JP4290043B2 - 量子計算装置及び方法並びに計算時間評価方法 - Google Patents

量子計算装置及び方法並びに計算時間評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、量子的な状態を使って演算を行う量子計算装置及び方法並びに計算時間評価方法に関するものである。
量子力学の性質を効果的に利用して情報処理を行う量子計算理論、量子情報理論が、近年、急激な進展を見せている。
量子計算の研究は、1960年代にIBMワトソン研究所のR.LandauerとC.H.Bennettの行った、計算の可逆性と熱力学に関する研究が最初と言われている(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3)。彼らは、通常考えられている計算という作業が、系全体のエントロピーが増大しない、可逆な物理過程で行えること、従って、エネルギーの消費は原理的にゼロに抑えられることを示した。
1980年代に、R.P.Feynmanは、量子力学的な原理を利用して計算を行えば、従来の古典的な計算機では難しいとされて来たある種の間顔、例えば量子系のシミュレーションなどが高速に解けるのではと予測した。また、同じ頃、P.Benioffはチューリング機械として動作する量子系について考察した(非特許文献4)。R.P.FeynmanもP.Benioffも、可逆化された計算を実行する量子系を、ハミルトニアンを使って書き下すことを念頭において研究を行っていた。
これらの先駆的な仕事の結果を踏まえて、D.Deutschは、量子計算を量子チューリング機械として定式化した(非特許文献5)。現在行われている量子計算に関する研究のほとんどは、このDeutschの量子チューリング機械を基礎に置いている。Deutschの量子チューリング機械は、古典的な確率的計算アルゴリズムにおける計算機内部の状態と、その状態が実現される確率を、量子状態と振幅に置き換えたもので、非常に見通しが良くなっている。
具体的な量子計算アルゴリズムを考える場合は、Deutschの量子チューリング機械ではなく、量子ゲート・ネットワーク(quantum circuit)と呼ばれるモデルを基にする場合が多い(非特許文献6及び非特許文献7)。これは、あらかじめ初期状態として用意された複数のqubitに逐次的にユニタリー変換(量子ゲート)を作用させて計算操作を進めていくもので、量子ゲートで構成される回路を想像すればよい。量子ゲート・ネットワークモデルは、量子系のハミルトニアンの詳細については一切触れず、量子状態とユニタリー変換のみを考えており、その意味で非常に簡素化されている。
D.Deutschが量子チューリング機械を定率化して以降、量子計算アルゴリズムの研究は急速に発展し、いくつかの重要な発見がなされた。
現在、最も良く知られている量子計算アルゴリズムは、1994年にP.W.ShorとD.R.Simonによって発表された因数分解アルゴリズム(Shorのアルゴリズム)である(非特許文献8、非特許文献9及び非特許文献10)。一般に、与えられた巨大な整数を因数分解せよという問題は、極めて難問であることが知られている。通常の古典計算機によるどのアルゴリズムも、整数の桁数をLとすると、計算時間はLの指数関数としてふるまう。従って、桁数Lが増大すると計算時間は爆発的に増大し、例えば、300桁程度で現在の最高速のコンピューターでも解くことは事実上不可能となってしまうと言われている。そのため、巨大な整数の因数分解はインターネット等の情報通信の世界で暗号の鍵として利用されている。
しかし、Shorのアルゴリズムを使えば、桁数Lの二乗程度の時間で解けてしまうことが示される。また、Shorのアルゴリズムは、因数分解だけでなく、離散対数計算問題も効率良く解いてしまう。離散対数計算問題も現代の暗号技術に深く係わっている。
この他に良く知られている量子計算アルゴリズムとして、ここでは次の二つを挙げておく。
一つ目は、DeutschとJpzsaのアルゴリズムと呼ばれるもので、量子計算アルゴリズムとしては最初のものと考えられている(非特許文献11)。これは、ある与えられた未知の関数(オラクル)の性質が、量子計算を使えば、古典的な方法より少ないステップ数で調べられることを示したものである。
二つ目として、Groverのアルゴリズムが挙げられる(非特許文献12、非特許文献13及び非特許文献14)。これは、命題充足可能性問題(SAT problem、NP完全問題の一つ)と呼ばれる問題に対するアルゴリズムとして提出された。Groverのアルゴリズムは、任意の(log2N)-bit列の中で、与えられた条件式をみたすbit列を、Ο(√N)ステップ程度の計算量で見付け出してくれる。古典計算機の場合、条件式(命題)の数学的な構造は考えず、しらみつぶし的に全ての入力である(log2N)-bit列について調べていくと、計算量はΟ(N)回程度となる。量子計算機では、このような、しらみつぶし的調査がΟ(√N)ステップ程度で済むということになる。
Groverのアルゴリズムは、その働きが一種の検索を連想させるので、量子高速検索アルゴリズムといった呼ばれ方をする場合があるが、本来の検索という意味は持っておらず、目的とする状態の振幅を増大させるプロセスという理解の仕方が正確と考えられる(非特許文献15)。
これらの研究の進展に伴い、多くの研究者がこの分野に参入し、新しい量子計算アルゴリズムの開発、現実の物理系による実現方法の提案などが、活発に行われるようになっている。
また、量子的な状態によって情報を取り扱う、量子情報理論の分野でも、新しい提案がなされ、近年、盛んに研究されるようになった。この中には、量子力学の不確定性や、もつれ合った状態の性質を利用した量子暗号の研究や、外部の環境の系との相互作用のために量子通信路を通る量子力学的な状態が乱される(デコヒーレンスを受ける)、noisy quantum channel(量子雑音通信路)の研究が含まれている。
ここでは、本発明と関連のある、R.P.Feynmanの考えた量子計算と、Krausの表現と呼ばれるnoisy quantum channel(量子雑音通信路)の定式化を、従来の技術として紹介する。
1)[R.P.Feynmanの考えた量子計算]
(非特許文献16)
すでに説明したように、R.P.Feynmanの考えた量子計算は、現在主流となっているD.Deutschの定式化した量子チューリング機械モデルより以前に考えられていたモデルである。Feynmanの量子計算は、計算という行為を可逆な過程として表現し、これを量子力学のユニタリー変換として実現するハミルトニアンを構成することに力が注がれでいる。これは、当時の研究が、計算操作をエントロピーの増大しない物理系で実現し、熱の発生を抑えることを目的としていたからと考えられる。そのため、計算効率については、それほど重要視されていない(D.Deutschの量子チューリング機械モデルでは、計算効率が重視されている)。この点を踏まえて、以下に、Feynmanの量子計算について、概略を述べる。
量子計算機では、通常、qubitと呼ばれる二準位系をいくつか用意し、これに適当なユニタリー変換を作用させて計算を進行させる(正確には、qubitとは、二次元のHilbert空間上で定義される量子系で、二つの規格化された互いに直行するケットベクトル{|0〉,|1〉}の重ね合わせで記述される。しかし、簡単に二準位系と考えても差し支えない。本明細書では、このような二準位系だけでなく、三準位系も使った量子計算機を考えている。)。
qubitの任意の状態は
Figure 0004290043
で表わされる。レジスターとして、n個のqubitを用意すると、その状態は次のように書き表される。
Figure 0004290043
|xi〉(xi∈{0,1}, i=1,…,n)は、(1)で表わされるi番目のqubitの基底を表わしているとする。
