JP4287316B2 - フラクタル図形を用いた識別コード発行/認識システム - Google Patents

フラクタル図形を用いた識別コード発行/認識システム Download PDF

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Description

本発明は、フラクタル図形を用いた識別コード発行/認識システムに関し、特に、商品に添付する識別コードの発行および認識に適したシステムに関する。
現在、市場に流通する多くの商品には、それぞれ所定の商品用識別コードが付されている。このような商品用識別コードは、POS管理システムなどに入力されて商品管理の用に供されている。また、図書館やレンタルビデオ店などでは、すべての蔵書やビデオにそれぞれ識別コードを付し、貸与や返却の管理業務に利用している。
このような識別コードそれ自身は、通常、欧文文字や数字の組み合わせから構成されているが、商品等に添付する際には、バーコードなど、光学装置を用いた読み取りに適した形態がとられる。最近は、通常の一次元バーコードよりも情報量を増やすことが可能な二次元バーコードや、添付対象となる商品の性質に応じて、様々な特性をもった識別コードが利用されている。たとえば、下記の特許文献1には、布製の商品に添付するのに適した縫糸状の二次元バーコードが開示されており、特許文献2には、チラシに添付するのに適した縦型バーコードが開示されている。また、特許文献3には、食料品などの鮮度を表示することができるように、時間経過により変色する染料などで印刷したバーコードが開示されている。
特開2000−008269号公報 特開2003−150895号公報 特開2003−203210号公報
上述したように、現在市販されている多くの商品には、バーコードなどの識別コードが付されており、この識別コードの形態も様々なものが提案されている。しかしながら、現在提案されている識別コードは、いずれも、専用のコード認識装置を用いて読み取ることを前提としたものであるため、汎用の画像取込装置を用いた読み取りには適していない。
たとえば、スーパーマーケットでは、個々の商品に添付されたバーコードは、レジに設置された専用のバーコードリーダ装置を用いて読み取られる。バーコードなどの従来の一般的な識別コードは、このような専用のコード認識装置を用いて読み取る限りにおいては、読み取りエラーなどの支障はほとんど生じない。しかしながら、商品に添付されている一般的な識別コードを、商品の購入者が、デジタルカメラやカメラ付携帯電話で撮影してパソコンなどに画像データとして取り込み、この画像データに基づいて識別コードの認識処理を行ったとすると、様々な問題が生じる可能性がある。具体的には、撮影の角度や画像の解像度が不適切であると、正しい認識を行うことができない。もちろん、バーコードの一部分が撮影視野外に出てしまっているような場合にも、正しい認識はできなくなる。
今後、携帯電話網やインターネットなどの通信環境は益々充実してゆき、それとともに携帯電話やPDAなどの個人レベルでの端末装置も益々普及してゆくことが予想される。したがって、商品に添付されている識別コードを、商品の購入者自身が撮影し、画像データとして送信するような利用形態も徐々に普及する可能性がある。ところが、バーコードをはじめとする従来の識別コードは、このような利用形態には不適切であり、このような利用形態に対応するためには、新たな形態をもった識別コードが必要になる。
そこで本発明は、汎用の画像取込装置を用いた読み取りに適した識別コードを発行し、これを認識するシステムを提供することを目的とする。
(1) 本発明の第1の態様は、識別コード発行/認識システムを、
所定のアルゴリズムおよび所定のパラメータを用いてフラクタル図形を発生させるフラクタル図形発生手段と、
アルゴリズムおよびパラメータのうちの少なくとも一方を変化させることにより、フラクタル図形発生手段に、複数の異なるフラクタル図形を発生させる発生制御手段と、
与えられた画像に含まれる図形について、所定精度でフラクタル次元を計算する次元計算手段と、
フラクタル図形発生手段が発生させた複数の異なるフラクタル図形のうち、次元計算手段により計算されたフラクタル次元が同一となる図形については、いずれか1つのみを選択し他を捨てる取捨選択処理を行う取捨選択手段と、
取捨選択手段により捨てられることのなかったフラクタル図形を、そのフラクタル次元に対応づけて登録する登録手段と、
登録手段に登録されている各フラクタル図形を、二次元識別コードとして発行するコード発行手段と、
発行された二次元識別コードを画像データとして入力するコード入力手段と、
コード入力手段が入力した画像データを構成する図形について、次元計算手段によりフラクタル次元を計算させることにより、二次元識別コードの認識を行うコード認識手段と、
によって構成するようにし、フラクタル図形を識別コードとして利用できるようにしたものである。
(2) 本発明の第2の態様は、識別コード発行システムを、
所定のアルゴリズムおよび所定のパラメータを用いてフラクタル図形を発生させるフラクタル図形発生手段と、
アルゴリズムおよびパラメータのうちの少なくとも一方を変化させることにより、フラクタル図形発生手段に、複数の異なるフラクタル図形を発生させる発生制御手段と、
与えられた画像に含まれる図形について、所定精度でフラクタル次元を計算する次元計算手段と、
フラクタル図形発生手段が発生させた複数の異なるフラクタル図形のうち、次元計算手段により計算されたフラクタル次元が同一となる図形については、いずれか1つのみを選択し他を捨てる取捨選択処理を行う取捨選択手段と、
取捨選択手段により捨てられることのなかったフラクタル図形を、そのフラクタル次元に対応づけて登録する登録手段と、
登録手段に登録されている各フラクタル図形を、二次元識別コードとして発行するコード発行手段と、
によって構成するようにし、フラクタル図形を識別コードとして利用できるようにしたものである。
(3) 本発明の第3の態様は、識別コード認識システムを、
与えられた画像に含まれる図形について、所定精度でフラクタル次元を計算する次元計算手段と、
フラクタル図形を用いて表現された二次元識別コードを画像データとして入力するコード入力手段と、
コード入力手段が入力した画像データを構成する図形について、次元計算手段によりフラクタル次元を計算させることにより、二次元識別コードの認識を行うコード認識手段と、
によって構成するようにし、フラクタル図形を識別コードとして利用できるようにしたものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1または第2の態様に係るシステムにおいて、
発生制御手段が、フラクタル図形発生手段に対して、時系列で順次異なるフラクタル図形を発生させる制御を行い、
取捨選択手段が、新たに発生されたフラクタル図形について計算されたフラクタル次元と同一の次元が、登録手段内に既に登録されているか否かを照会し、既に登録されていた場合には、当該フラクタル図形を捨てる処理を実行するようにしたものである。
(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1または第3の態様に係るシステムにおいて、
フラクタル次元の値と所定の識別コードとの対応関係を登録した登録手段を設け、コード認識手段が、この対応関係を参照することにより、画像データを構成する図形を特定の識別コードとして認識するようにしたものである。
(6) 本発明の第6の態様は、識別コード発行/認識システムを、
所定のアルゴリズムおよび所定のパラメータを用いてフラクタル図形を発生させるフラクタル図形発生手段と、
アルゴリズムおよびパラメータのうちの少なくとも一方を変化させることにより、フラクタル図形発生手段に、複数の異なるフラクタル図形を発生させる発生制御手段と、
