JP4231213B2 - Coke production method - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃プラスチックをコークス炉装入原料に配合してコークスを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック産業廃棄物、プラスチック一般廃棄物として大量に排出される廃プラスチックの処理に関しては、従来は大部分が埋め立てで、一部が燃焼処理されている。廃プラスチックは、一般に埋め立てにおいては土中の細菌やバクテリアで分解されず、焼却する場合は発熱量が大きく焼却炉に悪影響を及ぼすとともに、塩素を含む廃プラスチックの場合は排ガス中の塩素の処理が問題となっている。埋め立て処分場が将来不足することが予想されること環境問題の高まりから、このような廃プラスチックのリサイクルの促進が望まれている。リサイクルの方法としては、プラスチックの再利用のほか、燃焼時の熱の利用や熱分解で得られるガスや油を燃料や化学原料として利用する方法が考えられる。
廃プラスチックをコークス炉に添加して処理する方法として、例えば特開昭48−34901号公報、特開平8―157834号公報ではコークス製造用装入炭に廃プラスチックを配合してコークスを製造する方法が開示されている。これらの方法は、コークス乾留時の高温によって廃プラスチックの大部分を熱分解し、水素、メタン、エタン、プロパン等の高カロリー還元分解ガスとして、コークス炉ガスとして回収する方式のものである。
【0003】
【課題が解決しようとする課題】
ところで、上記従来技術課題のうちの特開昭48−34901号公報記載のように、多量のプラスチックを石炭中に均一混合して使用する方法では、コークス強度の低下を引き起こすので、実際には特開平8−157834号公報のように廃プラスチックの添加量を1質量%以下とする必要があるとされている。また上記コークス強度の低下防止を図るためには粘結性の高い粘結炭の配合割合を増加させることが必要であった。しかし、粘結炭は非微粘結炭に比べて資源賦存量が少なく、かつ高価である。そこで、資源賦存量が多く価格の安い非微粘結炭を有効に利用するために、粘結炭の配合割合を増加させることなしにより多くの廃プラスチックを使用する方法の開発が望まれていた。
【0004】
本発明は、高炉用コークス原料炭に添加する廃プラスチックの粒度を所定以下に制御して乾留することにより、廃プラスチック添加により、強度の高い高炉用コークスを製造する方法を提案するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下の構成を有するものである。
(1)コークス炉装入原料として配合炭と廃プラスチックを用いる方法であって、その廃プラスチックの種類および添加率に応じて(1)式により求まる粒度上限値を求め、該粒度上限値以下の粒度に前記廃プラスチックを粉砕し、該廃プラスチックを前記配合炭と均一に混合してコークスを製造することを特徴とする高炉用コークスの製造方法
粒度上限値(mm)=・軟化溶融層厚み …(1)
:廃プラスチックの種類および添加率により変わる定数であり、該廃プラスチックの添加率が0.3〜3質量%で、該廃プラスチックが酸素を含まない脂肪族系の廃プラスチックである場合には、k=0.3〜0.7であり、該廃プラスチックの添加率が0.3〜3質量%で、該廃プラスチックが芳香族系又は酸素を含む廃プラスチックである場合には、k=0.075〜0.175である。
軟化溶融層の厚み(mm):コークス炉における炉幅方向の軟化溶融層の厚み分布を伝熱モデルにより計算し、この算出された厚み分布のうち、炉幅方向片側において壁側10%、中央側10%を除いた部分に形成される軟化溶融層の厚みの平均値である。
(2)前記伝熱モデルによる計算によって、前記軟化溶融層の厚みを、石炭装入嵩密度、コークス炉の炉温、および、石炭の軟化溶融温度範囲のそれぞれの一次関数を用いて下記(2)式により数式化したことを特徴とする請求項1に記載の高炉用コークスの製造方法
軟化溶融層の厚み(mm)=[a・BD+b・T+c]×(ΔT+25)/100 …(2)
ΔT(℃):コークス炉装入様配合炭の軟化溶融温度範囲=JIS M8801に規定されたギーセラープラストメーター法による流動性試験において測定される軟化開始温度と固化温度の温度差
BD(t/m3 ):石炭の装入嵩密度(乾燥石炭ベース)
T(℃):コークス炉の炉温
a,b,c:a=4.5〜5.3、b=−0.0076〜−0.0088、c=8.9〜10.4
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、その具体的な内容について説明する。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために、廃プラスチックの粒度を所定値以下に調整することにより、強度の高い高炉用コークスを製造する方法を提するものであり、廃プラスチックの使用態様としては、コークス炉に装入する石炭の全部、あるいは一部に廃プラスチックを均一混合して、コークスを製造する方法である。本発明において用いる廃プラスチックは、塊状の廃プラスチックを粉砕等して所定粒度に調整したものを用いることができる他、一般に熱可塑性を有するフィルム,発泡体,粉状体の廃プラスチックを、80℃〜190℃の温度域に加熱し、加熱した状態で圧縮を加え、再度冷却して減容固化させた後に、必要に応じて粉砕処理等することで塊状化して所定の粒度に調整したものを用いることができる。減容固化の方法としては、樹脂混練機、破砕機、ドラム型の加熱器等、従来から使用されているものを用いることができる。このようにすることで、上記フィルム、発泡体、粉状体の廃プラスチックをそのまま粉砕した場合の不具合、例えば嵩比重が小さいとか、装入が難しいなどの難点を解消することができる。
【0008】
一般に、石炭は粘結性の高い粘結炭と粘結性の低い非微粘結炭に分類され、コークス製造プロセスでは所定のコークス品質が得られるように粘結炭と非微粘結炭を所定の割合で配合して使用している。
非微粘結炭とは、JIS M 8801に規定されたギーセラープラストメーター法による流動性試験において最高流動度が10ddpm以下であるか、あるいはビトリニットの平均反射率が0.8以下である石炭を示す。
従来は、廃プラスチックの添加率が多すぎると高炉用コークスの強度が低下するため、廃プラスチック添加率の上限は1質量%と通常考えられていた。
これに対し、本発明者が廃プラスチック添加時のコークスの強度低下メカニズムについて鋭意検討した結果、原料炭に廃プラスチックを均一混合して乾留した場合のコークス強度への影響は、添加する廃プラスチックの量だけでなく、粒度によってコークス強度への影響が異なり、これらの影響を受けて廃プラスチックの添加率、特にコークス強度を所定値以上に保つのに必要な上限値は従来とは異なるようにできることを見出した。
以下このことについて説明すると、各種粒度のポリエチレンおよびポリスチレンを対石炭あたり2質量%添加してコークス化した時の廃プラスチックの粒度の違いによるコークス強度の変化を調べた結果を図1に示す。ここで石炭は、粘結炭50質量%、非微粘結炭50質量%の配合炭を用いた。炉幅425mm、炉高400mm、炉長600mmの試験コークス炉を用い、プラスチックを添加し、装入密度0.83dry−t/m3の装入密度で装入し、炉温1250℃、乾留時間18.5時間の条件で乾留した。焼成後のコークスについては、窒素で冷却した後、コークスのドラム強度(DI15015)を測定した。本明細書で、コークスのドラム強度(DI15015)とはJIS K 2151 に記載されているように、コークス10kgをドラム試験機(直径、長さとも1,500mm、羽根4枚)に装入し、150回転させた後、15mmの篩で篩分けし、篩上に留まった質量を百分率で表した値である。