なお、これらn個のqubitは全て互いに区別可能で、個別に測定等ができるとする(n−qubit全体を同種粒子とは考えない)。従って、|φR〉は2n次元Hilbert空間上で定義される任意の状態である。
この2n次元Hilbert空間の単位ケットベクトル|φR〉に、
Figure 0004290043
という、一連のユニタリー変換を作用させるとする。例えば、V1 (1,2)は|x1〉と|x2〉の二つのqubitに作用する2-bit reversible exclusive-or gate、
Figure 0004290043
であるとしてもよい(非特許文献7)。
次に、(3)で示される順番にm個のユニタリー演算子を作用させるハミルトニアンを横成することを考える。そのため、(2)で設定したn個のqubitのレジスターとは別に、(m+1)個のプログラム実行番号を表わすためのqubitを用意する。このような、プログラム実行番号を表わすためのqubitをprogram counter sitesと呼ぶことがある。
従って、全体で、
Figure 0004290043
ただし、
Figure 0004290043
というqubitの配列が用意されたことになる。本明細書では、|ΨC〉をプログラム実行番号用qubit部、|φR〉を計算レジスター用qubit部と呼ぶことにする。
また、本明細書では、プログラム実行番号用qubit部の系で定義されていることを強調するために、Cという添字を状態ベクトルや演算子に付けることがある。同様に、計算レジスター用qubit部の系で定義されていることを強調する際に添字Rを、プログラム実行番号用qubit部と計算レジスター用qubit部の結合系で定義されていることを強調する際に添字CRを、状態ベクトルや演算子に付けることがある。
ハミルトニアンは次のように構成するとよい。
Figure 0004290043
ただし、{ci,ci }=1、cii=ci i =0 for i=0,…,mとする。H=Hが成立していることに注意する。ci iは、プログラム実行番号用qubit部(系C)|yi〉に作用する生成、消滅演算子で、
Figure 0004290043
をみたす。しかし、すでに説明したように、各qubitは個別に区別可能な粒子なので(同種粒子とは見なさない)、異なるqubitに作用する演算子は全て互いに可換とする。よって、
Figure 0004290043
となる。Vi、Vi は、すでに説明したように計算レジスター用qubit部(系R)に作用するユニタリー演算子である。
(5)で与えられるハミルトニアンによって
Figure 0004290043
が時間発展する場合、プログラム実行番号用qubit部のケットベクトル|y0,…ym〉の、状態|1〉にあるqubitの総数は保存する。これは、Hの各項に、必ずqubitの生成、消滅演算子が一つずつ対になって含まれているからである。Hのこの性質は、Vmm-1…V1を順に作用させる際に、大切な役割を果たす。
計算操作は次のように進行する。初期状態として、
Figure 0004290043
を用意する。qubit全体を無限小時間Δtだけ発展させると、Hに含まれる項のうち実質的に作用できるのはc1 01の項だけなので、
Figure 0004290043
となる。このような無限小時間発展を続けて行うと、
Figure 0004290043
となる。ただし、ここで示した近似計算では、Δtの1次のオーダーまでしか取り込んでいない。
次の点に注意する。(7)で作られた、
Figure 0004290043
という状態は、もう一度、無限小時間発展
Figure 0004290043
を作用させることによって、
Figure 0004290043
に分かれる。このように、無限小時間発展
Figure 0004290043
を繰り返し作用させることは、計算操作の前進と後退の両方を引き起こす。
次の極限操作を考える。
Figure 0004290043
この状態は、
Figure 0004290043
の重ね合せと考えられる。ただし、V0=Iとしている。|iC〉はプログラム実行番号用qubit部で、
Figure 0004290043
をみたすとする。|iC〉は、次のように、プログラム実行番号用qubit部で、ただ一つi番目のqubitが|1〉、他のqubitは全て|0〉という状態である。
Figure 0004290043
Hの各項が作用して、プログラム実行番号用qubit部の|1〉の状態が左端から右端に動くにつれて、順次、Viが計算レジスター用qubit部に作用されていく。このように、(5)で与えられるハミルトニアンで記述される量子計算機では、実行プログラムの各ステップでの状感が重ね合わされているという特徴を持っている。
2)[noisy quantum channel(量子雑音通信路)とKrausの表現]
(非特許文献17)
送信者Aから受信者Bに、適当な通信路を使って、量子力学的な状態を信号として送り、情報のやり取りを行う場合を考える(図4の(i))。通信路において、外部の環境との相互作用によって、送信者Aからの量子力学的な状態が変化し、状態のコヒーレントな性質が損なわれた場合、送信者Aからの量子的な信号は雑音を受けたことになる。このように、外部の環境との相互作用によって信号となる量子力学的な状態が損なわれる通信系を、noisy quantum channel(量子雑音通信路)と呼ぶ。
noisy quantum channel(量子雑音通信路)は、図4の(ii)のように考えると定式化しやすい。通信系Q(system)が、環境E(environment)と相互作用しながらユニタリー発展する。例えば、初期で系Q,Eがそれぞれ純粋状態にあって、その後、系Q,Eが相互作用しながらユニタリー発展して結合系QEが純粋状態にあっても、系Qだけについて見ると、混合状態になっている場合がある。このようなとき、系Qで通信を行っている送信者A、受信者Bは、信号となる状態のコヒーレントな性質が損なわれた、すなわち、デコヒーレンスが生じたと感じるのである。
そこで、noisy quantum channel(量子雑音通信路)の系の発展は、次のように書ける。系Q,Eの定義されるHilbert空間を
Figure 0004290043
とする。系Qの初期状態をρQ、系Eの初期状態をある純粋状態|0E〉〈0E|とする。結合系QEのユニタリー発展を表す演算子をUQE(UQE†QE=I(ヘ゛クトル))。このとき、系Qの状態は次のように変化する。
Figure 0004290043
TrEは、H(Hilbert)Eで部分的にトレースを取るという意味である。
(Hilbert)Eの正規直交基底を{|μE〉}とする。また、議論を簡単にするために、系Qが初期で純粋状態ρQ=|φQ〉〈φQ|にあったとする。すると、
Figure 0004290043
と書ける。
ここで、
Figure 0004290043
としてAμ Qを定義する。Aμ Qは|φQ〉に対して線形な演算子で、(11)は
Figure 0004290043
と書き直せる。(13)は、ρQが純粋状態として導いたが、ρQが一般の混合状態の場合であっても同様に成立する。
また、任意の|φQ〉∈H(Hilbert)Qに対して、
Figure 0004290043
より、
Figure 0004290043
が成立する。
ここで、次のことに注意する。H(Hilbert)Eの正規直交基底{|μE〉}のラベルと、(12)のAμ Qの添え字は一致している。このように、(13)での和の添え字は、H(Hilbert)Eの次元数に一致する。
一般に、noisy quantum channel(量子雑音通信路)の系Qの力学的発展を表す写像を、ρQ→$QQ)とすると、物理的な考察から$Qは次の条件をみたす。まず、$Qは、系Qの任意の密度演算子ρQに対して線形である。また、確率保存の要請より、$Qはtrace-preservingである。さらに、系Qの密度演算子の固有値は、確率として意味を持つために常に正または0でなくてはならず、よって、$Qはpositive semi-definiteである。最後に、系Qに、もう一つの系Q′を付け加えて、複合系QQ′の発展を
