JP4275460B2 - Gas compressor - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカーエアコンシステム等に用いられる気体圧縮機に関し、特に、動力ロスの低減、耐摩耗性の向上、内部リークの低減による機器性能の向上等を図るのに好適な気体圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の気体圧縮機としては図6に示す構造のものが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
同図の気体圧縮機は、内周楕円状のシリンダ4内に回転可能に収容されたロータ8を有し、このロータ8とシリンダ4との間の隙間空間がシリンダ室23となっている(図7参照)。シリンダ4のフロント側およびリア側端面にはフロントサイドブロック5とリアサイドブロック6がそれぞれ取り付けられており、この両サイドブロック5、6に設けた軸受孔9、10を介して上記ロータ8のロータ軸7が支持される構造となっている。
【0004】
また、上記ロータ8の外周面にはベーン溝21が形成され、このベーン溝21にはベーン22が摺動可能に装着されている(図7参照)。ベーン22はロータ8の外周面からシリンダ4の内周面に向かって出没可能に設けられ、かつ、上記シリンダ室23を複数の小室に仕切る構造となっている。そして、この仕切られた小室が圧縮室24としてロータ8の回転により容積の大小変化を繰り返し、その容積変化により圧縮室24内で冷媒ガスが圧縮される。
【0005】
上記のような構造からなる気体圧縮機においては、圧縮後の高圧冷媒ガス圧が作用する高圧オイルを軸受9、10のクリアランスで絞って中圧とし、このような中圧オイルがロータ軸7のリア側端面を含む壁面で形成されたリア背圧空間37に流出し、このリア背圧空間37からその中圧オイルがベーン背圧としてベーン22の底部に供給される構造となっている。また、ロータ軸7のフロント側には電磁クラッチ14が連結されている。
【0006】
このため、上記構造の気体圧縮機の運転時において、そのロータ8に作用するスラスト方向(ロータ軸心方向)の荷重を考えると、ロータ8をフロントサイドブロック5側に押圧する荷重として、ロータ軸7のリア側端面に作用するリア背圧空間37のオイル圧があり、また、同ロータ8をリアサイドブロック6側に押圧する荷重として、電磁クラッチ14のアマチュア15がプーリ18側に引き寄せられた際のバネ部材16のバネ力がある。
【0007】
従って、上記構造の従来の気体圧縮機にあっては、前述した2つのロータスラスト荷重のバランスが取れていないと、ロータ8がフロントサイドブロック5またはリアサイドブロック6のいずれか一方に偏って強く押しつけられ、以下の問題が生じる。
【0008】
(1)両サイドブロック5、6に摺接しているロータ8の摺動抵抗が増加し、大きな動力ロスが発生する。
【0009】
(2)ロータ8の端面やこれに対向するフロントサイドブロック5の内面またはリアサイドブロック6の内面が摩耗しやすい。
【0010】
(3)ロータ8とフロントサイドブロック5またはリアサイドブロック6との間の微少な隙間(以下、ロータサイド隙間という。)がその設定値より広がってしまい、このロータサイド隙間を介して高圧側から低圧側へ高圧冷媒ガスがリークする、いわゆる内部リーク量が増え、機器性能の低下が生じる。
【0011】
地球温暖化問題との関係から、R410AやCO2等の高圧作動冷媒ガスを用いる気体圧縮機の要求が高まっている。このような気体圧縮機においては、そのR410AやCO2の特性上、圧縮後の高圧冷媒ガスの圧力がより一層高くなり、これに伴いリア背圧空間37のオイル圧も高まる。このため、電磁クラッチ14のアマチュア15がプーリ18側に引き寄せられた際のバネ部材16のバネ力とリア背圧空間37のオイル圧との力の差が従来以上に大きくなり、ロータ8がフロントサイドブロック5側に押しつけられる力が増大することから、上記のような動力ロス、摩耗、内部リークの増加による機器性能の低下といった問題が顕著になる。
【0012】
【特許文献1】
特開2002‐174190号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、動力ロスの低減、耐摩耗性の向上、内部リークの低減による機器性能の向上等を図るのに好適な気体圧縮機を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、シリンダと、上記シリンダのフロント側端面に取り付けたフロントサイドブロックと、上記シリンダのリア側端面に取り付けたリアサイドブロックと、上記シリンダ内に回転可能に収容されたロータと、上記フロントサイドブロックと上記リアサイドブロックに設けた軸受孔で上記ロータの回転軸を支持するロータ支持構造と、上記ロータの外周面から上記シリンダの内周面に向かって出没可能に設けられるとともに、上記シリンダと上記ロータの間の隙間空間からなるシリンダ室を複数の小室に仕切るベーンと、上記ベーンにより仕切られた複数の小室からなるとともに、上記ロータの回転により容積の大小変化を繰り返し、この容積変化により冷媒ガスの吸入、圧縮、吐出を行なう構造の圧縮室と、上記ロータの端面とこれに対向する上記フロントサイドブロックの内面とを互いの磁力で反発させて、運転時のロータスラスト荷重を釣り合わせる、荷重バランス取り手段とを備え、上記ロータ軸のフロント側端部には、これに連結された電磁クラッチが設けられ、上記ロータ軸のリア側端部には、そのロータ軸の端面を含む壁面で囲まれてなるとともに、上記ベーンの底部にベーン背圧として中圧オイルを供給するリア背圧空間が設けられてなり、上記荷重バランス取り手段は、上記ロータの端面側のみ若しくは該ロータの全体を永久磁石とし、上記ロータ側の永久磁石と反発する電磁石が上記フロントサイドブロック側に設けられる構造からなるとともに、上記リア背圧空間の中圧オイル圧を検知し、この検知結果に基づいて上記電磁石を制御する制御手段を具備し、その電磁石と上記永久磁石との反発磁力により、上記ロータを上記フロントサイドブロック側に押圧するロータスラスト荷重として該ロータに作用する、上記リア背圧空間のオイル圧と、上記ロータを上記リアサイドブロック側に押圧するロータスラスト荷重として該ロータに作用する、上記電磁クラッチのアマチュアがプーリ側に引き寄せられた際のバネ力とを釣り合わせる手段であることを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を基に詳細に説明する。
【0023】
図1は本発明の一実施形態である気体圧縮機の断面図、図2は図1のA‐A線断面図、図3は図1のB‐B線断面図、図4は図1の気体圧縮機における制御手段の動作の説明図である。
【0024】
図1の気体圧縮機は、一端開口型コンプレッサケース1内に圧縮機構部2を収納し、かつ、そのコンプレッサケース1の開口端にフロントヘッド3を取り付けてなる、いわゆるシェル構造を採用している。
【0025】
