JP4273657B2 - Cold rolled steel sheet for color cathode ray tube magnetic shield - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気シールド用鋼板、特に、カラー陰極線管の内部または外部にあって、電子線の通過方向に対して側面から覆うように設置される磁気シールド部品の素材として好適な磁気シールド用鋼板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー陰極線管の基本構成は、電子線を射出する電子銃および電子線照射により発光して映像を構成する蛍光面からなる。電子線は地磁気の影響によって偏向し、その結果映像に色ずれを生じさせるため、偏向を防止するための手段として、一般的に内部磁気シールド(インナーシールド、インナーマグネティックシールドとも称する)が設置されている。また、外部磁気シールド(アウターシールド、アウターマグネティックシールドとも称する)が、カラー陰極線管外部に設置される場合もある。以下、これらの内部磁気シールドおよび外部磁気シールドを総称して磁気シールドと称する。
【0003】
近年、民生用TVは大型化、ワイド化、および画面の平面化が進められ、電子線の走行距離および走査距離は大きくなり、地磁気による影響を受けやすくなっている。すなわち、地磁気により偏向した電子線の蛍光面到達地点の、本来到達すべき地点からのずれ(地磁気ドリフトと称される)が従来より大きくなっているため、その抑制が要望されている。また、パーソナルコンピュータ等のモニタ用の陰極線管では、より高精細の静止画像が求められるため、地磁気ドリフトによる色ずれは極力抑制しなければならない状況である。
【0004】
このような中で従来は、カラー陰極線管の磁気シールドとして使用される鋼板の特性については、地磁気に相当する低磁場での透磁率を指標として評価される場合が多かった。この場合、不純物、析出物等によって透磁率が著しく劣化するのを防止するため、磁気シールド材料には不純物を極力低減した鋼板が用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような高透磁率の鋼板を製造するためには、製鋼段階で高精度の成分調整が必須であり、製造上歩留まりが悪くコストアップを招く。さらに、近年の環境問題に対する社会の要請から資源の有効利用を推進していく必要があり、スクラップ鉄の使用量増加が見込まれている中で、磁気シールド素材となる高透磁率の鋼の製造はますます困難になりつつある。
【0006】
一方で、実際に高透磁率の鋼板を使用しても、現状では地磁気による色ずれを十分に抑えているとは言い難い。地磁気シールド性と材料特性との関係については、これまでいくつか検討がなされており、例えば電子情報通信学会論文誌、Vol.J79-C-II No.6, p311〜319, ’96.6によれば、カラー陰極線管に適用された磁気シールド用鋼板は、地磁気中で消磁されるのが一般的であり、この場合透磁率よりも消磁後の磁化の大きさ、または、これを地磁気の大きさで除した値である、いわゆる非履歴透磁率が地磁気シールド性能を表す重要な因子と考えられる。ところが、この非履歴透磁率が高められた材料を得るための手段については、これまで何ら考慮されていない。
【0007】
このような理由から、より高性能の磁気シールド性を有する磁気シールド用鋼板が強く求められているのが現状である。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、地磁気による色ずれを抑制して高精細な画像を得るために有効な、地磁気シールド性に優れ、かつ安価で資源の有効利用に対応可能なカラー陰極線管磁気シールド用冷延鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、以下の知見を得た。
一般に、カラー陰極線管の内部、場合によっては内部および外部には、強磁性体である鋼板が使われている。カラー陰極線管は通常地磁気に曝されているため、カラー陰極線管内外の鋼板は不均一に磁化されており、これが色ずれを引きおこす一因となっている。そして、最近のカラー陰極線管にはこれら強磁性材料に残留した磁化を取り除くために交流消磁回路が組み込まれている。
【0010】
ところで、この消磁は地磁気中で行われるため、消磁後のカラー陰極線管内外の鋼板には地磁気の方向に沿って比較的高い磁化が生じている。この磁化によって形成される反磁界がカラー陰極線管内の地磁気をうち消すことにより、高い地磁気シールド性が発現する。一般に、直流磁界中で消磁した後の材料の磁化は、その直流磁界に対応した非履歴磁化(または理想磁化)に収束することが知られており、この非履歴磁化状態の磁束密度をその直流磁界の大きさで除した値を非履歴透磁率という。前記の電子情報通信学会論文誌、Vol.J79-C-II No.6, p311〜319, ’96.6に述べられているように、磁気シールド用途に適した鋼板とは、この「非履歴透磁率」が高い鋼板であると考えられる。本発明者等は、この知見をもとに、地磁気相当の直流バイアス磁界27.9A/mにおける非履歴透磁率を高めるための条件を調査し、磁気シールド用として優れた鋼板について検討した結果、以下の▲1▼〜▲5▼を見出した。
【0011】
▲1▼ 通常の磁気シールド材においては、透磁率を高めるために析出物低減、高温での熱処理等により結晶粒の粗大化が図られているが、非履歴透磁率の場合はこれと傾向が異なり、析出物がある程度存在し、結晶粒が微細であっても高い値を取り得ること
