JP4264983B2 - Variable valve timing control device for internal combustion engine - Google Patents
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Description
本発明は、可変バルブタイミング装置を備えた内燃機関において、クランク軸に対するカム軸の回転位相(以下「カム軸位相」という)をその調整可能範囲の略中間のロック位置でロックするロック機構を備えた内燃機関の可変バルブタイミング制御装置に関するものである。 The present invention includes an internal combustion engine having a variable valve timing device, and a lock mechanism that locks a rotational phase of a camshaft with respect to a crankshaft (hereinafter referred to as “camshaft phase”) at a lock position that is substantially in the middle of the adjustable range. The present invention relates to a variable valve timing control device for an internal combustion engine.
近年、車両に搭載される内燃機関においては、出力向上、燃費節減、排気エミッション低減を目的として、可変バルブタイミング制御装置を採用したものが増加しつつある。例えば、ベーン方式の可変バルブタイミング制御装置の基本的な構成は、図15に示すように、エンジンのクランク軸に同期して回転するハウジング1と、吸気(又は排気)バルブのカム軸に連結されたロータ2とを同軸状に配置し、ハウジング1に形成された流体室3をロータ2に設けられたベーン4で進角室5と遅角室6とに区画する。そして、進角室5と遅角室6の油圧を油圧制御弁で制御してハウジング1とロータ2(ベーン4)とを相対回動させることで、クランク軸に対するカム軸の回転位相(カム軸位相)を変化させて、バルブタイミングを可変制御するようにしている。
In recent years, an increasing number of internal combustion engines mounted on vehicles adopt a variable valve timing control device for the purpose of improving output, reducing fuel consumption, and reducing exhaust emissions. For example, as shown in FIG. 15, the basic configuration of a vane type variable valve timing control device is connected to a
従来のベーン方式の可変バルブタイミング制御装置は、始動時のベーン4の振動による騒音を防止するために、エンジン停止時(油圧低下時)に、カム軸位相を最も遅角させた最遅角位相で、ハウジング1とロータ2(ベーン4)との相対回動をロックピン7でロックするようにしている。従って、始動時には、最遅角位相で始動することになるため、最遅角位相は、始動に適した位相に設定されている。
The conventional variable valve timing control device of the vane system is the most retarded angle phase in which the camshaft phase is most retarded when the engine is stopped (when the hydraulic pressure is lowered) in order to prevent noise caused by the vibration of the vane 4 at the start. Thus, the relative rotation between the
しかしながら、この構成では、最遅角位相が始動時の位相(ロック位置)で制限されてしまうため、バルブタイミング(カム軸位相)の調整可能範囲がロック位置で制限されてしまい、バルブタイミングの調整可能範囲が狭いという欠点がある。 However, in this configuration, since the most retarded angle phase is limited by the phase (lock position) at the start, the adjustable range of the valve timing (cam shaft phase) is limited by the lock position, and the valve timing is adjusted. There is a disadvantage that the possible range is narrow.
そこで、特許文献1(特開平9−324613号公報)に示すように、エンジン停止時のロック位置をカム軸位相の調整可能範囲の略中間位置に設定することで、バルブタイミング(カム軸位相)の調整可能範囲を拡大することが提案されている。
しかし、ロック位置は、製造誤差等により固体差(ばらつき)がある。また、ロック解除制御中には、ロックピン7にロック解除方向の油圧をかけるが、ロック位置の製造ばらつきや油圧制御弁の製造ばらつき等によってロック解除制御時の油圧が必ずしもロック解除に適した油圧とはならず、ロック解除が遅れてバルブタイミングの制御に悪影響を及ぼすという問題があった。
However, the lock position has individual differences (variations) due to manufacturing errors and the like. Further, during the unlocking control, a hydraulic pressure in the unlocking direction is applied to the
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、本発明の目的は、油圧制御弁のロック解除制御時の制御量を適正化して、速やかにロック解除できるようにすることである。 The present invention has been made in view of such circumstances, and an object of the present invention is to optimize the control amount at the time of unlocking control of the hydraulic control valve so that the unlocking can be performed promptly. .
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関のクランク軸に対するカム軸の回転位相(以下「カム軸位相」という)を変化させてバルブタイミングを可変する可変バルブタイミング装置を設け、この可変バルブタイミング装置には、可変バルブタイミング制御を行わない時に前記カム軸位相をその調整可能範囲の略中間のロック位置でロックするロック機構を設け、このロック機構及び前記可変バルブタイミング装置を駆動する油圧を油圧制御弁で制御する内燃機関の可変バルブタイミング制御装置において、前記油圧制御弁を前記ロック機構をロック解除させるように制御するロック解除制御中に、油圧制御弁の制御量(以下「ロック解除制御量」という)をロック解除学習手段により学習し続け、ロック解除した時に前記ロック解除制御量の学習値の更新を中止し、学習を終了するようにしたものである。このようにすれば、ロック位置の製造ばらつきや油圧制御弁の製造ばらつき等が大きくても、個々のシステムの特性に合わせて油圧制御弁のロック解除制御量を適正化することができ、ロック解除性能を向上することができる。
In order to achieve the above object, an invention according to
この場合、請求項2のように、ロック解除制御中にロック解除できない時に油圧制御弁のロック解除制御量をロック解除しやすい方向に補正すると良い。このようにすれば、ロック解除をより確実に行うことができる。
In this case, as in
更に、請求項3のように、ロック解除制御中に油圧制御弁のロック解除制御量を補正してもロック解除できない時にロック解除不良(ロック固着)と判定すると共に、ロック解除不良と判定された時には、ロック解除制御量の学習を中止して該ロック解除制御量の学習値を初期値又は前回のロック解除制御時の学習値に設定するようにしても良い。このようにすれば、ロック解除制御量の誤学習を防止できると共に、新たなセンサ等を付加することなく、ロック解除不良を検出することができる。
Further, as in
この場合、請求項4のように、ロック解除不良(ロック固着)と判定した時にロック状態を保持するように制御すると良い。このようにすれば、ロック解除不良が発生した時に無駄な油圧フィードバック制御を行わずに済むと共に、カム軸位相をロック位置に固定した状態で、それに応じた運転を行うことができる。 In this case, as in the fourth aspect of the invention, it is preferable to perform control so that the locked state is maintained when it is determined that the lock release is defective (lock lock). In this way, it is not necessary to perform useless hydraulic feedback control when an unlock failure occurs, and it is possible to perform an operation corresponding to the camshaft phase fixed at the lock position.
