JP4234285B2 - Self-propelled - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自律的に動作し、一見したところ生物に類似した動作をもすることができる小型のロボット様の自走体に関する。
【0002】
【従来の技術】
生物にある程度類似した動作、例えば周囲の状況の変化に適応した動作などをすることで人を楽しませることができ、軽量で掌に乗る程度の大きさのマイクロロボットは既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこの種の小型のロボットは歴史が浅く種類も少ない。人の慰安のためや、あるいは更に進んで軽微な作業もやらせたいという潜在的なニーズは高い筈であるが、現状ではまだそれに十分応じ得るレベルには程遠い状態である。現在はこの技術分野の更なる進歩のために、着想と製品のより一層の多様化とそれら相互の間の切磋琢磨が求められ、待たれている段階にあると考えられる。
【0004】
本発明の目的は、基本的に簡素な構造を有し、自律的でかつ生物的な興味ある動作をすることができる小型のロボットである自走体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の自走体は、ほぼ水平な回転軸を有する少なくとも1個の車輪と、該車輪を駆動するモーターと、該モーターの回転数を減速する歯車列と、前記モーターに駆動パルスを供給する発振回路を含む回路と、動力源としての太陽電池とを備え、前記モーターは2極の永久磁石ローターと固定コイルを有するステーターより成るステップモーターであり、前記発振回路は、該発振回路の前記駆動パルスを形成する周波数が、駆動周波数を無負荷時の脱調周波数より低い値に設定することによって、前記ステップモーターが自走中に遭遇する負荷トルクの変動によって、脱調を起こし得るように設定され、前記太陽電池に光が当たることによって前記ステップモーターを駆動し、前記歯車列を介して前記車輪が駆動されることを特徴とする。
【0007】
前記車輪は複数設けられ、それぞれの車輪は専用のステップモーターにより個別に駆動されるものであり、また前記ステップモーターおよび前記歯車列は時計機構に用いられるものを利用していて、前記車輪は前記時計機構の指針軸である分針軸、時針軸、またはカレンダー軸に取り付けられると共に、前記時計機構の秒針軸には飾りの回転体を取り付けたことを特徴とする。
【0008】
また、前記車輪および前記時計機構は前記自走体の左右両側に配置され、該時計機構のステップモーターのステーターは等しい駆動入力に対して、指針軸側から見て互いに逆の方向にローターを回転させるように構成されていることを特徴とするものであり、或いは前記車輪および前記時計機構は前記自走体の左右両側に配置され、該時計機構のステップモーターのステーターは等しい駆動入力に対して、指針軸側から見て互いに同じ方向にローターを回転させるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
また、前記太陽電池は透明な板状を成すものであり、更に前記太陽電池の受光面を進行方向に向かってほぼ水平に配置したことを特徴とする。また、前記自走体は時計を搭載しており、前記太陽電池は前記時計の電源を兼ねていることを特徴とする。
【0010】
また、前記太陽電池の受光面を進行方向に向かって垂直且つV字型でV字の外側を向くように配置し、右側の前記太陽電池は左側の前記時計機構を駆動し、左側の前記太陽電池は右側の前記時計機構を駆動するよう構成したことを特徴とするものであり、或いは前記太陽電池の受光面を進行方向に向かって垂直且つV字型でV字の内側を向くように配置し、右側の前記太陽電池は右側の前記時計機構を駆動し、左側の前記太陽電池は左側の前記時計機構を駆動するよう構成したことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施の形態の斜視図である。
1は自走体のフレームであり、軽量化と内部構造の簡潔さを見せるために例えば透明アクリル樹脂等で略「コ」字型に成形されている。2は運動のエネルギー源である円板状の太陽電池で、腕時計の文字板に装備されているものが利用される。上方からの照射光を利用すべくフレーム1の上面に上向きに取付けてある。3は時計機構(ムーブメント)であり、フレーム1の左右側面に各1個取付けられている。時計機構3からは本来時計を駆動するための水晶振動子、回路(発振・分周・駆動用)、ボタン型電池は取り除いてあり、ステップモーター、指針軸までの減速歯車列(輪列)、それらの土台および軸受となる地板と受(エボーシュ)のみが利用される。
【0012】
4は車輪で、時計機構3の分針軸に嵌装されている。ステップモーターのローター軸(時計では通常1秒毎に半回転する)の速度は分針軸では1/30に減速されており、車輪4を駆動するのに十分なトルクを発生できる。(駆動周波数にもよるが、車輪軸を時針軸としたり、あるいはカレンダー表示体の軸としてもよい。)通常の分針速度では遅すぎるので、本例ではステップモーターの回転速度を約400倍としている。
【0013】
