JP4269667B2 - Deodorant fiber and fiber molded product using the same - Google Patents

Deodorant fiber and fiber molded product using the same Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消臭性繊維に関する。更に詳しくは、おむつ、ナプキン等の吸収性物品、医療衛生材、生活関連材、一般医療材、寝装材、フィルター材、介護用品、及びペット用品等の用途に適した消臭性繊維またはこれを用いた繊維成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、生活様式の変化、居住環境の高密度化や機密性の高まり等による悪臭が問題とされ、悪臭除去に対する要求が高まってきている。その中で、アンモニア、トリメチルアミン等の塩基性ガス、硫化水素やメチルメルカプタン等の含硫黄化合物は代表的な悪臭成分とされている。これら以外にも、人に不快を感じさせる成分としては、インドール、スカトールのような含窒素環状化合物や、汗腺、皮脂腺等から出る排泄物の微生物の分解により生じた酪酸、吉草酸及びカプロン酸等の低級脂肪酸類が知られている。
【0003】
かかる臭気物質を除去する代表的な方法として、活性炭やシリカゲル等の多孔質体を用いて吸着する物理的吸着法、中和、酸化反応等により反応、除去する化学的方法、強い芳香により不快感を抑える感覚的方法等がある。なかでも高濃度の臭気物質を短時間で除去できる化学的方法は、非常に有効な消臭法の1つであり、現在、様々な消臭剤が開発されている。
【0004】
一方で、現行の化学的方法による消臭剤は、アンモニア、アミン類等の含窒素化合物には効果があるが含硫黄化合物には効果がないことや、逆に後者に対し効果があっても前者に対しては効果がないことが多く、更に低級脂肪酸類も含めた多種類の臭気物質を消臭可能な消臭剤は非常に少ないのが現状である。このような問題を改善するために、無水マレイン酸に代表される酸無水物基を有する消臭剤及びこれを用いた消臭繊維が開発されており、具体的には、水溶性を有するビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と、脂肪酸金属塩、無機金属化合物、カルボニル化合物との混合物からなる消臭剤が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と銅化合物とを繊維製品に付着するか練り込むことで、含窒素化合物、含硫黄化合物及び低級脂肪酸類に対して幅広く消臭可能な消臭剤及びこれを用いた消臭繊維が提案されている。
【0005】
これら消臭剤は、その性能を効果的に発揮させるために、しばしば繊維表面に付着させて利用されている。しかしながら、上記の消臭剤は、繊維表面に付着して繊維成形品とする際、繊維開繊工程(例えばカード、エアレイド機によるウェブ、スライバーへの加工工程)において繊維−金属間または繊維−繊維間の摩擦により繊維が著しく帯電し、加工が困難となる問題を有していた。更に加工ができても、付着した消臭剤は、摩擦によって剥離脱落するため、得られる成形品の消臭性能は本来の性能を発現することが困難であった(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
また、ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体を繊維に練り込みによって消臭機能の付与を行った場合、ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の耐熱性が低いため、熱可塑性樹脂の融点を大幅に上回る溶融温度では安定した紡糸を行うことができず、また紡糸によって得られた繊維には、ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の熱分解による変色や消臭性能の低下が見られる等、依然問題が残っていた(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−225180公報
【特許文献2】
特許第2881013号公報
【特許文献3】
特開平6−235121号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このようなことから、本発明の課題は、不織布等の繊維成形品に加工する場合、繊維表面に付着させた消臭剤が、その表面から剥離脱落せず、制電性に優れ、充分な消臭性能を有する消臭性繊維及びそれを用いた繊維成形品を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた。その結果、下記の構成を有する繊維が、前記課題を解決することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、以下の構成を有する。
[1]少なくとも下記の成分(A)と、成分(B)及び/または成分(C)とからなる繊維処理剤が、繊維重量に対して0.2〜5重量%付着している消臭性繊維であって、該繊維処理剤中の各成分の重量比率は、成分(A)が20〜80重量%、成分(B)及び/または成分(C)が80〜20重量%であることを特徴とする消臭性繊維。
成分(A):ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体を主成分とする組成物。
成分(B):アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコール型非イオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である非イオン界面活性剤。
成分(C)スルホン酸塩、硫酸エステル塩及びリン酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であるアニオン界面活性剤。
[2]成分(A)の付着量が、繊維重量に対して少なくとも0.1重量%であることを特徴とする前記[1]項記載の消臭性繊維。
[3]成分(A)が、さらに脂肪酸金属塩、無機金属化合物、カルボニル化合物のうち少なくとも1種を含む組成物からなる前記[1]項または前記[2]項記載の消臭性繊維。
[4]成分(B)のアルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレン多価アルコール高級脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種である前記[1]項記載の消臭性繊維。
[5]成分(B)の多価アルコール型非イオン界面活性剤が、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン及びソルビトールから選ばれる少なくとも1種である前記[1]項記載の消臭性繊維。
[6]成分(C)のリン酸エステル塩が、炭素数6〜24のリン酸エステルアルカリ金属塩である前記[1]項記載の消臭性繊維。
[7]消臭性繊維が、熱可塑性樹脂からなる繊維である前記[1]〜[6]のいずれか1項記載の消臭性繊維。
[8]熱可塑性樹脂からなる繊維が、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂からなる複合繊維である前記[7]項記載の消臭性繊維。
[9]前記[1]〜[8]のいずれか1項記載の消臭性繊維を用いた繊維成形品。
[10]熱可塑性樹脂からなる繊維に、紡糸工程、延伸工程または不織布加工工程において成分(A)を付着させた後、紡糸工程、延伸工程または不織布加工工程において成分(A)の層の上に成分(B)及び/または成分(C)を付着させることを特徴とする前記[7]項または前記[8]項記載の消臭性繊維の製造方法。
成分(A):ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体を主成分とする組成物。
成分(B):アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコール型非イオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である非イオン界面活性剤。
成分(C)スルホン酸塩、硫酸エステル塩及びリン酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であるアニオン界面活性剤。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明の消臭性繊維は、少なくとも下記の成分(A)と、成分(B)及び/または成分(C)とからなる繊維処理剤が、繊維重量に対して0.2〜5重量%付着しており、該繊維処理剤中の各成分の重量比率は、成分(A)が20〜80重量%、成分(B)及び/または成分(C)が80〜20重量%の重量比率である。
成分(A)は、ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体を主成分とする組成物であり、成分(B)は、アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコール型非イオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である非イオン界面活性剤であり、成分(C)はスルホン酸塩、硫酸エステル塩及びリン酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であるアニオン界面活性剤である。なお、本発明において主成分とは、該当する成分が組成物中で50重量%を超えて含有することを意味する。
【0012】
本発明で用いられる成分(A)のビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル及びオクタデシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体が挙げられる。なお、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ブテン−2、イソブチレン、ブタジエン等のα−オレフィンと無水マレイン酸との共重合、スチレン−無水マレイン酸共重合体、またはこれらの混合物等が利用できる。本発明では、アルキルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体が好ましく利用でき、なかでも、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体が好ましい。
【0013】
本発明において、前記共重合体以外にも、以下の脂肪酸金属塩、無機金属化合物またはカルボニル化合物を併用することで、より高い効果を発現できる。
【0014】
本発明で用いられる脂肪酸金属塩としては、炭素数1〜30の飽和または不飽和の脂肪酸金属塩を挙げることができる。具体的には、酢酸、プロピオン酸、ウンデシレン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和カルボン酸の金属塩が好ましく利用できる。
【0015】
また、本発明では、無機金属化合物をビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体に組み合わせて使用してもよい。本発明で利用できる無機金属化合物としては、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、チタン等の金属の酸化物、水酸化物及び無機金属塩等が挙げられる。酸化物としては、例えば、CaO、MgO、ZnO、Al、CuO、FeO、Fe、TiOが挙げられる。水酸化物としては、例えば、Ca(OH)等が挙げられる。また無機金属塩としては、前記金属の塩化物、硫酸塩、硝酸塩等が挙げられる。なかでも、硫酸第一鉄、水酸化鉄、水酸化亜鉛、水酸化チタン、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸銅、硝酸銅、水酸化銅、チタン酸が好ましく利用できる。
【0016】
本発明で用いられるカルボニル化合物としては、例えばクロトンアルデヒド、アリルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、シトロネラール等の1価アルデヒド、グリオキサール等の2価アルデヒド、ベンズアルデヒド等の芳香族アルデヒド、グリコールアルデヒド等のアルデヒドアルコール、グリオキシル酸、乳酸アルデヒド、グルクロン酸等のアルデヒドカルボン酸、アセトン、メチルエチルケトン、ジブチルケトン、ヨノン類、アセチルアセトン等の脂肪族または脂肪族飽和ケトン類、ベンゾフェノン等の芳香族ケトン、メチルグリオキサール等のケトアルデヒド、アセトール、ジメチルケトール等のケトアルコール、ピルビン酸、ベンゾイルギ酸、フェニルピルビン酸、アセト酢酸、プロピオニル酢酸、ベンゾイル酢酸、レブリン酸、β−ベンゾイルプロピオン酸等のケトカルボン酸を挙げることができる。
【0017】
前記ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体はアミン類やアンモニア等に対して優れた消臭効果を示す。一方、脂肪酸金属塩、無機金属化合物及びカルボニル化合物は、硫化水素やメルカプタン等の硫黄系の臭気物質を吸収する。したがって、腐敗臭等の悪臭の主な原因がアミン系化合物である場合には、ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のみを用いても充分な消臭効果が期待できる。更におむつ等、臭気の主な原因が硫黄系の臭気物質である場合には、脂肪酸金属塩、無機金属化合物またはカルボニル化合物の少なくとも1種をビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と併用することが好ましい。このように併用することで、アミン系及び硫黄系の両方の臭気を確実に除去することができる。
【0018】
脂肪酸金属塩、無機金属化合物及びカルボニル化合物を、2種以上を混合し、利用してもよく、この他にも、ベタイン型両性化合物、オキシ脂肪酸、有機酸性物質またはハロゲン酸アルカリを添加することにより、消臭性能を向上させることができるため好ましい。これらは消臭性能を向上できるため、消臭性を有する成分(A)の一つとして添加してもよい。
【0019】
ベタイン型両性化合物としては、例えば式(1)で示されるアミドベタインが本発明で好ましく利用できる。

Figure 0004269667
式(1)において、Rは、炭素数1〜20のアルキルである。
【0020】
また、ベタイン型両性化合物としては、例えば式(2)で示されるイミダゾリウム化合物が本発明で好ましく利用できる。
Figure 0004269667
式(2)において、Rは、炭素数1〜7のアルキルであり、Rは、炭素数8以上のアルキルである。
【0021】