与えられた画像に含まれる図形について、所定精度でフラクタル次元を計算する次元計算手段と、
フラクタル図形発生手段が発生させた複数の異なるフラクタル図形について、次元計算手段により計算されたフラクタル次元の値に応じた分類を行う図形分類手段と、
フラクタル図形発生手段が発生させた複数の異なるフラクタル図形を、各分類に所属させて登録する登録手段と、
登録手段に登録されている各フラクタル図形を、当該フラクタル図形が所属している分類を示す二次元識別コードとして発行するコード発行手段と、
発行された二次元識別コードを画像データとして入力するコード入力手段と、
コード入力手段が入力した画像データを構成する図形について、次元計算手段によりフラクタル次元を計算させ、得られた値に基づいて、二次元識別コードによって示されている分類の認識を行う分類認識手段と、
によって構成するようにし、フラクタル図形を識別コードとして利用できるようにしたものである。
(7) 本発明の第7の態様は、識別コード発行システムを、
所定のアルゴリズムおよび所定のパラメータを用いてフラクタル図形を発生させるフラクタル図形発生手段と、
アルゴリズムおよびパラメータのうちの少なくとも一方を変化させることにより、フラクタル図形発生手段に、複数の異なるフラクタル図形を発生させる発生制御手段と、
与えられた画像に含まれる図形について、所定精度でフラクタル次元を計算する次元計算手段と、
フラクタル図形発生手段が発生させた複数の異なるフラクタル図形について、次元計算手段により計算されたフラクタル次元の値に応じた分類を行う図形分類手段と、
フラクタル図形発生手段が発生させた複数の異なるフラクタル図形を、各分類に所属させて登録する登録手段と、
登録手段に登録されている各フラクタル図形を、当該フラクタル図形が所属している分類を示す二次元識別コードとして発行するコード発行手段と、
によって構成するようにし、フラクタル図形を識別コードとして利用できるようにしたものである。
(8) 本発明の第8の態様は、識別コード認識システムを、
与えられた画像に含まれる図形について、所定精度でフラクタル次元を計算する次元計算手段と、
フラクタル図形を用いて表現された二次元識別コードを画像データとして入力するコード入力手段と、
コード入力手段が入力した画像データを構成する図形について、次元計算手段によりフラクタル次元を計算させ、得られた値に基づいて、二次元識別コードによって示されている分類の認識を行う分類認識手段と、
によって構成するようにし、フラクタル図形を識別コードとして利用できるようにしたものである。
(9) 本発明の第9の態様は、上述の第1または第6の態様に係るシステムにおいて、
コード発行手段が、それぞれ異なる色をもった複数のフラクタル図形を、同一平面上で重ね合わせることにより、複数の二次元識別コードが同一平面上に重複して記録された重複コードを発行する機能を有し、
コード認識手段もしくは分類認識手段が、特定の色をもった図形のみを抽出して認識処理を行うようにしたものである。
(10) 本発明の第10の態様は、上述の第1、第3、第6または第8の態様に係るシステムにおいて、
所定の結像面に二次元識別コードの像を形成させる光学結像部と、この結像面に形成された像を画像データに変換する画像変換部と、変換された画像データをコード認識手段もしくは分類認識手段へ送信するデータ送信部と、を備える装置(たとえば、カメラ付携帯電話)をコード入力手段として用いるようにしたものである。
(11) 本発明の第11の態様は、上述の第1〜第10の態様に係るシステムにおいて、
次元計算手段が、与えられた画像を図形部分と背景部分とからなる二値画像として取り扱い、この二値画像を一辺の長さがrの正方形からなる複数のセルに分割し、内部に図形部分が存在すると確認できるセル数N(r)を求めるセル数演算処理と、このセル数演算処理をrの値を変化させながら多数回繰り返し実行させる演算制御処理と、多数のrについてそれぞれ求められたN(r)の値に基づいて、N(r)∝1/rなる式を満足させる値Dを近似的に求める近似値決定処理と、を行う機能を有し、得られた値Dの近似値を、与えられた画像に含まれる図形についてのフラクタル次元とするようにしたものである。
(12) 本発明の第12の態様は、上述の第1〜第11の態様に係るシステムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムを用意し、このプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して配付できるようにしたものである。
(13) 本発明の第13の態様は、識別コード発行/認識方法を、
互いにフラクタル次元が異なる複数通りのフラクタル図形をコンピュータに発生させるコード発生段階と、
発生させた各フラクタル図形を二次元識別コードとして発行するコード発行段階と、
発行された二次元識別コードを画像データとして入力するコード入力段階と、
入力した画像データによって表現される図形についてのフラクタル次元をコンピュータに計算させる次元計算段階と、
計算により求まったフラクタル次元により、二次元識別コードの認識を行うコード認識段階と、
によって構成するようにし、フラクタル図形を識別コードとして利用できるようにしたものである。
(14) 本発明の第14の態様は、上述した第13の態様に係る識別コード発行/認識方法において、
コード発行段階において、発生させたフラクタル図形と、当該フラクタル図形のもつフラクタル次元と、ユニークな識別コードと、の対応関係を示すテーブルを用意しておき、
コード認識段階において、このテーブルを参照することにより、入力した画像データについて計算されたフラクタル次元に対応する特定の識別コードを求め、入力した画像データを特定の識別コードとして認識するようにしたものである。
(15) 本発明の第15の態様は、識別コード発行/認識方法を、
複数通りのフラクタル図形をコンピュータに発生させるコード発生段階と、
発生させた各フラクタル図形を所定の分類を示す二次元識別コードとして発行するコード発行段階と、
発行された二次元識別コードを画像データとして入力するコード入力段階と、
入力した画像データによって表現される図形についてのフラクタル次元をコンピュータに計算させる次元計算段階と、
計算により求まったフラクタル次元により、二次元識別コードによって示されている分類の認識を行う分類認識段階と、
によって構成するようにし、フラクタル図形を識別コードとして利用できるようにしたものである。
本発明に係る識別コード発行/認識システムによれば、フラクタル図形について一義的に定まるフラクタル次元を特定の識別コードに対応づけて利用するようにしたため、汎用の画像取込装置を用いた読み取りに適した識別コードを発行し、これを認識することが可能になる。フラクタル図形は、自己相似性をもった図形であり、任意の一部を取ってもそれが全体と似ているという特徴を有している。したがって、デジタルカメラやカメラ付携帯電話を用いて撮影したために、一部分のみの画像になったり、解像度の低い画像になったりしても、フラクタル次元の認識には支障が生じることがなく、正しい認識が可能になる。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。
<<< §1.基本的な実施形態 >>>
図1は、本発明の基本的な実施形態に係るフラクタル図形を用いた識別コード発行/認識システムの構成を示すブロック図である。図に個々のブロックとして示す各構成要素のうち、フラクタル図形発生手段10、発生制御手段20、取捨選択手段30、次元計算手段40、登録手段50は、識別コードの発行業務に利用される識別コード発行システムの構成要素である。また、コード入力手段70、コード認識手段80、次元計算手段40は、識別コードの認識業務に利用される識別コード認識システムの構成要素である。次元計算手段40は、識別コード発行システムと識別コード認識システムとの双方で利用される共通の構成要素になる。
