JP4226452B2 - 光学式手術用ナビゲーションシステム及び方法とそれに用いられる反射球マーカ - Google Patents

光学式手術用ナビゲーションシステム及び方法とそれに用いられる反射球マーカ Download PDF

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Description

本発明は、光学式手術用ナビゲーションシステム及び方法とそれに用いられる反射球マーカに関するものである。詳細には、手術対象患部の撮像画像系によって撮像されたマーカの位置座標と光学式位置計測装置が認識した実測系のマーカ位置座標とから目標マーカを特定するシステム及び方法に関し、さらに、両位置座標系の目標座標となる反射球マーカにも関する。
従来技術の1つとしては、特許文献1に開示されているような装置、すなわち、治療対象となる患部に、CTやMRIで基準座標の目印となるマーク部材を複数設けて断層撮影像の基準座標における位置を検出する一方、当該マーク部材をポインタ等によって指し示しながら光学式位置測定装置によってマーク部材の位置座標を読み取り、断層撮影像上のマーク部材の映像と光学式位置測定装置によって読み取ったマーク部材の映像とから両者の対応関係を求めるというナビゲーション装置がある。
ポインタ等は、例えば、ポインタ本体の軸に沿って反射球のような信号部材を複数有しており、光学式位置測定装置によって反射球の位置を読み取ることによってポインタが指し示しているマーク部材の位置を推定することができるような装置である。
この従来技術に属するナビゲーション装置を用いてナビゲーションを行うには、手術前に予め撮影したマーク部材を含む患部の映像をCTスキャナ等の撮像装置により情報化する操作と、手術時に術者がポインタを移動させながら次々にマーク部材を指し示して光学式位置測定装置に読み取らせ、マーク部材の位置座標を求める操作とが必要になる。
当該従来技術によった場合には、ポインタの位置から推定されるマーク部材の位置が必ずしも正確でなく、ある程度の正確性を期すためには非常に慎重な作業が必要となるために術前の貴重な時間を割かなければならないという問題があった。さらに、手術中に対象部位の変形や沈み込み等が発生すると、断層撮影像による映像と光学式位置測定装置による映像との対応関係が取れなくなるという問題があった。
しかし、その後、従来のMRIよりも撮影空間を広くしたOpenMRIが実用化され、手術中の撮像が可能となった。これにより常に最新の画像を用いてナビゲーションを行うことが可能となり、例えば脳腫瘍摘出手術時に骨液漏出や病変摘出により脳が沈み込む現象が発生しても、これによって生じる手術部と撮像画像との3次元的位置合わせ誤差を修正するために一旦手術を終了して再撮影を行うということは不要になった。
この特徴に鑑み、本発明者は、非特許文献1に開示されている手術用ナビゲーションシステムを開発した。その概要を以下に記す。
当該非特許文献1では、従来の方式による、術部の撮像画像の画像系の位置座標と、光学式位置計測装置を用いた術者の操作によるポインタによって示す位置座標との合成において生じる誤差に着目し、これを低減することを目的として、手術中にMRIやCTスキャン等による撮像が可能なOpenMRIとナビゲーションシステムとを組合わせた手術用ナビゲーションシステムを構築した。このシステムでは、撮像の基準座標を求めるための従来のマーカと従来のポインタ等に設けられた信号部材とを一体形成して両機能を兼ね備えた反射球マーカと称するものを開発した。反射球マーカを使用することによって、MRIやCTスキャン等および光学式位置計測装置の両方によって同一の対象(つまり反射球マーカ)を撮像あるいは実測し、各々の座標系による座標データをコンピュータにより自動的に合成することが可能となった。これにより、従来行っていた、ポインタを用いたマニュアル操作による位置座標計測による誤差は軽減されて精度及び作業効率の向上と共に操作時間が短縮した。
特開平05−305073号公報 鈴川浩一 梅津光生 共著 「OpenMRI下における手術用ナビゲーションシステムの精度および操作性に関する研究」早稲田大学梅津研究室 修士論文 2003年
