JP4236514B2 - Resin-coated metal plate for easy-open lid and easy-open lid made of this resin-coated metal plate - Google Patents

Resin-coated metal plate for easy-open lid and easy-open lid made of this resin-coated metal plate Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂被覆金属板に関するもので、より詳細には、加工性、耐食性に優れた樹脂被覆金属板及びこの樹脂被覆金属板から成る開口性に優れた蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、格別の道具を用いることなく、手で容易に開口できるイージーオープン(EO)蓋が広く使用されており、このイージーオープン蓋には、開口部分を缶体と分離するティアオフ式と、開口部分を缶体に付着させたまま残すステイオンタブ(SOT)式がある。このようなイージーオープン蓋は、アルミやアルミ合金、ブリキ、ティンフリースチール等の金属素材にポリエステル樹脂等の樹脂を被覆して成る樹脂被覆金属板が使用されており、この樹脂被覆金属板から成る蓋に樹脂被覆金属板の厚み方向の途中に達するようにスコアを設けて、開口用部分を形成している。
【0003】
上記SOT形式の缶蓋では、開封用タブ先端の押し込みによりスコアを切断して開口を行うため、開封操作により樹脂被覆金属板の内面側樹脂層が引き伸ばされる形でスコアの切断が行われるため、金属素材と樹脂層との間でデラミネーションが発生する傾向がある。
一方、食缶で一般的なフルオープン缶はティアオフ式であり、開口初期においては、SOT形式と同様に開封用タブ先端の押し込みによりスコアを切断して開口を行うが、その後は開口部分を引きちぎり缶体と分離する。この場合でもSOT形式と同様に、樹脂層が引き伸ばされて、金属素材と樹脂層との間でデラミネーションが発生する傾向がある。
また、金属素材と内面樹脂層との間の密着力が大きく、顕著なデラミネーションを生じない場合でも、開口部分周辺に伸びた樹脂被膜が残る、所謂フェザーリング現象を生じる。フェザーリング現象は外観上不衛生なイメージを与えるため、これを防止する必要がある。
【0004】
結晶性飽和ポリエステル系樹脂をラミネートし押圧加工による加工欠陥の防止と開口時の耐フェザーリング性を両立するために、押圧加工後に冷結晶化開始温度〜融点未満の温度で加熱処理することを特徴とする金属製易開缶性蓋材の製造方法が提案されている(特許文献1)。
またスコア加工部に沿った部分の内面樹脂層のポリエステル樹脂の分子量が25000乃至70000の範囲にあるラミネート蓋が提案されており、このラミネート蓋においては、加工後のラミネート蓋を加熱処理することにより、デラミネーションの発生が抑制されている(特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】
特許第3153055号公報
【特許文献2】
特開2001−122258号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1による、加工欠陥を防止するために結晶化程度が小さく伸びが大きい状態で押圧加工を施すという提案は、加工性、耐食性を確保する上で極めて有効であるが、押圧加工後の冷熱処理により結晶化を進めて伸びを抑制することでフェザーリングを防止することは工業的には困難である。即ち、ポリエステルの結晶化度は十分な時間と温度条件の下でも高々60%であり、残りは非結晶構造のため伸びを保持しているためである。そのため、フェザーリングを充分に抑制することができず開口性という点では十分でない。
【0007】
また上記特許文献2に記載されたラミネート蓋は、開口性、加工性の両方を兼ね備えているが、このラミネート蓋のように加工後に加熱処理すると、金属素材としてアルミニウムを用いた場合には金属の硬度が低下して耐圧性能が低下したり、或いは樹脂の配向消失により耐内容物性が低下するという問題が生じる。またレトルト殺菌等の加熱殺菌に付されることを前提としていないため、耐レトルト性に劣っているという問題がある。
【0008】
従って本発明の目的は、加工性及び耐食性に優れ、缶蓋に成形した場合にはデラミネーションやフェザーリング現象の発生がない樹脂被覆金属板、及び開口性、加工性及び耐食性、並びに耐レトルト性にも優れた缶蓋を提供することである。
【0009】
本発明によれば、金属素材の少なくとも一方の表面に、金属素材側から順に、重量平均分子量40000乃至80000の熱可塑性ポリエステル樹脂にオレフィン系重合体が配合されて成る下層、熱可塑性ポリエステル樹脂から成る伸度が20%以下の表層が形成されて成ることを特徴とするイージーオープン蓋用樹脂被覆金属板が提供される。
本発明のイージーオープン蓋用樹脂被覆金属板においては、
1.オレフィン系重合体が熱可塑性ポリエステル樹脂中0.1乃至30重量%の量で含有されていること、
2.表層を構成する熱可塑性ポリエステル樹脂の重量平均分子量が25000乃至40000の範囲にあること、
3.表層を構成する熱可塑性ポリエステル樹脂の重量平均分子量が25000乃至70000の範囲にあり、結晶化度が20%以上であること、
4.表層を構成する熱可塑性ポリエステル樹脂がイソフタル酸成分及び/又は多官能成分を含有する共重合ポリエステルであること、
5.イソフタル酸成分が全カルボン酸成分中5乃至25モル%の量で配合されていること、
6.多官能成分がカルボン酸成分又はアルコール成分中0.1乃至0.5モル%の量で配合されていること、
が好ましい。
本発明によれば、上記イージーオープン蓋用樹脂被覆金属板から成るイージーオープン蓋が提供される。
【0010】
本発明の樹脂被覆金属板においては、金属素材の少なくとも一方の表面に、金属素材側から順に、重量平均分子量40000乃至80000の熱可塑性ポリエステル樹脂にオレフィン系重合体が配合されて成る下層、熱可塑性ポリエステル樹脂から成る伸度が20%以下の表層が形成されて成ることが重要な特徴である。
前述したデラミネーションやフェザーリング現象は、樹脂被膜が引き伸ばされる形でスコアの破断が行われることが原因で生じるものであり、デラミネーションやフェザーリングの発生を抑制するためには、樹脂被膜の伸びを低減させることが必要である。その一方樹脂被覆金属板の加工性を向上させるためには、樹脂被膜の結晶化の程度が小さく、伸びが大きい状態であることが望ましく、このように開口性と加工性は互いに相反する特性である。
本発明においては、樹脂被膜の伸びが大きく加工性には優れているが開口性に劣る層が存在しても、この層を開口性に優れた層との多層構造にすることにより、開口の際に開口性に劣る層の伸びが抑制されてデラミネーションやフェザーリング現象の発生が有効に抑制されることを見出し、このような相反する特性の両方を高いレベルで兼ね備えることが可能になったものである。
【0011】
【発明の実施形態】
[樹脂被覆金属板]
図1は、樹脂被覆金属板の加工性を説明するための図である。この図1から明らかなように、一般的な樹脂被覆に用いられるポリエチレンテレフタレートから成る被覆層を有する樹脂被覆金属板(比較例1)や本発明の表層に用いられる伸度20%以下のポリエステル樹脂から成る被覆層を有する樹脂被覆金属板(比較例2)では、蓋加工後及びTベンド後の何れにおいても、高い電流が検出されおり、加工により樹脂被覆に傷が生じているのに対して、本発明の下層に用いられるオレフィン系重合体が含有されたポリエステル樹脂から成る被覆層を有する樹脂被覆金属板(比較例3)では蓋加工後及びTベンド後の何れにおいても加工性に優れていることが明らかである。
【0012】
Tベンド試験は、ラミネート金属板の加工性を評価する試験法の一つであり、ラミネート金属材を山折りにし、折り曲げた部分に6.30Vの電圧を4秒間かけ、その時に流れる電流値を読む。図1からも明らかなように、この試験方法は蓋の加工性と相関性があり、電流値が低いほど蓋にした時の加工性が優れていると言える。
【0013】
また図2は、樹脂被覆金属板から成る缶蓋の開口性を説明するための図である。この図2から明らかなように、一般的な樹脂被覆に用いられるポリエチレンテレフタレートから成る被覆層(伸度10%)を有する樹脂被覆金属板(比較例1)や本発明の下層に用いられるオレフィン系重合体が含有されたポリエステル樹脂から成る被覆層(伸度80%)を有する樹脂被覆金属板(比較例3)では、3.0mm以上のフェザーリングが発生しているのに対して、本発明の表層に用いられる伸度20%以下のポリエステル樹脂から成る被覆層を有する樹脂被覆金属板(比較例2)では、ほとんどフェザーリングが生じておらず、開口性に優れていることが明らかである。
【0014】
これに対して、図1及び図2において、上記オレフィン系重合体が含有されたポリエステル樹脂を下層とし、伸度20%以下のポリエステル樹脂を上層とした樹脂被覆金属板(実施例1〜5)では、後述する実施例の結果から明らかなように、加工性及び開口性の両方の特性において、比較例3の樹脂被覆金属板の優れた加工性、比較例2の樹脂被覆金属板の優れた開口性と遜色ない結果が得られている。