この場合、請求項5のように、ロック解除制御中に油圧制御弁のロック解除制御量の補正を所定回数以上繰り返した時、又は、該ロック解除制御量が所定範囲から外れた時に、ロック解除不良と判定するようにすると良い。このようにすれば、ロック解除不良が検出された時点で、ロック解除制御量の補正を中止することができ、無駄な補正を行わずに済む。
In this case, as described in
更に、請求項6のように、ロック解除不良と判定した時にロック解除制御量の学習値を初期値(例えば設計中央値)又は前回のロック解除制御時の学習値に設定するようにすると良い。これにより、ロック解除不良時のロック解除制御量の学習値を適正値に戻すことができ、ロック解除制御量の誤学習を防止できる。 Further, as described in claim 6, when it is determined that the unlocking is defective, the learning value of the unlocking control amount may be set to an initial value (for example, a design median value) or a learning value at the previous unlocking control. Thereby, the learning value of the unlocking control amount at the time of unlocking failure can be returned to an appropriate value, and erroneous learning of the unlocking control amount can be prevented.
また、請求項7のように、ロック解除制御中にロック解除できない時に油圧制御弁に供給する油圧が高い運転領域で再度ロック解除制御を行うようにすると良い。つまり、油圧制御弁に供給する油圧が高い運転領域で再度ロック解除制御を行えば、ロック機構に作用させるロック解除方向の油圧を大きくすることができ、ロック解除の抵抗力が少し重くなっている程度であれば、ロック解除することができる。 Further, as in the seventh aspect, when the unlocking cannot be performed during the unlocking control, the unlocking control may be performed again in an operation region where the hydraulic pressure supplied to the hydraulic control valve is high. In other words, if the unlock control is performed again in the operating region where the hydraulic pressure supplied to the hydraulic control valve is high, the hydraulic pressure in the unlocking direction applied to the lock mechanism can be increased, and the resistance force for unlocking is slightly increased. If it is, it can be unlocked.
以下、本発明を吸気バルブの可変バルブタイミング制御装置に適用した一実施形態を図1乃至図14に基づいて説明する。図1に示すように、内燃機関であるDOHCエンジン11は、クランク軸12からの動力がタイミングチェーン13により各スプロケット14,15を介して吸気側カム軸16と排気側カム軸17とに伝達されるようになっている。但し、吸気側カム軸16には、クランク軸12に対する吸気側カム軸16の進角量を調整する可変バルブタイミング装置18が設けられている。
Hereinafter, an embodiment in which the present invention is applied to an intake valve variable valve timing control apparatus will be described with reference to FIGS. As shown in FIG. 1, in the
また、吸気側カム軸16の外周側には、気筒判別のために複数のカム角でカム角信号を出力するカム角センサ19が設置され、一方、クランク軸12の外周側には、所定のクランク角毎にクランク角信号を出力するクランク角センサ20が設置されている。これらカム角センサ19及びクランク角センサ20の出力信号は、エンジン制御回路21に入力され、このエンジン制御回路21によって吸気バルブの実バルブタイミングが演算されると共に、クランク角センサ20の出力パルスの周波数からエンジン回転速度が演算される。また、エンジン運転状態を検出する各種センサ(吸気圧センサ22、水温センサ23、スロットルセンサ24等)の出力信号がエンジン制御回路21に入力される。
A
このエンジン制御回路21は、これら各種の入力信号に基づいて燃料噴射制御や点火制御を行うと共に、可変バルブタイミング制御を行い、吸気バルブの実バルブタイミング(吸気側カム軸16の実進角量)を目標バルブタイミング(目標進角量)に一致させるように可変バルブタイミング装置18をフィードバック制御する。この可変バルブタイミング装置18の油圧制御回路には、オイルパン27内のオイルがオイルポンプ28により油圧制御弁29を介して供給され、その油圧を油圧制御弁29によって制御することで、吸気バルブの実バルブタイミングが制御される。
The
次に、図2乃至図7に基づいて中間ロック機構付きの可変バルブタイミング装置18の構成を説明する。可変バルブタイミング装置18のハウジング31は、吸気側カム軸16の外周に回動自在に支持されたスプロケット14にボルト32で締め付け固定されている。これにより、クランク軸12の回転がタイミングチェーン13を介してスプロケット14とハウジング31に伝達され、スプロケット14とハウジング31がクランク軸12と同期して回転する。
Next, the configuration of the variable
一方、吸気側カム軸16は、シリンダヘッド33とベアリングキャップ34により回転可能に支持され、この吸気側カム軸16の一端部に、ロータ35がストッパ36を介してボルト37で締め付け固定されている。このロータ35は、ハウジング31内に相対回動自在に収納されている。
On the other hand, the
図3及び図4に示すように、ハウジング31の内部には、複数の流体室40が形成され、各流体室40が、ロータ35の外周部に形成されたベーン41によって進角室42と遅角室43とに区画されている。そして、ロータ35の外周部とベーン41の外周部には、それぞれシール部材44が装着され、各シール部材44が板ばね45(図2参照)によって外周方向に付勢されている。これにより、ロータ35の外周面とハウジング31の内周面との隙間及びベーン41の外周面と流体室40の内周面との隙間がシール部材44でシールされている。