アミドベタインについて1例を挙げると、オクチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−エチルヘキシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、デシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−メチルノニルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パルミチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジヒドロキシメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルジヒドロキシメチルアミノ酢酸ベタイン及びオクタンアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−エチルヘキサンアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、デカンアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−メチルノナンアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリンアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチンアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パルミチンアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリンアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリンアミドプロピルジヒドロキシメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジヒドロキシメチルアミノ酢酸ベタイン及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0022】
イミダゾリウム型両性化合物について1例を挙げると、2−アルキル(炭素数6〜22)−N−カルボキシアルキル(炭素数1〜3)−N−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜3)イミダゾリウムベタイン〔2−アルキル(炭素数6〜22)−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシメチルイミダゾリウムベタイン[2−デシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシメチルイミダゾリウムベタイン、2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシメチルイミダゾリウムベタイン、2−ミリスチル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシメチルイミダゾリウムベタイン、2−ヤシ油アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシメチルイミダゾリウムベタイン及び2−パルミチル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシメチルイミダゾリウムベタイン等];2−アルキル(炭素数8〜18)−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン[2−デシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、2−ラウリル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、2−ミリスチル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、2−ヤシ油アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン及び2−パルミチル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン等]及びこれらの混合物等〕が挙げられる。
【0023】
前記の化合物は、2種以上を混合して利用してもよい。この他に、オキシ脂肪酸、有機酸性物質、ハロゲン酸アルカリまたは無水マレイン酸共重合体を添加することで消臭性能を向上できるので好ましい。このため、これらは消臭性を有する成分(A)の一つとして利用できる。
【0024】
オキシ脂肪酸としては、例えばグリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等の低級オキシ脂肪酸、プロペニルグリコール酸、パラソルビン酸、リシノール酸、16−オキシ−7−ヘキサデセン酸等の不飽和オキシ脂肪酸、2−オキシパルミチン酸、オキシステアリン酸等の飽和オキシ脂肪酸等の分子内に水酸基を1個含むモノオキシ脂肪酸、ジオキシステアリン酸、トリオキシパルミチン酸等の分子内に水酸基を2個以上含むポリオキシ脂肪酸を用いることができる。
【0025】
有機酸性物質としては、例えば木酢またはその構成成分である種々の低級脂肪酸類、中級脂肪酸類、ラウリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、グリオキシル酸及びフミン酸を用いることができる。フミン酸としては、できるだけ塩基置換容量の大きいフミン酸を用いることが好ましい。
【0026】
ハロゲン酸アルカリは、MXO(Mはアルカリ金属、Xはハロゲン)で表すことができる。この化学式において、Mがナトリウムまたはカリウム、Xが塩素、臭素または沃素ハロゲンである、ハロゲン酸アルカリを用いることができる。これらの組合せのなかでは、ブロム酸カリが特に好ましい。
【0027】
上記の成分より構成された組成物を用いることにより、含窒素化合物、含硫黄化合物及び低級脂肪酸類等の幅広い臭気に対して消臭が可能になる。しかし、本発明に用いられる消臭剤である成分(A)を、ただ単に繊維表面に付着させるだけでは、ウェブ、スライバーへの加工工程において、カード機またはエアレイド機と繊維とが擦れ合うことにより、繊維表面から消臭剤が剥離脱落することで帯電が起こり、加工性が著しく低下する。そこで成分(B)及び/または成分(C)を成分(A)と混合または成分(A)に被覆させることで、高速カード加工下においても充分な制電性を発揮でき、同時に繊維表面における消臭剤剥離防止性を有することができる。更に成分(A)のみを付着させた場合よりも優れた消臭性能を得ることが可能となる。
【0028】
本発明で用いられる成分(B)としては、アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤{成分(B1)}、多価アルコール型非イオン界面活性剤{成分(B2)}等の非イオン界面活性剤を挙げることができる。
【0029】
成分(B)の非イオン界面活性剤を構成するアルキルとしては、炭素数が12〜24のアルキルが利用できる。このアルキルは、任意の−CH−が−CH=CH−、シクロアルキレン、またはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。このアルキルは、パーム油、牛脂、ナタネ油、米糠油、魚油等の天然油脂由来のアルキルでも合成系のアルキルでもよい。
【0030】
成分(B1)は、高級アルコール、高級脂肪酸またはアルキルアミン等に直接アルキレンオキシドを付加させるか、グリコール類にアルキレンオキシドを付加させて得られるポリエチレングリコール類に高級脂肪酸等を反応させるか、または多価アルコールに高級脂肪酸を反応して得られたエステル化物にアルキレンオキシドを付加させることにより得られる。
【0031】
成分(B1)を構成するアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド及びエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダムまたはブロック付加物が挙げられ、なかでも、エチレンオキシド、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダムまたはブロック付加物が好ましい。付加モル数は、5〜50モルが好ましく、付加すべきアルキレンオキシドのうち50〜100重量%がエチレンオキシドであることが好ましい。なお、エチレンオキシドをEOと略し、nモル付加した場合に、EO(n)として表記する場合がある。
【0032】
成分(B1)としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル{成分(B1−1)}、ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル{成分(B1−2)}、ポリオキシアルキレン多価アルコール高級脂肪酸エステル{成分(B1−3)}、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル{成分(B1−4)}、ポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテル{成分(B1−5)}、ポリオキシアルキレンアルキルアルカノールアミド{成分(B1−6)}等を挙げることができる。
【0033】
成分(B1−2)、成分(B1−3)、成分(B1−6)及び成分(B2)を構成する高級脂肪酸としては、パーム油、牛脂、ナタネ油、米糠油、魚油等の天然脂肪酸由来の高級脂肪酸が一般的に利用できるが、化学的に合成した高級脂肪酸を使用してもよい。
【0034】
成分(B1−3)及び成分(B2)を構成する多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトール、ショ糖等の3〜8価アルコールを挙げることができる。特にグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン及びソルビトールが好ましい。
【0035】
成分(B1−4)を構成するアルキルフェニルとしては、炭素数8〜12のアルキルを有するモノアルキルフェニルまたはジアルキルフェニルを挙げることができる。
【0036】
成分(B1−5)を構成するアルキルアミノとしては、炭素数8〜24のアルキルを有するモノアルキルアミノまたはジアルキルアミノを挙げることができる。このアルキルの任意の−CH−が−CH=CH−、シクロアルキレン、またはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。
【0037】
成分(B1−6)を構成するアルキルアルカノールアミドは、アルカノールアミンと高級脂肪酸の脱水反応によって得られる基である。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン等を挙げることができる。
【0038】
上記の非イオン活性剤である成分(B)のうち、成分(B1−1)〜成分(B1−3)、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン及びソルビトール等の多価アルコール型非イオン界面活性剤が特に好ましい。
【0039】
本発明で用いられるアニオン界面活性剤である成分(C)はスルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩のいずれでもよい。具体的にはスルホン酸塩としては、ラウリルスルホン酸ナトリウム、セチルスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩類、ラウリルベンゼンスルホン酸塩等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類が利用できる。硫酸エステル塩としては、ステアリル硫酸エステルナトリウム塩等のアルキル硫酸エステル塩、ラウリルアルコールにオキシアルキレンを付加した化合物の硫酸エステルナトリウム塩等の硫酸アルキル(ポリオキシアルキレン)エステル塩が利用できる。リン酸エステル塩としては、ステアリルアルコール等の高級アルコールまたはこれにポリオキシアルキレンを付加した化合物のリン酸エステル塩が利用できる。なかでも高級アルコール、ポリオキシアルキレンを付加した硫酸エステルアルカリ金属塩及びリン酸エステルアルカリ金属塩が制電性に優れているため好ましく、リン酸エステルアルカリ金属塩は繊維の平滑性にも優れているため特に好ましい。
【0040】
リン酸エステルアルカリ金属塩の高級アルコールの炭素数は6〜24であることが好ましく、炭素数が8〜22であることがより好ましい。このような高級アルコールとしては、例えば、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等のモノエステルまたはジエステルの完全中和塩が好ましく利用できる。炭素数が6未満の高級アルコールでは、繊維金属間摩擦が高くなり、カード通過性が低下するため、消臭剤の剥離脱落及びシリンダー巻き付きの原因となる。また炭素数が24を超える高級アルコールでは、制電性が低下する傾向にある。上記の範囲でリン酸エステルアルカリ金属塩の炭素数を変えることにより親水性、撥水性のいずれの機能も発現させることができる(例えば特開平7−216737号公報、特開平10−46470号公報等参照)。また、ポリオキシアルキレンは、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン等の炭素数2〜4のオキシアルキレン単位からなるが、該オキシアルキレン単位の繰り返し単位は2〜10モル%を有するものが好ましい。ポリオキシアルキレンは、オキシエチレン単位のみからなってもよいし、その他のオキシアルキレンとブロック及び/またはランダムに結合していてもよい。更にリン酸エステルアルカリ金属塩等の中和塩としては、K、Na等のアルカリ金属、アンモニア、アミン類が例示できるが、制電性の点からK塩、Na塩が好ましい。
【0041】
本発明に用いられる繊維処理剤において、前記成分(A)と、成分(B)及び/または成分(C)との重量比率は、20/80〜80/20、好ましくは25/75〜75/25、より好ましくは30/70〜70/30である。成分(A)の比率が20重量%未満では消臭性能が充分に発揮されず、また成分(A)の比率が80重量%を大幅に超えていると、制電性、剥離防止性が不充分となる。更に、これら繊維処理剤の繊維への付着量は、繊維重量に対して0.2〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%、より好ましくは0.3〜1.5重量%である。繊維処理剤の付着量が0.2〜5重量%の範囲であれば、消臭性、制電性を共に発揮させることができ、カード工程でのシリンダー巻き付き等の問題が生じないが、消臭性能を充分に発揮させるためには、成分(A)の付着量は、少なくとも0.1重量%であることが好ましい。
繊維処理剤の付着量は、繊維を60℃の温水に10分間浸漬し、水分をしぼった後、再度、60℃の温水に10分間浸漬した後、乾燥し、浸漬前後の重量変化から、次式により求めた。
付着量(重量%)={(W1−W2)/W2}×100
W1:温水に浸漬する前の繊維の乾燥重量(g)
W2:温水に浸漬した後の繊維の乾燥重量(g)
【0042】
繊維処理剤の付着量の範囲は、繊維開繊工程での加工性を維持する上で求められる範囲であり、工程通過後に繊維成形品を作製する際には、これらの範囲を超えて付着させても、本発明の効果を何ら阻害することはない。なお、繊維処理剤を繊維へ付着する場合には、付着加工がし易いように、繊維処理剤を水で希釈し、仕上剤として使用することが好ましい。
【0043】
本発明に用いられる繊維処理剤において、成分(B)と成分(C)とは、各々単独で用いてもよいが、成分(B)と成分(C)とを併用することで、制電性と平滑性とのバランスを良好にでき、これによりカード機、エアレイド機によるウェブ加工工程、スライバーへの加工工程における繊維開繊工程での加工性の向上に繋がるので好ましい。
【0044】
本発明に用いられる繊維処理剤には、本発明の効果を阻害しない範囲で、ベンザルコニウムクロライド等のアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、セチルピリジニウムクロライド等のアルキルピリジニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩、ポリリジン等のカチオン系抗菌剤を添加することができる。
【0045】
