JP4272294B2 - Casein deodorization method - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乳を原料として調製されたカゼインを食品素材として用いるために、カゼインが有する臭気を脱臭する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カゼインは乳を原料として調製されるが、その主要成分は蛋白質で、一般的には脱脂乳に酸を添加してカゼインの等電点(pH4.5前後)以下の低いpH領域にして凝集・沈殿させるか、又は凝乳酵素を加えて凝集・沈殿させ、さらに、水分を除去して乾燥させることによって調製される。このようにして調製されたカゼインは調製方法によって分類されている。すなわち、等電点以下の低いpH領域で凝集・沈殿させる方法によって得られたカゼインが酸カゼインであり、凝乳酵素で凝集・沈殿させる方法によって得られたカゼインがレンネットカゼインである。そして、さらに、酸カゼインは、用いた酸の種類によって乳酸カゼイン、硫酸カゼイン、塩酸カゼイン等に分類される。酸カゼインは製法が簡単で、かつ安価であることから食品工業で広く利用されている。
【0003】
これらのカゼインは水に不溶で、そのままの状態で溶解しようとしても粒子のまま分散・沈殿するだけである。カゼインを食品原料として用いる場合には、アルカリ性の塩類(炭酸カリウム等)を用いて膨潤、溶解させることが必要である。
しかし、このようにして溶解したカゼイン溶液は、カゼイン臭と言われる特有の臭気を有する糊状の液体であるため、使用量や用途が制限されるといった問題がある。このようなことから、食品原料として使用する場合には、臭気を除去することが必要で、従来から様々な試みが行われている。
例えば、一般的な方法としては、カゼインにアルカリ性の塩類を加えて溶解した後に、その溶液を活性炭カラムに通して脱臭する方法がよく知られている。
また、特公昭51−6219号公報には、カゼインナトリウムの水系にサイクロデキストリン水溶液を添加してカゼイン臭を除去する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カゼインにアルカリ性の塩類を加えて溶解した後に、その溶液を活性炭カラムに通して脱臭する方法では、大量のカゼインを処理する場合に相当の処理時間を要するため、生産性が悪くなるといった問題がある上、活性炭の再生等を含めた維持管理が困難となる。さらには、コスト高の要因になるといった問題もある。
また、特公昭51−6219号公報に記載の脱臭方法によって得られたカゼインは、サイクロデキストリンを含有しているため、それを除去するのに新たな工程が必要であったり、サイクロデキストリンを含有した状態で食品原料として用いた場合に、使用量や用途に制限があるといった問題がある。
【0005】
また、カゼイン粒子を水や水溶性界面活性剤を含有する水溶液に分散させ、この分散溶液を撹拌洗浄することにより、カゼイン臭を水や水溶性界面活性剤を含有する水溶液に移行させて除去する方法では、1回の撹拌洗浄では十分にカゼイン臭を除去することができないため、5回程度の繰り返し作業が必要となる。そのため、大量のカゼインを処理する場合には、洗浄に使用する水や水溶性界面活性剤を含有する水溶液が大量に必要となり、これらの排水処理が問題となる。
【0006】
そこで、本発明は、カゼインの臭気を安価にして効率よく脱臭することができるとともに、カゼインを食品原料として使用する際に、その使用量や用途が制限されないようにするなど、上記した問題点を全て解決することができるカゼインの脱臭方法を得ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような目的を達成するために、次のようなカゼインの脱臭方法を提供するものである。すなわち、アルカリ水に粉体状及び/又は粒体状のカゼインを分散し、このカゼイン分散溶液を剪断速度3,000〜25,000s-1で撹拌洗浄して、カゼインが有する臭気物質をアルカリ水に移行させ、次いで前記アルカリ水からカゼインを回収すること特徴とするカゼインの脱臭方法である。そして、このカゼインの脱臭方法にあっては、粉体状及び/又は粒体状のカゼイン1重量部あたり、アルカリ水3重量部以上の割合で分散することが好ましく、さらに、電気分解して調製したアルカリ水、又は水酸化ナトリウムを添加して調製したアルカリ水を用いることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明者らは、カゼイン臭気成分及びその原因物質を特定するために、粉体状及び/又は粒体状のカゼインを、水及び種々の有機溶媒等に溶解して臭気成分の抽出操作を行った。
その結果、臭気成分の抽出を終了したカゼインに温湯、溶融塩を加えても無臭になることが確認され、また、詳細な化学分析により、臭気成分はほとんど水溶性であることが判った。このことから、水洗を行うことによって、臭気成分を除去できることを見い出した。そして、水洗処理したカゼインを温水に分散後、炭酸カリウム等のアルカリ性塩類で溶解したカゼイン溶液においても、特有の臭気成分が明らかに減少していることが判った。
