JP4266111B2 - Process for producing polycarboxyadamantane derivatives - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステルやポリアミドの原料、医薬品や農薬等の精密化学品の合成中間体などとして有用なポリカルボキシアダマンタン誘導体(アダマンタンポリカルボン酸類)の製造法に関する。トリカルボキシアダマンタン(=アダマンタントリカルボン酸)やテトラカルボキシアダマンタン(=アダマンタンテトラカルボン酸)などのように、重合性基であるカルボキシル基を3つ以上有するポリカルボキシアダマンタン誘導体は、適当なモノマー(例えば、アルコールやアミンなど)と反応させることで、三次元構造を有する高分子や超分子集合体を形成することが可能である。
【0002】
【従来の技術】
アダマンタン骨格にカルボキシル基を有するカルボキシアダマンタンの製造法として、アダマンタン又はその誘導体をイミド系化合物触媒の存在下で一酸化炭素及び酸素と反応させ、アダマンタン骨格にラジカル的にカルボキシル基を導入する方法が知られている(特許文献1参照)。しかし、この方法では、モノカルボキシアダマンタンは高い収率で得られるものの、アダマンタン骨格にカルボキシル基が3つ以上有するアダマンタン誘導体は極めて低い収率でしか得られない。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−239730号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は1,3,5−トリカルボキシアダマンタンなどのポリカルボキシアダマンタン誘導体を収率よく得る方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記目的を達成するため鋭意検討の結果、アダマンタン骨格に、酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基及びカルボキシル基からなる群から選択された置換基を少なくとも3つ有し、且つ酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基を少なくとも1つ有するアダマンタン誘導体を、カルボカチオン形成可能な強酸の存在下で一酸化炭素又はその等価体と反応させると、温和な条件で反応が円滑に進行し、ポリカルボキシアダマンタン誘導体を効率よく製造できることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、下記式(1)
【化3】

Figure 0004266111
(式中、R 1 、R 2 及びR 3 は、同一又は異なって、酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基としてのヒドロキシル基若しくはハロゲン原子、又はカルボキシル基を示し、R 1 〜R 3 のうち少なくとも1つは前記ヒドロキシル基若しくはハロゲン原子である。R 4 は、水素原子、アルキル基、酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基としてのヒドロキシル基若しくはハロゲン原子、又はカルボキシル基を示す)
で表されるアダマンタン誘導体( A1 )を、強酸(B)としての強度が112重量%硫酸当量以上の発煙硫酸の存在下、酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基としてのヒドロキシル基若しくはハロゲン原子のうちカルボキシル基に変換すべき基1モルに対して10モル以上の一酸化炭素又はその等価体(C)と、40℃から60℃の温度範囲で反応させ、下記式(2)
【化4】
Figure 0004266111
(式中、R 5 は、水素原子、アルキル基、酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基としてのヒドロキシル基若しくはハロゲン原子、又はカルボキシル基を示す)
で表されるアダマンタン誘導体を得ることを特徴とするポリカルボキシアダマンタン誘導体の製造法を提供する。
【0008】
なお、本明細書では、アダマンタン骨格に、酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基及びカルボキシル基からなる群から選択された置換基を少なくとも3つ有し、且つ酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基を少なくとも1つ有するアダマンタン誘導体(A)を、強酸(B)の存在下、一酸化炭素又はその等価体(C)と反応させ、前記酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基の少なくとも1つをカルボキシル基に変換して、アダマンタン骨格に少なくとも3つのカルボキシル基を有するアダマンタン誘導体を得ることを特徴とするポリカルボキシアダマンタン誘導体の製造法についても説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において原料として用いるアダマンタン誘導体(A)としては、アダマンタン骨格に、酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基及びカルボキシル基からなる群から選択された置換基を少なくとも3つ有し、且つ酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基を少なくとも1つ有する化合物であれば特に限定されない。
【0010】
酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基には、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、−0Y基(Yは、隣接する炭素原子との結合部位に炭素原子を有する有機基を示す)、酸基、H(ヒドリドとして)などが含まれる。ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。
【0011】
前記Yは隣接する酸素原子とともにエーテルを形成する基である。前記Yにおける有機基として、例えば、置換又は無置換の炭化水素基、置換又は無置換の複素環式基が挙げられる。前記炭化水素基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル基などのアルキル基(C1-4アルキル基等)などの脂肪族炭化水素基;シクロペンチル、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基(C3-10シクロアルキル基等)などの脂環式炭化水素基;フェニル、ナフチル基などの芳香族炭化水素基(C6-15芳香族炭化水素基等);これらが複数個結合した炭化水素基が含まれる。前記複素環式基には、ピリジル基などの含窒素複素環式基、2−フリル基などの含酸素複素環式基、2−チエニル基などの含硫黄複素環式基などが含まれる。複素環式基は、5〜6員の複素環式基、又はこれらが若しくはこれらとベンゼン環等の芳香族炭化水素環が2〜4個縮合した複素環式基であることが多い。前記炭化水素基や複素環式基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、メトキシ基等のC1-4アルコキシ基、メチル基等のC1-4アルキル基、アセチル基等のC1-6アシル基、メトキシカルボニル基等のC1-4アルコキシ−カルボニル基、ニトロ基、シアノ基、置換又は無置換アミノ基(アミノ基、ジメチルアミノ基等)などが挙げられる。Yとしては、アルキル基(C1-4アルキル基等)、芳香族炭化水素基(C6-15芳香族炭化水素基等)が特に好ましい。
