JP4244249B2 - バランサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重量物を床面からリフティング(吊り上げ)して無重力バランス状態で移動や移送するための荷役起重装置であるバランサに関する。
【0002】
【従来の技術】
工場生産ラインや製品倉庫では、比較的重量を有するたとえば金型などの機器材の脱着作業に伴う移送、半製品ワークの次工程移送、また出荷製品の運搬といった多様な移送が頻繁に行われる。そうした各種負荷を移送する作業の労力軽減化と安全化を図り、小回りの利く機動性と簡便さを備えたバランサが多用されている。基本構造は、床面または台車から垂直に立ち上げた支柱を有し、この支柱の上端に上下動と旋回が可能となっているアームが取り付けられ、このアームの先端は負荷吊り下げ部となっていて、負荷を吊り下げる荷揚げフックが備わっている。
【0003】
そのようなバランサにおいて、たとえば、作業者は操作開始に臨んでまずワーク重量物などの負荷に対応した初期設定を行う。続いて、荷揚げフックにワークを取りつないで上昇ボタンをスイッチ操作すると、ワークが浮き上がった状態に吊り上げられる。そのワーク重量を検知して無重力状態にバランスさせ、アームを旋回させてワークを所定の場所に移送する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のバランサにあっては、ワークを無重力状態にバランスさせるまでに、作業者に面倒で慌ただしいスイッチ切替操作を強いる不都合がある。すなわち、荷揚げフックをワークに引っかけた状態で上昇ボタンを押し続け、ワークが浮いた状態になるとその上昇ボタンを離し、今度はたとえばセレクトボタンをバランス側に切替操作する。続いて、ワークを所定位置へ移動してからセレクトボタンをクレーン側にオン投入し、下降ボタンを押し続けてワークを取り外すといった具合である。
【0005】
また、ワーク重量の初期設定が必要であり、仮にそれを実行せずにワークを重いものから軽いものに変えた場合は、荷重バランスを失ってワークが不用意に持ち上がってしまうといった不都合がある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、操作開始に臨んで煩わしいスイッチ切替やワーク重量の初期設定を行わずとも、荷揚げフックにワークを引っかけて軽微な持ち上げ力を加えるだけで、容易にそのワークを浮き上がらせて無重力状態にバランスさせることができる操作の利便性を高めたバランサを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による請求項1に記載のバランサは、一端側を負荷吊り下げ部とするアームの他端側を支柱の上端に上下方向へ回動自在に支持させた梃子機構を有し、この梃子機構は作動流体圧によって前記アームを持ち上げる持ち上げ作動手段を備え、この持ち上げ作動手段に前記負荷吊り下げ部の負荷に応じた作動流体圧を供給して前記アームを無重力状態にバランスさせるものであって、前記持ち上げ作動手段の作動流体圧を受ける部分の受圧面積に対して、前記アームの梃子レバー比と同じ比率の受圧面積を有する負荷検出手段をアーム一端側の前記負荷吊り下げ部に配置し、その負荷検出手段で検出された負荷に対応する持ち上げ力を前記持ち上げ作動手段に発生させるよう構成されている。
【0008】
以上の構成により、アームの負荷吊り下げ部に重量物ワークなどの負荷をかけ、作業者がその負荷吊り下げ部にアシスト力を加えると、負荷が持ち上げられた位置で無重力状態にバランスする。すなわち、負荷検出手段によって負荷の変化による流体圧を検出し、この検出流体圧を持ち上げ作動手段の作動流体圧にリアルタイムにバランスさせることで、負荷を吊り下げたアームがその位置でバランスする。したがって、アームの負荷吊り下げ部に負荷を吊る初期段階から、その負荷を所望する位置まで持ち上げるのに作業者のアシスト力を加えるだけで済み、従来のようなスイッチ切替操作は不要である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるバランサの実施の形態について、図1〜図5の各図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
