JP4246206B2 - 音響トランスデューサーコンポーネント - Google Patents

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Description

発明の分野
この発明は、変位又は距離測定用の磁気歪式トランスデューサにおける細長い導波管に対する減衰素子(damping element)及び導波管サスペンションデバイスと、こうしたデバイス用に使用する回路に関する。さらに詳しくは、この発明は、減衰素子と、導波管サスペンションと、変位又は距離測定のために設けられローカルバッファ回路を使用しているモジュール構造を有するモジュール構造の磁気歪式トランスデューサに関する。
従来技術の説明
磁界を介して導波管に沿って電流パルスを印加したときに導波管の中に発生するねじれ歪波を伝搬させる細長い導波管を有するような磁気歪式トランスデューサは、当該分野においては周知のものである。電流パルスを導波管に沿って加えたときに導波管と相互作用する可動式の磁石を使用した一般的な直線距離測定デバイスが米国特許第3,898,555号に開示されている。
来国特許第3,898,555号に開示されているような種類の従来のデバイスは、少なくともパルスを発生するための電子回路も収容している保護用ハウジングの中に閉じ込められたセンサ素子も有しており、購入者のためにこのデバイスと協働する取り付け手段を提供している。
米国特許第5,313,160号は、センサと電子回路のアセンブリをアプリケーションパッケージから取り外すことができるようなモジュール設計について教示している。アプリケーションパッケージの中には、外側ハウジングが設けられている。外側ハウジングは、購入者が、センサと電予回路のアセンブリのアタッチメントを、位置を測定しようとしている端部デバイスへ取り付けるために使用される。従来の技術のどれも、ローカルバッファ回路を除くどの電子回路をも排除するものではない。
これまでのセンサ設計は、外側ハウジングや電子回路などを含むユニット全体の製造が完了するまで、慎重な取り扱いを必要とした。また、従来の技術は導波管の製造が困難であり、導波管を支持して所望の音響歪波の反射を防止するために高価な方法を利用している。従来の高性能の導波管サスペンションシステムは薄いエラストマのスペーサーディスクを利用しており、これらのディスクは導波管の長さ全体に沿って個々に設置されている。ディスクの設置は、通常は時間のかかる手作業である。現在使用されている最も性能のよい減衰用デバイスは、中央に穴を有する成形ゴム素子である。これらは成形が困難であり、設置に時間がかかる。
導波管の末端部と導波管の取り付け端部の両方における音響歪波の反射を防止するための、別の導波管用の減衰用デバイスが米国特許第3,898,555号に開示されている。これらのデバイスは一般に軟らかいラバーパッドであり、このラバーパッドは導波管のまわりにクランプされていて音響歪波エネルギを吸収して、発生するパルスの反射を最小限に抑え、さらに反射波と検出しようとする音響歪波信号との干渉を低減する。減衰用デバイスと、導波管を末端部に固定するための構造は、米国特許第3,898,555号に述べられているように、この種の従来技術に対しては音響導波管のピックアップ素子から離れた端部においてかなりの長さになる可能性がある。例えば、液面レベルをトランスデューサによって検出している場合には、できる限りタンクの底部に近接したところで導波管を動作可能(operable and active)にし、そうすることによって、ピックアップ素子から離れた端部における導波管サポートの長さを、そうした端部及びピックアップエレメントが取り付けられている導波管の取り付け端部における別個の減衰用デバイスの長さも含めて、最小限に抑えることが望ましい。
さらに、従来の技術においては、音響歪波エネルギを減衰用デバイスの中に伝達して消散させるような機械インピーダンスを実現するためには、減衰用材料の密度(mass density)が極めて重要である。減衰用デバイスへの導波管の結合も効率的がよくなければならない。減衰媒質による音響歪波エネルギの消散によって減衰が実現されると従来技術では考えられていた。
当該分野においてはまた、振動を減衰させる性能を有していることから、ゴムタイプの減衰媒体が使用されている。しかし、この材料は水の凍結温度に近い温度で硬化し、華氏200度以下の温度において極めて軟らかくなる。同じことが、エポキシ又はウレタンエラストマに対しても当てはまる。こうした特性の大きい変化のために、「前」端部反射と「末」端部反射の特性が温度によって急激に変化する。
当該分野においてはまた、二つの異なる硬度及び/又は導波管に対する異なる負荷圧力を有するシリコーンゴムのダンパが使用されている。前端部反射(入力端)を最小限に抑えるには低圧力で低硬度のシリコーンゴムが利用され、末端部あるいは終端部において減衰を行うには大きいクランプ力と大きい硬度のシリコーンゴムが組み合わされて利用されている。弾力性が大きく、弾力性が大きいと減衰セクションを長くする必要があるため、シリコーンゴムの利用は減衰媒体としては妥協策と考えられている。シリコーンゴムは実際に広い温度範囲にわたって良好な安定性を有しており、このことは減衰用材料としては重要な利点である。
効率のよい減衰用材料に対する必要性は、トランスデューサが循環モードセンシング(circulation mode sensing)として知られているものを使用しているときに特に明白となる。循環モードにおいては、センサが音響歪波信号を受け取るたびに、新たな電流パルスが送られ、これによって音響歪波パルスの周波数が高くなり、反射の結果、雑音が形成される。有効な減衰が行われていないと、「雑音」形成によって検出技術の有用性が低下する。なぜなら、特に音響歪波信号は従来の技術においては振幅が小さいからである。従って、従来の技術においては、導波管の端部取り付け構造とともに減衰用材料を短くすることができて、導波管自身との結合をよくし、エネルギを消散させる性能を持たせられるのが理想的である。これらはすべて従来の技術においては十分には達成されていなかった。信号強度を上げる他のアプローチについては、主信号を増強するために導波管の端部からの位相シフトした反射を使用している米国特許第4,952,873号を参照のこと。
減衰を行うための別の方法が、米国特許4,958,332号に記載されている。この特許は改良された減衰方法について教示している。この減衰デバイスは、導波管に付着し結合する非常に粘性の高い流動性の材料を有している。この材料は、長さ方向に沿って質量密度を変化させるために、金属粉末などの質量密度変更用の添加剤を有している。この減衰用材料は適当なハウジングを用いて導波管に対して保持されている。ハウジングは選択された圧力で導波管へ装着される。この方法は有効であるが、製造が困難である。
従来技術においてはまた、ゴム製の二つの対部材(フラットシート)を使用して、導波管を金属クランプで囲み、それらを導波管のまわりに保持し、入力側で導波管に圧力を加えている。しかし、これはかなり高価である。