【0012】
前記酸基としては、例えば、アセトキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などのカルボン酸基(アシルオキシ基)(例えばC1-7程度のカルボン酸基など);メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基などのスルホン酸基(スルホニルオキシ基);亜硝酸基(−ONO);硝酸基(−ONO2)などが挙げられる。
【0013】
酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基としては、特に、ヒドロキシル基、ハロゲン原子などが好ましい。
【0014】
酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基、カルボキシル基はアダマンタン骨格の橋頭位の炭素原子に結合していてもよく、非橋頭位の炭素原子に結合していてもよい。酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基(例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子等)は、アダマンタン骨格の非橋頭位に結合していても、強酸によってアダマンタン骨格の橋頭位に転位する(第3級カチオンが生成する)ため、該橋頭位にカルボキシル基が導入された生成物が得られる。したがって、アダマンタン誘導体(A)としては、(i)酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基がアダマンタン骨格の橋頭位に結合している化合物、(ii)酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基がアダマンタン骨格の非橋頭位に結合している化合物、及び(iii)これらの混合物の何れを用いることもできる。
【0015】
アダマンタン誘導体(A)には、前記式(1)で表される化合物が含まれる。式(1)中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基(例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子等)又はカルボキシル基を示し、R1〜R3のうち少なくとも1つは酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基である。R4は、水素原子、アルキル基、酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基、又はカルボキシル基を示す。酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基としては、前記と同様のものを使用できる。R4におけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル基などの炭素数1〜12程度のアルキル基(好ましくは、メチル、エチル基などの炭素数1〜4程度のアルキル基)などが挙げられる。
【0016】
アダマンタン誘導体(A)の代表的な例として、1,3−ジカルボキシ−5−ヒドロキシアダマンタン、1,3−ジカルボキシ−5−クロロアダマンタン、1−ブロモ−3,5−ジカルボキシアダマンタン、1−カルボキシ−3,5−ジヒドロキシアダマンタン、1−カルボキシ−3,5−ジクロロアダマンタン、1,3−ジブロモ−5−カルボキシアダマンタン、1,3,5−トリヒドロキシアダマンタン、1,3,5−トリクロロアダマンタン、1,3,5−トリブロモアダマンタン;1,3,5−トリカルボキシ−7−ヒドロキシアダマンタン、1,3,5−トリカルボキシ−7−クロロアダマンタン、1−ブロモ−3,5,7−トリカルボキシアダマンタン、1,3−ジカルボキシ−5,7−ジヒドロキシアダマンタン、1,3−ジカルボキシ−5,7−ジクロロアダマンタン、1,3−ジブロモ−5,7−ジカルボキシアダマンタン、1−カルボキシ−3,5,7−トリヒドロキシアダマンタン、1−カルボキシ−3,5,7−トリクロロアダマンタン、1,3,5−トリブロモ−7−カルボキシアダマンタン、1,3,5,7−テトラヒドロキシアダマンタン、1,3,5,7−テトラクロロアダマンタン、1,3,5,7−テトラブロモアダマンタンなどが挙げられる。これらの化合物は公知の方法若しくはそれに準じた方法、又はそれらの組み合わせにより得ることができる。
【0017】
強酸(B)としては、アダマンタン骨格の橋頭位にカルボカチオンを形成可能な酸であればよく、例えばpKa2以下(25℃)の酸を使用できる。強酸(B)の例として、硫酸、ハロゲン化水素、硝酸(発煙硝酸を含む)、塩酸、超強酸、固体超強酸、固体酸、ヘテロポリ酸などが挙げられる。前記超強酸には、例えば、ブレンステッド酸[ハロゲン化水素(例えば、フッ化水素HFなど)や硫酸H2SO4など]の1つの水酸基を電子吸引性の原子や基で置換したものや、これらのブレンステッド酸にルイス酸(例えば、五フッ化アンチモンSbF5、三酸化硫黄SO3など)を添加したものなどが含まれる。超強酸の具体的な例として、ClSO3H、発煙硫酸(H2SO4−SO3)、FSO3H、FSO3H−SO3、FSO3H−SbF5、HF−SbF5、トリフルオロメタンスルホン酸などが挙げられる。固体超強酸としては、例えば、パーフルオロイオン交換ポリマー(Nafion-H 樹脂)、金属酸化物表面に硫酸イオンを吸着させた金属酸化物超強酸若しくは硫酸担持超強酸(SO4/ZrO2等)などが挙げられる。固体酸には、例えば、酸強度を上げたシリカ、アルミナ、ゼオライトなどが含まれる。また、強酸(B)としてルイス酸を用いることもできる。強酸(B)は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0018】
これらの中でも強酸(B)としては発煙硫酸が好ましく、とりわけ強度が105重量%硫酸当量以上(例えば105〜140重量%硫酸当量)の発煙硫酸が好ましい。特に、強度が112重量%硫酸当量以上(例えば112〜140重量%硫酸当量)の発煙硫酸が好適である。
【0019】
強酸(B)の使用量は、アダマンタン誘導体(A)の種類や強酸(B)の種類によっても異なるが、通常、アダマンタン誘導体(A)1モルに対して5モル以上、好ましくは10モル以上である。強酸(B)を溶媒として大過剰量用いることもできる。
【0020】
一酸化炭素又はその等価体(C)としては、アダマンタン骨格の橋頭位に生成したカルボカチオンと反応してカルボニルカチオン[−(CO)+]を形成可能なものであればよく、一酸化炭素のほか、ギ酸又はその塩などが例示される。一酸化炭素又はその等価体(C)は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0021】
一酸化炭素又はその等価体(C)の使用量は、アダマンタン誘導体(A)のアダマンタン環骨格に結合している酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基のうちカルボキシル基に変換すべき基1モルに対して、1モル以上(例えば、1〜100モル程度)、好ましくは5モル以上(例えば、5〜100モル程度)、さらに好ましくは10モル以上(例えば、10〜100モル程度)である。
