JP4271065B2 - 光電変換素子構造 - Google Patents

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この出願の発明は分子置換光化学系複合体蛋白分子を固体基板上に高密度固定化し光電変換素子構造に関するものである。
生体要素を用いた光電変換素子やセンサーとしては古くから植物の光合成蛋白が注目されており、その光電変換機能や効率の高さは人工物では真似できない高度に組織化されたものである。このような光合成蛋白の構造はかなり詳細に調べられてきたが、高度な構造をもっているがために機能性材料として取り扱うことには難しさがあり、これを実現する手法は現状ではほとんどないといってよい。だが一方で特殊な光受容蛋白を利用することが注目されている。例えば、高度好塩菌がもつ光受容蛋白であるバクテリオロドプシンの、ホトクロミックを使ったセンサーや光エネルギー変換あるいは光情報記録に有用な有機機能材料である。バクテリオロドプシンにおいては光励起下で電荷の移動がベクトル的な仕事で達成される。従って、特に光電変換素子等の光エネルギー変換系へ光化学系複合体の部分である紫膜を応用するに当たっては、この蛋白質を高密度に且つ同一方向に配向化させることが変換の効率を上げるために重要である。しかしながらこのバクテリオロドプシンではプロトンの移動に伴う電荷移動であるため応答速度の面で問題がある。一方、光化学系複合体を配向化させる方法としては、これまでにも、蛋白表面にある特定なシステイン残基に結合を作り基盤に固定化する方法(非特許文献1)や、分子の親水・疎水性を利用した吸着の選択性を用いた方法、電場を用いた配向法、ゲル中の電場配向を用いる方法、Langmuir膜及びLangmuir-Blodgett(LB)膜の作製法、カチオン性膜などの荷電を持った担体への静電吸着を利用する方法等が知られている。
しかしながら、これらの従来の方法の中で、LB膜作製法は、光化学系複合体自体に界面活性が乏しいことから配向の点ではまだ不十分なところが多い。また荷電膜への吸着を利用する配向方法は、光化学系複合体を直接導電性電極基板に接することが不可能な上、多層累積が困難な点が欠点である。電場を利用する方法は最も一般的であるが、膜厚や層数の制御が一般に困難な点が欠点である。電場による配向を一層単位で行う方法として、水−空気界面に形成した光化学系複合体の薄膜に空気層を介して垂直に強い電場を与えることにより、LB膜の配向性を電場の存在下で改善する方法も提案されているが、この方法もLB膜の配向の改善はできても以前として満足なレベルの配向の程度を与えるものではない。
以上のように、従来の配向化方法では光化学系複合体を高い配向率で配向させるとともに配向膜を累積しながらその厚みを単分子層の厚みの単位で制御することが困難である。
また光化学系複合体を電極基板上に配向させた場合にも、基板側に電子を取り出すためには電荷分離した状態からの戻り反応を抑制する必要があり、効率の良い光電変換は行えない。
J. Electroanal. Chem.,365,157-164
そこで、この出願発明は、以上のような背景から従来技術の問題点を解消し、光化学系複合体蛋白分子を固体基板上に高密度に固定化して高効率の光電変換を可能とすることのできる新しい光電変換素子構造を提供することを課題としている。
この出願の発明は、上記の課題を解消するものとして、すなわち、この出願は以下の発明を提供する。
[1]光化学系蛋白複合体を構成要素とする光電変換素子構造であって、光化学系蛋白複合体へ光化学系蛋白複合体への組み込み部とともに自由末端部を有している分子が組み込まれて、前記蛋白複合体の本来とは別の電子伝達経路が配設されていることを特徴とする光電変換素子構造。
[2]前記分子は、光化学系蛋白複合体が本来有する電子伝達経路構成分子の失活もしくは除去にともなって組み込まれたものであることを特徴とする上記の光電変換素子構造。
[3]自由末端部にはイオン性基を有していることを特徴とする光電変換素子構造。
[4]自由末端部には貴金属ナノ微粒子を有していることを特徴とする光電変換素子構造。
[5]貴金属ナノ微粒子は金ナノ微粒子であることを特徴とする光電変換素子構造。
[6]光化学系蛋白複合体は、植物もしくは細菌の蛋白複合体であることを特徴とする光電変換素子構造。
[7]光化学系蛋白複合体は、ラン藻植物や高等植物のPSI、PSIIまたは紅色細菌の光化学系蛋白複合体であることを特徴とする光電変換素子構造。
