JP4259910B2 - ロボットの教示方法および教示装置 - Google Patents

ロボットの教示方法および教示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はロボットの教示方法および教示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロボットを動作させるために、その動作プログラムをあらかじめ教示することが行われている。従来の教示方法および教示装置として、教示具の先端を直接教示位置に当てて、その教示具の先端位置を認識することにより、教示を行うようにしたものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
この教示方法および教示装置を図14を用いて説明する。ここでは、オペレータ91によって把持される教示具92の先端に指示指標93を設けて、その指示指標93の位置を画像処理装置94によって3次元的に計測する。ここでは、オペレータ91が教示具92の指示指標93を教示対象物95の表面における教示位置に直接あて、この指示指標93の位置を画像処理装置94にて計測することで教示を行う。
【0004】
従来の他の教示方法および教示装置として、光照射装置により教示位置に光の目印を設け、これを認識することにより教示を行うものもある(例えば、特許文献2)。
【0005】
この教示方法および教示装置を、図15を用いて説明する。ここでは、教示先に光照射を行って光の目印96をつける光照射装置97と、その光の目印96の位置を3次元的に計測する画像処理装置または信号処理装置98とでシステムを構成している。そして、教示位置に光の目印96がくるように光照射装置97から光を照射し、画像処理装置または信号処理装置98によってこの光の目印96の位置を計測することで、教示を行うものである。
【0006】
【特許文献1】
特公平7−32994号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2002−82720号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の技術では、教示具92の先端の指示指標93や光の目印96を教示位置に直接あてる必要がある。このため、図14の教示具92を用いる場合は、この教示具92の届かない場所での教示ができず、したがって広い場所での教示の際には、オペレータ91が大きく移動する必要がある。また、図15の光の目印96を用いる場合は、教示箇所の素材や形状によってはマーキングすなわち目印の付与ができないことがあるとともに、同様に光学系の性能に基づく一定の距離を越える遠方では教示ができないという課題がある。
【0009】
そこで本発明は、教示対象の素材や形状にかかわらず、また教示対象が遠い位置に存在する場合でも、容易にロボットに教示できるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明に係るロボットの教示方法は、指示手段(12)によって教示位置を指し示し、前記指示手段(12)の中心軸の先端と中心軸上の他の一点との2点の参照位置を参照して前記2点の参照位置を結んで方向ベクトルを作ることによって前記指示手段(12)の指し示す指示方向を計測し、前記指示方向に存在する床面や壁面や物体平面の指示先の環境の情報、および前記指示方向をもとに、前記2点の参照位置を通る直線と前記指示方向に存在する床面や壁面や物体平面との交点を求め、求めた交点を教示位置として特定することを特徴とし、本発明に係るロボットの教示装置は、教示位置を指し示す指示手段(12)と、前記指示手段(12)の中心軸の先端と中心軸上の他の一点との2点の参照位置を参照して前記2点の参照位置を結んで方向ベクトルを作ることによって前記指示手段(12)の指し示す指示方向を計測する指示方向計測装置(13)と、指示先情報取得装置からの、前記指示方向に存在する床面や壁面や物体平面の指示先の環境の情報、および前記指示方向をもとに、前記2点の参照位置を通る直線と前記指示方向に存在する床面や壁面や物体平面との交点を求め、求めた交点を教示位置として特定する教示位置特定装置(18)と、を有することを特徴とする。
【0011】
