JP4253402B2 - clip - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば自動車のアシストグリップ、サンバイザーあるいはロッドホルダー等を固定するためのクリップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のクリップには、ボディ等の装着面に開口した取付け孔を利用して上記の装備品を固定するものがある。このようなクリップでは、取付け孔に対して係止される一対の脚片を備えたものがある。両脚片は取付け孔を通過するときに窄み変形するような弾性が付与されており、その付け根側に形成された係止段部が取付け孔を通過したときに復帰して取付け孔の孔縁に引掛けて係止させるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の方式では、脚片の弾性によって装備品に対する係着力を得ている。そして、脚片の嵌め込み方向と抜き方向とが一致しているため、特にアシストグリップのように抜け方向に力が作用する状態で使用されるものでは、係着に対する信頼性が充分でないことがある。
本発明の目的は、装備品の取付け信頼性を高めうるクリップを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための請求項1の発明は、被固定物を取付け可能な基部と、この基部と一体に形成され取付け面に設けられた取付け孔へ窄み変形しつつ差し込み可能な少なくとも一対の脚片を備えた脚部とからなるクリップ本体を備え、前記脚片にはこの脚片の窄み方向と直交する方向に引掛け部が配される一方、
前記クリップ本体には、前記脚部が前記取付け孔に差し込まれた状態で各脚片の間に割って入ることで脚片の窄み方向の変形を規制する規制部材が差し込み可能であるとともに、この規制部材には前記クリップ本体に対する差し込み動作に伴って前記取付け孔の開口縁に摺接しつつ前記クリップ本体を、前記引掛け部が前記取付け孔の開口縁に係止する位置まで移動させる案内面が形成されていることを特徴とするものである。
【0005】
また請求項2の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記取付け孔を角孔状とする一方、前記脚片において、その窄み方向に位置する面には前記引掛け部が前記取付け孔の開口縁に係止した状態で、この開口縁の少なくとも他の2辺に係止可能な係止部が形成されていることを特徴とするものである。
【0006】
さらに請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のものにおいて、前記脚部と並列するように前記基部に一体形成されて、前記取付け面に設けた係止孔へ挿入可能な係止軸を備え、前記係止軸には前記脚片に配した前記引掛け部と同方向を向き、かつ、前記引掛け部の係止と同時に前記係止孔の開口縁に係止可能な補助引掛け部が設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の作用および効果】
請求項1の発明によれば、クリップ本体が取付け孔に差し込まれた状態で、規制部材を差し込むと、規制部材は各脚片間に割って入る。このとき、規制部材の案内面が取付け孔の開口縁に摺接しつつクリップ本体を移動させ、引掛け部を取付け孔の開口縁に係止させる位置まで自動的に案内する。こうして、引掛け部が係止状態となるとともに、規制部材が各脚片間に割って入ることから、規制部材の解離方向の変形が規制されるため、係止状況が強化される。また、クリップ本体の移動を規制部材の差し込み動作を利用して行わせることができるため、操作性にも優れる。
【0009】
また、請求項2の発明によれば、引掛け部に加え、脚片に設けられた係止部も取付け孔の開口縁に係止するため、少なくとも取付け孔の計三辺に係止箇所が設けられるから、一層係止状況が安定したものとなる。
【0010】
さらに請求項3の発明によれば、係止軸は、脚片の取付け孔への挿入に伴って係止孔へ挿入される。そして、引掛け部を係止するためにクリップ本体を取付け孔内で移動させると、それと同時に係止軸が係止孔内で移動される。ここで、係止軸における補助引掛け部は、脚片における引掛け部と同方向に向けて配されているので、係止軸が移動されると、補助引掛け部が係止孔の開口縁に係止される。これにより、クリップ本体が取付け面に抜止されると共に係止軸が取付け面に抜止されるから、係止状況がより一層強化される。また、クリップは、引掛け部の係止と補助引掛け部の係止とを同時にできるので、操作性に優れる。
【0012】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態では、本発明を自動車のアシストグリップA(被固定物)を取り付けるためのクリップに適用した場合について説明する。図10に示すように、アシストグリップAは自動車後部のルーフ面において、サイドガラスG寄りの位置に取り付けられている。但し、このルーフ面には成形天井が使用されている。
【0013】
アシストグリップAは合成樹脂材によってほぼコの字状に形成され、その両端部には取付け用のクリップ(クリップ本体1)をインサート成形によって埋め込んでいる。但し、アシストグリップAの端部表面には窓部2が開口し、その底面にクリップ本体1の上面を露出させるとともに、ここから後述するカバー本体3を差し込み可能としている。
