JP4279012B2 - Dental curable composition - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯科用硬化性組成物および該歯科用硬化性組成物を重合させてなる歯科用材料に関する。更に詳しくは、義歯床裏装用途に好適に使用できる歯科用硬化性組成物および該歯科用硬化性組成物を重合させてなる歯科用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
義歯を長期間使用すると、歯槽堤の吸収等により義歯との適合が次第に悪くなり、維持、安定が不良になってくる。そして、不適合になった義歯をそのまま使用し続けると、義歯床下粘膜に不均一な圧力が加わるため、該粘膜に潰瘍や炎症が発生したり、咬合圧による疼痛が引き起こされたりする。
【0003】
このような不適合が起こった場合の治療方法としては、義歯の修理や新義歯の作製を行う他に、使用中の義歯を裏打ち(裏装)することによって口腔粘膜への適合性を改善させることが広く行われている。当該義歯床用裏装材料は、硬質裏装材及び軟質裏装材の二種類に大別される。
【0004】
硬質裏装材とは、義歯床用材料として一般的に使用されているポリメチルメタクリレート(以下PMMA)と同等の硬さを有する材料であり、一般には(メタ)アクリル系重合性単量体を含む硬化性組成物を重合硬化させることで調製される(例えば、特許文献1)。
【0005】
一方、軟質裏装材は、歯槽堤の吸収度合いが著しい症例や口腔粘膜のひ薄な症例といった、いわゆる難症例に対応する目的で使用される材料である。そのため、軟質裏装材は義歯床用材料であるPMMAよりも柔らかい材料である必要があり、縮合型または付加型シリコーンゴムを用いるシリコーン系のもの(例えば、特許文献2)、あるいは(メタ)アクリル系重合性単量体を硬化成分とし、それに可塑剤を配合したアクリル系のもの(例えば、特許文献3)などが現在一般的に使用されている。
【0006】
上記した軟質裏装材のうち、▲1▼副生物が生成しない、▲2▼生体適合性が良好、▲3▼耐汚染性に優れる、等の利点から、付加型シリコーンゴム系のものが好適に使用される。しかしながら、付加型シリコーンゴム系軟質裏装材においては、一度義歯床上に裏装した後、さらに裏装を行うこと(追加裏装)が困難であるという欠点を有する。
【0007】
また、アクリル系のものに関しては、追加裏装は可能であるものの、口腔内で使用中に唾液と接触したり、咬合等の繰り返しの応力負荷がかかることで、重合体中から可塑剤が徐々に溶出するため、経時的に重合体の性状が変化するといった問題点を有している。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−335222号公報
【特許文献2】
特開平10−226613号公報
【特許文献3】
特開2002−119523号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の(メタ)アクリル系重合性単量体を用いることにより、上記課題を克服できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、(A)下記一般式(1)
CH=C(R)−COO−R−O−[CO−R−O]−R (1)
(式中、Rは水素原子又はメチル基を、Rは炭素数2〜20のアルキレン基を、Rは炭素数4〜7のアルキレン基を、Rは水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を、nは1〜6の整数を示す。)で示される重合性単量体、及び(B)重合開始剤を含有してなる歯科用硬化性組成物である。
【0011】
また、他の発明は、該歯科用硬化性組成物を重合させてなる歯科用材料に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の歯科用硬化性組成物は、構成成分として前記一般式(1)で示される重合性単量体を使用することを必須とする。該重合性単量体は、分子中に炭素数4〜7のヒドロキシカルボン酸のエステル構造を持つという特徴を有する。該部分構造は非常に柔軟性に富んでいることから、該重合性単量体を重合して得られる重合体は、通常の(メタ)アクリル系重合性単量体を重合して得られる硬化体と比較して柔らかいものとなる。
【0013】
また、本発明の歯科用硬化性組成物は、可塑剤を含まずとも充分な柔軟性を有するため、咬合等の繰り返しの応力負荷がかかった場合でも重合体の性状変化は起こらない。
【0014】
これらの理由により、本発明の歯科用硬化性組成物を重合させてなる歯科用材料は、義歯床用裏装材料、特に軟質裏装材として好適に使用できる。
【0015】
以下、本発明の歯科用硬化性組成物を構成する成分についてより詳しく説明する。
【0016】
本発明の歯科用硬化性組成物においては、下記一般式(1)
CH=C(R)−COO−R−O−[CO−R−O]−R (1)
(式中、Rは水素原子又はメチル基を、Rは炭素数2〜20のアルキレン基を、Rは炭素数4〜7のアルキレン基を、Rは水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を、nは1〜6の整数を示す。)で示される重合性単量体が使用される。上記式(1)において、Rは水素原子又はメチル基である。重合性単量体の臭気および口腔粘膜に対する低刺激性のため、メチル基であることが特に好ましい。
【0017】
また、前記一般式(1)中のRは炭素数2〜20のアルキレン基である。本発明において好適に使用されるものを例示すると、エチレン基、エチリデン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、ペンタメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、ヘキサメチレン基、1−メチルペンタメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基およびデカメチレン基等が挙げられる。これらの中でも特に、エチレン基、エチリデン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、1,2−ジメチルエチレン基の炭素数2〜4のアルキレン基が、重合反応性の観点から特に好ましい。
【0018】
また、前記一般式(1)中のRは炭素数4〜7のアルキレン基である。本発明において好適に使用されるものを例示すると、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、ヘキサメチレン基、1−メチルペンタメチレン基、ヘプタメチレン基等が挙げられる。これらの中でも、ペンタメチレン基や1−メチルペンタメチレン基等の主鎖炭素数が5であるものが、合成あるいは入手が容易であるため特に好ましい。
【0019】