図1は、流体としてエアを使用した流体回路を含む本実施の形態によるバランサの装置構成図である。要部を構成する梃子機構1は支柱2を有し、この支柱2は図示例のように床面にアンカボルトで固定した台座3に回転可能に支持した構造とすることができる。あるいは、装置全体の移動が可能となるよう、支柱2を台車上に回転可能に支持した構造とすることもできる。支柱2の上端には、梃子支点となる支点ピン4によって負荷吊り下げ用のアーム5がその基端に近い一端において支持され、上下方向への梃子揺動が可能となっている。本実施の形態では、アーム5の基端突端にバランスウエイト6を取り付けている。
【0011】
また、上記支点ピン4から距離L1(図2参照)を置いた個所のアーム5に、梃子力点となる力点ピン14を介して持ち上げ作動手段10が連結されている。この持ち上げ作動手段10は、空圧式の第1シリンダ11と、この内部を上下往復動する第1ピストン12を備え、シリンダ外上方へ突出したピストンロッド13の上端が力点ピン14によってアーム5に連結されている。第1ピストン12によって仕切られる第1シリンダ11の下位室はピストン推力室11aとなっており、上位室には排気マフラ16が設けられている。この第1シリンダ11の一端基部はヒンジピン15を介して揺動可能に支柱2のベース2a上に支持されている。また、第1シリンダ11はアーム5からなる梃子機構1によっては支柱2のベース2aに固定させてもよい。
【0012】
また、アーム5の先端部の負荷吊り下げ部において、本発明の要旨部材である負荷検出手段20が連結されている。この負荷検出手段20は、空圧式の第2シリンダ21と、この内部を上下往復動する第2ピストン22を備え、第2シリンダ21の一端上部が吊り棒23でアーム5に吊り支持されている。すなわち、吊り棒23の上端は、上記支点ピン4から距離L2(図2参照)を置いた個所のアーム5に梃子作用点となる作用点ピン24により連結されている。そうした第2シリンダ21の下方にピストンロッド25が突出しており、ロッド下端に重量物ワークWkをその吊り紐29に引っかけて持ち上げるための負荷支持部材であるフック26が取り付けられている。第2ピストン22によって仕切られる第2シリンダ21の下位室は負荷検出室21aとなっており、上位室には排気マフラ27が設けられている。また、この第2シリンダ21の外周などに、作業者の操作便宜を図るためのハンドル21bが設けられている。
【0013】
一方、流体回路は、上記第1,第2シリンダ11,21を作動圧エア通路(エアホース)17と負荷検出圧エア通路(エアホース)28によってコンプレッサ30や精密なパイロットレギュレータ40などに連結されている。
【0014】
パイロットレギュレータ40は以下の構成となっている。ハウジング41に供給圧一次側のエア源ポート42が設けられ、ここからコンプレッサ30で圧縮されたエアがエア供給室44内に導入される。また、このエア供給室44に連通する二次側の作動圧出力ポート43を有し、この作動圧出力ポート43は作動圧エア通路17を通して上記持ち上げ作動手段10のピストン推力室11aに連通している。
【0015】
上記エア供給室44には、ばね45に抗して図の下方向へ作動して開くことにより、一次側エア源ポート42と二次側作動圧出力ポート43とを互いに連通させる給気弁46が配置されている。この給気弁46の中心軸上に排気孔46aが貫通して形成されている。
【0016】
