JP4255111B2 - Method for producing Gal nucleotide - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なGlcヌクレオチドの生産方法等に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、本明細書中で共通して用いる略号について説明する。
【0003】
ADP:アデノシン 5'-二リン酸
DMAB:p−ジメチルアミノベンズアルデヒド(p-dimetylaminobenzaldehyde)
dTDP:デオキシチミジン5'-二リン酸
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
Gal:ガラクトース
GalNAc:N−アセチルガラクトサミン
Glc:グルコース
GlcNAc:N−アセチルグルコサミン
IPTG:イソプロピル 1-チオ-β-D-ガラクトシド(isopropyl 1-thio-β-D-Galactoside)
NAD+:ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
UDP:ウリジン5'-二リン酸
非特許文献1には、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)のspsJ遺伝子の全ヌクレオチド配列が開示されている。
【0004】
【非特許文献1】
クンスト,F.(Kunst,F.) ら、“バチルス・サブチリス 全体のゲノム(セクション21中の20)(Bacillus subtilis complete genome (section 20 of 21)”、Z99123、[online]、平成9年11月26日、NCBI、[平成15年3月3日検索]、インターネット<http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=nucleotide&list_uids=2636240&dopt=GenBank>しかしspsJの発現産物であるSpsJが、UDP-GlcとUDP-Galとを相互に変換する活性を有すること、及び、SpsJが有するこの活性は、UDP-GalをUDP-Glcに変換する活性よりも、UDP-GlcをUDP-Galに変換する活性の方がより高いことについては、開示も示唆もない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、SpsJやその融合タンパク質、SpsJを有効成分とする触媒、SpsJを用いるGalヌクレオチドの生産方法等を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、SpsJやその融合タンパク質、SpsJを有効成分とする触媒、SpsJを用いるGalヌクレオチドの生産方法等を提供するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、下記(A)又は(B)のタンパク質(以下「本発明タンパク質」という)を提供する。
(A)配列番号2におけるアミノ酸番号23〜337で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(B)上記(A)のアミノ酸配列における1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は転位したアミノ酸配列を含み、かつ、UDP-GlcをUDP-Galに変換する活性を有するタンパク質。
【0008】
本発明タンパク質は、配列番号2におけるアミノ酸番号23〜337で示されるアミノ酸配列からなることが好ましい。
【0009】
また本発明は、本発明タンパク質と他のペプチドとの融合タンパク質(以下「本発明融合タンパク質」という)を提供する。本発明融合タンパク質は、配列番号2におけるアミノ酸番号1〜337で示されるアミノ酸配列からなることが好ましい。
【0010】
また本発明は、本発明タンパク質又は本発明融合タンパク質を有効成分とし、UDP-GlcをUDP-Galに変換する能力を有する触媒(以下「本発明触媒」という)を提供する。
【0011】
また本発明は、本発明タンパク質、本発明融合タンパク質又は本発明触媒を、Glcヌクレオチドに接触させる工程を少なくとも含む、Galヌクレオチドの生産方法(以下「本発明生産方法」という)を提供する。
【0012】
本発明生産方法における「ヌクレオチド」は、UDP又はdTDPであることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、発明の実施の形態によって詳説する。
本発明タンパク質
本発明タンパク質は、下記(A)又は(B)のタンパク質である。
(A)配列番号2におけるアミノ酸番号23〜337で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(B)上記(A)のアミノ酸配列における1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は転位したアミノ酸配列を含み、かつ、UDP-GlcをUDP-Galに変換する活性を有するタンパク質。
【0014】
なお、天然に存在するタンパク質には、それをコードするDNAの多型や変異の他、生成後のタンパク質の細胞内及び精製中の修飾反応などによってそのアミノ酸配列中にアミノ酸の置換、欠失、挿入又は転位等の変異が起こりうるが、それにもかかわらず変異を有しないタンパク質と実質的に同等の生理、生物学的活性を示すものがあることが知られている。このように(A)のタンパク質に対して構造的に若干の差違があってもその機能については大きな違いが認められない(B)のタンパク質も、本発明タンパク質に包含される。人為的にタンパク質のアミノ酸配列に上記のような変異を導入した場合も同様であり、この場合にはさらに多種多様の変異体を作製することが可能である。例えば、ヒトインターロイキン2(IL-2)のアミノ酸配列中の、あるシステイン残基をセリンに置換したポリペプチドがインターロイキン2活性を保持することが知られている(Science,224,1431(1984))。また、ある種のタンパク質は、活性には必須でないペプチド領域を有していることが知られている。例えば、細胞外に分泌されるタンパク質に存在するシグナルペプチドや、プロテアーゼの前駆体等に見られるプロ配列などがこれにあたり、これらの領域のほとんどは翻訳後、又は活性型タンパク質への転換に際して除去される。このようなタンパク質は、一次構造上は異なった形で存在しているが、最終的には(A)のタンパク質と同等の機能を有するタンパク質である。上記の(B)のタンパク質は、このようなタンパク質を規定するものである。
【0015】