左右の時計機構は、その指針面を外向きにしてフレーム1に取り付けられており、各ステップモーターの一方は正転、他方は逆転の性質を与えられている結果、自走体は基本的に直進する。(もしステップモーターの回転方向まで揃っている時計機構を用いる場合は、左右の双方の時計機構3の指針面の向きを同じ方向に、即ち一方を内向きに、他方を外向きにすればよい。あるいは時計用のステップモーターは特定の駆動波形を与えれば逆転させることもできるので−−速度やトルクの制約もあるが−−、左右双方の時計機構の指針面を共に外向きとし、一方を正転用の波形で駆動し、他方を逆転用の波形で駆動してもよい。)
【0014】
5は飾り回転体で、秒針軸に取り付けられており外径は車輪4より小さく、自走体の走行を妨げずに高速回転して視覚効果を挙げる。本例では車輪4として腕時計の文字板(時計機構3の外径より大きいもの)を、飾り回転体5としては腕時計の秒針(短いもの)をそのまま用いている。
【0015】
6は回路で、太陽電池2の光起電力を用いてステップモーターに通常運針時の400倍である約200Hzの周波数の駆動電圧パルスを供給する。11は橇部材で、本例では2輪である自走体の車軸回りの姿勢を安定させるためにフレーム1の前後に設け、最下端部に滑らかな凸面を持ち、そのいずれか一方が床と接触して滑る。Gは自走体の正常な進行方向を示している。
【0016】
図2(a)は上述の第1の実施の形態の回路6が実現する電気系統の一例の回路図、(b)はこの実施の形態の変形例に使用される電気系統の一例の回路図である。(a)において2個のインバーター61は抵抗R、容量Cと共にCR発振回路を構成し、約200Hzの周波数信号を発生する。この信号を受ける4個のインバーター63は2個づつが左右(LおよびR)の時計機構3内のステップモーターの駆動コイル31Rおよび31Lの両端に接続されている。そのうち2個のインバーターの入力はインバーター62により反転されている。なお本例の構成は正転用の駆動波形を生成する。
【0017】
この構成により各駆動コイル31R、31Lには発振波形に同期して半周期ごとに方向を反転する駆動電流が流れ、各ローターを所定の方向に駆動する。太陽電池2は出力が適当な電圧になるように単位素子が直並列に接続され、平滑容量21で電圧変動を緩衝された光起電力を各インバーターの電源として供給する。
【0018】
図2(b)は発振、駆動回路の細部を省略したブロック図である。これは2系統の回路から成る。即ち回路6は6R、6Lの2組から成る。ブロック回路6R、6Lはそれぞれ太陽電池、発振回路、および2対のインバータより成る駆動回路を含み、太陽電池は自走体の左右に2群に分けて設けられ、左側回路6Lの太陽電池は右側の時計機構のステップモーターの駆動コイル31Rを、右側回路6Rの太陽電池は左側の時計機構のステップモーターの駆動コイル31Lを駆動するようになっている。その他の機械的構成は図1の第1の実施の形態とほぼ同様である。
【0019】
その結果、例えば右側の太陽電池の照度が不足すると左側の車輪が止まるか遅くなり、あるいはその逆になる。そこでエネルギー源となる照明光が帯状に伸びていて自走体がその光の帯に沿って動く場合、自走体が光の帯の片側に寄ると反対側の車輪が停止または遅くなって自走体の進路は光の帯の中心に向かって戻るように曲がる。こうして自走体は蛇行しながらも光の帯を外れずに進むことができる。透光性の床面の下に光源を置き、適当な遮光マスクを施せば、床面に輝く任意の曲線状の光の帯を現出する。太陽電池(左右に2分割したもの)をフレームに受光面を下向きに取り付けた自走体にこれを辿らせれば効果的なデモンストレーションができる。
【0020】
図3は平板状ステーターを持つステップモーターの模式的平面図であり、(a)、(b)は分離型のステーターを持つもの、(c)、(d)は一体型のステーターを持つもので、いずれも時計用として用いられるタイプのものである。(a)と(b)はステーター33がローター32を囲む半円筒面の段差部34の段差づけの方向の違いによって、(c)と(d)ではステーター33がローター32を囲む円筒面の部分に設けた切欠き35を設ける方向の違いによって、駆動コイル31に電流を流して同じ方向に励磁しても、ローター32は互いに逆の方向に回転する。従って左右の時計機構3内でステーター33のみを交換すれば車輪4の回転方向を変えることができる。なおステーターを変えて指針を逆転させた時計も実際に製品化されているから、ステーター部品の調達には何ら問題はない。
【0021】
なお自走体の左右の時計機構の本来の指針面を外向きにし、等しい構造のステップモーターを故意に同方向に駆動すれば、両サイドの車輪は逆転し、自走体をほとんどその場で旋回させることもできる。また別の動きを与える構成について述べる。図3(e)はローターの周囲の円筒面の切れ目をなくしてステーターとの間隔を均一化したことによって、ローターの回転(間欠的な毎回の始動)の方向が故意に不確定となるようなステーター形状を与えたステップモーターを示す。このようなステップモーターは時計には通常用いられないが、本発明においては例えば自走体がどのように動くかを予測できなくする面白さを与えた変形例を実現することができる。
【0022】
次にこの自走体の運動について述べる。まず太陽電池を動力源としているため、明るくなると活動し、暗くなると休眠する、生物的動作をするように見える。また光の帯を辿りながら動くことができる。また、ステップモーターのローターは間欠的に動作するため回転時に振動を伴うので、駆動周波数を高くするとローターが駆動入力に追従できなくなり、いわゆる脱調現象を起こし、運動が乱れ逆転したり、方向が定まらなかったり突然あるいは周期的に変化したりする。
