JP4296260B2 - 粒状物質の篩い分け法及びそれを利用した評価法 - Google Patents

粒状物質の篩い分け法及びそれを利用した評価法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な粒状物質の篩い分け法、粒状物質のモルフォロジー(粒子径分布と形状の両方を含む)の制御法、評価法、及びその粒状物質自身に関するものである。本発明は、(1)粒子径分布、平均径、比表面積などの既往の粒子モルフォロジー特性の指標では検出できない粒子径分布の細かな構成要素(評価指標)を簡便に測定すること、(2)粒子モルフォロジー特性に関する既往の評価法は「同じ粒子でも方法が違えば異なる結果」となり、製造現場での結果の理解や相互比較など、ユーザビリティーが十分ではない問題を解決すること、(3)粒子モルフォロジー特性に関する既往の評価法は相当径(物理現象から体積又は面積を測定し、真球又は真円を「仮定」して、計算で直径を求める方式の評価方法)評価が多く、角柱状粒子の一次元単位の生データを表す評価指標など、球の直径以外の1次元単位を有する量を簡便に測定すること、により、既往の評価法の持つ問題点を解決し、<A>粒子表面の少なくとも一部分に付着した粒子の大きさ又は含有量又は形状、<B>粒子の間に含まれた粒子の大きさ又は含有量又は形状、<C>従来法では評価できなかった粒子形状(実測した粒子の体積と面積とから算出する1次元単位を有する量、「粒子自体に由来する表面の粗さ」と「外から付着した微粒子」の区別、「粒子全体の扁平度」と「角の丸み」の区別、等)を制御又は評価することを可能とすると共に、例えば、熱伝導性フィラー、樹脂封止型半導体装置、錠剤用基材組成物、又は吸入製剤用基材組成物に好適な、新規な評価方法、制御方法、及びその粒子自身を提供することを可能にするものとして有用である。
【0002】
【従来の技術】
粒子の粒子径分布、形状、表面粗さ等の粒子モルフォロジー特性は、粒子特性が直接的に反映される材料系で重要性を増す。例えば、樹脂封止型半導体装置は、10数ミクロンのシリカ粒子と樹脂で構成された錠剤状の複合体である。ペンティアム(登録商標)−II時代にホットプレートの熱密度を超えた半導体材料は、性能競争としての低誘電率化にとどまらず、放熱問題などが重要となっていて、現状を遥かに超えた粒子の高密度充填化が必須である。シリカ粒子を高密度・低欠陥に充填できれば、熱膨張、更には熱伝導の本質的な回答となり得ることから、簡便で影響性の高い設計指標を模索する努力が精力的に継続されている(例えば、特許文献1)。また、吸入製剤では、例えば、数10ミクロンの乳糖粒子と薬剤粒子で構成された混合粉体が用いられ、薬剤の噴流性を高めるために、粒子の形状や動力学径が重要となる(例えば、特許文献2)。
【0003】
「粒子表面に付着した量」、又は「粒子間に含まれる量」を、大・小2成分に簡略化し、図1に模式的に示す。粒子の充填性や噴流性を高めるには、充填模型に合致した粉体設計が不可欠である(例えば、非特許文献1)。そこでは、巨視的に平均径や粒子径分布を評価・検出・制御すると同時に、微視的には、粒子表面に付着した量や粒子間に含まれる量等の粒子モルフォロジー特性を直接的に反映した新規指標を、定量的な数値として評価・検出・制御することが、製造現場の緊急のニーズであった。この評価に成功すると、粒子合成途中のモルフォロジー特性を解明することも可能となり、粒子合成の自由度や、原料の選択肢も増加し得る。
【0004】
しかし、より詳細な粒子モルフォロジー特性、特に、(1)粒子表面に付着した粒子の形状又は大きさ又は含有量、(2)粒子間に含まれた粒子の形状又は大きさ又は含有量、(3)従来法では評価できなかった粒子形状(実測した粒子の体積と面積とから算出する1次元単位を有する量、「粒子自体に由来する表面の粗さ」と「外から付着した微粒子」の区別、「粒子全体の扁平度」と「角の丸み」の区別、等)を、既存の粒子物性の評価ソフトウェアや、粒子分級装置、評価装置等、工業的に整合する手段で数値として評価・検出・制御することは不可能であった。例えば、半導体封止材料の標準評価法である光回折/散乱法には、分散媒中の試料全体の情報が含まれるため、上記の粒子モルフォロジー特性を分離できないという問題がある。また、従来は、評価法や検出原理によって、得られる粒子径分布結果が、同じ粒子でも大きく異なり、その解釈や、相互の比較が困難であり、ユーザーはどの評価法や検出原理を使えばよいのかわからず、非常に不便であった。更に、相当径(物理現象から体積又は面積を測定し、真球又は真円を「仮定」して、計算で直径を求める方式の評価方法)以外に評価指標が整備されておらず、要求精度の増す半導体材料等、近年の評価・検出ソフトウェア、又は検出方法、又は制御方法のニーズに応えられなかった。
【0005】
評価の工数と時間がかかって工業的ではないものの、顕微鏡写真等の画像解析法による局所的・定性的な傾向として比較する手段は一般的であるが(例えば、特許文献3)、顕微鏡写真は粒子の一部を切り出したものであって、資料全体の情報を反映していない。従って、まず、試料の一部の情報であるために評価数自体の問題と、膨大な測定を行う必要があるという工程上の問題がある。この評価数の問題を解決するために、分散媒の流動を伴う画像解析法が提案されているが(例えば、特許文献4)、粒子間に含まれた微粒子の塊(凝集粒子)や特に大きな粒子(粗大粒子)等の阻害要因を分離できず、例えば、凝集粒子に外接する真円の最大径を、粒子の本質的な直径として測定しまうというような、致命的な問題点があった。更に、画像解析法は、定量的な数値として表現する方法は幾つか提案されているものの、夫々の個別例でのみ保証されているに過ぎず、一般的方法としては十分には確立していない。
【0006】
既存の、複数の評価法を組み合わせて解決しようという先駆的な試みも始まっている。例えば、光回折法と電気抵抗法の組み合わせにより、電気抵抗法の粒子二重検出の解決(例えば、特許文献5)や、電気抵抗法の検出サイズ拡大(例えば、特許文献6)が達成されている。しかし、これらの試みは、単純に複数の方法を組み合わせて、何れかの方法の補償を行おうとするものに留まっていて、新規な着眼点が無い。そのため、より詳細な粒子モルフォロジー特性の評価・検出・制御、特に、(1)従来法では検出できない粒子径分布の細かな構成要素(評価指標)を簡便に測定すること、(2)評価法や検出原理によって、得られる粒子径分布結果が、同じ粒子でも大きく異なり、解釈や、相互の比較が困難であった問題を解決すること、(3)相当径以外の1次元単位を有する量を簡便に測定すること、を可能とし、<A>粒子表面に付着した粒子の形状又は大きさ又は含有量、<B>粒子間に含まれた粒子の形状又は大きさ又は含有量、<C>従来法では評価できなかった粒子形状、等を、評価、又は検出、又は制御することを達成した、ソフトウェア、又は方法、又は装置、又はその粒子自身を提供することは不可能であった。
【0007】
