JP4255678B2 - Tripod type constant velocity universal joint - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車の駆動系に組み込まれて非直線上に存在する回転軸同士の間で回転力の伝達を行なうのに用いられるトリポード型等速自在継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の駆動系に組み込む等速自在継手の一種としてトリポード型等速自在継手が広く使用されている。例えば特開昭62−233522号公報には、図11および図12に示すようなトリポード型等速自在継手1が記載されている。このトリポード型等速自在継手1は、駆動軸等の第一の回転軸2の端部に固定される中空筒状のハウジング3と、車輪側の回転軸等の第二の回転軸4の端部に固定されるトリポード5とから構成される。
【0003】
ハウジング3の内周面には、円周方向三等分位置に、ハウジング3の軸方向に延びる凹溝6が形成されている。一方、トリポード5は、第二の回転軸4の端部に固定するためのボス7と、ボス7の円周方向三等分位置から半径方向に突出した円柱状のトラニオンジャーナル8とから構成される。各トラニオンジャーナル8は、ローラ9を、ニードルローラ10を介して回転自在に、かつ、軸方向にわたる若干の変位自在に支持している。そして、これらのローラ9をハウジング3の凹溝6にはめ込むことにより、トリポード型等速自在継手1を構成している。なお、各凹溝6を構成する一対のガイド面6aはそれぞれ円弧状凹面で、各ローラ9はこれら一対のガイド面6a間に、転動および揺動自在に支持される。
【0004】
上述のように構成されたトリポード型等速自在継手1の使用時、例えば第一の回転軸2が回転するとこの回転力は、ハウジング3からローラ9、ニードルローラ10、トラニオンジャーナル8を介してトリポード5のボス7に伝わり、第二の回転軸4を回転させる。また、第一の回転軸2の中心軸と第二の回転軸4の中心軸とが不一致の場合、つまりトリポード型等速自在継手1が作動角をとった場合には、両回転軸2,4の回転に伴って各トラニオンジャーナル8が対応する凹溝6のガイド面6aに対して、図11および図12に示すように、トリポード5を中心として揺動する方向に変位する。この際、各トラニオンジャーナル8に支承されたローラ9が、凹溝6のガイド面6a上を転動するとともに、トラニオンジャーナル8の軸方向に変位する。これらの動きにより、周知のように、第一、第二の回転軸2,4の間で等速性が確保される。
【0005】
上述のように構成され作用するトリポード型等速自在継手1の場合、作動角をとった状態で第一、第二の回転軸2,4を回転させると、各ローラ9が複雑な運動を行なう。すなわち、各ローラ9は、ガイド面6aに沿ってハウジング3の軸方向に向きを変えながら移動し、しかも、トラニオンジャーナル8の軸方向に変位する。各ローラがこのような複雑な動きをすると、各ローラ9の外周面と上記ガイド面6aとの間の相対変位が必ずしも円滑に行なわれなくなって、これら両面間に比較的大きな摩擦が発生する。その結果、図11および図12に示すような構造のトリポード型等速自在継手の場合には、1回転3次の軸力が発生する。そして、自動車に組み込まれて大きな作動角をとった状態で大きなトルクを伝達する際など、著しい場合にはシャダーと呼ばれる振動が発生することが知られている。
【0006】
【特許文献1】
特開昭62−233522号公報
(第1頁右下欄第14行〜第2頁左下欄第17行、図7、図8)
【特許文献2】
フランス特許第2752890号明細書
(第3頁第29行〜第6頁第11行、図2、図3B)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題点を解決する手段として、フランス特許第2752890号明細書には図13(a)に示すような構造が開示されている。すなわち、ローラ(9a,9b)をハウジング溝に平行にガイドする構造とし、内側ローラ9aの球形内周面とトラニオンジャーナル8の球形外周面との間で調心及び揺動可能な球面嵌合構造である。
【0008】
各トラニオンジャーナル8は、図13(b)に示すように、トリポード5の軸線zに垂直な二つの平面部8aを有する。トラニオンジャーナル8の球形外周面を生成する円弧の半径rtが、内側ローラ9aの球形内周面の曲率半径C/2よりも小さい。そして、トラニオンジャーナル8への内側ローラ9aの組み付けは、内側ローラ9aの入口直径B(内径Cよりも小さい)が、トラニオンジャーナル8の球形外周面の直径Aのこの直径上の射影A(α)よりも大きいかまたはこれに等しいような角度αだけ、内側ローラ9aに対してその軸線zの周りでトリポード5を回転させて行なわれる。
【0009】
この構造の場合、図13(b)に符号8bで示すように、トラニオンジャーナル8の外径面から突出した凸状の鍛造パーティングラインがトラニオンジャーナルの負荷面中央部にできるため、研削加工などの除去作業が不可避である。
【0010】
本発明は、車両に組み付けた際のシャダー低減と高耐久性および低コストを両立させたトリポード型等速自在継手を提供することを目的とするものである。そのために、本発明の技術的課題は、トラニオンジャーナルの鍛造パーティングライン除去加工を必要とせず、球面嵌合する内側ローラとトラニオンジャーナルとの間のすきまを小さく確保したまま球面嵌合を可能とすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のトリポード型等速自在継手は、軸方向一端側にて開口し内周面の円周方向三等分位置に軸方向に延びる凹溝14aを形成した、第一の回転軸の端部に固定される中空円筒状のハウジング14と、
第二の回転軸の端部に固定されるボス16aと、ボス16aの円周方向三等分位置から半径方向に突出した端部が球状のトラニオンジャーナル16bとからなるトリポード16と、
球状内周面をトラニオンジャーナル16bの球状外周面に首振り自在にはめ込んだ内側ローラ22と、内側ローラ22の外周面にニードルローラ24を介して回転および軸方向移動可能に支持された外側ローラ26とからなるローラアセンブリ20とを有し、
外側ローラ26をハウジング14の凹溝14aに収容させてハウジング軸方向に転動自在とし、凹溝14aが外側ローラ26の外周面と接して負荷を受けるガイド面14bと外側ローラ26をハウジング軸方向に案内する案内肩面14cとからなるトリポード型等速自在継手11において、
トラニオンジャーナル16の鍛造パーティングライン16dに沿って部分的に逃げ16eを設けることにより、鍛造パーティングライン16dの隆起部をトラニオンジャーナル16bの外周面よりも内側に後退させ、かつ、トリポードのボスの軸方向一端側外径を他端側よりも大きく面取りすることにより、ローラアセンブリを傾けてトラニオンジャーナルに組み付ける際にローラアセンブリが前記ボスと干渉しないようにしたものである。
【0012】
逃げ16eを設けたことにより、鍛造パーティングライン16dの隆起部がトラニオンジャーナル16bの外周面から突出しないため、鍛造パーティングライン16d(の隆起部の)除去加工なしに、内側ローラ22とトラニオンジャーナル16bとを球面嵌合面接触させることが可能となり、面圧が低減する。したがって、本発明によれば、車両に組み付けた際のシャダー低減と高耐久性および低コストを両立させたトリポード型等速自在継手を提供することができる。
【0013】
トリポード16のボス16aの軸方向一端側外径を他端側よりも大きく面取り(16c)してもよく、そうすることにより、ローラアセンブリ20を傾けてトラニオンジャーナル16に組み付ける際にローラアセンブリ20がボス16aと干渉しないようにすることができる。トリポード16と第二の回転軸間のトルク伝達は、ボス部16aにおいて第二の回転軸非端部側で大半を受け持つため、ボス部16aの第二の回転軸端部側は大きく面取りしてもボス部強度低下を招くことがない。