本明細書において「数個のアミノ酸」とは、UDP-GlcをUDP-Galに変換する活性が失われない程度の変異を起こしてもよいアミノ酸の数を示し、例えば600アミノ酸残基からなるタンパク質の場合、2〜30程度、好ましくは2〜15、より好ましくは2〜8以下の数を示す。
【0016】
(B)のタンパク質は、UDP-GlcをUDP-Galに変換する活性を有する必要がある。
【0017】
このような活性を有するか否かは、UDP-Glcを基質として、目的のタンパク質を作用させることにより、UDP-Galが産生されるか否かを検出することによって判定できる。例えば、後述の実施例に示すようなDMABアッセイや、HPLCによる解析、キャピラリー電気泳動による解析等によって調べることができる。
【0018】
このような方法によって、UDP-GlcをUDP-Galに変換する活性を保持しているアミノ酸の欠失、置換、挿入又は転位を有する変異体を容易に選択することができる。
【0019】
本発明タンパク質は、なかでも配列番号2におけるアミノ酸番号23〜337で示されるアミノ酸配列からなることが好ましい。
【0020】
本発明タンパク質の製造方法は特に限定されず、天然物から上記(A)又は(B)のタンパク質を単離してもよく、化学合成等によって上記(A)又は(B)のタンパク質を製造してもよく、遺伝子工学的手法によって上記(A)又は(B)のタンパク質を製造してもよい。遺伝子工学的手法によって本発明タンパク質を製造する具体的方法については、後述する「本発明融合タンパク質」の説明を参照されたい。
<2>本発明融合タンパク質
本発明融合タンパク質は、本発明タンパク質と他のペプチドとの融合タンパク質である。
【0021】
本明細書における「他のペプチド」という用語は、「ポリペプチド」を含む概念として用いる。
【0022】
本発明融合タンパク質としては、本発明タンパク質とマーカーペプチドとの融合タンパク質等が例示される。このような本発明融合タンパク質は、精製又は分析を容易にすることができるというメリットがある。上記マーカーペプチドとしては例えばプロテインA、インスリンシグナル配列、His、FLAG、CBP(カルモジュリン結合タンパク質)、GST(グルタチオン S−トランスフェラーゼ)などが挙げられる。例えばプロテインAとの融合タンパク質は、IgGを結合させた固相を用いたアフィニティークロマトグラフィーによって簡便に精製することができる。同様に、Hisタグとの融合タンパク質については磁性ニッケルを結合させた固相を用いることができ、FLAGとの融合タンパク質については抗FLAG抗体を結合させた固相を用いることができる。またインスリンシグナルとの融合タンパク質は、細胞外(培地等)に分泌されることから、細胞破砕等の抽出操作が不要となる。
【0023】
ここで好ましいのは、配列番号4のアミノ酸配列で示されるペプチド(Hisタグ)との融合タンパク質である。このHisタグは、配列番号2におけるアミノ酸番号23〜337で示されるアミノ酸配列の直前に融合させることが好ましい。すなわち本発明融合タンパク質は、配列番号2におけるアミノ酸番号1〜337で示されるアミノ酸配列からなることが好ましい。
【0024】
この融合タンパク質は、後述の実施例に示す通り、配列番号3のヌクレオチド配列を、配列番号1の第67番目のヌクレオチドの直前の位置に連続して結合させたDNAを発現させることによって製造することができる。
【0025】
本発明融合タンパク質(本発明タンパク質)は、以下の通り製造することができる。
【0026】
まず、本発明タンパク質のうち、前記(A)のタンパク質(配列番号2におけるアミノ酸番号23〜337で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質)をコードするDNA(以下「DNA(a)」という)を用意する。このDNAは、配列番号2におけるアミノ酸番号23〜337で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするものである限りにおいて特に限定されない。このようなDNAとしては、遺伝暗号の縮重によって種々の異なったヌクレオチド配列を有するDNAが存在するが、配列番号1におけるヌクレオチド番号67〜1020で示されるヌクレオチド配列によって特定されるDNAが好ましい。このDNAは、GenBank accession No. Z99123として登録されている。
【0027】
また、本発明タンパク質のうち、前記(B)のタンパク質をコードするDNA(以下「DNA(b)」という)についても、前記(A)のアミノ酸配列における1 もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は転位したアミノ酸配列を含み、かつ、UDP−GlcをUDP−Galに変換する活性を有するタンパク質をコードするものである限りにおいて特に限定されない。
【0029】
上記DNA(a)又はDNA(b)のいずれかを保持するDNAを用いたタンパク質の発現は、当該DNAが保持されたベクター(好ましくは発現ベクター)を用いて行うことが好ましい。DNAのベクターへの組込みは、通常の方法によって行うことができる。
【0030】
DNAを導入するベクターとしては、例えば、導入したDNAを発現させることができる適当な発現ベクター(ファージベクター或いはプラスミドベクター等)を使用することができ、本発明ベクターを組込む宿主細胞に応じて適宜選択できる。このような宿主−ベクター系としては、大腸菌(E. coli)と、pET15b(Novagen社製)、pTrcHis(インビトロゲン社製)、pGEX(ファルマシア バイオテック社製)、pTrc99(ファルマシア バイオテック社製)、pKK233-3(ファルマシア バイオテック社製)、pEZZZ18(ファルマシア バイオテック社製)、pCH110(ファルマシア バイオテック社製)、pBAD(インビトロゲン社製)、pRSET(インビトロゲン社製)又はpSE420(インビトロゲン社製)等の原核細胞用の発現ベクターとの組み合わせ、COS細胞や3LL-HK46細胞などの哺乳類細胞と、pGIR201(Kitagawa, H., and Paulson, J. C. (1994) J. Biol. Chem. 269, 1394-1401)、pEF-BOS(Mizushima, S., and Nagata, S. (1990) Nucleic Acid Res. 18, 5322)、pCXN2(Niwa, H., Yamanura, K. and Miyazaki, J. (1991) Gene 108, 193-200)、pCMV-2(イーストマン コダック(Eastman Kodak)製)、pCEV18、pME18S(丸山ら,Med. Immunol., 20, 27(1990))又はpSVL(ファルマシア バイオテック社製)等の哺乳類細胞用発現ベクターの組み合わせのほか、宿主細胞として昆虫細胞、酵母、枯草菌などが例示され、これらに対応する各種ベクターが例示される。上述の宿主−ベクター系の中でも特に原核細胞(特に大腸菌細胞)とpET15bとの組み合わせが好ましい。