また、先駆的な“制御”法としては、例えば、正と負の逆符号の静電気の引力を用い、粒子表面に付着した粒子量の定量的制御法が提案されている(例えば、特許文献7、特許文献8)。しかし、これらの方法は、新規装置の投入と、現行工程の変更を強いることになり、工業的に整合し難いという、未解決の問題点があった。図1に示すように、従来の粒子モルフォロジー特性は、光回折などの物理現象から、体積又は面積を測定し、真球又は真円を「仮定」して、計算で直径を求める「相当径」方式の評価方法が多かった。実際には、角柱状等、粒子は真球とは限らず(むしろ多くの場合、真球ではない)、「真球又は真円の直径」だけでは正確な評価は難しい。
【0008】
そこで、顕微鏡写真等の画像解析を併用する手段がよく用いられるが、試料の一部の情報であって、評価数自体の問題と、膨大な測定を行う必要があるという工程上の問題がある。評価数の問題を解決するために、例えば、分散媒の流動を伴う画像解析法があるが、粒子間に含まれた微粒子の塊(凝集粒子)や特に大きな粒子(粗大粒子)等の阻害要因を分離できず、凝集粒子に外接する真円の最大径を粒子の本質的な直径として測定しまう致命的な問題があった。更に、定量的な数値として表現する方法は幾つか提案されているものの、夫々の個別例でのみ保証されているに過ぎず、一般的方法としては確立していない。「相当径」の仮定を用いずに、直接的に1次元単位を有する生データを測定できれば、画期的なソフトウェア、検出方法、又は制御方法、又はそれらの装置を開発できると期待されるが、従来技術では不可能であった。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−210952号公報
【特許文献2】
国際公開第WO01/49263号公報
【特許文献3】
特開平6−187437号公報
【特許文献4】
特開平11−337470号公報
【特許文献5】
特開平3−194444号公報
【特許文献6】
特開平7−128217号公報
【特許文献7】
特許第2517877号明細書
【特許文献8】
特許第2972874号明細書
【特許文献9】
特開平7−128217号公報
【非特許文献1】
河口竜巳、鈴木道隆、廣田満昭、熱硬化性材料に用いられる充填材の粉体特性、粉体工学会誌、Vol.38、p.688、2001
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況の中で、上記従来技術に鑑みて、本発明者らは、既往の粒子径分布評価装置に使用された物理的現象に起因し、しかも、現時点では利用されていない「粒子モルフォロジー特性のin−situ(その場)篩い分け(分級)機能」が、既往の粒子径分布評価装置に存在しているにも関わらず、未だ利用されていないことに着目した。これは、言わば「仮想的な篩い分け法(バーチャル篩い)」と呼べるものであり、この着想を図2に模式的に示す。すなわち、本発明者らは、本着想を、実現すべく鋭意検討した結果、具体的には、少なくとも大・小2成分以上の粒子径、又は2種以上の形状の粒状物質から構成される粒状成分系の篩い分け法であって、光回折・散乱法、電気的検知帯法、沈降法、画像解析法、の群から選ばれる少なくとも2つ以上の方法によって得られた信号を減算又は除算し、算出された粒状物質の検出範囲、検出時間、倍率、検出角度、体積/面積比、の群から選ばれる少なくとも2つ以上の値の差が、言わばバーチャル空間に存在する篩いのメッシュサイズと同じ機能を奏することを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明は、従来の粒子モルフォロジーの評価・検出ソフトウェア、又は検出方法、又は制御方法、又はその粒子が持つ欠点を克服し、現時点ではそれぞれ単独の装置で個別にしか評価されていない評価指標を、少なくとも2つ以上同時に評価することにより、(1)粒子表面の少なくとも一部分に付着した粒子の大きさ又は含有量又は形状、(2)粒子の間に含まれた粒子の大きさ又は含有量又は形状、(3)従来法では評価できなかった粒子形状(実測した粒子の体積と面積とから算出する1次元単位を有する量、「粒子自体に由来する表面の粗さ」と「外から付着した微粒子」の区別、「粒子全体の扁平度」と「角の丸み」の区別、等)を、工業的に整合する手段で、定性的傾向に留まらず、定量的に数値化することを達成できる粒状物質の篩い分け方法及び評価方法等を提供することを目的とするものである。
【0012】
また、本発明は、(1)粒子径分布、平均径、比表面積などの既往の粒子モルフォロジー特性の指標では検出できない粒子径分布の細かな構成要素(評価指標)を簡便に測定すること、(2)粒子モルフォロジー特性に関する既往の評価法は「同じ粒子でも方法が違えば異なる結果」となり、製造現場での結果の理解や相互比較など、ユーザビリティーが十分ではない問題を解決すること、(3)粒子モルフォロジー特性に関する既往の評価法は相当径評価が多く、角柱状粒子の一次元単位の生データを表す評価指標など、球の直径以外の1次元単位を有する量を簡便に測定すること、により、既往の評価法の持つ問題点を解決し、従来は比表面積として表されて区別できなかった粒子表面と粒子間の粒子とを区別したり、同じ粒子の体積と面積の生データを同時に得て非球状粒子の短径と長径の生データを同時に得ること、等を可能とする粒状物質の制御方法、評価方法及び粒状物質を提供することを目的とするものである。
更に、本発明は、熱伝導性フィラー、樹脂封止型半導体装置、錠剤用基材組成物、及び吸入製剤用基材組成物に好適な、新規な評価方法、制御方法、又はその粒子を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明では、以下の構成が採用される。
(1)少なくとも大・小2成分以上の粒子径の粒状物質、又は2種以上の形状の粒状物質から構成される粒状成分系の篩い分け方法において、
1)以下のa)〜)のいずれか1つの値の差、
a)光回折・散乱法と電気的検知帯法の検出範囲の差、
)画像解析法の撮影倍率差、
)画像解析法の粒状物質、又は粒状物質が分散された粒状成分系の、導入方向の鉛直から水平までの角度差、
)電気的検知帯法で評価された粒状物質体積と、画像解析法で評価された粒状物質面積の比の差、
を篩い分けの目開きサイズとすること、
2)それにより、粒状物質の少なくとも大・小2成分以上の粒子径とその粒状物質を構成する成分比、又は粒状物質の2種以上の形状とその粒状物質を構成する成分比を篩い分けること、
3)該粒状物質の篩い分け方法を利用して、粒状物質のモルフォロジーを評価すること、
を特徴とする粒状物質の評価方法。
(2)粒状物質の粒子径の検出において、光回折・散乱法と電気的検知帯法で検出可能な粒状物質サイズの検出範囲の差を利用し、積算粒子径分布で表した光回折/散乱法の測定結果、及び電気的検知帯法の測定結果を指標として、粒状物質のモルフォロジーを評価する、前記(1)に記載の粒状物質の評価方法。
(3)粒状物質の粒子径の検出において、液中沈降透過法における評価時間の違いにる重力分級処理を行い、大粒子間に含まれた小粒子を除去して、大粒子成分、又は大粒子成分表面に付着した小粒子成分量を画像解析法により定量的に数値化した値を指標として、粒状物質のモルフォロジーを評価する、前記(1)に記載の粒状物質の評価方法。