電子回路が導波管サスペンションデバイスの内部に含まれていること、導波管サスペンションに対して高価な手段が利用されていること、従来の技術は導波管サスペンション機構と減衰機構との間の関係について述べていない点で、従来の技術には欠点がある。従来の技術はまた、モード変換器(機械的なエネルギを電気的なエネルギに、又は電気的なエネルギを機械的なエネルギに変換する任意のデバイス)を入力パルス源へ密接に結合しておらず、デバイスの入力端においてモード変換器のテープコンポーネントの端部からの反射エネルギを利用しているという欠点がある。
従来技術においてはまた、モード変換器用の例えば2400以上の大きい巻線数を有するコイルと、ピックアップコイルである巻線数が小さいモード変換器用コイルを使用することが知られている。
米国特許第4,952,873号には、音波の反射点を形成する、取り付け端部において導波管を支持する導波管取り付け用ブロックも開示されている。このブロックは信号センサからの距離が正確に位置付けされている。このブロックは信号ローブ時間(lobe time)の半分の間に音波によって移動され、反射波は入ってくる信号波への付加信号となるようになっている。従来の技術における他のものは、同じ目的を達成するために取り付け用ブロックを用いずに導波管の長さを選択している。
一般的な背景については、エス・シー・ロジャース(S.C.Rogers)とジー・エヌ・ミラー(G.N.Miller)の「ウルトラソニック・レベル・テンペラチャ・アンド・デンシテイ・センサ(Ultrasonic Level,Temperature and Density Sensor)」(IEEE Transactions on Nuclear Science,Vol.NS-29,No.1,1982年2月)を参照のこと。
米国特許第3,898,555号明細書 米国特許第5,313,160号明細書 米国特許第4,952,873号明細書 米国特許第4,958,332号明細書 "Ultrasonic Level,Temperature and Density Sensor" by S.C.Rogers and G.N.Miller, IEEE Transactions on Nuclear Science,Vol.NS-29, No.1, February 1982
この発明の目的は、改良されたトランスデューサを提供することにある。
発明の概要
この発明は、電流パルスが流れる導波管と、この導波管へ電気的に接続されたリターン導体と、を有し、磁石と前記電流パルスとの相互作用により前記導波管に生じる歪波パルスに基づいて電気信号を発生するトランスデューサであって、前記導波管及び前記リターン導体を取り囲んでいる第1のエンクロージャと、前記導波管及び前記リターン導体の端部を受入れかつ、前記歪波パルスから前記電気信号を発生させるピックアップコイルを収容する第2のエンクロージャと、前記第1のエンクロージャを取り囲んでいる第3のエンクロージャと、前記第3のエンクロージャへ連結されるとともに前記第2のエンクロージャを取り囲んでいる第4のエンクロージャと、を有し、第2のエンクロージャが前記第1のエンクロージャの一方の端部を支持するとともに前記第1のエンクロージャへ連結され、前記第3のエンクロージャが第1の絶縁体を有し、この第1の絶縁体が前記第1のエンクロージャを前記第3のエンクロージャから電気的に絶縁し、前記第4のエンクロージャが第2の絶縁体を有し、この第2の絶縁体が前記第2のエンクロージャを前記第3のエンクロージャ及び前記第4のエンクロージャから電気的に絶縁しているトランスデューサである。
また、本明細書においては上記発明以外にも以下の発明が開示されている。
一つの発明は磁気歪式の変位又は距離測定用トランスデューサで用いられる導波管などの細長い部材に対する末端構造に関する。この末端構造は、ねじれ歪波あるいは縦歪波などの反射波を適切に防止し、末端においてあまり大きい長さを占めない。従って、例えば、導波管は細長い部材の端部に近接して動作が可能(operable and active)であり、一方では、この末端部構造は導波管に沿って伝搬する音響歪波の反射を防止する。
サスペンションはまず、細長い部材の動きを制限するとともに、これを外部の音響エネルギからシールドすることによって実現されている。このようにして、誤った応答を引き起こす可能性のある衝撃及び振動の刺激もなくされる。これは、導波管などの細長い部材をサスペンション素子あるいはスリーブで囲んでしまうことにより実現されている。スリーブの寸法は導波管がスリーブと緩い接触を行うようなものになっているが、しかし横方向に動き過ぎないようにしている。スリーブを形成するために使用されている繊維は、セラミック、金属、ポリマ、ガラスなどからなる細くて硬い材料又はそれらの組合せである。スリーブはまた異なる材料の層からなる複合チューブでもよい。このチューブはゴム引きの複合グラスファイバーチューブ構造でもよい。スリーブの上にエンクロージャを取り付けてもよい。従って、導波管などの細長い部材はエンクロージャの中でクッション性が付与される。実際の減衰は導波管の端部の上に滑り込まされた減衰素子によって行われる。減衰素子はサスペンション素子と類似しているが、最適な減衰を実現するように寸法が決められている。トランスデューサのヘッドと対向する端部は約45°にカットされており、導波管などの細長い部材とのより適切なインピーダンス整合がとられている。
サスペンションはまた導波管をブラケットで終端することによって実現されている。ブラケットは、導波管と、ピックアップコイル及び磁石から離間して設けられたリターン導体とを保持し、導波管をピックアップコイルの中に挿入したテープヘ取り付けられるようにするために使われている。
導波管に沿って伝送するパルス信号を発生するための電子回路は、モジュール式に構成された磁気歪式トランスデューサの電子回路の中には含まれていない。このデバイスの電子回路には基本信号が含まれている。
他の発明は、磁気歪式の変位又は距離測定用トランスデューサといっしよに使用される導波管などの細長い部材に対する末端部構造で使用されるローカルバッファ回路に関する。ローカルバッファ回路は、末端部におけるねじれ歪波あるいは縦歪波の反射波を適切に防止し、末端部においてあまり大きい長さを占めない。このローカルバッファ回路は入力端における信号の影響を減衰させる。また、モード変換器が400〜2500巻といった大きい巻線数を有するピックアップコイルを有している場合には、モード変換器へ入る雑音を抑える。従って、例えば、モード変換器は細長い部材の入力端に配置されて、細長い部材の端部に近接して動作し駆動される。一方、末端部構造は導波管に沿って伝搬する音響歪波の反射を防止する。このローカルバッファ回路は、ピックアップコイルから供給されるエネルギ量を制限することによって、受信信号によってモード変換器が飽和しないように保護し、次の信号に対するピックアップコイルの回復を助ける。ローカルバッファ回路中のダイオード又は一組のトランジスタがピックアップコイルへ並列に接続されており、受信信号のピークをクリッピングし、呼掛け(interrogation)パルスの結果としてピックアップコイルの中に発生するエネルギを制限する作用を行う。従って、ポジション磁石(position magnet)(ここには示されていないが、米国特許第3,898,555号には記載されている)をトランスデューサのヘッドへ一層近付けることができる。