また、必要により、繊維処理剤に、炭素数2〜4のアルカノールアミン等のpH調整剤、EDTA、ポリリン酸ナトリウム等のキレート剤、スクワラン、ヒアルロン酸ナトリウム等の皮膚保護剤、茶葉由来カテキン、甘草、アロエエキス等の植物抽出エキス、ジメチルポリシロキサン(シリコーンオイル)、パーフルオロアルキル基含有化合物等の撥水剤、リモネン、フェニルエチルアルコール、ヘキシルシンナミックアルデヒド等の香料、防腐剤、防錆剤、消泡剤等を添加してもよい。なお、ここで挙げたその他成分については、添加量が微量であるため前記成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計量には含めない。
【0046】
本発明で用いられる繊維は、木綿、麻、絹、羊毛等の天然繊維、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂からなる繊維(以下、熱可塑性繊維という)、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維が例示でき、特に熱可塑性樹脂からなる繊維が好ましく用いられる。
【0047】
本発明で用いられる熱可塑性繊維は、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂からなる繊維であることが好ましい。また、これらの樹脂で構成された熱可塑性エラストマーからなる繊維及び不織布も好ましく用いられる。ここで、ポリオレフィン樹脂としては、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(プロピレン単独重合体)、プロピレンを主成分とするエチレン−プロピレン共重合体、プロピレンを主成分とするエチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、ポリブテン−1、ポリヘキセン−1、ポリオクテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリメチルペンテン、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエンが利用できる。更にこれらの単独重合体に、単独重合体を構成する単量体以外のエチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1または4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンが共重合成分として少量含有されていてもよい。また、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、スチレン及びα−メチルスチレン等の他のエチレン系不飽和モノマーが共重合成分として少量含有されていてもよい。また上記ポリオレフィン樹脂を2種以上混合して使用してもよい。これらは、通常のチーグラーナッタ触媒から重合されたポリオレフィン樹脂だけでなく、メタロセン触媒から重合されたポリオレフィン樹脂であってもよい。
【0048】
ポリエステル樹脂は、ジオールとジカルボン酸とから縮重合によって得ることができる。ポリエステル樹脂の縮重合に用いられるジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等を挙げることができる。また、用いられるジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。本発明ではポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートが好ましく利用できる。また、これらのポリエステル樹脂は、単独重合体だけでなく、共重合ポリエステル(コポリエステル)でもよい。このとき、共重合成分としては、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸成分、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等のジオール成分が利用できる。
【0049】
ポリアミド樹脂としては、ナイロン−4、ナイロン−6、ナイロン−46、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン−11、ナイロン−12、ポリメタキシレンアジパミド(MXD−6)、ポリパラキシレンデカンアミド(PXD−12)、ポリビスシクロヘキシルメタンデカンアミド(PCM−12)が利用できる。更にこれらのポリアミド樹脂に用いられている単量体を構成単位とするアミドの共重合体も利用できる。
【0050】
本発明の消臭繊維としては、少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなる単一繊維、少なくとも2種の熱可塑性樹脂からなる複合繊維が利用できる。複合繊維に充分な熱接着性能を発揮させるためには、該複合繊維が、第1成分と第2成分とからなる場合、第1成分の熱可塑性樹脂が第2成分の熱可塑性樹脂よりも低融点であり、第1成分が繊維表面に露出していることがよい。単一繊維を繊維成形品に成形する主な加工方法は、バインダーによる被覆や、ニードルパンチ、スパンレース等の物理的交絡であるが、これらの方法では、バインダーによって消臭剤を被覆してしまう場合や、針、高圧水流によって消臭剤を脱落させてしまう場合がある。しかし複合繊維を用いることで、熱加工により成形が可能となるため、被覆や脱落による消臭性能の低下を最小限に抑えることができる。
【0051】
本発明の消臭繊維の複合形式としては、鞘芯型、並列型、偏心鞘芯型、多層型、放射型または海島型等が例示できる。複合繊維を構成する熱可塑性樹脂の組合せとしては、その組合せを第1成分/第2成分の形式で表すと、ポリオレフィン樹脂/ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂/ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂/ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂/ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂/ポリアミド樹脂の組合せが利用できる。ポリオレフィン樹脂/ポリオレフィン樹脂の組合せとしては、高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、プロピレンと他のα−オレフィンとの二元共重合体または三元共重合体/ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレンが例示できる。ポリオレフィン樹脂/ポリエステル樹脂の組合せとしては、ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、直鎖状低密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、低密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレートが例示できる。ポリエステル樹脂/ポリエステル樹脂の組合せとしては、共重合ポリエステル/ポリエチレンテレフタレートが例示できる。
【0052】
本発明の消臭繊維の断面形状は、円形断面形状だけでなく、異形断面形状(非円形断面形状)にすることができる。異形断面形状としては、例えば、星形、楕円形、三角形、四角形、五角形、多葉形、アレイ形、T字形及び馬蹄形等を挙げることができ、更にこれらは中空断面にすることもできる。本発明の消臭繊維は、必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、造核剤、エポキシ安定剤、滑剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料及び可塑剤等の添加剤を本発明の効果を妨げない範囲において、使用することができる。
【0053】
本発明において繊維処理剤を繊維に付着させる方法に制限はなく、紡糸及び/または延伸工程でオイリングロールとの接触、浸漬槽への浸漬、スプレー噴霧等により繊維に付着できる。繊維に付着するだけでなく、ウェブや繊維成形体に付着してもよい。例えば、不織布加工工程でウェブに接触法、浸漬法、噴霧法により付着させる方法や、繊維成形体に加工した後に接触法、浸漬法、噴霧法により付着させる方法が利用できる。更に付着は、上記成分(A)〜(C)の混合物を一度に付着させる方法でもよいが、紡糸工程、延伸工程または不織布加工工程において消臭成分である成分(A)を先に付着させた後、成分(A)の上に成分(B)及び/または成分(C)を含む界面活性剤を付着させる方法が好ましく利用できる。この手法では成分(B)及び/または成分(C)が成分(A)を覆い保護するため、不織布加工工程中の繊維開繊工程における帯電の抑制(制電)及び成分(A)の脱落をより最小限に抑えることができる。
【0054】
一例として、乾式紡糸法、湿式紡糸法、ゲル紡糸法、溶融紡糸法等の公知の方法で製造された繊維に、この紡糸工程において、タッチロール等の方法で成分(A)を付着させた後、延伸工程において、成分(A)の層上に、成分(B)及び/または成分(C)からなる界面活性剤を付着させる方法が挙げられる。
【0055】
更に他の例として、ウェブ/ウォータージェット加工法、短繊維/エアレイド/サーマルボンド加工法、メルトブロー紡糸/サーマルボンド加工法、スパンボンド紡糸/サーマルボンド法等公知の方法で作製された不織布に、タッチロール、グラビアロール等で、成分(A)を付着させた後、成分(A)の層上に成分(B)及び/または成分(C)からなる界面活性剤を付着させる方法を挙げることができる。しかし、特に例示したこれらの方法に限定されない。
【0056】
本発明の消臭性繊維を用いた繊維成形品としては、ネット、ウェブ、編織物、不織布等を挙げることができ、特に不織布が好ましく用いられる。不織布加工の方法としては、サーマルボンド法(スルーエアー法、ポイントボンド法)、エアレイド法、ニードルパンチ法、ウォータージェット法等の公知の方法を用いることができる。短繊維をカード機等でウェブにした後に、前記不織布加工の方法でウェブを不織布にするだけでなく、メルトブロー法またはスパンボンド法でウェブを直接製造した後、前記不織布加工の方法でウェブを不織布にすることができる。また、混綿、混紡、混繊、交撚、交編、交繊等の方法で混合した繊維を前記不織布加工の方法で布状の形態にすることもできる。なお、本発明で得られた繊維成形品を単体で使用してもよいし、他の不織布、編織物、メッシュ状物、フィルム等の成形品と積層または一体化した状態で使用してもよい。
【0057】
本発明の消臭性繊維及びそれを用いた繊維成形品としては、おむつ、ナプキン、失禁パット等の吸収性物品、ガウン、術衣等の医療衛生材、壁用シート、床材等の室内内装材、カバークロス、生ゴミ用カバー等の生活関連材、使い捨てトイレ、トイレ用カバー等のトイレタリー製品、ペットシート、ペット用おむつ、ペット用タオル等のペット用品、一般医療材、寝装材、フィルター材、介護用品等の様々な用途に利用することができる。
【0058】
特に本発明の消臭性繊維またはそれを用いた不織布を吸収性物品に用いると、消臭性以外に、おむつかぶれ等の皮膚炎から皮膚を保護する効果があるため好ましい。このおむつかぶれは、皮膚上に存在する細菌や酵素が尿等の排泄物と接触することにより、アンモニアを発生し、皮膚のpHを高め、これにより、蛋白質分解酵素や脂質分解酵素の活性が上がることが原因と考えられる。しかし、成分(A)中のカルボニル及びカルボキシルが、発生したアンモニアと反応すること、または弱酸性の緩衝作用を有することで、皮膚のpHを一定に保ち、結果的におむつかぶれを抑制することになる。
【0059】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、各例において物性評価は以下に示す方法で行った。
【0060】
(メルトフローレート)
JIS K 7210に準拠し、メルトフローレートの測定を行った。
ここで、MIは、表1の条件4に準拠し、MFRは、表1の条件14に準拠して測定した。
【0061】
(制電性)
繊維50gを20℃、相対湿度45%の条件下で7m/minの速度でローラーカード試験機を用いてウェブとし、カード通過時の制電性について以下の基準で評価した。評価はウェブに発生した静電気の電圧及びウェブの目視による状態観察との併用で行った。
◎:100V未満、帯電がほとんどなくウェブの状態は良好である。
○:100V以上1kV未満、帯電がわずかでありウェブの状態は良好である。
△:1kV以上3kV未満、帯電によるウェブの乱れが若干確認される。
×:3kV以上、ウェブの乱れ、フライコムへの巻き上がりが著しく加工不可である。
【0062】
(剥離防止性)
繊維50gを20℃、相対湿度45%の条件下で7m/minの速度のローラーカード試験機でウェブとした後、ローラーカード試験機を停止し、以下の基準で繊維の剥離状況を評価した。
○:剥離脱落による微粉の発生がない。
△:若干の微粉が確認される。
×:多量の微粉が確認される。
【0063】
(付着量)
(繊維処理剤の付着量)
繊維を60℃の温水に10分間浸漬し、水分をしぼった後、再度、60℃の温水に10分間浸漬した後、乾燥し、浸漬前後の重量変化から、次式により付着量を求めた。ここでは、W1を3gとした。
付着量(重量%)={(W1−W2)/W2}×100
W1:温水に浸漬する前の繊維の乾燥重量(g)
W2:温水に浸漬した後の繊維の乾燥重量(g)
【0064】
(消臭性試験)
実施例及び比較例で得られた不織布の消臭性能を、アンモニアについて次のように測定した。テドラーバッグ(容積5リットル)に所定量(3g)の不織布を入れて密封した。次いで、シリンジを用いて、所定濃度の臭気成分を含む空気を、全ガス量3リットルとなるようにテドラーバッグ内に注入した。ガスを注入してから一定時間経過後に、テドラーバッグ内のガスをガス検知管(ガステック社製、アンモニア用3La、3L型)を用いて直接測定し、下記式により臭気成分の除去率を求めた。
除去率(%)={(C0−C)/C0}×100
0:初期濃度
C:一定時間経過後のNH3濃度
【0065】
実施例1〜10、比較例1〜4
結晶性ポリプロピレン(プロピレン単独重合体、融点163℃、MFR16g/10min、略記号PP)、結晶性高密度ポリエチレン(エチレン単独重合体、融点131℃、MI16g/10min、略記号PE)、エチレン−ブテン−プロピレン共重合体(エチレン含量4重量%、ブテン含量5重量%、プロピレン含量91重量%、融点131℃、MFR16g/10min、略記号co−PP)、ポリエチレンテレフタレート(極限粘度η=0.635、略記号PET)を繊維製造のための熱可塑性樹脂として用い、単一構造、鞘芯型構造、並列型構造のいずれかの断面を有する繊維とし、それぞれの樹脂は体積比率で50:50の複合繊維とした。更に表1に示した各種組成の繊維処理剤を下記の工程において付着させ、得られた繊維を以下の加工法で繊維成形品とした。
【0066】
実施例及び比較例では、以下の工程で繊維処理剤(成分(A)、(B)、(C))を付着させた。実施例1〜3及び5〜7では、延伸工程において、成分(A)をタッチロールで付着後、同工程で成分(B)及び/または成分(C)をタッチロールで付着させた(2段階)。実施例4、比較例3では、延伸工程において、成分(A)、成分(B)及び/または成分(C)の混合物をタッチロールで付着させた(混合)。実施例8〜10では、紡糸工程において、成分(A)をタッチロールで付着後、延伸工程で成分(B)及び/または成分(C)をタッチロールで付着させた(2段階)。比較例2〜4では、延伸工程において、成分(A)、成分(B)及び/または成分(C)の混合物をタッチロールで付着させた(混合)。
【0067】