(4)粒状物質の粒子径の検出において、画像解析法における2種類の検出倍率を組合わせることで、大粒子成分、又は大粒子成分表面に付着した小粒子成分の画像解析法の撮影倍率の差による解像度を利用することにより、粒状物質のモルフォロジーを評価する、前記(1)に記載の粒状物質の評価方法。
(5)粒状物質の粒子径の検出において、分散媒の流動を伴う画像解析法により、分散媒の導入方向を鉛直から水平までの度を調整した場合に、粒間に含まれる粒子、又は凝集粒子、又は粗大粒子、の篩い分け(分級)効率が変化することを利用することにより、粒間成分を評価する、前記(1)に記載の粒状物質の評価方法。
(6)粒状物質の粒子径の検出において、電気的検知帯法で評価された粒状物質体積と画像解析法で評価された粒状物質面積を指標として、非球状粒子の1次元のモルフォロジーを評価する、前記(1)に記載の粒状物質の評価方法。
(7)前記(1)から(6)のいずれか1項に記載の粒状物質の評価方法により、粒状物質の大・小2成分以上のサイズ及びその粒状物質を構成する成分比、又は粒状物質の2種以上の形状及びその粒状物質を構成する成分比を制御することを特徴とする粒状物質の制御方法。
(8)前記(7)に記載の粒状物質の制御方法により所望の粒状物質成形体又はその焼結体を設計し、製造することを特徴とする成形体又はその焼結体の製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
前記したように、本発明の重要な技術的要件は、次の6点にある;
(1)粒状物質、(2)検出方法、(3)制御方法、(4)「仮想篩い分け法」の篩い分けの目開きサイズ(検出範囲の差、検出時間の差、倍率の差、検出角度の差、体積/面積比の差)、及び(5)1次元単位を有する量。
【0015】
本発明において、粒状物質の種類には特に制限は無く、例えば、無機材料から成る材料については、樹脂封止型半導体装置で使用されるケイ素系酸化物を好適とするが、ケイ素、アルミニウム又はチタン等の酸化物、窒化物又は炭化物、Au、Ag、Pd、Pt、Cu又はAl等の金属系材料、有機材料等も使用可能である。
【0016】
粒状物質のモルフォロジー特性は、樹脂封止型半導体装置、錠剤用基材組成物、又は吸入製剤用基材組成物で使用される大きさ(直径、周囲長、面積又は体積)、形状(球形度、円形度又は長短度等)、表面粗さ、表面の化学的特性等が例示されるが、特に制限はない。
【0017】
粒状物質のモルフォロジー特性の制御法又は評価法は、樹脂封止型半導体装置、錠剤用基材組成物、又は吸入製剤用基材組成物で使用されるレーザー回折/散乱法、電気移動度法、沈降法(光又はX線式)、電気抵抗法(電気的検知帯法)、遮光法、超音波減衰分光法、画像解析法(顕微鏡法又は分散媒の流動を利用する方法)、比表面積測定法、篩い分け法、インパクター法を好適とするが、前記の粒状物質のモルフォロジー特性を制御又は評価できるものであれば、特に制限は無い。
【0018】
「仮想篩い分け法」の篩い分けの目開きサイズの中で、「検出範囲」に関しては、例えば、粒子径分布評価装置の評価範囲の違いを装置の持つ篩い分け能力(分級能)として利用し、粒間成分を検出すること、等が例示されるが、特に限定されるものではなく、任意の手段が利用可能である。篩い分けの目開きサイズを、光回折・散乱法と電気的検知帯法の検出範囲の差とした場合を、図3に模式的に示す。
【0019】
「仮想篩い分け法」の篩い分けの目開きサイズの中で、「検出時間」に関しては、例えば、液中沈降透過法の評価時間の違いを、装置の持つ篩い分け能力(分級能)として利用して、液相中の重力分級法(水簸等)を評価装置中で再現し、粒間成分を除去して、粒表面に付着した成分を検出すること、等が例示されるが、特に限定されるものではなく、任意の手段が利用可能である。篩い分けの目開きサイズを、沈降法の沈降時間の差とした場合を、図4に模式的に示す。
【0020】
「仮想篩い分け法」の篩い分けの目開きサイズの中で、「倍率」に関しては、例えば、低倍率撮影における微粒成分の分解能の低さを“逆用”して、評価倍率の違いを装置の持つ篩い分け能力(分級能)として利用し、粒表面に付着した成分を除去して粒間成分を検出すること、或いは逆に、高倍率撮影でのピンポイント焦点の分解能の高さを“活用”して、粒表面に付着した成分のみを検出すること、等が例示されるが、特に限定されるものではなく、任意の手段が利用可能である。篩い分けの目開きサイズを、画像解析法の撮影倍率の差とした場合を、図5に模式的に示す。
【0021】
「仮想篩い分け法」の篩い分けの目開きサイズの中で、「検出角度」に関しては、例えば、分散媒の流動を伴う画像解析法において、検出部へ導入する分散媒の方向を装置の持つ篩い分け能力(分級能)として利用し、分散媒の導入方向を重力と平行方向(鉛直方向)、又は垂直方向(水平方向)、又は両者の間で方向(角度)を調整した場合に、粒間に含まれる粒子、又は凝集粒子、又は粗大粒子の篩い分け(分級)効率が変化すること、を用いることにより、粒間成分を検出すること、等が例示されるが、特に限定されるものではなく、任意の手段が利用可能である。篩い分けの目開きサイズを、分散媒の流動を伴う画像解析法の、粒状物質の導入方向の、鉛直から水平までの角度の差とした場合を、図6に模式的に示す。
【0022】
「仮想篩い分け法」の篩い分けの目開きサイズの中で、「体積/面積比」に関しては、例えば、一度の測定で粒子の面積と体積との生データを“同時”に検出し(従来の方法では個別に検出することはできても、同時は、不可能であった)、計算で1次元単位を有する量を求める方法、等が例示されるが、特に限定されるものではなく、任意の手段が利用可能である。篩い分けの目開きサイズを、電気的検知帯法と画像解析法の体積/面積の比の差とした場合を、図7に模式的に示す。
【0023】
実測した粒状物質の体積と面積とから算出する1次元単位を有する量は、例えば、電解質分散媒中に孔を有する仕切りを設け、仕切りの両側に電極を配し、粒子が孔を通過する時、電極間の電気抵抗変化から粒子の体積と数を検出する方法(電気的検知帯法、又はコールターカウンター法等)、分散媒中の粒子にレーザー光等を照射して、電磁波の反射、投影、回折、散乱等の信号を解析して粒子の体積又は面積と、数とを検出する方法(光回折/散乱法、光透過法、遮光法、画像解析法等)、の群から選ばれる、1又は2以上の検出方法を組み合わせて、粒状物質の体積と面積を測定し、計算で1次元単位を有する量を求める方法、等が例示されるが、特に限定されるものではなく、任意の手段が利用可能である。
【0024】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