[8]光化学系蛋白複合体のキノン類分子が失活、除去されて、前記分子が組み込まれていることを特徴とする光電変換素子構造。
[9]光化学系蛋白複合体に組み込まれる分子は、光化学系蛋白複合体への組み込み部とともに、これに結合する炭素鎖を介しての自由末端部を有していることを特徴とする光電変換素子構造。
[10]組み込まれる分子は、自由末端部にイオン性基を有していることを特徴とする光電変換素子構造。
[11]イオン性基は、組み込み部よりも酸化還元電位が低い分子からのイオン性基であることを特徴とする光電変換素子構造。
[12]組み込み部は、置換基を有していてもよいナフトキノン基であることを特徴とする光電変換素子構造。
[13]イオン性基は、置換基を有していてもよいビオロゲン基であることを特徴とする光電変換素子構造。
[14]組み込まれた分子は、自由末端部に貴金属ナノ微粒子を有している分子であることを特徴とする光電変換素子構造。
[15]貴金属ナノ微粒子は金ナノ微粒子であることを特徴とする光電変換素子構造。
[16]金ナノ微粒子は、Au−S結合を介して炭素鎖に結合していることを特徴とする光電変換素子構造。
[17]組み込み部は、置換基を有していてもよい、ナフトキノン基であることを特徴とする光電変換素子構造。
[18]上記いずれかの分子が組み込まれて本来とは別の電子伝達経路が配設されている分子置換光化学系蛋白複合体とともに基板電極、基板電極に固定されて分子置換光化学系蛋白複合体と接続する単分子膜並びに電解質溶液を備えてセル形成されていることを特徴とする光電変換素子構造。
[19]組み込まれている分子が自由末端部にイオン性基を有している分子置換光化学系蛋白複合体が、このイオン性基において、表面部末端に対イオン性基を有する単分子膜分子に接続されていることを特徴とする光電変換素子構造。
[20]組み込まれている分子が自由末端部に貴金属ナノ微粒子を有している分子置換光化学系蛋白複合体が、この貴金属ナノ微粒子の単分子膜への堆積により接続されていることを特徴とする光電変換素子構造。
[21]金ナノ微粒子が表面部末端に−Sまたは−S−S基を有する分子単分子膜に堆積されてS−Au結合により接続されていることを特徴とする光電変換素子構造。
[22]電解質溶液は還元試薬を含むことを特徴とする光電変換素子構造。
[23]基板電極はFET電極であることを特徴とする光電変換素子構造。
上記のとおりのこの出願の発明によれば、以上のような背景から、従来技術の問題点を解消し、光化学系複合体蛋白分子を固体基板上に高密度に固定化して高効率の光電変換を可能とすることのできる新しい光電変換素子構造が提供される。これによって、高い開放電圧と光電変換効率を示す光電変換素子、高度な電池性能を有する色素増感太陽電池、光のエネルギーを効率よく利用することができる有機色素増感型金属酸化物半導体電極を有する有機色素増感太陽電池などを提供することが可能になる。
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下に、その実施の形態について説明する。
なによりも特徴的なことは、この出願の発明の光電変換素子構造では、光化学系蛋白複合体の伝達経路に新たな分子を組み込むことで、蛋白本来とは別の電子伝達経路を構成していることである。これによって、光化学系蛋白複合体の高い内部光電変換機能を生かした光電変換素子を形成することが可能になることである。
ここで、上記のとおりの、組み込まれることによって別の電子伝達経路を構成する分子、つまり置換分子は、光化学系蛋白複合体が本来有する光化学系の電子伝達分子の失活や除去にともなって組み込まれるものでもよいし、あるいは新たに付加されることで組み込まれるものであってもよい。このような置換分子としては、各種のものであってよいが、光化学系蛋白複合体への組み込み部とともに自由末端部を有し、この自由末端部としてはイオン性基、あるいは貴金属ナノ微粒子、特に金ナノ微粒子を有するものが好適なものとして示される。以上のような置換分子は、電子伝達のための分子細線を構成することになる。そして、光化学系蛋複合体としては、内部光電変換機能を有する各種のものであってよく、植物由来あるいは微生物、細菌由来の蛋白複合体であってよい、たとえばその代表例を例示すると、ラン藻植物や高等植物のPSIやPSII、そして紅色細菌の光化学系蛋白複合体が挙げられる。
たとえばこのような光化学系蛋白複合体の電子伝達経路上には新たな分子組み込むことで、本来のものとは別の新しい電子伝達経路を構成するが、このような組み込みについて、たとえばその具体例として、以下の方策を例示することができる。
