JP4275144B2 - 生物薬剤の免疫原性に関するエピトープの同定のための方法 - Google Patents

生物薬剤の免疫原性に関するエピトープの同定のための方法 Download PDF

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Description

本発明は、生物薬剤の免疫原性に関するエピトープの同定のための方法に関する。
生物学的治療の免疫毒性に寄与する一つの局面は、これらの免疫原性である。免疫原性である生物薬剤は、臨床試験において、アレルギー、浸出反応、または自己免疫などの効力喪失および有害事象を生じる可能性のある抗体を生じる。免疫原性である潜在能力は、タンパク質製剤の配列内にT細胞エピトープにおける存在に依存する。本発明は、抗体またはその他の治療的タンパク質などの生物薬剤の免疫原性の誘導において、原因となる役割を果たす可能性のあるエピトープを同定するためのインビトロでの方法に関する。より具体的には、本発明の方法は、免疫原性を引き起こす免疫反応を誘発する樹状細胞のペプチド受容体を経て提示される、免疫原性ペプチドの配列を決定するために使用することができる。免疫原性エピトープについての知識により、非免疫原性生物薬剤を作製するための目的で、部位特異的突然変異による治療的ポリペプチドの危険を除く(de-risk)可能性が開かれる。
本発明は、薬学的タンパク質を免疫原性にし得るエピトープを決定するために有用な方法に関する。今までに使用された方法は、インシリコでの予測アルゴリズム、T細胞活性化アッセイ法における重複する合成ペプチドのインビトロでのスクリーニング、または動物ワクチン接種モデルに依存する。本方法は、それぞれの薬学的タンパク質でパルスしたヒト樹状細胞から免疫原性ペプチドを単離する工程、および薬学的タンパク質の潜在的T細胞エピトープの配列を決定する工程に基づく。本発明の方法は、操作されたポリペプチド、抗体、またはその他の治療的タンパク質に含まれる免疫原性エピトープを同定するために利用することができる。
ほぼ任意の治療的タンパク質は、臨床試験においてある程度の免疫原性を示す。免疫原性の最初の誘発は、それぞれの薬学的タンパク質のペプチド断片の認識によるCD4+ Tリンパ球の活性化である。これらのペプチドは、「T細胞エピトープ」または簡単に「エピトープ」と称される。
CD4+ T細胞の活性化は、T細胞エピトープが主要組織適合複合体(MHC)によってコードされる分子と関連して提示されるときに達成されるのみである。ヒトにおいて、MHC分子は、ヒト白血球抗原(HLA)と呼ばれる。HLA会合ペプチドは、短く、9〜25アミノ酸を包含する(非特許文献1)。
これらの機能に関して、MHC-ペプチド複合体の2つのクラスを区別することができる(非特許文献2):(i)MHCクラスI-ペプチド複合体は、感染細胞または腫瘍細胞を溶解するCD8+細胞障害性T細胞を誘引するために、ほとんど全ての有核細胞によって発現され得、(ii)MHCクラスIIペプチド複合体は、Bリンパ球、マクロファージ、または樹状細胞(DC)などのいわゆる抗原提示細胞(APC)のみに構成的に発現され得る。特に、DCは、CD4+ Tヘルパー細胞を初回刺激する能力を有し、これにより免疫原性を惹起する(非特許文献3)。
それ故、薬学的タンパク質の免疫原性ホットスポットを同定するための本革新的アプローチは、選択の生物薬剤でパルスしたDCを使用し、およびDC上のMHCクラスII分子と会合するペプチドの配列を決定するためのものである。全ての集団に適用される様式で生物薬剤の潜在的免疫原性を決定するためには、それぞれの集団のMHCクラスII遺伝子型の多様性を代表する、一連の血液ドナーからのDCを使用しなければならない。
Kropshofer, H. &Vogt, A. B., Immunol Today 18(1997)77-82 Germain, R., Cell 76(1994)287-299 Banchereau, J. &Steinman, R. M., Nature 392(1998)245-254
本発明の目的は、生物薬剤の免疫原性に関するエピトープの同定のための方法を提供することである。
本発明は、薬学的タンパク質に由来するフェムトモル量の潜在的免疫原性ペプチド抗原を単離および同定するための方法を提供する。本方法は、治療的タンパク質、たとえばポリペプチド、モノクローナル抗体、またはその他のタンパク質の免疫原性モニタリングに関する。本発明の方法は、通常量の健康なドナーの末梢血から得ることができる少量の樹状細胞から、結合および/または提示されたペプチドの同一性を解明することができるという利点を有する。記載した方法は、単離および同定された免疫原性ペプチドが、インビトロで治療的タンパク質に遭遇する際、DCによって天然にプロセスされ、ならびに提示されたものであることを保証する。
方法
本発明は、ヒトに投与後に生物薬剤を免疫原性にさせ得るペプチドを単離および同定するための方法を提供する。本方法は、0.1〜5μgの量、好ましくは0.2〜3μgの量の潜在的免疫原性ペプチドとペプチド受容体の複合体を提供する、この量は、患者または健康なドナーの末梢血から得られるDC細胞から通常入手可能である物質の量に等しい。従来技術で必要な物質の最低量は、無制限の供与源(近交系マウス)に由来する約200μgのMHCクラスII分子である(Dongre A R et al., EJI 2001, 31, 1485〜94)。これは、ヒト末梢血から入手可能なものよりも約2桁多い物質である。
具体的には、本発明は、以下の工程を含む免疫原性に関与するペプチドを同定するための方法を提供する:
a)0.1〜5μgの受容体を提供する数の、好ましくは0.2〜3μgを提供する数の抗原提示受容体(APR)を発現する細胞を提供する工程、
b)(a)からの細胞を免疫原性ペプチドの供与源と接触させる工程、
c)細胞からAPR-免疫原性ペプチド複合体を単離する工程、
d)APRから会合したペプチドを溶出する工程、
e)免疫原性ペプチドを同定する工程、
f)エピトープとして同定された免疫原性ペプチドを検証する工程。
好ましくは、免疫原性に関与するペプチドを同定するための方法は、以下の工程を含む:
a)0.1〜5μgの受容体を提供する数の、好ましくは0.2〜3μgを提供する数の抗原提示受容体(APR)を発現する細胞を提供する工程、
b)(a)からの細胞を免疫原性ペプチドの供与源と接触させる工程、
c)免疫沈降または免疫アフィニティークロマトグラフィーによって細胞からAPR免疫原性ペプチド複合体を隔離する工程、
d)抗原ペプチドとAPRの結合した複合体を水または低塩緩衝液で洗浄する工程、
e)APRから会合したペプチドを溶出する工程、
f)免疫原性ペプチドを同定する工程、
g)エピトープとして同定された免疫原性ペプチドを検証する工程。
好ましくは、抗原提示受容体は、MHC II分子である。
さらにまた、本発明は、以下の工程を含むポリペプチドの免疫原性を減少させるための方法を提供する:
a)上記のとおりにポリペプチドの免疫原性ペプチドを同定する工程、
b)APR分子の結合が、減少または消滅するように、ポリペプチドの対応するエピトープを修飾する工程、
c)これにより、免疫原性潜在能力が減少されたか、または潜在的免疫原性がない変異されたポリペプチドを作製する工程。
本発明(1)は、以下の工程を含む免疫原性に関与するペプチドを同定するための方法である:
a)0.1〜5μgの分子を提供する数の抗原提示受容体(APR)を発現する細胞を提供する工程、
b)(a)からの細胞を免疫原性ペプチドの供与源と接触させる工程、
c)細胞からAPR分子-免疫原性ペプチド複合体を単離する工程、
d)APR分子から会合したペプチドを溶出する工程、
e)免疫原性ペプチドを同定する工程、
f)エピトープとして同定された免疫原性ペプチドを検証する工程。
本発明(2)は、APRを発現する細胞がMHC IIを発現する細胞である、本発明(1)の方法である。
本発明(3)は、MHC IIを発現する細胞が樹状細胞である、本発明(2)の方法である。
本発明(4)は、樹状細胞が、樹状細胞に成熟するために誘導されるのと同時に、未成熟樹状細として胞免疫原の潜在的供与源に曝露される、本発明(3)の方法である。
本発明(5)は、潜在的免疫原の供与源が、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、抗体、酵素、構造タンパク質、ホルモン、またはこれらの断片として治療的ポリペプチドを含むポリペプチドを含む群に属する、本発明(1)〜(4)のいずれか一発明の方法である。
本発明(6)は、免疫原性ペプチドとMHC分子の複合体が、界面活性剤による細胞の可溶化、および免疫沈降または免疫アフィニティークロマトグラフィーによる免疫原性ペプチドをもつ抗原提示受容体の複合体の隔離を含む方法で細胞から単離される、本発明(1)〜(5)のいずれか一発明の方法である。
本発明(7)は、隔離された免疫原性ペプチドをもつMHC分子の複合体が、ペプチドを溶出する前に限外濾過チューブ内において水で洗浄される、本発明(1)〜(6)のいずれか一発明の方法である。
本発明(8)は、免疫原性ペプチドが、希釈された酸を使用してMHC分子から溶出される、本発明(1)〜(7)のいずれか一発明の方法である。
本発明(9)は、(d)の単離された免疫原性ペプチドが、分画および配列決定される、本発明(1)〜(8)のいずれか一発明の方法である。
本発明(10)は、単離された免疫原性ペプチドが、液体クロマトグラフィーおよび質量分析を含む方法によって分画、ならびに配列決定される、本発明(9)の方法である。
本発明(11)は、単離された免疫原性ペプチドが、潜在的免疫原の供与源と接触させた細胞から同定されたペプチドを、その供与源と接触させなかった細胞から同定されたペプチドと比較することによって同定される、本発明(1)〜(10)のいずれか一発明の方法である。
本発明(12)は、免疫原性ペプチドは、天然にプロセスされた免疫原性ペプチドである、本発明(1)〜(11)のいずれか一発明の方法である。
本発明(13)は、以下の工程を含むポリペプチドの免疫原性を減少させるための方法である:
a)本発明(1)〜(12)のいずれか一発明の方法に従ってポリペプチドの免疫原性ペプチドを同定する工程、
b)抗原提示受容体の結合が、減少または消滅するように、ポリペプチドの対応するエピトープを修飾する工程、
c)これにより、免疫原性潜在能力が減少されたか、または免疫原性潜在能力がない修飾されたポリペプチドを作製する工程。
本発明により、生物薬剤の免疫原性に関するエピトープの同定のための方法が提供された。
本明細書に使用される「ポリペプチド」という用語は、連結されたアミノ酸の鎖をいう。
本明細書に使用される「免疫原性」という用語は、物質に対して免疫応答を引き起こすことができる物質の特質をいう。物質が、これに対して免疫応答を引き起こす際に、どのくらいの能力であるかの程度である。