【0031】
DNAを組込むベクターは、目的とするタンパク質とマーカーペプチドとの融合タンパク質を発現するように構築されたものを用いることができる。DNAからのタンパク質の発現及び発現されたタンパク質の採取も、通常の方法に従って行うことができる。
【0032】
例えば、目的とするDNAが組み込まれた発現ベクターを適当な宿主に導入することによって宿主を形質転換し、この形質転換体を生育させ、その生育物から発現されたタンパク質を採取することによって行うことができる。
【0033】
ここで「生育」とは、形質転換体である細胞や微生物自体の増殖や、形質転換体である細胞を組み込んだ動物・昆虫等の生育を含む概念である。また、ここでいう「生育物」とは、形質転換体を生育させた後の培地(培養液の上清)及び培養された宿主細胞・分泌物・排出物等を包含する概念である。生育の条件(培地や培養条件等)は、用いる宿主に合わせて適宜選択できる。
【0034】
生育物からのタンパク質の採取も、タンパク質の公知の抽出・精製方法によって行うことができる。
【0035】
例えば目的とするタンパク質が、培地(培養液の上清)中に分泌される可溶性の形態で産生される場合には、培地を採取し、これをそのまま用いてもよい。また目的とするタンパク質が細胞質中に分泌される可溶性の形態、又は不溶性(膜結合性)の形態で産生される場合には、窒素キャビテーション装置を用いる方法、ホモジナイズ、ガラスビーズミル法、音波処理、浸透ショック法、凍結融解法等の細胞破砕による抽出、界面活性剤抽出、又はこれらの組み合わせ等の処理操作によって目的とするタンパク質を抽出することができ、その抽出物をそのまま用いてもよい。
【0036】
これらの培地や抽出物から、タンパク質をさらに精製することもできる。精製は、不完全な精製(部分精製)であっても、完全な精製であってもよく、目的とするタンパク質の使用目的等に応じて適宜選択することができる。
【0037】
精製方法として具体的には、例えば硫酸アンモニウム(硫安)や硫酸ナトリウム等による塩析、遠心分離、透析、限外濾過法、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ゲルろ過法、ゲル浸透クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、電気泳動法等や、これらの組み合わせ等の処理操作が挙げられる。
【0038】
目的とするタンパク質が製造されたか否かは、アミノ酸配列、作用、基質特異性等を分析することによって確認することができる。
<3>本発明触媒
本発明触媒は、本発明タンパク質又は本発明融合タンパク質を有効成分とし、UDP-GlcをUDP-Galに変換する能力を有する触媒である。本発明触媒は、本発明タンパク質及び本発明融合タンパク質の少なくとも一方を含有していればよい。すなわち本発明触媒としては、本発明タンパク質又は本発明融合タンパク質自体をそのまま本発明触媒としてもよく、両者の混合物を用いてもよく、本発明タンパク質又は本発明融合タンパク質に加えて、これらのタンパク質に悪影響を与えず、かつ、本発明の効果に影響を与えない限りにおいて、他の成分を含有させてもよい。
【0039】
本発明触媒の形態も限定されず、溶液形態、凍結形態、凍結乾燥形態、担体と結合し、又は担体に包括させた固定化酵素形態のいずれであってもよい。
【0040】
本発明触媒はGlcヌクレオチドをGalヌクレオチドに変換する際に用いることができる。
<4>本発明生産方法
本発明生産方法は、本発明タンパク質、本発明融合タンパク質又は本発明触媒を、Glcヌクレオチドに接触させる工程を少なくとも含む、Galヌクレオチドの生産方法である。
【0041】
本発明生産方法における「ヌクレオチド」は、UDP又はdTDPであることが好ましい。
すなわち、GlcヌクレオチドやGalヌクレオチドは、UDP-GlcやUDP-Gal、あるいはdTDP-GlcやdTDP-Galであることが好ましい。
【0042】
本発明生産方法においては、本発明タンパク質、本発明融合タンパク質及び本発明触媒の少なくともいずれか1つを、Glcヌクレオチドに接触させればよい。これらのタンパク質と、Glcヌクレオチドとの「接触」の方法は、これらの分子が相互に接触して酵素反応が生ずる状態となる限りにおいて特に限定されず、例えば前者に後者を添加してもよく、後者に前者を添加してもよく、両者を同時に添加してもよい。
【0043】
また、本発明タンパク質、本発明融合タンパク質又は本発明触媒を担体(例えば、ゲル、ビーズ、膜、プレート等)に固定させ、これにGlcヌクレオチドを接触させてもよい。
【0044】
両者を接触させた後の反応の条件は、本発明タンパク質、本発明融合タンパク質又は本発明触媒が作用する条件である限りにおいて特に限定されない。
【0045】
例えばこれらのタンパク質の至適pH付近で反応させることが好ましく、当該pH下で緩衝作用を有する緩衝液中で反応を行うことがより好ましい。
【0046】
またこのときの温度も、これらのタンパク質の活性が保持されている限りにおいて特に限定されないが、35℃〜37℃程度が例示される。
【0047】
また本発明タンパク質、本発明融合タンパク質又は本発明触媒の活性を増加させる物質がある場合には、その物質を添加してもよい。特にNAD+を添加することが好ましい。
【0048】
反応時間は、pH条件、温度条件、作用させるタンパク質及び基質の量、並びにどの程度の生産量を所望するか等によって適宜調節することができる。反応時間を長くすれば生産量を増すことができ、反応時間を短くすれば生産量を減ずることができる。
【0049】
また本発明生産方法には、このような接触工程が少なくとも含まれていればよく、さらに他の工程が含まれていてもよい。
【0050】
本発明生産方法により、Glcヌクレオチドから、Galヌクレオチドを生産することができる。これらが生産されたか否かは、例えば、後述の実施例に示すようなDMABアッセイや、HPLCによる解析、キャピラリー電気泳動による解析等によって調べることができる。
【0051】
また、生成物中からGalヌクレオチドを単離する方法等は、公知の方法によって行うことができる。
【0052】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を具体的に説明する。しかしながら、これらによって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
1.SpsJタンパク質の調製
(1)spsJのクローニングと発現
Bacillus subtilis 168のspsJ遺伝子(配列番号1のヌクレオチド番号67から1020で示されるDNA)を、常法に従ってPCR増幅した。なお、PCRに用いたプライマーは以下の通りである。
