JP4237605B2 - 移動通信システム、中継局及び無線基地局 - Google Patents
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Description
一方、次世代の移動通信においては更なる伝送速度の高速化が予想され、この高速化に伴い受信機での所望受信Eb/N0(1ビット当たりの信号対雑音電力比)を満足するために大きな送信電力が必要になると考えられる。また、次世代の移動通信システムでは、利用する周波数帯も高くなるため、距離減衰が大きくなる。このため、さらに大きな送信電力が必要になると考えられる。
そこで、無線基地局の周りに簡単な中継局を配置し、移動局−無線基地局間の通信を補助し、カバーエリア縮小を補償する方式としてマルチホップ方式が検討されている。
図1にマルチホップ方式の移動通信システムを説明するための概略図を示す。
この移動通信システムは、移動局(Mobile Station : MS)1と、中継局(sub Base Transceiver Station : sBS )2と、無線基地局(Base Transceiver Station : BS)3とを備える。移動局1から無線基地局3への信号の伝送経路については、移動局1から無線基地局3へ直接的に信号が伝送される伝送経路と、移動局1から無線基地局3へ伝送される間に1基以上の中継局2により中継され、無線基地局3に信号が伝送される伝送経路がある。
このように、中継伝送を行うことにより、小さな送信電力で広いエリアをカバーできるようになるため、送信電力を小さくできる。また、他のセルとの間の干渉の低減も期待できる。
この隣接セクタからの干渉電力の中継の様子を、図2を参照して説明する。
ここで、セクタ4−3に在圏する移動局1−2と無線基地局3との通信を考えた場合、移動局1−2からは、直接波(1)と中継局2−3を介した中継波(2)とが無線基地局3に送られる。しかし、セクタ4−2に在圏する移動局1−1も通信を行った場合、中継局2−3は、移動局1−1からの干渉波(3)も無線基地局3へ向けて送信してしまう。この現象は、移動局1−1が、セクタ4−2とセクタ4−3との境界領域に近づくに従い顕著にみられる。
そこで本発明においては、無線基地局がセクタ化されているマルチホップ方式の移動通信システムにおいて、マルチホップ方式による送信電力補償効果を得た上で、セクタ化による容量増大効果を得る移動通信システム、中継局、及び無線基地局を提供することを課題としている。
さらに、送信電力制御手段は、直接波、中継波及び干渉波に基づいて、隣接セクタに在圏する他の移動局の送信電力を制御するようにしてもよい。
また、本発明に係る移動通信システムにおける中継局は、無線基地局と移動局と中継機能を有する中継局とから構成され、無線基地局が、セルを複数のセクタ に角度分割する移動通信システムにおいて、各セクタに在圏する移動局と無線基地局との間の通信を中継する中継局であって、隣接するセクタの境界とセルの周縁との交差領域に配置され、複数のセクタのうち、所定のセクタをカバーする指向性を有する送受信手段と、移動局からの受信信号に基づいて、無線基地局が移動局の送信電力を制御するのに用いるための送信電力制御情報を生成する制御手段とを備えるものである。
本発明に係る移動通信システムにおける無線基地局は、無線基地局と移動局と中継機能を有する中継局とから構成される移動通信システムにおいて、セルを複数のセクタに角度分割し、各セクタに在圏する移動局と中継局を介して通信を行う無線基地局であって、中継局から送信された送信電力制御情報に基づいて、移動局の送信電力を制御する送信電力制御手段を備えるものである。
本発明に係る移動通信システムは、無線基地局と移動局と中継機能を有する中継局とから構成され、無線基地局が、セルを複数のセクタに角度分割する移動通信システムにおいて、中継局は、隣接するセクタの境界とセルの周縁との交差領域に配置され、複数のセクタのうち、所定のセクタをカバーする指向性を有する送受信手段と、移動局からの受信信号に基づいて、無線基地局に送信電力を制御するのに用いるための送信電力制御情報を生成する制御手段とを備え、 無線基地局は、中継局から送信された送信電力制御情報に基づいて、移動局の送信電力を制御する送信電力制御手段を備えることを特徴とするものである。
また、送信電力制御を、無線基地局が受信する移動局から直接送信される直接波とセクタ両端に配置された中継局を介した2通りの中継波との合計電力、すなわち直接波と、中継局を介して中継される移動局からの中継波と、隣接セクタに在圏する他の移動局からの干渉波との合計電力に基づいて行うことにより、隣接セクタからの干渉電力の影響を低減しつつ送信電力補償を行うことができる。
また、送信電力制御を、中継局が受信する移動局から直接送信される直接波と、隣接セクタに在圏する他の移動局からの干渉波との合計電力に基づいて行うことにより、隣接セクタからの干渉電力の影響を低減しつつ送信電力補償を行うことができる。