<A>レドックス分子細線
まず、光化学系蛋白複合体から、その本来の電子伝達経路の要素としての分子、たとえばその代表例としてのキノン類、より具体的な例で示すと、後述の実施例でも用いている藍色細菌Synechococcus elongatusの場合のビタミンK1分子を除去し、新しい分子として、たとえば組み込み部としてナフトキノン類基を有し、これに炭素鎖を介して結合する自由末端部には、ナフトキノン類の酸化還元電位よりも酸化還元電位の低い分子によりナフトキノンを修飾したものが好適なものとして考慮される。たとえば次式のような、2−メチル−1,4−ナフトキノン(NQ)(酸化還元電位:−0.95V)に対してビオロゲン(酸化還元電位:−0.45V)をはじめとするレドックス分子とを適切な長さのアルキル鎖で結合したものや、ナフトキノン(NQ)に対してフラーレン分子を結合したもの等が例示される。
これによって、たとえば次のようにして上記のPSIにこれらの分子を組み込み、新しい電子伝達経路、つまり分子細線を構成することができる。
そしてPSIに以上のようなレドックス分子を組み込んだ分子細線の場合には、たとえば表面部に上記の自由末端ビオロゲン基のようなイオン性基の対イオン性、たとえば具体例としてのSO3 -等の陰イオン基を有するチオール分子の単分子膜との間で電子伝達を可能にすることができる。
基板としてAuやその薄膜を用いる場合には、上記単分子膜分子のチオール基の−S,あるいはジスルフィドの−S−SとAuとの相互作用による自己組織化で単分子膜が基板上に形成されることになる。
<B>金ナノ微粒子分子細線
1)他の例としては、分子置換光化学系蛋白複合体の置換分子がその自由末端に貴金属ナノ微粒子、たとえばAu,Pt,Pd,Rh,Ru等の貴金属ナノ微粒子を有する分子細線とすることが考慮される。なかでも金ナノ微粒子を有する分子が重要である。この金ナノ微粒子の場合には、たとえば上記のビタミンK1分子を失活、除去した後に、末端にS基を持たせた分子の末端S基とAu(金)との結合を利用し、次のように金ナノ微粒子分子を構成し、この分子を光化学系蛋白複合体に組み込むことである。
金ナノ微粒子分子については、たとえば次式のような各種のアルキルジスルフィド体を金ナノ微粒子と接触させることにより容易に作製することができる。
以上のような金ナノ微粒子分子細線の場合には、電極との結合に際しては、表面部末端にチオール基(SH)やジスルフィド基を有する分子の単分子膜に金ナノ微粒子が堆積、もしくはS−Au、結合するように構成することができる。単分子膜は、たとえば前記のようなS−Au結合による自己組織化によるAu基板上への形成が可能とされる。
なお、以上の説明におけるキノン類分子の失活・除去については、ジエチルエーテルやヘキサン、DMF,DMSOあるいはそれらの1種以上の混合物により接触処理することで可能とされる。また、分子細線の組み込みについては、たとえば、以下の方法によって可能である。もちろんこれに限られることはない。
すなわち、たとえば細線分子が水溶性の場合には、バッファー中で、PSI等光化学系蛋白複合体の濃度を10〜50当量程度に調整して静置、もしくは攪拌することで可能とされる。
2)金ナノ微粒子分子細線については上記とは別の形態も考慮される。すなわち、PSIにおけるビタミンK1の失活、除去の有無にかかわらず、nativeなPSIであっても、新しい電子伝達経路を形成することである。これは、たとえば上記のような単分子膜の分子にAu−Sの結合を介して金ナノ微粒子を固定し、この固定された金ナノ微粒子を分子修飾して分子細線を形成し、PSI等の光化学系蛋白複合体にこの分子細線を付加することである。
この際の分子修飾としてはAu−S結合を形成し、他端に陰イオンSO3−基等を有する分子による修飾がたとえば例示される。
この出願の発明の光電変換素子構造では、導電性の固体基板を用いることができる。好ましいものとしては、電解に対して安定で耐腐食性を有する貴金属であり、かつ、分子と強固な結合を作る目的と、電気的な接合を達成するために、前記のように、分子末端にS基やS−S基を持たせた分子とのS−Auのため、Au電極を用いることが好適に考慮される。また表面を大きくする目的で、ナノ微粒子を堆積させる方法も有効である。
また、In酸化スズに代表される導電性金属酸化物電極基板であってもよいし、FET電極であってもよい。
基板の種類、その特徴に応じた電極との電子伝達構造が考慮されることになる。