【0053】
spsJ15-F catatggcaaaatcatatttaattac(配列番号5)
spsJ15-R ggatcctcatcggtcattgtctgtat(配列番号6)
957bpのPCR増幅断片をpUC19に挿入した後、シーケンスを確認した。これをpET15b(N-terminal histidin tag, Novagen)のNde1-BamH1サイトに挿入して発現プラスミドpETspsJ15を構築した。この発現プラスミドでE.coli BL21(DE3)株を形質転換し、SpsJ発現株を作製した。
【0054】
SpsJタンパク質の発現は、以下の通り行った。
【0055】
SpsJ発現株を、アンピシリン(33μg/100ml)を含有する100ml LB培地(1L中に、10g ポリペプトン、5g 酵母抽出物、10g NaClを含有する)中、37℃で4時間培養した。OD600nmが0.5付近に達した時、IPTGを終濃度が0.4mMになるよう添加した。IPTG添加後37℃で4時間培養した後、6,000rpm、4℃で10分間遠心し、20mM Tris-HCl(pH8.0)で洗浄して菌体を回収した。
(2)SpsJタンパク質の精製
回収した菌体を20mM Tris-HCl(pH8.0)に懸濁し、超音波破砕した。超音破砕の強度は「180」とし、4℃で5分間破砕した。破砕液を15,000rpm、4℃で10分間遠心して細胞抽出液を回収した。磁性ニッケルカラム(Ni-NTAカラム;QIAGEN社製)をBuffer(10mM Tris-HCl;pH8.0、300mM NaCl、10mMイミダゾール;pH8.0)で平衡化した。細胞抽出液をカラムに流し、イミダゾール濃度を50mM、250mM、500mMの順に徐々に上昇させてタンパク質を溶出させた。その後、Ni-NTAカラムへの結合物をSDS-PAGEで解析した。
【0056】
発現されたSpsJタンパクが含まれる画分を透析した。カットオフ 3000 Daの透析膜を使用し、透析外液としては20mM Tris-HCl(pH8.0)を使用した。この透析後の液を「SpsJ溶液」として、酵素活性を測定した。
(3)酵素活性の測定
上記の(2)で得られたSpsJ溶液を用いて、酵素活性を測定した。酵素活性の測定は、以下の(a)又は(b)の方法で行った。
(a)DMABアッセイ
(i)「SpsJ溶液」(20mM Tris HCl(pH8.0)溶液)に、終濃度1.0mM となるように基質(17.1μg/35μl)を添加して50μlとした。この溶液中に含まれるタンパク質(SpsJ)の量は、1μgであった。
(ii)37℃で20分〜60分間インキュベートした後、0.1M HClを10μl添加し、次いで6分間煮沸することによって反応を完全に停止させた。その後0.1M NaOHを10μl添加して中和した。
(iii)0.2Mの四ホウ酸ナトリウム(pH9.1)を140μl添加して、すぐに3分間煮沸した。
(iv)1050μlのDMAB試薬を添加して、37℃で30分間インキュベートした。DMAB試薬は以下の通り調製した。
【0057】
氷酢酸/HCl=9/1(v/v)の溶液でDMABの10%溶液を調製し、このDMAB溶液を使用直前にさらに氷酢酸で1/10に希釈して、DMAB試薬とした。
(v)インキュベート後、595nmにおける吸光度を測定した。
(b)UDP-グルコースオキシダーゼ-結合アッセイ(UDP-glucose oxidase-coupled assay)
(i)「SpsJ溶液」(20mM Tris-HCl(pH8.0)溶液)に、終濃度1.0mM となるように基質を添加して44μlとした。この溶液中に含まれるタンパク質(SpsJ)の量は、1.4μgであった。
【0058】
また、UDP-Glc及びUDP-Galの相互変換には、NAD+の存在が必須となることから、反応液中に1mMのNAD+を含有するものについても同様にして測定した。
(ii)37℃で30分〜2時間インキュベートした後、0.1M HClを添加し、次いで6分間煮沸することによって反応を完全に停止させた。その後0.1NのNaOHを添加して中和した。
(iii)以下の試薬を50mM酢酸ナトリウムに溶解し、この溶液400μlを反応液に添加した。
【0059】
22U/ml グルコースオキシダーゼ(glucose oxidase(pH5.5))
7U/ml ペルオキシダーゼ(peroxidase)
0.3mg o-ジアニシジン(o-dianisidine)
(iv)37℃で30分間インキュベートした後、6M HClを600μl添加した。
(v)その後、540nmにおける吸光度を測定した。
2.実験の結果
(1)Ni-NTAカラムへの結合物をSDS-PAGEで解析した結果、約37.7kDa付近に一本のバンドが出現したことから、SpsJの発現及び精製が確認された。
(2)基質としてUDP-GlcNAc又はUDP-GalNAcを用いて、DMABアッセイを行ったが、活性は確認できなかった。
(3)UDP-グルコースオキシダーゼ-結合アッセイを行った結果を図1に示す。左側の図はNAD+の非存在下で、右側の図は1mMのNAD+の存在下でそれぞれ反応を行った結果を示す。図1における「菱形印」は基質としてUDP-Glcを用いた場合の、「四角印」は基質としてUDP-Galを用いた場合の結果をそれぞれ示す。
【0060】
この結果、発現されたSpsJは、UDP-GlcとUDP-Galに対して活性(触媒能)を持つことが確認された。また図1からUDP-Glcが優先的にUDP-Galに変換されていることが示された。このことから、発現されたSpsJを用いるとUDP-GlcをUDP-Galに変換する反応の方が進みやすいことが確認された。
またSpsJはNAD+非存在下においてもその活性を示したことから、SpsJはNAD+を必要としないことが示唆された。
【0061】
【発明の効果】
本発明タンパク質及び本発明融合タンパク質は本発明触媒に利用することができ極めて有用である。また本発明触媒を用いると、Galヌクレオチドを工業的規模で大量かつ安価に製造でき、これによって本発明生産方法が提供されることから極めて有用である。本発明生産方法も、Galヌクレオチドを簡便、迅速、大量、安価に生産することができ極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基質としてUDP-Glc又はUDP-Galを用い、UDP-グルコースオキシダーゼ-結合アッセイを行った結果を示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel Glc nucleotide production method and the like.
[0002]
[Prior art]
First, abbreviations commonly used in this specification will be described.