また、前記一般式(1)中のRは水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基である。本発明において好適に使用されるものを例示すると、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の脂肪族炭化水素基や、フェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。入手の容易さの点で、これらの中でも水素原子およびメチル基が特に好ましい。
【0020】
さらに、前記一般式(1)中のnは1〜6の整数を示すが、nが2〜4のものが、得られる重合体の柔軟性、および重合反応性の観点から特に好ましい。
【0021】
本発明において特に好適に使用できる成分(A)を具体的に例示すると次の通りである。
【0022】
【化1】

Figure 0004279012
【0023】
【化2】
Figure 0004279012
【0024】
【化3】
Figure 0004279012
【0025】
本発明の歯科用硬化性組成物において使用される成分(B)の重合開始剤は、成分(A)及び必要に応じて添加される成分(C)を重合させるために使用される。該重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤等が挙げられるが、重合活性や口腔内において使用されることを勘案すると、ラジカル重合開始剤を用いるのが好ましい。その中でも特に、常温重合開始剤及び/又は光重合開始剤を使用するのが好適である。
【0026】
上記常温重合開始剤としては、過酸化物とアミンまたはその塩に代表される硬化促進剤との組み合わせが特に好適に使用される。
【0027】
上記過酸化物、アミン又はその塩については公知の化合物が特に制限されず用いられる。例えば、過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;t−ブチルクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイドが挙げられる。また、アミンとしては、アミンがアリール基に結合した第二級または第三級アミンなどが硬化の加速性の点で好ましく用いられる。具体的に例示すると、第二級アミンとしてはN−メチルアニリン、N−メチル−p−トルイジン等が挙げられ、第三級アミンとしては、N,N’−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ−n−ブチルアニリン、N,N−ベンジルアニリン、N,N’−ジメチル−p−トルイジン、N,N’−ジエチル−p−トルイジン、p−トリルジエタノールアミン、N,N’−ジメチル−m−トルイジン、p−ブロモ−N,N’−ジメチルアニリン、m−クロロ−N,N’−ジメチルアニリン、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミルエステル、N,N−ジメチルアンスラニリックアシッドメチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、p−ジメチルアミノフェネチルアルコール、p−ジメチルアミノスチルベン、N,N−ジメチル−3,5−キシリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチル−α−ナフチルアミン、N,N−ジメチル−β−ナフチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート等が好ましい例として挙げることができる。これらのアミンは、塩酸、酢酸、リン酸、有機酸などと塩を形成していても良い。
これらの組み合わせのうち特に好適なものを具体的に例示すると、ベンゾイルパーオキサイド/N,N’−ジメチル−p−トルイジン、ベンゾイルパーオキサイド/p−トリルジエタノールアミンの組み合わせ等が挙げられる。
【0028】
これらの常温重合開始剤において、過酸化物及びアミンの使用量は、全重合性単量体成分の合計100重量部に対してそれぞれ0.05〜5重量部、さらには0.1〜2重量部であることが好ましい。
【0029】
また、上記重合開始剤が光重合開始剤である場合は、公知の光増感剤が使用できる。好適に使用できる光重合開始剤(すなわち光増感剤)としては、カンファーキノン、ベンジル、α−ナフチル、アセトナフテン、ナフトキノン、p,p’−ジメトキシベンジル、p,p’−ジクロロベンジルアセチル、1,2−フェナントレンキノン、1,4−フェナントレンキノン、3,4−フェナントレンキノン、9,10−フェナントレンキノン等のα―ジケトン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル;2,4−ジエチルチオキサンソン、メチルチオキサンソン等のチオキサンソン化合物;ベンゾフェノン、p,p’−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p’−ジメトキシアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物が挙げられる。
【0030】
上記光重合開始剤を使用する場合には、硬化促進剤と併用することができる。硬化促進剤としては、常温重合開始剤と同様の第三級アミン化合物;ジメチルホスファイト、ジオクチルホスファイト等のホスファイト化合物及びナフテン酸コバルトなどのコバルト系化合物;ピリミジントリオン類などが好適に使用される。これらの組み合わせのうち好適なものを具体的に例示すると、カンファーキノン/ジメチルアミノエチルメタクリレート、カンファーキノン/p−ジメチルアミノ安息香酸エチル等の組み合わせ等が挙げられる。
【0031】
これらの光重合開始剤及びアミンの使用量は、全重合性単量体成分100重量部の合計に対してそれぞれ0.05〜5重量部、さらに0.1〜1重量部であることが好ましい。
【0032】
本発明の歯科用硬化性組成物においては、(C)一分子中に二個以上の(メタ)アクリル基を有する重合性単量体を含有しても良い。該成分(C)を用いることにより、重合して得られる重合体の機械的強度や重合の挙動を調整することが容易となる。
【0033】
本発明において使用できる該成分(C)としては、前記成分(A)と共重合可能であれば公知のものが何ら制限なく使用できるが、一般には(メタ)アクリル酸エステル類が好適に使用される。該(メタ)アクリル酸エステル類としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレンオキサイドのモル数が5〜30のもの)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ステアリルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ダイマージオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル]プロパン、ウレタンジ(メタ)アクリレート(ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2,2,4−トリメチルヘキシル−1,6−ジイソシアネートの反応生成物)等の一分子中に二個の(メタ)アクリル基を有する重合性単量体;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等の一分子中に三個の(メタ)アクリル基を有する重合性単量体;テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等の一分子中に四個の(メタ)アクリル基を有する重合性単量体が挙げられる。
