JP4263491B2 - Graphite oxide interlayer expansion method and synthesis of carbon-containing porous composites using the same - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラファイトを酸化して得られるグラファイト酸化物層状体と長鎖有機アミンとを混合し、有機溶媒が介在する条件下でイオン交換反応を行ってグラファイト酸化物層状体を製造し、次いで金属又は半金属酸化物前駆体を導入して、金属又は半金属の化合物を主体とする安定なピラーを形成させることを特徴とする多孔質グラファイト複合材料の製造方法、及びその方法により製造された多孔質グラファイト複合材料に関する。これらの材料は、大きな比表面積を有し、低分子物質やポリマーなどを吸着、貯蔵するための材料などとして有用である。
【0002】
【従来の技術】
これまで、モンモリロナイトのような層状粘土について、その層間にアルミナ、ジルコニア、酸化クロム、酸化チタン、SiO−TiO、SiO−Fe、Al−SiOなどをインターカレーションして層間架橋多孔体を形成させることが知られている(非特許文献1参照)。
【0003】
炭素性の層状物質としては、グラファイトがよく知られているが、グラファイトは、面内炭素原子間距離0.142nm、層面間距離0.335nmの異方性の強い層状構造を有する物質である。このような強い異方性は、その反応性に大きな影響を与え、面内の結合を攻撃するような反応は進行しにくいが、層間を拡張しながら反応物質を挿入する反応、いわゆるインターカレーションを起しやすく、これによりグラファイト層間化合物を形成する。
しかし、グラファイトが層状粘土と同様に層状構造を有するにもかかわらず、アルカリ金属やハロゲンなどの比較的小さな分子とグラファイト層間化合物しか形成することができず、その比較的大きな表面積を有する多孔体を形成しないのは、層間距離が小さく、しかもグラファイト層間化合物のようにサンドイッチ構造をとっているためと考えられている。このように、グラファイト或いはグラファイト層間化合物は、大きい表面積の多孔体を構成しないし、後続の加熱処理により架橋を形成しようとしても、それが崩壊して安定した孔を形成することは困難であった。
【0004】
ところで、本発明者らは、グラファイトを酸化して得たグラファイト酸化物をアルカリ中に分散し、或いは予め長鎖有機イオンで層間を拡張し、続いて金属或いは半金属酸化物のような硬い架橋剤を導入することにより、高表面積の含炭素多孔体複合材料を合成できることを報告してきた(特許文献1参照)。しかし、従来、グラファイト酸化物の層間予備拡張は液相に分散したり、液相から水溶性界面活性剤等を挿入したりすることで実現され、これらの液相方法はサンプルの処理手順が煩雑で、合成時間もかかる等の欠点があった。
【0005】
【特許文献1】
特願2001−392871明細書
【非特許文献1】
「表面」、第27巻、第4号(1989年)、第290〜300頁
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、グラファイト酸化物の層間を拡張する簡便な方法を提供し、この方法を用いて、新規な多孔体複合材料を製造することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、長鎖有機アミンとグラファイト酸化物とを有機溶媒が介在する条件下で固相において混合し、イオン交換反応を起こさせ、長鎖有機アミン分子がグラファイト酸化物の層間に均一的にインターカレーションすることができ、グラファイト酸化物の層間を広げられ、この方法で拡張したグラファイト酸化物の層間に更にテトラエドキシシラン(TEOS)等の半金属或いは金属酸化物前駆体を導入し、炭化等の後処理により、表面積500m/g以上の含炭素多孔体複合材料を製造することができることを見出した。
【0008】
即ち、本発明は、グラファイトを酸化して得られるグラファイト酸化物層状体と長鎖有機アミンとを混合し、有機溶媒が介在する条件下でイオン交換反応を行ってグラファイト酸化物層状体を製造し、次いでこれに金属又は半金属酸化物前駆体を導入して、金属又は半金属の化合物を主体とする安定なピラーを形成させることを特徴とする多孔質グラファイト複合材料の製造方法、及びこの方法により製造された多孔質グラファイト複合材料に関する。
【0009】
本発明において基材として用いられるグラファイト酸化物層状体は、例えばグラファイトを濃硫酸と硝酸との混合液中に浸し、塩素酸カリウムを加え、反応させるか、或いは濃硫酸と硝酸ナトリウムの混合液中に浸し、過マンガン酸カリウムを加え、反応させることにより調製される。これらの処理によりグラファイトの炭素原子は、sp状態からsp状態に変化し、いわゆるベンゼン環を形成している炭素原子のような状態から飽和の脂肪族の炭素原子の状態に変化し、これらの変化した炭素原子に酸素原子や水素原子などが結合して、層間に酸素原子を導入することができる。このようにして製造されたグラファイト酸化物層状体の層間距離は、通常0.6〜1.1nm程度である。
このようにして製造されたグラファイト酸化物層状体に、よく知られている粘土層間架橋多孔体を製造する方法と同様にして、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及び鉄の中から選ばれた少なくとも1種の金属又は半金属の化合物からなるピラーを形成させて、多孔質グラファイト複合材料を製造することができる。
【0010】
このような多孔質グラファイト複合材料を製造するためには、グラファイト酸化物の層間予備拡張が重要であり、このための方法として、例えば、特許文献1には層間拡張用イオンとして、次の一般式(1)
[R−NR (1)
(式中、Rは炭素数8〜20の長鎖アルキル基、R、R及びRはそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基であって、この中の1個はRと同じであってもよい。)で表わされる長鎖アルキル基をもつ第四級アンモニウム陽イオンの使用が記載されている。
また、次の一般式(2)
NR (2)
(式中、R、R及びRの中の少なくとも1個は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、残りは水素原子である。)
で表わされる有機アミンのような分子も同じように層間を拡張するために用いることができることが記載され、このような有機アミンとしては、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ビリジン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリンなどがあることも記載されている。
そして、このような層間拡張用イオン又は分子の導入は、例えばアルカリ水溶液中でグラファイト酸化物層状体にその質量に基づき、8〜36.0倍量の層間拡張用イオン又は分子を加え、室温から90℃までの範囲の温度で15〜60分間反応させることによって行われることが記載されている。
しかし、これらの層間予備拡張方法は全て液相における反応で行われており、操作手順が煩雑であるなどの欠点があった。われわれは、鋭意検討を重ねた結果、有機溶媒が介在する条件で固相において長鎖アルキル基を有するアミンをグラファイト酸化物と反応させることにより、グラファイト酸化物の層間にこれらのアミンをインターカレーションさせることができ、層間距離を大きくできることを見出した。
【0011】
まず、種々の炭素数を有する長鎖アルキル第1級アミンを用いてグラファイト酸化物層状物の層間距離がどのように変化するかを検討した。そのために、炭素数が8のn−オクチルアミン、炭素数が10のn−デシルアミン、炭素数が12のn−ドデシルアミン、炭素数が14のn−テトラデシルアミン、炭素数が16のn−ヘキサデシルアミン、及び炭素数が18のn−オクタデシルアミンをそれぞれ用いて検討した。即ち、それぞれの長鎖アルキル第1級アミン5ミリモル(mmol)/g−GOと、グラファイト酸化物層状体(以下、GOと表す。)とを混合して、それぞれのアミンがGOにインターカレーションしたGOを製造した。これにより得られた各アミンがインターカレーションしたGOを、それぞれGOCNH−5、GOC10NH−5、GOC12NH−5、GOC14NH−5、GOC16NH−5、及びGOC18NH−5と略称する。これらの層状物のX線回折パターンを測定した。その結果を図1に示す。図1の横軸は回折の2θを示し、縦軸は強度を示す。各グラフは上から、GOC18NH−5、GOC16NH−5、GOC14NH−5、GOC12NH−5、GOC10NH−5、GOCNH−5、及びGOである。この結果、長鎖アルキル基を有する第1級アミンで処理する前のGOでは、層間距離が0.62nmであったものが、炭素数8のアミンで処理したGOCNH−5では、層間距離が1.42nmになり、炭素数10のアミンで処理したGOC10NH−5では、層間距離が1.90nmになり、炭素数12のアミンで処理したGOC12NH−5では、層間距離が2.13nmになり、炭素数14のアミンで処理したGOC14NH−5では、層間距離が2.43nmになり、炭素数16のアミンで処理したGOC16NH−5では、層間距離が2.60nmになり、炭素数18のアミンで処理したGOC18NH−5では、層間距離が2.98nmになり、炭素数の多いアルキル基を有するアミンで処理するにしたがって、グラファイト酸化物の層間距離が拡大されていることがわかった。
【0012】
次に、前記の方法で得られた各層状物を、それぞれテトラエドキシシラン(以下、TEOSと略す)で処理し、乾燥した後、550℃で真空中で、2時間焼成した。得られた多孔質グラファイト複合材料を、それぞれ最初に処理したアミンの炭素数に基づいて、GOCNHS−5、GOC10NHS−5、GOC12NHS−5、GOC14NHS−5、GOC16NHS−5、及びGOC18NHS−5と略称する。これらの、それぞれについて、−196℃(77K)で容量法装置を用いて窒素吸着等温線を測定した。結果を図2に示す。図2の縦軸は気体(窒素)の吸着量(V/mL−STP/g)を示し、横軸はP/P(P:窒素圧力、P:窒素飽和蒸気圧)を示す。黒丸印(●)及び白丸印(○)はGOCNHS−5の場合を示し、黒四角印(■)及び白四角印(□)はGOC10NHS−5の場合を示し、上向きの黒三角印(▲)及び上向きの白三角印(△)はGOC12NHS−5の場合を示し、黒菱形印(◆)及び白菱形印(◇)はGOC14NHS−5の場合を示し、白四角に囲まれたドット及び小さな白四角はGOC16NHS−5の場合を示し、丸印で囲まれたドット及びドット印(・)はGOC18NHS−5の場合を示し、下向きの黒三角印(▼)及び下向きの白三角印(▽)はGOの場合をそれぞれ示す。いずれも白抜きの印(GOC16NHS−5及びGOC18NHS−5の場合は、小さな白四角及びドットでそれぞれ示す)は、脱着ブランチを示す。