ポイントボンド加工(略記号PB):繊維をローラーカード試験機でカードウェブとし、これをエンボス加工機{ロール温度126℃、線圧20kg/cm(換算値1.96×10N/cm)、エンボス面積率25%}で熱処理して、目付約50g/mのポイントボンド不織布とした。
【0068】
スルーエアー加工(略記号TA):繊維をローラーカード試験機でカードウェブとし、サクションバンドドライヤー(138℃)で熱処理して、目付約50g/mのスルーエアー不織布とした。
【0069】
ニードルパンチ加工(略記号NP):繊維をローラーカード試験機でカードウェブとし、ニードルパンチ加工機で加工して、目付約80g/mのニードルパンチ不織布とした。
【0070】
【表1】
Figure 0004269667
【0071】
【表2】
Figure 0004269667
【0072】
以上より、実施例に記載の界面活性剤の組成からなる繊維処理剤で繊維に加工を施すことで、繊維開繊工程での加工性及び消臭性能の向上が確認された。なお、成分(A)として脂肪酸金属塩、無機金属化合物またはカルボニル化合物を併用した実施例1〜4で得られた消臭性繊維をおむつの表面材に用いたところ、硫黄系の臭気成分についても良好な消臭性が確認された。
【0073】
【発明の効果】
本発明の消臭性繊維は、不織布等の繊維成形品に加工する場合、繊維表面に付着させた消臭剤が、その表面から剥離脱落せず、制電性に優れ、充分な消臭性能を有する。更に、本発明の消臭性繊維から得られる繊維成形体は、優れた消臭性能を有している。これらは、例えば、おむつ、ナプキン等の吸収性物品、生ゴミ用カバー等の生活関連材、トイレタリー製品、介護用品及びペット用品等に加工した後であっても、良好な消臭性能を発揮できる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a deodorant fiber. More specifically, deodorant fibers suitable for uses such as absorbent articles such as diapers and napkins, medical hygiene materials, life-related materials, general medical materials, bedding materials, filter materials, care products, and pet products, or the like. The present invention relates to a fiber molded article using
[0002]
[Prior art]
In recent years, bad odor due to lifestyle changes, high density of living environment and increased confidentiality has been a problem, and the demand for removal of bad odor is increasing. Among them, basic gases such as ammonia and trimethylamine, and sulfur-containing compounds such as hydrogen sulfide and methyl mercaptan are considered as typical malodorous components. In addition to these, ingredients that make people feel uncomfortable include nitrogen-containing cyclic compounds such as indole and skatole, butyric acid, valeric acid, caproic acid, etc. produced by the decomposition of microorganisms excreted from sweat glands, sebaceous glands, etc. The lower fatty acids are known.
[0003]
Typical methods for removing such odorous substances include physical adsorption methods that use porous materials such as activated carbon and silica gel, chemical methods that react and remove by neutralization and oxidation reactions, and unpleasantness due to strong aromas. There is a sensory method to suppress this. Among them, a chemical method capable of removing a high-concentration odor substance in a short time is one of very effective deodorization methods, and various deodorants are currently being developed.
[0004]
On the other hand, deodorants by current chemical methods are effective for nitrogen-containing compounds such as ammonia and amines, but are not effective for sulfur-containing compounds. The former is often ineffective, and there are very few deodorants that can deodorize many types of odorous substances including lower fatty acids. In order to improve such a problem, a deodorant having an acid anhydride group represented by maleic anhydride and a deodorizing fiber using the same have been developed. Specifically, a vinyl ether having water solubility is developed. A deodorant composed of a mixture of a maleic anhydride copolymer, a fatty acid metal salt, an inorganic metal compound, and a carbonyl compound has been proposed (see, for example, Patent Document 1). Further, a deodorant capable of deodorizing a wide range of nitrogen-containing compounds, sulfur-containing compounds and lower fatty acids by adhering or kneading a vinyl ether-maleic anhydride copolymer and a copper compound to a fiber product, and this Deodorant fibers using scent have been proposed.
[0005]
These deodorizers are often used by adhering to the fiber surface in order to exert their performance effectively. However, when the above deodorizer adheres to the fiber surface to form a fiber molded article, in the fiber opening process (for example, a card, a web using an air laid machine, a processing process into a sliver), the fiber-metal or fiber-fiber There was a problem that the fibers were remarkably charged due to friction between them, making the processing difficult. Even if it can be further processed, the attached deodorant peels off due to friction, so that it is difficult to express the original deodorant performance of the obtained molded product (see, for example, Patent Document 2). .
[0006]
Also, when a deodorizing function is imparted by kneading vinyl ether-maleic anhydride copolymer into the fiber, the heat resistance of the vinyl ether-maleic anhydride copolymer is low, so it significantly exceeds the melting point of the thermoplastic resin. Stable spinning cannot be performed at the melting temperature, and the fibers obtained by spinning still have problems such as discoloration due to thermal decomposition of the vinyl ether-maleic anhydride copolymer and a decrease in deodorizing performance. It remained (for example, refer patent document 3).
[0007]
[Patent Document 1]
JP 2000-225180 A
[Patent Document 2]
Japanese Patent No. 2881013
[Patent Document 3]
JP-A-6-235121
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
For this reason, the object of the present invention is that when processed into a fiber molded product such as a nonwoven fabric, the deodorant adhered to the fiber surface does not peel off from the surface, has excellent antistatic properties, and is sufficient. It is to provide a deodorant fiber having a deodorizing performance and a fiber molded article using the same.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The inventors of the present invention have made extensive studies to solve the above problems. As a result, it has been found that a fiber having the following configuration solves the above-mentioned problems, and the present invention has been completed based on this finding.
[0010]
The present invention has the following configuration.
[1] Deodorizing property in which a fiber treatment agent comprising at least the following component (A) and component (B) and / or component (C) is adhered to 0.2 to 5% by weight with respect to the fiber weight. It is fiber, Comprising: As for the weight ratio of each component in this fiber processing agent, a component (A) is 20 to 80 weight%, a component (B) and / or a component (C) are 80 to 20 weight%. Characteristic deodorant fiber.
Component (A): A composition comprising a vinyl ether-maleic anhydride copolymer as a main component.
Component (B): a nonionic surfactant which is at least one selected from the group consisting of an alkylene oxide addition type nonionic surfactant and a polyhydric alcohol type nonionic surfactant.
Ingredient (C) : An anionic surfactant which is at least one selected from the group consisting of a sulfonate, a sulfate ester salt and a phosphate ester salt.
[2] The deodorant fiber according to [1], wherein the adhesion amount of the component (A) is at least 0.1% by weight based on the fiber weight.
[3] The deodorant fiber according to the above [1] or [2], wherein the component (A) further comprises a composition containing at least one of a fatty acid metal salt, an inorganic metal compound, and a carbonyl compound.