【0034】
なお、上記成分(C)を使用する場合、成分(A)に対する割合は、成分(A)の100重量部に対し、1〜40重量部の範囲であることが好ましい。成分(C)の割合を1重量部以上とすることで添加する効果が充分に得られ、他方、成分(C)の割合を40重量部以下とすることで軟質裏装材として特に好適な柔軟性を得られる。
【0035】
本発明の歯科用硬化性組成物の包装形態及び重合方法としては、配合された重合開始剤等に応じて適宜選択すればよく、例えば上記常温重合開始剤を用いた場合には成分(A)、有機過酸化物、及び必要に応じて成分(C)を配合した甲剤と、成分(A)、アミンまたはその塩、及び必要に応じて成分(C)を配合した乙剤を別々に保存しておき、使用時に適当な比率で混和して義歯上に盛り付け、患者の口腔内に挿入して重合させるのが好適である。
【0036】
また、上記光重合開始剤を用いた場合には、代表的には配合される全成分を混合した組成物を遮光した容器中で保存しておき、使用時に容器から出して義歯上に盛り付けて患者の口腔内に挿入して付形させた後に、光照射により重合させるのが好適である。
【0037】
本発明の歯科用硬化性組成物には、上記した成分(A)、(B)及び(C)以外にも、必要に応じて流動性を改良したり、得られる重合体の諸物性及び操作性をコントロールするために、煙霧質シリカ等の無機フィラー;ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート−エチルメタクリレート)共重合体等の有機フィラー;ブチルヒドロキシトルエン、メトキシハイドロキノン等の重合禁止剤;4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ベンゾトリアゾール)−p−クレゾール等の紫外線吸収剤、α−メチルスチレンダイマー等の重合調整剤;色素、顔料、香料等を添加することができる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明を更に具体的に説明するための実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0039】
以下の実施例及び比較例において、試験に供した各成分は以下に示すものである。
成分(A)
FM2D:下記構造の重合性単量体(ダイセル化学製)
【0040】
【化4】
Figure 0004279012
【0041】
FM5:下記構造の重合性単量体(ダイセル化学製)
【0042】
【化5】
Figure 0004279012
【0043】
成分(B)
BPO:ベンゾイルパーオキサイド(日本油脂(株)製)
DMPT:N,N’−ジメチル−p−トルイジン(和光純薬製)
成分(C)
4G:テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(新中村化学製)
ND:1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート(新中村化学製)
その他
HBR:2−(メタクリロイルオキシ)エチルブタノエート
DBP:ジブチルフタレート
評価方法
[重合物の硬さの評価]
各実施例、比較例に示した組成の甲剤及び乙剤を各々2gずつ計りとり、30秒間ポリプロピレン製のへらを用いて混合した後、直径9mm、高さ13mmの円柱状空洞を有するポリテトラフルオロエチレン製のモールド中に混合物を流し込んだ。ポリプロピレン製のシートで圧接した後、クランプで固定し、37℃の恒温層中で24時間放置した。放置後、重合体をモールドから取り出し、スプリング式硬さ試験機A型(セイキ社製)で重合体の硬度(ショアA)を求めた。なお、現在市販されている軟質裏装材のショアA硬度は20〜60の範囲であり、この中でも特に30〜50が好適に使用できる範囲である。
[重合物の重量変化率の評価]
20mm×20mm×1mmの空洞を有するポリテトラフルオロエチレン製のモールド中に、上記した方法で混合した甲剤、乙剤の混合物を流し込んだ。ポリプロピレン製のシートで圧接した後、クランプで固定し、37℃の恒温層中で24時間放置した。放置後、重合体をモールドから取り出し、40℃、減圧条件下で24時間乾燥させてから試験前の重量(W1)を測定した。W1測定後、重合体を20mlの蒸留水中に14日間放置し、再び40℃、減圧条件下で24時間乾燥させてから試験後の重量(W2)を測定した。下記式より、重合物の重量変化率(ΔW)を求めた。
ΔW(%)=100×(W2−W1)/W1
[追加接着性の評価]
[重合物の重量変化率の評価]と同様の方法で作製した重合体を、23℃のオリーブオイル中に7日間浸漬した。浸漬後、重合体を取り出し、アセトンで軽く洗浄してから歯科用エンジンで重合物の表面を削って新鮮面を露出させた。該新鮮面上に、新たに混合した甲剤と乙剤の混合物を流し、37℃の恒温層中で24時間放置後、両者が接着しているかを評価した。なお、評価方法は手で剥がそうとした時に抵抗感があったものを○、抵抗感がなく、容易に剥離したものを×とした。
【0044】
実施例1
10gのFM2D中に0.05gのBPOを加えて攪拌し、溶解させたものを甲剤とした。一方、10gのFM2D中に0.05gのDMPTを加えて攪拌し、溶解させたものを乙剤とした。該甲剤および乙剤を上記した方法で評価したところ、重合物の硬さは24であり市販の軟質裏装材と同等の値を示した。また、重合物の重量変化率は4%と小さい値であり、良好であった。さらに、追加接着性に関しても良好な結果であった。
実施例2〜6
表1に示した組成について、実施例1と同様に甲剤および乙剤を調製し、各項目について評価した。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
Figure 0004279012
【0046】
比較例1(成分(A)を使用しない場合)
表2に示した組成について、実施例1と同様に甲剤および乙剤を調製し、各項目について評価した。重合物の重量変化と追加裏装性は良好だったものの、重合体の硬さは77であり軟質裏装材として好適に使用できる範囲内(30〜50)に入らなかった。結果を表2に示す。
【0047】
比較例2(可塑剤を使用した場合)
表2に示した組成について、実施例1と同様に甲剤および乙剤を調製し、各項目について評価した。重合体の硬さと追加裏装性は良好だったものの、重合物の重量変化が19%と大きかった。結果を表2に示す。
【0048】
比較例3(シリコーン系材料の場合)
シリコーン系の市販軟質裏装材Aについて、実施例1と同様の評価を行った。重合物の硬さおよび重合物の重量変化率は良好な値を示したが、追加接着性の評価結果は×であった。結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