図2に示された各サンプルの窒素吸着等温線から、いずれの鎖長の有機アミンを用いても、P/P(P:窒素圧力、P:窒素飽和蒸気圧)=0.2に於ける窒素吸着量は、GOのそれよりより25倍以上大きいことがわかった。また、これらの吸着等温線はいずれも脱着ヒステリシスを示していた。
また、得られた層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料のそれぞれのBET比表面積を測定した。この結果を次の表1に示す。
【0013】
【表1】

Figure 0004263491
【0014】
原料のGOの比表面積は、25BET比表面積/m/gであるから、この結果、BET比表面積は元のGOのそれより13倍以上大きい多孔質複合体となっていることがわかった。
【0015】
次に、長鎖アルキル基を有する第1級アミンの混合量による層間距離の変化を、n−テトラデシルアミン(n−CH(CH13−NH)を例にして検討した。
グラファイト酸化物層状体(以下、GOと表す。)と、それぞれ2.5mmol/g−GO、5mmol/g−GO、15mmol/g−GOのn−テトラデシルアミンを混合して、これらのアミンがインターカレーションしたGOを得た。以下、得られた層状物をそれぞれ、GOC14NH−2.5、GOC14NH−5、GOC14NH−15と略称する。これらの層状物のX線回折パターンを測定した。その結果を図3に示す。図3の横軸は回折の2θを示し、縦軸は強度を示す。各グラフは上から、GOC14NH−15、GOC14NH−5、GOC14NH−2.5、及びGOをそれぞれ示す。この結果、長鎖アルキル基を有する第1級アミンで処理する前のGOでは、層間距離が0.62nmであったものが、2.5ミリモル(mmol)のアミンで処理したGOC14NH−2.5では、層間距離が2.20nmになり、5ミリモル(mmol)のアミンで処理したGOC14NH−5では、層間距離が2.43nmになり、15ミリモル(mmol)のアミンで処理したGOC14NH−15では、層間距離が4.41nmにもなっていることがわかった。しかし、アミンの使用量が15ミリモル(mmol)の場合のGOC14NH−15では、固相の有機アミンによる構造も確認された。
【0016】
前記で得られたGOC14NH−2.5、GOC14NH−5、及びGOC14NH−15のそれぞれを、TEOSで処理し、乾燥した後、550℃で真空中で、2時間焼成した。得られた層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料を、それぞれGOC14NHS−2.5、GOC14NHS−5、及びGOC14NHS−15と略称する。
また、別途、GOC14NH−5をTEOSで処理した後、更にエタノール洗浄を行い、乾燥した後、550℃で真空中、2時間乾燥した。得られた多孔質グラファイト複合材料をGOC14NHSW−5と略称する。
これらの多孔質グラファイト複合材料、及びGOのそれぞれについて、−196℃(77K)で容量法装置を用いて窒素吸着等温線を測定した。結果を図4に示す。図4の縦軸は気体(窒素)の吸着量(V/mL−STP/g)を示し、横軸はP/P(P:窒素圧力、P:窒素飽和蒸気圧)を示す。黒丸印(●)及び白丸印(○)はGOC14NHS−2.5の場合を示し、黒四角印(■)及び白四角印(□)はGOC14NHS−5の場合を示し、黒菱形印(◆)及び白菱形印(◇)はGOC14NHS−15の場合を示し、上向きの黒三角印(▲)及び上向きの白三角印(△)はGOC14NHSW−5の場合を示し、下向きの黒三角印(▼)及び下向きの白三角印(▽)はGOの場合をそれぞれ示す。いずれも白抜きの印は、脱着ブランチを示す。
この結果、GO以外のサンプルのP/P(P:窒素圧力、P:窒素飽和蒸気圧)=0.2に於ける窒素吸着量がGOのそれよりも25倍以上大きく、多孔質であることが分った。また、本発明の多孔質グラファイト複合材料の吸着等温線はいずれも脱着ヒステリシスを示していた。
また、得られた層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料及びGOのそれぞれのBET比表面積を測定した。この結果を次の表2に示す。
【0017】
【表2】
Figure 0004263491
【0018】
GO以外のサンプルのBET比表面積値はGOのそれよりも約14倍〜23倍大きいことがわかった。また、GOC14NHS−5のBET比表面積が一番大きく、アルコール洗浄による比表面積の低下(GOC14NHS−5の場合)が観察された。
【0019】
以上のように本発明の方法は、グラファイト酸化物の層間距離を拡大させる方法において有機溶媒が介在する条件下で長鎖有機アミンとグラファイト酸化物との固相反応を利用することを特徴とするものである。そして、本発明の第二の特徴は、長鎖有機アミンにより拡大された層間距離を有するグラファイト酸化物層状体を、更に金属又は半金属酸化物前駆体を導入して、金属又は半金属の化合物を主体とする安定なピラーを形成させることを特徴とする多孔質グラファイト複合材料を製造する方法を提供することである。
【0020】
本発明の方法に使用される長鎖有機アミンとしては、鎖長が炭素数で8以上の炭素鎖を有する炭化水素基を有する有機アミンであり、好ましくは炭素数が8〜40、炭素数8〜30、又は炭素数8〜20の鎖状又は環状のアルキル基を有する有機アミンが挙げられる。これらのアルキル基は鎖長が炭素数で8以上の炭素鎖を有するものであれば、直鎖状であっても分枝状であってもよく、また途中に炭素環が形成されていてもよい。本発明の有機アミンは、少なくとも1個の有機基が炭素数で8以上の炭素鎖を有するものであれば、第1級アミンでも第2級アミンでも第3級アミンでもよいが、入手のし易さや、形成された層の均一性などの点から、第1級アミンが好ましい。
本発明の長鎖有機アミンの好ましい例としては、より具体的には、例えば、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−ノナデシルアミン、n−エイコシルアミンなどが挙げられる。
【0021】
本発明の方法における、グラファイト酸化物層状体(GO)と長鎖有機アミンとの混合は有機溶媒などを用いてGOが固相のままで、両者を乳鉢などで機械的に混合する方法によって行うことができる。使用する長鎖有機アミンが常温で液体状のものであっても、固体状のもの(例えば、炭素数14以上の脂肪族飽和アミン)であっても可能である。より具体的には、両者を混合した後、有機溶媒を添加して、更に乳棒でかき混ぜて液体を吸収したGO或いは、固相の混合物を均一混合・反応させ、有機溶媒を蒸発させるなどにより除去する。これらの操作を、1〜5回、好ましくは2〜3回繰り返す。この際に使用される有機溶媒としては、例えばn−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族飽和炭化水素、ベンゼンなどの芳香族炭化水素などの炭化水素が挙げられる。
【0022】
本発明の方法によれば、グラファイト酸化物の炭素の層間距離は、使用する長鎖有機アミンの炭素鎖の長さ、及び濃度に依存して拡大される。図1に示されるように、使用する有機アミンの炭素数が8の場合であっても、層間距離が通常のグラファイト酸化物の層間距離(0.62nm)の2倍以上に拡大される。このように長鎖有機アミンにより簡便にグラファイト酸化物の層間距離を大きく拡大することにより、本発明はグラファイト酸化物の層間距離が拡大された、即ち通常の2倍(1.24nm)以上、好ましくは3倍(1.86nm)以上に拡大された新規なグラファイト酸化物層状体を提供するものである。
即ち、本発明は、本発明の方法により製造された、層間距離が1.4nm以上、このましくは、層間距離が1.86nm以上、より好ましくは2nm以上の新規なグラファイト酸化物層状体を提供する。
【0023】
本発明の第二の方法は、前記の方法により製造された層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体に、更に金属又は半金属酸化物前駆体を導入して、金属又は半金属の化合物を主体とする安定なピラーを形成させることを特徴とする層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料の製造方法であり、この方法において使用される金属又は半金属酸化物前駆体としては、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及び鉄の中から選ばれた少なくとも1種の金属又は半金属の化合物、すなわち含ケイ素化合物、含アルミニウム化合物、含チタン化合物、含ジルコニウム化合物、含鉄化合物などが挙げられる。これらの化合物の1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできるが、通常は1種類を使用するのが好ましい。好ましい例としては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、ジルコニアゾルやシリカ−チタニアゾル、シリカ−酸化鉄ゾル、アルミナ−シリカゾルのような混合ゾルなどが挙げられる。また、他の好ましい例としては、ケイ酸、アルミン酸、チタン酸及びジルコン酸の中から選ばれた金属又は半金属の無機多塩基酸と低級アルコールとのエステル、例えば、炭素数1〜4のアルコール、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコールとのエステルが挙げられ、より具体的には、例えばケイ酸テトラエチル、アルミン酸トリエチル、チタン酸テトラエチル、ジルコン酸テトラエチルなどが挙げられる。また、所望ならばこの中のアルコキシル基の一部がアルキル基になっている部分エステルも用いることができる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0024】