しかし、当該非特許文献1に示した方法を用いて、内部に造影剤が充填された反射球マーカを設置してMRIやCTスキャンで撮像した撮像画像からコンピュータ画像処理により反射球マーカを自動探索した評価実験においては、ゴーストマーカの存在が問題であった。ゴーストマーカとは、実在の反射球マーカの映像と紛らわしい映像であり、コンピュータは実在の反射球マーカだけでなくゴーストマーカも反射球マーカの映像として登録してしまう点が問題であった。
また、光学式位置計測装置による実測座標系では、当該光学式位置計測装置は、前記反射球マーカの設置範囲に測定信号を送出し、反射球マーカを含む領域から反射された信号を受信する。このときも、上記同様に誤認マーカの問題があった。つまり、当該光学式位置計測装置が有する誤差により異なった反射点を計測してしまうことに起因して目標とは異なる対象物を反射球マーカと誤認し、実在の反射球マーカと共に各位置座標が前記コンピュータにより登録されてしまう問題があった。
上述のように、MRIやCTスキャンで撮像した撮像画像と光学式位置計測の両座標系において、それぞれゴーストマーカ及び誤認マーカが存在するため、これらを排除し、実在の反射球マーカを特定したうえで、実在のマーカのみを対応づけることが必要になる。
以上のように、撮像画像上の座標系に存在するゴーストマーカを含む反射球マーカの位置座標と、光学式計測装置の実測において誤測された座標を含む反射球マーカの位置座標とを自動的に対応させる手段が必要とされていた。前記非特許文献1にも、これらを自動的に対応させる具体的な手段は開示されていない。したがって、ゴーストマーカや誤認マーカを排除して、実在のマーカを特定した上で撮像画像の座標系と光学式計測装置の座標系とを対応させる装置及び方法を提供することが第1の課題である。
また、別の問題として、前記非特許文献1では、反射球マーカの内部に、例えば、Gd−DTPA等を主成分とする造影剤を注射注入して充填し、撮像画像上の反射球マーカが明瞭に映写されるような工夫を開示している。しかし、造影剤を注入した後は反射球マーカの外表面に穴が開いており、実質的に完全に密封することは困難である。その結果、MRI等による映像において一部が欠如して、実在マーカとして認識されない可能性がある。したがって、第2に、この課題を解決することが求められていた。
さらに、この反射球マーカは球状であるために患部近傍への固定が困難なので、マーカは撮像時に患部の凹部に配置する必要があった。通常、患者の患部は固定されているが、手術中に術者がマーカに接触する可能性は払拭できず、確実にマーカを固定する手段が求められており、これが第3の課題であった。
第1の課題を解決するために、本出願人は、MRI画像において認識された反射球マーカと光学式計測装置に認識された反射球マーカとを対応させる際に、人による操作を排除して、MRIによる撮像画像上の反射球マーカの位置座標と光学式計測装置により実測した位置座標とを自動的に測定して確実に2つの異なる座標系における各位置座標を対応させる手段を提供する。
また、第2の問題を解決するために、本発明では、本発明のシステムに用いられる反射球マーカの内部に充填された造影剤を完全に密封した反射球マーカを提供する。さらに、第3の問題を解決するために、手術を手際よく行うために反射球マーカを確実に固定する手段を提供する。
本発明の好ましい実施形態によれば、反射球マーカは、外表面に光学反射膜を有し、内部に球状の空洞部を画成する球状の外皮と、該空洞部と同形状の鋳造型で成形され、前記外皮の球状の空洞部に収容された造影剤からなる手術用ナビゲーションシステムに用いるための反射球マーカである。