本明細書に使用される「免疫原性潜在能力」という用語は、ポリペプチドが免疫応答を誘発する潜在的能力をいう。
本明細書に使用される「免疫応答」という用語は、侵入する物質を認識して、その抗原に対して特異的な抗体を産生する身体防御反応をいう。
たとえば、100ng MHCクラスII分子を得るために必要な組織または体液の量は、MHCクラスIIを発現する細胞の数、およびMHCクラスII分子の発現割合に依存し:たとえば、100ngのMHCクラスIIは、約2×105成熟DCもしくは5〜10×106末梢血単球、または約50mlの血液から得ることができる5×107末梢血単核細胞に匹敵する。
MHCクラスII会合ペプチドを同定するために必要とされる高い感受性は、これらのペプチド受容体のそれぞれの型(たとえば、ヒトMHCクラスII遺伝子産物HLA-DR1)が、約500〜1000個の異なる抗原ペプチドを保有するという事実によって説明される(Chicz R M et al., J Exp. Med. 1993, 178, 27-47; Chicz R M & Urban R G, Immunol. Today, 1993, 15: 155-160)。しかしながら、500〜1000個の異なるペプチドの大部分は、非常に低いコピー数に達し、従って、生理学的役割を果たす可能性はあまり高くない。特にMHCクラスII分野において、免疫学的関連のあるペプチド、例えばヘルパーT細胞を活性化し、これにより薬学的タンパク質の免疫原性を容易にするものは、中程度〜高いコピー数に達する(Latek R R & Unanue E R, Immunol. Rev. 1999, 172: 209-228)。これらのペプチドは、MHCクラスII分子から溶出されるペプチド物質の総量の約40〜50%をカバーし、約10〜20個の個々のペプチドに匹敵する。
多くのMHCクラスII会合ペプチドは、T細胞受容体による認識に必須である約10〜13アミノ酸の共通コア配列を共有する、2〜5個のC-およびN末端切断変異体のセットとして表される(Rudensky A Y et al, Nature 1992, 359, 429-431; Chicz et al. Nature 1992, 358: 764-768)。これらの切断/伸長変異体は、同じT細胞エピトープを構成する。これは、重要性がある異なったエピトープの数が、実際はより少なく、約5〜70個の異なるエピトープの範囲であることを意味する。従って、免疫原性エピトープの存在量は、0.2%〜5%の範囲である。
ペプチドの起源
本発明の抗原ペプチドは、ヒトDGの表面上のMHCクラスII分子と会合するペプチドである。抗原ペプチドは、細胞内または細胞外MHCクラスII分子に結合していてもよい。本明細書に使用される「免疫原性ペプチド」という用語は、免疫応答を誘発し得る抗原性ペプチドをいう。免疫原性ペプチドは、DCと同時インキュベーション後にポリペプチドから誘導されてもよい。免疫原性ペプチドの潜在的供与源であるポリペプチドは、サイトカイン(すなわち、インターフェロン、インターロイキン、エリスロポエチン(Epo)、顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、または腫瘍壊死因子(TNF))、ケモカイン、成長因子、抗体(すなわち、モノクローナル、ポリクローナル、キメラ、およびヒト化抗体)、酵素、構造エレメント、ホルモン、およびこれらの断片などの治療的ポリペプチドを含むポリペプチドである。
これらのペプチド受容体は全て、広範な多様性のペプチドリガンドに適応することができるので(上記を参照されたい)、その配列を決定しなければならない各単一のペプチドは、フェムトモル量だけで提示される。1μgのMHCクラスII(16pmol)は、優性ペプチド種を保有し得、各単一ペプチドは、約16〜320フェムトモルに匹敵する0.1〜2%の占有率に達する。本発明の方法により、ペプチドがロードされた0.1〜5μgの抗原提示受容体からフェムトモル量の潜在的免疫原性ペプチドを単離し、かつこれらをその後にシーケンシングすることができる。
抗原提示受容体の起源
本明細書に使用される「抗原提示受容体」または「APR」という用語は、抗原ペプチドに結合し、かつこれらをその他の免疫学的細胞に提示することにより、特異的な体液性免疫応答を媒介するペプチド受容体をいう。好ましい抗原提示受容体は、MHCクラスII分子である。MHCクラスII分子は、HLA-DR、HLA-DQ、およびHLA-DP分子を含むが、これらに限定されるわけではない。役割を果たし得る代替のAPRは、CD 1ファミリーの受容体またはCD4+ヘルパーT細胞に潜在的免疫原性ペプチドを提示する今までに未決定の他の受容体である。
細胞性物質の起源
本発明の方法は、抗原提示受容体を発現し、同時にCD4+ T細胞を初回刺激するか、または活性化することができる全ての細胞を包含する。これらの細胞はまた、抗原提示細胞(APC)と称される(Unanue, E. R.. Macrophages, antigen presenting cells and the phenomena of antigen handling and presentation. In: Fundamental Immunology, 第2版 (編集者 Paul, W. B) New York, Raven Press, 1989)。使用されるAPCは、ヒトB細胞、ヒトマクロファージ、好ましくはヒト樹状細胞を含む。これとは別に、末梢血単核細胞(PBMC)または末梢血リンパ球(PBL)などのAPCを含む細胞混合物を使用してもよい。
好ましいAPCは、MHCクラスII分子を発現する細胞である。さらにより好ましいAPCは、樹状細胞である。
一定の集団に関するポリペプチドの免疫原性を判断するためには、全集団のHLA頻度を表すHLA型をもつ、一連のHLA型樹状細胞が使用される。たとえば、HLA-DR座位のHLA多型に関して、白人集団をカバーするためには、これらのHLA-DR遺伝子型が異なる約15〜20人の供血者に由来する樹状細胞を、潜在的免疫原性ペプチドについて解析しなければならない。
細胞からの抗原提示受容体の可溶化
細胞からの抗原提示受容体-ペプチド複合体の精製のためには、細胞の膜を可溶化しなければならない。細胞溶解は、当技術分野において公知の方法、たとえば凍結解凍サイクルおよび界面活性剤の使用、ならびにこれらの組み合わせで実施してもよい。好ましい溶解方法は、界面活性剤、好ましくはTX-100、NP40、n-オクチルグルコシド、Zwittergent、ルブロール、CHAPS、最も好ましくはTX-100またはZwittergent3-12を使用する可溶化である。細胞細片および核は、遠心分離によって、可溶化された受容体-ペプチド複合体を含む細胞可溶化物から除去しなければならない。従って、本発明のさらなる態様において、免疫原性ペプチドと抗原提示受容体の複合体は、界面活性剤での可溶化を含む方法で細胞から単離される。
MHC-ペプチド複合体のナノ-スケール精製
さらにまた、本発明は、免疫沈降または免疫アフィニティークロマトグラフィーを含む方法による、細胞可溶化物からのMHC-ペプチド複合体の精製を提供する。免疫沈降または免疫アフィニティークロマトグラフィーのために、MHCクラスII分子に特異的で、かつこれらの方法に適した抗体が使用される。特異的抗体は、好ましくはモノクローナル抗体であり、共有結合性に、または非共有結合的に、たとえばプロテインAを経て、ビーズ、たとえばセファロースまたはアガロースビーズに結合される。従来技術に使用される抗HLA抗体の広範なパネルの選択は、以下を含む:
抗HLA-DR抗体:L243、TU36、DA6.147、好ましくはL243;抗HLA-DQ抗体:SPVL3、TU22、TU169、好ましくはTU22、およびTU169;抗HLA-DP抗体B7/21。
異なるHCクラスII分子に特異的なモノクローナル抗体は、商業的に得てもよく(例えば、Pharmingen, Dianova)またはプロテインAまたはプロテインG-アフィニティークロマトグラフィーを使用してそれぞれのハイブリドーマ細胞の上清から精製してもよい。精製したモノクローナル抗体は、当技術分野において公知の種々の方法によって、好ましくはCNBr活性化セファロースに対して抗体アミノ基を共有結合で結合することによって結合してもよい。
MHC分子の免疫単離は、抗体-ビーズを数時間、回転下で細胞可溶化物と共にインキュベートすることによって、またはクロマトグラフィーで微小カラムを通して細胞可溶化物をポンピングすることによって実施してもよい。抗体-ビーズの洗浄は、エッペンドルフチューブ内で、または微小カラム内で実施してもよい。免疫沈降の有効性は、変性したMHC分子を認識する抗体(抗HLA-DRα:1B5)を使用して、SDS-PAGEおよびウエスタンブロッティング法によって解析してもよい。
抗原提示受容体会合ペプチドの溶出および分画
受容体分子からペプチドを溶出することにより、潜在的免疫原の供与源に、および細胞内または細胞外起源のポリペプチドに由来する天然にプロセスされたペプチドの複合混合物が得られる。溶出後のみ、ペプチドを分画して、配列解析に供することができる。
本明細書に使用される「免疫原」という用語は、体内に導入されたときに免疫応答を引き起こす任意のポリペプチドをいう。
本発明の方法における免疫原性ペプチドは、当技術分野において公知の種々の方法によって、好ましくは希釈した酸、たとえば希釈したアセトニトリル(Jardetzky T S et al., Nature 1991 353, 326-329)、希釈した酢酸および加熱(Rudensky A Y et al., Nature 1991, 353, 622-626; Chicz R M et al, Nature 1992, 358, 764-768)、または37℃で希釈したトリフルオロ酢酸(Kropshofer H et al., J Exp Med 1992, 175, 1799-1803)を使用することによって溶出してもよい。最も好ましくは、ペプチドは、希釈したトリフルオロ酢酸で37℃において溶出される。
さらなる態様において、残留する界面活性剤混入物を除去するために、隔離した抗原提示受容体-ペプチド複合体を、溶出の前に水または低塩緩衝液で洗浄する。低塩緩衝液は、0.5〜10mMの濃度範囲、好ましくは0.5mMの濃度のTris緩衝液、リン酸緩衝液、または酢酸緩衝液であってもよい。より好ましい態様において、抗原提示受容体-ペプチド複合体は、HPLC解析のために従来使用される超高純度水(シーケンシング等級)、好ましくはMERCKからの超高純度(シーケンシング等級)水で洗浄される。洗浄工程は、限外濾過によって実施してもよい。限外濾過は、30kD、20kD、10kD、または5kD、好ましくは30kDのカットオフおよび0.5-1.0mlのチューブ体積をもつ限外濾過チューブ内で実施してもよい(「Ultrafree」チューブ;Millipore)。限外濾過チューブ内の洗浄は、受容体-ペプチド複合体を保有するビーズの体積の10〜20倍の体積で、好ましくはビーズの15倍の体積で、4〜12回、好ましくは6〜10回実施してもよい。溶出されたペプチドを、同じ限外濾過チューブを使用して残留する抗原提示受容体分子から分離してもよい。次いで、溶出されたペプチドを凍結乾燥してもよい。