[0003]
ADP:
dTDP:
NAD +: nicotinamide adenine dinucleotide UDP:
[0004]
[Non-Patent Document 1]
Kunst, F.A. (Kunst, F.) et al., “Bacillus subtilis complete genome (section 20 of 21)”, Z99123, [online], November 26, 1997, NCBI. [Search on March 3, 2003], Internet <http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=nucleotide&list_uids=2636240&dopt=GenBank> but spsJ expression product Some SpsJ has the activity to convert UDP-Glc and UDP-Gal to each other, and this activity that SpsJ has is more than UDP-Glc to UDP than to convert UDP-Gal to UDP-Glc. There is no disclosure or suggestion that the activity to convert to -Gal is higher.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide SpsJ, a fusion protein thereof, a catalyst containing SpsJ as an active ingredient, a Gal nucleotide production method using SpsJ, and the like.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have come to provide SpsJ, its fusion protein, a catalyst containing SpsJ as an active ingredient, a method for producing Gal nucleotide using SpsJ, and the like.
[0007]
That is, the present invention provides the following protein (A) or (B) (hereinafter referred to as “the protein of the present invention”).
(A) A protein comprising the amino acid sequence represented by amino acid numbers 23 to 337 in SEQ ID NO: 2.
(B) A protein comprising an amino acid sequence in which one or several amino acids in the amino acid sequence of (A) are deleted, substituted, inserted or rearranged, and having an activity of converting UDP-Glc to UDP-Gal.
[0008]
The protein of the present invention preferably has an amino acid sequence represented by amino acid numbers 23 to 337 in SEQ ID NO: 2.
[0009]
The present invention also provides a fusion protein of the protein of the present invention and another peptide (hereinafter referred to as “the fusion protein of the present invention”). The fusion protein of the present invention preferably comprises an amino acid sequence represented by amino acid numbers 1 to 337 in SEQ ID NO: 2.
[0010]
The present invention also provides a catalyst having the ability to convert UDP-Glc to UDP-Gal (hereinafter referred to as “the catalyst of the present invention”) comprising the protein of the present invention or the fusion protein of the present invention as an active ingredient.
[0011]
The present invention also provides a method for producing Gal nucleotide (hereinafter referred to as “the production method of the present invention”) comprising at least a step of bringing the protein of the present invention, the fusion protein of the present invention or the catalyst of the present invention into contact with a Glc nucleotide.
[0012]
The “nucleotide” in the production method of the present invention is preferably UDP or dTDP.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail by embodiments of the invention.
The protein of the present invention The protein of the present invention is the following protein (A) or (B).
(A) A protein comprising the amino acid sequence represented by amino acid numbers 23 to 337 in SEQ ID NO: 2.
(B) A protein comprising an amino acid sequence in which one or several amino acids in the amino acid sequence of (A) are deleted, substituted, inserted or rearranged, and having an activity of converting UDP-Glc to UDP-Gal.
[0014]
In addition to the polymorphisms and mutations of the DNA that encodes it, naturally occurring proteins include amino acid substitutions and deletions in their amino acid sequences by modification reactions during intracellular and purification of the resulting protein, etc. It is known that some mutations such as insertion or rearrangement may occur, but nonetheless exhibit substantially the same physiological and biological activity as a protein having no mutation. Thus, the protein of the present invention also includes the protein of (B) in which no significant difference in function is recognized even if there is a slight structural difference with respect to the protein of (A). The same applies when the above mutations are artificially introduced into the amino acid sequence of the protein. In this case, a wider variety of mutants can be prepared. For example, it is known that a polypeptide obtained by substituting a certain cysteine residue with serine in the amino acid sequence of human interleukin 2 (IL-2) retains
[0015]
As used herein, “several amino acids” refers to the number of amino acids that may be mutated to such an extent that the activity of converting UDP-Glc to UDP-Gal is not lost. For example, a protein comprising 600 amino acid residues In this case, the number is about 2 to 30, preferably 2 to 15, and more preferably 2 to 8 or less.
[0016]
The protein of (B) needs to have the activity of converting UDP-Glc to UDP-Gal.
[0017]
Whether or not it has such an activity can be determined by detecting whether or not UDP-Gal is produced by allowing the target protein to act using UDP-Glc as a substrate. For example, it can be examined by a DMAB assay as shown in Examples described later, analysis by HPLC, analysis by capillary electrophoresis, or the like.
[0018]
By such a method, it is possible to easily select a mutant having an amino acid deletion, substitution, insertion, or rearrangement that retains the activity of converting UDP-Glc to UDP-Gal.
[0019]
In particular, the protein of the present invention preferably comprises the amino acid sequence represented by amino acid numbers 23 to 337 in SEQ ID NO: 2.
[0020]
The production method of the protein of the present invention is not particularly limited, and the protein (A) or (B) may be isolated from a natural product, and the protein (A) or (B) is produced by chemical synthesis or the like. Alternatively, the protein (A) or (B) may be produced by a genetic engineering technique. For the specific method for producing the protein of the present invention by genetic engineering techniques, refer to the description of the “fusion protein of the present invention” described later.
<2> Fusion protein of the present invention The fusion protein of the present invention is a fusion protein of the protein of the present invention and another peptide.
[0021]
In the present specification, the term “other peptide” is used as a concept including “polypeptide”.
[0022]
Examples of the fusion protein of the present invention include a fusion protein of the protein of the present invention and a marker peptide. Such a fusion protein of the present invention has an advantage that purification or analysis can be facilitated. Examples of the marker peptide include protein A, insulin signal sequence, His, FLAG, CBP (calmodulin binding protein), GST (glutathione S-transferase) and the like. For example, a fusion protein with protein A can be easily purified by affinity chromatography using a solid phase to which IgG is bound. Similarly, a solid phase to which magnetic nickel is bound can be used for a fusion protein with a His tag, and a solid phase to which an anti-FLAG antibody is bound can be used for a fusion protein with FLAG. Further, since the fusion protein with the insulin signal is secreted to the outside of the cell (medium or the like), an extraction operation such as cell disruption is unnecessary.