圧縮機構部2は筒状のシリンダ4を有し、シリンダ4のフロント側4F開口端面とリア側4R開口端面は、それぞれに取り付けられたサイドブロック5、6で塞がれている。以下、シリンダ4のフロント側4F端部を塞いでいるサイドブロック5のことを「フロントサイドブロック」といい、同シリンダ4のリア側4R端部を塞いでいるサイドブロック6のことを「リアサイドブロック」という。
【0026】
シリンダ4の内側にはロータ8が回転可能に収容され、このロータ8の軸心には回転軸としてロータ軸7が一体に設けられている。ロータ軸7は、フロントサイドブロック5とリアサイドブロック6のそれぞれに設けた軸受孔9、10で支持されている。この両サイドブロック5、6の軸受孔9、10はそれぞれのサイドブロック5、6の表裏面を貫通する孔形状となっている。
【0027】
フロントヘッド3の外表面にはボス部11が突出形成されている。また、このボス部11の中央にはフロントサイドブロック5の軸受孔9に連通する貫通孔12が開設されている。
【0028】
ロータ軸7のフロント側端部7Fは、フロントサイドブロック5の軸受9からフロントヘッド3の貫通孔12内に突出している。尚、ロータ軸7の外周面と貫通孔12との間にはシール部材13が設けられ、このシール部材13によりロータ軸7の外周面がシールされ、フロントヘッド3の内外がシール部材13で遮断されている。
【0029】
ロータ軸7のフロント側端部7Fには電磁クラッチ14が連結されている。電磁クラッチ14は、アマチュア15、ゴム等のバネ性を有するバネ部材16、および従動軸17からなり、これらの部材を介してプーリ18の回転力をロータ軸7側に伝達するように構成されている。
【0030】
プーリ18は、フロントヘッド3のボス部11外周にベアリング19を介して回転可能に取り付けられるとともに、図示しないエンジン等の動力で回転駆動される。また、このプーリ18の内側空洞部には、フロントヘッド3側に取り付けられたクラッチ電磁石20が配設されている。
【0031】
アマチュア15は、その摩擦面が所定のエアギャップを隔ててプーリ18の端面と対向するように配置されている。従動軸17は、ロータ軸7のフロント側7F端部に同軸上にネジ止め固定されている。バネ部材16は、アマチュア15と従動軸17とを連結している。
【0032】
上記のような構造からなる電磁クラッチ14において、クラッチ電磁石20が励磁されると、その磁力により、アマチュア15がバネ部材16のバネ力に逆らってプーリ18側に引き寄せられる。これにより、アマチュア15の摩擦面がプーリ18の端面に密着する。そうすると、プーリ18の回転力がアマチュア15とバネ部材16と従動軸17を介してロータ軸7側に伝達されて、ロータ軸7が回転する。
【0033】
クラッチ電磁石20の励磁を停止すると、バネ部材16のバネ力によりアマチュア15がプーリ18側から引き離される。これによりプーリ18からアマチュア15側への回転力の伝達が遮断されて、ロータ軸7の回転が停止する。
【0034】
図2に示したように、ロータ8の外周面にはスリット状のベーン溝21が5つ切り込み形成されている。これらのベーン溝21にはそれぞれ1枚ずつベーン22が摺動可能に装着されている。各ベーン22はいずれもロータ8の外周面からシリンダ4の内周面に向かって出没可能に設けられている。
【0035】
この図1の気体圧縮機においては、筒状のシリンダ4はその内周が略楕円状に形成され、この内周略楕円状のシリンダ4の中心部に真円のロータ8を配置することで、シリンダ4とロータ8との間の隙間空間からなる三日月型のシリンダ室23がロータ軸7を中心として180°対向する位置に2つ形成される構造と、この2つのシリンダ室23をベーン22が複数の小室に仕切り形成するという構造を採用している。
【0036】
上記の如くベーン22により仕切られた小室が圧縮室24である。圧縮室24は、ロータ軸7と一体にロータ8が図中矢印イの方向へ回転することにより容積の大小変化を繰り返し、この容積変化により冷媒ガスの吸入、圧縮、吐出を行なう。
【0037】
すなわち、圧縮室24の容積変化が生じると、その容積増加時に、吸入室25内の低圧冷媒ガスが圧縮室24へ吸入される。このような圧縮室24への吸入動作は、フロントサイドブロック5の吸入口5‐1や、シリンダ4の吸入通路26と連通するようにリアサイドブロック6の端面に掘られた吸入口(図示省略)を介して行なわれる。
【0038】
そして、圧縮室24の容積が減少し始めると、その容積減少効果により圧縮室24内の冷媒ガスが圧縮され始める。その後、圧縮された冷媒ガスの圧力がシリンダ4外部空間の吐出チャンバ27側の圧力よりも高くなると、シリンダ4楕円短径部付近に位置するシリンダ吐出孔28の吐出弁29が開く。
【0039】
上記のようにして吐出弁29が開くと、圧縮室24内の高圧冷媒ガスがシリンダ吐出孔28からシリンダ4外部空間の吐出チャンバ27側へ流出する。ベーン22がシリンダ吐出孔28を通過すると同時に、吐出弁29を挟んだ次の圧縮室24と吐出チャンバ27との圧力差が逆転し吐出弁29が閉じる。
【0040】
吐出チャンバ27側へ流出した高圧冷媒ガスは、シリンダ4やリアサイドブロック6の吐出通路(図示省略)を通り、リアサイドブロック6に取り付けられている油分離器31を通って、最後に吐出室32へ吐出される。
【0041】
吐出チャンバ27内に吐出した高圧冷媒ガス中には、圧縮機構部2の摺動部の潤滑や隙間部のシールのためのオイルがミストの状態で含まれている。この高圧冷媒ガス中のオイル成分は油分離器31の分離フィルタ33で分離捕獲され、かつ、吐出室30底部のオイル溜り34に滴下し貯留される。
【0042】
オイル溜り34には吐出室32の高圧、すなわち圧縮室24から吐出室32内に吐出した高圧冷媒ガスの圧力(以下、吐出圧力という。)が作用している。
【0043】
オイル溜り34のオイルは、圧縮機構部2の摺動部や隙間部、例えば、▲1▼軸受9、10、▲2▼ベーン22底部の隙間空間、▲3▼ロータサイド隙間、▲4▼ロータ周方向隙間等へ供給される。尚、ロータサイド隙間とは、フロントサイドブロック5またはリアサイドブロック6とロータ8との間の隙間である。ロータ周方向隙間とは、ロータ8とシリンダ4との間の隙間である。
【0044】
ここで、圧縮機構部2の摺動部や隙間部へのオイルの供給手段について説明する。
【0045】
圧縮機構部2には高圧オイル供給孔35が設けられている。この高圧オイル供給孔35は、その一端がオイル溜り34側に開口し、その他端がフロントサイドブロック5およびリアサイドブロック6の軸受9、10側に開口する構造であって、かつ、リアサイドブロック6に穿設した孔35‐1と、これと連通するようにシリンダ4に穿設した孔35‐2と、これと連通するようにフロントサイドブロック5に穿設した孔35‐3とから構成されている。
【0046】
従って、本実施形態の気体圧縮機においては、この高圧オイル供給孔35により、オイル溜り34側からフロントサイドブロック5およびリアサイドブロック6の軸受9、10側へ吐出圧力Pd相当の高圧のオイルが供給され、このオイルによって軸受9、10の潤滑が行なわれる。
【0047】