また本発明の樹脂被覆金属板においては、表層の結晶化度が樹脂被覆金属板の状態で、すなわち蓋加工前から結晶化度が20%以上であっても優れた加工性を有するため、製蓋後に開口性を向上させるべく熱処理に付する必要がなく、生産性にも優れているという利点も得られるのである。
【0015】
(ポリエステル下層)
本発明の樹脂被覆金属板の金属素材表面に設けられる下層は、重量平均分子量が40000乃至80000、特に50000乃至75000である熱可塑性ポリエステル樹脂にオレフィン系重合体が配合されて成るものである。
下層に用いられるポリエステル樹脂としては、エチレングリコールやブチレングリコールを主体とするアルコール成分と、芳香族二塩基酸、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の酸成分とから誘導される熱可塑性ポリエステルが挙げられる。
【0016】
熱可塑性ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートそのものも制限されたラミネート条件下で使用可能であるが、加工性や耐衝撃性の点ではフィルムの到達し得る最高結晶化度を下げることが望ましいことから、下層においてはポリエステル中にエチレンテレフタレート以外の共重合エステル単位を導入するのがよい。エチレンテレフタレート単位或いはブチレンテレフタレート単位を主体とし、他のエステル単位の少量を含む融点が180乃至252℃の共重合ポリエステルを用いることが特に好ましい。尚、ホモポリエチレンテレフタレートの融点は一般に255〜265℃である。
【0017】
一般に共重合ポリエステル中の二塩基酸成分の70モル%以上、特に75モル%以上がテレフタル酸成分から成り、ジオール成分の70モル%以上、特に75モル%以上がエチレングリコールまたはブチレングリコールから成り、二塩基酸成分の1乃至30モル%、特に5乃至25モル%がテレフタル酸以外の二塩基酸成分から成ることが好ましい。
【0018】
テレフタル酸以外の二塩基酸としては、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸:シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸:コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸:の1種又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレングリコールまたはブチレングリコール以外のジオール成分としては、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の1種又は2種以上が挙げられる。
またポリエステル樹脂には、それ自体公知の樹脂用配合剤、例えば非晶質シリカなどのアンチブロッキング剤、無機フィラー、各種帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を公知の処方に従って配合することができる。
【0019】
本発明のポリエステル下層に配合されるオレフィン系重合体としては、低−、中−、高−密度のポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、アイソタクティックポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、などのオレフィンのホモポリマー又はコポリマーの他に、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)或いはこれらのブレンド物などのオレフィン系重合体を挙げることができる。
本発明においては、これらのオレフィン系重合体の中でも特に、極性基を有するものであることが好ましく、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)を最も好適に用いることができる。
【0020】
アイオノマー樹脂は、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体中のカルボキシル基の一部又は全部が金属陽イオンで中和されたイオン性塩であり、中和の程度、すなわちイオン濃度がその物理的性質に影響を及ぼしている。一般に、アイオノマー樹脂のメルトフローレート(以下、単にMFRという)はイオン濃度に左右され、イオン濃度が大きいとMFRが小さく、また融点はカルボキシル基濃度に左右され、カルボキシル基濃度が大きいほど融点も小さくなる。
従って、本発明に用いるアイオノマー樹脂としては、勿論これに限定されるものではないが、MFRが15g/10min以下、特に5g/10min乃至0.5g/10minの範囲にあり、且つ融点が100℃以下、特に97℃乃至80℃の範囲にあるものであることが望ましい。
【0021】
アイオノマー樹脂を構成するα,β−不飽和カルボン酸としては、炭素数3〜8の不飽和カルボン酸、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノメチルエステル等を挙げることができる。
特に、好適なベースポリマーとしては、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体やエチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体を挙げることができる。
また、このようなエチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体中のカルボキシル基を中和する金属イオンとしては、Na,K,Li,Zn,Z2+,Mg2+,Ca2+,Co2+,Ni2+,Mn2+,Pb2+,Cu2+等を挙げることができるが、本発明においては、特に亜鉛により中和されているものが、架橋の程度が大きく、湿度敏感性が少ないことから、好適に用いることができる。また、金属イオンで中和されていない残余のカルボキシル基の一部は低級アルコールでエステル化されていてもよい。
またアイオノマー樹脂は、エチレンから誘導される構成単位を80〜99モル%、好ましくは85〜96モル%、不飽和カルボン酸から誘導される構成単位を1〜20モル%、好ましくは4〜15モル%の量で含有されていることが好ましい。
【0022】
オレフィン系重合体は、熱可塑性ポリエステル中に、0.1乃至30重量%、特に2乃至20重量%の量で配合されていることが好ましい。上記範囲よりもオレフィン系重合体が少ないと、加工性の充分な向上を図ることができないと共に、耐衝撃性(耐デント性)、耐腐食性、密着性に劣るようになり、また上記範囲よりオレフィン系重合体が多いと、上層との複層にした場合でもフェザーリング現象が発生するおそれがあり、開口性を損なうおそれがあると共に、製膜性に劣るようになる。
【0023】
(ポリエステル表層)
前述したポリエステル下層の上に形成されるポリエステル表層は、伸度が20%以下の、熱可塑性ポリエステル樹脂から成る層である。伸度が20%以下であることにより、伸びの比較的大きい下層と組み合わせた場合にもフェザーリング現象を有効に防止することが可能となる。尚、伸度の測定方法については実施例で後述する。
表層に用いる熱可塑性ポリエステル樹脂としては、前述した下層と同様の熱可塑性ポリエステル樹脂を用いることができるが、表層においては特に、ジカルボン酸成分としてイソフタル酸を5乃至25モル%の量で含有して成る共重合ポリエステル樹脂であることが樹脂の伸びを抑制するために好ましい。
また伸度を特に好適な値にするためには、三官能以上の多塩基酸及び多価アルコールから成る群より選択された少なくとも1種の分岐乃至架橋成分を含有することが好ましく、これらの分岐乃至架橋成分は、全カルボン酸成分又は全アルコール成分中0.1乃至0.5モル%の範囲にあるのがよい。このような多官能成分が配合されていることにより、架橋構造が導入され、伸びの少ない硬い被覆層を得ることが可能になる。
また、表層が熱可塑性ポリエステル樹脂のみで構成されている場合、重量平均分子量が25000乃至40000の範囲にあるか、もしくは、重量平均分子量が25000乃至70000の範囲にあり、結晶化度が20%以上であることが、同様にフェザーリング現象を防止する点で好ましい。
【0024】
三官能以上の多塩基酸及び多価アルコールとしては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ヘミメリット酸、1,1,2,2−エタンテトラカルボン酸、1,1,2−エタントリカルボン酸、1,3,5−ペンタントリカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸等の多塩基酸や、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトール、1,1,4,4−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等の多価アルコールが挙げられる。
【0025】
(金属素材)
本発明の樹脂被覆金属板に用いる金属素材としては、各種アルミ材や各種鋼板等の従来イージーオープン蓋に使用されている金属素材を全て使用できる。
【0026】
アルミ材としては、例えば純アルミやアルミと他の合金用金属、特にマグネシウム、マンガン等の少量を含むアルミ合金が使用される。