また、ハウジング41内には、エア供給室44と隔壁を介して第1パイロット圧調整室50が設けられ、ここには上記給気弁46を図の下方向へ押し下げて開くための第1プランジャ51が第1ダイヤフラム52に弾性支持されている。この第1ダイヤフラム52によって第1パイロット圧調整室50はA室とB室の2つに隔成されている。
【0017】
さらに、ハウジング41内には、上記第1パイロット圧調整室50と隔壁を介して第2パイロット圧調整室60が設けられている。この第2パイロット圧調整室60は、負荷検出ポート69から負荷検出圧エア通路28を通して上記負荷検出手段20の下位室の負荷検出室21aに連通している。この負荷検出室21aから第2パイロット圧調整室60に至るまでの負荷検出圧エア通路28は密閉通路として、予めアーム5および第2シリンダ21の自重を考慮して初期設定された所定圧によるパイロット流体圧が封入されている。
【0018】
第2パイロット圧調整室60においては、第2ダイヤフラム62に弾性支持された第2プランジャ61が配置されている。この第2プランジャ61は、図の上下方向への動作が可能であり、上方への動作によって第2パイロット圧調整室60内のA室を第1パイロット圧調整室50のB室に連通させるようになっている。すなわち、この第2プランジャ61は、図の下端に設けた凹部内に球状排気バルブ63が遊嵌されており、また凹部を形成する側壁を貫通した排気孔64を備え、これらで第1パイロット圧調整室50のB室に連通する排気通し孔55を開放または閉塞するようになっている。また、第2プランジャ61の上下部それぞれに密閉用ダイヤフラム65、66が装着され、第2パイロット圧調整室60内を所要の密閉性を確保したA室、B室およびC室の3つに隔成している。また、第2プランジャ61の上端にばね67が装着され、この調整ボルト68のねじ込み量を加減することにより、ばね67の弾発力を調整して第2プランジャ61の押し上げ力を変更可能としている
【0019】
次に、以上の構成による本実施の形態のバランサの動作と作用について、図1を併用しつつ図2以下の各図で順に説明する。
【0020】
はじめに、図2を参照して動作の大意を説明する。床面上のワークWkにフック26を引っかけた後、負荷検出手段20の第2シリンダ21に設けたハンドル21bを作業者が操作して微少な上向き力を付与する。この段階ではまだ、フック26と第2ピストン22はワークWkの重量Wがかかって不動状態にあるから、第2シリンダ21だけが上方へ動かされ、負荷検出室21aの容積が減少する。それにより、負荷検出室21a内ではエアが圧縮されて圧力上昇する。
【0021】
このパイロット圧縮圧は負荷検出圧エア通路28からパイロットレギュレータ40に働く。すなわち、パイロットポートである負荷検出ポート69から導入されるそのパイロット圧縮圧に応じて、作動圧出力ポート43から出力される作動圧を上昇させる。この上昇した出力作動圧を作動圧エア通路17から持ち上げ作動手段10の第1シリンダ11におけるピストン推力室11aに付与する。すなわち、出力作動圧はピストン推力室11aに働いて第1ピストン12を上昇させ、アーム5を持ち上げて負荷検出手段20を吊り上げる力として働く。
【0022】
したがって、当初作業者によってハンドル21bに加えた力が、吊り上げ力という形でフィードバックされたことになる。このフィードバックは、ワークkが吊り上がるまで連続的に繰り返される。そこで、図5に示すように、ワークWkが吊り上がってしまうと、ワークWkの全重量Wで第2シリンダ21における負荷検出室21a内のエアを圧縮していることになるため、これ以上の圧力変化は発生せず、ワーク重量Wに見合った吊り上げ力が保持される。この保持状態がバランス状態である。
【0023】
図5において、ワークWkが吊り上がったバランス状態から、さらにハンドル21bに上向き力を加えたとする。すると、アーム5を介して持ち上げ作動手段10側の第1ピストン12を持ち上げようとする力が働く。それにより、ピストン推力室11aの容積が増大して室内圧が低下しようとするが、パイロットレギュレータ40が機能してピストン推力室11aにその容積増大変化に対応した量の圧縮エアを補給することで、圧力が一定に保持される。したがって、バランス状態のままでワークWkおよびアーム5は上昇する。