液体クロマトグラフィー‐質量分析(LC-MS)によるペプチド配列解析
本発明のさらなる態様において、単離された免疫原性ペプチドが分画され、配列決定され、および同定される。シーケンシングにより、単離された免疫原性ペプチドの混合物中の個々のペプチドのアミノ酸配列が、ペプチドのフェムトモル量を配列決定するのに十分な方法によって解明されることが理解される。同定により、これが、免疫原性ペプチドが由来するタンパク質またはポリペプチド、およびこれらのタンパク質またはポリペプチド内で構成する配列から確立されることが理解される。
第1の工程において、溶出されたペプチドの複合混合物は、種々の可能なクロマトグラフィー法のうちの1つによって、たとえば逆相クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、またはこれらの組み合わせによって分画してもよい。好ましくは、分離は、C18-逆相クロマトグラフィーによって、または逆相/陽イオン交換二次元HPLC(MudPitを指す)によって行われる(Washburn M P et al., Nat Biotechnol., (2001), 19, 242-247)。
分画は、質量分析計のナノフローエレクトロスプレー供与源に、またはMALDI解析のためのプレート上に画分をスポットするマイクロ分画装置のいずれかに接続された融合シリカマイクロキャピラリーカラムを利用するHPLC様式で行ってもよい。
種々の質量分析の技術、好ましくはMALDIポストソース分解(PSD)MSまたはエレクトロスプレーイオン化タンデム型質量分析(ESI-MS)、最も好ましくはイオントラップESI-MSが適切である。
個々のペプチド配列は、当技術分野において公知の手段によって決定することができる。好ましくは、配列解析は、ペプチドの断片化およびアルゴリズム、たとえばMASCOTまたはSEQUESTを使用する断片スペクトルのコンピューターを利用した解釈によって行われる。両コンピューターアルゴリズムは、実験的および理論的に作製されたタンデム型質量スペクトルの相互相関解析を行うために、タンパク質およびヌクレオチド配列データベースを使用する。これにより、自動化高スループット配列解析が可能になる。
MALDI質量分析による定性的ペプチド解析
溶出によって得られた全ペプチドレパートリーの定性分析のために、マトリックス支援レーザー脱離およびイオン化飛行時間型(MALDI-TOF)質量分析を行ってもよい。ペプチドを断片にしない設定を使用して、MALDI-TOF解析により、ペプチド混合物の複雑さおよび優性ペプチドの存在に関して大ざっぱな概要を提供する。
定量的ペプチド解析
抗原提示受容体から溶出される単一ペプチドの量を推定するために、マイクロキャピラリーカラムを通る流れを、214nmの検出波長に操作されたフロースルーUV検出器によって解析してもよい。定量化のために、解析されるペプチドのピーク面積を段階量の合成標準ペプチドのピーク面積と比較する。
ストラテジー
本発明のストラテジーでは、細胞培養におけるAPCの抗原提示受容体上にロードされた免疫原性ペプチドの同定を予見する(インビトロアプローチ、図1)。
さらなる態様において、本発明は、以下の工程を含む免疫原性に関与するペプチドを同定するための方法に関する:
a)0.1〜5μgの受容体を提供する数の、好ましくは0.2〜3μgを提供する数の抗原提示受容体(APR)を発現する細胞を提供する工程、
b)(a)からの細胞を免疫原性ペプチドの供与源と接触させる工程、
c)細胞からAPR-免疫原性ペプチド複合体を単離する工程、
d)APRから会合したペプチドを溶出する工程、
e)免疫原性ペプチドを同定する工程、
f)エピトープとして同定された免疫原性ペプチドを検証する工程。
APR発現細胞は、MHCクラスII発現細胞(APC)であってもよい。好ましくは、APCは樹状細胞であり、より好ましくは、APCは、未成熟樹状細胞であり、最も好ましくは、APCは、末梢血単球から生成される未成熟樹状細胞である。
樹状細胞は、末梢血単球から、または骨髄由来CD34+幹細胞前駆体から生成してもよい。末梢血単核細胞(PBMC)は、密度勾配遠心分離によって血液試料から単離してもよい。次いで、単球は、当技術分野において公知の方法によって、たとえば磁気ビーズでのソーティングによって、PBMCから単離してもよい。樹状細胞の供与源は、哺乳動物種、好ましくはヒトであってもよい。次いで、単球を未成熟樹状細胞になるように細胞培養において分化させてもよい。分化状態は、たとえばアップレギュレーション細胞表面マーカーCD83、CD80、CD86、HLA-DRを使用するフローサイトメトリー解析によってモニターしてもよい。
たとえば100ng MHCクラスII分子を得るために必要な細胞の量は、MHCクラスIIを発現する細胞の数およびMHCクラスII分子の発現割合に依存し:たとえば、100ngのMHCクラスIIは、約2×105成熟DCもしくは5〜10×106末梢血単球、または約50mlの血液から得ることができる約5×107末梢血単核細胞に匹敵する。次いで、APCを治療的タンパク質の供与源と接触させる。APC、好ましくは、未成熟樹状細胞は、同時に当技術分野において公知の方法、たとえばTNFαまたはTNFα、IL-6、IL-1β、PGE2の混合物のような炎症性サイトカインと共にインキュベーションすることによって誘発されて成熟する。
APCに提供される治療的タンパク質の供与源は、製剤化されていないか、または製剤化されたタンパク質を含む群より選択してもよい。対照APCは、これらが治療的タンパク質に曝露されないことを除いて、同様に処理される(参照、図1)。
APCは、受容体を媒介した摂取、または液相摂取によってAPCに取り込まれ、かつ内部移行させた、ポリペプチドまたはこれらの断片と接触させてもよい。
MHC分子からペプチドを溶出することより、ポリペプチドまたはこれらの断片に由来する天然にプロセスされたペプチドのセットが得られる。このポリペプチドは、選択の治療的ポリペプチド、または細胞内(パルスされた治療的ポリペプチドの非存在下でAPCに発現される自己タンパク質)もしくは細胞外起源(パルスされた治療的ポリペプチドの非存在下でも存在する細胞培養培地に由来するタンパク質)の無関係なポリペプチドであってもよい。
単離された免疫原性ペプチドは、潜在的免疫原の供与源と接触させた細胞から同定されるペプチドを、その供与源と接触させていない細胞から同定されたもの(対照)と比較することによって同定してもよい。
MHC会合ペプチドに対するエピトープ検証
本発明の方法によって同定されたペプチド配列は、MHC結合モチーフ、MHC結合能、およびCD4+ Tリンパ球による認識を含むいくつかの基準のうちの1つによって検証してもよい。
MHC結合モチーフは、MHC分子との安定な複合体を形成するために必要な特定のMHC分子(対立遺伝子変異体)と会合するペプチドの共通の構造的特徴である。MHCクラスII分子の場合、ペプチド長は、12〜18アミノ酸で変化し、ペプチド結合溝の両端が開放されているために、より長いペプチドでさえも結合することができる。大部分のHLAクラスII分子は、九量体コア領域に含まれる相対的位置P1、P4、P6、およびP9での結合に関連した4つまでの残基(「アンカー残基」として示される)を収容する。しかしながら、このコア領域は、ペプチドのN末端からの距離を変動させることができる。大部分の場合において、2〜4個のN末端残基がコア領域の前にある。それ故、P1アンカー残基は、大部分のHLAクラスII会合ペプチドにおいて位置3、4、または5に位置する。HLA-DRクラスII分子から溶出されるペプチドは、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、またはバリンによって表される大きな疎水性P1アンカーを共有する。
アンカー残基の位置および正確なタイプは、大部分の頻繁に生じるHLA-DRクラスII対立遺伝子産物について公知であるペプチド結合モチーフの構成要素となる。ペプチド配列のモチーフ検証が可能なコンピューターアルゴリズムは、「Tepitopeh」、www.vaccinome.com(J. Hammer, Nutley、USAによる)によって入手可能である。
本発明の方法によって同定されるペプチドのMHC結合能は、たとえば、本発明の方法によって同定されたものと同一のアミノ酸配列をもつ単離されたMHCクラスII分子および合成ペプチドを使用して、当技術分野において公知の方法によって試験してもよい(Kropshofer H et al., J. Exp. Med. 1992; 175, 1799-1803; Vogt A B et al., J. Immunol. 1994; 153, 1665-1673; Sloan V S et al., Nature 1995; 375, 802-806)。または、MHCクラスII発現細胞株およびビオチン化されたペプチドを使用する細胞結合アッセイ法を使用して、同定されたエピトープを検証することができる(Arndt S O et al, EMBO J., 2000; 19, 1241-1251)。
両アッセイ法において、ペプチドの相対結合能は、標識されたレポーターペプチドの結合を50%まで減少させるために必要な濃度(IC50)を決定することによって測定される。関連したHLAクラスII分子に対する妥当な親和性でのペプチド結合は、確立された参照ペプチドのIC50の10倍を上回らないIC50値に達する。
また、ペプチドが代替のクラスII MHC分子、すなわち本発明の方法を使用して溶出されたもの以外のクラスII MHC分子と結合するペプチドの能力を試験するために、同じ結合アッセイ法を使用することができる。
CD4+ T細胞を初回刺激する能力は、最も重要なエピトープ検証手順を表す。この手順は、これらがCD4+ T細胞集団を活性化する能力について、本発明の方法によって同定されたペプチドを試験する工程を含む。本発明の方法によって同定されたものと同一か、または本発明の方法によって同定されたペプチドの入れ子状態の群に由来するコア配列に対応するアミノ酸配列をもつペプチドを合成する。次いで、合成ペプチドを、これらが関心対象のMHCクラスII分子を発現する自己由来の樹状細胞に関してCD4+を活性化する能力を試験する。