[4] The alkylene oxide addition type nonionic surfactant of component (B) is at least one selected from polyoxyalkylene alkyl ethers, polyoxyalkylene higher fatty acid esters, and polyoxyalkylene polyhydric alcohol higher fatty acid esters. Deodorant fiber as described in the item [1].
[5] The deodorant fiber according to the above [1], wherein the polyhydric alcohol type nonionic surfactant as the component (B) is at least one selected from glycerin, pentaerythritol, sorbitan and sorbitol.
[6] The deodorant fiber according to [1], wherein the phosphate ester salt of component (C) is a phosphate ester alkali metal salt having 6 to 24 carbon atoms.
[7] The deodorant fiber according to any one of [1] to [6], wherein the deodorant fiber is a fiber made of a thermoplastic resin.
[8] The deodorant fiber according to [7], wherein the fiber made of a thermoplastic resin is a composite fiber made of at least two types of thermoplastic resins.
[9] A fiber molded article using the deodorant fiber according to any one of [1] to [8].
[10] After the component (A) is adhered to the fiber made of the thermoplastic resin in the spinning process, stretching process or nonwoven fabric processing process, on the layer of the component (A) in the spinning process, stretching process or nonwoven fabric processing process The method for producing a deodorant fiber according to [7] or [8], wherein the component (B) and / or the component (C) is adhered.
Component (A): A composition comprising a vinyl ether-maleic anhydride copolymer as a main component.
Component (B): a nonionic surfactant which is at least one selected from the group consisting of an alkylene oxide addition type nonionic surfactant and a polyhydric alcohol type nonionic surfactant.
Ingredient (C) : An anionic surfactant which is at least one selected from the group consisting of a sulfonate, a sulfate ester salt and a phosphate ester salt.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
In the deodorant fiber of the present invention, a fiber treatment agent comprising at least the following component (A), component (B) and / or component (C) is attached in an amount of 0.2 to 5% by weight based on the fiber weight. The weight ratio of each component in the fiber treatment agent is such that the component (A) is 20 to 80% by weight, and the component (B) and / or the component (C) is 80 to 20% by weight. .
Component (A) is a composition comprising a vinyl ether-maleic anhydride copolymer as a main component, and component (B) is composed of an alkylene oxide addition type nonionic surfactant and a polyhydric alcohol type nonionic surfactant. A nonionic surfactant that is at least one selected from the group consisting of: , It is an anionic surfactant that is at least one selected from the group consisting of sulfonates, sulfates and phosphates. In the present invention, the main component means that the corresponding component exceeds 50% by weight in the composition.
[0012]
The vinyl ether-maleic anhydride copolymer of component (A) used in the present invention includes methyl vinyl ether, ethyl vinyl ether, n-propyl vinyl ether, isopropyl vinyl ether, n-butyl vinyl ether, isobutyl vinyl ether, 2-ethylhexyl vinyl ether, dodecyl vinyl ether. And a copolymer of an alkyl vinyl ether such as octadecyl vinyl ether and maleic anhydride. In addition, a copolymer of an α-olefin such as ethylene, propylene, butene-1, butene-2, isobutylene, butadiene and maleic anhydride, a styrene-maleic anhydride copolymer, or a mixture thereof can be used. In the present invention, an alkyl vinyl ether-maleic anhydride copolymer can be preferably used, and among them, a methyl vinyl ether-maleic anhydride copolymer is preferable.
[0013]
In this invention, a higher effect can be expressed by using together the following fatty acid metal salt, an inorganic metal compound, or a carbonyl compound besides the said copolymer.
[0014]
As a fatty acid metal salt used by this invention, a C1-C30 saturated or unsaturated fatty acid metal salt can be mentioned. Specifically, saturated fatty acids such as acetic acid, propionic acid, undecylenic acid, palmitic acid, lauric acid, myristic acid, stearic acid, and behenic acid, and unsaturated carboxylic acids such as oleic acid, sorbic acid, linoleic acid, and linolenic acid. Metal salts can be preferably used.
[0015]
In the present invention, an inorganic metal compound may be used in combination with a vinyl ether-maleic anhydride copolymer. Examples of inorganic metal compounds that can be used in the present invention include oxides, hydroxides, and inorganic metal salts of metals such as calcium, magnesium, zinc, aluminum, copper, iron, and titanium. Examples of the oxide include CaO, MgO, ZnO, and Al. 2 O 3 , CuO, FeO, Fe 2 O 3 TiO 2 Is mentioned. As the hydroxide, for example, Ca (OH) 2 Etc. Examples of the inorganic metal salt include chlorides, sulfates and nitrates of the above metals. Among these, ferrous sulfate, iron hydroxide, zinc hydroxide, titanium hydroxide, zinc oxide, titanium oxide, copper sulfate, copper nitrate, copper hydroxide, and titanic acid can be preferably used.
[0016]
Examples of the carbonyl compound used in the present invention include monovalent aldehydes such as crotonaldehyde, allyl aldehyde, synamic aldehyde, octyl aldehyde, nonyl aldehyde and citronellal, divalent aldehydes such as glyoxal, aromatic aldehydes such as benzaldehyde, glycol aldehyde Aldehyde alcohols such as aldehyde alcohol, glyoxylic acid, aldehyde carboxylic acid such as lactaldehyde aldehyde, glucuronic acid, etc., aliphatic or aliphatic saturated ketones such as acetone, methyl ethyl ketone, dibutyl ketone, yonones, acetylacetone, aromatic ketones such as benzophenone, methyl glyoxal Such as ketoaldehyde, acetol, dimethylketol, etc., pyruvic acid, benzoylformic acid, phenylpyruvic acid, acetoacetic acid, propylene Sulfonyl acetic acid, benzoyl acetic acid, levulinic acid, and ketocarboxylic acids such as β- benzoyl propionic acid.
[0017]
The vinyl ether-maleic anhydride copolymer exhibits an excellent deodorizing effect on amines, ammonia and the like. On the other hand, fatty acid metal salts, inorganic metal compounds and carbonyl compounds absorb sulfur-based odorous substances such as hydrogen sulfide and mercaptans. Therefore, when the main cause of bad odor such as rot odor is an amine compound, a sufficient deodorizing effect can be expected even if only a vinyl ether-maleic anhydride copolymer is used. Further, when the main cause of odor such as diapers is a sulfur-based odor substance, it is preferable to use at least one of a fatty acid metal salt, an inorganic metal compound or a carbonyl compound in combination with a vinyl ether-maleic anhydride copolymer. . By using in combination in this way, both amine-based and sulfur-based odors can be reliably removed.
[0018]
Two or more fatty acid metal salts, inorganic metal compounds, and carbonyl compounds may be mixed and used. In addition, by adding a betaine-type amphoteric compound, an oxy fatty acid, an organic acidic substance, or an alkali halide acid Since deodorant performance can be improved, it is preferable. Since these can improve deodorizing performance, you may add as one of the components (A) which have deodorizing property.
[0019]
As the betaine-type amphoteric compound, for example, amide betaine represented by the formula (1) can be preferably used in the present invention.
Figure 0004269667
In the formula (1), R is alkyl having 1 to 20 carbons.
[0020]
Moreover, as a betaine type amphoteric compound, the imidazolium compound shown, for example by Formula (2) can be utilized preferably by this invention.
Figure 0004269667
In formula (2), R 1 Is alkyl having 1 to 7 carbon atoms and R 2 Is alkyl having 8 or more carbon atoms.
[0021]
Examples of amidobetaines include octyldimethylaminoacetic acid betaine, 2-ethylhexyldimethylaminoacetic acid betaine, decyldimethylaminoacetic acid betaine, 2-methylnonyldimethylaminoacetic acid betaine, lauryldimethylaminoacetic acid betaine, coconut oil alkyldimethylaminoacetic acid. Betaine, myristyldimethylaminoacetic acid betaine, palmityldimethylaminoacetic acid betaine, stearyldimethylaminoacetic acid betaine, lauryldihydroxymethylaminoacetic acid betaine, coconut oil alkyldihydroxymethylaminoacetic acid betaine and octanamidopropyldimethylaminoacetic acid betaine, 2-ethylhexanamide Propyldimethylaminoacetic acid betaine, decanamidopropyldimethylaminoacetic acid betaine, 2-methylnonane Dopropyldimethylaminoacetic acid betaine, Laurinamidopropyldimethylaminoacetic acid betaine, Palm oil fatty acid amidopropyldimethylaminoacetic acid betaine, Myristic amidopropyldimethylaminoacetic acid betaine, Palmitic amidopropyldimethylaminoacetic acid betaine, Stearamide propyldimethylaminoacetic acid betaine, Laurin Examples include amidopropyl dihydroxymethylaminoacetic acid betaine, coconut oil fatty acid amidopropyldihydroxymethylaminoacetic acid betaine, and mixtures thereof.
[0022]
An example of an imidazolium type amphoteric compound is 2-alkyl (6 to 22 carbon atoms) -N-carboxyalkyl (1 to 3 carbon atoms) -N-hydroxyalkyl (1 to 3 carbon atoms) imidazolium betaine [ 2-alkyl (6 to 22 carbon atoms) -N-carboxymethyl-N-hydroxymethylimidazolium betaine [2-decyl-N-carboxymethyl-N-hydroxymethylimidazolium betaine, 2-lauryl-N-carboxymethyl- N-hydroxymethylimidazolium betaine, 2-myristyl-N-carboxymethyl-N-hydroxymethylimidazolium betaine, 2-coconut oil alkyl-N-carboxymethyl-N-hydroxymethylimidazolium betaine and 2-palmityl-N- Carboxymethyl-N-hydroxymethyl Imidazolium betaine, etc.]; 2-alkyl (8 to 18 carbon atoms) -N-carboxymethyl-N-hydroxyethyl imidazolium betaine [2-decyl-N-carboxymethyl-N-hydroxyethylimidazolium betaine, 2-lauryl -N-carboxymethyl-N-hydroxyethyl imidazolium betaine, 2-myristyl-N-carboxymethyl-N-hydroxyethyl imidazolium betaine, 2-coconut oil alkyl-N-carboxymethyl-N-hydroxyethyl imidazolium betaine and 2-palmityl-N-carboxymethyl-N-hydroxyethylimidazolium betaine etc.] and mixtures thereof etc.].
[0023]
Two or more of these compounds may be used in combination. In addition to this, it is preferable to add an oxy fatty acid, an organic acidic substance, an alkali halide acid or a maleic anhydride copolymer since the deodorizing performance can be improved. For this reason, these can be utilized as one of the component (A) which has deodorizing property.