Figure 0004279012
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、可塑剤を含まずとも充分な柔軟性を有し、且つ口腔内の唾液や咬合等の繰り返しの応力負荷の影響を受けない、義歯床用裏装材料として好適な歯科用硬化性組成物を提供できる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a dental curable composition and a dental material obtained by polymerizing the dental curable composition. More specifically, the present invention relates to a dental curable composition that can be suitably used for denture base lining applications and a dental material obtained by polymerizing the dental curable composition.
[0002]
[Prior art]
If the denture is used for a long time, the compatibility with the denture gradually deteriorates due to absorption of the alveolar ridge and the maintenance and stability become poor. When the incompatible denture continues to be used as it is, nonuniform pressure is applied to the mucosa below the denture base, causing ulcers and inflammation in the mucosa and causing pain due to occlusal pressure.
[0003]
In addition to repairing dentures and creating new dentures, the treatment method for such incompatibility is to improve compatibility with the oral mucosa by lining (lining) the dentures in use. Is widely practiced. The denture base lining material is roughly classified into two types: a hard lining material and a soft lining material.
[0004]
The hard lining material is a material having a hardness equivalent to that of polymethyl methacrylate (hereinafter referred to as PMMA) generally used as a denture base material. Generally, a (meth) acrylic polymerizable monomer is used. It is prepared by polymerizing and curing the curable composition that contains it (for example, Patent Document 1).
[0005]
On the other hand, the soft lining material is a material used for the purpose of dealing with so-called difficult cases such as a case where the degree of absorption of the alveolar ridge is remarkable and a case where the oral mucosa is thin. Therefore, the soft lining material needs to be a softer material than PMMA, which is a denture base material, and is a silicone-based material using a condensation-type or addition-type silicone rubber (for example, Patent Document 2) or (meth) acrylic. An acrylic type (for example, Patent Document 3) in which a polymerizable monomer is used as a curing component and a plasticizer is blended with it is generally used.
[0006]
Among the soft lining materials described above, addition type silicone rubber-based materials are preferred because of advantages such as (1) no by-product formation, (2) good biocompatibility, and (3) excellent contamination resistance. Used for. However, the addition type silicone rubber-based soft lining material has a drawback that it is difficult to perform further lining (additional lining) after lining the denture base once.
[0007]
In addition, for acrylic materials, additional lining is possible, but the plasticizer is gradually removed from the polymer by contact with saliva during use in the oral cavity and repeated stress loads such as occlusion. Therefore, there is a problem that the properties of the polymer change over time.