電気抵抗変化と電磁波の回折という2つの検出手段を用いて、既往の粒子径分布評価装置に使用された物理的現象に起因し、しかも、現時点では利用されていない粒子モルフォロジー特性のin−situ(その場)篩い分け機能(分級)の中で「検出範囲」の評価条件に関して、粒子径分布評価装置の評価範囲の違いを装置の持つ篩い分け能力(分級能)として利用し、粒間成分を検出する方法を例示する。これは、光回折・散乱法及び電気的検知帯法で検出可能な粒状物質サイズの検出範囲の差を、篩い分けの目開きサイズとする仮想的な篩い分け法に基づくものと解釈できる。概念図及び結果を図3に示す。
【0025】
(1)方法
樹脂封止型半導体装置用の代表的原料であるシリカ粒子を、JIS−R1622:1995で定められた液中分散法に準じ、測定で適正濃度となるようにヘキサメタりん酸ナトリウムの0.2%溶液に入れ、3分の超音波分散を行った。この試料について、ベックマン・コールター株式会社製Multisizer3型で、オリフィス径100ミクロンに設定した電気的検知帯法と、同社製LS 230型で、光回折・散乱法を用いて、粒子径分布を測定した。
【0026】
(2)結果
その結果を図3に併せて示す。但し、大粒子と小粒子は図1に示した通りであり、記号の意味は、次の通りである;D10L は篩い下積算粒子径分布で表した光回折/散乱法の測定結果40の10%径、D90L は篩い下積算粒子径分布で表した光回折/散乱法の測定結果40の90%径、D0Eは篩い下積算粒子径分布で表した電気的検知帯法の測定結果41の0%径、D10E は篩い下積算粒子径分布で表した電気的検知帯法の測定結果41の10%径、D90E は篩い下積算粒子径分布で表した電気的検知帯法の測定結果41の90%径、D100Eは篩い下積算粒子径分布で表した電気的検知帯法の測定結果41の100%径。2種類の評価範囲を組合わせることで(但し、本実施例では、検出装置を変えることで達成した)、(1)大粒子間に含まれる小粒子量をD10E /D10L 、(2)粒子間に含まれる大粒子(即ち大粒子自体の)量をD90L /D90E (又はD100E/D0E)として、これらの評価指標を数値化できることが確認された。これは、光回折・散乱法及び電気的検知帯法で検出可能な粒状物質サイズの検出範囲の差を、篩い分けの目開きサイズとする仮想的な篩い分け法に基づくものと解釈できる。
なお、本実施例では、2種類の検出手段(電気抵抗変化と、電磁波の回折)と、2種類の評価範囲を用いたが、これに限定されるものではなく、2種類以上を組合わせ、より精密な評価・制御を行うこともできる。
【0027】
実施例2
電磁波の反射と電磁波の透過という2つの検出手段を用いて、既往の粒子径分布評価装置に使用された物理的現象に起因し、しかも、現時点では利用されていない粒子モルフォロジー特性のin−situ(その場)篩い分け(分級)機能の中で「検出時間」に関して、液中沈降透過法の検出時間の違いを、装置の持つ篩い分け能力(分級能)として利用して、液相中の重力分級法(水簸等)を評価装置中で再現し、粒間成分を除去して、大粒子成分のみを、又は大粒子成分表面に付着した小成分を、検出する方法を例示する。これは、沈降法の沈降時間の差を、篩い分けの目開きサイズとする仮想的な篩い分け法に基づくものと解釈できる。概念図を図4に、結果を図8に示す。
【0028】
(1)方法
樹脂封止型半導体装置用の代表的原料であるシリカ粒子から、大粒子表面に付着した小粒子量が異なる試料を選別した。図8−aに示した試料は、付着した小粒子成分量が多く、それに比較して、図8−bは、少ない。JIS−R1622:1995で定められた液中分散法に準じ、測定で適正濃度となるようにヘキサメタりん酸ナトリウムの0.2%溶液に入れ、3分の超音波分散を行った。この2試料について、液中沈降透過法の評価時間の違いに相当する重力分級(水簸)処理を行い、試料全体の粒子径分布が等しくなるように大粒子間に含まれる小粒子を除去した。次いで、これらを、二値化画像解析処理法等で処理して、大粒子成分のみを、又は大粒子成分表面に付着した小成分を、定量的に数値化することを試みた。
【0029】
(2)結果
図8−aに示した試料(大成分表面に付着した小成分が多い場合)の結果を、図4中の写真、図8−c、図8−eに示す。図8−bに示した試料(大成分表面に付着した小成分が少ない場合)の結果を、図8−d、図8−fに示す。但し、大粒子と小粒子は図1に示した通りである。2種類の検出時間の差を組合わせることで(但し、本実施例では、液中沈降透過法の検出時間の違いに相当する重力分級を利用することで達成した)、大粒子間に含まれた小粒子を除去して、大粒子表面に付着した小粒子のみを検出できた。これを、既往の二値化画像解析処理法、又は形状の抽出ソフトウェア(例えば株式会社ニレコ製Luzex−APソフトウェアによる画像分離・抽出アルゴリズム)等により、大粒子間に分布した小粒子成分の妨害が無い状態で、定量的に、正確な大粒子成分のみを、又は大粒子成分表面に付着した小成分量を数値化することが可能である。これは、沈降法の沈降時間の差を、篩い分けの目開きサイズとする仮想的な篩い分け法に基づくものと解釈できる。
なお、本実施例では、2種類の検出手段(電磁波の反射と、電磁波の透過)と、2種類の評価時間を用いたが、これに限定されるものではなく、2種類以上を組合わせ、より精密な評価・制御を行うこともできる。
【0030】
実施例3
電磁波の反射を検出手段として用いて、既往の粒子径分布評価装置に使用された物理的現象に起因し、しかも、現時点では利用されていない粒子モルフォロジー特性のin−situ(その場)篩い分け(分級)機能の中で「検出倍率」に関して、低倍率撮影での微粒成分の分解能の低さを逆用して、検出倍率の違いを装置の持つ篩い分け能力(分級能)として利用し、粒表面に付着した成分を除去して粒間成分を検出する方法、或いは逆に、高倍率撮影でのピンポイント焦点の分解能の高さを活用し、大粒子成分のみを、又は大粒子成分表面に付着した小成分のみを、検出する方法を例示する。これは、画像解析法の撮影倍率の差を、篩い分けの目開きサイズとする仮想的な篩い分け法に基づくものと解釈できる。概念図を図5に、結果を図8に示す。
【0031】
(1)方法
樹脂封止型半導体装置用の代表的原料であるシリカ粒子から、大粒子表面に付着した小粒子量が異なる試料を選別した。図8−aに示した試料は、付着した小粒子成分量が多く、それに比較して、図8−bは、少ない。次に、試料を低倍率、及び高倍率で測定した。本実施例では、走査型電子顕微鏡を用いて、500倍及び20000倍で観察した。顕微鏡法の統計学的誤差を補償するため、大粒子表面に付着した小粒子量が異なる試料それぞれについて、2000個づつ観察した。次いで、これらを、二値化画像解析処理法等で処理して、大粒子成分のみを、又は大粒子成分表面に付着した小成分を、定量的に数値化することを試みた。
【0032】
(2)結果