この図1に示すように、コークス強度が極小値を示すプラスチック粒度が存在することが分かる。この理由は以下の通りである。
【0009】
石炭にプラスチック(今回の例ではポリエチレンとポリスチレン)を添加して乾留すると、プラスチックの熱分解温度は石炭の軟化溶融温度範囲かそれより低温であるので、プラスチックは石炭が軟化溶融する前に熱分解してしまい、残渣として残るのはたかだが20−30質量%であるので、プラスチック粒度が大きい場合は、熱分解後に大きな空隙が残る。このため、プラスチックに接触していた石炭が軟化溶融すると、この空隙にむかって自由膨張し、発泡した脆弱なコークス組織が形成される。さらに、石炭の粘結性を阻害するようなプラスチック(例えばポリスチレン)の場合、熱分解ガスの化学的な作用によりプラスチックと接触する石炭の粘結性が阻害され、より弱い脆弱なコークス組織が形成される。
【0010】
本発明者らは先に、廃プラスチックの添加量が同じである場合、添加する廃プラスチックの平均粒径が大きいほど石炭とプラスチックの接する面積は減少するので、脆弱箇所を減らすことができることを示した。
【0011】
一方、プラスチックの粒度が十分小さい場合、プラスチック熱分解後空隙は、軟化溶融して膨れた石炭粒子によって埋められてしまうことを、本発明者は新たに見出した。この知見は、プラスチック粒子の大きさが、軟化溶融層内にほぼ完全に吸収されてしまうような大きさであれば、プラスチック熱分解後空隙は軟化溶融層中に埋没してしまうためと解される。このためプラスチック粒度が小さいほど、コークス強度に及ぼす悪影響は小さくなる。
コークス強度が極小値を示すプラスチック粒度が存在するのは、上記のような理由による。
以上により、プラスチック添加によるコークス強度低下を抑制するには、プラスチック粒度を小さくするか、大きくすればよいことがわかる。
プラスチック粒度が大きい場合については、発明者らは先に特願平2001−49263号公報により、(1)石炭に添加する廃プラスチックの粒度を石炭の平均粒径の10倍以上とすることを特徴とするコークスの製造方法、(2)前記石炭の平均粒径が0.6〜2.0mmであることを特徴とする(1)に記載のコークスの製造方法、(3)廃プラスチックを減容固化した上でコークス炉装入原料として用いることを特徴とするコークスの製造方法を提案した。
一方、プラスチック粒度が小さい場合については、どのような粒度にプラスチックを粉砕すればよいかについてはこれまで不明であった。
本発明者は、さらに研究を重ね、廃プラスチックの粒度を細かくすると、コークス強度低下が抑制されるばかりでなく、コークス強度が向上する場合があることを見出した。これは、廃プラスチックの熱分解により発生するガスが軟化溶融層内に内包され、結果として軟化溶融層の膨張が促進され、その結果、軟化溶融層内部のガス圧力により、軟化溶融した石炭同士の融着結合が強固になるためである。
そして本発明者が廃プラスチック粒度上限値について検討した結果によると、プラスチックの大きさを軟化溶融層の厚みの所定割合以下とすれば、プラスチック熱分解空隙が消滅するばかりでなく、コークス強度の低下が抑制され、あるいはコークス強度が向上することを見いだした。これは、プラスチックの大きさが軟化溶融層の厚みの30%よりも大きくなると、廃プラスチックの熱分解により発生するガスが軟化溶融層の外側に抜けてしまい、軟化溶融層の膨張を促進する効果が失われるためである。
本発明者らは、直径12mmのレトルト(底部密閉、上部開放型)内に、所定の粒度のポリエチレン粒子を石炭に対し2質量%添加した後、混合物を5mmの高さまで装入し、外部より均一に加熱し、加熱中における石炭層の膨張挙動を測定した。ここで層厚を5mmとしたのは、後に述べるように軟化溶融層の平均的な厚みが5mm程度であるからである。検討の結果、ポリエチレン粒子の粒度を変えると石炭の膨張挙動は変わり、ポリエチレンの粒度が2mmより大きくなった時、膨張率は激減した。これはすなわち、ポリエチレンの熱分解により発生したガスが軟化溶融した石炭層から抜けてしまい、石炭の膨張を促進できなかったためである。
本発明者らは、さまざまな石炭、プラスチック種類、プラスチック添加率について同様の試験を実施し、プラスチックの粒度がある値以上の時に、膨張率が激減することを見出した。
【0012】
以上の実験の結果から、プラスチックの大きさが軟化溶融層厚みの所定割合より大きくなると、軟化溶融層の膨張を促進する効果が失われることを見出し、この所定割合はプラスチックにより異なることを見出した。
【0013】
上記知見を元に、本発明者らは、廃プラスチックの種類および添加率から(1)式により求まる粒度上限値以下に廃プラスチック粒度を調整(例えば粉砕)し、コークス製造用原料炭に添加してコークスを製造する方法を発明した。
【0014】
粒度上限値(mm)=k・軟化溶融層厚み …(1)
ここで定数のkは、軟化溶融層厚み、プラスチック添加率により異なるが、具体的には下記のような方法で求めればよい。すなわち、先に示したように、直径12mmのレトルト(底部密閉、上部開放型)内に、所定の粒度のポリエチレン粒子を石炭に対し所定質量%添加した後、混合物を想定される軟化溶融層厚みに相当する高さまで装入し、外部より均一に加熱し、加熱中における石炭層の膨張挙動を測定し、膨張率が激減する時のプラスチック粒径を求め、プラスチック粒径(mm)/装入高さ(mm)を定数のkとすればよい。
例えば本発明者の検討例によると、軟化溶融層厚み3〜7mm、プラスチック添加率0.3〜3質量%の範囲では、脂肪族系の廃プラスチックの場合はk=0.3〜0.7,ポリスチレンなどの芳香族系のプラスチックやポリエチレンテレフタレートなど酸素を含むプラスチックではk=0.075〜0.175であった。
具体的には、石炭に対してプラスチックを2質量%添加し、軟化溶融層厚みが5.7mmの場合、脂肪族系の廃プラスチックの場合はk=0.5、ポリスチレンなどの芳香族系のプラスチックやポリエチレンテレフタレートなど酸素を含むプラスチックではk=0.125であった。(1)式で定義されるような粒度上限値以下に廃プラスチック粒度を調整して石炭に添加すれば、廃プラスチック未添加時のコークスドラム強度と同程度の強度を持つコークスを製造することが可能であった。
プラスチックの種類によってkの値が異なるのは、プラスチックの熱分解ガスと石炭との化学的相互作用により、石炭自身の粘結性が阻害される場合があるためである。本発明者の検討によると、廃プラスチックを構成する主要なプラスチックのうち、例えばポリエチレンや塩化ビニルのような脂肪族系のプラスチックは石炭粘結性の阻害作用がなく、ポリスチレンのような芳香族系のプラスチックやポリエチレンテレフタレートのような酸素を含むプラスチックは粘結性阻害作用があることが判明した。
廃プラスチックが脂肪族系プラスチックと芳香族系および酸素を含む廃プラスチックの混合物の場合は、両者の比率に従い、上限値を決める係数kを変化させればよい。
例えば、脂肪族系廃プラスチックの割合がX質量%、芳香族系および酸素を含む廃プラスチックが100−X質量%の場合、k=[0.5*X+0.125*(100−X)]/100とすればよい。