【0023】
脱調の起こる周波数はモーター軸の負荷トルクが増えると低下する傾向があるので駆動周波数を無負荷時の脱調周波数より少し低い値に設定しておくと、移動体が障害物に当たって車輪の抵抗が増えた場合、脱調が起こってローターが乱調あるいは逆転し、自走体はためらったり方向転換をしたり(左右のモーターで脱調周波数に差がある場合)自動的に後退したりする。また光強度等によって発振周波数が変化する回路構成を更に与えておけば、光の強弱や色などにより運動速度などが変化する。
【0024】
このように特に複雑な制御装置を持たせなくても生物的に見える動作をすることができる。また通常状態で既に脱調現象を起こす周波数帯で駆動すれば、自走体に例えば気まぐれに見える動作を与えることもできる。また駆動周波数を変化させれば自走体の動きの規則性の程度を切り換えることもできる。
【0025】
図4は本発明の第2の実施の形態の斜視図である。本例では太陽電池2に透明なものを用いる。それは例えばガラス基板にアモルファス・シリコンの薄膜によるPN接合を形成し、透明導電膜(ITO)による電極を付したものである。太陽電池2が透明なため上から、下からの両方向の光をエネルギーに利用することができる。また電源を何も持たないように見えるため、観察者に不思議さを与え興味を喚起することができる。
【0026】
図5は本発明の第3の実施の形態の斜視図である。本例では車輪を1個とし、橇部材11を2個とした一輪車状の具体例である。
【0027】
図6は本発明の他の実施の形態の平面図で、(a)、(b)、(c)はそれぞれ第4、第5、第6の実施の形態を示す。いずれも自走体は前方(進行方向は矢印G)から照射される光(矢印Bは光の方向)に向かって動く。(a)はフレーム1上の左右に太陽電池2R、2LをG方向に凸なV字型になるよう垂直に屏風状に立ててあり、受光面はV字の外側を向く。右側の太陽電池2Rは左側の時計機構3Lを駆動し、左側の太陽電池2Lは右側の時計機構3Rを駆動する。自走体の方向がGより例えば右に逸れると太陽電池2Rは光方向Bに平行に近くなって起電力が減り、太陽電池2Lは光方向Bに垂直に近くなって起電力が増し、結局右車輪の回転力が増えて自走体は左に方向を復元する。
【0028】
図6(b)ではフレーム1上の左右に太陽電池2R、2LをG方向に凹なV字型になるよう屏風状に垂直に立ててあり、受光面はV字の内側を向く。太陽電池2Rは時計機構3Rを駆動し、太陽電池2Lは時計機構3Lを駆動する。自走体の方向がGより例えば右に逸れると太陽電池2Lは光方向Bに平行に近くなって起電力が減り、太陽電池2Rは光方向Bに垂直に近くなって起電力が増し、やはり右車輪の回転力が増えて自走体は左に方向を復元する。
【0029】
図6(c)は自走体に方向検出用のセンサー7R、7Lを有する。B方向からの光は進路のガイド用で、エネルギー用の光は上方から照射される。左右のセンサー7R、7Lはその受光強度に応じて一方の側の車輪4の駆動トルクや回転速度を変化させる制御回路(図示せず)が搭載されている。8は垂直な遮光板で、自走体の進行方向がG(光方向Bと一致とする)から例えば右に逸れると遮光板8が斜めになりセンサー7Rをガイド光から隠す。すると制御回路が働いて、各センサーの受光強度を等しくするよう進路を戻す。なおセンサーと制御回路を用いれば、自走体の応用例は極度に広がる。
【0030】
以上数例の実施の形態について述べたがそれ以外の本発明の自走体の他の実施の形態や変形例、応用例、制御例等のいくつか(もちろんこれらだけが全てではない)について以下に言及しておく。
(1)外装形状、意匠等を工夫し、例えば動植物や昆虫的な外観を与える。
(2)自走体が備える車輪や駆動機構の個数と配置は任意である。
(3)車輪を偏心させたり、複数の車輪の直径を異ならせたり、軸を互いにずらしたり交差または捩じれた位置関係に置くことにより動きをより複雑化したり安定度を変えたりすることができる。
(4)車輪を隠したり、リンク機構等で足を動かし走行させる。
【0031】
(5)他の形式の駆動手段、例えば複数のコイルに多相の駆動入力を与える形式のステップモーターや超音波モーター、間欠駆動機構、その他を用いる。
(6)発振回路は既述の構成に限定されない。モーターの駆動速度を制御する信号を発生する回路であれば、狭い意味の発振作用を行うものでなくてもよい。
(7)モーターの駆動状況を周囲状況や外部からの信号に応じて変化させる。
(8)左右のモーターの駆動周波数を変えることにより方向転換をさせる。
(9)駆動波形や電流等をランダムに変化させ、意表をついた動作をさせる。
【0032】
(10)自走体に時計を搭載し、太陽電池でその時計をも駆動する。例えば、文字板が太陽電池である光エネルギー利用の腕時計を上部に取り付け、その太陽電池の出力を用いて自走体を駆動する(腕時計自体の消費電力は小さいので自走体を駆動する光発電の余力はある。この構成により「走る時計」が実現する。)
(11)複数の自走体を紐などで連結し、より複雑な動作をさせる。
(12)複数の自走体が相互に通信し合い、互いの運動に影響を及ぼす構成とする。
(13)走行用とは別のモーターを搭載し、何らかの軽作業をさせる。
【0033】