▲2▼ カラー陰極線管のように、地磁気中での交流消磁により発生する材料の磁化を積極的に利用した磁気シールドシステムにおいては、非履歴透磁率が7500以上の鋼板をシールド材として用いれば地磁気の影響を効果的に抑制できること
▲3▼ 適量のB添加により非履歴透磁率が向上すること
▲4▼ 保磁力が239A/m以上に増加すると、本来の非履歴磁化に達するのに必要な消磁電力が大きくなり、消電力化の観点から好ましくないこと
▲5▼ Al2O3/(Al2O3+CaO+MnO+SiO2)の比率を調整することにより、高い非履歴透磁率を維持しつつ保磁力を下げることが可能であること
【0012】
本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであり、以下の(1)〜(2)を提供する。
(1) カラー陰極線管の磁気シールドに用いられる板厚0.05mm以上0.5mm以下の鋼板であって、重量%で、C:0.06%以下、Si:1%以下、Mn:0.1%以上2%以下、P:0.1%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.001%以上1%以下、N:0.006%以下、Ti:0.01%以下、V:0.01%以下、Nb:0.01%以下、Cu:0.005%以上0.5%以下、Sn:0.001%以上0.3%以下、Ni:0.005%以上2%以下、Cr:0.004%以上0.2%以下、Mo:0.3%以下を含み、残部Feおよび不可避不純物からなり、Al2O3/(Al2O3+CaO+MnO+SiO2)≧0.1の関係を満たし、非履歴透磁率が7500以上であることを特徴とするカラー陰極線管磁気シールド用冷延鋼板。
【0014】
(2) 上記(1)において、鋼板表面にCrおよび/またはNiめっきを有することを特徴とするカラー陰極線管磁気シールド用冷延鋼板。
【0017】
なお、本明細書において、鋼の成分を示す%はすべて重量%である。また、本発明における非履歴透磁率とは、バイアス磁界(地磁気相当の27.9A/m)中で材料を交流消磁して得られる磁束密度を、そのバイアス磁界(27.9A/m)で割り、さらに無次元化のため真空透磁率で割った値である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
まず、鋼の成分組成について説明する。
本発明の磁気シールド用鋼板は、重量%で、C:0.06%以下、Si:1%以下、Mn:0.1%以上2%以下、P:0.1%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.001%以上1%以下、N:0.006%以下、Ti:0.01%以下、V:0.01%以下、Nb:0.01%以下、Cu:0.005%以上0.5%以下、Sn:0.001%以上0.3%以下、Ni:0.005%以上2%以下、Cr:0.004%以上0.2%以下、Mo:0.3%以下を含み、残部Feおよび不可避不純物からなる。以下、各成分をこのように規定した理由について説明する。
【0019】
C:0.06%以下
比較的多量の炭化物が存在しても高い非履歴透磁率を実現することは可能であるが、C量が0.06%を超えると保磁力が239A/m以上となり、ブラウン管シールド材として使用する際、消磁過程で大きな電力が必要となってしまい、家電製品の省エネルギー化の観点から好ましくない。よって、C量を0.06%以下とする。
【0020】
Si:1%以下
Siは、鋼板の強度を高める安価な元素であり、シールド板を組み立てる際のハンドリング性向上に有効であるが、1%を超えるSi添加は溶接性、めっき性を劣化させる。よって、Si量を1%以下とする。
【0021】
Mn:0.1%以上2%以下
Mnは、鋼板強度を高め、また熱間延性を改善する元素であり、0.1%以上でその作用が有効に発揮される。一方、2%を超えて添加すると、焼入れ組織を形成しやすくなって非履歴透磁率を低下させるおそれがあり、またコストアップを招く。このため、Mn量を0.1%以上2%以下とする。
【0022】
P:0.1%以下
鋼板強度を高めるのに有効な元素であるが、多すぎると編析により鋼板の脆化を招き、冷間加工時の不良率を上げてしまう。よって、P量を0.1%以下とする。
【0023】
S:0.02%以下
Sは熱間延性を低下させる元素であり、熱間延性に悪影響を及ぼさない観点からS量を0.02%以下とする。
【0024】
sol.Al:0.001%以上1%以下
Alは鋼板強度を高める元素であり、また酸化物中のAl2O3比率を高めることにより保磁力低減に効果がある。これらの効果はsol.Al量を0.001%以上とした場合に有効に発揮されるが、、多量の添加はコストアップを招く。よって、sol.Al量を1%以下とする。
【0025】
N:0.006%以下
鋼板の強度を高める元素であるが、過度の添加は表面のふくれ傷を発生させるため、N量を0.006%以下とする。
【0026】
Ti:0.01%以下
V :0.01%以下
Nb:0.01%以下
Ti,V,Nbは、C,Nを炭化物、窒化物として固定し、加工の際に発生するストレッチャーストレインを抑制するのに有効である。しかしながら、過剰添加は再結晶温度を上昇させたり過度に硬質化する等の問題を生じ、またコストアップを招くため、それぞれTi:0.01%以下、V:0.01%以下、Nb:0.01%以下とする。
【0027】