【0015】
コークス炉においては、軟化溶融状態にある層の厚みは、乾留条件、およびコークス炉炉幅方向の位置により異なり、温度勾配が大きい炉壁近傍では薄く温度勾配が緩やかな炭化室中央においては厚くなるが、炭化室内のほとんどの領域において厚みはほぼ一定である。本発明者が、さまざまな操業条件を仮定して軟化溶融層厚みを伝熱モデルにより計算した結果、炉幅方向片側において壁面10%、中央側10%を除いた部分に形成される軟化溶融層の厚みはほぼ一定であることが判明した。したがって、軟化溶融層厚みとしては、炉幅方向片側において壁側10%、中央側10%を除いた部分に形成される軟化溶融層の厚みの平均値を用いればよい。
一例的には、炉幅450mm(片側225mm)のコークス炉において、炉温1150℃、石炭の軟化溶融温度範囲100℃の条件で炉幅方向各位置における軟化溶融層厚みを伝熱モデルにより計算すると、図2に示すように、温度勾配が大きい炉壁近傍では薄く2mm程度であり、温度勾配が緩やかな炭化室中央においては厚く20mm程度であるが、炭化室内のほとんどの領域において厚みはほぼ一定である。ここで、炉幅方向片側において壁側10%(壁から22.5mm)、中央側10%(中央から22.5mm)を除いた部分に形成される軟化溶融層の厚みの平均値は5mmである。本発明者が、さまざまな操業条件を仮定して軟化溶融層の厚みを求めたところ、およそ3〜7mmの範囲であった。
したがって、廃プラスチックがポリエチレンの場合、プラスチック添加率0.3〜3質量%の範囲において、プラスチック粒度の上限値は、具体的には3mm×0.3=0.9mm以下から7mm×0.7=4.9mm以下程度となる。
ここで、石炭の軟化溶融温度範囲とは、JIS M8801に規定されたギーセラープラストメーター法による流動性試験において測定される軟化開始温度と固化温度の温度差のことであり、通常60℃〜100℃程度の値である。
軟化溶融層の厚みは、先に述べたように大凡5mm程度であるが、コークス炉装入様配合炭の軟化溶融温度範囲、石炭装入嵩密度、およびコークス炉の炉温により異なる。本発明者らの検討によると、軟化溶融層厚みは、軟化溶融温度範囲が広いほど、石炭装入嵩密度が高いほど、コークス炉の炉温が低いほど厚くなり、装入嵩密度、コークス炉の炉温、軟化溶融温度範囲のそれぞれの一次関数として表されることを見いだした。さらに本発明者らは、これらの3つのパラメーターを用いて、軟化溶融層の厚みが下記(2)式いにょり求めることができることを見いだした。
【0016】
軟化溶融層の厚み(mm)=[a・BD+b・T+c]×(ΔT+25)/100 …(2)
ΔT(℃):コークス炉装入様配合炭の軟化溶融温度範囲=JIS M8801に規定されたギーセラープラストメーター法による流動性試験において測定される軟化解し温度と固化温度の温度差
BD(t/m3):石炭の装入嵩密度(乾燥石炭ベース)
T(℃):コークス炉の炉温
a,b,c:定数
ここで定数のa,b,cはコークス炉型式や操業形態により異なるが、本発明者らの検討では、
a=4.5〜5.3、b=−0.0076〜−0.0088、c=8.9〜10.4であった。
【0017】
また、廃プラスチック粒度の下限値については理論的にはなく、粉砕および輸送などの実プロセスを考慮して決定すればよい。
【0018】
廃プラスチック添加率の上限値については特に定めるものではなく、目的とする強度のコークスが製造できる範囲であれば好いが、本発明者らの検討によると、添加率が5質量%を越えると、高炉で使用可能な強度をもつコークスを製造することが困難になるので、添加率は5質量%以下であることが望ましい。さらに、廃プラスチックを処理することによりコークスの生産量は低下するので、コークスの生産量と処理したい廃プラスチックの量のバランスを考慮する必要がある。
石炭をコークス炉で乾留する場合、その温度は最高で約1,350℃になる。一方、ボリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデンは250℃程度から熱分解を起こし始め、約400℃でガス化し、1,350℃ではほぼ完全に分解する。従って、コークス炉で石炭とともに塩素含有廃プラスチックを熱分解する限り、熱分解または乾留温度、乾留パターンは従来の石炭乾留と同じでよい。
廃プラスチックが加熱された際に発生する廃プラスチック由来の塩素系ガスは、石炭の乾留中に発生する過剰のアンモニアと反応する。したがってコークス炉から系外に取り出される安水には、塩化アンモニウムが多量に蓄積されるが、これに強塩基、例えば、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を添加することにより、塩化アンモニウムを無害の塩化ナトリウムに転換することが可能である。水酸化ナトリウムの添加量は塩化アンモニウムと同等量、またはそれより多く添加することが望ましい。
安水は、系外の脱安設備において、蒸気ストリッピングによってフリーアンモニアを気化除去した後に活性汚泥処理を行い、放流する。脱安設備に入る前に水酸化ナトリウムによって安水中の塩化アンモニウムを塩化ナトリウムとアンモニアにしておけば、安水中に含まれていた窒素成分はすべてアンモニアとして除去でき、脱安設備を出た安水中には無害な塩化ナトリウムしか残存せず、このまま放流しても海水中の窒素分を増大する心配はない。
【0019】
【実施例】
炉幅400mm、炉高600mm、炉長600mmの試験コークス炉を用い、表1に示すような条件で石炭と廃プラスチックを均一に混合し、乾留時間18.5時間の条件で乾留した。焼成後のコークスについては、窒素で冷却した後、JIS K2151に準じたコークスのドラム強度指数(150回転後+15mm指数)を測定した。表1には、ドラム強度を示す。
比較例1は、粘結炭80質量%、非微粘結炭20質量%の配合炭のみで乾留した場合である。
発明例1は、ポリエチレン50質量%、ポリプロピレン25質量%、塩化ビニル25質量%からなる粒度−2.5mm 100%の廃プラスチックを、粘結炭80質量%、非微粘結炭20質量%の配合炭に対して2質量%添加して乾留した場合である。この時、コークス炉装入用配合炭の軟化溶融温度範囲、石炭装入嵩密度、およびコークス炉の炉温から(2)式により求めた軟化溶融層の厚みは5.7mmであり、(1)式から求めた廃プラスチック粒度上限値はk=0.5として2.85mmであり、廃プラスチック粒度は本発明の範囲内である。ここで、(2)式の定数としては、a=5.04、b=−0.008、c=9.9を用いた。
発明例2は、ポリエチレン50質量%、ポリスチレン50質量%からなる粒度−1.5mm 100%の廃プラスチックを、粘結炭80質量%、非微粘結炭20質量%の配合炭に対して2質量%添加して乾留した場合である。この時、コークス炉装入用配合炭の軟化溶融温度範囲、石炭装入嵩密度、およびコークス炉の炉温から(2)式により求めた軟化溶融層の厚みは5.7mmであり、(1)式から求めた廃プラスチック粒度上限値はk=(0.5*50+0.125*50)/100=0.3125として1.78mmであり、廃プラスチック粒度は本発明の範囲内である。ここで、(2)式の定数としては、a=5.04、b=−0.008、c=9.9を用いた。