ここでは、まず、識別コード発行システムの各構成要素と、識別コード発行の手順を説明する。フラクタル図形発生手段10は、所定のアルゴリズムおよび所定のパラメータを用いてフラクタル図形を発生させる機能をもった構成要素であり、発生制御手段20は、このフラクタル図形発生手段10が利用するアルゴリズムおよびパラメータのうちの少なくとも一方を変化させることにより、フラクタル図形発生手段10に、複数の異なるフラクタル図形を発生させる制御を行う構成要素である。
フラクタル図形は、その適当な一部分だけを取り出しても、それが全体と似ているという自己相似的な特徴を有している。自然界では、海岸線の形、雲の形、樹木の形などに、この性質が見られるものとされている。近年では、コンピュータの普及とともに、このフラクタル図形に関する研究が盛んに行われており、コンピュータを利用してフラクタル図形を発生させるソフトウエアも、市販品を含めて様々なものが開発されている。
図2は、フラクタル図形の一種であるコッホ曲線の生成アルゴリズムを示す平面図である。いま、図2(a) に示すような線分ABを定義し、この線分ABに、全長を3等分する点C,Dをとり、図2(b) に示すように、CDを底辺とする正三角形CDEを配置し、線分CDを削除すると、図に実線で示すような線分の集合体からなる図形ができる。続いて、図2(a) の線分ABに対して行った上記プロセスと同等のプロセスを、図2(b) の各線分AC,CE,ED,DBに対して行うと、図2(c) に示すような線分の集合体からなる図形ができる。ここで、新たに生成された細かな線分について、更に同等のプロセスを実行すると、図2(d) に示すような線分の集合体からなる図形ができる。このようなプロセスを、順次繰り返してゆくと、細かな線分の集合体からなる図形が生成されることになるが、この図形は、細かな任意の一部分をとっても、全体と似ているという自己相似性をもったフラクタル図形になる。
図2では、構造が単純なコッホ曲線を例にとって、フラクタル図形の生成アルゴリズムの一例を示したが、この他にも、コンピュータの繰り返し演算によりフラクタル図形を生成するためのアルゴリズムは多数知られており、用いるアルゴリズムによって、生成されるフラクタル図形の外観は様々なものになる。また、同じアルゴリズムを用いて生成したフラクタル図形であっても、用いるパラメータによって形状が異なってくる。たとえば、図2に示すコッホ曲線の例では、線分ABを3等分する位置に点C,Dをとっているが、これらの点の位置をパラメータとして変えるようにすれば、異なる形状をもったフラクタル図形が生成されることになる。また、図2の例では、線分CD上に正三角形を配置するようにしているため、角ECDおよび角EDCは60°となっているが、この角度をパラメータとして変えるようにしても、異なる形状をもったフラクタル図形が生成されることになる。
図1に示すフラクタル図形発生手段10には、複数通りのアルゴリズムが用意されており、発生制御手段20によって任意のアルゴリズムが選択できるようになっている。また、発生制御手段20は、フラクタル図形発生手段10が用いるパラメータを任意に設定する機能を有している。そして、発生制御手段20は、種々のアルゴリズムを選択するとともに、種々のパラメータを設定しながら、フラクタル図形発生手段10にフラクタル図形を発生させる指示を与える処理を行う。その結果、フラクタル図形発生手段10は、様々な形状のフラクタル図形を順次発生させる処理を行うことになる。
本願発明者は、こうして発生させたフラクタル図形を、従来のバーコードなどの識別コードの代用品として用いれば、デジタルカメラやカメラ付携帯電話などの汎用の画像取込装置を用いた読み取りを行った場合にも、支障なく認識できるようになる、という着想を得た。これは、フラクタル図形が、自己相似性をもった図形であり、適当な一部を取ってもそれが全体と似ているという特徴を有しているためである。
たとえば、図2(d) に示すようなフラクタル図形を、商品識別コードとして、商品に付して流通させた場合を考えてみよう。そして、この商品の購入者が、カメラ付携帯電話で、この商品識別コードを撮影したものとしよう。この場合、図2(d) に示すような図形が、画像データとして取り込まれることになる。このとき、この図形の一部がカメラの視野外に出てしまったため、図形の一部を欠いた画像データとして取り込まれたとしても、フラクタル図形としての特徴は失われることはないので、識別コードの認識に支障は生じない。別言すれば、図2(d) に示すフラクタル図形は、全体でも、その一部分だけであっても、同じフラクタル図形として認識できるのである。従来の識別コードの場合、このようなわけにはゆかない。たとえば、バーコードでは、バーの1本でも欠けてしまった場合、正しいコード認識を行うことはできなくなる。もちろん、値札ラベルなどがバーコードの一部を隠蔽していた場合にも、正しい認識はできなくなる。フラクタル図形からなる識別コードであれば、値札ラベルで一部が覆われても、支障なく認識が可能である。
また、フラクタル図形からなる識別コードは、画像取込時の解像度の差による影響も受けない。一般に、解像度の高いカメラで撮影した画像では、輪郭部の細かな特徴が繊細に把握できるのに対して、解像度の低いカメラで撮影した画像では、細かな部分が潰れて判読できなくなる。したがって、細かな線から構成されるバーコードを、低解像度のカメラで撮影すると、撮影画像からは正しいバーコードの認識はできなくなる。あるいは、高解像度のカメラを用いた場合でも、高いズーム倍率を設定していたような場合は、やはり繊細な画像を得ることはできなくなるため、正しいバーコード認識はできなくなる。ところが、フラクタル図形を識別コードとして用いれば、このような支障は生じない。これは、フラクタル図形の認識、という観点からは、解像度が高くても低くても差は生じないためである。フラクタル図形では、細かな部分の形状は、全体の形状に相似することになるので、解像度の高低にかかわらず、元が同一のフラクタル図形は、同一のフラクタル図形として認識されることになる。
フラクタル図形を識別コードとして用いるもうひとつのメリットは、フラクタル図形それ自身が意匠模様として機能する点である。現在一般的に利用されているバーコードは、あくまでも何らかの識別コードとして把握されるものであり、意匠デザインとして把握されるものではない。むしろ、バーコードは、商品パッケージ全体の意匠デザインを邪魔する存在というべきものである。これに対して、フラクタル図形は、前述したとおり、海岸線の形、雲の形、樹木の形など、自然界に存在する図形であり、人間が視覚的に受けるイメージは、通常、「心地よい模様」というべきものになる。したがって、フラクタル図形を識別コードとして商品パッケージに印刷したとしても、商品パッケージ全体の意匠デザインとして融和しやすい。たとえば、商品パッケージ全体の地模様としてフラクタル図形を配したとしても、何ら違和感は生じない。
ところで、フラクタル図形を識別コードとして利用する以上、このフラクタル図形を画像データとして取り込むことにより、何らかのコードを認識することができなければならない。本願発明者は、フラクタル図形のもつ「フラクタル次元」という固有の値に着目し、この「フラクタル次元」の値を利用して、特定の識別コードとの対応関係を定義する手法を着想した。この手法により、フラクタル図形を、単なる意匠模様としてではなく、特定の識別コードを表す模様として利用することが可能になるのである。この「フラクタル次元」の値は、要するに、フラクタル図形の複雑さの程度を示すパラメータというべきものであり、個々のフラクタル図形ごとにそれぞれ固有の値をとる。したがって、図1に示すフラクタル図形発生手段10により、多数のフラクタル図形を発生させた場合、これら個々のフラクタル図形は、それぞれ固有の「フラクタル次元」の値をもつことになる。