[0008]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-335222 [Patent Document 2]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-226613 [Patent Document 3]
Japanese Patent Laid-Open No. 2002-119523
[Problems to be solved by the invention]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-described problems of the prior art, the present inventors have found that the above problems can be overcome by using a specific (meth) acrylic polymerizable monomer, and the present invention is completed. It came to.
[0010]
That is, the present invention provides (A) the following general formula (1)
CH 2 = C (R 1) -COO-R 2 -O- [CO-R 3 -O] n -R 4 (1)
(In the formula, R 1 represents a hydrogen atom or a methyl group, R 2 represents an alkylene group having 2 to 20 carbon atoms, R 3 represents an alkylene group having 4 to 7 carbon atoms, and R 4 represents a hydrogen atom or 1 to 1 carbon atoms. 10 is a dental curable composition comprising a polymerizable monomer represented by (10) a hydrocarbon group, n represents an integer of 1 to 6, and (B) a polymerization initiator.
[0011]
Another invention relates to a dental material obtained by polymerizing the dental curable composition.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the dental curable composition of the present invention, it is essential to use the polymerizable monomer represented by the general formula (1) as a constituent component. The polymerizable monomer is characterized by having an ester structure of a hydroxycarboxylic acid having 4 to 7 carbon atoms in the molecule. Since the partial structure is very flexible, the polymer obtained by polymerizing the polymerizable monomer is a cured product obtained by polymerizing an ordinary (meth) acrylic polymerizable monomer. Softer than the body.
[0013]
In addition, since the dental curable composition of the present invention has sufficient flexibility even without including a plasticizer, even when repeated stress load such as occlusion is applied, the property of the polymer does not change.
[0014]
For these reasons, the dental material obtained by polymerizing the dental curable composition of the present invention can be suitably used as a denture base lining material, particularly as a soft lining material.
[0015]
Hereinafter, the component which comprises the dental curable composition of this invention is demonstrated in detail.
[0016]
In the dental curable composition of the present invention, the following general formula (1)
CH 2 = C (R 1) -COO-R 2 -O- [CO-R 3 -O] n -R 4 (1)
(In the formula, R 1 represents a hydrogen atom or a methyl group, R 2 represents an alkylene group having 2 to 20 carbon atoms, R 3 represents an alkylene group having 4 to 7 carbon atoms, and R 4 represents a hydrogen atom or 1 to 1 carbon atoms. 10 is used, and n represents an integer of 1 to 6). In the above formula (1), R 1 is a hydrogen atom or a methyl group. A methyl group is particularly preferred because of the odor of the polymerizable monomer and low irritation to the oral mucosa.
[0017]
R 2 in the general formula (1) is an alkylene group having 2 to 20 carbon atoms. Examples of those suitably used in the present invention include ethylene group, ethylidene group, trimethylene group, propylene group, tetramethylene group, 1-methyltrimethylene group, 1,2-dimethylethylene group, pentamethylene group, 1- Examples thereof include a methyltetramethylene group, a hexamethylene group, a 1-methylpentamethylene group, a heptamethylene group, an octamethylene group, and a decamethylene group. Among these, in particular, an ethylene group, an ethylidene group, a trimethylene group, a propylene group, a tetramethylene group, a 1-methyltrimethylene group, and a 1,2-dimethylethylene group having 2 to 4 carbon atoms are polymerizable. Particularly preferable from the viewpoint.
[0018]
Moreover, R < 3 > in the said General formula (1) is a C4-C7 alkylene group. Examples of those suitably used in the present invention include tetramethylene group, pentamethylene group, 1-methyltetramethylene group, hexamethylene group, 1-methylpentamethylene group, heptamethylene group and the like. Among these, those having 5 main chain carbon atoms such as a pentamethylene group and a 1-methylpentamethylene group are particularly preferable because they are easily synthesized or available.
[0019]
Moreover, R < 4 > in the said General formula (1) is a hydrogen atom or a C1-C10 hydrocarbon group. Examples of those suitably used in the present invention include aliphatic hydrocarbon groups such as methyl group, ethyl group, propyl group, isopropyl group, butyl group, isobutyl group, t-butyl group, pentyl group, hexyl group, Aromatic hydrocarbon groups such as phenyl group, methylphenyl group and naphthyl group are exemplified. Among these, a hydrogen atom and a methyl group are particularly preferable from the viewpoint of availability.
[0020]
Furthermore, although n in the said General formula (1) shows the integer of 1-6, that whose n is 2-4 is especially preferable from the viewpoint of the softness | flexibility of the polymer obtained, and a polymerization reactivity.
[0021]
Specific examples of the component (A) that can be particularly preferably used in the present invention are as follows.
[0022]
[Chemical 1]
Figure 0004279012
[0023]
[Chemical formula 2]
Figure 0004279012
[0024]
[Chemical 3]
Figure 0004279012
[0025]
The polymerization initiator of component (B) used in the dental curable composition of the present invention is used for polymerizing component (A) and component (C) added as necessary. Examples of the polymerization initiator include radical polymerization initiators, anionic polymerization initiators, and cationic polymerization initiators, but it is preferable to use radical polymerization initiators in consideration of polymerization activity and use in the oral cavity. . Among them, it is particularly preferable to use a room temperature polymerization initiator and / or a photopolymerization initiator.