Cu:0.005%以上0.5%以下
近年、様々な電機部品、自動車部品の中に、例えばモータの巻き線としてCuが含まれており、これらスクラップを材料として用いる場合、高炉銑主体の場合の一般的なCu含有量(例えば0.005%未満)を超えた0.005%以上のCu含有量となる。一方、Cu量の増減によって非履歴透磁率は大きく変化しないが、0.5%を超える多量のCu添加は保磁力増加、表面欠陥増加を招く。このため、Cu量を0.005%以上0.5%以下とする。
【0028】
Sn:0.001%以上0.3%以下
Snは、食缶用のブリキ屑等に含まれており、これらをスクラップ材料として用いる場合に混入する元素である。従来は0.001%未満であったところ、スクラップ利用の観点から下限を0.001%とする。しかしながら、多量に含まれると保磁力増大を招くため、上限を0.3%とする。
【0029】
Ni:0.005%以上2%以下
Niは、ステンレス鋼等から混入する元素である。従来は0.005%未満とされていたが、スクラップ利用の観点から下限を0.005%とする。また、Ni含有量を2%まで増加させても非履歴透磁率および保磁力の変化は殆どみられないため、上限を2%とする。
【0030】
Cr:0.004%以上0.2%以下
Crは、Niと同様に、ステンレス鋼等から混入する元素である。従来は0.004%未満とされていたが、スクラップ利用の観点から下限を0.004%とする。また、Cr含有量が過度に増えると保磁力を劣化させるため、上限を0.2%とする。
【0031】
Mo:0.3%以下
Moは、スクラップ中のステンレス鋼等から混入する元素であり、0.3%を超えて含まれると保磁力増大を招くため、0.3%以下とする。
【0033】
本発明では、鋼中の酸化物について、Al2O3/(Al2O3+CaO+MnO+SiO2)≧0.1を満たすこととする。この値が0.1未満では保磁力の増大を招き、所望の磁気特性が得られない。Al2O3/(Al2O3+CaO+MnO+SiO2)の値を0.1以上に制御する有効な手段としては、公知の方法ではあるが、製鋼での真空脱ガス処理での脱炭後、成分を添加する際にAlで先行脱酸してから、他のMn、Si等の脱酸剤を添加する方法、sol.Al量として0.001%以上のAlを添加する方法等がある。
【0034】
次に、板厚について説明する。
磁気シールド鋼板としての板厚下限は、薄肉化しすぎると非履歴透磁率の高い鋼板であっても磁気シールド性が不十分となること、また、磁気シールド部品としての剛性が得られなくなることから、0.05mm以上とする。一方、磁気シールド性を高めるためには板厚は大きい方が望ましいが、昨今のカラーテレビの大型化、ワイド化に伴い、テレビセットの軽量化が望まれているため、上限を0.5mmとする。
【0035】
次に、製造方法について説明する。
まず、前記成分組成を有する鋼を溶製して、連続鋳造等により鋳造してスラブとし、これを熱間圧延する。熱間圧延は、例えば連続鋳造したスラブに対して、直接行っても、あるいは若干加熱した後に行ってもよいし、一旦冷却したスラブを再加熱してから行ってもよい。
【0036】
次に、熱間圧延した鋼板を酸洗し、冷間圧延した後、フェライト単相域またはAc1変態点未満の温度で再結晶焼鈍する。このようにフェライト単相温度域またはAc1変態点未満の温度で再結晶焼鈍することにより、7500以上の非履歴透磁率を得ることができる。
【0037】
再結晶焼鈍後、必要に応じて調質圧延を施す。高い非履歴透磁率を確保するためには調質圧延の伸長率は小さい方が好ましく、磁気特性の観点からは調質圧延を行わないほうが望ましい。ただし、鋼板形状を矯正する目的等でやむを得ず調質圧延を行う場合には、伸長率はできるだけ小さくすべきであり、このため上限を1.5%とする。鋼板の形状に対する問題が軽微な場合には、1.0%以下とすることが好ましく0.5%以下とすることがさらに好ましい。
【0038】
以上のようして得られたカラー陰極線管磁気シールド用冷延鋼板には、その後、耐食性を向上させるためにCrめっきおよび/またはNiめっきを施してもよい。これらのめっきは単層で使用しても複層化して使用してもよく、めっき層を形成する面は鋼板の一方の面であっても両方の面であってもよい。めっき層を形成することにより、鋼板の錆発生を抑制することができるとともに、陰極線管に組み込まれたときに鋼板からのガス発生を抑制することができ、有効である。めっき層の付着量については特に限定する必要がなく、鋼板表面を実質的に被覆できる付着量が適宜選択される。また、部分的にNiめっきを施した後にクロメート処理を施して鋼板表面を被覆するようにしてもよい。
【0039】
【実施例】
[実施例1]
表1に示す成分を有する供試鋼を溶製後、鋳造してスラブとし、板厚1.8mmまで熱間圧延し、冷間圧延率83〜94%で冷間圧延を行い板厚を0.1〜0.3mmとした。次いで、得られた冷延鋼板に窒素+水素雰囲気中で700℃×50秒の再結晶焼鈍を施した後、鋼の両面にCrめっきを施してNo.1〜No.22の供試材を得た。Crめっきは、下層を付着量95〜120mg/m2の金属Cr層とし、上層を付着量(金属Cr換算)12〜20mg/m2の水和酸化物Cr層を下層とした。なお、表1のAl2O3比率の欄は、化学分析により得られたAl2O3/(Al2O3+CaO+MnO+SiO2)の重量比の値を示す。
【0040】