【0014】
ローラアセンブリ20をトラニオンジャーナル16bに組み付ける際にローラアセンブリ20を傾ける角度をθとしたとき、トラニオンジャーナル16b(鍛造パーティングライン16dを含む)の角度θ方向の投影最大径φDを、内側ローラ22の挿入側内径φd以下とすることにより、トラニオンジャーナル16bにローラアセンブリ20を組み込む際に内側ローラ22を弾性変形させることなく組み付けることが可能となる。したがって、この実施の形態によれば、鍛造パーティングライン除去工程と、トラニオンジャーナル16bにローラアセンブリ20を組み付ける際の圧入工程とを省くことが可能となる。また、内側ローラ22の挿入側内径に部分的に切欠きを設け、その切欠き部の内径をφd2、トラニオンジャーナル16b(鍛造パーティングライン16dを含む)の角度θ方向の投影最大径をφD2としたとき、φD2<φd2に設定してもよい。
【0015】
ローラアセンブリ20がトラニオンジャーナル16bから分離し始める角度をθ1としたとき、トリポードキット(16,20)に回転軸(4、4a)を装着した後、ローラアセンブリ20を角度θ2(θ2<θ1)まで傾けると回転軸(4,4a)と干渉するように設定することができる。ここで、トリポード16とローラアセンブリ20とからなるユニットをトリポードキットと呼ぶこととする。また、回転軸とは、回転軸4自体のみならず、止め輪4aのように回転軸4に取り付けた別部材をも含むものとする。このような構成を採用することにより、トリポード16とローラアセンブリ20とからなるユニットすなわちトリポードキットの状態でトリポード16を第二の回転軸4に組み付け、一旦止め輪4aを装着すると、止め輪4aまたは回転軸4と干渉して内側ローラ22がトラニオンジャーナル16から分離する角度θ1まで傾くことができず、トリポードキット(16,20)と回転軸4とがユニットハンドリング状態となって取り扱いが非常に容易になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に従って本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
まず、図1−3に従って、第一の実施の形態を説明する。この実施の形態のトリポード型等速自在継手11は、基本的構成に関する限り、既述の図11および図12のものと変わりはなく、駆動軸等の第一の回転軸の端部に固定される中空筒状のハウジング14と、車輪側の回転軸等の第二の回転軸の端部に固定されるトリポード16とから構成される。
【0018】
ハウジング14は第一の回転軸と一体的に形成され、内周面の円周方向三等分位置に、軸方向に延びる凹溝14aを持っている。各凹溝14aは、ハウジング14の内周面から半径方向外方に向けて凹入しており、円周方向に向かい合った一対のガイド面14bと、ハウジングの半径方向外側に位置して両ガイド面14bを接続する底面とで構成されている。一対のガイド面14bは、後述する外側ローラ26をハウジング軸方向に案内して転動させるための軌道を提供し、外側ローラ26との間でトルクを伝達する。また、凹溝14aの底面の一部には外側ローラ26の転動を案内する案内肩面14cが形成されている。この案内肩面14cは、外側ローラ26が凹溝14a内を移動する際にハウジング軸方向と平行な姿勢を維持させ、円滑に転動させる役割を果たす。
【0019】
トリポード16はボス16aとトラニオンジャーナル16bとから構成される。ボス16aは第二の回転軸の端部に固定される。たとえば、第二の回転軸4に形成されたスプライン軸とボス16aに形成されたスプライン孔とを嵌合させ、止め輪4aで位置決めする(図6参照)。トラニオンジャーナル16bはボス16aの円周方向三等分位置から半径方向に突出している。各トラニオンジャーナル16bの端部は球状を呈している。
【0020】
各トラニオンジャーナル16bはローラアセンブリ20を支持している。ローラアセンブリ20は、ニードルローラ24を介して相対回転自在の内側ローラ22と外側ローラ26とからなるダブルローラタイプである。内側ローラ22の内周面は、トラニオンジャーナル16bの球状外周面と略同一の曲率半径の球状である。内側ローラ22の球状内周面がトラニオンジャーナル16bの球状外周面の周囲に首振り自在に支持されている。
【0021】
内側ローラ22の円筒形外周面と外側ローラ26の円筒形内周面との間にニードルローラ24が介在している。したがって、内側ローラ22と外側ローラ26は相対的に回転および軸方向移動が可能である。外側ローラ26の円筒形内周面の軸方向両端部に全周にわたり突起を設けてニードルローラリテーナ26a,26bを一体成形してあり、これにより、部品点数を削減できるという効果がある。すなわち、図示するように内側ニードルローラリテーナ26aおよび外側ニードルローラリテーナ26b共に外側ローラ26に一体的に形成することによって、内側ローラ22とニードルローラ24と外側ローラ26の三体のみでローラアセンブリを構成することができる。もっとも、ニードルローラリテーナ26a,26bは、内側または外側のどちらか一方のみ外側ローラ26と一体とし、他方は別体の止め輪などを使用することも可能である(図7参照)。
【0022】
外側ローラ26はハウジング14の凹溝14aに収容される。各凹溝14aを構成する一対のガイド面14bは、ハウジング14の横断面において、外側ローラ26の外周面の母線と略同一の円弧状である。したがって、外側ローラ26はこれら一対のガイド面14b間に転動自在に支持される。
【0023】
上述のように構成された等速自在継手の使用時、例えば第一の回転軸が回転するとこの回転力は、ハウジング14からローラアセンブリ20(22,24,26)とトラニオンジャーナル16bを介してトリポード16のボス16aに伝わり、第二の回転軸を回転させる。また、第一の回転軸の中心軸と第二の回転軸の中心軸とが不一致の場合、言い換えれば作動角をとった状態では、両回転軸の回転に伴って各トラニオンジャーナル16bが対応する凹溝14aのガイド面14bに対して、トリポード16を中心として揺動する方向に変位する。この際、各トラニオンジャーナル16bに支承された外側ローラ26が、凹溝14aのガイド面14b上を転動するとともにトラニオンジャーナル16bの軸方向に変位する。これらの動きにより、周知のように、第一、第二の回転軸の間で等速性が確保される。
【0024】
図2(a)および図3に符号16cで示すように、トリポード16のボス16aの軸方向一端側(図2(a)および図3では左側)の端面において、ボス16aの外径を他方の端面に比べて大きく面取りしてある。これにより、トラニオンジャーナル16bにローラアセンブリ20を組み付ける際に、図3に想像線で示すようにローラアセンブリ20を大きく傾けることが可能となり、トラニオンジャーナル16bの負荷を受ける対向二箇所のみの干渉となるため、内側ローラ22の弾性変形による押し込みで組み付けが可能となる。さらに、逃げ16eが存在するため、逃げ16eのない場合と比較して干渉代を少なくする効果が得られ、押し込みで組み付ける際のローラの弾性変形量を少なくできる。トラニオンジャーナル16bの負荷を受ける位置と直角方向二箇所(負荷範囲外)は負荷位置よりも小径側に逃げた平面または曲面としてもよい。
【0025】
上記構造によれば、内側ローラ22の球状内周面とトラニオンジャーナル16bの球状外周面との間でトルクを伝達するため、接触面圧が低く抑えられ、強度・耐久性の面で有利であるとともに、回転方向ガタを大きくすることなしに、接触楕円の長径を比較的小さく保つことが可能となり、トラニオンジャーナルの揺動に伴って発生する接触楕円上のスピンモーメントを小さくすることができる。したがって、ハウジング14の凹溝14aの案内肩面14cとの必要以上に大きな接触を回避できるとともにローラアセンブリ20の転がり方向が安定し、ローラアセンブリ20の転がり抵抗が小さく、低軸力なトリポード型等速自在継手とすることが可能となる。以上のように、この実施の形態によりローラアセンブリの低転がり抵抗と高強度・高耐久性を両立させたトリポード型等速自在継手を提供することが可能となる。