(14)音(超音波を含む)や光(赤外線等を含む)や電波のセンサーと制御回路を搭載させ、自走体の運動状態をリモートコントロールで制御する(例えば速度や方向、駆動のオン・オフあるいはその他の任意の作業動作等)。
(15)上記の音や光等のリモコン制御信号の波形をモーターの制御・駆動信号波形と近似させることでより複雑な運動をさせる。
(16)上記の音や光や電波等の外部信号を受ける複数のセンサーを例えば自走体の左右に配し、信号を受信するに際しステレオ的効果を持たせる。即ち複数のセンサーの受信信号の一方あるいは和も制御用信号とするが、受信信号の僅かな差を検出した信号も、制御用信号として参加させる。これによって自走体の運動制御をより多彩にすることができる。
【0034】
(17)腕時計技術では、負荷補償等と称して、駆動パルスを与えた後のローターの運動をコイルに生起する逆起電圧によって検出し、駆動ミスがあれば再度高いレベルのエネルギーを与えて再駆動する技術がある。これは自走体の走行を安定させるために応用することができるが、一方では逆起電圧波形が複雑であることを利用すれば、フィードバックのやり方によってはやはり多彩な駆動制御を行わせることができる。
【0035】
(18)変化する音と光の中で動かすことにより踊っているように見せる。
(19)円形や楕円形、多角形等の軌道を所定の正確な速度で走らせ、自走体自身を指針とする時計を実現させる。
(20)補助電源、例えば充電可能な電源を併用する。充電量は大小任意である。これにより自走体のソフトスタート、エネルギー補給のない場所(例えばトンネル内)での動作の保証、発音や発声等の能動的な動作、その他の動作が可能になる。
(21)以上を総合して、自走体の大きさや形も、させたい動作や運動速度も任意に設定し得る。
【0036】
【発明の効果】
以下に本発明が発揮できる諸効果を、構成に対応させて記す。
電源を太陽電池としこの太陽電池に光が当たることによってステップモーターを駆動し、歯車列を介して車輪を駆動する本発明の基本構成により、簡単かつ小型の構造を有し、且つ自走体が光と共に活動し、あるいは光を求めて行動するなどにより生物にある程度類似した特性を付与することができ、また光の中で動作するのでいっそう優れた視覚効果を呈することができると共に、半永久的な動作の可能性のある自走体が実現できること、又、2極のステップモーターと減速歯車列を用いて車輪を駆動する構成により、小慣性、高トルクの駆動機構が実現できる効果がある。
【0037】
負荷トルクの変動や光の強度の変動によって脱調あるいは速度の変化を起こし得る周波数の範囲内に設定したので、脱調現象を起こすか起こし易い周波数でステップモーターを駆動するため、自走体の動作を複雑にしたり、光の強度の変動や負荷トルクの変動により動きを変化させたりすることができる効果がある。また、複数の車輪を独立に駆動する構成により、自走体の姿勢が安定し、複雑な運動も可能となる。
【0038】
時計機構のステップモーターと歯車列を流用する構成により、自走体の設計・製造を極めて容易にすることができると共に、分針軸、時針軸、あるいはカレンダー軸に車輪を取り付け、秒針軸に飾りの回転体を取り付ける構成により、車輪は減速比が大で十分なトルクが得られ、飾り回転体は高速で回転して優れた視覚効果を提供することができる。
【0039】
左右両側に配置した時計機構のステーターのみを相互に変えてローターの回転方向を逆にする構成により、ステーター以外の時計機構の構造は実質的に同じものを用いることができ、設計・製造のいっそうの簡素化が可能になる。或いは、左右両側に配置した時計機構のステップモーターのローターの回転方向を同じにする構成により、自走体は回転または小さな半径で旋回運動することができる。また左右同様な構造の時計機構を用いることもでき、設計・製造のいっそうの簡素化が可能になる。
【0040】
透明板状の太陽電池を用いる構成により、板面のいずれの方向から来る光も運動エネルギーとして利用することができる。またこの自走体は一見して電源を持っていないように見せることができるにもかかわらず動くことで観察者に強い感銘を与えることができる。更に、受光面を進行方向に向かってほぼ水平に配置した構成により、太陽電池を自走体の上面に配すれば通常証明のような上面からの光で運動し、下向きに配すれば自走体が走行する床からの発光を受けて運動することができる。また、自走体に太陽電池付き時計を搭載し、その電源を自走体と共用する構成により、「走る時計」が実現し、より観察者の興味を喚起することができる。
【0041】
太陽電池を垂直でV字が外側を向くように配置し、右側の太陽電池で左側の時計機構を、左側の太陽電池で右側の時計機構を駆動するよう構成したこと、またはV字が内側を向くように配置し、右側の太陽電池で右側の時計機構を駆動し、左側の太陽電池で左側の時計機構を駆動するよう構成したことにより、起電力の増減で自走体の方向を復元することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の斜視図である。
【図2】本発明の回路図の例であり(a)は第1の実施の形態に使用するもの、(b)はその変形例に使用するものである。
【図3】本発明に使用されるステップモーターのいくつかの例の平面図であり、(a)および(b)は第1の例でローターの回転方向が互いに逆のもの、(c)および(d)は第2の例でローターの回転方向が互いに逆のもの、(e)は第3の例でローターの回転方向が確定されないものを示す。