MRIによる撮像において用いられる反射球マーカの造影剤は、常温でゲル状であり、粘性が高く形状が崩れ難いため所定の形状に鋳造しやすい。よって、予め反射球マーカに充填される内部形状で鋳造すれば、反射球マーカ内部で空隙部は生じ難く、また、該造影剤を注射注入する場合のように外表面部に穴を開けたりして傷つける必要もない。これにより、反射球マーカは完全に密封可能となり、半永久的に使用することができる。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、前記外皮は、2つの半球状部材の内部に造影剤を収容した後に相互に固着させてなる。当該工程によって製造された反射球マーカは、撮像及び光学測定のいずれにおいてもほぼ完全な球状のマーカとして認識されるために認識誤差が小さい。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明の反射球マーカは固定のための突起部を有する。
例えば、マーカの一部にピン状の突起部を設け、患者の頭蓋骨に直径が1mm程度の穴をあけた後、前記突起部を挿入して固定すれば患部が多少動いてもマーカは固定状態を保持することができる。
本発明による別の好ましい実施形態によれば、本発明の手術用ナビゲーションシステムは、患部の内部画像を取得する内部撮像装置と、内部に造影剤が充填され該表面に反射膜を有するm個(mは3以上の整数)の反射球マーカと、前記反射球からの信号を感知して患部の位置を計測するための光学式位置計測装置と、からなる手術用ナビゲーションシステムであって、
前記データ処理用コンピュータは、
患部の内部画像に含まれる複数の反射球マーカの画像に基づいて、該反射球マーカ相互の位置関係を表す第1の量を算出し、
前記光学式位置計測装置が計測した複数の反射球マーカに対する計測値に基づいて、該反射球マーカ相互の位置関係を表す第2の量を算出し、
第1の量と第2の量が一定条件を満足する反射球マーカの画像は真の反射球マーカを表すものと判断し、第1の量と第2の量が前記一定条件を満足しない反射球マーカの画像はゴーストであると判断し、
真の反射球マーカを表す画像のデータを用いて内部画像と光学式位置計測装置の画像との間の対応付けを行う。
例えば、同一の目標物である反射球マーカを利用したOpenMRIと光学式位置計測装置とを組合わせたシステム下の脳外科手術において、手術部位とMRI等の撮像画像との間の三次元的な位置合わせをするため、撮像画像内の座標系の反射球マーカ位置座標と実際の手術部位に配置された反射球マーカを位置計測装置により実測した位置座標との間でコンピュータにより写像変換が行なわれる工程では、画像内に反射球マーカと誤認されたゴーストマーカの位置座標と位置計測装置により反射球マーカと誤認された位置座標とが除去されなければならない。この場合、撮像画像内で存在が認められた各反射球マーカ位置座標及び位置計測装置により実測された各反射球マーカ位置座標を各々記号化し、各座標系において任意の2座標の位置関係を示す量を求め、その各座標系における任意の2座標の量により実在する各反射球マーカの記号を各座標系に対してコンピュータにより自動的に対応させれば、対象から外れたマーカは自動的にゴーストマーカとして認識され、その座標値を廃棄する。以上の工程により真の反射球マーカを特定し、対応づけられた各座標系の対応する2座標から写像変換式を求めて画像表示装置等に合成することができる。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明のシステムにおける前記内部撮像装置が、MRI撮像装置、CTスキャン装置、X線撮像装置の何れかである。
本発明の反射球マーカには造影剤が充填されているため、反射球マーカを含む撮影領域内を上記装置のいずれかを用いて撮影しても断層画像に円形状のマークが現れ、コンピュータ画像処理により撮像画像から前記円形状のマークの位置座標を求めることができる。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明のシステムにおける前記第1の量および前記第2の量が、マーカ相互間の位置ベクトルである。
例えば、本発明の撮像画像内の各マーカの撮像座標から任意の2つを選定して該座標間のベクトル量として第1の量を規定し、本発明の位置測定装置により実測したマーカ位置座標のうち任意の2つを選定して該座標間のベクトル量として第2の量を規定することができる。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明のシステムにおける前記第1の量および前記第2の量が、マーカ相互間の距離である。