[0023]
Here, preferred is a fusion protein with a peptide (His tag) represented by the amino acid sequence of SEQ ID NO: 4. This His tag is preferably fused immediately before the amino acid sequence represented by amino acid numbers 23 to 337 in SEQ ID NO: 2. That is, the fusion protein of the present invention preferably comprises an amino acid sequence represented by amino acid numbers 1 to 337 in SEQ ID NO: 2.
[0024]
This fusion protein is produced by expressing DNA in which the nucleotide sequence of SEQ ID NO: 3 is continuously linked to the position immediately before the 67th nucleotide of SEQ ID NO: 1, as shown in the Examples below. Can do.
[0025]
The fusion protein of the present invention (the protein of the present invention) can be produced as follows.
[0026]
First, among the proteins of the present invention, a DNA (hereinafter referred to as “DNA (a)”) encoding the protein (A) (a protein containing the amino acid sequence represented by amino acid numbers 23 to 337 in SEQ ID NO: 2) is prepared. . This DNA is not particularly limited as long as it encodes a protein containing the amino acid sequence represented by amino acid numbers 23 to 337 in SEQ ID NO: 2. As such DNA, there are DNAs having various different nucleotide sequences due to degeneracy of the genetic code, but DNA specified by the nucleotide sequence represented by nucleotide numbers 67 to 1020 in SEQ ID NO: 1 is preferable. This DNA is registered as GenBank accession No. Z99123.
[0027]
Among the proteins of the present invention, in the DNA encoding the protein (B) (hereinafter referred to as “DNA (b)”), one or several amino acids in the amino acid sequence (A) are deleted or substituted. The amino acid sequence is not particularly limited as long as it contains an inserted or rearranged amino acid sequence and encodes a protein having an activity of converting UDP-Glc to UDP-Gal.
[0029]
It is preferable that the expression of the protein using the DNA holding either the DNA (a) or the DNA (b) is performed using a vector (preferably an expression vector) holding the DNA. Integration of DNA into a vector can be performed by a conventional method.
[0030]
As a vector for introducing DNA, for example, an appropriate expression vector (such as a phage vector or a plasmid vector) capable of expressing the introduced DNA can be used, and it is appropriately selected according to the host cell into which the vector of the present invention is incorporated. it can. Such host-vector systems include E. coli, pET15b (Novagen), pTrcHis (Invitrogen), pGEX (Pharmacia Biotech), pTrc99 (Pharmacia Biotech) , PKK233-3 (Pharmacia Biotech), pEZZZ18 (Pharmacia Biotech), pCH110 (Pharmacia Biotech), pBAD (Invitrogen), pRSET (Invitrogen) or pSE420 (Invitrogen) In combination with expression vectors for prokaryotic cells such as COS cells and 3LL-HK46 cells, and pGIR201 (Kitagawa, H., and Paulson, JC (1994) J. Biol. Chem. 269, 1394-1401), pEF-BOS (Mizushima, S., and Nagata, S. (1990) Nucleic Acid Res. 18, 5322), pCXN2 (Niwa, H., Yamanura, K. and Miyazaki, J. (1991) Gene 108, 193-200), pCMV-2 (Eastman Kodak), pCEV18, pME In addition to combinations of mammalian cell expression vectors such as 18S (Maruyama et al., Med. Immunol., 20, 27 (1990)) or pSVL (Pharmacia Biotech), host cells include insect cells, yeast, Bacillus subtilis, etc. Examples thereof include various vectors corresponding to these. Among the host-vector systems described above, a combination of prokaryotic cells (particularly E. coli cells) and pET15b is particularly preferred.
[0031]
As the vector into which DNA is incorporated, a vector constructed so as to express a fusion protein of a target protein and a marker peptide can be used. Expression of the protein from the DNA and collection of the expressed protein can also be performed according to ordinary methods.
[0032]
For example, by transforming the host by introducing an expression vector incorporating the target DNA into an appropriate host, growing the transformant, and collecting the expressed protein from the growth Can do.
[0033]
Here, “growth” is a concept that includes the growth of cells that are transformants and microorganisms themselves, and the growth of animals, insects, and the like that incorporate the cells that are transformants. In addition, the term “growth” as used herein is a concept including a medium after growing a transformant (a supernatant of a culture solution), cultured host cells, secretions, discharges, and the like. Growth conditions (medium, culture conditions, etc.) can be appropriately selected according to the host to be used.
[0034]
The protein can also be collected from the growth by a known protein extraction / purification method.
[0035]
For example, when the target protein is produced in a soluble form secreted into the culture medium (the supernatant of the culture solution), the culture medium may be collected and used as it is. When the target protein is produced in a soluble form secreted into the cytoplasm or in an insoluble (membrane-bound) form, a method using a nitrogen cavitation device, homogenization, glass bead mill method, sonication, permeation The target protein can be extracted by a processing operation such as extraction by cell disruption such as shock method or freeze-thaw method, surfactant extraction, or a combination thereof, and the extract may be used as it is.
[0036]
Proteins can be further purified from these media and extracts. The purification may be incomplete purification (partial purification) or complete purification, and can be appropriately selected depending on the intended use of the target protein.
[0037]
Specific examples of purification methods include salting out with ammonium sulfate (ammonium sulfate) or sodium sulfate, centrifugation, dialysis, ultrafiltration, adsorption chromatography, ion exchange chromatography, hydrophobic chromatography, reverse phase chromatography, Examples thereof include gel filtration, gel permeation chromatography, affinity chromatography, electrophoresis, and combinations thereof.
[0038]
Whether or not the target protein has been produced can be confirmed by analyzing the amino acid sequence, action, substrate specificity and the like.
<3> The catalyst of the present invention The catalyst of the present invention is a catalyst having the protein of the present invention or the fusion protein of the present invention as an active ingredient and the ability to convert UDP-Glc to UDP-Gal. The catalyst of the present invention only needs to contain at least one of the protein of the present invention and the fusion protein of the present invention. That is, as the catalyst of the present invention, the protein of the present invention or the fusion protein itself may be used as it is as the catalyst of the present invention, or a mixture of both may be used. In addition to the protein of the present invention or the fusion protein of the present invention, Other components may be included as long as they do not adversely affect the effects of the present invention.