【図4】本発明の第2の実施の形態の斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の斜視図である。
【図6】本発明のその他の実施の形態の各平面図であり、(a)は第4の、(b)は第5の、(c)は第6の実施の形態を示す。
【符号の説明】
1 フレーム
11 橇部材
2、2R、2L 太陽電池
21 平滑容量
3、3R、3L 時計機構
31、31R、31L 駆動コイル
32 ローター
33 ステーター
34 段差部
35 切欠き
4 車輪
5 飾り回転体
6、6R、6L 回路
7R、7L 赤外線センサー
8 遮光板
B 光方向
G 進行方向[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a small robot-like self-propelled body that operates autonomously and can also perform an operation similar to a living thing at first glance.
[0002]
[Prior art]
There are already known microrobots that can entertain humans by performing actions that are somewhat similar to living things, such as actions that adapt to changes in the surrounding environment, and that are lightweight and large enough to fit on a palm.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, this type of small robot has a short history and few types. Although there is a strong need for people's comfort or to go further and do minor work, it is still far from the level that can be adequately met. Currently, in order to make further progress in this technical field, further diversification of ideas and products, as well as the best efforts between them, are expected and are in a waiting stage.
[0004]
An object of the present invention is to provide a self-propelled body that is a small robot having a basically simple structure and capable of autonomous and biologically interesting movements.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
To achieve the above object, the self-propelled body of the present invention includes at least one wheel having a substantially horizontal rotation axis, a motor for driving the wheel, a gear train for reducing the rotational speed of the motor, and the motor. Including a circuit including an oscillation circuit for supplying a drive pulse to the solar cell as a power source, and the motor is a step motor including a stator having a two-pole permanent magnet rotor and a fixed coil , The frequency at which the drive pulse of the oscillation circuit forms is set to a value lower than the step-out frequency when no load is applied. the set so as cause, the step motor is driven by the light hits the solar cell, the wheel is driven via the gear train It is characterized in.