CD4+ T細胞応答は、当技術分野において公知の種々のインビトロ法によって測定することができる。たとえば、全末梢血単核細胞(PBMC)を候補合成ペプチドと共におよび伴わずに培養し、これらの増殖反応を、たとえばこれらのDNA内への[3H]-チミジンの取り込みによって測定することができる。増殖性T細胞がCD4+ T細胞であることは、アッセイ法の前にPBMCからCD4+ T細胞を除去すること、またはT細胞上のCD4+分子と結合する阻害性抗体を添加し、これにより後者の増殖を阻害することのいずれかによって、試験することができる。いずれの場合においても、CD4+ T細胞が増殖性細胞である場合にのみ、増殖反応が阻害される。または、CD4+T細胞をPBMCから精製して、適切なMHCクラスII分子を発現するAPCの存在下でペプチドに対する増殖反応を試験することができる。このようなAPCは、Bリンパ球、単球、マクロファージ、もしくは樹状細胞、または全PBMCであり得る。また、APCは、Bリンパ球、単球、マクロファージ、または樹状細胞に由来する不死化された細胞株であり得る。APCは、関心対象のMHCクラスII分子を内因的に発現することができるか、またはこれらは、そのような分子をコードするトランスフェクトされたポリヌクレオチドを発現することができる。全ての場合において、APCは、アッセイ法の前に、たとえば電離放射線またはマイトマイシン-Cで処理することによって非増殖性にすることができる。
細胞増殖の測定の代替として、CD4+ T細胞によるサイトカイン産生は当業者に公知の手順によって測定することができる。サイトカインは、インターロイキン-2(IL-2)、インターフェロン-γ(IFN-γ)、インターロイキン-4(IL-4)、TNF-α、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-10(IL-10)、インターロイキン-12(IL-12)、またはTGF-βを含むが、これらに限定されるわけではない。これらを測定するためのアッセイ法は、関連したサイトカインに応答性の細胞を、試験試料の存在下における反応(たとえば、増殖)について試験するELISA、ELISPOT、およびバイオアッセイ法を含むが、これに限定されるわけではない。
適用
本発明の方法は、任意の生物薬剤の免疫原性に関与するペプチド、特に容認できない効力喪失が抗薬物抗体を中和することによるものを同定するために、または臨床試験における有害もしくは重篤な有害事象が免疫原性に依存すると考えられる場合に、適用することができる。
同定された免疫原性ペプチドは、免疫原性に関して、それぞれの(治療的)ポリペプチドの危険を除くためにさらに使用することができる。危険を除くことは、MHCクラスII分子に対する結合に重要な1つまたは複数のアンカー残基を交換し、これにより免疫原性潜在性が減少されたか、または無くなった変異治療的ポリペプチドを作製することによって達成してもよい。または、CD4+ T細胞上のT細胞受容体による認識に重要な残基を交換することもできる。
MHCクラスII分子に対する結合に重要なアンカー残基を交換するための方法は、当技術分野において周知であり、すなわちアラニン、グリシン、プロリン、または荷電残基によるHLA-DR1制限T細胞エピトープのP1アンカーの置換である(参照、Kropshofer et al., EMBO J.15, 6144-6154;1996)。
本発明の方法は、インシリコにおいてエピトープ予測アルゴリズムを介して同定されたエピトープの数を減少させるために使用することができる。予測コードは、治療的ポリペプチドに含まれるエピトープの数を過剰に予測する傾向がある。このような過剰予測の結果、予測された多数のエピトープの危険を除くことにより、一定のひと配列が生理活性および免疫原性を与える場合に生理活性の喪失を生じることとなる。本発明は、MHC結合部位に対する競合およびAPC内のペプチドエディターHLA-DMによる品質管理を受けた天然に提示されたペプチドエピトープを同定するため、本明細書に示した方法により、潜在的エピトープの数が相当小数に狭まる。減少した数のエピトープの危険回避により、治療的ポリペプチドの生理活性が保持される可能性がより高くなる。
ここでは、一般に本発明を記載したが、前述のものは、以下の図と関連して、例示目的のために本明細書に含まれ、特に明記しない限り限定することは企図されない具体例を参照することによって、よりよく理解されるであろう。
下記の実施例は、図と関連して上記してあり、図1に要約した方法論に基づいており、以下に詳細に記載してある。実施例で言及した市販の試薬は、特に明記しない限り製造業者の説明書に従って使用した。
本発明の方法論
細胞株および培養
本研究は、後述するように、単球から分化したヒト樹状細胞で行った。単球は、ヒト末梢血から精製した。全ての細胞は、1mM Pyruvat、2mM グルタミン、および10% 熱不活性化ウシ胎児血清(Gibco BRL, Rockville, Md.)を補ったRPMI 1640培地(短く:RPMI)中で培養した。
末梢血単核細胞(PBMC)の単離
末梢血は、健康なドナーからの標準的バフィーコート製剤として、地域の血液バンクから得た。ヘパリン(200I.U./ml血液、Liquemine, Roche)を使用して凝固を防止した。末梢血単核細胞(PBMC)は、LSM(登録商標)(1.077-1.080g/ml;ICN, Aurora, Ohio)で800g(室温)にて30分間遠心分離することによって単離した。PBMCを間期から収集し、20mM Hepesを含むRPMI中で2回洗浄した(500gを15分間、300gを5分間)。赤血球を除去するために、PBMCをALT緩衝液(140mM塩化アンモニウム、20mM Tris、pH 7.2)で37℃にて3分間処理した。PBMCを20mM Hepesを含むRPMIで2回洗浄した(200gを5分間)。
末梢血単球のHLA分類
単球の単離および樹状細胞の分化のために使用したPBMCのHLA-DR遺伝子型は、Roche Molecular Systems(Alameda, CA, USA)によって決定した。
末梢血単球からの樹状細胞の生成
単球は、抗CD 14磁気ビーズ(Miltenyi Biotech, Auburn, Calif.)を使用して製造業者プロトコールに従ってポジティブソーティングによってPBMCから単離した。単球を1%の非必須アミノ酸(Gibco, BRL, Rockville, Md.)、50ng/mlの組換えヒト顆粒球マクロファージ-コロニー刺激因子(GM-CSF;S.A. 1.1×107U/mg)(Leucomax; Novartis, Basel Switzerland)、および3ng/mlの組換えヒトIL-4(S.A. 2.9×104U/mg)(R&D Systems, Minneapolis, Minn.)を補ったRPMI中で培養した。単球を6-ウェルプレート(Costar)に0.3×106/mlで5日間播種し、未成熟樹状細胞を得た。
単球由来未成熟樹状細胞の質を、以下の表現型に合致するフローサイトメトリー解析によってルーチン的にモニターした:CD1a(高)、CD3(陰性)、CD14(低)、CD19(陰性)、CD56(陰性)、CD80(低)、CD83(陰性)、CD86(低)、およびHLA-DR(高)。対照的に、成熟樹状細胞(下記参照)は、以下の表現型を示す:CD1a(低)、CD80(高)、CD83(高)、CD86(高)、およびHLA-DR(高)。CD1a、CD3、CD14、CD19、CD56、CD80、CD83、CD86に対するモノクローナル抗体、ならびにそれぞれのアイソタイプ対照はPharmingen(San Diego, Calif.)から購入した。
治療的ポリペプチドに対する樹状細胞の曝露
樹状細胞による薬学的タンパク質の取り込みを容易にするために、6×106個の未成熟樹状細胞を5〜50μgの生物薬剤に曝露した。同時に、10μg/mlの組換えヒト腫瘍壊死因子(TNFα;S.A. 1.1×105U/mg)を添加することによって、樹状細胞の成熟を誘導した。対照として、6×106個の樹状細胞をTNFα単独と共にインキュベートした(図1)。
24〜48時間の共培養後、成熟樹状細胞を10分間300gで遠心分離することによって収集した。細胞を10%のFCSを含むRPMIで洗浄し、エッペンドルフチューブに移した。400gで3分間の遠心分離後、上清を完全に除去して、細胞を-70℃で凍結した。
抗HLAクラスIIビーズの生成
抗HLA-DRモノクローナル抗体(mAb)L243(ATCC, Manassas, Va.)は、それぞれのマウスハイブリドーマ細胞株を培養することによって作製した。mAb L243は、製造業者のプロトコールに従って、プロテインAセファロース(Pharmacia, Uppsala, Sweden)を使用し、精製されかつ2.5mg/mlの終濃度でCNBr活性化セファロースビーズ(Pharmacia)に固定された。L243ビーズは、0.1%のZwittergent 3-12(Calbiochem, La Jolla, Calif.)を含むPBS溶液に貯蔵した。
HLA-DRペプチド複合体のナノスケール精製
凍結樹状細胞のペレットを、10倍体積の氷冷溶解緩衝液(プロテアーゼ阻害剤キルノスタチン(chyrnostatin)、ペプスタチン、PMSFおよびロイペプチン(Roche, Mannheim, Germany)を含む1% トリトン-X-100、20mM Tris、pH 7.8、5mM MgCl2)に再懸濁して、水平シェーカー内で1000rpm、4℃で1時間溶解した。細胞可溶化液を2000g、4℃で10分間の遠心分離によって細胞片および核から除いた。可溶化液をL243ビーズ(100μl細胞可溶化液につき5〜10μl L243ビーズ)と共に水平シェーカー内で1000rpm、4℃で2時間、共インキュベーションした。L243ビーズに結合した免疫沈降したHLA-DR-ペプチド複合体を2000g、4℃で5分間遠心分離することによって沈殿させ、PBS溶液内で300μlの0.1%Zwittergent 3-12(Calbiocbem)で3回洗浄した。
HLA-DR-ペプチド複合体の枯渇の有効性を、免疫沈降の前後にそれぞれの細胞可溶化液を解析することによってモニターした。平行して、一定分量のビーズを抗HLA-DRα特異的mAb 1B5(Adams, T. E. et al., Immunology 50(1983)613-624)を使用したウエスタンブロッティング法によって解析した。
HLA-DRに会合したペプチドの溶出