以上のようにして得られたNo.1〜22の供試材から30mm×280mmの短冊状サンプルをコイル圧延方向およびその垂直方向で切り出し、JISC2550に準拠したエプスタイン試験法により、透磁率および保磁力を測定した。また、エプスタイン試験枠にバイアス磁界用のコイルを追加して、下記の手順により非履歴透磁率を測定した。このようにして測定された透磁率、保持力および非履歴透磁率を表1に併せて示す。
【0041】
非履歴透磁率測定方法
1)励磁コイルに減衰する交流電流を流して試験片を完全消磁する。
2)バイアス磁界用コイルに直流電流を流して27.9A/mの直流磁界を発生させた状態で、再度励磁コイルに減衰する交流電流を流して試験片を消磁する。
3)バイアス磁界をかけたまま、最大磁化力3180A/mでB−Hループを測定する。
4)B−Hループの非対称性より非履歴透磁率を算出する。
【0042】
表1に示すように、本発明の鋼組成を有する実施例であるNo.1,3〜7,9,11,13,15,17,21の供試材は、いずれも非履歴透磁率が7500以上であり、かつ、保磁力が239A/m未満であって、優れた地磁気シールド性を有していた。これに対して、いずれかの成分が本発明の範囲から外れる比較例であるNo.2,8,10,12,14,16,18〜20,22の供試材は、いずれかの特性が劣っており、優れた磁気シールド性が得られなかった。具体的には、No.2の供試材はMn量が本発明範囲を超えて高く、非履歴透磁率が劣っていた。また、No.8の供試材はTi量が本発明範囲を超えて高く、No.10の供試材はV量が本発明範囲を超えて高く、No.12の供試材はNb量が本発明範囲を超えて高く、No.14の供試材はCu量が本発明範囲を超えて高く、No.16の供試材はCr量が本発明範囲を超えて高く、No.18の供試材はSn量が本発明範囲を超えて高く、No.19の供試材はMo量が本発明範囲を超えて高く、No.20はAl2O3比率が本発明範囲よりも低く、No.22はC量が本発明範囲を超えて高く、いずれも保磁力が239A/mを超えていた。
【0043】
【表1】
【0044】
[実施例2]
重量%で、C:0.02%、Si:0.01%、Mn:0.45%、P:0.03%、S:0.003%、sol.Al:0.06%、N:0.003%、Ti:0.002%、V:0.003%、Nb:0.002%、Cu:0.011%、Sn:0.004%、Ni:0.03%、Cr:0.02%、Mo:0.02%を含み、残部が実質的にFeからなり、Al2O3/(Al2O3+CaO+MnO+SiO2)=0.35であるスラブを1200℃で加熱し、仕上げ温度880℃、巻取温度640℃で熱間圧延して板厚1.8mmとした後、酸洗し、次いで冷間圧延で板厚0.1mmとした。これを窒素+水素雰囲気中で550℃〜880℃の温度で50秒間焼鈍し、さらに1.8%以下の伸長率の調質圧延を行うか、あるいは調質圧延を行わずに、鋼板表面にCrめっきを施してNo.23〜33の供試材を得て、透磁率、保持力および非履歴透磁率を実施例1と同様の方法により測定した。それぞれの供試材の焼鈍温度、再結晶の有無、調質圧延の伸長率、透磁率、保持力および非履歴透磁率を表2に併せて示す。なお、この供試材のAc1点はフォーマスターで測定した結果、750℃付近であった。
【0045】
表2に示すように、Ac1点以下で再結晶焼鈍を行い、かつ、伸長率1.5%以下の調質圧延を施した実施例であるNo.24〜28,30,31の供試材は、7500以上の非履歴透磁率および239A/m未満の保磁力を有しており、磁気特性が極めて優れていた。これに対して、どちらかの条件が本発明の範囲を外れた比較例であるNo.23,29,32,33の供試材は、いずれかの磁気特性が劣っていた。具体的には、焼鈍温度がAc1点を超えていたNo.32および33の供試材においては、調質圧延を施さなかったにも関わらず、非履歴透磁率がNo.32では6000、No.33では5800であり、どちらも低い値を示した。また、焼鈍温度が550℃であったNo.23の供試材は、再結晶が起こらず、非履歴透磁率が5500と低い値を示した。さらに、調質圧延の伸長率が本発明の範囲を超えたNo.29の供試材は、非履歴透磁率が7000まで低下した。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、地磁気による色ずれを抑制して高精細な画像を得るために有効な、地磁気シールド性に優れ、かつ安価で資源の有効利用に対応可能なカラー陰極線管磁気シールド用冷延鋼板を得ることができる。本発明に係る鋼板をカラー陰極線管の磁気シールドとして用いることによって、消磁後、十分な磁気シールド性が確保され、さらに地磁気ドリフトによる色ずれが抑制される。よって、本発明の鋼板を用いることによりTVやコンピュータ等の高精細な画質を得るために有効な磁気シールドを得ることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a magnetic shield steel plate, particularly a magnetic shield steel plate suitable as a material for a magnetic shield component that is installed inside or outside a color cathode ray tube so as to cover the electron beam passing direction from the side surface. And a manufacturing method thereof.