これにより、目標位置および経路をロボットに教示する際に、教示位置に直接目印を設けることなしに、容易に教示を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のロボットの教示方法および教示装置の実施の形態を、図1〜図13に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態のロボットの教示装置の概略構成を示し、図2は本発明の実施の形態のロボットの教示方法の概略を示し、図3〜図6は本発明の実施の形態のロボットの教示装置の具体例を示し、図7〜図12は本発明にもとづく指示方向の決定方法の例を示し、図13は本発明にもとづく教示位置の決定方法の例を示している。
【0014】
図1に示す教示装置において、11はオペレータとしての教示者である。12は、教示位置を指し示す教示位置指示手段で、ここでは後述の図3の場合と同様に教示者11の指先を教示位置指示手段としている。13は指示方向計測装置で、教示位置指示手段12をとらえるカメラ14を備えて、その指示方向を計測する。15は指示先情報取得装置で、指示方向計測装置13から入力される指示方向データ16に基づき教示先すなわち指示先の情報を取得するためのものであって、そのためのカメラ17を備える。18は教示位置特定装置で、指示先情報取得装置15からの指示方向および指示先についての情報19から教示位置を特定する。20は記憶装置で、教示位置特定装置18からの教示位置データ21を記憶する。
【0015】
次に、図2のフローチャートに基づき本発明の実施の形態の教示方法を説明する。図示のように、まず図1における教示者11が教示位置指示手段12により教示位置を指し示し(ステップ1)、この教示位置指示手段12の指し示す方向を指示方向計測装置13にて計測することで指示方向を求める(ステップ2)。次に、指示先情報取得装置15によって、ステップ2の指示方向で示された指示先の情報を取得し(ステップ3)、指示方向および指示先についての情報19から、教示位置特定装置18によって教示位置の特定を行う(ステップ4)。特定した教示位置は、教示経路として記憶装置20に記憶する(ステップ5)。以上により教示を行う。
【0016】
次に、これらの教示方法および教示装置を用いたシステムの例を、図3〜図6に基づいて説明する。
図3に示すように、教示者11がロボット31に教示を行うことを想定する。ここでは教示位置指示手段12として教示者11の指先を用い、教示位置を指差することにより教示位置を指示する。このとき、教示位置を示すことを身振りや音声によってあらかじめロボット31に通知しておき、その通知に従ってロボット31は、指示方向計測装置13としてのステレオカメラおよび画像処理装置によって教示者11の指先の画像を取得しその指し示す指示方向を3次元的に計測する。次に、計測された指示方向に従って、指示先情報取得装置15であるステレオカメラおよび画像処理装置にて指示先の教示位置32の画像を取得し、画像処理を行って、指示先すなわちこの教示位置32の環境の情報を3次元的に取得する。
【0017】
ただし、あらかじめ取得されている地図データベース33であってたとえばロボット31に内蔵されているものなどにより環境の情報が手に入る場合は、その地図データベース33から情報を取得してもよい。
【0018】
そして、取得された指示方向および指示先の情報をもとに、ロボット31に設けられた教示位置特定装置18としての計算機34によって教示位置32を求める。ここで、指示先の教示位置32の画像もしくは情報を、ディスプレイとキーボード等の入力装置とで構成された教示情報表示入力装置35に表示して、教示者11に通知確認を行う。このとき、場合によっては教示位置32の修正等を行ってもよい。そして、教示位置32についての情報は、教示位置の記憶装置20に保存される。教示位置の記憶装置20では、複数の教示位置32をもとに教示経路36の作成を行う。
【0019】
また、このシステムにおいて、指示先情報の取得時の目標となるランドマーク37を設定し、指示先情報取得装置15によってランドマーク37の形状や色などの特徴と経路36との位置関係を合わせて取得し、これを教示位置の記憶装置20にて記憶して、ロボット動作時のランドマーク情報とすることもできる。
【0020】