【0022】
反応は溶媒の存在下又は非存在下で行われる。反応温度は、アダマンタン誘導体(A)の種類や強酸(B)の種類によっても異なるが、通常0〜100℃、好ましくは30〜80℃、さらに好ましくは40〜60℃の範囲である。反応は常圧下、加圧下、減圧下の何れで行ってもよい。反応時間は、反応温度等によっても異なるが、通常0.5〜20時間、好ましくは2〜10時間程度である。
【0023】
反応は、回分式、半回分式、連続式の何れの方式で行ってもよい。例えば、アダマンタン誘導体(A)を強酸(B)に溶解し、この溶液に、撹拌下で、一酸化炭素又はその等価体(C)を添加又は流通させる方法などが採られる。そして、反応混合液を水と混合し、加水分解することにより目的の、アダマンタン骨格に少なくとも3つのカルボキシル基を有するポリカルボキシアダマンタン誘導体が得られる。例えば、前記式(1)で表されるアダマンタン誘導体(A1)からは、前記式(2)で表されるアダマンタン誘導体が生成する。式(2)中、R5におけるアルキル基、酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基は前記と同様である。
【0024】
反応機構は以下のように考えられる。すなわち、アダマンタン誘導体(A)のアダマンタン骨格の橋頭位のうち酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基が結合している位置[上述のように、酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基が非橋頭位に結合している場合であっても、強酸(B)の作用により橋頭位に転位する]に、強酸(B)の作用によってカルボカチオンが生成し、次いでこれに一酸化炭素又はその等価体(C)が反応してカルボニルカチオンとなり、水によって加水分解されてポリカルボキシアダマンタン誘導体(トリカルボキシアダマンタン誘導体、テトラカルボキシアダマンタン誘導体など)が生成する。
【0025】
反応生成物は、例えば、晶析、濾過、洗浄、再結晶、抽出、カラムクロマトグラフィーなど、又はこれらの組み合わせにより分離精製できる。なお、反応混合物からの晶析及び濾過によって得られる固体中には、反応で用いた強酸(B)が混入する場合がある。その場合には、該固体を、例えば水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液に溶解させ、その後、濃塩酸等の酸によりpHを1程度に調整して再度結晶化させることにより、前記強酸(B)を完全に除去することができる。
【0026】
本発明の方法により得られるポリカルボキシアダマンタン誘導体は、ポリエステルやポリアミドの原料、医薬品や農薬等の精密化学品の合成中間体などとして用いることができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、トリカルボキシアダマンタンなどのポリカルボキシアダマンタン誘導体を収率よく製造できる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例5は参考例として記載する。
【0029】
実施例1
120重量%硫酸当量の発煙硫酸32mlを氷浴中で冷却し、これに粉末状の1,3−ジカルボキシ−5−ヒドロキシアダマンタン24ミリモルを添加し、50℃に加熱しながら撹拌して発煙硫酸に溶解させた。液温が50℃に達した後に、ギ酸360ミリモルを、反応混合液が急激に泡立たないように徐々に滴下した(1時間)。滴下終了後、さらに2時間加熱撹拌した。次いで、反応混合液を氷水にゆっくりと注いで反応中間体を加水分解し、生成した沈殿物を濾過、乾燥することにより1,3,5−トリカルボキシアダマンタンを得た。収率は68%であった。
【0030】
実施例2
120重量%硫酸当量の発煙硫酸307mlを氷浴中で冷却し、これに粉末状の1,3−ジカルボキシ−5−ヒドロキシアダマンタン294ミリモルを添加し、50℃に加熱しながら撹拌して発煙硫酸に溶解させた。液温が50℃に達した後に、ギ酸4.41モルを、反応混合液が急激に泡立たないように徐々に滴下した(4時間)。滴下終了後、さらに1時間加熱撹拌した。次いで、反応混合液を氷水にゆっくりと注いで反応中間体を加水分解し、生成した沈殿物を濾過した。得られた固体に5N−水酸化ナトリウム水溶液を冷却しながら完溶するまで加え、その後、濃塩酸によりpH1まで中和した。生成した固体を濾過後、水で洗浄し、80℃で減圧乾燥することにより、硫酸が完全に除去された1,3,5−トリカルボキシアダマンタンを得た。収率は78%であった。
【0031】
実施例3
120重量%硫酸当量の発煙硫酸16mlを氷浴中で冷却し、これに粉末状の1,3−ジカルボキシ−5−ヒドロキシアダマンタン12ミリモルを添加し、40℃に加熱しながら撹拌して発煙硫酸に溶解させた。液温が40℃に達した後に、ギ酸360ミリモルを、反応混合液が急激に泡立たないように徐々に滴下した(1時間)。滴下終了後、さらに2時間加熱撹拌した。次いで、反応混合液を氷水にゆっくりと注いで反応中間体を加水分解し、生成した沈殿物を濾過、乾燥することにより1,3,5−トリカルボキシアダマンタンを得た。収率は32%であった。
【0032】
実施例4
120重量%硫酸当量の発煙硫酸16mlを氷浴中で冷却し、これに粉末状の1,3−ジカルボキシ−5−ヒドロキシアダマンタン12ミリモルを添加し、60℃に加熱しながら撹拌して発煙硫酸に溶解させた。液温が60℃に達した後に、ギ酸360ミリモルを、反応混合液が急激に泡立たないように徐々に滴下した(1時間)。滴下終了後、さらに2時間加熱撹拌した。次いで、反応混合液を氷水にゆっくりと注いで反応中間体を加水分解し、生成した沈殿物を濾過、乾燥することにより1,3,5−トリカルボキシアダマンタンを得た。収率は51%であった。
【0033】
実施例5
105重量%硫酸当量の発煙硫酸32mlを氷浴中で冷却し、これに粉末状の1,3−ジカルボキシ−5−ヒドロキシアダマンタン24ミリモルを添加し、50℃に加熱しながら撹拌して発煙硫酸に溶解させた。液温が50℃に達した後に、ギ酸360ミリモルを、反応混合液が急激に泡立たないように徐々に滴下した(1時間)。滴下終了後、さらに2時間加熱撹拌した。次いで、反応混合液を氷水にゆっくりと注いで反応中間体を加水分解し、生成した沈殿物を濾過、乾燥することにより1,3,5−トリカルボキシアダマンタンを得た。収率は38%であった。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a process for producing polycarboxyadamantane derivatives (adamantane polycarboxylic acids) useful as raw materials for polyesters and polyamides, synthetic intermediates for fine chemicals such as pharmaceuticals and agricultural chemicals. Polycarboxyadamantane derivatives having three or more polymerizable carboxyl groups such as tricarboxyadamantane (= adamantanetricarboxylic acid) and tetracarboxyadamantane (= adamantanetetracarboxylic acid) are suitable monomers (for example, alcohols). It is possible to form a polymer or supramolecular assembly having a three-dimensional structure by reacting with a compound such as or an amine.
