JP4268528B2 - 衝撃検知光ファイバセンサ及びそれを用いたシステム - Google Patents

衝撃検知光ファイバセンサ及びそれを用いたシステム Download PDF

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Description

本発明は、測定対象物の受ける衝撃をセンシングすることを目的とした衝撃検知光ファイバセンサシステムに関するものである。
従来の衝撃検知センサにおいて電気式のセンサでは、圧力センサ、加速度センサ及び歪ゲージを用いて衝撃による圧力、加速度及び歪を検知する方法が一般的である。
光ファイバ式のセンサにおいては、石英又はプラスチック材質の光ファイバへ圧力、加速度及び歪等の衝撃を印加して、光ファイバ中の光を曲げ損失及び圧縮損失によって光量変化させることにより検知するセンサがある。
光ファイバ方式で一般的に考えられるのは、軟質円筒状の筒の周囲に螺旋状に光ファイバを巻き付け、衝突の外力によって筒が変形した際の光ファイバの曲げ半径小径化に伴う光の損失増加により衝突、衝撃を検出する方法がある。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
特開平9−26370号公報 特開平5−249352号公報 特表2002−531812号公報
しかしながら、上記の従来技術において電気式衝撃センサの場合、電気信号により衝撃を検知するためセンサ自身が電磁ノイズに弱く、検出したい信号とノイズの識別が困難になるという問題がある。
また、検出信号を伝送するにあたり、伝送路が外部からの電磁ノイズを受け易く、このノイズによる影響も無視できないという問題もある。
電気信号は、伝送路における伝送損失が大きいという問題もある。
石英を用いた光ファイバ式の場合には、曲げ及び圧縮により損失が発生するものの、石英という材質の特性上、曲げや圧縮により光ファイバが機械的強度の劣化を起こし、衝撃印加時に石英ファイバが切断する可能性があるという問題もある。
また、プラスチック光ファイバの場合、曲げや圧縮により切断する可能性は低いが、剛性も強いため曲げや圧縮により損失が発生し難くセンサの精度に欠けるという問題がある。
そこで、本発明の目的は、電磁ノイズに強く、衝撃による機械的劣化の少ない高精度の衝撃検知光ファイバセンサシステムを提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、第1の発明は、衝撃を受けて撓む衝撃感受部材が、プラスチック光ファイバと、該プラスチック光ファイバに予め巻き付けた螺旋状ワイヤとを、所定の硬さを有する保護体に埋め込んで形成され、上記衝撃感受部材よりも上記プラスチック光ファイバの端部が長く延びており、そのプラスチック光ファイバの端部が一箇所に集められ、その一箇所に集められた端部から上記衝撃感受部材までのプラスチック光ファイバが連続して上記保護体で埋め込まれている衝撃検知光ファイバセンサである。
第2の発明は、上記プラスチック光ファイバの端部が一箇所に集められることにより形成される上記プラスチック光ファイバのループ内周部に、上記保護体のない中空部が形成されるものである。
第3の発明は、衝撃を受けて撓む衝撃感受部材が、プラスチック光ファイバと、該プラスチック光ファイバに予め巻き付けた螺旋状ワイヤとを、所定の硬さを有する保護体に埋め込んで形成され、上記プラスチック光ファイバの端部が一箇所に集められることにより形成される上記プラスチック光ファイバのループ内周部に、上記保護体のない中空部が形成されるものである。
第4の発明は、上記プラスチック光ファイバは、架橋アクリル樹脂をコア材とし、水分を透過しないフッ素樹脂をクラッド材とするものである。
第5の発明は、上記保護体が、エチレンプロピレンゴムであるものである。