一般に、モード変換器はテープのまわりに同軸に取り付けられたピックアップコイルを有している。ローカルバッファ回路はピックアップコイルのすぐ後ろに組み込まれる。ローカルバッファ回路はピックアップコイルと並列に設けられたエミッタ増幅器を有し、ピックアップコイルのインピーダンスを数桁下げることができるようになっている。モード変換器をハウジングなどによってシールドすると、バッファはシールドすなわちハウジングの内側に配置され、磁気歪式デバイスに対する信号発生器すなわち導波管の駆動回路はシールドの外側に配置される。ローカルバッファ回路を使用すると、電気雑音に対する感度を低下させ、信号品質を維持し、信号を長い距離にわたって伝送することができる。
パルス信号を発生して導波管に沿って伝送するための電子回路は、磁気歪式トランスデューサの電子回路には含まれていない。このデバイスの電子回路は基本信号とローカルバッファ回路を含んでいる。
この発明の特徴及び目的をさらに理解するには、以下の図面を参照する必要がある。図面では類似した部材は同じような参照番号で表されている。
好ましい実施例及び別の実施例の詳細な説明
米国特許第3,898,555号に記載されているような従来のもの、又は現在市販されているトランスデューサ、又は減衰素子を目的として将来導入されるかもしれないその他の任意のトランスデューサを含めたトランスデューサすなわちセンシング素子アセンブリが図1に参照番号25として示されている。トランスデューサ25は変位及び/又は距離を測定するために、又はその他の測定のために使用されるが、この発明の減衰デバイスはそれらのうちの任意のものに対して適用が可能である。この発明に使用されるトランスデューサのタイプは、トランスデューサといっしょに使用される減衰素子に関するここでの開示内容に制限されると考えるべきではない。また、導波管の好ましい機械的取り付けを示す機械構造を除いて、トランスデューサの一般的なタイプが導波管サスペンションに関するここでの記載に制限されると考えるべきではない。また、ローカルバッファ回路を除いて、導波管といっしよに使用されるモード変換器を制限していると考えるべきではない。トランスデューサは、ローカルバッファ回路を除いて、導波管といっしよに使用される特定のタイプの電子回路に制限されると考えるべきではない。さらに、リターンパルスを電気的に発生するとき、そしてリターンパルスを介してデバイスの購入者あるいはユーザの任意の電子回路とインターフェースするうえでのトランスデューサの一般的なタイプ及び特徴は、実施例として示されている機械構造やローカルバッファ回路を含むプリント回路基板を除いて、ここでの記載に制限されると考えるべきではない。
トランスデューサ25はエンクロージャチューブ3の中に収容されている細長い導波管アセンブリを有している。エンクロージャチューブ3と導波管アセンブリは、一端において端部フランジ19を介してハウジング17によって機械的に支持されている。導波管アセンブリは外側にエンクロージャチューブ3を有し、エンクロージャチューブは同軸の細長い内側の導波管4を取り囲んでいる(図2を参照のこと)。この明細書において「図2」という場合にはは、常に図2a〜図2dの実施例のすべてを意味している。電流は導波管4の中を流れ、導波管4へ電気的に接続されたリターン導体(return conductor)1を介して戻る。一般に、導波管アセンブリとエンクロージャチューブ3の上には、エンクロージャチューブ3の上にこれと同軸に設置された磁石(図示されていない)が取り付けられている。磁石は米国特許第3,898,555号により詳しく説明されているように、電流パルスと相互作用する。導波管4とリターン導体1を通過した後歪波パルスがハウジング17へ戻ると、当該分野において周知の又は周知のものになるであろう任意のタイプの適当なモード変換器(部分的に図示されている)によって、これに接続された電子回路26などの任意の電子回路へコネクタ21を介して電気信号が供給される。導波管4とリターン導体1の設置については以下でより詳しく説明する。
回路26の構造は、トランスデューサ25の使用に依存し、構造が異なるにもかかわらずこの発明の導波管サスペンションスリーブ2及びモジュール構造素子と協働して動作する。回路26の構造はこの発明を制限すると考えるべきではない。従って、図14又は図15に示されているローカルバッファ回路95を除いて一般性を強調するために、回路26に対する特定の機構が示されているわけではないし、回路26への信号の任意の条件を用いることができる。さらに、この発明の導波管サスペンションスリーブ2の機構は任意のトランスデューサ25への適用、変位及び/又は距離を測定するための導波管4への適用、及び/又は磁歪その他の原理(圧電性又は米国特許第3,898,555号に記載されているようなもの)を用いた測定のための導波管4への適用が可能であることに留意すべきである。しかし、モジュール式のアセンブリに対しては、ある程度はハウジング17内の素子の機械的な配置に依存する。従って、例えばハウジング17内の素子の特定の機械的配置が取り付けに好ましいものとして示されているが、一般性を制限するものではない。取り付け以外の機構は、米国特許3,898,555号に示されているようなものを含めて任意のものでよいし、当該分野において周知の他のものでもよいし、当該分野において考えられているものでもよいし、当該分野において設計中のものでもよい。同じ理由から、使用する磁石のタイプや使用する用途については述べられておらず、用途は任意のものでよい。最後に、減衰素子6(図2を参照のこと)と導波管サスペンションスリーブ2と導波管アセンブリの末端部におけるトランスデューサ25の他の部分との間の相互作用をある程度示す必要性があるため、以下で説明するエンクロージャチューブ3(図2を参照のこと)の実施例を、導波管サスペンションスリーブ2及び減衰素子6とともに示す。これは発明を制限するものではなく、単に説明のためのものである。導波管サスペンションスリーブ2は上述した導波管アセンブリの任意のタイプといっしよに使用することができる。
ハウジング17から離れたエンクロージャチューブ3の末端部の断面図が図2に示されており、末端部には端部プラグ20が設けられている。エンクロージャチューブ3の中には不活性ガスが導入され、絶縁とシーリングが増強されている。端部プラグ20は流体や他の材料がエンクロージャチューブ3の中へ流入しないようにしている。端部プラグ20を有する導波管アセンブリの端部は、トランスデューサ25がタンクの中の液体のレベルを求めるために使用されるときには、通常、タンクの底部に位置する端部となり、トランスデューサ25が距離を測定するために使用されるときには、変位の端に位置する。背景において述べたように、端部プラグ20に隣接したデッドゾーン、すなわち信号を発生しない領域はできる限り短くし、なおかつ音響歪波信号を減衰させるという目的は果して、反射した歪波が、米国特許第3,898,555号に述べられているように、距離又はレベルを表す所望の歪波戻り信号と干渉しないようにすることが望ましい。