【0024】
それに対して、バランス状態でハンドル21bに下向き力を加えた場合、アーム5を介して持ち上げ作動手段10の第1ピストン12が押し下げられ、ピストン推力室11aの容積が縮小して圧縮される。パイロットレギュレータ40では、その持ち上げ作動手段10側の容積縮小変化に対応した量の圧縮エアを排出することで、圧力が一定に保持される。したがって、バランス状態のままでワークWkおよびアーム5は下降する。
【0025】
ここで、図5において、ワークWkを吊り上げた上記バランス状態での梃子機構1の釣り合い関係を以下のように数式で表すことができる。
【0026】
第1シリンダ11のピストン推力室11aにおいて、そのピストン12の負荷による受圧面積をS1とし、第2シリンダ21の負荷検出室21aにおけるピストン22の受圧面積をS2とする。これら両受圧面積S1,S2の比率を支点ピン4からの距離L1,L2の梃子レバー比率と同一になるように設定する。
【0027】
ワーク重量Wによって第2シリンダ21に発生する圧力と同等な圧力を第1シリンダ11に供給した場合、ワーク重量Wに見合うだけの持ち上げ力が作用点ピン24に働く。すなわち、下記の各式が成立する。S1:S2=L1:L2と設定すると、ワーク重量Wによって第2シリンダ21に発生する圧力Pwは、
Pw=W/S2 ・・・(1)
である。その圧力Pwによって第1シリンダ11に発生する推力Fは、
F=S1・Pw ・・・(2)
である。上記(1),(2)式から、
F=S1・W/S2=S1/S2・W ・・・(3)
となる。また、上記梃子レバー比率の関係S1/S2=L2/L1を(3)式に代入すると、
F=L2/L1・W ・・・(4)
となって、この(4)式からF・L1=W・L2が導かれ、梃子の釣り合いが保たれていることが理解される。
【0028】
このようにして、負荷検出手段20における負荷の変化に対応した検出流体圧と、持ち上げ作動手段10で発生させる持ち上げ用の作動流体圧とをバランスさせる。そのために、梃子機構1においては、アーム5の支点ピン4、力点ピン14、作用点ピン24の各点間の距離L1、L2の寸法による梃子レバー比率の設定と、第1および第2ピストン12、22の受圧(重圧)面積S1,S2の設定を相互に関連させて決めることができる。
【0029】
以上の動作大意ならびに梃子の釣り合い原理に基づいて、動作の詳細について順に説明する。
【0030】
まず、図2に示す常態から、エア供給源のコンプレッサ30を作動オンさせると、その圧縮エアはパイロットレギュレータ40におけるエア供給室44の供給圧一次側のエア源ポート42から導入される。導入された供給圧エア(イ)は、ハウジング41内の連通孔70から、固定絞り弁71を通って少量に絞られ、連通孔72を通って第1パイロット圧調整室50の上側B室から排気通し孔55を通過し、第2パイロット圧調整室60のA室から排気長孔77を通って外部に排気されている。
【0031】
このとき、パイロット圧は、負荷検出手段20側の負荷検出室21aから負荷検出圧エア通路28を通してパイロットレギュレータ40の負荷検出ポート69に導入され、第2パイロット圧調整室60のC室に付与されている。
【0032】
またそのとき、コンプレッサ30から第1パイロット圧調整室50のB室に導入された供給圧エア(イ)によって、図3に示すように、第1ダイヤフラム52が押し下げられる。それに伴い第1プランジャ51が図の下方へ移動し、第1プランジャ51の後部弁体54を当接させて給気弁46をばね45に抗して押し下げる。給気弁46の押し下げ動作でエア供給室44における連絡口74が開放されると、コンプレッサ30からの供給圧エア(イ)は二次側の作動圧出力ポート43に向かい、ここから作動圧エア通路17を通って持ち上げ作動手段10のシリンダ推力室11aに導入されて圧力上昇させる。