第6の発明は、第1〜5いずれかの発明の衝撃検知光ファイバセンサから延出された上記プラスチック光ファイバの端部の一方に発光素子を、端部の他方に受光素子を接続し、発光素子からの光を上記プラスチック光ファイバに入力し、その光を受光素子で受光し、受光した光の光量変化を検出することで、上記プラスチック光ファイバの歪を検出し、その歪から上記衝撃感受部材が受けた上記衝撃を検知する衝撃検知光ファイバセンサシステムである。
第7の発明は、第1〜5いずれかの発明の衝撃検知光ファイバセンサから延出された上記プラスチック光ファイバの端部の一方に発光素子を、端部の他方に受光素子を接続し、発光素子からの光を上記プラスチック光ファイバに入力し、その光を受光素子で受光し、受光した光の光量の時間的変化を検出することで、上記衝撃検知光ファイバセンサを取り付けた測定対象物の速度、重量、堅さに応じた光損失パターンを光量変化から予め求めておき、衝撃を受けた時の光損失パターンと上記予め求めた光損失パターンとを比較し速度、重量、堅さを識別する衝撃検知光ファイバセンサシステムである。
本発明によれば、電磁ノイズに強く、衝撃による機械的劣化の少ない高精度の衝撃検知光ファイバセンサ及びそれを用いたシステムを得られる。
以下、本発明の好適実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の好適実施である衝撃検知光ファイバセンサ10を用いた衝撃検知光ファイバセンサシステム1を示す図で、図1(a)は衝撃検知光ファイバセンサシステム1の正面図を、図1(b)は右側面図を、図1(c)は底面図をそれぞれ示す。
図1において、衝撃検知光ファイバセンサ10は、ゴム、プラスチックなどの保護体8と、その保護体8に埋設されたプラスチック光ファイバ(以下、光ファイバと称する。)2と、光ファイバ2に巻き付けられた螺旋金属ワイヤ(以下、ワイヤと称する。)7とから構成される。
衝撃検知光ファイバセンサ10は、図示したように直線状に形成された衝撃感受部材11と、衝撃感受部材11の両側に設けられ衝撃感受部材11を支える屈曲部8dと、屈曲部8dからの光ファイバ2を一箇所に束ねた基部8bの各部が連続して形成されている。
光ファイバ2は、基部8bから屈曲部8dの一方を通り、衝撃感受部材11を通って他方の屈曲部8dを通って、基部8bまで保護体8に埋設される。
光ファイバ2cには、ワイヤ7が予め一定長さ巻き付けられている。この光ファイバ2cがワイヤ7と共に保護体8に覆われることで、衝撃感受部材11が構成されている。
光ファイバ2の端部は衝撃感受部材11よりも長く延びており、その延長部分が丸く曲げられることにより光ファイバ2の端部が一箇所に集められ、一箇所に集められた光ファイバ2の端部から衝撃感受部材11までが連続して保護体8に埋め込まれている。保護体8は、衝撃検知光ファイバセンサ10が不要な外力を受けた時に、この外力を除去するクッション層のはたらきも有している。
光ファイバ2の端部が一箇所に集められたことで、光ファイバ2は光ファイバ2を覆った保護体8と共にループ状の形を形成している。
保護体8は、例えば図1(b)のように平板状に形成される。平面視では、図1(a)に示すように衝撃感受部材11及びそれに続く屈曲部8dの部分が広く、基部8bが幅の狭くなった形状、たとえて言うと全体に逆フラスコ型に形成されている。その平面視の略中央に光ファイバ2及び保護体8のループ内周部に保護体8がない中空部(以下、空間と称する。)8aが形成されている。本実施の形態では、長円状の空間8aが形成されている。
基部8bは、衝撃感受部材11及び屈曲部8dを支え、自動車などのフレームに固定し易い形状となっている。空間8aを挟んだ直線状の部分に衝撃を受けて撓む衝撃感受部材11が形成され、かつ衝撃感受部材11の両端が屈曲部8dを介して基部8bに支持されている。この衝撃感受部材11は、例えば自動車バンパーの裏面に接するように設けられるとよい。