[0026]
As the room temperature polymerization initiator, a combination of a peroxide and a curing accelerator represented by an amine or a salt thereof is particularly preferably used.
[0027]
For the peroxide, amine or salt thereof, known compounds are not particularly limited and are used. For example, as the peroxide, diacyl peroxide such as benzoyl peroxide, 2,4-dichlorobenzoyl peroxide, dilauroyl peroxide; hydroperoxide such as cumene hydroperoxide, t-butyl hydroperoxide; t- Examples thereof include dialkyl peroxides such as butyl cumyl peroxide. As the amine, a secondary or tertiary amine in which an amine is bonded to an aryl group is preferably used from the viewpoint of acceleration of curing. Specific examples include secondary amines such as N-methylaniline and N-methyl-p-toluidine, and tertiary amines include N, N′-dimethylaniline and N, N-diethylaniline. N, N-di-n-butylaniline, N, N-benzylaniline, N, N′-dimethyl-p-toluidine, N, N′-diethyl-p-toluidine, p-tolyldiethanolamine, N, N ′ -Dimethyl-m-toluidine, p-bromo-N, N'-dimethylaniline, m-chloro-N, N'-dimethylaniline, p-dimethylaminobenzaldehyde, p-dimethylaminoacetophenone, p-dimethylaminobenzoic acid, p-dimethylaminobenzoic acid ethyl ester, p-dimethylaminobenzoic acid amyl ester, N, N-dimethylanthranilic acid Tyl ester, N, N-dihydroxyethyl-p-toluidine, p-dimethylaminophenethyl alcohol, p-dimethylaminostilbene, N, N-dimethyl-3,5-xylidine, 4-dimethylaminopyridine, N, N-dimethyl- Preferred examples include α-naphthylamine, N, N-dimethyl-β-naphthylamine, N, N-dimethylaminoethyl methacrylate, N, N-diethylaminoethyl methacrylate and the like. These amines may form salts with hydrochloric acid, acetic acid, phosphoric acid, organic acids and the like.
Specific examples of particularly preferable combinations among these combinations include a combination of benzoyl peroxide / N, N′-dimethyl-p-toluidine, benzoyl peroxide / p-tolyldiethanolamine, and the like.
[0028]
In these room temperature polymerization initiators, the amounts of peroxide and amine used are 0.05 to 5 parts by weight, more preferably 0.1 to 2 parts by weight, based on 100 parts by weight of the total polymerizable monomer components. Part.
[0029]
Moreover, when the said polymerization initiator is a photoinitiator, a well-known photosensitizer can be used. As photopolymerization initiators (that is, photosensitizers) that can be suitably used, camphorquinone, benzyl, α-naphthyl, acetonaphthene, naphthoquinone, p, p′-dimethoxybenzyl, p, p′-dichlorobenzylacetyl, 1 , 2-phenanthrenequinone, 1,4-phenanthrenequinone, 3,4-phenanthrenequinone, α-diketones such as 9,10-phenanthrenequinone; benzoin alkyl ethers such as benzoin methyl ether, benzoin ethyl ether, benzoin propyl ether; 2 Thioxanthone compounds such as 1,4-diethylthioxanthone and methylthioxanthone; benzophenone compounds such as benzophenone, p, p′-dimethylaminobenzophenone and p, p′-dimethoxyaminobenzophenone.
[0030]
When using the said photoinitiator, it can use together with a hardening accelerator. As the curing accelerator, tertiary amine compounds similar to room temperature polymerization initiators; phosphite compounds such as dimethyl phosphite and dioctyl phosphite and cobalt compounds such as cobalt naphthenate; pyrimidinetriones are preferably used. The Specific examples of suitable combinations among these combinations include combinations of camphorquinone / dimethylaminoethyl methacrylate, camphorquinone / ethyl p-dimethylaminobenzoate, and the like.
[0031]
These photopolymerization initiators and amines are used in amounts of 0.05 to 5 parts by weight, preferably 0.1 to 1 part by weight, based on the total of 100 parts by weight of all polymerizable monomer components. .
[0032]
The dental curable composition of the present invention may contain (C) a polymerizable monomer having two or more (meth) acryl groups in one molecule. By using the component (C), it becomes easy to adjust the mechanical strength and polymerization behavior of the polymer obtained by polymerization.