[0024]
Examples of the oxy fatty acid include glycolic acid, lactic acid, hydroacrylic acid, α-oxybutyric acid, glyceric acid, malic acid, tartaric acid, citric acid and other lower oxy fatty acids, propenyl glycolic acid, parasorbic acid, ricinoleic acid, 16-oxy -7-hexadecenoic acid and other unsaturated oxyfatty acids, 2-oxypalmitic acid, saturated oxyfatty acids such as oxystearic acid, and the like, such as monooxyfatty acids having one hydroxyl group in the molecule, dioxystearic acid, trioxypalmitic acid, etc. Polyoxy fatty acids containing two or more hydroxyl groups in the molecule can be used.
[0025]
Examples of the organic acidic substance include wood vinegar or various lower fatty acids, intermediate fatty acids, lauric acid, oleic acid, palmitic acid, glyoxylic acid and humic acid which are constituent components thereof. As the humic acid, it is preferable to use humic acid having as large a base substitution capacity as possible.
[0026]
Alkali halides are MXO 3 (M is an alkali metal, and X is a halogen). In this chemical formula, alkali halides in which M is sodium or potassium, and X is chlorine, bromine or iodine halogen can be used. Of these combinations, potassium bromate is particularly preferred.
[0027]
By using a composition composed of the above components, it is possible to deodorize a wide range of odors such as nitrogen-containing compounds, sulfur-containing compounds and lower fatty acids. However, the component (A), which is the deodorant used in the present invention, is simply adhered to the fiber surface, and the card machine or air laid machine and the fiber rub against each other in the processing step to the web and sliver. When the deodorant is peeled off from the fiber surface, electrification occurs, and the workability is remarkably lowered. Therefore, by mixing the component (B) and / or the component (C) with the component (A) or coating the component (A), sufficient antistatic properties can be exhibited even under high-speed card processing, and at the same time the power consumption on the fiber surface is reduced. It can have odorant peeling prevention properties. Furthermore, it becomes possible to obtain a deodorizing performance superior to the case where only the component (A) is adhered.
[0028]
Examples of the component (B) used in the present invention include nonionic surfactants such as alkylene oxide addition type nonionic surfactant {component (B1)}, polyhydric alcohol type nonionic surfactant {component (B2)}, and the like. Can be mentioned.
[0029]
As the alkyl constituting the nonionic surfactant of component (B), an alkyl having 12 to 24 carbon atoms can be used. This alkyl can be any —CH 2 -May be replaced by -CH = CH-, cycloalkylene, or cycloalkenylene. The alkyl may be an alkyl derived from natural fats and oils such as palm oil, beef tallow, rapeseed oil, rice bran oil, fish oil, or a synthetic alkyl.
[0030]
Component (B1) can be obtained by directly adding an alkylene oxide to a higher alcohol, higher fatty acid, alkylamine, or the like, or by reacting a higher fatty acid or the like with a polyethylene glycol obtained by adding an alkylene oxide to a glycol. It can be obtained by adding an alkylene oxide to an esterified product obtained by reacting a higher fatty acid with alcohol.
[0031]
Examples of the alkylene oxide constituting the component (B1) include ethylene oxide, propylene oxide, butylene oxide, and random or block addition products of ethylene oxide and propylene oxide. Among them, random or block addition of ethylene oxide, ethylene oxide and propylene oxide Things are preferred. The number of moles added is preferably 5 to 50 moles, and 50 to 100% by weight of the alkylene oxide to be added is preferably ethylene oxide. In addition, ethylene oxide is abbreviated as EO, and when n moles are added, it may be expressed as EO (n).
[0032]
As the component (B1), polyoxyalkylene alkyl ether {component (B1-1)}, polyoxyalkylene higher fatty acid ester {component (B1-2)}, polyoxyalkylene polyhydric alcohol higher fatty acid ester {component (B1- 3)}, polyoxyalkylene alkyl phenyl ether {component (B1-4)}, polyoxyalkylene alkylamino ether {component (B1-5)}, polyoxyalkylene alkylalkanolamide {component (B1-6)}, etc. Can be mentioned.
[0033]
The higher fatty acid constituting component (B1-2), component (B1-3), component (B1-6) and component (B2) is derived from natural fatty acids such as palm oil, beef tallow, rapeseed oil, rice bran oil and fish oil Although higher fatty acids are generally available, chemically synthesized higher fatty acids may be used.
[0034]
Examples of the polyhydric alcohol constituting the component (B1-3) and the component (B2) include 3- to 8-valent alcohols such as glycerin, trimethylolpropane, pentaerythritol, sorbitan, sorbitol, and sucrose. Particularly preferred are glycerin, pentaerythritol, sorbitan and sorbitol.
[0035]
Examples of the alkylphenyl constituting the component (B1-4) include monoalkylphenyl or dialkylphenyl having an alkyl having 8 to 12 carbon atoms.
[0036]
Examples of the alkylamino constituting the component (B1-5) include monoalkylamino or dialkylamino having an alkyl having 8 to 24 carbon atoms. Any —CH of this alkyl 2 -May be replaced by -CH = CH-, cycloalkylene, or cycloalkenylene.
[0037]
The alkyl alkanolamide constituting the component (B1-6) is a group obtained by a dehydration reaction of alkanolamine and a higher fatty acid. Examples of the alkanolamine include monoethanolamine, diethanolamine, monoisopropanolamine and the like.
[0038]
Among the components (B) that are the above-mentioned nonionic surfactants, polyhydric alcohol type nonionic surfactants such as component (B1-1) to component (B1-3), glycerin, pentaerythritol, sorbitan, and sorbitol are particularly preferable. preferable.
[0039]
Component (C) which is an anionic surfactant used in the present invention is , Any of sulfonate, sulfate ester salt and phosphate ester salt may be used. In particular , As the sulfonate, alkyl sulfonates such as sodium lauryl sulfonate and sodium cetyl sulfonate, and alkylbenzene sulfonates such as lauryl benzene sulfonate can be used. As the sulfate ester salt, alkyl sulfate ester salts such as stearyl sulfate sodium salt, and alkyl sulfate (polyoxyalkylene) ester salts such as sulfate ester sodium salt of a compound obtained by adding oxyalkylene to lauryl alcohol can be used. As the phosphate ester salt, a higher alcohol such as stearyl alcohol or a phosphate ester salt of a compound obtained by adding polyoxyalkylene thereto can be used. Among them, higher alcohols, sulfate ester alkali metal salts added with polyoxyalkylene and phosphate ester alkali metal salts are preferable because of excellent antistatic properties, and phosphate ester alkali metal salts are also excellent in fiber smoothness. Therefore, it is particularly preferable.
[0040]
The higher alcohol of the phosphate alkali metal salt preferably has 6 to 24 carbon atoms, more preferably 8 to 22 carbon atoms. As such higher alcohols, for example, fully neutralized salts of monoesters or diesters such as decyl alcohol, lauryl alcohol, myristyl alcohol, stearyl alcohol, and behenyl alcohol can be preferably used. In higher alcohols having less than 6 carbon atoms, the friction between the fiber and metal is increased and the card passing property is lowered, which causes the deodorant to peel off and wind around the cylinder. Also, higher alcohols having more than 24 carbon atoms tend to have reduced antistatic properties. By changing the carbon number of the phosphate ester alkali metal salt within the above range, both hydrophilic and water repellent functions can be expressed (for example, JP-A-7-216737, JP-A-10-46470, etc.). reference). Moreover, although polyoxyalkylene consists of C2-C4 oxyalkylene units, such as oxyethylene, oxypropylene, and oxybutylene, it is preferable that the repeating unit of this oxyalkylene unit has 2-10 mol%. The polyoxyalkylene may be composed solely of oxyethylene units, or may be combined with other oxyalkylenes in blocks and / or randomly. Furthermore, examples of neutralized salts such as phosphate alkali metal salts include alkali metals such as K and Na, ammonia, and amines, but K salts and Na salts are preferred from the viewpoint of antistatic properties.
[0041]
In the fiber treatment agent used in the present invention, the weight ratio of the component (A) to the component (B) and / or the component (C) is 20/80 to 80/20, preferably 25/75 to 75 /. 25, more preferably 30/70 to 70/30. If the ratio of the component (A) is less than 20% by weight, the deodorizing performance is not sufficiently exerted. If the ratio of the component (A) is significantly higher than 80% by weight, the antistatic property and the anti-peeling property are not good. It will be enough. Furthermore, the amount of the fiber treatment agent attached to the fiber is 0.2 to 5% by weight, preferably 0.2 to 3% by weight, more preferably 0.3 to 1.5% by weight, based on the fiber weight. is there. If the amount of the fiber treatment agent is in the range of 0.2 to 5% by weight, both deodorization and antistatic properties can be exhibited, and problems such as cylinder wrapping in the card process will not occur. In order to sufficiently exert the odor performance, the amount of the component (A) attached is preferably at least 0.1% by weight.
The amount of the fiber treatment agent attached was determined by immersing the fiber in 60 ° C. warm water for 10 minutes, squeezing the water, then again dipping in 60 ° C. warm water for 10 minutes, drying, and changing the weight before and after immersion. Obtained by the formula.
Adhering amount (% by weight) = {(W1-W2) / W2} × 100
W1: Dry weight (g) of fiber before being immersed in warm water
W2: Dry weight (g) of fiber after being immersed in warm water
[0042]
The range of the adhesion amount of the fiber treatment agent is a range required for maintaining the workability in the fiber opening process. When producing a fiber molded product after passing through the process, the fiber treatment product is allowed to adhere beyond these ranges. However, the effect of the present invention is not inhibited at all. In addition, when attaching a fiber processing agent to a fiber, it is preferable to dilute a fiber processing agent with water and to use it as a finishing agent so that attachment processing may be easy.
[0043]
In the fiber treatment agent used in the present invention, the component (B) and the component (C) may be used singly, but by using the component (B) and the component (C) in combination, antistatic properties are obtained. And the smoothness can be satisfactorily balanced, and this leads to an improvement in the workability in the fiber opening process in the web processing process using a card machine or air laid machine, and the sliver processing process.
[0044]
The fiber treatment agent used in the present invention is an alkyldimethylbenzylammonium salt such as benzalkonium chloride, an alkylpyridinium salt such as cetylpyridinium chloride, a dialkyldimethylammonium salt or the like as long as the effects of the present invention are not impaired. Cationic antibacterial agents such as quaternary ammonium salts and polylysine can be added.