ロータ8の端面と対向しているリアサイドブロック6の内面にはサライ溝36が設けられている。サライ溝36は、リアサイドブロック6の軸受10の周囲に形成され、かつ、軸受10のクリアランスに開口し連通している。また、このサライ溝36には、冷媒ガスの吸入過程から圧縮過程の時期に、ベーン溝21底部側がその側面から対向し連通するように構成されている。このような構造からなるサライ溝36については、フロントサイドブロック5の内面にも同様に設けられている。
【0048】
ロータ軸7のリア側7R端部にはリア背圧空間37が設けられている。リア背圧空間37は、油分離器31およびリアサイドブロック6の外壁の一部とロータ軸7のリア側7R端面を含む壁面で形成されている。また、このリア背圧空間37は、リアサイドブロック6に穿設された中圧オイル供給孔38を介して同リアサイドブロック6のサライ溝36に連通している。
【0049】
従って、本実施形態の気体圧縮機においては、リアサイドブロック6の軸受10側へ供給されたオイルは、さらに同軸受10のクリアランスを通過してリアサイドブロック6のサライ溝36側へ流出し供給されるとともに、同軸受10のクリアランス、リア背圧空間37、中圧オイル供給孔38をその順に通過してサライ溝36側へ流出し供給される。一方、フロントサイドブロック5の軸受9側へ供給されたオイルは、同軸受9のクリアランスを通過してフロントサイドブロック5のサライ溝36側へ流出し供給される。
【0050】
この際、軸受9または軸受10のクリアランス通過時に、オイルは絞られ減圧される。これにより、フロントサイドブロック5およびリアサイドブロック6のサライ溝36、36側へ供給されるオイルの圧力は、いずれも軸受9、10へ供給されるオイルの圧力より低く、吐出圧力Pdと吸入圧力Psの中間の圧力となる。以下、この中間の圧力のオイルを「中圧オイル」という。
【0051】
そして、このサライ溝36内の中圧オイルがベーン背圧としてベーン22底部の隙間空間へ供給され、このベーン22底部の隙間空間からベーン22の底部に中圧オイルの圧力が作用する。ベーン22にはロータ8の回転による遠心力も作用する。従って、その中圧オイルの圧力と遠心力により、ベーン22はロータ8の外周面からシリンダ4の内周面に向かって飛び出る。
【0052】
尚、本実施形態の気体圧縮機では、内周略楕円形状のシリンダ4の中心に真円のロータ8を配置することで、ロータ軸7を中心として180°対向する位置に三日月型のシリンダ室23が2つ形成される構造を採用している。このため、その双方のシリンダ室23、23において冷媒ガスの吸入・圧縮・吐出という一連の動作を行なうことが可能となっている。
【0053】
また、本実施形態の気体圧縮機では、ロータ8にベーン22を5枚配設しているため、ロータ8が1回転する間に一方の三日月型シリンダ室23内では当該ベーン13により仕切られた圧縮室24が5回形成される。従って、ロータ8が1回転する間に、一方の三日月型シリンダ室23で冷媒ガスの吸入・圧縮・吐出という一連の動作が5回行われ、双方のシリンダ室23で都合10回行われる。
【0054】
このような構造との関係から、リアサイドブロック6やフロントサイドブロック5のサライ溝36については、ロータ軸7を中心として180°対向する位置にそれぞれ1つずつ計2つ設けている。これと同様に吸入通路26、吐出チャンバ27、シリンダ吐出孔28、吐出弁29等についても、それぞれ2つずつ設けている。
【0055】
上記のような構造からなる気体圧縮機において、クラッチ電磁石20が励磁され、電磁クラッチ14がオン動作状態となると、ロータ軸7と一体にロータ8が回転して、冷媒ガスの圧縮動作が行なわれるが、このとき、ロータ8にはロータスラスト荷重として、少なくとも以下の力が作用する。
【0056】
▲1▼電磁クラッチ14のアマチュア15がプーリ18側に引き寄せられた際のバネ部材16のバネ力。
【0057】
▲2▼リア背圧空間37のオイル圧力。
【0058】
▲3▼リアサイドブロック6のサライ溝36に供給されるオイル圧力。
【0059】
▲4▼フロントサイドブロック5のサライ溝36に供給されるオイル圧力。
【0060】
▲5▼ロータ軸7のフロント側7F端面に作用する大気圧。
【0061】
このうち、上記▲3▼と上記▲4▼の力は略同一の中圧で互いに逆向きであるため相殺される。上記▲5▼の大気圧は上記▲1▼や上記▲2▼の力に比し極く小さい。従って、主として上記▲1▼と力と上記▲2▼の圧力がロータスラスト荷重としてロータ8に作用すると考えることができる。
【0062】
電磁クラッチ14のアマチュア15がプーリ18側に引き寄せられた際のバネ部材16のバネ力(上記▲1▼のバネ力)は、ロータ8をリアサイドブロック6側に押圧する方向を向いている。また、リア背圧空間37のオイル圧力(上記▲2▼の圧力)は、ロータ8をフロントサイドブロック5側に押圧する方向を向いている。従って、この2つのスラスト荷重のバランスを取ることができれば、ロータ8は、フロントサイドブロック5やリアサイドブロック6のいずれか一方に偏って強く押しつけられることなく、中立の位置に保持される。
【0063】
そこで、本実施形態の気体圧縮機では、主として、上記の如くロータ8に作用する2つのロータスラスト荷重(電磁クラッチ14のアマチュア15がプーリ18側に引き寄せられた際のバネ部材16のバネ力とリア背圧空間のオイル圧力)に着目し、この2つのロータスラスト荷重の荷重バランスを取り、運転時のロータスラスト荷重を釣り合わせる手段として、磁力の反発力を利用するという構造を採用している。
【0064】
すなわち、本実施形態の気体圧縮機においては、ロータ8の端面とこれに対向するフロントサイドブロック5の内面とが磁化され、これにより、そのロータ8の端面とこれに対向するフロントサイドブロック5の内面とが互いの磁力で反発し合う構造となっている。
【0065】
ここで、上記のように反発する磁力の強さ(大きさ)は、ロータ軸7のリア側7R端面の面積とリア背圧空間37のオイル圧力との乗算値と、電磁クラッチ14のアマチュア15がプーリ18側に引き寄せられた際のバネ部材16のバネ力との差分に相当するものとする。これにより、ロータ8をフロントサイドブロック5側に押圧するロータスラスト荷重と同ロータ8をリアサイドブロック6側に押圧するロータスラスト荷重との差分が0になり、その荷重バランスが取れ、ロータ8が中立位置に保持される。
【0066】
ロータ8の端面を磁化する手段については各種考えられる。本実施形態においては、そのロータ端面磁化手段として、磁化したいロータ8の端面側に永久磁石39を埋設し、この永久磁石39によりロータ8の端面側のみを局所的に磁化する構造を採用している。この構造において、永久磁石39は、ロータ軸7を中心として環状に設けられている。これはロータ8の端面から出る磁力の均一化を図るためである。
【0067】
永久磁石39をロータ軸7回りに環状に設置する構造としては、図2のようにリング状の永久磁石39を用いる構造のほか、図5のように永久磁石39の小片39‐1〜39‐5をベーン溝間に設置し、これらの小片39‐1〜39‐5が全体としてロータ軸7回りに環状に配置される構造等が考えられるが、いずれの構造を採用してもよい。