アルミ合金としては、耐食性、加工性の点で、Cu 0〜0.8%、Mg 0〜2.8%、Mn 0〜1.5%、Fe 0〜0.5%、Si 0〜0.5%(%は重量基準)を含むアルミ合金が望ましい。アルミニウム材の厚みは、蓋の大きさ等によっても相違するが一般に0.20乃至0.50mm、特に0.23乃至0.30mmの範囲内にあるのがよい。アルミ材への内面材の密着性や耐腐食性の見地からは、アルミ材の表面に表面処理膜を形成させることが一般に望ましい。表面処理としては、クロメート処理、ジルコニウム処理、リン酸処理、ポリアクリル酸処理、陽極酸化処理等が好ましい例である。
【0027】
また各種鋼板類としては、クロメート表面処理鋼板、特に電解クロム酸処理鋼板、クロメート処理ニッケルめっき鋼板、クロメート処理鉄・錫合金めっき鋼板、クロメート処理錫ニッケル合金めっき鋼板、クロメート処理鉄・錫ニッケル合金めっき鋼板、クロメート処理アルミニウムめっき鋼板、クロメート処理ぶりき等が使用される。鋼板基質の厚みは、耐圧変形性と加工性及び易開口性との兼合いにより決定され、一般に0.1乃至0.4mm、特に0.12乃至0.35mmの範囲にあるのが望ましい。
これらの内でも、電解クロム酸処理鋼板が好ましいものであり、このものは、鋼板基質の上に金属クロム層とその上の非金属クロム層とを備えている。金属クロム層の厚みは、耐腐食性と加工性との兼合いにより決定され、その量は30乃至300mg/m2 、特に50乃至250mg/m の範囲にあることが望ましい。また非金属クロム層の厚みは、塗膜密着性や接着剥離強度に関連するものであり、クロム量として表わして4乃至40mg/m2 、特に7乃至30mg/m の範囲にあることが望ましい。
【0028】
(層構成)
図3は、本発明の樹脂被覆金属板の断面構造の一例を示す断面図である。全体を1で表す樹脂被覆金属板は、金属基体1の上に重量平均分子量40000乃至80000の熱可塑性ポリエステル樹脂にオレフィン系重合体が配合されて成る下層2、下層2の上に熱可塑性ポリエステル樹脂から成る伸度が20%以下の表層3が形成されて成る。
また図4に示す本発明の樹脂被覆金属板の他の一例は、図3における樹脂被覆金属板の他方の面にも同様の樹脂被覆層2、3が形成されている。
本発明の樹脂被覆金属板においては、少なくとも金属素材の一方の面に上記表層及び下層が形成されていればよく、図4に示す具体例のように他方の面にも同様の被覆層を設けてもよいし、また他方の面には従来樹脂被覆に用いられている公知のポリエステル樹脂や、熱硬化性樹脂塗料や熱可塑性樹脂塗料から成る保護層を設けることもできる。
また、金属素材1と下層2の間には、一般には必要でないが、図示していないプライマー層が設けられていてもよい。
【0029】
本発明の樹脂被覆金属板において、ポリエステル下層及びポリエステル表層の厚み比は、1:1乃至5:1の範囲にあることが、開口性及び加工性の両方を満足する上で好ましい。すなわち、上記範囲よりも下層が厚いと開口性や耐衝撃性が不充分になるおそれがあり、また上記範囲よりも下層が薄いと加工性や耐食性が不充分になるおそれがある。
また各層の厚みはこれに限定されないが、下層は5乃至30μm、特に10乃至25μmの範囲にあることが好ましく、表層は5乃至30μm、特に5乃至15μmの範囲にあることが好ましい。
また金属素材の他方の面に従来公知のポリエステル樹脂や熱硬化性樹脂塗料又は熱可塑性樹脂塗料から成る保護層を設ける場合、その厚みは0.1乃至10μmの範囲にあることが好ましい。
【0030】
(樹脂被覆金属板の製法)
本発明の樹脂被覆金属板は、少なくとも表層樹脂用の押出機及び下層樹脂用の押出機を使用し、各押出機からの樹脂流を多重多層ダイ内で合流させ、T−ダイから薄膜状に押し出し、押し出された溶融樹脂膜を金属基体と共に一対のラミネートロール間に通して冷却下に押圧一体化させることにより製造することができる。また、一対のラミネートロール間に垂直に金属基体を通し、その両側に溶融樹脂ウエッブを供給することにより、金属基体両面にポリエステル樹脂の被覆層を形成させることができる。
【0031】
樹脂被覆金属板の共押出コート法による製造は具体的には次のように行われる。金属板を必要により加熱装置により予備加熱し、一対のラミネートロール間のニップ位置に供給する。一方、各ポリエステル樹脂は、各押出機のダイヘッドを通して薄膜の形に押し出され、ラミネートロールと金属板との間に供給され、ラミネートロールにより金属板に圧着される。ラミネートロールは、一定の温度に保持されており、金属板にポリエステル等の熱可塑性樹脂から成る薄膜を圧着して両者を熱接着させると共に両側から冷却して積層体を得る。
【0032】
また、本発明の樹脂被覆金属板では、予め製膜された未延伸のポリエステル樹脂フィルムを金属基体に熱接着させることによっても製造することができる。この場合、ポリエステル樹脂をT−ダイ法でフィルムに成形し、過冷却された未配向のキャストフィルムとする。この未配向のフィルムを用いて、前記と同様に熱接着させて、ラミネートを製造することができる。
【0033】
本発明の樹脂被覆金属板においては、蓋成形後に優れた開口性を有するために表層の結晶化度が20%以上であることが特に好ましいが、前述した通り、蓋加工前から20%以上であっても優れた加工性を有する。このため、積層に伴う熱結晶化の進行を防止するための急冷操作に付する必要がない。また蓋成形における押圧加工後に結晶化を進めるための冷熱処理等に付する必要がなく、生産性にも優れているという利点も得られるのである。
【0034】
[蓋及びその製法]
本発明の蓋は、上述した樹脂被覆金属板のポリエステル下層及び表層が形成された面を蓋の内面側となるようにして成形する以外は従来公知の形状をとることができるが、特にプルオープン方式やステイオンタブ方式のイージーオープン蓋であることが好ましい。
【0035】
イージーオープン蓋の成形は、先ずプレス成形工程で、樹脂被覆金属板を円板の形に打抜くと共に、所望の蓋形状に成形する。次いで、スコア刻印工程で、スコアダイスを用いて、蓋の外面側からスコアが金属素材の途中に達するようにスコアの刻印を行う。スコアにおける金属素材の残留厚み(t)は、金属素材の元厚み(t)に対して、t/t×100が10乃至50%で、tが20乃至150μmとなるようにするのがよい。また、スコアの底部巾(d)は75μm以下、特に50μm以下とすることがフィルム層への傷の発生を防止する上で重要である。
【0036】
リベット形成工程において、リベット形成ダイスを用いてスコアで区画された開口部に外面に突出したリベットを形成させ、タブ取付工程で、リベットに開口タブを嵌合させ、リベットの突出部を鋲出してタブを固定させることにより、イージーオープン蓋が成形される。リベット形成工程の代りに、接着タブの場合には、開口部或いはタブにナイロン系接着剤テープ等の接着剤を施し、タブ取付工程でタブと開口用部とを熱接着させることにより成形される。
【0037】
以上のように成形されたイージーオープン蓋は、スコア加工後の熱処理を行わなくても、フェザーリングの発生が抑制されているが、より高い開口性や、スコア加工部近傍の残留歪みの除去と樹脂被覆層の密着力の回復を目的として熱処理を行うことも勿論できる。熱処理温度は、180乃至280℃の温度で、15乃至60秒間行うことが好ましい。
最後にライニング工程において、蓋の密封用溝に、ノズルを通して、密封用コンパウンドがライニング塗布され、乾燥して密封剤層が形成される。
本発明の蓋は、缶胴部材のフランジとイージーオープン蓋の密封用溝部とを嵌合させると共に、一次巻締用ロールを用いてフランジの周囲に溝部を一次巻締させる。次いで、二次巻締工程において、このフランジ部を更に、缶胴側壁部に沿って更に巻締して缶体とすることができる。
【0038】
【実施例】
本発明を次の例で説明するが、これらの例は説明のためのものであり、いかなる意味においても以下の例に限定されるものではない。実施例における測定は、次の通りに行った。
【0039】
〔評価および測定方法〕
(金属材料)
板厚0.25mmのアルミニウム合金A5052H18に、クロム酸・りん酸表面処理をして金属材料を得た。
【0040】
(ラミネート金属材の製造方法)
樹脂材料を2軸押出機に供給し、バレルおよびTダイの温度を樹脂材料に適した温度で押出すことでフィルムを得、そのフィルムを250℃に加熱した上記アルミニウム合金板上にラミネートし、直ちに水冷することで、ラミネート金属材を得た。この時、蓋内面樹脂厚みが30μmとなるようにした。得られた片面ラミネート材の蓋外面となる側に塗装をした後、185℃で10分間塗装焼き付けした。
【0041】
(蓋の製造方法)
EO蓋については、上記ラミネート金属材について、直径90.5mmブランクから蓋を成形し、これに蓋の外面からスコア加工(残圧120μm、スコア幅25μm)、リベット加工ならびに開封用タブの取り付け、蓋を作成した。
また、SOT蓋については、上記ラミネート金属材について、直径68.7mmの蓋を打ち抜き、これに蓋の外側からパーシャル開口型のスコア加工(幅22mm、スコア残圧110μm、スコア幅20μm)、リベット加工ならびに開封用タブの取り付け、蓋を作成した。
【0042】
(開口性評価)
ラミネート金属材からなる蓋を110℃60分のレトルト処理を行い、水中にて10分間浸漬し、その後湿潤下で蓋を手で開口し、開口部周辺を目視で観察し、評価した。
○ 良好:フェザーリング<1.0mm
× 不良:フェザーリング>1.0mm
【0043】
(加工性評価)
ラミネート金属材からなる蓋の内面全体に6.30Vの電圧を4.0秒間かけた時の電流値で評価した。