次元計算手段40は、与えられた画像に含まれる図形について、所定精度でフラクタル次元を計算する機能をもった構成要素である。「フラクタル次元」の意味合いおよび次元値の具体的な計算方法については、§2で述べることにするが、任意の画像データを次元計算手段40に対して与えると、この次元計算手段40は、所定のアルゴリズムに基づいて、所定精度でフラクタル次元の計算を行い、得られた次元値を出力する機能を有している。理論的には、二次元の図形に対しては、1〜2の間のフラクタル次元値が与えられることになる。図1に示す例では、フラクタル図形発生手段10で発生させた特定のフラクタル図形の画像データを次元計算手段40に与えることにより、「1.082」なる次元値が得られた状態が示されている。この場合、次元計算手段40は、小数点以下3桁という精度で、フラクタル次元の計算を行う機能を有していることになる。
図1に示すシステムでは、フラクタル図形発生手段10で発生させた多数のフラクタル図形は、登録手段50に登録されることになるが、このとき、各フラクタル図形は、次元計算手段40で計算されたフラクタル次元の値と、所定の識別コード(たとえば、商品識別コード)と、に対応づけた形で登録されることになる。たとえば、図1に示す例では、登録手段50内に3種類のフラクタル図形F1,F2,F3が登録されている状態が示されている。具体的には、第1のフラクタル図形F1は、次元値「1.082」をもち、識別コード「AA001」に対応し、第2のフラクタル図形F2は、次元値「1.263」をもち、識別コード「AA002」に対応し、第3のフラクタル図形F3は、次元値「1.294」をもち、識別コード「AA003」に対応することが示されている。
フラクタル図形発生手段10で発生させたフラクタル図形を登録手段50に登録する際に、取捨選択手段30を介しているのは、次元値が同一のフラクタル図形が重複して登録されることを避けるためである。前述したように、特定のフラクタル図形は、特定のフラクタル次元値をもつことになるが、このフラクタル次元値は、フラクタル図形の複雑さの程度を示すパラメータというべきものであり、複雑さの程度が同じであれば、異なるフラクタル図形であっても、同一のフラクタル次元値をとる可能性がある。特に、次元計算手段40が、所定精度(図1の例では、小数点以下3桁という精度)でフラクタル次元の計算を行うことを考慮すれば、当該精度の範囲内で同一の次元値をとるフラクタル図形が複数存在するのは当然である。
一方、商品識別コードなどは、通常、ユニークな識別コードである必要がある。そこで、図1に示すシステムでは、取捨選択手段30により、登録時に次元値が重複しないような取捨選択処理を行っている。すなわち、取捨選択手段30は、フラクタル図形発生手段10が発生させた複数の異なるフラクタル図形のうち、次元計算手段40により計算されたフラクタル次元が同一となる図形については、いずれか1つのみを選択し他を捨てる取捨選択処理を行う機能を有しており、登録手段50には、この取捨選択手段30により捨てられることのなかったフラクタル図形が、そのフラクタル次元および特定の識別コードに対応づけて登録されることになる。
より具体的に説明すれば、ここで述べる実施形態の場合、発生制御手段20が、フラクタル図形発生手段10に対して、時系列で順次異なるフラクタル図形を発生させる制御を行う機能を有しており、フラクタル図形発生手段10からは、順次、新たなフラクタル図形が取捨選択手段30へと送られてくることになる。取捨選択手段30は、フラクタル図形発生手段10から新たなフラクタル図形が送られてくると、次元計算手段40に、当該フラクタル図形についての次元を計算させ、計算されたフラクタル次元と同一の次元が、登録手段50内に既に登録されているか否かを照会する。そして、もし、同一の次元のフラクタル図形が既に登録されていた場合には、フラクタル図形発生手段10から送られてきた新たなフラクタル図形を捨てる処理を実行する。たとえば、図示の例の場合、「1.082」,「1.263」,「1.294」なる次元値は既に登録済みであるから、もし、フラクタル図形発生手段10から送られてきた新たなフラクタル図形の次元値が、これらのいずれかと同一であった場合には、当該フラクタル図形は取捨選択手段30において捨てられることになる。
このような処理を繰り返し行えば、登録手段50内には、互いにフラクタル次元の異なる多数のフラクタル図形が登録されてゆくことになり、登録された個々のフラクタル図形には、それぞれユニークな識別コードが対応づけられることになる。登録手段50内に登録されるフラクタル図形の総数の上限値は、次元計算手段40における次元計算の精度に応じて定まり、計算精度を高めれば高めるほど(すなわち、小数点以下の桁数を増やせば増やすほど)、フラクタル図形のバリエーションを増やすことができ、対応づける識別コードの数も増やすことができる。もっとも、次元計算手段40における次元計算の精度は、フラクタル図形の解像度に依存するため、実用上は、どの程度の解像度のフラクタル図形を利用するかを考慮して、次元計算手段40の計算精度を決定する必要がある。
もっとも、識別コードとの対応関係は、2つ以上のフラクタル図形の組み合わせに対して定義することが可能であるので、フラクタル図形のバリエーションが少ない場合でも、その組み合わせにより、多数の識別コードとの対応関係を定義することが可能になる。たとえば、フラクタル図形が100通りしかなくても、2つのフラクタル図形の組み合わせは100×100=1万通りとなり、3つのフラクタル図形の組み合わせは100万通りとなるので、組み合わせを利用すれば、実用上、支障は生じない。
コード発行手段60は、この登録手段50に登録されている各フラクタル図形を、二次元識別コードとして発行する構成要素である。図示の例では、フラクタル図形F1が、二次元識別コードCとして発行され、商品Gに付された状態が示されている。これは、概念的には、商品Gに、「AA001」なる識別コード(登録手段50内において、フラクタル図形F1に対応づけられている識別コード)を付したことと同じである。上述したように、複数のフラクタル図形の組み合わせを二次元識別コードとして利用する場合には、商品G上に複数のフラクタル図形を並べて表示すればよい。
以上が、本発明に係るフラクタル図形を用いた識別コード発行システムの概要構成である。結局、この発行システムは、互いにフラクタル次元が異なる複数通りのフラクタル図形をコンピュータに発生させ、発生させた各フラクタル図形を二次元識別コードとして発行する機能をもったシステムということになる。
続いて、本発明に係る識別コード認識システムの各構成要素と、識別コード認識の手順を説明する。前述したとおり、この識別コード認識システムの基本構成要素は、コード入力手段70、コード認識手段80、次元計算手段40である。
コード入力手段70は、発行された二次元識別コードCを画像データとして入力する機能をもった構成要素である。既に述べたとおり、本発明に係る二次元識別コードCは、フラクタル図形から構成されているため、デジタルカメラやカメラ付携帯電話などによる撮影によって、画像データとして入力するのに適している。この場合、デジタルカメラやカメラ付携帯電話などがコード入力手段70として機能することになる。もちろん、コード入力手段70としては、スキャナ装置などを用いてもかまわない。
コード認識手段80は、コード入力手段70が入力した画像データを構成する図形について、次元計算手段40によりフラクタル次元を計算させることにより、二次元識別コードの認識を行う構成要素である。すなわち、コード入力手段70が入力した画像データを、次元計算手段40に与えると、当該画像データを構成する図形についてのフラクタル次元値が計算されることになるので、この次元値に基づいて、識別コードの認識を行うことが可能になる。この実施形態の場合、登録手段50内には、フラクタル次元の値と所定の識別コードとの対応関係が登録されているので、コード認識手段80は、この登録手段50内の対応関係を参照することにより、コード入力手段70から与えられた画像データを構成する図形を特定の識別コードとして認識することができる。