【0009】
この化学分析の結果から、主要な臭気成分はカゼイン粒子の表面に付着している水溶性タンパク質、乳酸菌由来の発酵生成物、脂肪分等が原因と考えられた。そして、これらの物質をカゼイン粒子表面から効率的に除去するために、カゼイン粒子に機械的な剪断を与えた。この剪断速度を種々変更して脱臭試験を行ったところ、剪断速度が3, 000s-1以上であれば、脱臭効果が促進されることを見い出した。
【0010】
ここで、剪断速度とは、剪断作用を与える特殊ポンプ等の撹拌羽根の先端からシリンダー壁面までの距離(クリアランス:C)と、撹拌羽根の接線方向の速度(V)との比で、1/secの次元を有する物理量である。クリアランスが短く、撹拌羽根の接線方向の速度が大きいほど剪断速度は大きくなり、脱臭効果も促進する。この剪断速度は次式によって求めることができる。
剪断速度(s-1)= V/C
【0011】
これらの結果をもとに、次のようなカゼインの脱臭方法を発明した。
まず、最初に、粉体状及び/又は粒体状のカゼインをアルカリ水に分散する。このアルカリ水は、電気分解で調製したアルカリ水、又は水酸化ナトリウム等を添加して調製したアルカリ水を用いるのがよい。また、このとき、カゼイン粒子の密度は1, 300kg/m3 で、水より重いため、直ちに沈降するが、水洗を行うには水中に分散させる必要がある。そのために撹拌を行うが、分散のためにはそれほど大きな撹拌力は必要としない。使用する水(アルカリ水)の量は粒子が沈降せずに自由に分散する量、又はそれ以上であればよく、検討の結果では、カゼイン1重量部に対して3重量部以上の水量で十分に分散した。上限は特にないが、タンク容量や排水処理の面を考慮すると、少ないほど好ましい。
【0012】
次に、上記のようにして、電気分解で調製したアルカリ水、又は水酸化ナトリウム等を添加して調製したアルカリ水にカゼインを分散したカゼイン分散溶液を、剪断速度3, 000〜25, 000s-1で撹拌洗浄する。
撹拌洗浄装置としては、インラインミキサーやホモミキサー、あるいは粉体溶解機等の特殊ポンプが用いられる。これらの特殊ポンプは、カゼイン分散溶液タンクとパイプ等で接続して循環させるようにすると、効果的な洗浄ができる。また、これらの特殊ポンプの他に、タンク内に羽根型撹拌機を設けて高速回転させ、前記剪断速度が維持できるようにしたものであれば使用可能である。
【0013】
また、撹拌洗浄の際の剪断速度が3, 000s-1未満であれば、カゼインが有する臭気物質を必要程度に水(アルカリ水)に移行させることができず、目的とする脱臭効果が得られない。一方、25, 000s-1を越えると、カゼイン粒子がポンプの剪断作用により破砕して微細化し、カゼイン分散溶液からカゼインを回収する分離工程で、カゼインの回収率(以下、歩留まりという)が低下するといった問題がある。
したがって、上記したような撹拌洗浄装置を用いて、カゼイン分散溶液をワンパスあるいは循環によって、剪断速度3, 000〜25, 000s-1で撹拌洗浄する。
【0014】
次に、この撹拌洗浄したカゼイン分散溶液を一旦静置してカゼインを沈降させ、カゼインの臭気物質を含有するアルカリ水を廃棄する。そして、今度は、アルカリ水の代わりに新たに水を加え、同様の方法により撹拌洗浄を行う。
これを複数回繰り返すことにより、脱臭効果を高めることができるが、アルカリ水による撹拌洗浄は、2回以上行うとカゼインが溶解しすぎて歩留まりが著しく低下するため、1回の撹拌洗浄が好ましい。また、水による撹拌洗浄は2回程度が好ましい。すなわち、例えば酸カゼインであれば、電気分解で調製したアルカリ水、又は水酸化ナトリウムで調製したアルカリ水1回、水2回程度の撹拌洗浄が好ましい。特に好ましいのは、電気分解で調製したアルカリ水1回、水2回程度の撹拌洗浄である。
【0015】
また、本発明に用いられるアルカリ水は、臭気物質を除去できる程度に、かつ歩留まりに影響しない程度にカゼインが溶解するpH9以上が好ましい。
pH9以下でもカゼインは溶解するが、水で撹拌洗浄した場合とほとんど変わらない程度に少ししか溶解しないので、結局洗浄回数が増えてしまい、好ましくない。
【0016】
最後に、脱臭処理されたカゼインを、濾過法、沈降法、遠心法等によって洗浄水から分離回収する。
このようにして脱臭されたカゼインは、常法に従ってアルカリ塩を加えて溶解し、他の食品素材と混合して蛋白質素材として用いてもよいし、乾燥処理して粉末状にしてもよい。蛋白質素材として他の食品素材と混合して用いる場合には、カゼイン特有の臭気がないために、配合した食品素材の風味をマスキングすることがなく、良好な風味を有する加工食品となる。また、粉末状にすると、室温で1ヶ月間保存しても、臭気が元に戻ることがなく、極めて良好な風味を示した。これらの事実は本発明の優秀性を示すものであり、カゼインの用途を飛躍的に高めることができるものである。
【0017】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示す。