[0002]
[Prior art]
As a method for producing carboxyadamantane having a carboxyl group in the adamantane skeleton, a method in which adamantane or a derivative thereof is reacted with carbon monoxide and oxygen in the presence of an imide compound catalyst to introduce a carboxyl group radically into the adamantane skeleton is known. (See Patent Document 1). However, in this method, monocarboxyadamantane can be obtained in a high yield, but an adamantane derivative having three or more carboxyl groups in the adamantane skeleton can be obtained only in a very low yield.
[0003]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-239730
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a method for obtaining a polycarboxyadamantane derivative such as 1,3,5-tricarboxyadamantane in good yield.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to achieve the above object, the present inventor has at least a substituent selected from the group consisting of a substituent and a carboxyl group capable of generating a carbocation in the adamantane skeleton by elimination with an acid. The adamantane derivative having at least one substituent having at least one substituent capable of generating a carbocation in the adamantane skeleton by elimination with an acid is reacted with carbon monoxide or an equivalent thereof in the presence of a strong acid capable of forming a carbocation. As a result, it was found that the reaction smoothly proceeded under mild conditions, and a polycarboxyadamantane derivative could be produced efficiently, and the present invention was completed.
[0006]
That is, the present invention provides the following formula (1):
[Chemical 3]
Figure 0004266111
(Wherein R 1 , R 2 and R 3 are the same or different and each represents a hydroxyl group or a halogen atom or a carboxyl group as a substituent capable of generating a carbocation in the adamantane skeleton by elimination by an acid; At least one of 1 to R 3 is the hydroxyl group or halogen atom, and R 4 is a hydroxyl group as a substituent capable of generating a carbocation in the adamantane skeleton by elimination with a hydrogen atom, an alkyl group, or an acid. Represents a halogen atom or a carboxyl group)
The in represented by adamantane derivative (A1), a strong acid (B) as strength 112 the presence of wt% sulfuric acid or more equivalents of fuming sulfuric acid, as a product possible substituents carbocations adamantane skeleton eliminated by acid 10 mol or more of carbon monoxide or its equivalent (C) is reacted in a temperature range of 40 ° C. to 60 ° C. with respect to 1 mol of a hydroxyl group or a halogen atom to be converted into a carboxyl group, and the following formula ( 2)
[Formula 4]
Figure 0004266111
(In the formula, R 5 represents a hydrogen atom, an alkyl group, a hydroxyl group or a halogen atom as a substituent capable of generating a carbocation in the adamantane skeleton by elimination with an acid, or a carboxyl group)
A method for producing a polycarboxyadamantane derivative is provided.