[0039]
The form of the catalyst of the present invention is not limited, and may be any of a solution form, a frozen form, a lyophilized form, an immobilized enzyme form bound to a carrier, or included in a carrier.
[0040]
The catalyst of the present invention can be used for converting Glc nucleotides to Gal nucleotides.
<4> Production method of the present invention The production method of the present invention is a method for producing a Gal nucleotide, comprising at least a step of bringing the protein of the present invention, the fusion protein of the present invention or the catalyst of the present invention into contact with a Glc nucleotide.
[0041]
The “nucleotide” in the production method of the present invention is preferably UDP or dTDP.
That is, the Glc nucleotide or Gal nucleotide is preferably UDP-Glc or UDP-Gal, or dTDP-Glc or dTDP-Gal.
[0042]
In the production method of the present invention, at least one of the protein of the present invention, the fusion protein of the present invention and the catalyst of the present invention may be brought into contact with the Glc nucleotide. The method of “contact” between these proteins and Glc nucleotides is not particularly limited as long as these molecules come into contact with each other and an enzyme reaction occurs, and for example, the latter may be added to the former, The former may be added to the latter, or both may be added simultaneously.
[0043]
Further, the protein of the present invention, the fusion protein of the present invention, or the catalyst of the present invention may be immobilized on a carrier (eg, gel, bead, membrane, plate, etc.), and Glc nucleotide may be brought into contact therewith.
[0044]
The reaction conditions after contacting them are not particularly limited as long as the protein of the present invention, the fusion protein of the present invention or the catalyst of the present invention acts.
[0045]
For example, the reaction is preferably performed near the optimum pH of these proteins, and the reaction is more preferably performed in a buffer solution having a buffering action at the pH.
[0046]
Further, the temperature at this time is not particularly limited as long as the activity of these proteins is maintained, but examples thereof include about 35 ° C to 37 ° C.
[0047]
Moreover, when there exists a substance which increases the activity of this invention protein, this invention fusion protein, or this invention catalyst, you may add the substance. It is particularly preferable to add NAD +.
[0048]
The reaction time can be appropriately adjusted depending on pH conditions, temperature conditions, amounts of proteins and substrates to be acted on, and what level of production is desired. Increasing the reaction time can increase the production amount, and shortening the reaction time can decrease the production amount.
[0049]
Further, the production method of the present invention only needs to include at least such a contact step, and may further include other steps.
[0050]
By the production method of the present invention, Gal nucleotide can be produced from Glc nucleotide. Whether or not these have been produced can be examined, for example, by a DMAB assay, analysis by HPLC, analysis by capillary electrophoresis, or the like as shown in Examples described later.
[0051]
Moreover, the method etc. which isolate Gal Gal from a product can be performed by a well-known method.
[0052]
【Example】
Examples of the present invention will be specifically described below. However, these do not limit the technical scope of the present invention.
1. Preparation of SpsJ protein (1) Cloning and expression of spsJ
The Bacillus subtilis 168 spsJ gene (DNA represented by nucleotide numbers 67 to 1020 of SEQ ID NO: 1) was PCR amplified according to a conventional method. The primers used for PCR are as follows.
[0053]
spsJ15-F catatggcaaaatcatatttaattac (SEQ ID NO: 5)
spsJ15-R ggatcctcatcggtcattgtctgtat (SEQ ID NO: 6)
After inserting a 957 bp PCR amplified fragment into pUC19, the sequence was confirmed. This was inserted into the Nde1-BamH1 site of pET15b (N-terminal histidin tag, Novagen) to construct an expression plasmid pETspsJ15. An E. coli BL21 (DE3) strain was transformed with this expression plasmid to produce a SpsJ expression strain.
[0054]
Expression of SpsJ protein was performed as follows.
[0055]
SpsJ expression strains were cultured for 4 hours at 37 ° C. in 100 ml LB medium (containing 10 g polypeptone, 5 g yeast extract, 10 g NaCl in 1 L) containing ampicillin (33 μg / 100 ml). When OD600nm reached around 0.5, IPTG was added to a final concentration of 0.4 mM. After adding IPTG, the cells were cultured at 37 ° C. for 4 hours, centrifuged at 6,000 rpm at 4 ° C. for 10 minutes, washed with 20 mM Tris-HCl (pH 8.0), and the cells were collected.
(2) Purification of SpsJ protein The recovered cells were suspended in 20 mM Tris-HCl (pH 8.0) and sonicated. The ultrasonic crushing strength was “180”, and crushing was performed at 4 ° C. for 5 minutes. The disrupted solution was centrifuged at 15,000 rpm and 4 ° C. for 10 minutes to collect the cell extract. A magnetic nickel column (Ni-NTA column; manufactured by QIAGEN) was equilibrated with Buffer (10 mM Tris-HCl; pH 8.0, 300 mM NaCl, 10 mM imidazole; pH 8.0). The cell extract was passed through the column, and the protein was eluted by gradually increasing the imidazole concentration in the order of 50 mM, 250 mM, and 500 mM. Thereafter, the bound substance to the Ni-NTA column was analyzed by SDS-PAGE.
[0056]
The fraction containing the expressed SpsJ protein was dialyzed. A dialysis membrane with a cutoff of 3000 Da was used, and 20 mM Tris-HCl (pH 8.0) was used as an external dialysis solution. The dialyzed solution was designated as “SpsJ solution”, and the enzyme activity was measured.
(3) Measurement of enzyme activity Enzyme activity was measured using the SpsJ solution obtained in (2) above. The enzyme activity was measured by the following method (a) or (b).
(a) DMAB assay
(i) Substrate (17.1 μg / 35 μl) was added to “SpsJ solution” (20 mM Tris HCl (pH 8.0) solution) to a final concentration of 1.0 mM to make 50 μl. The amount of protein (SpsJ) contained in this solution was 1 μg.