【0014】
クリップは、図2に示すように、共に合成樹脂材によって形成されたクリップ本体1とこれに差し込まれるカバー本体3(規制部材)とからなっている。まず、クリップ本体1から説明すると、クリップ本体1の上部はアシストグリップA内に埋め込まれる基部4となっている。この基部4は、方形に形成された基板5と、この基板5を上下から挟み、基板5より小さめに形成された上板6および下板7とよりなっている。このように上下の板6,7が基板5を挟んで全周に段差が形成されるようにしたのは、アシストグリップAに対する抜けを機械的に防止するためである。
【0015】
また、基部4には上板6から下板7に至るまで縦向きにカバー収容孔8が貫通している。このカバー収容孔8はカバー本体3を差し込み可能に形成され、この実施形態ではほぼ方形状に形成されているが、図2に示す奥側の一辺は幅広に形成されてカバー本体3の差し込みの案内をする案内溝9となっている。また、カバー収容孔8内において、案内溝9が形成されている壁面とこれに対向する壁面には図5乃至図8に示すように一対の弾性係止片10が形成されており、カバー本体3を仮止め位置(図5および図6に示す位置)と本止め位置(図8に示す位置)とに保持する役割を果たす。両弾性係止片10はカバー収容孔8の開口縁を始端として縦向きに形成され、拡開方向への撓みが許容されている。さらに、その先端には互いに向き合うようにして係止爪11が形成されている。
【0016】
また、基板5の外面における一側縁からは水平に張り出し片12が突出し、その先端部の下面には差し込みピン13が垂下して設けられている。この差し込みピン13はルーフパネル14に貫通したピン孔15に挿通されて、アシストグリップAがルーフパネル14の仮止め状態を強化するためのものである。また、差し込みピン13は先端は円錐形状に形成されるが、軸部は軸方向に沿って2方向から面取り13Aがなされ(図11参照)、その他の周面をなす部分には係止鍔16が高さ方向に沿って複数層張り出しており、選択的に前記ピン孔15の孔縁に引掛かるようにしてある。なお、張り出し片12と差し込みピン13の付け根部分は基部4と共にアシストグリップA内に埋め込まれる。
但し、ピン孔15は図11に示すように長孔状に形成されている。これは、後述するように、クリップ本体1がカバーの差し込みに伴って取付け孔17内を移動するときに、差し込みピン13もまたピン孔15内で移動するのを許容するためのものである。
【0017】
基部4における下板7の下面にはルーフパネル14への取付けのための脚部18が一体に垂下されている。脚部18は、この実施形態ではカバー収容孔8を挟むようにして対向する一対の脚片19によって形成されている。両脚片19は下板7との連結部分はやや薄肉に形成され、ルーフパネル14の取付け孔17への差し込みに際して良好な窄み変形が可能となっている。なお、取付け孔17は角穴としてある。
また、両脚片19の付け根部分に連続する部分の外面は傾斜状に肉厚となっており、取付け孔17の孔縁に弾性的に係止する係止部20となっている。さらに、両脚片19の先端部は徐々に薄肉になるようにしてあり、かつ幅方向の両側縁も先細となるように面取りがなされ、これらによって両脚片19が取付け孔17へ挿入しやすくなっている。さらに、両脚片19の一方の側縁(図2における手前側の側縁)であって係止部20に隣接する部分には引掛け部21が段差状に形成されて、取付け孔17の開口縁のうち両係止部20とは異なる辺に係止可能である。但し、両脚片19の取付け孔17に対する初期の差し込み状態では、両引掛け部21は取付け孔17の開口縁から離間しており、後述するようにクリップ本体1が取付け孔17内で移動したときに、両引掛け部21は係止状態となる。
【0018】
また、下板7において両脚片19より外側位置には下板7よりはやや小幅に形成された一対のスペーサ片22が垂下されている。両スペーサ片22はほぼ成形天井のルーフヘッドライニング23の厚み分だけ、下板7をルーフパネル14から浮かして保持するためのものであり、共にルーフパネル14に対して突き当てられるようになっている。
【0019】
次に、カバー本体3について説明する。カバー本体3は、窓部2およびカバー収容孔8に差し込み可能な角柱状に形成されている。また、カバー本体3の上面には食い込み突部24が突設されており、図1等に示すような異種材料よりなるカバー25を、カバー本体3の上面にインサート成形する場合に、樹脂部分との機械的連結強度を確保するためのものである。さらに、カバー本体3の一面にはほぼ全長に亘ってガイド縁26が外方へ張り出しており、案内溝9に沿って嵌め込み可能である。また、カバー本体3の上面も外方へ張り出すようにして蓋板27が形成され、クリップ本体1の上板6に当接してカバー収容孔8を覆蓋することができるようになっている。一方、カバー本体3の先端部は四方から面取りがなされて先細り形状となっており、カバー収容孔8への差し込みを容易にしている。このうち、カバー本体3がカバー収容孔8に収容されたときに、クリップ本体1の引掛け部21と反対側に位置する面は案内面28となっており、カバー本体3の差し込みに伴って取付け孔17の開口縁に摺接し、これによって引掛け部21を取付け孔17の開口縁に係止させるよう、クリップ全体を取付け孔17内で移動させることができる。
【0020】