【0033】
要は、パイロットレギュレータ40では、負荷検出ポート69から導入されるパイロット圧と、作動圧出力ポート43から出力される作動圧とをバランスさせる調整を行うことになる。
【0034】
そこで、再び図3において、上記のように連絡口74が開放されると、コンプレッサ30からの供給圧エア(イ)はその連絡口74から隔壁の通し孔75を通り、第1パイロット圧調整室50のA室に導入される。この第1パイロット圧調整室50では、A室に導入された供給圧エア(イ)と、既にB室に導入されている供給圧エア(イ)とがバランスし、第1ダイヤフラム52が押し下げられた形態に維持される。
【0035】
また同時に、連絡口74を通過した供給圧エア(イ)は、二次側の作動圧出力ポート43の近傍に設けた連通孔76を通り、第2パイロット圧調整室60のB室にも導入される。供給圧エア(イ)の導入によってB室の圧力が上昇し、第2ダイヤフラム62を図の上方へ押し上げ、第2プランジャ61もまたばね67の弾発力に抗して押し上げられる。この第2プランジャ61の上昇によって、それまで排気バルブ63で閉塞されていた第1パイロット圧調整室50側B室の排気通し孔55を開放し、排気孔64を介して第2パイロット圧調整室60のA室に連通させる。それにより、第1パイロット圧調整室50のB室における供給圧エア(イ)が排気通し孔55から第2プランジャ61の下端の排気孔64を抜け、第2パイロット圧調整室60のA室から排気長孔77を通過して外部に放出される。
【0036】
これによって、第1パイロット圧調整室50のB室に導入されている供給圧エア(イ)が減圧するため、A室に導入された供給圧エア(イ)とばね45の弾発力とによって第1プランジャ51が押し上げられて連絡口74を閉塞する。こうした図2および図3に示す供給圧エア(イ)の一連の流通によって圧力平衡状態となり、アーム5がバランスする。
【0037】
次に、作業者は負荷検出手段20側の第2シリンダ21の外周に設けたハンドル21bを把持して図4の仮想線で示すようにアーム5を押し下げる。そうしたアーム5の支点ピン4周りでの下降動作によって、持ち上げ作動手段10ではピストンロッド13を介して第1ピストン12が押し下げられ、シリンダ推力室11aを圧縮する。
【0038】
一方、持ち上げ作動手段10のシリンダ推力室11aからの圧縮圧(ロ)は、二次側の作動圧出力ポート43近傍の連通孔76を通して第2パイロット圧調整室60におけるB室に導入される。それにより、第2ダイヤフラム62を介して第2プランジャ61を押し上げる。すなわち、第2プランジャ61の下端凹部の排気バルブ63を開き、第1パイロット圧調整室50側のB室における既圧の供給圧エア(イ)を排気通し孔55から排気孔64を介して第2パイロット圧調整室60のA室を経由して排気長孔77から外部に放出される。
【0039】
図4に示すように、持ち上げ作動手段10側のシリンダ推力室11aの圧縮によって、この圧縮圧(ロ)は逆流して作動圧エア通路17を通り、パイロットレギュレータ40に二次側の作動圧出力ポート43から逆導入される。圧縮圧(ロ)は通し孔75と連通孔76を通り、第2パイロット圧調整室60のB室に導入されて第2プランジャ61を押し上げ、排気孔64を開いて第1パイロット圧調整室50のB室の圧を低下させる。通し孔75からは第1パイロット圧調整室50のA室に導入される。圧縮圧(ロ)の逆導入によってA室の圧力が既圧の供給圧エア(イ)に加わって(イ)(ロ)に上昇し、第1ダイヤフラム52を図の上方へ押し上げる。
【0040】
同時に、第1プランジャ51が押し上げられると、この後部弁体54が給気弁46から離間し、給気弁46の中心排気孔46aが開放されてそこから供給圧エア(イ)が外部放出される。
【0041】
作業者によるアーム5の押し下げ動作が停止されると、上記第1プランジャ51と第2プランジャ61が下降して後部バルブ54と排気バルブ63が閉塞され、アーム5は押し下げ位置にてバランスする。