たとえば、図1に示す例の場合、商品Gには、二次元識別コードCとして、フラクタル図形F1が付されているので、コード認識手段80には、このフラクタル図形F1の画像データが与えられることになる。このフラクタル図形F1の画像データを次元計算手段40に与えて、フラクタル次元を計算させると、「1.082」なる結果が得られる。一方、登録手段50には、図示のとおり、フラクタル図形F1と、このフラクタル図形F1のもつフラクタル次元「1.082」と、ユニークな識別コード「AA001」と、の対応関係を示すテーブルが用意されているので、コード認識手段80は、このテーブルを参照することにより、「1.082」なるフラクタル次元値に対応する識別コードが「AA001」であることを認識することができる。結局、商品Gに付された二次元識別コードCに基づいて、「AA001」なる識別コードの認識が行われたことになる。
なお、上述の例では、登録手段50内にフラクタル次元と識別コードとの対応関係を登録しているが、フラクタル次元値そのもの、もしくは、フラクタル次元値から一義的に誘導可能な何らかのコードを識別コードとして利用することにすれば、このような対応関係を登録しておく必要はなくなる。たとえば、図1の例の場合、フラクタル次元値「1.082」,「1.263」,「1.294」を1000倍することにより得られるコード「1082」,「1263」,「1294」を、そのまま識別コードとして利用するようにすれば、敢えて「AA001」,「AA002」,「AA003」のような識別コードを別途用意する必要はなくなる。この場合、コード認識手段80は、識別コードを認識する際に、登録手段50を参照する必要はない。すなわち、次元計算手段40によって計算されたフラクタル次元値を1000倍することにより、目的の識別コードを得ることができる。
<<< §2.フラクタル次元の計算方法 >>>
既に述べたとおり、「フラクタル次元」とは、フラクタル図形の複雑さの程度を示すパラメータというべきものであり、その値が大きければ大きいほど、複雑さの程度が高いことを示す。ここで「次元」という文言が用いられているのは、図形が示す空間上の次元と密接な関係にあるためである。たとえば、一次元フラクタル図形(一次元直線上に配置された線状模様)の場合、フラクタル次元の理論的最大値は1であり、二次元フラクタル図形(二次元平面上に配置された平面模様)の場合、フラクタル次元の理論的最大値は2であり、三次元フラクタル図形(三次元空間上に配置された立体模様)の場合、フラクタル次元の理論的最大値は3である。
この「フラクタル次元」の概念は、種々の文献に開示されている公知の概念であり、その計算手法も公知のものである。ただ、本発明を実施する上で、次元計算手段40によって実施されるフラクタル次元の計算プロセスは非常に重要なプロセスになるので、ここでは、このフラクタル次元の具体的な計算プロセスの一例を簡単に述べておく。
図3は、一般的な図形についてのフラクタル次元を示すためのセル分割図である。ここでは、説明の便宜上、この図3を用いて、フラクタル次元の概念を簡単に説明する。いま、一辺の長さr=1の正方形内に、図3(a1)に示すような図形Aと、図3(b1)に示すような図形Bとが存在する場合を考える。いずれも、ハッチングを施して示す部分が図形部分P、白い領域が背景部分Qであり、各図形A,Bが二値画像として表現されているものとする。この図形A,Bを比べて、どちらが複雑な図形であるかを考えた場合、直観的には、図形Bの方が複雑である、との認識を得ることができる。「フラクタル次元」は、この図形の複雑さを定量的に評価するパラメータということになる。
さて、ここで、一辺の長さr=1の正方形を4分割し、一辺の長さr=1/2の正方形からなるセルに分けたとすると、図3(a2)および図3(b2)に示すような分割結果が得られる。同様に、一辺の長さr=1の正方形を9分割し、一辺の長さr=1/3の正方形からなるセルに分けたとすると、図3(a3)および図3(b3)に示すような分割結果が得られる。更に、一辺の長さr=1の正方形を16分割し、一辺の長さr=1/4の正方形からなるセルに分けたとすると、図3(a4)および図3(b4)に示すような分割結果が得られる。
ここで、各セルを、内部に図形部分Pがわずかでも存在するセルと、内部には図形部分Pが全く存在しないセル(別言すれば、セル内の全域が背景部分Qとなっているセル)と、に区別してみる。図3において、星印を記したセルが後者のセルである。図形Aに着目すると、4分割のセルまで(r=1、r=1/2のセル)は、星印を記したセルが0であるのに、9分割のセル(r=1/3のセル)では星印を記したセルが2となり、16分割のセル(r=1/4のセル)では星印を記したセルが6となっている。図示されていないが、25分割のセル(r=1/5のセル)では星印を記したセルが12に増加する。一方、図形Bに着目すると、16分割のセルまで、星印を記したセルが0となっている。図示されていないが、25分割のセル(r=1/5のセル)では星印を記したセルが4個発生する。この例から推察できるとおり、rの値をいろいろに設定して分割セルを定義したときに、できるだけ星印のセルが少ない図形ほど(逆に言えば、できるだけ星印のないセルが多い図形ほど)、複雑さの程度が高い図形と言うことができる。
ここでは、与えられた二値画像を一辺の長さがrの正方形からなる複数のセルに分割したときに、内部に図形部分Pが存在すると確認できるセル数をN(r)と表すことにする。図3に示す例における図形Aの場合は、N(1)=1,N(1/2)=4,N(1/3)=7,N(1/4)=10,N(1/5)=13となり、図形Bの場合は、N(1)=1,N(1/2)=4,N(1/3)=9,N(1/4)=16,N(1/5)=21となる。このN(r)の値を、rの値を変えて多数求めた結果は、当該二値画像の輪郭部分の複雑さを示すパラメータを示すものになる。
図4は、こうして求めたN(r)の具体的な値を示す表である。この表における図形A,Bの欄に記されたN(r)の値は、図3に示す図形A,Bについて求めた値である。rの値を1,1/2,1/3,1/4,1/5,…と小さくしてゆくと、当然、分割セルの総数は、1,4,9,16,25,…と増加してゆくので、N(r)の値も増加してゆく傾向にある。その増加率が輪郭部分の複雑さの程度を示すパラメータ、すなわち、「フラクタル次元の値」になる。図4に示す表において、「二次元MAX図形」の欄に記されたN(r)の値は、二次元平面上のフラクタル図形としては、理論的に最も複雑とされる図形(ここでは、「二次元MAX図形」と呼ぶ)についての値である。同様に、図4に示す表において、「一次元MAX図形」の欄に記されたN(r)の値は、一次元直線上のフラクタル図形としては、理論的に最も複雑とされる図形(ここでは、「一次元MAX図形」と呼ぶ)についての値であり、「三次元MAX図形」の欄に記されたN(r)の値は、三次元立体上のフラクタル図形としては、理論的に最も複雑とされる図形(ここでは、「三次元MAX図形」と呼ぶ)についての値である。
いま、二次元MAX図形についてのN(r)の値について検討すると、rの値が1,1/2,1/3,1/4,1/5,…と小さくなると、N(r)の値は、1,4,9,16,25,…と増加してゆくことになり、N(r)=1/rなる関数として表されることがわかる。これは、4分割すれば、4つのセルのすべてに図形部分Pが存在し、9分割すれば、9つのセルのすべてに図形部分Pが存在し、16分割すれば、16個のセルすべてに図形部分Pが存在し、…ということを意味しており、どんなに細かく分割しても、常に、すべてのセル内に図形部分Pが存在するような複雑さ(二次元図形としては最大の複雑さ)をもった図形が、二次元MAX図形ということになる。
