylate and the like. These may be used alone or in combination of two or more. Particularly preferred for use in the copolymer (X) is methyl methacrylate, ethyl acrylate, n-butyl acrylate or a mixture thereof. Particularly preferably used for the copolymer (Z) is methyl methacrylate, n-butyl methacrylate, or a mixture thereof as the methacrylic ester monomer, and n- Butyl acrylate.
[0011]
These copolymers (X) and (Z) can also use other copolymerizable monomers such as acrylonitrile as necessary.
[0012]
As the rubber-like substance forming the dispersed phase, polybutadiene, styrene-butadiene random copolymer, styrene-butadiene block copolymer, or the like can be used. A styrene-butadiene random copolymer and a styrene-butadiene block copolymer can be suitably used in the sense that the refractive index of the continuous phase copolymer is easily matched. These may be used alone or in combination of two or more.
[0013]
The dispersed particles contained in the thermoplastic resin composition (A) of the present invention are dispersed particles (I) having a number average particle size of 1.0 to 2.0 μm, and number average particle sizes of 0.1 to 0.00. It consists of dispersed particles (II) that are 5 μm.
[0014]
The number average particle diameter of the dispersed particles (I) is 1.0 to 2.0 μm. Preferably it is 1.2-1.8 micrometers. If it is less than 1.0 μm, the impact strength is lowered, and if it exceeds 2.0 μm, the transparency is lowered.
[0015]
The number average particle diameter of the dispersed particles (II) is 0.1 to 0.5 μm. Preferably it is 0.15-0.45 micrometer. If it is less than 0.1 μm, the impact strength is lowered, and if it exceeds 0.5 μm, the transparency is lowered.
[0016]
The amount of the rubber component contained in the dispersed particles (I) in the thermoplastic resin composition (A) of the present invention is 0.2 to 3.5% by mass. Preferably it is 0.3-3 mass%. If it is less than 0.2% by mass, the impact strength is lowered, and if it exceeds 3.5% by mass, the transparency is lowered.
[0017]
The amount of the rubber component contained in the dispersed particles (II) in the thermoplastic resin composition (A) of the present invention is 4 to 20% by mass. Preferably it is 6-18 mass%. If it is less than 4% by mass, the impact strength is lowered, and if it exceeds 18% by mass, the transparency is lowered.
[0018]
The number average particle diameter is a value measured with a Coulter counter. The amount of rubber component indicates the amount of polybutadiene measured by the halogen addition method.
[0019]
The thermoplastic resin composition (A) of the present invention has a weight average molecular weight (Mw) of 80,000 to 250,000, and a ratio of the weight average molecular weight to the number average molecular weight (Mn) (Mw / Mn) is 2. It must be 5 or less. If the Mw is less than 80,000, the impact strength is lowered, and if it exceeds 250,000, stable sheet extrusion cannot be performed, which is not preferable. On the other hand, when Mw / Mn exceeds 2.5, the impact strength is lowered and the balance between the impact strength and the transparency is lost.
[0020]
The copolymer (Z) of the present invention has a weight average molecular weight (Mw) of 150,000 to 300,000 and a ratio (Mw / Mn) of the weight average molecular weight to the number average molecular weight (Mn) of 2 to 3. 5 is necessary. Outside these ranges, sheet discoloration and sheet surface are easily contaminated during sheet processing, which is not preferable.
Both the weight average molecular weight and the number average molecular weight are measured as polystyrene equivalent values by gel permeation chromatography (GPC).
[0021]
Examples of the phenol-based processing stabilizer used in the present invention include triethylene glycol-bis [3- (3-tert-butyl-5-methyl-4-hydroxyphenyl) propionate], 1,6-hexanediol-bis [3. -(3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate], 2- [1- (2-hydroxy-3,5-di-t-pentylphenyl) ethyl] -4,6-di- t-pentylphenyl acrylate, octadecyl-3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate, pentaerythrityl-tetrakis [3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxy Phenyl) propionate], 2-t-butyl-6- (3-t-butyl-2-hydroxy-5-methylbenzyl) -4-methylphenylacrylate In particular, 2- [1- (2-hydroxy-3,5-di-t-pentylphenyl) ethyl] -4,6-di-t-pentylphenyl acrylate, octadecyl-3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate can be suitably used. These may be used alone or in combination of two or more.
[0022]
The compounding quantity of the phenol type processing stabilizer used for this invention is 0.05-2 mass parts with respect to 100 mass parts of this thermoplastic resin composition (B) . Preferably it is 0.1-1.5 mass parts. If the amount is less than 0.05 parts by mass, further sheet discoloration prevention effect and sheet surface contamination prevention effect at the time of sheet processing cannot be achieved, and if it exceeds 2 parts by mass, the transparency of the thermoplastic resin composition is lowered, which is not preferable.