無線基地局103は、その無線基地局アンテナに一定方向および角度において大きなアンテナ利得を有する指向性アンテナを用いて構成される。また、無線基地局103は、この指向性アンテナを用いてカバーするサービスエリアを扇型のセルに角度分割する。本実施例においては、サービスエリアを60度毎に角度分割しセクタを構成した6セクタ無線基地局を用いた場合について説明する。すなわち、サービスエリア104は、セクタ104−1、104−2、104−3、104−4、104−5及び104−6を含む。
また、中継局102−1、102−2、102−3、102−4、102−5及び102−6は、各セクタの両端に配置される。すなわち隣接するセクタの境界と、サービスエリア104の周縁との交差領域に設置される。
また、中継局の受信アンテナの指向性は各セクタの内側に向け各セクタをちょうどカバーするだけの広がりを持つように構成される。この6セクタ無線基地局を用いた場合における中継局の受信アンテナの指向性は60度である。その結果、各セクタは両端に配置された中継局によりカバーされ、結果として1セクタ当たり中継局が2基存在することになる。
また、送信電力制御は中継局を介さず直接送信される直接波と、セクタの両端に存在する中継局を介した2つの中継波の合計電力、すなわち直接波と、移動局からの中継波と、隣接セクタに在圏する他の移動局からの干渉波との合計電力を基準に行う。
例えば、中継局102−1は、指向性102−11(directivity[A1])と指向性102−12(directivity[A2])を持ち、それぞれセクタ104−1とセクタ104−6をカバーする。同様に、中継局102−2は、指向性102−21と指向性102−22を持ち、それぞれセクタ104−2とセクタ104−1をカバーし、中継局102−3は、指向性102−31と指向性102−32を持ち、それぞれセクタ104−3とセクタ104−2をカバーし、中継局102−4は、指向性102−41と指向性102−42を持ち、それぞれセクタ104−4とセクタ104−3をカバーし、中継局102−5は、指向性102−51と指向性102−52を持ち、それぞれセクタ104−5とセクタ104−4をカバーし、中継局102−6は、指向性102−61と指向性102−62を持ち、それぞれセクタ104−6とセクタ104−5をカバーする。
また、中継局102−1の指向性102−11(directivity[Al])で受信された信号は無線基地局103のセクタ104−1(sector(1))側のアンテナで送受信が行われ、中継局102−1の指向性102−12(directivity[A2])で受信された信号は無線基地局103のセクタ104−6(sector(2))側のアンテナで送受信が行われる。他の中継局についても同様である。
図4に、6セクタ無線基地局の場合に利用する6セクタ中継局の受信アンテナ指向性と中継先を示す。
また、中継局で受信された信号は、それぞれ対応する無線基地局の対応するセクタのアンテナで送受信される。
受信データ処理部110−2は、受信信号を処理し、処理後のデータを出力する。送信電力制御部110−3は、後述する無線基地局103から送信された送信電力制御信号に基づいて、送信電力を制御する。送信データ処理部110−4は、入力データを処理し、送信電力制御部110−3により設定された送信電力で処理後のデータを送信する。
また、本実施例にかかる移動通信システムの中継局302は、図5(b)に示すように受信部302−1と、受信部302−1に接続されたデータ処理部302−2と、受信部302−1及びデータ処理部302−2に接続された中継制御部302−3と、データ処理部302−2に接続された送信部302−4とを備える。
受信部302−1および送信部302−4は、各セクタの両端に配置される。すなわち隣接するセクタの境界と、セル104の周縁との交差領域に設置される。また、アンテナの指向性はセクタの内側に向けてセクタをちょうどカバーする広がりを持つように構成される。受信部302−1および送信部302−4はデータの受信および送信を行う。
データ処理部302−2は、受信されたデータを中継するための処理を行う。例えば、受信信号を復調し、ビット判定などを行う。中継制御部302−3は、受信データを中継するための送信電力の制御などを行う。
また、本実施例にかかる移動通信システムの無線基地局303は、図5(c)に示すように受信部303−1と、受信部303−1に接続された受信SIR(Signal-to-Interference power ratio)測定部303−2と、受信SIR測定部303−2に接続された受信SIR演算部303−3と、受信SIR演算部303−3に接続された送信電力制御部303−4と、送信電力制御部303−4に接続された記憶部303−5と、送信電力制御部303−4に接続された信号生成部303−6と、信号生成部303−6に接続された送信部303−7とを備える。