As shown in FIGS. 3 and 4, a plurality of
図2に示すように、吸気側カム軸16の外周部に形成された環状の進角溝46と遅角溝47が、それぞれ油圧制御弁29の所定ポートに接続され、エンジン11の動力でオイルポンプ28が駆動されることにより、オイルパン27から汲み上げたオイルが油圧制御弁29を介して進角溝46や遅角溝47に供給される。進角溝46に接続された進角油路48は、吸気側カム軸16の内部を貫通してロータ35の左側面に形成された円弧状進角油路49(図3参照)に連通するように形成され、この円弧状進角油路49が各進角室42に連通している。一方、遅角溝47に接続された遅角油路50は、吸気側カム軸16の内部を貫通してロータ35の右側面に形成された円弧状遅角油路51(図4参照)に連通するように形成され、この円弧状遅角油路51が各遅角室43に連通している。
As shown in FIG. 2, an
油圧制御弁29は、ソレノイド53とスプリング54で弁体を駆動する4ポート3位置切換弁であり、弁体の位置を、進角室42に油圧を供給する位置と、遅角室43に油圧を供給する位置と、進角室42と遅角室43のいずれにも油圧を供給しない位置との間で切り換えるようになっている。ソレノイド53の通電停止時には、スプリング54によって弁体が進角室42に油圧を供給する位置に自動的に切り換えられ、カム軸位相を進角させる方向に油圧が働くようになっている。
The
進角室42と遅角室43に所定圧以上の油圧が供給された状態では、進角室42と遅角室43の油圧でベーン41が固定されて、クランク軸12の回転によるハウジング31の回転がオイルを介してロータ35(ベーン41)に伝達され、ロータ35と一体的に吸気側カム軸16が回転駆動される。エンジン運転中は、進角室42と遅角室43の油圧を油圧制御弁29で制御してハウジング31とロータ35(ベーン41)とを相対回動させることで、クランク軸12に対する吸気側カム軸16の回転位相(以下「カム軸位相」という)を制御して吸気バルブのバルブタイミングを可変する。尚、スプロケット14には、進角制御時にロータ35を進角方向に相対回動させる油圧力をばね力で補助するねじりコイルばね55(図2参照)が収容されている。
In a state where the hydraulic pressure higher than a predetermined pressure is supplied to the
また、図3及び図4に示すように、いずれか1つのベーン41の両側部には、ハウジング31に対するロータ35(ベーン41)の相対回動範囲を規制するストッパ部56が形成され、このストッパ部56によってカム軸位相の最遅角位相と最進角位相が規制されている。更に、他のベーン41に形成されたロックピン収容孔57には、ハウジング31とロータ35(ベーン41)との相対回動をロックするためのロックピン58が収容され、このロックピン58がハウジング31に設けられたロック穴59(図2参照)に嵌り込むことで、カム軸位相がその調整可能範囲の略中間位置(ロック位置)でロックされる。このロック位置は、始動に適した位置に設定されている。
Further, as shown in FIGS. 3 and 4,
図6及び図7に示すように、ロックピン58は、ロックピン収容孔57の内周に嵌合された円筒部材61内に摺動可能に挿入され、スプリング62によってロック方向(突出方向)に付勢されている。また、ロックピン58の中央外周部に形成された弁部63によって、円筒部材61とロックピン58との隙間が、ロック油圧室64とロック解除保持用の油圧室65とに区画されている。そして、ロック油圧室64とロック解除保持用の油圧室65に進角室42から油圧を供給するために、ベーン41には、進角室42に連通するロック油路66とロック解除保持用の油路67が形成されている。また、ハウジング31には、ロック穴59と遅角室43とを連通するロック解除油路68が形成されている。
As shown in FIGS. 6 and 7, the
図6に示すように、ロックピン58のロック時には、ロックピン58の弁部63がロック解除保持用の油路67を塞いで、ロック油路66をロック油圧室64に連通させた状態となる。これにより、進角室42からロック油圧室64に油圧が供給され、この油圧とスプリング62によってロックピン58がロック穴59に嵌まり込んだ状態に保持され、カム軸位相がロック位置でロックされる。
As shown in FIG. 6, when the
エンジン停止中は、ロック油圧室64の油圧(進角室42の油圧)が低下するが、スプリング62によってロックピン58がロック位置に保持される。従って、エンジン始動は、ロックピン58がロック位置に保持された状態で行われ、エンジン始動後に、オイルポンプ28の吐出圧がある程度上昇した時点で、ロック解除制御が行われる。このロック解除制御により、ロック穴59の油圧(遅角室43の油圧)が高くなると、その油圧によって次のようにしてロックピン58のロックが解除される。エンジン始動後のロック解除制御により、遅角室43からロック解除油路68を通してロック穴59に供給される油圧(ロック解除方向の力)が、ロック油圧室64の油圧(進角室42の油圧)とスプリング62のばね力との合力(ロック方向の力)よりも大きくなると、ロック穴59の油圧によってロックピン58がロック穴59から押し出されて図7のロック解除位置に移動し、ロックピン58のロックが解除される。
While the engine is stopped, the hydraulic pressure in the lock hydraulic chamber 64 (the hydraulic pressure in the advance chamber 42) decreases, but the
このロック解除状態では、図7に示すように、ロックピン58の弁部63がロック油路66を塞いで、ロック解除保持用の油路67をロック解除保持用の油圧室65に連通させた状態となる。これにより、進角室42からロック解除保持用の油圧室65に油圧が供給され、このロック解除保持用の油圧室65の油圧(進角室42の油圧)とロック穴59の油圧(遅角室43の油圧)とによってロックピン58がスプリング62に抗してロック解除位置に保持される。
In this unlocked state, as shown in FIG. 7, the
エンジン運転中は、進角室42と遅角室43のいずれかの油圧が高くなっているため、その油圧でロックピン58がロック解除位置に保持され、ハウジング31とロータ35とが相対回動可能な状態(つまり可変バルブタイミング制御が可能な状態)に保持される。
During engine operation, the hydraulic pressure of either the
エンジン運転中は、エンジン制御回路21は、クランク角センサ20及びカム角センサ19の出力信号に基づいて吸気バルブの実バルブタイミング(吸気側カム軸16の実カム軸位相)を演算すると共に、吸気圧センサ22、水温センサ23等のエンジン運転状態を検出する各種センサの出力に基づいて吸気バルブの目標バルブタイミング(吸気側カム軸17の目標カム軸位相)を演算する。そして、吸気バルブの実バルブタイミングを目標バルブタイミングに一致させるように可変バルブタイミング装置18の油圧制御弁29をフィードバック制御する。これにより、進角室42と遅角室43の油圧を制御してハウジング31とロータ35とを相対回動させることで、カム軸位相を変化させて吸気バルブの実バルブタイミングを目標バルブタイミングに一致させる。