[0023]
Although there is no restriction | limiting in particular in the manufacturing method of the thermoplastic resin composition of this invention, The thing which does not contain a dispersed particle by the copolymer which consists of a styrene-type monomer unit and a (meth) acrylic-ester type monomer unit [below And a copolymer (A)], a copolymer comprising a styrene monomer unit and a (meth) acrylate monomer unit, and having a number average particle size of 1.0 to 2.0 μm. A copolymer comprising particles (I) [hereinafter referred to as copolymer (B)], a copolymer comprising a styrene monomer unit and a (meth) acrylate ester monomer unit, and having a number average particle diameter One containing 0.1 to 0.5 μm of dispersed particles (II) [hereinafter referred to as copolymer (C)], and a copolymer comprising a methacrylic acid ester monomer unit and an acrylate monomer unit [Hereinafter referred to as copolymer (D)] Come, these methods of obtaining a mixed thermoplastic resin composition has the advantage that tends to evenly distribute the dispersed particles, the preferred manufacturing method.
[0024]
Moreover, there is no restriction | limiting in particular in the compounding method of a phenol type processing stabilizer, Before each superposition | polymerization of a copolymer (A), a copolymer (B), a copolymer (C), and a copolymer (D), it is in the middle of superposition | polymerization , A method of blending after polymerization, a method of blending when the copolymer (A), the copolymer (B), the copolymer (C), and the copolymer (D) are mixed.
[0025]
Copolymer (A), copolymer (B), each continuous phase of copolymer (C), rubber-like substance forming dispersed particles (I), rubber-like substance forming dispersed particles (II) The refractive indexes are preferably close to each other, and each refractive index difference is preferably within 0.02 from the viewpoint of transparency.
[0026]
Although there is no restriction | limiting in particular in the manufacturing method of a copolymer (A), a copolymer (B), a copolymer (C), and a copolymer (D), a copolymer (A) and a copolymer (D) For the production of the copolymer (C), the bulk polymerization method, the suspension polymerization method and the solution polymerization method are used. For the production of the copolymer (B), the bulk polymerization method, the bulk-suspension polymerization method and the solution polymerization method are used. An emulsion polymerization method can be suitably employed for the production of
[0027]
There are no particular restrictions on the method of mixing the copolymer (A), the copolymer (B), the copolymer (C), the copolymer (D) and the phenol-based processing stabilizer, but for example, a Henschel mixer or a tumbler After premixing with a known mixing apparatus such as a mixer, uniform mixing can be performed by performing melt-kneading using an extruder such as a single screw extruder or a twin screw extruder.
[0028]
An additive can be mix | blended with the thermoplastic resin composition of this invention as needed. For example, a plasticizer, a lubricant, silicone oil or the like can be blended in order to improve fluidity and releasability. Moreover, an antistatic agent can be mix | blended for the dust prevention of a molded article. Moreover, in order to provide light diffusibility, a glass bead can be mix | blended. In addition, in order to impart light resistance, a light stabilizer or UV absorber can be blended. However, if UV curing is applied to the surface of the molded product and UV curing is performed, care should be taken as this will affect curing. is necessary. In addition, a coloring agent etc. can also be mix | blended.
[0029]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention concretely, this invention is not limited by these Examples. In addition, both the part and% in an Example were represented on the basis of mass.
[0030]
Production of copolymer (A) In an autoclave equipped with a stirrer, 42.5 parts of styrene and 57.5 parts of methyl methacrylate (MMA), 0.2 parts of benzoyl peroxide as a polymerization initiator, and t-dodecyl mercaptan 0 as a molecular weight modifier .1 part, 0.001 part of sodium dodecylbenzenesulfonate, 0.5 part of tribasic calcium phosphate, and 200 parts of pure water as suspension stabilizers were charged at a temperature of 95 ° C. for 6 hours, and further at a temperature of 130 ° C. for 2 hours. Polymerized. After completion of the reaction, washing, dehydration and drying were performed to obtain a bead-shaped copolymer (A1). The polystyrene equivalent weight average molecular weight of the copolymer (A1) measured by the GPC method was 145,000. The composition was styrene / MMA = 43.0 / 57.0.
[0031]
Polymerization was carried out in the same manner as in the production of the copolymer (A1) except that no molecular weight modifier was used to obtain a copolymer (A2). The weight average molecular weight of the copolymer (A2) was 167,000.