[0033]
As the component (C) that can be used in the present invention, known components can be used without any limitation as long as they can be copolymerized with the component (A). In general, (meth) acrylic esters are preferably used. The Examples of the (meth) acrylic acid esters include ethylene glycol di (meth) acrylate, diethylene glycol di (meth) acrylate, triethylene glycol di (meth) acrylate, tetraethylene glycol di (meth) acrylate, and polyethylene glycol di (meth). Acrylate (having 5 to 30 moles of ethylene oxide), propylene glycol di (meth) acrylate, 1,3-butanediol di (meth) acrylate, 1,4-butanediol di (meth) acrylate, 1,6 -Hexanediol di (meth) acrylate, 1,9-nonanediol di (meth) acrylate, 1,10-decanediol di (meth) acrylate, 1,12-stearyl di (meth) acrylate, neopentyl glycol di (meth) A) Acrylate, dimer diol di (meth) acrylate, bisphenol A di (meth) acrylate, 2,2-bis [(meth) acryloyloxypolyethoxyphenyl] propane, urethane di (meth) acrylate (hydroxyethyl (meth) acrylate and 2, 2,4-trimethylhexyl-1,6-diisocyanate reaction product) and other polymerizable monomers having two (meth) acryl groups in one molecule; trimethylolpropane tri (meth) acrylate, trimethylol A polymerizable monomer having three (meth) acrylic groups in one molecule such as ethanetri (meth) acrylate; four (meth) acrylic groups in one molecule such as tetramethylolmethanetetra (meth) acrylate The polymerizable monomer which has this is mentioned.
[0034]
In addition, when using the said component (C), it is preferable that the ratio with respect to a component (A) is the range of 1-40 weight part with respect to 100 weight part of a component (A). The effect of adding is sufficiently obtained by setting the ratio of the component (C) to 1 part by weight or more. On the other hand, the flexibility particularly suitable as a soft lining material by setting the ratio of the component (C) to 40 parts by weight or less. You can get sex.
[0035]
What is necessary is just to select suitably according to the polymerization initiator etc. which were mix | blended as a packaging form and polymerization method of the dental curable composition of this invention, for example, when the said normal temperature polymerization initiator is used, component (A) , An organic peroxide, and an agent containing component (C) if necessary, and an agent containing component (A), an amine or a salt thereof, and if necessary, component (C) are stored separately. In addition, it is preferable to mix at an appropriate ratio at the time of use and place it on the denture, and insert it into the oral cavity of the patient for polymerization.
[0036]
In addition, when using the above photopolymerization initiator, typically, the composition in which all the components to be blended are stored in a light-shielded container and taken out from the container at the time of use and placed on the denture. It is preferable to polymerize by light irradiation after being inserted into the patient's mouth and shaped.
[0037]
In addition to the components (A), (B), and (C) described above, the dental curable composition of the present invention improves the fluidity as necessary, and various physical properties and operations of the resulting polymer. Inorganic fillers such as fumed silica; organic fillers such as polymethyl methacrylate, polyethyl methacrylate, and poly (methyl methacrylate-ethyl methacrylate) copolymers; polymerization inhibitors such as butylhydroxytoluene and methoxyhydroquinone UV absorbers such as 4-methoxy-2-hydroxybenzophenone and 2- (2-benzotriazole) -p-cresol, polymerization regulators such as α-methylstyrene dimer; dyes, pigments, fragrances and the like can be added it can.
[0038]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, examples for more specifically explaining the present invention will be shown, but the present invention is not limited to these examples.
[0039]
In the following Examples and Comparative Examples, each component subjected to the test is shown below.
Ingredient (A)
FM2D: polymerizable monomer having the following structure (manufactured by Daicel Chemical Industries)
[0040]
[Formula 4]
Figure 0004279012
[0041]
FM5: polymerizable monomer having the following structure (manufactured by Daicel Chemical)
[0042]
[Chemical formula 5]
Figure 0004279012
[0043]
Ingredient (B)
BPO: Benzoyl peroxide (manufactured by NOF Corporation)
DMPT: N, N′-dimethyl-p-toluidine (manufactured by Wako Pure Chemical Industries)
Ingredient (C)
4G: Tetraethylene glycol di (meth) acrylate (manufactured by Shin-Nakamura Chemical)
ND: 1,9-nonanediol di (meth) acrylate (manufactured by Shin-Nakamura Chemical)
Others HBR: 2- (methacryloyloxy) ethylbutanoate DBP: Dibutyl phthalate evaluation method [Evaluation of hardness of polymer]
Polytetrafluoroethylene having a cylindrical cavity having a diameter of 9 mm and a height of 13 mm is measured after 2 g each of the former and the second agent having the composition shown in each Example and Comparative Example are mixed with a spatula made of polypropylene for 30 seconds. The mixture was poured into a fluoroethylene mold. After press-contacting with a polypropylene sheet, it was fixed with a clamp and left in a constant temperature layer at 37 ° C. for 24 hours. After standing, the polymer was taken out of the mold, and the hardness (Shore A) of the polymer was determined with a spring type hardness tester A type (manufactured by Seiki Co.). In addition, the Shore A hardness of the soft lining material currently marketed is in the range of 20 to 60, and 30 to 50 is a range that can be suitably used.