比較例2は、ポリエチレン50質量%、ポリスチレン50質量%からなる粒度−2.5mm 100%の廃プラスチックを、粘結炭80質量%、非微粘結炭20質量%の配合炭に対して2質量%添加して乾留した場合である。この時、コークス炉装入用配合炭の軟化溶融温度範囲、石炭装入嵩密度、およびコークス炉の炉温から(2)式により求めた軟化溶融層の厚みは5.7mmであり、(1)式から求めた廃プラスチック粒度上限値はk=(0.5*50+0.125*50)/100=0.3125として1.78mmであり、廃プラスチック粒度は本発明の範囲外である。ここで、(2)式の定数としては、a=5.04、b=−0.008、c=9.9を用いた。
下記表1から分かるように、発明例1および2いのけるドラム強度は比較例1より大きい。
一方比較例2におけるドラム強度は比較例1よりも低い。これは廃プラスチックの粒度が大きく、本発明の範囲を外れるためである。
以上より、廃プラスチックを石炭に配合してコークス炉で乾留して高炉用コークスを製造する方法において、廃プラスチック添加により、強度の高い高炉用コークスを製造することができた。
【0020】
【表1】

Figure 0004231213
【0021】
【発明の効果】
本発明により、石炭をコークス炉で乾留する際に、廃プラスチックを用いる高炉用コークスを製造する方法において、添加する廃プラスチックの粒度を所定値以下に制御して乾留することにより、強度の高い高炉用コークスを製造することが可能となった。
【0022】
また、コークス製造に際して石炭に添加して所定のコークス強度を満足できるように用いることができる廃プラスチックの添加率を高くすることができるので、廃プラスチックのリサイクルをより有効化できるという利点が得られる。
【0023】
これらのことにより、本発明によって、廃プラスチックが多量にリサイクル処理可能となり、その経済的効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスチック粒度とドラム強度の関係を示す図である。
【図2】炭化室内の位置における軟化溶融層の厚み変化を示す図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing coke by blending waste plastic with a raw material charged in a coke oven.
[0002]
[Prior art]
Regarding the disposal of waste plastics that are discharged in large quantities as plastic industrial waste and general plastic waste, most of them have been landfilled and partly combusted. Waste plastic is generally not decomposed by soil bacteria or bacteria in landfills, and when incinerated, it generates a large amount of heat and adversely affects the incinerator. In the case of waste plastic containing chlorine, the treatment of chlorine in the exhaust gas is difficult. It is a problem. In view of the anticipated shortage of landfill sites in the future and growing environmental problems, it is desirable to promote the recycling of such waste plastics. As a recycling method, in addition to the reuse of plastics, a method of using gas or oil obtained by the use of heat during combustion or pyrolysis as a fuel or chemical raw material can be considered.
As a method of processing waste plastic by adding it to a coke oven, for example, in Japanese Patent Laid-Open No. 48-34901 and Japanese Patent Laid-Open No. 8-157634, a method of producing coke by adding waste plastic to coking coal charging coal. Is disclosed. In these methods, most of the plastic waste is pyrolyzed at a high temperature during coke dry distillation, and recovered as a coke oven gas as a high calorie reducing cracking gas such as hydrogen, methane, ethane, and propane.
[0003]
[Problem to be solved]
By the way, as described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 48-34901, among the above-mentioned conventional technical problems, the method of using a large amount of plastic mixed uniformly in coal causes a decrease in coke strength. It is said that the amount of waste plastic added needs to be 1% by mass or less as disclosed in Japanese Laid-Open Patent Application No. 8-157834. In order to prevent the coke strength from being lowered, it is necessary to increase the blending ratio of caking coal having high caking properties. However, caking coal is less expensive and more expensive than non-minor caking coal. Thus, in order to effectively use non-slightly caking coal that has a large amount of resources and is cheap, it has been desired to develop a method that uses more waste plastic without increasing the blending ratio of caking coal. .