[0008]
Note that in this specification, the adamantane skeleton has at least three substituents selected from the group consisting of a substituent and a carboxyl group that can be eliminated by an acid to form a carbocation in the adamantane skeleton, and desorbed by an acid. The adamantane derivative (A) having at least one substituent capable of generating a carbocation in the adamantane skeleton is reacted with carbon monoxide or an equivalent thereof (C) in the presence of a strong acid (B), An adamantane derivative having at least three carboxyl groups in an adamantane skeleton is obtained by converting at least one substituent capable of generating a carbocation in the adamantane skeleton to a carboxyl group, thereby obtaining a polycarboxyadamantane derivative, The manufacturing method is also described.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
As the adamantane derivative (A) used as a raw material in the present invention, at least three substituents selected from the group consisting of a substituent capable of leaving adamantane skeleton and generating a carbocation in the adamantane skeleton and a carboxyl group are added to the adamantane skeleton. The compound is not particularly limited as long as it is a compound having at least one substituent which can be eliminated by an acid and capable of generating a carbocation in the adamantane skeleton.
[0010]
Examples of the substituent capable of generating a carbocation in an adamantane skeleton by elimination with an acid include, for example, a hydroxyl group, a halogen atom, and a -0Y group (Y is an organic group having a carbon atom at a bonding site with an adjacent carbon atom). ), Acid groups, H (as hydrides) and the like. Examples of the halogen atom include a chlorine atom and a bromine atom.
[0011]
Y is a group that forms an ether with an adjacent oxygen atom. Examples of the organic group for Y include a substituted or unsubstituted hydrocarbon group and a substituted or unsubstituted heterocyclic group. Examples of the hydrocarbon group include aliphatic hydrocarbon groups such as alkyl groups such as methyl, ethyl, propyl, isopropyl, butyl, isobutyl, and t-butyl groups (C 1-4 alkyl groups and the like); cyclopentyl, cyclohexyl groups, and the like. Alicyclic hydrocarbon groups such as cycloalkyl groups (C 3-10 cycloalkyl groups, etc.); aromatic hydrocarbon groups such as phenyl and naphthyl groups (C 6-15 aromatic hydrocarbon groups, etc.); Bound hydrocarbon groups are included. The heterocyclic group includes a nitrogen-containing heterocyclic group such as a pyridyl group, an oxygen-containing heterocyclic group such as a 2-furyl group, and a sulfur-containing heterocyclic group such as a 2-thienyl group. The heterocyclic group is often a 5- to 6-membered heterocyclic group or a heterocyclic group in which these or 2-4 condensed aromatic hydrocarbon rings such as a benzene ring are condensed. Examples of the substituent of the hydrocarbon group or the heterocyclic group include a C 1-4 alkoxy group such as a halogen atom, a hydroxyl group, a carboxyl group, and a methoxy group, a C 1-4 alkyl group such as a methyl group, and an acetyl group. And C 1-6 acyl group such as C 1-4 alkoxy-carbonyl group such as methoxycarbonyl group, nitro group, cyano group, substituted or unsubstituted amino group (amino group, dimethylamino group etc.) and the like. Y is particularly preferably an alkyl group (C 1-4 alkyl group or the like) or an aromatic hydrocarbon group (C 6-15 aromatic hydrocarbon group or the like).
[0012]
Examples of the acid group include a carboxylic acid group (acyloxy group) such as an acetoxy group, a trifluoroacetyloxy group, a propionyloxy group, and a benzoyloxy group (for example, a C 1-7 carboxylic acid group); Sulfonic acid groups (sulfonyloxy group) such as a group, trifluoromethanesulfonyloxy group, p-toluenesulfonyloxy group; nitrite group (—ONO); nitrate group (—ONO 2 ) and the like.
[0013]
As the substituent that can be eliminated by an acid to form a carbocation in the adamantane skeleton, a hydroxyl group, a halogen atom, or the like is particularly preferable.
[0014]
The substituent that can be eliminated by an acid to form a carbocation in the adamantane skeleton, or the carboxyl group, may be bonded to the carbon atom at the bridge head position of the adamantane skeleton, or may be bonded to the carbon atom at the non-bridge head position. Substituents that can be eliminated by acid to generate carbocations in the adamantane skeleton (for example, hydroxyl groups, halogen atoms, etc.) are transferred to the bridge head position of the adamantane skeleton by strong acid, even if they are bonded to the non-bridge head position of the adamantane skeleton Thus (a tertiary cation is generated), a product having a carboxyl group introduced at the bridgehead position is obtained. Therefore, as the adamantane derivative (A), (i) a compound in which a substituent capable of generating a carbocation on the adamantane skeleton by bonding with an acid is bonded to the bridge head position of the adamantane skeleton, (ii) Any of a compound in which a substituent capable of generating a carbocation in the adamantane skeleton is bonded to a non-bridge head position of the adamantane skeleton, and (iii) a mixture thereof can be used.