例えば、本発明の撮影画像内の各マーカの撮像座標から任意の2つを選定して該座標間のスカラー量として第1の量を規定し、本発明の位置測定装置により実測したマーカ位置座標のうち任意の2つを選定して該座標間のスカラー量として第2の量を規定することができる。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明のシステムにおける前記一定条件は、内部画像から算出したマーカ相互間の距離と、光学式位置計測装置の実際の計測に基づいて算出したマーカ相互間の距離との相対比がほぼ一定、あるいは所定の範囲内の値となる条件を満たすことである。
例えば、各座標系において2つのマーカ間の距離(第1のスカラー量と第2のスカラー量と称す)を全て求め、第1のスカラー量と第2のスカラー量の比がほぼ一定の範囲に含まれるものと、一定の範囲には含まれないものとを分別し、前者は現実のマーカに関するものであり、後者はゴーストマーカに関するものであると判断することができる。このようにして、実在のマーカのみを特定して画像合成のための写像変換式を求めることができる。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明のシステムは、前記対応付が行われた各反射球マーカの位置座標を用いて絶対座標系を形成するための電磁的又は電子的に読み取り可能な形式のデータファイルを作成する機能を有する。
各座標系の各反射球マーカの位置座標が確定すれば、絶対座標系を形成することができ、例えば、この座標データをコンピュータ内の記憶装置等に保存することにより、コンピュータを用いて自動的に絶対座標系を形成することができる。それによって、患者や光学式位置計測装置が移動してもコンピュータにより自動的に写像変換処理を行うことができ、再度各座標系における位置合わせを行う必要がない。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、本発明の方法は、患部の内部画像を取得する内部撮像装置と、内部に造影剤が充填され該表面に反射膜を有するm個(mは3以上の整数)の反射球マーカと、前記反射球マーカからの信号を感知して患部の位置を計測するための光学式位置計測装置と、データ処理用コンピュータとからなる手術用ナビゲーションシステムにおいて、内部画像と光学式位置計測の各反射球マーカの位置に対して対応付けを行う画像合成方法であって、
患部周辺に前記反射球マーカを取り付け、
内部撮像装置によって該反射球マーカを含む患部の画像を撮像し、
光学式位置計測装置によって該反射球マーカを含む患部の実測系の座標から前記反射球マーカの位置座標を実測し、
前記データ処理用コンピュータによって、内部撮像装置による画像の座標系から反射球マーカの各位置座標を求め、該反射球マーカ相互の位置関係を表す第1の量を算出し、光学式位置計測装置が実測した反射球マーカの各位置座標から反射球マーカ相互の位置関係を表す第2の量を算出し、
第1の量と第2の量の相対比が所定の範囲で一定となるような各座標系における位置座標を真の反射球マーカを表す位置座標と判断し、真の反射球マーカを表す画像のデータのみを用いて前記2つの座標系の対応付けを行う。
例えば、本発明の手術用ナビゲーションシステムでは、MRIによる撮像画像系と実際に計測される空間座標系とを同一座標上に画像表示するため、常に患部の撮像と患部の位置座標計測を同時に行う必要がある。これを実施するため、画像撮像用に配置されたマーカと光学式位置計測装置によりマーカの位置座標を測定するために配置された反射球とが一体化された反射球マーカを利用して各座標系上の対応する座標から写像変換式を求める必要がある。そのとき、撮像画像系において、マーカと誤認されるような形状の皮膚又は患部の一部分による形状が画像上に存在する場合のゴーストマーカと、実際に計測される空間座標系において、光学式位置計測装置が有する測定精度に起因した赤外線等の反射信号の反射点位置の誤測による誤測マーカとを含む各座標系のマーカを対応させることが問題となる。そこで、前記ゴーストマーカを含めた撮像画像系の任意の2つのマーカの位置座標の距離と前記誤認マーカを含めた実測系の任意の2つのマーカの位置座標の距離との相対比を計算して一定となるように、対応する任意の2つのマーカ位置座標を特定することができる。従って、特定した対応する位置座標以外の位置座標データは前記ゴーストマーカ及び誤認マーカとして推認される。