前記した本発明の方法により金属又は半金属の化合物を主体とする安定なピラーを形成させるためには、金属又は半金属酸化物前駆体を導入した後、50〜70℃で乾燥し、次いで不活性雰囲気中、500〜700℃において2〜8時間加熱処理するのが好ましい。当該加熱処理により、それぞれ金属又は半金属の酸化物や、これらの混合酸化物からなる安定なピラーを含む多孔質複合材料が得られる。上記の無機多塩基酸のエステルは、加水分解されるか後続の加熱処理により分解して、層間を支持しうる強度をもつ安定な化合物、すなわち固体状の含ケイ素化合物、含アルミニウム化合物、含チタン化合物、含ジルコニウム化合物を生成するものであればどのようなものでもよい。
これらの金属又は半金属酸化物前駆体、例えば、無機多塩基酸エステルの使用量は、グラファイト酸化物層状体の質量の20〜100倍量、好ましくは40〜80倍量の範囲内で選ばれる。
本発明の方法によれば、簡便にかつ効率的に、多孔質グラファイト複合材料の層間距離を拡大することが可能となる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
グラファイト酸化物(GOと表す)は、ブロディー(Brodie)の方法(例えば、T. Nakajima and Y. Matsuo, Carbon, 1994, 32, 469を参照)により、グラファイト(Gと表す)を酸化して製造した。
【0026】
実施例1(n−オクチルアミンを用いた層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体の製造)
0.5gのGOと0.323g(5mmol/g−GO)のn−CH(CHNHを秤取り、これらを乳鉢に入れ、両者が均一に混合できるように乳棒ですり潰す。続いてヘキサンを適量加えて乳棒で混合し、ドラフト内で放置し、ヘキサンを蒸発させる。最後に60℃で一晩乾燥させて、n−オクチルアミンをインターカレーションしたGOを得た。これを、GOCNH−5と略称する。
【0027】
実施例2(n−デシルアミンを用いた層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体の製造)
0.323g(5mmol/g−GO)のn−CH(CHNHの代わりに、0.393g(5mmol/g−GO)のn−CH(CHNHを用いた以外は、前記実施例1と同様にして、n−デシルアミンをインターカレーションしたGOを得た。これを、GOC10NH−5と略称する。
【0028】
実施例3(n−ドデシルアミンを用いた層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体の製造)
0.323g(5mmol/g−GO)のn−CH(CHNHの代わりに、0.463g(5mmol/g−GO)のn−CH(CH11NHを用いた以外は、前記実施例1と同様にして、n−ドデシルアミンをインターカレーションしたGOを得た。これを、GOC12NH−5と略称する。
【0029】
実施例4(n−テトラデシルアミンを用いた層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体の製造)
0.323g(5mmol/g−GO)のn−CH(CHNHの代わりに、0.534g(5mmol/g−GO)のn−CH(CH13NHを用いた以外は、前記実施例1と同様にして、n−テトラデシルアミンをインターカレーションしたGOを得た。これを、GOC14NH−5と略称する。
【0030】
実施例5(n−ヘキサデシルアミンを用いた層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体の製造)
0.323g(5mmol/g−GO)のn−CH(CHNHの代わりに、0.604g(5mmol/g−GO)のn−CH(CH15NHを用いた以外は、前記実施例1と同様にして、n−デシルアミンをインターカレーションしたGOを得た。これを、GOC16NH−5と略称する。
【0031】
実施例6(n−オクタデシルアミンを用いた層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体の製造)
0.323g(5mmol/g−GO)のn−CH(CHNHの代わりに、0.674g(5mmol/g−GO)のn−CH(CH18NHを用いた以外は、前記実施例1と同様にして、n−オクタデシルアミンをインターカレーションしたGOを得た。これを、GOC18NH−5と略称する。
【0032】
試験例1(X線回折パターンの測定)
前記実施例1〜6で製造したGOCNH−5、 GOC10NH−5、GOC12NH−5、GOC14NH−5、GOC16NH−5、及びGOC18NH−5のそれぞれについてX線回折パターンを測定した。結果を図1に示す。これにより、各鎖長の有機アミンのインターカレーションにより、GOの層間距離が1.42nmから2.98nmまで広げた。鎖長が長いほど、層間距離がより大きくなることがわかった。
【0033】
実施例7(n−オクチルアミンを用いた層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料の製造)
前記実施例1で製造されたGOCNH−5の0.35gを秤取り、摺り合わせ蓋付きの三角フラスコに入れ、更に20mlのテトラエドキシシランを加え、25℃で1週間振動しながら反応させる。反応終了後、遠心分離で上澄み液を捨て、60℃で一晩乾燥した。これを550℃で真空中で、2時間焼成して標記の多孔質グラファイト複合材料を得た。これを、GOCNHS−5と略称する。
【0034】
実施例8(n−デシルアミンを用いた層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料の製造)
前記実施例1で製造されたGOCNH−5の代わりに、前記実施例2で製造されたGOC10NH−5を用いた以外は、前記実施例7と同様にして、n−デシルアミンを使用した多孔質グラファイト複合材料を得た。これを、GOC10NHS−5と略称する。
【0035】
実施例9(n−ドデシルアミンを用いた層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料の製造)
前記実施例1で製造されたGOCNH−5の代わりに、前記実施例3で製造されたGOC12NH−5を用いた以外は、前記実施例7と同様にして、n−ドデシルアミンを使用した多孔質グラファイト複合材料を得た。これを、GOC12NHS−5と略称する。
【0036】
実施例10(n−テトラデシルアミンを用いた層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料の製造)
前記実施例1で製造されたGOCNH−5の代わりに、前記実施例4で製造されたGOC14NH−5を用いた以外は、前記実施例7と同様にして、n−テトラデシルアミンを使用した多孔質グラファイト複合材料を得た。これを、GOC14NHS−5と略称する。
【0037】
実施例11(n−ヘキサデシルアミンを用いた層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料の製造)
前記実施例1で製造されたGOCNH−5の代わりに、前記実施例5で製造されたGOC16NH−5を用いた以外は、前記実施例7と同様にして、n−ヘキサデシルアミンを使用した多孔質グラファイト複合材料を得た。これを、GOC16NHS−5と略称する。
【0038】
実施例12(n−オクタデシルアミンを用いた層間距離が拡大された多孔質グラファイト複合材料の製造)
前記実施例1で製造されたGOCNH−5の代わりに、前記実施例6で製造されたGOC18NH−5を用いた以外は、前記実施例7と同様にして、n−オクタデシルアミンを使用した多孔質グラファイト複合材料を得た。これを、GOC18NHS−5と略称する。
【0039】
試験例2(窒素吸着等温線の測定)
前記実施例7〜12で製造したGOCNHS−5、 GOC10NHS−5、GOC12NHS−5、GOC14NHS−5、GOC16NHS−5、及びGOC18NH−5を、それぞれ−196℃で容量法装置を用いて窒素吸着等温線を測定した。結果を図2に示す。この結果、GO以外のサンプルのP/P(P:窒素圧力、P:窒素飽和蒸気圧)=0.2に於ける窒素吸着量がGOのそれよりも25倍以上大きく、多孔質であることが分った。
【0040】
試験例3(BET比表面積の測定)
前記実施例7〜12で製造したGOCNHS−5、 GOC10NHS−5、GOC12NHS−5、GOC14NHS−5、GOC16NHS−5、及びGOC18NH−5のそれぞれを、Brunauer−Emmett−Teller(BETと略す)の方法で、相対圧P/P(P:窒素圧力、P:窒素飽和蒸気圧)=0.05〜0.35の範囲で比表面積(BET比表面積と表す)の値を測定した。結果を表1に示す。この結果、GO以外のサンプルのBET比表面積値はGOのそれよりも約15倍〜24倍大きい。また、GOC14NHS−5のBET比表面積が一番大きく、アルコール洗浄による比表面積の低下が観察された(GOC14NHS−5の場合)。
【0041】
実施例13(2.5ミリモル(mmol)のn−テトラデシルアミンを用いた層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体の製造)
0.5gグラファイト酸化物(GOと表す)と、0.267g(2.5mmol/g−GO)のn−テトラデシルアミン(化学式:n−CH(CH13NH)を秤取り、これらを乳鉢に入れ、両者が均一に混合できるように乳棒ですり潰す。続いてヘキサンを適量加えて乳棒で混合し、ドラフト内で放置し、ヘキサンを蒸発させる。最後に60℃で一晩乾燥させ、2.5mmol/g−GOのn−テトラデシルアミンをインターカレーションしたGOを得た。これをGOC14NH−2.5と略称する。
【0042】
実施例14(5ミリモル(mmol)のn−テトラデシルアミンを用いた層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体の製造)