【0026】
トラニオンジャーナル16bの外周面は内側ローラ22の球状内周面と球面嵌合する球状であるが、鍛造パーティングライン16dの隆起部が図2(c)に破線で示す球状外周面よりも内側に後退してそこから突出しないように、鍛造パーティングライン16dに沿って部分的に逃げ16eを設けてある。このため、鍛造パーティングライン16d除去工程を省くことが可能となり、冷間成形面のまま使用可能で、低コスト化が可能となる。この場合、逃げ16e部分は負荷を受けることができないため負荷面積が小さくなるが、トラニオンジャーナル16bと内側ローラ22とが球面嵌合により広範囲で負荷を受けるタイプであるため、一部負荷範囲を削減しても十分な負荷容量を保持することができる。図2には逃げ16eを平面とした場合を例示してあるが、円筒面その他の曲面とすることも可能である(図4、図6参照)。
【0027】
また、本構造の場合、内側ローラ22はトラニオンジャーナル16bに対し球面嵌合しており、トラニオンジャーナル16bの軸方向に関しては一体的に支持されているため、作動角をとった状態での回転に伴うトラニオンジャーナル軸方向の移動は、内側ローラ22と外側ローラ26との間に配置されたニードルローラ24上の転がり滑りによって許容されるため、内部摩擦力が低く、ローラの低転がり抵抗化が図られている。
【0028】
図13(a)に示す従来技術の場合、トラニオンジャーナルにローラを組み付ける際、本願図面の図3の平面と直交する平面(本願図面の図1の平面に相当)内でローラを傾けるようにしているので、ローラを大きく傾けられるようにするためには、ボス部外径を小さくする、つまりボス部肉厚を薄くするか、あるいは、トラニオンジャーナルの首下を長くする必要がある。しかし、ボス部外径を小さくすればボス部強度が低下し、トラニオンジャーナルの首下を長くすればジョイント外が大きくなるといった不具合が発生する。この実施の形態に係るトリポード型等速自在継手は、かかる不具合を回避し、ローラの低転がり抵抗と高強度・高耐久性、低コストおよび小型化すべてを両立させたトリポード型等速自在継手を提供することが可能となる。
【0029】
次に、図4および図5に示す第二の実施の形態は、基本的構造は上述の第一の実施の形態(図1−3)と同じであるが、内側ローラ22をトラニオンジャーナル16bに組み付ける際に傾ける角度をθとしたとき、鍛造パーティングライン16dの隆起部最外径部を含めたトラニオンジャーナル16bの角度θ方向からの投影最大径φDを、内側ローラ22の嵌合挿入側内径φdより小さく設定したものである。また、内側ローラ22の挿入側内径に部分的に切欠きを設け、その切欠き部の内径をφd2、トラニオンジャーナル16b(鍛造パーティングライン16dを含む)の角度θ方向の投影最大径をφD2としたとき、φD2<φd2に設定してもよい。これにより、トラニオンジャーナル16bにローラアセンブリ20を組み込む際に内側ローラ22を弾性変形させることなく組み付けることが可能となる。したがって、この実施の形態によれば、鍛造パーティングライン除去工程と、トラニオンジャーナル16bにローラアセンブリ20を組み付ける際の圧入工程とを省くことが可能となる。
【0030】
図6に示す第三の実施の形態は、基本的構造は上述の第二の実施の形態(図4)と同じであるが、トラニオンジャーナル16bに対して内側ローラ22を傾けていって内側ローラ22がトラニオンジャーナル16bから外れ出す角度をθ1としたとき、内側ローラ22の角度がθ1よりも僅かに小さい角度θ2になった時点で、外側ローラ26が第二の回転軸4または第二の回転軸の装着された止め輪4aに干渉するように寸法設定したものである。このような構成を採用することにより、トリポード16とローラアセンブリ20とからなるユニットすなわちトリポードキットの状態でトリポード16を第二の回転軸4に組み付け、一旦止め輪4aを装着すると、止め輪4aまたは第二の回転軸4と干渉して内側ローラ22がトラニオンジャーナル16から分離する角度θ1まで傾くことができず、トリポードキット(16,20)と回転軸4とがユニットハンドリング状態となって取り扱いが非常に容易になる。
【0031】
図7に示す第四の実施の形態は、基本的構造は既述の第一の実施の形態(図1−3)、第二の実施の形態(図4)または第三の実施の形態(図6)と同じであるが、外側ローラ26の円筒形内周面の軸方向両端部に別体のニードルストッパー(25a,25b)を設けたものである。すなわち、ニードルローラ24の抜け止めとして、環状のリテーナ25aと、外側ローラ26の軸方向両端部の内周面に形成した環状の止め輪溝に装着した止め輪25bとを採用したものである。
【0032】
図8に示す第五の実施の形態も基本的構造は既述の第一の実施の形態(図1−3)、第二の実施の形態(図4)または第三の実施の形態(図6)と同じであるが、内側ローラ22の円筒形外周面の軸方向両端部に全周にわたり突起を設けてニードルリテーナ22a,22bを一体成形したものである。これにより、部品点数を削減できるという効果がある。すなわち、図示するように内側ニードルローラリテーナ22aおよび外側ニードルローラリテーナ22b共に内側ローラ22に一体的に形成することによって、内側ローラ22とニードルローラ24と外側ローラ26の三体のみでローラアセンブリ20を構成することができる。なお、ニードルローラリテーナ22a,22bは、内側または外側のどちらか一方のみ内側ローラ22と一体とし、他方は別体の止め輪などを使用することも可能である。
【0033】
図9に示す第六の実施の形態は、基本的構造は既述の第一の実施の形態(図1−3)と同じであるが、外側ローラ26の内側ニードルローラリテーナ26aの内径をφDi、内側ローラ22の外径をφdoとしたとき、φDi<φdoなる関係に設定した点が異なる。この実施の形態では、φDi<φdoの関係に設定しているため、トリポードキット(16,20)の状態で、外側ローラ26が内側ローラ22から分解しにくくなる。また、図9において外側ローラが下に下がった場合でもトリポード16のボス部16aに干渉してニードルローラ24が分解しないように設定することにより、一層取り扱いが容易になる。
【0034】
図10に示す第七の実施の形態は、基本的構造は既述の第五の実施の形態(図8)と同じであるが、内側ローラ22の外側ニードルリテーナ22bの外径をφdo、外側ローラ26の内径をφDiとしたとき、φDi<φdoなる関係に設定した点が異なる。この実施の形態では、φDi<φdoの関係に設定しているため、トリポードキット(16,20)の状態で、外側ローラ26が内側ローラ22から分離しにくくな、取り扱いが容易になる。
【0035】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によるトリポード型等速自在継手を車両に装着することにより、車両の振動を低減できるとともに、高い強度・高耐久性をも両立する低コストなトリポード型等速自在継手を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を説明するためのトリポード型等速自在継手の横断面図である。
【図2】(a)はトラニオンジャーナルの側面図、
(b)はトラニオンジャーナルの横断面図、
(c)は図2(b)の鍛造パーティングライン凸部の拡大図である。
【図3】図1に示されたトリポードキットの分解断面図である。
【図4】第二の実施の形態を示す図3と類似のトリポードキットの分解断面図、