保護体8は、例えば硬度が45〜95度程度の所定硬さのエチレンプロピレンゴムを用い、保護体8の厚さを5〜6mm程度とするとよい。
保護体8は、光ファイバ2及び螺旋状ワイヤであるワイヤ7と共に一体モールド成形されるとよい。
また、予め分割してモールド成形された保護体8を用意し、この保護体8の内側に光ファイバ2及び螺旋金属ワイヤ7を嵌め込み、この光ファイバ2及び螺旋金属ワイヤ7を嵌め込まれた保護体8を組み立てて、衝撃検知光ファイバセンサ10を形成してもよい。
保護体8は、図1(a)に示すように保護体8の衝撃感受部材11の幅Wは約10〜12mm、図1(b)に示すように衝撃感受部材の厚さtは約5〜6mmとなっている。保護体8が図に示すように形成され、光ファイバ2が保護体8に埋め込まれている。このため、光ファイバ2は保護体8に埋め込まれた時のままの逆フラスコ形状を保持している。
基部8bは、各屈曲部8dから導かれた光ファイバ2の端部を一箇所に集め束ねて、保護体8に埋め込んだ部分である。この基部8bの形状により自動車のバンパーなどの測定対象物への取付作業性を容易にしている。
衝撃検知光ファイバセンサ10は、図1に示した保護体8の形状に限定されるものでない。図では衝撃感受部材11は略直線状に形成されており、衝撃感受部材11の長手方向と直交する向きで空間8aに向かって撓み易くなっており、衝撃感受部材11はこの向きの衝撃を最も感知し易い構造である。
衝撃感受部材11を例えば円弧状に設けることで、衝撃を一方向のみでなく、円弧に直交する多方向からの衝撃を検知する構造としてもよい。
ワイヤ7は、光ファイバ2の外周の一部に螺旋状に巻かれることで、衝撃検知光ファイバセンサ10が衝撃を受けたときに、衝撃により衝撃感受部材11に加えられる力を光ファイバ2に対して曲げ歪や圧縮歪として伝える構造をなしている。衝撃感受部材11は、ワイヤ7の巻かれたことでワイヤ7が光ファイバ2に接した部分に集中して力が掛かる構造となっている。
このような螺旋状に巻いたワイヤ7の所謂マイクロベンド効果により、外力により生じた光ファイバ2cの曲げ歪による光ファイバ2cの光損失感度を向上させ、衝撃感受部材11の衝撃検知をより高感度にすることができる。
ワイヤ7は、上記光ファイバ2を用いる場合には、例えばワイヤ7の太さをφ0.5〜1.0mm、光ファイバ2への巻き付けピッチを5〜10mm程度とするとよい。
衝撃検知光ファイバセンサ10から延びた光ファイバ2fは、自動車のコントロールボックスなどまで延出され、その光ファイバ2fの一方にはレーザダイオードやLEDからなる発光素子LD1が接続される。光ファイバ2fの他方には、光ファイバ2cを通った光を検出するためのフォトダイオードなどの受光素子PD3が接続される。
光ファイバ2は、例えば耐熱性プラスチック光ファイバ(HPOF:Highly Heat-resistant Plastic Optical Fiber)が用いられる。
図2に示すように光ファイバ2は、屈折率の高いコア5の部分と、コア5の周囲に設けられた屈折率の低いクラッド6の部分とから成り、コア5の部分を光が伝送しクラッド6から外部に光が漏洩し難い構造となっている。光ファイバ2は、例えばコア5がコア径φ1.5mm、クラッド径がφ2.2mmの形状のものを用いるとよい。コア5は架橋アクリル樹脂(熱硬化アクリル樹脂)、シリコーン樹脂等のコア材で形成され、クラッド6は水分を透過しないフッ素樹脂等のクラッド材で形成される。
光ファイバ2は、水分を透過しないフッ素樹脂がクラッド材として使用されているので、湿気等に強い衝撃検知光ファイバセンサ10の良好な部材として用いられる。
図1に示すように、発光素子LD1は電気信号線4を介して電源(図示せず)に接続され、受光素子PD3は電気信号線4を介して衝撃検出装置(図示せず)に接続される。