0.267g(2.5mmol/g−GO)のn−テトラデシルアミンの代わりに0.534g(5mmol/g−GO)のn−テトラデシルアミンを用いた以外は、前記実施例13と同様にして、5mmol/g−GOのn−オクタデシルアミンをインターカレーションしたGOを得た。これを、GOC14NH−5と略称する。
【0043】
実施例15(15ミリモル(mmol)のn−テトラデシルアミンを用いた層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体の製造)
0.267g(2.5mmol/g−GO)のn−テトラデシルアミンの代わりに1.601g(15mmol/g−GO)のn−テトラデシルアミンを用いた以外は、前記実施例13と同様にして、15mmol/g−GOのn−オクタデシルアミンをインターカレーションしたGOを得た。これを、GOC14NH−5と略称する。
【0044】
試験例4(X線回折パターンの測定)
前記実施例13〜15で製造したGOC14NH−2.5、 GOC14NH−5、及びGOC14NH−15、並びにGOのそれぞれについてX線回折パターンを測定した。結果を図3に示す。GOの層間距離が0.62nmに対し、GOC14NH−2.5、 5、15の層間距離が2.2nm以上となり、長鎖有機アミンがインターカレーションされたことがわかった。また、アミンの使用量が15mmol/gの場合、固相の有機アミンによる構造が確認された。
【0045】
実施例16〜18(2.5、5、及び15ミリモル(mmol)のn−テトラデシルアミンを用いた多孔質グラファイト複合材料の製造)
(1)0.35gのGOC14NH−2.5、GOC14NH−5及びGOC14NH−15をそれぞれ秤取り、摺り合わせ蓋付きの三角フラスコに入れ、更にそれぞれ20mlのテトラエドキシシラン(TEOSと略す)を加え、25℃で1週間振動しながら反応させた。反応後のサンプルを遠心分離で上澄み液を捨て、60℃で一晩乾燥した後、それぞれGOC14NHS−2.5、GOC14NHS−5及びGOC14NHS−15を得た。また、遠心分離した後のサンプルGOC14NHS−5に10ml前後のエタノールを加え、混合し、遠心分離で上澄み液を捨て、エタノール洗浄したサンプルGOC14NHSW−5を得た。X線回折結果よりTEOSで処理したサンプルの層秩序構造が悪くなるかかなり不明確になることが確認された(簡略のため、図を省略)。
【0046】
(2)GOC14NHS−2.5、GOC14NHS−5、GOC14NHS−15及びGOC14NH2SW−5を550℃で真空中、2時間焼成した後、−196℃で容量法装置を用いて窒素吸着等温線を測定した。また、同様に120℃で真空中、2時間乾燥したGOの窒素吸着等温線をも測った。図4にGO、GOC14NHS−2.5、GOC14NHS−5、GOC14NHS−15及びGOC14NHSW−5の窒素吸着等温線を示す。GO以外のサンプルのP/P(P:窒素圧力、P:窒素飽和蒸気圧)=0.2に於ける窒素吸着量がGOのそれよりも25倍以上大きく、多孔質であることが分った。Brunauer−Emmett−Teller(BETと略す)の方法で、相対圧P/P(P:窒素圧力、P:窒素飽和蒸気圧)=0.05〜0.35の範囲で比表面積(BET比表面積と表す)の値を求め、表2にまとめた。GO以外のサンプルのBET比表面積値はGOのそれよりも約15倍〜24倍大きい。また、GOC14NHS−5のBET比表面積が一番大きく、アルコール洗浄による比表面積の低下が観察された。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、簡便な手法により、かつ効率的に、グラファイト酸化物層状体の層間距離を拡大させる方法、及びそれによって製造される層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体や多孔質グラファイト複合材料を提供する。本発明の方法によれば、使用する長鎖有機アミンの炭素数に依存して、また使用するアミンの濃度に依存して、層間距離が拡大されたグラファイト酸化物層状体や多孔質グラファイト複合材料を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、炭素数8〜18の長鎖有機アミンをそれぞれ使用した場合の本発明のグラファイト酸化物層状体のX線回折パターンの測定結果を示したものである。
【図2】図2は、炭素数8〜18の長鎖有機アミンをそれぞれ使用した場合の本発明の多孔質グラファイト複合材料の−196℃(77K)で容量法装置を用いた窒素吸着等温線の測定結果をグラフ化したものである。図2の縦軸は気体(窒素)の吸着量(V/mL−STP/g)を示し、横軸はP/P(P:窒素圧力、P:窒素飽和蒸気圧)を示す。
【図3】図3は、各種の濃度の炭素数14の長鎖有機アミンをそれぞれ使用した場合の本発明のグラファイト酸化物層状体のX線回折パターンの測定結果を示したものである。
【図4】図4は、各種の濃度の炭素数14の長鎖有機アミンをそれぞれ使用した場合の本発明の多孔質グラファイト複合材料の−196℃(77K)で容量法装置を用いた窒素吸着等温線の測定結果をグラフ化したものである。図4の縦軸は気体(窒素)の吸着量(V/mL−STP/g)を示し、横軸はP/P(P:窒素圧力、P:窒素飽和蒸気圧)を示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
In the present invention, a graphite oxide layered product obtained by oxidizing graphite and a long-chain organic amine are mixed, and an ion exchange reaction is performed under conditions in which an organic solvent is present to produce a graphite oxide layered product, A method for producing a porous graphite composite material, characterized by introducing a metal or metalloid oxide precursor to form a stable pillar mainly composed of a metal or metalloid compound, and produced by the method The present invention relates to a porous graphite composite material. These materials have a large specific surface area and are useful as materials for adsorbing and storing low-molecular substances and polymers.
[0002]
[Prior art]
Until now, layered clays such as montmorillonite have alumina, zirconia, chromium oxide, titanium oxide, SiO 2 -TiO 2 , SiO 2 -Fe 2 O 3 , Al 2 O 3 -SiO 2 It is known that an intercalated layer is formed to form a cross-linked porous body (see Non-Patent Document 1).
[0003]
As a carbonaceous layered material, graphite is well known. Graphite is a material having a highly anisotropic layered structure with an in-plane carbon atom distance of 0.142 nm and a layer surface distance of 0.335 nm. Such strong anisotropy has a large effect on the reactivity, and reactions that attack in-plane bonds are unlikely to proceed, but reactions that insert reactants while expanding the layers, so-called intercalation This forms a graphite intercalation compound.
However, despite the fact that graphite has a layered structure similar to layered clay, only a relatively small molecule such as an alkali metal or halogen and a graphite intercalation compound can be formed, and a porous body having a relatively large surface area can be formed. The reason for not forming is that the distance between layers is small and that a sandwich structure is formed like a graphite intercalation compound. As described above, graphite or a graphite intercalation compound does not constitute a porous body having a large surface area, and even if an attempt is made to form a crosslink by subsequent heat treatment, it is difficult to collapse and form a stable pore. .