Figure 0004290043
に拡張した際、上記式もpositive semi-definiteであるという、complete positiveの性質を$Qは持つ。
これらの条件をみたす写像$Qは、trace-preserving,completely positive linear mapと呼ばれている。すでに、$Qの表現として、(10)と、(13)および(15)を示した。$Qの(10)による表現の仕方は、unitary representationと呼ばれることがある。$Qの(13)、(15)による表現の仕方は、operator Sum representation、または、Krausの表現と呼ばれることがある。
さらに、次のことが知られている。
1.全ての、trace-preserving,completely positive linear map $Qは、unitary representationを持つ。
2.全ての、trace-preserving,completely positive linear map $Qは、operator sum representationを持つ。
noisy quantum channel(量子雑音通信路)の代表的なモデルの例として、Pauli channelが知られている(非特許文献18)。本明細書では、特に、one-Pauli channel、および、two-Pauli channelが実施形態の中で取り上げられている。
C.H.Bennett, 'Logical Reversibility of Computation', IBM Journal of Research and Develeopment,17,525-532,(1973) 'The Themodynamics of Computation- a Review',Int.J.Thor.Phys.,21,pp.905-940,(1982) R.P.Feynman,'Feynman Lectures on Computation',Addison-Wesley Publishing Company,INC.(1996) P.Benioff,'Quantum Mechanical Models of Turing Machines That Dissipate No Energy',Phys.Rev.Lett.48,1581(1982) D.Deutsch, 'Quantum thory, the Church-Turing principle and the universal quantum computer', Proc.R.Soc.Lound. A 400, 97-117(1985) D.Deutsch,'Quantum computational networks',Proc.R.Soc.Lond.A 425,73-90(1989) A.Barenco, C.H.Bennett, R.Cleve, D.P.DiVincenzo, N.Margolus, P.Shor, T.Sleator, J.Smolin and H.Weinfurter, 'Elementary gates for quantum Computation', Phys. Rev. A 52,3457(1995) D.R.Simon, 'On the Power of Quantum Computation', in Proceedings of the 35th Annual Symposium on Foundations of Computer Science(ed.S.Goldwasser), IEEE Computer Society Press, Los Alamitos, CA, pp.116-123(1994) P.W.Shor,'Algorithms for quantum computation: Discrete logarithms and factoring',in Proceedings of the 35th Annual Symposium on Foundations of Computer Science(ed.S.Goldwasser), IEEE Computer Society, Los Alamitos, CA, pp.124-134(1994) P.W.Shor, 'Polynomial-Time Algorithms for Prime Factorization and Discrete Logarithms on a Quantum Computer', LANL quantum physics archive quant-ph/9508027, SIAM J.Computing 26(1997)1484 D.Deutsch and R.Jpzsa,'Rapid solution of problems by quantum computation', Proc.R.Soc.Lond.A(1992)439,553-558 L.K.Grover,'A fast quantum mechanical algorithm for database search', LANL quantum physics archive quant-ph/9605043 L.K.Grover, 'Quantum Mechanics Helps in Searching for a Needle in a Haystack', Phys.Rev.Lett.79,325(1997) M.Boyer, G.Brassard, P.Hφyer and A.Tapp, 'Tight bounds on quantum searching', LANL quantum physics archive quant-ph/9605034, Fortschr.Phys.46,493-506(1998) 細谷暁夫、「グローバーのアルゴリズム」、数理科学「特集、量子コンピュータ」、No.424,pp.29-35,1998年10月号、サイエンス社 R.P.Feynman,'Feynman Lectures on Computation', Section Six, 'Quantum Mechanical Computers', Addison-Wesley Publishing Company, INC.(1996) B.Schumacher,'Sending entanglement through noisy quantum channels,'Phys. Rev.A 54,2614(1996),LANL quantum physics archive quant-ph/9604023 C.H.Bennett, C.A.Fuchs and J.A.Smolin, 'Entanglement-Enhanced Classical Communication on a Noisy Quantum Channel', Quantum Communication, Computing,and Measurement, edited by Hirota et al., Plenum Press, New York, p.79(1997), LANL quantum physics archive quant-ph/9611006
上記従来技術で説明した、Feynmanの考えた量子計算は、理論的には重要な提案だったが、具体的に、どのような物理系の相互作用を使えば、意味のある演算操作を行えるのか、また、演算操作がどの程度の時間で行えるのか、等の現実的な問題については、あまり、議論されていなかった。