[0002]
[Prior art]
The basic configuration of the color cathode ray tube includes an electron gun that emits an electron beam and a fluorescent screen that emits light by electron beam irradiation to form an image. Since the electron beam is deflected by the influence of geomagnetism, resulting in color shift in the image, an internal magnetic shield (also referred to as an inner shield or inner magnetic shield) is generally installed as a means for preventing the deflection. Yes. An external magnetic shield (also referred to as an outer shield or an outer magnetic shield) may be installed outside the color cathode ray tube. Hereinafter, the inner magnetic shield and the outer magnetic shield are collectively referred to as a magnetic shield.
[0003]
In recent years, consumer TVs have been increased in size, widened, and flattened screens. As a result, the traveling distance and scanning distance of electron beams have increased and are easily affected by geomagnetism. That is, since the deviation (referred to as geomagnetic drift) of the arrival point of the electron beam deflected by geomagnetism from the point where the electron beam should originally reach is larger than before, suppression thereof is desired. In addition, since a monitor cathode ray tube such as a personal computer requires a higher-definition still image, color shift due to geomagnetic drift must be suppressed as much as possible.
[0004]
Under such circumstances, conventionally, the characteristics of a steel sheet used as a magnetic shield of a color cathode ray tube have often been evaluated using the permeability in a low magnetic field corresponding to geomagnetism as an index. In this case, in order to prevent the magnetic permeability from remarkably deteriorating due to impurities, precipitates, etc., a steel plate having impurities reduced as much as possible has been used as the magnetic shield material.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in order to produce such a high permeability steel sheet, it is essential to adjust the components with high precision at the steel making stage, resulting in poor production yield and increased cost. Furthermore, it is necessary to promote the effective use of resources due to social demands for environmental issues in recent years, and the production of high-permeability steel, which is used as a magnetic shield material, is expected in spite of an increase in the amount of scrap iron used. Is becoming increasingly difficult.
[0006]
On the other hand, even if a high permeability steel sheet is actually used, it is difficult to say that color shift due to geomagnetism is sufficiently suppressed at present. Several studies have been made on the relationship between geomagnetic shielding properties and material properties. For example, according to IEICE Transactions, Vol.J79-C-II No.6, p311-319, '96 .6 In general, a steel plate for magnetic shielding applied to a color cathode ray tube is demagnetized in the geomagnetism. In this case, the magnitude of magnetization after demagnetization or the magnitude of geomagnetism rather than the magnetic permeability. The so-called non-historic permeability, which is the value obtained by dividing, is considered to be an important factor representing the geomagnetic shielding performance. However, no consideration has been given to the means for obtaining a material having an increased non-historical permeability.
[0007]
For these reasons, there is a strong demand for magnetic shielding steel plates having higher performance magnetic shielding properties.
[0008]
The present invention has been made in view of such circumstances, and is effective for obtaining a high-definition image by suppressing color misregistration due to geomagnetism. An object of the present invention is to provide a cold-rolled steel sheet for a color cathode ray tube magnetic shield and a method for producing the same.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have obtained the following knowledge as a result of repeated studies to solve the above problems.
In general, a steel plate, which is a ferromagnetic material, is used inside, in some cases, inside and outside the color cathode ray tube. Since the color cathode ray tube is normally exposed to geomagnetism, the steel plates inside and outside the color cathode ray tube are magnetized non-uniformly, which causes a color shift. In recent color cathode ray tubes, an AC demagnetization circuit is incorporated in order to remove the magnetization remaining in these ferromagnetic materials.
[0010]
By the way, since this demagnetization is performed in the geomagnetism, relatively high magnetization is generated along the direction of geomagnetism on the steel plates inside and outside the color cathode ray tube after demagnetization. The demagnetizing field formed by this magnetization erases the terrestrial magnetism in the color cathode ray tube, so that a high terrestrial shielding property is exhibited. In general, it is known that the magnetization of a material after demagnetization in a DC magnetic field converges to non-history magnetization (or ideal magnetization) corresponding to the DC magnetic field, and the magnetic flux density in this non-history magnetization state is converted to the DC The value divided by the magnitude of the magnetic field is called non-history permeability. As described in the aforementioned IEICE Transactions, Vol.J79-C-II No.6, p311 to 319, '96 .6, steel sheets suitable for magnetic shield applications are referred to as “non-history permeability”. Is considered to be a high steel plate. Based on this knowledge, the present inventors investigated the conditions for increasing the non-historical permeability in a DC bias magnetic field of 27.9 A / m equivalent to geomagnetism, and as a result of examining a steel sheet excellent for magnetic shielding, The following (1) to (5) were found.
[0011]
(1) In ordinary magnetic shield materials, the grain size is increased by reducing precipitates and heat treatment at high temperature in order to increase the permeability. Differently, there are some precipitates, and high values can be obtained even if the crystal grains are fine. (2) Active use of magnetization of materials generated by AC demagnetization in geomagnetism, such as color cathode ray tubes In the magnetic shield system, if a steel plate having a non-history permeability of 7500 or more is used as a shield material, the influence of geomagnetism can be effectively suppressed. (3) Non-history permeability can be improved by adding an appropriate amount of B (4) When the coercive force is increased more than 239A / m, the demagnetizing power increases required to reach the original anhysteretic magnetization, it is not preferable from the viewpoint of consumption power ▲ 5 ▼ Al 2 O 3 / (Al 2 By adjusting the 3 + CaO + MnO + ratio of SiO 2), [0012] it is possible to lower the coercive force while maintaining a high anhysteretic magnetic permeability
The present invention has been completed based on such findings, and provides the following (1) to ( 2 ).