図8−bに示した試料(大成分表面に付着した小成分が少ない場合)の結果を、図5中の写真に示す。また、実施例2で使用した図8−cと図8−e、又は図8−dと図8−fも、本実施例の結果として示すことが可能である。但し、大粒子と小粒子は図1に示した通りである。2種類の検出倍率を組合わせることで(但し、本実施例では、顕微鏡法の検出倍率の違いを利用することで達成した)、大粒子成分のみを、又は大粒子成分表面に付着した小成分のみを、区別して検出できた。低倍率撮影では、小粒子の分解能が低いために検出信号として係らず、結果的に小粒子が分級された状態と同じになり、粒間に含まれる大粒子のみを検出することができた(一例が、図5中の写真、図8−c、又は図8−d)。逆に高倍率撮影では、大粒子表面にピンポイント焦点をあわせることで、粒間に含まれた小粒子を検出せず、結果的に大粒子表面に付着した小粒子のみを検出できた(一例が、図5中の写真、図8−e、又は図8−f)。
【0033】
これらを、既往の二値化画像解析処理法又は形状の抽出ソフトウェア(例えば株式会社ニレコ製Luzex−APソフトウェアによる画像分離・抽出アルゴリズム)等により、粒間成分の妨害が無い状態で、定量的に、正確な粒表面成分量等を数値化することが可能である。これは、画像解析法の撮影倍率の差を、篩い分けの目開きサイズとする仮想的な篩い分け法に基づくものと解釈できる。
なお、本実施例では、1種類の検出手段(電磁波の反射)と、2種類の評価時間を用いたが、これに限定されるものではなく、2種類以上を組合わせ、より精密な評価・制御を行うこともできる。
【0034】
実施例4
電気抵抗変化と電磁波の投影という2つの検出手段を用いて、既往の粒子径分布評価装置に使用された物理的現象に起因し、しかも、現時点では利用されていない粒子モルフォロジー特性のin−situ(その場)篩い分け(分級)機能の中で「検出角度」に関して、分散媒の流動を伴う画像解析法において、検出部へ導入する分散媒の方向を装置の持つ篩い分け能力(分級能)として利用し、分散媒の導入方向を重力と平行方向(鉛直方向)、又は垂直方向(水平方向)、又は両者の間で方向(角度)を調整した場合に、粒間に含まれる粒子、又は凝集粒子、又は粗大粒子、の篩い分け(分級)効率が変化すること、を用いることにより、粒間成分を検出する方法を例示する。これは、画像解析法の粒状物質、又は粒状物質が分散された粒状成分系の、導入方向の鉛直から水平までの角度差を、篩い分けの目開きサイズとする仮想的な篩い分け法に基づくものと解釈できる。概念図と結果を図6に示す。
【0035】
(1)方法
樹脂封止型半導体装置用の代表的原料であるシリカ粒子を、JIS−R1622:1995で定められた液中分散法に準じ、測定で適正濃度となるようにヘキサメタりん酸ナトリウムの0.2%溶液に入れ、3分の超音波分散を行った。この試料について、ベックマン・コールター株式会社製Multi ImageAnalyzer型、又はシスメックス株式会社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100型で、オリフィス径100ミクロンに設定した分散媒の流動を伴う画像解析法を用いて測定した。なお、ベックマン・コールター株式会社製Multi Image Analyzer型では、同社の電気的検知帯法(コールター・カウンター)Multisizer3型を、粒子像抽出の信号検出に転用しているため、試料は重力方向に対し垂直方向(水平方向)に検出場に導入される(例えば、特許文献9)。一方、シスメックス株式会社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100型では、同社特許のシースフロー・システムを採用しているため、試料は重力方向に対し平行方向(鉛直方向)に検出場に導入される(例えば、特許文献4)。
【0036】
(2)結果
その結果を図6に併せて示す。但し、大粒子と小粒子は図1に示した通りである。2種類の評価方向を組合わせることで(但し、本実施例では、検出装置を変えることで達成した)、粒間に含まれる大粒子、又は大粒子間に含まれる小粒子のみを区別して検出できるようになった。即ち、ベックマン・コールター株式会社製Multi Image Analyzer型は、粒間に含まれる粒子、特に、粒子間に含まれた微粒子の塊(凝集粒子)や、特に大きな粒子(粗大粒子)等を分離しやすく、主に大粒子と、大粒子間に分散性良く分布した小粒子を評価できた(53:図6の水平方向測定)。一方、シスメックス株式会社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100型では、逆に、それらを検出しやすかった(54:図6の鉛直方向測定)。従来の測定法では、両者を単独に用いていたため、例えばシスメックス株式会社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100型では、凝集粒子に外接する真円の最大径を粒子の本質的な直径として測定しまう点が問題となっていたが(51、52)、評価方向として能動的に利用することで、凝集粒子と粗大粒子等を選択的に評価・検出・制御できる特徴的な方法を例示できた。これは、画像解析法の粒状物質、又は粒状物質が分散された粒状成分系の、導入方向の鉛直から水平までの角度差を、篩い分けの目開きサイズとする仮想的な篩い分け法に基づくものと解釈できる。
なお、本実施例では、2種類の検出手段(電気抵抗変化と、電磁波の投影)と、2種類の評価方向を用いたが、これに限定されるものではなく、2種類以上を組合わせ、より精密な評価・制御を行うこともできる。
【0037】
実施例5
電気抵抗変化と電磁波の投影という2つの検出手段を用いて、既往の粒子径分布評価装置に使用された物理的現象に起因し、しかも、現時点では利用されていない粒子モルフォロジー特性のin−situ(その場)篩い分け(分級)機能の中で、「体積/面積比」に関して、体積と面積とを用い、実測した粒子の体積と面積とから算出する1次元単位を有する量を求める方法を例示する。すなわち、電解質分散媒中に孔を有する仕切りを設け、仕切りの両側に電極を配し、粒子が孔を通過する時、電極間の電気抵抗変化から粒子の「体積」と数を検出する方法(電気的検知帯法)と、分散媒中の粒子にレーザー光を照射し、電磁波の投影像を解析して粒子の「面積」と数を検出する方法(遮光法式の画像解析法)とを組み合わせ、粒子の体積と面積を測定し、計算で1次元単位を有する量を求める。これは、電気的検知帯法で評価された粒状物質体積と、画像解析法で評価された粒状物質面積の比の差を、篩い分けの目開きサイズとする仮想的な篩い分け法に基づくものと解釈できる。概念図と結果を図7に示す。
【0038】
(1)方法
樹脂封止型半導体装置用の代表的原料であるシリカ粒子を、JIS−R1622:1995で定められた液中分散法に準じ、測定で適正濃度となるようにヘキサメタりん酸ナトリウムの0.2%溶液に入れ、3分の超音波分散を行った。この試料について、ベックマン・コールター株式会社製Multisizer3型で、オリフィス径100ミクロンに設定した電気的検知帯法により粒子の体積と数を、同社製Multi Image Analyzer型でオリフィス径100ミクロンに設定した分散媒の流動を伴う画像解析法により粒子の面積と数を、それぞれ測定した。ここで、ベックマン・コールター株式会社製Multi Image Analyzer型では、同社の電気的検知帯法Multisizer3型を、粒子像抽出の信号検出に転用しているため、試料は撮像装置に向かって導入され、粒子の投影像は分散媒の流動方向に対し垂直方向のもの(すなわち断面積)が得られる(例えば、特許文献9)。一方、シスメックス株式会社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100型では、同社特許のシースフロー・システムを採用しているため、試料は重力方向に対し平行方向(鉛直方向)に検出場に導入される(例えば、特許文献4)。