また、カバー本体3の外面であって、ガイド縁26が形成されている面とこれに対向する面の双方には、上下に係止凹部29A,29Bがそれぞれ形成されていて、弾性係止片10の係止爪11にそれぞれ解離可能に係合する。このうちの下側の係止凹部29Bは、カバー収容孔8内にカバー本体3を差し込んだときに、カバー本体3を浅い位置、つまり仮止め位置で保持するためのものであり、上側の係止凹部29Aはカバー本体3を深い位置、つまり本止め位置で保持するためのものである。
【0021】
次に、上記のように構成された本実施形態の作用効果を具体的に説明する。まず、クリップ本体1が両端部に埋設されたアシストグリップAに対し、カバー本体3がインサートされたカバー25を、窓部2を通してカバー収容孔8へ差し込む。このときには、ガイド縁26が案内溝9に沿って差し込まれてゆくため、安定した差し込み状況が得られる。そして、下側の係止凹部29Bが弾性係止片10の係止爪11と適合する深さまで差し込みがなされると、係止爪11は対応する係止凹部29Bと弾性的に係合し、これによってカバー25がクリップ本体1に対して仮止め位置に保持される。
【0022】
こうして、カバー25が一体化されたアシストグリップAの両端部を成形天井の取付け部位にあてがう。すなわち、この取付け部位には成形天井のルーフヘッドライニング23において、取付け孔17およびピン孔15にそれぞれ整合して孔部がそれぞれ開設されているが、これらの孔を通して両脚片19および差し込みピン13の差し込みが行われる。このとき、両脚片19は窄み変形しながら取付け孔17へ差し込まれてゆき、スペーサ片22がルーフパネル14に当接するまで差し込みがなされたときには、脚片19は弾性復帰して係止部20が取付け孔17の開口縁に係止する。一方、差し込みピン13はいずれかの係止鍔16がピン孔15の開口縁に引掛かった状態でピン孔15の中央部に差し込まれる。したがって、アシストグリップAは両係止部20が取付け孔17の開口縁に弾性的に係合し、かつ差し込みピン13の鍔縁がピン孔15の開口縁にそれぞれ係止することによってルーフパネル14に対し仮の固定ではあるものの、作業者が手で支えていなくともルーフパネル14に保持されるに充分な係着力をもって保持される。
【0023】
この状態からカバー25に押し下げ力を作用させ、両係止爪11を下側の係止凹部29Bから解離させる。そのままカバー25をより深く押し込んでゆくと、カバー25の案内面28が取付け孔17の開口縁に摺接するため、クリップ本体1が押し込み方向とは直交する方向、つまり図6では右方向に移動する。そして、係止爪11が上側の係止凹部29Aにそれぞれ係止する深さまでカバー25の差し込みがなされて、クリップ本体1が本止め位置に保持されると、両脚片19の引掛け部21が取付け孔17の開口縁にそれぞれ係止した状態に保持される。取付け孔17の開口縁に対する引掛け部21の係止方向は脚片19の撓み方向と直交する方向であるため、アシストグリップAに抜け方向の力が作用しても、直ちに脚片19が窄み変形してルーフパネル14に対する係着が解離してしまうことはない。また、カバー25は上記した押し込みによって両脚片19の間に割って入るため、両脚片19における係止部20の係止を解除するような窄み変形が規制されている。しかも、クリップ本体1は両引掛け部21および両係止部20によって取付け孔17の三辺に係止するため、複数方向から作用する外力にも有効であり、その結果アシストグリップAの取付けの信頼性を高めることができる。
【0024】
以上のように、本実施形態によれば、両脚片19はその係止解除方向とは直交する方向で非弾性的に係止する。したがって、ルーフパネル14への差し込みは比較的容易かつ円滑になしうるものの、取付け後は強固に係止するため、特にアシストグリップAのように抜け方向に力が作用するような部品の取付けには有利である。また、脚片19の係止部20と併せて取付け孔17に対して三方向から係止するため、複数方向に対して安定的な支持が得られる。また、クリップ本体1の移動はカバー25の押し込み動作を利用して自動的に行われるため、作業性にも優れる。さらに、カバー25を本係止位置へ押し込む前のアシストグリップAが仮固定されている状態では、差し込みピン13によって脚片19による弾性係止力が増強されているため、作業者がアシストグリップAを把持している必要はなく、その分作業がしやすくなる。
【0025】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態を図12〜図17に基づいて説明する。この実施形態は、自動車のサンバイザS(被固定物)を取り付けるためのクリップCに本発明を適用したものであり、クリップ本体1に、脚部18と並列するように係止軸34を設けた点が、第1実施形態と異なる。
図16に示すように、サンバイザSはルーフ面において、フロントガラスF寄りの位置に左右一対取り付けられている。
【0026】
サンバイザーSは、合成樹脂製で略長方形状の遮光板Bの端部から金属棒材よりなる回動軸30を引き出した構成である。遮光板Bは回動軸30に対して回動可能に取付けられるている。また、回動軸30の先端にはクリップCが装着され、このクリップCによってサンバイザーS全体がルーフ面に対し回動可能に取付けられる。これにより、サンバイザーSは、遮光板Bの上下方向の回動とクリップCを中心とした左右方向の回動とを可能としている。
本実施形態では、クリップCは、カバー25と一体成形されたカバー本体3がクリップ本体1に差し込み可能としている。