[0015]
The adamantane derivative (A) includes the compound represented by the formula (1). In the formula (1), R 1 , R 2 and R 3 are the same or different and can be eliminated by an acid to form a carbocation in the adamantane skeleton (for example, a hydroxyl group, a halogen atom, etc.) or a carboxyl group Wherein at least one of R 1 to R 3 is a substituent capable of generating a carbocation in the adamantane skeleton upon elimination by an acid. R 4 represents a hydrogen atom, an alkyl group, a substituent capable of generating a carbocation in the adamantane skeleton by elimination with an acid, or a carboxyl group. As the substituent capable of generating a carbocation in the adamantane skeleton by elimination with an acid, the same substituents as described above can be used. Examples of the alkyl group in R 4 include alkyl groups having about 1 to 12 carbon atoms such as methyl, ethyl, propyl, isopropyl, butyl, isobutyl, t-butyl, hexyl, octyl, decyl, and dodecyl groups (preferably methyl And an alkyl group having about 1 to 4 carbon atoms such as an ethyl group).
[0016]
Representative examples of the adamantane derivative (A) include 1,3-dicarboxy-5-hydroxyadamantane, 1,3-dicarboxy-5-chloroadamantane, 1-bromo-3,5-dicarboxyadamantane, 1- Carboxy-3,5-dihydroxyadamantane, 1-carboxy-3,5-dichloroadamantane, 1,3-dibromo-5-carboxyadamantane, 1,3,5-trihydroxyadamantane, 1,3,5-trichloroadamantane, 1,3,5-tribromoadamantane; 1,3,5-tricarboxy-7-hydroxyadamantane, 1,3,5-tricarboxy-7-chloroadamantane, 1-bromo-3,5,7-tricarboxy Adamantane, 1,3-dicarboxy-5,7-dihydroxyadamantane, 1,3-di Ruboxy-5,7-dichloroadamantane, 1,3-dibromo-5,7-dicarboxyadamantane, 1-carboxy-3,5,7-trihydroxyadamantane, 1-carboxy-3,5,7-trichloroadamantane, 1,3,5-tribromo-7-carboxyadamantane, 1,3,5,7-tetrahydroxyadamantane, 1,3,5,7-tetrachloroadamantane, 1,3,5,7-tetrabromoadamantane, etc. Can be mentioned. These compounds can be obtained by a known method or a method analogous thereto, or a combination thereof.
[0017]
The strong acid (B) may be any acid that can form a carbocation at the bridge head position of the adamantane skeleton. For example, an acid having a pKa of 2 or lower (25 ° C.) can be used. Examples of the strong acid (B) include sulfuric acid, hydrogen halide, nitric acid (including fuming nitric acid), hydrochloric acid, super strong acid, solid super strong acid, solid acid, heteropoly acid and the like. Examples of the super strong acid include those obtained by substituting one hydroxyl group of Bronsted acid [hydrogen halide (eg, hydrogen fluoride HF, etc.) or sulfuric acid H 2 SO 4 etc.] with an electron-withdrawing atom or group, Examples include those obtained by adding a Lewis acid (for example, antimony pentafluoride SbF 5 , sulfur trioxide SO 3, etc.) to these Bronsted acids. Specific examples of super strong acids include ClSO 3 H, fuming sulfuric acid (H 2 SO 4 —SO 3 ), FSO 3 H, FSO 3 H—SO 3 , FSO 3 H—SbF 5 , HF—SbF 5 , trifluoromethane. Examples thereof include sulfonic acid. Examples of solid superacids include perfluoro ion exchange polymers (Nafion-H resin), metal oxide superacids with sulfate ions adsorbed on the metal oxide surface, or sulfuric acid-supported superacids (SO 4 / ZrO 2 etc.) Is mentioned. The solid acid includes, for example, silica, alumina, zeolite and the like having increased acid strength. A Lewis acid can also be used as the strong acid (B). The strong acid (B) can be used alone or in combination of two or more.
[0018]
Among these, as the strong acid (B), fuming sulfuric acid is preferable, and fuming sulfuric acid having a strength of 105 wt% sulfuric acid equivalent or more (for example, 105 to 140 wt% sulfuric acid equivalent) is particularly preferable. In particular, fuming sulfuric acid having a strength of 112 wt% sulfuric acid equivalent or more (for example, 112 to 140 wt% sulfuric acid equivalent) is suitable.
[0019]
The amount of the strong acid (B) used varies depending on the type of the adamantane derivative (A) and the type of the strong acid (B), but is usually 5 mol or more, preferably 10 mol or more with respect to 1 mol of the adamantane derivative (A). is there. A large excess amount of the strong acid (B) can also be used as a solvent.
[0020]
Carbon monoxide or its equivalent (C) may be any carbon monoxide as long as it can react with a carbocation formed at the bridge head position of the adamantane skeleton to form a carbonyl cation [— (CO) + ]. In addition, formic acid or a salt thereof is exemplified. Carbon monoxide or its equivalent (C) can be used alone or in combination of two or more.