L243ビーズに結合したHLA-DR-ペプチド複合体を400μl H2O(HPLC等級;Merck, Darmstadt, Germany)に再懸濁し、限外濾過チューブ、Ultrafree MC、30kDカットオフ(Millipore, Bedford, Mass.)に移して、14000rpmで4℃において2〜4分間遠心分離することによって400μl H2O(HPLC等級)で10回洗浄した。結合したペプチドを溶出するために、50μlの 0.1% トリフルオロ酢酸(Fluka, Buchs, Switzerland)H2O(HPLC等級)溶液を添加して、インキュベーションを37℃で30分間行った。溶出されたペプチドを14000rpmにて3分間RTで限外濾過チューブを遠心分離することによって新たなエッペンドルフチューブに収集し、Speed-Vac(登録商標)真空遠心で直ちに凍結乾燥した。
ナノHPLCによるペプチドの分画
HLA-DR分子から溶出された凍結乾燥されたペプチドを0.05%のトリフルオロ酢酸、5% アセトニトリル(Merck, Darmstadt, Germany)のH2O溶液(HPLC-等級)に溶解し、FAMOS(登録商標)オートサンプラーおよびULTIMATE(登録商標)ナノフローHPLC(Dionex, Olten, Switzerland)に接続した75μm×15 cm C18 PepMapキャピラリー(C18;3μm;100Å)(LC-Packings, Amsterdam, Netherlands)上で分離した。以下の200nl/分の一定流速での非直線勾配を使用した:0〜40分5〜50%系B;40〜50分50-90%系B。系Aは、0.05% トリフルオロ酢酸、5% アセトニトリル/H2Oであり、および系Bは、0.04% トリフルオロ酢酸、80% アセトニトリル/H2Oであった。分離は、214nmおよび280nmの二重UV吸収を経てモニターした。画分(400nl)は、フラクションコレクターPROBOTT(BAI, Weiterstadt, Germany)を使用して収集し、AnchorChip 600/384 MALDI-MS target(Bruker, Bremen, Germany)上にスポットした。
イオントラップMS/MS質量分析によるペプチドの配列解析
複合体ペプチド混合物の高スループットシーケンシングを行うために、液体クロマトグラフィーでの分画、続く質量分析によるシーケンシングに基づいたMudPIT(多次元的タンパク質同定技術)を使用した(Washburn M P et al., Nat Biotechnol 19(2001), 242-247)。
この目的のために、HLA分子から溶出された凍結乾燥されたペプチドを5%(v/v)アセトニトリル、0.5%(v/v)酢酸、0.012%(v/v)ヘプタフルオロ酪酸(HFBA)、および5%(v/v)ギ酸を含む緩衝液に再懸濁した。試料をModel P-2000レーザープラー(Sutter Instrument Co., Novato、Calif.)によって作製した融合シリカマイクロキャピラリーカラム(100μm i.d.×365μm)上で分離した。微小カラムを3μm/C18逆相材料(C18-ACE 3μm [ProntoSlL 120-3-C18 ACE-EPS, Leonberg, Germany])、続いて3cm×5μm陽イオン交換材料(Partisphere SCX;Whatman, Clifton, N.J.)でパックした。
以下の緩衝液を使用して、Agilent 1100シリーズHPLC(Agilent Technologies, Waldbronn, Germany)での完全自動化された8工程勾配分離を実施した:5% ACN/0.02% HFBA/0.5% 酢酸(緩衝液A)、80% ACN/0.02% HFBA/0.5% 酢酸(緩衝液B)、250mM 酢酸アンモニウム/5% ACN/0.02% HFBA/0.5% 酢酸(緩衝液C)、および1.5M 酢酸アンモニウム/5% ACN/0.02% HFBA/0.5% 酢酸(緩衝液D)。106分の最初の工程は、0〜80% 緩衝液Bの100分勾配、および80%の緩衝液Bで6分保持から構成された。次の6工程(それぞれ106分)は、以下のプロフィールによって特徴付けられる:5分の100%緩衝液A、2分のx%緩衝液C、5分の100% 緩衝液A、0〜10% 緩衝液Bの3分勾配、10〜35% 緩衝液Bの55分勾配、35〜50% 緩衝液Bの20分勾配、50〜80% 緩衝液Bの16分勾配。工程2〜7における2分の緩衝液Cの割合(x)は、以下の通りであった:10、20、30、40、70、90、および100%。工程8は、以下のプロフィールからなった:5分の100% 緩衝液A洗浄、20分の100% 緩衝液Dでの塩洗浄、および0〜80% 緩衝液Bの100分勾配。
HPLCカラムは、ナノLCエレクトロスプレーイオン化供与源を備えたFinnigan LCQイオントラップ質量分析計(Finnigan, Bremen, Germany)に直接結合した。MS-MSモードでの質量分析を製造業者のプロトコールに従って行った。ペプチドの同定は、swiss.fastaデータベースに対するSEQUESTアルゴリズムによって行った。
TEPITOPEによる潜在的エピトープのインシリコ予測
潜在的T細胞エピトープの予測は、TEPITOPEアルゴリズムを使用することによって達成した。以下の検索基準を適用した:閾値(最高のスコアリングについて1〜3%および天然リガンドの中程度スコアリングについて4〜6%)、ペプチド長(15アミノ酸残基)、および乱交雑(9対立遺伝子のうちの少なくとも6つと結合することが予測される)。乱交雑の程度を決定するために、以下の9対立遺伝子を白人集団におけるこれらの頻繁な出現と一致するように選択した:HLA-DRB1*0101、*0301、*0401、*0701、*0801、*1101、*1305、*1501、およびDRB5*0101。膜貫通ドメインおよびシグナルペプチドは、エピトープ検索に含めなかった。
T細胞活性化アッセイ法
新鮮なPBMCからのCD4+ T細胞の調製は、Miltenyi Biotech(Auburn, CA, USA)からのCD4+ T細胞単離キットを使用してネガティブ選択によって行った。T細胞群は、トリパンブルー染色(Sigma-Aldrich)で判断されたように、>75%純粋で、かつ>95%生存可能であった。T細胞を2×106細胞/mlでAIM V培地(Gibco BRL, Rockville, MD)に再懸濁した。樹状細胞(DC)を記載したようにPBMCから分化して、完全マクロファージSFM培地(Gibco BRL, Rockville, MD)中で培養した。4日目に、未成熟DCを10μg/ml LPS(Sigma-Aldrich)で刺激した。6日目に、成熟DCを洗浄し、AIM V培地に2×105細胞/mlで再懸濁した。共培養のために、0.1mlのCD4+ T細胞(2×105)および0.1mlの自己DC(2×104)(両方ともAIM V培地中に)を丸底96ウェル形式プレート内で混合した。OKT3 mAbおよびInflexal V(登録商標)を、それぞれ20μg/mlおよび1μg/mlの終濃度に添加した。合成ペプチドを20μMの終濃度に添加した。それぞれの抗原を3回試験した。共培養の5日目に、10μMの5-ブロモ-2’-デオキシウリジン(BrdU)(Roche, Basel, Switzerland)をそれぞれのウェルに添加した。24時間インキュベーション後、培養液を収集して、製造業者のプロトコールに従ってプロセスした。抗原を添加していない培養液のT細胞増殖を参照として使用し、平均刺激指数(SI)を1にセットした。
T細胞の再刺激のために、未成熟DC(2〜3×106/ml)を-70℃で50% AB血清(Sigma-Aldrich)、40% RPMI、および10% DMSO(Sigma-Aldrich)中に凍結した。再刺激の時点で、DCを解凍し、洗浄し、10μg/ml LPSの存在下において2日間培養した。DC/T細胞共培養の5日目(最初の再刺激)または10日目(第2回の再刺激)に、0.1mlのAIM V培地をそれぞれの試料からよく取り除いた後、0.1mlの解凍した成熟DC(2×104)のAIM V溶液を新しいタンパク質またはペプチド抗原と共に共培養に添加した。IL-2(Pharmingen, San Diego, CA)を100U/mlの終濃度に添加した。
実施例1
OKT3は、最初の治療的抗体であった。これは、1986年にFDAの承認を得た。これは、CD3特異的マウスIgG2a抗体であり、移植(L. Chatenaud, 2003)、1型糖尿病(E. Masteller & J. Bluestone, 2002)および乾癬(T. Udset et al., 2002)において免疫抑制剤として、臨床において広く使用されている。OKT3で誘導される十分な免疫抑制にもかかわらず、異種タンパク質に対する抗OKT3反応の発生は、OKT3の迅速なクリアランスおよび中和を促進する初期の臨床試験において主な欠点のうちの1つであった(G. Goldstein, 1987)。免疫原性の発生率は、OKT3処理した個体に関する研究において、およそ85%であることが報告された(C. Pendley et al., 2003)。
図1に概説したストラテジーを、HLA-DR遺伝子型HLA-DRB1*0401/1302を示す樹状細胞によって提示されたOKT3のペプチドエピトープを同定するために使用した。
HLA-DRB1*0401/1302制限OKT3エピトープを同定するために、遺伝子型HLA-DRB1*0401/1302を発現する樹状細胞を末梢血単球から分化させて、0.5×106細胞/mlの濃度で培養した。5×106樹状細胞を20μg/mlの濃度の抗体OKT3に曝露した。同時に、TNFα(10ng/ml)を添加することによって樹状細胞の成熟を誘導した。対照として、同量の樹状細胞をOKT3の非存在下で、しかしながらTNFαの存在下において培養した。24時間のインキュベーション期間の後、樹状細胞の両セットを界面活性剤TX-100に溶解し、HLA-DR分子をセファロースビーズに固定した抗HLA-DR mAb L243を使用することによって沈殿させた。HLA-DR会合ペプチドを0.1%のTFAで溶出して、2D-LS/MS-MSによって解析した。
HLA-DRB1*0401/1302会合リガンドの配列解析により、OKT3に由来する7ペプチド配列によって表される3つのOKT3由来エピトープが明らかになった(表1)。エピトープのうちの2つは、κ軽鎖に由来し、1つのエピトープは、重鎖に位置した。ハプロタイプDRB1*0401/1302に会合した3つのエピトープは、少なくとも2回の独立した実験で見いだされた。
エピトープ#1は、15および16-merペプチドによって表され、15-merは、軽鎖領域99〜113の一定の部分に由来した(表1)。エピトープ#1は、DRB1*1302会合共優性DRB3対立遺伝子DRB3*0301(F. Verreck et al. 1996):P1アンカーとしてL-103、P4アンカーとしてN-106、P6アンカーとしてA-108、およびP9アンカーとしてA-111のアンカーモチーフを含む。TEPITOPEアルゴリズムによって示されるように、同じアンカー残基は、DRB1*0401に対する結合を付与する可能性がある(図2)。エピトープ#1は、CD4+ T細胞の増殖を誘導するその能力によりT細胞エピトープであることが確証され:エピトープ#1は、遺伝子型DRB1*0401/*0701(図3B)およびDRB1*0301/*1501(図3C)を示した樹状細胞に関して刺激性であった。しかしながら、これは、遺伝子型DRB1*100l/*1201に関してT細胞を活性化することができなかった。