以上のような方法で、MRIによる画像系の座標と実測系の座標とをコンピュータにより自動的に計算し画像表示装置に合成表示することができる。
図1は、本発明による反射球マーカ1を図示している。反射球マーカは、これに限定されないが、例えば、OpenMRIを用いた開頭手術において患部近傍に配置され、外表面には光学式位置計測装置から送出された赤外線等の信号を反射する反射膜(図2の符号5を参照)を有し、その内部にはX線撮像等により写し出される造影剤を有している。また、その表面には術部近傍の頭蓋骨の一部に穴を開けて挿入及び固定するための突起部2も有する。その穴の大きさは例えば直径が1mm程度で十分である。
図2は、当該反射球マーカ内部のX軸の断面構造を図示している。前記反射球マーカ内の、例えば非磁性体の外郭部4で覆われた斜線部で示される部分3は、予め所定の球形状に鋳造された、例えば、Gd−DTPA等の造影剤であり、粘性が高いため当該球形状が崩れ難い特性を有する。
本発明の反射球マーカの製造工程は、前記球状の造影剤3をX軸で二分された斜線部分4で取囲むように密着形成する。これにより前記反射球マーカ内部に造影剤以外の空隙部が生じることはなく、造影剤の内部密度の高い反射球マーカを提供することができる。
図3は、OpenMRI10を備えた手術室の様態を図示している。手術台上の患者13はOpenMRI10の方向に平行移動してそのまま患部の撮像が可能である。光学式位置計測装置14は、術部に固定配置された(図示されていない)反射球マーカの表面反射膜から反射された赤外線等の信号を受信可能な位置計測カメラ16を具備し、実測値に基づく前記患部の位置座標データを画像処理用コンピュータ18に送信し、それを介して接続される三次元表示可能な画像表示装置15上で表示する。
当該手術ナビゲーションを行う手順としては、第1に患者13の術部に3個以上の反射球マーカを固定配置する。次いで、OpenMRI10により撮像を行って該撮像画像上の前記反射球マーカの該画像系の位置座標データをコンピュータによる画像処理で取得する。さらに、光学式位置計測装置を用いて反射球マーカへの赤外線信号等を送受信して患部の実測系の位置座標データを取得する。
図4は、一例として、開頭手術において頭皮20が患部近傍で剥離されて頭皮クリップ21で固定されており、該頭皮クリップ21で固定された範囲内の脳の一部23の周辺に3つの反射球マーカA、B、Cが設置されている図を示している(反射球マーカは任意の患部に設置できる)。当該2つの取得した座標系の位置座標は同心状の映像に関するものであるため、コンピュータ処理で自動的に各反射球マーカを対応させて表示装置15上で前記2つの座標系の位置座標を重ね合せることができる。この方法によれば、特許文献1に記載されたように、第1に、3つの反射球マーカA、B、Cが形成する平面を基準断面としてOpenMRIにより撮影を行う。前記平面の垂直軸を加えた取得される断層像の三次元データは全て基準断面を基にした座標系データとして画像処理用コンピュータ18を介して画像表示装置15に取り込まれて表示される。
一方、前記固定配置された反射球マーカからの反射信号を認識するための固有の二次元座標系上に映像を撮像することができる複数のTVカメラを、光軸が交差するように配置する。TVカメラ毎の座標系の位置関係は固定されているので、3つの反射球マーカはすべて三次元の実測座標値(xai,yai,zai)(i=1,2,3)に変換することができる。
本発明ではMRIによる撮影用マーカ、及び光学式位置計測装置による信号部材を一体化した前記反射球マーカを使用するため、前記実測座標値と前記MRIによる撮像座標データとの間で直接的に関係式を求めることができ、前記実測座標データを画像処理用コンピュータ18に送信してコンピュータ上で前記関係式を計算させることにより同一画像上で重ね合わせることができる。それに関わる写像変換式を求めることは当業者には周知である。