もちろん、三次元図形になると、より複雑さを高めることが可能になる。すなわち、三次元MAX図形についてのN(r)の値について検討すると、rの値が1,1/2,1/3,1/4,1/5,…と小さくなると、N(r)の値は、1,8,27,64,125,…と増加してゆくことになり、N(r)=1/rなる関数として表されることがわかる。これは、もとの立方体を8分割すれば、8個のセルのすべてに図形部分Pが存在し、27分割すれば、27個のセルのすべてに図形部分Pが存在し、64分割すれば、64個のセルすべてに図形部分Pが存在し、…ということを意味しており、どんなに細かく分割しても、常に、すべての立方体セル内に図形部分Pが存在するような複雑さ(三次元図形としては最大の複雑さ)をもった図形が、三次元MAX図形ということになる。
逆に、一次元MAX図形の場合は、rの値が1,1/2,1/3,1/4,1/5,…と小さくなると、N(r)の値は、1,2,3,4,5,…と増加してゆくことになり、N(r)=1/rなる関数として表されることになる。結局、N(r)=1/rなる関数が成り立つ場合、当該図形のフラクタル次元の値はDということになる。図3に示す図形Aおよび図形Bの場合、N(r)の値は1/r〜1/rの間の値をとっており、これらの図形のフラクタル次元の値は、1〜2の間になる。
図3に示す図形Aや図形Bは、フラクタル図形ではないので、rとN(r)との関係は特定の関数で表現できるものにはならないが、理論的なフラクタル図形の場合、rとN(r)との関係は、N(r)=1/rなる関数で示すことができ、対数グラフとしてプロットした場合、図5に示すような直線グラフになる。なお、上述の例では、もとの図形全体を含む正方形の一辺の長さを1にとったが、これを任意の値にとった一般的な場合では、N(r)∝1/rなる関係が成り立つことになる。ここで比例定数をKとすれば、N(r)=K・r−Dなる式が成り立つので、両辺の対数をとれば、log N(r)=−D・log r+log Kなる式が得られる。図5に示すグラフは、この式に対応する関数を示している。上述したように、この式におけるDが、「フラクタル次元」の値であり、図5に示すグラフの傾きに相当する。
結局、次元計算手段40が行う次元計算は、このグラフの傾きを求める演算ということになる。したがって、次元計算手段40は、与えられた画像を図形部分Pと背景部分Qとからなる二値画像として取り扱い、この二値画像を一辺の長さがrの正方形からなる複数のセルに分割し、内部に図形部分Pが存在すると確認できるセル数N(r)を求めるセル数演算処理を、rの値を変化させながら多数回繰り返し実行し、多数のrについてそれぞれ求められたN(r)の値に基づいて、N(r)∝1/rなる式を満足させる値Dを近似的に求め、得られた値Dの近似値を、与えられた画像に含まれる図形についてのフラクタル次元とする処理を行えばよい。
<<< §3.種々の変形例 >>>
最後に、本発明のいくつかの変形例を述べておく。
(1) フラクタル次元値の重複を許す変形例
§1で述べた基本的な実施形態では、フラクタル次元値が同一になる図形が重複登録されることのないように、取捨選択手段30による取捨選択処理を実行していた。これは、特定のフラクタル図形と特定の識別コードとを1対1に対応させる必要がある場合に必要な処理である。しかしながら、運用形態によっては、特定のフラクタル図形と特定の識別コードとを必ずしも1対1に対応させる必要がない場合もある。図6は、このような場合に適した変形例を示すブロック図である。
この図6に示す変形例では、図1に示す取捨選択手段30の代わりに図形分類手段35が設けられており、図1に示すコード認識手段80の代わりに分類認識手段85が設けられている。また、登録手段50の代わりに登録手段55が設けられている。その他の構成要素については、図1に示す基本的実施形態と同様である。すなわち、フラクタル図形発生手段10は、所定のアルゴリズムおよび所定のパラメータを用いてフラクタル図形を発生させる機能を有しており、発生制御手段20は、このフラクタル図形発生手段10を制御して、複数の異なるフラクタル図形を発生させる機能を果たす。また、次元計算手段40は、与えられた画像に含まれる図形について、所定精度でフラクタル次元を計算する機能を果たし、コード発行手段60は、フラクタル図形からなる二次元識別コードCを発行し、コード入力手段70は、これを画像データとして入力する機能を果たす。
図1に示す実施形態とのコード発行上での相違は、図形分類手段35が、フラクタル図形発生手段10が発生させた複数の異なるフラクタル図形について、次元計算手段40により計算されたフラクタル次元の値に応じた分類を行う機能を有しており、登録手段55が、フラクタル図形発生手段10により発生された複数の異なるフラクタル図形を、各分類に所属させて登録する機能を有している点である。その結果、登録手段55には、1つの分類に対して複数のフラクタル図形が登録されることになる。図6の登録手段55内には、フラクタル次元の次元値「1.0」に対応して分類「C1」が定義され、次元値「1.1」に対応して分類「C2」が定義され、次元値「1.2」に対応して分類「C3」が定義され、各分類ごとに、それぞれ複数のフラクタル図形が対応づけられた例が示されている。
要するに、フラクタル図形発生手段10で発生されたフラクタル図形は、その次元値に応じて、いずれかの分類に所属させられ、登録手段55に登録されることになり、1つの分類には、複数のフラクタル図形が所属することになる。このような分類は、フラクタル次元の値に所定の幅をもたせるようにしておけばよい。たとえば、次元計算手段40で計算された次元値をDとした場合、1.0≦D<1.1の場合は分類「C1」に所属させ、1.1≦D<1.2の場合は分類「C2」に所属させ、1.2≦D<1.3の場合は分類「C3」に所属させ、…というような定義を行っておけば、図示の例のような分類が可能になる。図形分類手段35は、このような分類処理を実施する機能をもった構成要素である。このような分類は、具体的には、たとえば、次元計算手段40で計算された次元値Dの小数第2位以下を切り捨てし、その値が1.0なら分類C1に所属させ、1.1なら分類C2に所属させ、1.2なら分類C3に所属させ、…という処理により実行することができる。あるいは、次元計算手段40で次元値Dを計算する際に、小数点以下第1位までの精度で計算するようにしておいてもかまわない。
結局、この変形例では、コード発行手段60は、登録手段55に登録されている各フラクタル図形を、当該フラクタル図形が所属している分類を示す二次元識別コードCとして発行することになり、個々の二次元識別コードCは、分類を示すコードとしての意味合いをもつことになる。
その結果、二次元識別コードCに対する認識処理も、特定の分類を認識する処理ということになる。すなわち、分類認識手段85は、コード入力手段70が入力した画像データを構成する図形について、次元計算手段40によりフラクタル次元を計算させ、得られた値に基づいて、二次元識別コードCによって示されている分類の認識を行う処理を行う。たとえば、図示の例の場合、コード入力手段70が入力した二次元識別コードCに対して、次元計算手段40により次元値「1.082」が得られたら、分類認識手段85は、登録手段55を参照することにより、当該二次元識別コードCは、分類「C1」を示す識別コードである、との認識を行うことができる。
このような分類の認識手法は、実用上、様々な形態で利用可能である。たとえば、商品にくじを添付するような場合、フラクタル図形をくじのための表示として利用することができる。すなわち、分類「C1」は3等賞、分類「C2」は2等賞、分類「C3」は1等賞に対応する、というような取り決めをしておけば、商品Gに付された様々なフラクタル図形を、コード入力手段70によって読み取り、分類認識手段85によってその分類を認識すれば、くじの当選等級を把握することができる。