発光素子LD1は、例えばLD若しくはLEDなどの光部品であり、電気信号線4に接続される電源により発光し、発光した光を接続された光ファイバ2に送出するものである。
受光素子PD3は、例えばフォトダイオードを用いた受光のための光部品であり、接続された衝撃検知光ファイバセンサ10から受光した光信号を電気信号に変換し、電気信号線4に送出するものである。
次に図1、図3、図4を用いて本発明の作用を説明する。
図1に示すように、発光素子LD1より出力された光は光ファイバ2に入射され、その光が受光素子PD3で受光される。受光素子PD3により検出された光強度は、電気信号線4によって電気信号として図示していない衝撃検出装置へ送信される。本発明では、光ファイバ2cを通過する光の強度変化によって受けた衝撃を検知するため、衝撃検知光ファイバセンサ10近傍の電磁ノイズの影響を受けずに衝撃を検知することが可能である。
なお、発光素子LD1及び受光素子は、電気−光変換を行う光部品であるため、電磁的ノイズの影響を全くない状態にすることは困難であるが、電磁ノイズの影響を受けない光ファイバ2fを伸ばし発光素子LD1及び受光素子PD3を衝撃検知光ファイバセンサ10から離れた場所に設けることで電磁ノイズの影響を無視できる。
さらに、発光素子LD1、受光素子PD3と、衝撃感受部材11とは異なる位置に設けることができる。このため、発光素子LD1、受光素子PD3を金属板などで覆うことで、電磁ノイズを遮蔽することができる。
衝撃検知光ファイバセンサ10は、衝撃感受部材11で光ファイバ2cの長手方向と直交する方向に衝撃が加えられた時が、最も衝撃検知の感度がよい。これは、屈曲部8dで衝撃感受部材11を支えることで衝撃感受部材11に曲げ歪や圧縮歪が生じ易いからである。
さらに、この曲げ歪や圧縮歪は、保護体8を介してワイヤ7に加えられる。ワイヤ7に加えられた曲げ歪等により、光ファイバ2cに接する部分が顕著に曲げられて、光ファイバ2cに曲げ歪等が効率的に伝わる。
図3は、衝撃感受部材が衝撃を受けて撓んだ時の状態を示す図である。
衝撃により衝撃感受部材11が撓む場合を詳述すると次のようになる。
衝撃検知光ファイバセンサ10が受けた衝撃により、衝撃感受部材11が図に示すように矢印31の方向に撓み、ワイヤ7及び光ファイバ2cに力が加わる。この際、光ファイバ2cに巻かれたワイヤ7に保護体8の撓みによる力が集中して、このワイヤ7に集中した力は、ワイヤ7が光ファイバ2を局所的に曲げることで光ファイバ2cに加えられる。
空間8aが設けられていることで、衝撃を受けたときに保護体8が撓み易くなっており、衝撃感受部材11の衝撃検知感度を向上させている。
このため、ワイヤ7により光ファイバ2cに顕著な曲げ歪が生じ、この曲げ歪により、光ファイバ2cの伝送損失が増加する。この曲げ歪の増加により光ファイバ2cを通過する光量が減少する。
光ファイバ2fを介してこの光量を受光素子PD3が受光すると、受光した光量の増減が分かる。この光量の時間的変化は、図5のように現れる。
図5は、衝撃検知光ファイバセンサ10の光ファイバ2cを通過する光量の経時変化を示す図である。図中の横軸は時間を示し、縦軸は受光素子PD3が受光する光量を示す。
図中時刻t1で衝撃検知光ファイバセンサ10に衝撃が印加され、衝撃検知光ファイバセンサ10の衝撃感受部材11が撓む。衝撃は時刻t2にて最大に達して、このとき光ファイバ2cは曲げ歪が最大となり光ファイバ2cの伝送損失は最大となる。
衝撃検知光ファイバセンサ10に印加された衝撃が緩和されるに従い、衝撃感受部材11の撓みが減少し、光ファイバ2cの曲げ歪も緩和され光ファイバ2cの伝送損失は減少する。
時刻t3で衝撃が無くなると、衝撃感受部材11の撓みは無くなり衝撃印加前の衝撃感受部材11の形状に戻る。このとき、光ファイバ2cも衝撃印加前の状態に戻ることで生じていた曲げ歪が無くなり、光ファイバ2cの伝送損失も衝撃印加前の状態に戻る。