[Evaluation of weight change rate of polymer]
The mixture of the former and the second agent mixed by the above-described method was poured into a mold made of polytetrafluoroethylene having a cavity of 20 mm × 20 mm × 1 mm. After press-contacting with a polypropylene sheet, it was fixed with a clamp and left in a constant temperature layer at 37 ° C. for 24 hours. After standing, the polymer was taken out of the mold and dried under reduced pressure conditions at 40 ° C. for 24 hours, and then the weight (W1) before the test was measured. After the W1 measurement, the polymer was left in 20 ml of distilled water for 14 days and again dried at 40 ° C. under reduced pressure for 24 hours, and then the weight (W2) after the test was measured. From the following formula, the weight change rate (ΔW) of the polymer was determined.
ΔW (%) = 100 × (W2−W1) / W1
[Evaluation of additional adhesion]
A polymer produced in the same manner as in [Evaluation of weight change rate of polymerized product] was immersed in olive oil at 23 ° C. for 7 days. After immersion, the polymer was taken out, washed lightly with acetone, and then the surface of the polymer was shaved with a dental engine to expose a fresh surface. A freshly mixed mixture of the former and the second agent was poured on the fresh surface, and after standing in a constant temperature layer at 37 ° C. for 24 hours, it was evaluated whether or not they were adhered. In addition, as for the evaluation method, when it was going to peel by hand, the thing which had a feeling of resistance was set to (circle), and the thing which did not have a feeling of resistance and peeled easily was set to x.
[0044]
Example 1
0.05 g of BPO was added to 10 g of FM2D, stirred and dissolved to obtain an armor. On the other hand, 0.05 g of DMPT was added to 10 g of FM2D, stirred and dissolved, and used as an agent. As a result of evaluating the former and second agent by the above-described method, the hardness of the polymer was 24, which was the same value as a commercially available soft lining material. Further, the weight change rate of the polymer was as small as 4%, which was good. Furthermore, it was a favorable result regarding additional adhesiveness.
Examples 2-6
About the composition shown in Table 1, the former and the second agent were prepared similarly to Example 1, and each item was evaluated. The results are shown in Table 1.
[0045]
[Table 1]
Figure 0004279012
[0046]
Comparative Example 1 (when component (A) is not used)
For the composition shown in Table 2, the former and the second preparation were prepared in the same manner as in Example 1 and evaluated for each item. Although the weight change of the polymer and the additional lining property were good, the hardness of the polymer was 77, and it did not fall within the range (30-50) that can be suitably used as a soft lining material. The results are shown in Table 2.
[0047]
Comparative Example 2 (when plasticizer is used)
For the compositions shown in Table 2, the former and the second preparation were prepared in the same manner as in Example 1 and evaluated for each item. Although the hardness and additional lining property of the polymer were good, the weight change of the polymer was as large as 19%. The results are shown in Table 2.
[0048]
Comparative Example 3 (in the case of silicone material)
Evaluation similar to Example 1 was performed on the silicone-based commercial soft lining material A. The hardness of the polymer and the weight change rate of the polymer showed good values, but the evaluation result of the additional adhesion was x. The results are shown in Table 2.
[0049]
[Table 2]
Figure 0004279012
[0050]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, it has sufficient softness | flexibility even if it does not contain a plasticizer, and it is not influenced by repeated stress loads, such as saliva in the oral cavity and occlusion, and is suitable as a dental material suitable as a denture base lining material. A curable composition can be provided.

Claims (4)

(A)下記一般式(1)
CH=C(R)−COO−R−O−[CO−R−O]−R (1)
(式中、Rは水素原子又はメチル基を、Rは炭素数2〜20のアルキレン基を、Rは炭素数4〜7のアルキレン基を、Rは水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を、nは1〜6の整数を示す。)で示される重合性単量体、及び(B)重合開始剤を含有してなる歯科用硬化性組成物。
(A) The following general formula (1)
CH 2 = C (R 1) -COO-R 2 -O- [CO-R 3 -O] n -R 4 (1)
(In the formula, R 1 represents a hydrogen atom or a methyl group, R 2 represents an alkylene group having 2 to 20 carbon atoms, R 3 represents an alkylene group having 4 to 7 carbon atoms, and R 4 represents a hydrogen atom or 1 to carbon atoms. A dental curable composition comprising a polymerizable monomer represented by (10) a hydrocarbon group of 10 and n is an integer of 1 to 6, and (B) a polymerization initiator.
(C)一分子中に二個以上の(メタ)アクリル基を有する重合性単量体をさらに含む請求項1記載の歯科用硬化性組成物。(C) The dental curable composition according to claim 1, further comprising a polymerizable monomer having two or more (meth) acryl groups in one molecule. 請求項1又は請求項2の何れかに記載の歯科用硬化性組成物を重合させてなる歯科用材料。A dental material obtained by polymerizing the dental curable composition according to claim 1. 請求項1又は請求項2の何れかに記載の歯科用硬化性組成物を用いた義歯床用裏装材料。A denture base lining material using the dental curable composition according to claim 1.
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