○ 良好:平均電流値<0.005mA
× 不良:平均電流値>0.005mA
【0044】
(分子量)
製膜時、Tダイ直下厚膜の表層・下層を削り取り、サンプルとした。測定は、分子量測定高速GPC装置HLC−8120GPC(東ソー製)を用い、カードカラムの後にTSK−GELSuperHM−H(東ソー製)を2本接続したカラム構成とした。検出装置には紫外線検出装置UV−8020(東ソー製)を使用し、測定波長は254nmとした。測定温度条件は40℃である。缶蓋から樹脂層を単離し、約5mgを0.3mlのヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解し、クロロホルム4mlを加えて試料溶液を調整した。溶離液にはクロロホルムを用い、毎分0.6mlの流速とした。東ソー製分子量標準スチレンサンプルより検量線を作成し、重量平均分子量(Mw)を求めた。
【0045】
(結晶化度測定)
製膜時のTダイ直下の厚膜の表層を削り取り、185℃10分間の熱処理と、110℃60分間のレトルト処理を行った後、示差操作熱量計(DSC)測定を行った。測定は、PERKIN ELMER社製DSC7−RSを用い、昇温速度は10℃/minで行った。測定で得られた融解ピークΔHの値から下式を用い、結晶化度を算出した。
結晶化度(%)=(ΔH(PET)−|ΔHc|)/ΔH(PET)×100
ΔH(PET)=122.25J/g
【0046】
(引張り試験)
試験は、オリエンテック社製UCT−5Tを用いて行った。樹脂組成が表層と同等のフィルムを製膜し、基材にアルミを用いたラミネート金属材を作成した。ラミネート金属材を185℃10分間の熱処理と110℃60分間のレトルト処理を行ったのち、6N塩酸で金属板を溶解しフィルムを単離・乾燥した。長さ10mm、幅5mmのものをサンプルとし、試験温度は25℃、引張り速度は5mm/minで行った。
【0047】
[実施例1〜6]
内面樹脂組成を表2に示すものとするEO蓋・SOT蓋を作成し、加工性と開口性を評価し、フィルムの物性値を測定した。得られた評価結果と測定結果を表1へ示す。
結果として、実施例1〜6については、蓋として適用できるものであった。
【0048】
[比較例1〜12]
内面樹脂組成を表2に示すものとするEO蓋・SOT蓋を作成し、加工性と開口性を評価し、フィルムの物性値を測定した。組成1〜3は単層膜、4〜13は2層膜である。得られた評価結果と測定結果を表1へ示す。
結果として、比較例1〜8,10〜13については、開口性と加工性が両立できず、蓋としては適用できなかった。また、比較例9については、製膜不良であり、ラミネート金属材が作成できなかった。
【0049】
【表1】

Figure 0004236514
【0050】
【表2】
Figure 0004236514
【0051】
【発明の効果】
本発明の樹脂被覆金属板によれば、金属素材の少なくとも一方の表面に、金属素材側から順に、重量平均分子量40000乃至80000の熱可塑性ポリエステル樹脂にオレフィン系重合体が配合されて成る下層、熱可塑性ポリエステル樹脂から成る伸度が20%以下の表層が形成されて成ることにより、優れた加工性、耐食性を有すると共に、蓋に成形した場合にフェザーリング現象の発生が抑制され開口性に優れていると共に、耐レトルト性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂被覆金属板と加工性の関係を説明するための図である。
【図2】樹脂被覆金属板と開口性との関係を説明するための図である。
【図3】本発明の樹脂被覆金属板の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の樹脂被覆金属板の他の一例を示す断面図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a resin-coated metal plate, and more particularly, to a resin-coated metal plate excellent in workability and corrosion resistance, and a lid excellent in openability made of this resin-coated metal plate.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, an easy open (EO) lid that can be easily opened by hand without using a special tool has been widely used. The easy open lid includes a tear-off type that separates the opening portion from the can body, and an opening portion. There is a steion tab (SOT) type that leaves the material attached to the can body. Such an easy-open lid uses a resin-coated metal plate formed by coating a metal material such as aluminum, aluminum alloy, tinplate, and tin-free steel with a resin such as a polyester resin. A score is provided on the lid so as to reach the middle in the thickness direction of the resin-coated metal plate to form an opening portion.
[0003]
In the above SOT-type can lid, the score is cut in a form in which the inner surface side resin layer of the resin-coated metal plate is stretched by opening operation, because the score is cut and opened by pushing the opening tab tip, There is a tendency for delamination to occur between the metal material and the resin layer.
On the other hand, a full open can, which is a common food can, is a tear-off type. In the initial stage of opening, the score is cut by pushing the tip of the opening tab as in the SOT format, and then the opening is pulled. Separate from the canister body. Even in this case, as in the SOT format, the resin layer is stretched and delamination tends to occur between the metal material and the resin layer.
In addition, even when the adhesion between the metal material and the inner surface resin layer is large and significant delamination does not occur, a so-called feathering phenomenon occurs in which a resin film extending around the opening remains. Since the feathering phenomenon gives an unsanitary image in appearance, it must be prevented.
[0004]
It is characterized by laminating a crystalline saturated polyester resin and heat-treating from the cold crystallization start temperature to a temperature lower than the melting point after press processing in order to achieve both prevention of processing defects due to press processing and feathering resistance at the time of opening. A method for producing a metal easily openable lid material has been proposed (Patent Document 1).