【0027】
クリップ本体1の基部4は、図13に示すように、合成樹脂材によって楕円形状に形成され、上面は中心から外周に向かい湾曲している。基部4の中心には下面側へ突出する軸受部32を形成すると共に、基部4の下面には軸受部32を中心とした対称位置に、脚部18と係止軸34とを一体成形している。
【0028】
軸受部32は、軸心に沿って挿入孔32Bを貫通し、かつ下端部には計4条の割り溝が90°毎にかつ端面から軸方向に沿って設けられ、これによって若干の拡開が許容された4つの弾性受片33を形成している。軸受部32は、挿入孔32Bから回動軸30を受入れると、弾性受片33を拡開させて回動軸30を挿通させる。回動軸30には先端をくびれさせて抜止凹部31が形成されており、弾性受片33が抜止凹部31に係合することで、軸受部32は回動軸30を回動可能に取付ける。そして、軸受部32は、筒部32Aをルーフパネルの軸孔36へ差し込ませて取付けられる。なお、軸孔36は長孔状に形成されており(図17参照)、後述するように、脚片19が取付け孔17内を移動するときに軸受部32もまた軸孔36内で移動することを許容するためのものである。また、本実施形態ではスペーサ片22は、基部4の下面のうち、軸受部32を中心とする放射状に設けられている(図13参照)。
【0029】
脚部18は、第1実施形態と同様の構成であり、両脚片19の引掛け部21が軸受部32と反対側の位置に設けられている。
【0030】
さて、係止軸34は、基部4の下面において軸受部32を挟んで脚部18と反対側の位置に配され、円柱形状をなしている(図13参照)。また、係止軸34の下端には全周に亘りテーパ面34Aが形成されて、係止孔37への挿入を容易にする。なお、係止孔37は円形孔としてある(図17参照)。
そして、図13に示すように、係止軸34のうち付け根部分であって、軸受部32に対向する側には、引掛け凹部35(補助引掛け部)が形成されている。なお、引掛け凹部35の端面35Aは係止孔37の開口縁に合わせて軸受部32方向へ凸とする円周面状に形成されて係止孔37の開口縁の側面と隙間なく当接する。
【0031】
次に、上記のように構成された本実施形態の作用効果を説明する。
第1実施形態と同様に弾性係止片10の係止爪11が下側の係止凹部29Bと係合することで、カバー25が仮止めされたクリップ本体1を成形天井の取付け部位にあてがう。この取付け部位のルーフパネル14には、取付け孔17、軸孔36及び係止孔37が穿孔されており(図17参照)、両脚片19が窄み変形しながら取付け孔17へ差し込まれると、これに伴い、軸受部32は軸孔36へ、また、係止軸34は係止孔37へそれぞれ差し込まれる。そして、図14に示すように、スペーサ片22がルーフパネル14に当接するまで差し込みがなされると、脚片19は弾性復帰して係止部20が取付け孔17の開口縁に係止する。
【0032】
この状態からカバー25を押し込んでいくと、下側の係止凹部29Bに対する係止が解け、カバー25の案内面28と取付け孔17の開口縁との摺接によって、クリップ本体1が押し込み方向とは直交する方向、つまり図14では右方向に移動する。すると、クリップ本体1に一体成形された係止軸34と軸受部32とはクリップ本体1の移動に伴って図示右方向へ移動する。ここで、図15及び図17に示すように、脚片19の引掛け部21が、取付け孔17の開口縁に係止されると同時に、係止軸34の引掛け凹部35は、係止孔37の開口縁に係止されるのである。このとき、引掛け凹部35は、円周面状をなす端面35Aが係止孔37の開口縁の側面と当接して隙間なく嵌まり合っている。これにより、引掛け凹部35の下面全体で抜け方向の力を受止めることができるので、十分な係止力が得られる。
【0033】
係止爪11が上側の係止凹部29Aに係止されて、カバー25の押し込みが完了すると、脚片19の窄み変形が規制されると共にクリップ本体1の移動が規制されるので、引掛け部21と引掛け凹部35とはそれぞれが係止された状態に保持される。ここで、引掛け部21と引掛け凹部35とは脚片19と係止軸34との挿入方向と直交する方向に係止しているので、クリップ本体1の抜止がなされる。
さらに、脚片19と係止軸34とは、クリップ本体1の軸受部32に関してほぼ点対称位置に形成されているので、遮光板Bから回動軸30を介して軸受部32に作用する力を均等に支持する。
【0034】
以上のように、本実施形態によれば、脚片19と係止軸34とは引掛け部21と引掛け凹部35との係止によって挿入方向と直交する方向に係止する。したがって、ルーフパネル14への取付けは比較的容易かつ円滑になしうるものの、取付け後は脚片19の係止に加えて係止軸34による係止がなされるのでクリップCは強固に係止される。さらに、脚片19と係止軸34とが軸受部32に作用する力を均等に支持することで基部4を安定して支持することができる。特にサンバイザーSの遮光板Bは様々な方向へ回動されて使用されるので、サンバイザーSを固定するクリップCのように、使用状況によって力の作用する方向が変化するような部品の取付けには有利である。また、脚片19と係止軸34との係止はカバー25の押し込み動作によるクリップ本体1の移動によって同時に一括で行われるため、作業性にも優れる。
【0035】
<他の実施形態>
なお、本発明は種々の変更が可能であり、次のような変形例も本発明の技術的範囲に含まれる。