本発明は、Feynmanの考えた量子計算について、特定の演算を実行するのに適した、具体的な物理系の相互作用を選び出して、実現可能な計算機を提供すること、また、その計算機による効果的な計算方法、さらに、その計算方法によって行われる演算操作の時間の評価方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明による量子計算装置は以下の構成を備える。すなわち、
各々個別に識別することが可能な二準位系または三以上の準位を持つ量子系であるqubitを複数個用意し、これらのqubitによってプログラム実行番号を表すための複数のqubitからなる第1qubit部と、計算レジスター用に使用される複数のqubitからなる第2qubit部とを構成し、これら2つのqubit部に属するqubit間の相互作用によって引き起こされるユニタリー時間発展によって、演算操作を行う量子力学的な状態を利用した演算手段と、
プログラム実行番号を表す前記第1qubit部を、適当な基底で観測する観測手段とを備える。
また、上記の目的を達成する本発明の量子計算方法は、
プログラム実行番号を表すための複数のqubitからなる第1qubit部と、計算レジスター用に使用される複数のqubitからなる第2qubitの、これら2つのqubit部に属するqubit間の相互作用によって引き起こされるユニタリー時間発展によって、量子力学的な状態を利用した演算操作を行う演算工程と、
前記第1qubit部を適当な基底で観測し、前記演算操作が終了したかどうかを識別する識別工程とを備える。
また、本発明によれば、上記量子計算方法における計算時間評価方法であって、
前記識別工程における、観測による計算終了の識別行為を、前記第1qubit部の初期状態を入力とし、この入力が、時間発展の間、別の系、すなわち、計算レジスター用qubit部との相互作用によってデコヒーレンスを受け、出力部であらかじめ定められた、正常に終了したことを示す状態を受信する量子雑音通信路と解釈して、前記のあらかじめ定められた正常に終了したことを示す状態を受信する確率を計算する確率計算工程と、
前気化区立計算工程により前記演算操作の終了のための全時間の期待値を求め、この期待値を最小にする、量子計算機の一回当たりの動作時間を評価する評価工程とを備える計算時間評価方法が提供される。
本発明によれば、Feynmanの考えた量子計算について、特定の演算を実行するのに適した、具体的な物理系の相互作用を選び出して、実現可能な計算機が実現される。また、その計算機による効果的な計算方法、さらに、その計算方法によって行われる演算操作の時間の評価方法が提供される。
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
<実施形態の概要>
まず、実施形態の概要を述べる。本実施形態は、Feynmanの考えた量子計算機として、プログラム実行番号を表すqubit部分と、計算レジスター用に使用されるqubit部分を用意し、これらのqubit間の相互作用から生じるユニタリー時間発展により演算操作を行う際、プログラム実行番号を表すqubit部を、適当な基底で観測することで、計算操作が終了したかどうかを識別する。
また、計算操作が正常に終了したことを示す状態がプログラム実行番号qubit部で観測されるまで、計算機内部の状態を初期化し、ある一定の時間、計算機内部の状態をユニタリー発展させ、プログラム実行番号qubit部を観測するという、一連の操作を繰り返す。
さらに、特定の演算を実行するのに適した、具体的な物理系(qubit)、および、(qubit間の)相互作用の選択として、(1/2)-spinを用意し、二つのスピンの内積による相互作用を利用する方法、および、プログラム実行番号qubit部には二準位系を、計算レジスター用qubit部には三準位系を用意し、二準位系の生成、消滅演算子と、三準位系の状態遷移演算子の結合した相互作用を利用する方法を採用する。
最後に、上記の方法によって行われる演算操作時間の評価方法として、観測による計算終了の識別行為を、相互作用によってデコヒーレンスを受ける量子雑音通信路での状態の伝送の問題と解釈して、正常終了確率を計算し、これによって計算操作終了の時間の期待値を求める。
以上により、二つのスピンの内積による相互作用を利用することによって否定ゲートが、二準位系の生成、消滅演算子と、三準位系の状態遷移演算子の結合した相互作用を利用することによって、1-bitの繰り上げを考慮した加算が実現される。
また、計算機の正常終了確率を計算することにより、最初に、計算機内部の状態を初期化し、次に、ある一定の時間、計算機内部の状態をユニタリー発展させ、最後に、プログラム実行番号qubit部を観測するという操作を、計算操作が正常に終了したことを示す状態がプログラム実行番号qubit部で観測されるまで、繰り返すとして、計算操作終了の時間の期待値を求め、一回当たりの計算機の動作時間を最適化することができる。
<各実施形態に共通する基本的な考え方>
ここで説明される内容は、複数のqubitによって、プログラム実行番号を表すためのqubit部と、計算レジスター用に使用されるqubit部を構成し、これらのqubit間の相互作用によって引き起こされるユニタリー時間発展によって、演算操作を行う量子計算機において、プログラム実行番号を表すqubit部を、適当な基底で観測することで、計算操作が終了したかどうかを識別し、計算操作が正常に終了したことを示す状態が観測されるまで、計算機内部の状態を初期化し、ある一定の時間、計算機内部の状態をユニタリー発展させ、プログラム実行番号qubit部を観測するという、一連の操作を繰り返す量子計算機、および、計算方法、についてである。
また、さらに、上記の量子計算機の量子計算方法における計算時間評価方法として、観測による計算終了の識別を、プログラム実行番号qubit部の初期状態を入力とし、この入力が、時間発展の間、計算レジスター用qubit部との相互作用によってデコヒーレンスを受け、出力部で正常に終了したことを示す状態を受信する量子雑音通信路と解釈して、正常に終了したことを示す状態を受信する確率を計算し、これによって、計算操作の終了のための全時間の期待値を最小にする、量子計算機の一回当たりの動作時間を評価することを特徴とする、量子計算機の計算時間評価方法、について説明する。
Feynmanの考えた量子計算機で、(9)から必要な計算結果であるVmm-1…V1R〉を得るには、次のようにするとよい。プログラム実行番号用qubit部に対して、{|iC)}を固有ケットとするような測定を行う。|mC)を観測すると、von Neumannの収縮仮説(M.B.メンスキー、「量子連続測定と経路積分」、吉岡書店、(1995))により、計算レジスター用qubit部の状態は、Vmm-1…V1R〉に収縮する。
プログラム実行番号用qubit部を観測して、|mC)以外の状態が観測された場合、計算レジスター用qubit部は、計算の途中段階にある状態に収縮してしまい、再度、初期状態にもどして計算をやり直すことになる。
時間tだけ発展させたプログラム実行番号用qubit部と計算レジスター用qubit部の結合系の状態を、
Figure 0004290043
と書くことにする。|0C)=|1,0,…,0C〉はプログラム実行番号用qubit部の初期状態を、|φR〉は計算レジスター用qubit部の初期状態を表している。例えば、|mC)を観測する確率Pφは、時刻tでのプログラム実行番号用qubit部の密度演算子を、
Figure 0004290043
として、
Figure 0004290043
で表される。
(17)は、次のように見方を変えることができる。
Figure 0004290043
ただし、{|μR〉}は、計算レジスター用qubit部の状態の張る2n次元Hilbert空間の正規直交基底となっている。
ここで、
Figure 0004290043