In addition, a laminate lid in which the molecular weight of the polyester resin of the inner surface resin layer in the portion along the score processed portion is in the range of 25000 to 70000 has been proposed. In this laminate lid, the laminated lid after processing is heated. The occurrence of delamination is suppressed (Patent Document 2).
[0005]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 3153055
[Patent Document 2]
JP 2001-122258 A
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The proposal of performing press processing in a state where the degree of crystallization is small and the elongation is large in order to prevent processing defects according to Patent Document 1 is very effective in securing workability and corrosion resistance. It is industrially difficult to prevent feathering by advancing crystallization by cold heat treatment to suppress elongation. That is, the degree of crystallinity of the polyester is 60% at most even under sufficient time and temperature conditions, and the rest is retained due to the amorphous structure. For this reason, feathering cannot be sufficiently suppressed, and the opening is not sufficient.
[0007]
The laminate lid described in Patent Document 2 has both openability and workability. However, when the heat treatment is performed after processing like this laminate lid, when aluminum is used as a metal material, There arises a problem that the hardness is lowered and the pressure resistance is lowered, or the content resistance is lowered due to loss of orientation of the resin. Moreover, since it is not premised on heat sterilization, such as retort sterilization, there exists a problem that it is inferior to retort resistance.
[0008]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a resin-coated metal plate that is excellent in workability and corrosion resistance, and does not cause delamination or feathering when formed into a can lid, and has openability, workability and corrosion resistance, and retort resistance. It is also to provide an excellent can lid.
[0009]
  According to the present invention, on at least one surface of a metal material, in order from the metal material side, a lower layer in which an olefin polymer is blended with a thermoplastic polyester resin having a weight average molecular weight of 40,000 to 80,000, the thermoplastic polyester resin is formed. A surface layer having an elongation of 20% or less is formed.For easy open lidA resin-coated metal plate is provided.
  Of the present inventionFor easy open lidIn resin-coated metal plates,
1. The olefin polymer is contained in the thermoplastic polyester resin in an amount of 0.1 to 30% by weight;
2. The weight average molecular weight of the thermoplastic polyester resin constituting the surface layer is in the range of 25000 to 40000,
3. The weight average molecular weight of the thermoplastic polyester resin constituting the surface layer is in the range of 25000 to 70000, and the crystallinity is 20% or more,
4). The thermoplastic polyester resin constituting the surface layer is a copolyester containing an isophthalic acid component and / or a polyfunctional component;
5). The isophthalic acid component is blended in an amount of 5 to 25 mol% in the total carboxylic acid component,
6). The polyfunctional component is blended in an amount of 0.1 to 0.5 mol% in the carboxylic acid component or alcohol component,
Is preferred.
  According to the present invention, the aboveFor easy open lidMade of resin-coated metal plateEasy openA lid is provided.
[0010]
In the resin-coated metal plate of the present invention, at least one surface of a metal material, in order from the metal material side, a lower layer in which an olefin polymer is blended with a thermoplastic polyester resin having a weight average molecular weight of 40,000 to 80,000, thermoplastic It is an important feature that a surface layer composed of a polyester resin and having an elongation of 20% or less is formed.
The delamination and feathering phenomenon described above is caused by the breaking of the score in the form that the resin film is stretched. In order to suppress the occurrence of delamination and feathering, the elongation of the resin film is suppressed. Need to be reduced. On the other hand, in order to improve the workability of the resin-coated metal plate, it is desirable that the degree of crystallization of the resin film is small and the elongation is large. Thus, the openability and the workability are mutually contradictory characteristics. is there.
In the present invention, even if there is a layer having a large elongation of the resin film and excellent in workability but inferior in opening property, by making this layer a multilayer structure with a layer having excellent opening property, At the same time, it was found that the elongation of the layer with poor opening properties was suppressed and the occurrence of delamination and feathering phenomenon was effectively suppressed, and it was possible to combine both of these conflicting characteristics at a high level. Is.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[Resin-coated metal plate]
FIG. 1 is a view for explaining the workability of a resin-coated metal plate. As is apparent from FIG. 1, a resin-coated metal plate (Comparative Example 1) having a coating layer made of polyethylene terephthalate used for general resin coating and a polyester resin having an elongation of 20% or less used for the surface layer of the present invention. In the resin-coated metal plate (Comparative Example 2) having a coating layer made of a material, a high current was detected both after the lid processing and after the T-bend, whereas the resin coating was damaged by the processing. The resin-coated metal plate (Comparative Example 3) having a coating layer made of a polyester resin containing an olefin polymer used in the lower layer of the present invention has excellent processability both after the lid processing and after the T-bend. It is clear that
[0012]
The T-bend test is one of the test methods for evaluating the workability of a laminated metal plate. A laminated metal material is folded in a mountain, a voltage of 6.30 V is applied to the bent portion for 4 seconds, and the current value flowing at that time is measured. Read. As is clear from FIG. 1, this test method has a correlation with the workability of the lid, and it can be said that the lower the current value, the better the workability when the lid is used.
[0013]
FIG. 2 is a view for explaining the opening of a can lid made of a resin-coated metal plate. As is apparent from FIG. 2, a resin-coated metal plate (Comparative Example 1) having a coating layer (elongation 10%) made of polyethylene terephthalate used for general resin coating and the olefinic system used in the lower layer of the present invention. In the resin-coated metal plate (Comparative Example 3) having a coating layer (elongation 80%) made of a polyester resin containing a polymer, feathering of 3.0 mm or more occurs, whereas the present invention In the resin-coated metal plate (Comparative Example 2) having a coating layer made of a polyester resin having an elongation of 20% or less used for the surface layer of the above, it is clear that almost no feathering occurs and the opening property is excellent. .
[0014]
On the other hand, in FIG.1 and FIG.2, the resin-coated metal plate which used as a lower layer the polyester resin in which the said olefin type polymer was contained, and made the polyester resin below 20% of elongation (Examples 1-5) Then, as is clear from the results of the examples described later, the excellent processability of the resin-coated metal plate of Comparative Example 3 and the excellent property of the resin-coated metal plate of Comparative Example 2 in both characteristics of workability and openability. The result is comparable to the openness.
The resin-coated metal plate of the present invention has excellent workability even when the crystallinity of the surface layer is in the state of the resin-coated metal plate, that is, the crystallinity is 20% or more before the lid processing. There is no need for heat treatment to improve the openability after the lid, and the advantage of excellent productivity is also obtained.
[0015]
(Polyester lower layer)
The lower layer provided on the surface of the metal material of the resin-coated metal plate of the present invention is obtained by blending an olefin polymer with a thermoplastic polyester resin having a weight average molecular weight of 40,000 to 80,000, particularly 50,000 to 75,000.
The polyester resin used for the lower layer is a thermoplastic polyester derived from an alcohol component mainly composed of ethylene glycol or butylene glycol and an acid component such as an aromatic dibasic acid such as terephthalic acid, isophthalic acid or naphthalenedicarboxylic acid. Is mentioned.
[0016]
As the thermoplastic polyester resin, polyethylene terephthalate itself can be used under limited lamination conditions, but it is desirable to reduce the maximum crystallinity that the film can reach in terms of processability and impact resistance, In the lower layer, it is preferable to introduce copolymer ester units other than ethylene terephthalate into the polyester. It is particularly preferable to use a copolyester having an ethylene terephthalate unit or a butylene terephthalate unit as a main component and a melting point of 180 to 252 ° C. containing a small amount of other ester units. The melting point of homopolyethylene terephthalate is generally 255 to 265 ° C.
[0017]
In general, 70 mol% or more, particularly 75 mol% or more of the dibasic acid component in the copolyester is composed of a terephthalic acid component, and 70 mol% or more, particularly 75 mol% or more of the diol component is composed of ethylene glycol or butylene glycol, It is preferable that 1 to 30 mol%, particularly 5 to 25 mol% of the dibasic acid component is composed of a dibasic acid component other than terephthalic acid.