(2) 二次元識別コードCを重畳させる変形例
既に述べたとおり、フラクタル図形からなる二次元識別コードCは、認識時には、必ずしも全体が必要なわけではなく、その一部分でも認識が可能になるというメリットを有している。このため、複数の二次元識別コードCを重畳して表示することが可能になる。たとえば、コード発行手段60に、それぞれ異なる色をもった複数のフラクタル図形を、同一平面上で重ね合わせることにより、複数の二次元識別コードが同一平面上に重複して記録された重複コードを発行する機能をもたせておき、コード認識手段80もしくは分類認識手段85に、特定の色をもった図形のみを抽出して認識処理を行う機能をもたせておけば、複数の識別コードの発行および認識処理が可能になる。
具体的には、たとえば、第1のフラクタル図形F1を商品G上に黄色で印刷し、第2のフラクタル図形F2を同じ商品G上に青色で印刷したとする。この場合、両フラクタル図形F1,F2を、商品G上の同一の領域に重畳して印刷したとしても、両図形は形状が異なるため、一部分は重なるものの、一部分は重ならない状態になる。重なった部分は、たとえば緑色などの合成色を呈することになるが、重ならない部分は、もとの黄色あるいは青色のままである。そこで、コード認識手段80あるいは分類認識手段85による認識処理時において、黄色の部分についてのみの認識処理と、青色の部分についてのみの認識処理とを実行すれば、第1のフラクタル図形F1で示されている第1の識別コードの認識と、第2のフラクタル図形F2で示されている第2の識別コードの認識と、の双方を行うことができる。
(3) 携帯電話で画像送信する変形例
前述したとおり、本発明に係るフラクタル図形を用いた識別コードは、デジカメやカメラ付携帯電話などでの撮影に適している。特に、カメラ付携帯電話で撮影した場合は、撮影した画像データを通信網を介して送信することができるので、識別コードの利用形態は更に広がることになる。たとえば、上述した変形例(1) のように、フラクタル図形を用いた識別コードを商品に添付したくじとして用いた場合、商品の購入者は、このくじとして機能するフラクタル図形をカメラ付携帯電話で撮影した後、撮影画像を通信網を介して送信し、景品の引き換え手続きを行うようなことも可能になる。
このような利用例は、図1に示すシステムにおけるコード入力手段70として、カメラ付携帯電話を用いた例ということができる。この場合、コード入力手段70からコード認識手段80への画像データの送信は、携帯電話を用いた通信によって行われることになる。
なお、ここでは、カメラ付携帯電話という具体的な装置を用いた例を述べたが、このような利用形態は必ずしもカメラ付携帯電話を用いた例に限定されるものではない。要するに、コード入力手段70として、所定の結像面に二次元識別コードの像を形成させる光学結像部と、この結像面に形成された像を画像データに変換する画像変換部と、この画像データをコード認識手段80もしくは分類認識手段85へ送信するデータ送信部と、を備えた装置を用いればよい。
(4) コンピュータを用いたシステム構成
これまで、図1あるいは図6に示すブロック図を参照しながら、本発明に係るフラクタル図形を用いた識別コード発行/認識システムを説明してきたが、本発明に係るシステムは、実用上は、コンピュータを用いたシステムとして構成されるものである。したがって、これらブロック図に個々のブロックとして示された各構成要素は、コンピュータもしくはその周辺機器を利用して実現されるべきものであり、各構成要素の機能は、コンピュータ用のプログラムによって実現されるべきものである。
本発明の基本的な実施形態に係るフラクタル図形を用いた識別コード発行/認識システムの構成を示すブロック図である。 フラクタル図形の一種であるコッホ曲線の生成アルゴリズムを示す平面図である。 一般的な図形についてのフラクタル次元を示すためのセル分割図である。 フラクタル次元を説明するための表である。 フラクタル次元を説明するためのグラフである。 本発明の別な実施形態に係るフラクタル図形を用いた識別コード発行/認識システムの構成を示すブロック図である。
符号の説明
10…フラクタル図形発生手段
20…発生制御手段
30…取捨選択手段
35…図形分類手段
40…次元計算手段
50…登録手段
55…登録手段
60…コード発行手段
70…コード入力手段
80…コード認識手段
85…分類認識手段
C…二次元識別コード
F1〜F3…フラクタル図形
G…商品
P…図形部分
Q…背景部分
r…正方形セルの一辺の長さ

Claims (15)

  1. 所定のアルゴリズムおよび所定のパラメータを用いてフラクタル図形を発生させるフラクタル図形発生手段と、
    前記アルゴリズムおよび前記パラメータのうちの少なくとも一方を変化させることにより、前記フラクタル図形発生手段に、複数の異なるフラクタル図形を発生させる発生制御手段と、
    与えられた画像に含まれる図形について、所定精度でフラクタル次元を計算する次元計算手段と、
    前記フラクタル図形発生手段が発生させた複数の異なるフラクタル図形のうち、前記次元計算手段により計算されたフラクタル次元が同一となる図形については、いずれか1つのみを選択し他を捨てる取捨選択処理を行う取捨選択手段と、
    前記取捨選択手段により捨てられることのなかったフラクタル図形を、そのフラクタル次元に対応づけて登録する登録手段と、
    前記登録手段に登録されている各フラクタル図形を、二次元識別コードとして発行するコード発行手段と、
    発行された二次元識別コードを画像データとして入力するコード入力手段と、
    前記コード入力手段が入力した画像データを構成する図形について、前記次元計算手段によりフラクタル次元を計算させることにより、二次元識別コードの認識を行うコード認識手段と、
    を備えることを特徴とするフラクタル図形を用いた識別コード発行/認識システム。
  2. 所定のアルゴリズムおよび所定のパラメータを用いてフラクタル図形を発生させるフラクタル図形発生手段と、
    前記アルゴリズムおよび前記パラメータのうちの少なくとも一方を変化させることにより、前記フラクタル図形発生手段に、複数の異なるフラクタル図形を発生させる発生制御手段と、
    与えられた画像に含まれる図形について、所定精度でフラクタル次元を計算する次元計算手段と、
    前記フラクタル図形発生手段が発生させた複数の異なるフラクタル図形のうち、前記次元計算手段により計算されたフラクタル次元が同一となる図形については、いずれか1つのみを選択し他を捨てる取捨選択処理を行う取捨選択手段と、
    前記取捨選択手段により捨てられることのなかったフラクタル図形を、そのフラクタル次元に対応づけて登録する登録手段と、
    前記登録手段に登録されている各フラクタル図形を、二次元識別コードとして発行するコード発行手段と、
    を備えることを特徴とするフラクタル図形を用いた識別コード発行システム。
  3. 与えられた画像に含まれる図形について、所定精度でフラクタル次元を計算する次元計算手段と、
    フラクタル図形を用いて表現された二次元識別コードを画像データとして入力するコード入力手段と、
    前記コード入力手段が入力した画像データを構成する図形について、前記次元計算手段によりフラクタル次元を計算させることにより、二次元識別コードの認識を行うコード認識手段と、
    を備えることを特徴とするフラクタル図形を用いた識別コード認識システム。
  4. 請求項1または2に記載のシステムにおいて、
    発生制御手段が、フラクタル図形発生手段に対して、時系列で順次異なるフラクタル図形を発生させる制御を行い、