[0004]
The present invention proposes a method for producing high-strength blast furnace coke by adding waste plastic by controlling the particle size of the waste plastic added to the blast furnace coke raw coal to a predetermined level or less and performing dry distillation.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has the following configuration.
(1) A method of using a coal blend and the waste plastics as coke RoSoIri raw material, depending on the type and the addition rate of the waste plastics of that determined the particle size upper limit determined by (1), below the particle size upper limit A method for producing coke for blast furnace, characterized in that the waste plastic is pulverized to a particle size of the same, and the waste plastic is uniformly mixed with the blended coal to produce coke Grain size upper limit (mm) = k · softening melt layer the thickness of the ... (1)
k : a constant that varies depending on the type and addition rate of the waste plastic, when the waste plastic addition rate is 0.3 to 3% by mass, and the waste plastic is an aliphatic waste plastic that does not contain oxygen K = 0.3 to 0.7, when the addition rate of the waste plastic is 0.3 to 3% by mass, and the waste plastic is an aromatic or oxygen-containing waste plastic, k = It is 0.075-0.175.
Softened melt layer thickness (mm): The thickness distribution of the softened melt layer in the furnace width direction in the coke oven is calculated by a heat transfer model. Of the calculated thickness distribution, the wall side 10% on the one side in the furnace width direction, the center It is the average value of the thickness of the softened and melted layer formed in the portion excluding the 10% side.
(2) By calculation using the heat transfer model, the thickness of the softened molten layer is calculated using the linear functions of the coal charging bulk density, the furnace temperature of the coke oven, and the softening and melting temperature range of coal (2 The method for producing coke for blast furnace according to claim 1, wherein the thickness (mm) of the softened molten layer = [a · BD + b · T + c] × (ΔT + 25) / 100 (2)
ΔT (° C.): softening and melting temperature range of coke oven charging coal blend = the temperature difference between the softening start temperature and the solidification temperature measured in the fluidity test by the Gisela plastometer method specified in JIS M8801 BD (t / m3): Bulk density of coal (based on dry coal)
T (° C.): Coke oven temperature a, b, c: a = 4.5 to 5.3, b = −0.0076 to −0.0088, c = 8.9 to 10.4
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The specific contents will be described below.
[0007]
The present invention, in order to solve the above problems, by adjusting the particle size of the waste plastics to a predetermined value or less, is intended to propose a method of producing a high blast furnace coke strength, mode of use of waste plastic Is a method of producing coke by uniformly mixing waste plastic with all or part of the coal charged into the coke oven. The waste plastic used in the present invention may be a lump of waste plastic adjusted to a predetermined particle size by pulverization or the like, and generally a thermoplastic plastic film, foam, powdery waste plastic at 80 ° C. After heating to a temperature range of ˜190 ° C., adding compression in the heated state, cooling again to reduce the volume and solidifying, then agglomerating and adjusting to a predetermined particle size by pulverizing treatment as necessary Can be used. As the volume reduction and solidification method, those conventionally used such as a resin kneader, a crusher, and a drum-type heater can be used. By doing in this way, the troubles, such as a small bulk specific gravity and the difficulty of charging when the waste plastics of the film, foam and powder are crushed as they are, can be solved.
[0008]
Generally, coal is classified into caking coal with high caking properties and non-minor caking coal with low caking properties. In the coke production process, caking coal and non-caking caking coal are used so that a predetermined coke quality can be obtained. It is blended and used at a predetermined ratio.
Non-coking coal is a coal whose maximum fluidity is 10 ddpm or less in the fluidity test by the Gisela plastometer method specified in JIS M 8801, or whose average reflectivity of vitrinite is 0.8 or less. Show.
Conventionally, since the strength of blast furnace coke is reduced when the amount of waste plastic added is too large, the upper limit of the amount of waste plastic added is usually considered to be 1% by mass.
On the other hand, as a result of intensive studies on the coke strength reduction mechanism when waste plastic was added by the present inventor, the effect on coke strength when waste plastic was uniformly mixed with the raw coal and dry-distilled was Not only the amount but also the effect on coke strength differs depending on the particle size. Under these influences, the addition rate of waste plastics, especially the upper limit required to keep the coke strength above the specified value, can be made different from the conventional one. I found.
This will be explained below. FIG. 1 shows the results of examining the change in coke strength due to the difference in the particle size of waste plastic when coking is performed by adding 2% by mass of polyethylene and polystyrene of various particle sizes to coal. Here, the coal used 50% by mass of caking coal and 50% by mass of non-slightly caking coal. Using a test coke oven with a furnace width of 425 mm, a furnace height of 400 mm, and a furnace length of 600 mm, plastic was added and charged at a charging density of 0.83 dry-t / m 3 , furnace temperature of 1250 ° C., dry distillation time Dry distillation was carried out under conditions of 18.5 hours. About the coke after baking, after cooling with nitrogen, the drum strength (DI15015) of coke was measured. In this specification, as described in JIS K 2151, the drum strength of coke (DI15015) is charged with 10 kg of coke in a drum tester (diameter and length: 1,500 mm, 4 blades), After rotating 150 times, it is sieved with a 15 mm sieve, and the mass remaining on the sieve is expressed as a percentage.
As shown in FIG. 1, it can be seen that there is a plastic particle size at which the coke strength has a minimum value. The reason is as follows.
[0009]
When plastic is added to coal (in this example, polyethylene and polystyrene) and the carbon is pyrolyzed, the thermal decomposition temperature of the plastic is lower than or equal to the softening and melting temperature range of the coal. However, since 20-30% by mass remains as a residue, large voids remain after pyrolysis when the plastic particle size is large. For this reason, when the coal that has been in contact with the plastic is softened and melted, the coal expands freely toward the gap, and a foamed brittle coke structure is formed. Furthermore, in the case of plastics that inhibit coal caking, such as polystyrene, the caustic properties of coal in contact with the plastics are hindered by the chemical action of the pyrolysis gas, resulting in the formation of weaker and weaker coke structures. Is done.
[0010]
The present inventors have previously shown that when the amount of waste plastic added is the same, the larger the average particle size of the waste plastic added, the smaller the area where coal and plastic are in contact with each other. It was.