During engine operation, the
その後、エンジン11を停止させる際に、エンジン回転速度が低下すると、オイルポンプ28の吐出圧が低下するため、進角室42や遅角室43の油圧が低下してくる。これにより、ロック解除保持用の油圧室65の油圧(進角室42の油圧)とロック穴59の油圧(遅角室43の油圧)が低下して、スプリング62のばね力がこれらの油圧に打ち勝つようになると、スプリング62のばね力によってロックピン58が突出してロック穴59に嵌まり込むようになる。但し、ロックピン58がロック穴59に嵌まり込むには、両者の位置が一致していること、つまり、カム軸位相がロック位置に一致していることが条件となる。
After that, when the
エンジン11が停止する際には、エンジン回転速度(オイルポンプ28の回転速度)が低下して油圧が低下するため、カム軸16の負荷トルクによりカム軸位相が自然に遅角側に変化していき、その過程で、図6に示すように、ロックピン58をロック穴59に嵌まり込ませて、カム軸位相をロック位置でロックする。しかし、エンジン11が停止する際に、既にカム軸位相がロック位置よりも遅角側にあると、油圧低下によりカム軸位相が遅角側に変化していっても、ロックピン58がロック穴59に到達しないため、カム軸位相をロック位置でロックできない。
When the
そこで、エンジン制御回路21は、エンジン停止時等、カム軸位相をロック位置でロックさせる必要がある時に、カム軸位相をロックのために進角させるように油圧制御弁29を制御する(以下、この制御を「ロック制御」という)。ロック制御中は、油圧制御弁29のソレノイド53の通電を停止して、油圧制御弁29のスプリング54によって弁体を進角室42に油圧を供給する位置に切り換え、カム軸位相を進角させる方向に油圧を作用させると同時に、遅角室43の油圧をドレインに排出させる。この際、エンジン停止指令後は、燃料噴射が停止されるため、エンジン回転速度(オイルポンプ回転速度)が低下して油圧が低下していくが、アイドリング可能なエンジン回転速度であれば、前述したねじりコイルばね55の進角方向のばね力を補助として油圧によりカム軸位相の進角制御が可能となる。尚、ロック制御開始時に、既にカム軸位相がロック位置よりも進角側にある場合は、上述したカム軸位相の進角制御を行わないようにしても良い。
また、エンジン制御回路21は、ROM(記憶媒体)に記憶された図8に示すロック位置学習プログラムを所定時間毎又は所定クランク角毎に実行することで、ロック制御中に実カム軸位相VTに基づいてロック位置を学習するロック位置学習手段としての役割を果たす。本プログラムが起動されると、まずステップ101で、実カム軸位相の今回値VT(i) と前回値VT(i-1) との偏差から実カム軸位相変化量ΔVTを算出する。
ΔVT=VT(i) −VT(i-1)
Therefore, the
Further, the
ΔVT = VT (i) -VT (i-1)
次のステップ102で、実カム軸位相VTをなまし処理した実カム軸位相なまし値VTSM(i) を次式により算出する。
VTSM(i) =VTSM(i-1) +{VT(i) −VTSM(i-1) }/S1
ここで、VTSM(i-1) は前回の実カム軸位相なまし値、S1はなまし定数である。
In the
VTSM (i) = VTSM (i-1) + {VT (i) -VTSM (i-1)} / S1
Here, VTSM (i-1) is the previous actual cam shaft phase smoothing value, and S1 is the smoothing constant.
この後、ステップ103で、ロック制御中で且つ実カム軸位相変化量ΔVTの絶対値が所定値K1より小さいか否かによって、実カム軸位相VTの変化が小さくなったか否かを判定する。ロック制御中でない場合や、実カム軸位相変化量ΔVTが所定値K1以上である場合は、明らかにロック状態ではないので、以降の学習処理を行うことなく、本プログラムを終了する。
Thereafter, in
一方、ロック制御中で且つ実カム軸位相変化量ΔVTの絶対値が所定値K1より小さい場合は、実カム軸位相VTがロック状態に近付いているので、次のようにしてロック位置を学習する。まず、ステップ104で、学習回数カウンタでカウントしたロック位置の学習回数CGRが所定値K2より少ないか否かを判定し、学習回数CGRが所定値K2より少なければ、ステップ105に進み、今回の実カム軸位相なまし値VTSM(i) と前回のロック位置学習値GROK(i-1) との偏差が所定値K3より大きいか否かを判定する。
On the other hand, when the lock control is being performed and the absolute value of the actual cam shaft phase change amount ΔVT is smaller than the predetermined value K1, the actual cam shaft phase VT is approaching the locked state, so the lock position is learned as follows. . First, in
今回の実カム軸位相なまし値VTSM(i) と前回のロック位置学習値GROK(i-1) との偏差が所定値K3より大きい場合は、実カム軸位相なまし値VTSM(i) がまだ一定値に収束していない(つまりカム軸位相がロックされていない)と判断して、ステップ106に進み、実カム軸位相なまし値VTSM(i) を用いてロック位置学習値GROK(i) を次のなまし処理式により算出する。
GROK(i) =GROK(i-1) +{VTSM(i) −GROK(i-1) }/S2
When the deviation between the actual cam shaft phase smoothed value VTSM (i) and the previous lock position learned value GROK (i-1) is larger than the predetermined value K3, the actual cam shaft phase smoothed value VTSM (i) is It is determined that the value has not yet converged to a constant value (that is, the cam shaft phase is not locked), and the routine proceeds to step 106, where the lock position learning value GROK (i is calculated using the actual cam shaft phase smoothed value VTSM (i). ) Is calculated by the following annealing formula.