(1) A steel plate having a thickness of 0.05 mm or more and 0.5 mm or less used for a magnetic shield of a color cathode ray tube, and by weight%, C: 0.06% or less, Si: 1% or less, Mn: 0.00. 1% or more and 2% or less, P: 0.1% or less, S: 0.02% or less, sol. Al: 0.001% to 1%, N: 0.006% or less, Ti: 0.01% or less, V: 0.01% or less, Nb: 0.01% or less, Cu: 0.005% or more 0.5% or less, Sn: 0.001% to 0.3%, Ni: 0.005% to 2%, Cr: 0.004% to 0.2%, Mo: 0.3% or less A cathode cathode tube characterized by comprising a balance Fe and inevitable impurities , satisfying a relationship of Al 2 O 3 / (Al 2 O 3 + CaO + MnO + SiO 2 ) ≧ 0.1, and having a non-historical permeability of 7500 or more Cold rolled steel sheet for magnetic shield.
[0014]
( 2 ) A cold-rolled steel sheet for a magnetic cathode ray tube magnetic shield according to (1), wherein the steel sheet surface has Cr and / or Ni plating.
[0017]
In addition, in this specification, all% which shows the component of steel is weight%. The non-history permeability in the present invention is the magnetic flux density obtained by alternating current demagnetization in a bias magnetic field (27.9 A / m equivalent to geomagnetism) divided by the bias magnetic field (27.9 A / m). Further, it is a value divided by the vacuum permeability for non-dimensionalization.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be specifically described.
First, the component composition of steel will be described.
The steel sheet for magnetic shielding according to the present invention is, by weight, C: 0.06% or less, Si: 1% or less, Mn: 0.1% or more and 2% or less, P: 0.1% or less, S: 0.00. 02% or less, sol. Al: 0.001% to 1%, N: 0.006% or less, Ti: 0.01% or less, V: 0.01% or less, Nb: 0.01% or less, Cu: 0.005% or more 0.5% or less, Sn: 0.001% to 0.3%, Ni: 0.005% to 2%, Cr: 0.004% to 0.2%, Mo: 0.3% or less It consists of the balance Fe and inevitable impurities . Hereinafter, the reason why each component is defined in this way will be described.
[0019]
C: 0.06% or less Even if a relatively large amount of carbide exists, it is possible to achieve a high non-historical permeability. However, if the C content exceeds 0.06%, the coercive force becomes 239 A / m or more. When used as a cathode ray tube shield material, a large amount of electric power is required in the demagnetization process, which is not preferable from the viewpoint of energy saving of home appliances. Therefore, the C amount is set to 0.06% or less.
[0020]
Si: 1% or less Si is an inexpensive element that increases the strength of the steel sheet, and is effective for improving the handleability when assembling the shield plate. However, addition of Si exceeding 1% deteriorates the weldability and plating performance. Therefore, the Si amount is set to 1% or less.
[0021]
Mn: 0.1% or more and 2% or less Mn is an element that increases the strength of the steel sheet and improves the hot ductility, and its effect is effectively exhibited at 0.1% or more. On the other hand, if added over 2%, a hardened structure is likely to be formed, and the non-historical permeability may be lowered, and the cost is increased. For this reason, the amount of Mn is made 0.1% or more and 2% or less.
[0022]
P: 0.1% or less An element effective for increasing the strength of a steel sheet, but if it is too much, embrittlement of the steel sheet is caused by knitting, and the defect rate during cold working is increased. Therefore, the P content is 0.1% or less.
[0023]
S: 0.02% or less S is an element that decreases hot ductility, and the S content is 0.02% or less from the viewpoint of not adversely affecting hot ductility.
[0024]
sol. Al: 0.001% or more and 1% or less Al is an element that increases the strength of the steel sheet, and has an effect of reducing the coercive force by increasing the Al 2 O 3 ratio in the oxide. These effects are sol. Although effective when the Al content is 0.001% or more, the addition of a large amount causes an increase in cost. Therefore, sol. Al amount is 1% or less.
[0025]
N: 0.006% or less N is an element that increases the strength of the steel sheet, but excessive addition causes surface blistering, so the N content is 0.006% or less.
[0026]
Ti: 0.01% or less V: 0.01% or less Nb: 0.01% or less Ti, V, and Nb fix C and N as carbides and nitrides, and stretcher strain generated during processing. It is effective to suppress. However, excessive addition causes problems such as an increase in recrystallization temperature or excessive hardening, and also increases costs, so that Ti: 0.01% or less, V: 0.01% or less, and Nb: 0, respectively. .01% or less.
[0027]
Cu: 0.005% or more and 0.5% or less Recently, in various electric parts and automobile parts, for example, Cu is contained as a winding of a motor. When these scraps are used as a material, In this case, the Cu content is 0.005% or more exceeding the general Cu content (for example, less than 0.005%). On the other hand, the non-history permeability does not change greatly with the increase or decrease of the Cu content, but a large amount of Cu addition exceeding 0.5% causes an increase in coercive force and an increase in surface defects. For this reason, the amount of Cu shall be 0.005% or more and 0.5% or less.