そして、この出願の発明の光電変換素子構造においては、基板電極に結合し表面部末端に陰イオン基、S基、またはS−S基を有する分子の単分子膜、電解質溶液並びに対抗電極を備えてセル形成されていることを好適に考慮することができる。
この場合、電解質溶液は生体コンポーネントを含むことや、還元試薬を含むことが好ましい。
そこで以下に実施例を説明する。
もちろん以下の例によって発明が限定されることはない。
<実施例1>
前記のPSIをジエチルエーテルやヘキサン等の有機溶媒を用いて抽出処理し、ビタミンK1分子を失活除去する。次いで、このビタミンK1分子を除去したPSIをたとえば20mMのMSバッファー(pH6.4)中に、分子細線分子としての次式
のナフトキノン−ビオロゲン分子(NQC15MV)を混在させ、暗所で、0℃の温度にて24時間攪拌することで、PSIの分子置換を行う。
図1はDPV(ディファレンシャルパルスボルタンメトリー)測定という電気化学の手法で、この分子置換の程度をNQC15MV水溶液の濃度と処理時間の関係として、分子の置換吸着量を示したものである。ピーク面積は分子の置換吸着量を表している。
A〜Dの条件(濃度、浸漬処理時下)で置換吸着させた分子細線の量を比較して示している。この図1から、置換吸着量A(吸着なし)<B<C<Dであることがわかる。
一方、Au(金)基板を、チオール分子:NaSO3−(CH23−SH(10mM)の水溶液に1時間浸漬することで、Au基板上に、表面末端にSO3 -イオン基を有する分子の単分子膜を形成した。Au基板はチオール分子とS−Au結合されている。
そこで、対向電極を有するDCIP(酸化還元試薬)=2.5mM、NaAs(アスコルビン酸ナトリウム:犠牲試薬)=250mM、NaCl4(電解質)=100mM,MES−NaOHバッファー水溶液=20mM含有のセル中に、上記のようにビタミンK1分子を失活、除去したPSIにナフトキノン−ビオロゲン分子(NQC15MV)を組み込んだ分子置換PSIを導入した。このセルに、λ=680nm(光量:0.33mW)の光を照射し、光電流を測定した。その結果を図2に例示した。
図2は、上記のケースBの条件による分子置換PSIの場合の光電流測定を行った結果を示している。横軸として光の波長を変化させ、その時の光応答を観測している(アクションスペクトルと言う)。このアクションスペクトルと実線で書かれた吸収スペクトルのピーク位置が同じ波長(680nm)であることから、得られた光電流がPSIの光励起に由来したものであることがわかる。
<実施例2>
2−メチル−1,4−ナフトキノン(NQ)末端のSをAuナノ微粒子に結合した水溶性の金ナノ微粒子分子(粒径2nm)を、実施例1と同様にビタミンK1を失活、除去したPSIに組み込む。次式はこれを模式的に示したものである。図3は、このものの電子顕微鏡画像である。
一方、たとえば、両端にチオール基を有するアルキレンジオール分子の10mMトルエン溶液にAu基板を1時間浸漬することで、Au基板に、S−Au結合させ表面部末端にS基を有するチオール分子の単分子膜を形成する。
そこで、上記のようにして調製した金ナノ微粒子を有する分子置換PSIとともにチオール単分子膜Au基板とを実施例1と同様のセルに導入し、光電流を測定した。その結果を示したものが図4である。
この図4では、黒丸は金ナノ微粒子分子置換PSIが存在する場合のアクションスペクトルを、白四角はこのものが存在しない場合のスペクトを示しており、この両者の差(図中に矢印で例示)は、金ナノ微粒子分子置換PSIの寄与を示している。
<実施例3>
図5に従って、ISFET電極上に、金ナノ微粒子分子細線−PSI構造を形成した。すなわち、まずISFEI(材質:シリコンナイトライド−酸化ケイ素)上に、ジスルフィド(S−S)基を有するシランカップリング剤を用いて金ナノ微粒子を固定化した(図5上段)。その後金ナノ粒子表面をHS−(CH23−SO3Naの10mM水溶液を用いてAu−S−(CH23−SO3 -の修飾を行い、これをPSI(native)に付加修飾し、このようにして硬性したPSI分子細線の構造を用いて、ソース・ドレイン間電圧:5V、ソース・ドレイン間電流を変えたときのゲート・ソース間電圧を測定した。680nmの光照射を行った。
図6は、分子置換PSIを存在させた「PSI修飾あり」の場合と「修飾なし」の場合とのISFET電流−電圧特性を示したものである。「PSI修飾あり」での電位変化が極めて大きいことが確認される。