とする。Aμ,φ Cは、|ψC〉について線形な演算子で、添え字φは計算レジスター用qubit部の初期状態|φR〉に依存することを示している。このAμ,φ Cを使えば、
Figure 0004290043
ただし、
Figure 0004290043
となり、ρCはKrausの表現で与えられることが分かる。
このことから、Feynmanの考えたHamiltonianを使った量子計算での計算終了の判断は、Krausの表現で与えられるnoisy quantum channel(量子雑音通信路)でpure state|0C)を送って|mC)を受信することに置き換えられることが分かる。
Feynmanの量子計算機で、ある一定時間tだけユニタリー発展させてから観測を行い、もし、まだ計算が終了していなかったら、計算機を初期化して再び時間tだけ発展させて観測という操作を繰り返す場合について考える。時刻tでの計算が終了している確率は、0≦Pφ(t)≦1で与えられる。よって、最終的な計算終了時刻の期待値は、
Figure 0004290043
で与えられる。ただし、ここで、
Figure 0004290043
を使った。Pφ(t)がtをパラメーターとする関数であることに注意する。τ- φを最小にするtを求めることができれば、計算時間を節約することができる。
これまでに求めてきたPφ(t)、τ- φは、(18),(20),(21)からも明らかなように、計算レジスター用qubit部の初期状態|φR〉に依存している。一般の量子計算では、計算レジスター用qubit部の初期状態|φR〉は、必ずしも一意に決まっているとは限らず、さまざまな状態を取り得る場合もある。従って、τ- φが、対応する量子計算機の平均的な計算効率(計算時間)を、そのまま表しているとは限らないことに注意する。
<第1の実施形態>
ここで説明される内容は、qubitとして(1/2)-spinを用意し、プログラム実行番号qubit部と計算レジスター用qubit部の間の相互作用として、二つのスピンの内積による相互作用を利用することを特徴とする量子計算機、および、前記の量子計算機の構成方法において、否定ゲートを実行することを特徴とする量子計算機、および、計算方法に関するものである。
Feynmanの量子計算機の簡単な例として、Not-gateを実行するハミルトニアンについて考える。系Cをプログラム実行番号用qubit部、系Rを計算レジスター用qubit部とし、系C,R共に、1-qubitのHilbert空間(二次元)を考える。さらに、H(Hilbert)Cの基底を{|0C〉,|1C〉}、H(Hilbert)Rの基底を{|0R〉,|1R〉}とする。Not-gateは、次の操作を行う演算子の項を含むハミルトニアンを考えることに相当する。
Figure 0004290043
そこで、系CRの相互作用ハミルトニアンは次のように与えられる。
Figure 0004290043
ただし、cc 、ccは系Cのqubitの生成、消滅演算子、bR 、bRは系Rのqubitの生成、消滅演算子で、H(Hilbert)C、H(Hilbert)Rの基底を、
Figure 0004290043
と表示することにすると、
Figure 0004290043
と表される。なお、αは実数としている。
今後、c、cは系Cの、b、bは系Rの生成、消滅演算子と考え、添字C,Rは省略することにする。次の交換関係、
Figure 0004290043
が成立している。
(b+b)がユニタリー行列であることは明らかである。よって、(24)のΔHは、(5)のハミルトニアンのプログラム実行番号用qubit部が1-qubitしかない特別な場合と理解できる。
この相互作用ハミルトニアンは、さらに、次のように書き換えられる。
Figure 0004290043
ただし、
Figure 0004290043
とし、σxはPauli行列のx成分とする。Pauli行列は、
Figure 0004290043
のように表される。
このような相互作用を実現する系としては、具体的には、次のようなものを考えると良い。二つの(1/2)-スピンC,Rを用意し、互いに接近させ、x方向の磁場B(ヘ゛クトル)=(B,0,0)をかける(図1)。ハミルトニアンは次のように与えられる。
Figure 0004290043
ただし、ωC=μC/2,ωR=μR/2としていてる。
スピン−スピン相互作用の結合定数αが、Bによって生じるZeemanエネルギー、
Figure 0004290043
より十分弱い場合、スピン−スピン相互作用の項はx成分の積で近似できる(N.A.Gershenfeld and I.L.Chuang,'Bulk Spin Resonance Quantum Computation', Science,vol.275,p.350,January,1997,および、D.G.Cory, M.D.Price and T.F.Havel,'Nuclear magnetic resonance spectroscopy:an experimentally accessible paradigm for quantum computation',LANL quantum physics archive quantum -ph/9709001,および、北川勝浩、「NMR量子コンピュータ」、数理科学「特集、量子コンピュータ」、No.424,pp.43-50,1998年10月号、サイエンス社)。よって、ハミルトニアンは次の形で書き表せられる。
Figure 0004290043
ただし、
Figure 0004290043
となる。
0 C、H0 R、ΔHは、明らかに、
Figure 0004290043
をみたすので、ユニタリー発展演算子は、
Figure 0004290043
ただし、
Figure 0004290043
と分離することができる。このような場合、系Cの発展では、相互作用項ΔHが重要で、一体のハミルトニアンH0 C、H0 Rの効果は気にかけなくてよい。そのことを以下に説明する。
Figure 0004290043
での密度演算子ρCRは、次のように発展する。
Figure 0004290043
よって、系Cの発展を見ると、
Figure 0004290043
と書き表せられる。この、(30)で定義される$CC)は、ハミルトニアンとして相互作用項ΔHだけでなく、系Qの一体ハミルトニアンH0 Cも考慮されていることに注意する。また、これとは別に、相互作用項のみ考慮した、
Figure 0004290043
を定義しておく。
系Cに対して、H(Hilbert)C上のエルミート演算子TCで表される物理量の観測をすることを考える(TC†=TC)。TCの固定値、固有ケットを、
Figure 0004290043
とすると、{|i〉}はH(Hilbert)C上の正規直交基底を成す。$CC)に対して、固有値λiが観測される確率は、
Figure 0004290043
ただし、|i'C〉=U0 Q†|iC〉となる。
これは、$CC)に対してTCを観測することと、$〜CC)に対してU0 C†C0 Cを観測することが、同じ意味を持っていることを表している。そこで、本質的には、相互作用ハミルトニアンを表すΔH=κSx Cx Rの部分のみ考えれば良いと分かる。
これより、相互作用項ΔHのユニタリー発展演算子を具体的に求めることにする。UΔ CRは、次のように書き下された。
Figure 0004290043
ただし、
Figure 0004290043
とする。σx Cσx Rの行列表現は、
Figure 0004290043
と書くことができる。
σx Cσx Rは、次のようにユニタリー変換で対角化可能である。すなわち、
Figure 0004290043
とする。そこで、
Figure 0004290043
が得られる。よって、
Figure 0004290043
となる。