[0045]
Further, if necessary, the fiber treatment agent may be a pH adjuster such as alkanolamine having 2 to 4 carbon atoms, a chelating agent such as EDTA or sodium polyphosphate, a skin protecting agent such as squalane or sodium hyaluronate, catechin derived from tea leaves, licorice , Plant extract extracts such as aloe extract, water repellents such as dimethylpolysiloxane (silicone oil), perfluoroalkyl group-containing compounds, fragrances such as limonene, phenylethyl alcohol, hexylcinnamic aldehyde, antiseptics, rust inhibitors, You may add an antifoamer etc. The other components mentioned here are not included in the total amount of the component (A), the component (B) and the component (C) because the addition amount is very small.
[0046]
The fibers used in the present invention are natural fibers such as cotton, hemp, silk, and wool, fibers made of thermoplastic resins such as polyolefin resins, polyester resins, polyamide resins, acrylic resins, polyvinyl alcohol resins, polyvinyl chloride resins, and polyurethanes. (Hereinafter, referred to as thermoplastic fibers), semi-synthetic fibers such as rayon and acetate, inorganic fibers such as glass fibers and carbon fibers, and fibers made of thermoplastic resins are particularly preferably used.
[0047]
The thermoplastic fiber used in the present invention is preferably a fiber made of polyolefin resin, polyester resin or polyamide resin. Moreover, the fiber and nonwoven fabric which consist of a thermoplastic elastomer comprised by these resin are also used preferably. Here, as the polyolefin resin, high density polyethylene, linear low density polyethylene, low density polyethylene, polypropylene (propylene homopolymer), ethylene-propylene copolymer containing propylene as a main component, and propylene as a main component. An ethylene-propylene-butene-1 copolymer, polybutene-1, polyhexene-1, polyoctene-1, poly-4-methylpentene-1, polymethylpentene, 1,2-polybutadiene, and 1,4-polybutadiene can be used. Further, these homopolymers contain a small amount of α-olefin such as ethylene, butene-1, hexene-1, octene-1, or 4-methylpentene-1 other than the monomers constituting the homopolymer as a copolymerization component. It may be contained. In addition, other ethylenically unsaturated monomers such as butadiene, isoprene, 1,3-pentadiene, styrene, and α-methylstyrene may be contained in a small amount as a copolymerization component. Two or more of the above polyolefin resins may be mixed and used. These may be not only polyolefin resins polymerized from ordinary Ziegler-Natta catalysts but also polyolefin resins polymerized from metallocene catalysts.
[0048]
The polyester resin can be obtained by condensation polymerization from a diol and a dicarboxylic acid. Examples of the dicarboxylic acid used for the condensation polymerization of the polyester resin include terephthalic acid, isophthalic acid, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, adipic acid, and sebacic acid. Examples of the diol used include ethylene glycol, diethylene glycol, 1,4-butanediol, neopentyl glycol, 1,4-cyclohexanedimethanol and the like. In the present invention, polyethylene terephthalate can be preferably used as the polyester resin. These polyester resins may be not only homopolymers but also copolyesters (copolyesters). At this time, as the copolymer component, dicarboxylic acid components such as adipic acid, sebacic acid, phthalic acid, isophthalic acid, and 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, and diol components such as diethylene glycol and neopentyl glycol can be used.
[0049]
Polyamide resins include nylon-4, nylon-6, nylon-46, nylon-66, nylon-610, nylon-11, nylon-12, polymetaxylene adipamide (MXD-6), polyparaxylenedecanamide (PXD-12), polybiscyclohexylmethanedecanamide (PCM-12) can be used. Furthermore, an amide copolymer having the monomer used in these polyamide resins as a structural unit can also be used.
[0050]
As deodorant fiber of this invention, the single fiber which consists of at least 1 type of thermoplastic resin, and the composite fiber which consists of at least 2 types of thermoplastic resin can be utilized. In order for the composite fiber to exhibit sufficient thermal bonding performance, when the composite fiber is composed of the first component and the second component, the thermoplastic resin of the first component is lower than the thermoplastic resin of the second component. It is melting | fusing point and it is good for the 1st component to be exposed to the fiber surface. The main processing method for forming a single fiber into a fiber molded product is physical entanglement such as coating with a binder or needle punch, spunlace, etc., but in these methods, the deodorant is coated with the binder. In some cases, the deodorant may fall off due to a needle or high-pressure water flow. However, by using the composite fiber, it becomes possible to perform molding by heat processing, and therefore, it is possible to minimize a decrease in deodorizing performance due to coating or dropping.
[0051]
Examples of the composite form of the deodorant fiber of the present invention include a sheath core type, a parallel type, an eccentric sheath core type, a multilayer type, a radiation type, and a sea island type. As a combination of thermoplastic resins constituting the composite fiber, when the combination is expressed in the form of the first component / second component, polyolefin resin / polyolefin resin, polyolefin resin / polyester resin, polyester resin / polyester resin, polyamide resin / A combination of polyester resin and polyolefin resin / polyamide resin can be used. Polyolefin resin / polyolefin resin combinations include high density polyethylene / polypropylene, linear low density polyethylene / polypropylene, low density polyethylene / polypropylene, binary copolymers of propylene and other α-olefins or ternary copolymers. Examples include coalescence / polypropylene, linear low density polyethylene / high density polyethylene, and low density polyethylene / high density polyethylene. Examples of the polyolefin resin / polyester resin combination include polypropylene / polyethylene terephthalate, high-density polyethylene / polyethylene terephthalate, linear low-density polyethylene / polyethylene terephthalate, and low-density polyethylene / polyethylene terephthalate. Examples of the polyester resin / polyester resin combination include copolymer polyester / polyethylene terephthalate.
[0052]
The cross-sectional shape of the deodorizing fiber of the present invention can be not only a circular cross-sectional shape but also a modified cross-sectional shape (non-circular cross-sectional shape). Examples of the irregular cross-sectional shape include a star shape, an ellipse shape, a triangle shape, a quadrilateral shape, a pentagon shape, a multi-leaf shape, an array shape, a T-shape, and a horseshoe shape, and these can also have a hollow cross section. The deodorant fiber of the present invention comprises an antioxidant, a light stabilizer, an ultraviolet absorber, a neutralizing agent, a nucleating agent, an epoxy stabilizer, a lubricant, an antibacterial agent, a flame retardant, an antistatic agent, a pigment and Additives such as plasticizers can be used as long as the effects of the present invention are not impaired.
[0053]
In the present invention, the method for attaching the fiber treatment agent to the fiber is not limited, and the fiber treatment agent can be attached to the fiber by spinning and / or drawing, contact with an oiling roll, immersion in an immersion tank, spray spraying, or the like. In addition to adhering to the fiber, it may adhere to the web or the fiber molded body. For example, a method of adhering to a web by a contact method, dipping method, or spraying method in a nonwoven fabric processing step, or a method of adhering to a web by a contact method, dipping method, or spraying method after processing into a fiber molded body can be used. Further, the adhering may be a method of adhering the mixture of the above components (A) to (C) at one time, but the component (A) which is a deodorizing component was first adhering in the spinning step, drawing step or nonwoven fabric processing step. Thereafter, a method of attaching a surfactant containing the component (B) and / or the component (C) on the component (A) can be preferably used. In this method, since component (B) and / or component (C) covers and protects component (A), suppression of charging (antistatic) and dropout of component (A) are prevented in the fiber opening step during the nonwoven fabric processing step. It can be kept to a minimum.
[0054]
As an example, after the component (A) is adhered to a fiber produced by a known method such as a dry spinning method, a wet spinning method, a gel spinning method, a melt spinning method, or the like by a method such as a touch roll in this spinning process. In the stretching step, a method of adhering a surfactant composed of the component (B) and / or the component (C) on the layer of the component (A) can be mentioned.
[0055]
As another example, touch a non-woven fabric produced by a known method such as a web / water jet processing method, a short fiber / airlaid / thermal bond processing method, a melt blow spinning / thermal bond processing method, a spun bond spinning / thermal bond method, etc. Examples include a method in which a component (B) and / or a component (C) surfactant is deposited on the layer of the component (A) after the component (A) is deposited by a roll, a gravure roll or the like. . However, it is not limited to these illustrated methods.
[0056]
Examples of the fiber molded article using the deodorant fiber of the present invention include a net, a web, a knitted fabric, a nonwoven fabric, and the like, and a nonwoven fabric is particularly preferably used. As a nonwoven fabric processing method, a known method such as a thermal bond method (through air method, point bond method), an airlaid method, a needle punch method, a water jet method, or the like can be used. After the short fiber is made into a web with a card machine or the like, not only the web is made into a nonwoven fabric by the nonwoven fabric processing method, but also the web is directly produced by the melt blow method or the spunbond method, and then the web is nonwoven fabric by the nonwoven fabric processing method. Can be. Further, fibers mixed by a method such as blended cotton, blended fiber, blended fiber, twisted knot, knitted yarn, or woven fiber can be made into a cloth-like form by the nonwoven fabric processing method. The fiber molded product obtained in the present invention may be used alone, or may be used in a state of being laminated or integrated with other molded products such as nonwoven fabrics, knitted fabrics, mesh-like products, and films. .
[0057]
The deodorant fiber of the present invention and the fiber molded product using the same include absorbent articles such as diapers, napkins, incontinence pads, medical hygiene materials such as gowns and surgical clothes, wall seats, flooring materials, and the like. Life-related materials such as materials, cover cloths, garbage covers, disposable toilets, toiletries such as toilet covers, pet items such as pet sheets, pet diapers, pet towels, general medical materials, bedding materials, filters It can be used for various purposes such as materials and care products.
[0058]
In particular, it is preferable to use the deodorant fiber of the present invention or a nonwoven fabric using the same for absorbent articles because it has an effect of protecting the skin from dermatitis such as diaper rash, in addition to the deodorant property. This diaper rash generates ammonia when bacteria and enzymes present on the skin come into contact with excrement such as urine and raises the pH of the skin, thereby increasing the activity of proteolytic enzymes and lipolytic enzymes. This is thought to be the cause. However, the carbonyl and carboxyl in the component (A) react with the generated ammonia or have a weakly acidic buffering action, thereby keeping the skin pH constant and consequently suppressing diaper rash. Become.
[0059]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention in detail, this invention is not limited at all by these Examples. In each example, the physical properties were evaluated by the following methods.
[0060]
(Melt flow rate)
The melt flow rate was measured in accordance with JIS K 7210.
Here, MI was measured according to condition 4 in Table 1, and MFR was measured according to condition 14 in Table 1.
[0061]
(Antistatic)
50 g of fiber was formed into a web using a roller card tester at a speed of 7 m / min under the conditions of 20 ° C. and 45% relative humidity, and the antistatic property when passing through the card was evaluated according to the following criteria. The evaluation was carried out in combination with static voltage generated on the web and visual observation of the web.