▲1▼第1実施形態では、仮止め状態の強化のために差し込みピン13をクリップ本体1に差し込みピン13を設けたが、被固定物の重量等によっては省略してもよい。
▲2▼上記第1、第2実施形態では、脚片19は一対設けた場合を示したが、その数は限定されるべきものではない。
▲3▼第2実施形態では、係止軸34は1箇所に設けたが、複数箇所に設けるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るアシストグリップの要部を示す分解斜視図
【図2】クリップの分解斜視図
【図3】カバーが仮止め状態にあるときのアシストグリップの取付け状況を示す断面図
【図4】カバーを本止め状態にしたときのアシストグリップの取付け状況を示す断面図
【図5】クリップをルーフパネルへ差し込む直前の状態を示す断面図
【図6】カバーの案内面が取付け孔の開口縁に接触したときの状態を示す断面図
【図7】クリップがスライドしているときの状態を示す断面図
【図8】クリップが本止めされた状態を示す断面図
【図9】カバーを取り付けた状態でのアシストグリップを示す斜視図
【図10】アシストグリップの車内での取付け位置を示す正面図
【図11】アシストグリップの端部を示す底面図
【図12】第2実施形態に係るサンバイザーを取付けたクリップの側面図
【図13】クリップの斜視図
【図14】クリップをルーフパネルへ差し込んだ状態を示す断面図
【図15】クリップが本止めされた状態を示す断面図
【図16】サンバイザーの車内での取付け位置を示す斜視図
【図17】ルーフパネルに形成された孔と係止後のクリップ本体を示す平面図
【符号の説明】
1…クリップ本体
3…カバー本体(規制部材)
4…基部
8…カバー収容孔
14…ルーフパネル(取付け面)
17…取付け孔
18…脚部
19…脚片
20…係止部
21…引掛け部
25…カバー
28…案内面
34…係止軸
35…引掛け凹部(補助引掛け部)
37…係止孔[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a clip for fixing an assist grip, a sun visor, a rod holder or the like of an automobile, for example.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, there is a clip of this type that fixes the above-mentioned equipment using an attachment hole opened on a mounting surface such as a body. Some of these clips include a pair of leg pieces that are locked to the mounting holes. Both leg pieces are given elasticity so as to be squeezed and deformed when passing through the mounting hole. When the locking step formed on the base side passes through the mounting hole, the leg pieces return to the edge of the mounting hole. It is hooked on and locked.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-described method, the engaging force for the equipment is obtained by the elasticity of the leg pieces. And, since the fitting direction of the leg pieces and the pulling direction are coincident with each other, the reliability with respect to the engagement may not be sufficient particularly when used in a state where a force acts in the pulling direction like an assist grip. .
An object of the present invention is to provide a clip capable of improving the mounting reliability of equipment.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the invention of