【0042】
次に、アーム5の先端が押し下げられたことで、床上のワークWkの吊り紐29にフック26(負荷支持部材)を引っかけることが可能となり、引っかけ後(図1参照)、作業者はアーム5を今度は上方に押し上げることになる。
【0043】
図5に示すように、吊り棒23を介してアーム5を押し上げるために第2シリンダ21を押し上げると、第2シリンダ21の押し上げ上昇と相対に第2ピストン22が押し下げられる状態になり、負荷検出室21aが圧縮される。つまり、作業者がアシストした第2シリンダ21の押し上げ力に感応して負荷検出室21aが加圧される。その圧縮圧(ハ)は検出流体圧として負荷圧エア通路28に作用し、パイロットレギュレータ40の第2パイロット圧調整室60のC室に負荷検出ポート69から導入される。
【0044】
このC室に導入された第2シリンダ21の負荷検出室21aからの検出流体圧である圧縮圧(ハ)は第2ダイヤフラム62に作用し、第2プランジャ61を押し下げる。第2プランジャ61の押し下げにより、この下端凹部に遊嵌した排気バルブ63を第1パイロット圧調整室50側のB室における排気通し孔55を閉塞する。
【0045】
第1パイロット圧調整室50のB室では、排気通し孔55の閉塞によってコンプレッサ30からの供給圧エア(イ)がそのまま作用し、第1ダイヤフラム52を押し下げる。それに伴って第1プランジャ51が押し下げられ、下端の後部弁体54で給気弁46をばね45に抗して押し下げる。給気弁46の押し下げ動作により、エア供給室44における連絡口74が開放される。すると、コンプレッサ30からの供給圧エア(イ)はその開放連絡口74から抜けて、隔壁の通し孔75を通り、第1パイロット圧調整室50におけるA室に導入される。
【0046】
同時に、図3に示されたように、供給圧エア(イ)はまた二次側の作動圧出力ポート43に向かい、ここから作動圧エア通路17を通って持ち上げ作動手段10のシリンダ推力室11aに導入され、このシリンダ推力室11aの内圧を上昇させる。すなわち、それは持ち上げ用の作動流体圧として働き、ピストンロッド13を介してアーム5を力点ピン14周りで持ち上げ、フック26に引っかけられたワークWkを床上から持ち上げようとする。
【0047】
ワークWkが床面から浮き上がるまで作業者による第2シリンダ21を介してアーム押し上げ力がアシストされ、そうしたアシスト力とワークWkの荷重による負荷の加増変動に感応してリアルタイムにバランスさせる。バランス動作のリアルタイムな繰り返しにより、図5に示すように、ワークWkが床面から浮いて持ち上げられ、無重力バランス状態でアーム5に吊り支持される。
【0048】
ワークWkを所望位置まで持ち上げた後に作業者によるアシスト力を解除すると、第2パイロット圧調整室60のB室に導入される供給圧エア(イ)と、第2パイロット圧調整室60のA室に導入されているパイロット圧とが同圧となり、第2プランジャ61が上昇して定位置に復帰する。その結果、排気バルブ63も定位置に復帰し、固定絞り71から第1パイロット圧調整室50のB室に入り、排気バルブ63を通過して排気長孔77から排出される。エア量を調節して第1パイロット圧調整室50のA室とB室を同圧とすることにより、第1プランジャ51も定位置に復帰し、同時に給気弁46が連絡口74を閉塞し、その位置でバランス状態となる。
【0049】
以上から、パイロットレギュレータ40にあっては、負荷検出手段20側の検出流体圧に対応して持ち上げ作動手段10側の作動流体圧を加減する。すなわち、第2シリンダ21の負荷検出室21aで感応した検出流体圧が第1シリンダ11のピストン推力室11aでバランス状態となっている作動流体圧を上回ったとき、その作動流体圧に流体圧を加増して検出流体圧とバランスさせる。それに対して、負荷検出室21aでの検出流体圧が作動流体圧を下回ったときは、その作動流体圧を減じて検出流体圧にバランスさせ、これをリアルタイムに行うのである。