[0032]
Production of copolymer (B) In an autoclave equipped with a stirrer, 42.5 parts of styrene and 57.5 parts of methyl methacrylate, styrene-butadiene copolymer rubber (styrene content 25%, “Toughden 2000” (trade name) manufactured by Asahi Kasei Kogyo Co., Ltd.) 5 parts was charged and stirred at room temperature for 3 hours, then 0.04 part of benzoyl peroxide as a polymerization initiator and 0.2 part of t-dodecyl mercaptan as a molecular weight regulator were added, while stirring at a stirring number of 200 rpm. Bulk polymerization was performed at a temperature of 90 ° C. to a polymerization conversion rate of 30%. Next, 0.2 part of dicumyl peroxide as a polymerization initiator, 0.001 part of sodium dodecylbenzenesulfonate and 0.5 part of tribasic calcium phosphate as a suspension stabilizer, and 200 parts of pure water were added, and the temperature was 100 ° C. Polymerization was conducted at 115 ° C. for 1.5 hours and at 130 ° C. for 2.5 hours. After completion of the reaction, washing, dehydration and drying were performed to obtain a bead-shaped copolymer (B1). The amount of rubber component of the copolymer (B1) was 3.7%. The rubber-like substance formed a particulate dispersed phase, and the number average particle diameter of the dispersed particles was 1.4 μm. The weight average molecular weight was 129,000.
[0033]
Copolymer (B2) having dispersed particles having a number average particle diameter of 0.8 μm and 2.5 μm by changing only the number of stirring during bulk polymerization in the same manner as in the production of copolymer (B1). A copolymer (B3) having dispersed particles was obtained.
[0034]
Polymerization was carried out in the same manner as in the production of the copolymer (B1), except that 0.3 part of t-dodecyl mercaptan was added as a molecular weight modifier to obtain a copolymer (B4).
The weight average molecular weight of the copolymer (B4) was 103,000. The number average particle diameter of the dispersed particles was 1.4 μm.
[0035]
Production of copolymer (C) 49 parts of butadiene, 16 parts of styrene, 150 parts of pure water, 0.5 part of potassium oleate, 0.13 part of t-butyl hydroperoxide, 0.03 part of Rongalite in an autoclave equipped with a stirrer Then, 0.002 part of ferrous sulfate, 0.003 part of sodium ethylenediaminetetraacetate, 0.1 part of sodium pyrophosphate and 1.0 part of t-dodecyl mercaptan were charged and polymerized at a temperature of 45 ° C. for 17 hours. The number average particle diameter of the obtained styrene-butadiene rubber latex was 0.08 μm. The latex was stabilized by adding 0.005 part of sodium sulfosuccinate. The latex particles were agglomerated and enlarged by adding an aqueous hydrogen chloride solution to the latex under stirring to obtain a rubber latex having a number average particle size of 0.2 μm. To this latex, 16 parts of styrene, 17 parts of MMA, 2 parts of n-butyl acrylate, 0.04 part of divinylbenzene and 0.08 part of t-butyl hydroperoxide were added and polymerized at a temperature of 60 ° C. for 6 hours. After adding 0.5 parts of t-butylphenol and 0.5 parts of dilauryl thiopropionate to this latex, the copolymer is precipitated with hydrochloric acid, neutralized and washed, dehydrated and dried to obtain a powdery copolymer. (C1) was obtained. The amount of rubber component of this copolymer (C1) was 48.0%.
[0036]
By changing only the agglomeration conditions of the rubber latex in the same manner as in the production of the copolymer (C1), the copolymer (C2) having dispersed particles having a number average particle size of 0.08 μm and 0.6 μm A copolymer (C3) having dispersed particles was obtained.
[0037]
Production of copolymer (D) In an autoclave equipped with a stirrer, 64 parts of methyl methacrylate (MMA), 18 parts of n-butyl methacrylate (n-BMA), and 18 parts of n-butyl acrylate (n-BA), as a polymerization initiator, 0.2 parts of benzoyl peroxide, 0.2 parts of t-dodecyl mercaptan as a molecular weight regulator, 0.001 part of sodium dodecylbenzenesulfonate and 0.5 parts of calcium triphosphate and 200 parts of pure water as suspension stabilizers The polymerization was carried out at 95 ° C. for 6 hours and further at 130 ° C. for 2 hours. After completion of the reaction, washing, dehydration and drying were performed to obtain a bead-shaped copolymer (D1). The weight average molecular weight in terms of polystyrene measured by the GPC method of the copolymer (D1) was 210,000. Moreover, Mw / Mn was 2.8. The composition was MMA / n-BMA / n-BA = 64.0 / 18.0 / 18.0.
[0038]
Polymerization was performed in the same manner as in the production of the copolymer (D1) except that t-dodecyl mercaptan was changed to 0.25 part to obtain a copolymer (D2). The weight average molecular weight of the copolymer (D2) was 180,000. Moreover, Mw / Mn was 2.4.
[0039]
Polymerization was performed in the same manner as in the production of the copolymer (D1) except that 0.1 part of t-dodecyl mercaptan was used to obtain a copolymer (D3). The weight average molecular weight of the copolymer (D3) was 270,000. Moreover, Mw / Mn was 3.3.