【図5】(a)は内側ローラの断面図、
(b)は図5(a)のY矢視図である。
【図6】第三の実施の形態を示すトリポードキットの断面図である。
【図7】第四の実施の形態を示すローラアセンブリの断面図である。
【図8】第五の実施の形態を示すローラアセンブリの断面図である。
【図9】第六の実施の形態を示すローラアセンブリの断面図である。
【図10】第七の実施の形態を示すローラアセンブリの断面図である。
【図11】従来のトリポード型等速自在継手の斜視図である。
【図12】従来のトリポード型等速自在継手の縦断面図である。
【図13】(a)は従来の技術を示すトリポード型等速自在継手の断面図、
(b)はトラニオンジャーナルの断面図である。
【符号の説明】
11 トリポード型等速自在継手
14 ハウジング
14a 凹溝
14b ガイド面
14c 案内肩面
16 トリポード
16a ボス
16b トラニオンジャーナル
16c 面取り
16d 鍛造パーティングライン
16e 逃げ
20 ローラアセンブリ
22 内側ローラ
22a 内側ニードルローラリテーナ
22b 外側ニードルローラリテーナ
24 ニードルローラ
25a リテーナ
25b 止め輪
26 外側ローラ
26a 内側ニードルローラリテーナ
26b 外側ニードルローラリテーナ
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a tripod type constant velocity universal joint that is incorporated in, for example, a drive system of an automobile and used to transmit rotational force between rotating shafts that exist in a non-linear manner.
[0002]
[Prior art]
Tripod type constant velocity universal joints are widely used as a kind of constant velocity universal joints incorporated in the drive system of automobiles. For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 62-233522 describes a tripod type constant velocity universal joint 1 as shown in FIGS. This tripod type constant velocity universal joint 1 includes a hollow cylindrical housing 3 fixed to an end of a first rotating shaft 2 such as a drive shaft, and an end of a second rotating shaft 4 such as a wheel-side rotating shaft. It is comprised from the tripod 5 fixed to a part.
[0003]
A concave groove 6 extending in the axial direction of the housing 3 is formed on the inner peripheral surface of the housing 3 at a position equally divided into three in the circumferential direction. On the other hand, the tripod 5 is composed of a boss 7 for fixing to the end of the second rotating shaft 4 and a cylindrical trunnion journal 8 projecting in a radial direction from a circumferentially divided position of the boss 7. The Each trunnion journal 8 supports a roller 9 via a needle roller 10 so as to be rotatable and slightly displaceable in the axial direction. The tripod type constant velocity universal joint 1 is configured by fitting these rollers 9 into the recessed grooves 6 of the housing 3. A pair of guide surfaces 6a constituting each concave groove 6 is an arcuate concave surface, and each roller 9 is supported between the pair of guide surfaces 6a so as to be able to roll and swing.
[0004]
When the tripod constant velocity universal joint 1 configured as described above is used, for example, when the first rotary shaft 2 rotates, this rotational force is generated from the housing 3 via the roller 9, the needle roller 10, and the trunnion journal 8. 5 is transmitted to the boss 7 and the second rotary shaft 4 is rotated. When the center axis of the first rotating shaft 2 and the center axis of the second rotating shaft 4 do not coincide, that is, when the tripod type constant velocity universal joint 1 takes an operating angle, both rotating shafts 2, 4, each trunnion journal 8 is displaced with respect to the guide surface 6 a of the corresponding concave groove 6 in a swinging direction about the tripod 5 as shown in FIGS. 11 and 12. At this time, the roller 9 supported by each trunnion journal 8 rolls on the guide surface 6 a of the concave groove 6 and is displaced in the axial direction of the trunnion journal 8. As is well known, these movements ensure constant velocity between the first and second rotary shafts 2 and 4.