【0068】
また、図2に示したリング状の永久磁石39や、図5に示した永久磁石39の小片39‐1〜39‐5は、いずれもロータ8の周面寄りに近接して配置されている。これはロータ軸7を中心として広い範囲で反発磁力が作用するように構成することで、ロータスラスト荷重のバランス取りの安定性を高め、安定したロータ8の回転が得られるようにするためである。
【0069】
また、フロントサイドブロック5の内面を磁化する手段についても各種考えられる。本実施形態では、そのフロントサイドブロック内面磁化手段として、上記のようなロータ8側の永久磁石39と反発する電磁石40をフロントサイドブロック5に内蔵するという構造を採用している。この構造において、図3に示したように、電磁石40はロータ8側の永久磁石39と同様に、ロータ軸7を中心として環状に設けられるものとしている。これはフロントサイドブロック5の内面から出る磁力の均一化を図るためである。
【0070】
また、本実施形態の気体圧縮機の場合、上記の如くフロントサイドブロック5に内蔵された電磁石40の磁力は、リア背圧空間37の圧力に基づき調節・制御される。この調節・制御は、中圧導入管41、圧力電圧変換器42、電圧算出手段43、電圧供給手段44からなる制御手段45により行なわれる。
【0071】
中圧導入管41は、リア背圧空間37の圧力を圧力電圧変換器42側に導く構造となっている。圧力電圧変換器42は、中圧導入管41を介して導入されたリア背圧空間37の圧力を電圧に変換する。この変換電圧はリア背圧空間37の圧力に比例する。従って、圧力電圧変換器42による変換電圧は現在のリア背圧空間37の圧力を示している。
【0072】
電圧算出手段43は、圧力電圧変換器42による変換電圧(現在のリア背圧空間37の圧力)に基づき、ロータスラスト荷重バランスを取るために必要な反発磁力、すなわちロータ8の端面とこれに対向するフロントサイドブロック5の内面との間の反発磁力を求めるとともに、その反発磁力を得るために必要な電磁石40の励磁電圧を演算する。電圧供給手段44は、上記電圧算出手段43での演算結果の励磁電圧値に基づき電磁石40を励磁する。
【0073】
上記構造からなる制御手段45は気体圧縮機の運転開始と同時に作動を開始する。
【0074】
図4に示したように、制御手段45が作動すると(ステップ100)、中圧導入管41を介し圧力電圧変換器42側にリア背圧空間37の圧力が導入され、この圧力電圧変換器42においてリア背圧空間37の現在の圧力が電圧として検知される(ステップ101)。このとき、例えばリア背圧空間37の圧力が中圧オイル圧になっているときは、その中圧オイル圧のときにロータスラスト荷重バランスを取るために必要な反発磁力が求められ、さらに、この反発磁力を得るために必要な電磁石40の励磁電圧が演算される(ステップ102)。この処理動作は電圧算出手段43で行なわれる。
【0075】
次に、電圧算出手段43での演算結果の励磁電圧に基づいて電圧供給手段44が電磁石40を励磁する(ステップ103)。この電磁石40の励磁により、ロータスラスト荷重のバランスを取るために必要な反発磁力が、ロータ8の端面とこれに対向するフロントサイドブロック5の内面との間に発生し、これにより、ロータ8が中立位置に保持される。
【0076】
従って、上記制御手段45を採用した本実施形態の気体圧縮機によると、リア背圧空間37の圧力が変化しても、そのリア背圧空間37の圧力に応じた適切なロータスラスト荷重のバランス取りが行なわれる。
【0077】
ところで、上記の如くリア背圧空間37の圧力に基づきフロントサイドブロック5側の電磁石40を制御するのは、リア背圧空間37の圧力に変化が生じるため、これに応じてロータ8の端面とこれに対向するフロントサイドブロック5の内面との間の反発磁力を変更し、適切にロータスラスト荷重バランスを取る必要があるためである。
【0078】
すなわち、ロータ8をリアサイドブロック6側に押圧するロータスラスト荷重としてロータ8に作用する力は、電磁クラッチ14のアマチュア15がプーリ18側に引き寄せられた際のバネ部材16のバネ力により一義的に決まるものであって、略一定であると考えられる。
【0079】
これに対し、ロータ8をフロントサイドブロック5側に押圧するロータスラスト荷重(リア背圧空間37のオイル圧力)は、吐出室32の圧力に基づき発生するものであるため、吐出室32の圧力に連動して変化する。例えば、気体圧縮機の起動時は、吐出室32への高圧冷媒ガスの吐出量が少なく、吐出室32の圧力が低いため、リア背圧空間37のオイル圧力も低くなるが、気体圧縮機の起動時から少し時間が経過した後の定常運転時には、吐出室32側への高圧冷媒ガスの吐出量が増加し、吐出室32の圧力が所定の圧力まで高まるため、これに伴いリア背圧空間37のオイル圧も高まる。
【0080】
従って、気体圧縮機の起動時と定常運転時では、リア背圧空間37のオイル圧力が変化し、このため、ロータ8をフロントサイドブロック5側に押圧するロータスラスト荷重が変化する。どのような気体圧縮機の運転状況下でも、ロータスラスト荷重バランスを取って、ロータ8を中立位置に常時保持できるようにするには、そのスラスト荷重バランスを取っている力、すなわちロータ8の端面とこれに対向するフロントサイドブロック5の内面との間に生じる上記反発磁力を適切に変更する必要がある。
【0081】
このような観点から、本実施形態の気体圧縮機では、上記反発磁力をリア背圧空間37のオイル圧力に基づき調整・制御するものとし、これにより、気体圧縮機の起動時と定常運転時において、ロータスラスト荷重バランスが適切に取られて、ロータ8が常時中立位置に保持されるようにしている。
【0082】
特に冷媒としてR410AやCO2等の高圧冷媒を用いた場合には、通常用いられる冷媒に比し吐出室32の圧力がより一層高圧になり、これに伴いリア背圧空間37のオイル圧力も上昇する。このため、そのリア背圧空間37のオイル圧力、すなわちロータ8をフロントサイドブロック5側に押圧するロータスラスト荷重は、通常の冷媒を用いる場合に比し大となり、このように増大したロータスラスト荷重によりロータ8がフロントサイドブロック5側に押しつけられようとする。しかし、本実施形態の気体圧縮機の場合は、上記のようにリア背圧空間37のオイル圧に基づいて行なわれる電磁石40の調整・制御により、ロータスラスト荷重バランスを取る力、すなわちロータ8の端面とこれに対向するフロントサイドブロック5の内面との間に生じる反発磁力も大きくなるから、ロータ8の端面がその反発磁力に負けてフロントサイドブロック5の内面に強く押しつけられることはなく、ロータ8は中立位置に保持された状態で安定に回転することができる。
【0083】