[0004]
By the way, the present inventors dispersed graphite oxide obtained by oxidizing graphite in an alkali, or extended the layer with a long-chain organic ion in advance, followed by hard crosslinking such as metal or metalloid oxide. It has been reported that a carbon-containing porous composite material having a high surface area can be synthesized by introducing an agent (see Patent Document 1). Conventionally, however, the interlayer pre-expansion of graphite oxide has been realized by dispersing it in the liquid phase or inserting a water-soluble surfactant from the liquid phase, and these liquid phase methods have complicated sample processing procedures. In addition, there are drawbacks such as a long synthesis time.
[0005]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Application 2001-392877
[Non-Patent Document 1]
"Surface", Vol. 27, No. 4 (1989), 290-300
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made for the purpose of providing a simple method for expanding the interlayer of graphite oxide and producing a novel porous composite material using this method.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive research, the present inventors have mixed long-chain organic amines and graphite oxide in a solid phase under the condition that an organic solvent is present to cause an ion exchange reaction. It is possible to intercalate uniformly between the graphite oxide layers, and the graphite oxide layers can be expanded, and a semimetal such as tetraedoxysilane (TEOS) or the like can be further expanded between the graphite oxide layers expanded by this method. Surface area 500m by introducing metal oxide precursor and post-treatment such as carbonization 2 It has been found that a carbon-containing porous composite material having a weight of at least / g can be produced.
[0008]
That is, the present invention provides a graphite oxide layered product by mixing a graphite oxide layered product obtained by oxidizing graphite and a long-chain organic amine, and performing an ion exchange reaction under the condition of an organic solvent. Then, a metal or metalloid oxide precursor is introduced into this to form a stable pillar mainly composed of a metal or metalloid compound, and a method for producing a porous graphite composite material, and this method Relates to a porous graphite composite material manufactured by
[0009]
In the graphite oxide layered body used as a substrate in the present invention, for example, graphite is immersed in a mixed solution of concentrated sulfuric acid and nitric acid, potassium chlorate is added and reacted, or in a mixed solution of concentrated sulfuric acid and sodium nitrate. It is prepared by soaking in, adding potassium permanganate and reacting. By these treatments, the carbon atoms of graphite are sp. 2 Sp from state 3 Changes to a state, such as a carbon atom forming a so-called benzene ring, to a saturated aliphatic carbon atom state, and oxygen atoms and hydrogen atoms are bonded to these changed carbon atoms. , Oxygen atoms can be introduced between the layers. The interlayer distance of the graphite oxide layered product thus produced is usually about 0.6 to 1.1 nm.
At least one selected from silicon, aluminum, titanium, zirconium and iron in the same manner as the well-known method for producing a clay interlaminar crosslinked porous material on the graphite oxide layered material thus produced. A porous graphite composite material can be manufactured by forming pillars made of a compound of a seed metal or metalloid.
[0010]
In order to produce such a porous graphite composite material, interlayer pre-expansion of graphite oxide is important. For example, Patent Document 1 discloses the following general formula as an ion for interlayer expansion. (1)
[R 1 -NR 2 R 3 R 4 ] + (1)
(Wherein R 1 Is a long-chain alkyl group having 8 to 20 carbon atoms, R 2 , R 3 And R 4 Are each an alkyl group having 1 to 3 carbon atoms, one of which is R 1 It may be the same. The use of quaternary ammonium cations with long-chain alkyl groups represented by
Further, the following general formula (2)
NR 5 R 6 R 7 (2)
(Wherein R 5 , R 6 And R 7 At least one of is an alkyl group having 1 to 3 carbon atoms or a hydroxyalkyl group, and the remainder is a hydrogen atom. )
It is described that a molecule such as an organic amine represented by can be used to extend the layer in the same manner, and examples of such an organic amine include methylamine, dimethylamine, trimethylamine, ethylamine, diethylamine, triethylamine, It is also described that there are ethanolamine, diethanolamine, triethanolamine, pyridine, aniline, N-methylaniline, N, N-dimethylaniline and the like.
For example, the introduction of ions or molecules for interlayer extension is performed by adding 8 to 36.0 times the amount of ions or molecules for interlayer extension based on the mass of the graphite oxide layered body in an alkaline aqueous solution. It is described that the reaction is carried out at a temperature in the range of up to 90 ° C. for 15 to 60 minutes.
However, these interlaminar pre-expansion methods are all carried out by reaction in the liquid phase, and there are drawbacks such as complicated operation procedures. As a result of extensive studies, we have intercalated these amines between graphite oxide layers by reacting them with graphite oxide in the solid phase under conditions mediated by organic solvents. And found that the distance between the layers can be increased.
[0011]
First, it was examined how the interlayer distance of the graphite oxide layered material changes using long-chain alkyl primary amines having various carbon numbers. For this purpose, n-octylamine having 8 carbon atoms, n-decylamine having 10 carbon atoms, n-dodecylamine having 12 carbon atoms, n-tetradecylamine having 14 carbon atoms, n-carbon having 16 carbon atoms The study was conducted using hexadecylamine and n-octadecylamine having 18 carbon atoms. That is, each long-chain alkyl primary amine 5 mmol (mmol) / g-GO and a graphite oxide layered body (hereinafter referred to as GO) are mixed, and each amine intercalates into GO. Manufactured GO. The GO intercalated with each amine thus obtained is converted into a GOC. 8 NH 2 -5, GOC 10 NH 2 -5, GOC 12 NH 2 -5, GOC 14 NH 2 -5, GOC 16 NH 2 -5 and GOC 18 NH 2 Abbreviated as -5. X-ray diffraction patterns of these layered products were measured. The result is shown in FIG. In FIG. 1, the horizontal axis indicates 2θ of diffraction, and the vertical axis indicates intensity. Each graph is GOC from the top 18 NH 2 -5, GOC 16 NH 2 -5, GOC 14 NH 2 -5, GOC 12 NH 2 -5, GOC 10 NH 2 -5, GOC 8 NH 2 -5, and GO. As a result, in the GO before the treatment with the primary amine having a long-chain alkyl group, the interlayer distance was 0.62 nm, but the GOC treated with the amine having 8 carbon atoms. 8 NH 2 -5, the interlayer distance is 1.42 nm, and the GOC treated with an amine having 10 carbon atoms 10 NH 2 -5, the inter-layer distance was 1.90 nm, and the GOC treated with an amine having 12 carbon atoms 12 NH 2 -5, the GOC treated with an amine having 14 carbon atoms with an interlayer distance of 2.13 nm 14 NH 2 -5, the inter-layer distance was 2.43 nm, and the GOC treated with an amine having 16 carbon atoms. 16 NH 2 -5, the distance between the layers was 2.60 nm, and the GOC treated with an amine having 18 carbon atoms. 18 NH 2 In the case of −5, the interlayer distance was 2.98 nm, and it was found that the interlayer distance of the graphite oxide was increased with the treatment with the amine having an alkyl group having a large number of carbon atoms.
[0012]
Next, each layered material obtained by the above method was treated with tetraedoxysilane (hereinafter abbreviated as TEOS), dried, and then baked in vacuum at 550 ° C. for 2 hours. The obtained porous graphite composites were each GOC based on the number of carbons of the amines initially treated. 8 NH 2 S-5, GOC 10 NH 2 S-5, GOC 12 NH 2 S-5, GOC 14 NH 2 S-5, GOC 16 NH 2 S-5 and GOC 18 NH 2 Abbreviated as S-5. About each of these, the nitrogen adsorption isotherm was measured using the capacitance method apparatus at -196 degreeC (77K). The results are shown in FIG. The vertical axis in FIG. 2 indicates the amount of gas (nitrogen) adsorption (V / mL-STP / g), and the horizontal axis indicates P / P. 0 (P: Nitrogen pressure, P 0 : Nitrogen saturated vapor pressure). Black circle (●) and white circle (○) are GOC 8 NH 2 Shows the case of S-5, black square mark (■) and white square mark (□) are GOC 10 NH 2 In the case of S-5, the upward black triangle mark (▲) and the upward white triangle mark (△) indicate GOC. 12 NH 2 The case of S-5 is shown. The black rhombus mark (◆) and the white rhombus mark (◇) are GOC. 14 NH 2 In the case of S-5, dots surrounded by white squares and small white squares indicate GOC 16 NH 2 The case of S-5 is shown, and the dot surrounded by a circle and the dot mark (•) are GOC. 18 NH 2 The case of S-5 is shown, and the downward black triangle mark (▼) and the downward white triangle mark (▽) indicate the case of GO, respectively. Both are white marks (GOC) 16 NH 2 S-5 and GOC 18 NH 2 In the case of S-5, small white squares and dots respectively indicate desorption branches.
From the nitrogen adsorption isotherm of each sample shown in FIG. 2, P / P 0 (P: Nitrogen pressure, P 0 : Nitrogen saturation vapor pressure) = 0.2, the nitrogen adsorption amount was found to be 25 times larger than that of GO. Moreover, these adsorption isotherms all showed desorption hysteresis.