まず、カゼインの脱臭に用いるアルカリ水の検討を行うため、▲1▼電気分解する、▲2▼水酸化ナトリウムを添加する、▲3▼炭酸カリウムを添加するの3種類の方法で調製したpH11.5のアルカリ水を用い、酸カゼイン15gをその各アルカリ水600gに分散し、このカゼイン分散溶液をホモミキサー(特殊機化工業(株)製)により、剪断速度13, 300s-1で撹拌洗浄した。なお、撹拌洗浄時間は10分又は20分とし、アルカリ水の温度は25〜60℃とした。これを静置して上澄み液をサンプリングし、水で10倍に希釈した後、分光光度計(日本分光工業(株)製)により波長280nmで測定した。また、同様に、酸カゼインの溶解液を分光光度計で測定し、この測定値を溶解度100%として各サンプルの溶解度の基準にし、各サンプルの測定値から溶解度を算出した。その結果を表1に示す。
【0018】
【表1】

Figure 0004272294
【0019】
この表1の結果から、同じpHのアルカリ水であっても炭酸カリウムにより調製したものは酸カゼインの溶解が多く、脱臭に用いた場合には歩留まりへの影響が示唆された。また、炭酸カリウム以外の方法で調製したものでも温度が40℃以上では酸カゼインの溶解が多く、歩留まりに影響するため、40℃以下の条件が好ましいことが判明した。さらに、電気分解により調製したアルカリ水では撹拌洗浄時間が長くなるほど溶解が多くなる傾向が見られ、撹拌洗浄時間は歩留まりを考慮すると、剪断速度13, 300s-1の条件では20分以内が好ましいと思われる。
【0020】
次に、カゼインの脱臭実験を以下のように行った。
酸カゼイン15gを25℃のアルカリ水600gに分散したカゼイン分散溶液を、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)により、剪断速度13, 300s-1で10分間撹拌洗浄した。なお、使用したアルカリ水は、水を電気分解する方法で調製したもので、pH11.57、酸化還元電位(ORP)−875、有効塩素濃度0.7mg/l以下である。また、酸化還元電位は、東亜電波(株)製のポータブルデジタルORPメーターで測定し、有効塩素濃度は、沃素滴定法で測定した。
この撹拌洗浄したカゼイン分散溶液を静置し、上澄み液を除去した後、水を600g添加して再度カゼイン分散溶液とし、上記と同様に10分間撹拌洗浄した。そして、この水による撹拌洗浄を1回又は2回行った。また、脱臭効果の比較を行うため、水のみによる撹拌洗浄を5回行ったサンプルも調製した。
【0021】
上記の方法により調製した3サンプルと無調製の酸カゼイン1サンプルの計4サンプルをそれぞれ10%濃度となるように、サンプル5gあたり60℃の水44.8gと炭酸カリウム0.2gを加えて溶解し、訓練された官能評価パネル10名を用いて、このカゼイン溶液の官能評価を行った。その結果を表2に示す。なお、官能評価の判定基準は、カゼイン臭の強さを2〜6点の5段階で行い、その平均値を算出した。
すなわち、最も強い臭気を感じる:6点、やや強い臭気を感じる:5点、臭気を感じる:4点、やや少ない臭気を感じる:3点、最も弱い臭気を感じる:2点とした。
【0022】
【表2】
Figure 0004272294
【0023】
この表2より、水のみで5回撹拌洗浄したサンプルと、アルカリ水1回に水2回で撹拌洗浄したサンプルとでは、カゼイン臭の強さに差がない結果が示されていることが判る。
なお、電気分解により調製した25℃のアルカリ水の代わりに、水酸化ナトリウムを添加して調製した25℃のアルカリ水を用いても同様な効果が得られた。
つまり、上記した各条件のもとで、臭気物質を除去でき、かつ歩留まりに影響しない程度にカゼインを溶解できる好適なアルカリ水は、電気分解で調製するか、又は水酸化ナトリウムで調製したアルカリ水であり、そのpHは11.5程度、温度は25℃程度で、それによる撹拌洗浄時間は10分程度が最適であることが判った。そして、水による撹拌洗浄は2回が最適であることが判った。
【0024】
【発明の効果】
カゼインはその独特の風味、臭気により、食品素材として利用する場合には大きく制限を受ける。したがって、従来からその脱臭方法が種々検討されているが、例えば活性炭カラムに通液する方法では、処理量、経済性の面で難点があり、水のみによる水洗脱臭方法では、排水処理の問題があった。
しかし、本発明の方法を用いることにより、排水処理等の問題も軽減されることから、カゼインを大量、かつ安価に脱臭処理することが可能となった。これにより、カゼインの食品素材としての利用範囲が大幅に広げられるようになった。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for deodorizing the odor possessed by casein in order to use casein prepared from milk as a raw material.
[0002]
[Prior art]