GROK (i) = GROK (i-1) + {VTSM (i) -GROK (i-1)} / S2
ここで、S2はなまし定数である。ロック位置学習値GROK(i) の算出後、ステップ107に進み、ロック位置学習値GROK(i) が許容される製造ばらつきの範囲内(所定値K4<GROK(i) <所定値K5)であるか否かを判定し、この範囲内であれば、ステップ108に進み、学習回数CGRのカウンタをインクリメントして本プログラムを終了する。もし、ロック位置学習値GROK(i) が許容される製造ばらつきの範囲から外れていれば、ロック位置以外の位置で固着したと判断して、ステップ109に進み、ロック位置学習値GROK(i) をリセットしてロック位置学習値GROK(i) を初期値(設計中央値)又は前回のロック制御時の学習値に設定する。 Here, S2 is an annealing constant. After calculating the lock position learning value GROK (i), the routine proceeds to step 107, where the lock position learning value GROK (i) is within the allowable manufacturing variation range (predetermined value K4 <GROK (i) <predetermined value K5). If it is within this range, the process proceeds to step 108, the counter of the learning number CGR is incremented, and this program is terminated. If the lock position learning value GROK (i) is out of the allowable range of manufacturing variation, it is determined that the lock position learning value GROK (i) is stuck at a position other than the lock position, and the process proceeds to step 109, where the lock position learning value GROK (i) is determined. And the lock position learning value GROK (i) is set to an initial value (design median value) or a learning value at the previous lock control.
学習回数CGRが所定値K2に達する前に、今回の実カム軸位相なまし値VTSM(i) と前回のロック位置学習値GROK(i-1) との偏差が所定値K3以下になれば、実カム軸位相なまし値VTSM(i) が一定値に収束した(つまりカム軸位相がロックされた)と判断して、ステップ110に進み、学習完了フラグをオン(ON)し、次のステップ111で、学習回数CGRのカウンタをクリアして本プログラムを終了する。 If the deviation between the actual cam shaft phase smoothed value VTSM (i) and the previous lock position learned value GROK (i-1) is equal to or less than the predetermined value K3 before the learning number CGR reaches the predetermined value K2, It is determined that the actual camshaft phase smoothing value VTSM (i) has converged to a constant value (that is, the camshaft phase is locked), the process proceeds to step 110, the learning completion flag is turned on (ON), and the next step In 111, the learning number CGR counter is cleared and the program is terminated.
これに対し、今回の実カム軸位相なまし値VTSM(i) と前回のロック位置学習値GROK(i-1) との偏差が所定値K3以下になる前に、学習回数CGRが所定値K2に達した場合は、不完全ロック状態(ハーフロック状態)と判断して、ステップ112に進み、ロック位置学習値GROK(i) をリセットしてロック位置学習値GROK(i) を初期値(設計中央値)又は前回のロック制御時の学習値に設定する。この後、ステップ113に進み、ロック解除制御を行う。このようにすれば、不完全ロック状態をロック解除制御によりロック解除状態に戻すことができ、次回のロック制御で正常なロック状態にすることが可能となる。そして、ステップ114で、学習回数CGRのカウンタをクリアして本プログラムを終了する。
On the other hand, before the deviation between the actual camshaft phase smoothing value VTSM (i) and the previous lock position learning value GROK (i-1) becomes equal to or smaller than the predetermined value K3, the learning number CGR is equal to the predetermined value K2. Is reached, the incomplete lock state (half-lock state) is determined, and the routine proceeds to step 112 where the lock position learning value GROK (i) is reset and the lock position learning value GROK (i) is set to the initial value (design). Set to the median) or the learned value for the previous lock control. Thereafter, the process proceeds to step 113, where lock release control is performed. In this way, the incompletely locked state can be returned to the unlocked state by the lock release control, and the normal lock state can be obtained by the next lock control. In
以上説明したロック位置学習プログラムによるロック位置学習値GROKの学習処理の一例を図9及び図10に基づいて説明する。ここで、図9は正常時のロック位置学習処理の挙動であり、図10は異常時のロック位置学習処理の挙動である。ロック制御中は、実カム軸位相VTが進角側に制御されて、ロック位置学習値GROKが徐々にロック位置に近付いていく。正常時には、図9に示すように、ロック制御中に実カム軸位相VTがロック位置に到達してロック状態となり、それによってロック位置学習値GROKが一定値に収束する。この時点で、ロック完了と判断して学習完了フラグをオン(ON)し、ロック位置学習値GROKの学習を終了する。 An example of the learning process of the lock position learning value GROK by the lock position learning program described above will be described with reference to FIGS. Here, FIG. 9 shows the behavior of the lock position learning process at the normal time, and FIG. 10 shows the behavior of the lock position learning process at the abnormal time. During the lock control, the actual cam shaft phase VT is controlled to the advance side, and the lock position learning value GROK gradually approaches the lock position. In the normal state, as shown in FIG. 9, during the lock control, the actual cam shaft phase VT reaches the lock position and enters the lock state, whereby the lock position learning value GROK converges to a constant value. At this time, it is determined that the lock is completed, the learning completion flag is turned on (ON), and the learning of the lock position learning value GROK is ended.