A: Less than 100 V, almost no charge, and the web is in good condition.
A: 100 V or more and less than 1 kV, slight charge, and web state is good.
Δ: 1 kV or more and less than 3 kV, web disturbance due to charging is slightly confirmed.
X: 3 kV or more, web turbulence and winding up to fly-comb are remarkably unworkable.
[0062]
(Peeling prevention)
After making 50 g of fibers into a web with a roller card tester having a speed of 7 m / min under the conditions of 20 ° C. and 45% relative humidity, the roller card tester was stopped and the fiber peeling condition was evaluated according to the following criteria.
○: No generation of fine powder due to peeling off.
(Triangle | delta): Some fine powder is confirmed.
X: A large amount of fine powder is confirmed.
[0063]
(Amount of adhesion)
(Amount of fiber treatment agent attached)
The fiber was immersed in warm water at 60 ° C. for 10 minutes, the water was squeezed, then again immersed in warm water at 60 ° C. for 10 minutes, dried, and the amount of adhesion was determined from the weight change before and after immersion by the following formula. Here, W1 was 3 g.
Adhering amount (% by weight) = {(W1-W2) / W2} × 100
W1: Dry weight (g) of fiber before being immersed in warm water
W2: Dry weight (g) of fiber after being immersed in warm water
[0064]
(Deodorization test)
The deodorizing performance of the nonwoven fabrics obtained in Examples and Comparative Examples was measured for ammonia as follows. A predetermined amount (3 g) of a non-woven fabric was placed in a Tedlar bag (volume 5 liters) and sealed. Next, using a syringe, air containing an odor component having a predetermined concentration was injected into the Tedlar bag so that the total gas volume was 3 liters. After a certain period of time after the gas was injected, the gas in the Tedlar bag was directly measured using a gas detector tube (manufactured by Gastec, 3La, 3L for ammonia), and the removal rate of odorous components was determined by the following formula. .
Removal rate (%) = {(C 0 -C) / C 0 } × 100
C 0 : Initial concentration
C: NH after a certain period of time Three concentration
[0065]
Examples 1-10, Comparative Examples 1-4
Crystalline polypropylene (propylene homopolymer, melting point 163 ° C., MFR 16 g / 10 min, abbreviation PP), crystalline high-density polyethylene (ethylene homopolymer, melting point 131 ° C., MI 16 g / 10 min, abbreviation PE), ethylene-butene- Propylene copolymer (ethylene content 4% by weight, butene content 5% by weight, propylene content 91% by weight, melting point 131 ° C., MFR 16 g / 10 min, abbreviation co-PP), polyethylene terephthalate (intrinsic viscosity η = 0.635, approximately (PET) is used as a thermoplastic resin for fiber production, and has a cross-section of a single structure, a sheath-core structure, or a parallel structure, and each resin is a 50:50 composite fiber in volume ratio It was. Further, fiber treatment agents having various compositions shown in Table 1 were adhered in the following steps, and the obtained fibers were formed into fiber molded articles by the following processing method.
[0066]
In Examples and Comparative Examples, fiber treatment agents (components (A), (B), (C)) were attached in the following steps. In Examples 1 to 3 and 5 to 7, in the stretching step, the component (A) was attached with the touch roll, and then the component (B) and / or the component (C) was attached with the touch roll in the same step (two steps). ). In Example 4 and Comparative Example 3, in the stretching step, the mixture of component (A), component (B) and / or component (C) was adhered with a touch roll (mixing). In Examples 8 to 10, in the spinning process, after the component (A) was attached with a touch roll, the component (B) and / or the component (C) was attached with a touch roll in the stretching process (two steps). In Comparative Examples 2 to 4, in the stretching step, the mixture of component (A), component (B) and / or component (C) was adhered with a touch roll (mixing).
[0067]
Point bond processing (abbreviated symbol PB): fiber is made into a card web with a roller card tester, and this is embossed {roll temperature 126 ° C., linear pressure 20 kg / cm (converted value 1.96 × 10) 2 N / cm), an embossed area ratio of 25%}, and a basis weight of about 50 g / m 2 The point bond nonwoven fabric.
[0068]
Through-air processing (abbreviated symbol TA): Fiber is made into a card web with a roller card testing machine, heat treated with a suction band dryer (138 ° C.), and a basis weight of about 50 g / m 2 Through air nonwoven fabric.
[0069]
Needle punch processing (abbreviated symbol NP): Fiber is made into a card web with a roller card testing machine, processed with a needle punch processing machine, and a basis weight of about 80 g / m 2 Needle punched nonwoven fabric.
[0070]
[Table 1]
Figure 0004269667
[0071]
[Table 2]
Figure 0004269667
[0072]
As mentioned above, the improvement of the workability in a fiber opening process and a deodorizing performance were confirmed by processing a fiber with the fiber processing agent which consists of a surfactant composition as described in an Example. In addition, when the deodorant fiber obtained in Examples 1-4 which used fatty acid metal salt, an inorganic metal compound, or a carbonyl compound together as a component (A) was used for the surface material of a diaper, also about a sulfur type odor component Good deodorant properties were confirmed.
[0073]
【The invention's effect】
When the deodorant fiber of the present invention is processed into a fiber molded product such as a nonwoven fabric, the deodorant attached to the fiber surface does not peel off from the surface, has excellent antistatic properties, and sufficient deodorant performance. Have Furthermore, the fiber molded body obtained from the deodorant fiber of this invention has the outstanding deodorizing performance. These can exhibit good deodorizing performance even after being processed into absorbent articles such as diapers and napkins, life-related materials such as covers for garbage, toiletries products, care products and pet products, for example. .

Claims (10)

少なくとも下記の成分(A)と、成分(B)及び/または成分(C)とからなる繊維処理剤が、繊維重量に対して0.2〜5重量%付着している消臭性繊維であって、該繊維処理剤中の各成分の重量比率は、成分(A)が20〜80重量%、成分(B)及び/または成分(C)が80〜20重量%であることを特徴とする消臭性繊維。
成分(A):ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体を主成分とする組成物。
成分(B):アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコール型非イオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である非イオン界面活性剤。
成分(C)スルホン酸塩、硫酸エステル塩及びリン酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であるアニオン界面活性剤。
The fiber treatment agent comprising at least the following component (A) and component (B) and / or component (C) is a deodorant fiber adhered to 0.2 to 5% by weight with respect to the fiber weight. The weight ratio of each component in the fiber treatment agent is characterized in that the component (A) is 20 to 80% by weight, and the component (B) and / or the component (C) is 80 to 20% by weight. Deodorant fiber.
Component (A): A composition comprising a vinyl ether-maleic anhydride copolymer as a main component.
Component (B): a nonionic surfactant which is at least one selected from the group consisting of an alkylene oxide addition type nonionic surfactant and a polyhydric alcohol type nonionic surfactant.
Component (C) : An anionic surfactant which is at least one selected from the group consisting of sulfonates, sulfates and phosphates.
成分(A)の付着量が、繊維重量に対して少なくとも0.1重量%であることを特徴とする請求項1記載の消臭性繊維。  The deodorant fiber according to claim 1, wherein the adhesion amount of the component (A) is at least 0.1% by weight based on the fiber weight. 成分(A)が、さらに脂肪酸金属塩、無機金属化合物、カルボニル化合物のうち少なくとも1種を含む組成物からなる請求項1または請求項2記載の消臭性繊維。  The deodorant fiber according to claim 1 or 2, wherein the component (A) further comprises a composition containing at least one of a fatty acid metal salt, an inorganic metal compound, and a carbonyl compound. 成分(B)のアルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル及びポリオキシアルキレン多価アルコール高級脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の消臭性繊維。  2. The alkylene oxide addition nonionic surfactant of component (B) is at least one selected from polyoxyalkylene alkyl ethers, polyoxyalkylene higher fatty acid esters and polyoxyalkylene polyhydric alcohol higher fatty acid esters. Deodorant fiber. 成分(B)の多価アルコール型非イオン界面活性剤が、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン及びソルビトールから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の消臭性繊維。  The deodorant fiber according to claim 1, wherein the polyhydric alcohol type nonionic surfactant of component (B) is at least one selected from glycerin, pentaerythritol, sorbitan and sorbitol. 成分(C)のリン酸エステル塩が、炭素数6〜24のリン酸エステルアルカリ金属塩である請求項1記載の消臭性繊維。  The deodorant fiber according to claim 1, wherein the phosphoric acid ester salt of component (C) is a phosphoric acid ester alkali metal salt having 6 to 24 carbon atoms. 消臭性繊維が、熱可塑性樹脂からなる繊維である請求項1〜6のいずれか1項記載の消臭性繊維。  The deodorant fiber according to any one of claims 1 to 6, wherein the deodorant fiber is a fiber made of a thermoplastic resin. 熱可塑性樹脂からなる繊維が、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂からなる複合繊維である請求項7記載の消臭性繊維。  The deodorant fiber according to claim 7, wherein the fiber made of the thermoplastic resin is a composite fiber made of at least two kinds of thermoplastic resins. 請求項1〜8のいずれか1項記載の消臭性繊維を用いた繊維成形品。  The fiber molded article using the deodorizing fiber of any one of Claims 1-8. 熱可塑性樹脂からなる繊維に、紡糸工程、延伸工程または不織布加工工程において成分(A)を付着させた後、紡糸工程、延伸工程または不織布加工工程において成分(A)の層の上に、成分(B)及び/または成分(C)を付着させることを特徴とする請求項7または請求項8記載の消臭性繊維の製造方法。
成分(A):ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体を主成分とする組成物。
成分(B):アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコール型非イオン界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である非イオン界面活性剤。
成分(C)スルホン酸塩、硫酸エステル塩及びリン酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種であるアニオン界面活性剤。
After the component (A) is attached to the fiber made of thermoplastic resin in the spinning step, stretching step or nonwoven fabric processing step, the component (A) is formed on the component (A) layer in the spinning step, stretching step or nonwoven fabric processing step. The method for producing a deodorant fiber according to claim 7 or 8, wherein B) and / or component (C) is adhered.
Component (A): A composition comprising a vinyl ether-maleic anhydride copolymer as a main component.
Component (B): a nonionic surfactant which is at least one selected from the group consisting of an alkylene oxide addition type nonionic surfactant and a polyhydric alcohol type nonionic surfactant.
Component (C) : An anionic surfactant which is at least one selected from the group consisting of sulfonates, sulfates and phosphates.
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