Casein is prepared from milk as a raw material, but its main component is protein. Generally, acid is added to skim milk to make it a low pH region below the isoelectric point (around pH 4.5) of casein. It is prepared by precipitating or coagulating and precipitating by adding a curdling enzyme, and further removing moisture and drying. The caseins prepared in this way are classified according to the preparation method. That is, casein obtained by a method of aggregation / precipitation in a low pH region below the isoelectric point is acid casein, and casein obtained by a method of aggregation / precipitation with a milk coagulation enzyme is rennet casein. Further, acid casein is classified into lactic acid casein, sulfate casein, casein hydrochloride and the like depending on the type of acid used. Acid casein is widely used in the food industry because it is simple to produce and inexpensive.
[0003]
These caseins are insoluble in water, and even if they are dissolved as they are, they are only dispersed and precipitated as particles. When using casein as a food material, it is necessary to swell and dissolve it using alkaline salts (potassium carbonate or the like).
However, since the casein solution dissolved in this way is a paste-like liquid having a specific odor called casein odor, there is a problem that the amount of use and use are limited. For this reason, when used as a food material, it is necessary to remove odors, and various attempts have been made conventionally.
For example, as a general method, a method is well known in which alkaline salts are added to casein and dissolved, and then the solution is passed through an activated carbon column for deodorization.
Japanese Patent Publication No. 51-6219 discloses a method of removing casein odor by adding an aqueous cyclodextrin solution to an aqueous casein sodium system.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, the method in which alkaline salt is added to casein and then dissolved, and then the solution is passed through an activated carbon column to deodorize it requires a considerable amount of processing time when processing a large amount of casein, resulting in a problem of poor productivity. In addition, maintenance management including regeneration of activated carbon becomes difficult. Furthermore, there is a problem that it becomes a factor of high cost.