Moreover, each BET specific surface area of the porous graphite composite material by which the interlayer distance was expanded was measured. The results are shown in Table 1 below.
[0013]
[Table 1]
Figure 0004263491
[0014]
The specific surface area of the raw material GO is 25 BET specific surface area / m. 2 As a result, it was found that the BET specific surface area was a porous composite 13 times larger than that of the original GO.
[0015]
Next, the change in the interlayer distance depending on the mixing amount of the primary amine having a long-chain alkyl group is expressed as n-tetradecylamine (n-CH 3 (CH 2 ) 13 -NH 2 ) As an example.
Graphite oxide layered body (hereinafter referred to as GO) and 2.5 mmol / g-GO, 5 mmol / g-GO and 15 mmol / g-GO of n-tetradecylamine were mixed, and these amines were mixed. Intercalated GO was obtained. Hereinafter, each of the obtained layered products is GOC 14 NH 2 -2.5, GOC 14 NH 2 -5, GOC 14 NH 2 Abbreviated as -15. X-ray diffraction patterns of these layered products were measured. The result is shown in FIG. In FIG. 3, the horizontal axis represents 2θ of diffraction, and the vertical axis represents intensity. Each graph is GOC from the top 14 NH 2 -15, GOC 14 NH 2 -5, GOC 14 NH 2 -2.5 and GO, respectively. As a result, in the GO before treatment with the primary amine having a long-chain alkyl group, the interlayer distance was 0.62 nm, but the GOC treated with 2.5 mmol (mmol) of amine was used. 14 NH 2 -2.5, the interlayer distance was 2.20 nm and the GOC treated with 5 mmol (mmol) amine 14 NH 2 -5, the interlayer distance was 2.43 nm and the GOC treated with 15 mmol (mmol) amine 14 NH 2 It was found that at −15, the interlayer distance was 4.41 nm. However, when the amount of amine used is 15 mmol (mmol), GOC 14 NH 2 In -15, the structure by the solid-phase organic amine was also confirmed.
[0016]
GOC obtained above 14 NH 2 -2.5, GOC 14 NH 2 -5 and GOC 14 NH 2 Each of −15 was treated with TEOS, dried, and then baked in vacuum at 550 ° C. for 2 hours. The obtained porous graphite composite materials with an increased interlayer distance were designated as GOC. 14 NH 2 S-2.5, GOC 14 NH 2 S-5 and GOC 14 NH 2 Abbreviated as S-15.
Separately, GOC 14 NH 2 After treating -5 with TEOS, it was further washed with ethanol, dried, and dried in vacuum at 550 ° C. for 2 hours. The obtained porous graphite composite material is GOC. 14 NH 2 Abbreviated as SW-5.
About each of these porous graphite composite materials and GO, the nitrogen adsorption isotherm was measured using the capacitance method apparatus at -196 degreeC (77K). The results are shown in FIG. The vertical axis in FIG. 4 represents the amount of gas (nitrogen) adsorption (V / mL-STP / g), and the horizontal axis represents P / P. 0 (P: Nitrogen pressure, P 0 : Nitrogen saturated vapor pressure). Black circle (●) and white circle (○) are GOC 14 NH 2 Shows the case of S-2.5, black square mark (■) and white square mark (□) are GOC 14 NH 2 The case of S-5 is shown. The black rhombus mark (◆) and the white rhombus mark (◇) are GOC. 14 NH 2 In the case of S-15, the upward black triangle mark (▲) and the upward white triangle mark (△) are GOC. 14 NH 2 The case of SW-5 is shown, and the downward black triangle mark (▼) and the downward white triangle mark (▽) indicate the case of GO, respectively. In both cases, the white mark indicates a desorption branch.
As a result, P / P of samples other than GO 0 (P: Nitrogen pressure, P 0 : Nitrogen saturation vapor pressure) = 0.2, the nitrogen adsorption amount was 25 times larger than that of GO, and it was found to be porous. Further, the adsorption isotherms of the porous graphite composite material of the present invention all showed desorption hysteresis.
In addition, the BET specific surface areas of the obtained porous graphite composite material and GO, in which the interlayer distance was expanded, were measured. The results are shown in Table 2 below.
[0017]
[Table 2]
Figure 0004263491
[0018]
It was found that the BET specific surface area values of samples other than GO were about 14 to 23 times larger than those of GO. Also, GOC 14 NH 2 The BET specific surface area of S-5 is the largest, and the specific surface area is reduced by alcohol washing (GOC 14 NH 2 In the case of S-5) was observed.
[0019]
As described above, the method of the present invention is characterized by utilizing a solid-phase reaction between a long-chain organic amine and graphite oxide under a condition in which an organic solvent is interposed in a method for increasing the interlayer distance of graphite oxide. Is. The second feature of the present invention is that a graphite oxide layered body having an interlayer distance expanded by a long-chain organic amine, a metal or metalloid oxide precursor is further introduced, and a metal or metalloid compound It is intended to provide a method for producing a porous graphite composite material characterized by forming a stable pillar mainly composed of.
[0020]
The long chain organic amine used in the method of the present invention is an organic amine having a hydrocarbon group having a carbon chain with a chain length of 8 or more, preferably 8 to 40 carbon atoms and 8 carbon atoms. Organic amines having a chain or cyclic alkyl group of ˜30 or C8-20 are mentioned. These alkyl groups may be linear or branched as long as the chain length has a carbon chain of 8 or more carbon atoms, and a carbocycle may be formed in the middle. Good. The organic amine of the present invention may be a primary amine, a secondary amine or a tertiary amine as long as at least one organic group has a carbon chain having 8 or more carbon atoms. From the viewpoints of ease and uniformity of the formed layer, a primary amine is preferable.
More preferable examples of the long-chain organic amine of the present invention include, for example, n-octylamine, n-nonylamine, n-decylamine, n-undecylamine, n-dodecylamine, and n-tridecylamine. N-tetradecylamine, n-pentadecylamine, n-hexadecylamine, n-heptadecylamine, n-octadecylamine, n-nonadecylamine, n-eicosylamine and the like.
[0021]
In the method of the present invention, mixing of the graphite oxide layered body (GO) and the long-chain organic amine is performed by a method in which GO is in a solid phase using an organic solvent or the like and both are mechanically mixed in a mortar or the like. be able to. The long-chain organic amine to be used may be liquid at room temperature or solid (for example, an aliphatic saturated amine having 14 or more carbon atoms). More specifically, after mixing the two, add an organic solvent, stir with a pestle to remove the liquid by absorbing GO or a solid phase mixture, and evaporating the organic solvent. To do. These operations are repeated 1 to 5 times, preferably 2 to 3 times. Examples of the organic solvent used in this case include aliphatic saturated hydrocarbons such as n-hexane and n-heptane, and hydrocarbons such as aromatic hydrocarbons such as benzene.
[0022]
According to the method of the present invention, the carbon interlayer distance of the graphite oxide is increased depending on the carbon chain length and concentration of the long-chain organic amine used. As shown in FIG. 1, even when the number of carbon atoms of the organic amine used is 8, the interlayer distance is expanded to more than twice the interlayer distance (0.62 nm) of ordinary graphite oxide. As described above, the interlayer distance of the graphite oxide is easily greatly increased by the long-chain organic amine, so that the interlayer distance of the graphite oxide is expanded, that is, twice or more (1.24 nm) or more, preferably Provides a novel graphite oxide layered body enlarged three times (1.86 nm) or more.
That is, the present invention provides a novel graphite oxide layered product produced by the method of the present invention having an interlayer distance of 1.4 nm or more, and preferably an interlayer distance of 1.86 nm or more, more preferably 2 nm or more. provide.
[0023]
In the second method of the present invention, a metal or semi-metal oxide precursor is further introduced into the graphite oxide layered body having an increased interlayer distance produced by the above-described method, and a metal or semi-metal compound is obtained. It is a method for producing a porous graphite composite material with an expanded interlayer distance characterized by forming a stable pillar as a main component. As a metal or metalloid oxide precursor used in this method, silicon, Examples include at least one metal or metalloid compound selected from aluminum, titanium, zirconium, and iron, that is, a silicon-containing compound, an aluminum-containing compound, a titanium-containing compound, a zirconium-containing compound, and an iron-containing compound. Although these compounds can be used alone or in combination of two or more, it is usually preferred to use one kind. Preferred examples include mixed sols such as silica sol, alumina sol, titania sol, zirconia sol, silica-titania sol, silica-iron oxide sol, and alumina-silica sol. Other preferred examples include esters of lower alcohols with metal or metalloid inorganic polybasic acids selected from silicic acid, aluminate, titanic acid and zirconic acid, such as those having 1 to 4 carbon atoms. Examples include alcohols such as esters with methyl alcohol, ethyl alcohol, n-propyl alcohol, isopropyl alcohol, n-butyl alcohol, isobutyl alcohol, and more specifically, for example, tetraethyl silicate, triethyl aluminate, tetraethyl titanate, And tetraethyl zirconate. If desired, a partial ester in which a part of the alkoxyl group is an alkyl group can also be used. These may be used alone or in combination of two or more.