しかし、現実的には、MRIによる撮像では、反射球マーカと類似形状の撮像が現れることが多く、撮像による座標系にはいわゆるゴーストマーカが存在することになる。また、光学式位置計測装置による実測系においてもTVカメラの有する固有の精度に起因して該カメラが反射信号を認識する際に反射点を誤認することもあり、その場合は、対象数の反射球マーカよりも多くの実測座標を認識することになる。
この場合、両座標系において認識された反射球マーカの対応付けが重要となる。以下に本発明による改良された反射球マーカを対応づける方法を例示する。以下の処理はコンピュータにより自動的に計算処理される。
まず、画像系において反射球マーカが存在すると認識した反射球マーカ群Iの各位置座標Ii(iは1〜m:mは認識された反射球マーカ数)に対して、2つの反射球マーカの全ての組み合わせについて、それぞれの位置座標から当該2つの反射球マーカの距離(スカラー量)を求める。
図5は、MRIによる術野における撮像画像内で5つの反射球マーカを検出した場合(上記m=5の場合)を例示している。黒丸印は実際の反射球マーカであり白丸印はゴーストマーカを示している。上記反射球マーカ群Iは(I1、I2、I3、I4、I5)である。ここで、任意の2座標からスカラー値Siを求める。例えば、I1とI2の2座標間のスカラーはSi12(=Si21)=|I1−I2|であり、以下同様に各スカラー値を求める。すると、10通りのスカラー値が求まる。
続いて、実測系において光学式位置計測装置により反射球マーカが存在すると認識した反射球マーカ群Pの各位置座標Pi(iは1〜n;nは認識された反射球マーカ数)に対して、前記同様に、2つの反射球マーカの全ての組み合わせについて、反射球マーカの位置座標から各々の距離(スカラー量)を求める。
図6は、光学式位置計測装置による測定で4つの反射球マーカを検出した場合(上記n=4の場合)を例示している。上記反射球マーカ群Pは(P1、P2、P3、P4)である。ここで、全ての2座標からスカラー値Piを求める。例えば、P1とP2の2座標間のスカラーはSp12(=Sp21)=|P1−P2|であり、以下同様に各スカラー値を求める。すると、6通りのスカラー値が求まる。
図5及び図6においては、図5のSi14(=Si41)、Si13(=Si31)、Si34(=Si43)の反射球マーカと図6のSp23(=Sp32)、Sp24(=Sp42)、Sp43(=Sp34)の反射球マーカとがそれぞれ相対比が等しくなり、I1、I4、I3とP2、P3、P4とがそれぞれ対応する反射球マーカとして認識され、画像系の位置座標I2、I5、及び実測系の位置座標P1のデータは、それぞれゴーストマーカとして廃棄される。
最後に実際の反射球マーカ数はわかっているので、この値を用いて各距離の対応する測定スカラー値の相対比が等しく又は所定の誤差範囲となるように両座標系における反射球マーカを対応づけさせることも可能である。
このようにして、I1=P2,I3=P4,I4=P3の各反射球マーカの位置座標データはコンピュータ内の記憶装置内で記憶される。本発明によるシステムは、当該位置座標データを用いて絶対位置座標系を形成するためのデータファイルを自動的に作成する機能を有しており、該データファイルを作成した後は、患者の姿勢の変化又は前記光学式位置計測装置の移動による変化量を前記絶対座標系と対応させることができる。したがって、反射球マーカの位置が固定されている限り、前述したような表示装置上に座標系の位置合わせをする必要がなくなる。前記ファイルは電磁的又は電子的に読みとり可能な形式で作成される。よって、常時写像変換式を求めて同一画像上で自動的に画像合わせを行うことができる。
図1は、本発明の反射球マーカの外観図である。 図2は、X軸に対する本発明の反射球マーカの内部断面図である。 図3は、OpenMRIを備えた手術用ナビゲーションシステムの全体図である。 図4は、開頭手術における患部近傍の頭蓋骨に本発明の反射球マーカを設置している図を示している。 図5は、MRIによる撮像画像において検出されたゴーストマーカを含んだ本発明による反射球マーカの配置図である。 図6は、光学式位置計測装置により検出されたゴーストマーカ(誤認マーカ)を含んだ本発明による反射球マーカの配置図である。