上記実施形態の気体圧縮機によると、ロータ8の端面とこれに対向するフロントサイドブロック5の内面とがその互いの磁力で反発し合い、この反発磁力により、ロータ8をリアサイドブロック6側に押圧するロータスラスト荷重とロータ8をフロントサイドブロック5側に押圧するロータスラスト荷重とのバランスを取るという構造を採用したものである。このため、例えば、R410AやCO2等のような高圧作動冷媒ガスを用いた場合においても、その反発磁力によって、ロータスラスト荷重のバランスを適正に保つことができ、ロータ8を中立位置に保持することが可能となる。従って、ロータ8がフロントサイドブロック5側に偏って押しつけられることがなく、その押しつけによる不具合、例えば、動力ロスや、ロータ8またはフロントサイドブロック5の摩耗の低減を図れる。さらにロータ8の中立位置が保持されるということは、ロータサイド隙間の初期設定値を確実に維持することを可能とするものであるから、いわゆる内部リークの低減に効果があり、機器性能の向上も図れる。動力ロスの低減はエネルギ消費量の低減を通じて地球環境保全に貢献するものである。
【0085】
上記実施形態では、ロータスラスト荷重のバランス取り手段として、フロントサイドブロック5側の電磁石40とロータ8側の永久磁石39との反発磁力を利用する構造を採用したが、これに代えて、そのフロントサイドブロック5側の電磁石4を永久磁石とする構造を採用してもよい。この構造の場合、そのフロントサイドブロック5側の永久磁石(図示省略)とロータ8側の永久磁石との反発磁石により、ロータスラスト荷重のバランスを取り、これによりロータ8が中立位置に保持されるものとする。
【0086】
上記実施形態では、ロータ8の端面側に永久磁石39を埋設する等の手法により、ロータ8の端面側のみを永久磁石化する構造を採用したが、これに代えて、ロータ8の全体を永久磁石とする構造を採用しても、上記実施形態と同等の作用効果が得られる。また、同実施形態では、フロントサイドブロック5の内部に電磁石40や永久磁石を内蔵設置する等の手法を採用したが、これに代えて、フロントサイドブロック5の全体を永久磁石で構成する、あるいは永久磁石や電磁石の磁力によりフロントサイドブロック5の内面側のみが磁化される構造を採用してもよい。
【0087】
【発明の効果】
本発明に係る気体圧縮機にあっては、上記の如く、ロータの端面とこれに対向するフロントサイドブロックの内面とを互いの磁力で反発させて、運転時のロータスラスト荷重を釣り合わせるという構造を採用したものである。このため、例えばR410AやCO2等の高圧作動冷媒を用いた場合においても、上記の反発磁力によって、ロータスラスト荷重のバランスを適正に保つことができ、ロータを中立位置に保持することが可能となる。従って、ロータがフロントサイドブロック側に偏って押しつけられることがなく、その押しつけによる不具合、例えば、動力ロスの低減や、ロータまたはフロントサイドブロックの摩耗の低減を図れるとともに、内部リークの低減にも効果があり、機器性能の向上も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である気体圧縮機の断面図。
【図2】図1のA‐A線断面図。
【図3】図1のB‐B線断面図。
【図4】図1の気体圧縮機における制御手段の動作の説明図。
【図5】図1のB‐B線断面における本発明の他の実施形態の説明図。
【図6】従来の気体圧縮機の断面図。
【図7】図6のA‐A線断面図。
【符号の説明】
1 コンプレッサケース
2 圧縮機構部
3 フロントヘッド
4 シリンダ
4F シリンダのフロント側
4R シリンダのリア側
5 サイドブロック(フロントサイドブロック)
5−1 吸入口
6 サイドブロック(リアサイドブロック)
7 ロータ軸(回転軸)
7F ロータ軸のフロント側
7R ロータ軸のリア側
8 ロータ
9、10 軸受孔
11 ボス部
12 貫通孔
13 シール部材
14 電磁クラッチ
15 アマチュア
16 バネ部材
17 従動軸
18 プーリ
19 ベアリング
20 クラッチ電磁石
21 ベーン溝
22 ベーン
23 シリンダ室
24 圧縮室
25 吸入室
26 吸入通路
27 吐出チャンバ
28 シリンダ吐出孔
29 吐出弁
30 吐出通路
31 油分離器
32 吐出室
33 分離フィルタ
34 オイル溜り
35 高圧オイル供給孔
36 サライ溝
37 リア背圧空間
38 中圧オイル供給孔
39 永久磁石
40 電磁石
41 中圧導入管
42 圧力電圧変換器
43 電圧算出手段
44 電圧供給手段
45 制御手段[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a gas compressor used in a car air conditioner system and the like, and more particularly, to a gas compressor suitable for reducing power loss, improving wear resistance, improving equipment performance by reducing internal leakage, and the like.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, this type of gas compressor has a structure shown in FIG. (For example, refer to Patent Document 1).
[0003]
The gas compressor shown in the figure has a
[0004]
A
[0005]
In the gas compressor having the above-described structure, the high-pressure oil on which the high-pressure refrigerant gas pressure after compression acts is squeezed by the clearances of the
[0006]
For this reason, when the load in the thrust direction (rotor axial direction) acting on the
[0007]
Therefore, in the conventional gas compressor having the above-described structure, if the two rotor thrust loads described above are not balanced, the
[0008]
(1) The sliding resistance of the
[0009]
(2) The end surface of the
[0010]
(3) A minute gap (hereinafter referred to as the rotor side gap) between the
[0011]