[0040]
Polymerization was performed in the same manner as in the production of the copolymer (D1) except that 0.3 part of t-dodecyl mercaptan was used to obtain a copolymer (D4). The weight average molecular weight of the copolymer (D4) was 130,000. Moreover, Mw / Mn was 1.8.
[0041]
Polymerization was carried out in the same manner as in the production of the copolymer (D1) except that t-dodecyl mercaptan was not used to obtain a copolymer (D5). The weight average molecular weight of the copolymer (D5) was 340,000. Moreover, Mw / Mn was 3.7.
[0042]
Production of copolymer (D6) In an autoclave equipped with a stirrer, 76 parts of methyl methacrylate (MMA), 22 parts of n-butyl methacrylate (n-BMA), and 2 parts of n-butyl acrylate (n-BA), as a polymerization initiator, 0.2 parts of benzoyl peroxide, 0.2 parts of t-dodecyl mercaptan as a molecular weight regulator, 0.001 part of sodium dodecylbenzenesulfonate and 0.5 parts of calcium triphosphate and 200 parts of pure water as suspension stabilizers The polymerization was carried out at 95 ° C. for 6 hours and further at 130 ° C. for 2 hours. After completion of the reaction, washing, dehydration and drying were performed to obtain a bead-shaped copolymer (D6). The polystyrene-converted weight average molecular weight of the copolymer (D6) measured by GPC method was 210,000. Moreover, Mw / Mn was 2.8. The composition was MMA / n-BMA / n-BA = 76.0 / 22.0 / 2.0.
[0043]
Production of copolymer (D7) 47 parts methyl methacrylate (MMA), 13 parts n-butyl methacrylate (n-BMA) and 40 parts n-butyl acrylate (n-BA) in an autoclave equipped with a stirrer, 0.2 parts of benzoyl peroxide, 0.2 parts of t-dodecyl mercaptan as a molecular weight regulator, 0.001 part of sodium dodecylbenzenesulfonate and 0.5 parts of calcium triphosphate and 200 parts of pure water as suspension stabilizers The polymerization was carried out at 95 ° C. for 6 hours and further at 130 ° C. for 2 hours. After completion of the reaction, washing, dehydration and drying were performed to obtain a bead-shaped copolymer (D7). The weight average molecular weight in terms of polystyrene measured by the GPC method of the copolymer (D7) was 210,000. Moreover, Mw / Mn was 2.8. The composition was MMA / n-BMA / n-BA = 47.0 / 13.0 / 40.0.
[0044]
Examples 1-9, Comparative Examples 1-11
Copolymers (A), (B), (C), (D) and a phenol-based processing stabilizer were mixed at the compounding ratios shown in Tables 1 and 2, and the temperature was measured with a 40 mm diameter single screw extruder. The mixture was kneaded at 240 ° C. and a screw rotation speed of 100 rpm, and pelletized to obtain pellets.
The GPC of the composition was measured using this pellet. In addition, a test piece was obtained by injection molding using this pellet at a temperature of 220 ° C. Various physical properties were measured using this test piece.
Further, the pellet was continuously processed into a sheet having a thickness of 1 mm at a temperature of 240 ° C. and a screw rotation speed of 100 rpm using a single-screw extruder having a diameter of 40 mm, and the time when sheet contamination started was measured. These results are shown in Tables 1 and 2.
The phenol-based processing stabilizer is (i) 2- [1- (2-hydroxy-3,5-di-t-pentylphenyl) ethyl] -4,6-di-t-pentylphenyl acrylate, ) Octadecyl-3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate was used.
[0045]
[Table 1]
[0046]
[Table 2]
[0047]
The measuring method of each physical property value is as follows.
(1) Haze: Measured according to ASTM D-1003 using a 2 mm thick test piece.
(2) Charpy impact strength: Measured according to ISO 179-2 using a 4 mm thick notched specimen.
[0048]
Further, the contamination start time at the time of sheet processing in Tables 1 and 2 refers to the time when the contamination of the sheet starts at the time of sheet processing. For example, the contamination start time at the time of sheet processing of Example 1 in Table 1 is 8 hours means that the contamination of the sheet starts 8 hours after the sheet processing is started. The contamination of the sheet means that when the resin composition is processed into a sheet with an extruder as described above, the resin adhered to the cylinder or the die (discharge port) of the extruder receives a thermal history, the sheet is discolored, This means that the sheet surface is contaminated to reduce the commercial value of the sheet.
【The invention's effect】
INDUSTRIAL APPLICABILITY According to the present invention, a thermoplastic resin composition having an unprecedented impact strength and a balance of physical properties of transparency and less contamination of the sheet during sheet processing can be provided very advantageously industrially. Since the thermoplastic resin composition of the present invention is excellent in impact strength and transparency, it can be suitably used particularly for optical applications such as Fresnel lenses and lenticular lenses.
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