    取捨選択手段が、新たに発生されたフラクタル図形について計算されたフラクタル次元と同一の次元が、登録手段内に既に登録されているか否かを照会し、既に登録されていた場合には、当該フラクタル図形を捨てる処理を実行することを特徴とするフラクタル図形を用いた識別コード発行/認識システムもしくは識別コード発行システム。
  5. 請求項1または3に記載のシステムにおいて、
    フラクタル次元の値と所定の識別コードとの対応関係を登録した登録手段を設け、コード認識手段が、前記対応関係を参照することにより、画像データを構成する図形を特定の識別コードとして認識する機能を有することを特徴とする識別コード発行/認識システムもしくは識別コード認識システム。
  6. 所定のアルゴリズムおよび所定のパラメータを用いてフラクタル図形を発生させるフラクタル図形発生手段と、
    前記アルゴリズムおよび前記パラメータのうちの少なくとも一方を変化させることにより、前記フラクタル図形発生手段に、複数の異なるフラクタル図形を発生させる発生制御手段と、
    与えられた画像に含まれる図形について、所定精度でフラクタル次元を計算する次元計算手段と、
    前記フラクタル図形発生手段が発生させた複数の異なるフラクタル図形について、前記次元計算手段により計算されたフラクタル次元の値に応じた分類を行う図形分類手段と、
    前記フラクタル図形発生手段が発生させた複数の異なるフラクタル図形を、各分類に所属させて登録する登録手段と、
    前記登録手段に登録されている各フラクタル図形を、当該フラクタル図形が所属している分類を示す二次元識別コードとして発行するコード発行手段と、
    発行された二次元識別コードを画像データとして入力するコード入力手段と、
    前記コード入力手段が入力した画像データを構成する図形について、前記次元計算手段によりフラクタル次元を計算させ、得られた値に基づいて、二次元識別コードによって示されている分類の認識を行う分類認識手段と、
    を備えることを特徴とするフラクタル図形を用いた識別コード発行/認識システム。
  7. 所定のアルゴリズムおよび所定のパラメータを用いてフラクタル図形を発生させるフラクタル図形発生手段と、
    前記アルゴリズムおよび前記パラメータのうちの少なくとも一方を変化させることにより、前記フラクタル図形発生手段に、複数の異なるフラクタル図形を発生させる発生制御手段と、
    与えられた画像に含まれる図形について、所定精度でフラクタル次元を計算する次元計算手段と、
    前記フラクタル図形発生手段が発生させた複数の異なるフラクタル図形について、前記次元計算手段により計算されたフラクタル次元の値に応じた分類を行う図形分類手段と、
    前記フラクタル図形発生手段が発生させた複数の異なるフラクタル図形を、各分類に所属させて登録する登録手段と、
    前記登録手段に登録されている各フラクタル図形を、当該フラクタル図形が所属している分類を示す二次元識別コードとして発行するコード発行手段と、
    を備えることを特徴とするフラクタル図形を用いた識別コード発行システム。
  8. 与えられた画像に含まれる図形について、所定精度でフラクタル次元を計算する次元計算手段と、
    フラクタル図形を用いて表現された二次元識別コードを画像データとして入力するコード入力手段と、
    前記コード入力手段が入力した画像データを構成する図形について、前記次元計算手段によりフラクタル次元を計算させ、得られた値に基づいて、二次元識別コードによって示されている分類の認識を行う分類認識手段と、
    を備えることを特徴とするフラクタル図形を用いた識別コード認識システム。
  9. 請求項1または6に記載の識別コード発行/認識システムにおいて、
    コード発行手段が、それぞれ異なる色をもった複数のフラクタル図形を、同一平面上で重ね合わせることにより、複数の二次元識別コードが同一平面上に重複して記録された重複コードを発行する機能を有し、
    コード認識手段もしくは分類認識手段が、特定の色をもった図形のみを抽出して認識処理を行うことを特徴とする識別コード発行/認識システム。
  10. 請求項1、3、6または8に記載のシステムにおいて、
    コード入力手段が、所定の結像面に二次元識別コードの像を形成させる光学結像部と、前記結像面に形成された像を画像データに変換する画像変換部と、前記画像データをコード認識手段もしくは分類認識手段へ送信するデータ送信部と、を備えることを特徴とする識別コード発行/認識システムもしくは識別コード認識システム。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のシステムにおいて、
    次元計算手段が、与えられた画像を図形部分と背景部分とからなる二値画像として取り扱い、この二値画像を一辺の長さがrの正方形からなる複数のセルに分割し、内部に前記図形部分が存在すると確認できるセル数N(r)を求めるセル数演算処理と、このセル数演算処理をrの値を変化させながら多数回繰り返し実行させる演算制御処理と、多数のrについてそれぞれ求められたN(r)の値に基づいて、N(r)∝1/rなる式を満足させる値Dを近似的に求める近似値決定処理と、を行う機能を有し、得られた値Dの近似値を、与えられた画像に含まれる図形についてのフラクタル次元とすることを特徴とする識別コード発行/認識システム、識別コード発行システム、もしくは識別コード認識システム。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のシステムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムまたは当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  13. 互いにフラクタル次元が異なる複数通りのフラクタル図形をコンピュータに発生させるコード発生段階と、
    発生させた各フラクタル図形を二次元識別コードとして発行するコード発行段階と、
    発行された前記二次元識別コードを画像データとして入力するコード入力段階と、
    入力した前記画像データによって表現される図形についてのフラクタル次元をコンピュータに計算させる次元計算段階と、
    計算により求まったフラクタル次元により、前記二次元識別コードの認識を行うコード認識段階と、
    を有することを特徴とするフラクタル図形を用いた識別コード発行/認識方法。
  14. 請求項13に記載の方法において、
    コード発行段階において、発生させたフラクタル図形と、当該フラクタル図形のもつフラクタル次元と、ユニークな識別コードと、の対応関係を示すテーブルを用意しておき、
    コード認識段階において、前記テーブルを参照することにより、入力した画像データについて計算されたフラクタル次元に対応する特定の識別コードを求め、入力した画像データを前記特定の識別コードとして認識することを特徴とするフラクタル図形を用いた識別コード発行/認識方法。
  15. 複数通りのフラクタル図形をコンピュータに発生させるコード発生段階と、
    発生させた各フラクタル図形を所定の分類を示す二次元識別コードとして発行するコード発行段階と、
    発行された前記二次元識別コードを画像データとして入力するコード入力段階と、
    入力した前記画像データによって表現される図形についてのフラクタル次元をコンピュータに計算させる次元計算段階と、
    計算により求まったフラクタル次元により、前記二次元識別コードによって示されている分類の認識を行う分類認識段階と、
    を有することを特徴とするフラクタル図形を用いた識別コード発行/認識方法。
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