R410A and CO due to global warming issues 2 There is an increasing demand for gas compressors that use high-pressure working refrigerant gas such as the above. In such a gas compressor, the R410A and CO 2 Therefore, the pressure of the compressed high-pressure refrigerant gas is further increased, and the oil pressure in the rear
[0012]
[Patent Document 1]
JP 2002-174190 A
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made to solve the above-mentioned problems, and its object is to reduce power loss, improve wear resistance, and improve equipment performance by reducing internal leakage. The object is to provide a gas compressor.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention provides a cylinder, a front side block attached to the front side end surface of the cylinder, a rear side block attached to the rear side end surface of the cylinder, and rotatably accommodated in the cylinder. A rotor support structure that supports the rotating shaft of the rotor by a bearing hole provided in the front side block and the rear side block, and can protrude from the outer peripheral surface of the rotor toward the inner peripheral surface of the cylinder. And a vane that divides a cylinder chamber formed by a gap space between the cylinder and the rotor into a plurality of small chambers, and a plurality of small chambers partitioned by the vane, and the volume of the volume is changed by the rotation of the rotor. A compression chamber having a structure in which refrigerant gas is sucked, compressed, and discharged by the volume change repeatedly. An inner surface of the front side block facing thereto and end faces of the rotor by repulsive in mutual magnetic force to balance the rotor thrust load during operation, the load balancing means An electromagnetic clutch coupled thereto is provided at the front end of the rotor shaft, and the rear end of the rotor shaft is surrounded by a wall surface including the end surface of the rotor shaft. A rear back pressure space for supplying medium pressure oil as a vane back pressure is provided at the bottom of the vane, and the load balancing means uses only the end face side of the rotor or the entire rotor as a permanent magnet. A control means for detecting an intermediate oil pressure of the rear back pressure space and controlling the electromagnet based on the detection result. And a rotor thrust load that presses the rotor toward the front side block due to the repulsive magnetic force between the electromagnet and the permanent magnet. The oil pressure in the rear back pressure space and the spring force when the armature of the electromagnetic clutch acting on the rotor as a rotor thrust load that presses the rotor toward the rear side block is pulled toward the pulley. Be a means of balancing It is characterized by.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0023]
1 is a sectional view of a gas compressor according to an embodiment of the present invention, FIG. 2 is a sectional view taken along line AA in FIG. 1, FIG. 3 is a sectional view taken along line BB in FIG. It is explanatory drawing of operation | movement of the control means in a gas compressor.