【0039】
(2)結果
その結果を図7に併せて示す。但し、大粒子と小粒子は図1に示した通りである。既往の粒子径分布評価装置を用いて実測した粒子の体積と面積とから(但し、本実施例では、検出装置を変えることで達成した)、相当径62ではない新規な1次元単位を有する量65を求めることが可能となった。火炎法で合成され、互いに融着して伸張性が大きくなったシリカ粒子と、分散性の良いシリカ粒子との、平均径と、体積63と面積64とから算出した1次元単位を有する量とを比較した(図7)。ここで求められる体積63と面積64とから算出した1次元単位を有する量65は、言わば「奥行き度」と呼ぶべき量である。測定の結果、融着シリカと分散シリカ両試料の平均径はほぼ等しく、すなわち、従来評価法である平均径では両者の物性を正しく評価できなかった。しかし、本発明で提案した1次元単位を有する評価指標の奥行き度65により、それらの伸張性の違いを、正しく定量化可能であることが、確認された。
【0040】
従来は、ベックマン・コールター株式会社製Multi Image Analyzer型では、同社の電気的検知帯法Multisizer3型を、粒子像抽出の信号検出に転用しているため、試料は撮像装置に向かって導入され、粒子の投影像は分散媒の流動方向に対し垂直方向のもの(すなわち断面積)が得られる。そのため、扁平度の大きい粒子や、針状や板状の粒子を測定した場合、長手方向の長さ(奥行き度)を評価できないという問題点があった。一方、シスメックス株式会社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100型では、同社特許のシースフロー・システムを採用しているため、試料は重力方向に対し平行方向(鉛直方向)に検出場に導入される。そのため、扁平度の大きい粒子や、針状や板状の粒子を測定した場合、長手方向の長さ(奥行き度)の測定は、一見有利に見えるものの、粒間に含まれる粒子、特に、粒子間に含まれた微粒子の塊(凝集粒子)や、特に大きな粒子(粗大粒子)等を分離できず、試料の本質的な長手方向の長さ(奥行き度)と、凝集粒子に外接する真円の最大径とを混同してしまう点が問題だった。更に、この方法では逆に、短径(図7中でデフォルメ表示した角柱を参照)を評価できない。
【0041】
これらに対して、本発明の方法によれば、奥行きを検出できるにとどまらず、粒子の投影像を解析すれば短径が、粒子の体積と面積とからは長径が、すなわち、360°全方位の1次元単位を有する「生データ」が得られる。既往の粒子径分布評価装置では、同じ粒子の体積と面積の生データを“同時”に得ることは不可能で、従って、非球状粒子の1次元の生データを正確に、区別して得ることもできなかった。
以上の結果は、電気的検知帯法で評価された粒状物質体積と、画像解析法で評価された粒状物質面積の比の差を、篩い分けの目開きサイズとする仮想的な篩い分け法に基づくものと解釈できる。
なお、本実施例では、2種類の検出手段(電気抵抗変化と、電磁波の投影)と、2種類の評価指標を用いたが、これに限定されるものではなく、2種類以上を組合わせ、より精密な評価・制御を行うこともできる。
【0042】
実施例6
半導体封止材料を例に、本発明の仮想篩い分け法(バーチャル篩い)の効果を示す。仮想篩い分け法で評価した新指標として、検出範囲差から求めた粒間の大成分量と小成分量、及び体積/面積比差から求めた奥行き度を採用した。また材料特性は、粒状物質特性に直結した指標として、粒子と樹脂のコンパウンドの粘性を評価した(粘性から、高熱伝導、高放熱性、低誘電率、低電気伝導等の諸特性との相関をつけることが可能であるため)。そして、仮想篩い分け法で抽出した粒状物質特性により、封止材料に用いられる汎用フィラーと高純度フィラーが、反対の粘性傾向を持つこと(即ち、汎用フィラーは粒表面や粒間の小粒子成分の粘性への寄与が大きく、高純度フィラーは逆に大粒子成分の寄与が大きいこと)を、初めて明らかにした。これは、従来の評価法で抽出した粒状物質の代表的な特性(比表面積、平均径、粒子径分布傾斜角)では不可能であった。
【0043】
(1)方法
シリカ粒子と樹脂との混錬法や封止材料特性は、封止工程に簡便な指標を提供するという実用化志向の観点から、半導体製造工程で実際に採用されている材料や方法を用いた。シリカ(アドマテックス、龍森、電気化学工業、トクヤマ、日本化学工業、日本アエロジル、マイクロンの各社製;五十音順)は、比表面積を基準に選び、汎用フィラーは試料1=1.32m2 /g、試料2=1.46m2/g、試料3=4.72m2 /g、試料4=12.6m2 /g、高純度フィラーは試料5=1.00m2 /g、試料6=1.35m2 /g、試料7=1.43m2 /g、試料8=1.51m2 /gとした。電子顕微鏡写真を、汎用フィラーは図9−a〜d、高純度フィラーを図9−e〜hに示す。樹脂は、エポキシ系のエピコート815(ジャパンエポキシレジン社製)を用いた。試料組成は、封止材料の平均的な値を採用し、シリカ:樹脂=80:20(重量%)とした。
【0044】
シリカと樹脂の混合物を三軸ロールで二回混錬して、ペースト状のコンパウンドを調製した。特性は、粒子特性に直結した指標としてコンパウンドの粘性を評価した。評価法は、一般に回転円筒式によるモデル評価が主流だが、封止工程との差異が大きく実用上問題が多い。そこで、ここでは、トランスファー成形の封止工程と剪断速度条件を再現して粘度測定ができるSlit−die法で測定した。剪断速度は、バリ特性など封止工程で最も欠陥が集中すると予想される低剪断域の代表として50s-1と、粘度の飽和域でコンパウンド内部構造を最も安定して表現すると思われる高剪断域の代表として300s-1とした。
【0045】
SEM以外の測定は、JISで定められた液中分散法に準じ、各測定で適正濃度となるシリカ粒子をヘキサメタりん酸ナトリウム(NaHMP)の0.2%溶液に入れ超音波分散(3分)を行った。光回折・散乱法は、ベックマン・コールター社製L230型を用いた(偏光散乱強度差計測法で、検出範囲は0.04〜2000ミクロン)。電気的検知帯法は、ベックマン・コールター社製Multisizer−3型を、分散媒の流れを伴う画像解析法は、ベックマン・コールター社製Multi−Image Analyzer型を、それぞれを用いた。電気的検知帯法と画像解析法の検出範囲が封止材料の微細成分と大粒子との境界になるよう、オリフィス径を100ミクロンとし、検出範囲を2〜60ミクロンに設定した。
【0046】