エピトープ#2は、4種の長さの変異体:13-mer、14-mer、15-mer、および16-merペプチドによって表された。このエピトープはまた、軽鎖サブユニットの定常領域に由来した(表1)。エピトープ#2は、DRB1*0401(図2)に関してTEPITOPEアルゴリズムによって予測され、以下のアンカーモチーフ:P1アンカーとしてW-147、P4アンカーとしてD-150、P6アンカーとしてS-152を含む。T細胞活性化アッセイ法において、エピトープ#2は、遺伝子型DRB1*0401/*0701(図3B)およびDRB1*0301/*1501(図3C)に関してT細胞の増殖を刺激した。しかしながら、これは、遺伝子型DRB1*1001/*1201に関してT細胞を刺激しなかった。エピトープ#2の相同的ヒト配列は、EBV形質転換B細胞株から抽出されたDRB1*0401対立遺伝子に関して記載された(Friede et al., 1996)。
エピトープ#3は、1種の長さの変異体だけによって表され:17-merの194〜210は、OKT3重鎖の定常領域に由来した(表1)。エピトープ#1と同様に、エピトープ#3は、DRB3対立遺伝子DRB3*0301のアンカーモチーフ:P1アンカーとしてI-199、P4アンカーとしてN-202、P6アンカーとしてA-204、およびP9アンカーとしてA-207を含む。TEPITOPEアルゴリズムでは、DRB1*0301についても、*040l、*0701、または*1101についてもエピトープ#3を予測しなかったが(図2)、エピトープ#3は、試験した3つ全てのDRB1遺伝子型に関してT細胞を活性化した(図3)。同じエピトープは、マウスMHCクラスII分子H2-Aに会合することが記載されていた(Rudensky et al., 1992)。
TEPITOPEアルゴリズムを使用して遺伝子型DRB1*0401/1302に関してOKT3κ軽鎖のエピトープを予測したときに、その他の対立遺伝子は、アルゴリズムによってカバーされていないために、DRB1*0401についての予測のみを行うことができた(図2)。TEPITOPEは、κ軽鎖において11エピトープを予測したが、しかしながら、これらのうちの2つだけが、エピトープ#1および#2によって表される天然にプロセスされたペプチドエピトープの1つであった(図2)。同様に、TEPITOPEは、OKT3重鎖において13エピトープを予測したが、しかしながら、これらのいずれも、エピトープ#3をカバーしなかった(図2)。
実施例2
図1に概説したストラテジーを、HLA-DR遺伝子型HLA-DRB1*0701/1601を示す樹状細胞によって提示されたOKT3のペプチドエピトープを同定するために使用した。
HLA-DRB1*0701/1601制限OKT3エピトープを同定するために、遺伝子型HLA-DRB1*0701/1601を発現する樹状細胞を末梢血単球から分化させて、0.5×106細胞/mlの濃度で培養した。5×106樹状細胞を20μg/mlの濃度で抗体OKT3に曝露した。同時に、TNFα(10ng/ml)を添加することによって樹状細胞の成熟を誘導した。対照として、同量の樹状細胞をOKT3の非存在下で、しかしながらTNFαの存在下において培養した。24時間のインキュベーション期間の後、樹状細胞の両セットを界面活性剤TX-100に溶解し、HLA-DR分子をセファロースビーズに固定した抗HLA-DR mAb L243を使用することによって沈殿させた。HLA-DR会合ペプチドを0.1%のTFAで溶出して、2D-LS/MS-MSによって解析した。
HLA-DRB1*0701/1601会合リガンドの配列解析により、OKT3に由来する10ペプチド配列によって表される1つのOKT3由来エピトープが明らかになった(表2)。エピトープ#4は、κ軽鎖に由来し、少なくとも2回の独立した実験で見いだされた。
エピトープ#4は、10種の長さの変異体(15〜22-mer)ペプチドによって表され、15-merが軽鎖領域168〜182の一定部分に由来した(表2)。エピトープ#4は、DRB1*0701対立遺伝子のアンカーモチーフ:P1アンカーとしてY-172、P4アンカーとしてS-175、P6アンカーとしてT-177、およびP9アンカーとしてL-180を含む。TEPITOPEアルゴリズムによって示されるように、同じアンカー残基は、DRB1*0401およびDRB1*1101に結合を付与する可能性がある(図2)。エピトープ#1は、CD4+ T細胞の増殖を誘導するその能力によりT細胞エピトープであることが確証され:エピトープ#4は、遺伝子型DRB1*0401/*0701(図3B)およびDRB1*0301/*1501(図3C)を示した樹状細胞に関して刺激性であった。しかしながら、これは、遺伝子型DRB1*1001/*1201に関してT細胞を活性化することができなかった。
エピトープ#4は、血液単核細胞から抽出され、ウシ対立遺伝子DRB3*2703によって提示されたウシ系において最近記載された(Sharifet al., 2002)。
TEPITOPEアルゴリズムを使用して遺伝子型DRB1*0701/*1601に関してOKT3κ軽鎖のエピトープを予測したときに、DRB1*1601対立遺伝子は、アルゴリズムによってカバーされていないために、DRB1*0401についての予測のみを行うことができた(図2)。TEPITOPEは、κ軽鎖において5エピトープを予測したが、しかしながら、これらのうちの1つだけが、エピトープ#4によって表される天然にプロセスされたペプチドエピトープの1つであった(図2)。同様に、TEPITOPEは、OKT3重鎖において8エピトープを予測したが、しかしながら、これらのいずれも天然に存在するペプチドの解析によって支持されなかった(図2)。
実施例3
図1に概説したストラテジーを、HLA-DR遺伝子型HLA-DRB1*1101/1202によって制限されたT細胞によって認識されるように、OKT3のペプチドエピトープを同定するために使用した。
HLA-DRB1*1101/1202制限OKT3エピトープを同定するために、遺伝子型HLA-DRB1*1101/1202を発現する樹状細胞を末梢血単球から分化させて、0.5×106細胞/mlの濃度で培養した。5×106樹状細胞を20μg/mlの濃度で抗体OKT3に曝露した。同時に、TNFα(10ng/ml)を添加することによって樹状細胞の成熟を誘導した。対照として、同量の樹状細胞をOKT3の非存在下で、しかしながらTNFαの存在下において培養した。24時間のインキュベーション期間の後、樹状細胞の両セットを界面活性剤TX-100に溶解し、HLA-DR分子をセファロースビーズに固定した抗HLA-DR mAb L243を使用することによって沈殿させた。HLA-DR会合ペプチドを0.1%のTFAで溶出して、2D-LS/MS-MSによって解析した。
HLA-DRB1*1101/1202会合リガンドの配列解析により、OKT3に由来する6ペプチド配列によって表される2つのOKT3由来エピトープ#1および#3が明らかになった(表3)。一方のエピトープは、κ軽鎖に由来し、他方のエピトープは、重鎖に位置した。ハプロタイプDRB1*1101/1202に会合した2つのエピトープは、少なくとも2回の独立した実験で見いだされた。
エピトープ#1は、遺伝子型DRB1*0401/*1302(表1および3参照)に関して上記した同じ15および16-merペプチドによって表された。エピトープ#1は、DRB1*1101対立遺伝子のアンカーモチーフ:P1アンカーとしてL-103、P6アンカーとしてA-108およびP9アンカーとしてA-111を含む。エピトープ#1は、CD4+ T細胞の増殖を誘導するその能力によりT細胞エピトープであることが確証され:エピトープ#1は、遺伝子型DRB1*0401/*0701(図3B)およびDRB1*0301/*1501(図3C)を示した樹状細胞に関して刺激性であった。しかしながら、これは、遺伝子型DRB1*1001/*1201に関してT細胞を活性化することができなかった。
OKT3重鎖の定常領域に由来するエピトープ#3(表1、3)は、4種の長さの変異体:14-merの194〜207、15-merの194〜208、17-merの194〜210、および18-merの194〜211によって表された(表3)。TEPITOPEアルゴリズムでは、DRB1*1101についても、または*1202についてもエピトープ#3を予測しなかったが(図2)、エピトープ#3は、試験した3つ全てのDRB1遺伝子型に関してT細胞を活性化した(図3)。
TEPITOPEアルゴリズムを使用して遺伝子型DRB1*1101/1202に関してOKT3κ軽鎖のエピトープを予測したときに、その他の対立遺伝子は、アルゴリズムによってカバーされていないために、DRB1*1101についての予測のみを行うことができた(図2)。TEPITOPEは、κ軽鎖において5エピトープを予測したが、しかしながら、1つのエピトープだけが、エピトープ#1によって表される天然にプロセスされたペプチドエピトープの1つであった(図2)。同様に、TEPITOPEは、OKT3重鎖において9エピトープを予測したが、しかしながら、これらのいずれも、エピトープ#3をカバーしなかった(図2)。
実施例4
図1に概説したストラテジーを、HLA-DR遺伝子型HLA-DRB1*0301/0401を示す樹状細胞によって提示されるOKT3のペプチドエピトープを同定するために使用した。
HLA-DRB1*0301/0401制限OKT3エピトープを同定するために、遺伝子型HLA-DRB1*0301/040lを発現する樹状細胞を末梢血単球から分化させて、0.5×106細胞/mlの濃度で培養した。5×106樹状細胞を20μg/mlの濃度で抗体OKT3に曝露した。同時に、TNFα(10ng/ml)を添加することによって樹状細胞の成熟を誘導した。対照として、同量の樹状細胞をOKT3の非存在下で、しかしながらTNFαの存在下において培養した。24時間のインキュベーション期間の後、樹状細胞の両セットを界面活性剤TX-100に溶解し、HLA-DR分子をセファロースビーズに固定した抗HLA-DR mAb L243を使用することによって沈殿させた。HLA-DR会合ペプチドを0.1%のTFAで溶出して、2D-LS/MS-MSによって解析した。