このように、光ファイバ2cに光を入力し、受光素子PD3で受光した光の光量変化を検出することで、光ファイバ2cの歪を検出し、その歪から衝撃感受部材11が受けた衝撃を検知することができる。
ここで、時刻t1〜t3の光量変化の状態(光損失パターン)から測定対象物に加わる異なる衝撃時の速度、重量、堅さなどを識別することができる。
例えば、同じ大きさの衝撃が自動車に加えられた場合でも、自動車に搭載された衝撃検知光ファイバセンサ10で検知される光量変化は、自動車の走行する速度により図中の光量の変化の傾きや大きさが異なったり、ピークに達するまでの時刻t2などが異なったりする。すなわち、得られる光量の変化は速度に対応して固有の光損失パターンとなる。
同じ大きさの衝撃が自動車に加えられた場合でも、自動車の質量が異なるケースでは、衝撃検知光ファイバセンサ10で検知される光量変化は、自動車の質量により図中の光量の変化の傾きや大きさが異なったり、ピークに達するまでの時刻t2が異なったりする。すなわち、得られる光量の変化は自動車の質量に対応して固有の光損失パターンとなる。
また、同じ大きさの衝撃が自動車に加えられた場合でも、自動車のバンパーや車体の堅さが異なれば、得られる光量の変化は同様に車体等の堅さに対応して固有のパターンとなる。
このように、光ファイバ2cに光を入力し、受光素子PD3で受光した光の光量の時間的変化を検出することで、衝撃検知光ファイバセンサ10を取り付けた測定対象物の速度、重量、堅さに応じた光損失パターンを光量変化から予め求めておき、衝撃を受けた時の光損失パターンと上記予め求めた光損失パターンとを比較し速度、重量、堅さを識別することができる。
衝撃により衝撃感受部材11が圧縮する場合も前述の状況と略同様になる。
図4は、衝撃感受部材が衝撃を受け圧縮された時の状態を示す図である。
衝撃検知光ファイバセンサ10が受けた衝撃により衝撃感受部材11が図4に示すように矢印31の方向に圧縮され、保護体8が圧縮されることを介してワイヤ7及び光ファイバ2cに力が加わる。光ファイバ2cに巻かれたワイヤ7に保護体8の圧縮による力が集中して、この力は光ファイバ2cに加えられる。
このため、ワイヤ7により光ファイバ2cに顕著な圧縮歪が生じ、この圧縮歪により、光ファイバ2cの伝送損失が増加する。この圧縮歪の増加により光ファイバ2cを通過する光量が減少する。接続された光ファイバ2fを介してこの光量変化を受光素子PD3が受光すると、この光量の時間的変化が図5に示した経時変化パターンと同様になって現れる。
本発明を用いることにより、従来の電気式衝撃センサで問題であった電磁ノイズ及び伝送損失の影響を排除することができる。
また、石英ガラス光ファイバを用いた衝撃検知センサに比べて、螺旋状のワイヤを装着した実施の形態の衝撃検知光ファイバセンサ10は曲げ及び圧縮による石英ガラス光ファイバの疲労切断等が起こり難く、高信頼性のセンサシステムを構成することができる。
衝撃検知光ファイバセンサ10は、従来の光ファイバを用いた衝撃検知センサと比して、その構造により衝撃による光ファイバへの曲げや圧縮の程度が効率的に生じる。従って、衝撃検知光ファイバセンサ10は、加えられた衝撃を精度良く検知することのできる高感度センサとなっている。
架橋アクリル樹脂をコア材とし、水分を透過しないフッ素樹脂をクラッド材とする光ファイバ2は、電磁的ノイズの影響を受けないうえ湿気等にも強い衝撃検知光ファイバセンサ10の良好な部材として用いることができる。
保護体8は、保護体8に埋め込まれた光ファイバ2の形状を保持し、ループ状(逆フラスコ状)の形状により衝撃感受部材11が衝撃を受けたときに撓み、この撓みにより光ファイバ2に衝撃により生じた曲げ応力を効率的に伝えるものである。保護体8は、不要な外力を除去するクッション層のはたらきも有し、保護体8の基部8bが測定対象物に取付易い形状となっている。