[0024]
The gas compressor of FIG. 1 employs a so-called shell structure in which a compression mechanism portion 2 is accommodated in a one-end opening
[0025]
The compression mechanism section 2 has a cylindrical cylinder 4, and the
[0026]
A
[0027]
A
[0028]
The
[0029]
An electromagnetic clutch 14 is connected to the
[0030]
The
[0031]
The amateur 15 is disposed such that its friction surface faces the end surface of the
[0032]
In the electromagnetic clutch 14 having the above-described structure, when the
[0033]
When the excitation of the
[0034]
As shown in FIG. 2, five slit-
[0035]
In the gas compressor of FIG. 1, the cylindrical cylinder 4 has an inner circumference formed in a substantially elliptical shape, and a perfectly
[0036]
The small chamber partitioned by the
[0037]
That is, when the volume change of the
[0038]
When the volume of the
[0039]
When the
[0040]
The high-pressure refrigerant gas flowing out to the
[0041]
The high-pressure refrigerant gas discharged into the
[0042]
High pressure in the
[0043]
The oil in the
[0044]
Here, means for supplying oil to the sliding part and the gap part of the compression mechanism part 2 will be described.
[0045]
The compression mechanism unit 2 is provided with a high-pressure
[0046]
Therefore, in the gas compressor of this embodiment, high pressure oil corresponding to the discharge pressure Pd is supplied from the
[0047]
A
[0048]
A rear
[0049]
Therefore, in the gas compressor of this embodiment, the oil supplied to the
[0050]
At this time, the oil is squeezed and depressurized when passing through the clearance of the bearing 9 or the
[0051]
The medium pressure oil in the
[0052]
In the gas compressor of the present embodiment, a crescent-shaped cylinder chamber is disposed at a position opposed to the
[0053]
Further, in the gas compressor of the present embodiment, five
[0054]
In relation to such a structure, the
[0055]
In the gas compressor having the above-described structure, when the
[0056]
(1) The spring force of the
[0057]
(2) Oil pressure in the rear
[0058]
(3) Oil pressure supplied to the
[0059]
(4) Oil pressure supplied to the
[0060]
(5) Atmospheric pressure acting on the
[0061]
Of these, the forces {circle around (3)} and {circle around (4)} are canceled out because they are in opposite directions at substantially the same medium pressure. The atmospheric pressure of (5) is extremely smaller than the forces of (1) and (2). Therefore, it can be considered that the above-mentioned (1), the force and the pressure (2) act on the
[0062]
The spring force of the
[0063]
Therefore, in the gas compressor of the present embodiment, mainly the two rotor thrust loads acting on the
[0064]
That is, in the gas compressor of the present embodiment, the end surface of the
[0065]
Here, the strength (magnitude) of the repulsive magnetic force as described above is the product of the area of the
[0066]
Various means for magnetizing the end face of the
[0067]
As a structure in which the
[0068]
Further, the ring-shaped
[0069]
Various means for magnetizing the inner surface of the
[0070]
In the case of the gas compressor of the present embodiment, the magnetic force of the
[0071]
The intermediate
[0072]
The voltage calculation means 43 opposes the repulsive magnetic force necessary for balancing the rotor thrust load, that is, the end face of the
[0073]
The control means 45 having the above structure starts operating simultaneously with the start of operation of the gas compressor.
[0074]
As shown in FIG. 4, when the control means 45 is operated (step 100), the pressure in the rear
[0075]
Next, the voltage supply means 44 excites the
[0076]
Therefore, according to the gas compressor of the present embodiment employing the control means 45, even if the pressure in the rear
[0077]
By the way, the reason why the
[0078]
That is, the force acting on the
[0079]
On the other hand, the rotor thrust load (oil pressure in the rear back pressure space 37) that presses the
[0080]
Therefore, the oil pressure in the rear
[0081]
From this point of view, in the gas compressor of the present embodiment, the repulsive magnetic force is adjusted and controlled based on the oil pressure in the rear
[0082]
Especially R410A and CO as refrigerant 2 When a high-pressure refrigerant such as the above is used, the pressure in the
[0083]
According to the gas compressor of the above embodiment, the end surface of the
[0085]
In the above embodiment, a structure using the repulsive magnetic force between the
[0086]
In the above embodiment, the
[0087]
【The invention's effect】
In the gas compressor according to the present invention, as described above, the rotor end surface and the inner surface of the front side block facing the rotor are repelled by the mutual magnetic force to balance the rotor thrust load during operation. Is adopted. For this reason, for example, R410A and CO 2 Even when a high-pressure working refrigerant such as the above is used, the balance of the rotor thrust load can be properly maintained by the repulsive magnetic force, and the rotor can be held in the neutral position. Therefore, the rotor is not biased toward the front side block side, and problems due to the pressing, for example, power loss and wear of the rotor or front side block can be reduced, and internal leakage can also be reduced. There is also an improvement in equipment performance.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a sectional view of a gas compressor according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG.