[0005]
In the case of the tripod type constant velocity universal joint 1 configured and acting as described above, when the first and second rotary shafts 2 and 4 are rotated with the operating angle taken, each roller 9 performs a complicated motion. . That is, each roller 9 moves along the guide surface 6 a while changing its direction in the axial direction of the housing 3, and is displaced in the axial direction of the trunnion journal 8. When each roller moves in such a complicated manner, the relative displacement between the outer peripheral surface of each roller 9 and the guide surface 6a is not necessarily performed smoothly, and a relatively large friction is generated between these two surfaces. As a result, in the case of the tripod type constant velocity universal joint having the structure as shown in FIGS. 11 and 12, an axial force of one rotation and tertiary is generated. It is known that vibration called a shudder occurs in a remarkable case such as when a large torque is transmitted in a state of being incorporated in an automobile and having a large operating angle.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-62-233522 (first page, lower right column, line 14 to page 2, lower left column, line 17, FIG. 7, FIG. 8)
[Patent Document 2]
French Patent No. 2752890 (page 3, line 29 to page 6, line 11, FIGS. 2 and 3B)
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
As a means for solving the above problems, French Patent No. 2752890 discloses a structure as shown in FIG. That is, the roller (9a, 9b) is structured to guide the housing in parallel with the housing groove, and the spherical fitting structure capable of aligning and swinging between the spherical inner peripheral surface of the inner roller 9a and the spherical outer peripheral surface of the trunnion journal 8 It is.
[0008]
Each trunnion journal 8 has two flat portions 8a perpendicular to the axis z of the tripod 5, as shown in FIG. The radius rt of the arc that generates the spherical outer peripheral surface of the trunnion journal 8 is smaller than the curvature radius C / 2 of the spherical inner peripheral surface of the inner roller 9a. The inner roller 9a is assembled to the trunnion journal 8 so that the entrance diameter B (smaller than the inner diameter C) of the inner roller 9a is a projection A (α) on the diameter A of the spherical outer peripheral surface of the trunnion journal 8. This is done by rotating the tripod 5 around its axis z with respect to the inner roller 9a by an angle α which is greater than or equal to.
[0009]
In the case of this structure, as indicated by reference numeral 8b in FIG. 13 (b), a convex forged parting line protruding from the outer diameter surface of the trunnion journal 8 can be formed at the center of the load surface of the trunnion journal. Removal work is inevitable.
[0010]
An object of the present invention is to provide a tripod type constant velocity universal joint that achieves both reduction in shudder when assembled in a vehicle, high durability, and low cost. Therefore, the technical problem of the present invention is that the forging parting line removal processing of the trunnion journal is not required, and spherical fitting is possible while ensuring a small clearance between the inner roller to be fitted to the spherical surface and the trunnion journal. It is to be.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The tripod type constant velocity universal joint of the present invention has an end portion of the first rotating shaft that is open on one end side in the axial direction and has a groove 14a extending in the axial direction at a circumferentially equally divided position on the inner peripheral surface. A hollow cylindrical housing 14 fixed to
A tripod 16 composed of a boss 16a fixed to the end of the second rotation shaft, and a trunnion journal 16b having a spherical end that protrudes in a radial direction from the circumferentially divided position of the boss 16a;
An inner roller 22 in which the spherical inner peripheral surface is swingably fitted to the spherical outer peripheral surface of the trunnion journal 16b, and an outer roller 26 supported on the outer peripheral surface of the inner roller 22 via a needle roller 24 so as to be rotatable and axially movable. A roller assembly 20 comprising:
The outer roller 26 is accommodated in the concave groove 14a of the housing 14 so that it can roll in the axial direction of the housing. The concave groove 14a is in contact with the outer peripheral surface of the outer roller 26 and the guide surface 14b receiving the load and the outer roller 26 in the axial direction of the housing. In the tripod type constant velocity universal joint 11 composed of the guiding shoulder surface 14c for guiding
By providing a relief 16e partially along the forged parting line 16d of the trunnion journal 16, the raised portion of the forged parting line 16d is retracted to the inside of the outer peripheral surface of the trunnion journal 16b , and the tripod boss The outer diameter on one end side in the axial direction is chamfered larger than that on the other end side so that the roller assembly does not interfere with the boss when the roller assembly is tilted and assembled to the trunnion journal .
[0012]
By providing the relief 16e, the raised portion of the forged parting line 16d does not protrude from the outer peripheral surface of the trunnion journal 16b. Therefore, the inner roller 22 and the trunnion journal can be removed without removing the forged parting line 16d (of the raised portion). 16b can be brought into contact with the spherical fitting surface, and the surface pressure is reduced. Therefore, according to the present invention, it is possible to provide a tripod type constant velocity universal joint that achieves both reduction in shudder when assembled in a vehicle, high durability, and low cost.
[0013]
The outer diameter of one end in the axial direction of the boss 16a of the tripod 16 may be chamfered (16c) to be larger than that of the other end, so that the roller assembly 20 is inclined when the roller assembly 20 is assembled to the trunnion journal 16. It is possible not to interfere with the boss 16a. The torque transmission between the tripod 16 and the second rotating shaft is mostly handled on the second rotating shaft non-end portion side in the boss portion 16a, so that the second rotating shaft end portion side of the boss portion 16a is greatly chamfered. Also, the strength of the boss is not reduced.
[0014]
When the angle at which the roller assembly 20 is tilted when the roller assembly 20 is assembled to the trunnion journal 16b is θ, the projected maximum diameter φD of the trunnion journal 16b (including the forged parting line 16d) in the angle θ direction is By setting the inner diameter φd or less on the insertion side, the inner roller 22 can be assembled without being elastically deformed when the roller assembly 20 is assembled into the trunnion journal 16b. Therefore, according to this embodiment, the forging parting line removing step and the press-fitting step when assembling the roller assembly 20 to the trunnion journal 16b can be omitted. Further, a notch is partially provided on the inner diameter of the inner roller 22 on the insertion side, the inner diameter of the notch is φd2, and the maximum projected diameter in the angle θ direction of the trunnion journal 16b (including the forged parting line 16d) is φD2. Then, φD2 <φd2 may be set.