[0028]
Sn: 0.001% or more and 0.3% or less Sn is contained in tin cans for food cans and is an element mixed when these are used as scrap materials. Conventionally, it was less than 0.001%, but the lower limit is made 0.001% from the viewpoint of scrap utilization. However, if it is contained in a large amount, the coercive force is increased, so the upper limit is made 0.3%.
[0029]
Ni: 0.005% or more and 2% or less Ni is an element mixed from stainless steel or the like. Conventionally, it was less than 0.005%, but the lower limit is made 0.005% from the viewpoint of scrap utilization. Further, even if the Ni content is increased to 2%, almost no change in non-historical permeability and coercive force is observed, so the upper limit is made 2%.
[0030]
Cr: 0.004% or more and 0.2% or less Cr, like Ni, is an element mixed from stainless steel or the like. Conventionally, it was less than 0.004%, but the lower limit is made 0.004% from the viewpoint of scrap utilization. Further, if the Cr content increases excessively, the coercive force is deteriorated, so the upper limit is made 0.2%.
[0031]
Mo: 0.3% or less Mo is an element mixed from stainless steel or the like in scrap. If it exceeds 0.3%, the coercive force is increased, so the content is made 0.3% or less.
[0033]
In the present invention, the oxide in the steel satisfies Al 2 O 3 / (Al 2 O 3 + CaO + MnO + SiO 2 ) ≧ 0.1. If this value is less than 0.1, the coercive force is increased and desired magnetic properties cannot be obtained. As an effective means for controlling the value of Al 2 O 3 / (Al 2 O 3 + CaO + MnO + SiO 2 ) to be 0.1 or more, although it is a known method, after decarburization in vacuum degassing treatment in steelmaking, A method of adding a deoxidizer such as Mn, Si, etc. after first deoxidizing with Al when adding sol. There is a method of adding 0.001% or more of Al as the amount of Al.
[0034]
Next, the plate thickness will be described.
The lower limit of the thickness of the magnetic shield steel plate is too thin, even if it is a steel plate with high non-historical permeability, the magnetic shielding properties will be insufficient, and the rigidity as a magnetic shield component will not be obtained. 0.05 mm or more. On the other hand, in order to improve the magnetic shielding property, it is desirable that the plate thickness is large. However, with the recent increase in size and width of color televisions, the weight of television sets is desired, so the upper limit is 0.5 mm. To do.
[0035]
Next, a manufacturing method will be described.
First, steel having the above composition is melted and cast by continuous casting or the like to form a slab, which is hot-rolled. Hot rolling may be performed, for example, directly on the continuously cast slab or after slightly heating, or may be performed after reheating the slab once cooled.
[0036]
Next, the hot-rolled steel sheet is pickled, cold-rolled, and then recrystallized and annealed at a temperature below the ferrite single phase region or Ac 1 transformation point. Thus, non-hysteresis magnetic permeability of 7500 or more can be obtained by recrystallization annealing at a temperature below the ferrite single-phase temperature range or Ac 1 transformation point.
[0037]
After recrystallization annealing, temper rolling is performed as necessary. In order to ensure high non-history permeability, it is preferable that the elongation rate of temper rolling is small, and it is desirable not to perform temper rolling from the viewpoint of magnetic properties. However, when temper rolling is unavoidable for the purpose of correcting the shape of the steel sheet, the elongation ratio should be as small as possible. For this reason, the upper limit is 1.5%. When the problem with respect to the shape of the steel sheet is minor, it is preferably 1.0% or less, and more preferably 0.5% or less.
[0038]
The cold-rolled steel sheet for a color cathode ray tube magnetic shield obtained as described above may be subsequently subjected to Cr plating and / or Ni plating in order to improve corrosion resistance. These platings may be used in a single layer or in multiple layers, and the surface on which the plating layer is formed may be one surface or both surfaces of the steel sheet. By forming the plating layer, the generation of rust on the steel sheet can be suppressed, and the gas generation from the steel sheet can be suppressed when incorporated in the cathode ray tube, which is effective. The adhesion amount of the plating layer is not particularly limited, and an adhesion amount that can substantially cover the surface of the steel sheet is appropriately selected. Alternatively, the steel plate surface may be covered by applying a chromate treatment after partial Ni plating.
[0039]
【Example】
[Example 1]
After melting the test steel having the components shown in Table 1, it was cast into a slab, hot-rolled to a thickness of 1.8 mm, cold-rolled at a cold rolling rate of 83 to 94%, and the thickness was reduced to 0 0.1 to 0.3 mm. Subsequently, the obtained cold-rolled steel sheet was subjected to recrystallization annealing at 700 ° C. for 50 seconds in a nitrogen + hydrogen atmosphere, and then Cr plating was performed on both surfaces of the steel to obtain No. 1 1-No. 22 test materials were obtained. In the Cr plating, the lower layer was a metal Cr layer having an adhesion amount of 95 to 120 mg / m 2 , and the upper layer was a hydrated oxide Cr layer having an adhesion amount (converted to metal Cr) of 12 to 20 mg / m 2 . Incidentally, the column of Al 2 O 3 ratio of Table 1 shows the values of the weight ratio of Al 2 O 3 / obtained (Al 2 O 3 + CaO + MnO + SiO 2) by chemical analysis.