図2に示されているように、導波管4は、サスペンションスリーブ2及びエンクロージャチューブ3を含む同心状の層からなるエンクロージャ機構によって囲まれている。サスペンションスリーブ2は管状の縒り合わせスリーブか、エラストマスリーブか、コンポジットスリーブからなっている。サスペンションスリーブ2は導波管4と同軸であり、その長さのほぼ全体にわたって導波管4を取り囲んでいるか、又は少なくともその大部分を取り囲んでいる。サスペンションスリーブ2は、導波管4の長さのほぼ全体にわたって、又は少なくともその大部分にわたって、外側のエンクロージャチューブ3の内側に、これと同軸に取り付けられている。
サスペンションスリーブ2の内径は導波管4の動きを制限するために十分に小さくなければならず、しかし導波管4を保持したり掴んだり締め付けたり、又は圧縮したりすることのないように十分大きくなければならない。サスペンションスリーブ2が導波管4を圧縮したり保持したり掴んだり締め付けたりすると、導波管4に沿った音響歪波信号が減衰する。ワイデマン(Wiedemann)効果によって従来技術における大きい音響歪波信号が増強されることはなく、他の機構によって発生する雑音からそれを区別することが困難になっている。従って、信号の減衰は従来技術においては避けなければならない現象であることが知られている。
サスペンションスリーブ2の外径は、エンクロージャチューブ3の中でのサスペンションスリーブ2の横方向の動きを制限するのに十分なだけ大きくなければないが、以下で説明するようにリターン導体1といっしよにエンクロージャチューブ3の内径の内側に容易に取り付けられるようにするだけ十分に小さくなければならない。また、エンクロージャチューブ3の制限を行う必要なくサスペンションスリーブ2を設けることも可能であり、エンクロージャチューブ3の使用は、この発明を制限したり、又は導波管サスペンションを制限すると考えるべきではない。総じて、導波管4は、衝撃や振動の刺激からクッションで保護してそれに関係する誤った応答がなくなるように支持されなければならない。
サスペンションスリーブ2は内側層27と外側層29を有している。サスペンションスリーブ2の内側層27を形成している繊維は非導電性であり、セラミック、ガラス、金属、ポリマなどの細くて硬い材料又はそれらの組合せである。こうした繊維のストランド数及びウィーブ構造は、一般にダイヤモンド、レギュラー、ヘルクレス(hercules)又はその他のウィーブ(weave)パターンの8から16のストランドである。こうしたストランド数及びウィーブ構造によれば、サスペンションスリーブ2は導波管4とエンクロージャチューブ3の間のクッションとして作用することが可能である。内側層27の内側かつ導波管4の外側には、内側層27が導波管4のまわりにゆるく係合するように隙間28が設けられている。サスペンションスリーブ2の外側層29は内側層27の形状を保つのに役立っており、エンクロージャチューブ3から内側層を絶縁している。外側層29は一般にシリコーンゴムなどの軟らかい材料であり、内側層27の第2の層である。
サスペンションスリーブ2は、端部プラグ20の方を向いた末端側の端部31で終端している。サスペンションスリーブ2の端部31には減衰素子6が並置されている。減衰素子6は導波管4の端部の上へ滑り込まされており、導波管4と同軸であり、サスペンションスリーブと同様に一般に円筒形状を有している。しかし、減衰素子6は導波管4の上にゆるい状態で係合されているのではなく、減衰を行うために導波管4の上に締め付けられている。従って、図2a及び図2bに示されているように、減衰素子6の外側層29は導波管4のまわりにぴったりと係合している。また、減衰素子6の外側層29は通常はシリコーンゴムなどの軟らかい材料から形成されているが、通常は、サスペンションスリーブ2の外側層29のようにエンクロージャチューブ3に接触していることはない。しかし、そのかわりに内側層27へ圧力を加えていて、この圧力の量を制御するような寸法を有している。この結果、導波管4へは圧力が加わる。こうして、減衰素子6の外側層29とエンクロージャチューブ3の内側表面との間には隙間が形成される。
さらに、0.127mmから0.406mm(0.005インチから0.016インチ)の範囲の直径を有するチューニングワイヤ5(図2bを参照のこと)がくさび(wedge)として用いられ、導波管4に対する内側層27の圧力が制御されている。チューニングワイヤ5は導波管4に隣接しており、減衰素子6の内側層27にほぼ沿って延びていて内側層27に囲まれている。これは減衰素子6の音響インピーダンスを変更するために使用されるが、徐々にそれを行うことによって音響歪波信号が減衰素子6によって囲まれている導波管4に沿って徐々に減衰されるようになっている。このように、インピーダンスが急に変わって反射を生じることはなく、そのかわりに減衰素子6に沿った音響歪波の振幅の減衰が行われる。図2bのみに示されているチューニングワイヤ5は図2a〜図2dの構造の任意のものといっしよに使用することができ、上述した目的のためにその他の任意の減衰素子で使用することができることに留意すべきである。
また、減衰素子6は導波管4の中を伝搬する音響歪波パルスの最適な減衰を実現するために使用されているため、そして導波管4と減衰素子6との適切な音響整合は内側層27によって導波管4に加えられる圧力によって決まるため、チューニングワイヤ5以外の他の機構を使用することもできる。図2c及び図2dに示されているように、広い温度範囲にわたって使用することができる減衰素子6は、内側層27と同種の短い縒り合わされたスリーブ8からなっているが、この縒り合わされたスリーブ8はより直径が大きい金属スリーブ9の中に同軸に挿入されている。このスリーブ8、9のアセンブリを導波管4の端部へ滑り込ませる。金属スリーブ9はクリンプされていて、縒り合わせスリーブ8が導波管4と十分な圧力で接触して必要な減衰作用を実現するようになっている。
従って、図2a〜図2dからわかるように、外側層29の圧力を介して、内側層27の中に捕捉されたチューニングワイヤ5を介して、金属スリーブ9のクリンプを介して、又は実験によって決められた減衰素子6の予め決められた長さに沿ったインピーダンス整合を制御するように適当な圧力を加える他の任意の機構によって、減衰が行われる。
サスペンションスリーブ2の端部31と対向する減衰素子6の端部32は40°から50°の間にカットされていて、そのインピーダンスを導波管4のインピーダンスと適切に整合させることが好ましく、その角度は約45°が好ましい。