[0024]
In order to form a stable pillar mainly composed of a metal or metalloid compound by the method of the present invention described above, after introducing a metal or metalloid oxide precursor, it is dried at 50 to 70 ° C. Heat treatment is preferably performed at 500 to 700 ° C. for 2 to 8 hours in an active atmosphere. By the heat treatment, a porous composite material including a stable pillar made of a metal or metalloid oxide or a mixed oxide thereof can be obtained. The above-mentioned inorganic polybasic acid ester is hydrolyzed or decomposed by a subsequent heat treatment to provide a stable compound having a strength capable of supporting the interlayer, that is, a solid silicon-containing compound, aluminum-containing compound, titanium-containing compound. Any compound or zirconium-containing compound may be used.
The amount of these metal or metalloid oxide precursors, for example, inorganic polybasic acid esters used is selected within the range of 20 to 100 times, preferably 40 to 80 times the mass of the graphite oxide layered product. .
According to the method of the present invention, it is possible to easily and efficiently increase the interlayer distance of the porous graphite composite material.
[0025]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention more concretely, this invention is not limited at all by these Examples.
Graphite oxide (represented as GO) is produced by oxidizing graphite (represented as G) by Brodie's method (see, for example, T. Nakajima and Y. Matsuo, Carbon, 1994, 32, 469). did.
[0026]
Example 1 (Manufacture of a graphite oxide layered body with an increased interlayer distance using n-octylamine)
0.5 g GO and 0.323 g (5 mmol / g-GO) n-CH 3 (CH 2 ) 7 NH 2 Weigh and place them in a mortar and grind them with a pestle so that they can be mixed evenly. Subsequently, an appropriate amount of hexane is added, mixed with a pestle, and left in a fume hood to evaporate hexane. Finally, it was dried at 60 ° C. overnight to obtain GO intercalated with n-octylamine. This is the GOC 8 NH 2 Abbreviated as -5.
[0027]
Example 2 (Production of a graphite oxide layered body with an increased interlayer distance using n-decylamine)
0.323 g (5 mmol / g-GO) n-CH 3 (CH 2 ) 7 NH 2 Instead of 0.393 g (5 mmol / g-GO) n-CH 3 (CH 2 ) 9 NH 2 Except that was used, GO was obtained by intercalating n-decylamine in the same manner as in Example 1. This is the GOC 10 NH 2 Abbreviated as -5.
[0028]
Example 3 (Production of a graphite oxide layered body having an increased interlayer distance using n-dodecylamine)
0.323 g (5 mmol / g-GO) n-CH 3 (CH 2 ) 7 NH 2 Instead of 0.463 g (5 mmol / g-GO) n-CH 3 (CH 2 ) 11 NH 2 Except that was used, GO was obtained by intercalating n-dodecylamine in the same manner as in Example 1. This is the GOC 12 NH 2 Abbreviated as -5.
[0029]
Example 4 (Production of graphite oxide layered body using n-tetradecylamine with increased interlayer distance)
0.323 g (5 mmol / g-GO) n-CH 3 (CH 2 ) 7 NH 2 Instead of 0.534 g (5 mmol / g-GO) n-CH 3 (CH 2 ) 13 NH 2 In the same manner as in Example 1 except that was used, GO intercalated with n-tetradecylamine was obtained. This is the GOC 14 NH 2 Abbreviated as -5.
[0030]
Example 5 (Production of a graphite oxide layered body with an increased interlayer distance using n-hexadecylamine)
0.323 g (5 mmol / g-GO) n-CH 3 (CH 2 ) 7 NH 2 Instead of 0.604 g (5 mmol / g-GO) n-CH 3 (CH 2 ) 15 NH 2 Except that was used, GO was obtained by intercalating n-decylamine in the same manner as in Example 1. This is the GOC 16 NH 2 Abbreviated as -5.
[0031]
Example 6 (Production of a graphite oxide layered body with an increased interlayer distance using n-octadecylamine)
0.323 g (5 mmol / g-GO) n-CH 3 (CH 2 ) 7 NH 2 Instead of 0.674 g (5 mmol / g-GO) n-CH 3 (CH 2 ) 18 NH 2 Except that was used, GO was obtained by intercalating n-octadecylamine in the same manner as in Example 1. This is the GOC 18 NH 2 Abbreviated as -5.
[0032]
Test Example 1 (Measurement of X-ray diffraction pattern)
GOC manufactured in Examples 1-6 8 NH 2 -5, GOC 10 NH 2 -5, GOC 12 NH 2 -5, GOC 14 NH 2 -5, GOC 16 NH 2 -5 and GOC 18 NH 2 An X-ray diffraction pattern was measured for each of −5. The results are shown in FIG. As a result, the interlayer distance of GO was increased from 1.42 nm to 2.98 nm by intercalation of organic amines of each chain length. It was found that the longer the chain length, the greater the interlayer distance.
[0033]
Example 7 (Production of Porous Graphite Composite Material with Increased Interlayer Distance Using n-Octylamine)
GOC manufactured in Example 1 8 NH 2 0.35 g of -5 is weighed and placed in an Erlenmeyer flask with a sliding lid, and further 20 ml of tetraedoxysilane is added and reacted while shaking at 25 ° C. for 1 week. After completion of the reaction, the supernatant was discarded by centrifugation and dried at 60 ° C. overnight. This was fired at 550 ° C. in vacuum for 2 hours to obtain the title porous graphite composite material. This is the GOC 8 NH 2 Abbreviated as S-5.
[0034]
Example 8 (Production of Porous Graphite Composite Material with Increased Interlayer Distance Using n-decylamine)
GOC manufactured in Example 1 8 NH 2 -GOC manufactured in Example 2 instead of -5 10 NH 2 A porous graphite composite material using n-decylamine was obtained in the same manner as in Example 7 except that -5 was used. This is the GOC 10 NH 2 Abbreviated as S-5.
[0035]
Example 9 (Production of Porous Graphite Composite Material with Increased Interlayer Distance Using n-Dodecylamine)
GOC manufactured in Example 1 8 NH 2 Instead of -5, the GOC manufactured in Example 3 above 12 NH 2 A porous graphite composite material using n-dodecylamine was obtained in the same manner as in Example 7 except that -5 was used. This is the GOC 12 NH 2 Abbreviated as S-5.
[0036]
Example 10 (Production of Porous Graphite Composite Material with Increased Interlayer Distance Using n-Tetradecylamine)
GOC manufactured in Example 1 8 NH 2 Instead of -5, the GOC manufactured in Example 4 above 14 NH 2 A porous graphite composite material using n-tetradecylamine was obtained in the same manner as in Example 7 except that -5 was used. This is the GOC 14 NH 2 Abbreviated as S-5.
[0037]
Example 11 (Production of Porous Graphite Composite with Increased Interlayer Distance Using n-Hexadecylamine)
GOC manufactured in Example 1 8 NH 2 Instead of -5, the GOC manufactured in Example 5 above 16 NH 2 A porous graphite composite material using n-hexadecylamine was obtained in the same manner as in Example 7 except that -5 was used. This is the GOC 16 NH 2 Abbreviated as S-5.
[0038]
Example 12 (Production of Porous Graphite Composite Material with Increased Interlayer Distance Using n-Octadecylamine)
GOC manufactured in Example 1 8 NH 2 Instead of -5, the GOC manufactured in Example 6 above 18 NH 2 A porous graphite composite material using n-octadecylamine was obtained in the same manner as in Example 7 except that -5 was used. This is the GOC 18 NH 2 Abbreviated as S-5.
[0039]
Test example 2 (measurement of nitrogen adsorption isotherm)
GOC manufactured in Examples 7-12 8 NH 2 S-5, GOC 10 NH 2 S-5, GOC 12 NH 2 S-5, GOC 14 NH 2 S-5, GOC 16 NH 2 S-5 and GOC 18 NH 2 The nitrogen adsorption isotherm was measured using a volumetric method apparatus at −196 ° C. for each of −5. The results are shown in FIG. As a result, P / P of samples other than GO 0 (P: Nitrogen pressure, P 0 : Nitrogen saturation vapor pressure) = 0.2, the nitrogen adsorption amount was 25 times larger than that of GO, and it was found to be porous.