The clip body can be inserted with a restricting member that restricts deformation of the leg pieces in the narrowing direction by splitting between the leg pieces in a state where the leg portions are inserted into the attachment holes, A guide surface for moving the clip body to a position where the hooking portion is locked to the opening edge of the mounting hole while sliding on the opening edge of the mounting hole in accordance with the insertion operation with respect to the clip body. Is formed .
[0005]
According to a second aspect of the present invention, in the first aspect of the present invention, the attachment hole is formed in a square hole shape, while the hook portion is provided on the surface of the leg piece located in the constriction direction. In the state of being locked to the opening edge, a locking portion that can be locked to at least two other sides of the opening edge is formed.
[0006]
Further, the invention according to
[0008]
Operation and effect of the invention
According to the first aspect of the present invention , when the restricting member is inserted in a state where the clip body is inserted into the attachment hole, the restricting member is divided between the leg pieces. At this time, the clip body is moved while the guide surface of the restricting member is in sliding contact with the opening edge of the attachment hole, and the guide is automatically guided to the position where the hooking portion is locked to the opening edge of the attachment hole. Thus, the hooking portion is in the locked state, and the regulating member is split between the leg pieces, so that the deformation of the regulating member in the disengagement direction is regulated, and the locking situation is strengthened. Moreover, since the movement of the clip body can be performed using the insertion operation of the restricting member, the operability is excellent.
[0009]
According to the invention of
[0010]
Furthermore, according to the invention of
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
<First Embodiment>
DESCRIPTION OF EXEMPLARY EMBODIMENTS Hereinafter, a first embodiment of the invention will be described with reference to the drawings. This embodiment demonstrates the case where this invention is applied to the clip for attaching the assist grip A (fixed object) of a motor vehicle. As shown in FIG. 10, the assist grip A is attached to a position near the side glass G on the roof surface of the rear part of the automobile. However, a molded ceiling is used for this roof surface.