減衰素子6からの端部反射を最小限に抑える別の方法は、異なる材料や寸法、圧力を有する別の減衰素子33を減衰素子6の前面(サスペンションスリーブ2の方を向けて)に設置することである。減衰素子33は導波管4とより整合した音響インピーダンスを有するように設計されている必要がある。すなわち、これは減衰素子6よりも小さい圧力、又は小さい外径、又は小さい質量密度を有する必要があり、又はそれがエラストマであるならば、小さい硬度を有していて、前端部における反射を最小限に抑えるようになっている必要がある。減衰素子33は減衰素子6の端面32と対向する面34を有している。面34は通常は導波管4の長手軸にほぼ直角な面を有している。減衰用のスリーブ33は図2a、図2b、図2c、図2dの減衰素子のうちの任意のものといっしよに使用することができ、図2aのみに示されている記述がその一般性を制限することはない。また、各々が斜めの面32を有する図2b、図2c、図2dの減衰用スリーブ6といっしよに減衰用スリーブ33が使用される場合でも、面34の方向は変わらない。この場合にも面34は導波管4の長手軸にほぼ直角な面を有する。一般に、この減衰用スリーブ33は減衰素子6のように効果的に減衰を行うのではなくて、減衰素子6からの反射を減衰させることによって、減衰システムからの音響エネルギ全体を低下させるのである。減衰素子6は主要減衰器として作用し、減衰用スリーブ33は補助的な減衰器として作用する。
減衰素子6からの前端部反射を最小限に抑えるためのさらに別の方法は、前端部における減衰素子6の内径を拡大することである。この端部はサスペンションスリーブ2と対向する。これは、減衰素子6を導波管4の上に設置する直前の減衰素子6の前端部へフレアツール(flaring tool)を挿入することによって達成され得る。
減衰素子6からの前端部反射を最小限に抑えるためのさらに別の方法は、減衰素子6の前端部の外径から材料を除去することである。この除去部分は、減衰素子6の前端部から測って3.18mmから12.7mm(0.125インチから0.5インチ)でなければならない。これは、例えば、一組のワイヤストリッパを用いて、縒り合わせを覆っているエラストマの一部を除去することによって実現できる。
リターン導体1は図2a、図2b、図2dに示されているように減衰素子6の上を通っているか、又は図2cにおけるように減衰素子6の中を通っている必要がある。図2cにおいては、リターン導体1は絶縁されており(他の場合のすべてもそうであろう)、図2bのチューニングワイヤ5と同じように動作することもできる。いずれにしても、リターン導体1はハンダ又はクリンプリング7を用いて導波管4の先端に取り付けられ、電気的に接続されて、電流パルスを伝送する回路の残りを形成しなければならない。電流パルスはハウジング17から始まり、導波管4を通り、リターン導体1を介して戻る。リターン導体は米国特許第3,898,555号に記載されているように、又は当該分野において周知の任意の方法又は周知になるであろう方法で配置される。
内側層27によって加えられる圧力はほぼ均一であるが、ハウジング17と対向するサイドにおいて圧力をより小さくし、端部プラグ20と対向するサイドでは圧力をより大きくすることによって、反射を防止しつつ、与えられた減衰効果を行う減衰素子6の長さを短くすることもできる。
また、リターン導体1を縒り合わせてサスペンションスリーブ2にしてもよいし、エンクロージャチューブ3を導電性にしてもよいし、リターン導体1をエンクロージャチューブ3へ電気的に接続してもよい。そうでなければ、組み付けのときに、リターン導体1とサスペンションスリーブ2をエンクロージャチューブ3の中に挿入する。次に導波管4をサスペンションスリーブ2の中に引き込む。なぜなら、サスペンションスリーブ2の寸法は導波管4がそれとゆるく接触するように設定されているが、過剰には横方向へ動けないようになっているからである。さらに、減衰素子6を導波管4の上に滑り込ませる。
単一の連続したサスペンションスリーブ2のかわりに、図16に示されているように一連の短いサスペンションスリーブ2を導波管4の長さ方向に沿って配置してもよい。これは別の実施例であり、製造がより困難であると考えられている。こうした一連のスリーブの場合には、外部又は内部の機械的な雑音の結合を遮断するか、又は抑制するためにスペースに注意を払う必要がある。
リターン導体1、サスペンションスリーブ2、エンクロージャチューブ3及び導波管4は、プラスチックで形成されていることが好ましいブラケット10(図4を参照のこと)によってハウジング17の中に支持されている。ブラケット10の詳細については図5〜図12に示されている。ブラケット10はベース60を有している。ベース60の外径はハウジング17の主要エンクロージャ62の内径にほぼ等しい。ベース60は、ベース60のリセス68の両側に配置された二つのフランジ64,66を有している。この配置によれば、二つのフランジ64,66の間に溝70(図4を参照のこと)を設けることができる。溝70の内側にはシールリング16が設置される。図4に示されているように、シールリング16はフランジ64,66の側壁72,74及びリセス68の外側を向いた壁76へシールを保った状態で係合される。前に使用したように、「径」という用語は、円形形状を意味しない。図4において、またフランジ64,66の形状から最もよくわかるように、ハウジング17の内部62は形状がより方形であり、二つの対向する曲線状側部を有している。従って、フランジ64,66の形状及び寸法のために、シールリング16はハウジング17の主要エンクロージャ62の内部側壁表面78とも接触している。従って、シールリング16はハウジング17の内部の配線及びコネクタをフランジ66の表面80(図4及び図9を参照のこと)に対してシールする機能を発揮する。
ハウジング17の端部はフランジ19によって閉じられている。フランジ19には開口部82が形成されている。開口部82はエンクロージャチューブ3を開口部82の中にきっちりと係合させられるような寸法を有し、フランジ64,66とベース60のリセス68の中に形成された開口部84の中へ延びている。開口部84は開口部82と同軸であり、開口部82と同じ寸法を有する。ベース60はフランジ66と隣接して形成されている第2の開口部86も有している。開口部86は開口部84と同軸であるが、開口部84よりも小さい径を有しており、開口部84,86の間にショルダ88を形成している。ショルダ88にはサスペンションスリーブ2とエンクロージャチューブ3とを組合せたものの端部90が当接している。
ブラケット10はベース60を越えてエンクロージャすなわちハウジング17の端面92の方へ延びる延長部91を有している。延長部91は開口部86とブラケット10の端面96とブラケット10の端部98との間で離間された中間の開口部94を有している。開口部94は開口部84,86と同軸である。開口部94はまた部分的にはブラケットカバー14によって形成されている(図8)。この開口部94を形成するときに、側方の開口部100がブラケット10とカバー14のノッチ61との間の隙間によって形成されている。開口部100は開口部94と開口部86との間の内部をブラケットカバー14に形成されたチャンネル30と連結している。