[0015]
Assuming that the angle at which the roller assembly 20 begins to separate from the trunnion journal 16b is θ1, the roller assembly 20 is moved to an angle θ2 (θ2 <θ1) after the rotation shafts (4, 4a) are mounted on the tripod kit (16, 20). It can be set to interfere with the rotation axis (4, 4a) when tilted. Here, a unit composed of the tripod 16 and the roller assembly 20 is referred to as a tripod kit. Further, the rotating shaft includes not only the rotating shaft 4 itself but also another member attached to the rotating shaft 4 such as a retaining ring 4a. By adopting such a configuration, the tripod 16 is assembled to the second rotating shaft 4 in the state of a unit comprising the tripod 16 and the roller assembly 20, that is, the tripod kit, and once the retaining ring 4a is attached, the retaining ring 4a or The tripod kit (16, 20) and the rotary shaft 4 are in a unit handling state and are very easy to handle because the inner roller 22 cannot interfere with the rotary shaft 4 and cannot be inclined to the angle θ1 at which the inner roller 22 is separated from the trunnion journal 16. become.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
[0017]
First, the first embodiment will be described with reference to FIGS. The tripod type constant velocity universal joint 11 of this embodiment is not different from that of FIGS. 11 and 12 described above as far as the basic configuration is concerned, and is fixed to the end of the first rotating shaft such as the drive shaft. A hollow cylindrical housing 14 and a tripod 16 fixed to the end of a second rotating shaft such as a wheel-side rotating shaft.
[0018]
The housing 14 is formed integrally with the first rotating shaft, and has a groove 14a extending in the axial direction at a position equally divided into three in the circumferential direction on the inner peripheral surface. Each concave groove 14a is recessed radially outward from the inner peripheral surface of the housing 14, and a pair of guide surfaces 14b facing each other in the circumferential direction and both guides positioned on the outer side in the radial direction of the housing. It is comprised by the bottom face which connects the surface 14b. The pair of guide surfaces 14 b provide a track for rolling an outer roller 26 (described later) in the axial direction of the housing, and transmits torque to and from the outer roller 26. A guide shoulder surface 14c for guiding the rolling of the outer roller 26 is formed on a part of the bottom surface of the concave groove 14a. The guide shoulder surface 14c plays a role of maintaining a posture parallel to the axial direction of the housing and smoothly rolling when the outer roller 26 moves in the concave groove 14a.
[0019]
The tripod 16 includes a boss 16a and a trunnion journal 16b. The boss 16a is fixed to the end of the second rotating shaft. For example, a spline shaft formed on the second rotating shaft 4 and a spline hole formed on the boss 16a are fitted and positioned by the retaining ring 4a (see FIG. 6). The trunnion journal 16b protrudes in the radial direction from the circumferentially divided position of the boss 16a. The end of each trunnion journal 16b has a spherical shape.
[0020]
Each trunnion journal 16 b supports a roller assembly 20. The roller assembly 20 is a double roller type including an inner roller 22 and an outer roller 26 that are relatively rotatable via a needle roller 24. The inner peripheral surface of the inner roller 22 has a spherical shape with substantially the same radius of curvature as the spherical outer peripheral surface of the trunnion journal 16b. A spherical inner peripheral surface of the inner roller 22 is swingably supported around a spherical outer peripheral surface of the trunnion journal 16b.
[0021]
A needle roller 24 is interposed between the cylindrical outer peripheral surface of the inner roller 22 and the cylindrical inner peripheral surface of the outer roller 26. Therefore, the inner roller 22 and the outer roller 26 can be relatively rotated and moved in the axial direction. The needle roller retainers 26a and 26b are integrally formed by providing protrusions on both ends in the axial direction of the cylindrical inner peripheral surface of the outer roller 26, and this has the effect of reducing the number of parts. That is, as shown in the drawing, the inner needle roller retainer 26a and the outer needle roller retainer 26b are formed integrally with the outer roller 26, so that the roller assembly is configured by only the inner roller 22, the needle roller 24, and the outer roller 26. can do. However, the needle roller retainers 26a and 26b can be integrated with the outer roller 26 only on the inner side or the outer side, and a separate retaining ring or the like can be used on the other side (see FIG. 7).
[0022]
The outer roller 26 is accommodated in the concave groove 14 a of the housing 14. The pair of guide surfaces 14 b constituting each concave groove 14 a has an arc shape substantially the same as the generatrix of the outer peripheral surface of the outer roller 26 in the cross section of the housing 14. Therefore, the outer roller 26 is supported between the pair of guide surfaces 14b so as to roll freely.
[0023]
When the constant velocity universal joint configured as described above is used, for example, when the first rotation shaft rotates, this rotational force is generated from the housing 14 via the roller assembly 20 (22, 24, 26) and the trunnion journal 16b. It is transmitted to the 16 bosses 16a and rotates the second rotating shaft. Further, when the center axis of the first rotating shaft and the center axis of the second rotating shaft do not coincide with each other, in other words, when the operating angle is taken, each trunnion journal 16b corresponds to the rotation of both rotating shafts. The groove 14a is displaced in a swinging direction about the tripod 16 with respect to the guide surface 14b of the groove 14a. At this time, the outer roller 26 supported by each trunnion journal 16b rolls on the guide surface 14b of the concave groove 14a and is displaced in the axial direction of the trunnion journal 16b. As is well known, these movements ensure constant velocity between the first and second rotating shafts.
[0024]
2 (a) and 3 as indicated by reference numeral 16c, the outer diameter of the boss 16a is set to the other end of the boss 16a of the tripod 16 on one end side in the axial direction (left side in FIGS. 2 (a) and 3). The chamfer is larger than the end face. As a result, when the roller assembly 20 is assembled to the trunnion journal 16b, the roller assembly 20 can be greatly tilted as indicated by an imaginary line in FIG. 3, and interference occurs only at two opposing locations receiving the load of the trunnion journal 16b. For this reason, the inner roller 22 can be assembled by being pushed in by elastic deformation. Further, since the relief 16e exists, an effect of reducing the interference margin can be obtained compared with the case where the relief 16e is not provided, and the elastic deformation amount of the roller when assembled by pushing can be reduced. Two positions (outside the load range) perpendicular to the position where the trunnion journal 16b receives the load may be a flat surface or a curved surface that escapes to the smaller diameter side than the load position.