[0021]
The amount of carbon monoxide or its equivalent (C) used is the carboxyl group among the substituents that can be eliminated by an acid bonded to the adamantane ring skeleton of the adamantane derivative (A) to generate a carbocation in the adamantane skeleton. 1 mol or more (for example, about 1 to 100 mol), preferably 5 mol or more (for example, about 5 to 100 mol), more preferably 10 mol or more (for example, 10 to 100 mol) with respect to 1 mol of the group to be converted. About a mole).
[0022]
The reaction is carried out in the presence or absence of a solvent. Although reaction temperature changes also with the kind of adamantane derivative (A) and the kind of strong acid (B), it is 0-100 degreeC normally, Preferably it is 30-80 degreeC, More preferably, it is the range of 40-60 degreeC. The reaction may be performed under normal pressure, increased pressure, or reduced pressure. The reaction time varies depending on the reaction temperature and the like, but is usually 0.5 to 20 hours, preferably about 2 to 10 hours.
[0023]
The reaction may be carried out by any of batch, semi-batch and continuous methods. For example, a method of dissolving the adamantane derivative (A) in the strong acid (B) and adding or circulating carbon monoxide or an equivalent thereof (C) to the solution under stirring is employed. The target polycarboxyadamantane derivative having at least three carboxyl groups in the adamantane skeleton is obtained by mixing the reaction mixture with water and hydrolyzing the mixture. For example, an adamantane derivative represented by the formula (2) is produced from the adamantane derivative (A1) represented by the formula (1). In formula (2), the alkyl group in R 5 and the substituent capable of generating a carbocation in the adamantane skeleton by elimination with an acid are the same as described above.
[0024]
The reaction mechanism is considered as follows. That is, in the bridge head position of the adamantane skeleton of the adamantane derivative (A), a position at which a substituent capable of generating a carbocation is bonded to the adamantane skeleton by being eliminated by an acid [as described above, the adamantane skeleton is eliminated by an acid. Even when a substituent capable of generating a carbocation is bonded to a non-bridgehead position, it is rearranged to the bridgehead position by the action of a strong acid (B)], and a carbocation is formed by the action of a strong acid (B). Then, this is reacted with carbon monoxide or its equivalent (C) to become a carbonyl cation, which is hydrolyzed with water to produce a polycarboxyadamantane derivative (such as a tricarboxyadamantane derivative or a tetracarboxyadamantane derivative).
[0025]
The reaction product can be separated and purified by, for example, crystallization, filtration, washing, recrystallization, extraction, column chromatography, or a combination thereof. In addition, the strong acid (B) used by reaction may mix in the solid obtained by crystallization and filtration from a reaction mixture. In that case, the strong acid (B) is obtained by dissolving the solid in an alkaline aqueous solution such as an aqueous sodium hydroxide solution, and then adjusting the pH to about 1 with an acid such as concentrated hydrochloric acid and recrystallization. Can be completely removed.
[0026]
The polycarboxyadamantane derivative obtained by the method of the present invention can be used as a raw material for polyester and polyamide, a synthetic intermediate for fine chemicals such as pharmaceuticals and agricultural chemicals, and the like.
[0027]
【The invention's effect】
According to the present invention, polycarboxyadamantane derivatives such as tricarboxyadamantane can be produced with high yield.
[0028]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated in detail based on an Example, this invention is not limited by these Examples. In addition, Example 5 is described as a reference example.
[0029]
Example 1
32 ml of fuming sulfuric acid equivalent to 120% by weight sulfuric acid was cooled in an ice bath, 24 mmol of 1,3-dicarboxy-5-hydroxyadamantane in powder form was added thereto, and the mixture was stirred while heating to 50 ° C. to give fuming sulfuric acid. Dissolved in. After the liquid temperature reached 50 ° C., 360 mmol of formic acid was gradually added dropwise (1 hour) so that the reaction mixture did not rapidly bubble. After completion of the dropwise addition, the mixture was further stirred with heating for 2 hours. Next, the reaction mixture was slowly poured into ice water to hydrolyze the reaction intermediate, and the resulting precipitate was filtered and dried to obtain 1,3,5-tricarboxyadamantane. The yield was 68%.
[0030]
Example 2
307 ml of fuming sulfuric acid having an equivalent weight of 120% by weight of sulfuric acid was cooled in an ice bath, 294 mmol of powdered 1,3-dicarboxy-5-hydroxyadamantane was added thereto, and the mixture was stirred while heating to 50 ° C. to produce fuming sulfuric acid. Dissolved in. After the liquid temperature reached 50 ° C., 4.41 mol of formic acid was gradually added dropwise (4 hours) so that the reaction mixture did not rapidly bubble. After completion of the dropwise addition, the mixture was further stirred with heating for 1 hour. Then, the reaction mixture was slowly poured into ice water to hydrolyze the reaction intermediate, and the generated precipitate was filtered. A 5N aqueous sodium hydroxide solution was added to the obtained solid until it was completely dissolved while cooling, and then neutralized to pH 1 with concentrated hydrochloric acid. The produced solid was filtered, washed with water, and dried under reduced pressure at 80 ° C. to obtain 1,3,5-tricarboxyadamantane from which sulfuric acid was completely removed. The yield was 78%.