[0018]
Dibasic acids other than terephthalic acid include aromatic dicarboxylic acids such as isophthalic acid, phthalic acid and naphthalenedicarboxylic acid: alicyclic dicarboxylic acids such as cyclohexanedicarboxylic acid: succinic acid, adipic acid, sebacic acid, dodecanedioic acid, etc. Or a combination of two or more of the aliphatic dicarboxylic acids: As the diol component other than ethylene glycol or butylene glycol, propylene glycol, diethylene glycol, 1,6-hexylene glycol, cyclohexane dimethanol, bisphenol A 1 type, or 2 or more types, such as an ethylene oxide adduct.
Polyester resins are blended with known resin compounding agents such as anti-blocking agents such as amorphous silica, inorganic fillers, various antistatic agents, lubricants, antioxidants, UV absorbers, etc. according to known formulations. can do.
[0019]
Examples of the olefin polymer blended in the polyester lower layer of the present invention include low-, medium-, and high-density polyethylene, linear low density polyethylene (LLDPE), isotactic polypropylene, ethylene-propylene copolymer, propylene. In addition to olefin homopolymers or copolymers such as butene-1 copolymer and ethylene-propylene-butene-1 copolymer, ethylene-vinyl acetate copolymer, ethylene-vinyl alcohol copolymer, ion-crosslinked olefin Examples thereof include olefin polymers such as copolymers (ionomers) or blends thereof.
In the present invention, among these olefin polymers, those having a polar group are preferred, and an ion-crosslinked olefin copolymer (ionomer) can be most suitably used.
[0020]
The ionomer resin is an ionic salt in which a part or all of the carboxyl groups in the copolymer of ethylene and α, β-unsaturated carboxylic acid are neutralized with a metal cation, and the degree of neutralization, that is, an ion Concentration affects its physical properties. In general, the melt flow rate (hereinafter simply referred to as MFR) of an ionomer resin depends on the ion concentration. If the ion concentration is high, the MFR is small, and the melting point depends on the carboxyl group concentration. The higher the carboxyl group concentration, the smaller the melting point. Become.
Accordingly, the ionomer resin used in the present invention is of course not limited thereto, but has an MFR of 15 g / 10 min or less, particularly 5 g / 10 min to 0.5 g / 10 min, and a melting point of 100 ° C. or less. In particular, it is desirable that the temperature is in the range of 97 ° C to 80 ° C.
[0021]
The α, β-unsaturated carboxylic acid constituting the ionomer resin is an unsaturated carboxylic acid having 3 to 8 carbon atoms, specifically acrylic acid, methacrylic acid, maleic acid, itaconic acid, maleic anhydride, monomethyl maleate Examples thereof include esters and maleic acid monomethyl ester.
Particularly suitable base polymers include ethylene- (meth) acrylic acid copolymers and ethylene- (meth) acrylic acid ester- (meth) acrylic acid copolymers.
Further, as a metal ion for neutralizing the carboxyl group in the copolymer of ethylene and α, β-unsaturated carboxylic acid, Na+, K+, Li+, Zn+, Z2+, Mg2+, Ca2+, Co2+, Ni2+, Mn2+, Pb2+, Cu2+In the present invention, those neutralized with zinc can be preferably used since they have a high degree of crosslinking and low humidity sensitivity. Further, a part of the remaining carboxyl groups that are not neutralized with metal ions may be esterified with a lower alcohol.
The ionomer resin contains 80 to 99 mol% of structural units derived from ethylene, preferably 85 to 96 mol%, and 1 to 20 mol%, preferably 4 to 15 mol of structural units derived from an unsaturated carboxylic acid. % Is preferably contained.
[0022]
The olefin polymer is preferably blended in the thermoplastic polyester in an amount of 0.1 to 30% by weight, particularly 2 to 20% by weight. If the amount of the olefin polymer is less than the above range, the workability cannot be sufficiently improved, and the impact resistance (dent resistance), corrosion resistance, and adhesion are inferior. When the amount of the olefin polymer is large, a feathering phenomenon may occur even when the olefin polymer is formed into a multilayer with the upper layer, which may impair the openability and deteriorate the film forming property.
[0023]
(Polyester surface layer)
The polyester surface layer formed on the above-described polyester lower layer is a layer made of a thermoplastic polyester resin having an elongation of 20% or less. When the elongation is 20% or less, the feathering phenomenon can be effectively prevented even when combined with a lower layer having a relatively large elongation. A method for measuring the elongation will be described later in Examples.
As the thermoplastic polyester resin used for the surface layer, the same thermoplastic polyester resin as that of the lower layer described above can be used. However, the surface layer particularly contains isophthalic acid as a dicarboxylic acid component in an amount of 5 to 25 mol%. In order to suppress the elongation of the resin, a copolyester resin is preferable.
In order to make the elongation particularly suitable, it is preferable to contain at least one branching or crosslinking component selected from the group consisting of tribasic or higher polybasic acids and polyhydric alcohols. The cross-linking component is preferably in the range of 0.1 to 0.5 mol% in the total carboxylic acid component or the total alcohol component. By blending such a polyfunctional component, a crosslinked structure is introduced, and a hard coating layer with little elongation can be obtained.
Further, when the surface layer is composed only of the thermoplastic polyester resin, the weight average molecular weight is in the range of 25000 to 40000, or the weight average molecular weight is in the range of 25000 to 70000, and the crystallinity is 20% or more. Similarly, it is preferable from the viewpoint of preventing the feathering phenomenon.
[0024]
Examples of the trifunctional or higher polybasic acid and polyhydric alcohol include trimellitic acid, pyromellitic acid, hemimellitic acid, 1,1,2,2-ethanetetracarboxylic acid, 1,1,2-ethanetricarboxylic acid, 1 , 3,5-pentanetricarboxylic acid, 1,2,3,4-cyclopentanetetracarboxylic acid, polybasic acids such as biphenyl-3,4,3 ′, 4′-tetracarboxylic acid, pentaerythritol, glycerol, Examples include polyhydric alcohols such as trimethylolpropane, 1,2,6-hexanetriol, sorbitol, 1,1,4,4-tetrakis (hydroxymethyl) cyclohexane.
[0025]
(Metal material)
As the metal material used for the resin-coated metal plate of the present invention, all metal materials conventionally used for easy open lids such as various aluminum materials and various steel plates can be used.
[0026]
As the aluminum material, for example, pure aluminum or aluminum and another alloy metal, particularly an aluminum alloy containing a small amount of magnesium, manganese or the like is used.
As an aluminum alloy, Cu 0-0.8%, Mg 0-2.8%, Mn 0-1.5%, Fe 0-0.5%, Si 0-0. An aluminum alloy containing 5% (% is based on weight) is desirable. The thickness of the aluminum material varies depending on the size of the lid and the like, but is generally within a range of 0.20 to 0.50 mm, particularly 0.23 to 0.30 mm. From the viewpoint of adhesion of the inner surface material to the aluminum material and corrosion resistance, it is generally desirable to form a surface treatment film on the surface of the aluminum material. Preferred examples of the surface treatment include chromate treatment, zirconium treatment, phosphoric acid treatment, polyacrylic acid treatment, and anodizing treatment.
[0027]
Various types of steel sheets include chromate-treated steel sheets, especially electrolytic chromate-treated steel sheets, chromate-treated nickel-plated steel sheets, chromate-treated iron / tin alloy-plated steel sheets, chromate-treated tin-nickel alloy-plated steel sheets, chromate-treated iron / tin-nickel alloy plates. Steel plates, chromate-treated aluminum-plated steel plates, chromate-treated tinplate, etc. are used. The thickness of the steel plate substrate is determined by the balance between the pressure resistance deformability, workability, and easy opening, and is generally preferably in the range of 0.1 to 0.4 mm, particularly 0.12 to 0.35 mm.