[0025]
According to the above structure, torque is transmitted between the spherical inner peripheral surface of the inner roller 22 and the spherical outer peripheral surface of the trunnion journal 16b, so that the contact surface pressure is kept low, which is advantageous in terms of strength and durability. At the same time, the major axis of the contact ellipse can be kept relatively small without increasing the rotational play, and the spin moment generated on the contact ellipse accompanying the swing of the trunnion journal can be reduced. Therefore, an unnecessarily large contact with the guide shoulder surface 14c of the concave groove 14a of the housing 14 can be avoided, the rolling direction of the roller assembly 20 is stabilized, the rolling resistance of the roller assembly 20 is small, and a low trip force type tripod type or the like. A quick universal joint can be obtained. As described above, according to this embodiment, it is possible to provide a tripod type constant velocity universal joint that achieves both low rolling resistance and high strength and high durability of the roller assembly.
[0026]
The outer peripheral surface of the trunnion journal 16b has a spherical shape that is spherically fitted to the spherical inner peripheral surface of the inner roller 22, but the raised portion of the forged parting line 16d is located on the inner side of the spherical outer peripheral surface indicated by a broken line in FIG. A relief 16e is provided partially along the forging parting line 16d so as not to retreat and protrude from there. For this reason, it becomes possible to omit the forging parting line 16d removal process, it is possible to use the cold-formed surface as it is, and the cost can be reduced. In this case, the relief area 16e cannot receive a load, so the load area is reduced. However, since the trunnion journal 16b and the inner roller 22 are subjected to a load in a wide range by spherical fitting, a part of the load range is reduced. Even so, a sufficient load capacity can be maintained. Although FIG. 2 illustrates the case where the relief 16e is a flat surface, it may be a cylindrical surface or other curved surface (see FIGS. 4 and 6).
[0027]
In the case of this structure, the inner roller 22 is spherically fitted to the trunnion journal 16b, and is supported integrally in the axial direction of the trunnion journal 16b. The accompanying movement of the trunnion journal in the axial direction is allowed by rolling slip on the needle roller 24 disposed between the inner roller 22 and the outer roller 26, so that the internal frictional force is low, and the roller has low rolling resistance. It has been.
[0028]
In the case of the prior art shown in FIG. 13A, when assembling the roller to the trunnion journal, the roller is inclined within a plane orthogonal to the plane of FIG. 3 of the present application drawing (corresponding to the plane of FIG. 1 of the present application drawing). Therefore, in order to tilt the roller greatly, it is necessary to reduce the outer diameter of the boss portion, that is, to reduce the thickness of the boss portion, or to lengthen the neck of the trunnion journal. However, if the outer diameter of the boss portion is reduced, the strength of the boss portion is lowered, and if the neck of the trunnion journal is lengthened, the joint outer diameter is increased. The tripod type constant velocity universal joint according to this embodiment is a tripod type constant velocity universal joint that avoids such problems and achieves both low rolling resistance, high strength, high durability, low cost and downsizing of the roller. It becomes possible to provide.
[0029]
Next, in the second embodiment shown in FIGS. 4 and 5, the basic structure is the same as that of the first embodiment (FIGS. 1-3), but the inner roller 22 is used as the trunnion journal 16b. When the angle of inclination when assembling is θ, the projected maximum diameter φD of the trunnion journal 16b including the outermost diameter portion of the raised portion of the forged parting line 16d from the angle θ direction is set as the inner diameter of the inner roller 22 on the fitting insertion side. It is set smaller than φd. Further, a notch is partially provided on the inner diameter of the inner roller 22 on the insertion side, the inner diameter of the notch is φd2, and the maximum projected diameter in the angle θ direction of the trunnion journal 16b (including the forged parting line 16d) is φD2. Then, φD2 <φd2 may be set. As a result, when the roller assembly 20 is assembled into the trunnion journal 16b, the inner roller 22 can be assembled without being elastically deformed. Therefore, according to this embodiment, it is possible to omit the forging parting line removing step and the press-fitting step when the roller assembly 20 is assembled to the trunnion journal 16b.
[0030]
The basic structure of the third embodiment shown in FIG. 6 is the same as that of the second embodiment (FIG. 4) described above, but the inner roller 22 is inclined with respect to the trunnion journal 16b. When the angle at which 22 is removed from the trunnion journal 16b is θ1, when the angle of the inner roller 22 becomes an angle θ2 slightly smaller than θ1, the outer roller 26 is rotated by the second rotary shaft 4 or the second rotation. The dimensions are set so as to interfere with the retaining ring 4a on which the shaft is mounted. By adopting such a configuration, the tripod 16 is assembled to the second rotating shaft 4 in the state of a unit comprising the tripod 16 and the roller assembly 20, that is, the tripod kit, and once the retaining ring 4a is attached, the retaining ring 4a or The tripod kit (16, 20) and the rotating shaft 4 are handled in a unit handling state because the inner roller 22 cannot interfere with the second rotating shaft 4 and cannot be inclined to the angle θ1 at which the inner roller 22 is separated from the trunnion journal 16. It becomes very easy.
[0031]
In the fourth embodiment shown in FIG. 7, the basic structure is the first embodiment (FIGS. 1-3), the second embodiment (FIG. 4), or the third embodiment (described above). As in FIG. 6), separate needle stoppers (25a, 25b) are provided at both ends in the axial direction of the cylindrical inner peripheral surface of the outer roller. That is, as a retainer for the needle roller 24, an annular retainer 25a and a retaining ring 25b attached to an annular retaining ring groove formed on the inner peripheral surface of both axial ends of the outer roller 26 are employed.
[0032]
The basic structure of the fifth embodiment shown in FIG. 8 is the same as that of the first embodiment (FIGS. 1-3), the second embodiment (FIG. 4), or the third embodiment (FIG. The same as 6), except that the needle retainers 22a and 22b are integrally formed by providing protrusions on both ends of the cylindrical outer peripheral surface of the inner roller 22 in the axial direction. Thereby, there is an effect that the number of parts can be reduced. That is, as shown in the drawing, the inner needle roller retainer 22a and the outer needle roller retainer 22b are formed integrally with the inner roller 22, so that the roller assembly 20 is formed by only three bodies of the inner roller 22, the needle roller 24, and the outer roller 26. Can be configured. The needle roller retainers 22a and 22b may be integrated with the inner roller 22 only on the inner side or the outer side, and a separate retaining ring or the like may be used on the other side.
[0033]
The basic structure of the sixth embodiment shown in FIG. 9 is the same as that of the first embodiment described above (FIGS. 1-3), but the inner diameter of the inner needle roller retainer 26a of the outer roller 26 is φDi. The difference is that when the outer diameter of the inner roller 22 is φdo, a relationship of φDi <φdo is set. In this embodiment, since the relationship of φDi <φdo is set, the outer roller 26 is difficult to be disassembled from the inner roller 22 in the tripod kit (16, 20). In addition, even when the outer roller is lowered in FIG. 9, handling is further facilitated by setting so that the needle roller 24 does not disassemble due to interference with the boss portion 16 a of the tripod 16.