サスペンションスリーブ2とエンクロージャチューブ3とを組み合わせたものをショルダ88へ当接すなわち終端させると、リターン導体1と導波管4の両方が端部90からハウジング17の内部へ延びる。リターン導体1は開口部100を通ってチャンネル30の中へ以下で説明するような特別な位置合わせによって延びている。導波管4は開口部94とずっと同軸であり、好ましくは真ちゅうから形成されている導波管固定部材11によって固定されている。導波管固定部材11は開口部94の中へ十分に係合できるような径を有する円筒形状の下端101を有している。より大きいほぼ方形のキャップ103が導波管固定部材11の上部を形成している。その間にはショルダ105が形成されている。ショルダ105は開口部94の上側又は内側を向いた表面を形成する表面102,104の上に載っている。別の開口部55が延長部91に設けられている。開口部55の軸は開口部84,86,94の軸と直角である(図10)。同じ開口部55が図7に示されているように延長部91の他方のサイドに形成されている。導波管固定部材11は、ショルダ105が表面102,104と接触するその着座状態において、固定部材11が開口部55の上まで延びないような寸法を有している。導波管固定部材11はさらにサスペンションスリーブ2及び導波管4と同軸の中央開口部106を有している。開口部106は導波管4をその中へ挿入できるような寸法を有している。
円筒形状の部材108,110が端部98から延びており、ハウジング17の端部92と対向している。円筒部材110の上側表面114は端面96とほぼ共面であり、端部92近くに取り付けられたプリント回路基板12に対するサポートとして作用する。円筒形状部材108は端面96から延びており、回路基板12に相互的に配置された状態で(図示されていない)係合して、回路基板12を位置付けして位置合わせしている。プリント回路基板12には一連の開口部116,118が設けられており(二つは図示されていない)、リターン導体1が開口部116の中を通り、導波管4が開口部118の中を通り、まだ述べていないピックアップコイル13からの別の二つのリードがまだ述べていないローカルバッファ回路の中を通るようになっている。また、プリント回路基板12は開口部120を有している。開口部120はリード50をコネクタ21からプリント回路基板12の中へ通せるようにしている。従って、リターン導体1、導波管4、ダミーのリード50及びこれから説明するローカルバッファ回路を通るピックアップコイル13のリード35(これから説明する)は、すべてプリント回路基板12の中を通り、五つのリード50として電気コネクタ21へプリント回路基板12によって電気的に接続されている(図3)。コネクタ21はプリント回路基板12の上に取り付けられており、そこからハウジング17の端部92に形成された開口部122を通して延びており、コネタタ21を購入者すなわちユーザが図3に示されているように利用できるようになっている。ハウジング17はフランジ19によって閉じられている。フランジ19は延長部124を有しており、延長部124にはそれを貫く開口部126が設けられており、購入者すなわちユーザの装置へハウジング17を取り付けられるようになっている。
図7に示されているように、二つの別の開口部128,130がブラケット10の延長部91に設けられている。各開口部128,130の軸は上述した他の開口部の軸と直角である。開口部128は開口部130よりも大きく、ピックアップコイル13を収容できるようになっている(図4)。ピックアップコイル13は任意のタイプのコイルでよく、従来技術のように小さい巻線数のかわりに、図のように400から2500巻のような大きい巻線数(1800巻が好ましい)を有していることが好ましい。しかし、この発明の一般性を制限することなく、任意の設計にすることができる。ピックアップコイル13は図4においてはボビン45の上に巻かれた銅の巻線40を有している。ピックアップコイル13からプリント回路基板12の中へ二つのリード35が延びている。プリント回路基板12の上にはローカルバッファ回路が配置されており、そこでリード35は上述したように電気接続されている。ピックアップコイル13はピックアップコイル13の開口部132の中に相互的に取り付けられたテープ15のまわりに同軸に取り付けられている。テープ15はハウジング17の方へ外へに向いているボビン45の端部からピックアップコイル13の中を通り、導波管4まで延びていて、そこで導波管4へ溶接又はその他の機械的接続方法によって接続されている。テープ15はボビン45の端部を越えて長さ15'にわたって延びている。この長さ15'は信号と構造的に干渉する。信号はコイル13の両端に電圧として形成される。この構造的干渉は、信号波がコイル13を通り過ぎて続き、長さ15'のすべてを含めたテープ15の端部で反射し、コイル13にある遅れ時間で戻って付加的な影響を与えることによって発生する。この結果、任意のタイプのテープ15又はコイル13に関係する回路に対して構造的干渉が生じる。テープ15の端部に対する固定部材すなわちブラケットは長さ15'をセットするために使用することもできる。テープ15は一般に強磁性あるいは磁歪材料から形成されており、導波管4と同じ材料でよいが、異なる冶金処理を行ってもよい。従って、開口部128をチャンネル30に近接して配置して、ピックアップコイル13をリターン導体1の近くに設置し、そうすることによって導波管4への入力パルスのエネルギを低減できる。
図14に示されているように、ローカルバッファ回路あるいは増幅器はバッファアンプ24を有し、クリッパーダイオードであるダイオード22,23がピックアップコイル13へ接続されている。バッファアンプ24の目的は、ピックアップコイル13を電気的な外部干渉から絶縁し、離れた所に配置される電子回路26へ接続するための低出力インピーダンス駆動を実現することである。また、これは好ましいことではないが、信号を増幅することに使用してもよい。ローカルバッファ回路は容量を下げるためにピックアップコイル13に近接して取り付けられる。ローカルバッファ回路にはダイオード22,23あるいはトランジスタ36のようなある種の信号制限デバイスが組み込まれており、図15のアンプ24と組み合わせて、特に導波管呼掛けパルスのときに、バッファアンプ24の信号を定格のレベルに制限する。
図14又は図15のローカルバッファ回路あるいはアンプはピックアップコイル13の直後に組み込まれており、ハウジングあるいはシールド17の中に収容されている。導波管4を駆動する回路はハウジングあるいはシールド17の外側に配置される。図14においては、二つのダイオード22,23はピックアップコイル13と並列に反対方向に接続されている。ピックアップコイル13の一方のサイドと、各ダイオードの一方のサイドはバッファアンプ24のベースへ接続されている。バッファアンプ24のコレクタはピックアップコイル13及びダイオード22,23の他方の端部へ接続されている。ピックアップコイル13からの信号はバッファアンプ24の中へ供給される。これによってピックアップコイル13の電気インピーダンスの大きさは数桁下がる。両方の実施例においてバッファアンプ24のエミッタは出力になる。使用時には、基板157(図13)上の受信回路は以下で詳しく説明するように、プルアップ抵抗(図示されていない)を使用する。ローカルバッファ回路はピックアップコイル13の巻線の巻線数が大きいという理由から使われている。従来技術においては、雑音を避けるためにほんの数巻しか設けられておらず、従って数ミリボルトの出力信号しか発生しなかった。