[0007]
A plurality of the wheels are provided, each wheel is individually driven by a dedicated step motor, and the step motor and the gear train are used for a clock mechanism, and the wheels are It is attached to a minute hand shaft, hour hand shaft or calendar shaft which is a pointer shaft of the timepiece mechanism, and a decorative rotating body is attached to the second hand shaft of the timepiece mechanism .
[0008]
The wheels and the timepiece mechanism are arranged on both the left and right sides of the self-propelled body, and the stator of the stepping motor of the timepiece mechanism rotates the rotor in opposite directions as viewed from the pointer shaft side with respect to the same drive input. The wheel and the timepiece mechanism are arranged on both the left and right sides of the self-propelled body, and the stator of the stepping motor of the timepiece mechanism is equal to the same drive input. The rotors are configured to rotate in the same direction as viewed from the pointer shaft side .
[0009]
The solar cell has a transparent plate shape, and the light receiving surface of the solar cell is arranged substantially horizontally in the traveling direction. The self-propelled body is equipped with a timepiece, and the solar cell also serves as a power source for the timepiece .
[0010]
Further, the light receiving surface of the solar cell is arranged so as to be vertical and V-shaped in the traveling direction and face the outside of the V-shape, the right solar cell drives the left clock mechanism, and the left solar cell The battery is characterized in that it is configured to drive the timepiece mechanism on the right side, or arranged so that the light receiving surface of the solar cell is perpendicular to the traveling direction and V-shaped and faces the inside of the V-shape. The right solar cell drives the right timepiece mechanism, and the left solar cell drives the left timepiece mechanism .
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 is a perspective view of a first embodiment of the present invention.
Reference numeral 1 denotes a frame of a self-propelled body, which is formed into a substantially “U” shape with, for example, a transparent acrylic resin in order to reduce the weight and the simplicity of the internal structure.
[0012]
[0013]
The left and right clock mechanisms are attached to the frame 1 with their pointer faces outward, and one of the stepping motors is given the property of normal rotation and the other is reverse rotation. Go straight. (If a timepiece mechanism that is aligned with the rotation direction of the step motor is used, the directions of the pointer surfaces of both the left and
[0014]
Reference numeral 5 denotes a decorative rotating body, which is attached to the second hand shaft and has an outer diameter smaller than that of the
[0015]
[0016]
FIG. 2A is a circuit diagram of an example of an electric system realized by the
[0017]
With this configuration, a drive current that reverses the direction every half cycle in synchronization with the oscillation waveform flows through each drive coil 31R, 31L, and drives each rotor in a predetermined direction. In the
[0018]
FIG. 2B is a block diagram in which details of the oscillation and drive circuits are omitted. This consists of two circuits. That is, the
[0019]
As a result, for example, if the illuminance of the right solar cell is insufficient, the left wheel stops or slows, or vice versa. Therefore, when the illumination light as an energy source extends in a band shape and the self-propelled body moves along the band of light, if the self-propelled body moves to one side of the light band, the wheel on the opposite side stops or slows down. The course of the runner turns to return toward the center of the light belt. In this way, the self-propelled body can move without meandering the light band while meandering. If a light source is placed under a translucent floor surface and an appropriate shading mask is applied, an arbitrary curved light band appears on the floor surface. An effective demonstration can be achieved by following a self-propelled body in which a solar cell (divided into left and right parts) is attached to a frame with the light receiving surface facing downward.
[0020]
FIG. 3 is a schematic plan view of a step motor having a flat stator, where (a) and (b) have a separated stator, and (c) and (d) have an integral stator. Both are of the type used for watches. (A) and (b) are portions of the cylindrical surface in which the
[0021]
If the original pointer face of the left and right clock mechanism of the self-propelled body is turned outward and the step motor with the same structure is intentionally driven in the same direction, the wheels on both sides will reverse, and the self-propelled body will be moved almost on the spot. It can also be turned. A configuration that gives another motion will be described. FIG. 3 (e) shows that the direction of rotation (intermittent every start) of the rotor is deliberately uncertain by eliminating the cuts in the cylindrical surface around the rotor and making the distance from the stator uniform. The step motor is given a stator shape. Such a step motor is not usually used in a timepiece, but in the present invention, for example, a modified example can be realized that provides an interesting feature that makes it impossible to predict how the self-propelled body moves.
[0022]
Next, the movement of this self-propelled body will be described. First of all, it uses a solar cell as a power source, so it appears to be a biological movement that becomes active when it gets bright and sleeps when it gets dark. You can also move while following the band of light. Also, since the rotor of the step motor operates intermittently and vibrates during rotation, if the drive frequency is increased, the rotor will not be able to follow the drive input, causing a so-called step-out phenomenon, the movement is disturbed and reversed, and the direction is It is not fixed or changes suddenly or periodically.