[0034]
The seventh embodiment shown in FIG. 10 has the same basic structure as that of the fifth embodiment (FIG. 8) described above, but the outer diameter of the outer needle retainer 22b of the inner roller 22 is φdo and the outer side. The difference is that when the inner diameter of the roller 26 is φDi, the relationship of φDi <φdo is set. In this embodiment, since the set relationship φDi <φdo, in the state of the tripod kit (16, 20), Ri outer roller 26 is hardly separated from the inner roller 22, it becomes easy to handle.
[0035]
【The invention's effect】
As described above, by mounting the tripod type constant velocity universal joint according to the present invention on a vehicle, the vibration of the vehicle can be reduced, and the low cost tripod type constant velocity universal joint that achieves both high strength and high durability. Can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a tripod type constant velocity universal joint for explaining an embodiment of the present invention.
FIG. 2 (a) is a side view of a trunnion journal;
(B) is a cross-sectional view of the trunnion journal,
(C) is an enlarged view of the forging parting line convex part of FIG.2 (b).
FIG. 3 is an exploded cross-sectional view of the tripod kit shown in FIG.
FIG. 4 is an exploded cross-sectional view of a tripod kit similar to FIG. 3 showing the second embodiment;
FIG. 5A is a sectional view of the inner roller;
(B) is a view on arrow Y in FIG.
FIG. 6 is a cross-sectional view of a tripod kit showing a third embodiment.
FIG. 7 is a sectional view of a roller assembly showing a fourth embodiment.
FIG. 8 is a sectional view of a roller assembly showing a fifth embodiment.
FIG. 9 is a sectional view of a roller assembly showing a sixth embodiment.
FIG. 10 is a cross-sectional view of a roller assembly showing a seventh embodiment.
FIG. 11 is a perspective view of a conventional tripod type constant velocity universal joint.
FIG. 12 is a longitudinal sectional view of a conventional tripod type constant velocity universal joint.
FIG. 13 (a) is a cross-sectional view of a tripod type constant velocity universal joint showing a conventional technique;
(B) is sectional drawing of a trunnion journal.
[Explanation of symbols]
11 tripod type constant velocity universal joint 14 housing 14a concave groove 14b guide surface 14c guide shoulder surface 16 tripod 16a boss 16b trunnion journal 16c chamfer 16d forged parting line 16e relief 20 roller assembly 22 inner roller 22a inner needle roller retainer 22b outer needle roller Retainer 24 Needle roller 25a Retainer 25b Retaining ring 26 Outer roller 26a Inner needle roller retainer 26b Outer needle roller retainer

Claims (3)

軸方向一端側にて開口し内周面の円周方向三等分位置に軸方向に延びる凹溝を形成した、第一の回転軸の端部に固定される中空円筒状のハウジングと、
第二の回転軸の端部に固定されるボスと、ボスの円周方向三等分位置から半径方向に突出した端部が球状のトラニオンジャーナルとからなるトリポードと、
球状内周面をトラニオンジャーナルの球状外周面に首振り自在にはめ込んだ内側ローラと、内側ローラの外周面にニードルローラを介して回転および軸方向移動可能に支持された外側ローラとからなるローラアセンブリとを有し、
外側ローラをハウジングの凹溝に収容させてハウジング軸方向に転動自在とし、凹溝が外側ローラの外周面と接して負荷を受けるガイド面と外側ローラをハウジング軸方向に案内する案内肩面とからなるトリポード型等速自在継手において、
トラニオンジャーナルの鍛造パーティングラインに沿って部分的に逃げを設けることにより、鍛造パーティングラインの隆起部をトラニオンジャーナルの外周面よりも内側に後退させ、かつ、トリポードのボスの軸方向一端側外径を他端側よりも大きく面取りすることにより、ローラアセンブリを傾けてトラニオンジャーナルに組み付ける際にローラアセンブリが前記ボスと干渉しないようにしたことを特徴とするトリポード型等速自在継手。
A hollow cylindrical housing that is fixed at the end of the first rotating shaft and that is formed at one end side in the axial direction and has a concave groove extending in the axial direction at a circumferentially equally divided position on the inner peripheral surface;
A tripod composed of a boss fixed to the end of the second rotating shaft and a trunnion journal having a spherical end that protrudes in a radial direction from the circumferentially divided position of the boss;
A roller assembly comprising an inner roller in which a spherical inner peripheral surface is swung freely on a spherical outer peripheral surface of a trunnion journal, and an outer roller supported on the outer peripheral surface of the inner roller so as to be rotatable and axially movable via a needle roller And
The outer roller is accommodated in a groove in the housing so that it can roll in the axial direction of the housing, the groove contacts the outer peripheral surface of the outer roller and receives a load, and the guide shoulder surface guides the outer roller in the housing axial direction. In tripod type constant velocity universal joints,
By providing a relief partly along the forging parting line of the trunnion journal, the raised part of the forging parting line is retracted inward from the outer peripheral surface of the trunnion journal , and outside the one end of the tripod boss in the axial direction. A tripod type constant velocity universal joint characterized in that the roller assembly is not chamfered with the boss when the roller assembly is tilted and assembled to the trunnion journal by chamfering the diameter larger than the other end side .
ローラアセンブリをトラニオンジャーナルに組み付ける際にローラアセンブリを傾ける角度をθとしたとき、トラニオンジャーナルの鍛造パーティングライン部を含めた角度θ方向の投影最大径が内側ローラ挿入側内径以下であることを特徴とする請求項1に記載のトリポード型等速自在継手。When the angle at which the roller assembly is tilted when the roller assembly is assembled to the trunnion journal is θ, the projected maximum diameter in the angle θ direction including the forged parting line part of the trunnion journal is less than the inner diameter of the inner roller insertion side. The tripod type constant velocity universal joint according to claim 1 . ローラアセンブリがトラニオンジャーナルから分離し始める角度をθ1としたとき、トリポードキットに回転軸を装着した後、ローラアセンブリを角度θ2(θ2<θ1)まで傾けると回転軸と干渉するように設定したことを特徴とする請求項1またはに記載のトリポード型等速自在継手。When the angle at which the roller assembly begins to separate from the trunnion journal is θ1, the roller assembly is set to interfere with the rotation shaft when the roller assembly is tilted to an angle θ2 (θ2 <θ1) after the rotation shaft is mounted on the tripod kit. tripod type constant velocity universal joint according to claim 1 or 2 characterized.
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