[0011]
On the other hand, when the particle size of the plastic is sufficiently small, the present inventor has newly found that the voids after the thermal decomposition of the plastic are filled with coal particles that have been softened and melted and expanded. This finding is understood to be because if the size of the plastic particles is such that it is almost completely absorbed into the softened melt layer, the voids will be buried in the softened melt layer after the thermal decomposition of the plastic. The For this reason, the smaller the plastic particle size, the smaller the adverse effect on coke strength.
The reason why there is a plastic particle size at which the coke strength is minimal is as described above.
From the above, it can be seen that the plastic particle size can be reduced or increased in order to suppress the reduction in coke strength due to the addition of plastic.
In the case where the plastic particle size is large, the inventors have previously described (1) the particle size of waste plastic added to coal is 10 times or more the average particle size of coal according to Japanese Patent Application No. 2001-49263. (2) The method for producing coke according to (1), wherein the average particle size of the coal is 0.6 to 2.0 mm, (3) Volume reduction of waste plastic A coke production method was proposed, which was solidified and used as a raw material for coke oven charging.
On the other hand, in the case where the plastic particle size is small, it has been unknown so far what kind of particle size the plastic should be crushed.
The present inventor has further researched and found that when the particle size of the waste plastic is made fine, not only the reduction in coke strength is suppressed, but also the coke strength may be improved. This is because the gas generated by the thermal decomposition of the waste plastic is encapsulated in the softened and melted layer, and as a result, the expansion of the softened and melted layer is promoted. This is because the fusion bond becomes strong.
And according to the results of the study of the upper limit value of waste plastic particle size by the present inventor, if the size of the plastic is not more than a predetermined ratio of the thickness of the softened molten layer, not only the plastic pyrolysis voids disappear, but also the coke strength decreases. Has been found to be suppressed or the coke strength is improved. This is because, when the size of the plastic is larger than 30% of the thickness of the softened molten layer, the gas generated by the thermal decomposition of the waste plastic escapes to the outside of the softened molten layer, thereby promoting the expansion of the softened molten layer. Because it is lost.
The present inventors added 2% by mass of polyethylene particles of a predetermined particle size to coal in a retort (bottom sealed, top open type) having a diameter of 12 mm, and then charged the mixture to a height of 5 mm from the outside. It heated uniformly and the expansion behavior of the coal bed during heating was measured. The reason why the layer thickness is set to 5 mm is that the average thickness of the softened and melted layer is about 5 mm as described later. As a result of investigation, when the particle size of the polyethylene particles was changed, the expansion behavior of the coal was changed, and when the particle size of the polyethylene was larger than 2 mm, the expansion rate was drastically decreased. This is because the gas generated by the thermal decomposition of polyethylene escapes from the softened and melted coal bed and could not promote the expansion of the coal.
The present inventors conducted similar tests for various coals, plastic types, and plastic addition rates, and found that the expansion rate drastically decreased when the particle size of the plastic exceeded a certain value.
[0012]
As a result of the above experiments, it was found that the effect of promoting expansion of the softened molten layer is lost when the size of the plastic is larger than a predetermined ratio of the thickness of the softened molten layer, and this predetermined ratio is different depending on the plastic. .
[0013]
Based on the above knowledge, the present inventors adjust (for example, pulverize) the waste plastic particle size to be equal to or less than the particle size upper limit value obtained by the equation (1) from the type and addition rate of the waste plastic, and add it to the raw coal for coke production. Invented a method for producing coke.
[0014]
Upper limit of particle size (mm) = k · softened melt layer thickness (1)
Here, although the constant k varies depending on the thickness of the softened molten layer and the plastic addition rate, it can be specifically determined by the following method. That is, as described above, after adding a predetermined mass% of polyethylene particles of a predetermined particle size to coal in a retort (bottom sealed, top open type) having a diameter of 12 mm, the softened melt layer thickness assumed for the mixture is assumed. Is charged to the height corresponding to the above, heated uniformly from the outside, measured the expansion behavior of the coal bed during heating, and determined the particle size of the plastic when the expansion rate is drastically reduced, plastic particle size (mm) / charging The height (mm) may be a constant k.
For example, according to the study example of the present inventor, in the range of the softened melt layer thickness of 3 to 7 mm and the plastic addition rate of 0.3 to 3% by mass, k = 0.3 to 0.7 in the case of aliphatic waste plastics. K = 0.075 to 0.175 for aromatic plastics such as polystyrene and plastics containing oxygen such as polyethylene terephthalate.
Specifically, when 2% by mass of plastic is added to coal and the thickness of the softened molten layer is 5.7 mm, k = 0.5 in the case of aliphatic waste plastic, aromatic type such as polystyrene For plastics containing oxygen, such as plastic and polyethylene terephthalate, k = 0.125. By adjusting the waste plastic particle size below the upper limit of particle size as defined by the formula (1) and adding it to coal, coke having the same strength as the coke drum strength when no waste plastic is added can be produced. It was possible.
The reason why the value of k varies depending on the type of plastic is that the caking property of the coal itself may be hindered due to chemical interaction between the pyrolysis gas of the plastic and the coal. According to the study of the present inventor, among the main plastics constituting waste plastics, for example, aliphatic plastics such as polyethylene and vinyl chloride have no inhibitory action on coal caking and are aromatic such as polystyrene. It has been found that plastics containing oxygen such as polyethylene terephthalate and polyethylene terephthalate have a caking-inhibiting action.
When the waste plastic is a mixture of an aliphatic plastic and a waste plastic containing an aromatic plastic and oxygen, the coefficient k for determining the upper limit value may be changed according to the ratio of the two.
For example, when the proportion of the aliphatic waste plastic is X mass% and the waste plastic containing the aromatic and oxygen is 100-X mass%, k = [0.5 * X + 0.125 * (100-X)] / 100 may be used.
[0015]
In a coke oven, the thickness of the layer in the softened and molten state varies depending on the dry distillation conditions and the position in the coke oven width direction, and is thicker near the furnace wall where the temperature gradient is large and thicker at the center of the carbonization chamber where the temperature gradient is gentle. However, the thickness is almost constant in most regions within the carbonization chamber. As a result of the inventor's calculation of the thickness of the softened molten layer using a heat transfer model assuming various operating conditions, the softened molten layer formed in a portion excluding the wall surface 10% and the central side 10% on one side in the furnace width direction. It was found that the thickness of the was almost constant. Therefore, as the thickness of the softened molten layer, an average value of the thickness of the softened molten layer formed in a portion excluding the wall side 10% and the center side 10% on one side in the furnace width direction may be used.