HLA-DRB1*0301/0401会合リガンドの配列解析により、OKT3に由来する1ペプチド配列によって表される1つのOKT3由来エピトープが明らかになった(表2)。エピトープ#2は、κ軽鎖に由来し、少なくとも2回の独立した実験で見いだされた。
エピトープ#2は、軽鎖の定常領域の一定部分に由来する17-merペプチド143〜159によって表される(表4)。上記(実施例1)の通り、エピトープ#2は、DRB1*0401対立遺伝子のアンカーモチーフ:P1アンカーとしてW-147、P4アンカーとしてD-150、P6アンカーとしてS-152を含む。TEPITOPEアルゴリズムによって示されるように、同じアンカー残基は、DRB1*0301に対する結合を付与する可能性がある(図2)。エピトープ#2は、CD4+ T細胞の増殖を誘導するその能力によりT細胞エピトープであることが確証され:エピトープ#2は、遺伝子型DRB1*0401/*0701(図3B)およびDRB1*0301/*1501(図3C)を示した樹状細胞に関して刺激性であった。しかしながら、エピトープ#2は、遺伝子型DRB1*1001/*1201に関してT細胞を活性化することができなかった。
TEPITOPEアルゴリズムを使用して遺伝子型DRB1*0301/*0401に関してOKT3κ軽鎖のエピトープを予測した(図2)。TEPITOPEでは、κ軽鎖において12エピトープを予測したが、しかしながらこれらのうちの1つだけが、天然にプロセスされたペプチドエピトープの1つであり、エピトープ#2(図2)によって表した。同様に、TEPITOPEでは、OKT3重鎖において18エピトープを予測したが、しかしながら、これらのいずれも天然に存在するペプチドの解析によって支持されなかった(図2)。
実施例5
インターフェロンβ(IFN-β)は、現在多発性硬化症の治療のための第一線の治療法である(Deisenhammer et al., 2000)。3つの異なるIFN-β製剤:Avonex、Rebif(両方ともIFN-β-1a)およびBetaseron(IFN-β-1b)が現在市販されている。これらのBetaseronは、最初に市販されたものであり、促進された承認規則下で1993年にFDAに承認された。AvonexおよびRebifとは対照的に、Betaseronは、例外的に免疫原となることが公知である。Betaseronでの治療後、28〜47%程度の患者が、抗IFN-βの中和抗体を産生するが、一方、Avonexで治療した患者の2〜6%だけが、中和抗薬物抗体を示す(Deisenhammer et al., 2000; Bertolotto et al., 2004)。この状況において、AvonexおよびRebifは、チャイニーズハムスター卵巣細胞において天然のアミノ酸配列を持つグリコシル化されたタンパク質として発現されているが、Betaseronは、大腸菌(E.coli)においてMet-1欠失およびCys17からSerへの点突然変異をもつ非グリコシル化形態で発現されることに言及することが重要である(Mark et al., 1984; Holliday and Benfield, 1997)。これまで、これらの相違が様々な免疫原性の原因となるかどうかは不明である。
図1に概説したストラテジーを、HLA-DR遺伝子型HLA-DRB1*0101/0701を示す樹状細胞によって提示されるIFN-β-1bのペプチドエピトープを同定するために使用した。
HLA-DRB1*0101/0701制限IFN-β-1bエピトープを同定するために、遺伝子型HLA-DRB1*0101/0701を発現する樹状細胞を末梢血単球から分化させて、0.5×106細胞/mlの濃度で培養した。5×106樹状細胞を20μg/mlの濃度のIFN-β-1bに曝露した。同時に、1μg/mlの濃度のリポ多糖(LPS)を添加することによって樹状細胞の成熟を誘導した。対照として、同量の樹状細胞をIFN-β-1bの非存在下で、しかしながらLPSの存在下において培養した。24時間のインキュベーション期間の後、樹状細胞の両セットを界面活性剤TX-100に溶解し、HLA-DR分子をセファロースビーズに固定した抗HLA-DR mAb L243を使用することによって沈殿させた。HLA-DR会合ペプチドを0.1%のTFAで溶出して、2D-LS/MS-MSによって解析した。
HLA-DRB1*0101/0701会合リガンドの配列解析により、IFN-β-1bに由来する3ペプチド配列によって表される1つのIFN-β-1b由来エピトープ#5が明らかになった(表5)。遺伝子型DRB1*0101/0701に会合したエピトープ#5は、遺伝子型DRB1*0101/1401(参照、表8)に関しても見いだされた。
エピトープ#5は13-mer、16-mer、および17-merペプチドによって表され、13-merは、タンパク質領域44〜60に由来した(表5)。エピトープ#5は、以下のアンカーモチーフ:P1アンカーとしてF-49、P4アンカーとしてE-52、P6アンカーとしてA-54、およびP9アンカーとしてT-57を含む。一貫して、インビトロ結合アッセイにおいて、エピトープ#5を含む15-merペプチドは、HLA対立遺伝子DRB1*0101に対しての強力な結合能を有することが示された(Tangri et al., 2005)。
実施例6
図1に概説したストラテジーを、HLA-DR遺伝子型HLA-DRB1*1101/1404を示す樹状細胞によって提示されるIFN-β-1bのペプチドエピトープを同定するために使用した。
HLA-DRB1*1101/1404制限IFN-β-1bエピトープを同定するために、遺伝子型HLA-DRB1*1101/1404を発現する樹状細胞を末梢血単球から分化させて、0.5×106細胞/mlの濃度で培養した。5×106樹状細胞を20μg/mlの濃度のIFN-β-1bに曝露した。同時に、1μg/mlの濃度のリポ多糖(LPS)を添加することによって樹状細胞の成熟を誘導した。対照として、同量の樹状細胞をIFN-β-1bの非存在下で、しかしながらLPSの存在下において培養した。24時間のインキュベーション期間の後、樹状細胞の両セットを界面活性剤TX-100に溶解し、HLA-DR分子をセファロースビーズに固定した抗HLA-DR mAb L243を使用することによって沈殿させた。HLA-DR会合ペプチドを0.1%のTFAで溶出して、2D-LS/MS-MSによって解析した。
HLA-DRB1*1101/1404会合リガンドの配列解析により、IFN-β-1bに由来する24ペプチド配列によって表される2つのIFN-β-1b由来エピトープ#6および#7が明らかになった(表6)。エピトープ#6は、遺伝子型DRB1*0801に関しても見いだされた(表7)。エピトープ#7は、遺伝子型DRB1*0801(表7)、DRB1*0101/14(表8)、およびDRB1*1303/1501(表9)に関しても見いだされた。
エピトープ#6は、22種の長さの変異体(11〜19-mer)によって表され、11-merは、タンパク質領域89〜99に由来した(表6)。エピトープ#6は、以下のアンカーモチーフ:P1アンカーとしてY-91、P4アンカーとしてI-94、P6アンカーとしてH-96、およびP9アンカーとしてT-99を含む。これらのアンカー残基は、TEPITOPEアルゴリズムによって予測されるように、HLA対立遺伝子DRB1*1101およびDRB1*0801に結合を付与する可能性がある。エピトープ#6を含む15-merペプチドは、DRB1*0701と結合することが示されたが、このHLAに関してT細胞活性化の証拠はなかった(Barbosa et al., 2005)。
エピトープ#7は、13-merおよび15-merペプチドによって表され、13-merは、タンパク質領域149〜161由来であった(表6)。エピトープ#7は、以下のアンカーモチーフ:P1アンカーとしてF-153、P4アンカーとしてI-156、P6アンカーとしてR-158、およびP9アンカーとしてG-161を含む。また、エピトープ#7を含む15-merペプチドは、HLA対立遺伝子DRB1*0101、DRB1*1101、およびDRB1*1501に対して非常に強力な結合能をもつ乱交雑結合剤であることが示された(Tangri et al., 2005)。さらに、エピトープ#7を含むペプチドプールは、DRB1*0701バックグラウンドにおいてT細胞活性化を誘導することが記載されてきた(Barbosa et al., 2005)。
実施例7
図1に概説したストラテジーを、HLA-DR遺伝子型HLA-DRB1*0801/0801を示す樹状細胞によって提示されるIFN-β-1bのペプチドエピトープを同定するために使用した。
HLA-DRB1*0801/0801制限IFN-β-1bエピトープを同定するために、遺伝子型HLA-DRB1*0801/0801を発現する樹状細胞を末梢血単球から分化させて、0.5×106細胞/mlの濃度で培養した。5×106樹状細胞を20μg/mlの濃度のIFN-β-1bに曝露した。同時に、1μg/mlの濃度のリポ多糖(LPS)を添加することによって樹状細胞の成熟を誘導した。対照として、同量の樹状細胞をIFN-β-1bの非存在下で、しかしながらLPSの存在下において培養した。24時間のインキュベーション期間の後、樹状細胞の両セットを界面活性剤TX-100に溶解し、HLA-DR分子をセファロースビーズに固定した抗HLA-DR mAb L243を使用することによって沈殿させた。HLA-DR会合ペプチドを0.1%のTFAで溶出して、2D-LS/MS-MSによって解析した。
HLA-DRB1*0801/0801会合リガンドの配列解析により、IFN-β-1bに由来する22ペプチド配列によって表される2つのIFN-β-1b由来エピトープが明らかになった(表7)。遺伝子型DRB1*0801/0801に会合した2つのエピトープは、少なくとも2回の独立した実験で見いだされた。
エピトープ#6は、17種の長さの変異体(11〜18-mer)によって表され、11-merは、タンパク質領域89〜99に由来した(表6)。DRB1*1101/1404について上記した通り、エピトープ#6は、以下のアンカーモチーフ:P1アンカーとしてY-91、P4アンカーとしてI-94、P6アンカーとしてH-96、およびP9アンカーとしてT-99を含む。これらのアンカー残基は、TEPITOPEアルゴリズムによって予測されるように、HLA対立遺伝子DRB1*1101およびDRB1*0801に対する結合を付与する可能性がある。
エピトープ#7は、以下の5種の長さの変異体によって表された:11-merの151〜161、13-merの149〜161、14-merの149〜162、14-merの148〜161、および15-merの147〜161(表7)。エピトープ#7は、以下のアンカーモチーフ:P1アンカーとしてF-153、P4アンカーとしてI-156、P6アンカーとしてR-158、およびP9としてG-161を含む。
実施例8