【0050】
作業者にとって都合の良い位置までワークWkを持ち上げてバランスさせると、作業者はアーム5を支柱2と台座3を介して所望位置まで旋回させ、無理なくワークWkを元の場所から次の場所まで移動することができる。
【0051】
また、以上から明らかなように、ワークWkを床面から浮き上がらせてバランス状態にするまで、従来のようなスイッチ切替操作は一切ない。また、ワークWkの重量Wが変更するごとに、それに対応した初期の圧力設定操作も不要である。すなわち、使用重量範囲内であれば任意の重量WによるワークWkを自在に無重力バランス状態にして移送できる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のバランサは、ワークなど任意の荷重による重量物に対応でき、従来のような荷重に応じた初期設定なども不要であり、また重量物が床面から浮いて所望の持ち上げ位置で無重力状態にバランスさせるのに、作業者によるアームの持ち上げアシスト力を加え続けるだけで済み、初期の段階からスイッチ切替操作が不要となるほか、複雑なエア回路がなくなってコストダウンが可能となるなど、この種バランサの操作性を著しく高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるバランサの実施の形態を示す部分断面による構成図である。
【図2】本実施の形態のバランサの初期の動作を示す構成図である。
【図3】本実施の形態のバランサの初期動作においてアームの平衡状態を示す構成図である。
【図4】本実施の形態のバランサにおいて、アーム先端のフックを床上のワークに引っかけるときのエア圧変化を示す構成図である。
【図5】本実施の形態のバランサにおいて、ワークをフックに引っかけた状態で梃子アームの先端を押し上げる方向へ作業者の力でアシスト(図1参照)したときのエア圧変化を示す構成図である。
【符号の説明】
梃子機構
2 支柱
3 台座
4 支点ピン
5 アーム
6 バランスウエイト
10 持ち上げ作動手段
11 第1シリンダ
11a ピストン推力室
12 第1ピストン
13 ピストンロッド
14 力点ピン
17 作動圧エア通路
20 負荷検出手段
21 第2シリンダ
21a 負荷検出室
21b 作業者操作用のハンドル
22 第2ピストン
23 吊り棒
24 作用点ピン
25 ピストンロッド
26 フック
28 負荷検出圧エア通路
30 コンプレッサ
40 パイロットレギュレータ
41 ハウジング
42 一次側エア源ポート
43 二次側作動圧出力ポート
44 エア供給室
45 ばね
46 給気弁
46a 排気孔
50 第1パイロット圧調整室
51 第1プランジャ
52 第1ダイヤフラム
53、54 前後部の弁体
55 排気連通口
60 第2パイロット圧調整室
61 第2プランジャ
62 第2ダイヤフラム
63 球状排気バルブ
64 排気孔
65、66 密閉用ダイヤフラム
67 ばね
68 調整ボルト
69 負荷検出ポート
70、71、45、76 エア連通孔
74 エア連通孔
77 排気孔

Claims (1)

  1. 一端側を負荷吊り下げ部とするアームの他端側を支柱の上端に上下方向へ回動自在に支持させた梃子機構を有し、この梃子機構は作動流体圧によって前記アームを持ち上げる持ち上げ作動手段を備え、この持ち上げ作動手段に前記負荷吊り下げ部の負荷に応じた作動流体圧を供給して前記アームを無重力状態にバランスさせるバランサであって、
    前記持ち上げ作動手段の作動流体圧を受ける部分の受圧面積に対して、前記アームの梃子レバー比と同じ比率の受圧面積を有する負荷検出手段をアーム一端側の前記負荷吊り下げ部に配置し、その負荷検出手段で検出された負荷に対応する持ち上げ力を前記持ち上げ作動手段に発生させるよう構成したことを特徴とするバランサ。
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