Among these, an electrolytic chromic acid-treated steel plate is preferable, and this has a metal chromium layer and a non-metal chromium layer thereon on a steel plate substrate. The thickness of the metallic chromium layer is determined by the balance between corrosion resistance and workability, and the amount is 30 to 300 mg / m.2 , Especially 50 to 250 mg / m2 It is desirable to be in the range. The thickness of the non-metallic chromium layer is related to coating film adhesion and adhesive peel strength, and is expressed as 4 to 40 mg / m in terms of chromium content.2 , Especially 7-30mg / m2 It is desirable to be in the range.
[0028]
(Layer structure)
FIG. 3 is a sectional view showing an example of a sectional structure of the resin-coated metal plate of the present invention. The resin-coated metal plate represented by 1 as a whole is composed of a thermoplastic polyester resin on the lower layer 2 and the lower layer 2 in which an olefin polymer is blended with a thermoplastic polyester resin having a weight average molecular weight of 40,000 to 80,000 on the metal substrate 1. A surface layer 3 having an elongation of 20% or less is formed.
Further, in another example of the resin-coated metal plate of the present invention shown in FIG. 4, similar resin coating layers 2 and 3 are formed on the other surface of the resin-coated metal plate in FIG.
In the resin-coated metal plate of the present invention, it is sufficient that the surface layer and the lower layer are formed on at least one surface of the metal material, and a similar coating layer is provided on the other surface as in the specific example shown in FIG. Alternatively, a protective layer made of a known polyester resin conventionally used for resin coating, a thermosetting resin paint, or a thermoplastic resin paint may be provided on the other surface.
In addition, a primer layer (not shown) may be provided between the metal material 1 and the lower layer 2 although it is not generally necessary.
[0029]
In the resin-coated metal plate of the present invention, the thickness ratio of the polyester lower layer and the polyester surface layer is preferably in the range of 1: 1 to 5: 1 in order to satisfy both the opening property and the workability. That is, if the lower layer is thicker than the above range, the opening property and impact resistance may be insufficient, and if the lower layer is thinner than the above range, the workability and corrosion resistance may be insufficient.
The thickness of each layer is not limited to this, but the lower layer is preferably 5 to 30 μm, particularly preferably 10 to 25 μm, and the surface layer is preferably 5 to 30 μm, particularly 5 to 15 μm.
Moreover, when providing the protective layer which consists of a conventionally well-known polyester resin, a thermosetting resin coating material, or a thermoplastic resin coating material on the other surface of a metal raw material, it is preferable that the thickness exists in the range of 0.1-10 micrometers.
[0030]
(Production of resin-coated metal plate)
The resin-coated metal sheet of the present invention uses at least an extruder for the surface layer resin and an extruder for the lower layer resin, and the resin flow from each extruder is merged in the multi-layer die to form a thin film from the T-die. It can be manufactured by extruding and passing the extruded molten resin film together with a metal substrate between a pair of laminate rolls and pressing and integrating them under cooling. Further, by passing a metal substrate vertically between a pair of laminate rolls and supplying a molten resin web on both sides thereof, a polyester resin coating layer can be formed on both surfaces of the metal substrate.
[0031]
Specifically, the production of the resin-coated metal plate by the coextrusion coating method is performed as follows. If necessary, the metal plate is preheated by a heating device and supplied to the nip position between the pair of laminate rolls. On the other hand, each polyester resin is extruded in the form of a thin film through the die head of each extruder, supplied between the laminate roll and the metal plate, and pressed onto the metal plate by the laminate roll. The laminating roll is maintained at a constant temperature, and a thin film made of a thermoplastic resin such as polyester is pressure-bonded to a metal plate to thermally bond them together, and is cooled from both sides to obtain a laminate.
[0032]
The resin-coated metal plate of the present invention can also be produced by thermally bonding an unstretched polyester resin film formed in advance to a metal substrate. In this case, the polyester resin is formed into a film by a T-die method to obtain a supercooled unoriented cast film. Using this unoriented film, it is possible to produce a laminate by heat-bonding in the same manner as described above.
[0033]
In the resin-coated metal sheet of the present invention, it is particularly preferable that the crystallinity of the surface layer is 20% or more in order to have excellent openability after the lid molding, but as described above, it is 20% or more from before the lid processing. Even if it has, it has excellent workability. For this reason, it is not necessary to carry out the rapid cooling operation for preventing the progress of thermal crystallization accompanying lamination. Further, it is not necessary to perform a heat treatment or the like for proceeding crystallization after the pressing process in the lid molding, and an advantage that the productivity is excellent is also obtained.
[0034]
[Lid and its manufacturing method]
The lid of the present invention can take a conventionally known shape except that the surface on which the polyester lower layer and the surface layer of the resin-coated metal plate are formed is the inner surface side of the lid. It is preferable that it is an easy open lid of a system or a steion tab system.
[0035]
The easy open lid is formed by first stamping the resin-coated metal plate into a disk shape and forming it into a desired lid shape in a press molding process. Next, in the score marking step, the score is stamped using a score die so that the score reaches the middle of the metal material from the outer surface side of the lid. Residual thickness of metal material in the score (t2) Is the original thickness (t1) For t2/ T1X100 is 10 to 50%, t2Is preferably 20 to 150 μm. Further, it is important for the bottom width (d) of the score to be 75 μm or less, particularly 50 μm or less, in order to prevent the film layer from being damaged.
[0036]
In the rivet forming process, a rivet protruding to the outer surface is formed in the opening section defined by the score using a rivet forming die, and in the tab attaching process, the opening tab is fitted to the rivet, and the protruding part of the rivet is fed out. An easy open lid is formed by fixing the tab. In the case of an adhesive tab instead of a rivet forming process, an adhesive such as a nylon adhesive tape is applied to the opening or the tab, and the tab and the opening are thermally bonded in the tab attaching process. .
[0037]
The easy-open lid formed as described above suppresses the occurrence of feathering without performing heat treatment after score processing, but with higher openability and removal of residual strain near the score processing portion. Of course, heat treatment can be performed for the purpose of restoring the adhesion of the resin coating layer. The heat treatment temperature is preferably 180 to 280 ° C. for 15 to 60 seconds.
Finally, in the lining process, the sealing compound is lining-coated through a nozzle in the sealing groove of the lid, and dried to form a sealant layer.
In the lid of the present invention, the flange of the can body member and the sealing groove of the easy open lid are fitted, and the groove is primarily wound around the flange using a primary winding roll. Next, in the secondary winding step, this flange portion can be further wound along the can body side wall portion to form a can body.
[0038]
【Example】
The present invention is illustrated by the following examples, which are intended to be illustrative and are not limited in any way to the following examples. Measurements in the examples were performed as follows.
[0039]
[Evaluation and measurement method]
(Metal material)
The aluminum alloy A5052H18 having a plate thickness of 0.25 mm was subjected to a chromic acid / phosphoric acid surface treatment to obtain a metal material.
[0040]
(Manufacturing method of laminated metal material)
The resin material is supplied to a twin screw extruder, and the film is obtained by extruding the barrel and T-die at a temperature suitable for the resin material. The film is laminated on the aluminum alloy plate heated to 250 ° C., Immediately water-cooled to obtain a laminated metal material. At this time, the resin thickness on the inner surface of the lid was set to 30 μm. After painting on the side of the resulting single-sided laminate that would be the outer surface of the lid, it was baked at 185 ° C. for 10 minutes.
[0041]
(Cover manufacturing method)
For the EO lid, for the above laminated metal material, a lid is formed from a blank with a diameter of 90.5 mm, and score processing (residual pressure 120 μm, score width 25 μm), rivet processing and attachment of unsealing tabs are performed on this lid It was created.
As for the SOT lid, a 68.7 mm diameter lid is punched out of the above-mentioned laminated metal material, and a partial opening type score processing (width 22 mm, score residual pressure 110 μm, score width 20 μm), rivet processing is performed on the lid from the outside. In addition, an opening tab was attached and a lid was prepared.