受信部303−1及び送信部303−7は、指向性アンテナにより構成される。例えば、カバーするエリアを60度毎に角度分割し6セクタを形成する。受信部303−1及び送信部303−7は、データの受信及び送信を行う。
受信SIR測定部303−2は、受信信号、例えば移動局110から直接送信された直接波、移動局から中継局を介して中継された中継波および隣接セクタに在圏する他の移動局から中継局を介して中継された干渉波についての受信電力対干渉信号電力比を測定する。
受信SIR演算部303−3は、受信SIR測定部303−2により測定された受信電力対干渉信号電力比に基づいて、演算処理を行う。例えば、各受信電力対干渉信号電力比の合計を計算する。
信号生成部303−6は、送信電力制御部303−4の結果に基づいて、移動局110に対して、送信電力を制御するための送信電力制御信号を生成する。
例えば、図3において、移動局111−1はセクタ104−3に在圏し、中継局102−3及び102−4(302)を介して、無線基地局103(303)と通信を行う。一方、移動局111−2は、セクタ104−2に在圏し中継局102−2及び102−3を介して無線基地局103と通信を行っているが、その干渉信号が中継局102−4に受信される。
次に、生成した送信電力制御信号を移動局111−1に送信する(S6−9)。このようにすることにより、無線基地局303は、受信信号に基づいて、移動局111−1の送信電力を制御することができる。例えば、受信SIRに基づいて演算した結果、受信SIRの合計が所定の値以下である場合には、送信電力制御部303−4は、移動局111−1の送信電力を上げる制御を行う。この場合、例えば、信号生成部303−6は、送信電力制御(TPC : Transmitter Power Control)ビットとして“Up”コマンドを送信する。
また、無線基地局303は、隣接セクタに在圏し、干渉波の原因となっている他の移動局を特定できる場合には、他の移動局111−2に対して送信電力制御信号を送信するようにしてもよい(ステップS6−10)。例えば、受信SIRに基づいて演算した結果、干渉波の干渉電力の影響が所定の値以上である場合に、送信電力制御部303−4は、移動局111−2に対して送信電力を下げる制御を行う。この場合、信号生成部303−6は、送信電力制御(TPC : Transmitter Power Control)ビットとして“Down”コマンドを送信する。
本実施例にかかる移動通信システムの中継局302、無線基地局303について、図7を参照して説明する。
本実施例にかかる移動通信システムの中継局302は、図7(a)に示すように受信部302−1と、受信部302−1に接続された受信SIR測定部302−5と、受信SIR測定部302−5に接続された制御部302−6と、制御部302−6に接続された記憶部302−7と、制御部302−6に接続された信号生成部302−8と、信号生成部302−8に接続された送信部302−4とを備える。さらに、制御部302−6は受信SIR測定部302−5に接続された受信SIR演算部302−61と、受信SIR演算部302−61、記憶部302−7、および信号生成部302−8に接続された判断部302−62とを備える。
受信SIR測定部302−5は、受信信号、例えば移動局110から送信された直接波及び隣接セクタに在圏する移動局から送信された干渉波それぞれについての受信電力対干渉信号電力比を測定する。
受信SIR演算部302−61は、受信SIR測定部302−5により測定された受信電力対干渉信号電力比に基づいて、演算処理を行う。例えば、各受信電力対干渉信号電力比の合計を計算する。
信号生成部302−8は、判断部302−62の結果に基づいて、無線基地局303に対して、移動局の送信電力を制御するのに用いるための送信電力制御情報を生成する。
また、本実施例にかかる移動通信システムの無線基地局303は、図7(b)に示すように受信部303−1と、受信部303−1に接続された送信電力制御部303−4と、送信電力制御部303−4に接続された信号生成部303−6と、信号生成部303−6に接続された送信部303−7とを備える。
送信電力制御部303−4は、中継局302から送信された送信電力制御情報に基づいて、移動局110の送信電力を制御する。
信号生成部303−6は、送信電力制御部303−4の出力に応じて、移動局110に対して、送信電力を制御するための送信電力制御信号を生成する。
送信電力制御情報の通知を受信した無線基地局303は、送信電力制御情報に基づいて送信電力制御信号を生成し(ステップS8−10)、移動局111−1に送信する(ステップS8−11)。
このようにすることにより、無線基地局303は、中継局302の受信信号に基づいて、移動局111−1の送信電力を制御することができる。例えば、中継局302が受信SIRに基づいて演算した結果、受信SIRの合計が所定の値以下である場合には、無線基地局303の送信電力制御部303−4は、移動局111−1の送信電力を上げる制御を行う。この場合、例えば信号生成部303−6は、送信電力制御(TPC : Transmitter Power Control)ビットとして“Up”コマンドを送信する。