[0023]
The frequency at which step-out occurs tends to decrease as the load torque of the motor shaft increases, so if the drive frequency is set to a value slightly lower than the step-out frequency at no load, the moving object will hit the obstacle and the wheel resistance will decrease. When the value increases, the step-out occurs and the rotor is distorted or reversed, and the self-propelled body hesitates or changes direction (if there is a difference in the step-out frequency between the left and right motors), it automatically moves backward. Further, if a circuit configuration in which the oscillation frequency changes depending on the light intensity or the like is given, the motion speed or the like changes depending on the intensity or color of the light.
[0024]
In this way, a biologically visible operation can be performed without a particularly complicated control device. In addition, if it is driven in a frequency band that already causes a step-out phenomenon in a normal state, it is possible to give the self-propelled body an action that looks like a whim. Also, the degree of regularity of the movement of the self-propelled body can be switched by changing the driving frequency.
[0025]
FIG. 4 is a perspective view of the second embodiment of the present invention. In this example, a transparent
[0026]
FIG. 5 is a perspective view of the third embodiment of the present invention. In this example, it is a specific example of a unicycle with one wheel and two
[0027]
FIG. 6 is a plan view of another embodiment of the present invention. (A), (b), and (c) show the fourth, fifth, and sixth embodiments, respectively. In either case, the self-propelled body moves toward the light (arrow B is the direction of light) emitted from the front (the direction of travel is arrow G). (A) Stands the
[0028]
In FIG. 6B, the
[0029]
FIG. 6C has sensors 7R and 7L for direction detection on the self-propelled body. The light from the B direction is for guiding the course, and the energy light is irradiated from above. The left and right sensors 7R and 7L are equipped with a control circuit (not shown) that changes the driving torque and rotational speed of the
[0030]
Although several embodiments have been described above, some of the other embodiments, modifications, application examples, control examples, etc. of other self-propelled bodies of the present invention (of course, these are not all) will be described below. To mention.
(1) The exterior shape, design, etc. are devised to give, for example, an animal or plant or insect appearance.
(2) The number and arrangement of wheels and drive mechanisms provided in the self-propelled body are arbitrary.
(3) The movement can be made more complicated or the stability can be changed by decentering the wheels, making the diameters of the plurality of wheels different, or shifting the axes from each other or placing them in a crossed or twisted positional relationship.
(4) Conceal the wheel or move the foot with a link mechanism to run.
[0031]
(5) Other types of drive means, for example, step motors, ultrasonic motors, intermittent drive mechanisms, etc., that provide multi-phase drive inputs to a plurality of coils are used.
(6) The oscillation circuit is not limited to the configuration described above. As long as the circuit generates a signal for controlling the driving speed of the motor, the circuit does not have to perform a narrow meaning of oscillation.
(7) The motor drive status is changed in accordance with ambient conditions and external signals.
(8) The direction is changed by changing the drive frequency of the left and right motors.
(9) The drive waveform, current, and the like are randomly changed to perform an intentional operation.
[0032]
(10) A watch is mounted on the self-propelled body, and the watch is also driven by a solar cell. For example, a wristwatch using light energy whose dial is a solar cell is mounted on the top, and the self-propelled body is driven using the output of the solar cell (photoelectric power generation that drives the self-propelled body because the power consumption of the wristwatch itself is small) (With this configuration, a “running clock” is realized.)
(11) A plurality of self-propelled bodies are connected with a string or the like to perform a more complicated operation.
(12) A plurality of self-propelled bodies communicate with each other and affect each other's movement.
(13) A motor different from the one for traveling is mounted and some kind of light work is performed.
[0033]
(14) Sound (including ultrasonic waves), light (including infrared rays, etc.) and radio wave sensors and control circuits are installed, and the movement state of the self-propelled body is controlled by remote control (eg speed, direction, drive on)・ Off or any other work operation etc.).
(15) A more complicated motion is made by approximating the waveform of the remote control signal such as sound and light to the control / drive signal waveform of the motor.
(16) A plurality of sensors that receive external signals such as sound, light, and radio waves are arranged on the left and right sides of the self-propelled body, for example, so as to have a stereo effect when receiving signals. That is, one or the sum of the received signals of a plurality of sensors is used as a control signal, but a signal in which a slight difference between the received signals is detected is also included as a control signal. As a result, the motion control of the self-propelled body can be made more diverse.
[0034]
(17) In watch technology, called load compensation, the movement of the rotor after applying a drive pulse is detected by a counter electromotive voltage generated in the coil, and if there is a drive error, a high level of energy is applied again. There is a driving technology. This can be applied to stabilize the running of the self-propelled body, but on the other hand, if the back electromotive voltage waveform is complicated, various drive controls can be performed depending on the feedback method. it can.