[0040]
Test Example 3 (Measurement of BET specific surface area)
GOC manufactured in Examples 7-12 8 NH 2 S-5, GOC 10 NH 2 S-5, GOC 12 NH 2 S-5, GOC 14 NH 2 S-5, GOC 16 NH 2 S-5 and GOC 18 NH 2 Each of -5 is measured by the method of Brunauer-Emmett-Teller (abbreviated BET) 0 (P: Nitrogen pressure, P 0 : Nitrogen saturated vapor pressure) = 0.05 to 0.35, the value of specific surface area (expressed as BET specific surface area) was measured. The results are shown in Table 1. As a result, the BET specific surface area values of samples other than GO are about 15 to 24 times larger than that of GO. Also, GOC 14 NH 2 The BET specific surface area of S-5 was the largest, and a decrease in specific surface area due to alcohol washing was observed (GOC) 14 NH 2 In the case of S-5).
[0041]
Example 13 (Production of graphite oxide layered body having an increased interlayer distance using 2.5 mmol (mmol) of n-tetradecylamine)
0.5 g graphite oxide (represented as GO) and 0.267 g (2.5 mmol / g-GO) n-tetradecylamine (chemical formula: n-CH) 3 (CH 2 ) 13 NH 2 ), Put them in a mortar and grind them with a pestle so that they can be mixed evenly. Subsequently, an appropriate amount of hexane is added, mixed with a pestle, and left in a fume hood to evaporate hexane. Finally, it was dried at 60 ° C. overnight to obtain GO intercalated with 2.5 mmol / g-GO of n-tetradecylamine. This is GOC 14 NH 2 Abbreviated as -2.5.
[0042]
Example 14 (Production of a graphite oxide layered body having an increased interlayer distance using 5 mmol (mmol) of n-tetradecylamine)
The same as Example 13 except that 0.534 g (5 mmol / g-GO) of n-tetradecylamine was used instead of 0.267 g (2.5 mmol / g-GO) of n-tetradecylamine. Thus, GO intercalated with 5 mmol / g-GO of n-octadecylamine was obtained. This is the GOC 14 NH 2 Abbreviated as -5.
[0043]
Example 15 (Production of a graphite oxide layered body having an increased interlayer distance using 15 mmol (mmol) of n-tetradecylamine)
Example 1 was used except that 1.601 g (15 mmol / g-GO) of n-tetradecylamine was used instead of 0.267 g (2.5 mmol / g-GO) of n-tetradecylamine. Thus, GO intercalated with 15 mmol / g-GO of n-octadecylamine was obtained. This is the GOC 14 NH 2 Abbreviated as -5.
[0044]
Test Example 4 (Measurement of X-ray diffraction pattern)
GOC manufactured in Examples 13-15 14 NH 2 -2.5, GOC 14 NH 2 -5 and GOC 14 NH 2 X-ray diffraction patterns were measured for each of −15 and GO. The results are shown in FIG. GOC interlayer distance is 0.62nm, while GOC 14 NH 2 The interlayer distance of −2.5, 5, and 15 was 2.2 nm or more, and it was found that the long-chain organic amine was intercalated. Further, when the amount of amine used was 15 mmol / g, a structure of solid-phase organic amine was confirmed.
[0045]
Examples 16-18 (Preparation of porous graphite composites using 2.5, 5, and 15 mmol (mmol) of n-tetradecylamine)
(1) 0.35 g GOC 14 NH 2 -2.5, GOC 14 NH 2 -5 and GOC 14 NH 2 Each of -15 was weighed and placed in an Erlenmeyer flask with a sliding lid, 20 ml of tetraedoxysilane (abbreviated as TEOS) was added, and the reaction was carried out at 25 ° C. for 1 week with vibration. After the reaction, the supernatant was removed by centrifugation and dried at 60 ° C. overnight. 14 NH 2 S-2.5, GOC 14 NH 2 S-5 and GOC 14 NH 2 S-15 was obtained. In addition, sample GOC after centrifugation 14 NH 2 Add about 10 ml of ethanol to S-5, mix, discard the supernatant by centrifugation, and wash the sample with GOC 14 NH 2 SW-5 was obtained. From the X-ray diffraction results, it was confirmed that the layer ordered structure of the sample treated with TEOS was deteriorated or became unclear (for simplicity, illustration was omitted).
[0046]
(2) GOC 14 NH 2 S-2.5, GOC 14 NH 2 S-5, GOC 14 NH 2 After baking S-15 and GOC14NH2SW-5 in vacuum at 550 ° C. for 2 hours, a nitrogen adsorption isotherm was measured at −196 ° C. using a volumetric apparatus. Similarly, the nitrogen adsorption isotherm of GO dried in vacuum at 120 ° C. for 2 hours was also measured. 4 shows GO and GOC. 14 NH 2 S-2.5, GOC 14 NH 2 S-5, GOC 14 NH 2 S-15 and GOC 14 NH 2 The nitrogen adsorption isotherm of SW-5 is shown. Sample P / P other than GO 0 (P: Nitrogen pressure, P 0 : Nitrogen saturation vapor pressure) = 0.2, the nitrogen adsorption amount was 25 times larger than that of GO, and it was found to be porous. Relative pressure P / P by the method of Brunauer-Emmett-Teller (abbreviated as BET) 0 (P: Nitrogen pressure, P 0 : Nitrogen saturated vapor pressure) = 0.05 to 0.35, the specific surface area (expressed as BET specific surface area) was determined and summarized in Table 2. Samples other than GO have a BET specific surface area value that is about 15 to 24 times greater than that of GO. Also, GOC 14 NH 2 The BET specific surface area of S-5 was the largest, and a decrease in the specific surface area due to alcohol washing was observed.
[0047]
【The invention's effect】
The present invention relates to a method for efficiently and efficiently expanding the interlayer distance of a graphite oxide layered body by a simple method, and a graphite oxide layered body and a porous graphite composite material having an increased interlayer distance produced thereby. I will provide a. According to the method of the present invention, depending on the number of carbon atoms of the long-chain organic amine used, and depending on the concentration of the amine used, the graphite oxide layered body or porous graphite composite material whose interlayer distance is expanded Can be manufactured.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows the measurement results of the X-ray diffraction pattern of the graphite oxide layered body of the present invention when a long-chain organic amine having 8 to 18 carbon atoms is used.
FIG. 2 shows a nitrogen adsorption isotherm using a capacity method apparatus at −196 ° C. (77 K) of the porous graphite composite material of the present invention when a long-chain organic amine having 8 to 18 carbon atoms is used, respectively. Is a graph of the measurement results. The vertical axis in FIG. 2 indicates the amount of gas (nitrogen) adsorption (V / mL-STP / g), and the horizontal axis indicates P / P. 0 (P: Nitrogen pressure, P 0 : Nitrogen saturated vapor pressure).
FIG. 3 shows the measurement results of the X-ray diffraction pattern of the graphite oxide layered body of the present invention when various concentrations of C14 long-chain organic amines are used.
FIG. 4 shows nitrogen adsorption using a volumetric apparatus at −196 ° C. (77 K) of the porous graphite composite material of the present invention when a long-chain organic amine having 14 carbon atoms of various concentrations is used. It is a graph of measurement results of isotherms. The vertical axis in FIG. 4 represents the amount of gas (nitrogen) adsorption (V / mL-STP / g), and the horizontal axis represents P / P. 0 (P: Nitrogen pressure, P 0 : Nitrogen saturated vapor pressure).

Claims (4)

グラファイトを酸化して得られるグラファイト酸化物層状体と 〜C 14 の長鎖有機アミンとを混合し、有機溶媒が介在する条件下でイオン交換反応を行ってグラファイト酸化物層状体を製造し、次いでこれにテトラエトキシシランを導入して、ケイ酸の化合物を主体とする安定なピラーを形成させてなる多孔質グラファイト複合材料の製造方法。 A graphite oxide layered product obtained by oxidizing graphite and a C 8 to C 14 long-chain organic amine are mixed and subjected to an ion exchange reaction under the condition of an organic solvent to produce a graphite oxide layered product. and then introducing tetraethoxysilane thereto, producing how porous graphite composite material formed by forming a stable pillar mainly composed of compounds of silicic acid. グラファイト酸化物層状体と長鎖有機アミンとの混合が固相で行われる請求項1に記載の方法。  The method according to claim 1, wherein the mixing of the graphite oxide layered body and the long-chain organic amine is performed in a solid phase. 有機溶媒が、炭化水素である請求項1又は2に記載の方法。  The method according to claim 1 or 2, wherein the organic solvent is a hydrocarbon. テトラエトキシシランの導入後、さらにこれを不活性雰囲気中で加熱処理する請求項1〜のいずれかに記載の方法。The method according to any one of claims 1 to 3 , wherein after introducing tetraethoxysilane, this is further heat-treated in an inert atmosphere.
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