また、無線基地局303は、隣接セクタに在圏し、干渉波の原因となっている他の移動局を特定できる場合には、他の移動局111−2に対して送信電力制御信号を送信するようにしてもよい(ステップS8−12)。例えば、受信SIRに基づいて演算した結果、干渉波の干渉電力の影響が所定の値以上である場合に、中継局302は、移動局111−2に対して送信電力を下げる制御を行うための送信電力制御情報を生成する。この場合、無線基地局303は、送信電力制御(TPC : Transmitter Power Control)ビットとして“Down”コマンドを送信する。
2、2−1、2−2、2−3、2−4、2−5、2−6、102−1、102−2、102−3、102−4、102−5、102−6、202、302 中継局
3、103、203−1、203−2、203−3、303 無線基地局
Claims (5)
- 無線基地局と移動局と中継機能を有する中継局とから構成される移動通信システムにおいて、セルを複数のセクタ に角度分割し、各セクタに在圏する移動局と前記中継局を介して通信を行う無線基地局であって:
前記中継局は、隣接するセクタの境界と前記セルの周縁との交差領域に設置され、
前記中継局の有する受信アンテナの指向性は、各セクタの内側に向き、各セクタをカバーし、
前記移動局から直接送信された直接波と、前記移動局から前記中継局を介して中継された中継波と、隣接セクタに在圏する他の移動局から中継局を介して中継された干渉波についての受信電力対干渉信号電力比を測定し、各受信電力対干渉信号電力比の合計が、所定の値を満足するか否かに基づいて、前記移動局の送信電力を制御する送信電力制御信号を生成する送信電力制御手段
を備えることを特徴とする無線基地局。 - 請求項1に記載の無線基地局において:
前記送信電力制御手段は、送信電力制御信号を隣接セクタに在圏する前記他の移動局に送信することを特徴とする無線基地局。 - 無線基地局と移動局と中継機能を有する中継局とから構成され、前記無線基地局が、セルを複数のセクタに角度分割する移動通信システムにおいて、各セクタに在圏する移動局と前記無線基地局との間の通信を中継する中継局であって:
隣接するセクタの境界と前記セルの周縁との交差領域に配置され、前記複数のセクタのうち、所定のセクタをカバーする指向性を有する送受信手段;
前記移動局から直接送信された直接波と、隣接セクタに在圏する他の移動局から送信された干渉波についての受信電力対干渉信号電力比を測定し、各受信電力対干渉信号電力比の合計が、所定の値を満足するか否かに基づいて、前記無線基地局が前記移動局の送信電力を制御するのに用いるための送信電力制御情報を生成する制御手段;
前記制御手段において生成された送信電力制御情報を無線基地局に通知する手段
を備えることを特徴とする中継局。 - 無線基地局と移動局と中継機能を有する中継局とから構成される移動通信システムにおいて、セルを複数のセクタに角度分割し、各セクタに在圏する移動局と前記中継局を介して通信を行う無線基地局であって:
前記中継局から送信された送信電力制御情報に基づいて、前記移動局の送信電力を制御する送信電力制御手段
を備え、
前記中継局は、
隣接するセクタの境界と前記セルの周縁との交差領域に配置され、前記複数のセクタのうち、所定のセクタをカバーする指向性を有する送受信手段;
前記移動局から直接送信された直接波と、隣接セクタに在圏する他の移動局から送信された干渉波についての受信電力対干渉信号電力比を測定し、各受信電力対干渉信号電力比の合計が、所定の値を満足するか否かに基づいて、前記無線基地局が前記移動局の送信電力を制御するのに用いるための送信電力制御情報を生成する制御手段;
前記制御手段において生成された送信電力制御情報を無線基地局に通知する手段
を有することを特徴とする無線基地局。 - 無線基地局と移動局と中継機能を有する中継局とから構成され、前記無線基地局が、セルを複数のセクタに角度分割する移動通信システムにおいて:
前記中継局は、
隣接するセクタの境界と前記セルの周縁との交差領域に配置され、前記複数のセクタのうち、所定のセクタをカバーする指向性を有する送受信手段;
前記移動局から直接送信された直接波と、隣接セクタに在圏する他の移動局から送信された干渉波についての受信電力対干渉信号電力比を測定し、各受信電力対干渉信号電力比の合計が、所定の値を満足するか否かに基づいて、前記無線基地局に送信電力を制御するのに用いるための送信電力制御情報を生成する制御手段;
前記制御手段において生成された送信電力制御情報を無線基地局に通知する手段
を備え、
前記無線基地局は、
前記中継局から送信された送信電力制御情報に基づいて、前記移動局の送信電力を制御する送信電力制御手段
を備えることを特徴とする移動通信システム。
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