今、考えている系は量子通信のnoisy quantum channel(量子雑音通信路)において、環境R(E)が通信系C(Q)に対して盗聴を仕掛けている状況に相当する。系Cに対して、盗聴者は系Rの(1/2)-spinを近付け、時間tだけ相互作用を起こさせ、その後、系Rのspinを観測するのである。そこで、このnoisy quantum channel(量子雑音通信路)のKrausの表現を求めてみる。
系Rの初期状態を|0R〉とおく。(12)の定義より、
Figure 0004290043
が得られる(Aμ,0 Cの添え字0は、系Rの初期状撃が|0R〉であることを示している)。cosτ=√xとすると、
Figure 0004290043
ただし、
Figure 0004290043
というKrausの表現が得られる。これは、One-Pauli noisy channelと呼ばれる量子通信の分野では良く研究されているモデルである。
次に、計算時間の評価を行う。系Rの初期状態が|0R〉のとき、プログラム実行番号用qubit部Cは、初期状態|0C〉から次のように発展する。
Figure 0004290043
計算終了を示す状態|1C〉を得る確率P0は、
Figure 0004290043
で与えられる。計算終了時間の期待値は、
Figure 0004290043
のように表される。
(τ/sin2τ)のグラフを図2に示す。なお、図2のグラフでは、縦軸を底が10の対数スケールで、横軸を線形のスケールで表示している。τ≒1.16のとき、(τ/sin2τ)は最小値として約1.38をとる。よって、
Figure 0004290043
とすると、最も効率的にNot-gateが実行できて、実行時間の期待値は、
Figure 0004290043
となる。
確率1で確実にNot-gateを動作させるには(P0=1)、
Figure 0004290043
の時間が必要である。
系Rの初期状態が|1R〉のとき、Krausの表現は、
Figure 0004290043
で与えられる。計算時間の評価に関しては、系Rの初期状態が|0R〉の場合と同様で、
Figure 0004290043
となる。
実は、本実施形態の場合は、系Rの初期状態|φR〉がどのような状態であっても、Pφ=1−xが成立し、計算終了時間の期待値は
Figure 0004290043
となる。このことを、以下に説明する。|φR〉を任意の状態、
Figure 0004290043
とおくと、Krausの表現での演算子Aμ,φ Cは、
Figure 0004290043
のように表される。従って、
Figure 0004290043
が得られる。
このとき、プログラム実行番号用qubit部Cは、初期状態|0C)から次のように発展する。
Figure 0004290043
よって、
Figure 0004290043
となり、系Rの初期状態によらず計算終了時間は一定であることが示せた。
実際に、gateを操作するときは、次の順番で外部磁場をかける。まず、系Cの(1/2)-spinにのみz方向の外部磁場B(ヘ゛クトル)=(0,0,B)をかけて|0C〉に初期化する。次に、外部磁場B=(0,0,B)を切って、系Cのspinと任意の状態にある系Rのspinを近付けると同時に、x方向の外部磁場B(ヘ゛クトル)=(B,0,0)を系CRにかけて、Sx Cx R相互作用を起こさせる。所定の相互作用時間tが経過したら、外部磁場B=(B,0,0)を切って、さらに、系Cと系Rのスピンを離してスピン−スピン相互作用を切る。最後に系Cのスピンを読み出す。
<第2の実施形態>
ここで説明される内容は、プログラム実行番号qubit部には二準位系を、計算レジスター用qubit部には三準位系を使用し、qubit間の相互作用として、前記の二準位系の生成、消滅演算子と、三準位系の状態遷移演算子の結合した相互作用を利用し、1-bitの繰り上げを考慮した加算を実現する量子計算機、および、計算方法、に関するものである。
三準位系Rと二準位系Cが、次のハミルトニアンで相互作用して時間発展する物理系を考える。
Figure 0004290043
ただし、
Figure 0004290043
とする。
、cは二準位系Cの生成、消滅演算子で、{c,c}=1、cc=cc=0が成立するとする。系CのHilbert空間の正規直交基底として{|1C〉,|0C〉}、ただし、
Figure 0004290043
を取る。次の関係、
Figure 0004290043
が成立する。
また、Sμυ(μυ∈{+,0,-})は三準位系Rの状態遷移演算子で、系RのHilbert空間の正規直交基底を{|+R〉,|0R〉,|-R〉}として、
Figure 0004290043
のように定義される。このとき、
Figure 0004290043
より、S μν=Sνμが成立する。
(42),(43)は、二準位系Cのエネルギー
Figure 0004290043
の粒子が存在する状態を|1C〉、存在しない状態を|0C〉として、系Cの粒子の吸収、放出によって、三準位系Rの準位が上がったり、下がったりする系を表していると理解すればよい(図3)。なお、(42),(43)で、二準位系Cの換わりに、輻射場(光子の場)と相互作用させたものは、Jaynes-Cummingsモデルと呼ばれ、1960年代から詳しく研究されている。Jaynes-Cummingsモデルについての包括的な解説として、B.W.Shore and P.L.Knight,1993,'Topical review:The Jaynes-Cummings model',J.mod.Optics,40,1195,がある。
ΔHは系Cの初期状態を|1C〉とした場合、次の演算操作を引き起こすと考えられる。
Figure 0004290043
(ここで、今の場合は、これまでの議論とは異なり、系Cの初期状態を|0C〉でなく、|1C〉と設定していることに注意する。)よって、|-R〉を'0'、|0R〉を'1'、|+R〉を'10'と解釈すると、ΔHは2進数の任意の1-bitに1を加える計算を行い、かつ、桁のくり上がりを表示するgateを実行すると考えられる。
ΔHは次のように書き変え可能である。
Figure 0004290043
とする。また、
Figure 0004290043
より、J+、J-はユニタリーでないことが分かる。
このように、(42),(43)のΔHは、(5)で示されるFeynmanの量子計算機とはやや異なった形をしている。しかし、系Cをプログラム実行番号用qubit部と考えると、計算レジスター用qubit部系Rに操作J+を行っているという点で、Feynmanの量子計算機と似た動作をしている。また、ΔHはエルミート(ΔH=ΔH)であり、物理系として成立している。そこで、本実施形態も、Feynmanの量子計算機の特殊な例と考え、話を進めることにする。
μνηζ=δνημζに注意すると、
Figure 0004290043
を得る。特に、
Figure 0004290043
とすると、[H0,ΔH]=0が成立し、相互作用項ΔHが重要で、H0の項は本質的でないことが示される。そこで、これより、議論を簡単にするため、(48)が成立する場合についてのみ考えることにする。
このとき、ユニタリー発展演算子は、
Figure 0004290043
と分離することができる。さらに、
Figure 0004290043
ただし、
Figure 0004290043
とすれば、明らかに、[H0 C,H0 R]=0が成立するので、
Figure 0004290043
と分離できる。よって、最終的に、
Figure 0004290043
と分離される。U0 CとU0 Rは可換だが、UΔと、U0 C及びU0 Rは可換でないことに注意する。
Figure 0004290043
での密度演算子ρCRは、
Figure 0004290043
のように発展する。よって、系Cの発展について見ると、
Figure 0004290043