Moreover, since casein obtained by the deodorization method described in Japanese Patent Publication No. 51-6219 contains cyclodextrin, a new process is required to remove it, or cyclodextrin was contained. When used as a raw material for food in a state, there is a problem that there is a limit to the amount of use and use.
[0005]
In addition, the casein particles are dispersed in an aqueous solution containing water or a water-soluble surfactant, and the dispersion solution is stirred and washed to transfer the casein odor to an aqueous solution containing water or a water-soluble surfactant to remove it. In the method, since the casein odor cannot be sufficiently removed by one stirring cleaning, it is necessary to repeat the operation about five times. Therefore, when a large amount of casein is treated, a large amount of water used for cleaning or an aqueous solution containing a water-soluble surfactant is required, and the wastewater treatment becomes a problem.
[0006]
Therefore, the present invention can efficiently deodorize the odor of casein at low cost, and when using casein as a food raw material, the amount and use thereof are not limited. The object is to obtain a casein deodorization method that can solve all of these problems.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention provides the following casein deodorization method. That is, powdery and / or granular casein is dispersed in alkaline water, and this casein dispersion is stirred and washed at a shear rate of 3,000 to 25,000 s −1 to remove the odorous substance contained in casein with alkaline water. And then recovering the casein from the alkaline water . And in this casein deodorization method, it is preferable to disperse in an amount of 3 parts by weight or more of alkaline water per 1 part by weight of powdered and / or granular casein, and further prepared by electrolysis. It is preferable to use the alkaline water prepared or the alkaline water prepared by adding sodium hydroxide.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
In order to identify the casein odor component and the causative substance thereof, the present inventors have performed extraction operation of the odor component by dissolving powdered and / or granular casein in water and various organic solvents. It was.
As a result, it was confirmed that even when hot water or molten salt was added to the casein after extraction of the odor component, it became odorless, and detailed chemical analysis showed that the odor component was almost water-soluble. From this, it was found that odor components can be removed by washing with water. It was also found that the characteristic odor component was clearly reduced in the casein solution in which the casein that had been washed with water was dispersed in warm water and then dissolved in an alkaline salt such as potassium carbonate.
[0009]
From the results of this chemical analysis, the main odor components were considered to be caused by water-soluble proteins adhering to the surface of casein particles, fermentation products derived from lactic acid bacteria, fats, and the like. In order to efficiently remove these substances from the surface of the casein particles, the casein particles were subjected to mechanical shearing. When the shear rate was changed variously and a deodorization test was conducted, it was found that the deodorizing effect was promoted when the shear rate was 3,000 s −1 or more.
[0010]
Here, the shear rate is the ratio of the distance (clearance: C) from the tip of the stirring blade to the cylinder wall surface of a special pump or the like that gives a shearing action to the speed (V) in the tangential direction of the stirring blade. It is a physical quantity having a dimension of sec. The shorter the clearance and the higher the tangential speed of the stirring blade, the higher the shear rate and the more deodorizing effect is promoted. This shear rate can be determined by the following equation.
Shear rate (s −1 ) = V / C
[0011]
Based on these results, the following casein deodorization method was invented.
First, powdery and / or granular casein is first dispersed in alkaline water. As the alkaline water, alkaline water prepared by electrolysis or alkaline water prepared by adding sodium hydroxide or the like is preferably used. At this time, the density of the casein particles is 1,300 kg / m 3 and is heavier than water, so it settles immediately, but it is necessary to disperse in water for washing. For this purpose, stirring is performed, but a large stirring force is not required for dispersion. The amount of water (alkaline water) to be used should be an amount that allows the particles to freely disperse without settling, or more, and as a result of the study, an amount of water of 3 parts by weight or more is sufficient for 1 part by weight of casein. Dispersed. There is no particular upper limit, but the smaller the better, the better the tank capacity and wastewater treatment.
[0012]
Next, a casein dispersion solution in which casein is dispersed in alkaline water prepared by electrolysis or alkaline water prepared by adding sodium hydroxide or the like as described above is used at a shear rate of 3,000 to 25,000 s −. Wash with stirring at 1 .