For example, in a coke oven having a furnace width of 450 mm (one side of 225 mm), the thickness of the softened molten layer at each position in the furnace width direction is calculated by a heat transfer model under the conditions of a furnace temperature of 1150 ° C. and a softening and melting temperature range of coal of 100 ° C. As shown in FIG. 2, it is about 2 mm thin near the furnace wall where the temperature gradient is large, and about 20 mm thick at the center of the carbonization chamber where the temperature gradient is gentle, but the thickness is almost constant in most regions in the carbonization chamber. It is. Here, on the one side in the furnace width direction, the average value of the thickness of the softened molten layer formed on the portion excluding the wall side 10% (22.5 mm from the wall) and the center side 10% (22.5 mm from the center) is 5 mm. is there. When this inventor calculated | required the thickness of the softening melt layer on the assumption of various operating conditions, it was the range of about 3-7 mm.
Therefore, when the waste plastic is polyethylene, the upper limit of the plastic particle size is specifically 3 mm × 0.3 = 0.9 mm or less to 7 mm × 0.7 in the range of the plastic addition rate of 0.3 to 3% by mass. = 4.9 mm or less.
Here, the softening melting temperature range of coal is a temperature difference between a softening start temperature and a solidification temperature measured in a fluidity test by the Gisela plastometer method defined in JIS M8801, and is usually 60 ° C to 100 ° C. The value is about ℃.
The thickness of the softened and melted layer is about 5 mm as described above, but varies depending on the softening and melting temperature range of the coke oven charging-like blended coal, the coal charging bulk density, and the furnace temperature of the coke oven. According to the study by the present inventors, the thickness of the softened melt layer becomes thicker as the softened melting temperature range is wider, the coal charge bulk density is higher, and the furnace temperature of the coke oven is lower. It was found to be expressed as a linear function of the furnace temperature and the softening and melting temperature range. Furthermore, the present inventors have found that the thickness of the softened and melted layer can be obtained by the following equation (2) using these three parameters.
[0016]
Softened melt layer thickness (mm) = [a · BD + b · T + c] × (ΔT + 25) / 100 (2)
ΔT (° C.): softening and melting temperature range of coke oven charging coal blend = the temperature difference BD (t between the softening temperature and the solidification temperature measured in the fluidity test by the Gisela plastometer method defined in JIS M8801 / M 3 ): Charging bulk density of coal (dry coal base)
T (° C.): Coke oven temperature a, b, c: constants Here, the constants a, b, c vary depending on the coke oven type and operation mode.
a = 4.5 to 5.3, b = −0.0076 to −0.0088, and c = 8.9 to 10.4.
[0017]
Further, the lower limit value of the waste plastic particle size is not theoretical, and may be determined in consideration of actual processes such as pulverization and transportation.
[0018]
The upper limit value of the waste plastic addition rate is not particularly defined, and it is preferable as long as the coke having the desired strength can be produced. According to the study by the present inventors, when the addition rate exceeds 5% by mass, Since it becomes difficult to produce coke having strength that can be used in a blast furnace, the addition rate is desirably 5% by mass or less. Furthermore, since the amount of coke produced decreases due to the treatment of waste plastic, it is necessary to consider the balance between the amount of coke produced and the amount of waste plastic to be treated.
When coal is carbonized in a coke oven, the maximum temperature is about 1,350 ° C. On the other hand, polyvinyl chloride and polyvinylidene chloride begin to thermally decompose at about 250 ° C., gasify at about 400 ° C., and almost completely decompose at 1,350 ° C. Therefore, as long as the chlorine-containing waste plastic is pyrolyzed together with the coal in the coke oven, the pyrolysis or the carbonization temperature and the carbonization pattern may be the same as those of the conventional coal carbonization.
Chlorine gas derived from waste plastic generated when the waste plastic is heated reacts with excess ammonia generated during the carbonization of coal. Therefore, a large amount of ammonium chloride accumulates in the aqueous solution taken out of the coke oven from the system. By adding a strong base such as sodium hydroxide (caustic soda), ammonium chloride is harmless to sodium chloride. It is possible to convert to It is desirable to add sodium hydroxide in an amount equal to or greater than that of ammonium chloride.
In the dewatering equipment outside the system, the water is evaporated after free ammonia is removed by steam stripping, and then activated sludge is discharged. If ammonium chloride in the water is converted into sodium chloride and ammonia with sodium hydroxide before entering the safeguard, all nitrogen components contained in the safewater can be removed as ammonia, and the safe water that has exited the safeguard Only harmless sodium chloride remains, and even if it is discharged as it is, there is no fear of increasing the nitrogen content in the seawater.
[0019]
【Example】
Using a test coke oven having a furnace width of 400 mm, a furnace height of 600 mm, and a furnace length of 600 mm, coal and waste plastics were uniformly mixed under the conditions shown in Table 1 and subjected to dry distillation under the conditions of a dry distillation time of 18.5 hours. About the coke after baking, after cooling with nitrogen, the drum strength index (after 150 rotations +15 mm index) of coke according to JIS K2151 was measured. Table 1 shows the drum strength.
Comparative Example 1 is a case where dry distillation was performed only with a blended coal of caking coal 80 mass% and non-minor caking coal 20 mass%.
Invention Example 1 is a waste plastic having a particle size of −2.5 mm and 100% composed of 50% by mass of polyethylene, 25% by mass of polypropylene, and 25% by mass of vinyl chloride, 80% by mass of caking coal, and 20% by mass of non-slightly caking coal. This is a case where 2% by mass is added to the blended coal and dry-distilled. At this time, the thickness of the softened molten layer obtained by the equation (2) from the softened melting temperature range of the blended coal for coke oven charging, the coal charging bulk density, and the furnace temperature of the coke oven is 5.7 mm, (1 ) The upper limit value of the waste plastic particle size obtained from the equation is 2.85 mm with k = 0.5, and the waste plastic particle size is within the scope of the present invention. Here, as constants of the formula (2), a = 5.04, b = −0.008, and c = 9.9 were used.
Invention Example 2 is a waste plastic having a particle size of -1.5 mm and 100% composed of 50% by mass of polyethylene and 50% by mass of polystyrene, with respect to a blended coal of 80% by mass caking coal and 20% by mass non-caking coal. This is a case where dry distillation is carried out by adding mass%. At this time, the thickness of the softened molten layer obtained by the equation (2) from the softened melting temperature range of the blended coal for coke oven charging, the coal charging bulk density, and the furnace temperature of the coke oven is 5.7 mm, (1 The upper limit value of the waste plastic particle size obtained from the equation (1) is 1.78 mm as k = (0.5 * 50 + 0.125 * 50) /100=0.3125, and the waste plastic particle size is within the scope of the present invention. Here, as constants of the formula (2), a = 5.04, b = −0.008, and c = 9.9 were used.