実施例1における分子置換PSIにおける置換吸収分子の量を示したDPVの測定図である。 実施例1における光電流測定の結果を示した図である。 実施例2におけるPSI−金ナノ微粒子分子体についての電子顕微鏡画像である。 実施例2における光電流測定の結果を示した図である。 実施例3における分子置換PSI修飾のプロセスを示した模式図である。 実施例3におけるISFET電流−電圧特性を示した図である。

Claims (23)

  1. 光化学系蛋白複合体を構成要素とする光電変換素子構造であって、光化学系蛋白複合体へ光化学系蛋白複合体への組み込み部とともに自由末端部を有している分子が組み込まれて、前記蛋白複合体の本来とは別の電子伝達経路が配設されていることを特徴とする光電変換素子構造。
  2. 前記分子は、光化学系蛋白複合体が本来有する電子伝達経路構成分子の失活もしくは除去にともなって組み込まれたものであることを特徴とする請求項1の光電変換素子構造。
  3. 自由末端部にはイオン性基を有していることを特徴とする請求項1または2の光電変換素子構造。
  4. 自由末端部には貴金属ナノ微粒子を有していることを特徴とする請求項1または2の光電変換素子構造。
  5. 貴金属ナノ微粒子は金ナノ微粒子であることを特徴とする請求項の光電変換素子構造。
  6. 光化学系蛋白複合体は、植物もしくは細菌の蛋白複合体であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかの光電変換素子構造。
  7. 光化学系蛋白複合体は、ラン藻植物や高等植物のPSI、PSIIまたは紅色細菌の光化学系蛋白複合体であることを特徴とする請求項6の光電変換素子構造。
  8. 光化学系蛋白複合体のキノン類分子が失活、除去されて、前記分子が組み込まれていることを特徴とする請求項6または7の光電変換素子構造。
  9. 光化学系蛋白複合体に組み込まれる分子は、光化学系蛋白複合体への組み込み部とともに、これに結合する炭素鎖を介しての自由末端部を有していることを特徴とする請求項6ないし8のうちのいずれかの光電変換素子構造。
  10. 組み込まれる分子は、自由末端部にイオン性基を有していることを特徴とする請求項9の光電変換素子構造。
  11. イオン性基は、組み込み部よりも酸化還元電位が低い分子からのイオン性基であることを特徴とする請求項10の光電変換素子構造。
  12. 組み込み部は、置換基を有していてもよいナフトキノン基であることを特徴とする請求項9ないし11のうちのいずれかの光電変換素子構造。
  13. イオン性基は、置換基を有していてもよいビオロゲン基であることを特徴とする請求項10ないし12のうちのいずれかの光電変換素子構造。
  14. 組み込まれた分子は、自由末端部に貴金属ナノ微粒子を有している分子であることを特徴とする請求項10の光電変換素子構造。
  15. 貴金属ナノ微粒子は金ナノ微粒子であることを特徴とする請求項15の光電変換素子構造。
  16. 金ナノ微粒子は、Au−S結合を介して炭素鎖に結合していることを特徴とする請求項15の光電変換素子構造。
  17. 組み込み部は、置換基を有していてもよい、ナフトキノン基であることを特徴とする請求項14ないし16のうちのいずれかの光電変換素子構造。
  18. 請求項1ないし17のうちの分子が組み込まれて本来とは別の電子伝達経路が配設されている分子置換光化学系蛋白複合体とともに基板電極、基板電極に固定されて分子置換光化学系蛋白複合体と接続する単分子膜並びに電解質溶液を備えてセル形成されていることを特徴とする光電変換素子構造。
  19. 組み込まれている分子が自由末端部にイオン性基を有している分子置換光化学系蛋白複合体が、このイオン性基において、表面部末端に対イオン性基を有する単分子膜分子に接続されていることを特徴とする請求項18の光電変換素子構造。
  20. 組み込まれている分子が自由末端部に貴金属ナノ微粒子を有している分子置換光化学系蛋白複合体が、この貴金属ナノ微粒子の単分子膜への堆積により接続されていることを特徴とする請求項18の光電変換素子構造。
  21. 金ナノ微粒子が表面部末端に−Sまたは−S−S基を有する分子単分子膜に堆積されてS−Au結合により接続されていることを特徴とする請求項20の光電変換素子構造。
  22. 電解質溶液は還元試薬を含むことを特徴とする請求項18ないし21の光電変換素子構造。
  23. 基板電極はFET電極であることを特徴とする請求項18ないし22のうちのいずれかの光電変換素子構造。
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