図1(a)は、衝撃検知光ファイバセンサシステムの正面図である。図1(b)は衝撃検知光ファイバセンサシステムの右側面図である。図1(c)は衝撃検知光ファイバセンサシステムの底面図である。 プラスチック光ファイバの断面を示す断面図である。 衝撃感受部材が衝撃を受けて撓んだ時の状態を示す状態図である。 衝撃感受部材が衝撃を受けて圧縮された時の状態を示す状態図である。 衝撃検知光ファイバセンサを通過する光量の変化を示す時間変化図である。
符号の説明
1 衝撃検知光ファイバセンサシステム
2 光ファイバ(プラスチック光ファイバ)
2c 光ファイバ(プラスチック光ファイバ)
2f 光ファイバ(プラスチック光ファイバ)
4 電気信号線
7 螺旋金属ワイヤ(ワイヤ)
8 保護体
8a 空間
8b 基部
8d 屈曲部
10 衝撃検知光ファイバセンサ
11 衝撃感受部材
LD1 発光素子
PD3 受光素子
t 厚さ
W 幅

Claims (7)

  1. 衝撃を受けて撓む衝撃感受部材が、プラスチック光ファイバと、該プラスチック光ファイバに予め巻き付けた螺旋状ワイヤとを、所定の硬さを有する保護体に埋め込んで形成され、上記衝撃感受部材よりも上記プラスチック光ファイバの端部が長く延びており、そのプラスチック光ファイバの端部が一箇所に集められ、その一箇所に集められた端部から上記衝撃感受部材までのプラスチック光ファイバが連続して上記保護体で埋め込まれていることを特徴とする衝撃検知光ファイバセンサ。
  2. 上記プラスチック光ファイバの端部が一箇所に集められることにより形成される上記プラスチック光ファイバのループ内周部に、上記保護体のない中空部が形成される請求項1記載の衝撃検知光ファイバセンサ。
  3. 衝撃を受けて撓む衝撃感受部材が、プラスチック光ファイバと、該プラスチック光ファイバに予め巻き付けた螺旋状ワイヤとを、所定の硬さを有する保護体に埋め込んで形成され、上記プラスチック光ファイバの端部が一箇所に集められることにより形成される上記プラスチック光ファイバのループ内周部に、上記保護体のない中空部が形成されることを特徴とする衝撃検知光ファイバセンサ。
  4. 上記プラスチック光ファイバは、架橋アクリル樹脂をコア材とし、水分を透過しないフッ素樹脂をクラッド材とする請求項1〜3いずれか記載の衝撃検知光ファイバセンサ。
  5. 上記保護体が、エチレンプロピレンゴムである請求項1〜4いずれか記載の衝撃検知光ファイバセンサ。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載の衝撃検知光ファイバセンサから延出された上記プラスチック光ファイバの端部の一方に発光素子を、端部の他方に受光素子を接続し、発光素子からの光を上記プラスチック光ファイバに入力し、その光を受光素子で受光し、受光した光の光量変化を検出することで、上記プラスチック光ファイバの歪を検出し、その歪から上記衝撃感受部材が受けた上記衝撃を検知することを特徴とする衝撃検知光ファイバセンサシステム。
  7. 請求項1〜5いずれかに記載の衝撃検知光ファイバセンサから延出された上記プラスチック光ファイバの端部の一方に発光素子を、端部の他方に受光素子を接続し、発光素子からの光を上記プラスチック光ファイバに入力し、その光を受光素子で受光し、受光した光の光量の時間的変化を検出することで、上記衝撃検知光ファイバセンサを取り付けた測定対象物の速度、重量、堅さに応じた光損失パターンを光量変化から予め求めておき、衝撃を受けた時の光損失パターンと上記予め求めた光損失パターンとを比較し速度、重量、堅さを識別することを特徴とする衝撃検知光ファイバセンサシステム。
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