上述したようにピックアップコイル13に対して400から2500巻などの(800巻が好ましい)大きい巻線数にすると、数百ミリボルトの範囲の信号が得られる。しかし、大きい巻線数を有するピックアップコイル13は大きいインピーダンスを有し、ピックアップコイル13と出力信号が導かれる電子回路26との間にポテンシャル雑音(potential noise)を生じる。以下でさらに詳しく説明するように、電子回路26は通常は別の基板157(図13)上に設けられている。電子回路26はピックアップコイル13の位置から5.08cm(2インチ)以上離して配置される。ローカルバッファ回路は高インピーダンスを下げ、従って、ピックアップコイル13と、以下でさらに詳しく説明するようにリード156を介してリード35から供給される信号を処理する基板157(図13)上の電気回路との間のリード35,156によって拾われる雑音を下げる。また、金属ハウジング17はその中にピックアップコイル13とローカルバッファ回路との両方が配置されており、外部雑音をブロックすることによって新しい高インピーダンスの利用を高め、従ってトラスデューサ外部の低インピーダンスを利用した高い信号レベルを発生する。
ダイオード22,23は、磁気歪式デバイスを介して受信される信号によってピックアップコイル13の中に発生される信号のピーク、ひいてはエネルギのピークをクリップ又は制限する。これは、ピックアップコイル13から供給されるエネルギの量を制限することによって、次の入力に対するピックアップコイル13の回復を助ける。従って、ポジション磁石はトランスデューサ25のヘッドへより近付けられる。
図15のローカルバッファ回路は二つのPNPトランジスタを使用した別の実施例である。トランジスタの一方はエミッタフォロワのバッファアンプ24であり、他方は逆クリッパーダイオード36である。従って、信号のピーククリッピングを行うために、ダイオード22,23のかわりに、トランジスタ36のコレクタがバッファアンプ24のベースへ接続されており、トランジスタ36のベースがバッファアンプ24のコレクタへ接続されている。トランジスタ36のエミッタはどこにも接続されていない。トランジスタ36のベースからコレクタはダイオードとして使用され、これはリバースダイオードとして動作するエミッタアンプ24のベースからコレクタへのジャンクションと整合している。
制限ダイオードあるいはトランジスタを有する単ートランジスタ回路は、最小限のコストと寸法を実現するための好ましい方法である。他の実施例も可能であり、複数トランジスタの回路を利用して、増幅、インピーダンス整合、振幅制御又は電圧安定化を行ってもよい。こうした回路は、性能を改善するためにオペアンプその他の集積回路を有していてもよいが、コストが付加される。
ハウジングすなわちシールド17を有するローカルバッファ回路を使用すると、電気雑音に対する感度を低下させ、信号の品質を維持し、信号を長い距離にわたって伝送することができる。ダイオード22,23あるいはトランジスタ24,36による飽和の低減によって、戻り信号はモード変換器へより近付き、呼掛けの後の応答時間が非常に短くなる。
開口部130は、バイアス磁石18又は組み付けプロセスのときにその後磁化されるように設置された非磁化磁石材料を受容するような寸法を有している。
導波管アセンブリをハウジング17の中に組み付けるには、サスペンションスリーブ2、導波管4及びエンクロージャチューブ3をフランジ19及びブラケット10の開口部82,84の中に挿入した後、導波管4を導波管固定部材11の中に設置する。導波管4を固定部材11の中へ挿入した後、それをプリント回路基板12へ接続する。サスペンションスリーブ2及びエンクロージャチューブ3は、接着か又は図示されていない適当な保持用部材によってブラケット10の中に保持される。
導波管4を真ちゅうの導波管固定部材11の中に設置し、プリント回路基板12へ接続した後、ピックアップコイル13を取り付ける。リターン導体1を所定の位置に保持し、ブラケットカバー14を設置し、次にテープ15を溶接その他の方法で、開口部55を介して導波管4へ機械的に連結する。テープは上で述べたような順序で取り付ける必要はない。この順序はここに述べられているすべての発明に対して制約と考えるべきではない。次にバイアス磁石18を設置し、又は上述したように非磁化磁石材料を予め設置し、その後磁化する。最後に、シールリング16をブラケット10の溝70の中に設置する。その後、ブラケット10、導波管4及びフランジ19(もしフランジ19を使用するなら)をアセンブリとしてハウジング17の中へ挿入する。ハウジング17は所定の位置にクリンプ及び/又は溶接される。最後に、このデバイスの内側の空気を乾燥した不活性のガスによって置き換え、端部プラグ20を接着剤などの適当な手段で所定の位置に保持する。
導波管4に対するリターン導体1の距離及び位置を適当な方法で調節して、これら二つのワイヤの中に発生される磁界が互いに打ち消し合うようにすることができる。また、ピックアップコイル13にすぐ隣接する領域でのリターン導体1の経路を適切化することによって、呼掛けパルスのリンギングを50パーセント又はそれ以上の割合で著しく低減することができる。チューニングワイヤ5に対して上述したような寸法の銅を使用するなど、寸法と磁気特性もリンギングに影響を与える。
トランスデューサ25は2.54cm(1インチ)の長さ増分又は1.27cmから10.2cm(1/2インチから4インチ)のオーダの他の長さ増分で製造される。これは、導波管4やサスペンションスリーブ2、リターン導体1及びエンクロージャチューブ3を切断するときの固有長の全数を減らすことによって行われる。これによって、トランスデューサ25の製造のコストや複雑さが減り、よりコスト性能に優れた製品ができる。トランスデューサ25を利用した完成センサアセンブリは、所望する任意の長さ又は任意の長さ増分で製造することができる。これは、トランスデューサ25を完成センサアセンブリ内の軸方向の中央位置の±1.27cm(1/2インチ)以内の任意の位置に配置できるようにする完成センサアセンブリ内へのトランスデューサ25の取り付け手段を提供することによって実現される。完成センサセンブリに対して所望する長さの±1.27cm(1/2インチ)以内の長さであるトランスデューサ25を、このように完成センサアセンブリ内に設置することによって、所望のセンシング長を精密に実現できる。