図4のシステムでは、図3のシステムにおける教示方向計測装置13と指示先情報取得装置15とで、ステレオカメラ38および図示を省略した画像処理装置を兼用している。そして、はじめは教示者11の示す教示方向を計測し、その後にステレオカメラ38の向きを指示先すなわち教示位置32の方向に変えて、その教示位置32の情報を取得する。
【0021】
図5のシステムでは、図3、図4のシステムにおけるロボット31にすべての機能を持たせずに、その機能の一部もしくはすべてを、ロボット31とは別に設けられた教示経路生成装置39に持たせている。そして、教示経路生成装置39とロボット31との間の通信によって、教示作業や教示経路データをロボット31へ通知する。40は、そのための通信手段である。
【0022】
図6のシステムでは、ロボット31自身が指示先に移動し、指示方向計測装置13であるステレオカメラおよび画像処理装置によって、教示位置指示手段12の指示方向とカメラとのずれを検知する。そして、このずれを無くして両者が向かい合うようにロボット31が移動し、その移動情報によって教示位置を決定する。
【0023】
次に、これらの教示方法に用いる教示位置指示手段12と、その指示方向の決定方法について、図7〜図12に基づいて説明する。
図7の例では、教示者11が教示位置指示手段12としての先端が棒状の教示具を手に持って指示を行っており、その棒の中心軸方向により指示方向41を決定する。
【0024】
図8の例では、前述のように教示者の指先を教示位置指示手段12としており、ここでは、指の第一関節の位置42と指の先端の位置43とを結んで作られる方向ベクトルによって指示方向41を決定する。ここでは、指の先端の位置43が本発明における教示位置指示手段12の中心軸の先端に該当し、また指の第一関節の位置42が中心軸上の他の一点に該当する。
【0025】
図9の例では、教示者の指の付け根位置44(中心軸上の他の一点に該当)と指の先端の位置43(中心軸の先端に該当)とを結んで作られる方向ベクトルによって、指示方向41を決定する。
【0026】
図10の例では、教示者11が手首や指を伸ばしたときの、この教示者11の肘の位置45(中心軸上の他の一点に該当)と手先の位置46(指の先端の位置43に相当、また中心軸の先端に該当)とを結んで作られる方向ベクトルによって、指示方向41を決定する。
【0027】
図11の例では、教示者11が腕を伸ばしたときの、その腕の付け根位置47(中心軸上の他の一点に該当)と手先の位置46(また中心軸の先端に該当)とを結んで作られる方向ベクトルによって指示方向41を決定する。
【0028】
図12の例では、教示者11と教示位置指示手段12としての教示具とにおける任意の少なくとも2点を、中心軸上の他の一点に該当する参照位置48および中心軸の先端に該当する参照位置49として、事前にデータベース50に登録しておく。そして、その参照位置48、49によって決定される方向ベクトルによって指示方向41を決定する。
【0029】
また、教示位置指示手段に磁気センサや無線位置検出センサ等の位置姿勢検出センサを備えたり、位置姿勢検出センサを備えたデータグローブ等を用い、教示位置指示手段の姿勢を取得することにより、指示方向を計測するようにしてもよい。
【0030】
図13は、教示位置32の特定方法の例について説明する。ここでは、指示方向41に存在する床面や壁面などの環境平面51と指示方向41のベクトルとの交点を教示位置32とする。
【0031】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、教示位置に目印を設けることなしに、ロボットの目標位置および経路の教示を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のロボットの教示装置の概略構成を示す図
【図2】本発明の実施の形態のロボットの教示方法の概略を示す図
【図3】本発明の実施の形態のロボットの教示装置の具体例を示す図
【図4】本発明の実施の形態のロボットの教示装置の他の具体例を示す図
【図5】本発明の実施の形態のロボットの教示装置の他の具体例を示す図
【図6】本発明の実施の形態のロボットの教示装置の他の具体例を示す図
【図7】本発明にもとづく指示方向の決定方法の例を示す図
【図8】本発明にもとづく指示方向の決定方法の他の例を示す図
【図9】本発明にもとづく指示方向の決定方法の他の例を示す図
【図10】本発明にもとづく指示方向の決定方法の他の例を示す図
【図11】本発明にもとづく指示方向の決定方法の他の例を示す図