(ii) After incubating at 37 ° C. for 20-60 minutes, the reaction was stopped completely by adding 10 μl of 0.1M HCl and then boiling for 6 minutes. Thereafter, 10 μl of 0.1M NaOH was added for neutralization.
(iii) 140 μl of 0.2 M sodium tetraborate (pH 9.1) was added and immediately boiled for 3 minutes.
(iv) 1050 μl of DMAB reagent was added and incubated at 37 ° C. for 30 minutes. DMAB reagent was prepared as follows.
[0057]
A 10% solution of DMAB was prepared with a solution of glacial acetic acid / HCl = 9/1 (v / v), and this DMAB solution was further diluted to 1/10 with glacial acetic acid immediately before use to prepare a DMAB reagent.
(v) After incubation, the absorbance at 595 nm was measured.
(b) UDP-glucose oxidase-coupled assay
(i) The substrate was added to “SpsJ solution” (20 mM Tris-HCl (pH 8.0) solution) to a final concentration of 1.0 mM to make 44 μl. The amount of protein (SpsJ) contained in this solution was 1.4 μg.
[0058]
In addition, since the presence of NAD + is essential for the interconversion of UDP-Glc and UDP-Gal, the measurement was performed in the same manner for those containing 1 mM NAD + in the reaction solution.
(ii) After incubating at 37 ° C. for 30 minutes to 2 hours, the reaction was completely stopped by adding 0.1 M HCl and then boiling for 6 minutes. Thereafter, 0.1N NaOH was added for neutralization.
(iii) The following reagents were dissolved in 50 mM sodium acetate, and 400 μl of this solution was added to the reaction solution.
[0059]
22U / ml glucose oxidase (pH5.5)
7U / ml peroxidase
0.3mg o-dianisidine
(iv) After incubating at 37 ° C. for 30 minutes, 600 μl of 6M HCl was added.
(v) Thereafter, the absorbance at 540 nm was measured.
2. Results of Experiment (1) As a result of SDS-PAGE analysis of the bound substance to the Ni-NTA column, a single band appeared in the vicinity of about 37.7 kDa, confirming the expression and purification of SpsJ.
(2) DMAB assay was performed using UDP-GlcNAc or UDP-GalNAc as a substrate, but the activity could not be confirmed.
(3) The results of the UDP-glucose oxidase-binding assay are shown in FIG. The left figure shows the results of the reaction in the absence of NAD +, and the right figure shows the reaction in the presence of 1 mM NAD +. In FIG. 1, “diamonds” indicate results when UDP-Glc is used as a substrate, and “squares” indicate results when UDP-Gal is used as a substrate.
[0060]
As a result, it was confirmed that the expressed SpsJ has activity (catalytic ability) against UDP-Glc and UDP-Gal. FIG. 1 also shows that UDP-Glc is preferentially converted to UDP-Gal. From this, it was confirmed that the reaction of converting UDP-Glc to UDP-Gal is easier to proceed when expressed SpsJ is used.
SpsJ also showed its activity in the absence of NAD +, suggesting that SpsJ does not require NAD +.
[0061]
【The invention's effect】
The protein of the present invention and the fusion protein of the present invention can be used for the catalyst of the present invention and are extremely useful. Further, when the catalyst of the present invention is used, Gal nucleotides can be produced on an industrial scale in a large amount and at a low cost, which is extremely useful because it provides the production method of the present invention. The production method of the present invention is also very useful because Gal nucleotides can be produced simply, rapidly, in large quantities and at low cost.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows the results of a UDP-glucose oxidase-binding assay using UDP-Glc or UDP-Gal as a substrate.
Claims (3)
(A)配列番号2におけるアミノ酸番号23〜337で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(B)上記(A)のアミノ酸配列における1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は転位したアミノ酸配列を含み、かつ、UDP−GlcをUDP−Galに変換する活性を有するタンパク質。
(C)配列番号2におけるアミノ酸番号23〜337で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。
(D)上記(A)〜(C)に記載のタンパク質と他のペプチドとの融合タンパク質。
(E)配列番号2におけるアミノ酸番号1〜337で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。 A catalyst having a protein selected from the following (A) to (E) as an active ingredient and having the ability to convert UDP-Glc to UDP-Gal :
(A) A protein comprising the amino acid sequence represented by amino acid numbers 23 to 337 in SEQ ID NO: 2.
(B) A protein comprising an amino acid sequence in which one or several amino acids in the amino acid sequence of (A) are deleted, substituted, inserted, or rearranged, and having an activity of converting UDP-Glc to UDP-Gal.
(C) A protein comprising an amino acid sequence represented by amino acid numbers 23 to 337 in SEQ ID NO: 2.
(D) A fusion protein of the protein described in (A) to (C) above and another peptide.
(E) A protein comprising the amino acid sequence represented by amino acid numbers 1 to 337 in SEQ ID NO: 2.
(A)配列番号2におけるアミノ酸番号23〜337で示されるアミノ酸配列を含むタンパク質。
(B)上記(A)のアミノ酸配列における1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は転位したアミノ酸配列を含み、かつ、UDP−GlcをUDP−Galに変換する活性を有するタンパク質。
(C)配列番号2におけるアミノ酸番号23〜337で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。
(D)上記(A)〜(C)に記載のタンパク質と他のペプチドとの融合タンパク質。
(E)配列番号2におけるアミノ酸番号1〜337で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。 A method for producing a Gal nucleotide, comprising at least a step of contacting a protein selected from the following (A) to (E) with a Glc nucleotide :
(A) A protein comprising the amino acid sequence represented by amino acid numbers 23 to 337 in SEQ ID NO: 2.
(B) A protein comprising an amino acid sequence in which one or several amino acids in the amino acid sequence of (A) are deleted, substituted, inserted, or rearranged, and having an activity of converting UDP-Glc to UDP-Gal.
(C) A protein comprising an amino acid sequence represented by amino acid numbers 23 to 337 in SEQ ID NO: 2.
(D) A fusion protein of the protein described in (A) to (C) above and another peptide.
(E) A protein comprising the amino acid sequence represented by amino acid numbers 1 to 337 in SEQ ID NO: 2.
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