と書ける。よって、第一の実施形態での考察と同様にして、エルミート演算子TCで表される物理量を観測する場合、$CC)に対してU0 C†C0 Cを観測していると解釈すれば良いことが分かる。そこで、相互作用ハミルトニアンを表すΔH=κSx Cx Rの部分が本質的と考えることにする。
相互作用項ΔHによるユニタリー発展演算子
Figure 0004290043
を具体的に求めることにする。H(Hilbert)Cの基底を
Figure 0004290043
と表示することにする。また、H(Hilbert)Rの基底を
Figure 0004290043
ただし、
Figure 0004290043
と表示することにする。ここで、|+R〉と|1R〉、|-R〉と|-1R〉が異なる基底であることに注意する。これにより、
Figure 0004290043
と表される。
これより、ΔHの行列表示は次のように得られる。
Figure 0004290043
ただし、
Figure 0004290043
とする。
ΔHを次のようにユニタリー変換によって対角化する。
Figure 0004290043
ただし、
Figure 0004290043
とする。これにより、
Figure 0004290043
ただし、
Figure 0004290043
となる。よって
Figure 0004290043
ただし
Figure 0004290043
また、√x=cosτとなる。
今、考えている系は量子通信のnoisy quantum channel(量子雑音通信路)において、環境R(E)が通信系C(Q)に対して盗聴を仕掛けている状況に相当する。系Cに対して、盗聴者は系Rの三準位系を近付け、時間tだけ相互作用を起こさせ、その後、系Rを観測するのである。そこで、このnoisy quantum channel(量子雑音通信路)のKrausの表現を求めてみる。
系点の初期状態を|0R〉とおく。(12)の定義より、
Figure 0004290043
となり、
Figure 0004290043
ただし、
Figure 0004290043
というKrausの表現が得られる。これは、、Two-Pauli noisy channelと呼ばれる量子通信の分野では良く研究されているモデルである。
次に、計算時間の評価を行う。系Rの初期状態が|0R〉のとき、プログラム実行番号用qubit部Cは、初期状態|1C〉から次のように発展する。
Figure 0004290043
計算終了を示す状態|0C〉を得る確率P0は、
Figure 0004290043
で与えられる。計算終了時間の期待値は、
Figure 0004290043
のように表される。よって、系Rの初期状態が|0R〉のとき、計算終了時間の期待値は(第一の実施形態)と同じで、図2のグラフに示したとおりとなる。
系Rの初期状態が|−R〉=(1/√2)(|1R〉−|−1R〉)のとき、Krausの表現は、
Figure 0004290043
となり、
Figure 0004290043
より、
Figure 0004290043
が得られる。
系Rの初期状態が|−R〉のとき、プログラム実行番号用qubit部Cは、初期状態|1C〉から、
Figure 0004290043
のように発展する。計算終了を示す状態|0C〉を得る確率Pは、
Figure 0004290043
で与えられる。よって、計算終了時間の期待値は、
Figure 0004290043
となり、τ- 0の場合と同様、図2のグラフのとおりとなる。
系Rの初期状態が|+R〉=(1/√2)(|1R〉+|−1R〉)のとき、Krausの表現は、
Figure 0004290043
となり、
Figure 0004290043
が得られる。
系Rの初期状態が|+R〉のとき、プログラや実行番号用qubit部Cは、初期状態|1C〉から、
Figure 0004290043
のように発展する。計算終了を示す状態|0C〉を得る確率Pは、
Figure 0004290043
で与えられる。よって、計算終了時間の期待値は無限大となってしまう。
本実施形態の場合、これまで見てきたように、系Rの初期状態によって、計算終了時間の期待値は大きく異なる。このことを、もっと良く調べるために、次の計算を行ってみる。任意の初期状態|φR〉を
Figure 0004290043
のように表す。
Krausの表現での演算子Aμ,φ Cは次のように表される。
Figure 0004290043
従って、
Figure 0004290043
が得られる。
このとき、プログラム実行番号用qubit部Cは、初期状態|1C〉から次のように発展する。
Figure 0004290043
よって
Figure 0004290043
となる。
本実施形態の系CRを、(44)の演算操作を引き起こすゲートとして使用する場合、系点の入力は、|−R〉,|0R〉の線形符合に限られる。従って、ゲートとしての計算終了時間の期待値は
Figure 0004290043
として構わない。
<第3の実施形態>
ここで説明される内容は、二つのスピンの内積による相互作用を利用する量子計算機において、(1/2)-spinとして、電子、核子等のフェルミオンのスピン、特に、固体中の電子、核子のスピン、高分子化合物中の核子のスピンを利用することを特徴とする量子計算機に関するものである。
前の第1の実施形態で示した、二つの(1/2)-spinスピンの内積による相互作用ハミルトニアンを利用する量子計算機では、(24),(25)を実現する物理系であれば、原理的にどのようなものでも、否定ゲートとして利用できる。
このような相互作用を持つ物理系の例として、電子、核子等のフェルミオンのスピン、特に、固体中の電子、核子のスピン、高分子化合物中の核子のスピンが挙げられる。
<第4の実施形態>
ここで説明される内容は、二準位系の生成、消滅演算子と、三準位系の状態遷移演算子の結合した相互作用を利用する量子計算機において、二準位系として、電子等のフェルミオン、三準位系として、原子の基底状態、第一、第二励起状態、特に、電子を吸収、放出することによって、準位を変えるイオンを利用することを特徴とする量子計算機に関するものである。
前の第2の実施形態で示した、二準位系の生成、消滅演算子と、三準位系の状態遷移演算子の結合した相互作用ハミルトニアンを利用する量子計算機では、(42),(43)を実現する物理系であれば、原理的にどのようなものでも、1-bitの繰り上げを考慮した加算ゲートとして利用できる。
このような相互作用を持つ物理系の例として、電子等のフェルミオン、三準位系として、原子の基底状態、第一、第二励起状態、特に、電子を吸収、放出することによって、準位を変えるイオンが挙げられる。
以上説明したように、上記実施形態によれば、qubitと呼ばれる、各々個別に識別することが可能な二準位系、または、三以上の準位を持つ量子系(これも、便宜上、qubitと呼ぶことにする)を、複数個用意し、これらのqubitによって、プログラム実行番号を表すための複数のqubitからなる部分と、計算レジスター用に使用される複数のqubitからなる部分を構成し、これら二つのqubit部に属するqubit間の相互作用によって引き起こされるユニタリー時間発展によって、演算操作を行う量子力学的な状態を利用した計算機(以下、これを量子計算機と表現する)において、プログラム実行番号を表すqubit部を、適当な基底で観測する手段を有する特徴とする量子計算機及び量子計算方法が実現される。
また、上記実施形態によればプログラム実行番号を表すqubit部を適当な基底で観測する手段は、計算操作が終了したかどうかを識別する量子計算機及び量子計算方法が実現される。
また、上記実施形態によれば、計算操作が正常に終了したことを示す状態がプログラム実行番号qubit部で観測されるまで、計算機内部の状態を初期化し、ある一定の時間、計算機内部の状態をユニタリー発展させ、プログラム実行番号qubit部を観測するという、一連の操作が繰り返される量子計算機及び量子計算方法が実現される。