また、SEM写真の画像解析法は、ニレコ社製Luzex−AP型ソフトウェアによる画像分離・検体抽出アルゴリズムを、倍率500の写真について適用した。従来の評価法で抽出した粒状物質の代表的な特性として、比表面積、平均粒子径、ロジンラムラー分布を仮定した粒子径分布の接線の傾き(均等数)を求めた。比表面積は、BET3点法で測定し、シリカ粒子のメーカー提供値を確認した。50%径と傾斜角度は、封止工程で一般的な光回折・散乱法で検出した篩い下粒子径分布から算出した。また、本発明の体積/面積比と比較する目的で、従来の評価法で抽出した粒状物質特性の面積比(面積のみ)の中から、Wadellの円形度、周囲長基準の面積比、最大長基準の面積比を求めた。
【0047】
(2)結果
試料1〜8の、粘性、比表面積、平均粒子径、粒子径分布の傾斜角度、本発明の仮想篩い分け法で求めた粒間の小成分量、粒間の大成分量、体積/面積比、及び面積比の結果を表1に示す。なお、粒子径分布と面積比の評価結果の生データは、代表例として試料1について図10と図11に示す。表1において、汎用フィラーと高純度フィラーの特性の表示順序は、粘性が小さいものから大きいものの順に並べなおして表示してある。但し、大粒子と小粒子は図1に示した通りである。
【0048】
【表1】
Figure 0004296260
【0049】
まず、従来の評価特性の比表面積、平均粒子径、傾斜角度では、粘性の傾向を理解できず、評価指標として機能しないことがわかった。即ち、表1に明らかなように、汎用フィラーの粘性との間には、明瞭な相関性が見られない。また、平均粒子径と傾斜角度の傾向が一致する試料5〜8の高純度フィラーでも、例えば試料5と7は、図9に示すように大粒子同士が癒着している場合が比較的多く観察され、粘性に影響を及ぼすはずであるが、それらを粒状物質特性から判断できない。同じ問題が、平均粒子径を変えた場合、粒表面に付着した小成分のみを変えた場合、表面に化学的修飾を行った場合、でも指摘されている。これらの原因は、従来の評価特性の比表面積、平均粒子径、傾斜角度では、粒表面および粒間の微細成分や、大粒子の粘度への寄与のすべてが積算されてしまうため、と説明される。
【0050】
封止材料では、通常、これらの指標が単一で変化するとは考えにくい。このとき、比表面積のような包括的な指標では、個々の変化が積分化してしまうため、粘性との関係が不明瞭になったものと考えられる。また、高純度フィラーの平均粒子径及び傾斜角度と粘性のみに相関性が確認された理由は、高純度フィラーでは、粒表面および粒間の小成分より、大粒子の粘性への寄与が大きかったため、と説明される。高純度フィラーは、火炎条件や分級などの単位操作の精密度を高め、リードエラー原因となるアルファ線や、粒子径分布や形状の低制御性を改善している。これにより、大粒子を基準として補助として微細成分を詰める封止工程が可能となり、Hosfield模型などの充填モデルが機能するようになっている。平均粒子径及び傾斜角度は、大粒子の影響が大きいため、高純度フィラーでのみ、平均粒子径及び傾斜角度と粘性に相関性が確認されたといえる。
【0051】
一方、本発明の仮想篩い分け法で求めた粒間の小成分量、粒間の大成分量、体積/面積比により、粘性の傾向を理解できるのみならず、封止材料特性にとって重要な現象が、初めて明らかとなった。即ち、(1)汎用フィラーは、粒表面と粒間の小成分が相対的に多いほど粘性が大きく、大粒子が多いほど粘度が小さい、また、(2)高純度フィラーは、粒表面と粒間の小成分が相対的に多いほど粘性が小さく、大粒子が多いほど粘性が大きい、という現象である。この結果は、汎用フィラーは粒表面や粒間の小成分の粘性への寄与が大きく、高純度フィラーは大粒子の粘性への寄与が大きい、ということを示している。そして、本発明の仮想篩い分け法で求めた粒間の小成分量、粒間の大成分量、体積/面積比により、(1)粒間に含まれる小成分量は、汎用フィラーの粘性と比例関係がある、(2)粒間に含まれる大粒子量は、高純度フィラーの粘性と比例関係がある、(3)大粒子の寄与が大きい体積/面積比は、汎用フィラーとは相関性が見られず、高純度フィラーの粘性とのみ比例関係がある、というように、傾向を定量的に表現することが可能である。また更に、これらの結果から考察して、半導体封止材料の特性向上への指針を導くこともできた。即ち、(1)封止工程(=大粒子を中心に補助として微細成分を詰める充填モデルを使う工程)は、「粒表面や粒間の微細成分の粘性への寄与が大」の汎用フィラーではなく、「大粒子の粘性への寄与が大」の高純度フィラーで成立しやすいこと、(2)従来の封止材料設計は、充填モデルを重視するあまり、汎用フィラーと高純度フィラーが混用されていたことが、レオロジー挙動の理解をかえって難しくしていたこと、が指摘できる。
【0052】
これらは、「大粒子を先に入れる(=微細成分を先につめると大粒子は入りにくい)」という考え方により理解できる。すなわち、封止材料のような高充填率系材料の場合、鋳込み成形体のスラリーなど「ケーキミックス」のように、樹脂に粒子を充填するというより、「そば粉と水」のように、粒子だけを充填すると考えることが適当であり、「大粒子の影響が機能するほど余裕がある状態」(高純度フィラー)だから、「微細成分の充填モデル」も機能する。整粒されておらず、既に「微細成分の凝集状態」や「微細成分を介した大粒子のコロ効果」が働いている状態(汎用フィラー)では、微細成分を詰める設計法は機能しない、と考えられる。
なお、本実施例では、材料特性として、粒状物質特性に直結した指標であることから、粒子と樹脂のコンパウンドの粘性を評価した。しかし、これに限定されるものではなく、粘性から、高熱伝導、高放熱性、低誘電率、低電気伝導等の諸特性との相関をつけることが可能である。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の粒子モルフォロジーの評価・検出ソフトウェア、又は検出方法、又は制御方法、又はその粒子が持つ欠点を克服し、現時点ではそれぞれ単独の装置で個別にしか評価されていない評価指標を、少なくとも2つ以上同時に評価することにより、特に、(1)粒子径分布、平均径、比表面積などの既往の粒子モルフォロジー特性の指標では検出できない粒子径分布の細かな構成要素(評価指標)を簡便に測定すること、(2)粒子モルフォロジー特性に関する既往の評価法は「同じ粒子でも方法が違えば異なる結果」となり、製造現場での結果の理解や相互比較など、ユーザビリティーが十分ではない問題を解決すること、(3)粒子モルフォロジー特性に関する既往の評価法は相当径評価が多く、角柱状粒子の一次元単位の生データを表す評価指標など、球の直径以外の1次元単位を有する量を簡便に測定すること、により、既往の評価法の持つ問題点を解決できる。
【0054】
その結果、(1)粒子表面の少なくとも一部分に付着した粒子の大きさ又は含有量又は形状、(2)粒子の間に含まれた粒子の大きさ又は含有量又は形状、(3)従来法では評価できなかった粒子形状(実測した粒子の体積と面積とから算出する1次元単位を有する量)を、高価な新設備や工程変更を強いずに、工業的に整合する手段で、定性的傾向に留まらず、定量的に評価、又は検出、又は制御することを達成できる。更には、(1)従来「比表面積」として総花的に表現され、区別できなかった粒子表面と粒子間の粒子とを区別すること、(2)「粒子自体に由来する表面の粗さ」と「外から付着した微粒子」の区別すること、(3)「粒子全体の扁平度」と「局所的な角の丸み」との区別、(4)非球状粒子の短径と長径等、1次元の生データを正確に、区別して得ること、等、が可能となる。