[0040]
No. obtained as described above. A strip sample of 30 mm × 280 mm was cut out from the specimens 1 to 22 in the coil rolling direction and the vertical direction, and the permeability and coercive force were measured by the Epstein test method based on JISC2550. In addition, a bias magnetic field coil was added to the Epstein test frame, and the non-history permeability was measured by the following procedure. The magnetic permeability, coercive force and non-historical permeability measured in this way are also shown in Table 1.
[0041]
Non-history permeability measurement method 1) Attenuating an alternating current is passed through the exciting coil to completely demagnetize the test piece.
2) In a state where a direct current is passed through the bias magnetic field coil to generate a 27.9 A / m direct current magnetic field, a decaying alternating current is passed through the exciting coil again to demagnetize the test piece.
3) While the bias magnetic field is applied, the BH loop is measured at the maximum magnetization force of 3180 A / m.
4) The non-history permeability is calculated from the asymmetry of the BH loop.
[0042]
As shown in Table 1, No. 1 which is an example having the steel composition of the present invention. Each of the test materials 1, 3 to 7, 9, 11, 13, 15, 17, and 21 has an excellent non-historical permeability of 7500 or more and a coercive force of less than 239 A / m. It had geomagnetic shielding properties. On the other hand, No. which is a comparative example in which any of the components deviates from the scope of the present invention. The test materials of 2, 8, 10, 12, 14, 16, 18 to 20, 22 were inferior in any of the characteristics, and an excellent magnetic shielding property was not obtained. Specifically, no. The specimen No. 2 had a high Mn amount exceeding the range of the present invention, and was inferior in non-history permeability. No. Sample No. 8 has a high Ti amount exceeding the range of the present invention. Sample No. 10 has a high V amount exceeding the range of the present invention. No. 12 specimen has a high Nb amount exceeding the range of the present invention. Sample No. 14 has a high Cu amount exceeding the range of the present invention. Sample No. 16 has a high Cr amount exceeding the range of the present invention. Sample No. 18 has a high Sn content exceeding the range of the present invention. No. 19 specimen has a high Mo amount exceeding the range of the present invention. No. 20 has an Al 2 O 3 ratio lower than the range of the present invention. No. 22 had a high C amount exceeding the range of the present invention, and in all cases, the coercive force exceeded 239 A / m.
[0043]
[Table 1]
[0044]
[Example 2]
% By weight, C: 0.02%, Si: 0.01%, Mn: 0.45%, P: 0.03%, S: 0.003%, sol. Al: 0.06%, N: 0.003%, Ti: 0.002%, V: 0.003%, Nb: 0.002%, Cu: 0.011%, Sn: 0.004%, Ni : 0.03%, Cr: 0.02%, Mo: 0.02%, the balance being substantially made of Fe, Al 2 O 3 / (Al 2 O 3 + CaO + MnO + SiO 2 ) = 0.35 The slab was heated at 1200 ° C., hot-rolled at a finishing temperature of 880 ° C. and a coiling temperature of 640 ° C. to a plate thickness of 1.8 mm, pickled, and then cold-rolled to a plate thickness of 0.1 mm. This is annealed in a nitrogen + hydrogen atmosphere at a temperature of 550 ° C. to 880 ° C. for 50 seconds, and further subjected to temper rolling with an elongation of 1.8% or less, or without temper rolling, After applying Cr plating, no. Sample materials 23 to 33 were obtained, and the magnetic permeability, coercive force, and non-historical magnetic permeability were measured in the same manner as in Example 1. Table 2 shows the annealing temperature, presence / absence of recrystallization, elongation rate of temper rolling, magnetic permeability, coercive force and non-hysteretic magnetic permeability of each specimen. In addition, Ac 1 point of this test material was about 750 degreeC as a result of measuring with a four master.
[0045]
As shown in Table 2, No. 1 is an example in which recrystallization annealing was performed at Ac 1 point or less and temper rolling was performed with an elongation rate of 1.5% or less. The test materials of 24 to 28, 30, and 31 had a non-history permeability of 7500 or more and a coercive force of less than 239 A / m, and extremely excellent magnetic characteristics. On the other hand, in the comparative example No. 1 in which either condition is out of the scope of the present invention. The test materials 23, 29, 32, and 33 were inferior in any magnetic property. Specifically, No. whose annealing temperature exceeded Ac 1 point. In the specimens 32 and 33, the non-history permeability was No. in spite of the fact that temper rolling was not performed. 32, 6000, no. 33 was 5800, and both showed low values. Moreover, No. whose annealing temperature was 550 degreeC. The test material No. 23 did not recrystallize, and the non-historical permeability showed a low value of 5500. Furthermore, the elongation rate of temper rolling exceeded the scope of the present invention. In the 29 test material, the non-history permeability decreased to 7000.
[0046]
[Table 2]
[0047]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a color cathode ray that is effective for suppressing a color shift due to geomagnetism and obtaining a high-definition image, has excellent geomagnetic shielding properties, is inexpensive, and can be used effectively for resources. A cold-rolled steel sheet for a pipe magnetic shield can be obtained. By using the steel plate according to the present invention as a magnetic shield of a color cathode ray tube, a sufficient magnetic shielding property is ensured after demagnetization, and further, color shift due to geomagnetic drift is suppressed. Therefore, by using the steel plate of the present invention, a magnetic shield effective for obtaining a high-definition image quality of a TV or a computer can be obtained.
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