A special pump such as an in-line mixer, a homomixer, or a powder dissolver is used as the stirring and cleaning device. These special pumps can be effectively cleaned if they are connected to the casein dispersion solution tank with a pipe or the like and circulated. In addition to these special pumps, any vane-type stirrer provided in the tank and rotated at a high speed to maintain the shear rate can be used.
[0013]
Moreover, if the shear rate at the time of stirring and washing is less than 3,000 s −1 , the odorous substance possessed by casein cannot be transferred to water (alkaline water) as much as necessary, and the desired deodorizing effect can be obtained. Absent. On the other hand, if it exceeds 25,000 s −1 , the casein particles are crushed and refined by the shearing action of the pump, and the recovery rate of casein (hereinafter referred to as yield) decreases in the separation step of recovering casein from the casein dispersion. There is a problem.
Therefore, the casein dispersion solution is stirred and washed at a shear rate of 3,000 to 25,000 s −1 by one-pass or circulation using the stirring and washing apparatus as described above.
[0014]
Next, this stirred and washed casein dispersion is allowed to stand once to settle the casein, and the alkaline water containing the casein odor substance is discarded. Then, water is newly added instead of alkaline water, and stirring and washing are performed in the same manner.
By repeating this a plurality of times, the deodorizing effect can be enhanced. However, stirring and washing with alkaline water is preferably carried out once, since casein dissolves too much and yield decreases significantly if it is performed twice or more. Further, the stirring and washing with water is preferably about twice. That is, for example, acid casein is preferably washed with stirring by alkaline water prepared by electrolysis or alkaline water prepared by sodium hydroxide once and water twice. Particularly preferred is stirring and washing with alkaline water prepared once by electrolysis and water twice.
[0015]
Further, the alkaline water used in the present invention preferably has a pH of 9 or more at which casein dissolves to such an extent that odorous substances can be removed and the yield is not affected.
Casein dissolves even at pH 9 or lower, but dissolves only slightly to the extent that it is almost the same as when stirring and washing with water.
[0016]
Finally, the deodorized casein is separated and recovered from the washing water by a filtration method, a sedimentation method, a centrifugal method or the like.
The casein deodorized in this way may be dissolved by adding an alkali salt according to a conventional method, mixed with other food materials and used as a protein material, or may be dried to be powdered. When mixed with other food materials as a protein material, since there is no casein-specific odor, the flavor of the blended food material is not masked and the processed food has a good flavor. Moreover, when it was made into powder form, even if it preserve | saved at room temperature for 1 month, an odor did not return to the original but the very favorable flavor was shown. These facts show the excellence of the present invention and can dramatically improve the use of casein.
[0017]
【Example】
Examples of the present invention are shown below.
First, in order to examine alkaline water used for deodorization of casein, pH 11. prepared by three methods of (1) electrolysis, (2) sodium hydroxide, and (3) potassium carbonate were added. No. 5 alkaline water was used, 15 g of acid casein was dispersed in 600 g of each alkaline water, and this casein dispersion was stirred and washed with a homomixer (manufactured by Tokushu Kika Kogyo Co., Ltd.) at a shear rate of 13,300 s −1 . . The stirring and washing time was 10 minutes or 20 minutes, and the temperature of the alkaline water was 25 to 60 ° C. This was allowed to stand, the supernatant was sampled, diluted 10 times with water, and then measured with a spectrophotometer (manufactured by JASCO Corporation) at a wavelength of 280 nm. Similarly, a solution of acid casein was measured with a spectrophotometer, and the solubility was calculated from the measured value of each sample with the measured value as 100% solubility. The results are shown in Table 1.
[0018]
[Table 1]
Figure 0004272294
[0019]
From the results shown in Table 1, even when alkaline water having the same pH was prepared with potassium carbonate, acid casein was often dissolved, and when used for deodorization, the effect on yield was suggested. In addition, even when prepared by a method other than potassium carbonate, acid casein is often dissolved at a temperature of 40 ° C. or higher, which affects the yield. Furthermore, in alkaline water prepared by electrolysis, dissolution tends to increase as the stirring and washing time increases, and considering the yield, the stirring and washing time is preferably within 20 minutes under conditions of a shear rate of 13,300 s −1. Seem.