また、上記実施形態によれば、qubitとして(1/2)-spinを用意し、プログラム実行番号qubit部と計算レジスター用qubit部の間の相互作用として、二つのスピンの内積による相互作用を利用する量子計算機及び量子計算方法が実現される。
また、上記実施形態によれば、プログラム実行番号qubit部には二準位系を、計算レジスター用qubit部には三準位系を使用し、プログラム実行番号qubit部と計算レジスター用qubit部の間の相互件用として、前記の二準位系の生成、消滅演算子と、三準位系の状態遷移演算子の結合した相互作用を利用する量子計算機及び量子計算方法が実現される。
また、上記実施形態によれば、否定ゲートを実行する量子計算機及び量子計算方法が実現される。また、上記実施形態によれば、1-bitの繰り上げを考慮した加算を実現する量子計算機及び量子計算方法が実現される。
更に、上記実施形態によれば、(1/2)-spinとして、電子、核子等のフェルミオンのスピン、特に、固体中の電子、核子のスピン、高分子化合物中の核子のスピンを利用する量子計算機が実現される。また、上記実施形態によれば、二準位系として、電子等のフェルミオン、三準位系として、原子の基底状態、第一、第二励起状態、特に、電子を吸収、放出することによって、準位を変えるイオンを利用する量子計算機が実現される。
また、上記実施形態によれば、量子計算樺の量子計算方法における計算時間評価方法においで、観測による計算終了の識別行為を、プログラム実行番号を表すqubit部の初期状態を入力とし、この入力が、時間発展の間、別の系、すなわち、計算レジスター用qubit部との相互作用によってデコヒーレンスを受け、出力部であらかじめ定められた、正常に終了したことを示す状態を受信する量子雑音通信路と解釈して、前記のあらかじめ定められた正常に終了したことを示す状態を受信する確率を計算し、これによって計算操作の終了のための全時間の期待値を求め、この期待値を最小にする、量子計算機の一回当たりの動作時間を評価する計算時間評価方法が実現される。
本発明の第一の実施形態で使われる、二つの(1/2)-spinの相互作用を表した図である。 本発明の第一の実施形態、第二の実施形態で計算終了時間の評価の際に使われる、τ/sin2τのグラフである。 本発明の第一の実施形態で使われる、三準位系Rと二準位系Cの相互作用を表した図である。 従来の技術の項目で説明される、noisy quantum channel(量子雑音通信路)を表す図である。

Claims (16)

  1. 各々個別に識別することが可能な二準位系または三以上の準位を持つ量子系であるqubitを複数個用意し、これらのqubitによってプログラム実行番号を表すための複数のqubitからなる第1qubit部と、計算レジスター用に使用される複数のqubitからなる第2qubit部とを構成し、これら2つのqubit部に属するqubit間の相互作用によって引き起こされるユニタリー時間発展によって、演算操作を行う量子力学的な状態を利用した演算手段と、
    プログラム実行番号を表す前記第1qubit部を、適当な基底で観測する観測手段と
    を備えることを特徴とする量子計算装置。
  2. プログラム実行番号を表す前記第1qubit部を適当な基底で観測する前記観測手段の観測結果に基づいて、前記演算操作が終了したかどうかを識別する識別手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の量子計算装置。
  3. 前記演算操作が正常に終了したことを示す状態が前記第1qubit部で観測されるまで、計算機内部の状態を初期化し、ある一定の時間、計算機内部の状態をユニタリー発展させ、該第1qubit部を観測するという、一連の操作を繰り返すことを特徴とする請求項2に記載の量子計算装置。
  4. 前記qubitとして(1/2)-spinを用意し、前記第1qubit部と前記第2qubit部の間の相互作用として、2つのスピンの内積による相互作用を利用することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の量子計算装置。
  5. 前記第1qubit部には二準位系を、前記第2qubit部には三準位系を使用し、該第1qubit部と第2qubit部の間の相互作用として、前記の二準位系の生成、消滅演算子と、三準位系の状態遷移演算子の結合した相互作用を利用することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の量子計算装置。
  6. 前記演算手段が、否定ゲートを実行することを特徴とする請求項4に記載の量子計算装置。
  7. 1-bitの繰り上げを考慮した加算を実現することを特徴とする請求項5に記載の量子計算装置。
  8. (1/2)-spinとして、電子、核子等のフェルミオンのスピン、特に、固体中の電子、核子のスピン、高分子化合物中の核子のスピンを利用することを特徴とする請求項4又は6に記載の量子計算装置。
  9. 二準位系として電子等のフェルミオン、三準位系として、原子の基底状態、第一、第二励起状態、特に、電子を吸収、放出することによって、準位を変えるイオンを利用することを特徴とする、請求項5又は7に記載の量子計算装置。
  10. プログラム実行番号を表すための複数のqubitからなる第1qubit部と、計算レジスター用に使用される複数のqubitからなる第2qubitの、これら2つのqubit部に属するqubit間の相互作用によって引き起こされるユニタリー時間発展によって、量子力学的な状態を利用した演算操作を行う演算工程と、
    前記第1qubit部を適当な基底で観測し、前記演算操作が終了したかどうかを識別する識別工程とを備えることを特徴とする量子計算方法。
  11. 前記演算操作が正常に終了したことを示す状態が前記第1qubit部で観測されるまで、前記2つのqubit部の状態を初期化し、ある一定の時間、該2つのqubit部の状態をユニタリー発展させ、該第1qubit部を観測するという、一連の操作を繰り返すことを特徴とする請求項10に記載の量子計算方法。
  12. qubitとして(1/2)-spinを用意し、プログラム実行番号qubit部と計算レジスタ用qubit部の間の相互作用として、二つのスピンの内積による相互作用を利用することを特徴とする請求項10又は11に記載の量子計算方法。
  13. 前記第1qubit部には二準位系を、前記第2qubit部には三準位系を使用し、該第1qubit部と第2qubit部の間の相互作用として、前記の二準位系の生成、消滅演算子と、三準位系の状態遷移演算子の結合した相互作用を利用することを特徴とする請求項10又は11に記載の量子計算方法。
  14. 前記演算工程において、否定ゲートを実行することを特徴とする請求項12に記載の量子計算方法。
  15. 1-bitの繰り上げを考慮した加算を実現することを特徴とする請求項13に記載の量子計算方法。
  16. 請求項11の量子計算方法における計算時間評価方法であって、
    前記識別工程における、観測による計算終了の識別行為を、前記第1qubit部の初期状態を入力とし、この入力が、時間発展の間、別の系、すなわち、計算レジスター用qubit部との相互作用によってデコヒーレンスを受け、出力部であらかじめ定められた、正常に終了したことを示す状態を受信する量子雑音通信路と解釈して、前記のあらかじめ定められた正常に終了したことを示す状態を受信する確率を計算する確率計算工程と、
    前気化区立計算工程により前記演算操作の終了のための全時間の期待値を求め、この期待値を最小にする、量子計算機の一回当たりの動作時間を評価する評価工程とを備えることを特徴とする計算時間評価方法。
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