このように、正常時には、実カム軸位相VTがロック位置でロックされるまでの時間は長くかからないが、不完全ロック状態(ハーフロック状態)になると、ロック制御を長く続けても、実カム軸位相VTが固定されず、ロック位置学習値GROKが一定値に収束しない。そこで、図10に示すように、ロック位置学習値GROKが一定値に収束する前に、学習回数CGRが所定値K2に達した場合は、不完全ロック状態(ハーフロック状態)と判断して、ロック位置学習値GROKをリセットしてロック位置学習値GROKを初期値(設計中央値)又は前回のロック制御時の学習値に設定する。 As described above, in the normal state, it does not take a long time until the actual cam shaft phase VT is locked at the locked position. However, when the lock state is incompletely locked (half-locked state), even if the lock control is continued for a long time, The phase VT is not fixed, and the lock position learning value GROK does not converge to a constant value. Therefore, as shown in FIG. 10, when the learning number CGR reaches a predetermined value K2 before the lock position learning value GROK converges to a constant value, it is determined as an incomplete lock state (half lock state), The lock position learning value GROK is reset and the lock position learning value GROK is set to an initial value (design median value) or a learning value at the previous lock control.
尚、学習回数CGRが所定値K2に達する前に、ロック位置学習値GROKが一定値に収束した場合でも、ロック位置学習値GROKが許容される製造ばらつきの範囲から外れていれば、ロック位置以外の位置で固着したと判断して、ロック位置学習値GROKをリセットしてロック位置学習値GROKを初期値(設計中央値)又は前回のロック制御時の学習値に設定する。 Even if the lock position learning value GROK converges to a certain value before the number of learning times CGR reaches the predetermined value K2, if the lock position learning value GROK is out of the allowable range of manufacturing variation, other than the lock position. The lock position learning value GROK is reset and the lock position learning value GROK is set to the initial value (design median value) or the learning value at the previous lock control.
本実施形態では、ロック位置学習値GROKの学習回数CGRが所定値K2に達した時に不完全ロック状態と判断するようにしたが、学習時間(ロック制御の時間)が所定値に達した時に不完全ロック状態と判断するようにしても良い。 In the present embodiment, the incomplete lock state is determined when the learning frequency CGR of the lock position learning value GROK reaches the predetermined value K2, but this is not possible when the learning time (lock control time) reaches the predetermined value. You may make it judge that it is a complete lock state.
また、エンジン制御回路21は、ROM(記憶媒体)に記憶された図11及び図12に示すロック解除学習プログラムを所定時間毎又は所定クランク角毎に実行することで、ロック解除制御中に油圧制御弁29の制御量(以下「ロック解除制御量」という)を学習するロック解除学習手段としての役割を果たす。
Further, the
本プログラムが起動されると、まずステップ201で、目標カム軸位相VTTを実カム軸位相VTと比較して、目標カム軸位相VTTが実カム軸位相VTよりも進角側か遅角側に位置するかを判定する。目標カム軸位相VTTが実カム軸位相VTよりも進角側に位置する場合(VTT≧VTの場合)は、ステップ202に進み、ロック解除制御量DVTを進角側学習値GDVTAにセットしてロック解除制御を行う。一方、目標カム軸位相VTTが実カム軸位相VTよりも遅角側に位置する場合(VTT<VTの場合)は、ステップ203に進み、ロック解除制御量DVTを遅角側学習値GDVTDにセットしてロック解除制御を行う。
When this program is started, first, in
この後、ステップ204で、実カム軸位相VTとロック位置学習値GROKとの偏差の絶対値が所定値K7より大きいか否かによって、ロック解除したか否かを判定する。もし、実カム軸位相VTとロック位置学習値GROKとの偏差の絶対値が所定値K7以下であれば、ロック中と判断して、ロック解除制御量DVTの学習値を次のようにして更新する。
Thereafter, in
まず、ステップ205で、現在のロック解除制御量DVTが進角側学習値GDVTAであるか否か(つまりステップ202を通ったか否か)を判定し、進角側学習値GDVTAであれば、ステップ206に進み、進角側学習値GDVTAを所定値K8だけ遅角側に補正して更新する。
GDVTA=GDVTA−所定値K8
First, in
GDVTA = GDVTA−predetermined value K8
この後、ステップ207で、進角側学習値GDVTAが許容限界値である所定値K10よりも小さい(遅角側)か否かを判定し、進角側学習値GDVTAが所定値K10以上であれば、前記ステップ201に戻って、上述した処理を繰り返す。これにより、ロック解除が検出されるまで、進角側学習値GDVTAを所定値K8ずつ遅角側に補正して更新し、ロック解除制御量DVTを所定値K8ずつ遅角側に補正してロック解除制御を実行する処理が繰り返される。
Thereafter, in
もし、ロック解除が検出される前に、進角側学習値GDVTAが所定値K10よりも小さくなった場合は、ロック解除不良(ロック固着)と判断して、ステップ208に進み、進角側学習値GDVTAをリセットして、進角側学習値GDVTAを初期値(設計中央値)又は前回のロック解除制御時の進角側学習値GDVTAに設定し、次のステップ212で、ロック制御を行ってロック状態に維持する。
If the advance side learning value GDVTA becomes smaller than the predetermined value K10 before the unlocking is detected, it is determined that the unlocking is defective (lock stuck), and the process proceeds to step 208 to advance the advance side learning. The value GDVTA is reset, and the advance side learning value GDVTA is set to the initial value (design median value) or the advance side learning value GDVTA at the previous lock release control. In the
一方、上記ステップ205で、現在のロック解除制御量DVTが遅角側学習値GDVTDであると判定された場合(つまりステップ203を通った場合)は、ステップ209に進み、遅角側学習値GDVTDを所定値K9だけ遅角側に補正して更新する。
GDVTD=GDVTD−所定値K9
On the other hand, if it is determined in
GDVTD = GDVTD−predetermined value K9
この後、ステップ210で、遅角側学習値GDVTDが許容限界値である所定値K11よりも小さい(遅角側)か否かを判定し、遅角側学習値GDVTDが所定値K11以上であれば、前記ステップ201に戻って、上述した処理を繰り返す。これにより、ロック解除が検出されるまで、遅角側学習値GDVTDを所定値K9ずつ遅角側に補正して更新し、ロック解除制御量DVTを所定値K9ずつ遅角側に補正してロック解除制御を実行する処理が繰り返される。
Thereafter, in
もし、ロック解除が検出される前に、遅角側学習値GDVTDが所定値K11よりも小さくなった場合は、ロック解除不良(ロック固着)と判断して、ステップ211に進み、遅角側学習値GDVTDをリセットして、遅角側学習値GDVTDを初期値又は前回のロック解除制御時の遅角側学習値GDVTDに設定し、次のステップ212で、ロック制御を行ってロック状態に維持する。