符号の説明
1 反射球マーカ
2 突起部
3 造影剤
4 非磁性体反射球マーカ外郭部
5 反射膜
10 OpenMRI
12 手術台
13 患者
14 光学式位置計測装置
15 表示装置
16 位置計測用カメラ
18 コンピュータ
20 頭皮
21 頭皮クリップ
22 頭蓋骨
23 脳の一部
A〜C 反射球マーカ
I1、I3、I4、P2、P3、P4 実在の反射球マーカ
I2、I5、P1 ゴースト反射球マーカ(誤認反射球マーカ)

Claims (9)

  1. 外表面に光学反射膜を有し、内部に球状の空洞部を画成する球状の外皮と、
    該空洞部と同形状の鋳造型で成形され、前記外皮の球状の空洞部に収容された造影剤からなる手術用ナビゲーションシステムに用いるための反射球マーカ。
  2. 前記外表面に固定のための突起部を有する請求項1に記載の反射球マーカ。
  3. 患部の内部画像を取得する内部撮像装置と、内部に造影剤が充填され該表面に反射膜を有するm個(mは3以上の整数)の反射球マーカと、前記反射球からの信号を感知して患部の位置を計測するための光学式位置計測装置と、データ処理用コンピュータとからなる手術用ナビゲーションシステムであって、
    前記データ処理用コンピュータは、
    患部の内部画像に含まれる複数の反射球マーカの画像に基づいて、該反射球マーカ相互の位置関係を表す第1の量を算出し、
    前記光学式位置計測装置が計測した複数の反射球マーカに対する計測値に基づいて、該反射球マーカ相互の位置関係を表す第2の量を算出し、
    第1の量と第2の量が一定条件を満足する反射球マーカの画像は真の反射球マーカを表すものと判断し、第1の量と第2の量が前記一定条件を満足しない反射球マーカの画像はゴーストであると判断し、
    真の反射球マーカを表す画像のデータを用いて内部画像と光学式位置計測装置の画像との間の対応付けを行う手術用ナビゲーションシステム。
  4. 前記内部撮像装置が、MRI撮像装置、CTスキャン装置、X線撮像装置の何れかである請求項3に記載のシステム。
  5. 前記第1の量および前記第2の量が、マーカ相互間の位置ベクトルである請求項3又は4に記載のシステム。
  6. 前記第1の量および前記第2の量が、マーカ相互間の距離である請求項3又は4に記載のシステム。
  7. 前記一定条件は、内部画像から算出したマーカ相互間の距離と、光学式位置計測装置の実際の計測に基づいて算出したマーカ相互間の距離との相対比が所定の範囲に含まれることである請求項5又は6に記載のシステム。
  8. 前記対応付が行われた各反射球マーカの位置座標を用いて絶対座標系を形成するための電磁的又は電子的に読み取り可能な形式のデータファイルを自動的に作成する機能を有する請求項3ないし7に記載のシステム。
  9. 患部の内部画像を取得する内部撮像装置と、内部に造影剤が充填され該表面に反射膜を有するm個(mは3以上の整数)の反射球マーカと、前記反射球マーカからの信号を感知して患部の位置を計測するための光学式位置計測装置と、データ処理用コンピュータとからなる手術用ナビゲーションシステムにおいて、内部画像と光学式位置計測の各反射球マーカの位置に対して対応付けを行う画像合成方法であって、
    患部周辺に取り付けた前記反射球マーカを含む患部を内部撮像装置によって撮像した画像における座標系から前記反射球マーカの各位置座標を求め、該反射球マーカ相互の位置関係を表す第1の量を算出し、
    光学式位置計測装置によって実測した前記反射球マーカの座標系から前記反射球マーカの各位置座標を求め、該反射球マーカ相互の位置関係を表す第2の量を算出し、
    第1の量と第2の量の相対比が所定の範囲で一定となるような各座標系における位置座標を真の反射球マーカを表す位置座標と判断し、真の反射球マーカを表す画像のデータのみを用いて前記2つの座標系の対応付けを前記データ処理用コンピュータによって行う方法。
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