図1に概説したストラテジーを、HLA-DR遺伝子型HLA-DRB1*0101/1401を示す樹状細胞によって提示されるIFN-β-1bのペプチドエピトープを同定するために使用した。
HLA-DRB1*0101/1401制限IFN-β-1bエピトープを同定するために、遺伝子型HLA-DRB1*0101/1401を発現する樹状細胞を末梢血単球から分化させて、0.5×106細胞/mlの濃度で培養した。5×106樹状細胞を20μg/mlの濃度のIFN-β-1bに曝露した。同時に、1μg/mlの濃度のリポ多糖(LPS)を添加することによって樹状細胞の成熟を誘導した。対照として、同量の樹状細胞をIFN-β-1bの非存在下で、しかしながらLPSの存在下において培養した。24時間のインキュベーション期間の後、樹状細胞の両セットを界面活性剤TX-100に溶解し、HLA-DR分子をセファロースビーズに固定した抗HLA-DR mAb L243を使用することによって沈殿させた。HLA-DR会合ペプチドを0.1%のTFAで溶出して、2D-LS/MS-MSによって解析した。
HLA-DRB1*0101/1401会合リガンドの配列解析により、IFN-β-1bに由来する9ペプチド配列によって表される2つのIFN-β-1b由来エピトープが明らかになった(表8)。遺伝子型DRB1*0101/1401に会合した2つのエピトープは、少なくとも2回の独立した実験で見いだされた。
エピトープ#5は、7種の長さの変異体によって表された:15-merの46〜60、16-merの45〜60、17-merの44〜60、18-merの43〜60、19-merの43〜61、19-merの42〜60、および22-merの39〜60(表8)。エピトープ#5は、以下のアンカーモチーフ:P1アンカーとしてF-49、P4アンカーとしてE-52、P6アンカーとしてA-54、およびP9アンカーとしてT-57を含む。
エピトープ#7は、13-merおよび15-merペプチドによって表され、13-merは、タンパク質領域149〜161由来であった(表8)。エピトープ#7は、以下のアンカーモチーフ:P1アンカーとしてF-153、P4アンカーとしてI-156、P6アンカーとしてR-158、およびP9アンカーとしてG-161を含む。
実施例9
図1に概説したストラテジーを、HLA-DR遺伝子型HLA-DRB1*1303/1501を示す樹状細胞によって提示されるIFN-β-1bのペプチドエピトープを同定するために使用した。
HLA-DRB1*1303/1501制限IFN-β-1bエピトープを同定するために、遺伝子型HLA-DRB1*1303/1501を発現する樹状細胞を末梢血単球から分化させて、0.5×106細胞/mlの濃度で培養した。5×106樹状細胞を20μg/mlの濃度のIFN-β-1bに曝露した。同時に、1μg/mlの濃度のリポ多糖(LPS)を添加することによって樹状細胞の成熟を誘導した。対照として、同量の樹状細胞をIFN-β-1bの非存在下で、しかしながらLPSの存在下において培養した。24時間のインキュベーション期間の後、樹状細胞の両セットを界面活性剤TX-100に溶解し、HLA-DR分子をセファロースビーズに固定した抗HLA-DR mAb L243を使用することによって沈殿させた。HLA-DR会合ペプチドを0.1%のTFAで溶出して、2D-LS/MS-MSによって解析した。
HLA-DRB1*1303/1501会合リガンドの配列解析により、IFN-β-1bに由来する3ペプチド配列によって表される1つのIFN-β-1b由来エピトープが明らかになった(表9)。遺伝子型DRB1*1303/1501に会合したエピトープは、少なくとも2回の独立した実験で見いだされた。
エピトープ#7は、13-merの149-161、16-merの148-161、および17-merの147-161によって表された(表9)。エピトープ#7は、以下のアンカーモチーフ:P1アンカーとしてF-153、P4アンカーとしてI-156、P6アンカーとしてR-158、およびP9アンカーとしてG-161を含む。
(表1)遺伝子型HLA-DRB1*0401/*1302に会合したOKT-3(オルトクローン)エピトープ
Figure 0004275144
(表2)遺伝子型HLA-DRB1*0701/*1601に会合したOKT-3(オルトクローン)エピトープ
Figure 0004275144
(表3)遺伝子型HLA-DRB1*1101/*1202に会合したOKT-3(オルトクローン)エピトープ
Figure 0004275144
(表4)遺伝子型HLA-DRB1*0301/*0401に会合したOKT-3(オルトクローン)エピトープ
Figure 0004275144
(表5)遺伝子型HLA-DRB1*0101/*0701に会合したインターフェロン-β-1bのエピトープ
Figure 0004275144
(表6)遺伝子型HLA-DRB1*1101/*1404に会合したインターフェロン-β-1bのエピトープ
Figure 0004275144
(表7)遺伝子型HLA-DRB1*0801/*0801に会合したインターフェロン-β-1bのエピトープ
Figure 0004275144
(表8)遺伝子型HLA-DRB1*0101/*1401に会合したインターフェロン-β-1bのエピトープ
Figure 0004275144
(表9)遺伝子型HLA-DRB1*1303/*1501に会合したインターフェロン-β-1bのエピトープ
Figure 0004275144
ヒト樹状細胞に添加された治療的ポリペプチドに由来する天然にプロセスされたMHCクラスII会合ペプチドエピトープを研究するための方法論を示す図である。 インシリコ予測アルゴリズムTEPITOPE対、樹状細胞を含むインビトロでの方法論によって同定されたOKT3由来ペプチドエピトープの比較を示す図である。潜在的T細胞エピトープは、タンパク質配列上に小さな黒い長方形によって示したとおり、HLA-DRB1対立遺伝子*0301、*0401、*0701、および*1101と予測された。TEPITOPE解析のための閾値は、1〜4%にセットした。未処理のOKT3軽鎖のシグナルペプチドは省略した。細胞のインビトロ技術によって同定されたエピトープは、OKT3配列における数およびボックスによってマークしてある。 合成OKT3由来ペプチド#1-4によるCD4+ T細胞活性化を示す図である。T細胞活性化の強度は、刺激指数(SI)によって示してある。刺激のために使用したペプチド(それぞれ10μM)の配列は、以下のとおりであった:#1、OKT3-lc 98-113、GSGTKLEINRADTAPT、#2、OKT-lc 143-158、INVKWKIDGSERQNGV、#3、OKT3-hc 194-209、WPSQSITCNVAHPASS、#4、OKT3-lc 164-183、DQDSKDSTYSMSSTLTLTKDE。T細胞をそれぞれのペプチドおよび成熟樹状細胞で1回(B)または2回(A、C)再刺激した。樹状細胞のHLA-DRB1遺伝子型および使用したT細胞をそれぞれの図の上に示してある。エラーバーは、3回の独立した実験で得られたSDを示す。添加したペプチドがない場合の平均SIを1.0に合わせた。以下のDRB1ハプロタイプをもつドナー細胞を使用した:*0401/*0701(A)、*0301/*1501(B)、および*1001/*1201(C)。

Claims (11)

  1. 以下の工程を含む治療的ポリペプチドの免疫原性を減少させるための方法:
    a) 治療的ポリペプチドの免疫原性ペプチドを同定する工程であって、
    i) 0.1〜5μgの分子を提供する数のMHC II分子を発現する細胞を提供すること、
    ii) i)からの細胞を免疫原性ペプチドの供与源と接触させること、
    iii) 細胞からのMHC II分子-免疫原性ペプチド複合体を単離すること、
    iv) MHC II分子から会合したペプチドを溶出すること、
    v) 免疫原性ペプチドを同定すること、および
    vi) 同定された免疫原性ペプチドをエピトープとして検証すること
    を含む工程、
    b) MHC II分子の結合が、減少または消失するように、ポリペプチドの対応するエピトープを修飾する工程、並びに
    c) これにより、免疫原性潜在能力が減少されたか、または免疫原性潜在能力がない修飾されたポリペプチドを作製する工程。
  2. MHC IIを発現する細胞が樹状細胞である、請求項1記載の方法。
  3. 樹状細胞が、樹状細胞に成熟するために誘導されるのと同時に、未成熟樹状細胞として免疫原の潜在的供与源に曝露される、請求項2記載の方法。
  4. 治療的ポリペプチドが、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、抗体、酵素、構造タンパク質、ホルモン、およびこれらの断片から選択される、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. 免疫原性ペプチドとMHC分子の複合体が、界面活性剤による細胞の可溶化、および免疫沈降または免疫アフィニティークロマトグラフィーによるMHC II分子と免疫原性ペプチドの複合体の隔離を含む方法で細胞から単離される、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. 隔離された免疫原性ペプチドをもつMHC分子の複合体が、ペプチドを溶出する前に限外濾過チューブ内において水で洗浄される、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  7. 免疫原性ペプチドが、希釈された酸を使用してMHC分子から溶出される、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. 工程(a)(iv)の単離された免疫原性ペプチドが、分画および配列決定される、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
  9. 単離された免疫原性ペプチドが、液体クロマトグラフィーおよび質量分析を含む方法によって分画、ならびに配列決定される、請求項8記載の方法。
  10. 単離された免疫原性ペプチドが、潜在的免疫原の供与源と接触させた細胞から同定されたペプチドを、その供与源と接触させなかった細胞から同定されたペプチドと比較することによって同定される、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
  11. 免疫原性ペプチドは、天然にプロセスされた免疫原性ペプチドである、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
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