3 is a cross-sectional view taken along line BB in FIG.
FIG. 4 is an explanatory diagram of the operation of the control means in the gas compressor of FIG.
FIG. 5 is an explanatory diagram of another embodiment of the present invention taken along the line BB in FIG. 1;
FIG. 6 is a cross-sectional view of a conventional gas compressor.
7 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG.
[Explanation of symbols]
1 Compressor case
2 Compression mechanism
3 Front head
4 cylinders
4F front side of cylinder
4R Rear side of cylinder
5 Side block (front side block)
5-1 Suction port
6 Side block (Rear side block)
7 Rotor shaft (rotating shaft)
7F Front side of rotor shaft
7R Rear side of rotor shaft
8 Rotor
9, 10 Bearing hole
11 Boss
12 Through hole
13 Seal member
14 Electromagnetic clutch
15 Amateur
16 Spring member
17 Driven shaft
18 pulley
19 Bearing
20 Clutch electromagnet
21 Vane Groove
22 Vane
23 Cylinder chamber
24 Compression chamber
25 Suction chamber
26 Suction passage
27 Discharge chamber
28 Cylinder discharge hole
29 Discharge valve
30 Discharge passage
31 Oil separator
32 Discharge chamber
33 Separation filter
34 Oil sump
35 High-pressure oil supply hole
36 Sarai Groove
37 Rear back pressure space
38 Medium pressure oil supply hole
39 Permanent magnet
40 electromagnet
41 Medium pressure inlet pipe
42 Pressure voltage converter
43 Voltage calculation means
44 Voltage supply means
45 Control means
Claims (1)
上記シリンダのフロント側端面に取り付けたフロントサイドブロックと、
上記シリンダのリア側端面に取り付けたリアサイドブロックと、
上記シリンダ内に回転可能に収容されたロータと、
上記フロントサイドブロックと上記リアサイドブロックに設けた軸受孔で上記ロータの回転軸を支持するロータ支持構造と、
上記ロータの外周面から上記シリンダの内周面に向かって出没可能に設けられるとともに、上記シリンダと上記ロータの間の隙間空間からなるシリンダ室を複数の小室に仕切るベーンと、
上記ベーンにより仕切られた複数の小室からなるとともに、上記ロータの回転により容積の大小変化を繰り返し、この容積変化により冷媒ガスの吸入、圧縮、吐出を行なう構造の圧縮室と、
上記ロータの端面とこれに対向する上記フロントサイドブロックの内面とを互いの磁力で反発させて、運転時のロータスラスト荷重を釣り合わせる、荷重バランス取り手段とを備え、
上記ロータ軸のフロント側端部には、これに連結された電磁クラッチが設けられ、
上記ロータ軸のリア側端部には、そのロータ軸の端面を含む壁面で囲まれてなるとともに、上記ベーンの底部にベーン背圧として中圧オイルを供給するリア背圧空間が設けられてなり、
上記荷重バランス取り手段は、
上記ロータの端面側のみ若しくは該ロータの全体を永久磁石とし、上記ロータ側の永久磁石と反発する電磁石が上記フロントサイドブロック側に設けられる構造からなるとともに、
上記リア背圧空間の中圧オイル圧を検知し、この検知結果に基づいて上記電磁石を制御する制御手段を具備し、
その電磁石と上記永久磁石との反発磁力により、上記ロータを上記フロントサイドブロック側に押圧するロータスラスト荷重として該ロータに作用する、上記リア背圧空間のオイル圧と、上記ロータを上記リアサイドブロック側に押圧するロータスラスト荷重として該ロータに作用する、上記電磁クラッチのアマチュアがプーリ側に引き寄せられた際のバネ力とを釣り合わせる手段であること
を特徴とする気体圧縮機。A cylinder,
A front side block attached to the front side end face of the cylinder;
A rear side block attached to the rear side end face of the cylinder;
A rotor housed rotatably in the cylinder;
A rotor support structure for supporting the rotating shaft of the rotor by bearing holes provided in the front side block and the rear side block;
A vane that is provided so as to be able to protrude from the outer peripheral surface of the rotor toward the inner peripheral surface of the cylinder, and that partitions a cylinder chamber formed by a gap space between the cylinder and the rotor into a plurality of small chambers;
A compression chamber having a structure in which a plurality of small chambers partitioned by the vanes are repeatedly changed in volume by rotation of the rotor, and refrigerant gas is sucked, compressed, and discharged by the volume change;
Load balancing means for balancing the rotor thrust load during operation by repelling the end surface of the rotor and the inner surface of the front side block facing the rotor by mutual magnetic force ;
An electromagnetic clutch coupled to the front end of the rotor shaft is provided,
The rear end of the rotor shaft is surrounded by a wall surface including the end surface of the rotor shaft, and a rear back pressure space for supplying medium pressure oil as vane back pressure is provided at the bottom of the vane. ,
The load balancing means is
The rotor has a structure in which only the end face side of the rotor or the entire rotor is a permanent magnet, and an electromagnet repelling the rotor side permanent magnet is provided on the front side block side,
A control means for detecting an intermediate oil pressure of the rear back pressure space and controlling the electromagnet based on the detection result;
The repulsive magnetic force between the electromagnet and the permanent magnet acts on the rotor as a rotor thrust load that presses the rotor toward the front side block, and the rotor pressure is applied to the rotor in the rear back pressure space. A gas compressor characterized in that it is means for balancing the armature of the electromagnetic clutch acting on the rotor as a rotor thrust load to be pressed against the spring force when the armature is pulled toward the pulley .
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