【図12】本発明にもとづく指示方向の決定方法の他の例を示す図
【図13】本発明にもとづく教示位置の決定方法の他の例を示す図
【図14】従来のロボットの教示方法の一例を示す図
【図15】従来のロボットの教示方法の他の例を示す図
【符号の説明】
11 教示者
12 教示位置指示手段
13 指示方向計測装置
15 指示先情報取得装置
18 教示位置特定装置

Claims (6)

  1. 指示手段(12)によって教示位置を指し示し、
    前記指示手段(12)の中心軸の先端と中心軸上の他の一点との2点の参照位置を参照して前記2点の参照位置を結んで方向ベクトルを作ることによって前記指示手段(12)の指し示す指示方向を計測し、
    前記指示方向に存在する床面や壁面や物体平面の指示先の環境の情報、および前記指示方向をもとに、前記2点の参照位置を通る直線と前記指示方向に存在する床面や壁面や物体平面との交点を求め、
    求めた交点を教示位置として特定すること
    を特徴とするロボットの教示方法。
  2. 指示手段(12)によって教示位置を指し示し、
    前記指示手段(12)の中心軸の先端と中心軸上の他の一点との2点の参照位置を参照して前記2点の参照位置を結んで方向ベクトルを作ることによって前記指示手段(12)の指し示す指示方向を計測し、
    前記指示方向に存在する床面や壁面や物体平面の指示先の環境の情報、および前記指示方向をもとに、前記2点の参照位置を通る直線と前記指示方向に存在する床面や壁面や物体平面との最初の交点を求め、
    求めた最初の交点を教示位置として特定すること
    を特徴とするロボットの教示方法。
  3. 教示位置を指し示す指示手段(12)と、
    前記指示手段(12)の中心軸の先端と中心軸上の他の一点との2点の参照位置を参照して前記2点の参照位置を結んで方向ベクトルを作ることによって前記指示手段(12)の指し示す指示方向を計測する指示方向計測装置(13)と、
    指示先情報取得装置からの、前記指示方向に存在する床面や壁面や物体平面の指示先の環境の情報、および前記指示方向をもとに、前記2点の参照位置を通る直線と前記指示方向に存在する床面や壁面や物体平面との交点を求め、求めた交点を教示位置として特定する教示位置特定装置(18)と、を有すること
    を特徴とするロボットの教示装置。
  4. 教示位置を指し示す指示手段(12)と、
    前記指示手段(12)の中心軸の先端と中心軸上の他の一点との2点の参照位置を参照して前記2点の参照位置を結んで方向ベクトルを作ることによって前記指示手段(12)の指し示す指示方向を計測する指示方向計測装置(13)と、
    指示先情報取得装置からの、前記指示方向に存在する床面や壁面や物体平面の指示先の環境の情報、および前記指示方向をもとに、前記2点の参照位置を通る直線と前記指示方向に存在する床面や壁面や物体平面との最初の交点を求め、求めた最初の交点を教示位置として特定する教示位置特定装置(18)と、を有すること
    を特徴とするロボットの教示装置。
  5. 指示方向計測装置(13)が、教示位置を指し示す指示手段(12)の画像を取得してその画像の画像処理を行うことで前記指示手段の中心軸の先端と中心軸上の他の一点との2点の参照位置を参照して前記2点の参照位置を結んで方向ベクトルを作ることによって前記指示手段(12)の指し示す指示方向を計測し、
    指示先情報取得装置が、前記指示方向に従って指示先の画像を取得してその画像の画像処理を行うことで前記指示方向に存在する床面や壁面や物体平面を指示先の環境の情報として取得すること
    を特徴とする請求項3または請求項4に記載のロボットの教示装置。
  6. 指示方向計測装置(13)が、教示位置を指し示す指示手段(12)の画像を取得してその画像の画像処理を行うことで前記指示手段の中心軸の先端と中心軸上の他の一点との2点の参照位置を参照して、前記2点の参照位置を結んで方向ベクトルを作ることによって前記指示手段の指し示す指示方向を計測し、
    指示先情報取得装置が、あらかじめ取得されている地図データベース(33)から環境の情報を取得すること
    を特徴とする請求項3または請求項4に記載のロボットの教示装置。
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