これにより、例えば、熱伝導性フィラー、樹脂封止型半導体装置、錠剤用基材組成物、又は吸入製剤用基材組成物用の、新規な評価方法、検出方法、又は制御方法、又はその粒子を提供するという、格別の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で対象とする「粒子表面に付着した量」又は「粒子間に含まれる量」を大・小2成分に簡略化した模式図である。
【図2】本発明の仮想・篩い分け法(バーチャル篩い)の概念図である。
【図3】実施例1の概念図と測定例である。この場合の「篩い分けの『目開きサイズ』」は、光回折・散乱法と電気的検知帯法の「検出範囲」の差、である。
【図4】実施例2の概念図と測定例である。この場合の「篩い分けの『目開きサイズ』」は、沈降法の「沈降時間」の差、である。
【図5】実施例3の概念図と測定例である。この場合の「篩い分けの『目開きサイズ』」は、画像解析法の「撮影倍率」の差、である。
【図6】実施例4の概念図と測定例である。この場合の「篩い分けの『目開きサイズ』」は、粒状物質の測定場への導入方向の、鉛直〜水平までの「角度」の差、である。
【図7】実施例5の概念図と測定例である。この場合の「篩い分けの『目開きサイズ』」は、電気的検知帯法と画像解析法の「体積÷面積の比」の差、である。
【図8】実施例2と実施例3の具体例である。
【図9】実施例6の、汎用フィラー4種と高純度フィラー4種の電子顕微鏡写真である。
【図10】実施例6の、汎用フィラー試料1の粒子径分布である。
【図11】実施例6の、汎用フィラー試料1の面積比分布である。
【符合の説明】
10 大成分(大粒子径の粒状物質)
11 小成分(小粒子径の粒状物質)
12 大成分の表面に付着した小成分
13 大成分の間に含まれた小成分
20 大・小2成分以上の粒状物質から構成される粒状成分系
21 大成分の粒状物質の大きさと成分割合の信号
22 小成分の粒状物質の大きさと成分割合の信号
23 篩い分けの目開きサイズ、即ち、粒状物質の検出範囲の差、検出時間の差、倍率の差、検出角度の差、又は体積/面積比の差
24 バーチャル篩い、即ち、光回折・散乱法、電気的検知帯法、沈降法、画像解析法、の群から選ばれる2つ以上方法で得られた、粒状物質の大きさと成分割合の信号差を比較する装置
30 伸張度の違う2成分以上の粒状物質から構成される粒状成分系
31 大伸張度成分の粒状物質の形状と成分割合の信号
32 小伸張度成分の粒状物質の形状と成分割合の信号
40 光回折・散乱法による評価結果(この場合「粗目開きの篩い」に相当)
41 電気的検知帯法による評価結果(この場合「細目開きの篩い」に相当)
50 大・小2成分以上、及び粗大化した粒状物質から構成される粒状成分系
51 粗大粒子、又は凝集粒子
52 凝集粒子の相当直径
53 水平方向に粒状物質を導入した場合の評価結果
54 鉛直方向に粒状物質を導入した場合の評価結果
55 粒子間に含まれる小成分だけを篩い分けした状態
56 粗大粒子、又は凝集粒子を篩い分けした状態
60 伸張度の違う2成分以上の粒状物質から構成される粒状成分系
61 粒状物質を相当図形(相当球)に変換した状態
62 相当直径
63 電気的検知帯法による実測体積
64 画像解析法による実測断面積
65 実測奥行き度(=62÷63)
66 大伸張度成分の粒状物質の形状と成分割合の信号
67 小伸張度成分の粒状物質の形状と成分割合の信号

Claims (8)

  1. 少なくとも大・小2成分以上の粒子径の粒状物質、又は2種以上の形状の粒状物質から構成される粒状成分系の篩い分け方法において、
    (1)以下の1)〜)のいずれか1つの値の差、
    1)光回折・散乱法と電気的検知帯法の検出範囲の差、
    )画像解析法の撮影倍率差、
    )画像解析法の粒状物質、又は粒状物質が分散された粒状成分系の、導入方向の鉛直から水平までの角度差、
    )電気的検知帯法で評価された粒状物質体積と、画像解析法で評価された粒状物質面積の比の差、
    を篩い分けの目開きサイズとすること、
    (2)それにより、粒状物質の少なくとも大・小2成分以上の粒子径とその粒状物質を構成する成分比、又は粒状物質の2種以上の形状とその粒状物質を構成する成分比を篩い分けること、
    (3)該粒状物質の篩い分け方法を利用して、粒状物質のモルフォロジーを評価すること、
    を特徴とする粒状物質の評価方法。
  2. 粒状物質の粒子径の検出において、光回折・散乱法と電気的検知帯法で検出可能な粒状物質サイズの検出範囲の差を利用し、積算粒子径分布で表した光回折/散乱法の測定結果、及び電気的検知帯法の測定結果を指標として、粒状物質のモルフォロジーを評価する、請求項1に記載の粒状物質の評価方法。
  3. 粒状物質の粒子径の検出において、液中沈降透過法における評価時間の違いにる重力分級処理を行い、大粒子間に含まれた小粒子を除去して、大粒子成分、又は大粒子成分表面に付着した小粒子成分量を画像解析法により定量的に数値化した値を指標として、粒状物質のモルフォロジーを評価する、請求項1に記載の粒状物質の評価方法。
  4. 粒状物質の粒子径の検出において、画像解析法における2種類の検出倍率を組合わせることで、大粒子成分、又は大粒子成分表面に付着した小粒子成分の画像解析法の撮影倍率の差による解像度を利用することにより、粒状物質のモルフォロジーを評価する、請求項1に記載の粒状物質の評価方法。
  5. 粒状物質の粒子径の検出において、分散媒の流動を伴う画像解析法により、分散媒の導入方向を鉛直から水平までの度を調整した場合に、粒間に含まれる粒子、又は凝集粒子、又は粗大粒子、の篩い分け(分級)効率が変化することを利用することにより、粒間成分を評価する、請求項1に記載の粒状物質の評価方法。
  6. 粒状物質の粒子径の検出において、電気的検知帯法で評価された粒状物質体積と画像解析法で評価された粒状物質面積を指標として、非球状粒子の1次元のモルフォロジーを評価する、請求項1に記載の粒状物質の評価方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の粒状物質の評価方法により、粒状物質の大・小2成分以上のサイズ及びその粒状物質を構成する成分比、又は粒状物質の2種以上の形状及びその粒状物質を構成する成分比を制御することを特徴とする粒状物質の制御方法。
  8. 請求項7に記載の粒状物質の制御方法により所望の粒状物質成形体又はその焼結体を設計し、製造することを特徴とする成形体又はその焼結体の製造方法。
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