[0031]
Example 3
16 ml of fuming sulfuric acid having an equivalent weight of 120% by weight of sulfuric acid was cooled in an ice bath, and 12 mmol of powdered 1,3-dicarboxy-5-hydroxyadamantane was added thereto and stirred while heating to 40 ° C. to produce fuming sulfuric acid. Dissolved in. After the liquid temperature reached 40 ° C., 360 mmol of formic acid was gradually added dropwise (1 hour) so that the reaction mixture did not bubble rapidly. After completion of the dropwise addition, the mixture was further stirred with heating for 2 hours. Next, the reaction mixture was slowly poured into ice water to hydrolyze the reaction intermediate, and the resulting precipitate was filtered and dried to obtain 1,3,5-tricarboxyadamantane. The yield was 32%.
[0032]
Example 4
16 ml of fuming sulfuric acid equivalent to 120% by weight sulfuric acid was cooled in an ice bath, and 12 mmol of powdered 1,3-dicarboxy-5-hydroxyadamantane was added thereto and stirred while heating to 60 ° C. to produce fuming sulfuric acid. Dissolved in. After the liquid temperature reached 60 ° C., 360 mmol of formic acid was gradually added dropwise (1 hour) so that the reaction mixture did not bubble rapidly. After completion of the dropwise addition, the mixture was further stirred with heating for 2 hours. Next, the reaction mixture was slowly poured into ice water to hydrolyze the reaction intermediate, and the resulting precipitate was filtered and dried to obtain 1,3,5-tricarboxyadamantane. The yield was 51%.
[0033]
Example 5
32 ml of fuming sulfuric acid equivalent to 105% by weight sulfuric acid was cooled in an ice bath, 24 mmol of powdered 1,3-dicarboxy-5-hydroxyadamantane was added thereto, and the mixture was stirred while heating to 50 ° C. to give fuming sulfuric acid. Dissolved in. After the liquid temperature reached 50 ° C., 360 mmol of formic acid was gradually added dropwise (1 hour) so that the reaction mixture did not rapidly bubble. After completion of the dropwise addition, the mixture was further stirred with heating for 2 hours. Subsequently, the reaction mixture was slowly poured into ice water to hydrolyze the reaction intermediate, and the resulting precipitate was filtered and dried to obtain 1,3,5-tricarboxyadamantane. The yield was 38%.

Claims (1)

下記式(1)Following formula (1)
Figure 0004266111
Figure 0004266111
(式中、R(Wherein R 11 、R, R 22 及びRAnd R 3Three は、同一又は異なって、酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基としてのヒドロキシル基若しくはハロゲン原子、又はカルボキシル基を示し、RAre the same or different and each represents a hydroxyl group or a halogen atom, or a carboxyl group as a substituent capable of being eliminated by an acid to form a carbocation in the adamantane skeleton; 11 〜R~ R 3Three のうち少なくとも1つは前記ヒドロキシル基若しくはハロゲン原子である。RAt least one of them is the hydroxyl group or a halogen atom. R 4Four は、水素原子、アルキル基、酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基としてのヒドロキシル基若しくはハロゲン原子、又はカルボキシル基を示す)Represents a hydroxyl group, a halogen atom, or a carboxyl group as a substituent that can be eliminated by a hydrogen atom, an alkyl group, an acid to generate a carbocation in the adamantane skeleton)
で表されるアダマンタン誘導体(Adamantane derivatives represented by ( A1A1 )を、強酸(B)としての強度が112重量%硫酸当量以上の発煙硫酸の存在下、酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基としてのヒドロキシル基若しくはハロゲン原子のうちカルボキシル基に変換すべき基1モルに対して10モル以上の一酸化炭素又はその等価体(C)と、40℃から60℃の温度範囲で反応させ、下記式(2)) In the presence of fuming sulfuric acid having a strength of 112 wt% sulfuric acid equivalent or more as a strong acid (B), a hydroxyl group as a substituent which can generate a carbocation in the adamantane skeleton or a carboxyl group among halogen atoms. 10 mol or more of carbon monoxide or its equivalent (C) is reacted in a temperature range of 40 ° C. to 60 ° C. with respect to 1 mol of the group to be converted into a group, and the following formula (2)
Figure 0004266111
Figure 0004266111
(式中、R(Wherein R 5Five は、水素原子、アルキル基、酸により脱離してアダマンタン骨格にカルボカチオンを生成可能な置換基としてのヒドロキシル基若しくはハロゲン原子、又はカルボキシル基を示す)Represents a hydroxyl group, a halogen atom, or a carboxyl group as a substituent that can be eliminated by a hydrogen atom, an alkyl group, an acid to generate a carbocation in the adamantane skeleton)
で表されるアダマンタン誘導体を得ることを特徴とするポリカルボキシアダマンタン誘導体の製造法。A process for producing a polycarboxyadamantane derivative characterized in that an adamantane derivative represented by the formula:
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