図13は、トタンスデューサ25を使用して2.54cm(1インチ)の長さ増分(又は1.27cmから10.2cm(1/2インチから4インチ)のオーダの他の長さ増分)で、所望の任意の長さのセンサアセンブリ158を製造するための、取り付け手段の一つの実施例を示している。センサアセンブリ158は端部キャップ155を有するアプリケーションハウジング150を有している。トランスデューサ25は取り付け用ハウジング17の延長部124の開口部126に通されたネジファスナ152又は他の適当な取り付け手段でアプリケーションハウジング150へ固定される。適切な係合を必要とするときには、トランスデューサ25とアプリケーションハウジング150との間にスペーサーブロック151を配置する。スペーサーブロック151は様々な厚さで利用され、センサアセンブリ158の必要なセンシング長及びトランスデューサ25の一部として供給される導波管4を含むエンクロージャチューブ3の標準長によっては全く使用されない。ファスナ152も、スペーサーブロック151の厚さに応じて、様々な長さで使用される。図13においてはトランスデューサ25は端部キャップ155内の可動位置の中央に描かれている。ワイヤーハーネスすなわちリード156は、トランスデューサ25と購入者又は販売者が供給する電子回路基板157との間で信号や供給電圧を伝送する。リード156は十分な長さ及び可とう性を有しており、トランスデューサ25は電気コネクタ21へ接続した後許された位置範囲内の任意の場所に固定できる。電子回路基板157は、エンドユーザのシステムと通信したり所望の位置フィードバック信号を提供したりするための必要な呼掛け及び信号の条件回路(当該分野において周知のもの)を提供している。ワイヤーハーネス153は電子回路基板157へ接続されており、電気回路基板157と端部キャップ155へ取り付けられた外部コネクタ154との間で信号を伝送し電圧を供給する。外部コネクタ154はエンドユーザシステム(図示されていない)への接続手段を提供する。
また、この特許願に記載されているトランスデューサは、ハウジング17によってすべてのデバイスから完全に絶縁又は電気シールドなどでシールドされている。この場合において、トランスデューサは非導電性材料から形成されたマウンティングすなわちスペーサーブロック151及びネジファスナ152を用いることによって、さらにチューブ3と外部延長チューブ202との間に絶縁材料200を用いることによって取り付けられている。
すなわち、チューブ(エンクロージャチューブ)3は導波管4及びリターン導体1を取り囲んでいる第1のエンクロージャに相当し、ハウジング17は導波管4及びリターン導体1の端部を受入れる(図4参照)第2のエンクロージャに相当し、外部延長チューブ202が第1のエンクロージャすなわちチューブ3を取り囲んでいる第3のエンクロージャに相当し、端部キャップ155が、第3のエンクロージャ(外部延長チューブ202)へ連結されるとともに前記第2のエンクロージャ(ハウジング17)を取り囲んでいる第4のエンクロージャに相当している。そして第2のエンクロージャ(ハウジング17)が第1のエンクロージャ(チューブ3)の一方の端部を支持するとともに第1のエンクロージャへ連結され、第3のエンクロージャ(外部延長チューブ202)が第1の絶縁体として絶縁材料200を有し、この第1の絶縁体が第1のエンクロージャ(チューブ3)を第3のエンクロージャ(外側延長チューブ202)から電気的に絶縁し、第4のエンクロージャ(端部キャップ155)が第2の絶縁体としてスペーサブロック151及びネジファスナ152を有し、この第2の絶縁体が前記第2のエンクロージャ(ハウジング17)を第3のエンクロージャ(外部延長チューブ202)及び第4のエンクロージャ(端部キャップ155)から電気的に絶縁している。
この明細書の一般性を強調するために、導波管アセンブリの特定の実施例が有するすべての特徴が上の説明に記載されているわけではない。
法律による表現要件に従ってここで詳述した実施例における多くの変形を含むここで教示されたこの発明の範囲内において様々の多くの異なった実施例が可能であることから、ここでの詳細は説明のためのものであり、発明を制限するものではない。
図1は、完全なセンシング素子アセンブリの側面図である。 図2aは図1のこの発明の好ましい実施例のセンシング素子アセンブリであって、図1の2−2線断面図であり、導波管及びそれを取り囲むスリーブの一部と示しており、導波管端部に設けられた減衰素子を示している。図2bは図2aと同じ断面図であるが、減衰素子と導波管との間にチューニングワイヤを用いている第1の変形例である。図2cは図2aと同じ断面図であるが、減衰素子の上にクリンプされた外側チューブの第2の変形例を示している。図2dは図2aと同じ断面図であるが、別の位置に設けられているリターン導体の第3の変形例を示しており、外側チューブが減衰素子の上にクリンプされている。 図3はハウジングの端面図であり、コネクタを示している。 図4は図1のこの発明の好まし実施例のセンシング素子アセンブリであって、図1の4−4線断面図であり、ハウジングの断面と、導波管及びそれを取り囲むスリーブの一部を示しているが、減衰機構は示されていない。 図5はこの発明の好ましい実施例のブラケットの平面図である。 図6はこの発明の好ましい実施例のブラケットカバーの平面図である。 図7はこの発明の好ましい実施例のブラケットの斜視図である。 図8はこの発明の好ましい実施例のブラケットカバーの第1の斜視図である。 図9はこの発明の好ましい実施例のブラケットの第2の斜視図であり、ブラケットをこの発明の好ましい実施例のブラケットカバーと並置された状態で示しいる。 図10はこの発明の好ましい実施例のブラケットの第3の斜視図であり、並置されたブラケットカバーを示している。 図11は図9及び図10に示されたこの発明の好ましい実施例のブラケットの端部とは反対側の端部からの斜視図であり、ブラケットに並置されたブラケットカバーを示している。 図12はこの発明の好ましい実施例のブラケットの別の側面図である。 図13はこの発明の好ましい実施例のトランスデューサを用いたセンサアセンブリの断面図である。 図14はこの発明のローカルバッファ回路の好ましい実施例である。 図15はこの発明のローカルバッファ回路の好ましい実施例である。 図16は図1の2−2線に沿った図1のこの発明の別の実施例のセンシング素子アセンブリの断面図であり、導波管及びそれを取り囲むスリーブの一部を示しており、導波管の端部に設けられた減衰素子を示している。

Claims (1)

  1. 電流パルスが流れる導波管と、
    この導波管へ電気的に接続されたリターン導体と、
    前記電流パルスとの相互作用により前記導波管に歪波パルスを生じさせる磁石と、
    前記歪波パルスに基づいて電気信号を発生するピックアップコイルとを有するトランスデューサであって、
    前記導波管及び前記リターン導体を取り囲んでいる第1のエンクロージャと、
    前記導波管及び前記リターン導体の端部を受入れかつ、前記ピックアップコイルを収容する第2のエンクロージャと、
    前記第1のエンクロージャを取り囲んでいる第3のエンクロージャと、
    前記第3のエンクロージャへ連結されるとともに前記第2のエンクロージャを取り囲んでいる第4のエンクロージャと、
    を有し、
    第2のエンクロージャが前記第1のエンクロージャの一方の端部を支持するとともに前記第1のエンクロージャへ連結され、前記第3のエンクロージャが第1の絶縁体を有し、この第1の絶縁体が前記第1のエンクロージャを前記第3のエンクロージャから電気的に絶縁し、前記第4のエンクロージャが第2の絶縁体を有し、この第2の絶縁体が前記第2のエンクロージャを前記第3のエンクロージャ及び前記第4のエンクロージャから電気的に絶縁しているトランスデューサ。
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