If the retarded-side learning value GDVTD becomes smaller than the predetermined value K11 before unlocking is detected, it is determined that the unlocking is defective (lock stuck), and the process proceeds to step 211, where the retarded-side learning is performed. The value GDVTD is reset, and the retard side learning value GDVTD is set to the initial value or the retard side learning value GDVTD at the time of the previous lock release control, and in the
これに対し、ロック解除制御中に、ステップ204で、実カム軸位相VTとロック位置学習値GROKとの偏差の絶対値が所定値K7より大きくなった場合は、ロック解除したと判断して、図12のステップ213に進み、ロック解除フラグをオン(ON)する。この後、ステップ214で、現在のロック解除制御量DVTが進角側学習値GDVTAであるか否か(つまりステップ202を通ったか否か)を判定し、進角側学習値GDVTAであれば、ステップ215に進み、実カム軸位相VTが目標カム軸位相VTT+所定値K12よりも大きい(進角側)か否かによって、進角側学習値GDVTAが進角側に過補正されているか否かを判定する。進角側学習値GDVTAが進角側に過補正されていない場合は、そのまま本プログラムを終了するが、進角側学習値GDVTAが進角側に過補正されている場合は、ステップ216に進み、進角側学習値GDVTAを所定値K13だけ遅角側に補正する。
On the other hand, when the absolute value of the deviation between the actual cam shaft phase VT and the lock position learning value GROK is larger than the predetermined value K7 in
一方、ステップ214で、現在のロック解除制御量DVTが遅角側学習値GDVTDであると判定された場合(つまりステップ203を通った場合)は、ステップ217に進み、実カム軸位相VTが目標カム軸位相VTT−所定値K14よりも小さい(遅角側)か否かによって、遅角側学習値GDVTDが遅角側に過補正されているか否かを判定する。遅角側学習値GDVTDが遅角側に過補正されていない場合は、そのまま本プログラムを終了するが、遅角側学習値GDVTDが遅角側に過補正されている場合は、ステップ218に進み、遅角側学習値GDVTDを所定値K15だけ進角側に補正する。
On the other hand, if it is determined in
以上説明したロック解除学習プログラムによるロック解除制御量DVTの学習処理の一例を図13及び図14に基づいて説明する。ここで、図13は正常時のロック解除学習処理の挙動であり、図10は異常時のロック解除学習処理の挙動である。例えば、目標カム軸位相VTTがロック位置GROKより進角側に設定されると、図13に示すように、ロック解除制御量DVTを進角側学習値GDVTAにセットしてロック解除制御を開始する。ロック解除制御中は、ロック解除が検出されるまで、ロック解除制御量DVTを所定値K8ずつ遅角側に補正すると共に、進角側学習値GDVTAを所定値K8ずつ遅角側に補正して更新する処理を繰り返す。これにより、実カム軸位相VTとロック位置学習値GROKとの偏差が所定値K7より大きくなった時点で、ロック解除したと判断して、ロック解除フラグをオン(ON)して進角側学習値GDVTAの学習を終了する。このとき、進角側学習値GDVTAが進角側に過補正されている場合は、進角側学習値GDVTAを所定値K13だけ遅角側に補正する。 An example of learning processing of the unlock control amount DVT by the unlock learning program described above will be described with reference to FIGS. Here, FIG. 13 shows the behavior of the unlock learning process at normal time, and FIG. 10 shows the behavior of the unlock learning process at the time of abnormality. For example, when the target camshaft phase VTT is set to the advance side from the lock position GROK, as shown in FIG. 13, the unlock control amount DVT is set to the advance side learning value GDVTA and the unlock control is started. . During the unlock control, the unlock control amount DVT is corrected to the retard side by the predetermined value K8 until the unlock is detected, and the advance side learning value GDVTA is corrected to the retard side by the predetermined value K8. Repeat the update process. As a result, when the deviation between the actual cam shaft phase VT and the lock position learning value GROK becomes larger than the predetermined value K7, it is determined that the lock has been released, and the lock release flag is turned on to turn on the advance side learning. The learning of the value GDVTA ends. At this time, when the advance side learning value GDVTA is overcorrected to the advance side, the advance side learning value GDVTA is corrected to the retard side by a predetermined value K13.
一方、ロック解除不良(ロック固着)が発生すると、ロック解除制御を長く続けても、ロック解除が検出されない。ロック解除制御中は、ロック解除が検出されるまで、進角側学習値GDVTAを遅角側に補正する処理が何回も繰り返されるため、やがて、図14に示すように、進角側学習値GDVTAが許容限界値である所定値K10よりも小さくなる。この時点で、ロック解除不良(ロック固着)と判断して、進角側学習値GDVTAをリセットして、進角側学習値GDVTAを初期値(設計中央値)又は前回のロック解除制御時の進角側学習値GDVTAに設定し、ロック制御を行ってロック状態に維持する。 On the other hand, when a lock release failure (lock fixation) occurs, the lock release is not detected even if the lock release control is continued for a long time. During the unlocking control, the process of correcting the advance side learning value GDVTA to the retard side is repeated many times until the unlocking is detected, and eventually, as shown in FIG. 14, the advance side learning value GDVTA is smaller than a predetermined value K10 that is an allowable limit value. At this point, it is determined that there is a lock release failure (lock stuck), the advance side learning value GDVTA is reset, and the advance side learning value GDVTA is set to the initial value (design median value) or the advance at the previous unlock control. The corner side learning value GDVTA is set, lock control is performed, and the lock state is maintained.