[0035]
(18) Make them appear to dance by moving in the changing sound and light.
(19) A trajectory having a circular shape, an elliptical shape, a polygonal shape, or the like is run at a predetermined accurate speed to realize a timepiece having the self-propelled body itself as a pointer.
(20) An auxiliary power source, for example, a rechargeable power source is used in combination. The amount of charge is arbitrary. As a result, the soft start of the self-propelled body, the guarantee of the operation in a place where there is no energy supply (for example, in the tunnel), the active operation such as sound generation and utterance, and other operations become possible.
(21) By combining the above, it is possible to arbitrarily set the size and shape of the self-propelled body as well as the desired motion and motion speed.
[0036]
【The invention's effect】
The various effects that the present invention can exhibit will be described below in correspondence with the configurations .
With the basic configuration of the present invention in which the power source is a solar cell, the step motor is driven by light hitting the solar cell, and the wheels are driven through a gear train, the structure has a simple and small structure, and the self-propelled body is Acting with light or acting in search of light, it can impart some characteristics similar to living organisms, and it can operate in the light so that it has a better visual effect and is semi-permanent. the self-propelled body with a possibility of operation can be realized, also the configuration for driving the wheels using a stepper motor and reduction gear train of the two poles, there is a small inertia, the effect of the drive mechanism can be realized a high torque.
[0037]
Having set within a range of frequencies that may cause a change in the step-out or velocity by variations in the intensity fluctuations and light load torque, for driving the step motor in an easy frequency cause or causes loss of synchronism phenomenon, self-propelled body There is an effect that the operation can be complicated, and the movement can be changed by the fluctuation of the light intensity or the fluctuation of the load torque . In addition, the configuration in which the plurality of wheels are driven independently stabilizes the posture of the self-propelled body and enables complex movement.
[0038]
The structure that uses the stepping motor and gear train of the clock mechanism makes it extremely easy to design and manufacture a self-propelled body, and attaches wheels to the minute hand shaft, hour hand shaft, or calendar shaft, and decorates the second hand shaft. With the configuration in which the rotating body is attached, the wheel has a large reduction ratio and sufficient torque can be obtained, and the decorative rotating body can rotate at a high speed to provide an excellent visual effect.
[0039]
Only the stator of the clock mechanism arranged on the left and right sides is changed to mutually reverse the rotation direction of the rotor, so that the structure of the clock mechanism other than the stator can be substantially the same, and the design and manufacture are further it is possible simplification of. Alternatively, the self-propelled body can rotate or swivel with a small radius by the configuration in which the rotation directions of the stepping motors of the clock mechanism arranged on the left and right sides are the same. In addition, a clock mechanism having a structure similar to that on the left and right can be used, and design and manufacturing can be further simplified.
[0040]
With the configuration using the transparent plate-like solar cell, light coming from any direction of the plate surface can be used as kinetic energy. Also this self-propelled body can give a strong impression on the viewer by moving regardless of Runimo can look like do not have the power at a glance. Furthermore, with a configuration in which the light receiving surface is arranged almost horizontally in the direction of travel, if the solar cell is placed on the upper surface of the self-propelled body, it moves with the light from the upper surface as in normal proof, and if it is placed downward, it is free-running. Can exercise by receiving light from the floor on which the body travels. In addition, by mounting a watch with a solar cell on the self-propelled body and sharing its power source with the self-propelled body, a “running clock” can be realized, and the viewer's interest can be further aroused .
[0041]
The solar cell is vertically arranged with the V shape facing outward, and the right time solar cell is configured to drive the left timepiece mechanism, and the left side solar cell is configured to drive the right timepiece mechanism. The right solar cell is driven by the right solar cell and the left solar cell is driven by the left solar cell so that the direction of the self-propelled body is restored by increasing or decreasing the electromotive force. I can do it.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view of a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an example of a circuit diagram of the present invention, wherein (a) is used for the first embodiment, and (b) is used for a modification thereof.
FIGS. 3A and 3B are plan views of some examples of a step motor used in the present invention, in which FIGS. 3A and 3B are first examples in which rotation directions of rotors are opposite to each other, FIGS. (D) is a second example in which the rotor rotation directions are opposite to each other, and (e) is a third example in which the rotor rotation direction is not determined.
FIG. 4 is a perspective view of a second embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a perspective view of a third embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a plan view of another embodiment of the present invention, in which (a) shows the fourth embodiment, (b) shows the fifth embodiment, and (c) shows the sixth embodiment.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1
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