[0042]
(Openness evaluation)
A lid made of a laminated metal material was subjected to a retort treatment at 110 ° C. for 60 minutes, immersed in water for 10 minutes, and then the lid was opened by hand under wet conditions, and the periphery of the opening was visually observed and evaluated.
○ Good: Feathering <1.0mm
× Defect: Feathering> 1.0 mm
[0043]
(Processability evaluation)
Evaluation was carried out based on the current value when a voltage of 6.30 V was applied to the entire inner surface of the lid made of the laminated metal material for 4.0 seconds.
○ Good: Average current value <0.005 mA
X Defect: Average current value> 0.005 mA
[0044]
(Molecular weight)
At the time of film formation, the surface layer and lower layer of the thick film directly under the T die were scraped to prepare a sample. The measurement was performed using a molecular weight measurement high-speed GPC apparatus HLC-8120GPC (manufactured by Tosoh Corp.) and a column configuration in which two TSK-GELSuperHM-H (manufactured by Tosoh Corp.) were connected after the card column. An ultraviolet detector UV-8020 (manufactured by Tosoh) was used as the detector, and the measurement wavelength was 254 nm. The measurement temperature condition is 40 ° C. The resin layer was isolated from the can lid, about 5 mg was dissolved in 0.3 ml of hexafluoroisopropanol (HFIP), and 4 ml of chloroform was added to prepare a sample solution. Chloroform was used as the eluent, and the flow rate was 0.6 ml / min. A calibration curve was prepared from a Tosoh molecular weight standard styrene sample, and the weight average molecular weight (Mw) was determined.
[0045]
(Measurement of crystallinity)
The surface layer of the thick film directly under the T-die at the time of film formation was scraped, subjected to a heat treatment at 185 ° C. for 10 minutes and a retort treatment at 110 ° C. for 60 minutes, and then a differential operation calorimeter (DSC) measurement was performed. The measurement was performed using a DSC7-RS manufactured by PERKIN ELMER at a rate of temperature increase of 10 ° C./min. The crystallinity was calculated from the melting peak ΔH obtained by the measurement using the following formula.
Crystallinity (%) = (ΔH (PET) − | ΔHc |) / ΔH (PET) × 100
ΔH (PET) = 122.25 J / g
[0046]
(Tensile test)
The test was conducted using UCT-5T manufactured by Orientec. A film having a resin composition equivalent to that of the surface layer was formed, and a laminated metal material using aluminum as a base material was prepared. The laminated metal material was heat treated at 185 ° C. for 10 minutes and retorted at 110 ° C. for 60 minutes, and then the metal plate was dissolved with 6N hydrochloric acid to isolate and dry the film. A sample having a length of 10 mm and a width of 5 mm was used as a sample, the test temperature was 25 ° C., and the tensile speed was 5 mm / min.
[0047]
[Examples 1 to 6]
An EO lid / SOT lid having an inner surface resin composition as shown in Table 2 was prepared, and processability and openability were evaluated, and physical properties of the film were measured. The obtained evaluation results and measurement results are shown in Table 1.
As a result, Examples 1 to 6 were applicable as lids.
[0048]
[Comparative Examples 1 to 12]
An EO lid / SOT lid having an inner surface resin composition as shown in Table 2 was prepared, and processability and openability were evaluated, and physical properties of the film were measured. Compositions 1 to 3 are single layer films, and 4 to 13 are two layer films. The obtained evaluation results and measurement results are shown in Table 1.
As a result, about Comparative Examples 1-8 and 10-13, opening property and workability were not compatible, and it was not applicable as a lid | cover. In Comparative Example 9, the film formation was poor and a laminated metal material could not be created.
[0049]
[Table 1]
Figure 0004236514
[0050]
[Table 2]
Figure 0004236514
[0051]
【The invention's effect】
According to the resin-coated metal plate of the present invention, on at least one surface of the metal material, in order from the metal material side, a lower layer formed by blending an olefin polymer with a thermoplastic polyester resin having a weight average molecular weight of 40,000 to 80,000, By forming a surface layer made of a plastic polyester resin with an elongation of 20% or less, it has excellent workability and corrosion resistance, and when it is molded into a lid, the occurrence of feathering phenomenon is suppressed and the opening is excellent. In addition, it has excellent retort resistance.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram for explaining the relationship between a resin-coated metal plate and workability.
FIG. 2 is a diagram for explaining a relationship between a resin-coated metal plate and opening properties.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing an example of a resin-coated metal plate of the present invention.
FIG. 4 is a cross-sectional view showing another example of the resin-coated metal plate of the present invention.

Claims (8)

金属素材の少なくとも一方の表面に、金属素材側から順に、重量平均分子量40000乃至80000の熱可塑性ポリエステル樹脂にオレフィン系重合体が配合されて成る下層、熱可塑性ポリエステル樹脂から成る伸度が20%以下の表層が形成されて成ることを特徴とするイージーオープン蓋用樹脂被覆金属板。On the surface of at least one of the metal materials, in order from the metal material side, a lower layer formed by blending an olefin polymer with a thermoplastic polyester resin having a weight average molecular weight of 40,000 to 80,000, and an elongation composed of the thermoplastic polyester resin is 20% or less. A resin-coated metal plate for an easy open lid , characterized in that the surface layer is formed. 前記オレフィン系重合体が熱可塑性ポリエステル樹脂中0.1乃至30重量%の量で含有されている請求項1記載のイージーオープン蓋用樹脂被覆金属板。The resin-coated metal plate for an easy-open lid according to claim 1, wherein the olefin polymer is contained in the thermoplastic polyester resin in an amount of 0.1 to 30% by weight. 前記表層を構成する熱可塑性ポリエステル樹脂の重量平均分子量が25000乃至40000の範囲にある請求項1又は2記載のイージーオープン蓋用樹脂被覆金属板。The resin-coated metal plate for an easy-open lid according to claim 1 or 2, wherein the thermoplastic polyester resin constituting the surface layer has a weight average molecular weight in the range of 25000 to 40000. 前記表層を構成する熱可塑性ポリエステル樹脂の重量平均分子量が25000乃至70000の範囲にあり、結晶化度が20%以上である請求項1又は2記載のイージーオープン蓋用樹脂被覆金属板。The resin-coated metal plate for an easy-open lid according to claim 1 or 2, wherein the thermoplastic polyester resin constituting the surface layer has a weight average molecular weight in the range of 25000 to 70000 and a crystallinity of 20% or more. 前記表層を構成する熱可塑性ポリエステル樹脂がイソフタル酸成分及び/又は多官能成分を含有する共重合ポリエステルである請求項1乃至3の何れかに記載のイージーオープン蓋用樹脂被覆金属板。The resin-coated metal plate for an easy open lid according to any one of claims 1 to 3, wherein the thermoplastic polyester resin constituting the surface layer is a copolyester containing an isophthalic acid component and / or a polyfunctional component. 前記イソフタル酸成分が全カルボン酸成分中5乃至25モル%の量で配合されている請求項5記載のイージーオープン蓋用樹脂被覆金属板。The resin-coated metal plate for an easy open lid according to claim 5, wherein the isophthalic acid component is blended in an amount of 5 to 25 mol% in the total carboxylic acid component. 前記多官能成分がカルボン酸成分又はアルコール成分中0.1乃至0.5モル%の量で配合されている請求項5又は6記載のイージーオープン蓋用樹脂被覆金属板。The resin-coated metal plate for an easy open lid according to claim 5 or 6, wherein the polyfunctional component is blended in an amount of 0.1 to 0.5 mol% in the carboxylic acid component or the alcohol component. 請求項1乃至7の何れかに記載のイージーオープン蓋用樹脂被覆金属板から成ることを特徴とするイージーオープン蓋。 Easy open end, characterized in that it consists of easy open end for a resin-coated metal sheet according to any one of claims 1 to 7.
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