[0020]
Next, a casein deodorization experiment was performed as follows.
A casein dispersion obtained by dispersing 15 g of acid casein in 600 g of alkaline water at 25 ° C. was stirred and washed for 10 minutes at a shear rate of 13,300 s −1 using a homomixer (manufactured by Tokushu Kika Kogyo Co., Ltd.). The alkaline water used was prepared by a method of electrolyzing water and has a pH of 11.57, an oxidation-reduction potential (ORP) -875, and an effective chlorine concentration of 0.7 mg / l or less. Further, the oxidation-reduction potential was measured with a portable digital ORP meter manufactured by Toa Denpa Inc., and the effective chlorine concentration was measured by an iodine titration method.
This stirred and washed casein dispersion was allowed to stand, and the supernatant was removed. Then, 600 g of water was added to obtain a casein dispersion again, followed by stirring and washing for 10 minutes in the same manner as described above. And this agitation washing with water was performed once or twice. Moreover, in order to compare the deodorizing effect, a sample was also prepared in which stirring and washing with water alone was performed five times.
[0021]
4 samples of 3 samples prepared by the above method and 1 sample of unprepared acid casein were added and dissolved so that 44.8 g of water at 60 ° C. and 0.2 g of potassium carbonate were added per 5 g of the sample. Then, sensory evaluation of this casein solution was performed using 10 trained sensory evaluation panels. The results are shown in Table 2. In addition, the criteria of sensory evaluation performed the strength of casein smell in 5 steps of 2 to 6 points, and calculated the average value.
That is, feel the strongest odor: 6 points, feel a slightly strong odor: 5 points, feel the odor: 4 points, feel a little odor: 3 points, feel the weakest odor: 2 points.
[0022]
[Table 2]
Figure 0004272294
[0023]
From Table 2, it can be seen that there is no difference in the intensity of the casein odor between the sample washed with water only 5 times and the sample washed with water 2 times with alkaline water. .
In addition, the same effect was acquired even if it used 25 degreeC alkaline water prepared by adding sodium hydroxide instead of 25 degreeC alkaline water prepared by electrolysis.
That is, a suitable alkaline water that can remove odorous substances and dissolve casein to such an extent that it does not affect the yield under the above-mentioned conditions is prepared by electrolysis or alkaline water prepared with sodium hydroxide. It was found that the optimum pH was about 11.5, the temperature was about 25 ° C., and the stirring washing time was about 10 minutes. And it was found that two times of stirring and washing with water is optimal.
[0024]
【The invention's effect】
Casein is greatly restricted when used as a food material due to its unique flavor and odor. Therefore, various deodorization methods have been studied in the past.For example, the method of passing through an activated carbon column has a problem in terms of throughput and economy, and the water deodorization method using only water has a problem of wastewater treatment. there were.
However, by using the method of the present invention, problems such as wastewater treatment can be reduced, so that it is possible to deodorize a large amount of casein at low cost. As a result, the range of use of casein as a food material has been greatly expanded.

Claims (2)

電気分解して調製したアルカリ水、又は水酸化ナトリウムを添加して調製したアルカリ水に粉体状及び/又は粒体状のカゼインを分散し、このカゼイン分散溶液を剪断速度3,000〜25,000s-1で撹拌洗浄して、カゼインが有する臭気物質をアルカリ水に移行させ、次いで前記アルカリ水からカゼインを回収すること特徴とするカゼインの脱臭方法。Powdered and / or granular casein is dispersed in alkaline water prepared by electrolysis or alkaline water prepared by adding sodium hydroxide, and the casein dispersion is dispersed at a shear rate of 3,000 to 25, A casein deodorization method comprising stirring and washing at 000 s -1 to transfer odorous substances contained in casein to alkaline water, and then recovering casein from the alkaline water. 粉体状及び/又は粒体状のカゼインは、1重量部あたりアルカリ水3重量部以上の割合で分散する請求項1に記載のカゼインの脱臭方法。  The method for deodorizing casein according to claim 1, wherein the powdery and / or granular casein is dispersed at a ratio of 3 parts by weight or more of alkaline water per part by weight.
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