[0013]
The assist grip A is formed in a substantially U shape by a synthetic resin material, and a clip for attachment (clip body 1) is embedded at both ends by insert molding. However, the
[0014]
As shown in FIG. 2, the clip includes a
[0015]
Further, a cover housing hole 8 passes through the
[0016]
Further, a projecting
However, the
[0017]
In addition, the outer surface of the portion that continues to the base portion of both
[0018]
In addition, a pair of
[0019]
Next, the
[0020]
Also, on both the outer surface of the
[0021]
Next, the effect of this embodiment comprised as mentioned above is demonstrated concretely. First, the
[0022]
In this way, both ends of the assist grip A integrated with the
[0023]
From this state, a pressing force is applied to the
[0024]
As described above, according to this embodiment, both
[0025]
Second Embodiment
Hereinafter, a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. In this embodiment, the present invention is applied to a clip C for attaching a sun visor S (fixed object) of an automobile, and a locking
As shown in FIG. 16, a pair of left and right sun visors S are attached to positions near the windshield F on the roof surface.
[0026]
The sun visor S has a configuration in which a
In the present embodiment, the clip C is configured such that the
[0027]
As shown in FIG. 13, the
[0028]
The bearing
[0029]
The
[0030]
Now, the locking
As shown in FIG. 13, a hooking recess 35 (auxiliary hooking portion) is formed at the base portion of the locking
[0031]
Next, the effect of this embodiment comprised as mentioned above is demonstrated.
Similar to the first embodiment, the latching
[0032]
When the
[0033]
When the locking
Further, since the
[0034]
As described above, according to the present embodiment, the
[0035]
<Other embodiments>
The present invention can be modified in various ways, and the following modifications are also included in the technical scope of the present invention.
{Circle around (1)} In the first embodiment, the
{Circle around (2)} In the first and second embodiments, the pair of
(3) In the second embodiment, the locking
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an exploded perspective view showing a main part of an assist grip according to a first embodiment. FIG. 2 is an exploded perspective view of a clip. FIG. 3 is a cross-sectional view showing an attachment state of the assist grip when a cover is temporarily fixed. Fig. 4 is a cross-sectional view showing the mounting state of the assist grip when the cover is in a fully-fastened state. Fig. 5 is a cross-sectional view showing a state immediately before the clip is inserted into the roof panel. FIG. 7 is a sectional view showing a state when the opening edge of the hole is contacted. FIG. 7 is a sectional view showing a state when the clip is sliding. FIG. FIG. 10 is a perspective view showing the assist grip with the cover attached. FIG. 10 is a front view showing the position of the assist grip in the vehicle. FIG. 11 is a bottom view showing the end of the assist grip. FIG. 13 is a perspective view of the clip. FIG. 14 is a cross-sectional view showing a state where the clip is inserted into the roof panel. FIG. 15 is a cross-sectional view showing a state where the clip is permanently fixed. FIG. 16 is a perspective view showing the mounting position of the sun visor in the vehicle. FIG. 17 is a plan view showing a hole formed in the roof panel and the clip body after locking.
1 ...
4 ... Base 8 ...
17 ... Mounting
37 ... Locking hole
Claims (3)
前記クリップ本体には、前記脚部が前記取付け孔に差し込まれた状態で各脚片の間に割って入ることで脚片の窄み方向の変形を規制する規制部材が差し込み可能であるとともに、この規制部材には前記クリップ本体に対する差し込み動作に伴って前記取付け孔の開口縁に摺接しつつ前記クリップ本体を、前記引掛け部が前記取付け孔の開口縁に係止する位置まで移動させる案内面が形成されていることを特徴とするクリップ。A clip body comprising a base portion to which an object to be fixed can be attached and a leg portion having at least a pair of leg pieces that can be inserted into the attachment hole formed integrally with the base portion and constricted and deformed. The leg piece is provided with a hook portion in a direction perpendicular to the direction of constriction of the leg piece,
The clip body can be inserted with a restricting member that restricts deformation of the leg pieces in the narrowing direction by splitting between the leg pieces in a state where the leg portions are inserted into the attachment holes, A guide surface for moving the clip body to a position where the hooking portion is locked to the opening edge of the mounting hole while sliding on the opening edge of the mounting hole in accordance with the insertion operation with respect to the clip body. A clip characterized by being formed .
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