以上説明した本実施形態によれば、ロック制御中にロック位置を学習するようにしたので、仮に、ロック位置の製造ばらつきが大きくても、実際のロック位置を学習してその学習値に基づいてロック解除の判定を行うことができ、ロック位置の製造ばらつきの影響を受けずにロック解除の判定を精度良く行うことができる。尚、ロック位置の学習値をロック解除の判定以外の用途(例えばロックの判定等)に用いるようにしても良い。 According to the present embodiment described above, since the lock position is learned during the lock control, even if the manufacturing variation of the lock position is large, the actual lock position is learned and based on the learned value. The determination of unlocking can be performed, and the determination of unlocking can be performed with high accuracy without being affected by the manufacturing variation of the lock position. Note that the learning value of the lock position may be used for purposes other than the lock release determination (for example, lock determination).
また、本実施形態では、ロック解除制御中に、油圧制御弁29のロック解除制御量を学習するようにしたので、ロック位置の製造ばらつきや油圧制御弁29の製造ばらつき等が大きくても、個々のシステムの特性に合わせてロック解除制御量を適正化することができ、ロック解除性能を向上することができる。
In the present embodiment, the unlock control amount of the
しかも、本実施形態では、ロック解除制御量を学習する際に、ロック解除制御時の目標カム軸位相が実カム軸位相よりも遅角側か進角側かによって遅角側学習値と進角側学習値に区別して学習するようにしたので、ロック解除後に実カム軸位相を目標カム軸位相に速やかに収束させることができるように、ロック解除制御量を学習することができ、実カム軸位相の目標カム軸位相への収束性を向上することができる。しかしながら、本発明は、ロック解除制御量の学習値を1つのみとして学習処理を簡略化するようにしても良い。 In addition, in this embodiment, when learning the unlock control amount, the retard side learning value and the advance angle are determined depending on whether the target cam shaft phase during the unlock control is retarded or advanced with respect to the actual cam shaft phase. Since the learning is performed separately on the side learning value, the unlock control amount can be learned so that the actual camshaft phase can be quickly converged to the target camshaft phase after unlocking. The convergence of the phase to the target camshaft phase can be improved. However, the present invention may simplify the learning process by using only one learning value for the unlock control amount.
尚、図11及び図12のロック解除学習プログラムでは、ロック解除制御量の学習値が所定値より小さくなった時にロック解除不良(ロック固着)と判断するようにしたが、ロック解除制御量(学習値)の補正を所定回数以上繰り返した時にロック解除不良と判断するようにしても良い。 In the unlocking learning program of FIG. 11 and FIG. 12, when the learning value of the unlocking control amount becomes smaller than a predetermined value, it is determined that the unlocking failure (locking sticking) is detected. Value) may be determined to be a lock release failure when it is repeated a predetermined number of times or more.
また、ロック解除制御中にロック解除できない時に油圧制御弁29に供給する油圧が高い運転領域で再度ロック解除制御を行うようにしても良い。このようにすれば、ロックピン58に作用させるロック解除方向の油圧を大きくして再度ロック解除制御を行うことができ、ロック解除の抵抗力(ロックピン58の摩擦抵抗力等)が少し重くなっている程度であれば、ロック解除することができる。
Further, when the unlocking cannot be performed during the unlocking control, the unlocking control may be performed again in the operation region where the hydraulic pressure supplied to the
その他、本発明は、ロック位置とロック解除制御量のいずれか一方のみを学習するようにしても良く、また、可変バルブタイミング装置の構成やロック機構の構成を適宜変更しても良く、更には、排気バルブの可変バルブタイミング装置にも本発明を適用できる等、要旨を逸脱しない範囲内で、種々変更して実施することができる。 In addition, in the present invention, only one of the lock position and the unlock control amount may be learned, the configuration of the variable valve timing device and the configuration of the lock mechanism may be changed as appropriate, and The present invention can also be applied to a variable valve timing device for an exhaust valve, and various modifications can be made without departing from the scope of the invention.
11…エンジン(内燃機関)、12…クランク軸、13…タイミングチェーン、14,15…スプロケット、16…吸気カム軸、17…排気カム軸、18…可変バルブタイミング装置、19…カム角センサ、20…クランク角センサ、21…エンジン制御回路(ロック解除学習手段)、28…オイルポンプ、29…油圧制御弁、31…ハウジング、35…ロータ、40…流体室、41…ベーン、42…進角室、43…遅角室、53…ソレノイド、54…スプリング、58…ロックピン(ロック機構)、59…ロック穴(ロック機構)、62…スプリング(ロック機構)
DESCRIPTION OF
Claims (7)
前記油圧制御弁を前記ロック機構をロック解除させるように制御するロック解除制御中に該油圧制御弁の制御量(以下「ロック解除制御量」という)を学習し続け、ロック解除した時に前記ロック解除制御量の学習値の更新を中止し、学習を終了するロック解除学習手段を備えていることを特徴とする内燃機関の可変バルブタイミング制御装置。 A variable valve timing device is provided that varies the valve timing by changing the rotational phase of the cam shaft relative to the crankshaft of the internal combustion engine (hereinafter referred to as “cam shaft phase”). The variable valve timing device performs variable valve timing control. A variable valve for an internal combustion engine that has a lock mechanism that locks the camshaft phase at a lock position substantially in the middle of the adjustable range when there is not, and that controls the hydraulic pressure that drives the lock mechanism and the variable valve timing device with a hydraulic control valve In the timing control device,
During the unlocking control for controlling the hydraulic control valve to unlock the locking mechanism, the control amount of the hydraulic control valve (hereinafter referred to as “unlocking control amount”) is continuously learned, and the unlocking is performed when the unlocking is performed. A variable valve timing control apparatus for an internal combustion engine, comprising: an unlock learning unit that stops updating the learning value of the control amount and ends the learning.
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