In Comparative Example 2, waste plastic having a particle size of -2.5 mm and 100% consisting of 50% by mass of polyethylene and 50% by mass of polystyrene is 2% with respect to a blended coal of 80% by mass caking coal and 20% by mass non-caking coal. This is a case where dry distillation is carried out by adding mass%. At this time, the thickness of the softened molten layer obtained by the equation (2) from the softened melting temperature range of the blended coal for coke oven charging, the coal charging bulk density, and the furnace temperature of the coke oven is 5.7 mm, (1 The upper limit value of the waste plastic particle size obtained from the formula (1) is 1.78 mm as k = (0.5 * 50 + 0.125 * 50) /100=0.3125, and the waste plastic particle size is outside the scope of the present invention. Here, as constants of the formula (2), a = 5.04, b = −0.008, and c = 9.9 were used.
As can be seen from Table 1 below, the drum strength in Invention Examples 1 and 2 is greater than Comparative Example 1.
On the other hand, the drum strength in Comparative Example 2 is lower than that in Comparative Example 1. This is because the waste plastic has a large particle size and falls outside the scope of the present invention.
From the above, in the method of producing waste blast furnace coke by blending waste plastic with coal and carbonizing in a coke oven, it was possible to produce high strength blast furnace coke by adding waste plastic.
[0020]
[Table 1]
Figure 0004231213
[0021]
【The invention's effect】
According to the present invention, when coal is co-distilled in a coke oven, in the method of producing coke for blast furnace using waste plastic, the blast furnace having high strength is obtained by controlling the particle size of the waste plastic to be a predetermined value or less and performing carbonization. Coke can be produced.
[0022]
Moreover, since the addition rate of the waste plastic which can be used so that predetermined | prescribed coke intensity | strength can be satisfy | filled by adding to coal at the time of coke manufacture can be made high, the advantage that recycling of waste plastic can be made more effective is acquired. .
[0023]
For these reasons, according to the present invention, a large amount of waste plastic can be recycled, and its economic effect is extremely large.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the relationship between plastic particle size and drum strength.
FIG. 2 is a diagram showing a change in thickness of a softened and melted layer at a position in a carbonization chamber.

Claims (2)

コークス炉装入原料として配合炭と廃プラスチックを用いる方法であって
の廃プラスチックの種類および添加率に応じて(1)式により求まる粒度上限値を求め、該粒度上限値以下の粒度に前記廃プラスチックを粉砕し、該廃プラスチックを前記配合炭と均一に混合してコークスを製造することを特徴とする高炉用コークスの製造方法
粒度上限値(mm)=・軟化溶融層厚み …(1)
:廃プラスチックの種類および添加率により変わる定数であり、該廃プラスチックの添加率が0.3〜3質量%で、該廃プラスチックが酸素を含まない脂肪族系の廃プラスチックである場合には、k=0.3〜0.7であり、該廃プラスチックの添加率が0.3〜3質量%で、該廃プラスチックが芳香族系又は酸素を含む廃プラスチックである場合には、k=0.075〜0.175である。
軟化溶融層の厚み(mm):コークス炉における炉幅方向の軟化溶融層の厚み分布を伝熱モデルにより計算し、この算出された厚み分布のうち、炉幅方向片側において壁側10%、中央側10%を除いた部分に形成される軟化溶融層の厚みの平均値である。」
A method of using blended coal and waste plastic as a raw material for charging a coke oven ,
Depending on the type and the addition rate of the waste plastics of that determined the particle size upper limit determined by (1), the waste plastic is crushed to the particle size upper limit particle size less than, uniformly mixed with the coal blend the waste plastic manufacturing method size limit of blast furnace coke characterized by producing coke by (mm) thickness of = k · softened molten layer ... (1)
k : a constant that varies depending on the type and addition rate of the waste plastic, when the waste plastic addition rate is 0.3 to 3% by mass, and the waste plastic is an aliphatic waste plastic that does not contain oxygen K = 0.3 to 0.7, when the addition rate of the waste plastic is 0.3 to 3% by mass, and the waste plastic is an aromatic or oxygen-containing waste plastic, k = It is 0.075-0.175.
Softened melt layer thickness (mm): The thickness distribution of the softened melt layer in the furnace width direction in the coke oven is calculated by a heat transfer model. Of the calculated thickness distribution, the wall side 10% on the one side in the furnace width direction, the center It is the average value of the thickness of the softened and melted layer formed in the portion excluding the 10% side. "
前記伝熱モデルによる計算によって、前記軟化溶融層の厚みを、石炭装入嵩密度、コークス炉の炉温、および、石炭の軟化溶融温度範囲のそれぞれの一次関数を用いて下記(2)式により数式化したことを特徴とする請求項1に記載の高炉用コークスの製造方法
軟化溶融層の厚み(mm)=[a・BD+b・T+c]×(ΔT+25)/100 …(2)
ΔT(℃):コークス炉装入様配合炭の軟化溶融温度範囲=JIS M8801に規定されたギーセラープラストメーター法による流動性試験において測定される軟化開始温度と固化温度の温度差
BD(t/m3 ):石炭の装入嵩密度(乾燥石炭ベース)
T(℃):コークス炉の炉温
a,b,c:a=4.5〜5.3、b=−0.0076〜−0.0088、c=8.9〜10.4」
According to the calculation by the heat transfer model, the thickness of the softened molten layer is calculated by the following equation (2) using linear functions of the coal charging bulk density, the furnace temperature of the coke oven, and the softening and melting temperature range of coal. The method for producing coke for blast furnace according to claim 1, characterized in that the thickness of the softened molten layer (mm) = [a · BD + b · T + c] × (ΔT + 25) / 100 (2)
ΔT (° C.): softening and melting temperature range of coke oven charging coal blend = the temperature difference between the softening start temperature and the solidification temperature measured in the fluidity test by the Gisela plastometer method specified in JIS M8801 BD (t / m3): Bulk density of coal (based on dry coal)
T (° C.): Coke oven temperature a, b, c: a = 4.5 to 5.3, b = −0.0076 to −0.0088, c = 8.9 to 10.4 ”
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